JP5963352B2 - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータを有する車両用自動変速機の制御装置に関し、特に、ロックアップクラッチのスリップ制御を行う制御装置に関する。
車両用の自動変速機では、例えば特許文献1,2に示すように、トルクコンバータ内にエンジンの出力軸と自動変速機の入力軸とを機械的に連結可能なロックアップクラッチを設けている。そして、一定の条件下でロックアップクラッチを締結することにより、エンジン回転数を低く抑えて燃費の改善を図ることが行われている。
通常、ロックアップクラッチは、自動変速機で設定される変速段が所定の変速段のときに係合される。しかしながら、ロックアップクラッチが完全係合されると上記入力軸と出力軸との間で伝達されるショックやトルク変動を吸収できない。そのため、運転状態に応じてロックアップクラッチを完全係合させずに滑らせるスリップ制御が行われている。このようなスリップ制御では、例えば、変速段に対応してロックアップクラッチのスリップ率の運転状態に応じた目標スリップ率を記憶しておき、実スリップ率が目標スリップ率となるようにロックアップクラッチの締結容量を制御(フィードバック制御)する。
すなわち、複数種類の目標エンジン回転数(ロックアップクラッチの目標入力回転数)及び目標スリップ率を予め記憶しておく。そして、車両の走行状態に基づいて、記憶している複数の目標エンジン回転数から一の目標エンジン回転数を選択し、この選択した目標エンジン回転数に対してロックアップクラッチの実スリップ率を追従させるように制御する。
特開2012−62998号公報 特開平01−098759号公報
そして、上記のようなロックアップクラッチのスリップ制御では、変速機構による変速中には、変速後(次変速段)のメインシャフト回転数とエンジンのスロットル開度から求まる目標エンジン回転数(変速後の目標エンジン回転数)を用いてスリップ制御を行うようにしている。すなわち、変速機構による変速制御の開始時点で次段の目標エンジン回転数を算出し、この次段の目標エンジン回転数を用いて変速中のロックアップクラッチのスリップ制御を行っている。このような制御を行うことで、ロックアップクラッチの制御における応答遅れの影響を低減するようにしている。
この場合、特に変速開始の直後には、変速後のメインシャフト回転数が変速前(又は変速中)のメインシャフト回転数と比較して低い値となる領域がある。このような領域では、変速後のメインシャフト回転数から算出した目標エンジン回転数をそのまま用いてロックアップクラッチのスリップ制御を行うことができない。そこで、変速中のロックアップクラッチのスリップ制御では、変速後の目標エンジン回転数に対して予め下限値を設定しておき、変速後の目標エンジン回転数がこの下限値を下回る場合には、ロックアップクラッチのスリップ制御に用いる目標エンジン回転数として、変速後の目標エンジン回転数ではなく、現在のメインシャフト回転数に予め定めた最少スリップ回転数(エンジン回転数とメインシャフト回転数との差の最小値)を加算した回転数を用いるようにしている。
しかしながら、上記従来の制御手法では、変速後の目標エンジン回転数が上記の下限値を下回る場合には、変速中の目標エンジン回転数がメインシャフト回転数(ロックアップクラッチの出力回転数)とほぼ同等の値となってしまう。そのため、本来的にはエンジン回転数とメインシャフト回転数の差を確保してロックアップクラッチを滑らせて制御したい領域でも、ロックアップクラッチのスリップ率がタイトになるようなフィードバック制御が行われてしまうという問題があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、変速中のロックアップクラッチの目標入力回転数を適切に設定することができ、ロックアップクラッチのスリップ制御をより高精度に行うことができる自動変速機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明は、車両に搭載したエンジン(1)と有段式の変速機構(2a)との間に設けたロックアップクラッチ(40)付きのトルクコンバータ(3)と、作動油を調圧して変速機構(2a)及びトルクコンバータ(3)に供給する油圧制御装置(6)と、油圧制御装置(6)の供給油圧を制御することで、変速機構(2a)による変速段の設定及びロックアップクラッチ(40)の締結状態を制御する制御手段(5)と、を備える車両用自動変速機の制御装置であって、制御手段(5)は、予め定めたロックアップクラッチ(40)の複数の目標入力回転数及び目標スリップ率を記憶した記憶手段(55)と、車両の走行状態に基づいて記憶手段(55)に記憶された複数の目標入力回転数から選択した一の目標入力回転数である第1目標入力回転数(NE1)を設定する目標入力回転数設定手段(5)と、目標入力回転数設定手段(5)によって設定された目標入力回転数に対してロックアップクラッチ(40)の実入力回転数(NE0)を追従させるように該ロックアップクラッチ(40)のスリップ制御を行うスリップ制御手段(5)と、変速機構(2a)での変速中に行うロックアップクラッチ(40)のスリップ制御において、第1目標入力回転数(NE1)を現在のロックアップクラッチ(40)の出力回転数(NM2)と変速後の目標スリップ率(S)から求めた第2目標入力回転数(NE2)に置き換える目標入力回転数置換手段(5)と、を備えることを特徴とする。
本発明にかかる自動変速機の制御装置によれば、変速機構での変速中に行うロックアップクラッチのスリップ制御において、予め定めた第1目標入力回転数を現在のロックアップクラッチの出力回転数と変速後の目標スリップ率から求めた第2目標入力回転数に置き換えるようにしたので、目標入力回転数が予め設定した下限値を下回ることを回避できる。したがって、従来制御の課題であった変速中のロックアップクラッチの目標入力回転数が出力回転数とほぼ同等の値となることを防止できる。これにより、変速中のロックアップクラッチのスリップ制御において、ロックアップクラッチの入力回転数と出力回転数の差を確保することができ、ロックアップクラッチを所望のスリップ率で制御することが可能となる。
また、本発明にかかる上記の制御装置では、現在のロックアップクラッチの出力回転数と変速後の目標スリップ率から求めた第2目標入力回転数を用いてロックアップクラッチのスリップ制御を行うことで、目標入力回転数に目標スリップ率の要素が含まれるようになる。したがって、第2目標入力回転数は、ロックアップクラッチの差回転要素の特性及びトルクコンバータの特性が考慮された値となる。したがって、第1目標入力回転数を用いる場合と比較して、変速中のロックアップクラッチのフィードバック制御をより高精度に行うことが可能となる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態における構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
本発明にかかる自動変速機の制御装置によれば、変速中のロックアップクラッチのスリップ制御において、ロックアップクラッチの目標入力回転数を適切に設定することができ、ロックアップクラッチのフィードバック制御をより高精度に行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる自動変速機の制御装置を備える車両の駆動系の概略図である。 トルクコンバータ及び変速機構の制御を行うための油圧制御装置(油圧回路)を示す図である。 変速段決定シーケンスの全体フローを示すフローチャートである。 変速中のロックアップクラッチのスリップ制御における目標エンジン回転数の算出フロー(本願発明の制御フロー)を示す図である。 目標エンジン回転数のマップを示す図である。 変速中のロックアップクラッチのスリップ制御における従来の目標エンジン回転数の算出フロー(従来技術の制御フロー)を示す図である。 アップシフト変速時のロックアップクラッチのスリップ制御に伴う各値の変化を示すタイミングチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる自動変速機の制御装置を備える車両の駆動系の概略図である。また、図2は、後述するトルクコンバータ3及び油圧制御装置(油圧回路)6を示す図である。図1に示すように、本実施形態の車両は、エンジン1と、流体式のトルクコンバータ3を介してエンジン1と連結される自動変速機2とを備える。自動変速機2は、複数段(例えば、前進6速段・後進1速段)の有段式の変速機構2aを備えている。また、この車両は、エンジン1を制御するFI−ECU4と、トルクコンバータ3を含む自動変速機2を制御するAT−ECU(制御手段)5と、トルクコンバータ3の回転駆動や後述するロックアップクラッチ40の締結制御、および自動変速機2の変速機構2aが備える複数の摩擦係合要素の締結(係合)・解放を制御するための油圧制御装置6とを備えている。
エンジン1の回転出力は、クランクシャフト(エンジン1の出力軸)26に出力される。クランクシャフト26の回転は、トルクコンバータ3を介して自動変速機2のメインシャフト27に伝達される。
自動変速機2の変速機構2aは、メインシャフト27とカウンタシャフト28との間に設けた複数の変速段に対応する複数の歯車列(ギヤトレーン)と、複数のクラッチ(摩擦係合要素)とを備える。各歯車列は、一対の駆動歯車と従動歯車とから構成される。なお、変速機構2aの詳細な構成は、本発明の特徴部分ではないため、スケルトン図等を用いた詳細な説明を省略するが、当業者は、公知の変速機構の構成を適宜採用することができる。
自動変速機2のクランクシャフト26の近傍には、クランクシャフト26(エンジン1)の回転数Neを検出するクランクシャフト回転数センサ201が設けられる。メインシャフト27の近傍には、メインシャフト27の回転数(自動変速機2の入力軸回転数)Niを検出するメインシャフト回転数センサ202が設けられる。カウンタシャフト28の近傍には、カウンタシャフト28の回転数(自動変速機2の出力軸回転数)Noを検出するカウンタシャフト回転数センサ203が設けられる。各回転数センサ201〜203により検出された回転数データは、AT−ECU5に出力される。また、車速Nvを検出するための車速センサ204が設けられる。車速センサ204により検出された車速データは、AT−ECU5に出力される。さらに、エンジン1のスロットル開度THを検出するスロットル開度センサ206が設けられる。スロットル開度センサ206により検出されたスロットル開度データは、FI−ECU4に出力される。なお、図示は省略するが、エンジン1に供給される空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温度センサや空気流量を検出する流量センサ等も設けられている。
アクセルペダル8の近傍には、アクセルペダル8の開度(アクセルペダル開度)APを検出するアクセルペダル開度センサ207が設けられる。アクセルペダル開度センサ207により検出されたアクセルペダル開度データは、FI−ECU4に出力される。また、油圧制御装置6内の図示しないオイルタンクの近傍には、自動変速機2(油圧制御装置6)の作動油(ATF)の油温TAを検出する油温センサ208が設けられる。油温センサ208により検出されたATFの温度(油温)データは、AT−ECU5に出力される。
また、本実施形態の車両は、運転者によりシフトレバーを介して操作されるシフト装置60を備える。シフト装置60におけるシフトレバー(図示せず)のポジションには、図1に示すように、例えば、P(パーキング)、R(後進走行)、N(ニュートラル)、D(自動変速モード(ノーマルモード)での前進走行)、S(スポーツモードでの前進走行)などがある。シフト装置60の近傍には、シフトレバーポジションセンサ205が設けられる。シフトレバーポジションセンサ205は、運転者によって操作されるシフトレバーのポジションを検出する。
FI−ECU4は、上記の各センサ202〜208から入力された検出データやAT−ECU5から入力される各種データに基づいて、エンジン1の出力、すなわちエンジン1の回転数Neを制御する。
メインシャフト27の回転トルクは、図1では図示しないクラッチおよび歯車列、セカンダリシャフトやアイドルシャフトの歯車列等を介してカウンタシャフト28に伝達される。また、カウンタシャフト28の回転トルクは、図1では図示しない歯車列およびディファレンシャル機構を介して車両の駆動輪に伝達される。
トルクコンバータ3は、流体(作動油)を介してトルクの伝達を行うものである。トルクコンバータ3は、図1及び図2に示すように、フロントカバー35と、フロントカバー35と一体に形成されたポンプ翼車(ポンプインペラ)31と、フロントカバー35とポンプ翼車31との間でポンプ翼車31に対向配置されたタービン翼車(タービンランナ)32と、ポンプ翼車31とタービン翼車32との間に介設され、かつ一方向クラッチ33を介してステータ軸(固定軸)38上に回転自在に支持されたステータ翼車34とを有する。図1に示すように、クランクシャフト26は、フロントカバー35を介してトルクコンバータ3のポンプ翼車31に接続され、タービン翼車32はメインシャフト(自動変速機2の入力軸)27に接続される。
タービン翼車32とフロントカバー35との間には、ロックアップクラッチ40が設けられている。ロックアップクラッチ40は、油圧制御装置6の制御でフロントカバー35の内面に向かって押圧されることによりフロントカバー35に係合(締結)し、押圧が解除されることによりフロントカバー35との係合が解除されるロックアップ制御を行う。フロントカバー35およびポンプ翼車31により形成される容器内には、作動油(ATF:Automatic Transmission Fluid)が封入されている。
油圧制御装置(油圧回路)6は、オイルタンク(図示せず)の作動油を供給するオイルポンプOP、オイルポンプOPからの供給圧をライン圧に調圧するレギュレータバルブ21、レギュレータバルブ21で調圧された作動油を更に調圧してトルクコンバータ3に供給するトルコン調圧バルブ22、トルコン調圧バルブ22で調圧された作動油の第1油室37及び第2油室38への供給制御を行うLCシフトバルブ23、第2油室38に供給される作動油の油圧を制御するLCコントロールバルブ24、LCコントロールバルブ24に信号圧を供給するためのリニアソレノイド25などを備える。
AT−ECU5は、各センサ202〜208から入力された検出データやFI−ECU4から入力された各種データに基づいて、油圧制御装置6を制御する。したがって、油圧制御装置6は、自動変速機2の変速機構2aが有する図示しない複数の摩擦係合要素(クラッチ)それぞれにライン圧PL(作動油圧)の作動油を供給する。これにより、複数の摩擦係合要素の締結・解放(係合作動)を選択的に行わせて、複数の変速段のいずれかの変速段に設定することができる。
また、油圧制御装置6は、トルクコンバータ3のポンプ翼車31に作動油圧の作動油を供給することにより、クランクシャフト26の回転駆動をメインシャフト27にどの程度伝達させるかを示すスリップ率を制御するとともに、ロックアップクラッチ40の油室37,38に作動油圧の作動油を供給することにより、車両の巡航走行時など所定の条件下、ロックアップクラッチ40を係合(締結)させるように制御する。
すなわち、ロックアップクラッチ40では、第1油室37と第2油室38の差圧によってロックアップ容量(ロックアップクラッチ40の締結力)が生じる。すなわち、オイルポンプOPから吐出された作動油の吐出圧(ライン圧)は、トルコン調圧バルブ22で調圧され、この調圧された作動油が図2の内圧P1で示すように、トルクコンバータ3の内部を経由してロックアップクラッチ40の第1油室37に流れ込む。一方、トルコン調圧バルブ22で調圧された作動油は、LCコントロールバルブ24で必要圧に調圧され、図2のピストン圧P2に示すように、LCシフトバルブ23を介してロックアップクラッチ40の第2油室38に流れ込む。
LCシフトバルブ23は、第2油室38への油圧をオンオフ制御することで、ロックアップクラッチ40のオンオフ(締結/解除)を切り替える。一方、LCコントロールバルブ24には、パイロット圧としてのリニアソレノイド圧P3がかかるようになっている。このリニアソレノイド圧P3でLCコントロールバルブ24の調圧ポイントを変えることで、第2油室38の内圧がコントロールされる。これにより、ロックアップクラッチ40の締結力が調節されてスリップ制御が行われる。
また、油圧制御装置6は、変速機構2aのメインシャフト27やカウンタシャフト28、図示しないセカンダリシャフトやアイドルシャフトを潤滑するための潤滑油をメインシャフト27およびカウンタシャフト28などに供給する。
次に、AT−ECU5による自動変速機2の変速段決定の制御手順について説明する。図3は、AT−ECU5による変速段決定シーケンスの全体フローを示すフローチャートである。この全体フローは、車両の走行中に所定の時間毎に行われる。
変速段決定の制御では、まず、AT−ECU5は、登降坂判定処理を実行する(ST1−1)。すなわち、AT−ECU5は、車速Nvとエンジン負荷(スロットル開度センサ206により検出されたスロットル開度TH)とに基づいてAT−ECU5が有するメモリ55に記憶されたマップ上の規範加速度(予想加速度)を特定し、特定した規範加速度と実加速度との差に応じて、登降坂度合い(勾配)を推定する。
次いで、AT−ECU5は、路面μ判定処理を実行する(ST1−2)。すなわち、AT−ECU5は、車速センサ204により検出された車速Nv、図示しない車輪速センサにより検出された各車輪の車輪速度Nw、アクセルペダル開度センサ207により検出されたアクセルペダル開度AP、シフトレバーポジションセンサ205により検出されたシフトレバーポジション、ST1−1において推定された登降坂度合い(推定勾配)などに基づいて、路面μ(路面摩擦係数)を判断する。
次いで、AT−ECU5は、シフトマップ選択処理を実行する(ST1−3)。すなわち、AT−ECU5は、自動変速機2において現在設定されている変速段、上記登降坂度合い、アクセル操作、図示しないブレーキセンサにより検出されたブレーキ操作等に基づいて、AT−ECU5のメモリ内に記憶されている複数のシフトマップ群から走行路に適した一のシフトマップを選択する。
次いで、AT−ECU5は、変速段決定処理を実行する(ST1−4)。すなわち、AT−ECU5は、ST1−3において選択されたシフトマップを基準にして、シフトレバーの操作や変速禁止条件などを加味して、最終の変速段を決定する。
次いで、AT−ECU5は、クラッチ圧制御処理を実行する(ST1−5)。すなわち、AT−ECU5は、油圧制御装置6を制御することにより、ST1−4において決定された変速段に基づいて、当該変速段のクラッチ圧を制御して、最終の変速段を締結させるように油圧制御装置6を制御する。
次いで、AT−ECU5は、Fi協調制御処理を実行する(ST1−6)。すなわち、AT−ECU5は、最終の変速段の設定時に、エンジン1の制御と協調して、入力トルクを制御する。
次いで、AT−ECU5は、LC領域判断処理を実行する(ST1−7)。すなわち、AT−ECU5は、ST1−1において推定された登降坂度合い、ST1−4において決定された最終変速段、アクセル操作、ブレーキ操作等に基づいて、トルクコンバータ3のロックアップクラッチ40のLC(ロックアップ)制御を決定する。このLC制御の決定としては、アクセルペダル開度センサ207により検出されたアクセルペダル開度AP(もしくは、スロットル開度センサ206により検出されたスロットル開度TH)と、車速センサ204により検出された車速Nvとに基づいて、ロックアップ可能領域であるかを判断し、その判断結果に応じて、ロックアップクラッチ40をオフにするか、スリップ制御(加速または減速)にするか、タイト制御(ロックアップクラッチ40のオン制御(完全締結制御))にするかなどが決定される。
最後に、AT−ECU5は、ロックアップクラッチ40に供給する油圧の制御処理(LC圧制御処理)を実行する(ST1−8)。すなわち、AT−ECU5は、ST1−7において判断されたLC制御に基づいて、油圧制御装置6において設定されるロックアップクラッチ40への供給油圧を制御する。このLC圧制御処理を終えると、AT−ECU5は、変速段決定シーケンスの全体フローを終了し、次の処理を実行するタイミングまで待機する。
そして、本実施形態の制御装置では、上記のLC領域判断処理(ST1−7)及びLC圧制御処理(ST1−8)において、LC制御必要圧を決定するために、AT−ECU5内のメモリ55に格納された複数の目標スリップ率マップから、変速段やアクセルペダル開度など車両の状態を示すデータに応じて、一の目標スリップ率マップを選択する。そして、この選択した目標スリップ率マップ上のスリップ率に対して、ロックアップクラッチ40の実スリップ率を追従させるように制御する。このとき、下記で説明する変速時のスリップ制御を行う。なお、AT−ECU5は、本発明にかかる目標入力回転数設定手段、スリップ制御手段、目標入力回転数置換手段などとして機能する。
図4は、変速中のロックアップクラッチ40のスリップ制御における目標エンジン回転数の算出フローを示す図である。変速中のロックアップクラッチ40のスリップ制御では、スロットル開度センサ206で検出したエンジン1のスロットル開度THと変速後のメインシャフト回転数NM1とから(ST2−1)、目標エンジン回転数マップを参照して(ST2−2)、第1目標エンジン回転数NE1(ST2−3)を算出する。図5は、目標エンジン回転数のマップを示す図である。目標エンジン回転数のマップは、メインシャフト回転数とスロットル開度の二次元マップである。この二次元マップから第1目標エンジン回転数NE1が算出される。そして、算出した第1目標エンジン回転数NE1を用いて変速後の目標スリップ率ETRTを算出する(ST2−4)。変速後の目標スリップ率ETRTは、下記の(式1)で求まる。
ETRT=変速後のメインシャフト回転数NM1
/第1目標エンジン回転数NE1 (式1)
その後、第2目標エンジン回転数NE2を算出する(ST2−5)。第2目標エンジン回転数NE2は、現在のメインシャフト回転数NM2(ST2−6)と変速後の目標スリップ率ETRTから下記の(式2)で求まる。
第2目標エンジン回転数NE2
=現在のメインシャフト回転数NM2/変速後の目標スリップ率ETRT (式2)
図6は、変速中のロックアップクラッチ40のスリップ制御における従来の目標エンジン回転数の算出フローを示す図である。なお、ここでは本願発明との比較のために図6を用いて従来制御の内容を説明するが、この図6を用いて説明する制御は、本願発明の制御に含まれるものではない。図6のフローに示す従来の目標エンジン回転数の算出では、まず、エンジン1のスロットル開度THと変速後のメインシャフト回転数NM1(ST3−1)とから目標エンジン回転数マップを参照して(ST3−2)、目標エンジン回転数(第1目標エンジン回転数NE1)を算出する(ST3−3)。ここでの目標エンジン回転数のマップは、図5に示すものと同じである。そして、算出した第1目標エンジン回転数NE1を用いて目標エンジン回転数の下限チェックを行う(ST3−4)。この下限チェックは、現在のメインシャフト回転数NM2と予め設定した最少スリップ回転数(ST3−5)を用いて下記の(式3)にて判断する。
第1目標エンジン回転数NE1
>現在のメインシャフト回転数NM2+最少スリップ回転数 (式3)
その結果、第1目標エンジン回転数NE1が下限値を上回っていれば(YES)、第1目標エンジン回転数NE1を目標エンジン回転数として設定する(ST3−6)。一方、第1目標エンジン回転数NE1が下限値を上回っていなければ(NO)、現在のメインシャフト回転数NM2に最少スリップ回転数を加えた回転数を目標エンジン回転数として設定する(ST3−7)。
図7は、N速段からN+1速段にアップシフト変速する場合のロックアップクラッチ40のスリップ制御に伴う各値の変化を示すタイミングチャートである。同図のタイミングチャートでは、変速機構2aによって設定されるシフト段(変速段)、実際のエンジン回転数(ロックアップクラッチ40の入力回転数)NE0、メインシャフト回転数(ロックアップクラッチ40の出力回転数)NM、変速中の上記第1目標エンジン回転数NE1及び第2目標エンジン回転数NE2それぞれの変化を示している。
本願発明にかかる目標エンジン回転数の算出制御では、変速機構2aの変速中に行うロックアップクラッチ40のスリップ制御において、既述のように、予め定めた第1目標エンジン回転数NE1を現在のメインシャフトの回転数と変速後の目標スリップ率から求めた第2目標エンジン回転数NE2に置き換えるようにしたので、図7のグラフに示すように、目標エンジン回転数(第2目標エンジン回転数NE2)が予め設定した下限値を下回ることを回避できる。したがって、目標エンジン回転数がメインシャフト回転数とほぼ同等の値となることを防止できる。これにより、変速中のロックアップクラッチ40のスリップ制御において、目標エンジン回転数(ロックアップクラッチ40の目標入力回転数)とメインシャフト回転数(出力回転数)の差を確保することができ、ロックアップクラッチ40を所望のスリップ率で制御することが可能となる。
以上説明したように、本発明にかかる制御によれば、変速機構2aの変速中に行うロックアップクラッチ40のスリップ制御において、予め定めた第1目標入力回転数NE1を現在のメインシャフト回転数NM2(ロックアップクラッチ40の出力回転数)と変速後の目標スリップ率Sから求めた第2目標エンジン回転数NE2に置き換えるようにしたので、目標エンジン回転数が予め設定した下限値を下回ることを回避できる。したがって、従来制御の課題であった変速中のロックアップクラッチ40の目標エンジン回転数(目標入力回転数)がメインシャフト回転数(出力回転数)とほぼ同等の値となることを防止できる。これにより、変速中のロックアップクラッチ40のスリップ制御において、ロックアップクラッチ40の入力回転数と出力回転数の差を確保することができ、ロックアップクラッチ40を所望のスリップ率で制御することが可能となる。
また、本発明にかかる制御では、現在のメインシャフト回転数NM2(ロックアップクラッチ40の出力回転数)と変速後の目標スリップ率Sから求めた第2目標エンジン回転数NE2を用いてロックアップクラッチ40のスリップ制御を行うことで、変速中の目標エンジン回転数(第2目標エンジン回転数NE2)にロックアップクラッチ40の目標スリップ率の要素が含まれるようになる。したがって、第2目標エンジン回転数NE2は、ロックアップクラッチ40の差回転要素の特性及びトルクコンバータ3の特性が考慮された値となる。したがって、第1目標エンジン回転数NE1を用いる場合と比較して、変速中のロックアップクラッチ40のフィードバック制御をより高精度に行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、本発明にかかる補正油圧の加算制御をN速段からN+1速段へのアップシフト変速の際に行う場合を示したが、本発明にかかる補正油圧の加算制御は、これ以外にも、N+1速段からN速段へのダウシフト変速の際にも行うようにしてよい。
1 エンジン
2 自動変速機
2a 変速機構
3 トルクコンバータ
4 AT−ECU(制御手段)
5 FI−ECU
6 油圧制御装置
40 ロックアップクラッチ
55 メモリ(記憶手段)
ETRT 目標スリップ率
NE0 エンジン回転数
NE1 第1目標エンジン回転数(第1目標入力回転数)
NE2 第2目標エンジン回転数(第2目標入力回転数)
NM1 変速後のメインシャフト回転数
NM2 現在のメインシャフト回転数

Claims (1)

  1. 車両に搭載したエンジンと有段式の変速機構を有する自動変速機との間に設けたロックアップクラッチ付きのトルクコンバータと、
    作動油を調圧して前記変速機構及び前記トルクコンバータに供給する油圧制御装置と、
    前記油圧制御装置の供給油圧を制御することで、前記変速機構による変速段の設定及び前記ロックアップクラッチの締結状態を制御する制御手段と、を備える車両用自動変速機の制御装置であって、
    前記制御手段は、
    予め定めた前記ロックアップクラッチの複数の目標入力回転数及び目標スリップ率を記憶した記憶手段と、
    車両の走行状態に基づいて前記記憶手段に記憶された複数の目標入力回転数から選択した一の目標入力回転数である第1目標入力回転数を設定する目標入力回転数設定手段と、
    前記目標入力回転数設定手段によって設定された目標入力回転数に対して前記ロックアップクラッチの実入力回転数を追従させるように該ロックアップクラッチのスリップ制御を行うスリップ制御手段と、
    前記変速機構での変速中に行う前記ロックアップクラッチのスリップ制御において、前記第1目標入力回転数を現在の前記ロックアップクラッチの出力回転数と変速後の目標スリップ率から求めた第2目標入力回転数に置き換えることで目標入力回転数が予め定めた下限値を下回らないようにする目標入力回転数置換手段と、を備えることを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
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