JP2011149524A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】登坂時のエンジン静寂性と燃料経済性の向上および高地での駆動力の確保。
【解決手段】路面勾配検出手段52は、アクセルペダル開度センサ207により検出されるアクセルペダル開度APATと車速センサ204に検出される車速Nvとに応じて、予想加速度および実加速度を求め、この差に応じて路面勾配を検出する。変速制御手段53は、各種検出データ等に基づいて、シフトマップを決定する。シフトマップ切換手段54は、路面勾配検出手段52により車両が登坂中であると検出された場合には、変速制御手段53により設定したシフトマップに比べ、車速Nvやアクセルペダル開度APATに対してロックアップクラッチのロックアップ領域を拡大させたシフトマップに切り換えるとともに、大気圧センサ209により測定される大気圧PAが所定値よりも低いときには、ロックアップ領域の拡大を禁止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、トルクコンバータのロックアップクラッチを車両の走行状態に応じて制御する自動変速機の制御装置に関し、より詳細には、車両の登坂中におけるロックアップクラッチの締結可能領域を拡大させる自動変速機の制御装置に関する。
従来、トルクコンバータを備える自動変速機を有する車両では、その走行時において、所定の運転領域ではトルクコンバータ内のロックアップクラッチ(以下、「LC」ともいう)を締結させることにより、エンジンの回転数を低く抑えて、車両の燃料経済性(燃費)の改善が図られている。
上記のような自動変速機では、車速およびアクセルペダル開度(またはスロットル開度)に基づいて変速段を設定するためのシフトマップ(変速マップ)が予め用意され、自動変速機を制御する電子制御装置(AT−ECU)内のメモリに格納されている。また、自動変速機がトルクコンバータを備える場合には、トルクコンバータのロックアップクラッチをオン/オフ制御するためにもこのシフトマップ(およびLCマップ)が用いられている。
ところで、車両が大きな勾配の登坂路を走行しているときには、通常のシフトマップを利用すると、ロックアップクラッチのオン/オフのハンチングが発生してしまうという問題がある。この問題を解決するために、登坂勾配が大きくなるほどロックアップ制御を行う車速(ロックアップ車速)を高く設定するように構成される自動変速機の制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4260445号公報
しかしながら、特許文献1に開示される自動変速機の制御装置では、登坂勾配が大きくなるほど、ロックアップ制御を行う車速が高くなってしまうため、ロックアップクラッチがオフとなる状況が多く発生してしまうという問題があった。車両の登坂時にロックアップクラッチがオフされると、以下のような問題も顕著となる。すなわち、トルクコンバータがスリップしながらエンジンの駆動力を自動変速機に伝達するため、エンジンの回転数が高くなってしまい、車両の静寂性や燃料経済性(燃費)が悪化してしまう。また、ユーザのアクセルペダルの踏み込みに対してダイレクトな走行感を得られない。さらに、トルク増幅をするために、レシオによっては自動変速機の出力において大きな駆動力が出てしまう領域がある。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の登坂時においてもエンジンの静寂性と燃料経済性を向上させることができ、また、高地においても駆動力を確保することができる自動変速機の制御装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様における自動変速機の制御装置は、駆動源(1)に連結する入力要素(21)と、自動変速機(2)に連結される出力要素(22)とを選択的にオン/オフ切替設定するロックアップクラッチ(35)を備えたトルクコンバータ(3)を有する自動変速機(2)の制御装置(5)であって、車両の車速(Nv)を検出する車速検出手段(204)と、アクセルペダル(8)の開度(APAT)を検出するアクセルペダル開度検出手段(207)と、車速検出手段(204)により検出される車速(Nv)と、アクセルペダル開度検出手段(207)により検出されるアクセルペダル(8)の開度(APAT)との関係を二次元マップに示す自動変速機(2)のシフトマップを複数記憶するシフトマップ記憶手段(51)と、車両が走行している路面勾配を検出する路面勾配検出手段(52)と、路面勾配検出手段(52)により車両が登坂中であると検出された場合には、シフトマップ記憶手段(51)に記憶されている複数のシフトマップのうち、路面勾配検出手段(52)により検出される路面勾配に対応して設定されたシフトマップを、車速(Nv)およびアクセルペダル(8)の開度(APAT)の少なくとも一方に対してロックアップクラッチ(35)のロックアップ領域を拡大させたシフトマップに切り換えるシフトマップ切換手段(54)とを備えることを特徴とする。
本発明の自動変速機の制御装置によれば、車両が登坂中であると検出されたときには、ロックアップクラッチのロックアップ領域(締結領域)を車速やアクセルペダル開度に対して拡大したシフトマップに切り換えるように構成しているので、登坂中にロックアップクラッチを締結する時間が長くなる。ロックアップクラッチを締結させている場合、トルクコンバータのタービン翼車がすべることがないため、登坂中の駆動源(エンジン)の駆動回転数を下げることができる。これにより、駆動源の静寂性および燃料経済性(燃費)の向上を期待することができる。また、ロックアップクラッチが締結(オン)状態であるため、ユーザである運転者にアクセルペダルの踏み込みに対してダイレクトな走行感を提供することができる。さらに、駆動源の駆動トルクを自動変速機にて増幅させることなく、適正な駆動力を確保することができるとともに、従来のようなトルク増幅による駆動力の過剰な状況を抑制することができる。
本発明の自動変速機の制御装置では、車両の車外の大気圧(PA)を測定する大気圧測定手段(209)をさらに備え、シフトマップ切換手段(54)は、大気圧測定手段(209)により測定される大気圧(PA)が所定値よりも低いときには、ロックアップ領域を拡大させたシフトマップに切り換えることを禁止すればよい。大気圧が所定値よりも低い場合、車両は高地を走行していることになる。このような高地では、適正な駆動力を期待することができないため、シフトマップにおけるロックアップ領域を拡大することを禁止することにより、トルク増幅を可能にするとともに、適正な駆動力を確保することができる。
また、本発明の別の態様における自動変速機の制御装置は、駆動源(1)に連結する入力要素(21)と、自動変速機(2)に連結される出力要素(22)とを選択的にオン/オフ切替設定するロックアップクラッチ(35)を備えたトルクコンバータ(3)を有する自動変速機(2)の制御装置(5)であって、車両の車速(Nv)を検出する車速検出手段(204)と、アクセルペダル(8)の開度(APAT)を検出するアクセルペダル開度検出手段(207)と、車速検出手段(204)により検出される車速(Nv)と、アクセルペダル開度検出手段(207)により検出されるアクセルペダル(8)の開度(APAT)との関係を二次元マップに示す自動変速機(2)のシフトマップを複数記憶するシフトマップ記憶手段(51)と、車両が走行している路面勾配を検出する路面勾配検出手段(52)と、路面勾配検出手段(52)により車両が登坂中であると検出された場合には、シフトマップ記憶手段(51)に記憶されている複数のシフトマップのうち、路面勾配検出手段(52)により検出される路面勾配に対応して設定されたシフトマップを、車速(Nv)およびアクセルペダル(8)の開度(APAT)の少なくとも一方に対してロックアップクラッチ(35)のロックアップ領域が拡大されるように変更するシフトマップ変更手段(54)とを備えることを特徴とする。このような構成においても、上述のように、登坂中の駆動源の回転数の低減による車両の静寂性および燃料経済性(燃費)の向上を期待することができ、運転のダイレクト感および適正な駆動力を確保することができる。
本発明の自動変速機の制御装置では、車両の車外の大気圧(PA)を測定する大気圧測定手段(209)をさらに備え、シフトマップ変更手段(54)は、大気圧測定手段(209)により測定される大気圧(PA)が所定値よりも低いときには、ロックアップ領域が拡大されるように自動変速機(2)のシフトマップを変更することを禁止すればよい。これにより、上記と同様に、車両が高地を走行しているときには、ロックアップ領域を拡大することを禁止することにより、トルク増幅を可能にするとともに、適正な駆動力を確保することができる。
本発明の自動変速機の制御装置では、シフトマップ切換手段(54)により切り換えられ、もしくは、シフトマップ変更手段(54)により拡大するように変更されたシフトマップでは、ロックアップクラッチ(35)をオンするLCオン線は、車両の登坂時におけるクルーズ走行状態を示す登坂時クルーズ線よりも車速(Nv)の小さい方に実質的に移動されていればよい。これにより、車両の登坂時には、ロックアップクラッチをオン(締結)している領域を最大限に確保するとともに、一度ロックアップクラッチがオフ(非締結)になったとしても、所定の条件下で再度ロックアップクラッチをオン(締結)させることができる。
なお、上記で括弧内に記した図面参照符号は、後述する実施形態における対応する構成要素を参考のために例示するものである。また、上記で括弧内に記した車速や大気圧なども後述する実施形態における対応する符号を参考のために例示するものである。
本発明によれば、車両の登坂時にロックアップクラッチのロックアップ領域を拡大することにより、駆動源の静寂性および燃料経済性を向上させることができるとともに、高地における走行ではロックアップ領域の拡大を禁止することにより、トルク増幅を可能にするとともに、適正な駆動力を確保することができる。
本発明の一実施形態における自動変速機の御装置が適用される車両の駆動系の概略図である。 図1に示すAT−ECUの機能ブロック図である。 ロックアップ領域拡大時におけるアクセルペダル開度と車速の関係を示すシフトマップの一例である。 図3の各線を説明するための図である。 本発明の一実施形態におけるAT−ECUの変速段決定シーケンスの全体フローを示すフローチャートである。 AT−ECUにより実行される登坂時LCマップ切替・設定処理を示すフローチャートである。 AT−ECUにより実行される登坂時LCマップ切替・設定処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の自動変速機の制御装置の好適な実施形態を詳細に説明する。
まず、本発明の一実施形態における自動変速機の制御装置が適用される車両の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態における自動変速機の制御装置が適用される車両の駆動系の概略図である。図1に示すように、本実施形態の車両は、エンジン1と、流体式のトルクコンバータ3を介してエンジン1と連結される自動変速機2と、エンジン1を制御するFI−ECU4と、トルクコンバータ3を含む自動変速機2を制御するAT−ECU5と、トルクコンバータ3の回転駆動やロックアップ制御および自動変速機2の複数の摩擦係合要素の締結(係合)・解放を制御する油圧制御装置6とを備えている。なお、本発明の自動変速機の制御装置は、図2において後述するようにAT−ECU5により実現される。
エンジン1の回転出力は、クランクシャフト(エンジン1の出力軸)21に出力される。このクランクシャフト21の回転は、トルクコンバータ3を介して自動変速機2のメインシャフト22に伝達される。
トルクコンバータ3は流体(作動油)を介してトルクの伝達を行うものである。トルクコンバータ3は、図1に示すように、フロントカバー31と、このフロントカバー31と一体に形成されたポンプ翼車(ポンプインペラ)32と、フロントカバー31とポンプ翼車32との間でポンプ翼車32に対向配置されたタービン翼車(タービンランナ)33と、ポンプ翼車32とタービン翼車33との間に介設され、かつ一方向クラッチ36を介してステータ軸(固定軸)38上に回転自在に支持されたステータ翼車34とを有する。図1に示すように、クランクシャフト21は、フロントカバー31を介して、トルクコンバータ3のポンプ翼車32に接続され、タービン翼車33はメインシャフト(自動変速機2の入力軸)21に接続される。
また、タービン翼車33とフロントカバー31との間には、ロックアップクラッチ35が設けられている。ロックアップクラッチ35は、AT−ECU5の指令に基づく油圧制御装置6による制御により、フロントカバー31の内面に向かって押圧されることによりフロントカバー31に係合(締結)し、押圧が解除されることによりフロントカバー31との係合が解除されるロックアップ制御を行う。フロントカバー31およびポンプ翼車32により形成される容器内には作動油(ATF:Automatic Transmission Fluid)が封入されている。
ロックアップ制御がなされていない場合には、ポンプ翼車32とタービン翼車33の相対回転が許容される。この状態において、クランクシャフト21の回転トルクがフロントカバー31を介してポンプ翼車32に伝達されると、トルクコンバータ3の容器を満たしている作動油は、ポンプ翼車32の回転により、ポンプ翼車32からタービン翼車33に、次いでステータ翼車34へと循環する。これにより、ポンプ翼車32の回転トルクが、流体力学的にタービン翼車33に伝達され、この間にトルクの増幅作用が行われ、メインシャフト22を駆動する。このとき、ステータ翼車34はそのトルクの反力(以下、「ステータ反力」という)を負担する。
一方、ロックアップ制御中には、ロックアップクラッチ35が係合されている状態となり、フロントカバー31からタービン翼車33へと作動油を介して回転させるのではなく、フロントカバー31とタービン翼車33とが一体的に回転し、クランクシャフト21の回転トルクがメインシャフト22に直接伝達される。すなわち、クランクシャフト21は、ロックアップ制御量に応じて、ロックアップクラッチ35を介してメインシャフト22に機械的に連結(直結)される。
図1において、ポンプ翼車32の右端には、油圧制御装置6内の図示しない油圧ポンプを駆動するポンプ駆動歯車37が設けられる。ステータ軸38の右端には、作動油圧(ライン圧PL)が高ライン圧になっているとき、図示しないメインレギュレータバルブを制御するステータアーム39が設けられる。
自動変速機2は、本実施形態では、例えば、前進6速段、後進1速段の車両用の自動変速機である。自動変速機2には、変速段に対応して複数の歯車列(ギヤトレーン)と、複数のクラッチ(摩擦係合要素)とが設けられ、各歯車列は、一対の駆動歯車と従動歯車とから構成される。自動変速機2の構成は、本発明の特徴部分ではないため、スケルトン図等を用いた詳細な説明を省略するが、当業者は公知の自動変速機の構成を適宜採用することができる。
メインシャフト22の回転トルクは、図1では図示しないクラッチおよび歯車列、セカンダリシャフトやアイドルシャフトの歯車列等を介してカウンタシャフト23に伝達される。また、カウンタシャフト23の回転トルクは、図1では図示しない歯車列およびディファレンシャル機構を介して駆動輪に伝達される。
油圧制御装置6は、自動変速機2およびトルクコンバータ3に対応して自動変速機2内に設けられる。この油圧制御装置6は、対象となる摩擦係合要素(クラッチ)にライン圧PL(作動油圧)の作動油を供給することにより、自動変速機2内の図示しない複数の摩擦係合要素(クラッチ)の締結・解放(係合作動)を選択的に行わせて、複数の変速段のいずれかの変速段に設定するものである。
また、油圧制御装置6は、トルクコンバータ3のポンプ翼車32に作動油圧の作動油を供給することにより、クランクシャフト21の回転駆動をメインシャフト22にどの程度伝達させるかを示すトルコンスリップ率ETRを制御するとともに、ロックアップクラッチ35の図示しない油室に作動油圧の作動油を供給することにより、車両の巡航走行時などの所定の条件下、ロックアップクラッチ35を係合(締結)させるように制御するものである。
さらに、油圧制御装置6は、メインシャフト22やカウンタシャフト23、図示しないセカンダリシャフトやアイドルシャフトを潤滑させるために潤滑圧の潤滑油をメインシャフト22およびカウンタシャフト23等に供給する。なお、セカンダリシャフトやアイドルシャフトは、自動変速機2の変速段数や形状に応じて設けられるものである。
クランクシャフト21の近傍には、クランクシャフト21(エンジン1)の回転数Neを検出するクランクシャフト回転数センサ201が設けられる。メインシャフト22の近傍には、メインシャフト22の回転数(自動変速機2の入力軸回転数)Niを検出するメインシャフト回転数センサ202が設けられる。カウンタシャフト23の近傍には、カウンタシャフト23の回転数(自動変速機2の出力軸回転数)Noを検出するカウンタシャフト回転数センサ203が設けられる。各回転数センサ201〜203により検出された回転数データはAT−ECU5に出力される。また、クランクシャフト回転数センサ201により検出された回転数データはFI−ECU4にも出力される。
また、車両の所定の位置には、車両の車速Nvを検出する車速センサ204が設けられる。車速センサ204により検出された車速データはAT−ECU5に出力される。なお、車速Nvを専用に検出する車速センサ204を設けることなく、メインシャフト22の回転数Niまたはカウンタシャフト23の回転数Noから車速Nvを算出するようにしてもよい。例えば、「Nv=Ni×変速レシオ×タイヤ周長」あるいは「Nv=No×タイヤ周長」のような関係式に基づいて車速Nvを検出(算出)することができる。
エンジン1の近傍には、エンジン1を冷却するためのエンジン冷却水の温度Twを検出する冷却水温センサ205と、エンジン1の図示しないスロットルの開度THを検出するスロットル開度センサ206と、エンジン1に供給される空気の元圧となる大気圧PAを検出する大気圧センサ209とが設けられる。冷却水温センサ205により検出されたエンジン冷却水の温度データ、スロットル開度センサ206により検出されたスロットル開度データ、および大気圧センサ209により検出された大気圧データはFI−ECU4に出力される。なお、図示を省略したが、エンジン1に供給される空気の温度(吸気温度)を検出する吸気温度センサや空気流量を検出する流量センサ等も設けられている。
アクセルペダル8の近傍には、アクセルペダル8に図示しないワイヤ等で連結され、アクセルペダル8の開度(アクセルペダル開度)APATを検出するアクセルペダル開度センサ207が設けられる。アクセルペダル開度センサ207により検出されたアクセルペダル開度データはFI−ECU4に出力される。
また、油圧制御装置6内の図示しないオイルタンクの近傍には、油圧制御装置6の作動油(および潤滑油)の温度TATFを検出する油温センサ208が設けられる。油温センサ208により検出された作動油の温度(油温)データはAT−ECU5に出力される。
FI−ECU4は、各センサ201、205〜207、209から入力された検出データやAT−ECU5から入力される各種データに基づいて、エンジン1の出力、すなわちエンジン1の回転数Neを制御するものである。また、AT−ECU5は、各センサ201〜204、208から入力された検出データやFI−ECU4から入力された各種データに基づいて、後述する油圧制御装置6内のバルブ群を制御して、複数の摩擦係合要素(クラッチ)のいずれかの係合を行うものである。さらに、AT−ECU5は、所定の運転領域で油圧制御装置6を介してロックアップ制御量を増大させ、ロックアップクラッチ35の係合を行うものである。
次に、本実施形態におけるAT−ECU5の構成(機能)を説明する。図2は、図1に示すAT−ECU5の機能ブロック図である。本実施形態のAT−ECU5は、図2に示すように、メモリ(シフトマップ記憶手段)51と、路面勾配検出手段52と、変速制御手段53と、シフトマップ切換手段54とを備える。
メモリ51には、車速センサ204により検出される車速Nvと、アクセルペダル開度センサ207により検出されるアクセルペダル開度APATとの関係を二次元マップに示す自動変速機2のシフトマップ(およびLCマップ)が複数(本実施形態では、従来から用いられている5種のシフトマップ(すなわち、登坂路の勾配(傾斜角度)に応じて、平坦路用、軽登坂用、中登坂用、重登坂用、および2重登坂用)に加えて、後述するように、これらのシフトマップのロックアップ領域を拡大した対応する5種のシフトマップを含む10種)記憶されている。なお、本実施形態では、平坦路においてロックアップ領域を拡大させる制御を行わないため、追加のシフトマップは平坦路分を除いた4種だけであってもよい。シフトマップの例は図3および図4を用いて後述する。
路面勾配検出手段52は、車両が走行している路面の勾配を検出するものである。具体的には、メモリ51には、アクセルペダル開度センサ207により検出されるアクセルペダル開度APAT(もしくは、スロットル開度センサ206により検出されるスロットル開度TH)と、車速センサ204に検出される車速Nvとに応じて平坦路を走行するときに車両に期待される予想加速度(3速段についてのみ)が予め格納(設定)されている。路面勾配検出手段52は、車速センサ204により検出される車速Nvから実際に車両に発生している実加速度を求め、メモリ51に予め格納されている係数を乗じて3速段相当の加速度値に補正する。次いで、路面勾配検出手段52は、予想加速度と実加速度とを比較し、その差分の平均値を算出し、算出平均値に応じて路面勾配を検出する。路面勾配検出手段52は、このように検出した路面勾配が所定角度(例えば、3°)以上の登坂路面であるか否かを検出し、この検出結果を変速制御手段53に出力する。
変速制御手段53は、各センサ201〜204、208から入力される検出データやFI−ECU4から入力された各種データに基づいて、メモリ51に格納されているシフトマップの切替や変更を行う。具体的には、変速制御手段53は、路面勾配検出手段52から取得した路面勾配に基づいて、変速段のシフトマップを選択する(切り換える)ものである。本実施形態では、変速制御手段53は、上述のようなメモリ51に格納されている5種のシフトマップのいずれかを選択する。
また、変速制御手段53は、上記のように選択されたシフトマップと、取得した車速Nvおよびアクセルペダル開度APATとに基づいて、変速段を決定し、あるいは変速制御を実行して、油圧制御装置6を介してクラッチ群7を制御する。
シフトマップ切換手段54は、路面勾配検出手段52により車両が登坂中であると検出された場合には、メモリ51に記憶されている複数のシフトマップのうち、変速制御手段53により選択されているシフトマップを、車速Nvおよびアクセルペダル開度APATの少なくとも一方に対してロックアップクラッチ35のロックアップ領域を拡大させたシフトマップに切り換えるものである。
本実施形態では、メモリ51には、従来の1組(5種)のシフトマップに加え、登坂時用にロックアップ領域を拡大したもう1組(5種または4種)のシフトマップが格納されている。路面勾配検出手段52により路面勾配が所定角度以上であることが検出された場合には、シフトマップ切換手段54は、現在用いている通常のシフトマップに代えて、ロックアップ領域を拡大させた対応するシフトマップ(登坂LC領域拡大シフトマップ)を選択して切り換えるものである。
なお、このようにシフトマップを切り換えるシフトマップ切換手段54に代えて、路面勾配検出手段52により検出される路面勾配に対応して設定されたシフトマップを、車速Nvおよびアクセルペダル開度APATの少なくとも一方に対してロックアップクラッチ35のロックアップ領域が拡大されるように変更するシフトマップ変更手段54が設けられていてもよい。この場合、対応するシフトマップに対して、車両の登坂時にロックアップ領域をどの程度拡大させるかを示す拡大領域データがメモリ51に記憶されていればよい。
ここで、本実施形態では、シフトマップ切換手段54(もしくは、シフトマップ変更手段54)は、大気圧センサ209により測定される大気圧PAが所定値(例えば、600mmHg≒8.0×10Pa(パスカル))よりも低いときには、ロックアップ領域が拡大されるように自動変速機2のシフトマップを切り換えたり、変更したりすることを禁止している。大気圧PAが所定値よりも低い場合、車両は高地を走行していることになるが、このような高地では、エンジン1の出力トルクが低下してしまうので、適正な駆動力を期待することができない。そのため、シフトマップにおけるロックアップ領域を拡大することを禁止することにより、トルク増幅を可能にするとともに、適正な駆動力を確保することができる。なお、高地としては、例えば海抜(標高)1600(m)程度以上と設定されればよい。
次に、図3および図4を用いて、通常時およびロックアップ領域拡大時におけるアクセルペダル開度と車速の関係を説明する。図3は、ロックアップ領域拡大時におけるアクセルペダル開度と車速の関係を示すシフトマップの一例である。図4は、図3の各線を説明するための図である。
図3では、従来のシフトマップにおいても設定されているように、1本のシフトダウン線(ここでは、例えば3速段から2速段への3−2シフトダウン線:1点鎖線)と、所定の変速段(ここでは、3速段)におけるトルクコンバータ3のロックアップクラッチ35を締結させるための1本のLCオン線(通常:点線)と、締結しているロックアップクラッチ35を非締結にするための1本のLCオフ線(通常:点線)とが示される。また、本実施形態では、これら3本の変速またはロックアップオン/オフ線に加え、登坂時のロックアップ領域拡大時におけるLCオン線(登坂:実線)と、LCオフ線(登坂:実線)とが示される。
図3の矢印で示すように、LCオフ線(通常)とLCオフ線(登坂)とに囲まれた領域(図3において斜線領域)は、登坂時において通常よりも拡大されたロックアップクラッチ35の締結(オン)領域、すなわち拡大されたロックアップ領域となる。
図3には、さらに、車両のエンジン1、自動変速機2等の特性から予め算出される登坂時におけるクルージングを可能とする登坂時クルーズ線(実線)も示される。本実施形態では、ロックアップ領域がこの登坂時クルーズ線をカバーすることができるように、LCオフ線(登坂)およびLCオン線(登坂)が低車速、高アクセルペダル開度側にシフトされている。このように、本実施形態では、シフトマップ切換手段54により切り換えられ、もしくは、シフトマップ変更手段54により拡大するように変更されたシフトマップにおいて、ロックアップクラッチ35をオン(締結)するLCオン線(登坂)は、車両の登坂時におけるクルーズ走行状態を示す登坂時クルーズ線よりも車速Nvの小さい方およびアクセルペダル開度APATの大きい方に実質的に移動(シフト)されればよい。これにより、車両の登坂時には、ロックアップクラッチ35を締結している領域を最大限に確保することができる。また、LCオン線(登坂)がLCオフ線(登坂)に近い領域までシフトされているため、一度ロックアップクラッチ35が非締結になったとしても、所定の条件(例えば、車速Nvが上昇したり、アクセルペダル開度APATが小さくなったりなど)下で再度ロックアップクラッチ35を締結させることができる。
ここで、図4に示すように、シフトダウン線(図4において左側)は、矢印の示す方向にこの線を跨ぐとAT−ECU5がシフトダウン(変速段を1段下げる)制御を行う線である。例えば、図4において左側にシフトするとき、すなわち、車速Nvが低下(減速)するとき、あるいは、図4において上側にシフトするとき、すなわち、アクセルペダル8が急激に踏み込まれ、アクセルペダル開度APATが急激に大きくなるときに、対応するシフトダウンが行われる。
また、LCオフ線(図4において中央)は、ロックアップクラッチ35が締結している状態(LCオン時)において矢印の示す方向にこの線を跨ぐとAT−ECU5がロックアップクラッチ35の非締結(オフ)制御を行う線である。一方、LCオン線(図4において右側)は、ロックアップクラッチ35が非締結の状態(LCオフ時)において矢印の方向にこの線を跨ぐとAT−ECU5がロックアップクラッチ35の締結(オン)制御を行う線である。
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施形態の自動変速機2のAT−ECU5の全体フローを説明する。図5は、本実施形態のAT−ECU5の変速段決定シーケンスの全体フローを示すフローチャートである。この全体フローは車両の走行中に所定の時間毎に行われる。
まず、AT−ECU5は、登降坂判定を実行する(ステップS1)。すなわち、AT−ECU5は、車速Nvとエンジン負荷(スロットル開度センサ206により検出されたスロットル開度TH)とに基づいてAT−ECU5のメモリ51内に記憶されたマップ上の規範加速度(予想加速度)を特定し、特定した規範加速度と実加速度との差に応じて、登降坂度合い(勾配)を推定する。ここで、AT−ECU5は、実加速度と規範加速度が概略一致するときは車両が平坦路を走行していると判定し、実加速度が規範加速度を超えるときには車両が降坂路を走行していると判定し、実加速度が規範加速度よりも小さいときには車両が登坂路を走行していると判定する。このように規範加速度と実加速度とを比較することにより、傾斜センサを用いることなく車両走行路の登降坂判定を行うことができる。本実施形態では、後述する登坂時LCマップ切替・設定処理(図6および図7参照)においてこの登降坂判定処理が示される。
次いで、AT−ECU5は、路面μ判定処理を実行する(ステップS2)。すなわち、AT−ECU5は、車速センサ204により検出された車速Nv、図示しない車輪速センサにより検出された各車輪の車輪速度Nw、アクセルペダル開度センサ207により検出されたアクセルペダル開度APAT、図示しないシフトレバーポジションセンサにより検出されたシフトレバーのポジション(レバー操作)、ステップS1において推定された登降坂度合い(推定勾配)等に基づいて、路面のμ状態を判断する。
次いで、AT−ECU5は、シフトマップ選択処理を実行する(ステップS3)。すなわち、AT−ECU5は、自動変速機2において現在設定されている変速段、上記登降坂度合い、アクセル操作、図示しないブレーキセンサにより検出されたブレーキ操作等に基づいて、メモリ51内に記憶されている複数のシフトマップから走行路に適したシフトマップを選択する。本実施形態では、後述する登坂時LCマップ切替・設定処理(図6および図7参照)においてこのシフトマップ選択処理が示される。
次いで、AT−ECU5は、変速段決定処理を実行する(ステップS4)。すなわち、AT−ECU5は、ステップS3において選択されたシフトマップを基準にして、シフトレバーの操作や変速禁止条件などを加味して、最終の変速段を決定する。
次いで、AT−ECU5は、クラッチ圧制御処理を実行する(ステップS5)。すなわち、AT−ECU5は、油圧制御装置6を制御することにより、ステップS4において決定された変速段に基づいて、この変速段のクラッチ圧を制御して、最終の変速段を締結させるように油圧制御装置6を制御する。
次いで、AT−ECU5は、Fi協調制御処理を実行する(ステップS6)。すなわち、AT−ECU5は、最終の変速段の設定時に、エンジン1の制御と協調して、入力トルクを制御する。
次いで、AT−ECU5は、LC領域判断処理を実行する(ステップS7)。すなわち、AT−ECU5は、ステップS1において推定された登降坂度合い、ステップS4において決定された最終変速段、アクセル操作、ブレーキ操作等に基づいて、トルクコンバータ3のロックアップクラッチ35のLC(ロックアップ)制御を決定する。このLC制御の決定としては、アクセルペダル開度センサ207により検出されたアクセルペダル開度APAT(もしくは、スロットル開度センサ206により検出されたスロットル開度TH)と車速センサ204により検出された車速Nvとに基づいて、ロックアップ可能領域であるかを判断し、その判断結果に応じて、ロックアップクラッチ35をOFFにするか、スリップ制御(加速または減速)にするか、タイト制御(ロックアップクラッチ35のON制御)にするかなどが決定される。本実施形態では、後述する登坂時LCマップ切替・設定処理(図6および図7参照)においてこのLC領域判断処理が示される。
最後に、AT−ECU5は、LC圧制御処理を実行する(ステップS8)。すなわち、AT−ECU5は、ステップS7において判断されたLC制御に基づいて、油圧制御装置6において設定されるロックアップクラッチ(LC)35への供給油圧を制御する。このLC圧制御処理を終えると、AT−ECU5は、変速段決定シーケンスの全体フローを終了し、次の処理を実行するタイミングまで待機する。
次に、図5の全体フローのステップS1、S3およびS7における各処理において実行される登坂時LCマップ切替・設定処理について説明する。図6および図7は、AT−ECU5により実行される登坂時LCマップ切替・設定処理を示すフローチャートである。
この登坂時LCマップ切替・設定処理では、AT−ECU5は、まず各種センサの検出値を読み込む(取得する)(ステップS101)。本実施形態では、後段の処理で利用するために、AT−ECU5は、少なくとも車速センサ204から車速Nvと、アクセルペダル開度センサ207からアクセルペダル開度APATと、大気圧センサ209から大気圧PAとを取得する。
次いで、路面勾配検出手段52は、ステップS101において取得した車速Nvおよびアクセルペダル開度APATに基づいて、車両が現在走行している路面勾配を推定する(ステップS102)。すなわち、路面勾配検出手段52は、予想加速度と実加速度との差に基づいて、路面勾配を推定(検出)する。
次いで、AT−ECU5は、ステップS101において取得した大気圧PAに基づいて、車両が現在走行しているのが所定の標高以上の高地であるか否かを判断する(ステップS103)。高地であると判断した場合には、AT−ECU5は、登坂LC拡大フラグをOFFにして(ステップS104)、処理フローはステップS107に移行する。
一方、高地ではない、すなわち、所定の標高未満の標高を車両が現在走行していると判断した場合には、AT−ECU5は、続いて、ステップS102において推定された路面勾配に基づいて、車両が現在登坂中であるか否かを判断する(ステップS105)。登坂中ではないと判断した場合には、AT−ECU5は、登坂LC拡大フラグをOFFにして(ステップS104)、処理フローはステップS107に移行する。また、車両が現在登坂中であると判断した場合には、AT−ECU5は、登坂LC拡大フラグをONにして(ステップS106)、処理フローはステップS107に移行する。
次いで、AT−ECU5は、ステップS102において推定された路面勾配と、ステップS104またはS106において設定された登坂LC拡大フラグのON/OFFとに基づいて、全体フローのステップS3(またはステップS7)に示すようにシフトマップを選択する(ステップS107)。ここで、ステップS106において登坂LC拡大フラグがONされている場合には、シフトマップ切換手段54は、通常のシフトマップを登坂時LC拡大時のシフトマップに切り換える。その代わりに、シフトマップ変更手段54は、通常のシフトマップにおいてロックアップ領域が拡大するように変更する。
次いで、AT−ECU5は、ステップS101において取得した車速Nvおよびアクセルペダル開度APATのそれぞれがシフトマップ上の設定領域内にあるか否かを判断する(ステップS108)。車速Nvおよびアクセルペダル開度APATのいずれかが設定領域内にないと判断した場合には、AT−ECU5は、ロックアップクラッチ35に対するロックアップ制御をオフにして(ステップS110)、この登坂時LCマップ切替・設定処理を終了する。
一方、車速Nvおよびアクセルペダル開度APATが設定領域内であると判断した場合には、AT−ECU5は、ロックアップクラッチ35に対するロックアップ制御をONにして(ステップS109)、この登坂時LCマップ切替・設定処理を終了する。
以上説明したように、本発明の自動変速機2の制御装置(AT−ECU5)は、エンジン1に連結するクランクシャフト21と、自動変速機2に連結されるメインシャフト22とを選択的にオン/オフ切替設定するロックアップクラッチ35を備えたトルクコンバータ3を有する自動変速機2のAT−ECU5であって、車両の車速Nvを検出する車速センサ204と、アクセルペダル8のアクセルペダル開度APATを検出するアクセルペダル開度センサ207と、車速センサ204により検出される車速Nvと、アクセルペダル開度センサ207により検出されるアクセルペダル開度APATとの関係を二次元マップに示す自動変速機2のシフトマップ(変速マップおよびLCマップ)を複数記憶するメモリ51と、車両が走行している路面勾配を検出する路面勾配検出手段52と、路面勾配検出手段52により車両が登坂中であると検出された場合には、メモリ51に記憶されている複数のシフトマップのうち、路面勾配検出手段52により検出される路面勾配に対応して設定されたシフトマップを、車速Nvおよびアクセルペダル開度APATの少なくとも一方に対してロックアップクラッチ35のロックアップ領域を拡大させたシフトマップに切り換えるシフトマップ切換手段54、もしくは、路面勾配検出手段52により検出される路面勾配に対応して設定されたシフトマップを、車速Nvおよびアクセルペダル8のアクセルペダル開度APATの少なくとも一方に対してロックアップクラッチ35のロックアップ領域が拡大されるように変更するシフトマップ変更手段54とを備えることとした。本発明の自動変速機2の制御装置(AT−ECU5)によれば、路面勾配検出手段52により車両が登坂中であると検出されたときには、ロックアップクラッチ35のロックアップ領域(ロックアップクラッチ締結領域)を車速Nvやアクセルペダル開度APATに対して拡大したシフトマップに切換または変更するように構成しているので、登坂中にロックアップクラッチ35を締結する時間が長くなる。ロックアップクラッチ35を締結させている場合、トルクコンバータ3のタービン翼車(タービン)33がすべることがないため、登坂中のエンジン1の回転数Neを下げることができる。これにより、エンジン1の静寂性および燃料経済性(燃費)の向上を期待することができる。また、ロックアップクラッチ35が締結状態であるため、ユーザである運転者にアクセルペダル8の踏み込みに対してダイレクトな走行感を提供することができる。さらに、エンジン1の駆動トルクを自動変速機2にて増幅させることなく、適正な駆動力を確保することができるとともに、従来のようなトルク増幅による駆動力の過剰な状況を抑制することができる。
本発明の自動変速機2の制御装置(AT−ECU5)では、車両の車外の大気圧PAを測定する大気圧センサ209をさらに備え、シフトマップ切換手段54またはシフトマップ変更手段54は、大気圧センサ209により測定される大気圧PAが所定値(例えば、600mmHg≒8.0×10Pa(パスカル))よりも低いときには、ロックアップ領域が拡大されるように自動変速機2のシフトマップを切り換えたり、変更したりすることを禁止すればよい。大気圧PAが所定値よりも低い場合、車両は高地を走行していることになるが、このような高地では、適正な駆動力を期待することができないため、シフトマップにおけるロックアップ領域を拡大することを禁止することにより、トルク増幅を可能にするとともに、適正な駆動力を確保することができる。
本発明の自動変速機2の制御装置(AT−ECU5)では、シフトマップ切換手段54により切り換えられ、もしくは、シフトマップ変更手段54により拡大するように変更されたシフトマップでは、ロックアップクラッチ35をオン(締結)するLCオン線は、車両の登坂時におけるクルーズ走行状態を示す登坂時クルーズ線よりも車速Nvの小さい方に実質的に移動されていればよい。これにより、車両の登坂時には、ロックアップクラッチ35を締結している領域を最大限に確保するとともに、一度ロックアップクラッチ35が非締結になったとしても、所定の条件下で再度ロックアップクラッチ35を締結させることができる。
以上、本発明の自動変速機の制御装置の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は、これらの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲、明細書および図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお、直接明細書および図面に記載のない形状・構造・機能を有するものであっても、本発明の作用・効果を奏する以上、本発明の技術的思想の範囲内である。すなわち、上記実施形態の自動変速機2の制御装置(AT−ECU5)を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
なお、上述の実施形態では、駆動源としてエンジン1を備える車両に基づいて本発明を説明したが、本発明はこのような車両の自動変速機2の制御装置(AT−ECU5)に限らない。例えば、駆動源として、エンジン1だけでなく、モータ−ジェネレータも併せて備えるいわゆるハイブリッド車両であっても、ロックアップクラッチを備えるトルクコンバータを有する限り、本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態では、エンジン1や自動変速機2の制御を行う電子制御ユニット(ECU)がFI−ECU4およびAT−ECU5の2つから構成される場合について説明したが、本発明はこのような構成に限らず、これら2つのFI−ECU4およびAT−ECU5が一体的に構成された1つのECUであってもよい。
さらに、上述の実施形態では、AT−ECU5が図5に示す全体フローの各ステップS1〜S8をその順番で実行する場合について説明したが、本発明ではこのようなステップ順に限らず、ステップS1〜ステップS8の処理順が必要に応じて適宜入れ替わるような構成であってもよい。また、本発明では、全体フローのいずれか2つ以上のステップが並列的に実行されてもよい。
1 エンジン
2 自動変速機
3 トルクコンバータ
4 FI−ECU
5 AT−ECU
6 油圧制御装置
8 アクセルペダル
21 クランクシャフト
22 メインシャフト
35 ロックアップクラッチ
51 メモリ(シフトマップ記憶手段)
52 路面勾配検出手段
53 変速制御手段
54 シフトマップ切換手段(シフトマップ変更手段)
201 クランクシャフト回転数センサ
202 メインシャフト回転数センサ
203 カウンタシャフト回転数センサ
204 車速センサ
205 冷却水温センサ
206 スロットル開度センサ
207 アクセルペダル開度センサ
208 油温センサ
209 大気圧センサ

Claims (5)

  1. 駆動源に連結する入力要素と、自動変速機に連結される出力要素とを選択的にオン/オフ切替設定するロックアップクラッチを備えたトルクコンバータを有する自動変速機の制御装置であって、
    車両の車速を検出する車速検出手段と、
    アクセルペダルの開度を検出するアクセルペダル開度検出手段と、
    前記車速検出手段により検出される車速と、前記アクセルペダル開度検出手段により検出される前記アクセルペダルの開度との関係を二次元マップに示す前記自動変速機のシフトマップを複数記憶するシフトマップ記憶手段と、
    前記車両が走行している路面勾配を検出する路面勾配検出手段と、
    前記路面勾配検出手段により前記車両が登坂中であると検出された場合には、前記シフトマップ記憶手段に記憶されている前記複数のシフトマップのうち、前記路面勾配検出手段により検出される路面勾配に対応して設定されたシフトマップを、前記車速および前記アクセルペダルの開度の少なくとも一方に対して前記ロックアップクラッチのロックアップ領域を拡大させたシフトマップに切り換えるシフトマップ切換手段と
    を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記車両の車外の大気圧を測定する大気圧測定手段をさらに備え、
    前記シフトマップ切換手段は、前記大気圧測定手段により測定される大気圧が所定値よりも低いときには、前記ロックアップ領域を拡大させたシフトマップに切り換えることを禁止することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 駆動源に連結する入力要素と、自動変速機に連結される出力要素とを選択的にオン/オフ切替設定するロックアップクラッチを備えたトルクコンバータを有する自動変速機の制御装置であって、
    車両の車速を検出する車速検出手段と、
    アクセルペダルの開度を検出するアクセルペダル開度検出手段と、
    前記車速検出手段により検出される車速と、前記アクセルペダル開度検出手段により検出される前記アクセルペダルの開度との関係を二次元マップに示す前記自動変速機のシフトマップを複数記憶するシフトマップ記憶手段と、
    前記車両が走行している路面勾配を検出する路面勾配検出手段と、
    前記路面勾配検出手段により前記車両が登坂中であると検出された場合には、前記シフトマップ記憶手段に記憶されている前記複数のシフトマップのうち、前記路面勾配検出手段により検出される路面勾配に対応して設定されたシフトマップを、前記車速および前記アクセルペダルの開度の少なくとも一方に対して前記ロックアップクラッチのロックアップ領域が拡大されるように変更するシフトマップ変更手段と
    を備えることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 前記車両の車外の大気圧を測定する大気圧測定手段をさらに備え、
    前記シフトマップ変更手段は、前記大気圧測定手段により測定される大気圧が所定値よりも低いときには、前記ロックアップ領域が拡大されるように変更することを禁止することを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記シフトマップ切換手段により切り換えられ、もしくは、前記シフトマップ変更手段により拡大するように変更されたシフトマップでは、前記ロックアップクラッチをオンするLCオン線は、前記車両の登坂時におけるクルーズ走行状態を示す登坂時クルーズ線よりも前記車速の小さい方に実質的に移動されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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