JP2010084867A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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    • F16H61/0213Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing characterised by the signals used the signals being electric for gearshift control, e.g. control functions for performing shifting or generation of shift signal characterised by the method for generating shift signals

Abstract

【課題】演算による変速比の選択を可能にし、もって更なる燃費向上を図ることが可能な自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】維持出力算出手段33が走行抵抗に基づき車速の維持に必要な維持出力を算出し、要求出力算出手段32が例えばアクセル開度に基づき要求された要求出力を算出する。一方、最大出力算出手段40において、エンジン2の最大出力性能に基づき現在の変速比における車輌の最大出力である現変速比最大出力と、アップシフト変速後の変速比における車輌の最大出力であるアップシフト後最大出力とを算出する。そして、維持出力と要求出力と余裕出力とに基づく第1値が、現変速比最大出力に基づく第2値より大きくなった際にダウンシフトを判断し、維持出力と要求出力と余裕出力とに基づく第3値が、アップシフト後最大出力に基づく第4値より小さくなった際にアップシフトを判断する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車輌等に搭載される自動変速機の制御装置に係り、詳しくは、変速機構における変速比を演算により選択する自動変速機の制御装置に関する。
一般に、車輌等に搭載される多段式の自動変速機にあっては、製造時にあらかじめ変速マップを設定(準備)しておき、走行時に車速とアクセル開度とに基づき該変速マップを参照することで変速段を選択(判断)している。また、変速判断が良好となるように、例えば平坦路、登坂路、降坂路などのように走行抵抗別のマップや例えばスポーティ、ノーマル、エコノミ等のようにドライバタイプ別のマップなど、あらかじめ複数種類のマップを準備しておくことも行われている。
ところで、近年、環境問題等の観点から、さらなる車輌の燃費向上が求められており、自動変速機における燃費向上も求められている。自動変速機において燃費向上を図るためには、車速がより低い段階で高速段にアップシフトし、エンジン回転数をより低回転側で抑えて走行する必要がある。しかしながら、エンジン回転数をより低回転の状態で高速段に変速することは、例えば路面勾配の変化、路面状況の変化、運転者のアクセル操作の変化などに対する余裕がなく、そのままの変速段での走行が維持できなくなって直ぐにダウンシフトが必要となってしまう頻度が増し、つまり頻繁に変速を繰り返すビジーシフトが生じ易くなって、ドライバビリティが損なわれ易いという問題がある。
このような問題、即ち、燃費向上とドライバビリティとの両立を図るためには、上述した変速マップをさらに細分化して例えば百種類以上というように多数の変速マップを準備し、そのときの状況(走行抵抗やドライバタイプ等)に応じて最適な変速段が選択されるように、その多数の変速マップを適時に切換えるようにすることで、変速判断の最適化を図ることも考えられるが、そのような多数の変速マップを準備することや、変速マップの切換え制御を考えると、実現可能性に乏しい。
そこで、特許文献1のように変速段の選択決定を演算により求めることが考えられる。この特許文献1のものは、自動速度調整機能(いわゆるクルーズコントロール制御)を用いた走行中にあって、エンジンから供給される駆動力と車輌の走行抵抗と余裕駆動力とから車速を維持できるか否かを演算し(例えば特許文献1の図1参照)、車速を維持できなければダウンシフトを指令し、アップシフト後に車速を維持できないことが推定される場合はアップシフトを禁止し、それ以外はアップシフトするように構成されている。
特表2006−507459号公報
しかしながら、上記特許文献1のものは、クルーズコントロール制御中にあって変速比を選択するものであるので、車速を略々一定に維持するための変速比の選択を演算により求めることができても、運転者による通常の運転状態にあって変速比の選択を演算し得るものではない。即ち、例えば特許文献1の演算手法の変速制御を用いた車輌を走行させた場合、アクセルを踏んでエンジンの駆動力が上昇していくと、該エンジンの駆動力が車輌の走行抵抗(及び余裕駆動力)を直ぐに上回ってしまい、直ぐにアップシフトが許可されて思うように加速できないことになる。このように、変速比を演算により選択する手法は未だ確立されてなく、実用に耐える変速比選択の演算手法の開発が望まれていた。
そこで本発明は、ドライバビリティを損なうことなく、かつ変速マップを用いることなく、演算による変速比の選択を可能にし、もって更なる燃費向上を図ることが可能な自動変速機の制御装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る本発明は(例えば図1乃至図31参照)、駆動源(2)から入力軸(10)に入力された回転を変速して出力軸(11)から駆動車輪へ出力する変速機構(5)における変速比を変更自在な自動変速機(3)の制御装置(1)において、
走行抵抗(roadR)に基づき車速(outRpm)の維持に必要な維持出力(balanced_pwr)を算出する維持出力算出手段(33)と、
要求された要求出力(req_pwr)を算出する要求出力算出手段(32)と、
前記駆動源(2)の最大出力(E/G_MAXpwr)に基づき現在の変速比における車輌の最大出力である現変速比最大出力(n_MAXpwr)を算出する現変速比最大出力算出手段(41)と、
前記駆動源(2)の最大出力(E/G_MAXpwr)に基づきアップシフト変速後の変速比における車輌の最大出力であるアップシフト後最大出力(n+_MAXpwr)を算出するアップシフト後最大出力算出手段(43)と、
前記維持出力(balanced_pwr)と前記要求出力(req_pwr)と走行状況変化に対する変速判断に余裕を与えるための余裕出力(reserved_pwr)とに基づく第1値が、前記現変速比最大出力(n_MAXpwr)に基づく第2値より大きくなった際に、前記変速比のダウンシフトを判断するダウンシフト判断手段(51)と、
前記維持出力(balanced_pwr)と前記要求出力(req_pwr)と前記余裕出力(reserved_pwr)とに基づく第3値が、前記アップシフト後最大出力(n+_MAXpwr)に基づく第4値より小さくなった際に、前記変速比のアップシフトを判断するアップシフト判断手段(52)と、を備えた、
ことを特徴とする自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項2に係る本発明は(例えば図17〜図22参照)、前記ダウンシフト判断手段(51)は、前記維持出力(balanced_pwr)に前記余裕出力(reserved_pwr)を加算した出力と、前記要求出力(req_pwr)と、の大きい方を前記第1値(MAX[(balanced_pwr+reserved_pwr),req_pwr])としてなり、
前記アップシフト判断手段(52)は、前記維持出力(balanced_pwr)に前記余裕出力(reserved_pwr)を加算した出力と、前記要求出力(req_pwr)と、の大きい方に、ハンチングを防止するための所定出力(hys_pwr)を加算した出力を前記第3値(MAX[(balanced_pwr+reserved_pwr),req_pwr]+hys_pwr)としてなる、
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項3に係る本発明は(例えば図28、図29参照)、前記ダウンシフト判断手段(51)は、前記維持出力(balanced_pwr)と、前記余裕出力(reserved_pwr)と前記要求出力(req_pwr)との大きい方と、を加算した出力を前記第1値(balanced_pwr+MAX[reserved_pwr,req_pwr])としてなり、
前記アップシフト判断手段(52)は、前記維持出力(balanced_pwr)と、前記余裕出力(reserved_pwr)と前記要求出力(req_pwr)との大きい方と、ハンチングを防止するための所定出力(hys_pwr)と、を加算した出力を前記第3値(balanced_pwr+MAX[reserved_pwr,req_pwr]+hys_pwr)としてなる、
ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項4に係る本発明は(例えば図17〜図22参照)、前記ダウンシフト判断手段(51)は、前記現変速比最大出力(n_MAXpwr)を前記第2値としてなり、
前記アップシフト判断手段(52)は、前記アップシフト後最大出力(n+_MAXpwr)を前記第4値としてなる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項5に係る本発明は(例えば図26〜図29参照)、前記ダウンシフト判断手段(51)は、前記現変速比最大出力(n_MAXpwr)から駆動源(2)を回転上昇させ得る余力(E/G_reserved_pwr)を減算した出力を前記第2値(n_MAXpwr-E/G_reserved_pwr)としてなり、
前記アップシフト判断手段(52)は、前記アップシフト後最大出力(n+_MAXpwr)から前記余力を減算した出力を前記第4値(n+_MAXpwr-E/G_reserved_pwr)としてなる、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項6に係る本発明は(例えば図4参照)、前記走行抵抗(roadR)を随時算出し得る走行抵抗算出手段(23)を備えてなる、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項7に係る本発明は(例えば図4、図7、図8参照)、前記要求出力算出手段(32)は、運転操作(例えば71)に基づき要求された要求出力(req_pwr)を算出してなる、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項8に係る本発明は(例えば図4、図7、図8参照)、設定された目標車速に車速を維持するように制御し得る車速維持制御手段(60)を備え、
前記要求出力算出手段(32)は、前記目標車速まで加速するために必要な出力として前記車速維持制御手段(60)から要求された要求出力(req_pwr)を算出してなる、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
請求項9に係る本発明は(例えば図4、図6、図17、図18参照)、前記駆動源(2)の最大出力(E/G_MAXpwr)に基づきダウンシフト変速後の変速比における車輌の最大出力であるダウンシフト後最大出力(n-_MAXpwr)を算出するダウンシフト後最大出力算出手段(42)を備え、
前記ダウンシフト判断手段(51)は、前記ダウンシフト後最大出力(n-_MAXpwr)が前記現変速比最大出力(n_MAXpwr)よりも小さい場合、ダウンシフトの判断を禁止してなる、
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の自動変速機の制御装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項1に係る本発明によると、例えば運転者があまり加速を望まずに車速を維持する程度のアクセル開度の領域では、車輌の走行抵抗に応じた維持出力及び余裕出力に基づき変速比が選択され、例えば運転者が車輌の加速を要求するアクセル開度の領域では、要求出力に基づき変速比が選択されるので、車速を維持するような走行状態における燃費向上を図ることができ、かつ運転者の加速要求に応じた変速比の選択も行うことができて、ドライバビリティを確保することができる。これにより、変速マップを必要とせず、かつ実用に耐え得る変速比選択の演算を可能にすることができ、つまり新たな変速比選択の演算手法を提供することができる。そして、演算による変速比の選択を可能にするので、演算する際の数値の最適化、走行状況による補正、各数値の学習等、変速比選択制御の拡充を図ることで、さらなる燃費向上を図ることを可能とすることができる。
請求項2に係る本発明によると、維持出力に余裕出力を加算した出力と要求出力との大きい方をダウンシフト判断のための第1値とすることができ、維持出力に余裕出力を加算した出力と要求出力との大きい方にハンチングを防止するための所定出力を加算した出力をアップシフト判断のための第3値とすることができる。これにより、車速を維持するような走行状態においては、特に余裕出力に基づきビジーシフトの防止と燃費向上との両立を図ることができ、運転者が加速を要求するような走行状態においては、要求出力に応じた変速比の選択を行うことができる。
請求項3に係る本発明によると、維持出力に余裕出力と要求出力との大きい方を加算した出力をダウンシフト判断のための第1値とすることができ、維持出力に余裕出力と要求出力との大きい方を加算した出力にハンチングを防止するための所定出力を加算した出力をアップシフト判断のための第3値とすることができる。これにより、車速を維持するような走行状態においては、特に余裕出力に基づきビジーシフトの防止と燃費向上との両立を図ることができ、運転者が加速を要求するような走行状態においては、要求出力に応じた変速比の選択を行うことができる。
請求項4に係る本発明によると、現変速比最大出力をダウンシフト判断の基準となる第2値とすることができ、アップシフト後最大出力をアップシフト判断の基準となる第4値とすることができる。これにより、現在の変速比における車輌の出力能力を超えて、車速の維持ができなくなった場合や加速の要求があった場合にはダウンシフトを判断することができ、反対に、車速の維持や加速の要求に対して、アップシフト後の変速比における車輌の出力能力で足りる場合にアップシフトを判断することができる。また、例えば駆動源を回転上昇させ得る余力を減算した出力を基準とする場合に比して、余力を残さない分だけアップシフト側の変速比を選択することになり、より燃費の向上を図ることができる。
請求項5に係る本発明によると、現変速比最大出力から駆動源を回転上昇させ得る余力を減算した出力をダウンシフト判断の基準となる第2値とすることができ、アップシフト後最大出力から駆動源を回転上昇させ得る余力を減算した出力をアップシフト判断の基準となる第4値とすることができる。これにより、現在の変速比における車輌の出力能力を超えて、車速の維持ができなくなった場合や加速の要求があった場合にはダウンシフトを判断することができ、反対に、車速の維持や加速の要求に対して、アップシフト後の変速比における車輌の出力能力で足りる場合にアップシフトを判断することができる。また、駆動源を回転上昇させ得る余力を減算した出力を基準としているので、例えば無段変速機を搭載した車輌など、変速時に駆動源自体が回転上昇を行う車輌に用いて好適とすることができる。
請求項6に係る本発明によると、走行抵抗を随時算出し得る走行抵抗算出手段を備えているので、演算による変速比の選択の精度を良好にすることができ、それによって、さらなる燃費の向上を図ることができる。
請求項7に係る本発明によると、要求出力算出手段は、運転操作に基づき要求された要求出力を算出するので、運転者の加速要求に応じた変速比の選択を行うことを可能とすることができる。
請求項8に係る本発明によると、要求出力算出手段は、目標車速まで加速するために必要な出力として車速維持制御手段から要求された要求出力を算出するので、車輌の車速を維持する制御にあって、車速を維持するだけでなく、目標車速に速やかに到達するための加速に必要な変速比の選択を行うことを可能とすることができる。
請求項9に係る本発明によると、ダウンシフト判断手段は、ダウンシフト後最大出力が現変速比最大出力よりも小さい場合、ダウンシフトの判断を禁止するので、例えばオーバーレブ時や高地のようにダウンシフト後にパワーが下がる場合等の、不要なダウンシフトを防止することができる。
以下、本発明に係る実施の形態を図面に沿って説明する。
[自動変速機の概略構成]
まず、本発明を適用し得る自動変速機3の概略構成について図1に沿って説明する。図1に示すように、例えばFFタイプ(フロントエンジン、フロントドライブ)の車輌に用いて好適な自動変速機3は、エンジン(駆動源)2(図4参照)に接続し得る自動変速機の入力軸8を有しており、該入力軸8の軸方向を中心としてトルクコンバータ4と、自動変速機構5とを備えている。
上記トルクコンバータ4は、自動変速機3の入力軸8に接続されたポンプインペラ4aと、作動流体を介して該ポンプインペラ4aの回転が伝達されるタービンランナ4bとを有しており、該タービンランナ4bは、上記入力軸8と同軸上に配設された上記自動変速機構5の入力軸10に接続されている。また、該トルクコンバータ4には、ロックアップクラッチ7が備えられており、該ロックアップクラッチ7が係合されると、上記自動変速機3の入力軸8の回転が自動変速機構5の入力軸10に直接伝達される。
上記自動変速機構5には、入力軸10上において、プラネタリギヤSPと、プラネタリギヤユニットPUとが備えられている。上記プラネタリギヤSPは、サンギヤS1、キャリヤCR1、及びリングギヤR1を備えており、該キャリヤCR1に、サンギヤS1及びリングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素としてサンギヤS2、サンギヤS3、キャリヤCR2、及びリングギヤR2を有し、該キャリヤCR2に、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合するロングピニオンPLと、サンギヤS3に噛合するショートピニオンPSとを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤSPのサンギヤS1は、ミッションケース9に一体的に固定されている不図示のボス部に接続されて回転が固定されている。また、上記リングギヤR1は、上記入力軸10の回転と同回転(以下「入力回転」という。)になっている。更に上記キャリヤCR1は、該固定されたサンギヤS1と該入力回転するリングギヤR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、クラッチC−1及びクラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤユニットPUのサンギヤS2は、バンドブレーキからなるブレーキB−1に接続されてミッションケースに対して固定自在となっていると共に、上記クラッチC−3に接続され、該クラッチC−3を介して上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。また、上記サンギヤS3は、クラッチC−1に接続されており、上記キャリヤCR1の減速回転が入力自在となっている。
更に、上記キャリヤCR2は、入力軸10の回転が入力されるクラッチC−2に接続され、該クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、ワンウェイクラッチF−1及びブレーキB−2に接続されて、該ワンウェイクラッチF−1を介してミッションケースに対して一方向の回転が規制されると共に、該ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。そして、上記リングギヤR2は、カウンタギヤ(出力軸)11に接続されており、該カウンタギヤ11は、不図示のカウンタシャフト、ディファレンシャル装置を介して駆動車輪に接続されている。
[自動変速機における各変速段の動作]
つづいて、上記構成に基づき、自動変速機構5の作用について図1、図2及び図3に沿って説明する。なお、図3に示す速度線図において、縦軸方向はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転数を示しており、横軸方向はそれら回転要素のギヤ比に対応して示している。また、該速度線図のプラネタリギヤSPの部分において、縦軸は、図3中左方側から順に、サンギヤS1、キャリヤCR1、リングギヤR1に対応している。更に、該速度線図のプラネタリギヤユニットPUの部分において、縦軸は、図3中右方側から順に、サンギヤS3、リングギヤR2、キャリヤCR2、サンギヤS2に対応している。
例えばD(ドライブ)レンジであって、前進1速段(1ST)では、図2に示すように、クラッチC−1及びワンウェイクラッチF−1が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、キャリヤCR2の回転が一方向(正転回転方向)に規制されて、つまりキャリヤCR2の逆転回転が防止されて固定された状態になる。すると、サンギヤS3に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進1速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
なお、エンジンブレーキ時(コースト時)には、ブレーキB−2を係止してキャリヤCR2を固定し、該キャリヤCR2の正転回転を防止する形で、上記前進1速段の状態を維持する。また、該前進1速段では、ワンウェイクラッチF−1によりキャリヤCR2の逆転回転を防止し、かつ正転回転を可能にするので、例えば非走行レンジから走行レンジに切換えた際の前進1速段の達成を、ワンウェイクラッチF−1の自動係合により滑らかに行うことができる。
前進2速段(2ND)では、図2に示すように、クラッチC−1が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、キャリヤCR2がサンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、該サンギヤS3に入力された減速回転が該キャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、前進2速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進3速段(3TH)では、図2に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−3の係合によりキャリヤCR1の減速回転がサンギヤS2に入力される。つまり、サンギヤS2及びサンギヤS3にキャリヤCR1の減速回転が入力されるため、プラネタリギヤユニットPUが減速回転の直結状態となり、そのまま減速回転がリングギヤR2に出力され、前進3速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進4速段(4TH)では、図2に示すように、クラッチC−1及びクラッチC−2が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−1を介してサンギヤS3に入力される。また、クラッチC−2に係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS3に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、上記前進3速段より高い減速回転となってリングギヤR2に出力され、前進4速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進5速段(5TH)では、図2に示すように、クラッチC−2及びクラッチC−3が係合される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該サンギヤS2に入力された減速回転とキャリヤCR2に入力された入力回転とにより、入力回転より僅かに高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進5速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
前進6速段(6TH)では、図2に示すように、クラッチC−2が係合され、ブレーキB−1が係止される。すると、図1及び図3に示すように、クラッチC−2の係合によりキャリヤCR2に入力回転が入力される。また、ブレーキB−1の係止によりサンギヤS2の回転が固定される。すると、固定されたサンギヤS2によりキャリヤCR2の入力回転が上記前進5速段より高い増速回転となってリングギヤR2に出力され、前進6速段としての正転回転がカウンタギヤ11から出力される。
後進1速段(REV)では、図2に示すように、クラッチC−3が係合され、ブレーキB−2が係止される。すると、図1及び図3に示すように、固定されたサンギヤS1と入力回転であるリングギヤR1によって減速回転するキャリヤCR1の回転が、クラッチC−3を介してサンギヤS2に入力される。また、ブレーキB−2の係止によりキャリヤCR2の回転が固定される。すると、サンギヤS2に入力された減速回転が、固定されたキャリヤCR2を介してリングギヤR2に出力され、後進1速段としての逆転回転がカウンタギヤ11から出力される。
なお、例えばP(パーキング)レンジ及びN(ニュートラル)レンジでは、クラッチC−1、クラッチC−2、及びクラッチC−3、が解放される。すると、キャリヤCR1とサンギヤS2及びサンギヤS3との間、即ちプラネタリギヤSPとプラネタリギヤユニットPUとの間が切断状態となり、かつ、入力軸10とキャリヤCR2との間が切断状態となる。これにより、入力軸10とプラネタリギヤユニットPUとの間の動力伝達が切断状態となり、つまり入力軸10とカウンタギヤ11との動力伝達が切断状態となる。
[本自動変速機の制御装置の概略構成]
つづいて、本発明に係る自動変速機の制御装置1の概略構成について図4に沿って説明する。
図4に示すように、本自動変速機の制御装置1は、制御部(ECU)20を有しており、該制御部20は、アクセル開度センサ71、出力軸回転数(車速)センサ72、クルーズコントロール操作部73などが接続されている。該制御部20には、現在出力算出手段21、目標加速度算出手段22、走行抵抗算出手段23、余裕出力算出手段31、要求出力算出手段32、維持出力算出手段33、現変速比最大出力算出手段41とダウンシフト後最大出力算出手段42とアップシフト後最大出力算出手段43とを有する最大出力算出手段40、ダウンシフト判断手段51とアップシフト判断手段52とを有する変速判断手段50、油圧制御装置6に接続された油圧指令手段55、車速維持制御手段60、が備えられている。
なお、油圧制御装置6には、電子指令によって油圧を調圧出力し得る複数のリニアソレノイドバルブ(不図示)が備えられており、上述した自動変速機構5のクラッチC−1、C−2、C−3、ブレーキB−1、B−2のそれぞれの油圧サーボ(不図示)に係合圧を自在に調圧することで、それらクラッチやブレーキの係合・解放状態を自在に制御し、つまり変速段を変更自在に制御し得るように構成されている。
[各種演算の詳細説明]
つづいて、本自動変速機の制御装置1における各手段による演算を図4乃至図20に沿って説明する。なお、以下の各手段による演算は、例えばイグニッションONの状態、或いは少なくとも走行中の状態において、例えば数ミリ秒毎に繰り返して行われており、以下に説明する各数値は随時算出されるように構成されている。
[現在のパワーの算出]
上記現在出力算出手段21は、エンジン2から入力されるエンジン出力信号と、現在の変速段に基づくエンジンから駆動車輪までのギヤ比と、伝達効率とに基づき、駆動車輪から現在出力しているパワー(現在のパワー)を算出する。なお、本実施の形態では、エンジンからのエンジン出力信号に基づきエンジン出力の値を取得して現在のパワーを算出しているが、例えば車輌の加速度等から算出してもよく、つまり現在のパワーが算出できれば、どのように算出してもよく、特にエンジン出力信号を用いなくてもよい。
[目標加速度の算出]
上記車速維持制御手段60は、運転者が設定した車速を維持する、いわゆるクルーズコントロール制御を実行し得るように構成されており、例えば運転者によるクルーズコントロール操作部73の操作入力に基づき制御がONされると、運転者が任意に設定した車速(目標車速)を維持するように不図示のスロットル等を駆動する。この際、例えば現在の車速が目標車速より低いと、目標加速度算出手段22は、例えば所定時間で目標車速に到達させるための目標加速度Aim_accを算出する。なお、上記車速維持制御手段60は、クルーズコントロール制御がONされると、詳しくは後述するクルーズ信号Cruiseを出力する(クルーズ信号のフラグをONする)。
[走行抵抗の算出]
上記走行抵抗算出手段23は、エンジン出力信号と、現在の変速段のギヤ比と、出力軸回転数(車速)センサ72により検出されるアウトプット回転数outRpm(特にアウトプット回転数outRpmの回転数変化(回転加速度変化))に基づいて、つまり車輌としての現在の出力(現在のパワー)と車輌の加速度変化とから現在の走行抵抗roadRを随時算出する。
[維持出力(バランスパワー)の算出]
上記維持出力算出手段33は、図4及び図5に示すように、まず、上記走行抵抗算出手段23により随時算出される走行抵抗roadRにタイヤ半径WHEEL_RADIUSを乗算して車軸トルクshaft_torqueを算出する。また、該維持出力算出手段33は、出力軸回転数センサ72により検出されるアウトプット回転数outRpmをデフ比RATIO_FINAL(ディファレンシャルギヤのギヤ比)により除算してシャフト回転数を算出し、該シャフト回転数をシャフト回転角速度shaft_rpmに変換する。そして、車軸トルクshaft_torqueとシャフト回転角速度shaft_rpmとを乗算して、車速を維持するために必要な(即ち走行抵抗roadRと釣合う)バランスパワーbalanced_pwrを算出する。
[最大出力(最大パワー)の算出]
上記最大出力算出手段40には、図4及び図6に示すように、制御部20にあらかじめ記録されているトランスミッションの効率T/M_effと、出力軸回転数センサ72により検出されるアウトプット回転数outRpmと、詳しくは後述する変速判断手段50の変速判断の結果としての現在のギヤ段(現ギヤ段)pointGearとを入力しており、現変速比最大出力算出手段41により現変速比における車輌の最大パワー(現変速比最大パワー)n_MAXpwrを、ダウンシフト後最大出力算出手段42によりダウンシフト後の変速比における車輌の最大パワー(ダウンシフト後最大パワー)n-_MAXpwrを、アップシフト後最大出力算出手段43によりアップシフト後の変速比における車輌の最大パワー(アップシフト後最大パワー)n+_MAXpwrを、それぞれ算出する。
詳細には、現変速比最大出力算出手段41は、まず、アウトプット回転数outRpmに、現在のギヤ段pointGearに基づく現変速比を乗算して、インプット回転数を算出する。ついで、インプット回転数から近似し得るエンジン回転数から、例えば制御部20にあらかじめ記録されているエンジン2のトルク性能曲線(不図示)に基づき、現在の回転数でエンジン2が出力可能な最大トルクを算出する。また、インプット回転数をインプット回転角速度に変換し、エンジン2の最大トルクを乗算して、現在の走行状態(エンジン回転数)における理論上の最大入力を算出する。そして、その理論上の最大入力にトランスミッション効率T/M_effを乗算して、つまり現在の走行状態(エンジン回転数)における理論上の最大出力である現変速比最大パワーn_MAXpwrを算出する。
また、アップシフト後最大出力算出手段43は、まず、アウトプット回転数outRpmに、アップシフト後のギヤ段(ギヤ段+1)に基づくアップシフト後の変速比を乗算して、仮にアップシフトした場合のインプット回転数を算出する。ついで、アップシフト後のインプット回転数から近似し得るアップシフト後のエンジン回転数から、例えば上記エンジン2のトルク性能曲線(不図示)に基づき、アップシフト後の回転数でエンジン2が出力可能な最大トルクを算出する。また、アップシフト後のインプット回転数をアップシフト後のインプット回転角速度に変換し、アップシフト後のエンジン2の最大トルクを乗算して、アップシフト後の走行状態(エンジン回転数)における理論上の最大入力を算出する。そして、その理論上の最大入力にトランスミッション効率T/M_effを乗算して、つまりアップシフト後の走行状態(エンジン回転数)における理論上の最大出力であるアップシフト後最大パワーn+_MAXpwrを算出する。
また同様に、ダウンシフト後最大出力算出手段42は、まず、アウトプット回転数outRpmに、ダウンシフト後のギヤ段(ギヤ段−1)に基づくダウンシフト後の変速比を乗算して、仮にダウンシフトした場合のインプット回転数を算出してダウンシフト後のエンジン回転数を算出し、ダウンシフト後の回転数でエンジン2が出力可能な最大トルクを算出する。また、ダウンシフト後のインプット回転角速度を算出し、ダウンシフト後のエンジン2の最大トルクを乗算して、ダウンシフト後の走行状態(エンジン回転数)における理論上の最大入力を算出し、その理論上の最大入力にトランスミッション効率T/M_effを乗算して、ダウンシフト後の走行状態(エンジン回転数)における理論上の最大出力であるダウンシフト後最大パワーn-_MAXpwrを算出する。
[要求出力(要求パワー)の算出]
上記要求出力算出手段32は、運転者の運転操作による通常走行の場合(クルーズコントロール制御中ではない場合)と、クルーズコントロール制御中の(特に加速要求がある)場合とで異なる演算を行う。詳細には、上記要求出力算出手段32は、図8に示す要求パワーの算出ルーチンを開始し(S1−1)、通常走行の場合であって、上記車速維持制御手段60によるクルーズコントロール制御中ではない場合(クルーズ信号が出力されていない場合)(S1−2のYes)、図4及び図7に示すように、アクセル開度センサ71により検出されるアクセル開度θdを入力し、例えば制御部20にあらかじめアクセル開度とパワーとの関係が演算されて記録されている、アクセル開度−パワーの変換マップ(不図示)を参照し、アクセル操作に基づく要求パワーreq_pwrとする(S1−3)。通常走行中は、この演算を随時繰り返す(S1−12)。
一方、図8に示すように、上記車速維持制御手段60によりクルーズコントロール制御が実行中の場合は(S1−2のNo)、ACC要求(クルーズコントロール操作部による加速要求)又はレジューム要求(一旦減速した後、設定された車速に復帰する要求)があるか否かを判定し(S1−4)、これらの要求がない場合(S1−4のNo)、即ち、クルーズコントロール制御において速度を維持して走行する状態では、図4及び図7に示すように、上記走行抵抗算出手段23により算出されるバランスパワーbalanced_pwrをそのまま目標パワー(Aim_acc)req_pwrとする(S1−7)。
また、図8に示すように、クルーズコントロール制御中にあってACC要求又はレジューム要求があった場合は(S1−4のYes)、図4及び図7に示すように、要求出力算出手段32は、上記目標加速度算出手段22により算出された目標加速度Aim_accに車輌重量VIHICLE_WEIGHTを乗算し、目標駆動力を算出して、さらに、タイヤ半径WHEEL_RADIUSを乗算して目標トルクを算出する。さらに、出力軸回転数センサ72により検出されるアウトプット回転数outRpmをデフ比RATIO_FINAL(ディファレンシャルギヤのギヤ比)により除算してシャフト回転数を算出し、該シャフト回転数をシャフト回転角速度shaft_rpmに変換する。そして、目標トルクにシャフト回転角速度shaft_rpmを乗算して、加速に必要な目標パワーを算出し(S1−5)、さらにバランスパワーbalanced_pwrを加算して、車輌としての目標パワー(Aim_acc)req_pwrを算出する(S1−6)。
ついで、要求出力算出手段32は、以上のようにクルーズコントロール制御における目標パワー(Aim_acc)req_pwrを算出すると(S1−4〜S1−7)、図8のステップS1−8に進み、図7に示すようにオーバーライド目標パワー(OR要求パワー)、つまり上述と同様にアクセル操作に基づく要求パワーAccel_req_pwrを算出して、目標パワー(Aim_acc)req_pwrとオーバーライド目標パワーAccel_req_pwrとのどちらが高い(大きい)かを判断する(S1−9)。そして、オーバーライド目標パワーAccel_req_pwrの方が大きい場合はそれを要求パワーreq_pwrとし(S1−10)、クルーズコントロール制御における目標パワー(Aim_acc)req_pwrの方が大きい場合はそれを要求パワーreq_pwrとする(S1−11)。クルーズコントロール制御中は、以上の演算を随時繰り返す(S1−12)。
[変速判断の算出]
ついで、本発明の特徴である変速判断の算出(演算手法)について図4、図17乃至図22に沿って説明する。なお、本実施の形態に係る変速判断の演算手法においては、リザーブパワー(余裕出力)reserved_pwrの値の大きさによって車輌の燃費やドライバビリティ等に大きな影響を与えることになるが、そのリザーブパワーreserved_pwrの算出手法は変速判断の算出手法に関連するため、まず変速判断の算出手法から説明する。
[ダウンシフト変速判断の算出]
ダウンシフト判断手段51は、図18に示すダウンシフト判断ルーチンを開始すると(S2−1)、まず、図17に示すように、上述の維持出力算出手段33により算出されるバランスパワーbalanced_pwrに、後述する余裕出力算出手段31により算出されるリザーブパワーreserved_pwrを加算する(S2−2)。続いて、このバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値と、上述のように要求出力算出手段32により算出される要求パワーreq_pwrとのどちらが大きいかを判断し(S2−3)、要求パワーreq_pwrの方が大きい場合は(S2−3のYes)、その値を変速判断用パワー(第2値)として選択し(S2−4)、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値の方が大きい場合は(S2−3のNo)、その値を変速判断用パワー(第2値)として選択する(S2−5)。
ダウンシフト判断手段51は、以上のように変速判断用パワーを選択すると、上記現変速比最大出力算出手段41により算出される現変速比最大パワーn_MAXpwrよりも変速判断用パワーが大きいか否かを判断する(S2−6)。現変速比最大パワーn_MAXpwrよりも変速判断用パワーが小さい場合、即ち、現変速比最大パワーn_MAXpwrよりも、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値、又は要求パワーreq_pwrが小さい場合は(S2−6のNo)、ダウンシフトを判断せず、同様の演算を繰り返す(S2−9)。
ここで、現変速比最大パワーn_MAXpwrよりも変速判断用パワーが大きい場合、即ち、現変速比最大パワーn_MAXpwrよりも、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値、又は要求パワーreq_pwrが大きい場合は(S2−6のYes)、基本的に図18のステップS2−8に進み、ダウンシフトを判断する。
つまり現変速比最大パワーn_MAXpwrよりもバランスパワーbalanced_pwr(リザーブパワーreserved_pwrを含む)が大きい(大きくなった)状態では、例えば運転者がアクセルを踏み増し、現在の回転数にあってエンジン2が最大出力(スロットル全開)となっても、走行抵抗roadRに打ち負け、車速を維持することができないので、ダウンシフトを判断する。
また、現変速比最大パワーn_MAXpwrよりも要求パワーreq_pwrが大きい(大きくなった)状態では、例えば通常走行中(クルーズコントロール制御中ではない)にあって現在の回転数におけるエンジン2が最大出力(スロットル全開)となっても運転者が意図する加速要求に応じることができないので、ダウンシフトを判断する。さらに、例えばクルーズコントロール制御中にあって、現在の回転数におけるエンジン2が最大出力(スロットル全開)となっても、設定した車速に維持できない状態、或いはACC要求又はレジューム要求に応じられない状態であるので、ダウンシフトを判断する。
以上説明したようにダウンシフト判断の算出は、つまり第1値と第2値との比較により行われ、本第1の実施の形態では、第2値として現変速比最大パワーn_MAXpwr、第1値としてバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値と要求パワーreq_pwrとの大きい方、を用いている。このダウンシフト判断の算出は、以下の数式(1)により表すことができる。
n_MAXpwr<MAX[(balanced_pwr+reserved_pwr),req_pwr]・・・(1)
なお、本実施の形態においては、図18のステップS2−6において現変速比最大パワーn_MAXpwrよりも変速判断用パワーが大きいことを判断した場合、ステップS2−7において、上記現変速比最大出力算出手段41により算出される現変速比最大パワーn_MAXpwrよりも上記ダウンシフト後最大出力算出手段42により算出されるダウンシフト後最大パワーn-_MAXpwrが大きいか否かを判定する。即ち、例えばダウンシフト後にエンジン2のオーバーレブを生じるような高回転領域である場合や高地などでエンジン回転数が上昇するとエンジントルクが大きく低下する場合等、ダウンシフト後に現在の変速段よりもパワーが下がるような特殊な場合があり、このような場合は(S2−7のNo)ダウンシフト判断を防止し、一般的なダウンシフトであって、ダウンシフト後に現在の変速段よりもパワーが上がる場合に(S2−7のYes)、ダウンシフト判断(S2−8)を許可する。
また、以上のようにダウンシフト判断手段51によりダウンシフト判断がなされた場合は、図4に示すように、油圧指令手段55により油圧制御装置6のリニアソレノイドバルブ(不図示)に電子指令を出力して、自動変速機3のダウンシフトを実行する。
[アップシフト変速判断の算出]
アップシフト判断手段52は、図20に示すアップシフト判断ルーチンを開始すると(S3−1)、図19に示すように、上記ダウンシフト判断と同様に、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算し(S3−2)、この加算した値と、要求パワーreq_pwrとのどちらが大きいかを判断する(S3−3)。また同様に、要求パワーreq_pwrの方が大きい場合は(S3−3のYes)、その値を変速判断用パワー(第4値)として選択し(S3−4)、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値の方が大きい場合は(S3−3のNo)、その値を変速判断用パワー(第4値)として選択する(S3−5)。
アップシフト判断手段52は、以上のように変速判断用パワーを選択すると、該変速判断用パワーにダウンシフト判断とのハンチングを防止するためのヒステリシスパワーhys_pwrを加算し、その加算した値よりも、上記アップシフト後最大出力算出手段43により算出されるアップシフト後最大パワーn+_MAXpwrが大きいか否かを判断する(S3−6)。変速判断用パワーにヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値よりもアップシフト後最大パワーn+_MAXpwrが小さい場合、即ち、アップシフト後最大パワーn+_MAXpwrが、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値、又は要求パワーreq_pwrにヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値よりも小さい場合は(S2−6のNo)、アップシフトを判断せず、同様の演算を繰り返す(S3−8)。
ここで、アップシフト後最大パワーn+_MAXpwrが、変速判断用パワーにヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値よりも大きい場合、即ち、アップシフト後最大パワーn+_MAXpwrが、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値、又は要求パワーreq_pwrにヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値よりも大きい場合は(S2−6のYes)、図20のステップS3−7に進み、アップシフトを判断する。
つまりアップシフト後最大パワーn+_MAXpwrがバランスパワーbalanced_pwr(リザーブパワーreserved_pwr+ヒステリシスパワーhys_pwrを含む)よりも大きい(大きくなった)状態では、例えばアップシフトを行っても、現在の回転数のエンジン2における最大出力が走行抵抗roadRに打ち負けることがないので、アップシフト後も充分に車速を維持することができるので、アップシフトを判断する。
また、アップシフト後最大パワーn+_MAXpwrが要求パワーreq_pwr(ヒステリシスパワーhys_pwrを含む)より大きい(大きくなった)状態では、例えば通常走行中(クルーズコントロール制御中ではない)にあってアップシフト後の回転数におけるエンジン2の最大出力により運転者が意図する加速要求に応じることができるので、アップシフトを判断する。さらに、例えばクルーズコントロール制御中にあって、アップシフト後の回転数におけるエンジン2が最大出力により、設定した車速を維持できる状態、或いはACC要求又はレジューム要求に応じられる状態であるので、アップシフトを判断する。
以上説明したようにアップシフト判断の算出は、つまり第3値と第4値との比較により行われ、本第1の実施の形態では、第4値としてアップシフト後最大パワーn+_MAXpwr、第3値としてバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値と要求パワーreq_pwrとの大きい方にヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値、を用いている。このアップシフト判断の算出は、以下の数式(2)により表すことができる。
n+_MAXpwr>MAX[(balanced_pwr+reserved_pwr),req_pwr]+hys_pwr・・・(2)
また、上記数式(2)は、以下の数式(2’)と同義である。
n+_MAXpwr>MAX[(balanced_pwr+reserved_pwr+hys_pwr),(req_pwr+hys_pwr)]・・・(2’)
なお、以上のようにアップシフト判断手段52によりアップシフト判断がなされた場合は、図4に示すように、油圧指令手段55により油圧制御装置6のリニアソレノイドバルブ(不図示)に電子指令を出力して、自動変速機3のアップシフトを実行する。
[アクセルオフ状態での変速点]
以上説明したダウンシフト判断及びアップシフト判断は、車速(Vehicle Speed)とパワー(Power)との関係により変速点を表すことができ、例えばバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値が要求パワーreq_pwrよりも大きい状態(balanced_pwr+reserved_pwrが変速判断用パワーとして選択される場合)としての一例であるアクセルオフの場合は、図21のように示すことができる。
図21に示すように、本自動変速機3におけるエンジン2の最大出力に基づく最大パワーは、前進1速段の最大パワー1_MAXpwrから前進6速段の最大パワー6_MAXpwrで示すように、エンジン回転数に応じた最大性能に基づき、ギヤ比の割合で車速に対する最大パワーが一義的に算出される。なお、ダウンシフトしてもアップシフトしても車速は略々変化しないので、随時算出される現変速比最大パワーn_MAXpwrに対し、随時算出されるダウンシフト後最大パワーn-_MAXpwrは図中の縦軸方向の上方側に位置する値であり、随時算出されるアップシフト後最大パワーn+_MAXpwrは図中の縦軸方向の下方側に位置する値である。
一方、バランスパワーbalanced_pwrは、上述したように走行抵抗roadRに対して車速を維持するために必要な出力であり、その走行抵抗roadRは、車輪と路面との抵抗、車輌の空気抵抗等に起因して車速に応じて大きくなるので、バランスパワーbalanced_pwrも車速が高くなるにつれて大きな値となる。なお、このバランスパワーbalanced_pwrと前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrとの交点を変速点とすると、つまり車速の維持ができるか否かの臨界点が変速点となることになり、余裕が全くなく、運転者がアクセルを全開に踏込んでも車速をかろうじて維持することができる状態となってしまい、加速することはできない。
本実施の形態においては、通常走行中(クルーズコントロール制御中ではない走行中)であってアクセルオフの際は、上記要求出力算出手段32により算出される要求パワーreq_pwrが略々0であり、上記ダウンシフト判断の数式(1)に示すように、変速判断用パワーとしては、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値が選択され、つまり図21に示すバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値と、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrとの交点がダウンシフト変速点となる。
即ち、例えば前進6速段の際にエンジン2の最大出力に基づく最大パワー6_MAXpwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進6速段から前進5速段にダウンシフトし(6−5DOWN)、例えば前進5速段の際にエンジン2の最大出力に基づく最大パワー5_MAXpwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進5速段から前進4速段にダウンシフトし(5−4DOWN)、・・・、例えば前進2速段の際にエンジン2の最大出力に基づく最大パワー2_MAXpwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進2速段から前進1速段にダウンシフトする(2−1DOWN)。
また、上記アップシフト判断の数式(2)に示すように、アクセルオフの際は変速判断用パワーとして、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値が選択され、つまり図21に示すバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値と、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrとの交点がアップシフト変速点となる。
即ち、例えば前進1速段の際に、アップシフトした後の前進2速段においてエンジン2の最大出力に基づく最大パワー2_MAXpwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値を出力することが可能になれば前進1速段から前進2速段にアップシフトし(1−2UP)、例えば前進2速段の際に、アップシフトした後の前進3速段においてエンジン2の最大出力に基づく最大パワー3_MAXpwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値を出力することが可能になれば前進2速段から前進3速段にアップシフトし(2−3UP)、・・・、例えば前進5速段の際に、アップシフトした後の前進6速段においてエンジン2の最大出力に基づく最大パワー6_MAXpwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値を出力することが可能になれば前進5速段から前進6速段にアップシフトする(5−6UP)。
[アクセルオン状態での変速点]
一方、例えばバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値より、要求パワーreq_pwrの方が大きい状態(要求パワーreq_pwrが変速判断用パワーとして選択される場合)としての一例であるアクセルオンの場合は、図22のように示すことができる。なお、図22において、この最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrは、車輌としての性能であるので、図21に示すものと全く同じ値である。また同様に、走行抵抗roadRに基づくバランスパワーbalanced_pwrも、車輌として車速の維持に必要な出力であるので、図21に示すものと全く同じ値であり、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値も、図21に示すものと全く同じ値である。
アクセルオンの際であって、上記要求出力算出手段32により算出される要求パワーreq_pwrが、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値よりも大きい際(クルーズコントロール制御中でも要求パワーreq_pwrの方が大きい際)は、上記ダウンシフト判断の数式(1)に示すように、変速判断用パワーとして要求パワーreq_pwrが選択され、つまり図22に示す要求パワーreq_pwrと、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrとの交点がダウンシフト変速点となる。
即ち、例えば前進6速段の際にエンジン2の最大出力に基づく最大パワー6_MAXpwrからみて、運転者が要求している要求パワーreq_pwrを出力することが不能になれば前進6速段から前進5速段にダウンシフトし(6−5DOWN)、例えば前進5速段の際にエンジン2の最大出力に基づく最大パワー5_MAXpwrからみて、運転者が要求している要求パワーreq_pwrを出力することが不能になれば前進5速段から前進4速段にダウンシフトし(5−4DOWN)、・・・、例えば前進2速段の際にエンジン2の最大出力に基づく最大パワー2_MAXpwrからみて、運転者が要求している要求パワーreq_pwrを出力することが不能になれば前進2速段から前進1速段にダウンシフトする(2−1DOWN)。
また、上記アップシフト判断の数式(2)に示すように、アクセルオンの際は変速判断用パワーとして、要求パワーreq_pwrにヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値が選択され、つまり図22に示す要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値と、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrとの交点がアップシフト変速点となる。
即ち、例えば前進1速段の際に、アップシフトした後の前進2速段においてエンジン2の最大出力に基づく最大パワー2_MAXpwrからみて、要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値を出力することが可能になれば前進1速段から前進2速段にアップシフトし(1−2UP)、例えば前進2速段の際に、アップシフトした後の前進3速段においてエンジン2の最大出力に基づく最大パワー3_MAXpwrからみて、要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値を出力することが可能になれば前進2速段から前進3速段にアップシフトし(2−3UP)、・・・、例えば前進5速段の際に、アップシフトした後の前進6速段においてエンジン2の最大出力に基づく最大パワー6_MAXpwrからみて、要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値を出力することが可能になれば前進5速段から前進6速段にアップシフトする(5−6UP)。
[余裕出力(余裕量)の算出]
ついで、余裕出力(余裕量、リザーブパワーreserved_pwr)の算出について図9乃至図16に沿って説明する。まず、リザーブパワーreserved_pwrを設定する際の理想的な値について説明する。
上述した数式(1)、(2)にあって、バランスパワーbalanced_pwrとリザーブパワーreserved_pwrとを加算した値を変速判断に用いる際は、つまりリザーブパワーreserved_pwrが大きければ走行抵抗roadRに対する車速維持において、走行状況変化に対する余裕が大きいが、ダウンシフト側の変速段が選択され易くなり、反対に、リザーブパワーreserved_pwrが小さければ走行抵抗roadRに対する車速維持において、走行状況変化に対する余裕が小さいことになるが、アップシフト側の変速段が選択され易くなる。
例えば図15(a)に示すように、バランスパワーbalanced_pwrに加算するリザーブパワーreserved_pwrが小さいと、アップシフト側の前進5速段が選択され易くなるが、当該5速段における最大パワー5_MAXpwrが小さいので、運転者により要求される要求パワーreq_pwrが頻繁に上下する運転傾向にあると、要求パワーreq_pwrがリザーブパワーreserved_pwrを上回ってしまう度にダウンシフトが判断され、つまりビジーシフトが生じてしまう。なお、最大パワーn_MAXpwrは、前進4速段にダウンシフトされると最大パワー5_MAXpwrよりも大きな最大パワー4_MAXpwrとなるので、図15(a)中にあっては、ビジーシフトに合わせて鋸の歯型形状となる。
このような場合、例えば図15(b)に示すように、バランスパワーbalanced_pwrに加算するリザーブパワーreserved_pwrが大きいと、変速判断に対する余裕が大きく、運転者により要求される要求パワーreq_pwrが頻繁に上下する運転傾向にあっても、要求パワーreq_pwrがバランスパワーbalanced_pwrとリザーブパワーreserved_pwrとを加算した値を上回ることがなく、ダウンシフトが判断されずに前進4速段を維持した走行となって、つまりビジーシフトは防止される。
しかしながら、例えば図16(a)に示すように、バランスパワーbalanced_pwrに加算するリザーブパワーreserved_pwrが大きいままであると、例えばバランスパワーbalanced_pwrとリザーブパワーreserved_pwrとを加算した値が最大パワー5_MAXpwrよりも大きくなって、上記数式(1)、(2)に基づき、前進4速段が選択されることになる。即ち、運転者により要求される要求パワーreq_pwrがバランスパワーbalanced_pwrと釣合うぐらいの低い値で略々一定である運転傾向にあっては、図16(b)に示すように、前進5速段によりビジーシフトを生じることなく走行可能であるにも拘らず、図16(a)に示すように、前進4速段を選択してしまい、つまり余裕が大き過ぎることで低速段側が選択されてしまい、燃費向上の妨げとなる。
従って、ビジーシフトの防止と燃費向上との両立を図るためには、運転者により要求される要求パワーreq_pwrが頻繁に上下する運転傾向ではリザーブパワーreserved_pwrを大きくし、運転者により要求される要求パワーreq_pwrが低い値で略々一定である運転傾向ではリザーブパワーreserved_pwrを小さくすることが理想的である。
そこで、リザーブパワーreserved_pwrの大きさを、例えば運転者により要求される要求パワーreq_pwrに基づき変動させることが考えられる。しかし、勿論であるが運転者により要求される要求パワーreq_pwrの変動は予測することはできないため、要求パワーreq_pwrをリザーブパワーreserved_pwrの算出に反映させる際には、頻度の多い要求を反映させ、突発的な(イレギュラーな)要求は反映させないようにすることが好ましい。
即ち、運転者からの要求パワーreq_pwrが図13に示すように生じた場合、例えば図中左方側から3番目の山における他の値よりも低い値の要求パワーreq_pwrをリザーブパワーreserved_pwrに反映させなければ、図中左方側から4番目の山における要求パワーreq_pwrがリザーブパワーreserved_pwrを超えることがなく、ビジーシフトが防止される。また、運転者からの要求パワーreq_pwrが図14に示すように生じた場合、例えば図中中央の山における他の値よりも突発的に高い値の要求パワーreq_pwrをリザーブパワーreserved_pwrに反映させなければ、その後も要求パワーreq_pwrとリザーブパワーreserved_pwrとが略々一致して、燃費向上が図られる。
以上説明した理想的なリザーブパワーreserved_pwrを設定するため、本実施の形態においては、余裕出力算出手段31が図9に示すようにリザーブパワーreserved_pwrを算出する。即ち、余裕出力算出手段31は、まず、図12に示すように、要求パワーreq_pwrがバランスパワーbalanced_pwrを超過した部分を要求超過量over_pwrとして(要求パワーreq_pwrからバランスパワーbalanced_pwrを減算して要求超過量over_pwrを)算出する。また、アクセル開度センサ71により検出されるアクセル開度θdが所定のアクセル開度の閾値THRESHHOLDよりも小さい場合は、つまり要求超過量over_pwrが小さい値(マイナスの値)となり、その小さい値を用いてリザーブパワーreserved_pwrを算出すると、急激にリザーブパワーreserved_pwrが下がってしまう虞があるので、アクセル開度θdが所定のアクセル開度の閾値THRESHHOLDを下回った際の要求超過量over_pwrを入力値として維持(ホールド)する。
ついで、余裕出力算出手段31は、このように算出された要求超過量over_pwrを、応答の早いフィルタ(早応答フィルタ)31aと応答の遅いフィルタ(遅応答フィルタ)31bとにかける。早応答フィルタ31aは、要求超過量over_pwrの変化に早く応答させた値を算出するフィルタであり、また、遅応答フィルタ31bは、反対に要求超過量over_pwrの変化に早応答フィルタ31aよりも遅く応答させた値を算出するフィルタであり、要求超過量over_pwrが図10(a)に示すように変化する場合、早応答フィルタ31aにより算出される値は早応答値over_quick_pwrとなり、遅応答フィルタ31bにより算出される値は遅応答値over_slow_pwrとなる。そして、余裕出力算出手段31は、図10(b)に示すように早応答値over_quick_pwrと遅応答値over_slow_pwrとの大きい方を選択した値をリザーブパワーreserved_pwrとして算出する。
上記のような余裕出力算出手段31によるリザーブパワーreserved_pwrの算出を図11の走行例に沿って説明する。例えば前進5速段にて走行中にあって、運転者が車輌を加速させるためにアクセルを踏込むと、余裕出力算出手段31により算出される要求パワーreq_pwrが上昇し、それに伴い、余裕出力算出手段31により算出される要求超過量over_pwrが大きくなり、早応答値over_quick_pwrと遅応答値over_slow_pwrとの最大値からリザーブパワーreserved_pwrが算出され、該リザーブパワーreserved_pwrが大きくされていく。この際、要求パワーreq_pwrが現変速比(前進5速段の)最大パワー5_MAXpwrより大きくなり、上記数式(1)に基づきダウンシフト判断手段51によりダウンシフトが判断されて前進4速段に変速される。なお、現変速比最大パワーn_MAXpwrは、ダウンシフトされたため、前進4速段の最大パワー4_MAXpwrとなり、その際、要求パワーreq_pwrが該最大パワー4_MAXpwrより小さいので、前進3速段へのダウンシフトは判断されない。
その後、運転者が再度車輌を加速させるためにアクセルを踏込むと、同様に要求パワーreq_pwrが上昇されて要求超過量over_pwrが大きくなり、それによって、早応答値over_quick_pwrと遅応答値over_slow_pwrとの最大値は、応答遅れに起因して下がる前に上乗せされる形で上昇し、つまりリザーブパワーreserved_pwrが更に大きくされる。このようにリザーブパワーreserved_pwrが大きくされた状態では、リザーブパワーreserved_pwrが小さい場合に比してダウンシフト側の変速段が選択され易くなることも相俟って、変速判断に対する余裕が大きくなり、ビジーシフトが防止される。
さらにその後、運転者が車速を維持させる程度にアクセルを踏込んだ状態となると、余裕出力算出手段31により算出される要求パワーreq_pwrがバランスパワーbalanced_pwrより僅かに大きい程度の値に算出され、それに伴い、余裕出力算出手段31により算出される要求超過量over_pwrは小さくなり、早応答値over_quick_pwrと遅応答値over_slow_pwrとの最大値に基づくリザーブパワーreserved_pwrは小さくされていく。そして、バランスパワーbalanced_pwrとリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値がアップシフト後の(前進5速段の)最大パワー5_MAXpwrより小さくなると、上記数式(2)に基づきアップシフト判断手段52によりアップシフトが判断されて前進5速段に変速される。このようにリザーブパワーreserved_pwrが小さくされた状態では、変速判断に対する余裕が小さくなるが、リザーブパワーreserved_pwrが大きい場合に比してアップシフト側の変速段が選択され易くなり、燃費向上が図られる。
[走行例の比較]
以上説明した本自動変速機の制御装置1による演算による変速判断と、従来の変速マップを用いた変速判断と、従来の変速マップを燃費向上のために修正した変速マップを用いた変速判断と、の違いを図23〜図25に沿って説明する。なお、図23〜図25における走行例は、説明の便宜上、同じ走行抵抗roadRが発生する条件で、かつ運転者が同じようにアクセル操作したものとして説明する。
即ち、図23(a)、図24(a)、図25(a)に示すように、例えば道路勾配により走行抵抗roadRが大きな状態から一旦小さくなり、その後、徐々に大きくなっていくような場合にあって、図23(b)、図24(b)、図25(b)に示すように車速(出力軸回転数OutRpm)を一定に維持するように、図23(d)、図24(d)、図25(d)に示すように運転者が道路勾配等に合わせてアクセル開度θdを変更したとする。
ここで、図24(c)に示すように、従来の変速マップに基づき変速判断する場合にあっては、変速マップを設計する時点において、変速判断に対する余裕を大きくして変速点を設定しているため、つまりリザーブパワーreserved_pwrが充分大きいので、変速が生じることはないが、その分ダウンシフト側の変速段にて走行することになり、燃費向上が望めない。
一方、図25(c)に示すように、例えば従来の変速マップを燃費向上のために修正した変速マップに基づき変速判断する場合にあっては、変速判断に対する余裕を小さくして変速点を設定しているため、つまりリザーブパワーreserved_pwrが小さく、よりアップシフト側の変速段を選択することになる。そのため、エンジン回転数の低回転領域を多く使用することになり、燃費向上が望めるが、図中に示すように、運転者が要求するように車輌が加速しないこともあり、アクセルを余分に踏込む事態を招くと共に、それに応じてビジーシフトが生じ、アクセル開度の上下変化と相俟って、ドライバビリティとして良好でなくなる。
本制御装置1の演算による変速判断では、図23(c)に示すように、走行抵抗roadRが小さくなるとバランスパワーbalanced_pwrが小さくなるので、アップシフト側の変速段が選択されて、燃費向上が図られる。また、その後、走行抵抗roadRが大きくなるとバランスパワーbalanced_pwrも大きくなるので、ダウンシフト側の変速段が選択される。このように本変速制御にあっては、図25(c)に示すようなビジーシフトを生じることがなく、ドライバビリティも確保され、燃費向上との両立が図られる。
[本願発明のまとめ]
以上説明したように本自動変速機の制御装置1によると、例えば運転者があまり加速を望まずに車速を維持する程度のアクセル開度θdの領域では、車輌の走行抵抗roadRに応じたバランスパワーbalanced_pwr及びリザーブパワーreserved_pwrに基づき変速段が選択され、例えば運転者が車輌の加速を要求するアクセル開度θdの領域では、要求パワーreq_pwrに基づき変速段が選択されるので、車速を維持するような走行状態における燃費向上を図ることができ、かつ運転者の加速要求に応じた変速段の選択も行うことができて、ドライバビリティを確保することができる。これにより、変速マップを必要とせず、かつ実用に耐え得る変速段選択の演算を可能にすることができ、つまり新たな変速段選択の演算手法を提供することができる。そして、演算による変速段の選択を可能にするので、演算する際の数値の最適化、走行状況による補正、各数値の学習等、変速段選択制御の拡充を図ることで、さらなる燃費向上を図ることを可能とすることができる。
また、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した出力と要求パワーreq_pwrとの大きい方をダウンシフト判断のための値(第1値)として採用することができ、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した出力と要求パワーreq_pwrとの大きい方にハンチングを防止するためのヒステリシスパワーhys_pwrを加算した出力をアップシフト判断のための値(第3値)として採用することができる。これにより、車速を維持するような走行状態においては、特にリザーブパワーreserved_pwrに基づきビジーシフトの防止と燃費向上との両立を図ることができ、運転者が加速を要求するような走行状態においては、要求パワーreq_pwrに応じた変速段の選択を行うことができる。
更に、現変速段最大パワーn_MAXpwrをダウンシフト判断の基準となる値(第2値)として採用することができ、アップシフト後最大パワーn+_MAXpwrをアップシフト判断の基準となる値(第4値)として採用することができる。これにより、現在の変速段における車輌の出力能力を超えて、車速の維持ができなくなった場合や加速の要求があった場合にはダウンシフトを判断することができ、反対に、車速の維持や加速の要求に対して、アップシフト後の変速段における車輌の出力能力で足りる場合にアップシフトを判断することができる。なお、詳しくは後述するエンジン回転を上昇させ得る余力を減算した出力を基準とする場合に比して、余力を残さない分だけアップシフト側の変速段を選択することになり、より燃費の向上を図ることができる。
また、本自動変速機の制御装置1は、走行抵抗roadRを随時算出し得る走行抵抗算出手段23を備えているので、演算による変速段の選択の精度を良好にすることができ、それによって、さらなる燃費向上を図ることができる。
更に、要求出力算出手段32は、通常走行にあって、運転操作に基づき要求された要求パワーreq_pwrを算出するので、運転者の加速要求に応じた変速比の選択を行うことを可能とすることができる。また、クルーズコントロール制御中にあっては、目標車速まで加速するために必要な出力として車速維持制御手段60から要求された要求パワーreq_pwrを算出するので、車輌の車速を維持する制御にあって、車速を維持するだけでなく、目標車速に速やかに到達するための加速に必要な変速比の選択を行うことを可能とすることができる。
また、ダウンシフト判断手段51は、ダウンシフト後最大パワーn-_MAXpwrが現変速比最大パワーn_MAXpwrよりも小さい場合、即ち、ダウンシフトしても車輌の出力が上昇しない場合にダウンシフトの判断を禁止するので、不要なダウンシフトを防止することができる。
<第2の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について、図26及び図27に沿って説明する。本第2の実施の形態にあっては、上記第1の実施の形態に比して、ダウンシフト判断手段51及びアップシフト判断手段52により判断されるダウンシフト判断及びアップシフト判断における値を変更したものである。
即ち、上記第1の実施の形態にあっては、ダウンシフト判断の際、現変速比最大パワーn_MAXpwrを基準とし、アップシフト判断の際、アップシフト後最大パワーn+_MAXpwrを基準としていたが、本第2の実施の形態にあっては、これらの値にエンジン2を回転上昇させ得る余力E/G_reserved_pwrを減算した値を用いたものである。
従って、本第2の実施の形態におけるダウンシフト判断では、第2値として現変速比最大パワーn_MAXpwrから余力E/G_reserved_pwrを減算した値、第1値としてバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値と要求パワーreq_pwrとの大きい方の値、を用いている。このダウンシフト判断の算出は、以下の数式(3)により表すことができる。
n_MAXpwr−E/G_reserved_pwr<MAX[(balanced_pwr+reserved_pwr),req_pwr]・・・(3)
また、アップシフト判断では、第4値としてアップシフト後最大パワーn+_MAXpwrから余力E/G_reserved_pwrを減算した値、第3値としてバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値と要求パワーreq_pwrとの大きい方にヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値、を用いている。このアップシフト判断の算出は、以下の数式(4)により表すことができる。
n+_MAXpwr−E/G_reserved_pwr>MAX[(balanced_pwr+reserved_pwr),req_pwr]+hys_pwr・・・(4)
[アクセルオフ状態での変速点]
従って、本第2の実施の形態においては、図26に示すように、通常走行中(クルーズコントロール制御中ではない走行中)であってアクセルオフの際は、上記要求出力算出手段32により算出される要求パワーreq_pwrが略々0であり、上記ダウンシフト判断の数式(3)に示すように、変速判断用パワーとしては、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値が選択され、つまり図26に示すバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値と、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwr−E/G_reserved_pwrとの交点がダウンシフト変速点となる。
即ち、例えば前進6速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値6_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進6速段から前進5速段にダウンシフトし(6−5DOWN)、例えば前進5速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値5_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進5速段から前進4速段にダウンシフトし(5−4DOWN)、・・・、例えば前進2速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値2_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進2速段から前進1速段にダウンシフトする(2−1DOWN)。
また、上記アップシフト判断の数式(4)に示すように、アクセルオフの際は変速判断用パワーとして、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値が選択され、つまり図26に示すバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値と、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrとの交点がアップシフト変速点となる。
即ち、例えば前進1速段の際に、アップシフトした後の前進2速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値2_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値を出力することが可能になれば前進1速段から前進2速段にアップシフトし(1−2UP)、例えば前進2速段の際に、アップシフトした後の前進3速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値3_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値を出力することが可能になれば前進2速段から前進3速段にアップシフトし(2−3UP)、・・・、例えば前進5速段の際に、アップシフトした後の前進6速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値6_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値を出力することが可能になれば前進5速段から前進6速段にアップシフトする(5−6UP)。
[アクセルオン状態での変速点]
一方、アクセルオンの際は、上記要求出力算出手段32により算出される要求パワーreq_pwrが、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値よりも大きい際(クルーズコントロール制御中でも要求パワーreq_pwrの方が大きい際)は、上記ダウンシフト判断の数式(3)に示すように、変速判断用パワーとして要求パワーreq_pwrが選択され、つまり図27に示す要求パワーreq_pwrと、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrから余力E/G_reserved_pwrを減算した値との交点がダウンシフト変速点となる。
即ち、例えば前進6速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値6_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、運転者が要求している要求パワーreq_pwrを出力することが不能になれば前進6速段から前進5速段にダウンシフトし(6−5DOWN)、例えば前進5速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値5_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、運転者が要求している要求パワーreq_pwrを出力することが不能になれば前進5速段から前進4速段にダウンシフトし(5−4DOWN)、・・・、例えば前進2速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値2_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、運転者が要求している要求パワーreq_pwrを出力することが不能になれば前進2速段から前進1速段にダウンシフトする(2−1DOWN)。
また、上記アップシフト判断の数式(4)に示すように、アクセルオンの際は変速判断用パワーとして、要求パワーreq_pwrにヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値が選択され、つまり図27に示す要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値と、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrから余力E/G_reserved_pwrを減算した値との交点がアップシフト変速点となる。
即ち、例えば前進1速段の際に、アップシフトした後の前進2速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値2_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値を出力することが可能になれば前進1速段から前進2速段にアップシフトし(1−2UP)、例えば前進2速段の際に、アップシフトした後の前進3速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値3_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値を出力することが可能になれば前進2速段から前進3速段にアップシフトし(2−3UP)、・・・、例えば前進5速段の際に、アップシフトした後の前進6速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値6_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値を出力することが可能になれば前進5速段から前進6速段にアップシフトする(5−6UP)。
[第2の実施の形態のまとめ]
以上の第2の実施の形態によると、現変速比最大パワーn_MAXpwrからエンジン2を回転上昇させ得る余力E/G_reserved_pwrを減算した出力をダウンシフト判断の基準となる値(第2値)として採用することができ、アップシフト後最大出力n+_MAXpwrから該余力E/G_reserved_pwrを減算した出力をアップシフト判断の基準となる値(第4値)として採用することができる。即ち、エンジン2を回転上昇させ得る余力E/G_reserved_pwrを減算した出力を基準としているので、変速時にエンジン2自体が回転上昇を行う車輌に用いて好適とすることができる。なお、本実施の形態においては、自動変速機として多段変速を行うものを一例に説明したが、例えば無段変速機にあって変速比を擬似的に設定するもの等にも本発明を適用することができる。このような無段変速機にあっては、変速時にクラッチ等が解放されることがなく、エンジンと駆動車輪との動力伝達が途切れることがないので、変速により動力伝達経路の回転系の回転数を上昇させるためには、エンジン自体の余力E/G_reserved_pwrが必要となる。
なお、以上の第2の実施の形態において説明した部分以外は、第1の実施の形態と構成・作用・効果とも同じであるので、その説明を省略する。
<第3の実施の形態>
ついで、上記第2の実施の形態を一部変更した第3の実施の形態について、図28及び図29に沿って説明する。本第3の実施の形態にあっては、上記第2の実施の形態に比して、さらにダウンシフト判断手段51及びアップシフト判断手段52により判断されるダウンシフト判断及びアップシフト判断における値を変更したものである。
即ち、上記第2の実施の形態にあっては、ダウンシフト判断の際、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値と要求パワーreq_pwrとの大きい方の値を第1値とし、アップシフト判断の際、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値と要求パワーreq_pwrとの大きい方にヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値を第3値としていたが、本第3の実施の形態にあっては、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrと要求パワーreq_pwrとの大きい方を加算した値を第1値及び第3値に用いたものである。
従って、本第3の実施の形態におけるダウンシフト判断では、第2値として現変速比最大パワーn_MAXpwrから余力E/G_reserved_pwrを減算した値、第1値としてバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrと要求パワーreq_pwrとの大きい方を加算した値、を用いている。このダウンシフト判断の算出は、以下の数式(5)により表すことができる。
n_MAXpwr−E/G_reserved_pwr<balanced_pwr+MAX[reserved_pwr,req_pwr]・・・(5)
また、アップシフト判断では、第3値としてアップシフト後最大パワーn+_MAXpwrから余力E/G_reserved_pwrを減算した値、第4値としてバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrと要求パワーreq_pwrとの大きい方を加算した値に更にヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値、を用いている。このアップシフト判断の算出は、以下の数式(6)により表すことができる。
n+_MAXpwr−E/G_reserved_pwr>balanced_pwr+MAX[reserved_pwr,req_pwr]+hys_pwr・・・(6)
[アクセルオフ状態での変速点]
従って、本第2の実施の形態においては、図28に示すように、通常走行中(クルーズコントロール制御中ではない走行中)であってアクセルオフの際は、上記要求出力算出手段32により算出される要求パワーreq_pwrが略々0であり、上記ダウンシフト判断の数式(5)に示すように、変速判断用パワーとしては、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値が選択され、つまり図28に示すバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値と、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwr−E/G_reserved_pwrとの交点がダウンシフト変速点となる。
即ち、例えば前進6速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値6_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進6速段から前進5速段にダウンシフトし(6−5DOWN)、例えば前進5速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値5_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進5速段から前進4速段にダウンシフトし(5−4DOWN)、・・・、例えば前進2速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値2_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進2速段から前進1速段にダウンシフトする(2−1DOWN)。
また、上記アップシフト判断の数式(6)に示すように、アクセルオフの際は変速判断用パワーとして、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値が選択され、つまり図28に示すバランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値と、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrとの交点がアップシフト変速点となる。
即ち、例えば前進1速段の際に、アップシフトした後の前進2速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値2_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値を出力することが可能になれば前進1速段から前進2速段にアップシフトし(1−2UP)、例えば前進2速段の際に、アップシフトした後の前進3速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値3_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値を出力することが可能になれば前進2速段から前進3速段にアップシフトし(2−3UP)、・・・、例えば前進5速段の際に、アップシフトした後の前進6速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値6_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値を出力することが可能になれば前進5速段から前進6速段にアップシフトする(5−6UP)。
[アクセルオン状態での変速点]
一方、アクセルオンの際は、上記要求出力算出手段32により算出される要求パワーreq_pwrが、リザーブパワーreserved_pwrよりも大きい際(クルーズコントロール制御中でも要求パワーreq_pwrの方が大きい際)は、上記ダウンシフト判断の数式(6)に示すように、変速判断用パワーとしてバランスパワーbalanced_pwrに要求パワーreq_pwrを加算した値が選択され、つまり図29に示すバランスパワーbalanced_pwrに要求パワーreq_pwrを加算した値と、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrから余力E/G_reserved_pwrを減算した値との交点がダウンシフト変速点となる。
即ち、例えば前進6速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値6_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrに要求パワーreq_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進6速段から前進5速段にダウンシフトし(6−5DOWN)、例えば前進5速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値5_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrに要求パワーreq_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進5速段から前進4速段にダウンシフトし(5−4DOWN)、・・・、例えば前進2速段の際にエンジン2の最大出力から余力を減算した第2値2_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrに要求パワーreq_pwrを加算した値を出力することが不能になれば前進2速段から前進1速段にダウンシフトする(2−1DOWN)。
また、上記アップシフト判断の数式(6)に示すように、アクセルオンの際は変速判断用パワーとして、バランスパワーbalanced_pwrに要求パワーreq_pwrを加算した値に更にヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値が選択され、つまり図29に示すバランスパワーbalanced_pwrと要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値と、前進1〜6速段の最大パワー1_MAXpwr〜6_MAXpwrから余力E/G_reserved_pwrを減算した値との交点がアップシフト変速点となる。
即ち、例えば前進1速段の際に、アップシフトした後の前進2速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値2_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrと要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値を出力することが可能になれば前進1速段から前進2速段にアップシフトし(1−2UP)、例えば前進2速段の際に、アップシフトした後の前進3速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値3_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrと要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値を出力することが可能になれば前進2速段から前進3速段にアップシフトし(2−3UP)、・・・、例えば前進5速段の際に、アップシフトした後の前進6速段においてエンジン2の最大出力から余力を減算した第4値6_MAXpwr−E/G_reserved_pwrからみて、バランスパワーbalanced_pwrと要求パワーreq_pwrとヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値を出力することが可能になれば前進5速段から前進6速段にアップシフトする(5−6UP)。
[第3の実施の形態のまとめ]
以上の第3の実施の形態によると、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrと要求パワーreq_pwrとの大きい方を加算した値をダウンシフト判断のための第1値とすることができ、バランスパワーbalanced_pwrにリザーブパワーreserved_pwrと要求パワーreq_pwrとの大きい方を加算した値に更にヒステリシスパワーhys_pwrを加算した値をアップシフト判断のための第3値とすることができる。これにより、車速を維持するような走行状態においては、特にリザーブパワーreserved_pwrに基づきビジーシフトの防止と燃費向上との両立を図ることができ、運転者が加速を要求するような走行状態においては、要求パワーreq_pwrに応じた変速段の選択を行うことができる。
なお、以上の第3の実施の形態において説明した部分以外は、第1及び第2の実施の形態と構成・作用・効果とも同じであるので、その説明を省略する。
<第4の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第4の実施の形態について、図30及び図31に沿って説明する。本第4の実施の形態にあっては、上記第1の実施の形態に比して、リザーブパワーreserved_pwrの演算手法を変更したものである。
第4の実施の形態に係る余裕出力算出手段31’は、要求パワーreq_pwrからバランスパワーbalanced_pwrを減算した要求超過量over_pwrと、アクセル開度θdとに基づき、ノーマル(Normal)モード、エコ(ECO)モード、スポーツ(Sport)モードの3つのモードを切換えて、各モードに対応付けられた値をリザーブパワーreserved_pwrとして採用するものである。
詳細には、余裕出力算出手段31’は、例えばノーマルモードで走行中に、アクセルが踏まれており、かつ要求超過量over_pwrが第1閾値a1(例えば1kw)以下で3秒間走行する状態が5セット(5回)続いたことを判定すると、つまり運転者が車輌の加速をあまり要求していない状態が5回続いたので、ノーマルモードからエコモードへの移行する。このエコモードにあっては、ダウンシフト判断(数式(1))に用いるリザーブパワーreserved_pwrを値A1(例えば4kw)とし、アップシフト判断(数式(2))に用いるリザーブパワーreserved_pwrを値A2(例えば8kw)として設定する。この値A1及び値A2は、小さな値に設定されており、つまりバランスパワーbalanced_pwrに加算するリザーブパワーreserved_pwrが小さく、余裕が小さい状態であって、アップシフト側の変速段が選択され易くなり、燃費向上が図られる。
また、例えばエコモードで走行中に、要求超過量over_pwrが第2閾値b1(例えば23kw)以上となったことを判定すると、つまり運転者がある程度の車輌の加速を要求しているので、エコモードからノーマルモードへの移行する。このノーマルモードにあっては、ダウンシフト判断(数式(1))に用いるリザーブパワーreserved_pwrを値B1(例えば6kw)とし、アップシフト判断(数式(2))に用いるリザーブパワーreserved_pwrを値B2(例えば12kw)として設定する。この値B1及び値B2は、上記値A1及び値A2よりも大きく、かつ後述の値C1及び値C2よりも小さな値に設定されており、つまりバランスパワーbalanced_pwrに加算するリザーブパワーreserved_pwrが中程度であり、余裕が中程度に維持された状態であって、エコモードよりもダウンシフト側の変速段が選択され易くなると共に、アクセル開度θdの変化や走行抵抗roadRの変化に対する余裕がある程度あり、ある程度のビジーシフトが防止される。
また、例えばノーマルモードで走行中に、要求超過量over_pwrが第3閾値b2(例えば40kw)以上となったことを判定すると、つまり運転者が車輌の急加速を要求しているので、ノーマルモードからスポーツモードへの移行する。このスポーツモードにあっては、ダウンシフト判断(数式(1))に用いるリザーブパワーreserved_pwrを値C1(例えば16kw)とし、アップシフト判断(数式(2))に用いるリザーブパワーreserved_pwrを値C2(例えば12kw)として設定する。この値C1及び値C2は、上記値B1及び値B2よりも大きな値に設定されており、つまりバランスパワーbalanced_pwrに加算するリザーブパワーreserved_pwrが大きく、余裕が大きくされた状態であって、ノーマルモードよりもダウンシフト側の変速段が選択され易くなると共に、アクセル開度θdの変化や走行抵抗roadRの変化に対する余裕が大きく、燃費向上よりもビジーシフトの防止が優先される。
そして、例えばスポーツモードで走行中に、アクセルが踏まれており、かつ要求超過量over_pwrが第4閾値a2(例えば2kw)以下で3秒間走行する状態が3セット(3回)続いたことを判定すると、つまり運転者が車輌の加速をあまり要求していない状態が3回続いたので、スポーツモードからノーマルモードへの移行する。
なお、以上の説明において示したモード移行の条件は、単なる例示であって、より運転者の意図が反映される条件であれば、どのような条件であってもよい。
以上のような余裕出力算出手段31’によるリザーブパワーreserved_pwrの算出によると、図31に示す前進5速段にてノーマルモードによる走行中にあって、運転者が車輌を加速させるためにアクセルを踏込むと、余裕出力算出手段31により算出される要求パワーreq_pwrが上昇し、それに伴い、余裕出力算出手段31により算出される要求超過量over_pwrが大きくなり、要求超過量over_pwrが第3閾値b2(例えば40kw)以上となったことに基づきスポーツモードが判定されて、リザーブパワーreserved_pwrが段階的に値C1及び値C2に大きくされる。この際、要求パワーreq_pwrが現変速比(前進5速段の)最大パワー5_MAXpwrより大きくなり、上記数式(1)に基づきダウンシフト判断手段51によりダウンシフトが判断されて前進4速段に変速される。なお、本実施の形態においては、各モードにおいて、リザーブパワーreserved_pwrの値をダウンシフトとアップシフトとで異なる値に設定しているが、図31に示すタイムチャートでは、説明を簡略化するため、1つの値として示している。
その後、運転者が再度車輌を加速させるためにアクセルを踏込んでも、上記条件に基づきスポーツモードが判定されており、リザーブパワーreserved_pwrの大きさが維持される。このようにリザーブパワーreserved_pwrが大きくされた状態では、リザーブパワーreserved_pwrが小さい場合に比してダウンシフト側の変速段が選択され易くなることも相俟って、変速判断に対する余裕が大きくなり、ビジーシフトが防止される。
さらにその後、運転者が車速を維持させる程度にアクセルを踏込んだ状態となると、要求超過量over_pwrが第4閾値a2(例えば2kw)以下で3秒間走行する状態が3セット(3回)続いたこと(つまり9秒間続いたこと)に基づきノーマルモードが判定され、リザーブパワーreserved_pwrが段階的に値B1及び値B2に小さくされる。そして、バランスパワーbalanced_pwrとリザーブパワーreserved_pwr(値B2)とヒステリシスパワーhys_pwrとを加算した値がアップシフト後の(前進5速段の)最大パワー5_MAXpwrより小さくなると、上記数式(2)に基づきアップシフト判断手段52によりアップシフトが判断されて前進5速段に変速される。このようにリザーブパワーreserved_pwrが小さくされた状態では、変速判断に対する余裕が小さくなるが、リザーブパワーreserved_pwrが大きい場合に比してアップシフト側の変速段が選択され易くなり、燃費向上が図られる。
以上説明した第4の実施の形態に係る自動変速機の制御装置1によると、余裕出力算出手段31’がモードを切換えることで段階的にリザーブパワーreserved_pwrを変更するので、例えば運転者による運転操作が急激に変化した場合、走行抵抗roadRが急激に変化した場合等にあって、リザーブパワーreserved_pwrの値を応答良く変更することができ、ドライバビリティを良好にすることができる。
なお、本第4の実施の形態においては、3つのモードを用いたものを説明したが、これに限らず、更に多くのモードを備えるようにしてもよい。また、本第4の実施の形態においては、各モードに移行した後は、そのモードにおけるリザーブパワーreserved_pwrの値が固定値であるものを説明したが、各モードにおいてリザーブパワーreserved_pwrの値を変動させるように構成してもよい。特にエコモードにあって、図9に示す、応答の早いフィルタ31aと応答の遅いフィルタ31bとを取り入れてもよく、つまり第4の実施の形態に第1の実施の形態を組み合わせた構成も考えられる。
本発明を適用し得る自動変速機を示すスケルトン図。 自動変速機構の係合表。 自動変速機構の速度線図。 本発明に係る自動変速機の制御装置を示すブロック図。 バランスパワーの算出を示すブロック図。 最大パワーの算出を示すブロック図。 要求パワーの算出を示すブロック図。 要求パワーの算出を示すフローチャート。 第1の実施の形態に係る余裕量の算出を示すブロック図。 早応答フィルタと遅応答フィルタとの関係を示すタイムチャートで、(a)は要求超過量と早応答値と遅応答値とを示す図、(b)は最大値を選択した場合の余裕量を示す図。 第1の実施の形態に係る余裕量の設定手法における走行例を示すタイムチャート。 要求超過量を説明するタイムチャート。 要求超過量と余裕量との関係を説明するタイムチャート。 短期の要求超過量と余裕量との関係を説明するタイムチャート。 余裕量と変速段との関係を説明するタイムチャートで、(a)は余裕量が過小な場合を示す図、(b)は余裕量が適宜な場合を示す図。 余裕量と変速段との関係を説明するタイムチャートで、(a)は余裕量が過大な場合を示す図、(b)は余裕量が適宜な場合を示す図。 ダウンシフト判断の算出を示すブロック図。 ダウンシフト判断の算出を示すフローチャート。 アップシフト判断の算出を示すブロック図。 アップシフト判断の算出を示すフローチャート。 第1の実施の形態に係るアクセルオフの変速点を示す図。 第1の実施の形態に係るアクセルオンの変速点を示す図。 本発明の変速制御による走行例を示すタイムチャートで、(a)は走行抵抗を示す図、(b)は車速を示す図、(c)は変速段を示す図、(d)はアクセル開度を示す図。 従来の変速マップの変速制御による走行例を示すタイムチャートで、(a)は走行抵抗を示す図、(b)は車速を示す図、(c)は変速段を示す図、(d)はアクセル開度を示す図。 燃費向上用に変更した変速マップの変速制御による走行例を示すタイムチャートで、(a)は走行抵抗を示す図、(b)は車速を示す図、(c)は変速段を示す図、(d)はアクセル開度を示す図。 第2の実施の形態に係るアクセルオフの変速点を示す図。 第2の実施の形態に係るアクセルオンの変速点を示す図。 第3の実施の形態に係るアクセルオフの変速点を示す図。 第3の実施の形態に係るアクセルオンの変速点を示す図。 第4の実施の形態に係る余裕量の算出を示すブロック図。 第4の実施の形態に係る余裕量の設定手法における走行例を示すタイムチャート。
符号の説明
1 自動変速機の制御装置
2 駆動源
3 自動変速機
5 変速機構
10 入力軸
11 出力軸
23 走行抵抗算出手段
32 要求出力算出手段
33 維持出力算出手段
41 現変速比最大出力算出手段
42 ダウンシフト後最大出力算出手段
43 アップシフト後最大出力算出手段
51 ダウンシフト判断手段
52 アップシフト判断手段
60 車速維持制御手段
balanced_pwr 維持出力(バランスパワー)
hys_pwr 所定出力(ヒステリシスパワー)
n_MAXpwr 現変速比最大出力
n-_MAXpwr ダウンシフト後最大出力
n+_MAXpwr アップシフト後最大出力
outRpm 車速(出力軸回転数)
req_pwr 要求出力(リクエストパワー)
reserved_pwr 余裕出力(リザーブパワー)
roadR 走行抵抗
E/G_MAXpwr 駆動源の最大出力
E/G_reserved_pwr 余力

Claims (9)

  1. 駆動源から入力軸に入力された回転を変速して出力軸から駆動車輪へ出力する変速機構における変速比を変更自在な自動変速機の制御装置において、
    走行抵抗に基づき車速の維持に必要な維持出力を算出する維持出力算出手段と、
    要求された要求出力を算出する要求出力算出手段と、
    前記駆動源の最大出力に基づき現在の変速比における車輌の最大出力である現変速比最大出力を算出する現変速比最大出力算出手段と、
    前記駆動源の最大出力に基づきアップシフト変速後の変速比における車輌の最大出力であるアップシフト後最大出力を算出するアップシフト後最大出力算出手段と、
    前記維持出力と前記要求出力と走行状況変化に対する変速判断に余裕を与えるための余裕出力とに基づく第1値が、前記現変速比最大出力に基づく第2値より大きくなった際に、前記変速比のダウンシフトを判断するダウンシフト判断手段と、
    前記維持出力と前記要求出力と前記余裕出力とに基づく第3値が、前記アップシフト後最大出力に基づく第4値より小さくなった際に、前記変速比のアップシフトを判断するアップシフト判断手段と、を備えた、
    ことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記ダウンシフト判断手段は、前記維持出力に前記余裕出力を加算した出力と、前記要求出力と、の大きい方を前記第1値としてなり、
    前記アップシフト判断手段は、前記維持出力に前記余裕出力を加算した出力と、前記要求出力と、の大きい方に、ハンチングを防止するための所定出力を加算した出力を前記第3値としてなる、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記ダウンシフト判断手段は、前記維持出力と、前記余裕出力と前記要求出力との大きい方と、を加算した出力を前記第1値としてなり、
    前記アップシフト判断手段は、前記維持出力と、前記余裕出力と前記要求出力との大きい方と、ハンチングを防止するための所定出力と、を加算した出力を前記第3値としてなる、
    ことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記ダウンシフト判断手段は、前記現変速比最大出力を前記第2値としてなり、
    前記アップシフト判断手段は、前記アップシフト後最大出力を前記第4値としてなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記ダウンシフト判断手段は、前記現変速比最大出力から駆動源を回転上昇させ得る余力を減算した出力を前記第2値としてなり、
    前記アップシフト判断手段は、前記アップシフト後最大出力から前記余力を減算した出力を前記第4値としてなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記走行抵抗を随時算出し得る走行抵抗算出手段を備えてなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記要求出力算出手段は、運転操作に基づき要求された要求出力を算出してなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
  8. 設定された目標車速に車速を維持するように制御し得る車速維持制御手段を備え、
    前記要求出力算出手段は、前記目標車速まで加速するために必要な出力として前記車速維持制御手段から要求された要求出力を算出してなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
  9. 前記駆動源の最大出力に基づきダウンシフト変速後の変速比における車輌の最大出力であるダウンシフト後最大出力を算出するダウンシフト後最大出力算出手段を備え、
    前記ダウンシフト判断手段は、前記ダウンシフト後最大出力が前記現変速比最大出力よりも小さい場合、ダウンシフトの判断を禁止してなる、
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか記載の自動変速機の制御装置。
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