JP2795143B2 - 車両用ロックアップクラッチのソレノイド制御装置 - Google Patents

車両用ロックアップクラッチのソレノイド制御装置

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JP2795143B2
JP2795143B2 JP27531893A JP27531893A JP2795143B2 JP 2795143 B2 JP2795143 B2 JP 2795143B2 JP 27531893 A JP27531893 A JP 27531893A JP 27531893 A JP27531893 A JP 27531893A JP 2795143 B2 JP2795143 B2 JP 2795143B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用ロックアップク
ラッチのソレノイド制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ロックアップクラッチを備えたトルクコ
ンバータあるいはフルードカップリングを有する自動変
速機においては、該ロックアップクラッチが係合してい
る領域(あるいはスリップしている領域)を拡大する
と、それだけ燃費を向上させることができる。
【0003】しかしながら、その一方で例えば停止直前
までロックアップクラッチを係合させていると、急停車
の際にロックアップクラッチの解放が間に合わず、エン
ジンが回転数零となった車輪と直結されることにより、
いわゆるエンジンストールを起こしてしまうという問題
が発生し易くなる。
【0004】そこで、車両用のロックアップクラッチを
制御するに当り、解放、係合、スリップ、及び急解放の
各制御モードを実現し得るように構成した装置が、例え
ば特開平5−133467において提案されている。
【0005】この装置は、ロックアップクラッチの係合
及び解放を切換えるロックアップ切換バルブ、該ロック
アップ切換バルブを制御する切換用オン−オフソレノイ
ドの他、ロックアップコントロールバルブ及び該ロック
アップコントロールバルブを制御する調圧用リニアソレ
ノイドを備える。ロックアップコントロールバルブは、
ロックアップクラッチの解放側油室と前記ロックアップ
切換バルブを介して連通される第1のポートと、係合側
油室とロックアップ切換バルブを介して連通される第2
のポートと、所定の係合圧を供給する供給ポートと、大
気側と連通されたドレンポートと、オイルクーラーと連
通する第3のポートとを備える。その上で調圧用リニア
ソレノイドの駆動電流Isol を増減することにより、ス
リップ制御時にはロックアップコントロールバルブの第
1のポートと供給ポート又はドレンポートとを適宜連通
させ、又ロックアップ解放時には第2のポートとドレン
ポート又は第3のポートとを適宜連通させる。
【0006】これにより、解放側油室とロックアップコ
ントロールバルブの第1のポートとを連通した状態で該
第1のポートとドレンポート及び供給ポートとを選択的
に連通することにより、スリップ制御を行うことがで
き、一方、係合側油室とコントロールバルブの第2のポ
ートとを連通した状態で該第2のポートと第3のポート
とを連通させることによって通常解放モードを実現し、
更に該第2のポートとドレンポートとを連通することに
よって急解放モードに切換えることができるようにな
る。
【0007】この結果、低車速までスリップ制御した際
に車両が急停止する場合等において、急解放モードをと
ることによってロックアップクラッチの切れ性能を確保
でき、スリップ領域、あるいは係合領域を拡大してもエ
ンジンストールが発生するのを確実に防止できるように
なる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記装置に
おいては、前述した各モードを実現するに当り、前記調
圧用リニアソレノイドを駆動するための駆動電流Isol
を次のように制御している。即ち、スリップ制御モード
ではIsol A<Isol <Isol B、係合モードではIso
l A>Isol 、急解放モードではIsol B<Isol なる
範囲の駆動電流Isol で調圧用リニアソレノイドを駆動
している。
【0009】この場合、係合モードにおいて消費電力を
抑えるためにはIsol をできるだけ小さな値、例えば零
に設定するようにした場合、この状態から急解放モード
を実現するべく駆動電流Isol をIsol B以上にまで立
ち上げようとしても、調圧用のリニアソレノイドは図4
に示されるような過渡特性をもって立ち上がるため、駆
動電流がIsol B以上になるまでに tB以上の時間がか
かり、結果として急解放までに時間がかかるという問題
があった。
【0010】本発明は、このような従来の問題に鑑みて
なされたものであって、通常走行時にあっては係合を維
持するための駆動電流を小さく抑えて消費電力を抑制
し、一方、車両が停止される可能性が高いような走行状
態においては、急解放時間までの時間短縮の準備を予め
行い、急解放までの時間を短縮することにより、エンジ
ンストールの発生を回避し、結果としてロックアップク
ラッチの係合領域を拡大することのできる車両用ロック
アップクラッチのソレノイドの制御装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ロックアップ
クラッチの解放、係合、スリップ、及び急解放の各制御
モードを実現するに当り、特定のソレノイドを、スリッ
プモードではIsol A<Isol <Isol B、係合モード
ではIsol A>Isol 、急解放モードではIsol B<I
sol なる範囲の駆動電流Isol で駆動するように構成し
た車両用ロックアップクラッチのソレノイド制御装置に
おいて、運転状態に基づいて車両が停止される可能性が
高い状態か否かを判断する手段と、係合モードにおける
前記駆動電流Isol を、停止される可能性が高い状態と
判断されたときは、前記スリップモードでの下限値Iso
l Aに近い大きな値に、停止される可能性が低い状態と
判断されたときは、零又は零に近い小さい値に設定する
手段とを備えたことにより、上記課題を解決したもので
ある。
【0012】
【作用】本発明においては、係合モードから急解放モー
ドに移行する際に電磁ソレノイドの駆動電流Isol が小
さな値(例えばIsol A以下)から大きな値(例えばI
sol B以上)にまで変化する必要のあるシステムにおい
て、運転状態に基づいて車両が停止される可能性が高い
か否かを判断し、停止される可能性が高い状態と判断さ
れたときには、係合時における駆動電流を比較的大きな
値に設定することにより早期に急解放モードに移行し得
るようにし、一方、停止される可能性が低い状態と判断
されたときには、駆動電流を零に近い小さな値に設定し
て消費電力を抑えるようにした。
【0013】この結果、エンジンストールの発生の回避
と消費電力の低減とを両立できるようになった。
【0014】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0015】図1は本発明が適用された車両用動力伝達
装置のスケルトン図である。
【0016】エンジン10の動力はロックアップクラッ
チ付トルクコンバータ12、3組の遊星歯車ユニット等
から構成された有段自動変速機14、及び図示しない差
動歯車装置等を経て駆動輪へ伝達される。
【0017】前記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16と連結されるポンプ18と、自動変
速機14の入力軸20に固定され、ポンプ18とオイル
を介して対峙されたタービン22と、一方向クラッチ2
4を介してハウジング26に固定されたステータ28
と、ダンパ30を介して入力軸20に連結されたロック
アップクラッチ32とを備える。
【0018】トルクコンバータ12の係合側油室35よ
りも解放側油室33内の油圧が高められると、ロックア
ップクラッチ32は解放状態とされオイルを介してポン
プ18からタービン22へとトルクが伝達される。一
方、解放側油室33よりも係合側油室35内の油圧が高
められると、ロックアップクラッチ32は係合状態とな
り、トルクコンバータ12の入出力部材、即ちクランク
軸16及び入力軸20が機械的に直結される。又、解放
側油室33と係合側油圧35の油圧が適宜のバランスで
維持されると、ロックアップクラッチ32はスリップ状
態となり、解放と係合の中間の動力伝達状態が形成され
る。
【0019】自動変速機14は、3組の遊星歯車ユニッ
ト34、36、38と、前記入力軸20、及びカウンタ
軸(出力軸)40とを備える。なお、符号39は遊星歯
車ユニット38のリングギヤと共に回転する出力歯車で
ある。
【0020】これらの各メンバの連結状態を、第1、第
2ソレノイド46、48を図2に示されるように選択的
に駆動することによって3つのクラッチC0 、C1 、C
2 、4つのブレーキB0 、B1 、B2 、B3 を制御し、
前進4段、後進1段の変速段を得ている。
【0021】なお、図2は、シフト操作レバー196の
各シフトレンジにおける変速段と、その変速段を成立さ
せる際のソレノイド、クラッチ、ブレーキ、及び一方向
クラッチの作動状態を示したものであり、ソレノイド欄
の「○」、「×」印はそれぞれ励磁状態(オン状態)、
非励磁状態(オフ状態)であることを示している。又、
クラッチ及びブレーキ欄の「○」は係合状態を表わして
おり無印は非係合状態を示している。更に、一方向クラ
ッチの欄の「○」印は正駆動時(エンジンから車輪へ動
力が伝達されている時)に係合状態となることを示して
おり、無印は非係合状態となることを示している。
【0022】なお、この自動変速機の基本的なハード構
成自体は従来周知のものと特に異なるものではない。
【0023】次に油圧制御回路44の要部について図3
を用いて詳述する。
【0024】油圧制御回路44には、図示しないタンク
に環流した作動油をストレーナ58を介して吸引して圧
送するためのポンプ60が設けられている。ポンプ60
から圧送された作動油は、オーバフロー形式の第1コン
トロールバルブ62により第1ライン油圧PL1 に調圧
される。即ち、この第1コントロールバルブ62は、ス
ロットル圧に対応して大きくなる第1ライン油圧PL1
を発生させ、これを第1ライン圧油路64を介して出力
する。
【0025】第2コントロールバルブ66は、オーバフ
ロー形式のコントロールバルブであって、第1コントロ
ールバルブ62から流出させられた作動油をスロットル
圧に基づいて調圧することにより、エンジン10の出力
トルクに対応した第2ライン油圧PL2 を発生させ、こ
れを第2ライン圧油路67を介して出力する。第3コン
トロールバルブ68は、上記第1ライン油圧PL1 を基
圧とする減圧バルブであり、一定の第3ライン油圧PL
3 を発生する。
【0026】ここで、ロックアップクラッチ32の係合
を制御するための部材としては、第3ソレノイド50、
リニアソレノイド(第4ソレノイド)54、及びこれら
のソレノイド50、54によってそれぞれ駆動されるロ
ックアップ切換バルブ52、ロックアップコントロール
バルブ56が備えられている。
【0027】前記第3ソレノイド50はロックアップ切
換バルブ52の切換用のオンオフ信号圧Pswを発生す
る。
【0028】前記ロックアップ切換バルブ52は、この
切換用のオンオフ信号圧Pswに従って、ロックアップク
ラッチ32を解放状態とする解放側位置とロックアップ
クラッチ32を係合状態とする係合側位置とに切換える
ために設けられたバルブである。
【0029】前記リニアソレノイド54は、前記制御装
置42から供給される駆動電流Isol に対応して該駆動
電流Isol に応じた信号圧Psol を発生する。
【0030】前記ロックアップコントロールバルブ56
は、この信号圧Psol に従ってロックアップクラッチ3
2の係合側油室35及び解放側油室33の圧力差ΔPを
調節することにより、ロックアップクラッチ32を係合
させあるいはそのスリップ量を制御する一方、ロックア
ップクラッチ32の解放時はその解放速度を通常の解放
又は急解放のいずれか一方に選択する。
【0031】以下、個々の構成を詳細に説明する。
【0032】ロックアップコントロールバルブ56は、
第1接続油路70、第2接続油路72、ドレン油路74
にそれぞれ連通するポート76a 、76b 、76c と、
第2ライン油圧PL2 がチェックバルブ78を介して供
給されるポート76d と、ドレンに連通するドレンポー
ト76e と、それらのポートの接続状態を切換えるため
に移動ストロークの一端(図の下端)であるオフ側位置
と、移動ストロークの他端(図の上端)であるオン側位
置との間において摺動可能に配置されたスプール80
と、スプリングシート81を介してスプール80をオン
側位置に向かって付勢するスプリング82と、スプール
80をオン側位置に向かって付勢するためにそのスプー
ル80と当接可能に配置されたプランジャ84と、プラ
ンジャ84に解放側油室33内の油圧Poff を作用させ
てプランジャ84にスプール80がそのオフ位置へ向か
う方向の力を発生させるために該油圧Poff を受け入れ
る油室86と、スプール80に第2ライン油圧PL2 を
作用させてそのオン側位置へ向かう方向の力を発生させ
るために第2ライン油圧PL2 を受け入れる油室88
と、スプール80の端面にリニアソレノイド54からの
信号圧Psol を作用させてそのオン側位置へ向かう力を
発生させるためにその信号圧Psol を受け入れる油室9
0と、を備える。
【0033】なお、上記スプール80には、断面積が同
一の第1ランド92、第2ランド94、第3ランド9
6、及びそれらよりも小さい断面積を有する第4ランド
98が形成されている。
【0034】リニアソレノイド54は、第3ライン油圧
PL3 がオリフィス55を介して供給される入力ポート
と、ドレンポートとを備える。そして電子制御装置42
からの駆動電流Isol が所定の下限値Isol Aを下回る
領域では球状弁子が入力ポート及びドレンポート間を連
通させてオリフィス55よりも下流側をドレンして低い
信号圧Psol を発生し、反対に駆動電流Isol が所定の
上限値Isol Bを上回る領域では球状弁子が入力ポート
とドレンポート間を遮断してオリフィス55より下流側
に最大の信号圧Psol を発生させる。この信号圧Psol
をロックアップコントロールバルブ56の油室90へ作
用させる。一方、駆動電流Isol が下限値Isol A〜上
限値Isol Bの領域においては、駆動電流Isol に応じ
てこの電流値が大きくなる程大きくなる信号圧Psol を
油室90へ作用させる。駆動電流Isol と信号圧Psol
との関係は図4に示されるようになる。
【0035】このため、駆動電流Isol が下限値Isol
Aより小さいときには油室90がほぼ大気圧とされるこ
とからロックアップコントロールバルブ56のスプール
80がオフ側位置に位置されてポート76b と76c と
の間、ポート76a とドレンポート76e との間がそれ
ぞれ開かれると共に、ポート76a と76d との間、ポ
ート76b とドレンポート76e との間がそれぞれ閉じ
られる。又、駆動電流Isol が上限値Isol Bより大き
いときにはスプール80がオン側位置に位置されて上記
と逆の切換状態となる。更に、駆動電流Isol が下限値
Isol A〜上限値Isol Bのときにはスプール80は駆
動電流Isol の大きさに応じて上記2つの作動態様の中
間的な態様となる。
【0036】前記ロックアップ切換バルブ52は、解放
側油室33と連通する解放側ポート100a と、係合側
油室35と連通する係合側ポート100b と、第2ライ
ン油圧油路67を介して第2ライン圧PL2 が供給され
る入力ポート100c と、第1接続油路70及び第2接
続油路72にそれぞれ連通するポート100d 及び10
0e と、それらのポートの接続状態を切換えるために移
動ストロークの一端(図の上端)であるオン側位置と移
動ストロークの他端(図の下端)であるオフ側位置との
間において摺動可能に配置されたスプール102と、こ
のスプール102をオフ側位置に向かって付勢するスプ
リング104と、スプール102の下端面に第3ソレノ
イド50からの切換用信号圧Pswを作用させてオン側位
置へ向かう力を発生させるためにその切換用信号圧Psw
を受け入れる油室106と、を備える。
【0037】前記第3ソレノイド50は、第3ライン油
圧PL3 が供給される入力ポートと、ドレンポートと、
油室106と連通する出力ポートとを備えたノーマルク
ローズドの3ポート2位置バルブである。この第3ソレ
ノイド50は、非励磁状態(オフ状態)では球状弁子が
入力ポートを閉じ且つドレンポートと出力ポート間を連
通させて油室106を大気圧とする。又、励磁状態(オ
ン状態)では球状弁子がドレンポートを閉じ且つ入力ポ
ート及び出力ポート間を連通させて油室106に切換信
号圧Pswを作用させる。
【0038】このため第3ソレノイド50がオフ状態で
ある期間は、ロックアップ切換バルブ52のスプール1
02もオフ側に位置させられて解放側ポート100a と
入力側ポート100c との間、係合側ポート100b と
ポート100e との間がそれぞれ開かれると共に、係合
側ポート100b と入力ポート100c との間、解放側
ポート100a とポート100d との間がそれぞれ閉じ
られる。一方、第3ソレノイド50がオン状態である期
間は、スプール102もオン側に位置させられて上記と
逆の切換状態となる。
【0039】従って、第3ソレノイド50がオフ状態で
ある場合にリニアソレノイド54の駆動電流Isol が下
限値Isol Aを下回った状態とされたときには、第2ラ
イン圧油路67内の作動油は、入力ポート100c 、解
放側ポート100a を通して解放側油室33内へ流入さ
せられ、一方、係合側油室35内の作動油は、係合側ポ
ート100b 、ポート100e 、第2接続油路72、ポ
ート76b 、ポート76c 、ドレン油路74、オリフィ
ス108、オイルクーラ110を経てドレンされる。
【0040】これにより、図5のモードIに示されるよ
うにロックアップクラッチ32は解放される。なお、こ
のとき係合側油室35から排出される作動油の一部は、
バイパス油路111によりオリフィス112及びオイル
クーラ110に導かれてドレンされる。又このオイルク
ーラ110の上流側には、係合側油室35から排出され
る作動油の圧力が所定値を越えたときにオイルクーラ1
10を経ないでドレンするためのクーラバイパスバルブ
114が設けられている。
【0041】一方第3ソレノイド50がオン状態である
場合に駆動電流Isol が上限値Isol Bを上回った状態
とされたときには、第2ライン圧油路67内の作動油
は、入力ポート100c 、係合側ポート100d (10
0c )を通して係合側油室35内へ流入させられると同
時に、ポート76d 、ポート76a 、第1接続油路7
0、ポート100d 、解放側ポート100a を通して解
放側油室33内へも流入させられることから、係合側油
室35内及び解放側油室33内の圧力差ΔP(=Pon−
Poff )が零となって図5のモードVに示されるように
ロックアップクラッチ32が解放される。なお、このと
き係合側油室35内の作動油の一部は、バイパス油路1
11によりオリフィス112及びオイルクーラ110に
導かれてドレンされる。
【0042】更に、第3ソレノイド50がオフ状態であ
る場合に駆動電流Isol が上限値Isol Bを上回った状
態とされたときには、第2ライン圧油路67内の作動油
は、入力ポート100c 、解放側ポート100a を通し
て解放側油室33内へ流入させられる一方、係合側油室
35内の作動油は、係合側ポート100b 、ポート10
0e 、第2接続油路72、ポート76b 、ドレンポート
76e を通してドレンへ排出される。
【0043】この場合には、係合側油室35内の作動油
はオイルクーラ110を経ないでドレンされるため、図
5のモードIIに示されるようにロックアップクラッチ3
2は急速に解放される。このように、ロックアップクラ
ッチ32を解放させるモードとして通常の解放のための
2つのモード及び急解放のための1つのモードが存在す
る。
【0044】なお、本実施例では、通常の解放の際には
モードIが選択されるようになっており、モードVは第
3ソレノイド50あるいはロックアップ切換バルブ5
2、もしくはリニアソレノイド54あるいはロックアッ
プコントロールバルブ56の故障時にモードIとされる
ことが不可能となった場合に選択されるようになってい
る。
【0045】又、急解放モードIIは、電子制御装置42
のロックアップクラッチ急解放制御により、例えば車両
の急制動時あるいは低摩擦路面における制動時と判断さ
れた場合に選択される。
【0046】これに対し、第3ソレノイド50がオン状
態である場合に駆動電流Isol が下限値Isol Aを下回
った状態とされたときには、第2ライン圧油路67内の
作動油はポート100c 、ポート100b を介して係合
側油室35内へ流入させられ、同時に解放側油室33内
の作動油は、解放側ポート100a 、ポート100d、
第1接続油路70、ポート76a 、ドレンポート76e
を介してドレンされる。これにより図5のモードIII に
示されるように、ロックアップクラッチ32は係合され
る。
【0047】又、第3ソレノイド50がオン状態である
場合に駆動電流Isol が下限値Isol A〜上限値Isol
Bの状態とされたときには、係合側油室35内へポート
100c 、係合側ポート100b を介して第2ライン圧
油路67内の作動油が流入させられ、同時に、リニアソ
レノイド54の駆動電流Isol に応じて、解放側油室3
3内の作動油は解放側ポート100a 、ポート100d
、第1接続油路70、ポート76a 、ドレンポート7
6e を介して排出される割合が調節される。又、この駆
動電流Isol に応じて第2ライン圧油路67内の作動油
がポート76d 、ポート76a 、第1接続油路70、ポ
ート100d 、解放側ポート100a を介して解放側油
室33内へ流出させられる割合も変化させられる。この
結果、係合側油室35と解放側油室33の圧力差ΔPが
調節される。
【0048】このようにして図5のモードIVに示される
ロックアップクラッチ32のスリップ制御が実行され
る。このスリップ制御モードは、車両の加速走行時にお
いてロックアップクラッチ32を滑らかに係合させるた
め、あるいは、車両の低速走行中におけるエンジン10
の周期的トルク変動を吸収するため、等に用いられる。
【0049】なお、上記のような第3ソレノイド50が
オン状態とされるロックアップクラッチ32の係合中、
あるいはスリップ中においても、係合側油室35内の作
動油はバイパス油路111によりオリフィス112に応
じた割合がオイルクーラ110へ導かれて冷却されるよ
うになっている。
【0050】図1に戻って、電子制御装置42は、CP
U182、ROM184、RAM186、図示しないイ
ンタフェイス等からなるいわゆるマイクロコンピュータ
である。この電子制御装置42には、エンジン10の排
気管に設けられたスロットル開度θthを検出するスロッ
トルセンサ188、エンジン10の回転速度Ne を検出
するエンジン回転速度センサ190、自動変速機14の
入力軸20の回転速度Ninを検出する入力軸回転センサ
192、自動変速機14のカウンタ軸(出力軸)40の
回転速度Nout を検出するカウンタ軸回転センサ19
4、シフトレバー196の操作位置P5 、即ちL、S、
D、N、R、Pレンジのいずれかを検出するための操作
位置センサ198からの各信号が供給される。
【0051】上記電子制御装置42のCPU182は、
RAM186の一時記憶機能を利用しつつ予めROM1
84に記憶されたプログラムに従って入力信号を処理
し、自動変速機14の変速制御、ロックアップクラッチ
32の係合、解放、スリップ制御、及び急解放制御等を
実行するために第1ソレノイド46、第2ソレノイド4
8、第3ソレノイド50、及びリニアソレノイド54を
それぞれ制御する。
【0052】ロックアップクラッチ32の係合制御で
は、予めROM184に記憶された図6に示す関係か
ら、車両の走行状態、例えば出力軸回転速度(車速)N
out 及びスロットル開度θthに基づいてロックアップク
ラッチ32の解放領域、スリップ制御領域、係合領域の
いずれであるかが判断される。この関係は、予め記憶さ
れた複数種類の関係から実際のギヤ段に応じて選択され
たものである。図6においては、係合領域と解放領域の
境界線より解放領域側であって低スロットル側には運転
性を損なうことなく燃費をより良くするために連結効果
を維持しつつエンジン10のトルク変動を吸収するスリ
ップ制御領域が設けられている。
【0053】車両の走行状態が図6に示す係合領域内に
あると判断されると、図5のモードIII 、即ち第3ソレ
ノイド50が励磁状態とされてロックアップ切換バルブ
52がオン状態とされると同時に、リニアソレノイド5
4に対する駆動電流Isol が前述の下限値Isol Aより
小さい所定値に設定され、ロックアップコントロールバ
ルブ56がオフ状態とされることにより、ロックアップ
クラッチが係合させられる。但し、ここで車両の運転状
態が吟味され、車両が停止される可能性が高い状態であ
ると判断されたときにはこの係合モードにおける駆動電
流Isol は下限値Isol Aに近い大きな値に設定され、
一方停止される可能性が低い状態と判断されたときは零
に近い小さな値に設定される。これについては後に詳述
する(本発明のポイント)。
【0054】又、車両の走行状態が図6に示すスリップ
制御領域内にあると判断されると、図5のモードIV、即
ち第3ソレノイド50が励磁されてロックアップ切換バ
ルブ52がオン状態とされると同時に、リニアソレノイ
ド54に対する駆動電流Isol が下限値Isol A〜上限
値Isol Bの範囲の値に調節される。即ち、例えば図7
に示す関係から決定された定常状態の目標スリップ回転
速度NslipTと実際のスリップ回転速度Nslipとの偏差
ΔN(=Nslip−NslipT)が解消されるようにリニア
ソレノイド54に対する駆動電流Isol が算出され、そ
の駆動電流Isol となるように制御された駆動電流信号
が出力される。
【0055】又、車両の走行状態が図6に示す解放領域
内にあると判断されると、図5のモードI、即ち第3ソ
レノイド50が非励磁とされてロックアップ切換バルブ
52がオフ状態とされると同時にリニアソレノイド54
に対する駆動電流Isol が最小駆動電流値に設定されて
ロックアップコントロールバルブ56がオフ状態とされ
るため、ロックアップクラッチ32が解放される。
【0056】又、例えば車両の急制動状態、あるいは低
摩擦路面での制動状態と判定された場合には、図5のモ
ードII、即ち第3ソレノイド50が非励磁とされてロッ
クアップ切換バルブ52がオフ状態とされると同時にリ
ニアソレノイド54に対する駆動電流Isol が上限値I
sol Bより大きい所定の最大駆動電流値に設定されてロ
ックアップコントロールバルブ56がオン状態とされる
ため、ロックアップクラッチ32が急解放される。
【0057】以上説明から明らかなように、ロックアッ
プクラッチ32が係合状態から、急開放状態へと移行す
るときには、駆動電流Isol A以下の小さな値からIso
l B以上の大きな値にまで変化する必要があり、それだ
け時間がかかることになる。特に消費電力を低減するた
めに係合時の駆動電流Isol を零に近い値とした場合に
は駆動電流がIsol A付近になるまでにもかなりの時間
( tA:図4参照)がかかり、その結果、急開放モード
への移行もそれだけ遅れることになる。
【0058】そこで、この実施例では係合時において駆
動電流Isol を零に近い値、あるいは下限値Isol Aに
近い値のいずれかに設定するようにし、この問題を解消
した。図8にこの制御フローを示す。
【0059】まず、ステップ200において、車両が停
止する可能性がある状態か否かが、スロットル開度θth
が所定値α以下であるか否かを判断することによって判
定される。ステップ204では、現在ロックアップクラ
ッチがオン(係合)状態であるか否かが判断される。
【0060】スロットル開度θthが所定値α以上である
とき(車両が停止する可能性がないと判断されると
き)、あるいは現在ロックアップクラッチが係合状態で
ないとき、即ちスリップ状態か解放状態であるときはス
テップ206に進んで上述したような通常のロックアッ
プクラッチの制御がなされる。この場合、係合時の駆動
電流Isol は零に設定され、消費電力の抑制が実行され
る。
【0061】なお、車両が停止する可能性があるか否か
の判定をこの実施例ではスロットル開度θthが所定値以
下であることをもって判断するようにしていたが、この
停止可能性の判断はこの他に、例えば入力軸回転速度
Nin、あるいはエンジン回転速度Ne が所定値以下、
車速あるいは出力軸回転速度Nout が所定値以下、変
速段が設定変速段よりも低い変速段等の条件が考えら
れ、これらの各条件の成立、不成立の組合せによって車
両の停止される可能性(あるいは停止されない可能性)
を判断するようにしてもよい。
【0062】一方、スロットル開度θthが所定値α以下
であり(車両が停止する可能性があると判断され)、且
つ現在ロックアップクラッチが係合状態であると判断さ
れたときは、ステップ208に進んで急停止の判定がな
される。この判定は、具体的には車両の減速度が所定
値以上、エンジン回転速度の変化割合が所定値以上、
ブレーキ信号がオンのうち、及び、あるいは及
びが成立したときとされる。
【0063】但し、この急停止の判定は、必ずしもこれ
らの条件に限定されるものではなく、このうちの1つが
成立したときとしてもよいし、又〜の全てが成立し
たときとしてもよい。又、例えば4輪駆動制御等におい
て前後輪の回転を直接検出している場合には、これらの
検出値を利用して急停止を判断するようにしてもよい。
【0064】ステップ208において急停止が判定され
たときには、ステップ210に進んで前述した急解放制
御が実行される。一方、ステップ208において急停止
が判定されなかった場合は、ステップ212に進んで駆
動電流Isol が下限値IsolAに近い値に設定され、急
解放に備えられる。
【0065】これにより、係合状態から急解放状態に移
行するときに、図4のポイントAの部分から立ち上げる
ことができるため、従来に比べ tAに相当する部分だけ
立ち上がり時間を短縮することができ、それだけ解放を
急速に行うことができるようになる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
通常走行における係合時の消費電力を低減し、それだけ
燃費向上に寄与しながら、急解放の必要性が予測される
ようなときには当該急解放が支障なく実行されるように
予めソレノイドの駆動電流を若干立ち上げておくことが
でき、エンジンストールの発生を未然に防止することが
できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例が適用された車両用動力伝達装
置を示すスケルトン図
【図2】上記動力伝達装置に備えられた自動変速機にお
いて各変速段におけるソレノイド、クラッチ、ブレー
キ、一方向クラッチの作動状態を示す線図
【図3】図1の油圧制御回路の要部構成を示す回路図
【図4】図3のリニアソレノイドの出力特性を示す線図
【図5】ロックアップクラッチの作動状態と駆動電流と
の関係を示す線図
【図6】車両の走行状態とロックアップクラッチの制御
態様との関係を示す線図
【図7】定常時における目標スリップ回転速度を決定す
るための関係を示す線図
【図8】図1の電子制御装置において実行される制御フ
ローを示す流れ図
【符号の説明】
12…トルクコンバータ 32…ロックアップクラッチ 33…解放側油室 35…係合側油室 44…油圧制御回路 50…第3ソレノイド 52…ロックアップ切換バルブ 54…リニアソレノイド 56…ロックアップコントロールバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロックアップクラッチの解放、係合、スリ
    ップ、及び急解放の各制御モードを実現するに当り、特
    定のソレノイドを、 スリップモードではIsol A<Isol <Isol B、 係合モードではIsol A>Isol 、 急解放モードではIsol B<Isol なる範囲の駆動電流Isol で駆動するように構成した車
    両用ロックアップクラッチのソレノイド制御装置におい
    て、 運転状態に基づいて車両が停止される可能性が高い状態
    か否かを判断する手段と、 係合モードにおける前記駆動電流Isol を、停止される
    可能性が高い状態と判断されたときは、前記スリップモ
    ードでの下限値Isol Aに近い大きな値に、停止される
    可能性が低い状態と判断されたときは、零又は零に近い
    小さい値に設定する手段と、 を備えたことを特徴とする車両用ロックアップクラッチ
    のソレノイド制御装置。
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