JP3234658B2 - 流体継手の締結力制御装置 - Google Patents
流体継手の締結力制御装置Info
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- JP3234658B2 JP3234658B2 JP33034892A JP33034892A JP3234658B2 JP 3234658 B2 JP3234658 B2 JP 3234658B2 JP 33034892 A JP33034892 A JP 33034892A JP 33034892 A JP33034892 A JP 33034892A JP 3234658 B2 JP3234658 B2 JP 3234658B2
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- lock
- deceleration
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
- F16H61/00—Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
- F16H61/14—Control of torque converter lock-up clutches
- F16H61/143—Control of torque converter lock-up clutches using electric control means
- F16H2061/145—Control of torque converter lock-up clutches using electric control means for controlling slip, e.g. approaching target slip value
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16H—GEARING
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- F16H61/14—Control of torque converter lock-up clutches
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- Control Of Fluid Gearings (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロックアップ手段を備
えた流体継手の締結力制御装置に関するものである。
えた流体継手の締結力制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動変速機を備えた普通の自動
車(以下、これをAT車という)においては、エンジンと
歯車式変速機構との間の動力伝達経路に流体継手の一種
であるトルクコンバータが介設される。ここで、トルク
コンバータは、ポンプ(入力側部材)とタービン(出力側
部材)との間に回転数差がある運転領域(コンバータ領
域)では該回転数差に応じてトルクを増大させる一方、
上記回転数差がほとんどなくなる運転領域(継手領域)で
はエンジン側のトルクを実質的には変速せずに歯車式変
速機に伝達するといった機能を備えている。
車(以下、これをAT車という)においては、エンジンと
歯車式変速機構との間の動力伝達経路に流体継手の一種
であるトルクコンバータが介設される。ここで、トルク
コンバータは、ポンプ(入力側部材)とタービン(出力側
部材)との間に回転数差がある運転領域(コンバータ領
域)では該回転数差に応じてトルクを増大させる一方、
上記回転数差がほとんどなくなる運転領域(継手領域)で
はエンジン側のトルクを実質的には変速せずに歯車式変
速機に伝達するといった機能を備えている。
【0003】ところが、このようなトルクコンバータで
は、ポンプ側(エンジン側)のトルクが作動油を介してタ
ービン側(歯車式変速機側)に伝達される関係上、作動油
の粘性ないしは流動抵抗による動力損失が必然的に生
じ、自動車の燃費性能が悪くなるといった問題がある。
そこで、通常、トルクコンバータには、トルク増大作用
が生じない継手領域では入力側部材と出力側部材とを直
結させるロックアップ手段が設けられる。
は、ポンプ側(エンジン側)のトルクが作動油を介してタ
ービン側(歯車式変速機側)に伝達される関係上、作動油
の粘性ないしは流動抵抗による動力損失が必然的に生
じ、自動車の燃費性能が悪くなるといった問題がある。
そこで、通常、トルクコンバータには、トルク増大作用
が生じない継手領域では入力側部材と出力側部材とを直
結させるロックアップ手段が設けられる。
【0004】ところで、一般に自動車が減速状態にある
ときには、通常走行時とは逆に駆動輪によってエンジン
が駆動されるといった逆駆動状態となり、これによって
エンジンブレーキが得られるようになっている。しかし
ながら、AT車の場合、コンバータ領域ではタービン側
からポンプ側へはトルクが伝達されにくいので、エンジ
ンブレーキのききが悪くなるといった問題がある。そこ
で、ロックアップ手段が設けられているAT車では、通
常、所定の減速時にはエンジンブレーキを強めるために
トルクコンバータがロックアップされるようになってい
る。そして、この後車速が一定の限界車速まで低下した
ときには、迅速に再加速を行えるように上記ロックアッ
プが解除されるようになっている(例えば、特開昭63
−235764号公報参照)。
ときには、通常走行時とは逆に駆動輪によってエンジン
が駆動されるといった逆駆動状態となり、これによって
エンジンブレーキが得られるようになっている。しかし
ながら、AT車の場合、コンバータ領域ではタービン側
からポンプ側へはトルクが伝達されにくいので、エンジ
ンブレーキのききが悪くなるといった問題がある。そこ
で、ロックアップ手段が設けられているAT車では、通
常、所定の減速時にはエンジンブレーキを強めるために
トルクコンバータがロックアップされるようになってい
る。そして、この後車速が一定の限界車速まで低下した
ときには、迅速に再加速を行えるように上記ロックアッ
プが解除されるようになっている(例えば、特開昭63
−235764号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、減速時
にトルクコンバータをロックアップする一方、限界車速
でロックアップを解除するようにした従来のAT車で
は、減速時にトルクコンバータがロックアップされた
後、下り坂でロックアップが解除された場合、ロックア
ップ解除時にエンジンブレーキが急減するので、車体が
突然加速し始めてエンブレ感が急変し、乗員に違和感を
与えるといった問題がある。
にトルクコンバータをロックアップする一方、限界車速
でロックアップを解除するようにした従来のAT車で
は、減速時にトルクコンバータがロックアップされた
後、下り坂でロックアップが解除された場合、ロックア
ップ解除時にエンジンブレーキが急減するので、車体が
突然加速し始めてエンブレ感が急変し、乗員に違和感を
与えるといった問題がある。
【0006】また、燃費性能を高めるため減速時にエン
ジンへの燃料供給を停止させるフューエルカット手段が
設けられたAT車の場合は、減速時においてエンジン回
転数が所定の燃料復帰回転数まで低下したとき、すなわ
ちほぼトルクコンバータのロックアップが解除されるタ
イミングで燃料供給が再開されるので、ロックアップ解
除時のエンジンブレーキの減少がさらに著しくなり、上
記違和感が一層強くなるといった問題がある。
ジンへの燃料供給を停止させるフューエルカット手段が
設けられたAT車の場合は、減速時においてエンジン回
転数が所定の燃料復帰回転数まで低下したとき、すなわ
ちほぼトルクコンバータのロックアップが解除されるタ
イミングで燃料供給が再開されるので、ロックアップ解
除時のエンジンブレーキの減少がさらに著しくなり、上
記違和感が一層強くなるといった問題がある。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、減速時にはトルクコンバー
タをロックアップしてエンジンブレーキを強めるように
したAT車に対して、道路勾配の有無あるいは勾配の大
小にかかわらず減速時のエンブレ感を一定化することが
でき、走行フィーリングを高めることができる手段を提
供することを目的とする。
めになされたものであって、減速時にはトルクコンバー
タをロックアップしてエンジンブレーキを強めるように
したAT車に対して、道路勾配の有無あるいは勾配の大
小にかかわらず減速時のエンブレ感を一定化することが
でき、走行フィーリングを高めることができる手段を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、図1にその構成を示すように、第1の発明は、流体
継手aの入力側部材と出力側部材とを締結力を調節する
ことによりスリップ状態でロックアップさせることがで
きるロックアップ手段bと、所定の減速時には入力側部
材と出力側部材とをスリップ状態でロックアップさせる
一方車速が所定の限界車速まで低下したときに上記ロッ
クアップを解除させるように上記ロックアップ手段bを
制御する減速制御手段cとが設けられた自動車用パワー
プラントの流体継手の締結力制御装置において、走行し
ている道路の勾配を検出する道路勾配検出手段dと、該
道路勾配検出手段dによって検出された道路の下り勾配
が大きいときには、該下り勾配が小さいときに比べて上
記限界車速を低速側に変更する限界車速変更手段eとが
設けられていることを特徴とする流体継手の締結力制御
装置を提供する。
め、図1にその構成を示すように、第1の発明は、流体
継手aの入力側部材と出力側部材とを締結力を調節する
ことによりスリップ状態でロックアップさせることがで
きるロックアップ手段bと、所定の減速時には入力側部
材と出力側部材とをスリップ状態でロックアップさせる
一方車速が所定の限界車速まで低下したときに上記ロッ
クアップを解除させるように上記ロックアップ手段bを
制御する減速制御手段cとが設けられた自動車用パワー
プラントの流体継手の締結力制御装置において、走行し
ている道路の勾配を検出する道路勾配検出手段dと、該
道路勾配検出手段dによって検出された道路の下り勾配
が大きいときには、該下り勾配が小さいときに比べて上
記限界車速を低速側に変更する限界車速変更手段eとが
設けられていることを特徴とする流体継手の締結力制御
装置を提供する。
【0009】第2の発明は、流体継手aの入力側部材と
出力側部材とを締結力を調節することによりスリップ状
態でロックアップさせることができるロックアップ手段
bと、エンジンfへの燃料供給を停止させることができる
燃料供給停止手段gと、所定の減速時には入力側部材と
出力側部材とをスリップ状態でロックアップさせかつエ
ンジンfへの燃料供給を停止させる一方、車速が所定の
限界車速まで低下したときに上記ロックアップ及び上記
燃料供給停止を解除させるように上記ロックアップ手段
b及び上記燃料供給停止手段gを制御する減速制御手段c
とが設けられた自動車用パワープラントの流体継手の締
結力制御装置において、走行している道路の勾配を検出
する道路勾配検出手段dと、該道路勾配検出手段dによっ
て検出される道路の下り勾配が大きいときには、該下り
勾配が小さいときに比べて上記限界車速を低速側に変更
する限界車速変更手段eとが設けられていることを特徴
とする流体継手の締結力制御装置を提供する。
出力側部材とを締結力を調節することによりスリップ状
態でロックアップさせることができるロックアップ手段
bと、エンジンfへの燃料供給を停止させることができる
燃料供給停止手段gと、所定の減速時には入力側部材と
出力側部材とをスリップ状態でロックアップさせかつエ
ンジンfへの燃料供給を停止させる一方、車速が所定の
限界車速まで低下したときに上記ロックアップ及び上記
燃料供給停止を解除させるように上記ロックアップ手段
b及び上記燃料供給停止手段gを制御する減速制御手段c
とが設けられた自動車用パワープラントの流体継手の締
結力制御装置において、走行している道路の勾配を検出
する道路勾配検出手段dと、該道路勾配検出手段dによっ
て検出される道路の下り勾配が大きいときには、該下り
勾配が小さいときに比べて上記限界車速を低速側に変更
する限界車速変更手段eとが設けられていることを特徴
とする流体継手の締結力制御装置を提供する。
【0010】第3の発明は、第1または第2の発明にか
かる流体継手の締結力制御装置において、限界車速変更
手段eが、道路の下り勾配が大きいときほど限界車速を
より低速側に変更するようになっていることを特徴とす
る流体継手の締結力制御装置を提供する。
かる流体継手の締結力制御装置において、限界車速変更
手段eが、道路の下り勾配が大きいときほど限界車速を
より低速側に変更するようになっていることを特徴とす
る流体継手の締結力制御装置を提供する。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
図2に示すように、エンジンEと自動変速機Tとを備え
た自動車用パワートレインは、詳しくは図示していない
が、エンジンEの出力トルクを、自動変速機Tで自動車
の運転状態に応じて自動的に変速して駆動輪側に出力す
るようになっている。エンジンEは、第1〜第4気筒#
1〜#4を備えた普通のエンジンであって、吸気通路1
から各気筒#1〜#4に供給される混合気を燃焼させる
ことによって得られた熱エネルギを運動エネルギに変換
して動力を生み出すようになっている。そして、エンジ
ンEの各気筒#1〜#4の各独立吸気通路1には、夫々
通路内の吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁2が設
けられている。
図2に示すように、エンジンEと自動変速機Tとを備え
た自動車用パワートレインは、詳しくは図示していない
が、エンジンEの出力トルクを、自動変速機Tで自動車
の運転状態に応じて自動的に変速して駆動輪側に出力す
るようになっている。エンジンEは、第1〜第4気筒#
1〜#4を備えた普通のエンジンであって、吸気通路1
から各気筒#1〜#4に供給される混合気を燃焼させる
ことによって得られた熱エネルギを運動エネルギに変換
して動力を生み出すようになっている。そして、エンジ
ンEの各気筒#1〜#4の各独立吸気通路1には、夫々
通路内の吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁2が設
けられている。
【0012】エンジンEにおいて、燃料噴射弁2の燃料
噴射量は、エンジンコントロールユニットC1によって
エンジンEの運転状態に応じて制御されるようになって
いる。さらに、所定の減速時には、燃費性能を高めるた
めに、あるいは強力なエンジンブレーキを得るためにエ
ンジンコントロールユニットC1によってフューエルカ
ット制御が行なわれるようになっている。すなわち、基
本的には、スロットル弁(図示せず)が全閉される減速時
には燃料噴射弁2からの燃料噴射を停止させる一方、車
速(タービン回転数)が所定値まで低下したときにはエン
ストを防止するために燃料噴射を再開するようにしてい
る。
噴射量は、エンジンコントロールユニットC1によって
エンジンEの運転状態に応じて制御されるようになって
いる。さらに、所定の減速時には、燃費性能を高めるた
めに、あるいは強力なエンジンブレーキを得るためにエ
ンジンコントロールユニットC1によってフューエルカ
ット制御が行なわれるようになっている。すなわち、基
本的には、スロットル弁(図示せず)が全閉される減速時
には燃料噴射弁2からの燃料噴射を停止させる一方、車
速(タービン回転数)が所定値まで低下したときにはエン
ストを防止するために燃料噴射を再開するようにしてい
る。
【0013】自動変速機Tは、トルクコンバータ3と、
プラネタリギヤシステムからなる歯車式変速機構(図示
せず)とで構成されている。トルクコンバータ3には、
エンジンEの出力トルクを受け入れるコンバータカバー
4と、該コンバータカバー4に連結されたポンプ5(ポ
ンプインペラ)と、ハブ6を介してタービンシャフト(図
示せず)に連結されたタービン7(タービンランナ)と、
ワンウェイクラッチ8を介して変速機ケース(図示せず)
に固定されたステータ9とが設けられている。そして、
このトルクコンバータ3では、ポンプ5から吐出される
作動油によってタービン7が回転駆動され、エンジンE
の出力トルクが、タービン回転数とポンプ回転数の比
(速度比)に対応する変速比で変速されてタービンシャフ
トに出力されるようになっている。ここで、ステータ9
は、タービン7からポンプ5に還流する作動油をポンプ
5の回転を助勢する方向に整流する。なお、タービンシ
ャフトのトルクは、さらに変速歯車機構によって変速さ
れて駆動輪側に出力される。
プラネタリギヤシステムからなる歯車式変速機構(図示
せず)とで構成されている。トルクコンバータ3には、
エンジンEの出力トルクを受け入れるコンバータカバー
4と、該コンバータカバー4に連結されたポンプ5(ポ
ンプインペラ)と、ハブ6を介してタービンシャフト(図
示せず)に連結されたタービン7(タービンランナ)と、
ワンウェイクラッチ8を介して変速機ケース(図示せず)
に固定されたステータ9とが設けられている。そして、
このトルクコンバータ3では、ポンプ5から吐出される
作動油によってタービン7が回転駆動され、エンジンE
の出力トルクが、タービン回転数とポンプ回転数の比
(速度比)に対応する変速比で変速されてタービンシャフ
トに出力されるようになっている。ここで、ステータ9
は、タービン7からポンプ5に還流する作動油をポンプ
5の回転を助勢する方向に整流する。なお、タービンシ
ャフトのトルクは、さらに変速歯車機構によって変速さ
れて駆動輪側に出力される。
【0014】そして、トルクコンバータ3には、燃費性
能を高めるために、あるいは減速時のエンジンブレーキ
を強めるために、運転状態に応じて入力側部材(エンジ
ン出力軸)と出力側部材(タービンシャフト)とを直結(ロ
ックアップ)ないしは半直結(スリップ・ロックアップ)
させるロックアップ手段Rが設けられているが、以下こ
のロックアップ手段Rについて説明する。ロックアップ
手段Rにはロックアップピストン11が設けられ、この
ロックアップピストン11は、コンバータカバー4とタ
ービン7との間に配設されている。そして、ロックアッ
プピストン11の前側(図2では右側)にはコンバータフ
ロント室12が形成され、後側(図2では左側)にはコン
バータリヤ室13が形成されている。なお、ロックアッ
プピストン11は、タービン7と同様に、ハブ6を介し
てタービンシャフトに連結されている。
能を高めるために、あるいは減速時のエンジンブレーキ
を強めるために、運転状態に応じて入力側部材(エンジ
ン出力軸)と出力側部材(タービンシャフト)とを直結(ロ
ックアップ)ないしは半直結(スリップ・ロックアップ)
させるロックアップ手段Rが設けられているが、以下こ
のロックアップ手段Rについて説明する。ロックアップ
手段Rにはロックアップピストン11が設けられ、この
ロックアップピストン11は、コンバータカバー4とタ
ービン7との間に配設されている。そして、ロックアッ
プピストン11の前側(図2では右側)にはコンバータフ
ロント室12が形成され、後側(図2では左側)にはコン
バータリヤ室13が形成されている。なお、ロックアッ
プピストン11は、タービン7と同様に、ハブ6を介し
てタービンシャフトに連結されている。
【0015】そして、コンバータフロント室12とコン
バータリヤ室13とへは、後で説明する油圧機構Fから
油圧(作動油)が給排されるようになっている。ここで、
コンバータリヤ室13内の油圧はロックアップピストン
11をコンバータカバー4の後面に押し付ける方向に作
用するロックアップ強化方向の作動圧となり、コンバー
タフロント室12内の油圧はロックアップピストン11
をコンバータカバー4の後面から引き離す方向に作用す
るロックアップ解除方向の作動圧となる。
バータリヤ室13とへは、後で説明する油圧機構Fから
油圧(作動油)が給排されるようになっている。ここで、
コンバータリヤ室13内の油圧はロックアップピストン
11をコンバータカバー4の後面に押し付ける方向に作
用するロックアップ強化方向の作動圧となり、コンバー
タフロント室12内の油圧はロックアップピストン11
をコンバータカバー4の後面から引き離す方向に作用す
るロックアップ解除方向の作動圧となる。
【0016】ロックアップピストン11は、コンバータ
フロント室12とコンバータリヤ室13との間の油圧差
に応じた締結力でコンバータカバー4と摩擦係合し、あ
るいは摩擦係合が解除されるようになっている。なお、
詳しくは図示していないが、ロックアップピストン11
の、コンバータカバー4との係合部には摩擦部材が取り
付けられている。したがって、このロックアップ手段R
では、両室12,13間の油圧差、すなわちロックアッ
プピストン11とコンバータカバー4との間の締結力を
調節することにより、ロックアップピストン11をコン
バータカバー4から完全に離間させて入力側(エンジン
側)のトルクを作動油を介して出力側(歯車変速機構側)
に伝達するトルコンモードと、ロックアップピストン1
1を完全に(スリップせずに)コンバータカバー4に締結
させて入力側のトルクを直接出力側に伝達するロックア
ップモードと、ロックアップピストン11をコンバータ
カバー4に対してスリップさせながら摩擦係合させ、入
力側のトルクを作動油を介して出力側に伝達するととも
に、ロックアップピストン11をも介して出力側に伝達
するスリップモード(スリップ・ロックアップモード)
の、3種類のトルク伝達モードを設定できることにな
る。
フロント室12とコンバータリヤ室13との間の油圧差
に応じた締結力でコンバータカバー4と摩擦係合し、あ
るいは摩擦係合が解除されるようになっている。なお、
詳しくは図示していないが、ロックアップピストン11
の、コンバータカバー4との係合部には摩擦部材が取り
付けられている。したがって、このロックアップ手段R
では、両室12,13間の油圧差、すなわちロックアッ
プピストン11とコンバータカバー4との間の締結力を
調節することにより、ロックアップピストン11をコン
バータカバー4から完全に離間させて入力側(エンジン
側)のトルクを作動油を介して出力側(歯車変速機構側)
に伝達するトルコンモードと、ロックアップピストン1
1を完全に(スリップせずに)コンバータカバー4に締結
させて入力側のトルクを直接出力側に伝達するロックア
ップモードと、ロックアップピストン11をコンバータ
カバー4に対してスリップさせながら摩擦係合させ、入
力側のトルクを作動油を介して出力側に伝達するととも
に、ロックアップピストン11をも介して出力側に伝達
するスリップモード(スリップ・ロックアップモード)
の、3種類のトルク伝達モードを設定できることにな
る。
【0017】そして、ロックアップ手段Rのトルク伝達
モードの切り替えを行なうために油圧機構Fが設けられ
ているが、以下この油圧機構Fについて説明する。油圧
機構Fには、トルクコンバータ3への油圧供給経路を切
り替えるロックアップシフトバルブ15(以下、これを
シフトバルブ15と略称する)と、該シフトバルブ15
を介してコンバータフロント室12に供給される作動油
を調圧するロックアップコントロールバルブ16(以
下、これをコントロールバルブ16と略称する)と、第
1パイロット圧をオン・オフ制御する第1ソレノイドバ
ルブ17と、第2パイロット圧をデューティ制御する第
2ソレノイドバルブ18と、油圧通路網とが設けられて
いる。そして、両ソレノイドバルブ17,18は、マイ
クロコンピュータからなる変速機コントロールユニット
C2から印加される信号に従って開閉されるようになっ
ている。
モードの切り替えを行なうために油圧機構Fが設けられ
ているが、以下この油圧機構Fについて説明する。油圧
機構Fには、トルクコンバータ3への油圧供給経路を切
り替えるロックアップシフトバルブ15(以下、これを
シフトバルブ15と略称する)と、該シフトバルブ15
を介してコンバータフロント室12に供給される作動油
を調圧するロックアップコントロールバルブ16(以
下、これをコントロールバルブ16と略称する)と、第
1パイロット圧をオン・オフ制御する第1ソレノイドバ
ルブ17と、第2パイロット圧をデューティ制御する第
2ソレノイドバルブ18と、油圧通路網とが設けられて
いる。そして、両ソレノイドバルブ17,18は、マイ
クロコンピュータからなる変速機コントロールユニット
C2から印加される信号に従って開閉されるようになっ
ている。
【0018】油圧機構Fの油圧通路網は、上流側(プレ
ッシャレギュレータバルブ)から導入されるトルクコン
バータ圧をシフトバルブ15及びコントロールバルブ1
6に供給するトルコンラインL1と、上流側からライン
圧が導入される一方下流側に第1パイロット圧を供給す
る第1パイロットラインL2と、上流側からソレノイド
レデューシング圧が導入される一方下流側に第2パイロ
ット圧を供給する第2パイロットラインL3と、上流側
から導入されるソレノイドレデューシング圧をシフトバ
ルブ15に供給する定圧ラインL4と、シフトバルブ1
5のポート21とコンバータリヤ室13とを接続するリ
ヤ側ラインL5と、シフトバルブ15のポート22とコ
ンバータフロント室12とを接続するフロント側ライン
L6と、コンバータリヤ室13とオイルクーラ23とを
接続するオイル冷却ラインL7と、シフトバルブ15と
コントロールバルブ16とを接続する接続ラインL8と
で構成されている。
ッシャレギュレータバルブ)から導入されるトルクコン
バータ圧をシフトバルブ15及びコントロールバルブ1
6に供給するトルコンラインL1と、上流側からライン
圧が導入される一方下流側に第1パイロット圧を供給す
る第1パイロットラインL2と、上流側からソレノイド
レデューシング圧が導入される一方下流側に第2パイロ
ット圧を供給する第2パイロットラインL3と、上流側
から導入されるソレノイドレデューシング圧をシフトバ
ルブ15に供給する定圧ラインL4と、シフトバルブ1
5のポート21とコンバータリヤ室13とを接続するリ
ヤ側ラインL5と、シフトバルブ15のポート22とコ
ンバータフロント室12とを接続するフロント側ライン
L6と、コンバータリヤ室13とオイルクーラ23とを
接続するオイル冷却ラインL7と、シフトバルブ15と
コントロールバルブ16とを接続する接続ラインL8と
で構成されている。
【0019】トルコンラインL1は途中で分岐して、シ
フトバルブ15のポート24と、コントロールバルブ1
6の2つのポート25,26とに接続されている。第1
パイロットラインL2は途中で分岐して、シフトバルブ
15のポート27と、コントロールバルブ16のポート
28とに接続されている。そして、第1パイロットライ
ンL2のシフトバルブ側の分岐ラインL2'に接続され
たドレンライン29に臨んで第1ソレノイドバルブ17
が設けられている。ここで、第1ソレノイドバルブ17
がオフされているときにはドレンライン29が閉じら
れ、他方オンされているときにはドレンライン29が開
かれて分岐ラインL2'内の作動油(油圧)がドレンされ
るようになっている。
フトバルブ15のポート24と、コントロールバルブ1
6の2つのポート25,26とに接続されている。第1
パイロットラインL2は途中で分岐して、シフトバルブ
15のポート27と、コントロールバルブ16のポート
28とに接続されている。そして、第1パイロットライ
ンL2のシフトバルブ側の分岐ラインL2'に接続され
たドレンライン29に臨んで第1ソレノイドバルブ17
が設けられている。ここで、第1ソレノイドバルブ17
がオフされているときにはドレンライン29が閉じら
れ、他方オンされているときにはドレンライン29が開
かれて分岐ラインL2'内の作動油(油圧)がドレンされ
るようになっている。
【0020】第2パイロットラインL3は途中で分岐し
て、シフトバルブ15のポート31と、コントロールバ
ルブ16のポート32とに接続されている。そして、第
2パイロットラインL3に接続されたドレンライン33
に臨んで第2ソレノイドバルブ18が設けられている。
この第2ソレノイドバルブ18はデューティソレノイド
バルブであって、変速機コントロールユニットC2から
印加されるデューティ比に応じて第2パイロットライン
L3内の作動油(油圧)をドレンさせ、第2パイロット圧
を形成するようになっている。なお、デューティ比が大
きいときほどドレン量が多くなり第2パイロット圧が低
くなる。定圧ラインL4はシフトバルブ15のポート3
4に接続されている。また、接続ラインL8は、シフト
バルブ15のポート35と、コントロールバルブ16の
2つのポート36,37とに接続されている。
て、シフトバルブ15のポート31と、コントロールバ
ルブ16のポート32とに接続されている。そして、第
2パイロットラインL3に接続されたドレンライン33
に臨んで第2ソレノイドバルブ18が設けられている。
この第2ソレノイドバルブ18はデューティソレノイド
バルブであって、変速機コントロールユニットC2から
印加されるデューティ比に応じて第2パイロットライン
L3内の作動油(油圧)をドレンさせ、第2パイロット圧
を形成するようになっている。なお、デューティ比が大
きいときほどドレン量が多くなり第2パイロット圧が低
くなる。定圧ラインL4はシフトバルブ15のポート3
4に接続されている。また、接続ラインL8は、シフト
バルブ15のポート35と、コントロールバルブ16の
2つのポート36,37とに接続されている。
【0021】そして、シフトバルブ15は、第1,第2
パイロット圧に応じて第1スプール41と第2スプール
42とを軸線方向(図2では左右方向)に移動させ、ポー
ト21とポート24との間の連通・遮断の切り替えと、
ポート22とポート35との間の連通・遮断の切り替え
とを行なうようになっている。また、コントロールバル
ブ16は、第1,第2パイロット圧に応じてスプール4
3を軸線方向に移動させ、ポート25とポート37との
間の連通・遮断の切り替えないしは両ポート25,37
間の連通度の調節を行なうようになっている。
パイロット圧に応じて第1スプール41と第2スプール
42とを軸線方向(図2では左右方向)に移動させ、ポー
ト21とポート24との間の連通・遮断の切り替えと、
ポート22とポート35との間の連通・遮断の切り替え
とを行なうようになっている。また、コントロールバル
ブ16は、第1,第2パイロット圧に応じてスプール4
3を軸線方向に移動させ、ポート25とポート37との
間の連通・遮断の切り替えないしは両ポート25,37
間の連通度の調節を行なうようになっている。
【0022】ロックアップ手段Rの3種のトルク伝達モ
ード(トルコンモード、ロックアップモード、スリップ
モード)の切り替えは、所定のロックアップ制御マップ
に基づいて変速機コントロールユニットC2によって行
なわれる。具体的には、スロットル開度とタービン回転
数とをパラメータとするロックアップ制御マップに基づ
いて運転状態に最も適したトルク伝達モードが選択さ
れ、かかるトルク伝達モードに対応する制御信号が変速
機コントロールユニットC2から両ソレノイドバルブ1
7,18に印加され、これに伴ってシフトバルブ15と
コントロールバルブ16とが切り替えられてトルク伝達
モードが切り替えられる。なお、スリップモードでは、
入力側回転数(エンジン回転数)と出力側回転数(タービ
ンシャフト回転数)の差(以下、これを入出力回転数差と
いう)、すなわちスリップ量が所定の目標値に追従する
ように、コンバータフロント室12とコンバータリヤ室
13との間の油圧差すなわちロックアップ締結力がフィ
ードバック制御されるようになっている。
ード(トルコンモード、ロックアップモード、スリップ
モード)の切り替えは、所定のロックアップ制御マップ
に基づいて変速機コントロールユニットC2によって行
なわれる。具体的には、スロットル開度とタービン回転
数とをパラメータとするロックアップ制御マップに基づ
いて運転状態に最も適したトルク伝達モードが選択さ
れ、かかるトルク伝達モードに対応する制御信号が変速
機コントロールユニットC2から両ソレノイドバルブ1
7,18に印加され、これに伴ってシフトバルブ15と
コントロールバルブ16とが切り替えられてトルク伝達
モードが切り替えられる。なお、スリップモードでは、
入力側回転数(エンジン回転数)と出力側回転数(タービ
ンシャフト回転数)の差(以下、これを入出力回転数差と
いう)、すなわちスリップ量が所定の目標値に追従する
ように、コンバータフロント室12とコンバータリヤ室
13との間の油圧差すなわちロックアップ締結力がフィ
ードバック制御されるようになっている。
【0023】ロックアップ制御マップは、図示していな
いが、基本的には、低回転・中高負荷領域ではトルクコ
ンバータ3がコンバータ領域にあるのでトルコンモード
を設定し、高回転・中低負荷領域ではトルクコンバータ
3が継手領域にあるのでロックアップモードを設定し、
低回転・低負荷領域ではトルクコンバータ3が継手領域
にあるものの入力側と出力側とをリジッドに連結すると
エンジンEのトルク変動ないしは回転速度変動によって
がたつきが生じるのでこれを防止するためにスリップモ
ードを設定するようになっている。さらに、スロットル
弁が閉じられる減速領域ではスリップモードを設定し
て、がたつきの発生を抑制しつつ強力なエンジンブレー
キを得られるようにしている。
いが、基本的には、低回転・中高負荷領域ではトルクコ
ンバータ3がコンバータ領域にあるのでトルコンモード
を設定し、高回転・中低負荷領域ではトルクコンバータ
3が継手領域にあるのでロックアップモードを設定し、
低回転・低負荷領域ではトルクコンバータ3が継手領域
にあるものの入力側と出力側とをリジッドに連結すると
エンジンEのトルク変動ないしは回転速度変動によって
がたつきが生じるのでこれを防止するためにスリップモ
ードを設定するようになっている。さらに、スロットル
弁が閉じられる減速領域ではスリップモードを設定し
て、がたつきの発生を抑制しつつ強力なエンジンブレー
キを得られるようにしている。
【0024】以下、各トルク伝達モードにおける油圧機
構F及びロックアップ手段Rの動作・状態を具体的に説
明する。 (1)トルコンモード トルコンモードでは、第1ソレノイドバルブ17がオフ
され、第2ソレノイドバルブ18のデューティ比が0%
に設定される。これによって、シフトバルブ15の第
1,第2スプール41,42はいずれも高圧の第1パイロ
ット圧によって図2中での位置関係において最大限左側
に移動させられ、他方コントロールバルブ16のスプー
ル43は第1パイロット圧によって図2中での位置関係
において最大限右側に移動させられる。この場合、シフ
トバルブ15においては、ポート21がポート24と遮
断される一方、ポート22がポート35と連通させられ
る。他方、コントロールバルブ16においては、ポート
25がポート37と連通させられる。したがって、トル
コンラインL1内のトルクコンバータ圧が順に、ポート
25と、ポート37と、接続ラインL8と、ポート35
と、ポート22と、フロント側ラインL6とを介してコ
ンバータフロント室12に供給される。このため、コン
バータフロント室12内がコンバータリヤ室13内より
も十分に高圧となり、ロックアップピストン11がコン
バータカバー4から離間して非ロックアップ状態(コン
バータ状態)となる。
構F及びロックアップ手段Rの動作・状態を具体的に説
明する。 (1)トルコンモード トルコンモードでは、第1ソレノイドバルブ17がオフ
され、第2ソレノイドバルブ18のデューティ比が0%
に設定される。これによって、シフトバルブ15の第
1,第2スプール41,42はいずれも高圧の第1パイロ
ット圧によって図2中での位置関係において最大限左側
に移動させられ、他方コントロールバルブ16のスプー
ル43は第1パイロット圧によって図2中での位置関係
において最大限右側に移動させられる。この場合、シフ
トバルブ15においては、ポート21がポート24と遮
断される一方、ポート22がポート35と連通させられ
る。他方、コントロールバルブ16においては、ポート
25がポート37と連通させられる。したがって、トル
コンラインL1内のトルクコンバータ圧が順に、ポート
25と、ポート37と、接続ラインL8と、ポート35
と、ポート22と、フロント側ラインL6とを介してコ
ンバータフロント室12に供給される。このため、コン
バータフロント室12内がコンバータリヤ室13内より
も十分に高圧となり、ロックアップピストン11がコン
バータカバー4から離間して非ロックアップ状態(コン
バータ状態)となる。
【0025】(2)ロックアップモード ロックアップモードでは、第1ソレノイドバルブ17が
オンされ、第2ソレノイドバルブ18のデューティ比が
0%に設定される。これによって、シフトバルブ15の
第1スプール41及び第2スプール42は夫々レデュー
シング圧及び高圧の第2パイロット圧により最大限右側
に移動させられ、他方コントロールバルブ16のスプー
ル43は第2パイロット圧によって最大限左側に移動さ
せられる。この場合、シフトバルブ15においては、ポ
ート21がポート24と連通させられ、ポート22はポ
ート35とは遮断される一方ドレンポート45と連通さ
せられる。他方、コントロールバルブ16においては、
ポート37がポート25とは遮断される一方ドレンポー
ト46と連通させられる。したがって、トルコンライン
L1内のトルクコンバータ圧が順に、ポート24と、ポ
ート21と、リヤ側ラインL5とを介してコンバータリ
ヤ室13に供給される。他方、コンバータフロント室1
2内の油圧は順に、フロント側ラインL6と、ポート2
2と、ドレンポート45とを介してドレンされる。この
ため、コンバータリヤ室13内がコンバータフロント室
12内よりも十分に高圧となり、ロックアップピストン
11がコンバータカバー4に押し付けられて完全なロッ
クアップ状態となる。
オンされ、第2ソレノイドバルブ18のデューティ比が
0%に設定される。これによって、シフトバルブ15の
第1スプール41及び第2スプール42は夫々レデュー
シング圧及び高圧の第2パイロット圧により最大限右側
に移動させられ、他方コントロールバルブ16のスプー
ル43は第2パイロット圧によって最大限左側に移動さ
せられる。この場合、シフトバルブ15においては、ポ
ート21がポート24と連通させられ、ポート22はポ
ート35とは遮断される一方ドレンポート45と連通さ
せられる。他方、コントロールバルブ16においては、
ポート37がポート25とは遮断される一方ドレンポー
ト46と連通させられる。したがって、トルコンライン
L1内のトルクコンバータ圧が順に、ポート24と、ポ
ート21と、リヤ側ラインL5とを介してコンバータリ
ヤ室13に供給される。他方、コンバータフロント室1
2内の油圧は順に、フロント側ラインL6と、ポート2
2と、ドレンポート45とを介してドレンされる。この
ため、コンバータリヤ室13内がコンバータフロント室
12内よりも十分に高圧となり、ロックアップピストン
11がコンバータカバー4に押し付けられて完全なロッ
クアップ状態となる。
【0026】(3)スリップモード スリップモードでは、第1ソレノイドバルブ17がオン
され、第2ソレノイドバルブ18のデューティ比がスリ
ップ量目標値に対応する値(例えば、30%)に設定され
る。これによって、シフトバルブ15の第1スプール4
1はレデューシング圧によって最大限右側に移動させら
れ、第2スプール42は第2パイロット圧が低下してい
るのでレデューシング圧によって最大限左側に移動させ
られる。他方、コントロールバルブ16のスプール43
は第2パイロット圧に対応する中間的な位置に移動させ
られる。この場合、シフトバルブ15においては、ポー
ト21がポート24と連通させられ、ポート22がポー
ト35と連通させられる。他方、コントロールバルブ1
6においては、ポート37が、ポート25及びドレンポ
ート46の両方と連通させられる。このときポート25
及びドレンポート46は一部のみ開かれた状態にある。
したがって、トルコンラインL1内のトルクコンバータ
圧が順に、ポート24と、ポート21と、リヤ側ライン
L5とを介してコンバータリヤ室13に供給される。他
方、スプール43の位置、すなわちポート25の開度と
ドレンポート46の開度の比に対応してコントロールバ
ルブ16内に形成される油圧(以下、これを調整油圧と
いう)が順に、ポート37と、接続ラインL8と、ポー
ト35と、ポート22と、フロント側ラインL6とを介
してコンバータフロント室12に供給される。なお、調
整油圧はトルクコンバータ圧よりも低いのはもちろんで
ある。この場合、コンバータリヤ室13にトルクコンバ
ータ圧が供給される一方、コンバータフロント室12に
トルクコンバータ圧よりはやや低い調整油圧が供給され
るので、ロックアップピストン11がコンバータカバー
4に緩やかに押し付けられてスリップ状態となる。つま
り、第2ソレノイドバルブ18に印加されるデューティ
比に従って、コンバータリヤ室13とコンバータフロン
ト室12との間の油圧差が制御され、これによってロッ
クアップ手段Rの締結力が制御されるわけである。
され、第2ソレノイドバルブ18のデューティ比がスリ
ップ量目標値に対応する値(例えば、30%)に設定され
る。これによって、シフトバルブ15の第1スプール4
1はレデューシング圧によって最大限右側に移動させら
れ、第2スプール42は第2パイロット圧が低下してい
るのでレデューシング圧によって最大限左側に移動させ
られる。他方、コントロールバルブ16のスプール43
は第2パイロット圧に対応する中間的な位置に移動させ
られる。この場合、シフトバルブ15においては、ポー
ト21がポート24と連通させられ、ポート22がポー
ト35と連通させられる。他方、コントロールバルブ1
6においては、ポート37が、ポート25及びドレンポ
ート46の両方と連通させられる。このときポート25
及びドレンポート46は一部のみ開かれた状態にある。
したがって、トルコンラインL1内のトルクコンバータ
圧が順に、ポート24と、ポート21と、リヤ側ライン
L5とを介してコンバータリヤ室13に供給される。他
方、スプール43の位置、すなわちポート25の開度と
ドレンポート46の開度の比に対応してコントロールバ
ルブ16内に形成される油圧(以下、これを調整油圧と
いう)が順に、ポート37と、接続ラインL8と、ポー
ト35と、ポート22と、フロント側ラインL6とを介
してコンバータフロント室12に供給される。なお、調
整油圧はトルクコンバータ圧よりも低いのはもちろんで
ある。この場合、コンバータリヤ室13にトルクコンバ
ータ圧が供給される一方、コンバータフロント室12に
トルクコンバータ圧よりはやや低い調整油圧が供給され
るので、ロックアップピストン11がコンバータカバー
4に緩やかに押し付けられてスリップ状態となる。つま
り、第2ソレノイドバルブ18に印加されるデューティ
比に従って、コンバータリヤ室13とコンバータフロン
ト室12との間の油圧差が制御され、これによってロッ
クアップ手段Rの締結力が制御されるわけである。
【0027】以下、エンジンEのフューエルカット制御
等の各種制御を行なうエンジンコントロールユニットC
1と、トルクコンバータ3のロックアップ制御等の各種
制御を行なう変速機コントロールユニットC2とについ
て説明する。図3に示すように、マイクロコンピュータ
からなる変速機コントロールユニットC2は自動変速機
T(図2参照)の総合的な制御装置であって、アイドルス
イッチ51から出力されるアイドルスイッチ信号、スロ
ットルセンサ52によって検出されるスロットル開度、
勾配センサ53によって検出される道路勾配、インヒビ
タスイッチ54から出力されるレンジ信号、パルスジェ
ネレータ55によって検出されるタービン回転数、AT
Fサーモセンサ56によって検出されるATF油温、回
転数センサ57によって検出されるエンジン回転数、車
速センサ58によって検出される車速、モードスイッチ
59から出力されるモード信号、ストップライトスイッ
チ60から出力されるブレーキ信号等を制御情報とし
て、自動変速機Tの所定の制御を行なうようになってい
る。なお、選択されているモード(パワーモード、エコ
ノミモード、ホールドモード)はモードインジケータ6
1に表示されるようになっている。なお、変速機コント
ロールユニットC2は、特許請求の範囲に記載された「減
速制御手段」及び「限界車速変更手段」を含む総合的な制
御手段である。他方、エンジンコントロールユニットC
1は、変速機コントロールユニットC2から入力される各
種信号に従って、エンジンE(図2参照)の所定の制御を
行なうようになっている。なお、エンジンコントロール
ユニットC1は、特許請求の範囲に記載された「燃料供給
停止手段」を含む総合的な制御手段である。
等の各種制御を行なうエンジンコントロールユニットC
1と、トルクコンバータ3のロックアップ制御等の各種
制御を行なう変速機コントロールユニットC2とについ
て説明する。図3に示すように、マイクロコンピュータ
からなる変速機コントロールユニットC2は自動変速機
T(図2参照)の総合的な制御装置であって、アイドルス
イッチ51から出力されるアイドルスイッチ信号、スロ
ットルセンサ52によって検出されるスロットル開度、
勾配センサ53によって検出される道路勾配、インヒビ
タスイッチ54から出力されるレンジ信号、パルスジェ
ネレータ55によって検出されるタービン回転数、AT
Fサーモセンサ56によって検出されるATF油温、回
転数センサ57によって検出されるエンジン回転数、車
速センサ58によって検出される車速、モードスイッチ
59から出力されるモード信号、ストップライトスイッ
チ60から出力されるブレーキ信号等を制御情報とし
て、自動変速機Tの所定の制御を行なうようになってい
る。なお、選択されているモード(パワーモード、エコ
ノミモード、ホールドモード)はモードインジケータ6
1に表示されるようになっている。なお、変速機コント
ロールユニットC2は、特許請求の範囲に記載された「減
速制御手段」及び「限界車速変更手段」を含む総合的な制
御手段である。他方、エンジンコントロールユニットC
1は、変速機コントロールユニットC2から入力される各
種信号に従って、エンジンE(図2参照)の所定の制御を
行なうようになっている。なお、エンジンコントロール
ユニットC1は、特許請求の範囲に記載された「燃料供給
停止手段」を含む総合的な制御手段である。
【0028】しかしながら、自動変速機T及びエンジン
Eの一般的な制御は一般に知られており、またかかる一
般的な制御は本願の要旨でもないのでその説明を省略
し、以下では図4及び図5に示すフローチャートに従っ
て適宜図2及び図3を参照しつつ、本願の要旨にかかる
減速時のスリップ制御及びフューエルカット制御につい
てのみその制御方法を説明する。
Eの一般的な制御は一般に知られており、またかかる一
般的な制御は本願の要旨でもないのでその説明を省略
し、以下では図4及び図5に示すフローチャートに従っ
て適宜図2及び図3を参照しつつ、本願の要旨にかかる
減速時のスリップ制御及びフューエルカット制御につい
てのみその制御方法を説明する。
【0029】制御が開始されると、まずステップ#1で
インヒビタ54から出力されるレンジ信号と、モードス
イッチ59から出力されるモード信号と、アイドルスイ
ッチ51から出力されるアイドルスイッチ信号と、AT
Fサーモセンサ56によって検出される油温Tと、パル
スジェネレータ55によって検出されるタービン回転数
Ntとが制御情報として読み込まれる。次に、ステップ
#2〜ステップ#6で順に、レンジがドライブレンジ
(Dレンジ)であるか否か、モードがエコノミモード(E
モード)であるか否か、アイドルスイッチがオンである
か否か、油温Tが所定の減速スリップ限界油温T0以上
であるか否か、タービン回転数Ntが減速スリップイン
下限タービン回転数N1以上でありかつ減速スリップイ
ン上限タービン回転数N2以下であるか否かが比較・判
定される。なお、ここではアイドルスイッチがオンであ
るか否かによって減速時であるか否かが判定される。
インヒビタ54から出力されるレンジ信号と、モードス
イッチ59から出力されるモード信号と、アイドルスイ
ッチ51から出力されるアイドルスイッチ信号と、AT
Fサーモセンサ56によって検出される油温Tと、パル
スジェネレータ55によって検出されるタービン回転数
Ntとが制御情報として読み込まれる。次に、ステップ
#2〜ステップ#6で順に、レンジがドライブレンジ
(Dレンジ)であるか否か、モードがエコノミモード(E
モード)であるか否か、アイドルスイッチがオンである
か否か、油温Tが所定の減速スリップ限界油温T0以上
であるか否か、タービン回転数Ntが減速スリップイン
下限タービン回転数N1以上でありかつ減速スリップイ
ン上限タービン回転数N2以下であるか否かが比較・判
定される。なお、ここではアイドルスイッチがオンであ
るか否かによって減速時であるか否かが判定される。
【0030】このような一連の比較・判定においてすべ
ての比較・判定がYESである場合、すなわち選択され
ているレンジがDレンジであり、選択されているモード
がEモードであり、アイドルスイッチがオンであり(す
なわち減速時)、T≧T0であり、かつN1≦Nt≦N2で
ある場合には、車両がエンジンブレーキを必要とする減
速状態にあることになるので、ステップ#7以下で減速
スリップ制御とフューエルカットとが行なわれ、エンジ
ンブレーキが強められる。なお、その他の場合はステッ
プ#1に復帰する。
ての比較・判定がYESである場合、すなわち選択され
ているレンジがDレンジであり、選択されているモード
がEモードであり、アイドルスイッチがオンであり(す
なわち減速時)、T≧T0であり、かつN1≦Nt≦N2で
ある場合には、車両がエンジンブレーキを必要とする減
速状態にあることになるので、ステップ#7以下で減速
スリップ制御とフューエルカットとが行なわれ、エンジ
ンブレーキが強められる。なお、その他の場合はステッ
プ#1に復帰する。
【0031】ここで、Dレンジでのみ減速スリップ制御
及びフューエルカットを行なうようにしているのは、2
レンジまたは1レンジの場合はもともと強いエンジンブ
レーキが生じるので減速スリップ制御によりエンジンブ
レーキを強める必要がないからである。Eモードでのみ
減速スリップ制御及びフューエルカットを行なうように
しているのは、パワーモードの場合は再加速時の応答性
を高める必要があるのでトルクコンバータ3をトルコン
モードとしかつエンジンEに燃料を供給しておく方が加
速性がよいからである。T≧T0の場合にのみ減速スリ
ップ制御及びフューエルカットを行なうようにしている
のは、T<T0の場合は作動油の粘度が高いので、適切
な減速スリップ制御を行なうのがむずかしいからであ
る。N1≦Nt≦N2の場合にのみ減速スリップ制御及び
フューエルカットを行なうようにしているのは、Nt<
N1の場合は再加速に備えてトルクコンバータ3をトル
コンモードにしておく必要があるからであり、他方Nt
>N2の場合はタービン回転数が高すぎるのでロックア
ップピストン11をスリップさせるのは適当ではないか
らである。
及びフューエルカットを行なうようにしているのは、2
レンジまたは1レンジの場合はもともと強いエンジンブ
レーキが生じるので減速スリップ制御によりエンジンブ
レーキを強める必要がないからである。Eモードでのみ
減速スリップ制御及びフューエルカットを行なうように
しているのは、パワーモードの場合は再加速時の応答性
を高める必要があるのでトルクコンバータ3をトルコン
モードとしかつエンジンEに燃料を供給しておく方が加
速性がよいからである。T≧T0の場合にのみ減速スリ
ップ制御及びフューエルカットを行なうようにしている
のは、T<T0の場合は作動油の粘度が高いので、適切
な減速スリップ制御を行なうのがむずかしいからであ
る。N1≦Nt≦N2の場合にのみ減速スリップ制御及び
フューエルカットを行なうようにしているのは、Nt<
N1の場合は再加速に備えてトルクコンバータ3をトル
コンモードにしておく必要があるからであり、他方Nt
>N2の場合はタービン回転数が高すぎるのでロックア
ップピストン11をスリップさせるのは適当ではないか
らである。
【0032】ステップ#7では、変速機コントロールユ
ニットC2によって第1ソレノイドバルブ17がオンさ
れるとともに、第2ソレノイドバルブ18に所定のデュ
ーティ比(例えば、30%)が印加され、トルクコンバー
タ3がスリップロックアップ状態となる。かつ、エンジ
ンコントロールユニットC1によって燃料噴射弁2から
の燃料噴射が停止されフューエルカットが行なわれる。
この場合、トルクコンバータ3がスリップロックアップ
状態となるので、エンジンEのトルク変動ないしは回転
数変動によるがたつきを生じさせることなくエンジンブ
レーキを強めることができる。さらにフューエルカット
によりエンジンブレーキが強められる。
ニットC2によって第1ソレノイドバルブ17がオンさ
れるとともに、第2ソレノイドバルブ18に所定のデュ
ーティ比(例えば、30%)が印加され、トルクコンバー
タ3がスリップロックアップ状態となる。かつ、エンジ
ンコントロールユニットC1によって燃料噴射弁2から
の燃料噴射が停止されフューエルカットが行なわれる。
この場合、トルクコンバータ3がスリップロックアップ
状態となるので、エンジンEのトルク変動ないしは回転
数変動によるがたつきを生じさせることなくエンジンブ
レーキを強めることができる。さらにフューエルカット
によりエンジンブレーキが強められる。
【0033】続いて、ステップ#8〜ステップ#13で
は、かかる減速スリップ制御及びフューエルカットを解
除すべきか否かが判定される。具体的には、まずステッ
プ#8で、レンジ信号と、モード信号と、アイドルスイ
ッチ信号と、油温Tと、タービン回転数Ntと、勾配セ
ンサ53によって検出される道路勾配θとが読み込まれ
る。次に、ステップ#9〜ステップ#12で順に、レン
ジがDレンジであるか否か、モードがEモードであるか
否か、アイドルスイッチがオンであるか否か、油温Tが
減速スリップ限界油温T0以上であるか否かが比較・判
定される。これらの比較・判定は、前記のステップ#2
〜ステップ#5の比較・判定の場合と同一であり、減速
スリップ制御及びフューエルカットを継続すべき基本的
な条件が成立しているか否かが判定される。
は、かかる減速スリップ制御及びフューエルカットを解
除すべきか否かが判定される。具体的には、まずステッ
プ#8で、レンジ信号と、モード信号と、アイドルスイ
ッチ信号と、油温Tと、タービン回転数Ntと、勾配セ
ンサ53によって検出される道路勾配θとが読み込まれ
る。次に、ステップ#9〜ステップ#12で順に、レン
ジがDレンジであるか否か、モードがEモードであるか
否か、アイドルスイッチがオンであるか否か、油温Tが
減速スリップ限界油温T0以上であるか否かが比較・判
定される。これらの比較・判定は、前記のステップ#2
〜ステップ#5の比較・判定の場合と同一であり、減速
スリップ制御及びフューエルカットを継続すべき基本的
な条件が成立しているか否かが判定される。
【0034】ステップ#9〜ステップ#12のすべての
判定がYESである場合、すなわち減速スリップ制御及
びフューエルカットを継続すべき基本的な条件が成立し
ている場合は、さらにステップ#13でタービン回転数
Ntが減速スリップ解除タービン回転数N(θ)以上であ
るか否かが比較・判定される。ここで、減速スリップ解
除タービン回転数N(θ)は、再加速に備えて減速スリッ
プ制御及びフューエルカットを解除すべきタービン回転
数、すなわち特許請求の範囲に記載された「限界車速」に
相当するタービン回転数であって、図6に示すように、
車両が現に走行している道路の下り勾配θの関数となっ
ている。図6からわかるように、F(θ)は、道路の下り
勾配θが大きいときほど小さくなるように設定されてい
る。
判定がYESである場合、すなわち減速スリップ制御及
びフューエルカットを継続すべき基本的な条件が成立し
ている場合は、さらにステップ#13でタービン回転数
Ntが減速スリップ解除タービン回転数N(θ)以上であ
るか否かが比較・判定される。ここで、減速スリップ解
除タービン回転数N(θ)は、再加速に備えて減速スリッ
プ制御及びフューエルカットを解除すべきタービン回転
数、すなわち特許請求の範囲に記載された「限界車速」に
相当するタービン回転数であって、図6に示すように、
車両が現に走行している道路の下り勾配θの関数となっ
ている。図6からわかるように、F(θ)は、道路の下り
勾配θが大きいときほど小さくなるように設定されてい
る。
【0035】したがって、減速スリップ制御及びフュー
エルカットが解除される車速は、道路の下り勾配が大き
いときほど低くなる。このため、減速時において減速ス
リップ制御及びフューエルカットによりエンジンブレー
キが強められている場合、道路の下り勾配が大きければ
大きいほどエンジンブレーキがより低車速となるまで強
められ、これによって道路の勾配の有無あるいは大小に
かかわらずエンブレ感を一定化することができ、走行フ
ィーリングが高められる。なお、かかる減速スリップ制
御及びフューエルカットは、下り勾配θが負の値の場
合、すなわち上り坂で減速が行なわれる場合でも行なわ
れるのはもちろんである。
エルカットが解除される車速は、道路の下り勾配が大き
いときほど低くなる。このため、減速時において減速ス
リップ制御及びフューエルカットによりエンジンブレー
キが強められている場合、道路の下り勾配が大きければ
大きいほどエンジンブレーキがより低車速となるまで強
められ、これによって道路の勾配の有無あるいは大小に
かかわらずエンブレ感を一定化することができ、走行フ
ィーリングが高められる。なお、かかる減速スリップ制
御及びフューエルカットは、下り勾配θが負の値の場
合、すなわち上り坂で減速が行なわれる場合でも行なわ
れるのはもちろんである。
【0036】ステップ#13でNt≧F(θ)であると判
定されれば(YES)、車速がまだ限界車速にまで低下し
ていないので、ステップ#8に復帰して減速スリップ制
御及びフューエルカットが継続される。他方、ステップ
#9〜ステップ#13での一連の比較・判定の結果、い
ずれか1つでもNOであれば、減速スリップ制御及びフ
ューエルカットを継続すべき条件が成立しなくなるの
で、ステップ#14で減速スリップ制御及びフューエル
カットが解除され、この後ステップ#1に復帰する。
定されれば(YES)、車速がまだ限界車速にまで低下し
ていないので、ステップ#8に復帰して減速スリップ制
御及びフューエルカットが継続される。他方、ステップ
#9〜ステップ#13での一連の比較・判定の結果、い
ずれか1つでもNOであれば、減速スリップ制御及びフ
ューエルカットを継続すべき条件が成立しなくなるの
で、ステップ#14で減速スリップ制御及びフューエル
カットが解除され、この後ステップ#1に復帰する。
【0037】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、流体継手が
スリップロックアップ状態とされてエンジンブレーキが
強められる減速時において、道路の下り勾配が大きいと
きには、該下り勾配が小さいときに比べて限界車速変更
手段によってスリップロックアップが解除される限界車
速が低速側に変更されるので、下り勾配により走行抵抗
が減少する反面エンジンブレーキが強められる状態が長
く続く。このため、エンブレ感を道路の下り勾配にかか
わらず一定化することができ、走行フィーリングが高め
られる。
スリップロックアップ状態とされてエンジンブレーキが
強められる減速時において、道路の下り勾配が大きいと
きには、該下り勾配が小さいときに比べて限界車速変更
手段によってスリップロックアップが解除される限界車
速が低速側に変更されるので、下り勾配により走行抵抗
が減少する反面エンジンブレーキが強められる状態が長
く続く。このため、エンブレ感を道路の下り勾配にかか
わらず一定化することができ、走行フィーリングが高め
られる。
【0038】第2の発明によれば、フューエルカットが
行なわれるとともに流体継手がスリップロックアップ状
態とされてエンジンブレーキが強められる減速時におい
て、道路の下り勾配が大きいときには、該下り勾配が小
さいときに比べて限界車速変更手段によってフューエル
カット及びスリップロックアップが解除される限界車速
が低速側に変更されるので、下り勾配により走行抵抗が
減少する反面エンジンブレーキが強められる状態が長く
続く。このため、エンブレ感を道路の下り勾配にかかわ
らず一定化することができ、走行フィーリングが高めら
れる。
行なわれるとともに流体継手がスリップロックアップ状
態とされてエンジンブレーキが強められる減速時におい
て、道路の下り勾配が大きいときには、該下り勾配が小
さいときに比べて限界車速変更手段によってフューエル
カット及びスリップロックアップが解除される限界車速
が低速側に変更されるので、下り勾配により走行抵抗が
減少する反面エンジンブレーキが強められる状態が長く
続く。このため、エンブレ感を道路の下り勾配にかかわ
らず一定化することができ、走行フィーリングが高めら
れる。
【0039】第3の発明によれば、基本的には第1また
は第2の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、
道路の下り勾配が大きいときほど限界車速がより低速側
に変更されるので、エンジンブレーキが強められる状態
が走行抵抗の減少に応じて設定される。このため、エン
ブレ感をより精密に一定化することができ、走行フィー
リングが一層高められる。
は第2の発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、
道路の下り勾配が大きいときほど限界車速がより低速側
に変更されるので、エンジンブレーキが強められる状態
が走行抵抗の減少に応じて設定される。このため、エン
ブレ感をより精密に一定化することができ、走行フィー
リングが一層高められる。
【図1】 請求項1〜請求項3に対応する本発明の構成
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
【図2】 本発明にかかる流体継手の締結力制御装置を
備えた自動車用パワートレインのシステム構成図であ
る。
備えた自動車用パワートレインのシステム構成図であ
る。
【図3】 エンジンコントロールユニット及び変速機コ
ントロールユニットの構成を示す模式図である。
ントロールユニットの構成を示す模式図である。
【図4】 減速時におけるスリップ制御及びフューエル
カット制御の制御方法を示すフローチャートの前半部で
ある。
カット制御の制御方法を示すフローチャートの前半部で
ある。
【図5】 減速時におけるスリップ制御及びフューエル
カット制御の制御方法を示すフローチャートの後半部で
ある。
カット制御の制御方法を示すフローチャートの後半部で
ある。
【図6】 限界車速(減速スリップ解除タービン回転数)
の道路勾配に対する特性を示す図である。
の道路勾配に対する特性を示す図である。
E…エンジン T…自動変速機 R…ロックアップ手段 C1…エンジンコントロールユニット C2…変速機コントロールユニット 2…燃料噴射弁 3…トルクコンバータ 5…ポンプ 7…タービン 53…勾配センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 花房 宏行 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−39131(JP,A) 特開 平4−71934(JP,A) 特開 平2−212668(JP,A) 特開 昭59−106756(JP,A) 特開 昭63−235764(JP,A) 特開 平3−103665(JP,A) 特開 平6−94116(JP,A) 実開 平5−27249(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/14
Claims (3)
- 【請求項1】 流体継手の入力側部材と出力側部材とを
締結力を調節することによりスリップ状態でロックアッ
プさせることができるロックアップ手段と、所定の減速
時には入力側部材と出力側部材とをスリップ状態でロッ
クアップさせる一方車速が所定の限界車速まで低下した
ときに上記ロックアップを解除させるように上記ロック
アップ手段を制御する減速制御手段とが設けられた自動
車用パワープラントの流体継手の締結力制御装置におい
て、 走行している道路の勾配を検出する道路勾配検出手段
と、該道路勾配検出手段によって検出された道路の下り
勾配が大きいときには、該下り勾配が小さいときに比べ
て上記限界車速を低速側に変更する限界車速変更手段と
が設けられていることを特徴とする流体継手の締結力制
御装置。 - 【請求項2】 流体継手の入力側部材と出力側部材とを
締結力を調節することによりスリップ状態でロックアッ
プさせることができるロックアップ手段と、エンジンへ
の燃料供給を停止させることができる燃料供給停止手段
と、所定の減速時には入力側部材と出力側部材とをスリ
ップ状態でロックアップさせかつエンジンへの燃料供給
を停止させる一方、車速が所定の限界車速まで低下した
ときに上記ロックアップ及び上記燃料供給停止を解除さ
せるように上記ロックアップ手段及び上記燃料供給停止
手段を制御する減速制御手段とが設けられた自動車用パ
ワープラントの流体継手の締結力制御装置において、 走行している道路の勾配を検出する道路勾配検出手段
と、該道路勾配検出手段によって検出される道路の下り
勾配が大きいときには、該下り勾配が小さいときに比べ
て上記限界車速を低速側に変更する限界車速変更手段と
が設けられていることを特徴とする流体継手の締結力制
御装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された流
体継手の締結力制御装置において、 限界車速変更手段が、道路の下り勾配が大きいときほど
限界車速をより低速側に変更するようになっていること
を特徴とする流体継手の締結力制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33034892A JP3234658B2 (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 流体継手の締結力制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33034892A JP3234658B2 (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 流体継手の締結力制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06174074A JPH06174074A (ja) | 1994-06-21 |
JP3234658B2 true JP3234658B2 (ja) | 2001-12-04 |
Family
ID=18231617
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33034892A Expired - Fee Related JP3234658B2 (ja) | 1992-12-10 | 1992-12-10 | 流体継手の締結力制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3234658B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100623763B1 (ko) * | 2003-12-30 | 2006-09-18 | 현대자동차주식회사 | 자동변속기의 감속 직결 제어방법 |
JP4232825B2 (ja) | 2007-01-12 | 2009-03-04 | トヨタ自動車株式会社 | 車両の制御装置 |
-
1992
- 1992-12-10 JP JP33034892A patent/JP3234658B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06174074A (ja) | 1994-06-21 |
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