JP3617360B2 - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用自動変速機の変速段を自動的に切り換える車両用自動変速機の制御装置に関し、特に、エンジンブレーキ走行状態における変速ショックを抑制する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせによって複数のギヤ段から選択したギヤ段が成立させられる車両用自動変速機においては、たとえばDレンジ走行のような非エンジンブレーキ走行時では、所定のギヤ段への変速が一方向クラッチと直列の所定の油圧式摩擦係合装置が係合させられることにより達成されるが、2或いはLレンジ走行やマニアル変速モードが選択されたエンジンブレーキ走行時では、上記所定のギヤ段への変速に際しては、上記一方向クラッチと直列の所定の油圧式摩擦係合装置が係合させられるのに加えて、その一方向クラッチのすべりを阻止するエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置が係合させられるようになっている。
【0003】
そして、上記エンジンブレーキ走行時における所定のギヤ段への変速に際しては、上記所定の油圧式摩擦係合装置とエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置とには同様の元圧がそれぞれ供給されるとともに、それら油圧式摩擦係合装置に接続されたアキュムレータにも同様の大きさのアキュム圧がそれぞれ供給されるのが一般的である。このため、上記所定の油圧式摩擦係合装置と同様の変速過渡圧が上記エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置にも供給されるので、そのエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置の係合に伴う一方向クラッチのすべりの阻止により急激にエンジン回転速度が引き上げられて、変速ショックが発生していた。
【0004】
これに対し、上記所定の油圧式摩擦係合装置の変速過渡圧が所定値に到達したときに切り換えられることにより上記エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置に作動油を供給する切換弁を設け、所定の油圧式摩擦係合装置の係合の後にエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置を係合させるようにした制御装置が考えられる。これによれば、所定のギヤ段への変速に際して、一方向クラッチと直列の所定の油圧式摩擦係合装置が先に係合させられることから、一方向クラッチのすべりが許容される期間が設けられるので、前記変速ショックがある程度緩和される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置にも所定の油圧式摩擦係合装置と同様の変速過渡圧が供給されることから、そのエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置の係合によって速やかに一方向クラッチのすべりが阻止されるので、変速ショックが未だ充分に抑制されないという欠点があった。
【0006】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンブレーキ走行時における変速ショックが好適に抑制される車両用自動変速機の制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、エンジンブレーキを必要とする状態で所定のギヤ段へ変速するに際しては、一方向クラッチと直列の所定の油圧式摩擦係合装置が係合させられるとともに、その一方向クラッチのすべりを阻止するためのエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置が係合させられる形式の車両用自動変速機の制御装置であって、(a) エンジンブレーキ走行状態が選択されているか否かを判定するエンジンブレーキ走行状態判定手段と、(b) そのエンジンブレーキ走行状態判定手段によりエンジンブレーキ走行状態が選択されていると判定された場合には、前記エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧を、前記所定の油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧よりも低くして、該エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置の係合を所定の油圧式摩擦係合装置の係合に比較して遅延させる変速過渡制御手段とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】
このようにすれば、エンジンブレーキ走行状態判定手段によりエンジンブレーキ走行状態が選択されていると判定された場合には、変速過渡制御手段により、前記エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧が前記所定の油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧よりも低くして、そのエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置の係合を所定の油圧式摩擦係合装置の係合に比較して遅延させられることから、そのエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置が前記所定の油圧式摩擦係合装置よりも遅れて緩やかに係合させられて、一方向クラッチのすべりも緩やかに阻止されるので、変速ショックが好適に抑制される。
【0009】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記所定のギヤ段の同期が完了したか否かを判定する同期判定手段が設けられ、その同期判定手段により前記所定のギヤ段の同期が完了したと判定された場合に、前記変速過渡制御手段により、前記エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧が前記所定の油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧よりも低くされる。このようにすれば、前記所定のギヤ段の同期が完了した後でエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置が緩やかに係合させられるので、変速ショックが一層抑制される。
【0010】
また、好適には、前記同期判定手段により前記所定のギヤ段の同期が完了したと判定される前では、前記変速過渡制御手段は、前記所定の油圧式摩擦係合装置に対して、上記所定のギヤ段への変速が滑らかに実行されるように予め設定された変速過渡圧を供給するものである。このようにすれば、所定のギヤ段の変速が滑らかに行われる。
【0011】
また、好適には、前記同期判定手段により前記所定のギヤ段の同期が完了したと判定された場合でも、前記エンジンブレーキ走行状態判定手段によりエンジンブレーキ走行状態が選択されていないと判定された場合には、前記変速過渡制御手段は、前記エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置に変速過渡油圧を供給せず、前記所定の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、その所定の油圧式摩擦係合装置に接続されたアキュムレータの作動を速やかに終了させるためのアキュムストローク圧とする。このようにすれば、所定のギヤ段の同期が完了した後において、所定の油圧式摩擦係合装置に接続されたアキュムレータの作動が速やかに終了させられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1には、車両のエンジン10に連結されるトルクコンバータ12、自動変速機14、差動歯車装置16、上記自動変速機14の変速段を制御する油圧制御装置すなわち油圧制御回路18、その油圧制御回路18を制御する変速用電子制御装置20等が示されている。上記エンジン10から出力された動力は、上記トルクコンバータ12、上記自動変速機14、上記差動歯車装置16、左右の車軸22および24等を経て図示しない駆動輪へ伝達される。
【0014】
上記トルクコンバータ12は、上記エンジン10のクランク軸26に連結されたポンプ翼車28と、上記自動変速機14の入力軸30に連結され且つ流体を介してポンプ翼車28から動力が伝達されるタービン翼車32と、一方向クラッチ34を介して位置固定のハウジング36に固定された固定翼車38と、ポンプ翼車28およびタービン翼車32を図示しないダンパを介して直結するロックアップクラッチ40とを備えている。
【0015】
上記自動変速機14は、前進4速、後進1速のギヤ段が達成される多段変速機であり、上記入力軸30と、2組の第1遊星歯車装置42および第2遊星歯車装置44と、その第1遊星歯車装置42のキャリヤ42cおよび第2遊星歯車装置44のリングギヤ44rと共に回転する出力ギヤ46と、その出力ギヤ46と差動歯車装置16との間で動力を伝達する出力軸として機能するカウンタ軸48とを備えている。
【0016】
上記第1遊星歯車装置42は、クラッチC1を介して入力軸30に連結されたサンギヤ42sと、上記第2遊星歯車装置44のキャリヤ44cと連結され且つクラッチC2を介して入力軸30に連結されたリングギヤ42rと、それらキャリヤ44cおよびリングギヤ42rとかみ合うピニオン42pを回転可能に支持し且つ上記第2遊星歯車装置44のリングギヤ44rおよび出力ギヤ46と連結されたキャリヤ42cとにより構成されている。また、上記第2遊星歯車装置44は、クラッチC3を介して入力軸30に連結されたサンギヤ44sと、出力ギヤ46および第1遊星歯車装置42のキャリヤ42cと連結されたリングギヤ44rと、それらサンギヤ44sおよびリングギヤ44rとかみ合うピニオン44pを回転可能に支持するキャリヤ44cとにより構成されている。
【0017】
上記第2遊星歯車装置44のサンギヤ44sは、ブレーキB1を介して位置固定のハウジング36に連結されるとともに、一方向クラッチF2およびブレーキB2を直列に介してハウジング36に連結されている。また、上記第2遊星歯車装置44のリングギヤ44rは、一方向クラッチF1およびブレーキB3を並列に介してハウジング36に連結されている。なお、前記トルクコンバータ12および前記自動変速機14の上記カウンタ軸48以外の部分は、上記入力軸30等の軸心に対して対称的に構成されているため、図1においてはその軸心の下側を省略して示してある。
【0018】
油圧式摩擦係合装置である上記クラッチC1,C2,C3、ブレーキB1,B2,B3は、例えば多板式のクラッチや1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバンドブレーキ等にて構成され、前記変速用電子制御装置20からの指令に従って作動する前記油圧制御回路18によりそれ等の摩擦係合および係合解除がそれぞれ制御されることにより、図2に示すように変速比γ(=入力軸30の回転数/カウンタ軸48の回転数)がそれぞれ異なる前進4段・後進1段の変速段が得られる。図2の「1ST」、「2ND」、「3RD」、「4TH」は、それぞれ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第3速ギヤ段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比γは第1速ギヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小さくなる。また、図2において、「P」、「R」、「N」、「D」、「2」、「L」は、シフトレバー84の手動操作により択一的に選択されるパーキング(P)レンジ、リバース(R)レンジ、ニュートラル(N)レンジ、ドライブ(D)レンジ、セカンド(2)レンジ、ロー(L)レンジをそれぞれ示している。上記PレンジおよびNレンジは車両を走行させないときに選択される非走行レンジであり、Rレンジ、Dレンジ、2レンジ、Lレンジは車両を後進或いは前進走行させるための走行レンジである。また、2レンジ、Lレンジは、車両の駆動力を高めるだけでなくエンジンブレーキを発生させるため、エンジンブレーキレンジでもある。
【0019】
また、図2において、○印は係合或いは作動状態を示し、×印は開放或いは非作動状態を示している。第3速ギヤ段と第4速ギヤ段との間の変速は、その変速に関与する1対の油圧式摩擦係合装置(クラッチC1およびブレーキB1)のうちの一方の解放と他方の係合とにより達成されるので、クラッチツウクラッチ変速と称される
【0020】
上記油圧制御回路18は、上記自動変速機14のギヤ段の制御等に使用される3つのソレノイド弁SV1乃至SV3、後述のスロットル開度センサ76により検出されたスロットル開度TAに対応した大きさの制御油圧PS を発生するリニアソレノイド弁SLT、たとえば前記ロックアップクラッチ40の摩擦係合、その摩擦係合の解除およびそのスリップ量等の制御のための油圧を発生するリニヤソレノイド弁SLU、および油圧制御回路18中の作動油の油温TOIL を検出する作動油温検出装置として機能する油温センサ88等を備えている。
【0021】
前記変速用電子制御装置20は、CPU70、RAM72、ROM74、図示しない入出力インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータであって、それには、前記エンジン10の図示しない吸気配管に設けられたスロットル弁の開度TAを検出するスロットル開度センサ76、上記エンジン10の回転数NE を検出するエンジン回転数センサ78、前記タービン翼車32の回転数NT すなわち入力軸30の回転数NINを検出する入力軸回転数センサ80、前記カウンタ軸48の回転数NC すなわち車速Vを検出するための車速センサ82、シフトレバー84の操作位置すなわちL、2、D、N、R、Pレンジのいずれかを検出する操作位置センサ86、油圧制御回路18内の作動油温度を検出する油温センサ88から、スロットル開度TAを表す信号、エンジン回転数NE (r.p.m.)を表す信号、入力軸回転数NIN(r.p.m.)を表す信号、出力軸回転数NC (r.p.m.)すなわち車速Vを表す信号、シフトレバー84の操作位置PSTを表す信号、油圧制御回路18内の作動油温度TOIL を表す信号がそれぞれ供給される。上記変速用電子制御装置20のCPU70は、予めROM74に記憶されたプログラムに従ってRAM72を用いつつ上記入力信号を処理し、その処理結果に基づいて、たとえば、車両の走行状態の検出、上記電磁開閉弁SV1乃至SV3、リニヤソレノイド弁SLTおよびSLUの制御等を実行する。
【0022】
図3は、上記油圧制御回路18の要部の構成を概略説明する図である。図3において、ライン圧調圧弁90は、エンジン10によって回転駆動される油圧ポンプ92から圧送される作動油の圧力をリニヤソレノイド弁SLTからの制御油圧PS に基づいて調圧し、スロットル開度などのエンジン負荷に応じた大きさのライン油圧PL を発生させて、各油圧式摩擦係合装置C1、C2、C3、B1、B2、B3の元圧としてシフト弁装置94などへ出力する。マニアル弁96は、シフトレバー84に対して機械的に連結されたものであり、そのシフトレバー84の走行レンジ選択操作に応答して上記ライン油圧PL を切り換えることにより、選択された走行レンジに対応した油圧、たとえばRレンジ圧、Dレンジ圧、2レンジ圧、Lレンジ圧をシフト弁装置94へ出力する。また、電磁開閉弁SV1およびSV2は、専らギヤ段を選択するために前記変速用電子制御装置20によって作動させられることにより、信号圧をシフト弁装置94へ出力する。
【0023】
上記シフト弁装置94は、マニアル弁96からの走行レンジに対応した油圧と2つの第1電磁開閉弁SV1および第2電磁開閉弁SV2からの油圧信号とに基づいて変速時に切換作動させられる1−2シフト弁、2−3シフト弁、3−4シフト弁などを備えており、図2に示す作動に従って、各油圧式摩擦係合装置C1、C2、C3、B1、B2、B3へ係合油圧を選択的に供給する。それら油圧式摩擦係合装置C1、C2、C3、B1、B2、B3のうち、クラッチC1、C2、C3およびブレーキB1、B2には、それらの係合油圧すなわち係合トルクの上昇を緩和するためのC1アキュムレータAC1、C2アキュムレータAC2、C3アキュムレータAC3、B1アキュムレータAB1、B2アキュムレータAB2がそれぞれ接続されている。
【0024】
アキュム背圧制御弁97は、変速過程において、ライン油圧PL をリニヤソレノイド弁SLTからの制御油圧PS に基づいて調圧したアキュム背圧PACを、上記C1アキュムレータAC1、B1アキュムレータAB1、C2アキュムレータAC2、C3アキュムレータAC3、およびB2アキュムレータAB2に供給する。これにより、変速過程では、変速用電子制御装置20からの指令によって、ライン油圧PL およびアキュム背圧PACが変化されられることにより、変速過渡期間内における各油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧、および同期完了後のアキュムストローク圧(同期後の係合圧)が制御されるようになっている。
【0025】
なお、上記シフト弁装置94とクラッチC1およびC1アキュムレータAC1との間には、第3電磁開閉弁SV3からの油圧信号およびブレーキB1の係合圧PB1に基づいてそれらの間の流通抵抗を切り換えることにより車両状態に応じてクラッチC1の係合タイミングまたは解放タイミングを調節するための、オリフィスを備えた複数の油路とそれら複数の油路を切り換える油路切換弁とを備えたオリフィス切換弁装置98が、設けられている。ブレーキB1の係合圧PB1がオリフィス切換弁装置98に作用されていることにより、クラッチC1の係合圧PC1の立上がりおよび立ち下がりは、上記ブレーキB1の係合圧PB1の立ち下がりおよび立上がりに関連して制御されるようになっている。たとえば、4→3ダウン変速では、解放側のブレーキB1およびB1アキュムレータAB1内の作動油が流出させられるが、その係合圧PB1が高いうちはオリフィス切換弁装置98によりクラッチC1への流通抵抗が低くされて速やかに作動油が供給されるが、所定値を下回ると、その流通抵抗が高くされてクラッチC1の係合圧PC1がゆっくりと上昇させられるようになっている。
【0026】
また、たとえばシフトレバー84がMレンジ(自動変速機14のギヤ段が手動釦操作により選択されるマニアルレンジ)、2レンジ、或いはLレンジへ操作されたエンジンブレーキ走行時の1→2アップ変速時においてブレーキB2とともに係合させられるブレーキB1の係合圧PB1は、そのブレーキB2の係合圧PB2が第2速ギヤ段の同期後に到達する予め設定された切換圧PSWに到達すると切り換えられる切換弁(コーストリレー弁)100およびシフト弁装置94(2−3シフト弁および3−4シフト弁)を介して、マニアル弁96から出力される2Lレンジ圧P2Lが供給されることにより発生させられるようになっている。すなわち、上記エンジンブレーキ走行時の1→2アップ変速では、遅延回路を構成する上記切換弁100によって、ブレーキB2が先に係合させられてそのブレーキB2の係合圧PB2が予め設定された切換圧PSWに到達してからブレーキB1の係合が開始させられるように、ブレーキB1の係合がブレーキB2の係合に比較して遅延させられるようになっている。
【0027】
図4は、前記油圧制御回路18のうち、前記ブレーキB1やブレーキB2等に供給される作動油の元圧であるライン油圧PL やアキュム背圧PACを発生させる部分を詳しく説明する図である。図4において、エンジン10によって回転駆動されることにより油圧ポンプ92は、還流した作動油をストレーナ102を介して吸引することによりライン圧調圧弁90へ圧送する。このライン圧調圧弁90は、上記油圧ポンプ92から作動油が圧送されるライン油路104内のライン油圧PL を後述のように調圧するものであり、そのライン油路104にはリリーフ弁106が設けられている。
【0028】
ライン圧調圧弁90は、リリーフ形式の調圧弁であって、プランジャ110と、そのプランジャ110に当接した状態で軸方向の移動可能に設けられて流入ポートbと流出ポートdとの間を開閉するスプール弁子112と、そのスプール弁子112をばね受板114を介して閉弁方向に付勢するスプリング116とを備えており、その入力ポートbに供給される前記油圧ポンプ92からの作動油の油圧を、リニヤソレノイド弁SLTから制御ポートaに供給される制御油圧PS に基づいて、エンジン10の負荷すなわち自動変速機14の入力トルクに対応した大きさのライン油圧PL に調圧する。上記ライン圧調圧弁90のフィードバックポートcには、上記流入ポートbの油圧PL がフィードバック油圧として供給されている。上記スプリング116の付勢力をWREG 、上記スプール弁子112のランド118のフィードバック油圧を受ける受圧面の面積をAREG1、上記スプール弁子112を出力ポートdの閉弁方向に付勢するプランジャ110の受圧面の面積をAREG2とすれば、上記ライン油圧PL は次式(1)で表される。ここで、(1)式は、上記ライン油圧PL が上記制御油圧PS に比例して発生させられることを示している。制御油圧PS がエンジン負荷、或いは自動変速機14の入力トルクTINの大きさを表す通常の場合には、上記ライン油圧PL は、油圧式摩擦係合装置のすべりが発生しない範囲で必要且つ充分な値となるようなエンジン負荷、或いは自動変速機14の入力トルクTINの大きさに対応した大きさとなる通常の調圧値に調圧される。
【0029】
【数1】
PL =(AREG2/AREG1)・PS +WREG /AREG1 ・・・(1)
【0030】
上記リニアソレノイド弁SLTは、その入力ポートaと出力ポートbとの間を開閉するスプール弁子120と、そのスプール弁子120を開弁方向に付勢するスプリング122とを備えている。上記入力ポートaには、一定圧PSOL が供給され、その一定圧PSOL が変速用電子制御装置20からリニアソレノイドSSLT へ出力される励磁電流の増加に対応して減少するように調圧された制御油圧PS が出力ポートbにおいて発生させられる。上記リニアソレノイドSSLT の励磁電流に応じて上記スプール弁子120を上記出力ポートbの閉弁方向へ付勢する付勢力をFI 、上記スプリング122の付勢力をWSLT 、スプール弁子120のランド124の環状の受圧面の面積をASLT とすると、上記ランド124とランド126との間の油室128と上記出力ポートbとは油路130によって連通させられていて、ランド124の環状の受圧面に作用する油圧は上記制御油圧PS となっているので、上記制御油圧PS は式(2)で表される。
【0031】
【数2】
PS =WSLT /ASLT −FI /ASLT ・・・(2)
【0032】
図4において、ソレノイドモジュレータ弁132は、入力ポートaと出力ポートbとの間を開閉するスプール弁子136と、そのスプール弁子136を開弁方向に付勢するスプリング138とを備え、その入力ポートaに供給される上記ライン油圧PL の変動に拘らず、一定の出力圧PSOL を出力ポートbから出力し、上記リニヤソレノイド弁SLT、前記リニヤソレノイド弁SLUなどへ供給する。上記ソレノイドモジュレータ弁132のフィードバックポートcには、上記出力圧PSOL がフィードバック油圧として供給されている。上記出力圧PSOL は、上記スプール弁子136の上記フィードバックポートcに作用されるフィードバック油圧PSOL に対する受圧面積をAMOD 、上記スプリング138の付勢力をWMOD とすれば、式(3)で表される一定圧となる。
【0033】
【数3】
PSOL =WMOD /AMOD ・・・(3)
【0034】
アキュム背圧制御弁97は、入力ポートaと出力ポートbとの間を開閉するスプール弁子140と、そのスプール弁子140を開弁方向に付勢するスプリング142と、そのスプリング142を収容し、且つ上記スプール弁子140を開弁方向に付勢するために前記制御油圧PS を受け入れる制御油室144と、上記スプール弁子140を閉弁方向に付勢するために上記出力ポートbから出力されるアキュム背圧PACを受け入れるフィードバック油室146とを備え、制御油圧PS の増加に伴って大きくなるようにアキュム背圧PACを調圧して出力する。そのアキュム背圧PACは、上記スプール弁子140の上記フィードバック油室146に対する受圧面積をAFB、スプール弁子140の上記制御油室144に対する受圧面積をACONT、上記スプリング142の付勢力をWACC とすれば、式(4)で表される。
【0035】
【数4】
PAC・=PS ・ACONT/AFB+WACC /AFB
【0036】
図5は、前記変速用電子制御装置20の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図5において、変速点制御手段150は、シフトレバー84の走行レンジ選択操作に対応して予め選択された変速線図から、車速センサ82から得られた車速Vとスロットル開度TA、燃料噴射量F、吸入空気量Q、アクセルペダル操作量などのいずれかにより表されるエンジン負荷とに基づいて自動変速機14の変速判断を行うとともに変速指令を出力する。すなわち、実際の車速Vを表す車速軸とエンジン負荷を表すエンジン負荷軸とから成る二次元座標において、実際の車速Vとエンジン負荷とを表す点が変速線を横切ってその変速線により区分されたいずれのギヤ段領域へ入ったかに基づいて変速判断を行う。たとえば、実際の車速Vとエンジン負荷とを表す点がたとえば1→2アップ変速線を高車速側へ越えた場合には、1→2アップ変速が判断される。
【0037】
エンジンブレーキ走行状態判定手段152は、車両のエンジンブレーキ走行状態すなわちエンジンブレーキ走行モードであるか否かを、たとえばシフトレバー84が2レンジ、Lレンジ、或いはMレンジのようなエンジンブレーキレンジへ操作されたか否かに基づいて判定する。同期判定手段154は、たとえば1→2変速期間において、第2速ギヤ段が形成されたか否かすなわち第2速ギヤ段の変速比γ2 となったか否かを、自動変速機14の実際の入力軸回転数NINおよび出力軸回転数NC (NOUT )に基づいて判定する。
【0038】
変速過渡制御手段156は、たとえば自動変速機14の変速期間内において変速の度合いを上記車速Vに基づいて判定し、その変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合油圧を過渡的に制御して変速フィーリングを改善する。たとえば、非エンジンブレーキ走行が行われるDレンジにおける1→2アップ変速期間内においては、1→2ダウン変速に関与するブレーキB2の係合がなめらかに実行されるように、たとえば図7に示すように、変速の進行度合いに応じて上昇させるブレーキB2の係合圧PB2が基本的に形成される。また、エンジンブレーキ走行が行われる2レンジ、Lレンジ或いはMレンジにおける1→2アップ変速期間内においては、たとえば図8に示すように、先ずブレーキB2の係合圧PB2を変速の進行度合いに応じて上昇させ、その係合圧PB2が予め設定された切換圧PSWに到達すると、そのブレーキB2の係合圧PB2よりも低くなるようにエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置であるブレーキB1の係合圧PB2を形成する。
【0039】
上記変速過渡制御手段156は、一方向クラッチF2と直列に配設され且つ1→2変速時において第2速ギヤ段を達成するために係合させられるブレーキB2の係合圧PB2を制御する第1油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段158と、一方向クラッチF2と並列に配設され且つエンジンブレーキ走行時の1→2変速時において一方向クラッチF2のすべりを阻止するために係合させられるブレーキB1の係合圧PB1を制御する第2油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段160とを備えている。
【0040】
エンジンブレーキ状態走行判定手段152によってエンジンブレーキ走行が判定されているときの1→2変速では、同期判定手段154により第2速ギヤ段の同期が完了したと判定される前では、上記第1油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段158は、第2速ギヤ段への変速が滑らかに実行されるように、ブレーキB2の係合圧PB2を変速の進行度合や学習補正値などに基づいて制御する。また、同期判定手段154により第2速ギヤ段の同期が完了したと判定された場合には、上記第2油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段160は、変速ショックが発生しないように、エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置であるブレーキB1の係合圧PB1を、上記ブレーキB2の係合圧PB2よりも低くなるように制御する。
【0041】
しかし、同期判定手段154により第2速ギヤ段の同期が完了したと判定された場合でも、エンジンブレーキ走行状態判定手段152によりエンジンブレーキ走行状態が選択されていないと判定された場合には、変速過渡制御手段156すなわち第1油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段158は、ブレーキB1に変速過渡油圧を供給せず、ブレーキB2の係合圧PB2を、そのブレーキB2に接続されたアキュムレータAB2の作動を速やかに終了させるためのアキュムストローク圧とする。
【0042】
以下、変速用電子制御装置20の制御作動の要部を図6の変速過渡制御ルーチンを用いて説明する。
【0043】
図6のSA1では、1→2変速中であるか否かが判断される。このSA1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、SA2において、ブレーキB2に対して作動油の供給が開始される。図7および図8のt0 時点はこの状態を示している。次いで、同期判定手段154に対応するSA3において、第2速ギヤ段の同期が完了したか否かが自動変速機14の実際の入力軸回転数NINおよび出力軸回転数NC に基づいて判断される。当初は上記SA3の判断が否定されるので、前記第1油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段158に対応するSA4において、1→2変速過程のブレーキB2の変速過渡油圧が制御される。図7および図8のt0 時点乃至t1 時点の間はこの状態を示している。
【0044】
以上のステップが繰り返し実行されるうち、図7および図8のt1 時点に示すようにSA3の判断が肯定されると、前記エンジンブレーキ状態走行判定手段152に対応するSA5において、車両のエンジンブレーキ走行であるか否かがたとえばシフトレバー84の操作位置に基づいて判断される。このSA5の判断が否定される場合すなわち非エンジンブレーキ走行である場合には、前記第1油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段158に対応するSA6において、ブレーキB2に接続されたアキュムレータAB2のストローク圧制御が行われる。たとえば、アキュムレータAB2のピストンが速やかに押し込まれる圧とされる。図7のt1 時点とt2 時点との間の区間はこの状態を示している。
【0045】
しかし、上記SA5の判断が肯定される場合すなわち車両のエンジンブレーキ走行である場合には、前記第2油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段160に対応するSA7において、ブレーキB1の変速過渡油圧が制御される。すなわち、図8のt1 時点とt3 時点との間の区間に示すように、ライン油圧PL およびアキュム背圧PACがブレーキB2の変速過渡圧を制御する図8のt0 時点とt1 時点との間の区間よりも低くされることにより、SA4におけるブレーキB2の係合圧PB2よりも低くなるようにブレーキB1の係合圧PB1が制御される。なお、上記図8のt1 時点とt3 時点との間の区間においては、ブレーキB2の係合圧PB2が予め設定された切換圧PSWに到達すると、切換弁100が切換られて、ブレーキB1に対する作動油の供給が開始される。図8のt2 時点はこの状態を示している。
【0046】
上述のように本実施例によれば、エンジンブレーキ走行状態判定手段152(SA5)によりエンジンブレーキ走行状態が選択されていると判定された場合における所定の変速(1→2アップ変速)では、第2油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段160すなわち変速過渡制御手段156(SA7)により、ブレーキB1(エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置)の変速過渡油圧(変速過程の係合圧PB1)がブレーキB2(第2速ギヤ段を達成させるための油圧式摩擦係合装置)の変速過渡油圧(変速過程の係合圧PB2)よりも低くされることから、上記ブレーキB1が緩やかに係合させられて一方向クラッチF2のすべりも緩やかに阻止されるので、変速ショックが好適に抑制される。
【0047】
また、本実施例によれば、上記第2速ギヤ段の同期が完了した否かを判定する同期判定手段154(SA3)が設けられ、その同期判定手段154により上記第2速ギヤ段の同期が完了したと判定された場合に、第2油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段160すなわち変速過渡制御手段156(SA7)により、エンジンブレーキ用のブレーキB1の変速過渡油圧がブレーキB2の変速過渡油圧よりも低くされることから、第2速ギヤ段の同期が完了した後でブレーキB1が緩やかに係合させられるので、変速ショックが一層抑制される。
【0048】
また、本実施例によれば、同期判定手段154(SA3)により第2速ギヤ段の同期が完了したと判定される前では、第1油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段158(SA4)すなわち変速過渡制御手段156は、ブレーキB2に対して、第2速ギヤ段への変速が滑らかに実行されるように予め設定された変速過渡圧を供給するものであるので。第2速ギヤ段の変速が滑らかに行われる。
【0049】
また、本実施例によれば、同期判定手段154(SA3)により第2速ギヤ段の同期が完了したと判定された場合でも、エンジンブレーキ走行状態判定手段152(SA5)によりエンジンブレーキ走行状態が選択されていないと判定された場合には、第1油圧式摩擦係合装置係合圧制御手段158(SA6)すなわち変速過渡制御手段156は、ブレーキB1に変速過渡油圧を供給せず、ブレーキB2の係合圧PB2およびアキュムレータAB2の背圧を、そのブレーキB2に接続されたアキュムレータAB2の作動を速やかに終了させるためのアキュムストローク圧とするので、第2速ギヤ段の同期が完了した後において、ブレーキB2に接続されたアキュムレータAB2の作動が速やかに終了させられる。
【0050】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用され得るものである。
【0051】
たとえば、前述の実施例においては、1→2変速について説明されていたが、3→2変速など、自動変速機14の構成に応じて他の変速に適用されてもよい。要するに、エンジンブレーキを必要とする状態で所定のギヤ段へ変速するに際しては、一方向クラッチと直列の所定の油圧式摩擦係合装置が係合させられるとともに、その一方向クラッチのすべりを阻止するためのエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置が係合させられる形式の車両用自動変速機であればよいのである。
【0052】
また、前述の実施例では、1→2変速に際して、ブレーキB2の係合により達成される第2速ギヤ段の同期が完了してからブレーキB1の係合を開始させる遅延手段として、ブレーキB2の係合圧PB2が予め設定された切換圧PSWに到達したときに切り換えられる切換弁100が設けられていたが、必ずしも設けられていなくてもよい。
【0053】
また、前述の実施例では、1→2変速に際して、切換弁100が設けられることによってブレーキB1の係合がブレーキB2に対して遅延させられていたが、それに代えて、時間制御などに基づいてブレーキB1の係合を遅延させる遅延手段が設けられていてもよい。
【0054】
また、前述の実施例において、エンジンブレーキ走行状態判定手段152はシフトレバー84の操作位置に基づいて車両のエンジンブレーキ走行状態を判定していたが、たとえばOD/OFFスイッチ、マニアルモード選択スイッチなどの他の操作装置からの信号に基づいて判定するものであってもよい。
【0055】
また、前述の実施例では、1→2変速に際して、第2速ギヤ段の同期が完了した後にブレーキB2の係合圧PB2が到達するように切換圧PSWが予め設定されていたが、その同期の前に到達するように設定されていても差し支えない。
【0056】
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置を含む車両用動力伝達装置の構成を説明する図である。
【図2】図1の自動変速機において、それに備えられた摩擦係合装置の作動の組み合わせにより達成される変速段を説明する図である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御装置の要部構成を概略説明するブロック図である。
【図4】図3において、ライン油圧PL およびアキュム背圧PACを発生させるための油圧回路構成を具体的に説明する油圧回路図である。
【図5】図1の変速用電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図6】図1の変速用電子制御装置の制御作動を説明するフローチャートであって、変速過渡制御ルーチンを示す図である。
【図7】図6の制御により得られる変速過渡制御の作動を説明するタイムチャートであって、エンジンブレーキ走行状態が判定されない場合の1→2変速時の作動を示している。
【図8】図6の制御により得られる変速過渡制御の作動を説明するタイムチャートであって、エンジンブレーキ走行状態が判定された場合の1→2変速時の作動を示している。
【符号の説明】
14:自動変速機
152:エンジンブレーキ走行状態判定手段
154:同期判定手段
156:変速過渡制御手段
F2:一方向クラッチ
B2ブレーキ:(所定の油圧式摩擦係合装置)
B1ブレーキ:(エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置)
Claims (4)
- エンジンブレーキを必要とする状態で所定のギヤ段へ変速するに際しては、一方向クラッチと直列の所定の油圧式摩擦係合装置が係合させられるとともに、該一方向クラッチのすべりを阻止するためのエンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置が係合させられる形式の車両用自動変速機の制御装置であって、 エンジンブレーキ走行状態が選択されているか否かを判定するエンジンブレーキ走行状態判定手段と、
該エンジンブレーキ走行状態判定手段によりエンジンブレーキ走行状態が選択されていると判定された場合には、前記エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧を、前記所定の油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧よりも低くして、該エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置の係合を所定の油圧式摩擦係合装置の係合に比較して遅延させる変速過渡制御手段と
を、含むことを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。 - 前記所定のギヤ段の同期が完了したか否かを判定する同期判定手段を含み、
該同期判定手段により前記所定のギヤ段の同期が完了したと判定された場合には、前記変速過渡制御手段により、前記エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧が前記所定の油圧式摩擦係合装置の変速過渡油圧よりも低くされるものである請求項1の車両用自動変速機の制御装置。 - 前記変速過渡制御手段は、前記同期判定手段により前記所定のギヤ段の同期が完了したと判定される前では、前記所定の油圧式摩擦係合装置に対して、上記所定のギヤ段への変速が滑らかに実行されるように予め設定された変速過渡圧を供給するものである請求項2の車両用自動変速機の制御装置。
- 前記変速過渡制御手段は、前記同期判定手段により前記所定のギヤ段の同期が完了したと判定された場合でも、前記エンジンブレーキ走行状態判定手段によりエンジンブレーキ走行状態が選択されていないと判定された場合には、前記エンジンブレーキ用油圧式摩擦係合装置に変速過渡油圧を供給せず、前記所定の油圧式摩擦係合装置の係合圧を、その所定の油圧式摩擦係合装置に接続されたアキュムレータの作動を速やかに終了させるためのアキュムストローク圧とするものである請求項2または3の車両用自動変速機の制御装置。
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