JP4496603B2 - 車両用クラッチの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦要素を係合作動させる形式の車両用クラッチの制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
摩擦要素をアクチュエータによって係合作動させる形式の車両用クラッチが知られている。たとえば、油圧のような液圧に基づいて発生させられる推力にしたがって締結させられる油圧式クラッチ、電磁的に発生させられる電磁力にしたがって締結させられる電磁式クラッチ、磁粉式クラッチなどのクラッチがそれであり、車両のエンジンと変速機との間に設けられたトルクコンバータやフルードカップリングの入力軸および出力軸を直結するためのロックアップクラッチなどに用いられる。たとえば、そのロックアップクラッチでは、支持部材により支持された摩擦要素がそれに作用させられる推力に応じて押しつけられることにより係合させられるとともにその係合過程における締結力が調節されるようになっている。
【0003】
ところで、上記のような車両では、上記支持部材に推力の作用が開始されてからロックアップクラッチの摩擦要素が係合開始するまでのアイドルストローク(ロスストローク)などに要する無駄時間或いは遅れ時間が係合ショックを発生させないように予め設定された目標プリチャージ時間たとえば作動油の初期充填時間よりも短い場合には、その無駄時間がその目標プリチャージ時間となるように次回において作用される推力(係合力)たとえばクラッチ制御圧(油圧波形)を補正するように学習制御を実行させるようにした制御装置が提案されている。たとえば、特開平5−296337号公報に記載された車両用液圧式クラッチの制御装置がそれである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両用液圧式クラッチの制御装置においては、ロックアップクラッチに作用させるクラッチ制御圧が比較的小さい領域ではそのクラッチ制御圧の変化に対する無駄時間の変化が比較的大きいために無駄時間に基づく学習制御の効果が得られるが、ロックアップクラッチに作用させるクラッチ制御圧が比較的大きい領域ではそのクラッチ制御圧の変化に対する無駄時間の変化が比較的鈍感であるため、無駄時間に基づく学習制御ではその効果が十分に得られず、ロックアップクラッチの固体差や経時変化に対処できない場合があった。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、クラッチの作動領域内において学習制御の効果が確実に得られる車両用クラッチの制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨とするところは、摩擦要素を係合作動させる形式の車両用クラッチの制御装置であって、(a) 前記クラッチの係合指令から前記摩擦要素が係合開始するまでの無駄時間を算出する無駄時間算出手段と、(b) 前記摩擦要素の係合開始時点から係合完了時点までの係合時間を算出する係合時間算出手段と、(c) 前記無駄時間が所定時間内である場合には前記係合時間に基づいて前記摩擦要素の締結力を学習制御により補正し、その無駄時間が前記所定時間以上である場合には前記無駄時間に基づいてその摩擦要素の締結力を学習制御により修正する学習制御手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、学習制御手段により、無駄時間が所定時間内である場合には前記係合時間に基づいて上記締結力が学習制御により修正され、その無駄時間が前記所定時間以上である場合には前記無駄時間に基づいてその締結力が学習制御により修正されることから、たとえば円滑な係合を目的としてクラッチの回転速度差の勾配を目標勾配に一致させるためのフィードバック制御下においても、クラッチの作動領域内において好適に学習効果が得られ、クラッチの固体差や経時変化に対処できる。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、前記クラッチは、前記摩擦係合要素を支持する支持部材に作用させられる液圧に従って係合力が調節される液圧式クラッチであり、前記学習制御手段は、前記無駄時間が所定時間内である場合には前記係合時間に基づいて上記液圧(クラッチ制御圧)を学習制御により補正し、その無駄時間が前記所定時間以上である場合には上記無駄時間に基づいて上記液圧を学習制御により修正するものである。このようにすれば、液圧式クラッチの固体差や経時変化に対処できる。
【0009】
また、好適には、前記クラッチは、エンジンと変速機との間に設けられた流体式継手の入力軸および出力軸を直結するためのロックアップクラッチである。このようにすれば、ロックアップクラッチの固体差や経時変化に対処できる。
【0010】
また、好適には、前記ロックアップクラッチの係合制御には、そのロックアップクラッチの入力軸および出力軸の回転速度差の勾配が予め設定された目標勾配に一致するようにそのロックアップクラッチの締結力を調節するフィードバック制御が少なくとも含まれるものである。ロックアップクラッチの締結力(制御圧)と無駄時間との間の特性(関係)においては、無駄時間が所定時間以上である場合には上記制御圧の変化に対する無駄時間の変化が比較的大きいが、無駄時間が所定時間内となると上記制御圧の変化に対する無駄時間の変化が大幅に小さくなる一方で、ロックアップクラッチの締結力(制御圧)と係合時間との間の特性(関係)においては、円滑な係合を目的としてロックアップクラッチの回転速度差の勾配を目標勾配に一致させるためのフィードバック制御下において、無駄時間が所定時間以上である場合には上記締結力(制御圧)の変化に対する係合時間の変化が大幅に小さいが、無駄時間が所定時間内となると上記締結力(制御圧)の変化に対する係合時間の変化が比較的大きくなる。したがって、本発明によれば、学習制御手段により、無駄時間が所定時間内である場合には前記係合時間に基づいて上記締結力(制御圧)が学習制御により修正され、その無駄時間が前記所定時間以上である場合には前記無駄時間に基づいてその締結力(制御圧)が学習制御により修正されることから、円滑な係合を目的としてクラッチの回転速度差の勾配を目標勾配に一致させるためのフィードバック制御下においても、クラッチの作動領域内において好適に学習効果が得られ、クラッチの固体差や経時変化に対処できる。
【0011】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記クラッチの係合に際して上昇させられる締結力の初期値を修正するものである。このようにすれば、クラッチの係合に際して上昇させられる締結力たとえばクラッチ制御圧の初期値(たとえば上昇開始圧すなわち初期圧)が修正されることにより、クラッチ係合期間内においてその初期値に続くクラッチ締結力(クラッチ制御圧)が全体的に修正されるとともに、クラッチ係合期間内で早期に修正効果が得られる。
【0012】
また、好適には、前記学習制御手段は、(a) 前記摩擦要素が係合開始するまでの無駄時間が所定の第1判断基準値内であるか否かを判定する無駄時間判定手段と、(b) その無駄時間判定手段により前記無駄時間が前記第1判断基準値内であると判定された場合には、前記摩擦要素の係合開始から係合完了までの係合時間に基づいて学習制御を行う第1学習制御手段と、(c) 前記無駄時間判定手段により前記無駄時間が前記第1判断基準値以上であると判定された場合には、その無駄時間に基づいて学習制御を行う第2学習制御手段とを、含む。このようにすれば、無駄時間判定手段により前記無駄時間が前記第1判断基準値内であると判定された場合には、前記摩擦要素の係合開始から係合完了までの係合時間に基づいて学習制御を行う第1学習制御手段と、その無駄時間判定手段により前記無駄時間が前記第1判断基準値以上であると判定された場合には、その無駄時間に基づいて学習制御を行う第2学習制御手段とが設けられている。このため、無駄時間が第1判断基準値内であると摩擦要素の係合開始から係合完了までの係合時間に基づいて学習制御が行われ、無駄時間が第1判断基準値以上であるとその無駄時間に基づいて学習制御が行われるので、円滑な係合を目的としてクラッチの回転速度差の勾配を目標勾配に一致させるためのフィードバック制御下においても、クラッチに作用させるクラッチ制御圧、無駄時間、或いは係合時間の略全域において、好適に学習効果が得られてクラッチの固体差や経時変化に対処できる。
【0013】
また、好適には、前記第1判断基準値は、前記クラッチに作用させるクラッチ制御圧と無駄時間との間の特性(関係)においてそのクラッチ制御圧に対する無駄時間の変化率が大きい領域から急激に小さい領域へ移行する境界点に対応して予め設定されたものである。このようにすれば、円滑な係合を目的としてクラッチの回転速度差の勾配を目標勾配に一致させるためのフィードバック制御下において、前記クラッチに作用させるクラッチ制御圧の変化に対して無駄時間の変化が大きいために第2学習制御手段による無駄時間に基づく学習制御が適した領域と、そのクラッチに作用させるクラッチ制御圧の変化に対して係合時間の変化が大きいために第1学習制御手段による係合時間に基づく学習制御が適した領域とが上記判断基準値により好適に判定される。
【0014】
また、好適には、たとえば円滑な係合を目的としてクラッチの回転速度差の勾配を目標勾配に一致させるためのフィードバック制御下における前記クラッチに作用させるクラッチ制御圧と係合時間との間の特性(関係)において、そのクラッチ制御圧の増加方向においてそのクラッチ制御圧の変化に対する係合時間の変化が大きい領域から急激に小さい領域へ移行する境界点に対応して第2判断基準値が設定され、前記学習制御手段は、前記無駄時間がその第2判断基準値を下まわる領域において、予め設定された一定の学習量に基づいて学習制御を行う第3学習制御手段を含むものである。このようにすれば、円滑な係合を目的としてクラッチの回転速度差の勾配を目標勾配に一致させるためのフィードバック制御下において、前記クラッチに作用させるクラッチ制御圧の変化に対して無駄時間の変化が小さいために第2学習制御手段による無駄時間に基づく学習制御が適さず、また、そのクラッチに作用させるクラッチ制御圧の変化に対して係合時間の変化が小さいために第1学習制御手段による係合時間に基づく学習制御も適しない領域では、第3学習制御手段により予め設定された一定の学習量に基づいて学習制御が行われて学習効果が好適に得られる利点がある。
【0015】
また、好適には、前記第1学習制御手段は、実際の係合時間と予め設定された目標係合時間との差に基づく学習補正(修正)量を前回の学習値に加えることにより新たな学習制御操作量を決定するものである。この第1学習制御手段によれば、クラッチの係合時間が目標係合時間を上回る程学習制御操作量すなわち次回のクラッチ制御圧が高くされて次回の係合時間が短縮されることから、この第1学習制御手段による学習を繰り返すことによりクラッチの係合時間が目標係合時間に一致させられるので、クラッチの係合フィーリング、耐久性、燃費が高められる。
【0016】
また、好適には、前記第2学習制御手段は、前記クラッチの無駄時間中におけるクラッチ制御圧の上昇幅に基づく学習補正(修正)量を前回の学習値に加えることにより新たな学習制御操作量を決定するものである。この第2学習制御手段によれば、クラッチの無駄時間が長くなってクラッチ制御圧の上昇幅が大きくなる程学習制御操作量すなわち次回のクラッチ制御圧が高くされて次回の無駄時間が短縮されることから、この第2学習制御手段による学習を繰り返すことによって、クラッチの無駄時間が適切な値とされるので、クラッチの係合フィーリング、耐久性、燃費が高められる。
【0017】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施例の制御装置が適用された車両用ベルト式無段変速機18を含む動力伝達装置10の骨子図である。この動力伝達装置10はたとえば横置き型FF(フロントエンジン・フロントドライブ)駆動車両に好適に採用されるものであり、走行用の動力源として用いられる内燃機関であるエンジン12を備えている。エンジン12の出力は、トルクコンバータ14から前後進切換装置16、ベルト式無段変速機(CVT)18、減速歯車20を介して差動歯車装置22に伝達され、左右の駆動輪24L、24Rへ分配されるようになっている。上記ベルト式無段変速機18は、エンジン12から左右の駆動輪(たとえば前輪)24L、24Rへ至る動力伝達経路においてロックアップクラッチ(直結クラッチ)26と直列に設けられている。
【0019】
上記トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14p、およびタービン軸34を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tと、一方向クラッチを介して非回転部材に回転可能に支持された固定翼車14sとを備えており、流体を介して動力伝達を行うようになっている。また、上記ポンプ翼車14p(入力回転部材)とタービン翼車14t(出力回転部材)との間には、それ等を一体的に連結して相互に一体回転させることができるようにするためのロックアップクラッチ26が設けられている。このロックアップクラッチ26は、円環状の摩擦部材(摩擦要素)26mと、それを支持し且つ少なくともそれを支持した外周部が回転軸心方向に移動可能に設けられた円板状の支持部材26sとから構成されている。
【0020】
上記前後進切換装置16は、ダブルピニオン型の遊星歯車装置にて構成されており、トルクコンバータ14のタービン軸34はサンギヤ16sに連結され、ベルト式無段変速機18の入力軸36はキャリア16cに連結されている。そして、シフトレバー67がD、2、Lレンジなどの前進走行レンジへ操作されるにともなってキャリア16cとサンギヤ16sとの間に配設された油圧式の前進クラッチ38が係合させられると、前後進切換装置16は一体回転させられてタービン軸34が入力軸36に直結され、前進方向の駆動力が駆動輪24R、24Lに伝達される。また、シフトレバー67がRレンジである後進走行レンジへ操作されるにともなってリングギヤ16rとハウジングとの間に配設された油圧式の後進ブレーキ40が係合させられるとともに上記前進クラッチ38が開放されると、入力軸36はタービン軸34に対して逆回転させられ、後進方向の駆動力が駆動輪24R、24Lに伝達される。
【0021】
前記ベルト式無段変速機18は、上記入力軸36に設けられた有効径が可変の入力側可変プーリ42と、出力軸44に設けられた有効径が可変の出力側可変プーリ46と、それ等の可変プーリ42、46のV溝に巻き掛けられた伝動ベルト48とを備えており、動力伝達部材として機能する伝動ベルト48と可変プーリ42、46のV溝の内壁面との間の摩擦力を介して動力伝達が行われるようになっている。可変プーリ42、46はそれぞれのV溝幅すなわち伝動ベルト48の掛かり径を変更するための入力側油圧シリンダ42cおよび出力側油圧シリンダ46cを備えて構成されており、入力側可変プーリ42の油圧シリンダ42cに供給或いはそれから排出される作動油の流量が油圧制御回路52内の変速制御弁装置50(図3参照)によって制御されることにより、両可変プーリ42、46のV溝幅が変化して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更され、変速比γ(=入力側回転速度NIN/出力側回転速度NOUT )が連続的に変化させられるようになっている。
【0022】
また、出力側可変プーリ46の油圧シリンダ46c内の油圧PB は、可変プーリ46の伝動ベルト48に対する挟圧力および伝動ベルト48の張力にそれぞれ対応するものであって、伝動ベルト48の張力すなわち伝動ベルト48の両可変プーリ42、46のV溝内壁面に対する押圧力に密接に関係しているので、ベルト張力制御圧、ベルト挟圧力制御圧、ベルト押圧力制御圧とも称され得るものであり、伝動ベルト48が滑りを生じないように、油圧制御回路52内の挟圧力制御弁56(図3参照)により調圧されるようになっている。
【0023】
図2は上記油圧制御回路52の要部、すなわちロックアップクラッチ26を制御する部分の一例を示している。図2において、油圧ポンプ54から圧送され且つエンジン12の出力トルクに応じた大きさとなるように図示しない調圧弁により調圧されたクラッチ元圧PCLと、図示しない他の調圧弁により一定の値に調圧された電磁弁元圧PMVとが用意されており、クラッチ元圧PCLがロックアップ切換弁58へ、電磁弁元圧PMVが1対のロックアップ切換用電磁弁MVSWおよびロックアップ調節用電磁弁MVCONTへ供給されるようになっている。ロックアップ切換用電磁弁MVSWおよびロックアップ制御用電磁弁MVCONTは、オンオフ駆動される三方弁であって、ロックアップクラッチ26の係合状態を開放状態或いは係合状態のいずれかに切り換えるためのロックアップ切換弁58、およびロックアップクラッチ26の締結力すなわち係合力(トルク)を連続的に制御するためのロックアップ制御弁60を制御するための制御圧をそれぞれ出力する。それらロックアップ切換弁58、ロックアップ制御弁60、ロックアップ切換用電磁弁MVSW、ロックアップ調節用電磁弁MVCONTは、ロックアップクラッチ26の係合状態を制御するためのロックアップ制御弁装置として機能している。
【0024】
トルクコンバータ14にはロックアップクラッチ26の両側に1対の係合側油室62および開放側油室64が設けられており、係合側油室62内の油圧と開放側油室64内の油圧との差圧PD であるクラッチ制御圧Plu(本実施例では係合側油室62内の油圧−開放側油室64内の油圧)が高くされるとロックアップクラッチ26が係合(締結)され、反対に開放側油室64内の油圧が係合側油室62内の油圧よりも高くされるとすなわち上記クラッチ制御圧Pluが負とされるとロックアップクラッチ26が開放されるとともに、上記クラッチ制御圧Plu(正の値)すなわち係合側油室62内の圧力の開放側油室64内の圧力に対する圧力差に応じて上記ロックアップクラッチ26の締結力(締結トルク或いは係合トルク)が変化させられるようになっている。
【0025】
上記ロックアップ切換弁58は、クラッチ元圧PCLを係合側油室62および開放側油室64の一方へ択一的に供給するために係合側位置と開放側とを移動させられるスプール弁子58V と、そのスプール弁子58V を開放側位置に向かって付勢するスプリング58S と、そのスプール弁子58V を係合側位置に向かって付勢するためにロックアップ切換用電磁弁MVSWからの出力圧を受け入れる油室58R とを備え、開放側位置に位置させられているときには、係合側油室62内の作動油をオイルクーラ65を経て図示しないオイルタンクへ還流させる。また、ロックアップ制御弁60は、ロックアップクラッチ26が係合させられたときにその開放側油室64内の圧力を調圧するためにその開放側油室64をドレン或いはクラッチ元圧PCLに択一的に連通させるスプール弁子60V と、そのスプール弁子60V の両端に係合側油室62および開放側油室64の差圧に対応した推力を発生させるために係合側油室62および開放側油室64内の油圧を導く油室60REN および60ROP と、スプール弁子60V を差圧増大側へ向かって付勢するためにロックアップ制御用電磁弁MVCONTからの出力圧を受け入れる油室60RCONT とを備え、ロックアップ制御用電磁弁MVCONTからの出力圧に応じてロックアップクラッチ26の係合トルク(締結トルク)を増大させる。
【0026】
図3の電子制御装置66には、シフトレバー67の操作位置を検出する操作位置検出センサ68からの操作位置PSHを表す信号、イグニションスイッチ69からのイグニションスイッチオンを表す信号、スロットル弁70の開度を変化させるアクセルペダル71の開度θACC を検出するアクセル操作量センサ72からのアクセル開度θACC を表す信号、エンジン12の回転速度NE を検出するエンジン回転速度センサ73からの回転速度NE を表す信号、車速V(具体的には出力軸44の回転速度NOUT )を検出する車速センサ(出力側回転速度センサ)74からの車速Vを表す信号、入力軸36の入力軸回転速度NINを検出する入力側回転速度センサ76からの入力軸回転速度NINを表す信号、動力伝達装置10すなわちベルト式無段変速機18内の作動油温度TOIL を検出する油温センサ78からの作動油温度TOIL を表す信号、出力側可変プーリ46の油圧シリンダ46cの内圧PB すなわち実際のベルト挟圧力制御圧PB を検出する圧力センサ80からのその油圧PB を表す信号がそれぞれ供給されるようになっている。
【0027】
上記電子制御装置66は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、ロックアップクラッチ26の締結力フィードバック制御および学習制御、上記無段変速機18の変速制御や挟圧力制御を行うものである。具体的には、上記締結力フィードバック制御では、ロックアップクラッチ26の締結に際して、その締結力の変化率(変化速度)が目標の変化率となるように、換言すれば、トルクコンバータ14のポンプ翼車14p(入力回転部材)とタービン翼車14t(出力回転部材)との間の回転速度差Nslipの変化率(変化速度)dNslipが予め設定された目標変化率dNslip t と一致するようにロックアップ制御用電磁弁MVCONTを作動させるフィードバック制御を行う。
【0028】
また、上記変速制御では、よく知られた予め記憶された関係(マップ)から実際の運転者の要求出力量を表すアクセル操作量すなわちアクセル開度θACC (%)および車速V(出力側回転速度NOUT に対応)に基づいて目標回転速度NIN T を算出し、実際の入力側回転速度NINがその目標回転速度NIN T と一致するように変速制御弁装置50を作動させるフィードバック制御を行うことにより、入力側可変プーリ42の油圧シリンダ42c内へ供給される作動油或いはその油圧シリンダ42c内から排出される作動油の流量を制御する。さらに、ベルト挟圧力制御では、必要かつ十分な必要油圧(理想的なベルト挟圧力に対応する目標油圧)を得るために予め定められた関係(マップ)からベルト式無段変速機18の実際の入力トルクTIN或いは伝達トルクに対応するアクセル操作量θACC および実際の変速比γに基づいてベルト挟圧力制御圧(目標値)を算出し、そのベルト挟圧力制御圧が得られるように油圧制御回路52内の挟圧力制御弁56に調圧させる。
【0029】
図4は、上記電子制御装置66の制御機能の要部すなわちロックアップクラッチ26の締結力フィードバック制御、学習制御を説明する機能ブロック線図である。図4において、クラッチ油圧制御手段88は、ロックアップクラッチ26の係合開始指令(L/Cオン指令)が出されると、そのロックアップクラッチ26を滑らかに係合させて係合ショックを防止するために、たとえば図5の下段に示す形状のクラッチ制御圧Pluを発生させる。すなわち、ロックアップクラッチ26のオン指令(t0 時点)があると、所定時間後に所定期間(t1 乃至t2 区間)だけ比較的高いファーストフィル圧を作用させ、次いで後述の学習制御手段96により算出された学習値 GdPlusmを初期圧とし(t2 時点)、以後係合開始点(t3 時点)まで直線的(線型的)にクラッチ制御圧Pluすなわち締結力を増加させる。この直線的な増加の傾斜は略一定であるので、初期圧GdP lusmがたとえば増加方向に修正されると、以後の制御圧Pluすなわち締結力は全体的に増加させられる。この係合開始点以後の係合期間では、締結力フィードバック制御手段90により決定されたフィードバック制御値を出力させ、ロックアップクラッチ26の係合が完了すると、最大圧まで上昇させる。
【0030】
締結力フィードバック制御手段90は、上記ロックアップクラッチ26の係合開始点以後の係合期間において、ロックアップクラッチ26の締結状態が目標締結状態となるように締結力をフィードバック制御する。すなわち、この係合開始点以後の係合期間では、トルクコンバータ14のポンプ翼車14p(入力回転部材)とタービン翼車14t(出力回転部材)との間の回転速度差Nslip(=NE −NIN)の変化率(変化速度或いは勾配)dNslipが予め設定された目標変化率(目標勾配)dNslip t と一致するようにロックアップ制御用電磁弁MVCONTを作動させる。これにより、たとえば図5のt3 乃至t4 区間に示すように、ロックアップクラッチ26の回転速度差Nslipが直線的に減少させられる。たとえば、上記締結力フィードバック制御手段90は、数式1に示す予め記憶されたフィードバック制御量算出式から制御偏差(dNslip t −dNslip)を解消するためのフィードバック制御量dPlufbを算出し、数式2に示す予め記憶された制御量算出式から予め設定されたスイープアップ量(ベースの傾斜)を考慮した制御量dPlu(=dPlufb+dPlusu)を算出し、数式3に示す予め記憶された操作量算出式から前回の操作量Pluに上記制御量dPluを加算することにより今回の操作量すなわちロックアップクラッチ26の制御圧(本実施例では係合側油室62と開放側油室64との間の差圧)Pluを算出する。なお、数式1において、Ga はフィードバックゲインである。数式2においてスイープアップ制御量dPlusuは制御遅れを防止するためのフィードフォワード値として機能している。
【0031】
dPlufb=Ga ×(dNslip t −dNslip)・・・(1)
dPlu =dPlufb+dPlusu ・・・(2)
Plu=Plu+dPlu ・・・(3)
【0032】
無駄時間算出手段92は、上記ロックアップクラッチ26の係合作動期間において、上記係合開始指令(L/Cオン指令)が出された時点からロックアップクラッチ26の摩擦部材(摩擦要素)26mの係合開始時点までの無駄時間Jmudaをたとえばカウンタなどを用いて算出する。この無駄時間Jmudaは、遅れ時間とも称され得るものであり、図5のt0 乃至t3 区間に示されている時間である。上記ロックアップクラッチ26の係合開始時点は、たとえば回転速度差Nslipが予め設定された値ΔNs 未満となったことに基づいて判定される。また、係合時間算出手段94は、ロックアップクラッチ26の係合開始時点から係合完了時点までの係合時間Jkeigouをたとえばカウンタなどを用いて算出する。この係合時間Jkeigouは、図5のt3 乃至t4 区間に示されている時間である。上記係合完了時点は、たとえば回転速度差Nslipが零となったことに基づいて判定される。
【0033】
そして、学習制御手段96は、ロックアップクラッチ26の係合特性の固体差や経時変化に拘らず所定の目標係合時間Mkeigouを得るために、上記締結力フィードバック制御手段90によるロックアップクラッチ26の係合作動中に得られた係合時間Jkeigou、無駄時間Jmudaなどに基づいて次回のロックアップクラッチ26の係合に用いられるクラッチ制御圧Pluの初期圧 GdPlusmを修正(補正)する。この初期圧 GdPlusmは、学習制御により修正された学習値であり、その後に発生させられる締結力の初期値に対応している。この学習制御手段96は、無駄時間判定手段98、第1学習制御手段100、第2学習制御手段102、第3学習制御手段104を含み、無駄時間Jmudaが所定時間すなわち第1判断基準値Mmuda2 内にある場合には係合時間Jkeigouに基づく学習制御を実行し、無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 以上である場合には上記無駄時間Jmudaに基づく学習制御を実行する。
【0034】
上記無駄時間判定手段98は、前記無駄時間算出手段92により算出された無駄時間Jmudaが所定の第1判断基準値Mmuda2 内であるか否か、およびその第1判断基準値Mmuda2 よりも小さい値に設定された第2判断基準値Mmuda1 内であるか否かを判定する。この無駄時間判定手段98により無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 内(第1判断基準値Mmuda2 より小さい)であると判定された場合には、第1学習制御手段100は、予め記憶された数式4に示す学習制御式から実際の係合時間Jkeigouに基づいて、その係合時間Jkeigouが目標係合時間Mkeigouとなるように、今回の制御偏差(Jkeigou−Mkeigou)にゲインGak を掛けた値を今回の学習値 GdPlusmに加えることにより、次回の係合時に用いる初期圧(学習値) GdPlusmを算出する学習制御を行う。すなわち、制御偏差(Jkeigou−Mkeigou)が大きくなるほど初期圧(学習値) GdPlusmが大きい値となるので、次回の係合時間Jkeigouが短縮され、実際の係合時間Jkeigouが目標係合時間Mkeigouに近接させられるのである。
【0035】
GdP lusm=GdP lusm+Gak×(Jkeigou−Mkeigou)・・・(4)
【0036】
上記無駄時間判定手段98により無駄時間Jmudaが前記第1判断基準値Mmuda2 以上であると判定された場合には、第2学習制御手段102は、予め記憶された数式5に示す学習制御式から実際の無駄時間Jmudaすなわち制御圧上昇幅Pmudaに基づいて、無駄時間Jmudaが適切な値となるように、今回の無駄時間Jmudaにおける制御圧上昇幅PmudaにゲインGamを掛けた値を今回の学習値 GdPlusmに加えることにより、次回の係合時に用いる初期圧(学習値) GdPlusmを算出する学習制御を行う。すなわち、無駄時間Jmudaが長くなるほど制御圧上昇幅Pmudaが大きくなって初期圧(学習値) GdPlusmが大きい値となるので、次回の無駄時間Jmudaが短縮され、目標無駄時間の上限値たとえばMmuda2 以下に近接させられる。上記ゲインGamは、このように設定されているのである。
【0037】
GdPlusm= GdPlusm+Gam×Pmuda ・・・(5)
【0038】
上記無駄時間判定手段98により無駄時間Jmudaが第2判断基準値Mmuda1 内である(第2判断基準値Mmuda1 より小さい)と判定された場合には、第3学習制御手段104は、予め記憶された数式6に示す学習制御式から予め設定された1回当たりの学習量Kmudaに基づいて、その学習量Kmudaを今回の学習値 GdPlusmから差し引くことにより、次回の係合時に用いる初期圧(学習値) GdPlusmを算出する学習制御を行う。すなわち、無駄時間Jmudaが第2判断基準値Mmuda1 内である領域では制御圧Plu(=差圧PD )が極めて大きく係合時間Jkeigouが短い状態であるので、学習周期毎に上記学習量Kmudaを学習値 GdPlusmから差し引くことにより順次初期圧 GdPlusmを低下させ、無駄時間Jmudaが第2判断基準値(目標無駄時間の下限値)Mmuda1 以上となるようにし、前記第2学習制御手段102によって係合時間Jkeigouが上記目標係合時間Mkeigouとなるようにする。
【0039】
GdP lusm=GdP lusm−Kmuda ・・・(6)
【0040】
本発明者等が、その目的を達成するために種々検討を重ねた結果、ロックアップクラッチ26に作用させるクラッチ制御圧とその係合時間の特性を解析すると、たとえば図6に示すように、そのロックアップクラッチ26に作用させるクラッチ制御圧が比較的小さい領域では、そのクラッチ制御圧PD の変化に対する無駄時間Jmudaの変化が比較的敏感であるが、そのクラッチ制御圧PD が比較的大きい領域ではその油圧の変化に対する無駄時間Jmudaの変化が比較的鈍感となるが、フィードバック制御下では係合時間Jkeigouは比較的敏感に変化するという事実を見いだしたので、上記の手段はこのような知見に基づいて為されたものである。図6は、前記ロックアップクラッチ26の特性を示す図であって、上段は、ロックアップクラッチ26のクラッチ制御圧Plu(=差圧PD )と無駄時間Jmudaとの間の関係を示し、下段は、ロックアップクラッチ26のクラッチ制御圧Plu(=PD )と係合時間Jkeigouとの間の関係であって、1点鎖線は締結力フィードバック制御手段90によりロックアップクラッチ26の回転速度差Nslipの勾配dNslipを目標勾配dNslip T に一致させるためのフィードバック制御下における関係を示し、実線は締結力フィードバック制御手段90によるフィードバック制御が行われないときの関係を示している。図6の上段に示すクラッチ制御圧PD と無駄時間Jmudaとの間の特性(関係)においては、境界点PD2を境として、その境界点PD2よりも低い側にクラッチ制御圧PD に対する無駄時間Jmudaの変化率が大きい領域が存在し、その境界点PD2よりも高い側にクラッチ制御圧PD に対する無駄時間Jmudaの変化率が急激に小さくなる領域が存在している。また、図6の下段の1点鎖線に示すクラッチ制御圧PD と係合時間Jkeigouとの間の関係においては、上記境界点PD2とそれよりも大きい境界点PD1を境にして、その境界点PD2よりも低い側および境界点PD1よりも高い側にクラッチ制御圧PD に対する係合時間Jkeigouの変化率が急激に小さくなる領域が存在し、上記境界点PD2と境界点PD1との間にクラッチ制御圧PD に対する係合時間Jkeigouの変化率が大きい領域が存在している。
【0041】
上記クラッチ制御圧PD に対する無駄時間Jmuda或いは係合時間Jkeigouの変化率が小さい領域は学習制御に適しない領域であるので、クラッチ制御圧PD に対する無駄時間Jmuda或いは係合時間Jkeigouの変化率が大きい領域が学習制御に用いられる。すなわち、図6の上段の関係において境界点PD2よりも低い側の領域で第2学習制御手段102が作動させられ、図6の下段の関係において境界点PD2よりも高く且つ境界点PD1よりも低い領域で第1学習制御手段100が作動させられるのである。前記第1判断基準値Mmuda2 および第2判断基準値Mmuda1 は、実際の無駄時間Jmudaを用いて上記領域を判定するためのものであり、図6の上段の関係を用いて境界点PD2および境界点PD1にそれぞれ対応して決定されたものである。
【0042】
図7は、前記電子制御装置66の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、ロックアップクラッチ学習制御ルーチンを示している。図7において、ステップ(以下、ステップを省略する)SA1では、実際の無駄時間Jmudaが予め設定された第2判断基準値Mmuda1 よりも小さいか否かが判断される。また、このSA1の判断が否定される場合は、SA2において、実際の無駄時間Jmudaが第2判断基準値Mmuda1 よりも大きい値に予め設定された第1判断基準値Mmu da2 よりも大きいか否かが判断される。これらSA1およびSA2は、前記無駄時間判定手段98に対応している。
【0043】
上記SA1およびSA2の判断が共に否定される場合は、前記第1学習制御手段100に対応するSA3において、予め記憶された数式4に示す学習制御式から実際の係合時間Jkeigouに基づいて、その係合時間Jkeigouが目標係合時間Mkeigouとなるように、次回の係合時に用いる初期圧(学習値) GdPlusmが算出される。この第1学習制御では、制御偏差(Jkeigou−Mkeigou)が大きくなるほど初期圧(学習値) GdPlusmが大きい値となるので、次回の係合時間Jkeigouが短縮され、実際の係合時間Jkeigouが目標係合時間Mkeigouに近接させられる。
【0044】
上記SA2の判断が肯定される場合は、前記第2学習制御手段102に対応するSA4において、予め記憶された数式5に示す学習制御式から実際の無駄時間Jmudaすなわちその無駄時間Jmudaから求められる制御圧上昇幅Pmudaに基づいて、次回の係合時に用いる初期圧(学習値) GdPlusmが算出される。この第2学習制御では、無駄時間Jmudaが長くなるほど制御圧上昇幅Pmudaが大きくなって初期圧(学習値) GdPlusmが大きい値となるので、次回の係合時間Jkeigouが短縮され、目標係合時間Mkeigouに近接させられる。
【0045】
上記SA1の判断が肯定される場合は、前記第3学習制御手段104に対応するSA5において、予め記憶された数式6に示す学習制御式から予め設定された1回当たりの一定の学習量Kmudaに基づいて、次回の係合時に用いる初期圧(学習値) GdPlusmが算出される。この第3学習制御が行われるような無駄時間Jmudaが第2判断基準値Mmuda1 内である領域ではクラッチ制御圧Plu(=PD )が極めて大きく係合時間Jkeigouが短い状態であるので、学習周期毎に上記学習量Kmudaを学習値 GdPlusmから差し引くことにより順次初期圧 GdPlusmが低下させられて無駄時間Jmudaが第2判断基準値Mmuda1 以上となるようにされ、それにより前記第1学習制御手段100によって係合時間Jkeigouが上記目標係合時間Mkeigouとされる。
【0046】
前述のように、ロックアップクラッチ26のクラッチ制御圧Plu(=PD )と無駄時間Jmudaとの間の特性(関係)は、図6の上段に示すように、無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 以上である場合には上記制御圧PD の変化に対する無駄時間Jmudaの変化が比較的大きいが、無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 内となると上記制御圧PD の変化に対する無駄時間Jmudaの変化が大幅に小さくなる一方で、ロックアップクラッチ26のクラッチ制御圧PD と係合時間Jkeigouとの間の特性(関係)は、締結力フィードバック制御手段90によるフィードバック制御下において、無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 以上である場合には上記制御圧PD の変化に対する係合時間Jkeigouの変化が大幅に小さいが、無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 内となると上記制御圧PD の変化に対する係合時間Jkeigouの変化が比較的大きくなる。したがって、本実施例によれば、学習制御手段96(SA1乃至SA5)により、無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 内である場合には係合時間Jkeigouに基づいて制御圧Pluの初期圧 GdPlusmが学習制御により決定され、上記無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 以上である場合には無駄時間Jmudaに基づいて制御圧Pluの初期圧 GdPlusmが学習制御により決定されることから、円滑な係合を目的としてクラッチの回転速度差Nslipの勾配を目標勾配Nslip T に一致させるためのフィードバック制御下においても、ロックアップクラッチ26に作用させる差圧PD 、無駄時間Jmuda、或いは係合時間Jkeigouの略全域においてすなわちロックアップクラッチ26の略全作動領域内において、好適に学習効果が得られ、ロックアップクラッチ26の固体差や経時変化に対処できる。
【0047】
また、本実施例によれば、上記学習制御手段96は、ロックアップクラッチ26の摩擦部材26mが係合開始するまでの無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 内であるか否かを判定する無駄時間判定手段98(SA2)と、その無駄時間判定手段98により無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 内であると判定された場合には、ロックアップクラッチ26の係合開始から係合完了までの係合時間Jkeigouに基づいて学習制御を行う第1学習制御手段100と、無駄時間判定手段98により無駄時間Jmudaが第1判断基準値Mmuda2 以上であると判定された場合には、その無駄時間Jmudaから決定される制御圧上昇幅Pmudaに基づいて学習制御を行う第2学習制御手段102とを備えていることから、円滑な係合を目的としてロックアップクラッチ26の回転速度差Nslipの勾配dNslipを目標勾配dNslip T に一致させるためのフィードバック制御下においても、ロックアップクラッチ26の作動領域の略全域において、好適な学習効果が得られてロックアップクラッチ26の固体差や経時変化に対処できる。
【0048】
また、本実施例によれば、第1判断基準値Mmuda2 は、ロックアップクラッチ26に作用させるクラッチ制御圧Plu(=PD )と無駄時間Jmudaとの間の特性(図6の上段の関係)においてそのクラッチ制御圧PD に対する無駄時間Jmudaの変化率が大きい領域から急激に小さい領域へ移行する境界点PD2に対応して予め設定されたものであることから、円滑な係合を目的としてクラッチの回転速度差Nslipの勾配dNslipを目標勾配dNslip T に一致させるための締結力フィードバック制御手段90によるフィードバック制御下において、ロックアップクラッチ26に作用させるクラッチ制御圧PD の変化に対して無駄時間Jmudaの変化が大きいために第2学習制御手段102による無駄時間Jmudaに基づく学習制御が適した領域と、上記クラッチ制御圧PD の変化に対して係合時間Jkeigouの変化が大きいために第1学習制御手段100による係合時間Jkeigouに基づく学習制御が適した領域とが自動的に選択されて学習制御が切り換えられる。
【0049】
また、本実施例によれば、円滑な係合を目的としてクラッチの回転速度差Nslipの勾配dNslipを目標勾配dNslip T に一致させるための締結力フィードバック制御手段90によるフィードバック制御下において、ロックアップクラッチ26に作用させるクラッチ制御圧Plu(=PD )と係合時間Jkeigouとの間の特性(図6の下段の関係)において、そのクラッチ制御圧PD の増加方向においてそのクラッチ制御圧PD の変化に対する係合時間の変化が大きい領域から急激に小さい領域へ移行する境界点PD1に対応して第2判断基準値Mmuda1 が設定され、前記学習制御手段96は、無駄時間Jmudaがその第2判断基準値Mmuda1 を下まわる領域において、予め設定された一定の学習量Kmudaに基づいて学習制御を行う第3学習制御手段104が設けられている。このため、上記締結力フィードバック制御手段90によるフィードバック制御下において、ロックアップクラッチ26に作用させるクラッチ制御圧PD の変化に対して無駄時間Jmudaの変化が小さいために第2学習制御手段102による無駄時間Jmudaに基づく学習制御が適さず、また、そのクラッチ制御圧PD の変化に対して係合時間Jmudaの変化が小さいために第1学習制御手段100による係合時間Jkeigouに基づく学習制御も適しない領域では、第3学習制御手段104により予め設定された一定の学習量Kmudaに基づいて学習制御が行われて上記第1学習制御手段100の作動が得られる領域へ移行させられる。
【0050】
また、本実施例によれば、第1学習制御手段100は、実際の係合時間Jkeigouと予め設定された目標係合時間Mkeigouとの差(Jkeigou−Mkeigou)に基づく学習補正量Gak×(Jkeigou−Mkeigou)を前回の学習値 GdPlusmに加えることにより新たな学習制御操作量GdP lusmを決定するものであることから、ロックアップクラッチ26の係合時間Jkeigouが目標係合時間Mkeigouを上回る程学習制御操作量すなわち次回の初期圧(クラッチ制御圧) GdPlusmが高くされて次回の係合時間Jkeigouが短縮されるので、この第1学習制御手段100による学習を繰り返すことにより係合時間Jkeigouが目標係合時間Mkeigouに一致させられて、ロックアップクラッチ26の係合フィーリング、耐久性、燃費が高められる。
【0051】
また、本実施例によれば、第2学習制御手段102は、ロックアップクラッチ26の無駄時間Jmuda中におけるクラッチ制御圧Plu(=PD )の上昇幅Pmudaに基づく学習補正量Gam×Pmudaを今回の学習値 GdPlusmに加えることにより次回の学習制御操作量 GdPlusmを新たに決定するものであることから、ロックアップクラッチ26の無駄時間Jmudaが長くなってクラッチ制御圧Plu(=PD )の上昇幅Pmudaが大きくなる程学習制御操作量すなわち次回の初期圧(クラッチ制御圧) GdPlusmが高くされて次回の無駄時間Jmudaが短縮されることから、この第2学習制御手段102による学習を繰り返すことによって、クラッチの無駄時間Jmudaが適切な値とされるので、ロックアップクラッチ26の係合フィーリング、耐久性、燃費が高められる。
【0052】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は他の態様においても適用される。
【0053】
たとえば、前述の実施例では、車両用クラッチとしてロックアップクラッチ26が用いられていたが、エンジン12とベルト式無段変速機18との間に前後進切換装置16が設けられる場合には、その前進クラッチ38が上記ロックアップクラッチ26に代えて制御されてもよい。要するに、エンジン12とベルト式無段変速機18との間に設けられたクラッチであれば本発明が適用される。
【0054】
また、前述の実施例において、クラッチ油圧制御手段88により図5の下段に示すように制御圧Plu(=PD )が発生させられていたが、その制御圧PD の波形において、ロックアップクラッチオン指令直後のファーストフィル圧は必ずしも設けられていなくてもよい。
【0055】
また、前述の実施例において、ロックアップクラッチ26を制御するためのクラッチ制御圧Pluは係合側油室62内の油圧と開放側油室64内の油圧との差圧PD であったが、一方の油室が開放されている場合には他方の油室内の油圧が用いられてもよいし、作動油に変わる他の液体が用いられてもよい。
【0056】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置が適用される車両の動力伝達装置を説明する骨子図である。
【図2】図1の車両に設けられた油圧回路の要部であって、図1のロックアップクラッチの係合状態を制御する部分を示す図である。
【図3】図1の車両に備えられた電気的構成の要部であって、電子制御装置を概略説明する図である。
【図4】図3の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図5】図4のクラッチ油圧制御手段による係合制御作動を示すタイムチャートであって、上段はロックアップクラッチの回転速度差の変化を示し、下段はロックアップクラッチの制御圧の波形を示している。
【図6】図1のロックアップクラッチの特性を示す図であって、上段は制御圧に対する無駄時間の特性、下段は制御圧に対する係合時間の特性をそれぞれ示している。
【図7】図3の電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
26:ロックアップクラッチ(車両用クラッチ)
26m:摩擦部材(摩擦要素)
92:無駄時間算出手段
94:係合時間算出手段
96:学習制御手段
Claims (5)
- 摩擦要素を係合作動させる形式の車両用クラッチの制御装置であって、
前記クラッチの係合指令から前記摩擦要素が係合開始するまでの無駄時間を算出する無駄時間算出手段と、
前記摩擦要素の係合開始時点から係合完了時点までの係合時間を算出する係合時間算出手段と、
前記無駄時間が所定時間内である場合には前記係合時間に基づいて前記摩擦要素の締結力を学習制御により補正し、該無駄時間が前記所定時間以上である場合には前記無駄時間に基づいて該摩擦要素の締結力を学習制御により修正する学習制御手段と
を、含むことを特徴とする車両用クラッチの制御装置。 - 前記クラッチは、エンジンと変速機との間に設けられた流体式継手の入力軸および出力軸を直結するためのロックアップクラッチである請求項1の車両用クラッチの制御装置。
- 前記ロックアップクラッチの係合制御には、該ロックアップクラッチの入力軸および出力軸の回転速度差の勾配が予め設定された目標勾配に一致するように該ロックアップクラッチの締結力を調節するフィードバック制御が少なくとも含まれるものである請求項2の車両用クラッチの制御装置。
- 前記学習制御手段は、前記クラッチの係合に際して上昇させられる締結力の初期値を修正するものである請求項1乃至3の車両用クラッチの制御装置。
- 前記クラッチは、前記摩擦係合要素を支持する支持部材に作用させられる液圧に従って係合力が調節される液圧式クラッチであり、前記学習制御手段は、前記無駄時間が所定時間内である場合には前記係合時間に基づいて前記液圧を学習制御により補正し、該無駄時間が前記所定時間以上である場合には前記無駄時間に基づいて前記液圧を学習制御により修正するものである請求項1乃至4の車両用クラッチの制御装置。
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