JP3596093B2 - 車両用直結クラッチ付流体伝動装置のスリップ制御装置 - Google Patents

車両用直結クラッチ付流体伝動装置のスリップ制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用直結クラッチ付流体伝動装置における直結クラッチの係合力を調節することにより、その入出力軸間のスリップ量を制御するスリップ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動変速機搭載車両(A/T車)において、車両の動力源であるエンジンの燃費と、車両走行時(特に低速走行時)の走行安定性,操縦性等のフィーリングとを共に良好な状態に制御するために、自動変速機を構成するトルクコンバータ等の流体伝動装置の入出力軸のスリップ量を制御するスリップ制御装置が知られている。
【0003】
このスリップ制御装置は、流体伝動装置の入出力軸間のスリップ量が所定の目標スリップ量となるように、流体伝動装置に並列に設置された直結クラッチ(所謂ロックアップクラッチ)の係合力を制御するものであり、例えば、車両の走行開始後、車速が所定速度以上となって、スリップ制御の実行条件が成立すると、直結クラッチが開放している状態から半クラッチの状態に移行するために、流体伝動装置の入出力軸間のスリップ量と目標スリップ量との偏差に応じて、直結クラッチの係合力を上げることにより、流体伝動装置の入出力軸間のスリップ量を目標スリップ量に制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動変速機において、直結クラッチの係合力は、通常、油圧によって制御できるように構成されており、その係合力の制御には、ソレノイドを備えた電磁式の油圧制御弁が使用されるが、この油圧制御弁により制御される油圧は、ソレノイドの個体差や経時変化,或は油温の変化等によって変化する。このため、上記のようにスリップ制御の実行条件成立後にスリップ量と目標スリップ量との偏差に応じて直結クラッチの係合力を上昇させようとしても、スリップ量が目標スリップ量に収束するまでの収束時間が、ソレノイド自体の特性や油温等によってばらついてしまうといった問題があった。
【0005】
そして、この収束時間のばらつきは、収束時間が長くなる方向に作用すると、その間エンジン回転数が高い状態に保たれることになるので、良好な燃費向上効果を得ることができず、逆に収束時間が短くなる方向に作用すると、エンジン回転数が急に下がることになるので、車両乗員に急激な減速感(減速ショック)を与えてしまいフィーリングが悪くなる、といった問題を引き起こす。
【0006】
一方、こうした減速ショックを防止するために、従来より、例えば特開平4−331868号公報に開示されているように、スリップ制御開始当初のスリップ量を初期値として、目標スリップ量を、実際の目標スリップ量まで穏やかに減少させ、スリップ量がその目標スリップ量に追従するように、直結クラッチの係合力を制御することが提案されている。
【0007】
そして、この提案の装置によれば、スリップ量を、制御開始当初のスリップ量から実際の目標スリップ量に向って穏やかに変化する目標スリップ量に追従させることができるので、制御開始後、スリップ量が最終的な目標スリップ量になるまでの収束時間が規制され、収束時間のばらつきを抑えることができる。
【0008】
しかし、この提案の装置においても、スリップ制御開始後は、流体伝動装置の入出力軸間のスリップ量と目標スリップ量との偏差に応じて油圧制御弁が駆動されるため、油圧制御弁を構成するソレノイド等にばらつきがあると、目標スリップ量に対して直結クラッチの係合力が高くなりすぎることがある。そして、このように直結クラッチの係合力が高くなりすぎ、スリップ量が設定した目標スリップ量よりも大きく下がった場合には、フィードバック制御により直結クラッチの係合力を低下させるための制御量が出力されることになるので、スリップ量が最終的な目標スリップ量に達するまでの間に、スリップ量がハンチングするようになり、フィーリングが却って悪化することがある。
【0009】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、制御開始後、スリップ量のハンチングを発生させることなく、しかも一定の収束時間で、スリップ量を目標スリップ量に収束させることのできる車両用直結クラッチ付流体伝動装置のスリップ制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、図6に例示する如く、車両用流体伝動装置の入出力軸間のスリップ量を演算するスリップ量演算手段と、前記流体伝動装置に設けられた直結クラッチの係合力を調節する係合力調節手段と、前記スリップ量演算手段にて演算されたスリップ量と予め設定された目標スリップ量とに基づき、該スリップ量を目標スリップ量に制御するための前記係合力調節手段の制御量を演算する制御量演算手段と、を備え、車両の所定の運転条件下で、前記制御量演算手段にて求められた制御量に応じて前記係合力調節手段を駆動して、前記スリップ量を前記目標スリップ量に収束させるスリップ制御を実行する、車両用直結クラッチ付流体伝動装置のスリップ制御装置において、前記制御量演算手段にて演算された制御量に補正量を加算することにより該制御量を補正し、該補正後の補正制御量を前記係合力調節手段の駆動に用いる制御量として設定する制御量補正手段と、前記スリップ制御を開始する度に、前記スリップ量が目標スリップ量に収束するまでの収束時間を計時する収束時間計時手段と、該収束時間計時手段にて計時された収束時間と予め設定された目標収束時間とに基づき、以降のスリップ制御において収束時間が目標収束時間となるように、前記制御量補正手段による制御量の補正量を更新する補正量更新手段とを備え前記補正量更新手段は、前記収束時間と前記目標収束時間との偏差に補正ゲインを乗じた補正値にて前記補正量を補正することにより該補正量を更新するよう構成され、更に、前記補正量更新手段による前記補正量の更新回数が増加するに従い前記補正ゲインを減少させる補正ゲイン更新手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
そして、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスリップ制御装置において、前記収束時間計時手段は、前記スリップ制御の開始後、前記スリップ量が前記目標スリップ量に所定値を加えたしきい値に達するまでの時間を収束時間として計時することを特徴とし、
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスリップ制御装置において、車両の運転状態に応じて前記目標収束時間を設定する目標収束時間設定手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
【作用及び発明の効果】
請求項1に記載のスリップ制御装置においては、スリップ量演算手段が、流体伝動装置の入出力軸間のスリップ量を演算し、制御量演算手段が、その求められたスリップ量と予め設定された目標スリップ量とに基づき、スリップ量を目標スリップ量に制御するための係合力調節手段の制御量を演算し、この演算された制御量に基づき係合力調節手段を駆動することにより、スリップ量を目標スリップ量に収束させる。
【0014】
また本発明では、制御量演算手段にて求められた制御量をそのまま用いて係合力調節手段を駆動するのではなく、制御量補正手段にて制御量に補正量を加算することにより制御量を補正し、その補正後の補正制御量を用いて係合力調節手段を駆動する。そして、この制御量補正手段において使用される制御量の補正量は、補正量更新手段において、収束時間計時手段にて計時された収束時間と予め設定された目標収束時間とに基づき、以降のスリップ制御において収束時間が目標収束時間となるように更新される。
【0015】
つまり、スリップ制御は、例えば、図5に示す如く、流体伝動装置の入力軸の回転数(一般にエンジン回転数)Neと、出力軸の回転数(一般に流体伝動装置のタービン回転数)Ntとの偏差から、入出力軸間のスリップ量を演算し、そのスリップ量が目標スリップ量となるように、係合力調節手段を制御するものであるため、スリップ制御開始後は、入力軸の回転数Neが、出力軸の回転数Ntと目標スリップ量とから決定される所定回転数Nt′となるように制御されることになるが、スリップ制御の開始後、入力軸の回転数Neが所定回転数Nt′に収束するまでの時間は、制御量に対応して直結クラッチの係合力を調節する係合力調節手段のばらつき等によって、長くなったり、短くなったりする。そこで本発明では、スリップ制御を実行する度に、制御開始後(例えば図5に示す時点t0 後)、スリップ量が目標スリップ量に収束するまで(例えば図5に示す時点t1 ,t2 ,t3 まで)の収束時間を計時し、その収束時間と予め設定された目標収束時間(例えば図5に示す時間△T)とに基づき、以降のスリップ制御において収束時間が目標収束時間となるように、制御量の補正量を更新する、所謂学習制御を実行することによって、係合力調節手段のばらつき等によって生じる収束時間のばらつきを抑制するようにしているのである。
【0016】
従って、本発明によれば、スリップ制御を1回以上実施することにより、その後のスリップ制御におけるスリップ量の目標スリップ量への収束時間を目標収束時間に制御することができるようになり、延いては、直結クラッチの係合力を、スリップ量を目標スリップ量に制御するのに最適な値に制御することが可能になる。またこのように直結クラッチの係合力を、係合力調節手段のばらつき等に影響されることなく、最適に制御できるため、スリップ量を、速やかに、且つハンチング等を発生させることなく安定して、目標スリップ量に収束させることができ、収束時間が長すぎたり短すぎることによる燃費改善効果の低下やフィーリングの悪化を防止することができる。
更に、請求項1に記載のスリップ制御装置においては、補正量更新手段が、収束時間と目標収束時間との偏差に補正ゲインを乗じた補正値にて補正量を補正することにより、制御量に対する補正量を更新するよう構成されており、補正ゲイン更新手段が、その補正ゲインを、補正量更新手段による補正量の更新回数が増加するに従い減少させる。
つまり、本発明において補正量を更新するのは、係合力調節手段のばらつき等によって生じる制御量に対する直結クラッチの係合力のばらつきを補償するためであり、補正量の更新をある程度実行すれば、補正量は係合力調節手段の特性にほぼ適合した値となる。そこで、本発明では、補正量更新時の補正値を決定する補正ゲインを、補正量の更新回数が増加するにつれて減少させることにより、係合力調節手段のばらつきをまだ充分に補償できていない時期には、収束時間と目標収束時間との偏差に応じて補正量を大きく補正し、補正量が係合力調整手段のばらつきを補償できるようになるにつれて、補正量の補正値を小さくして、補正量の更新時に車両の走行環境の変化による影響を受け難くしているのである。従って、本発明によれば、補正量が係合力調節手段の特性に適合していない状態では、補正量を最適値に速やかに更新でき、しかもその後は、車両の走行環境に影響されることなく補正量を更新できる。
【0017】
次に、請求項2に記載のスリップ制御装置においては、収束時間計時手段が、スリップ制御の開始後、スリップ量が目標スリップ量に所定値を加えたしきい値に達するまでの時間を、収束時間として計時する。これは、収束時間を計時する際、係合力調節手段のばらつき等によって制御量に対する直結クラッチの係合力が大きくなりすぎ、図5に点線で示すように、スリップ量が目標スリップ量に達してから目標スリップ量を中心にハンチングするような場合には、その収束時間を正確に計時できないことが考えられるためである。
【0018】
つまり、本発明では、スリップ制御の開始後、スリップ量が目標スリップ量に所定値を加えたしきい値に達するまでの時間を、収束時間として計時することにより、図5に点線で示すように、スリップ量が目標スリップ量に達した後にハンチングする場合であっても、図5に実線又は一点鎖線で示すようにスリップ量が目標スリップ量に達した後は目標スリップ量に制御される場合であっても、収束時間を正確に計時して、係合力調節手段のばらつき等によって生じる収束時間の目標収束時間からのずれを正確に検出できるようにしているのである。この結果、本発明によれば、収束時間の計時結果から補正量を常に正確に更新することができるようになり、制御精度をより向上することが可能になる。
【0019】
また次に、請求項3に記載のスリップ制御装置においては、目標収束時間設定手段が、車両の運転状態に応じて目標収束時間を設定する。
これは、本発明では、収束時間計時手段にて計時した収束時間と目標収束時間とから制御量に対する補正量を更新するため、その更新時に使用される目標収束時間を常に一定にしていると、スリップ量が目標スリップ量に収束しやすい運転条件下で更新された補正量では、スリップ量が目標スリップ量に収束し難い運転条件下で収束時間が長くなりすぎ、逆にスリップ量が目標スリップ量に収束し難い運転条件下で更新された補正量では、スリップ量が目標スリップ量に収束し易い運転条件下で収束時間が短くなりすぎる、というように、補正量を車両の全運転条件下で最適な値に設定することができず、良好な学習効果を得ることができなくなる虞があるためである。
【0020】
つまり、例えば、車両の加速運転時には、図5において、出力軸の回転数Ntは連続的に増加(右上がりに傾斜)するため、スリップ量は、車両の定速運転時に比べて短時間で目標スリップ量に収束することになるが、この場合、そのときの収束時間が一定の目標収束時間となるように補正量を更新すると、その後、車両の定速運転時にスリップ制御を実行した場合には、収束時間が短くなりすぎ、今度は収束時間が長くなるように補正量を更新してしまうことになる。そこで本発明では、こうした車両の運転状態の違いによって生じる収束時間のばらつきに影響されることなく補正量を常に最適な値に更新できるようにするために、目標収束時間を、車両の運転状態に応じて設定するようにしているのである。このため、本発明によれば、車両の全運転条件下で最適なスリップ制御を実行することが可能になる。
【0025】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
まず、図2により、本発明が適用された車両用自動変速機(AT)を構成するトルクコンバータ10の構造及び制御用の油圧回路30について説明する。
【0026】
図2に示す如く、トルクコンバータ10は、エンジン出力軸12に結合されたケース14内の一側部に固定されてエンジン出力軸12と一体回転するポンプ16と、このポンプ16と対向するようにケース14内の他側部に回転自在に備えられてポンプ16の回転により作動油を介して回転駆動される変速機への出力部材たるタービン18と、ポンプ16とタービン18との間に介設されて、ポンプ回転数に対するタービン回転数の減速比が所定値以下のときにトルク増大作用を行うステータ20と、ステータ20と中空固定軸22との間に配設されてステータ20とポンプ16とが同一方向へ回転するのを許容し、その逆方向への回転を禁止する一方向クラッチ24と、タービン18とケース14との間に介設されたロックアップクラッチ(直結クラッチ)26とを有する。そして、タービン18の回転がタービンシャフト28に連結されて、タービン18がケース14に締結されたときに、このケース14を介して、トルクコンバータ10における入力軸となるエンジン出力軸12と、出力軸となるタービンシャフト28とが直結される。
【0027】
トルクコンバータ10には、図示しないオイルポンプから導かれたメインライン32により、ロックアップバルブ34のコンバータインライン36を介して作動油が導入されるようになっており、この作動油の圧力によってロックアップクラッチ26が常時締結方向に付勢されている。そして、ロックアップクラッチ26とケース14との間の空間38には、ロックアップバルブ34から導かれたロックアップ開放ライン40が接続され、このロックアップ開放ライン40から空間38内に油圧(開放圧)が導入されたときに、ロックアップクラッチ26が開放される。またトルクコンバータ10には、保圧弁42を介してオイルクーラ44に作動油を送り出すコンバータアウトライン45が接続されている。
【0028】
一方、ロックアップバルブ34は、スプール34aと、これを図面上、右方向へ付勢するスプリング34bとを有すると共に、ロックアップ開放ライン40が接続されたポート34cの両側に、メインライン32が接続された調圧ポート34dとドレンポート34eとが設けられている。また、ロックアップバルブ34の図面上、右側の端部には、スプール34aにパイロット圧を作用させる制御ライン46が接続されると共に、この制御ライン46から分岐されたドレンライン48には、公知の油圧調整器50,例えばデューティソレノイドバルブが設置されている。この油圧調整器50は、制御回路60からの制御信号に応じたデューティ率でオン・オフを繰り返して、ドレンライン48を極く短い周期で開閉することにより、制御ライン46内のパイロット圧をデューティ率に対応する値に調整する。
【0029】
そして、ロックアップバルブ34のスプール34aには、そのパイロット圧がスプリング34bの付勢力と逆方向に作用し、スプリング34bの付勢力と同方向にロックアップ開放ライン40内の開放圧が作用するようになっており、これらの油圧ないし付勢力の力関係によってスプール34aが移動して、ロックアップ開放ライン40がメインライン(調圧ポート34d)又はドレンポート34eに連通されることにより、ロックアップ開放圧が、パイロット圧、即ち油圧調整器50のデューティ率に対応する値に制御されるようになっている。
【0030】
ここで、デューティ率が最大値のときに制御ライン46からのドレン量が最大となって、パイロット圧ないし開放圧が最小となることにより、ロックアップクラッチ26が完全に締結され、またデューティ率が最小値のときに上記ドレン量が最小となって、パイロット圧ないし開放圧が最大となることにより、ロックアップクラッチ26が完全に開放される。そして、最大値と最小値の中間のデューティ率では、ロックアップクラッチ26がスリップ状態とされ、この状態で開放圧がデューティ率に応じて調整されることにより、ロックアップクラッチ26の係合力が制御される。即ち、本実施例では、ロックアップバルブ34,油圧調整器50,及び上記各油圧ラインからなる油圧回路30が、ロックアップクラッチ26の係合力、延いてはトルクコンバータ10の入出力軸間のスリップ量を調節する、係合力調節手段として働く。
【0031】
次に、制御回路60は、油圧調整器50に出力する制御信号のデューティ率を制御することにより、ロックアップクラッチ26の入出力軸間のスリップ量を制御するためのものであり、CPU,ROM,RAM,I/O等からなる周知のマイクロコンピュータにより構成されている。そして、この制御回路60には、車速センサ、スロットル開度センサ、エンジン回転数センサ、タービン回転数センサ等からの各種検出信号が入力される。
【0032】
以下、制御回路60における制御系の構成を図1に基づき説明する。なお図1はスリップ制御のための制御系の構成を表わすブロック図であり、以下に説明する各部は、後述の図3に示すフローチャートに沿ってCPUにおいて実行される制御処理により実現される。
【0033】
図1に示す如く、制御回路60においては、スリップ制御の実行条件が成立すると、目標スリップ量設定部64にて、目標スリップ量TSLP を設定すると共に、スリップ量演算部62にて、エンジン回転数センサにより検出されたエンジン回転数(換言すればトルクコンバータ10の入力軸回転数)Neと、タービン回転数センサにより検出されたタービン回転数(換言すればトルクコンバータ10の出力軸回転数)Ntとに基づき、トルクコンバータ10の入出力軸間の実際のスリップ量NSLP を演算する。なお、目標スリップ量設定部64にて設定された目標スリップ量TSLPは、偏差スリップ量演算部66及び学習補正量演算部80に夫々入力され、スリップ量演算部62にて演算されたスリップ量NSLP は、偏差スリップ量演算部66,スリップ量時間変化演算部68,基本制御量演算部70,及び学習補正量演算部80に夫々入力される。
【0034】
次に、スリップ量時間変化演算部68では、スリップ量演算部62から入力されるスリップ量NSLP の単位時間当たりの変化量(スリップ量時間変化量)NSLPDを演算し、その演算結果を、基本制御量演算部70に出力する。また、偏差スリップ量演算部66では、スリップ量NSLP と目標スリップ量TSLP との偏差(偏差スリップ量)DSLP を演算し、その演算結果を、基本制御量演算部70に出力する。
【0035】
一方、基本制御量演算部70は、スリップ量NSLP ,スリップ量時間変化量NSLPD,及び偏差スリップ量DSLP から、油圧調整器50に出力する制御信号を生成するためのデューティ率(基本制御量)DTYを演算する部分であり、目標追従部72と制御系安定化部74と制御量算出部76とから構成されている。
【0036】
即ち、基本制御量演算部70においては、目標追従部72にて、偏差スリップ量DSLP に基づきスリップ量NSLP を目標スリップ量TSLP に追従させるための目標追従制御量DT1を演算すると共に、制御系安定化部74にて、スリップ量時間変化量NSLPDとスリップ量NSLP とに基づき、スリップ量NSLP が急変するのを抑えるための安定化制御量DT2を演算し、制御量算出部76にて、これら目標追従制御量DT1及び安定化制御量DT2から、基本制御量DTYを算出する。
【0037】
また、学習補正量演算部80は、スリップ量NSLP と目標スリップ量TSLP とから、スリップ制御開始後、スリップ量NSLP が目標スリップ量TSLP に収束するまでの収束時間を計時し、その収束時間に応じて、上記基本制御量DTYに対する補正量(学習補正量)DL を演算するためのものであり、スリップ量しきい値算出部82と収束時間計測部84と目標収束時間設定部86と補正量算出部88とから構成されている。
【0038】
即ち、学習補正量演算部80においては、スリップ量しきい値算出部82にて、目標スリップ量TSLP から、スリップ量NSLP が目標スリップ量TSLP に到達したことを判定するためのしきい値NSLPSを設定し、収束時間計測部84にて、スリップ制御開始後、スリップ量NSLP が減少してしきい値NSLPSに達するまでの時間を収束時間CSPINとして計時し、目標収束時間設定部86にて、目標収束時間KSPINを設定する。そして、収束時間計測部84にて収束時間CSPINが計時されると、補正量算出部88にて、その計測された収束時間CSPINと目標収束時間KSPINとに基づき、現在設定されている学習補正量DL を補正することにより、学習補正量DL を更新する。
【0039】
次に、学習補正量演算部80にて更新された学習補正量DL は、基本制御量演算部70にて演算された基本制御量DTYと共に、制御量補正部90に入力される。そして制御量補正部90では、この入力された基本制御量DTYを学習補正量DL にて補正することにより、補正制御量DTYR を算出し、この補正制御量DTYR を制御信号生成用の制御量として出力する。
【0040】
このように本実施例では、制御回路60において、トルクコンバータ10の入出力軸間のスリップ量を制御する際には、基本制御量演算部70にてスリップ量NSLP を目標スリップ量TSLP に制御するための基本制御量DTYを演算するだけでなく、学習補正量演算部80にて、その制御開始後にスリップ量NSLP が目標スリップ量TSLP に基づき設定したしきい値NSLPSに達するまでの収束時間CSPINを計時して、その収束時間CSPINと目標収束時間KSPINとに基づき、基本制御量DTYに対する学習補正量DL を更新し、更に、制御量補正部90にて、基本制御量DTYをその更新された学習補正量DL にて補正して補正制御量DTYR を算出し、この補正制御量DTYR を実際にスリップ制御に用いる制御量として設定するようにされている。
【0041】
次に、上記各部の動作を、制御回路60のCPUにおいて実際に実行される制御処理を表わす図3のフローチャートに沿って詳しく説明する。
図3に示す如く、制御回路60においては、まずS100(S:ステップを表わす)にて、車速センサ,スロットル開度センサ,エンジン回転数センサ,及びタービン回転数センサからの検出信号に基づき、車速No,スロットル開度TVO,エンジン回転数Ne,及びタービン回転数Ntを算出する。そして、続くS110では、その算出したスロットル開度TVOと車速Noとに基づき、現在車両はスリップ制御を実行すべき運転領域(スリップロックアップ制御領域)であるかどうかを判定し、スリップロックアップ制御領域であれば、S120に移行し、逆にスリップロックアップ制御領域でなければ、S300に移行する。
【0042】
なお、このスリップロックアップ制御領域の判定のために、制御回路60のROM内には、予め、例えば図4に示すようにスロットル開度TVOと車速Noとをパラメータとする制御領域判定用のマップが格納されており、S110では、このマップを用いてスリップロックアップ制御領域の判定を行う。また図示しないが、このスリップロックアップ制御領域に比べて車速Noが高い領域には、周知のロックアップ制御領域が設定されており、車両の運転状態がこのロックアップ制御領域に入った場合には、制御回路60は、油圧調整器50にデューティ率最大(例えば100%)の制御信号を出力して、ロックアップクラッチ26を完全に締結させる。
【0043】
次にS120では、上記算出したエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとに基づき、トルクコンバータ10の入出力軸間のスリップ量NSLP (=Ne−Nt)を算出する、スリップ量演算部62としての処理を実行する。そして、続くS130では、目標スリップ量TSLP として予め設定された所定値を設定する目標スリップ量設定部64としての処理を実行し、更に続くS140にて、この設定した目標スリップ量TSLP に、例えば所定回転数(例えば30[r.p.m.])を加えることにより、目標スリップ量TSLP に極く近い値をしきい値NSLPSとして設定する、スリップ量しきい値算出部82としての処理を実行する。
【0044】
次にS150では、上記算出したスリップ量NSLP がしきい値NSLPSより小さくなったか否かを判定することにより、スリップ量NSLP がしきい値NSLPSに達したか否かを判定し、NSLP ≧NSLPSであり、スリップ量NSLP がしきい値NSLPSに達していなければ、S160にて、収束時間計時用のカウンタCSPINをインクリメントした後、S170に移行し、逆にNSLP <NSLPSであり、スリップ量NSLP がしきい値NSLPSに達していれば、そのままS170に移行する。
【0045】
なお、S150及びS160の処理は、スリップ量NSLP がしきい値NSLPSに達するまでの時間を計時する収束時間計測部84を実現しており、S160にてインクリメントされるカウンタCSPINの値がそのまま計算上の収束時間となる。次にS170では、S120にて今回算出したスリップ量NSLP(n)と、前回算出したスリップ量NSLP(n−1)とに基づき、スリップ量時間変化量NSLPD(=NSLP(n)−NSLP(n−1))を算出する、スリップ量時間変化演算部68としての処理を実行する。なお、スリップ量時間変化量NSLPDの算出には、必ずしもS120にて前回算出したスリップ量NSLP(n−1)を使用する必要はなく、例えば、S120にて2回以上前に算出したスリップ量を用いるようにしてもよい。
【0046】
そして続くS180では、S130にて設定した目標スリップ量TSLP と、S120にて算出したスリップ量NSLP とに基づき偏差スリップ量DSLP (=TSLP −NSLP )を算出する、偏差スリップ量演算部66としての処理を実行し、続くS190にて、この算出した偏差スリップ量DSLP と、偏差スリップ量DSLP の積算値ΣDSLP と、予め設定された比例ゲインKp2と、積分ゲインKiとに基づき、所定の演算式「DT1=Ki×ΣDSLP+Kp2×DSLP」を用いて目標追従制御量DT1を算出する、目標追従部72としての処理を実行する。
【0047】
なお、比例ゲインKp2及び積分ゲインKiは、制御開始後、スリップ量NSLP が所定時間(例えば2sec.)以内に目標スリップ量TSLP 付近の領域(30〜80[r.p.m.]の領域)となるように予め設定されている。
こうして目標追従制御量DT1が算出されると、S200に移行し、S120にて算出したスリップ量NSLP と、S170にて算出したスリップ量時間変化量NSLPDと、予め設定された比例ゲインKpと、微分ゲインKdとに基づき、所定の演算式「DT2=Kp×NSLP +Kd×NSLPD」を用いて、安定化制御量DT2を算出する、制御系安定化部74としての処理を実行する。そして、続くS210では、S190にて算出された目標追従制御量DT1と、S200にて算出された安定化制御量DT2と、予め設定されたオフセット量DF とに基づき、基本制御量DTY(=DT1+DT2+DF )を算出する、制御量算出部76としての処理を実行する。
【0048】
なお、S200にて安定化制御量DT2を算出するのに使用される比例ゲインKp及び微分ゲインKdは、制御の結果、スリップ量NSLP が振動的にならないように設定されている。また、S200にて安定化制御量DT2を算出するに当たって、本実施例では、スリップ量NSLP をそのままフィードバックするようにしているが、スリップ量NSLP に一定のオフセット量を加えた値をフィードバックするようにしてもよい。また、S210にて基本制御量DTYを算出する際には、目標追従制御量DT1と安定化制御量DT2とオフセット量DF とをそのまま加算するようにしているが、目標追従制御量DT1と安定化制御量DT2とのいずれかに重み付けを行うことにより、スリップ制御の収束性と安定性とのいずれかを重視した制御を行うことができる。
【0049】
次に、上記のように基本制御量DTYが算出されると、S220に移行して、その算出された基本制御量DTYと、後述のS320にて算出された学習補正量DL とから、補正制御量DTYR (=DTY+DL )を算出する、制御量補正部90としての処理を実行する。そして、続くS230にて、この補正制御量DTYR に対応したデューティ率にて制御信号を生成して、油圧調整器50に出力し、再度S100に移行する。
【0050】
一方、S110にて、現在、スリップロックアップ制御領域ではないと判断された場合に実行されるS300では、前回S110にてスリップロックアップ制御領域であると判断されてS120〜S230が実行された直後であるか否か、換言すれば、現在、スリップ制御が終了した直後であるか否か、を判定する。そして、現在、スリップ制御が終了した直後ではないと判断された場合には、再度S100に移行し、S100→S110→S300の処理を繰返し実行することにより、スリップ制御の実行条件が成立するのを待つ。
【0051】
次に、前回S110にてスリップロックアップ制御領域である旨が判定されており、S300にて、現在、スリップ制御が終了した直後であると判断された場合には、S310に移行する。そして、S310では、目標収束時間KSPINとして予め設定された所定値を設定する、目標収束時間設定部86としての処理を実行し、続くS320にて、この設定された目標収束時間KSPINと、前回のスリップ制御実行時にS160にてカウントアップされた収束時間計時用のカウンタCSPINの値(つまり収束時間CSPIN)と、現在設定されている学習補正量DL と、予め設定された補正ゲインKtとに基づき、学習補正量更新用の演算式「DL =DL +Kt×(CSPIN−KSPIN)」を用いて、収束時間CSPINが目標収束時間KSPINとなるように、学習補正量DL を更新する、補正量算出部88としての処理を実行し、S100に移行する。
【0052】
なお、目標収束時間KSPINには、燃費とフィーリングとを両立できる時間として、例えば2sec.に対応した値が設定される。また、補正ゲインKtは予め実験で求められており、学習補正量DL は、この補正ゲインKtを用いた上記演算式により、収束時間CSPINが目標収束時間KSPINよりも大きいときはロックアップクラッチ26が締結側に動き、収束時間CSPINが目標収束時間KSPINよりも小さいときはロックアップクラッチ26が開放側へ動くように更新される。
以上説明したように、本実施例では、車両の運転状態がスリップ制御を実行すべきスリップロックアップ制御領域に入ってスリップ制御を開始すると、その後、スリップ量NSLP がしきい値NSLPSに達するまでの時間を、カウンタを用いて収束時間CSPINとして計時し、スリップ制御終了直後に、その計時した収束時間CSPINと目標収束時間KSPINとの偏差(CSPIN−KSPIN)に所定の補正ゲインKtを乗じた補正値にて学習補正量DL を補正することにより、学習補正量DL を収束時間CSPINが目標収束時間KSPINとなるように更新するようにされている。
【0053】
このため、本実施例によれば、油圧回路30を構成するロックアップバルブ34や油圧調整器50の特性のばらつき、或は油温の変化等によって、S210で求めた基本制御量DTYでは、ロックアップクラッチ26の係合力を所望の値に制御できず、スリップ量NSLP が目標スリップ量TSLP に収束するまでの収束時間CSPINが目標収束時間KSPINから大きくずれるような場合であっても、その収束時間CSPINのばらつきに応じて更新される学習補正量DL によって、最終的には、制御に用いる補正制御量DTYR を油圧回路30の特性に応じた最適値に設定することができるようになり、収束時間のばらつき及びスリップ量のハンチングを防止して、常に良好なスリップ制御を実現できる。
【0054】
また本実施例では、スリップ量NSLP が目標スリップ量TSLP に所定回転数を加えたしきい値NSLPSに達するまでの時間を収束時間CSPINとして計時するようにしているため、油圧回路30側のばらつきによりスリップ量NSLP が目標スリップ量TSLP に達した後にハンチングするような場合であっても、そのハンチングに影響されることなく収束時間CSPINを正確に計時することができ、学習補正量DL を常に正確に更新することができる。
【0055】
ここで、本実施例では、目標収束時間KSPINとして予め設定された所定値を設定するものとして説明したが、目標収束時間KSPINは、スロットル開度TVOや車速No等に基づき、車両の運転状態に応じて設定するようにしてもよい。
例えば、スロットル開度TVOが大きい場合には、目標収束時間KSPINが小さいと車両乗員に減速感を与えるようになるため、S310において目標収束時間KSPINを設定する際には、スロットル開度TVOが大きい場合には目標収束時間KSPINが長く、逆にスロットル開度TVOが小さい場合には目標収束時間KSPINが短くなるように、目標収束時間KSPINを設定するようにしてもよい。また、例えば車両の加速走行時には、タービン回転数Ntが連続的に増加するため、車両の定速走行時に比べてスリップ量NSLP が目標スリップ量TSLP に収束し易く、収束時間CSPINも比較的短くなることから、S310において目標収束時間KSPINを設定する際には、車速Noが略一定の定速走行時には目標収束時間KSPINが長く、車速Noが増加している加速走行時には目標収束時間KSPINが短くなるように、目標収束時間KSPINを設定するようにしてもよい。
【0056】
そしてこのように車両の運転状態に応じて目標収束時間KSPINを設定するようにすれば、車両の運転状況の変化によって生じる学習補正量DL の誤学習を防止して、燃費やフィーリングをより向上することができる。
また本実施例では、S320にて学習補正量DL を更新するに当たって、S160にてカウンタを用いて計測した収束時間CSPINをそのまま使用するように構成したが、例えば、過去複数回のスリップ制御実行時に計測した収束時間CSPINを記憶しておき、S320にて学習補正量DL を更新する際には、その記憶した過去複数回分の収束時間CSPINの平均値と、目標収束時間KSPINとに基づき、学習補正量DL を更新するようにしてもよい。そして、この場合には、S160にて何等かの原因で収束時間CSPINを正確に計測できなかったとしても、その誤った収束時間CSPINを用いて学習補正量DL を大きく補正してしまうことを防止でき、学習補正量DL を良好に更新することができる。
【0057】
また更に、本実施例では、学習補正量DL を更新するのに使用される補正ゲインKtは、予め実験により求めた一定値として説明したが、この補正ゲインKtを、学習補正量DL の更新回数(つまり学習回数)が増えるにつれて小さくするようにしてもよい。そして、このようにすれば、学習補正量DL によって収束時間CSPINのばらつきを充分に補償できない時期には、収束時間CSPINを目標収束時間KSPINに近付けるために学習補正量DL を大きく補正して、学習補正量DL を油圧回路30側の特性に応じた最適値に速やかに近付け、学習補正量DL により収束時間CSPINのばらつきを補償できるようになると、学習補正量DL が車両の運転方法や走行環境の変化による影響を受けないようにすることができる。
【0058】
また、スロットル開度TVOが変化するエンジンの過渡運転時や車両の登坂・降坂走行時等、車両の走行環境が変化した場合には、補正ゲインKtを通常より小さくしたり、或は補正ゲインKtを零にして学習補正量DL の更新を禁止するようにしてもよい。そして、このようにすれば、学習補正量DL を、車両の運転方法や走行環境の変化による影響を受けることなく更新することができ、スリップ制御をより良好に実行することが可能になる。
【0059】
なお、本実施例では、車両用自動変速機(AT)に設けられたトルクコンバータ10のスリップ制御を行う装置について説明したが、本発明は、車両用流体伝動装置の入出力軸間のスリップ量を制御する装置であれば適用でき、例えば、車両の動力伝達系に設けられた流体継手の入出力軸間のスリップ量を制御する装置であっても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例においてスリップ制御を行う制御系の構成を表わすブロック図である。
【図2】実施例のトルクコンバータ及び油圧回路の構成を表わす構成図である。
【図3】実施例の制御回路においてスリップ制御のために実行される制御処理を表わすフローチャートである。
【図4】スリップ制御実行条件判定用のマップを表わす説明図である。
【図5】収束時間のばらつき及び本発明の動作を説明する説明図である。
【図6】本発明の構成を例示するブロック図である。
【符号の説明】
10…トルクコンバータ 12…エンジン出力軸 16…ポンプ
18…タービン 20…ステータ 26…ロックアップクラッチ
28…タービンシャフト 30…油圧回路 34…ロックアップバルブ
50…油圧調整器 60…制御回路 62…スリップ量演算部
64…目標スリップ量設定部 66…偏差スリップ量演算部
68…スリップ量時間変化演算部 70…基本制御量演算部
72…目標追従部 74…制御系安定化部 76…制御量算出部
80…学習補正量演算部 82…スリップ量しきい値算出部
84…収束時間計測部 86…目標収束時間設定部 88…補正量算出部
90…制御量補正部

Claims (3)

  1. 車両用流体伝動装置の入出力軸間のスリップ量を演算するスリップ量演算手段と、
    前記流体伝動装置に設けられた直結クラッチの係合力を調節する係合力調節手段と、
    前記スリップ量演算手段にて演算されたスリップ量と予め設定された目標スリップ量とに基づき、該スリップ量を目標スリップ量に制御するための前記係合力調節手段の制御量を演算する制御量演算手段と、
    を備え、車両の所定の運転条件下で、前記制御量演算手段にて求められた制御量に応じて前記係合力調節手段を駆動して、前記スリップ量を前記目標スリップ量に収束させるスリップ制御を実行する、車両用直結クラッチ付流体伝動装置のスリップ制御装置において、
    前記制御量演算手段にて演算された制御量に補正量を加算することにより該制御量を補正し、該補正後の補正制御量を前記係合力調節手段の駆動に用いる制御量として設定する制御量補正手段と、
    前記スリップ制御を開始する度に、前記スリップ量が目標スリップ量に収束するまでの収束時間を計時する収束時間計時手段と、
    該収束時間計時手段にて計時された収束時間と予め設定された目標収束時間とに基づき、以降のスリップ制御において収束時間が目標収束時間となるように、前記制御量補正手段による制御量の補正量を更新する補正量更新手段とを備え
    前記補正量更新手段は、前記収束時間と前記目標収束時間との偏差に補正ゲインを乗じた補正値にて前記補正量を補正することにより該補正量を更新するよう構成され、更に、前記補正量更新手段による前記補正量の更新回数が増加するに従い前記補正ゲインを減少させる補正ゲイン更新手段を設けたことを特徴とする車両用直結クラッチ付流体伝動装置のスリップ制御装置。
  2. 前記収束時間計時手段は、前記スリップ制御の開始後、前記スリップ量が前記目標スリップ量に所定値を加えたしきい値に達するまでの時間を収束時間として計時することを特徴とする請求項1に記載の車両用直結クラッチ付流体伝動装置のスリップ制御装置。
  3. 車両の運転状態に応じて前記目標収束時間を設定する目標収束時間設定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用直結クラッチ付流体伝動装置のスリップ制御装置。
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