JP3435782B2 - トルクコンバータのロックアップ制御装置 - Google Patents

トルクコンバータのロックアップ制御装置

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JP3435782B2
JP3435782B2 JP3706994A JP3706994A JP3435782B2 JP 3435782 B2 JP3435782 B2 JP 3435782B2 JP 3706994 A JP3706994 A JP 3706994A JP 3706994 A JP3706994 A JP 3706994A JP 3435782 B2 JP3435782 B2 JP 3435782B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トルクコンバータのロ
ックアップ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータのロックアップ制御装
置の従来例としては、例えば特開平3−292461号
公報に記載されたものがある。この従来例は、トルクコ
ンバータのポンプインペラ側とタービンランナ側とを締
結可能なロックアップクラッチを具えており、該ロック
アップクラッチの締結容量を、電気的アクチュエータ
(ソレノイド)によってリリース圧を制御することによ
り制御するように構成されている。
【0003】また、この従来例は、ロックアップ締結指
令が発せられたとき、リリース圧制御目標値の初期値に
その時点のロックアップクラッチのすべりに応じた値を
加えて求めた駆動信号(デューティ比)を電気的アクチ
ュエータに出力してロックアップ制御を行うとともに、
その駆動信号の出力の開始から実際にロックアップクラ
ッチのすべりが変化するまでの遅れ時間の長短に応じて
上記初期値を増減させる補正を行うようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記初期値は、ロック
アップ締結時間を可能な限り短縮し、かつロックアップ
締結時にショックを可能な限り発生させない値になるよ
うに適正化する必要がある。しかしながら、上記従来例
においては、上述したように、ロックアップ締結指令に
応じて電気的アクチュエータに出力する駆動信号の初期
値を、その駆動信号の出力の開始から実際にロックアッ
プクラッチのすべりが変化するまでの遅れ時のみ間に基
づいて学習制御することにより補正しているため、ライ
ン圧やエンジン油温等の運転状況に応じて絶えず変化す
るパラメータやソレノイド供給電圧等の経時変化するパ
ラメータを含む締結関与条件の、上記初期値に対する影
響を全て考慮するためには各パラメータについて夫々同
様の学習制御による補正を行わねばならず、適正な初期
値を得るためには複雑な学習ロジックが必要になる。ま
た、上記学習制御により適正な初期値を得るまでには多
くの走行距離(多くの時間)を必要とし、その間、ロッ
クアップ締結ショックが発生したり、締結時間が長くな
ってロックアップが遅延することにより燃費を悪化させ
る惧れがある。
【0005】本発明は、アプライ圧等の締結関与条件に
応じて、電気的アクチュエータのリリース圧制御目標値
の初期値を設定することにより、上述した問題を解決す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的のため、本発明
の請求項1の構成は、エンジンの出力軸と共に回転する
ポンプインペラ側と自動変速機の入力軸と共に回転する
タービンランナ側とを締結可能なロックアップクラッチ
を具え、電気的アクチュエータによって前記ロックアッ
プクラッチが解除される方向に作用するリリース圧を制
御することにより前記ロックアップクラッチの締結容量
を制御するようにしたトルクコンバータのロックアップ
制御装置において、ロックアップクラッチの締結力が発
生しない圧力をリリース圧制御目標値の初期値と定義し
たとき、ライン圧に応じて推定されたアプライ圧に基づ
き前記リリース圧制御目標値の初期値を設定する初期値
設定手段と、該初期値に基づいて決定した駆動信号を前
記電気的アクチュエータに出力する駆動信号出力手段と
を具え、前記リリース圧を前記初期値に制御した後に、
前記ロックアップクラッチの締結制御を行うようにした
ことを特徴とするものである。
【0007】上記目的のため、本発明の請求項2の構成
は、エンジンの出力軸と共に回転するポンプインペラ側
と自動変速機の入力軸と共に回転するタービンランナ側
とを締結可能なロックアップクラッチを具え、電気的ア
クチュエータによって前記ロックアップクラッチが解除
される方向に作用するリリース圧を制御することにより
前記ロックアップクラッチの締結容量を制御するように
したトルクコンバータのロックアップ制御装置におい
て、ロックアップクラッチの締結力が発生しない圧力を
リリース圧制御目標値の初期値と定義したとき、ライン
圧および油温に応じて推定されたアプライ圧に基づき前
記リリース圧制御目標値の初期値を設定する初期値設定
手段と、該初期値に基づいて決定した駆動信号を前記電
気的アクチュエータに出力する駆動信号出力手段とを具
え、前記リリース圧を前記初期値に制御した後に、前記
ロックアップクラッチの締結制御を行うようにしたこと
を特徴とするものである。
【0008】上記目的のため、本発明の請求項3の構成
は、エンジンの出力軸と共に回転するポンプインペラ側
と自動変速機の入力軸と共に回転するタービンランナ側
とを締結可能なロックアップクラッチを具え、電気的ア
クチュエータによって前記ロックアップクラッチが解除
される方向に作用するリリース圧を制御することにより
前記ロックアップクラッチの締結容量を制御するように
したトルクコンバータのロックアップ制御装置におい
て、ロックアップクラッチの締結力が発生しない圧力を
リリース圧制御目標値の初期値と定義したとき、前記リ
リース圧制御目標値の初期値を設定する初期値設定手段
と、該初期値に基づいて決定した駆動信号を前記電気的
アクチュエータに出力する駆動信号出力手段と、前記電
気的アクチュエータへの供給電圧を検出する供給電圧検
出手段とを具え、該供給電圧検出手段により検出された
前記電気的アクチュエータへの供給電圧に基づき前記初
期値を補正するとともに、前記リリース圧を前記初期値
に制御した後に、前記ロックアップクラッチの締結制御
を行うようにしたことを特徴とするものである。
【0009】本発明の請求項4の構成は、前記初期値設
定手段は、推定されたアプライ圧が低いほど前記リリー
ス圧制御目標値の初期値を低く設定することを特徴とす
るものである。
【0010】本発明の請求項5の構成は、前記リリース
圧制御目標値の初期値は、ロックアップ締結開始時以後
も更新し続けるようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0011】
【作用】本発明の請求項1の構成においては、電気的ア
クチュエータによってリリース圧を制御することにより
トルクコンバータのロックアップクラッチの締結容量を
制御する際には、ロックアップクラッチの締結力が発生
しない圧力をリリース圧制御目標値の初期値と定義した
とき、初期値設定手段は、ライン圧に応じて推定された
アプライ圧に基づき前記リリース圧制御目標値の初期値
を設定するから、該初期値は、運転状況に応じて変化す
るパラメータや経時変化するパラメータの影響を考慮し
た、適正な初期値となる。
【0012】本発明の請求項2の構成においては、電気
的アクチュエータによってリリース圧を制御することに
よりトルクコンバータのロックアップクラッチの締結容
量を制御する際には、ロックアップクラッチの締結力が
発生しない圧力をリリース圧制御目標値の初期値と定義
したとき、初期値設定手段は、ライン圧および油温に応
じて推定されたアプライ圧に基づき前記リリース圧制御
目標値の初期値を設定するから、該初期値は、運転状況
に応じて変化するパラメータや経時変化するパラメータ
の影響を考慮した、適正な初期値となる。
【0013】本発明の請求項3の構成においては、電気
的アクチュエータによってリリース圧を制御することに
よりトルクコンバータのロックアップクラッチの締結容
量を制御する際には、ロックアップクラッチの締結力が
発生しない圧力をリリース圧制御目標値の初期値と定義
したとき、初期値設定手段は前記リリース圧制御目標値
の初期値を設定し、供給電圧検出手段は前記電気的アク
チュエータへの供給電圧を検出し、該供給電圧検出手段
により検出された前記電気的アクチュエータへの供給電
圧に基づき前記初期値を補正するから、該初期値は、運
転状況に応じて変化するパラメータや経時変化するパラ
メータの影響を考慮した、適正な初期値となる。
【0014】本発明の請求項4の構成においては、前記
初期値設定手段は、推定されたアプライ圧が低いほど前
記リリース圧制御目標値の初期値を低く設定するから、
初期値設定手段が設定したリリース圧制御目標値の初期
値は、請求項1,2で求めた運転状況に応じて変化する
パラメータや経時変化するパラメータの影響を考慮し
た、適正な初期値となる。
【0015】本発明の請求項5の構成においては、前記
リリース圧制御目標値の初期値は、ロックアップ締結開
始時以後も更新し続けるようにしたから、初期値設定手
段が設定したリリース圧制御目標値の初期値は、請求項
〜4で求めた運転状況に応じて変化するパラメータや経
時変化するパラメータの影響を考慮した、適正な初期値
となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明の第1実施例のトルクコンバー
タのロックアップ制御装置およびそれを適用する油圧回
路の構成を示す図であり、図中1は圧力源を示す。な
お、この油圧回路の類似例としては、日産自動車(株)
の「RE4R02A型 オートマチックトランスミッシ
ョン 整備要領書」がある。
【0017】圧力源1は、オイルポンプ、プレッシャレ
ギュレータバルブ、パイロットバルブ等を含み、スロッ
トル圧およびRレンジ圧を指令圧とするライン圧P
と、パイロット圧Ppiと、トルクコンバータ圧Ptとを
発生する。圧力源1において、パイロット圧Ppiを供給
するパイロット圧油路2は、オリフィス13、ロックア
ップ信号圧油路23を介してロックアップコントロール
バルブ20およびロックアップソレノイド24に接続さ
れるとともに、油路3を介してロックアップコントロー
ルバルブ20に接続されている。また、トルクコンバー
タ圧Ptを供給するトルクコンバータ圧油路10は、ト
ルクコンバータリリーフバルブ21および油路22を介
してロックアップコントロールバルブ20に接続され、
さらにロックアップコントロールバルブ20からリリー
ス圧油路6を介してトルクコンバータ14のリリース側
に接続されている。なお、圧力源1およびトルクコンバ
ータリリーフバルブ21間には、リリース側からのドレ
ンを導く油路4が接続されている。
【0018】ロックアップコントロールバルブ20はス
プール20a、プラグ20bおよびスプリング20cを
具えて成り、上記の他、アプライ圧油路5を介してトル
クコンバータ14のアプライ側に接続されている。ま
た、ロックアップコントロールバルブ20の図示したポ
ートは夫々、オリフィス9、15、16および潤滑油路
11を介してオイルクーラ12および後部潤滑系に接続
されている。
【0019】次に、上記油圧回路においてロックアップ
制御を行う制御回路について説明する。この制御回路
は、ロックアップ制御を司るコントロールユニット30
と、エンジン油温tを検出する油温センサ(油温検出手
段)31と、スロットル開度Tvoを検出するスロットル
センサ32と、エンジン回転速度Neを検出するエンジ
ン回転速度センサ33と、タービン回転速度Ntを検出
するタービン回転速度センサ34と、車速Vspを検出す
る車速センサ35と、バッテリ電圧Vbを検出するバッ
テリ電圧センサ(供給電圧検出手段)36とを具えて成
る。コントロールユニット30は、上記各センサからの
入力信号Ne、Nt、Tvo、t,VspおよびVbに基づ
いて図2および図3の制御プログラムを実行することに
より、本発明の狙いとするリリース圧制御目標値の初期
値の学習制御による適正化を含む、ロックアップ制御を
行う。
【0020】図2はコントロールユニット30により所
定周期毎に繰り返し実行されるロックアップ制御の制御
プログラムを示すフローチャートである。図2におい
て、まずステップ102で、センサ31〜35よりN
e、Nt、Tvo、t,Vspを読み込み、ステップ104
で前回の処理ルーチンにおける滑り回転速度NsをOL
DNsに更新してから、ステップ106で今回の滑り回
転速度NsをNs=|Ne−Nt|により求める。
【0021】次のステップ108では、現在の車速Vsp
が所定車速(ロックアップクラッチの締結許容車速)V
LUを越えたか否かを判定する。この判定においてVsp
≦VLUのNOであれば、ステップ109でロックアッ
プフラグFをクリア(F=0)して今回の処理ルーチン
を終了し、Vsp>VLUのYESであれば、ステップ1
10でロックアップフラグFが0か否かを判定する。こ
の判定においてF=0のYESであれば、ステップ11
2〜118を実行し、F=1のNOであれば、ステップ
112〜118の処理をスキップする。
【0022】ステップ112では、フラグFをセットし
(F=1)、ステップ114では、係数kを油温tの関
数f1(t)として求める(作動油の粘性係数の関数と
して求めてもよい)とともに、ライン圧Pをスロッ
トル開度Tvoの関数f2(Tvo)として求める。次い
で、ステップ116でアプライ圧Paを係数kとライン
圧Pとの積として求め、ステップ118で、ロック
アップソレノイド24に対するデューティ比Dの初期値
をアプライ圧Paの関数f3(Pa)により設定
する。この設定は、例えば、前記ステップ116で求め
たアプライ圧Paが低いほど初期値d を低く設定す
るようにする。なお、上記ステップ114はライン圧検
出手段として機能し、上記ステップ118は初期値設定
手段として機能する。
【0023】次のステップ120では、上記ステップ1
06で求めた実際の滑り回転速度Nsと、予め設定した
目標滑り回転速度Nsobjとの偏差eを求め、ステップ1
22で、フィードバック制御に用いるIを、フィードバ
ック係数Kiおよびeの積を前回の処理ルーチンのIに
加算して求め、ステップ124では、ロックアップソレ
ノイド24に対するデューティ比(指令値)D をD
=Kp×e+I+dにより設定する。ただし、K
pはフィードバック係数である。
【0024】次のステップ126では、図3のサブルー
チンによってデューティ比Dの補正を行う。すなわち、
図3のステップ132でバッテリ電圧センサ36よりバ
ッテリ電圧(定電圧)Vrを読み込み、ステップ134
で基準電圧Vからのずれ(電圧低下分)VεをVε=V
−Vrにより求め、ステップ136でデューティ比の電
圧変動補正分Δdを、Δd=KVεにより求める。ここ
で、Kは補正係数である。そして、ステップ138で
は、D=D +Δdにより、先に電圧変動以外の要因
により設定したデューティ比D に前記電圧変動補正
分Δdを加えたものを補正後デューティ比Dに決定す
る。そして、図2に戻って、次のステップ128で、補
正後デューティ比Dをロックアップソレノイド24に出
力する。なお、上記ステップ128は駆動信号出力手段
として機能する。
【0025】次に、本実施例の作用を説明する。上記油
圧回路において、圧力源1は、スロットル開度Tvoに応
じて生成されるスロットル圧によって、ライン圧を必要
量が得られるように制御している。ライン圧が所定ライ
ン圧に達していない場合には、ライン圧油路およびトル
クコンバータ圧油路10の開口面積が減少する結果、ト
ルクコンバータや潤滑系に供給される油量が減少するこ
とにより、ライン圧を所定値まで上昇させる。圧力源1
の図示しないオイルポンプの吐出流量が、上記ライン圧
の必要量を得るための吐出流量に対し十分な余裕を有し
ている場合、トルクコンバータ圧油路10がライン圧油
路に対し十分開口する調圧位置で安定状態になる。
【0026】ロックアップソレノイド24は、デューテ
ィ比Dに応じてロックアップ信号圧Psig を出力して、
デューティ比が大きくなるほどトルクコンバータのリリ
ース圧を低下させるように設計されている。ロックアッ
プコントロールバルブ20は、ロックアップソレノイド
24の出力圧(ロックアップ信号圧Psig )に応じてト
ルクコンバータ圧油路22のロックアップコントロール
バルブ供給圧を減圧することにより、リリース圧油路6
のリリース圧Prを制御するが、当然のことながら、リ
リース圧Prをトルクコンバータ圧油路22のロックア
ップコントロールバルブ供給圧以上に制御することはで
きず、低デューティ域ではトルクコンバータ供給圧に応
じてリリース圧制御の不感帯が変化する。
【0027】デューティ比が不感帯に該当している場
合、デューティ比制御において目標とするリリース圧が
得られないことになるので、ロックアップコントロール
バルブのスプール20aは、その左端に作用するロック
アップソレノイド信号圧Psigによる力およびスプリン
グ20bによる力の合力(スプール20aを右方向に押
す力)が、プラグ20bの右端に作用するリリース圧P
rによる力およびプラグ20bの肩部に作用する一定値
のパイロット圧Ppiによる力の合力(スプール20aを
左方向に押す力)を上回るため、スプール20aは右方
向のストローク端に位置することになり、アプライ圧油
路5が潤滑油路11に接続された状態になる。
【0028】一方、デューティ比を不感帯から減少させ
ていくと、リリース圧制御目標値およびロックアップコ
ントロールバルブ供給圧が等しくなるデューティ比で、
スプール20aおよびプラグ20bが調圧位置に位置す
ることになり、この状態においては、スプール20aに
よりアプライ圧油路5はトルクコンバータ圧油路22に
接続される。よって、デューティ比が上記デューティ比
以下の場合にはロックアップソレノイド24の出力圧に
応じてリリース圧Prが制御されるが、リリース圧Pr
が0になるデューティ比以上になった場合にはスプール
20aを左方に押す力の方が大きくなるので、スプール
20aは左方向のストローク端に位置することになり、
リリース圧油路6は完全にドレンポート20dに接続さ
れた状態になる。
【0029】上記において、デューティ比と各部の油圧
(アプライ圧Pa、リリース圧Pr、ロックアップ信号
圧Psig )との関係は図4の特性図に示すようになる。
すなわち、アプライ圧Paおよびリリース圧prはロッ
クアップコントロールバルブ供給圧が最大値P1のとき
は実線の特性となり、最小値P2のときは点線の特性と
なる。ロックアップクラッチの伝達トルクは(Pa−P
r)に比例し、ロックアップコントロールバルブ供給圧
が最大値P1である場合にはデューティ比がd 以上
のとき伝達トルクを発生するのに対し、ロックアップコ
ントロールバルブ供給圧が最小値P2である場合にはデ
ューティ比がd 以上のときだけ伝達トルクを発生す
ることになる。
【0030】ところで、ロックアップ締結ショック特性
を悪化させないようにスムーズにロックアップ締結させ
るため、エンジン回転数Neおよびタービン回転数Nt
の差分により求めたスリップ回転数が所定のスリップ目
標値に追従するようにフィードバック制御を行うのが一
般的であり、その一般的なフィードバック制御において
は、デューティ比の初期値はd1 以下となるが、アプ
ライ圧Paが低い場合にd 以下の値の初期値を用い
てロックアップ締結のPI制御を行った場合、ロックア
ップ締結ショックを発生させないために必要になる低い
制御定数を用いなければならず、ロックアップ締結まで
に非常に長い時間がかかってしまう。そこで、上記初期
値を学習制御により適正値に補正することが要求される
が、本実施例では、アプライ圧Paが種々の締結関与条
件に応じて変化することを考慮して、各締結関与条件に
ついて総合的に学習制御を行うようにしている。
【0031】例えば、図1の油圧回路において、圧力源
1からトルクコンバータ圧油路10、トルクコンバータ
リリーフバルブ21およびトルクコンバータ圧油路22
を経てロックアップコントロールバルブ20に作動油を
導く経路に、潤滑系の作動油が流通するため、その圧力
損失分だけアプライ圧Paがライン圧P から降下す
ることを考慮している。すなわち、図2のステップ11
4で係数(比例定数)kを油温tの関数として求めるこ
とにより油温の影響を考慮し、ステップ116でライン
圧からの降下の割合をアプライ圧に反映させるためアプ
ライ圧PaをPa=k・P により算出(推定)し、
得られたアプライ圧(推定値)Paに基づいてステップ
118でリリース圧制御目標値の初期値d をd
f3(Pa)に設定しているので、このd はロック
アップ締結力を発生しない最大のデューティ比となる。
したがって、この適正化された初期値を用いるロックア
ップ制御により、締結ショックを生じさせない最短の締
結時間でロックアップ締結を行うことが可能になる。
【0032】また、図2のステップ108の判断がYE
Sのとき(車速Vspがロックアップ許容車速VLUを越
えているとき;ロックアップ締結判断時)、制御1回目
はステップ110がYESになるが、制御2回目以降は
NOになってステップ112〜118をスキップするの
で、制御1回目の初期値d は、ロックアップ締結判
断後ロックアップ解放判断(ステップ108の判断がN
O)がなされるまで更新されない。よって、ステップ1
24で得られるデューティ比D は、当該ロックアッ
プ締結中はフィードバック定数により変更されること以
外、他の締結関与条件により変更されることはなく、制
御の安定性に悪影響が及ぶことはない。ただし、一旦ロ
ックアップ解放判断がなされると、ステップ109でフ
ラグFがクリア(F=0)されるため、次回のロックア
ップ締結判断時には改めて当該状況に応じて初期値d
が設定されるから、大きな応答遅れやロックアップ締
結ショックを生じることなくロックアップ締結すること
ができる。
【0033】ところで、上記初期値の適正化は、ロック
アップソレノイド24に対する供給電圧であるバッテリ
電圧が一定値を保っていることを前提としているが、実
際にはバッテリ電圧は変動するため、図5に示すように
デューティ比(ONデューティ比)出力特性が変化して
しまう。このため、同一デューティ比であっても、実際
のロックアップソレノイド出力圧はバッテリ電圧に応じ
てばらつくことになり、ロックアップ締結ショック特性
が悪化する。これに対し、本実施例は、図3の制御プロ
グラムを実行することにより、バッテリ電圧Yrの基準
電圧VからのずれVεに応じてデューティ比の電圧変動
補正分Δdを求め、それによりデューティ比(指令値)
を補正しているので、電圧変動の影響がキャンセルされ
ることになり、適正な初期値が得られる。
【0034】図6は本発明の第2実施例における、コン
トロールユニットによるロックアップ制御の制御プログ
ラムを示すフローチャートである。この第2実施例は、
初期値d を決定するためにアプライ圧を求める処理
を行わずに、ライン圧(またはそれを決定するスロット
ル開度Tvo)および油温から直接、初期値d を求め
るように変更した点が第1実施例と相違している。この
変更のため、上記第1実施例の図2の制御プログラムの
ステップ110〜118を図6のステップ150に置き
換えるとともに、図2のステップ108のNOの次のス
テップ109を図6では削除している。
【0035】図6においては、ステップ108でロック
アップ締結判断(Vsp>VLU)がなされた場合、次の
ステップ150で、スロットル開度Tvoおよび油温tに
基づいて図示しないマップを検索することにより初期値
を求めるようになっており、それ以外のステップ
は図2と同一であるので説明を省略する。なお、上記に
おいては、ライン圧(スロットル開度)および油温で初
期値を表わしたマップを用いているが、油温を用いずに
ライン圧のみで初期値を表わしたマップを用いてライン
圧のみでマップ検索するようにしても十分な効果が得ら
れる。また、ライン圧やスロットル開度の代わりに変速
段を用いて初期値を表わしたマップを用いてもよい。ま
た、上記ライン圧としては、ライン圧をコントローラお
よび電子制御油圧アクチュエータで制御するシステムを
用いる場合、コントローラ内で決定したライン圧制御目
標値を用いればよい。
【0036】この第2実施例は、ロックアップ締結中、
運転条件に応じて絶えず初期値dを更新し続けてい
る。すなわち、図6のステップ108のロックアップ締
結判断に影響を及ぼさない範囲でのアクセル踏み込みに
よるスロットル開度変化等に応じて初期値d が変更
され、このライン圧変動に対応した初期値変更によりロ
ックアップソレノイドの出力デューティ比が変更される
ので、アプライ圧の急上昇によるロックアップ締結力の
急増時も連続的にロックアップ制御することができる。
したがって、ロックアップ締結判断後の運転状況変化に
応じてロックアップ締結ショックをさらに低減すること
ができる。
【0037】
【発明の効果】かくして本発明の請求項1の構成は上述
の如く、電気的アクチュエータによってリリース圧を制
御することによりトルクコンバータのロックアップクラ
ッチの締結容量を制御する際に、ロックアップクラッチ
の締結力が発生しない圧力をリリース圧制御目標値の初
期値と定義したとき、初期値設定手段は、ライン圧に応
じて推定されたアプライ圧に基づき前記リリース圧制御
目標値の初期値を設定するから、該初期値は、運転状況
に応じて変化するパラメータや経時変化するパラメータ
の影響を考慮した、適正な初期値となる。したがって、
この適正化された初期値を用いるロックアップ制御によ
り、締結ショックを生じさせない最短の締結時間でロッ
クアップ締結を行うことが可能になる。
【0038】また、本発明の請求項2の構成において
は、電気的アクチュエータによってリリース圧を制御す
ることによりトルクコンバータのロックアップクラッチ
の締結容量を制御する際に、ロックアップクラッチの締
結力が発生しない圧力をリリース圧制御目標値の初期値
と定義したとき、初期値設定手段は、ライン圧および油
温に応じて推定されたアプライ圧に基づき前記リリース
圧制御目標値の初期値を設定するから、該初期値は、運
転状況に応じて変化するパラメータや経時変化するパラ
メータの影響を考慮した、適正な初期値となる。したが
って、この適正化された初期値を用いるロックアップ制
御により、締結ショックを生じさせない最短の締結時間
でロックアップ締結を行うことが可能になる。
【0039】また、本発明の請求項3の構成において
は、電気的アクチュエータによってリリース圧を制御す
ることによりトルクコンバータのロックアップクラッチ
の締結容量を制御する際には、ロックアップクラッチの
締結力が発生しない圧力をリリース圧制御目標値の初期
値と定義したとき、初期値設定手段は前記リリース圧制
御目標値の初期値を設定し、供給電圧検出手段は前記電
気的アクチュエータへの供給電圧を検出し、該供給電圧
検出手段により検出された前記電気的アクチュエータへ
の供給電圧に基づき前記初期値を補正するから、該初期
値は、運転状況に応じて変化するパラメータや経時変化
するパラメータの影響を考慮した、適正な初期値とな
る。したがって、この適正化された初期値を用いるロッ
クアップ制御により、締結ショックを生じさせない最短
の締結時間でロックアップ締結を行うことが可能にな
る。
【0040】また、本発明の請求項4の構成において
は、前記初期値設定手段は、推定されたアプライ圧が低
いほど前記リリース圧制御目標値の初期値を低く設定す
るから、初期値設定手段が設定したリリース圧制御目標
値の初期値は、請求項1,2で求めた運転状況に応じて
変化するパラメータや経時変化するパラメータの影響を
考慮した、適正な初期値となる。
【0041】また、本発明の請求項5の構成において
は、前記リリース圧制御目標値の初期値は、ロックアッ
プ締結開始時以後も更新し続けるようにしたから、初期
値設定手段が設定したリリース圧制御目標値の初期値
は、請求項〜4で求めた運転状況に応じて変化するパラ
メータや経時変化するパラメータの影響を考慮した、適
正な初期値となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例のトルクコンバータのロ
ックアップ制御装置およびそれを適用する油圧回路の構
成を示す図である。
【図2】 同例において、コントロールユニットにより
実行されるロックアップ制御の制御プログラムを示すフ
ローチャートである。
【図3】 同例において、コントロールユニットにより
実行されるバッテリ電圧によるリリース圧制御目標値の
初期値に対する補正の制御プログラムを示すフローチャ
ートである。
【図4】 同例において、デューティ比とアプライ圧、
リリース圧、ロックアップ信号圧との関係を示す特性図
である。
【図5】 同例において、バッテリ電圧〜デューティ比
出力特性を示す特性図である。
【図6】 本発明の第2実施例における、コントロール
ユニットによるロックアップ制御の制御プログラムを示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1 圧力源 2 パイロット圧油路 5 アプライ圧油路 6 リリース圧油路 10 トルクコンバータ圧油路 14 トルクコンバータ 20 ロックアップコントロールバルブ 20a スプール 20b プラグ 20c スプリング 21 トルクコンバータリリーフバルブ 22 トルクコンバータ圧油路 23 ロックアップ信号圧油路 24 ロックアップソレノイド(電気的アクチュエー
タ) 30 コントロールユニット 31 油温センサ 32 スロットルセンサ 33 エンジン回転速度センサ 34 タービン回転速度センサ 35 車速センサ 36 バッテリ電圧センサ 37 油圧センサ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 61/14

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの出力軸と共に回転するポンプ
    インペラ側と自動変速機の入力軸と共に回転するタービ
    ンランナ側とを締結可能なロックアップクラッチを具
    え、電気的アクチュエータによって前記ロックアップク
    ラッチが解除される方向に作用するリリース圧を制御す
    ることにより前記ロックアップクラッチの締結容量を制
    御するようにしたトルクコンバータのロックアップ制御
    装置において、 ロックアップクラッチの締結力が発生しない圧力をリリ
    ース圧制御目標値の初期値と定義したとき、ライン圧に
    応じて推定されたアプライ圧に基づき前記リリース圧制
    御目標値の初期値を設定する初期値設定手段と、 該初期値に基づいて決定した駆動信号を前記電気的アク
    チュエータに出力する駆動信号出力手段とを具え、 前記リリース圧を前記初期値に制御した後に、前記ロッ
    クアップクラッチの締結制御を行うようにしたことを特
    徴とする、トルクコンバータのロックアップ制御装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの出力軸と共に回転するポンプ
    インペラ側と自動変速機の入力軸と共に回転するタービ
    ンランナ側とを締結可能なロックアップクラッチを具
    え、電気的アクチュエータによって前記ロックアップク
    ラッチが解除される方向に作用するリリース圧を制御す
    ることにより前記ロックアップクラッチの締結容量を制
    御するようにしたトルクコンバータのロックアップ制御
    装置において、 ロックアップクラッチの締結力が発生しない圧力をリリ
    ース圧制御目標値の初期値と定義したとき、ライン圧お
    よび油温に応じて推定されたアプライ圧に基づき前記リ
    リース圧制御目標値の初期値を設定する初期値設定手段
    と、 該初期値に基づいて決定した駆動信号を前記電気的アク
    チュエータに出力する駆動信号出力手段とを具え、 前記リリース圧を前記初期値に制御した後に、前記ロッ
    クアップクラッチの締結制御を行うようにしたことを特
    徴とする、トルクコンバータのロックアップ制御装置。
  3. 【請求項3】 エンジンの出力軸と共に回転するポンプ
    インペラ側と自動変速機の入力軸と共に回転するタービ
    ンランナ側とを締結可能なロックアップクラッチを具
    え、電気的アクチュエータによって前記ロックアップク
    ラッチが解除される方向に作用するリリース圧を制御す
    ることにより前記ロックアップクラッチの締結容量を制
    御するようにしたトルクコンバータのロックアップ制御
    装置において、 ロックアップクラッチの締結力が発生しない圧力をリリ
    ース圧制御目標値の初期値と定義したとき、前記リリー
    ス圧制御目標値の初期値を設定する初期値設定手段と、 該初期値に基づいて決定した駆動信号を前記電気的アク
    チュエータに出力する駆動信号出力手段と、 前記電気的アクチュエータへの供給電圧を検出する供給
    電圧検出手段とを具え、 該供給電圧検出手段により検出された前記電気的アクチ
    ュエータへの供給電圧に基づき前記初期値を補正すると
    ともに、前記リリース圧を前記初期値に制御した後に、
    前記ロックアップクラッチの締結制御を行うようにした
    ことを特徴とする、トルクコンバータのロックアップ制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記初期値設定手段は、推定されたアプ
    ライ圧が低いほど前記リリース圧制御目標値の初期値を
    低く設定することを特徴とする、請求項1または2記載
    のトルクコンバータのロックアップ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記リリース圧制御目標値の初期値は、
    ロックアップ締結開始時以後も更新し続けるようにした
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項記載のト
    ルクコンバータのロックアップ制御装置。
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