JP3606157B2 - 車両用自動変速機のクリープ力制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機が走行レンジで停車した場合に、トルクコンバータによるクリープ力を低減するようにした、車両用自動変速機のクリープ力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、自動車等の車両に備えられたトルクコンバータ式の自動変速機において、シフトレンジが走行レンジ(以下、Dレンジという)のままで停車すると、低速段(例えば、第1速段)を達成するために係合されていた摩擦要素(フォワードクラッチ)をスリップさせて、ニュートラル状態に近づけるように制御する技術が提案されている。
【0003】
このような制御は、一般にアイドルニュートラル制御又はクリープ力制御と呼ばれるものであり、このようなアイドルニュートラル制御(以下、単にニュートラル制御という)を停車中に実行することで、トルクコンバータを介して伝達されるエンジントルクを減少させて、燃料消費量及びアイドル振動の低減を図ることができる。
【0004】
ニュートラル制御の開始条件としては、例えば、車速0km/h,フットブレーキ操作中,スロットル開度0%及び第1速段達成から所定時間経過していること、等が設定されており、上記全ての条件が成立すると、コントローラからの指令に基づきニュートラル制御が開始される。
また、フットブレーキ操作の解除,アクセルペダルの操作,車速が所定値以上となった、等のニュートラル制御解除条件がいずれか1つでも成立すると、ニュートラル制御が解除される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなニュートラル制御解除条件成立時には、シフトショックの発生を極力回避しながら、速やかにニュートラル制御を解除して発進時のレスポンスを高めたいという要望がある。
本発明は、このような要望に応えるべく創案されたもので、解除レスポンスの向上を図るとともに、シフトショックを低減できるようにした、車両用自動変速機のクリープ力制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明の車両用自動変速機のクリープ力制御装置では、自動変速機のシフトレンジが走行レンジであるときに所定の条件が成立すると、走行時に係合される摩擦要素の係合力を低下してクリープ力が低下し、その後、フィードバック制御手段により摩擦要素の係合力がフィードバック制御されて、自動変速機がニュートラル状態に近い状態に保持される。
【0007】
そして、判定手段によりクリープ力制御の解除条件が成立したと判定されると、設定手段において、上記解除条件の成立時における自動変速機の入力回転速度に関連したパラメータ値に基づいて解除条件成立直後の摩擦要素に対する係合力指令値が設定される。そして、このようにして解除条件成立直後の摩擦要素の係合力を制御することにより、クリープ力制御解除時の応答性が向上するとともに、このときのショックを低減することができる。ここで、上記係合力指令値は、該摩擦係合要素の係合状態を調整するソレノイドバルブに対するデューティ率であって、該解除条件が成立したと判定されると、該解除条件成立直後は該デューティ率を一時的に高める初期フィル時デューティ率が設定される。
【0008】
また、請求項2記載の本発明の車両用自動変速機のクリープ力制御装置では、設定手段に設けられた学習手段により、エンジン回転速度に関連したパラメータ値毎に、又は油温に関連したパラメータ値毎に、係合力指令値が学習補正される。これにより、常に最適な係合力指令値が設定される。
また、請求項3記載の本発明の車両用自動変速機のクリープ力制御装置では、該初期フィル時デューティ率は、ベース値と該ベース値に対する加算項との和により設定され、該加算項は、第1デューティ率と第2デューティ率との和により設定され、該第1デューティ率は、該解除条件の成立時の該自動変速機のトルクコンバータのスリップ量変化率とその正負により求められ、該第2デューティ率は、エンジン回転速度及び油温毎に設定されるとともに、該ベース値の出力時間が予め設定された目標時間と一致するように学習補正される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の一実施形態にかかる車両用自動変速機のクリープ力制御装置について説明すると、図1はその全体構成を示す模式図である。
図1に示すように、自動変速機1はエンジン2と結合された状態で図示しない車両に搭載されている。エンジン2の出力軸2aはトルクコンバータ(流体継手)3を介して変速機構4に連結され、その変速機構4は図示しないディファレンシャルギアを介して車両の駆動輪と接続されている。
【0010】
また、エンジン2の出力軸2aは、トルクコンバータ3のポンプインペラ3aに接続されており、この出力軸2aの回転に伴いポンプインペラ3aが回転すると、ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)を介してタービンランナ3bが回転駆動され、その回転が変速機構4に伝達されるようになっている。
【0011】
詳細は説明しないが、変速機構4は、複数組の遊星歯車機構及びそれらの構成要素(サンギア,ピニオンギア及びリングギア)の動作を許容又は規制するクラッチやブレーキ類から構成されており、これらのクラッチやブレーキの係合状態を油圧源(オイルポンプ)から供給されるATFにより適宜切り換えて、所望の変速段を達成するようになっている。なお、この変速機構4の構造については、一般に広く知られたものであるので、フォワードクラッチ7以外の構成については図示を省略する。
【0012】
このような自動変速機1において、シフトレンジがNレンジ(非走行レンジ)からDレンジ(走行レンジ)に切換えられたとき、変速機構4は発進に備えるために第1速段に切り換えられるが、このときには、Nレンジでの各種の摩擦係合要素の係合状態に対して、さらにフォワードクラッチ7(摩擦要素)を係合することで第1速段が実現されるようになっている。
【0013】
一方、A/T−ECU(自動変速機電子制御ユニット、以下、単にECUという)11は、図示しない入出力装置,制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAM,BURAM等),中央処理装置(CPU)及びタイマカウンタ等を備えており、後述する各種センサからの情報に基づいて各種の制御信号が設定されて、自動変速機1の総合的な制御が行なわれるようになっている。
【0014】
ECU11の入力側には、エンジン2の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ12、タービンランナ3bの回転速度Nt(即ち、フォワードクラッチ7の入力回転速度)を検出するタービン回転速度センサ13、車両の走行速度(車速)Vsを検出する車速センサ14、ブレーキオイルの圧力に基づいてオンオフが切り換わるブレーキ圧スイッチ20、エンジン2のスロットル開度θTH(=アクセル操作量)を検出するスロットルセンサ16、自動変速機用作動油(以下、ATFという)の油温TOIL を検出する油温センサ17、及び運転者にて選択されたシフトポジション(例えば、Nレンジ,Dレンジ,Pレンジ及びRレンジ等)を検出するためのシフトポジションセンサ18等が接続されている。なお、ブレーキ圧スイッチ20に代えて、ブレーキペダルを踏んだときにオンとなるブレーキスイッチを設けてもよい。また、スロットル開度を電気的に制御できるようなドライブバイワイヤシステムを適用する場合には、アクセルペダルの開度(踏み込み量)を検出するアクセルポジションセンサを追加してもよい。
【0015】
そして、ECU11では、スロットルセンサ16で検出されたスロットル開度θTH及び車速センサ14で検出された車速Vsを用いて図示しない変速マップから目標変速段を設定し、この目標変速段を達成すべく変速機構4の係合要素(クラッチ及びブレーキ等)の係合状態を切り換えて変速制御を実行するようになっている。
【0016】
また、ECU11の出力側には、上述のオイルポンプからの作動油を切換制御して変速機構4のクラッチやブレーキの係合要素を作動させるための多数のソレノイドバルブが接続されている。なお、図1中では、このような多数のソレノイドバルブのうち、フォワードクラッチ7の係合状態を切り換えるソレノイドバルブ(以下、単にソレノイドという)19及び上記ソレノイド19により調整される圧力調整弁21のみを図示しており、他のソレノイドバルブや圧力調整弁については図示を省略する。
【0017】
ソレノイド19はECU11によりその作動がデューティ制御されるようになっており、このソレノイド19の作動に応じて圧力調整弁21へのパイロット圧(制御圧)の供給状態が調整されるようになっている。具体的には、ソレノイド19により圧力調整弁21へパイロット圧が供給されると、圧力調整弁21のスプール21aが図中左側に移動してフォワードクラッチ7とドレーン油路とが直通状態となり、フォワードクラッチ7から油圧が排出されてフォワードクラッチ7の係合力が低下する。また、これとは逆に、ソレノイド19によりパイロット圧が排出されると、フォワードクラッチ7とライン圧油路とが直通状態となり、フォワードクラッチ7へ油圧が供給されて係合力が大きくなる。このように、ソレノイド19のデューティ率を制御することで、フォワードクラッチ7の係合力を調整できるのである。なお、本実施形態では、ソレノイド19のデューティ率が増加するほど、フォワードクラッチ7の係合力が大きくなるように設定されている。
【0018】
次に、ニュートラル制御(クリープ力制御)について簡単に説明すると、このニュートラル制御は、Dレンジで走行中の車両が停止したときにフォワードクラッチ7の係合力を低下させてニュートラル状態に近い状態に制御するものであり、摩擦係合要素としてのフォワードクラッチ7をスリップさせることでニュートラル制御(クリープ力制御)が実行されるようになっている。
【0019】
そして、本実施形態ではニュートラル制御の開始条件として以下の(1)〜(3)の条件が設定されている。
(1)ブレーキ圧スイッチ20がオン(ブレーキ圧が所定値以上)。
(2)スロットルセンサ16によりアクセル非操作(スロットル開度が所定量以下)が検出された。
(3)車速センサ14により検出された車速Vsが所定値未満。
【0020】
そして、以上の条件が全て成立したと判定されると(つまり、車両が走行状態からほぼ停止状態に移行したと推測されると)、ニュートラル制御が開始されるようになっている。
一方、ニュートラル制御の解除条件としては以下の(1)〜(3)が設定されており、そのいずれかが満たされると、運転者に発進意志があるものとして解除条件が成立し、ECU11により、ニュートラル制御が解除されるようになっている。
(1)ブレーキ圧スイッチ20がオフ(ブレーキ圧が所定値未満)になった場合。
(2)スロットルセンサ16によりアクセル操作(スロットル開度θthが所定値以上)が検出された場合。
(3)車速センサ14で検出された走行速度Vsが所定値以上になった場合。
【0021】
そして、上記3つの条件のうち1つでも成立すれば、ニュートラル制御が解除されるようになっているのである。
次に、図3(a)〜(c)を参照しながらニュートラル制御時の基本的な動作を説明する。
〔ニュートラル制御の突入制御〕
ニュートラル制御の開始(突入)時には、主に予備操作によるスリップ判定が行なわれる。予備操作とは、フォワードクラッチ7の係合圧を低減させクラッチを所定スリップ量付近まで解放する操作をいう。
【0022】
まず、予備操作について説明すると、ニュートラル制御の開始条件が成立すると、フォワードクラッチ7用のソレノイド19のデューティ率Dが次式(1)にしたがって算出される。
D=DN −DNS・・・・・・(1)
ここで、DN は係合状態のフォワードクラッチ7が滑り出す直前のデューティ率として設定されたスリップ直前値、DNSは0を始点として所定割合でデューティ率Dが減少するよう設定される勾配項である。又、スリップ直前値DN は次式にしたがって算出される。
【0023】
DN =DN0+DNL・・・・・・(2)
ここで、DN0はスリップ直前値DN のべ一ス値、DNLは同じくスリップ直前値DN の学習値であり、これらの値DN0,DNLは、エンジン回転速度NeとATF油温T0IL とに応じてマップ設定されており、その時点のエンジン回転速度NeとATF油温T0IL とに応じたアドレスから読み出されて用いられる。
【0024】
したがって、図3(b)に示すように、ニュートラル制御の開始条件の成立直後に、ソレノイド9のデューティ率Dは100%からスリップ直前値DN までステップ状に減少し〔図3(b)の点a〕、その後は勾配項DNSにしたがって漸減する。これにより、圧力制御弁21のスプール21aに作用するパイロット圧供給量が増加して、フォワードクラッチ7のライン圧が急激にドレーンされて、図3(c)に示すように、係合力が低下するのである。
【0025】
その後、フォワードクラッチ7は次第に解放側に操作され、図3(a)に示すように、係合状態で停止保持されていたタービン回転速度Ntが上昇し始める。そして、タービン回転速度Ntがスリップ判定値Nt0(例えば、50rpm)に達すると、ECU11により、フォワードクラッチ7が所定スリップ量付近まで操作されたと判定される(スリップ判定)。そして、これ以降、解除条件が成立するまでの間は、トルクコンバータ3のスリップ量ΔN(=Ne−Nt)を予め設定された目標値にすべく、後述するニュートラル制御の定常制御(N制御)が実行される。
【0026】
〔ニュートラル制御の定常制御〕
定常制御に移行すると、フィードバック制御のデューティ率Dの初期値として、上述の予備操作で漸減させた最後のデューティ率Dに所定値ΔDSB(例えば、デューティ率Dの2%)を加算した値(初期値)DS が初期値出力手段50から出力される〔(図3(b)の点b〕。
【0027】
そして、ニュートラル制御の解除条件が成立するまで、この初期値DSを基本としてフィードバック制御が繰り返され、図3(a)に示すように、スリップ量ΔNが目標値付近に保時される。なお、このときのデューティ率DSは、エンジン回転速度センサ12及びタービン回転速度センサ13からの情報に基づいて、後述するフィードバック制御手段62により設定されるようになっている(図2参照)。
【0028】
ところで、上記学習項DNLは、エンジン回転速度NeとATF油温T0IL とに基づいて学習補正されるようになっている。学習値DNLの学習処理は、係合状態のフォワードクラッチ7がニュートラル制御に移行する際のトルク変動を低減すべく、スリップ直前値DN を最適化するために行なわれる。概要を説明すると、予備操作の所要時間T(ニュートラル制御の開始条件成立からスリップ判定までの所要時間)について予め実現可能な理想値として目標時間Ttgを設定し(例えば、1sec)、その目標時間Ttgに対して実際の所要時間Tが長い(T>Ttg)ときには学習値DNLを減少させ、逆に所要時間Tが短い(T<Ttg)ときには学習値DNLを増加させる。
【0029】
得られた学習値DNLは、前記のようにエンジン回転速度NeとATF油温TOIL とに応じたアドレスに格納されて、以降のスリップ直前値DN の算出に利用されるようになっている。
この処理の繰り返しにより、式(2)から算出されるスリップ直前値DN はスリップ判定時のデューティ率付近まで低減されるため、予備操作中のデューティ率の減少(DNS)が縮小されて、タービン回転がスリップしたときのトルク変動による運転者の違和感が防止される。
〔ニュートラル制御の解除制御〕
次に、本発明の要部であるニュートラル制御の解除制御について説明すると、本装置は、特にこのようなニュートラル制御解除時のレスポンス向上及びショックの低減を図るものであって、以下のように構成されている。
【0030】
図2は本発明の要部機能に着目した機能ブロック図であり、図示するように、ECU11内には判定手段60,設定手段61及びフィードバック制御手段62が設けられている。ここで、フィードバック制御手段62は、ニュートラル制御の実行時にトルクコンバータ3内のスリップ量ΔN(=Ne−Nt)を目標値にすべくソレノイド19のデューティ率を適宜設定してフォワードクラッチ7の係合力をフィードバック制御するための手段であり、上述した定常制御時に用いられるものである。
【0031】
また、判定手段60は、上記ブレーキ圧スイッチ20,スロットルセンサ16及び車速センサ14からの検出情報に基づいて、上述したニュートラル制御の解除条件(1)〜(3)のいずれかが成立したか否かを判定する手段である。
また、設定手段61は、上記判定手段60により解除条件が成立したと判定されると、この解除条件成立時におけるトルクコンバータ3のスリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtを算出するとともに、このスリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtに基づいて、定常制御解除時のソレノイド19のデューティ率(係合力指令値)を設定するものである。なお、設定手段61では、少なくとも自動変速機1の入力回転速度に関連したパラメータ値に基づいてソレノイド19のデューティ率を設定するように構成すればよく、例えば上記スリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtの代わりにタービン回転速度変化率dNt/dtを用いてもよい。
【0032】
また、上記設定手段61には、エンジン回転速度Neと自動変速機1のATF油温TOILとに基づいてソレノイド19のデューティ率を学習補正する学習手段61aが設けられている。そして、学習手段61aでは、設定手段61で設定されたデューティ率(ベースデューティ率)に対して学習補正を行なうようになっている。
【0033】
ここで、定常制御解除時のデューティ率の設定手法について具体的に説明すると、判定手段60により定常制御の解除が判定されると、図3(b)に示すように、設定手段61により一時的にデューティ率が高められるようになっている。これを初期フィルといい、このような初期フィルを与えることで、フォワードクラッチ7が係合側に制御されて係合レスポンスが向上するようになっている。
【0034】
この初期フィル時のデューティ率Dfは、下式により算出されるようになっている。
Df=Da+ΔD
ここで、Daはデューティ率Dfのベース値、ΔDはベース値Daに対する加算項である。
【0035】
このベース値Daは、予め設定された目標時間Ta内にタービン回転速度の落ち込み量が予め設定された目標値となるように学習補正され、エンジン回転速度Ne及びATF油温TOIL毎に記憶されるようになっている。なお、タービン回転速度の落ち込み量に代えてタービン回転速度変化率、トルクコンバータのスリップ量(Ne−Nt)を用いてもよい。
【0036】
また、加算項ΔDは、下式により算出されるようになっている。
ΔD=D1+D2
解除制御では、応答性向上とシフトショック低減を両立させるよう解除初期の制御安定化が不可欠である。そこで、解除直前のスリップ量変化率の影響、すなわち解除直前のフィードバック制御(ニュートラル制御の定常制御)で制御しきれないスリップ量変化率を相殺するようD1を設定している。換言すれば、D1により解除直前におけるスリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtを0とするように補正するのである。
【0037】
本実施形態においては、スリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtを算出し、その正負に基づいてD1を設定することにより、解除条件成立時のフォワードクラッチ7に対する係合力制御が、係合側,解放側のいずれにあっても最適な初期フィルを出力できるようになっている。
具体的には、解除直前のスリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtが正のときは、トルクコンバータ3のスリップ量が上昇方向のためクラッチの係合力が足りないと判定してプラス補正し、負のときはスリップ量が下降方向のためクラッチの係合力が強過ぎると判定してマイナス補正するのである。
【0038】
なお、定常制御中フィードバック制御が適切であれば、スリップ量変化率は一定(≒0)であるから、デューティ率D1は、定常制御解除直前において、フィードバック制御で対応しきれずスリップ量変化率が変化したときその大きさに応じて出力される補正項を表すことになる。
また、本実施形態では、デューティ率D1の値として、スリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtの大きさに対応した任意の数式で求めるようにしているが、これ以外にも、例えばデューティ率D1をマップ化して、スリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtの値に応じてきめ細かにデューティ率D1を設定するようにしてもよい。
【0039】
また、デューティ率D2は学習手段61aで設定される学習値であって、ベース値Daの出力時間Taが予め設定された目標時間と一致するように学習補正される。この学習補正されたデューティ率D2は、エンジン回転速度Ne,ATF油温TOIL毎に記憶される。
そして、このように初期フィルの設定時においてエンジン回転速度Ne及びATF油温T0IL 毎にデューティ率D1を学習補正することにより、加算項ΔDの精度を高めることができるのである。
【0040】
上述により初期フィルのデューティ率Dfが設定されると、設定手段61ではこのデューティ率Dfを解除条件成立時から所定時間Tfだけ出力するようになっている。ここで、所定時間Tfとは、例えば、ニュートラル制御を行なうための制御ルーチンの2周期分の時間として設定されている。
これは解除レスポンスの向上を図るためである。つまり、初期フィル時のデューティ率の大きさよりも出力時間を優先して、この出力時間を比較的短い時間に設定するとともに、デューティ率の大きさについては上述したように適宜算出して設定することにより、解除レスポンスを高めることができるのである。
【0041】
また、設定手段61では、デューティ率Dfを出力した後デューティ率Daを出力するようになっている。
本発明の一実施形態にかかる車両用自動変速機のクリープ力制御装置は、上述のように構成されているので、例えば図4,図5に示すようなフローチャートにしたがってニュートラル制御(クリープ力制御)の解除が実行され、このときの制御特性は、図6(c),(d)のようになる。なお、図6(a),(b)はいずれも本発明を適用しない場合の制御特性を示す図である。また、図6(a),(c)はいずれもデューティ率の特性を示す図、図6(b),(d)はいずれもタービン回転速度変化率の特性を示す図である。
【0042】
以下、図4,図5及び図6(c),(d)を用いて本発明の作用を説明する。まず、ステップS1において、ブレーキ圧スイッチ20,スロットルセンサ16及び車速センサ14からの検出情報に基づいて、ニュートラル制御の解除条件が成立したか否かが判定され、解除条件が成立した場合にはステップS2に進み、そうでない場合にはリターンする。
【0043】
次に、ステップS2において、初期フィルの出力デューティ率Dfを演算する。これをサブルーチンとして図5を用いて説明すると、まずステップS21において解除条件成立時のエンジン回転速度Ne,ATF油温油温T0IL 毎に記憶されたマップから所定のデューティ率(ベース値)Daを読み出す。なお、上述した通りDaは学習補正されている。
【0044】
次に、ステップS22に進んで加算項ΔDを求める。加算項ΔDは
ΔD=D1+D2
として定義されており、まず解除条件成立直前のスリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtとその正負とに応じてデューティ率D1を決定する。
続いて、解除条件成立時のエンジン回転速度Ne,ATF油温TOIL 毎に記憶されたマップから所定のデューティ率D2を読み出す。なお、上述した通りD2は学習補正されている。
【0045】
つまり、加算項ΔDはエンジン回転速度Ne,ATF油温TOIL ,スリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtに基づいて決定されるということができる。
次に,ステップS23おいて、初期フィル時に出力されるデューティ率Dfを
Df=Da+ΔD=Da+(D1+D2)
として演算する。
【0046】
そして、このようにしてDfが算出されると、図4のステップS3に進み、ソレノイドバルブ19を駆動する。これにより、図6(c),(d)に示すように、一時的にデューティ率が上昇してタービン回転速度変化率dNt/dtも上昇する。
ステップS4では、デューティ率Dfが出力されてから所定時間Tfが経過したか否かを判定し、所定時間Tf経過するまではデューティ率Dfの出力を継続する。なお、ここではTfをニュートラル制御の2周期分の時間として設定している。
【0047】
このステップS4で所定時間が経過したと判定されるとステップS5に進み、出力デューティ率をDfからDaのみに変更する。
次に、ステップS6でタービン回転速度Ntが予め設定された低減量ΔNtに達したか否かを判定し、低減量ΔNtに達するまでデューティ率Daの出力を継続する。なお、デューティ率Daは所定の割合で増加するように設定してもよい。
【0048】
次に、ステップS7でデューティ率Da及びD2の学習補正を行なう。この学習補正は、デューティ率Daを出力した実際の時間Taと予め設定された目標時間とを比較し、この差に応じてDa,D2それぞれのマップを更新する。
ステップS8では、実際のタービン回転速度変化率dNt/dtが目標タービン回転速度変化率となるようにフィードバック制御を実行し、実際のタービン回転速度変化率dNt/dtが目標タービン回転速度変化率と略一致したと判定(図3中の「同期判定」)されたら、そのときの出力デューティ率を所定時間保持したのち、デューティ率を100%に変更して全圧供給し、フォワードクラッチ7を完全係合させる。
【0049】
一方、本発明を適用しない場合には、図6(a),(b)に示すような特性となる。この場合、フィードバック制御がオーバシュートしているため、解除レスポンスが低下するとともに、解除時にシフトショックが生じている。これは、解除条件成立後、タービン回転速度変化率の目標値が設定されても、解除条件成立時のタービン回転速度,タービン回転速度変化率,油温及び制御圧等に応じてデューティ率を細かく設定していないためである。
【0050】
これに対して、本発明の車両用自動変速機のクリープ力制御装置によれば、フィードバック制御中(ニュートラル制御実行中)のタービン回転速度変化率dNt/dtやスリップ量変化率d(Ne−Nt)/dtが増加側であっても減少側であっても、最適なデューティ率(係合力指令値)を設定することができ、解除レスポンスを向上させることができるとともに、解除時のシフトショックを低減することができるのである。
【0051】
また、学習手段61aによりエンジン回転速度Ne及びATF油温T0IL を考慮して解除時のデューティ率を常に最適な値に学習補正することにより、さらなる解除レスポンスの向上及び解除ショックの低減を図ることができるのである。
なお、本発明の車両用自動変速機のクリープ力制御装置は、上述の実施形態のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上述では、エンジン回転速度NeとATF油温TOIL とに応じて図示しないマップからデューティ率D2を求めるように構成されているが、エンジン回転速度NeとATF油温TOIL とをパラメータとして計算によりデューティ率を求めてもよいし、また、これ以外の手法で学習を行なってもよい。
【0052】
また、上述の実施形態では、エンジン回転速度NeとATF油温TOIL との両方を用いて学習補正されるように構成されているが、エンジン回転速度NeとATF油温TOIL とのうち、いずれか一方に関連したパラメータ値に基づいて学習を実行するように構成してもよい。さらに、ATF油温TOIL に代えて、エンジン用のオイルの油温,エンジン冷却水温を用いてもよい。
【0053】
また、本発明は、流体クラッチ(トルクコンバータ)を介してエンジンの駆動力を伝達する自動変速機に広く適用可能である。例えば、ベルト式無段変速機に対しては前後進を切り替えるための摩擦要素に用いることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明の車両用自動変速機のクリープ力制御装置によれば、解除条件成立直前の自動変速機の入力回転速度の変化状態に対応するパラメータ値に基づいて、摩擦要素に対する係合力指令値を設定するので、フィードバック制御解除直前の自動変速機の入力回転速度が増加側であっても減少側であっても最適な係合力指令値を得ることができ、解除レスポンスの向上及び解除時のシフトショックの低減を図ることができるという利点がある。
また、解除条件成立直後にデューティ率を一時的に高める初期フィル時デューティ率を設定することにより、摩擦係合要素が係合側に制御されるため係合レスポンスが向上するという効果がある。
【0055】
また、請求項2記載の本発明の車両用自動変速機のクリープ力制御装置によれば、エンジン回転速度毎又は油温毎にフィードバック制御解除時のデューティ率が常に最適な値に学習補正されるので、さらなる解除レスポンスの向上及び解除ショックの低減を図ることができるという利点がある。
また、請求項3記載の本発明の車両用自動変速機のクリープ力制御装置によれば、初期フィル時デューティ率の設定時においてエンジン回転速度及び油温毎にデューティ率を学習補正することにより、加算項の精度を高めることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用自動変速機のクリープ力制御装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両用自動変速機のクリープ力制御装置の要部機能に着目した機能ブロック図である。
【図3】(a)〜(c)はいずれも本発明の一実施形態に係る車両用自動変速機のクリープ力制御装置の動作の概要を説明するためのタイムチャート図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る車両用自動変速機のクリープ力制御装置の要部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る車両用自動変速機のクリープ力制御装置の要部の動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る車両用自動変速機のクリープ力制御装置の特性を、本発明を適用しない場合と比較しながら説明するための図であって、(a),(b)は本発明を適用しない場合の特性を示す図、(c),(d)は本発明を適用しない場合の特性を示す図である。
【符号の説明】
1 自動変速機
2 エンジン
7 フォワードクラッチ(摩擦要素)
60 判定手段
61 設定手段
61a 学習手段
62 フィードバック制御手段
Claims (3)
- 自動変速機のシフトレンジが走行レンジにあるときに所定の条件が成立すると、走行時に係合される摩擦要素の係合力を低下させてクリープ力を低下させるように構成された車両用自動変速機のクリープ力制御装置において、
該所定の条件の成立後、該摩擦要素の係合力に対するフィードバック制御を実行するフィードバック制御手段と、
該フィードバック制御の解除条件が成立したか否かを判定する判定手段と、
該解除条件が成立したと判定されると、該解除条件の成立時での該自動変速機の入力回転速度に関連したパラメータ値に基づいて該解除条件成立直後の該摩擦要素に対する係合力指令値を設定する設定手段とをそなえ、
該係合力指令値は、該摩擦係合要素の係合状態を調整するソレノイドバルブに対するデューティ率であって、
該解除条件が成立したと判定されると、該解除条件成立直後は該デューティ率を一時的に高める初期フィル時デューティ率が設定される
ことを特徴とする、車両用自動変速機のクリープ力制御装置。 - 該設定手段は、少なくともエンジン回転速度に関連したパラメータ値毎又は油温に関連したパラメータ値毎に該係合力指令値を学習補正する学習手段をそなえている
ことを特徴とする、請求項1記載の車両用自動変速機のクリープ力制御装置。 - 該初期フィル時デューティ率は、ベース値と該ベース値に対する加算項との和により設定され、
該加算項は、第1デューティ率と第2デューティ率との和により設定され、
該第1デューティ率は、該解除条件の成立時の該自動変速機のトルクコンバータのスリップ量変化率とその正負により求められ、
該第2デューティ率は、エンジン回転速度及び油温毎に設定されるとともに、該ベース値の出力時間が予め設定された目標時間と一致するように学習補正される
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両用自動変速機のクリープ力制御装置。
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