JP4929929B2 - 車両の制御装置、制御方法、その制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

車両の制御装置、制御方法、その制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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本発明は、車両の制御装置、制御方法、その制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびプログラムを記録した記録媒体に関し、特に、油圧により作動する摩擦係合要素を係合することによりギヤ段を形成する自動変速機を備えた車両を制御する技術に関する。
従来より、油圧により作動する摩擦係合要素を係合することによりギヤ段を形成する自動変速機が知られている。このような自動変速機をアップシフトさせる際、ショックを抑制するため、イナーシャ相中にトルクダウンを行なうものがある。
国際公開第03/029698号パンフレット(特許文献1)は、車両のスロットル開度と車速の関係が変速スケジュールの変速線を横切ると、解放されている少なくとも1つ以上の摩擦要素を締結することで変速を行なう変速制御部と、変速過渡期にて一時的にエンジントルクを低下させるトルクダウン制御部とを備えた自動変速機の変速制御装置を開示する。この変速制御装置は、変速指令が出力されたかどうかを判断する変速指令判断部と、イナーシャフェーズの開始及び終了を検出するイナーシャフェーズ検出部と、摩擦要素の締結圧を制御する棚圧制御部とを含む。棚圧制御部は、変速指令の出力に基づいて予め設定された第1勾配で摩擦要素の締結圧を上昇させる。変速指令出力後、イナーシャフェーズ検出部によりイナーシャフェーズの開始が検出されたとき、棚圧制御部は、トルクダウン制御部に対しトルクダウン指令を出力するとともに、イナーシャフェーズ検出時点での締結圧を初期棚圧とし、予め設定された第2勾配で棚圧を上昇させる。イナーシャフェーズ開始後、イナーシャフェーズ検出部によりイナーシャフェーズの終了が検出されたとき、棚圧制御部は、トルクダウン制御部に対しトルクダウン終了の指令を出力するとともに、摩擦要素の締結圧を予め設定された所定圧まで上昇させる。スロットル開度が変動したときは、締結圧の初期棚圧を決めた時点の自動変速機入力トルクに対する現時点での入力トルクとの変動分に基づいて設定される油圧が棚圧に加減算される。
国際公開第03/029698号パンフレット
ところで、トルクダウンを行なっている状態であっても、運転者によるアクセル操作がなされると、自動変速機の入力トルクが変化し得る。アップシフトを滑らかに実行するためには、アップシフト中に摩擦係合要素に供給する油圧を自動変速機の入力トルクに応じて制御することが好ましい。しかしながら、国際公開第03/029698号パンフレットに記載の変速制御装置においては、イナーシャ相(イナーシャフェーズ)が開始した時点での係合圧(締結圧)を初期棚圧とし、この初期棚圧に入力トルクの変動分に基づいて設定される油圧が加減算される。そのため、自動変速機の入力トルクが変化した場合に摩擦係合要素の係合圧がステップ的に変化するのみである。したがって、摩擦係合要素の係合圧を入力トルクに精度よく対応させるためには、さらなる改善の余地がある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、摩擦係合要素に供給する油圧を自動変速機の入力トルクに精度よく対応させることができる車両の制御装置、制御方法、その制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、油圧により作動する摩擦係合要素を係合することによりギヤ段を形成する自動変速機と、自動変速機に連結され、自動変速機のアップシフト中に出力トルクが低下するように制御される駆動源とを備えた車両の制御装置である。この制御装置は、自動変速機のアップシフト中に出力トルクが低下するように駆動源が制御されている状態において摩擦係合要素に供給する油圧が予め定められた勾配で漸増するように制御するための手段と、自動変速機のアップシフト中に出力トルクが低下するように駆動源が制御されている状態において自動変速機に入力されるトルクの推定値を算出するための算出手段と、推定値に基づいて、勾配を設定するための設定手段とを含む。
第5の発明に係る車両の制御方法においては、油圧により作動する摩擦係合要素を係合することによりギヤ段を形成する自動変速機と、自動変速機に連結され、自動変速機のアップシフト中に出力トルクが低下するように制御される駆動源とを備えた車両の制御方法である。この制御方法は、自動変速機のアップシフト中に出力トルクが低下するように駆動源が制御されている状態において摩擦係合要素に供給する油圧が予め定められた勾配で漸増するように制御するステップと、自動変速機のアップシフト中に出力トルクが低下するように駆動源が制御されている状態において自動変速機に入力されるトルクの推定値を算出するステップと、推定値に基づいて、勾配を設定するステップとを含む。
第1または第5の発明によると、自動変速機のアップシフト中に出力トルクが低下するように駆動源が制御されている状態において摩擦係合要素に供給する油圧が予め定められた勾配で漸増するように制御される。出力トルクが低下するように駆動源が制御されている状態において自動変速機に入力されるトルクの推定値が算出される。推定値に基づいて、勾配が設定される。これにより、自動変速機の入力トルクに応じた勾配で摩擦係合要素の係合圧を漸増することができる。そのため、自動変速機の入力トルクに対応した変化率で摩擦係合要素の係合圧を変化させることができる。その結果、摩擦係合要素に供給する油圧を自動変速機の入力トルクに精度よく対応させることができる車両の制御装置または制御方法を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置は、第1の発明の構成に加え、設定手段は、推定値が小さいほど、勾配がより小さくなるように設定するための手段を含む。
第6の発明に係る車両の制御方法においては、第5の発明の構成に加え、勾配を設定するステップは、推定値が小さいほど、勾配がより小さくなるように設定するステップを含む。
第2または第6の発明によると、推定値が小さいほど、勾配がより小さくなるように設定される。これにより、自動変速機に入力されるトルクが小さいほど、係合圧を緩やかに増大することができる。そのため、自動変速機に入力されるトルクに対して係合圧が過大になることを抑制することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加え、駆動源は内燃機関である。算出手段は、スロットル開度に基づいて、推定値を算出するための手段を含む。
第7の発明に係る車両の制御方法においては、第5または6の発明の構成に加え、駆動源は内燃機関である。推定値を算出するステップは、スロットル開度に基づいて、推定値を算出するステップを含む。
第3または第7の発明によると、内燃機関の出力トルク、すなわち自動変速機の入力トルクに対する影響が大きいスロットル開度に基づいて、推定値を精度よく算出することができる。
第4の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加え、駆動源は内燃機関である。算出手段は、内燃機関に吸入される空気量に基づいて、推定値を算出するための手段を含む。
第8の発明に係る車両の制御方法においては、第5または6の発明の構成に加え、駆動源は内燃機関である。推定値を算出するステップは、内燃機関に吸入される空気量に基づいて、推定値を算出するステップを含む。
第4または第8の発明によると、内燃機関の出力トルク、すなわち自動変速機の入力トルクに対する影響が大きい空気量に基づいて、推定値を精度よく算出することができる。
第9の発明に係るプログラムは、第5〜8のいずれかの発明の車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
第9の発明によると、摩擦係合要素に供給する油圧を自動変速機の入力トルクに精度よく対応させることができる車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することができる。
第10の発明に係る記録媒体は、第9の発明のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
第10の発明によると、摩擦係合要素に供給する油圧を自動変速機の入力トルクに精度よく対応させることができる車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した記録媒体を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る制御装置を搭載した車両について説明する。この車両は、FR(Front engine Rear drive)車両である。なお、FR以外の車両であってもよい。
車両は、エンジン1000と、オートマチックトランスミッション2000と、トルクコンバータ2100と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成するプラネタリギヤユニット3000と、オートマチックトランスミッション2000の一部を構成する油圧回路4000と、プロペラシャフト5000と、デファレンシャルギヤ6000と、後輪7000と、ECU(Electronic Control Unit)8000とを含む。本実施の形態に係る制御装置は、たとえばECU8000のROM(Read Only Memory)8002に記録されたプログラムを実行することにより実現される。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。エンジン1000の駆動力により、オルタネータおよびエアコンディショナーなどの補機1004が駆動される。なお、エンジン1000の代わりにもしくは加えて、動力源にモータを用いるようにしてもよい。
オートマチックトランスミッション2000は、トルクコンバータ2100を介してエンジン1000に連結される。オートマチックトランスミッション2000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。
オートマチックトランスミッション2000から出力された駆動力は、プロペラシャフト5000およびデファレンシャルギヤ6000を介して、左右の後輪7000に伝達される。
ECU8000には、シフトレバー8004のポジションスイッチ8006と、アクセルペダル8008のアクセル開度センサ8010と、ブレーキペダル8012の踏力センサ8014と、電子スロットルバルブ8016のスロットル開度センサ8018と、エンジン回転数センサ8020と、入力軸回転数センサ8022と、出力軸回転数センサ8024と、油温センサ8026と、エアフローメータ8028とがハーネスなどを介して接続されている。
シフトレバー8004の位置(ポジション)は、ポジションスイッチ8006により検出され、検出結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、オートマチックトランスミッション2000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8010は、アクセルペダル8008の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。踏力センサ8014は、ブレーキペダル8012の踏力(運転者がブレーキペダル8012を踏む力)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
スロットル開度センサ8018は、アクチュエータにより開度が調整される電子スロットルバルブ8016の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。電子スロットルバルブ8016により、エンジン1000に吸入される空気量(エンジン1000の出力)が調整される。
なお、電子スロットルバルブ8016の代わりにもしくは加えて、吸気バルブ(図示せず)や排気バルブ(図示せず)のリフト量や開閉する位相を変更することにより、エンジン1000に吸入される空気量を調整するようにしてもよい。
エンジン回転数センサ8020は、エンジン1000の出力軸(クランクシャフト)の回転数を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。入力軸回転数センサ8022は、オートマチックトランスミッション2000の入力軸回転数NI(トルクコンバータ2100のタービン回転数NT)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。出力軸回転数センサ8024は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOを検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
油温センサ8026は、オートマチックトランスミッション2000の作動や潤滑に用いられるオイル(ATF:Automatic Transmission Fluid)の温度(油温)を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
エアフローメータ8028は、エンジン1000に吸入される空気量を検出し、検出結果を表わす信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、ポジションスイッチ8006、アクセル開度センサ8010、踏力センサ8014、スロットル開度センサ8018、エンジン回転数センサ8020、入力軸回転数センサ8022、出力軸回転数センサ8024、油温センサ8026、エアフローメータ8028などから送られてきた信号、ROM8002に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、車両が所望の走行状態となるように、機器類を制御する。
本実施の形態において、ECU8000は、シフトレバー8004がD(ドライブ)ポジションであることにより、オートマチックトランスミッション2000のシフトレンジにD(ドライブ)レンジが選択された場合、前進1速〜8速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されるように、オートマチックトランスミッション2000を制御する。前進1速〜8速ギヤ段のうちのいずれかのギヤ段が形成されることにより、オートマチックトランスミッション2000は後輪7000に駆動力を伝達し得る。なおDレンジにおいて、8速ギヤ段よりも高速のギヤ段を形成可能であるようにしてもよい。形成するギヤ段は、車速とアクセル開度とをパラメータとして実験等により予め作成された変速線図に基づいて決定される。
図1に示すように、ECU8000は、エンジン1000を制御するエンジンECU8100と、オートマチックトランスミッション2000を制御するECT(Electronic Controlled Transmission)_ECU8200とを含む。
エンジンECU8100とECT_ECU8200とは、互いに信号を送受信可能であるように構成される。本実施の形態においては、エンジンECU8100からECT_ECU8200に、アクセル開度を表わす信号およびエンジン1000の出力トルクを表わす信号が送信される。ECT_ECU8200からエンジンECU8100には、エンジン1000が出力すべきトルクとして定められるトルク要求量を表わす信号が送信される。
図2を参照して、プラネタリギヤユニット3000について説明する。プラネタリギヤユニット3000は、クランクシャフトに連結された入力軸2102を有するトルクコンバータ2100に接続されている。
プラネタリギヤユニット3000は、フロントプラネタリ3100と、リアプラネタリ3200と、C1クラッチ3301と、C2クラッチ3302と、C3クラッチ3303と、C4クラッチ3304と、B1ブレーキ3311と、B2ブレーキ3312と、ワンウェイクラッチ(F)3320とを含む。
フロントプラネタリ3100は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構である。フロントプラネタリ3100は、第1サンギヤ(S1)3102と、1対の第1ピニオンギヤ(P1)3104と、キャリア(CA)3106と、リングギヤ(R)3108とを含む。
第1ピニオンギヤ(P1)3104は、第1サンギヤ(S1)3102および第1リングギヤ(R)3108と噛合っている。第1キャリア(CA)3106は、第1ピニオンギヤ(P1)3104が公転および自転可能であるように支持している。
第1サンギヤ(S1)3102は、回転不能であるようにギヤケース3400に固定される。第1キャリア(CA)3106は、プラネタリギヤユニット3000の入力軸3002に連結される。
リアプラネタリ3200は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。リアプラネタリ3200は、第2サンギヤ(S2)3202と、第2ピニオンギヤ(P2)3204と、リアキャリア(RCA)3206と、リアリングギヤ(RR)3208と、第3サンギヤ(S3)3210と、第3ピニオンギヤ(P3)3212とを含む。
第2ピニオンギヤ(P2)3204は、第2サンギヤ(S2)3202、リアリングギヤ(RR)3208および第3ピニオンギヤ(P3)3212と噛合っている。第3ピニオンギヤ(P3)3212は、第2ピニオンギヤ(P2)3204に加えて、第3サンギヤ(S3)3210と噛合っている。
リアキャリア(RCA)3206は、第2ピニオンギヤ(P2)3204および第3ピニオンギヤ(P3)3212が公転および自転可能であるように支持している。リアキャリア(RCA)3206は、ワンウェイクラッチ(F)3320に連結される。リアキャリア(RCA)3206は、1速ギヤ段の駆動時(エンジン1000から出力された駆動力を用いた走行時)に回転不能となる。リアリングギヤ(RR)3208は、プラネタリギヤユニット3000の出力軸3004に連結される。
ワンウェイクラッチ(F)3320は、B2ブレーキ3312と並列に設けられる。すなわち、ワンウェイクラッチ(F)3320のアウターレースはギヤケース3400に固定され、インナーレースはリアキャリア(RCA)3206に連結される。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。この作動表に示された組み合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、前進1速〜8速のギヤ段と、後進1速および2速のギヤ段が形成される。
図4を参照して、油圧回路4000の要部について説明する。なお、油圧回路4000は、以下に説明するものに限られない。
油圧回路4000は、オイルポンプ4004と、プライマリレギュレータバルブ4006と、マニュアルバルブ4100と、ソレノイドモジュレータバルブ4200と、SL1リニアソレノイド(以下、SL(1)と記載する)4210と、SL2リニアソレノイド(以下、SL(2)と記載する)4220と、SL3リニアソレノイド(以下、SL(3)と記載する)4230と、SL4リニアソレノイド(以下、SL(4)と記載する)4240と、SL5リニアソレノイド(以下、SL(5)と記載する)4250と、SLTリニアソレノイド(以下、SLTと記載する)4300と、B2コントロールバルブ4500とを含む。
オイルポンプ4004は、エンジン1000のクランクシャフトに連結されている。クランクシャフトが回転することにより、オイルポンプ4004が駆動し、油圧を発生する。オイルポンプ4004で発生した油圧は、プライマリレギュレータバルブ4006により調圧され、ライン圧が生成される。
プライマリレギュレータバルブ4006は、SLT4300により調圧されたスロットル圧をパイロット圧として作動する。ライン圧は、ライン圧油路4010を介してマニュアルバルブ4100に供給される。
マニュアルバルブ4100は、ドレンポート4105を含む。ドレンポート4105から、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の油圧が排出される。マニュアルバルブ4100のスプールがDポジションにある場合、ライン圧油路4010とDレンジ圧油路4102とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102に油圧が供給される。このとき、Rレンジ圧油路4104とドレンポート4105とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがRポジションにある場合、ライン圧油路4010とRレンジ圧油路4104とが連通させられ、Rレンジ圧油路4104に油圧が供給される。このとき、Dレンジ圧油路4102とドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
マニュアルバルブ4100のスプールがNポジションにある場合、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104の両方と、ドレンポート4105とが連通させられ、Dレンジ圧油路4102のDレンジ圧およびRレンジ圧油路4104のRレンジ圧がドレンポート4105から排出される。
Dレンジ圧油路4102に供給された油圧は、最終的には、C1クラッチ3301、C2クラッチ3302およびC3クラッチ3303に供給される。Rレンジ圧油路4104に供給された油圧は、最終的には、B2ブレーキ3312に供給される。
ソレノイドモジュレータバルブ4200は、ライン圧を元圧とし、SLT4300に供給する油圧(ソレノイドモジュレータ圧)を一定の圧力に調圧する。
SL(1)4210は、C1クラッチ3301に供給される油圧を調圧する。SL(2)4220は、C2クラッチ3302に供給される油圧を調圧する。SL(3)4230は、C3クラッチ3303に供給される油圧を調圧する。SL(4)4240は、C4クラッチ3304に供給される油圧を調圧する。SL(5)4250は、B1ブレーキ3311に供給される油圧を調圧する。
SLT4300は、アクセル開度センサ8010により検出されたアクセル開度に基づいたECU8000からの制御信号に応じて、ソレノイドモジュレータ圧を調圧し、スロットル圧を生成する。スロットル圧は、SLT油路4302を介して、プライマリレギュレータバルブ4006に供給される。スロットル圧は、プライマリレギュレータバルブ4006のパイロット圧として利用される。
SL(1)4210、SL(2)4220、SL(3)4230、SL(4)4240、SL(5)4250およびSLT4300は、ECU8000から送信される制御信号により制御される。
B2コントロールバルブ4500は、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104のいずれか一方からの油圧を選択的に、B2ブレーキ3312に供給する。B2コントロールバルブ4500に、Dレンジ圧油路4102およびRレンジ圧油路4104が接続されている。B2コントロールバルブ4500は、SLUソレノイドバルブ(図示せず)から供給された油圧とスプリングの付勢力とにより制御される。
SLUソレノイドバルブがオンの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において左側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3312には、SLUソレノイドバルブから供給された油圧をパイロット圧として、Dレンジ圧を調圧した油圧が供給される。
SLUソレノイドバルブがオフの場合、B2コントロールバルブ4500は、図4において右側の状態となる。この場合、B2ブレーキ3312には、Rレンジ圧が供給される。
図5を参照して、ECU8000についてさらに説明する。なお、以下に説明するECU8000の機能は、ハードウエアにより実現するようにしてもよく、ソフトウエアにより実現するようにしてもよい。
ECU8000のエンジンECU8100は、トルク制御部8110と、出力トルク推定部8120とを含む。トルク制御部8110は、ECT_ECU8200から出力されるトルク要求量を受け、このトルク要求量に対応したトルクがエンジン1000から出力されるように、電子スロットルバルブ8016のスロットル開度およびイグニッションプラグによる点火時期などを制御する。
出力トルク推定部8120は、エアフローメータ8028により検出された吸入空気量に基づいて、エンジン1000の出力トルクを推定する。なお、吸入空気量の代わりにもしくは加えてスロットル開度に基づいてエンジン1000の出力トルクを推定するようにしてもよい。エンジン1000の出力トルクを推定する方法については、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰り返さない。出力トルク推定部8120により推定されたトルクは、ECT_ECU8200に入力される。
ECU8000のECT_ECU8200は、車速検出部8210と、係合圧制御部8220と、ドライバ要求トルク設定部8230と、トルク要求部8240と、トルクアップ制御部8250と、トルクダウン制御部8260と、入力トルク推定部8270と、ホールド部8280、操作判定部8282と、イナーシャ相判定部8290とを含む。
車速検出部8210は、オートマチックトランスミッション2000の出力軸回転数NOから車速を算出(検出)する。係合圧制御部8220は、変速終了後および変速中における摩擦係合要素(クラッチおよびブレーキ)の係合圧を制御する。
係合圧制御部8220は、待機圧設定部8222と、勾配設定部8224とを含む。待機圧設定部8222は、変速前後のギヤ段の組合わせおよびホールド部8280によりホールド(記憶)されたオートマチックトランスミッション2000の入力トルクをパラメータとして、図6に示すように、変速(アップシフト)時に解放状態から係合状態にする摩擦係合要素のトルク相中における係合圧の待機圧を設定する。
待機圧設定部8222により設定される待機圧は、イナーシャ相開始時点における係合圧の指示値になる。推定された入力トルク(入力トルクの推定値)が大きいほどより大きな待機圧が設定される。
勾配設定部8224は、変速前後のギヤ段の組合わせおよびホールド部8280によりホールドされたオートマチックトランスミッション2000の入力トルクをパラメータとして、変速(アップシフト)時に解放状態から係合状態にする摩擦係合要素の係合圧を、図6に示すようにイナーシャ相中において漸増させる際の勾配を設定する。
ホールドされた入力トルクが大きいほど、大きな値の勾配が設定される。すなわち、ホールドされた入力トルクが小さいほど、小さな値の勾配が設定される。なお、勾配の代わりに係合圧の目標値を、入力トルクが大きいほど大きな値になるように設定するようにしてもよい。
イナーシャ相中の係合圧の指示値は、待機圧設定部8222により設定された待機圧、すなわちイナーシャ相が開始する時点の係合圧の指示値、勾配設定部8224により設定された勾配およびイナーシャ相開始時点からの経過時間により定まる。
図7の時間T(1)において、入力トルクがホールド部8280により再度ホールドされた場合は、係合圧制御部8220が時間T(1)における係合圧の指示値が再計算される。
係合圧制御部8220は、再度ホールドされた入力トルクに対応して待機圧設定部8222により再度設定された待機圧、勾配設定部8224により再度設定された勾配およびイナーシャ相開始時点からの経過時間ΔT(1)により、時間T(1)における係合圧の指示値を再計算する。そのため、イナーシャ相中に入力トルクが再度ホールドされた場合は、係合圧の指示値が変更される。
図5に戻って、ドライバ要求トルク設定部8230は、アクセル開度などに基づいて、ドライバが要求するトルクであるドライバ要求トルクを設定する。ドライバ要求トルクは、アクセル開度が大きくなるほど大きくなるように、アクセル開度に対応して設定される。
トルク要求部8240は、ドライバ要求トルクなどに基づいて、エンジン1000に要求するトルクであるトルク要求量を設定する。変速を行なっていない定常走行時などにおいては、ドライバ要求トルクがトルク要求量として設定される。
トルクアップ制御部8250は、アップシフトの際のトルク相中においてトルクを増大させるトルクアップ制御を実行する。トルクアップ制御部8250は、トルクアップ量設定部8252と、トルクアップ要求量設定部8254とを含む。
トルクアップ量設定部8252は、トルクアップ制御において、エンジン1000に要求するトルクアップ量を設定する。トルクアップ量は、ドライバ要求トルク、すなわち、アクセル開度に応じて設定される。
トルクアップ要求量設定部8254は、アップシフトの際のトルク相中において、予め定められた態様でトルクアップ量まで増大するようにトルクアップ要求量を設定する。すなわち、トルクアップ要求量が最終的に到達する値が、トルクアップ量である。
トルクアップ制御の実行時において、トルク要求部8240は、図6において実線で示すように、ドライバ要求トルクにトルクアップ要求量を加えたトルクをトルク要求量として設定する。
トルクダウン制御部8260は、アップシフトの際のイナーシャ相中においてトルクを減少させるトルクダウン制御を実行する。トルクダウン制御において、トルクダウン制御部8260は、イナーシャ相の開始後、ドライバ要求トルクよりも低くなるように定められた値まで減少するように、要求トルクを設定する。
トルクダウン制御の実行時において、トルク要求部8240は、図6において実線で示すように、トルクダウン制御部8260により設定された要求トルクをトルク要求量として設定する。
入力トルク推定部8270は、エンジンECU8100の出力トルク推定部8120により推定された出力トルクおよびトルクコンバータ2100のトルク比に基づいて、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクを推定する。なお、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクを推定する方法については、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではさらなる詳細な説明は繰り返さない。
ホールド部8280は、イナーシャ相中におけるオートマチックトランスミッション2000の入力トルクをホールド(記憶)する。ホールド部8280は、イナーシャ相が開始されたと判定された時点で入力トルクをホールドするとともに、イナーシャ相中に、予め定められた操作量以上のアクセル操作(アクセル開度の変化量がしきい値以上となるアクセルペダル8008への操作)がなされた場合に、その時点の入力トルクを再度ホールドする(以下、再度ホールドすることを再ホールドとも記載する)。
ホールド部8280は、予め定められた操作量以上のアクセル操作がなされた時点の入力トルクがホールドされた入力トルク以上である場合、入力トルクを再ホールドする。また、ホールド部8280は、予め定められた操作量以上のアクセル操作がなされた時点の入力トルクが、ホールドされた入力トルクから予め定められた値を減算した値以下である場合、入力トルクを再ホールドする。すなわち、入力トルクが小さくなる場合は、ホールドされた入力トルクに対して予め定められた値以上低い場合のみ、入力トルクが再ホールドされる。
さらに、ホールド部8280は、予め定められた操作量以上のアクセル操作がなされた時点の入力トルクが予め定められた下限値以下である場合、下限値を入力トルクとして再ホールドする。
操作判定部8282は、予め定められた操作量以上のアクセル操作がなされたか否かを判定する。イナーシャ相判定部8290は、イナーシャ相が開始したか否かを判定する。出力軸回転数NOに変速(アップシフト)開始前のギヤ段のギヤ比を乗じた回転数よりも、入力軸回転数NIが低くなった場合、イナーシャ相が開始したと判定される。なお、イナーシャ相が開始したことを判定する方法はこれに限らない。
図8および図9を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000がアップシフト中に実行するプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に説明するプログラムは、予め定められた周期で繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、ECU8000は、イナーシャ相の開始前であるか否かを判定する。イナーシャ相の開始前であると(S100にてYES)、処理はS102に移される。もしそうでないと(S100にてNO)、処理はS118に移される。
S102にて、ECU8000は、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクを推定する。S104にて、ECU8000は、アップシフト時に解放状態から係合状態にする摩擦係合要素のトルク相中における係合圧の待機圧を設定する。
S106にて、ECU8000は、アップシフト時に解放状態から係合状態にする摩擦係合要素のトルク相中における係合圧が待機圧になるように制御する。
S108にて、ECU8000は、イナーシャ相が開始したか否か判定する。イナーシャ相が開始すると(S108にてYES)、処理はS110に移される。もしそうでないと(S108にてNO)、この処理は終了する。
S110にて、ECU8000は、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクを推定する。S112にて、ECU8000は、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクをホールドする。
S114にて、ECU8000は、ホールドされた入力トルクに基づいて、係合圧をイナーシャ相中において漸増させる際の勾配を設定する。S116にて、ECU8000は、設定された勾配で係合圧を漸増する。
S118にて、ECU8000は、予め定められた操作量以上のアクセル操作がなされたか否かを判定する。予め定められた操作量以上のアクセル操作がなされると(S118にてYES)、処理はS120に移される。もしそうでないと(S118にてNO)、この処理は終了する。
S120にて、ECU8000は、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクを推定する。
S130にて、ECU8000は、オートマチックトランスミッション2000の入力トルク(推定された入力トルク)が下限値以下であるか否かを判定する。入力トルクが下限値以下であると(S130にてYES)、処理はS132に移される。もしそうでないと(S130にてNO)、処理はS140に移される。S132にて、ECU8000は、下限値を入力トルクとして再ホールドする。
S140にて、ECU8000は、推定された入力トルクがホールドされた入力トルク以上であるか否か判定する。オートマチックトランスミッション2000の入力トルクがホールドされた入力トルク以上であると(S130にてYES)、処理はS144に移される。もしそうでないと(S140にてNO)、処理はS142に移される。
S142にて、ECU8000は、推定された入力トルクがホールドされた入力トルクから予め定められた値を減算した値以下であるか否か判定する。推定された入力トルクがホールドされた入力トルクから予め定められた値を減算した値以下であると(S142にてYES)、処理はS144に移される。もしそうでないと(S142にてNO)、この処理は終了する。S144にて、ECU8000は、入力トルクを再ホールドする。
S150にて、ECU8000は、再ホールドされた入力トルクに基づいて、アップシフト時に解放状態から係合状態にする摩擦係合要素のトルク相中における係合圧の待機圧、すなわちイナーシャ相開始時点の係合圧の指示値を設定するとともに、係合圧をイナーシャ相中において漸増させる際の勾配を設定する。
S152にて、ECU8000は、係合圧の指示値を再計算する。S154にて、ECU8000は、アップシフト時に解放状態から係合状態にする摩擦係合要素のイナーシャ相中の係合圧が再計算された指示値になるように制御する。S156にて、ECU8000は、設定された勾配で係合圧を漸増する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000の動作について説明する。
オートマチックトランスミッション2000のアップシフト中において、イナーシャ相の開始前であると(S100にてYES)、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクが推定される(S102)。推定された入力トルクを用いて、アップシフト時に解放状態から係合状態にする摩擦係合要素のトルク相中における係合圧の待機圧が設定される(S104)。図6に示すように、設定された待機圧になるように、アップシフト時に解放状態から係合状態にする摩擦係合要素のトルク相中における係合圧が制御される(S106)。
イナーシャ相が開始すると(S108にてYES)、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクが推定される(S110)。この入力トルクがホールドされる(S112)。
ホールドされた入力トルクに基づいて、係合圧をイナーシャ相中において漸増させる際の勾配が設定される(S114)。図6に示すように、設定された勾配で係合圧が漸増される(S116)。
イナーシャ相の開始後において(S100にてNO)、予め定められた操作量以上のアクセル操作がなされると(S118にてYES)、オートマチックトランスミッション2000の入力トルクが推定される(S120)。
予め定められた操作量以上のアクセル操作がなされた場合、入力トルクが大きく変化したといえる。滑らかにアップシフトを行なうためには、入力トルクと乖離しないように摩擦係合要素の係合圧を制御する必要がある。そこで、入力トルクが変化した場合には、入力トルクが再ホールドされる。
図10の時間T(2)においてアクセル開度が増大されたため、推定された入力トルクが下限値より大きく(S130にてNO)、かつ推定された入力トルクがホールドされた入力トルク以上であると(S130にてYES)、推定された入力トルクがそのまま再ホールドされる(S144)。
再ホールドされた入力トルクに基づいて、イナーシャ相開始時点の係合圧の指示値が設定されるとともに、係合圧をイナーシャ相中において漸増させる際の勾配が設定されて(S150)、係合圧の指示値が再計算される(S152)。
摩擦係合要素のトルク相中における係合圧が再計算された指示値になるように制御される(S154)。待機圧および勾配は、推定された入力トルクが大きいほどより大きくなるように設定される。そのため、図10に示すように、入力トルクが増大した場合には、摩擦係合要素の係合圧を高くすることができる。
その後、設定された勾配で係合圧が漸増される(S156)。これにより、入力トルクに応じて係合圧を速やかに増大させることができる。そのため、係合圧が入力トルクに対して係合圧が不足することを抑制することができる。その結果、変速の進行が遅れることを抑制することができる。
また、図11の時間T(3)においてアクセル開度が減少された場合において、推定された入力トルクが下限値より大きく(S130にてNO)、かつ推定された入力トルクがホールドされた入力トルクから予め定められた値を減算した値以下であると(S142にてYES)、推定された入力トルクがそのまま再ホールドされる(S144)。
再ホールドされた入力トルクに基づいて、イナーシャ相開始時点の係合圧の指示値が設定されるとともに、係合圧をイナーシャ相中において漸増させる際の勾配が設定されて(S150)、係合圧の指示値が再計算される(S152)。
摩擦係合要素のトルク相中における係合圧が再計算された指示値になるように制御される(S154)。待機圧および勾配は、推定された入力トルクが小さいほどより小さくなるように設定される。そのため、図11に示すように、入力トルクが減少した場合には、摩擦係合要素の係合圧を低くすることができる。
その後、設定された勾配で係合圧が漸増される(S156)。これにより、入力トルクに応じて係合圧を緩やかに増大させることができる。そのため、係合圧が入力トルクに対して摩擦係合要素が過大になることを抑制することができる。その結果、大きなショックが発生することを抑制することができる。
一方、推定された入力トルクがホールドされた入力トルクより小さく(S130にてNO)、かつ推定された入力トルクがホールドされた入力トルクから予め定められた値を減算した値より大きいと(S142にてNO)、入力トルクは再ホールドされない。これにより、エンジン1000のトルクダウンにより入力トルクが変動し易いイナーシャ相において、ホールドされる入力トルクが頻繁に変動することを抑制することができる。そのため、係合圧が頻繁に変動することを抑制することができる。
ところで、下限値以下の入力トルクに対応して係合圧を低くすると、係合圧が必要以上に低くなる。この場合、変速が進行しないおそれがある。そこで、入力トルクが下限値以下であると(S130にてYES)、下限値が再ホールドされる(S132)。
再ホールドされた入力トルクに基づいて、イナーシャ相開始時点の係合圧の指示値が設定されるとともに、係合圧をイナーシャ相中において漸増させる際の勾配が設定されて(S150)、係合圧の指示値が再計算される(S152)。
摩擦係合要素のトルク相中における係合圧が再計算された指示値になるように制御された後(S154)、設定された勾配で係合圧が漸増される(S156)。これにより、係合圧が必要以上に低くなることを抑制することができる。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置であるECUによれば、アップシフトのイナーシャ相中において、オートマチックトランスミッションの入力トルクの推定値に応じて定められる勾配で、摩擦係合要素の係合圧が漸増される。これにより、オートマチックトランスミッションの入力トルクに対応した変化率で摩擦係合要素の係合圧を変化させることができる。そのため、摩擦係合要素に供給する油圧をオートマチックトランスミッションの入力トルクに精度よく対応させることができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
車両のパワートレーンを示す概略構成図である。 オートマチックトランスミッションのプラネタリギヤユニットを示すスケルトン図である。 オートマチックトランスミッションの作動表を示す図である。 オートマチックトランスミッションの油圧回路を示す図である。 ECUの機能ブロック図である。 トルク要求量および係合圧の推移を示すタイミングチャートである。 係合圧の推移を示すタイミングチャート(その1)である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の実施の形態に係る制御装置であるECUが実行するプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 係合圧の推移を示すタイミングチャート(その2)である。 係合圧の推移を示すタイミングチャート(その3)である。
符号の説明
1000 エンジン、2000 オートマチックトランスミッション、2100 トルクコンバータ、3000 プラネタリギヤユニット、3301 C1クラッチ、3302 C2クラッチ、3303 C3クラッチ、3304 C4クラッチ、3311 B1ブレーキ、3312 B2ブレーキ、4000 油圧回路、8000 ECU、8002 ROM、8004 シフトレバー、8006 ポジションスイッチ、8008 アクセルペダル、8010 アクセル開度センサ、8012 ブレーキペダル、8014 踏力センサ、8016 電子スロットルバルブ、8018 スロットル開度センサ、8020 エンジン回転数センサ、8022 入力軸回転数センサ、8024 出力軸回転数センサ、8026 油温センサ、8028 エアフローメータ、8100 エンジンECU、8110 トルク制御部、8120 出力トルク推定部、8200 ECT_ECU、8210 車速検出部、8220 係合圧制御部、8222 待機圧設定部、8224 勾配設定部、8230 ドライバ要求トルク設定部、8240 トルク要求部、8250 トルクアップ制御部、8252 トルクアップ量設定部、8254 トルクアップ要求量設定部、8260 トルクダウン制御部、8270 入力トルク推定部、8280 ホールド部、8282 操作判定部、8290 イナーシャ相判定部。

Claims (10)

  1. 油圧により作動する摩擦係合要素を係合することによりギヤ段を形成する自動変速機と、前記自動変速機に連結され、前記自動変速機のアップシフトのイナーシャ相中に出力トルクが低下するように制御される駆動源とを備えた車両の制御装置であって、
    前記イナーシャ相に前記摩擦係合要素に供給する油圧を漸増するように制御するための制御手段と、
    記自動変速機に入力されるトルクの推定値を算出するための算出手段とを備え、
    前記制御手段は、前記イナーシャ相の開始時点の前記推定値を保持し、前記イナーシャ相の開始後において、所定量以上のアクセル操作がなされていない場合、保持された前記推定値に応じて前記油圧を漸増させ、前記所定量以上のアクセル操作がなされた場合、前記推定値の保持を解除して前記所定量以上のアクセル操作がなされた時点以降に推定された前記推定値を再保持し、再保持された前記推定値に応じて前記油圧を漸増させる、車両の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記推定値が小さいほど、前記勾配がより小さくなるように設定する、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記駆動源は内燃機関であって、
    前記算出手段は、スロットル開度に基づいて、前記推定値を算出するための手段を含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記駆動源は内燃機関であって、
    前記算出手段は、前記内燃機関に吸入される空気量に基づいて、前記推定値を算出するための手段を含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
  5. 油圧により作動する摩擦係合要素を係合することによりギヤ段を形成する自動変速機と、前記自動変速機に連結され、前記自動変速機のアップシフトのイナーシャ相中に出力トルクが低下するように制御される駆動源とを備えた車両の制御方法であって、
    前記イナーシャ相に前記摩擦係合要素に供給する油圧を漸させるステップと、
    記自動変速機に入力されるトルクの推定値を算出するステップとを含み、
    前記油圧を漸増させるステップは、
    前記イナーシャ相の開始時点の前記推定値を保持するステップと、
    前記イナーシャ相の開始後において、所定量以上のアクセル操作がなされていない場合、保持された前記推定値に応じて前記油圧を漸増させるステップと、
    前記イナーシャ相の開始後において、前記所定量以上のアクセル操作がなされた場合、前記推定値の保持を解除して前記所定量以上のアクセル操作がなされた時点以降に推定された前記推定値を再保持し、再保持された前記推定値に応じて前記油圧を漸増させるステップとを含む、車両の制御方法。
  6. 前記油圧を漸増させるステップは、前記推定値が小さいほど、前記勾配がより小さくなるように設定するステップを含む、請求項5に記載の車両の制御方法。
  7. 前記駆動源は内燃機関であって、
    前記推定値を算出するステップは、スロットル開度に基づいて、前記推定値を算出するステップを含む、請求項5または6に記載の車両の制御方法。
  8. 前記駆動源は内燃機関であって、
    前記推定値を算出するステップは、前記内燃機関に吸入される空気量に基づいて、前記推定値を算出するステップを含む、請求項5または6に記載の車両の制御方法。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載の車両の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 請求項9に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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