JP4693703B2 - ロックアップ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明はロックアップ制御装置、すなわち車両用トルクコンバータに設けられるロックアップクラッチの制御装置に関する。
従来、エンジンと自動変速機(無段変速機を含む)との間にトルクコンバータを搭載した車両が知られている。トルクコンバータにはその入力側と出力側とを機械的に連結するロックアップクラッチが設けられており、車両の運転状態(例えば車速とアクセル開度)に基づいて、ロックアップクラッチを締結状態と解放状態とに切替制御している。なお、必要に応じてロックアップクラッチを締結状態と解放状態との中間状態に制御(スリップ状態)することもある。
図13はロックアップクラッチを解放状態から締結状態へ切り替える際における、差回転(ロックアップクラッチの入力側と出力側との回転数差)と、目標差圧(ロックアップクラッチの締結側油室と解放側油室の油圧差)との時間変化の一例を示す。時刻t0でロックアップクラッチの締結指令が出た後、時刻t1で差圧を初期差圧分だけ上昇させ、時刻t1から時刻t2まで初期差圧を保持する。時刻t2で実差回転が低下しはじめると、係合開始と判定し、差圧を一定の時間勾配で上昇させる(スイープ制御)。実差回転がほぼ零になった時刻t3でスイープ制御を終了し、時刻t4で差圧を最大値まで上げて締結を完了する。
上記のように係合時間ができるだけ目標係合時間に近づくように、差圧の時間勾配を調整しても、実差回転が図13に示すように目標差回転に沿うとは限らず、目標係合時間と実係合時間との間に大きな差が生じることがある。実係合時間が目標係合時間より長くなると、クラッチ摩耗による焼損の懸念があり、実係合時間が目標係合時間より短くなると、係合ショックの発生の懸念がある。そこで、差回転の時間変化量の目標値を設定し、この目標差回転に沿うようにロックアップ差圧をフィードバック制御する方法があるが、差回転と差圧とは本来別個の制御量であるため、差圧をフィードバック制御しても、目標とする差回転に沿わせることは困難である。そのため、目標係合時間と実係合時間との間に大きなずれが生じる結果となっていた。
特許文献1には、車両用ロックアップクラッチの係合制御として、係合目標時間により一定の差回転目標変化率を設定し、クラッチ差圧の係合初期圧の学習制御を実施するとともに、フィードバック制御を実施する技術が開示されている。
また、特許文献2には、予め実験により定めたショック軽減とクラッチ焼損防止の両立する係合目標時間と、トルクコンバータの締結トルク容量により算出する係合開始および完了時のクラッチ差圧を上記係合目標時間で割算した差圧勾配によって締結制御する技術が開示されている。
特許文献1の場合、個体差のばらつきの原因の1つであるクラッチ差圧の係合初期圧を学習制御するものの、差回転目標変化率に沿った制御は差圧のフィードバック制御を主体としているため、上述のように目標とする差回転に沿わせることが困難である。
特許文献2の場合、トルクコンバータの締結トルク容量により算出する係合開始および完了時のクラッチ差圧を係合目標時間で割算した差圧勾配を用いて制御しているが、この差圧勾配が妥当値であるとは限らない。
特開2001−330139号公報 特開2004−232870号公報
本発明の目的は、フィードバック制御を実施せずにロックアップクラッチの係合時間のばらつきを抑制し、係合ショックとクラッチ焼損とを抑制できるロックアップ制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、ロックアップクラッチを内蔵したトルクコンバータを備え、車両の運転状態に基づいてロックアップクラッチの差圧を制御し、ロックアップクラッチを締結状態と解放状態とに切替制御するロックアップ制御装置において、上記ロックアップクラッチの解放状態から締結状態への目標係合時間を、入力トルクとロックアップクラッチの入出力要素の差回転とに基づき設定した目標係合時間設定手段と、上記トルクコンバータへの実際の入力トルクを検出する入力トルク検出手段と、上記ロックアップクラッチの実際の差回転を検出する差回転検出手段と、実際の入力トルクと差回転とに対応した目標係合時間を上記目標係合時間設定手段から読み出し、この目標係合時間に基づきクラッチ吸収エネルギーを算出する吸収エネルギー算出手段と、上記目標係合時間tとクラッチ吸収エネルギーEとを用い、次式から目標差圧時間変化量Yを算出する目標差圧時間変化量算出手段と、を備え、
Y=aE/tn +b
(但し、a,b:定数、n:実数値でかつ1<n≦4)
上記目標差圧時間変化量算出手段により算出した目標差圧時間変化量Yにしたがって上記ロックアップクラッチの差圧を制御することを特徴とするロックアップ制御装置を提供する。
本発明の第1の特徴は、クラッチ吸収エネルギーという制御因子を用いたことにある。クラッチ吸収エネルギーは予め設定した目標係合時間と入力トルクおよび差回転とから計算で求めることができる。目標係合時間は、係合ショック防止とクラッチ焼損防止とを両立できるように、予め実験的に求められる。本発明の第2の特徴は、クラッチ吸収エネルギーそのものではなく、クラッチ吸収エネルギーを目標係合時間のn乗(n:実数値)で割った値と、目標差圧時間変化量(差圧スイープ量)との間に、ほぼ比例関係が存在することを発見したことにある。但し、nは1より大きく、4以下の実数値である。より好ましくは、2≦n≦4がよい。この比例関係は、あらゆる走行状態において成立する。なお、目標差回転の時間勾配は、係合開始時の差回転が分かれば、目標係合時間から一義的に決定することができる。そのため、クラッチ吸収エネルギーから求めた目標差圧時間変化量でロックアップクラッチの差圧を制御すれば、差圧と差回転とをリンクさせることができ、差圧をフィードバック制御せずに、常に目標差回転に沿わせること、つまり常に目標係合時間で係合させることができる。その結果、すべての車両でほぼ同じ係合時間でロックアップクラッチを係合させることができる。
具体的には、本発明の制御を次のように実施することができる。
まず目標係合時間を設定しておき、実際の入力トルクと実際の差回転とから目標係合時間を読み出す。次に、目標係合時間からクラッチ吸収エネルギーを算出する。クラッチ吸収エネルギーは、目標係合時間と入力トルクと差回転とから計算で求めることができるが、予めマップで設定しておいてもよい。
次に、目標係合時間tとクラッチ吸収エネルギーEとを用い、次式から目標差圧スイープ量Yを算出する。
Y=aE/tn +b (但し、a,b:定数、n:実数値でかつ1<n≦4)
目標差圧スイープ量Yと、クラッチ吸収エネルギーEを目標係合時間tのn乗で割算した値とはほぼ比例関係にあるため、予め定数a,bを実験的に求めておけば、目標差圧スイープ量Yを目標係合時間tとクラッチ吸収エネルギーEとから簡単に計算で求めることができる。その後、目標差圧スイープ量にしたがってロックアップクラッチの差圧を制御すれば、目標とする係合時間でロックアップクラッチを係合させることができる。nの値は2,3,4のような整数に限らず、分数でもよい。
好ましい実施形態によれば、上記式における目標係合時間tの冪nを略3とするのがよい。すなわち、
Y=aE/t3 +b
とするのがよい。運転条件を種々に変化させて、目標差圧スイープ量と、クラッチ吸収エネルギーを目標係合時間のn乗で割った値との間の関係を調べてみると、n≒3の時に最も強い比例関係が存在する。つまり、n≒3の時に近似直線の精度が最も高くなる。そのため、n≒3とすることで、目標差圧スイープ量Yを精度よく求めることができる。
なお、n≠3であっても、nが3付近の値であれば、精度よく目標差圧スイープ量Yを求めることができる。
好ましい実施形態によれば、目標差圧スイープ量を算出するための目標係合時間は、ロックアップクラッチの係合開始時における入力トルクと差回転とから求めるのがよい。
ロックアップ指令時における入力トルクと差回転とから目標係合時間を求めてもよいが、ロックアップ指令から実際に係合を開始する迄の間に入力トルクや差回転が変化することがあり、状態変化に素早く対応できない。これに対し、ロックアップクラッチの係合開始時における入力トルクと差回転とから目標係合時間を求めれば、ロックアップ指令から係合開始までの状態変化に対応でき、より正確なロックアップ制御を実施できる。
好ましい実施形態によれば、目標差圧スイープ量をロックアップクラッチの係合指令から完了まで所定時間間隔で継続して即時算出し、入力トルクの変化が所定値を超える場合のみ、当該入力トルク値に対応した目標差圧スイープ量に更新するのがよい。
この場合には、入力トルクが一定限度を超えたときには、目標差圧スイープ量を変更することで、ロックアップ係合中の入力トルク変化に対応した係合制御を実施できる。なお、入力トルクが一定限度以下の場合には、目標差圧スイープ量を変更しないので、頻繁な更新を防止でき、安定した制御を行うことができる。
以上のように、本発明では、ロックアップクラッチの目標係合時間を設定し、実際の入力トルクと差回転とに対応した目標係合時間を読み出し、この目標係合時間に基づきクラッチ吸収エネルギーを算出し、目標係合時間とクラッチ吸収エネルギーとを用いて目標差圧スイープ量を算出し、算出した目標差圧スイープ量にしたがってロックアップクラッチの差圧を制御している。このように制御すれば、差回転と差圧とが吸収エネルギーを介してリンクするので、差圧をフィードバック制御せずに、実差回転を目標差回転に沿わせることができる。つまり、目標係合時間と実係合時間との間のずれを少なくすることができ、個体差の少ないロックアップ制御を実現できる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1は本発明にかかるトルクコンバータを備えた車両の駆動系の概略図である。
この車両は、エンジン1と、ロックアップクラッチ付きのトルクコンバータ2と、遊星歯車装置などを有する自動変速機3とを備える。ここでは、トルクコンバータ2の下流側に自動変速機3を接続したが、自動変速機3に代えて無段変速機を接続してもよい。トルクコンバータ2は、入力側のポンプインペラ2a,出力側のタービンランナ2bおよびステータ2cを備えており、ポンプインペラ2aとタービンランナ2bとの間に両者を機械的に係脱するロックアップクラッチ4が設けられている。ポンプインペラ2aはエンジン1の出力軸1aと連結されており、タービンランナ2bは自動変速機3の入力軸3aと連結されている。ロックアップクラッチ4の片側には締結側油室4aが、他側には解放側油室4bがそれぞれ設けられ、これら油室4a,4bの差圧がロックアップ制御手段であるロックアップコントロールバルブ5、ソレノイドバルブ6およびコントローラ7によって制御される。
この実施例のロックアップコントロールバルブ5は、従来公知のものである。すなわち、スプリング5aにより一方向から付勢されており、スプリング5aと対向する信号ポート5cにソレノイドバルブ6の出力圧Psが入力されている。入力ポート5d,5eには図示しない調圧弁によって調圧された元圧Poが入力されている。第1出力ポート5fはロックアップクラッチ4の解放側油室4bと接続されており、解放油圧Prはポート5gにスプリング5aと対向方向にフィードバックされている。第2出力ポート5hはロックアップクラッチ4の締結側油室4aと接続されており、締結油圧Paはポート5iにスプリング5aと同方向にフィードバックされている。
信号ポート5cに入力されるソレノイドバルブ6の出力圧Psが所定値以下のときには、元圧Poは入力ポート5e、第1出力ポート5fを介してロックアップクラッチ4の解放側油室4bに高い油圧が供給されるため、ロックアップクラッチ4は解放されている。信号ポート5cに入力されるソレノイドバルブ6の出力圧Psが所定値以上に上昇すると、元圧Poは入力ポート5d、第2出力ポート5hを介してロックアップクラッチ4の締結側油室4aに高い油圧が供給されるため、ロックアップクラッチ4は締結される。上記のようにコントロールバルブ5は、スプリング5aの荷重、信号ポート5cに入力されるソレノイド圧Ps、ポート5gにフィードバックされる解放油圧Pr、ポート5iにフィードバックされる締結油圧Paの相互のバランスによって作動され、ソレノイド圧Psを調整することによって締結油圧Paと解放油圧Prの差圧(Pa−Pr)を比例的に制御できる。そのため、締結から解放への切替制御、および解放から締結への切替制御を時間勾配をもって緩やかに行うことができる。
この実施例のソレノイドバルブ6はリニアソレノイドバルブよりなる。ソレノイドバルブ6への指示電流を制御することで、コントロールバルブ5の信号ポート5cに入力されるソレノイド圧Psを比例的に制御することができる。上記のようにロックアップコントロールバルブ5は、信号ポート5cに入力されるソレノイド圧Psによって差圧(Pa−Pr)を比例的に制御することができるので、結局、指示電流によってロックアップクラッチ4の差圧(Pa−Pr)を比例的に制御することができる。
なお、ソレノイドバルブ6としてデューティソレノイドバルブを使用してもよい。デューティソレノイドバルブを使用した場合も、デューティ比によって出力圧、つまりロックアップクラッチ4の差圧を比例的に制御できる。
コントローラ7には、エンジン回転数、タービン回転数、車速、スロットル開度(アクセル開度)などの車両の運転信号が入力されており、これら入力信号と予め設定されたデータおよびプログラムとに基づいて、ソレノイドバルブ6を制御している。すなわち、コントローラ7には、後述するように目標係合時間の設定マップが設定されており、目標係合時間と入力トルクと差回転とからクラッチ吸収エネルギーを計算で求めるか、あるいはマップから読み出し、クラッチ吸収エネルギーを後述する計算式に当てはめて目標差圧時間変化量(目標差圧スイープ量)を計算で求め、その目標差圧スイープとなるようにソレノイドバルブ6へ指示電流を出力する。
図2は、コントローラ7に設定されている目標係合時間のマップの一例である。このマップは、係合ショック防止とクラッチ焼損防止とを両立できるように、予め実験的に求められたものであり、差回転とエンジントルク(入力トルク)に応じて設定されている。単位はsec である。
図3は、コントローラ7に設定されているクラッチ吸収エネルギーのマップの一例である。クラッチ吸収エネルギーは、目標係合時間と入力トルクと差回転とから計算で求めることができるが、ここではマップデータとして設定してある。単位はJ/cm2 である。
図4は、コントローラ7に設定されている初期差圧値のマップの一例である。初期差圧は図13の時刻t1での差圧値に相当し、差回転とエンジントルクに応じて設定されている。単位はMPaである。なお、初期差圧値は、個体ばらつきや耐久劣化などによって、係合目標時間と実係合時間との間に所定量以上のずれが生じた場合に、学習により適正値に更新するのがよい。
なお、コントローラ7には、目標係合時間、クラッチ吸収エネルギー、初期差圧のほか、目標差回転のマップデータなど他のマップデータを設定しておいてもよい。また、上記マップデータの中間値は補間計算等の公知の方法により求めることができる。
コントローラ7は、上記のようにロックアップクラッチ4の係合開始時における入力トルクと差回転からクラッチ吸収エネルギーを求め、この吸収エネルギーEと、目標係合時間tとから、次式により差圧スイープ量Yを求める。
Y=aE/tn +b ・・・(1)
ここで、a,bは定数である。定数a,bはあらゆる走行状態において一定値であり、予め実験的に求めることができる。nは実数値であり、1<n≦4である。
次式のようにn=3とした場合、差圧スイープ量YとE/t3 との間に強い比例関係が成立するため、直線近似精度を上げることができ、差圧スイープ量Yを精度よく求めることができる。
Y=aE/t3 +b ・・・(2)
上記差圧スイープ量Yにしたがってロックアップクラッチ4の差圧を制御することにより、走行条件に関係なく、ロックアップクラッチの係合時間を目標係合時間にほぼ一致させることができ、かつショックを改善できる。
図5は、上記計算式(2)を用いて差圧スイープ量Yを計算し、この差圧スイープ量Yに従ってロックアップクラッチ4の差圧を制御した場合に、アクセル開度を変化させたときの目標係合時間と実係合時間とを比較したものである。なお、横軸のアクセル開度100%は入力トルク約80Nmに相当する。
図5から明らかなように、目標係合時間と実係合時間とがよく一致していることがわかる。このように差圧をフィードバック制御せずに、常に目標係合時間で係合させることができ、すべての車両で同じ係合時間でロックアップクラッチを係合させることができる。
次に、(1)式のような差圧スイープ量の演算式が得られた根拠を、図6〜図11を用いて説明する。
図6は、クラッチ吸収エネルギーと差圧スイープ量との関係を示す図である。図6は、図7に示すように運転条件の異なる11点のデータを実験的に測定し、そのデータからクラッチ吸収エネルギーと差圧スイープ量とを求め、プロットしたものである。これらデータは、予め設定した目標係合時間に近づけるようにロックアップクラッチを係合させ、かつ係合ショックが許容範囲内にある場合のデータである。差圧スイープ量は16ms当たりの差圧スイープ量である。図7における(1)差回転、(2)トルク、(3)係合初期圧、(4)締結必要圧、(5)実係合時間は、それぞれ図13の各点(1)〜(5)のデータと対応している。図6から明らかなように、クラッチ吸収エネルギーと差圧スイープ量との間には全く比例関係がないことがわかる。
図8は、横軸をクラッチ吸収エネルギーEを目標係合時間tで割算した値とし、縦軸を図6と同じ差圧スイープ量とした図である。この場合も、図6と同様に、E/tと差圧スイープ量との間には全く比例関係がない。そのため、近似直線で表現することが不可能である。
図9は、クラッチ吸収エネルギーEを目標係合時間tの2乗で割算した値と、差圧スイープ量との関係を示す図である。この場合は、図6,図8と比べて、E/t2 と差圧スイープ量との関係はかなり比例関係に近づくことがわかる。
スイープ量をyとし、E/t2 をxとすると、近似直線は次式で表すことができる。
y=0.0002x−0.0007
図10は、クラッチ吸収エネルギーEを目標係合時間tの3乗で割算した値と、差圧スイープ量との関係を示す図である。図10から明らかなように、E/t3 と差圧スイープ量との間には強い比例関係があることがわかる。
スイープ量をyとし、E/t3 をxとすると、近似直線は次式で表すことができる。
y=0.0002x+0.0003
図11は、クラッチ吸収エネルギーEを目標係合時間tの4乗で割算した値と、差圧スイープ量との関係を示す図である。この場合は、図9と同様に、E/t4 と差圧スイープ量との関係はかなり比例関係に近いが、図10に比べてやや劣る。
スイープ量をyとし、E/t4 をxとすると、近似直線は次式で表すことができる。
y=0.0001x+0.0013
以上のように、クラッチ吸収エネルギーEを目標係合時間tのn乗(1<n≦4)で割算した値と、差圧スイープ量との間に比例関係が存在することがわかる。特に、n≒3の時に最も直線近似精度が高くなる。この比例関係は同じロックアップクラッチ、同じロックアップ制御装置を使用する限り、走行条件に関係なく成立する。したがって、xの比例定数a(n=3の場合には0.0002)と切片b(n=3の場合には0.0003)とを予め実験的に求めれておけば、実際のロックアップクラッチの制御では、この定数a,bを使用すればよい。差圧スイープ量yの計算は簡単であるから、瞬時に求めることができる。そのため、制御の遅れが発生しない。
ここで、本発明にかかるロックアップクラッチ制御の一例を図12を参照して説明する。
制御がスタートすると、まずロックアップ締結指令が出たかどうかを判定する(ステップS1)。ロックアップ締結指令が出た場合には、次にロックアップクラッチの差回転の検出と入力トルクの算出とを行う(ステップS2)。入力トルクとは、エンジントルクから補機等を駆動するためのトルクを差し引き、ロックアップクラッチに実際に入力されるトルクのことである。なお、差回転の検出と入力トルクの算出は、ロックアップクラッチの締結指令から完了まで所定時間間隔で継続して実施される。次に、検出した差回転と算出した入力トルクとをメモリに書き込む(ステップS3)。つまり、コントローラ7のメモリに一時的に記憶させる。
次に、差回転と入力トルクとを用いて、図4から初期差圧値を読み出し(ステップ4)、図2から目標係合時間tを読み出し(ステップS5)、さらに図3からクラッチ吸収エネルギーEを読み出す(ステップS6)。そして、読み出した目標係合時間tとクラッチ吸収エネルギーEとからE/t3 を算出し、差圧スイープ値Yを計算する(ステップS7)。
次に、読み出した初期差圧値を用いて初期差圧制御を行う(ステップS8)。この制御は、図13に示す時刻t1〜t2の制御である。
次に、計算で求めた差圧スイープ値Yを用いてスイープ制御を行う(ステップS9)。この制御は、図13に示す時刻t2〜t3の制御である。実際の制御では、コントローラ7が16ms毎に差圧スイープ量Yに相当する信号をソレノイドバルブ6に指令すればよい。スイープ制御は、16ms毎に差圧増量を与えるものであり、差圧スイープ量Yが一定の場合には、差圧増量も一定である。
次に、実際の差回転が所定値(例えば25rpm)以下になったかどうかを判定する(ステップS10)。この判定は、ロックアップクラッチの係合がほぼ完了したかどうかの判定であり、図13に示す時刻t3に相当する。差回転が所定値以下であれば、ロックアップクラッチの差圧をクラッチ締結保持圧に制御し(ステップS11)、制御を終了する。
一方、ステップS10の判定において、差回転が所定値より高い場合には、ロックアップクラッチの係合が未だ完了していないことを意味するので、再び差回転の検出と入力トルクの算出とを行い(ステップS12)、続いて前回の入力トルク値に比べて所定値以上変化したかどうかを判定する(ステップS13)。つまり、ロックアップクラッチの係合制御を開始した後、運転状態が大きく変化した場合には、コントローラのメモリを新たな差回転と入力トルクとに書き換え(ステップS14)、新たな差回転と入力トルクとを用いてステップS5以下の処理を繰り返す。これによって、ロックアップクラッチの係合制御を開始した後、運転状態が大きく変化した場合でも、その変化に対応して適切なロックアップ制御を実施することができる。一方、運転状態が大きく変化していない場合には、前回の入力トルクおよび差回転を用いてスイープ制御(ステップS9)を継続する。このように入力トルクが一定限度以下の場合には、目標差圧スイープ量Yを変更しないので、頻繁な更新を防止でき、安定した制御を行うことができる。
上記実施例では、(1)式における目標係合時間tの冪nが略3の時に直線近似精度が最も高い例を示したが、これは単なる一例であり、車両の条件によっては、nの値が2付近や4付近のときに最も直線近似精度が高くなることがある。いずれにしても、1<n≦4の範囲内、好ましくは2≦n≦4の範囲内において直線近似精度が高くなる。
本発明にかかるロックアップクラッチを含む車両の駆動系の概略図である。 目標係合時間のマップデータである。 クラッチ吸収エネルギーのマップデータである。 係合初期差圧のマップデータである。 本発明にかかるロックアップクラッチ制御方法を用いた場合の目標係合時間と実係合時間との比較図である。 差圧スイープ量とクラッチ吸収エネルギーとの関係を示す図である。 図6を求めるための様々な運転条件での実験データを示す表である。 差圧スイープ量とクラッチ吸収エネルギーを目標係合時間で割算した値との関係を示す図である。 差圧スイープ量とクラッチ吸収エネルギーを目標係合時間の2乗で割算した値との関係を示す図である。 差圧スイープ量とクラッチ吸収エネルギーを目標係合時間の3乗で割算した値との関係を示す図である。 差圧スイープ量とクラッチ吸収エネルギーを目標係合時間の4乗で割算した値との関係を示す図である。 本発明にかかるロックアップクラッチ制御の一例を示すフローチャート図である。 ロックアップクラッチを解放状態から締結状態へ切り替える際の差回転と差圧との時間変化図である。
符号の説明
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 自動変速機
4 ロックアップクラッチ
4a 締結側油室
4b 解放側油室
5 ロックアップコントロールバルブ
6 ソレノイドバルブ
7 コントローラ

Claims (4)

  1. ロックアップクラッチを内蔵したトルクコンバータを備え、車両の運転状態に基づいてロックアップクラッチの差圧を制御し、ロックアップクラッチを締結状態と解放状態とに切替制御するロックアップ制御装置において、
    上記ロックアップクラッチの解放状態から締結状態への目標係合時間を、入力トルクとロックアップクラッチの入出力要素の差回転とに基づき設定した目標係合時間設定手段と、
    上記トルクコンバータへの実際の入力トルクを検出する入力トルク検出手段と、
    上記ロックアップクラッチの実際の差回転を検出する差回転検出手段と、
    実際の入力トルクと差回転とに対応した目標係合時間を上記目標係合時間設定手段から読み出し、この目標係合時間に基づきクラッチ吸収エネルギーを算出する吸収エネルギー算出手段と、
    上記目標係合時間tとクラッチ吸収エネルギーEとを用い、次式から目標差圧時間変化量Yを算出する目標差圧時間変化量算出手段と、を備え、
    Y=aE/tn +b
    (但し、a,b:定数、n:実数値でかつ1<n≦4)
    上記目標差圧時間変化量算出手段により算出した目標差圧時間変化量Yにしたがって上記ロックアップクラッチの差圧を制御することを特徴とするロックアップ制御装置。
  2. 上記式における目標係合時間tの冪nは略3であることを特徴とする請求項1に記載のロックアップ制御装置。
  3. 上記目標差圧時間変化量を算出するための目標係合時間は、ロックアップクラッチの係合開始時における入力トルクと差回転とから求めることを特徴とする請求項1または2に記載のロックアップ制御装置。
  4. 上記目標差圧時間変化量はロックアップクラッチの係合指令から完了まで所定時間間隔で継続して即時算出され、上記入力トルクの変化が所定値を超える場合のみ、当該入力トルク値に対応した上記目標差圧時間変化量に更新されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のロックアップ制御装置。
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