JP2004232870A - トルクコンバータのロックアップ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロックアップ域で(51)、制御1回目なら(52)、53で検出トルクTiに対応したクラッチ容量のための制御指令目標値TCAPdtyと、クラッチ容量0のための制御指令初期値LUDiとの段差を、ショック軽減およびクラッチ焼損防止が両立するロックアップ所要時間LUTIMで除して制御指令の時間変化勾配DFFdtyを求め、その下限値をジャダーが生じないようDFFminに制限し、初期値LUDiを制御指令LUdtyとして出力する。制御2回目以降は、トルクコンバータスリップ量Nerr が設定値Nth以上である間(55)、制御指令LUdtyをDFFdtyの時間勾配で増大させてロックアップを進行させる。
【選択図】図5
Description
これがため、車両用自動変速機の伝動系に挿入されたトルクコンバータにあっては、これらトルク変動吸収機能や、トルク増大機能が不要な走行条件のもとで(ロックアップ領域で)、トルクコンバータを入出力要素間がロックアップクラッチの締結により機械的に直結されたロックアップ状態にし、それ以外の走行条件のもとで(コンバータ領域で)、トルクコンバータをロックアップクラッチの解放により上記の直結を解除したコンバータ状態にするようにした、所謂ロックアップ式のトルクコンバータが今日では多用されている。
かかるロックアップ制御機構によれば、トルクコンバータに向かう作動油の圧力変化にかかわらずロックアップクラッチの前後差圧、つまりロックアップクラッチの締結力が、差圧制御弁への制御指令により一義的に決まって、ロックアップクラッチの締結力を正確に制御することができ、その正確な過渡制御も可能である。
日産自動車(株)著「NISSAN RE4R01A型フルレンジ電子制御オートマチックトランスミッション整備要領書」(A261C07)昭和62年3月発行
更に加えてこの際、車両運転状態によってはロックアップクラッチの締結速度が遅くなり過ぎ、当該ロックアップクラッチのジャダーが発生する懸念もあることから、かかる懸念も払拭し得るようにしたトルクコンバータのロックアップ制御装置を提案することを目的とする。
ロックアップクラッチの前後差圧そのものを電子制御する差圧制御手段を具え、該手段で制御された差圧によりロックアップクラッチを締結してトルクコンバータを入出力要素間が直結されたロックアップ状態にするロックアップ制御装置において、
予め求めておいた、前記差圧制御手段への制御指令と、この制御指令により得られる筈の前記ロックアップクラッチの締結トルク容量との関係を基に、該締結トルク容量を0にする前記制御指令の初期値、およびトルクコンバータ伝達トルクに対応した締結トルク容量のための制御指令目標値をそれぞれ求め、
トルクコンバータのロックアップに際して前記差圧制御手段への制御指令を、これら制御指令初期値から制御指令目標値まで、前記ロックアップクラッチの締結ショック軽減およびクラッチフェーシング焼損防止が両立するよう車両運転状態ごとの予め定めた所定時間をかけて、対応する時間変化勾配で漸増させるよう構成し、
該制御指令の時間変化勾配に、ロックアップクラッチのジャダーを生じないよう下限値を設定したことを特徴とするものである。
前記予め求めておいた、差圧制御手段への制御指令と、ロックアップクラッチの締結トルク容量との関係を、差圧制御手段の元圧またはトルクコンバータの前段におけるエンジンの回転数、或いはこれら双方に応じて、実情に整合するよう修正する構成にしたことを特徴とするものである。
前記予め求めておいた、差圧制御手段への制御指令と、ロックアップクラッチの締結トルク容量との関係を、変速機作動油温に応じて実情に常時整合するよう修正する構成にしたことを特徴とするものである。
前記予め求めておいた、差圧制御手段への制御指令と、ロックアップクラッチの締結トルク容量との関係を、差圧制御手段の駆動電圧に応じて実情に常時整合するよう修正する構成にしたことを特徴とするものである。
前記車両の運転状態としてエンジンのスロットル開度、変速機入力トルク、トルクコンバータスリップ量のいずれか1つを用いるか、若しくはこれらの任意の組み合わせを用いるよう構成したことを特徴とするものである。
前記トルクコンバータ伝達トルクを、リアルタイムに求めた現在のトルクコンバータ伝達トルクとして前記制御指令目標値を常時実情にマッチしたものにするよう構成したことを特徴とするものである。
前記差圧制御手段への制御指令の時間変化割合を制限するよう構成したことを特徴とするものである。
ところで第1発明においては、予め求めておいた、上記差圧制御手段への制御指令と、この制御指令により得られる筈のロックアップクラッチの締結トルク容量との関係を基に、この締結トルク容量を0にする上記制御指令の初期値、およびトルクコンバータ伝達トルクに対応した締結トルク容量のための制御指令目標値をそれぞれ求め、
トルクコンバータのロックアップに際して上記差圧制御手段への制御指令を、これら制御指令初期値から制御指令目標値まで、前記ロックアップクラッチの締結ショック軽減およびクラッチフェーシング焼損防止が両立するよう車両運転状態ごとの予め定めた所定時間をかけて、対応する時間変化勾配で漸増させる。
また、その後は制御指令を上記の初期値から、トルクコンバータ伝達トルクに対応した締結トルク容量となる制御指令目標値まで、前記ロックアップクラッチの締結ショック軽減およびクラッチフェーシング焼損防止が両立するよう車両運転状態ごとの予め定めた所定時間をかけて漸増させるため、
膨大なマッチング工数を要することなく、ロックアップショックの低減と、ロックアップクラッチフェーシングの焼損防止とを両立させる過渡制御が、如何なる車両運転状態のもとでも実現され、ショックの低減を図りつつ、かと言ってロックアップクラッチフェーシングの焼損を生ずることのない態様でロックアップを完遂させることができる。
如何なる車両運転状態のもとでもロックアップショックの低減と、ロックアップクラッチフェーシングの焼損防止とを両立させる過渡制御を達成しようとした結果、車両運転状態によってはロックアップクラッチの締結速度がジャダーを発生するような速度に低下する場合においても、当該低過ぎるロックアップクラッチの締結速度が許可されず、ロックアップクラッチのジャダーが発生するのを防止することができる。
第1発明において用いる制御指令および締結トルク容量間の関係が、差圧制御手段の元圧や、エンジン回転数の変化にかかわらず正確なものとなり、第1発明の上記作用効果を一層確実に達成することができる。
制御指令・締結トルク容量の関係が、変速機作動油温の変化にかかわらず常時正確なものとなり、第1発明の前記作用効果を一層確実に達成することが可能なる。
制御指令・締結トルク容量の関係が、当該駆動電圧の変化にかかわらず正確なものとなり、第1発明の前記作用効果を一層確実に達成することができる。
第1発明における上記の作用効果を好適に達成することができる。
トルクコンバータの伝達トルクがロックアップ制御過程で変化した時も、これから求める制御指令目標値を常時実情にマッチしたものにすることができ、第1発明の作用効果を確実に達成することができる。
差圧制御手段への制御指令がロックアップ制御機構の応答性に較べて著しく急速に変化し、もって当該制御指令が大きな時間遅れの後に実行されるといった制御上の不自然を回避することができる。
図1は、本発明の一実施例になるロックアップ制御装置を具えたトルクコンバータを含む車両の駆動系を示し、1は原動機としてのエンジン、2はトルクコンバータ、3は自動変速機の歯車変速機構、4はディファレンシャルギヤ装置、5は車輪で、これらを順次図示のように駆動結合して車両の駆動系を構成する。
アプライ圧PA がレリーズ圧PR よりも高くてその差圧が設定値よりも大きくなると、ロックアップクラッチ2cが締結されてポンプインペラ2aおよびタービンランナ2b間の相対回転がなくなり、トルクコンバータ2をロックアップ状態で機能させる。
但し当該ロックアップクラッチ締結差圧(PA −PR )は、前記特許文献1に記載されたごとき構成により決定するようにしてもよいこと勿論である。
ロックアップ制御弁11はライン圧PL を元圧とし、コントローラ12によりデューティ制御されるロックアップソレノイド13からの信号圧PS に応じてアプライ圧PA およびレリーズ圧PR 間の差圧(PA −PR )を決定するもので、これらロックアップ制御弁11およびロックアップソレノイド13により差圧制御手段を構成するが、当該ロックアップ制御弁11およびロックアップソレノイド13は図2に明示する周知のものとする。
そしてロックアップ制御弁11は、上記の信号圧PS およびフィードバックされたレリーズ圧PR を一方向に受けると共に、他方向にバネ11aのバネ力およびフィードバックされたアプライ圧PA を受け、以下のように差圧制御を行うものである。
つまり、ロックアップ制御指令LUdty(ONデューティ)の増大に伴ってロックアップソレノイド13からの信号圧PS を上昇されるにつれ、ロックアップ制御弁11はアプライ圧PA およびレリーズ圧PR 間の差圧、つまりロックアップクラッチ締結差圧(PA −PR )を図9(a)に示すごとくに増大させて、ロックアップクラッチ締結差圧(PA −PR )の正値によりロックアップクラッチ2cの締結を可能にし、最終的に設定以上の差圧でトルクコンバータをロックアップ状態にするものとする。
ロックアップ制御弁11は、逆にロックアップ制御指令LUdty(ONデューティ)の低下に伴ってロックアップソレノイド13からの信号圧PS を低下されるにつれ、ロックアップクラッチ締結差圧(PA −PR )を図9(a)に示すごとくに減少させてロックアップクラッチ2cの締結力を低下させ、遂にはロックアップクラッチ締結差圧(PA −PR )の負値によりロックアップクラッチ2cを釈放してトルクコンバータ2をコンバータ状態にするものとする。
Tcap=〔(PA −PR )(r1 2 −r2 2 )×π×μ×r3 〕/KS
ロックアップクラッチの締結トルク容量Tcapと、ロックアップ制御指令LUdty(ONデューティ)との関係を、予め図9(b)にLUCで示すように求めておくことができる。
そして、当該ロックアップ制御のためにコントローラ12には、図1および図2に示すようにエンジン1のスロットル開度TVOを検出するスロットル開度センサ21からの信号と、エンジン回転数Ne (トルクコンバータ入力回転数)を検出するエンジン回転センサ22からの信号と、タービンランナ2bの回転数Nt (トルクコンバータ出力回転数)を検出するタービン回転センサ23からの信号と、変速機出力回転数No を検出する変速機出力回転センサ24からの信号と、変速機作動油温に対応した電圧値ADatfを出力する油温センサ25からの信号とをそれぞれ入力する。
図3(a)は信号計測処理を示し、同図(b)はロックアップ制御処理を示し、同図(c)は信号出力処理を示す。
次いでステップ32において、トルクコンバータ入出力回転偏差絶対値|Ne−Nt |を求めてこれをNerr にセットし、
油温センサ出力値ADatfから、図7に対応したマップを基に変速機作動油温Tempを求め、
スロットル開度TVOおよびエンジン回転数Ne から、予め求めておいたエンジン性能線図を基にエンジントルクTe を求めると共に、これに、トルクコンバータ2の速度比(Nt /Ne )から判るトルク比tを乗じて変速機入力トルクTinを求め、
変速機出力回転数No に定数Kを乗じて車速VSPを求める。
そして図3(c)の信号出力処理は、同図(b)のロックアップ制御により決定されたロックアップ制御指令LUdtyを、ステップ35においてソレノイド13に出力する処理である。
ロックアップを許可すべき高温なら、ステップ42においてロックアップ領域判定フラグLUが0か否かにより、前回コンバータ領域だったか、前回ロックアップ領域だったかを判定する。
つまり、先ずステップ43において車速VSPから図8の実線で示すロックアップON線LUTon上のロックアップON開度TVOonを図8に例示するように検索し、
次いでステップ44において、スロットル開度TVOが上記のロックアップON開度TVOon未満であるか否かにより、今回ロックアップ領域に入ったか否かを判定する。
しかして、ステップ44で今回もロックアップ領域に入っていないと判定する場合、制御をそのまま終了することによりロックアップ領域判定フラグLUを0のままに維持して、次回のステップ42での判定に資する。
つまり、先ずステップ46において車速VSPから図8の破線で示すロックアップOFF線LUToff上のロックアップOFF開度TVOoffを図8に例示するように検索し、
次いでステップ47において、スロットル開度TVOが上記のロックアップOFF開度TVOoff以上であるか否かにより、今回コンバータ領域に入ったか否かを判定する。
しかして、ステップ47で今回もコンバータ領域に入っていないと判定する場合、制御をそのまま終了することによりロックアップ領域判定フラグLUを1のままに維持して、次回のステップ42での判定に資する。
LU=0のコンバータ領域であれば、制御をそのまま終了してトルクコンバータ2をコンバータ状態にし、LU=1のロックアップ領域であれば、以下のようにしてトルクコンバータ2のロックアップ制御を実行する。
ここで初期化フラグFLGfは、コンバータ領域に入った時に図4のステップ48で0にリセットされているから、制御をステップ52からステップ53の初期設定処理に進め、次にステップ54で初期化フラグFLGfを1にセットする処理を行ったした後に制御を終了する。
これがため、ステップ53での初期設定はロックアップ領域に入った当初の1回だけ実行され、以後はステップ54で初期化フラグFLGfが1にセットされるから、ステップ53がステップ55〜59に制御を進めて後述のロックアップ制御を遂行する。
次いで、ロックアップクラッチ2cの締結トルク容量Tcapを初期容量LUC(0)から変速機入力トルクTinに対応した目標容量LUC(Tin)に上昇させるためのロックアップ所要時間LUTIMを読み込む。
但しこのロックアップ所要時間LUTIMは、トレードオフの関係にあるロックアップクラッチの締結ショック低減および発熱によるクラッチフェーシング焼損防止とがバランス良く両立するような時間とし、実験などにより予め決定してメモリしておくものとする。
さらに、当該ロックアップ制御指令の時間変化勾配DFFdtyと、ロックアップクラッチ2cがジャダーを生じないロックアップ制御指令の時間変化勾配の下限値DFFminとの大きい方max(DFFdty,DFFmin)を選択してDFFdtyにセットし、ロックアップ制御指令LUdtyの時間変化勾配DFFdtyが下限値DFFminよりも小さくならないようにしてロックアップクラッチ2cのジャダーを防止するようになす。
よって図10に示すように、ロックアップ領域フラグLUが0から1に切り換わるコンバータ領域からロックアップ領域への移行瞬時t1 にロックアップ制御指令LUdtyが一気に、締結トルク容量Tcap=0に対応した初期容量LUC(0)のための制御指令初期値LUDiに上昇されることとなり、ロックアップクラッチ2cがショックに関与しないロスストロークを速やかに完了してロックアップの応答遅れを防止することができる。
ランプ制御域ならステップ56において、ロックアップ制御指令LUdtyを図10の瞬時t1 以降におけるように前記の時間変化勾配DFFdty=max(DFFdty,DFFmin)で増大させ、これを図3(c)のステップ35でロックアップソレノイド13に出力する。
そして、上記ロックアップ制御の進行によりトルクコンバータ入出力回転偏差絶対値Nerr =|Ne −Nt |が設定値Nth未満のランプ固定域となる図10の瞬時t2 以降は、ステップ57でロックアップ制御指令LUdtyが設定デューティDtythに達したと判定するまでの間、ステップ58でロックアップ制御指令LUdtyを速い固定の時間変化勾配RMP2で上昇させ、これを図3(c)のステップ35でロックアップソレノイド13に出力し、その後ステップ59でロックアップ制御指令LUdtyを若干遅い固定の時間変化勾配RMP1で上昇させ、これを図3(c)のステップ35でロックアップソレノイド13に出力する。
膨大なマッチング工数を要することなく、ロックアップショックの低減と、ロックアップクラッチフェーシングの焼損防止とを両立させる過渡制御を実現することが可能となり、ロックアップショックの低減を図りつつ、かと言ってロックアップクラッチフェーシングの焼損を生ずることのない態様でロックアップを完遂させることができる。
この場合、ロックアップ制御弁11の元圧であるライン圧PL の変化や、エンジンの回転数Ne の変化にかかわらず、上記のロックアップ制御を常時狙い通りに遂行させ得て、これによる前記の作用効果を一層確実に達成することができる。
この場合、変速機作動油温Tempの如何にかかわらず、上記のロックアップ制御を常時狙い通りに遂行させ得て、これによる前記の作用効果を一層確実に達成することができる。
この場合、ロックアップソレノイド13の駆動電圧の如何にかかわらず、上記のロックアップ制御を常時狙い通りに遂行させ得て、これによる前記の作用効果を一層確実に達成することができる。
従って、ロックアップクラッチの締結ショック低減と、発熱によるクラッチフェーシング焼損防止とはトレードオフの関係にあり、これらがバランス良く両立するようロックアップ所要時間LUTIMを決定すること、前記の通りであるが、そのための好適なロックアップ所要時間LUTIMは車両の運転状態に応じて変化することから、
エンジン1のスロットル開度TVO、変速機入力トルクTin、トルクコンバータスリップ量Nerr =|Ne −Nt |のいずれか1つ、若しくは、これらの任意の組み合わせに応じロックアップ所要時間LUTIMを異ならせることとする。
例えば、スロットル開度TVOが低開度で回転変化が小さな状態においてはロックアップクラッチの締結ショックが目立つ傾向にあることから、この状態ではロックアップ所要時間LUTIMを長めに設定することとし、逆にスロットル開度TVOが大開度で回転変化の大きくなる状態においてはロックアップクラッチの締結ショックよりもクラッチフェーシングの焼損防止を優先させてロックアップ所要時間LUTIMを短めに設定するのが良い。
かようにロックアップ所要時間LUTIMを車両の運転状態に応じ、何時もロックアップクラッチの締結ショック低減と、発熱によるクラッチフェーシング焼損防止とがバランス良く両立するよう可変にする場合、車両運転状態の如何にかかわらずロックアップクラッチの締結ショック低減と、発熱によるクラッチフェーシング焼損防止とを常時両立させることができる。
この場合、短いロックアップ制御期間中と雖もエンジン出力トルクが変化した場合にロックアップ制御指令目標値TCAPdtyが正確に現在の変速機入力トルクTinに対応したものでなくなる。
これがためロックアップ制御指令目標値TCAPdtyは、リアルタイムに検出した変速機入力トルクTinから時々刻々求め直すのが良い。
ステップ61における初期設定は、図5のステップ53における初期設定項目からロックアップ制御指令目標値TCAPdty算出用の項目を除去したもので、締結トルク容量Tcap=0に対応した初期容量LUC(0)のためのロックアップ制御指令初期値LUDiを求め、次いでロックアップ所要時間LUTIMを読み込み、最後にロックアップ制御指令初期値LUDiをロックアップ制御指令LUdtyにセットし、これを図3(c)のステップ35でロックアップソレノイド13に出力する。
次いで、ロックアップ制御指令目標値TCAPdtyとロックアップ制御指令初期値LUDiとの間の段差(TCAPdty−LUDi)をロックアップ所要時間LUTIMで除算することにより、締結トルク容量Tcapを初期容量LUC(0)からロックアップ所要時間LUTIMかけて目標容量LUC(Tin)まで徐々に増大させるためのロックアップ制御指令LUdtyの時間変化勾配DFFdtyを算出する。
さらに、当該ロックアップ制御指令の時間変化勾配DFFdtyと、ロックアップクラッチ2cがジャダーを生じないロックアップ制御指令の時間変化勾配の下限値DFFminとの大きい方max(DFFdty,DFFmin)を選択してDFFdtyにセットし、ロックアップ制御指令LUdtyの時間変化勾配DFFdtyが下限値DFFminよりも小さくならないようにしてロックアップクラッチ2cのジャダーを防止するようになす。
但し本実施例においては、前記した実施例のようにステップ56,58,59で求めたロックアップ制御指令LUdtyをそのまま、図3(c)のステップ35でロックアップソレノイド13に出力する信号とせず、ステップ63で以下のごとく時間変化割合を制限された後のロックアップ制御指令LUdtyを、図3(c)のステップ35でロックアップソレノイド13に出力することとする。
ステップ63では、今回のロックアップ制御指令LUdtyと前回のロックアップ制御指令LUoldとの間の重み付け係数Krを用いて、
(LUdty+LUold×Kr)/(Kr+1)→LUdty
の演算により、時間変化割合を制限された後のロックアップ制御指令LUdtyを求め、これを、図3(c)のステップ35でロックアップソレノイド13に出力する。
そしてステップ64において、当該制限された後のロックアップ制御指令LUdtyをLUoldにセットし、次回のステップ63での演算に資する。
変速機入力トルクTi(トルクコンバータ伝達トルク)がロックアップ制御過程で変化した時も、これから求めるロックアップ制御指令目標値TCAPdtyを常時実情にマッチしたものにすることができ、前記した実施例における作用効果を常時確実なものにすることができる。
2 トルクコンバータ
2a ポンプインペラ(入力要素)
2b タービンランナ(出力要素)
2c ロックアップクラッチ
3 歯車変速機構
4 ディファレンシャルギヤ装置
5 車輪
11 ロックアップ制御弁(差圧制御手段)
12 コントローラ
13 ロックアップソレノイド(差圧制御手段)
21 スロットル開度センサ
22 エンジン回転センサ
23 タービン回転センサ
24 変速機出力回転センサ
25 油温センサ
Claims (7)
- ロックアップクラッチの前後差圧そのものを電子制御する差圧制御手段を具え、該手段で制御された差圧によりロックアップクラッチを締結してトルクコンバータを入出力要素間が直結されたロックアップ状態にするロックアップ制御装置において、
予め求めておいた、前記差圧制御手段への制御指令と、この制御指令により得られる筈の前記ロックアップクラッチの締結トルク容量との関係を基に、該締結トルク容量を0にする前記制御指令の初期値、およびトルクコンバータ伝達トルクに対応した締結トルク容量のための制御指令目標値をそれぞれ求め、
トルクコンバータのロックアップに際して前記差圧制御手段への制御指令を、これら制御指令初期値から制御指令目標値まで、前記ロックアップクラッチの締結ショック軽減およびクラッチフェーシング焼損防止が両立するよう車両運転状態ごとの予め定めた所定時間をかけて、対応する時間変化勾配で漸増させるよう構成し、
該制御指令の時間変化勾配に、ロックアップクラッチのジャダーを生じないよう下限値を設定したことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。 - 請求項1に記載のロックアップ制御装置において、前記予め求めておいた、差圧制御手段への制御指令と、ロックアップクラッチの締結トルク容量との関係を、差圧制御手段の元圧またはトルクコンバータの前段におけるエンジンの回転数、或いはこれら双方に応じて、実情に整合するよう修正する構成にしたことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。
- 請求項1または2に記載のロックアップ制御装置において、前記予め求めておいた、差圧制御手段への制御指令と、ロックアップクラッチの締結トルク容量との関係を、変速機作動油温に応じて実情に常時整合するよう修正する構成にしたことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロックアップ制御装置において、前記予め求めておいた、差圧制御手段への制御指令と、ロックアップクラッチの締結トルク容量との関係を、差圧制御手段の駆動電圧に応じて実情に常時整合するよう修正する構成にしたことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロックアップ制御装置において、前記車両の運転状態としてエンジンのスロットル開度、変速機入力トルク、トルクコンバータスリップ量のいずれか1つを用いるか、若しくはこれらの任意の組み合わせを用いるよう構成したことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のロックアップ制御装置において、前記トルクコンバータ伝達トルクを、リアルタイムに求めた現在のトルクコンバータ伝達トルクとして前記制御指令目標値を常時実情にマッチしたものにするよう構成したことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。
- 請求項6に記載のロックアップ制御装置において、前記差圧制御手段への制御指令の時間変化割合を制限するよう構成したことを特徴とするトルクコンバータのロックアップ制御装置。
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