JPH0774419B2 - Fe基軟磁性合金の製造方法 - Google Patents

Fe基軟磁性合金の製造方法

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JPH0774419B2
JPH0774419B2 JP2231854A JP23185490A JPH0774419B2 JP H0774419 B2 JPH0774419 B2 JP H0774419B2 JP 2231854 A JP2231854 A JP 2231854A JP 23185490 A JP23185490 A JP 23185490A JP H0774419 B2 JPH0774419 B2 JP H0774419B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた磁気特性を有するFe基軟磁性合金、特
に各種トランス、チョークコイル、可飽和リアクトル、
磁気ヘッド等に好適な低磁歪Fe基軟磁性合金の製造方法
に関するものである。
〔従来の技術及び問題点〕
従来の、高周波トランス、磁気ヘッド、可飽和リアクト
ル、チョークコイル等の磁心材料として、うず電流損が
少ない等の利点を有するフェライトが主に用いられてい
た。しかしフェライトは飽和磁束密度が低く、温度特性
も悪いため、高周波トランスやチョークコイルに用いる
場合磁心を小形化することが困難であるという欠点があ
った。
またこれらの用途に対しては、含浸、モールド等を行っ
たり、加工を行っても特性劣化が小さく、内部に歪みが
残留していても比較的優れた軟磁気特性を示すという理
由のために、特に磁歪が小さい合金が好まれ、使用され
ている。
磁歪が特に小さい軟磁性合金としては、6.5wt%ケイ素
鋼やFe−Si−Al合金、80wt%Niパーマロイ合金等が知ら
れており、飽和磁歪λs0が実現されている。
しかし、ケイ素鋼は飽和磁束密度は高いが軟磁気特性、
特に高周波における透磁率やコア損失が劣るという欠点
がある。Fe−Si−Al合金は、ケイ素鋼より軟磁気特性が
優れているが、Co基アモルファス合金等と比べると十分
でなく、その上、脆化しているため薄帯化しても巻いた
り、加工するのがひじょうに困難な欠点がある。80wt%
Niパーマロイ合金は、飽和磁束密度が8KG程度と低く、
磁歪は小さいが塑性変形しやすいため特性が変形により
劣化する欠点がある。
近年、このような従来の磁心材料に対抗するものとして
高い飽和磁束密度を有する非晶質磁性合金が有望視され
ており、種々の組成のものが開発されている。非晶質合
金は主としてFe系とCo系に大別され、Fe系の非晶質合金
は材料コストがCo系に比べ安くつくという利点がある反
面、一般的に高周波においてCo系非晶質合金よりコア損
失が大きく、透磁率も低いという問題がある。これに対
しCo系の非晶質合金は高周波のコア損失が小さく、透磁
率も高いが、コア損失や透磁率の経時変化が大きく実用
上問題が多い。さらに高価なCoを主原料とするため価格
的な不利は免れない。
このような状況化でFe基非晶質磁性合金について種々の
提案がなされた。
特公昭60−17019号は、74〜84原子%のFeと、8〜24原
子%のBと、16原子%以下のSi及び3原子%以下のCの
少なくとも1つとからなる組成を有し、その構造の少く
とも85%が非晶質金属素地の形を有し、かつ非晶質金属
素地の全体にわたって不連続に分布した合金成分の結晶
質析出粒子群を有しており、結晶質の粒子群は0.05〜1
μmの平均粒度及び1〜10μmの平均粒子間距離を有し
ており、粒子群は全体の0.01〜0.3の平均容積分率を占
めていることを特徴とするFe基含硼素磁性非晶質合金を
開示している。この合金の結晶質粒子群は磁壁のピンニ
ング点として作用する不連続な分布のα−(Fe,Si)粒
子群であるとされている。
しかし、このFe基非晶質磁性合金は不連続な結晶質粒子
群の存在によるコア損失が減少しているが、それでもコ
ア損失は依然大きく、透磁率もCo基非晶質合金並の特性
は得られず、本発明の目的とする高周波トランスやチョ
ークの磁心用材料としては満足でない。
また特開昭60−52557号はFea Cub Bc Sid (ただし75≦a≦85,0≦b≦1.5,10≦c≦20,d≦10かつ
c+d≦30)からなる低損失非晶質磁性合金を開示して
いる。
しかし、このFe基非晶質合金はCuを含有しているために
コア損失が著しく低下しているが、それでも上記結晶質
粒子含有Fe基非晶質合金と同様に満足ではない。さらに
コア損失の経時変化、透磁率等に関しても十分ではない
という問題がある。
さらに、磁歪を低減する方法としては、たとえば、Mo又
はNbによって抵磁歪化を図り、併せて低損失化する試み
がある(Inomate et al.,J.Appl.Phys.54(11),Nov.19
83 p6553〜p6557)。
しかし、Fe基アモルファス合金の場合は飽和磁歪λsと
飽和磁化Msの2乗がほぼ比例関係にあることが知られて
おり(牧野、他;日本応用磁気学会第4回研究会資料
(1978),43),飽和磁化がほとんど零にならないと磁
歪が零に近ずかない。このような組成ではキュリー温度
が著しく低く実用材料にはならない。このため現在使用
されているFe基アモルファス合金は磁歪が十分小さくな
っておらず、含浸を行った場合等は軟磁気特性が劣化し
た状態で使用されており、Co基アモルファス合金より著
しく軟磁気特性は劣っている。
従って、本発明の目的はコア損失、コア損失の経時変
化、透磁率その他の磁気特性に優れた新規なFe基軟磁性
合金を製造する方法を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、軟磁気特性(特に高周波磁
気特性)に優れ、含浸や変形等による特性劣化の小さい
低磁歪のFe基軟磁性合金を製造する方法を提供すること
である。
(問題点を解決するための手段) 上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者等はFe−Si−
Bを基本成分とする合金にCuと、Nb,W,Ta,Zr,Hf,Ti及び
Moからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素とを複
合添加し、一旦非晶質合金とした後で適当な熱処理をす
ることにより、組織の大半が微細結晶粒からなる軟磁気
特性に優れたFe基軟磁性合金が得られることを発見し、
本発明に相到した。
すなわち、本発明の第一のFe基軟磁性合金の製造方法
は、一般式: (Fe1-aMa)100-X-Y-Z-αCuXSiYBZM′α (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素であり、a,x,y,z及びαはそれぞれ0≦a≦0.5,
0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30及び0.
1≦α≦30を満たす。)により表される組成を有し、組
織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有する微
細な結晶粒からなり、残部が実質的に非晶質であるFe基
軟磁性合金を製造する方法であって、前記組成の溶湯を
急冷することにより非晶質合金とする工程と、これにそ
の平均粒径が1000Å以下の微細な結晶粒を形成するため
の熱処理を施す工程とを含むことを特徴とする。
また本発明の第二のFe基軟磁性合金の製造方法は、一般
式: (Fe1-aMa)100-X-Y-Z-α−βCuXSiYBZM′αM″β (原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素,M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,希土類元素,
Au,Zn,Sn,Rsからなる群から選ばれた少なくとも1種の
元素であり、a,x,y,z,α及びβはそれぞれ0≦a≦0.5,
0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30,0.1≦
α≦30,及びβ≦10を満たす。)により表される組成を
有し、組織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を
有する微細な結晶粒からなり、残部が実質的に非晶質で
あるFe基軟磁性合金を製造する方法であって、前記組成
の溶湯を急冷することにより非晶質合金とする工程と、
これにその平均粒径が1000Å以下の微細な結晶粒を形成
するための熱処理を施す工程とを含むことを特徴とす
る。
また本発明の第三のFe基軟磁性合金の製造方法は、一般
式: (Fe1-aMa)100-X-Y-Z-α−γCuXSiYBZM′αγ (原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素,XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ば
れた少なくとも1種の元素であり、a,x,y,z,α及びγは
それぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦2
5,5≦y+z≦30,0.1≦α≦30,及びγ≦10を満たす。)
により表される組成を有し、組織の少なくとも50%が10
00Å以下の平均粒径を有する微細な結晶粒からなり、残
部が実質的に非晶質であるFe基軟磁性合金を製造する方
法であって、前記組成の溶湯を急冷することにより非晶
質合金とする工程と、これにその平均粒径が1000Å以下
の微細な結晶粒を形成するための熱処理を施す工程とを
含むことを特徴とする。
さらに本発明の第四のFe基軟磁性合金の製造方法は、一
般式: (Fe1-aMa)100-X-Y-Z-α−β−γCuXSiYBZM′αM″β
γ (原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素,M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素、Sc,Y,希土類元
素,Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素,XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ば
れた少なくとも1種の元素であり、a,x,y,z,α,β及び
γはそれぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z
≦25,5≦y+z≦30,0.1≦α≦30,β≦10及びγ≦10を
満たす。)により表される組成を有し、組織の少なくと
も50%が1000Å以下の平均粒径を有する微細な結晶粒か
らなり、残部が実質的に非晶質であるFe基軟磁性合金を
製造する方法であって、前記組成の溶湯を急冷すること
により非晶質合金とする工程と、これにその平均粒径が
1000Å以下の微細な結晶粒を形成するための熱処理を施
す工程とを含むことを特徴とする。
〔実施例〕
本発明の方法により製造するFe基軟磁性合金において、
Feは0〜0.5の範囲でCo及び/又はNiで置換してもよ
い。しかし、良好な磁気特性(低コア損失、低磁歪)を
得るためには、Co及び/又はNiの含有量“a"は0〜0.1
の範囲が好ましい。特に低磁歪の合金とするためには、
aの範囲を0〜0.05の範囲にするのが好ましい。
本発明において、Cuは必須元素であり、その含有量xは
0.1〜3原子%の範囲である。0.1原子%より少ないとCu
の添加によるコア損失低下、透磁率上昇の効果がほとん
どなく、一方3原子%より多いとコア損失が未添加のも
のよりかえって大きくなることがあり、透磁率も劣化す
る。本発明において好ましいCuの含有量xは0.5〜2原
子%であり、この範囲ではコア損失が特に小さく透磁率
が高い。
Cuのコア損失低下、透磁率上昇作用の原因は明らかでは
ないが次のように考えられる。
CuとFeの相互作用パラメータは正であり、固溶度は低い
が、Fe基原子同志またはCu原子同志が寄り集まりクラス
ターを形成するため組成ゆらぎが生じる。このため部分
的に結晶化しやすい領域が多数でき、そこを核とした微
細な結晶粒が生成される。この結晶はFeを主成分とする
ものであり、FeとCuの固溶度はほとんどないため結晶化
によりCuは微細結晶粒の周囲にはき出され、結晶粒周辺
のCu濃度が高くなる。このため結晶粒は成長しにくいと
考えられる。
Cu添加により結晶核が多数できることと結晶粒が成長し
にくいため結晶粒微細化が起こると考えられるが、この
作用はNb,Ta,W,Mo,Zr,Hf,Ti等の存在により特に等しく
なると考えられる。
Nb,Ta,W,Mo,Zr,Hf,Ti等が存在しない場合は結晶粒はあ
まり微細化されず軟磁気特性も悪い。Nb,Moは特に効果
が大きいが、これらの元素の中でNbを添加した場合特に
結晶粒が細くなりやすく、軟磁気特性も優れたものが得
られる。またFeを主成分とする微細結晶相が生ずるため
Fe基非晶質合金に比べる磁歪が小さくなり、内部に応力
−歪による磁気異方性が小さくなることも軟磁気特性が
改善される理由と考えられる。
Cuを添加しない場合は結晶粒は微細化されにくく、化合
物相が形成しやすいため結晶化により磁気特性は劣化す
る。
Si及びBは、合金組織の微細化に特に有用な元素であ
る。本発明のFe基軟磁性合金は、好ましくは、一旦Si,B
の添加効果により非晶質合金とした後で熱処理により微
細結晶粒を形成されることにより得られる。Si及びBの
含有量y及びzの限定理由は、yが0〜30原子%、zが
0〜25原子%、y+zが5〜30原子%でないと、合金の
飽和磁束密度の著しい減少があることである。
本発明において、yの好ましい範囲は6〜25原子%であ
り、zの好ましい範囲は2〜25原子%であり、y+zの
好ましい範囲は14〜30原子%の範囲である。Si含有量y
の限定理由は、yが25原子%を越えると軟磁気特性の良
好な条件では磁歪が大きくなってしまい好ましくなく、
yが6原子%未満では十分な軟磁気特性が得られないた
めである。Bの含有量zの限定理由は、zが2原子%未
満では均一な結晶粒組織が得にくくて軟磁気特性が劣化
し、zが25原子%を越えると軟磁気特性の良好な熱処理
条件では磁歪が大きくなってしまい好ましくないためで
ある。SiとBの総和量y+zの値に関しては、y+zが
14原子%未満ではロール法による非晶質化が困難にな
る。一方、y+zが30原子%を越えると飽和磁束密度の
著しい低下および軟磁気特性の劣化および磁歪の増加が
ある。より好ましいSi,B含有量の範囲は10≦y≦25,3≦
z≦18,18≦y+z≦28であり、この範囲では−5×10
-6〜+5×10-6の範囲の飽和磁歪で軟磁気特性の優れた
合金が得られやすい。
特に好ましくは11≦y≦24,3≦z≦9,18≦y+z≦27で
あり、この範囲では−1.5×10-6〜+1.5×10-6の範囲の
飽和磁歪の合金が得られやすい。
本発明においてM′はCuとの複合添加により析出する結
晶粒を微細化する作用を有するものであり、Nb,W,Ta,Z
r,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素である。Nb等は合金の結晶化温度を上昇させる作
用を有するが、クラスターを形成し結晶化温度を低下さ
せる作用を有するCuとの相互作用により、結晶粒の成長
を抑え、析出する結晶粒が微細化するものと考えられ
る。
M′の含有量αは0.1〜30原子%であり、0.1原子%未満
だと結晶粒微細化の効果が不十分であり、30原子%を越
えると飽和磁束密度の著しい低下を招く。好ましいM′
の含有量αは1〜10原子%である。より好ましいαの範
囲は、2≦α≦8であり、この範囲で特に優れた軟磁性
が得られる。なおM′としてNb及びMoが好ましく、Nbが
磁気特性の面で最も好ましい。またM′の添加によりCo
基高透磁率材料と同等の高い透磁率を有するようにな
る。
V,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,希土類元素、Au,Zn,Sn,Re
からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素である
M″は耐食性を改善したり、磁気特性を改善したり、磁
歪を調整したりする目的のために添加することができる
ものであるが、その含有量はせいぜい10原子%以下であ
る。
それは含有量が10原子%を超えると著しい飽和磁束密度
の低下を招くためであり、特に好ましい含有量は5原子
%以下である。
これらの中でRu,Rh,Pd,Os,Ir,Pr,Au,Cr,Vから選ばれる
少なくとも1種の元素を添加した場合は特に耐食性、耐
摩耗性に優れた合金となるため、磁気ヘッド材等として
好適である。
本発明の合金において、C,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからな
る群から選ばれた少なくとも1種の元素xを10原子%以
下含み得る。これらの元素は非晶質化に有効な元素であ
り、Si,Bと共に添加することにより合金の非晶質化を助
けると共に、磁歪やキュリー温度の調整に効果がある。
以上を整理すると、一般式: (Fe1-aMa)100-X-y-z-αCuXSiyBzM′α により表されるFe基軟磁性合金の場合、a,x,y,z,αの一
般的な範囲は、 0≦a≦0.5 0.1≦x≦3 0≦y≦30 0≦z≦25 5≦y+z≦30 0.1≦α≦30 であり、好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.1≦x≦3 6≦y≦25 2≦z≦25 14≦y+z≦30 1≦α≦10 であり、より好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.5≦x≦2 10≦y≦25 3≦z≦18 18≦y+z≦28 2≦α≦8 であり、最も好ましい範囲は 0≦a≦0.05 0.5≦x≦2 11≦y≦24 3≦z≦9 18≦y+z≦27 2≦α≦8 である。
また一般式: (Fe1-aMa)100-x-y-z-α−βCuxSiyBzM′αM″β により表されるFe基軟磁性合金の場合、a,x,y,z,α,β
の一般的な範囲は、 0≦a≦0.5 0.1≦x≦3 0≦y≦30 0≦z≦25 5≦y+z≦30 0.1≦α≦30 β≦10 であり、好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.1≦x≦3 6≦y≦25 2≦z≦25 14≦y+z≦30 1≦α≦10 β≦10 であり、より好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.5≦x≦2 10≦y≦25 3≦z≦18 18≦y+z≦28 2≦α≦8 β≦5 であり、最も好ましい範囲は 0≦a≦0.05 0.5≦x≦2 11≦y≦24 3≦z≦9 18≦y+z≦27 2≦α≦8 β≦5 である。
また一般式: (Fe1-aMa)100-x-y-z-α−γCuxSiyBzM′αγ により表されるFe基軟磁性合金の場合、a,x,y,z,α,γ
の一般的な範囲は、 0≦a≦0.5 0.1≦x≦3 0≦y≦30 0≦z≦25 5≦y+z≦30 0.1≦α≦30 γ≦10 であり、好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.1≦x≦3 6≦y≦25 2≦z≦25 14≦y+z≦30 1≦α≦10 γ≦5 であり、より好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.5≦x≦2 10≦y≦25 3≦z≦18 18≦y+z≦28 2≦α≦8 γ≦5 であり、最も好ましい範囲は 0≦a≦0.05 0.5≦x≦2 11≦y≦24 3≦z≦9 18≦y+z≦27 2≦α≦8 γ≦5 である。
また一般式: (Fe1-aMa)100-x-y-z-α−β−γCuxSiyBzM′αM″β
γ により表されるFe基軟磁性合金の場合、a,x,y,z,α,
β,γの一般的な範囲は、 0≦a≦0.5 0.1≦x≦3 0≦y≦30 0≦z≦25 5≦y+z≦30 0.1≦α≦30 β≦10 γ≦10 であり、好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.1≦x≦3 6≦y≦25 2≦z≦25 14≦y+z≦30 1≦α≦10 β≦5 γ≦5 であり、より好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.5≦x≦2 10≦y≦25 3≦z≦18 18≦y+z≦28 2≦α≦8 β≦5 γ≦5 であり、最も好ましい範囲は 0≦a≦0.05 0.5≦x≦2 11≦y≦24 3≦z≦9 18≦y+z≦27 2≦α≦8 β≦5 γ≦5 である。
上記組成を有するFe基軟磁性合金は組織の少なくとも50
%以上が微細な結晶粒からなる。微細結晶粒の割合が50
%未満であると、透磁率の増大やコア損の低減等が十分
でなくなる。
この結晶粒はbcc構造のα−Feを主体とするものでSiや
B等が固溶していると考えられる。この結晶粒は1000Å
以下と著しく小さな平均粒径を有することを特徴とし、
合金組織中に均一に分布している。結晶粒の平均粒径と
は各粒子の最大寸法を平均したものである。平均粒径が
1000Åを超えると良好な軟磁気特性が得られなくなる。
好ましい平均粒径は500Å以下であり。より好ましくは2
00Å以下であり、特に50〜200Åである。
合金組織のうち微細結晶粒以外の部分は主に非晶質であ
る。なお微細結晶粒の割合が実質的に100%になっても
本発明のFe基軟磁性合金は十分に優れた磁気特性を示
す。
なお、本発明においては、微細結晶粒の場合は線分法に
より求める。この線分法は一般的な方法であり、組織写
真中に引かれた任意の線分(長さL)が横切る各結晶粒
の長さ(L1,L2,L3,・・・Ln)の合計(L1+L2+L3
・・・Ln)を求め、これをLで割ることにより、結晶粒
の割合を求めるものである。なお、結晶粒の割合が約70
%以上と多くなると、結晶粒がほぼ組織全体を占めるよ
うに見えるが、この場合でも幾分非晶質相が存在するも
のと考えられる。というのは、結晶粒の外周部が顕微鏡
写真ではぼやけて見えるが、これは非晶質相の存在によ
るためであると考えられるからである。この前提に立つ
と、ぼやけて見える外周部の割合から、大体の非晶質相
の割合がわかる。このように結晶粒の割合が多い場合、
割合を正確な数値で表すことは極めて困難であり、ほと
んど結晶粒からなるというように表現せざるを得ない。
なお、N,O,S等の不可避的不純物については所望の特性
が劣化しない程度に含有していても本発明の合金組成と
同一とみなすことができるのはもちろんである。
次に本発明のFe基軟磁性合金の製造方法について説明す
る。
まず上記所定の組成の溶湯から、片ロール法、双ロール
法等の公知の液体急冷法によりリボンの状の非晶質合金
を形成する。通常、片ロール法等により製造される非晶
質合金リボンの板厚は5〜100μm程度であるが、板厚
が25μm以下のものが高周波において使用される磁心材
料として特に適している。
この非晶質合金は結晶相を含んでいてもよいが、後の熱
処理により微細な結晶粒を均一に生成するためには非晶
質であるのが望ましい。液体急冷法により、熱処理を経
ずに本発明の合金を得ることも可能である。
この場合、微細な結晶粒を生成するためには、(a)リ
ボンの肉厚を比較的大きくしたり、(b)ロール速度を
遅くしたり、(c)ロール材質として熱伝導率の比較的
小さなものを使用したり、(d)溶湯温度を比較的高く
したり、(e)ロールを200〜300℃程度に加熱する等の
手段を、単独で用いるか併用することにより、Fe基合金
の急冷速度を低下させればよい。
非晶質リボンは熱処理の前に巻回、打ち抜き、エッチン
グ等をして所定の形状に加工する。というのは非晶質の
段階ではリボンは加工性が良いが、一旦結晶化すると加
工性が著しく低下するからである。
熱処理は所定の形状に加工した非晶質合金リボンを通常
真空中または水素、窒素等の不活性ガス雰囲気中におい
て一定時間保持し行なう。熱処理温度及び時間は非晶質
合金リボンからなる磁心の形状、サイズ、組成等により
異なるが、一般的に450℃〜700℃で5分から24時間程度
が望ましい。熱処理温度が450℃未満であると結晶化が
起こりにくく、熱処理に時間がかかりすぎる。また700
℃より高いと粗大な結晶粒が生成するおそれがあり、微
細な結晶粒を均一に得ることができなくなる。また熱処
理時間については、5分未満では加工した合金全体を均
一な温度とすることが困難であり磁気特性がばらつきや
すく、24時間より長いと生産性が悪くなるだけでなく結
晶粒の過剰な成長により磁気特性の低下が起こりやす
い。好ましい熱処理条件は、実用性及び均一な温度コン
トロール等を考慮して、500〜650℃で5分〜6時間であ
る。
熱処理雰囲気は不活性ガス雰囲気が望ましいが、大気中
等の酸化性雰囲気でも良い。冷却は空冷や炉冷等によ
り、適宜行うことができる。また場合によっては多段の
熱処理を行うこともできる。
熱処理を磁場中で行うこともできる。磁場中熱処理によ
り本合金に磁気異方性を生じさせることができる。本合
金からなる磁心の磁路方向に磁場を印加し熱処理した場
合は、B−Hカーブの角形性が良いものが得られ、可飽
和リアクトル用磁心、磁気スイッチ、パルス圧縮用コ
ア、スパイク電圧防止用リアクトル等に好適となる。一
方磁路と直角方向に磁場を印加し熱処理した場合は、B
−Hカーブが傾斜し、低角形比で恒透磁率性に優れたも
のが得られ、動作範囲が広がるので、トランス、やノイ
ズフィルター、チョークコイル等に好適となる。
磁場は熱処理の間中かける必要はなく、合金のキュリー
温度Tcより低い温度のときにあればよい。本発明の場
合、結晶化しているために非晶質の場合よりキュリー温
度が上昇しており、非晶質合金のキュリー温度より高い
温度でも磁場中熱処理が適用できる。磁場中熱処理の場
合も熱処理を2段階以上で行うことができる。また回転
磁場中で熱処理を行うこともできる。
また非晶質合金はそれ以外にスパッター法等の薄膜化技
術を用いて製造することも可能であり、薄膜磁気ヘッド
等を作製することができる。また回転液中防止法やガラ
ス被覆防糸法等により細線状のものも作製できる。
またキャビテーション法やアトマイズ法あるいは単にロ
ール法等により作製した薄帯を粉砕する等により粉末状
のものも製造することが可能である。
このような粉末状のものは、圧粉成形することにより圧
粉磁心やバルク体を製造することができる。
また、本合金を磁心に使用する場合、表面に熱処理や化
学処理により酸化物層を形成したり、絶縁物を塗付ある
いは付着させる等の方法により層間絶縁を行えば、特に
良好な特性が得られる。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 原子%でCu1%、Si13.4%、B9.1%、Nb3.1%及び残部実
質的にFeからなる組成の溶湯から、片ロール法により巾
5mm、厚さ18μmのリボンを作製した。このリボンのX
線回折を測定したところ非晶質合金に典型的なハローパ
ターンが得られた。またこのリボンの透過電子顕微鏡写
真(30万倍)を第2図に示す。X線回折及び第2図から
明らかなように、得られたリボンはほぼ完全な非晶質で
あった。
次にこの非晶質リボンから内径15mm及び外径19mmの巻磁
心を形成し、窒素ガス雰囲気中で550℃で1時間熱処理
を行った。熱処理後のリボンの透過電子顕微鏡写真(30
万倍)は第1(a)図に示す通りであった。第1(b)
図は第1(a)図の写真の微細結晶粒を概略的に示す図
である。第1(a)図及び第1(b)図から、熱処理後
のリボンの組織の大部分が微細な結晶粒からなることが
わかる。また熱処理後の合金が結晶粒を有することはX
線回折によっても確認された。結晶粒の平均粒径は約10
0Åであった。また比較のため、Cuを添加していないFe
74.5Nb3Si13.5B9非晶質合金を550℃で1時間熱処理した
場合の透過電子顕微鏡写真(30万倍)は第1(c)図
に、その結晶粒の概略図を第1(d)図にそれぞれ示
す。
CuとNbを複合添加した本発明の合金の結晶粒の形は球状
に近く、平均粒径約100Å程度と著しく微細化されてい
る。これに対して、Cuを添加せずNbだけ添加した場合
は、結晶粒は粗大化しており、結晶粒の形状も球状に近
いものが少ない。Cu及びNbの複合添加により、得られる
結晶粒の大きさ及び形態が著しく変化することが確認さ
れた。
次に熱処理前後のリボン状Fe基軟磁性合金について、磁
束密度の波高値Bm=2kG及び周波数100kHzにおけるコア
損失W2/100kを測定したところ、熱処理前のものは4000m
W/cc、熱処理後のものは220mW/ccであった。また周波数
1KHz、Hm=5mOeにおける実効透磁率μeを測定したとこ
ろ、前者(熱処理前)は500、後者(熱処理後)は10020
0であった。これから、本発明の熱処理により非晶質合
金中に微細な結晶粒を均一に形成することにより、コア
損失が著しく低下するのみならず透磁率が著しく高くな
ることが分かる。
実施例2 原子%でCu1%、Si15%、B9%、Nb3%,Cr1%及び残部実
質的にFeからなる組成の溶湯から、実施例1と同様にし
て、リボンを作製した。このリボンのX線回折を測定し
たところ、第3図(a)に示すような非晶質合金に典型
的なハローパターンが得られた。またこのリボンの透過
電子顕微鏡写真(30万倍)と第3(a)図のX線回折か
ら明らかなように、得られたリボンはほぼ完全な非晶質
であった。
次にこの非晶質リボンに実施例1と同様の熱処理を行っ
た。熱処理後のリボンのX線回折パターンは第3図
(b)に示すように結晶ピークが認められた。この熱処
理後のリボンの透過電子顕微鏡写真(30万倍)から、熱
処理後の組織の大部分が微細な結晶粒からなることがわ
かった。結晶粒の平均粒径は約100Åであった。X線回
折パターン及び透過電子顕微鏡写真による分析から、こ
の結晶粒はSi,B等が固溶したαFeであると推定される。
次に熱処理前後のFe基軟磁性合金について、磁束密度の
波高値Bm=2kG及び周波数100kHzにおけるコア損失W
2/100kを測定したところ、熱処理前のものは4100mW/c
c、熱処理後のものは240mW/ccであった。
また周波数1KHz、Hm=5mOeにおける実効透磁率μeを測
定したところ、前者(熱処理前)は480、後者(熱処理
後)は100100であった。
実施例3 原子%でCu1%、Si16.5%、B6%、Nb3%、及び残部実質
的にFeからなる組成の溶湯から、実施例1と同様にし
て、幅5mm、厚さ18μmのリボンを作製した。このリボ
ンのX線回折を測定したところ非晶質合金に典型的なハ
ローパターンが得られた。得られたリボンはほぼ完全な
非晶質であった。
次にこの非晶質リボンから内径15mm及び外径19mmの巻磁
心を形成し、窒素ガス雰囲気中550℃で1時間熱処理を
行った。熱処理後のリボンのX線回折を行ったところbc
c構造のFe−固溶体と思われる結晶ピークが認められ
た。またこのリボンの透過電子顕微鏡写真(30万倍)か
ら、熱処理後の組織の大部分は超微細な結晶粒からなる
ことがわかった。結晶粒の平均粒径は約100Åであっ
た。
次に熱処理後のFe基軟磁性合金の磁束密度の波高値Bm=
2kG及び周波数100KHzにおけるコア損失W2/100kを測定し
たところ、熱処理前のものは4000mW/cc、熱処理後のも
のは220mW/ccであった。また周波数1KHz、Hm=5mOeにお
ける実効透磁率μelkを測定したところ、前者(熱処理
前)は500、後者(熱処理後)は100200であった。
次にCuとNbを複合添加した本合金の飽和磁歪λsを測定
した。熱処理前の非晶質状態では+20.7×10-6であった
値が、550℃で1時間熱処理することにより+1.3x10-6
まで低下し、従来のFe基アモルファス合金より著しく小
さい磁歪になっていることがわかる。
実施例4 原子%でCu1%、Si13.8%、B8.9%、Nb3.2%,Cr0.5%C1
%、及び残部実質的にFeからなる組成の溶湯から、単ロ
ール法により幅10mm、厚さ18μmのリボンを作製した。
このリボンのX線回折を測定したところ非晶質合金に典
型的なハローパターンが得られた。またこのリボンの透
過電子顕微鏡写真(30万倍)によりほぼ完全な非晶質で
あることを確認した。
次にこの非晶質リボンから外径19mm、内径15mmの巻磁心
を形成し、窒素ガス雰囲気中で570℃で1時間熱処理を
行った。透過電子顕微鏡写真(30万倍)により、熱処理
後のリボンの組織の大部分は第1(b)図に示されるも
のと同様に微細な結晶粒からなることがわかった。結晶
粒の平均粒径は約100Åであった。Cu無添加の場合は結
晶粒が粗大化することが確認されており、CuとNb等の複
合添加により、著しい結晶粒微細化効果が得られた。
次に熱処理前後のFe基軟磁性合金からなる磁心につい
て、磁束密度の波高値Bm=2KG及び周波数100KHzにおけ
るコア損失W2/100kを測定したところ、熱処理前のもの
は3800mW/cc、熱処理後のものは240mW/ccであった。ま
た周波数1KHz、Hm=5mOeにおける実効透磁率μeを測定
したところ、前者(熱処理前)は500、後者(熱処理
後)は102000であった。
実施例5 実施例1と同一の条件により下記の第1表に示す組成の
Fe基軟磁性合金を作製した。得られた各合金を2つに分
け、一方には実施例1と同じ条件の熱処理を施し、他方
には非晶質を保持するような従来の熱処理(400℃×1
時間)を施し、それぞれについて100KHz、2KGにおける
コア損失W2100k及び1KHz、Hm=5mOeにおける実効透磁
率μelkを測定した。
結果を第1表に示す。
実施例6 実施例1と同様の条件により下記の第2表に示す組成の
Fe基非晶質合金を作製した。得られた各合金を2つに分
け、一方には実施例1と同じ条件の熱処理を施し、他方
には非晶質を保持するような従来の熱処理(400℃×1
時間)を施し、それぞれについて100KHz、2KGにおける
コア損失W2/100k及び1KHz、Hm=5mOeにおける実効透磁
率μelkHzを測定した。
結果を第2表に示す。
実施例7 実施例4と同一の条件により下記の第3表に示す組成の
Fe基非晶質合金を作製した。得られた各合金を2つに分
け、一方には実施例4と同様の熱処理を施こし、他方に
は非晶質を保持するような従来の熱処理(400℃×1時
間)を施こし、それぞれについてコア損失W2/100k及び1
KHz、Hm=5mOeにおける実効透磁率を測定した。結果を
第3表に示す。
本発明の熱処理により低コア損失で、高実効透磁率を磁
気特性を有する合金の得られることがわかる。
実施例8 第4表に示す組成の幅5mm、厚さ18μmの非晶質合金薄
帯を単ロール法により作製し、外径19mm、内径15mmにト
ロイダル状に巻き、結晶化温度以上の温度で熱処理後直
流磁気特性、1kHzにおける実効透磁率μelk、100kHz、2
kGにおけるコア損失W2/100Kを測定した。また飽和磁歪
λsも測定した。得られた結果を第4表に示す。
実施例9 Fe74.5-xCuxNb3Si13.5B9により表わされる組成(0≦x
≦3.5)の非晶質合金を下記の最適熱処理温度で1時間
熱処理し、磁束密度の波高値Bm=2kG,周波数f=100kHz
におけるコア損失W2/100kを測定した。
Xの値(原子%) 熱処理温度(℃) 0 500 0.05 500 0.1 520 0.5 540 1.0 550 1.5 550 2.0 540 2.5 530 3.0 500 3.2 500 3.5 490 第4図にCuの含有量X(原子%)とコア損失W2/100k
の関係を示す。
第4図から明らかなように、Cuの含有量Xが0から増大
するにつれてコア損失が低下するが、約3原子%を超え
るとコア損失が無添加のもの並が大きくなる。Xが0.1
〜3原子%の範囲にある場合、コア損失は十分に小さい
ことがわかる。特に望ましいXの範囲は0.5〜2原子%
である。
実施例10 Fe73-xCuxSi14B9Nb3Cr1により表される組成(0≦x≦
3.5)の非晶質合金を下記の最適熱処理温度で1時間熱
処理し、磁束密度の波高値Bm=2kG,周波数f=100kHzに
おけるコア損失W2/100kを測定した。
Xの値 熱処理温度 W2/100k (原子%) (℃) (mW/cc) 0 505 980 0.05 510 900 0.1 520 610 0.5 545 260 1.0 560 210 1.5 560 230 2.0 550 250 2.5 530 390 3.0 500 630 3.2 500 850 3.5 490 1040 以上から明らかなように、Cuの含有量xが0から増大す
るにつれてコア損失が低下するが、約3原子%を超える
とコア損失が無添加のもの並に大きくなる。Xが0.1〜
3原子%の範囲にある場合、コア損失は十分に小さいこ
とがわかる。特に望ましいxの範囲は0.5〜2原子%で
ある。
実施例11 Fe69-xCuxSi13.5B9.5Nb5Cr1C2により表わされる組成
(0≦x≦3.5)の非晶質合金を下記の最適熱処理温度
で1時間熱処理し、磁束密度の波高値Bm=2kG,周波数f
=100kHzにおけるコア損失W2/100kを測定した。
Xの値 熱処理温度 W2/100k (原子%) (℃) (mW/cc) 0 530 960 0.05 530 880 0.1 535 560 0.5 550 350 1.0 590 240 1.5 580 240 2.0 570 290 2.5 560 440 3.0 550 630 3.2 540 860 3.5 530 1000 以上から明らかなように、Cuの含有量xが0から増大す
るにつれてコア損失が低下するが、約3原子%を超える
とコア損失が無添加のもの並に大きくなる。Xが0.1〜
3原子%の範囲にある場合、コア損失は十分に小さいこ
とがわかる。
特に望ましいxの範囲は0.5〜2原子%である。
実施例12 Fe76.5-αCu1Si13B9.5M′αにより表される組成の非晶
質合金(M′=Nb、W,Ta又はMo)を下記の最適熱処理温
度で1時間熱処理し、それぞれのコア損失W2/100kを測
定した。
αの値(原子%) 熱処理温度(℃) 0 400 0.1 405 0.2 410 1.0 430 2.0 480 3.0 550 5.0 580 7.0 590 8.0 590 10.0 590 11.0 590 結果を第5図に示す。第5図においてグラフA、B、
C、DはそれぞれM′がNb,W,Ta及びMoの場合を示す。
第5図から明らかな通り、M′の量αが0.1〜10原子%
範囲でコア損失が十分に小さくなっている。またM′が
Nbのときに特にコア損失が低かった。特に望ましいαの
範囲は2≦α≦8である。
実施例13 Fe75.5-αCu1Si13B9.5M′αTi1により表される組成の非
晶質合金(M′=Nb、W,Ta又はMo)を下記の最適熱処理
温度で1時間熱処理し、それぞれのコア損失W2/100k
測定した。
αの値(原子%) 熱処理温度(℃) 0 405 0.1 410 0.2 420 1.0 440 2.0 490 3.0 560 5.0 590 7.0 600 8.0 600 10.0 600 11.0 600 結果を第6図に示す。第6図においてグラフA、B、
C、DはそれぞれM′がNb,W,Ta,Moの場合を示す。
第6図から明らかな通りM′の量αが0.1〜10原子%範
囲でコア損失が十分に小さくなっている。またM′がNb
のとき特にコア損失が低かった。特に望ましいαの範囲
は2≦α≦8である。
実施例14 Fe75-αCu1Si13B9NbαRu1Ge1により表される組成の非晶
質合金を下記の最適熱処理温度で1時間熱処理し、それ
ぞれのコア損失W2/100kを測定した。
αの値(原子%) 熱処理温度(℃) 0 405 0.1 410 0.2 415 1.0 430 2.0 485 3.0 555 5.0 585 7.0 595 8.0 595 10.0 595 11.0 595 結果を第7図に示す。
第7図から明らかな通り、Nbの量αが0.1〜10原子%の
範囲でコア損失が十分に小さくなっている。また電顕観
察の結果、αが0.1以上では平均粒径1000Å以下の微細
な結晶粒が観察された。特に望ましいαの範囲は2≦α
≦8である。
実施例15 Fe73.5Cu1Nb3Si13B9.5の組成を有する非晶質合金を550
℃で1時間熱処理したものについて、1〜1×104kHzの
周波数における実効透磁率μeを測定した。透過電子顕
微鏡観察の結果、50%以上が結晶相であった。同様にCo
基非晶質合金(Co69.6Fe0.4Mn6Si15B9)及びフェライト
(Nn−Zn系)についても実効透磁率μeを測定した。結
果を第8図に示す。同図においてグラフA、B、C、は
それぞれ熱処理した本発明のFe基軟磁性合金、Co基非晶
質合金およびフェライトを示す。
第8図から本発明のFe基軟磁性合金は広い周波数範囲に
わたってCo基非晶質合金と同等以上の透磁率を有し、ま
たフェライトと比べ著しく高い透磁率を有することがわ
かる。このため本発明のFe基軟磁性合金はチョークコイ
ル、磁気ヘッド、シールド材、各種センサー材等に好適
である。
実施例16 Fe72Cu1Si13.5B9.5Nb3Ru1なる組成を有する非晶質合金
を550℃で1時間熱処理したものについて、1〜1×104
kHzの周波数における実効透磁率μeを測定した。透過
電子顕微鏡観察の結果、50%以上が結晶相であった。同
様にCo基非晶質合金(Co69.6Fe0.4Mn6Si15B9)及びフェ
ライト(Mn−Zn系)についても実効透過率μeを測定し
た。結果を第9図に示す。同図においてグラフA、B、
Cはそれぞれ熱処理した本発明のFe基軟磁性合金、Co基
非晶質合金及びフェライトを示す。
第9図から本発明のFe基軟磁性合金は広い周波数範囲に
わたってCo基非晶質合金と同等以上の透磁率を有し、ま
たフェライトと比べ著しく高い透磁率を有することがわ
かる。
実施例17 Fe71Cu1Si15B8Nb3Zr1P1なる組成を有する非晶質合金を5
60℃で1時間熱処理したものについて、1〜1×104kHz
の周波数における実効透磁率μeを測定した。透磁電子
顕微鏡観察の結果、50%以上が結晶相であることが確認
された。
同様にCo基非晶質合金(Co66Fe4Ni3Mo2Si15B10)、Fe基
非晶質合金(Fe77Cr1Si13B9)及びフェライト(Mn−Zn
系)についても実効透過率μeを測定した。結果を第10
図に示す。同図においてグラフA、B、C、Dはそれぞ
れ熱処理した本発明のFe基軟磁性合金、Co基非晶質合
金、Fe基非晶質合金及びフェライトを示す。
第10図から本発明のFe基軟磁性合金は広い周波数範囲に
わたってCo基非晶質合金と同等以上の透磁率を有し、ま
たFe基非晶質合金やフェライトに比べ著しく高い透磁率
を有することがわかる。
実施例18 実施例1と同一の条件により下記の第5表に示す組成の
非晶質合金を作製し、各合金について熱処理条件とコア
損失の経時変化率との関係を求めた。熱処理条件の一方
は550℃×1時間(本発明法)であり、他方は400℃×1
時間(従来法)であった。電子顕微鏡観察により550℃
で1時間処理した本発明のFe基軟磁性合金は50%以上が
微細な結晶相からなることが確認された。またコア損失
の経時変化率(W100−W0)/W0は、本発明の熱処理直後
(W0)と150℃で100時間保持した後(W100)とでそれぞ
れ求め2kG、100kHzにおけるコア損失から算出した。結
果は第5表に示す。
以上の結果から、本発明の熱処理によりコア損失の経時
変化率が小さくなることがわかる。(No.1〜No.3)。ま
たは従来の低損失材であるCo基非晶質合金(No.4及びN
o.5)に比べ、本発明のFe基磁性合金は著しくコア損失
の経時変化が小さくなっていることがわかる。したがっ
て本発明材を用いることにより信頼性の高い磁性部品を
作製することができる。
実施例19 実施例1と同一の条件により下記の第6表に示す組成の
非晶質合金を作製し、各合金について熱処理条件とキュ
リー温度(Tc)との関係を求めた。熱処理条件の一方は
550℃×1時間(本発明法)であり、他方は350℃×1時
間(従来法)であった。本発明の場合は大部分をしめる
主相(微細結晶粒)のキュリー温度を示す。X線回折測
定の結果350℃×1時間の熱処理を行ったものは非晶質
特有のハローパターンを示し、ほぼ完全な非晶質である
ことが確認された。一方550℃×1時間の熱処理を行っ
たものは結晶ピークが認められ、ハローパターンはほと
んど認められず、ほぼ結晶質相からなることが確認され
た。また各熱処理におけるキュリー温度(Tc)について
測定結果を第6表に示す。
以上の結果から、本発明の熱処理によりキュリー温度
(Tc)が著しく上昇することがわかる。このため磁気特
性の温度変化は非晶質合金より小さい。このように大き
な非晶質合金とのキュリー温度の差は、本発明の熱処理
を施した合金が微結晶化しているためである。
実施例20 Fe74.5-xCuxNb3Si13.5B9の組成を有する非晶質合金のリ
ボン(幅5mm、厚さ18μm)から巻磁心(内径15mm、外
径19mm)を形成し、種々の温度で1時間熱処理した。そ
れぞれについて2kG、100kHzにおけるコア損失W2/100k
測定した。結果を第11図に示す。
また各巻磁心に用いた非晶質合金の結晶化温度(Tx)を
示差走査熱量計(DSC)で測定した。各合金の結晶化温
度Txは10℃/分の昇温速度でそれぞれ583℃(x=0)
及び507℃(x=0.5、1.0、1.5)であった。
第11図から明らかなように、Cuは含有量(x)が0のと
きコア損失W2/100kは著しく大きく、Cuの含有量が約1.5
原子%まで増加するにつれて、コア損失が小さくなるば
かりでなく、適切な熱処理温度範囲も540〜580℃とCu無
添加材に比べ高くなっていることがわかる。この温度は
10℃/分の昇温速度でDSCで測定した結晶化温度Txより
高い。なお透過電子顕微鏡による観察の結果、Cuを含有
する本発明のFe基軟磁性合金の場合、50%以上が微細な
結晶粒からなることが確認された。
実施例21 Fe73-xCuxSi13B9Nb3Cr1C1の組成を有する非晶質合金の
リボン(幅5mm、厚さ18μm)から、外径19mm、外径15m
mの巻磁心を形成し、種々の温度で1時間熱処理した。
それぞれについて2kG、100kHzにおけるコア損失W2/100k
を測定した。結果を第12図に示す。
また各巻磁心に用いた非晶質合金の結晶化温度(Tx)を
示差走査熱量計(DSC)で測定した。各合金の結晶化温
度Txは10℃/分の昇温速度でそれぞれ580℃(x=0)
及び505℃(x=0.5、1.0、1.5)であった。
第12図から明らかなように、Cuは含有量(x)が0のと
きコア損失W2/100kは著しく大きく、Cuを添加した場合
コア損失は小さくなるばかりでなく、適切な熱処理温度
範囲も540℃〜580℃とCu無添加材に比べ高くなっている
ことがわかる。この温度は10℃/分の昇温速度でDSCで
測定した結晶化温度Txより高い。
なお透過電子顕微鏡による観察の結果、Cuが含有する本
発明のFe基軟磁性合金の場合、50%以上が微細な結晶粒
からなることが確認された。
実施例22 Fe74.5-xCuxMo3Si13.5B9の組成を有する非晶質合金のリ
ボンに第13図に示す熱処理温度で1時間熱処理を施こ
し、1kHzにおける実効透磁率を測定した。結果を第13図
に示す。
第13図から明らかなように、Cu未添加のもの(x=0)
は本発明と同一の熱処理条件によって実効透磁率μeが
低下するが、Cu添加のもの(本発明)は著しく高くなる
ことがわかる。この理由は、Cu未添加のもの(x=0)
の場合結晶化した際結晶粒が大きく、かつ化合物相が主
に現れるが、Cu添加のもの(本発明)はSiやB等を固溶
した微細なαFe結晶粒が主に生ずるためであると考えら
れる。
実施例23 Fe73.5-xCuxSi13.5B9Nb3Mo0.5V0.5の組成を有する非晶
質合金のリボンに1時間熱処理を施し、1kHzにおける実
効透磁率μelkを測定した。結果を第14図に示す。
第14図から明らかなように、Cu未添加のもの(x=0)
は本発明と同一の熱処理条件によって実効透磁率μeが
低下するが、Cu添加のもの(本発明)は著しく高くなる
ことがわかる。
実施例24 Fe73-xCuxSi13B8Mo3V1Al1の組成を有する非晶質合金の
リボンに、実施例21と同一の条件で熱処理を施こし、1k
Hzにおける実効透磁率μelkを測定した。結果を第15図
に示す。
第15図から明らかなように、Cu未添加のもの(x=0)
は本発明と同一の熱処理条件によって実効透磁率μeが
低下するが、Cu添加のもの(本発明)は著しく高くなる
ことがわかる。
実施例25 Fe77.5-x-αCuxNbαSi13.5B9の組成を有する非晶質合金
を実施例1と同一の条件で作製し、種々のx、α値にお
ける結晶化温度を10℃/分の昇温速度で測定した。結果
を第16図に示す。
第16図から明らかなように、Cuは結晶化温度を低下させ
る作用を有し、Nbは結晶化温度を上昇させる作用を有す
る。このように逆の傾向を示す元素の複合添加により析
出する結晶粒の微細化が達成されるものと考えられる。
実施例26 Fe72-βCu1Si15B9Nb3Ruβの組成を有する非晶質合金の
リボンを磁気ヘッドコア用の形状に打ち抜き、次いで58
0℃で1時間の熱処理を施し、1部は透過電子顕微鏡に
より組織観察を行い、残りの試料はラミネートし磁気ヘ
ッドを作製した。熱処理した試料は微細結晶粒組織から
なり、ほぼ結晶化していた。
次に作製した磁気ヘッドをオートリバースのカセットデ
ッキに取りつけ、温度20℃、湿度90%の条件で摩耗試験
を行った。テープは25時間毎に上下を逆にし、100時間
後の摩耗量を測定した。得られた結果を第17図に示す。
第17図から明らかなように、Ru添加により著しく耐摩耗
性が改善されることがわかり、磁気ヘッド材として優れ
ていることがわかる。
実施例27 単ロール法により板厚25μm及び幅15mmのFe76.5-αCu1
NbαSi13.5B9(α=3、5)非晶質合金を作製した。次
にこの非晶質合金を500℃以上の温度で1時間熱処理し
た。電子顕微鏡による観察の結果、500℃以上で熱処理
を行ったものは50%以上結晶化していることがわかっ
た。
また熱処理した合金のビッカーズ硬さを荷重100g下で測
定した。第18図にビッカーズ硬さの熱処理温度依存性を
示す。これにより、本発明合金は非晶質状態の合金より
ビッカーズ硬さが大きくなっていることがわかる。
実施例28 第7表に示す組成の非晶質合金リボンを作製し、熱処理
を行い、実施例26と同様に磁気ヘッドを作製後摩耗試験
を行った。第7表に100時間後の摩耗量及び塩水噴霧試
験による耐食性を示す。
第7表からわかるように、Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt,Au,Cr,T
i,V等を添加した本発明合金の耐摩耗性及び耐食性は無
添加のものより優れており、また従来のCo基アモルファ
ス合金等より著しく優れていることがわかる。また飽和
磁束密度が1T以上あるものも得られるため、磁気ヘッド
材料に適している。
実施例29 双ロール法により第8表に示す組成の幅10mm及び板厚30
μmの非晶質合金リボンを作製した。
次に各非晶質合金のリボンから打ち抜きプレスにより磁
気ヘッド用コアを作製し、550℃で1時間の熱処理を行
った後磁気ヘッドを作製した。熱処理後のリボンは透過
電子顕微鏡による組織観察の結果、50%以上が500Å以
下の微細な結晶粒からなることが確認された。
熱処理したリボンの1部について100gの荷重下でビッカ
ース硬さを測定し、更に塩水噴霧により耐食性を検討し
た。結果を第8表に示す。
次に磁気ヘッドをカセットデッキに取りつけ、温度20
℃、湿度90%で摩耗試験を行った。100時間後の摩耗量
を第8表に示す。
本発明合金はビッカース硬さが高く、耐食性に優れ、耐
摩耗性にも優れているため、磁気ヘッド材等に好適であ
る。
実施例30 Fe76.5-αCu1NbαSi13.5B9の組成を有する非晶質合金を
種々の温度で1時間熱処理し、得られた熱処理合金の磁
歪λsを測定した。結果を第9表に示す。
第9表から明らかなように、本発明の熱処理により磁歪
は非晶質の場合と比べ著しく低下する。このため磁歪に
よる磁気特性の劣化は従来のFe基非晶質合金より小さ
い。従って、本発明のFe基軟磁性合金は磁気ヘッド材等
としても有用である。
実施例31 Fe73Cu1Si13B9Nb3Ru0.5Co0.5の組成を有する非晶質合金
を種々の温度で1時間熱処理し、得られた熱処理合金の
飽和磁歪定数λsを測定した。結果を第10表に示す。
第10表から明らかなように、本発明の熱処理により磁歪
は非晶質の場合と比べ著しく低下する。従って、本発明
のFe基軟磁性合金は磁気ヘッド材等としても有用であ
る。また巻磁心で含浸やコーティングを行ってもFe基非
晶質巻磁心に比べて磁気特性の劣化が小さい。
実施例32 第11表に示す組成の幅5mm、厚さ18μmの非晶質合金薄
帯を単ロール法により作製し、外径19mm、内径15mmにト
ロイダル状に巻き、結晶化温度以上で熱処理後直流磁気
特性、1kHzにおける実効透磁率μe1K、100kHz、2kGに
おけるコア損失W2/100kおよび飽和磁歪λsを測定し
た。得られた結果を第11表に示す。
実施例33 Fe73.5Cu1Nb3SiyB22.5-y非晶質合金に500〜570℃で1時
間熱処理を施し、実施例1に示した第1(a)図とほぼ
同等の組織を有する合金を得た。この合金の飽和磁歪λ
sおよび飽和磁束密度Bsを第19図に示す。
Si量yが増加するに伴って磁歪は正から負に変化し、y
が17原子%付近で磁歪がほぼ零になることがわかる。
BsはSi量yが増大するに伴って単調に減少していくが、
その値は磁歪零の組成も12kG程度であり、Fe−Si−Al合
金等に比べ1kG程度高い。このため本発明合金は磁気ヘ
ッド材等としても優れた特性を有することがわかる。
実施例34 第20図に(Fe−Cu1−Nb3)−Si−B擬三元系合金の飽和
磁歪λs、第21図に保磁力Hc、第22図に1kHzにおける実
効透磁率μe1k、第23図に飽和磁束密度Bs、第24図に100
kHz、2kGにおけるコア損失W2/100kを示す。第20図にお
いて、線Dで囲まれた本発明の組成範囲において、λs
が10×10-6以下の低磁歪の合金が得られることがわか
る。線Eで囲まれた範囲内で軟磁性特性が良好で磁歪の
小さい合金が得られる。線Fで囲まれた組成範囲で、磁
気特性良好で特に磁歪が小さい合金が得られる。
Si、B含有量がそれぞれ10≦y≦25、3≦z≦12であ
り、SiとBの総和:y+zが18〜28の範囲にある場合、|
λs|≦5×10-6の低磁歪でかつ軟磁気特性に優れたもの
を得ることができることがわかる。
特に11≦y≦24、3≦z≦9、18≦y+z≦27の範囲の
合金の場合、|λs|≦1.5×10-6と特に低磁歪の合金を
得ることができることがわかる。本発明合金は磁歪がほ
ぼ零のものが存在し、飽和磁束密度も10kG以上のものが
得られる。しかも透磁率やコア損失はCo基アモルファス
合金に匹敵する特性が得られるため、各種トランス、チ
ョークコイル、可飽和リアクトル、磁気ヘッド等に最適
である。
実施例35 厚さ18μmのFe73.5Cu1Nb3Si6.5B6非晶質合金からなる
外径19mm、内径15mm、高さ5mmのトロイダル巻磁心を異
なる温度で1時間処理し(昇温速度10K/分)、空冷後磁
気特性を測定した。その後エポキシ樹脂で含浸し、再度
磁気特性を測定した。得られた結果を第25図に示す。
また、λsの熱処理温度依存性も示す。
結晶化温度(Tx)より高い温度で熱処理を行い、超微細
結晶粒組織とすることにより、磁歪が著しく減少してほ
ぼ0になることがわかった。これに伴って含浸による磁
気特性の劣化は小さくなった。これに対して結晶化温度
よりかなり低い温度、たとえば470℃で熱処理した非晶
質相が大部分をしめる合金では含浸前の特性もあまり良
くないが、特に含浸を行った後のコア損失及び保磁力Hc
の増加や、1kHzにおける実効透磁率μe1kの低下が著し
いことがわかる。これは飽和磁歪λsが大きいためであ
り、非晶質状態では含浸後十分な軟磁性が得られないこ
とがわかる。
本発明の微細結晶粒からなる合金ではλsが小さいの
で、磁気特性の劣化が小さく、含浸を行ってもλsがほ
ぼゼロのCo基アモルファスに匹敵する特性を示してい
る。しかも、10Oeにおける磁束密度B10が12KG程度と高
飽和磁束密度であるため、磁気ヘッド、トランス、チョ
ークコイル、可飽和リアクトル等に適する。
実施例36 マグネトロンスパッタ装置によりホトセラム基板上に第
12表に示す組成の厚さ3μmの非晶質合金膜を作製し
た。次にこの膜をN2ガス雰囲気中で5000Oeの回転磁界中
において結晶化温度より高い温度で熱処理を行い、超微
細結晶粒からなる本発明の合金膜を作製し、1MHzにおけ
る実効透磁率μe1M及び飽和磁束密度Bsを測定した。得
られた結果を第12表に示す。
実施例37 単ロール法により板厚18μm及び幅5mmのFe73.5Cu1Nb3S
i13.5B9非晶質合金を作製し、外径19mmおよび内径15mm
に巻回し、巻磁心を作製した。次にこの巻磁心をArガス
雰囲気中で550℃に1時間保持し、しかる後空冷した。
このようにして熱処理した巻磁心の100KHzにおけるコア
損失を測定し、そのBm依存性を調べた。第26図にコア損
失のBm依存性を示す。比較のためCo基非晶質合金の巻磁
心(Co68.5Fe4.5Mo2Si15B10)、Fe基非晶質合金の巻磁
心(Fe77Cr1Si9B13)Mn−Znフェライトについても、コ
ア損失のBm依存性を示す。
第26図から、本発明合金からなる巻磁心は従来のFe基非
晶質合金やCo基非晶質合金、フェライト等より低いコア
損失を示すことがわかる。従って、本発明の合金は高周
波トランス、チョークコイル等に最適である。
実施例38 単ロール法により厚さ15μm、幅5mmのFe70Cu1Si14B9Nb
5Cr1非晶質合金を作製し、外径19m、内径15mmに巻回
し、磁路と直角方向に3000Oeの磁場をかけながら5℃/
分の昇温速度で昇温し、620℃に1時間保持後5℃/分
の速度で室温まで冷却する熱処理を行い、コア損失を測
定した。透過電子顕微鏡観察の結果、本合金は微細な結
晶粒組織からなることが確認された。直流B−Hカーブ
は角形比が8%で恒透磁率性に優れていた。
比較のためFe基アモルファス合金(Fe77Cr1Si9B13)、C
o基アモルファス合金(Co67Fe4Mo1.5Si16.5B11)、Mn−
Znフェライトのコア損失も測定した。
第27図にコア損失の周波数依存性を示す。Aは本発明合
金、BはFe基アモルファス合金、CはCo基アモルファス
合金、DはMu−Znフェライトである。第27図から明らか
なように、本発明のFe基軟磁性合金は従来のCo基アモル
ファス合金並の低損失合金であり、Fe基アモルファス合
金よりはるかに低いコア損失を有する。
実施例39 単ロール法により幅5mm及び板厚15μmの非晶質合金リ
ボンを作製した。非晶質合金の組成は以下の通りであっ
た。
Fe73.2Cu1Nb3Si13.8B9 Fe73.5Cu1Nb3Si13.5B9 Fe73.5Cu1Nb3Si13.5B6 Fe71.5Cu1Nb5Si13.5B9 次に各非晶質合金のリボンを内径15mm及び外径19mmに巻
き、巻磁心を作製した。得られた巻磁心を窒素雰囲気中
で下記の条件で熱処理し、本発明の合金を作製した。各
合金とも微結晶化しており、50%以上が微結晶粒子から
なることが電子顕微鏡観察により確認された。
次に各合金について直流B−Hカーブを求めた。第28
(a)図乃至第28(d)図に各巻磁心の直流B−Hカー
ブを示す。第28(a)図はFe73.2Cu1Nb3Si13.8B9の組成
の合金から作製した巻磁心(熱処理条件:550℃1時間保
持後空冷)の直流B−Hカーブを示し、第28(b)図は
Fe73.5Cu1Mo3Si13.5B9の組成の合金から作製した巻磁心
(熱処理条件:530℃1時間保持後空冷)の直流B−Hカ
ーブを示し、第28(c)図はFe73.5Cu1Nb3Si13.5B9の組
成の合金から作製した巻磁心(熱処理条件:550℃1時間
保持後、10Oeの磁場を磁路方向に印加しながら5℃/分
の冷却速度で280℃まで冷却し、1時間保持後空冷)の
直流B−Hカーブを示し、第28(d)図はFe71.5Cu1Nb5
Si13.5B9の組成の合金から作製した巻磁心(熱処理条
件:610℃1時間保持後、10Oeの磁場を磁路方向に印加し
ながら10℃/分の冷却速度で250℃まで冷却し、2時間
保持後炉冷)の直流B−Hカーブを示す。
各グラフにおいて横軸の目盛はHm(磁場の最大値)=10
Oeの場合を示す。従って、Hm=10Oeの場合には10が1と
なり、Hm=0.1Oeの場合には10が0.1となる。各グラフ中
のB−Hカーブはいずれも横軸の目盛が異なる以外は同
一である。
各グラフに示すFe基軟磁性合金の飽和磁束密度B10、保
磁力Hc、及び角形比Br/B10は以下の通りである。
磁場を印加せずに熱処理した(a)および(b)の場合
は角形比は中程度(60%程度)であるが、磁路方向に磁
場を印加し熱処理した(c)及び(d)の場合は角形比
は高くなっている(90%以上)。保磁力は0.01Oe以下の
ものも得られ、Co基非晶質合金とほぼ同等である。
磁場を印加せずに熱処理した場合、実効透磁率μeは1k
Hzで数万〜10万となり、各種インダクターやセンサー、
トランス等に適している。一方磁路方向に磁場を印加し
ながら熱処理した場合には高角形比の特性が得られ、コ
ア損失も100kHz、2kGで800mW/cc以下とCo基非晶質合金
並となる。このため可飽和リアクトル等に適するものと
なる。
また本発明の合金の飽和磁束密度は第28図の各図からわ
かるように10KGを越えるものも得られ、従来のパーマロ
イやセンダクト及び一般的なCo基非晶質合金より高く、
動作磁束密度を大きくすることができる。このため、磁
気ヘッド、トランス、可飽和リアクトル、チョーク等の
磁性材料としてより有効なものである。
また磁路方向に磁場をかけ熱処理した場合には最大透磁
率μmが140万を越えるものも得られ、センサーに用い
ることもできる。
実施例40 単ロール法により、板厚20μm及び幅10mmのFe73.5Cu1N
b3Si13.5B9非晶質合金リボン及びFe74.5Nb3Si13.5B9
晶質合金リボンを作製し、熱処理前と後のX線回折を測
定した。
第29図にX線回折パターンを示す。(a)は熱処理前の
Fe73.5Cu1Nb3Si13.5B9合金のリボン、(b)は550℃で
1時間熱処理を行ったFe73.5Cu1Nb3Si13.5B9合金のリボ
ン、(c)は550℃で1時間熱処理を行ったFe74.5Nb3Si
13.5B9合金リボンのX線回折パターンである。
(a)は非晶質合金特有のハローパターンを示し、ほぼ
完全な非晶質状態にあることがわかる。本発明合金
(b)は結晶のピークが現われておりほぼ結晶化してい
ることがわかる。ただし微結晶のためピークの幅は広く
なっている。一方Cuを添加してない非晶質合金を550℃
で熱処理した(c)の場合は結晶化しているが、Cuを添
加した場合と著しく異なるパターンを示しており、化合
物が折出していると推定される。Cu添加により磁気特性
が著しく改善されるのは、Cu添加により結晶化過程が変
わり化合物が折出しにくくなることと、結晶粒が粗大化
しにくく微結晶化するためであると推定される。
実施例41 単ロール法により幅5mm及び板厚15μmのFe73.1Cu1Si
13.5B9Nb3Cr0.2Co0.2非晶質合金リボンを作製した。
次に各非晶質合金のリボンを外径19mm、内径15mmに巻
き、巻磁心を作製した。得られた巻磁心を窒素雰囲気中
で下記の3種の条件で熱処理し、本発明の合金を作製し
た。電子顕微鏡による観察の結果微結晶粒組織からなる
ことが確認された。
次に熱処理した巻磁心の直流B−Hカーブを測定した。
第30図(a)乃至第30図(c)に各熱処理に行った巻磁
心の直流B−Hカーブを示す。
第30(a)図は窒素ガス雰囲気中で15℃/分の昇温速度
で室温より昇温し、550℃に1時間保持後600℃/分の冷
却速度で室温まで冷却する熱処理を行った巻磁心の直流
B−Hカーブを示し、第30(b)図は10Oeの直流磁場と
磁心の磁路方向に印加しながら窒素ガス雰囲気中10℃/
分の昇温速度で室温より昇温し、550℃に1時間保持後
3℃/分の冷却速度で200℃まで冷却し、更に室温まで6
00℃/分の冷却速度で冷却する熱処理を行った巻磁心の
直流B−Hカーブを示し、第30(c)図は、3000Oeの直
流磁場を磁心の磁路と直角方向に印加しながら窒素ガス
雰囲気中で20℃/分の昇温速度で室温より昇温し、550
℃に1時間保持後3.8℃/分の冷却速度で400℃まで冷却
し、更に室温まで600℃/分の冷却速度で冷却する熱処
理を行った巻磁心の直流B−Hカーブを示す。
また第31図に上記巻磁心のコア損失の周波数依存性を示
す。Aは第30(a)図に対応する巻磁心を示し、Bは第
30(b)図に対応する巻磁心を示し、Cは第30(c)図
に対応する巻磁心を示す。また比較のため従来の高角形
比のCo71.5Fe1Mn3Cr0.5Si15B9アモルファス巻磁心D、
低角形比のCo71.5Fe1Mn3Cr0.5Si15B9アモルファス巻磁
心Eのコア損失の周波数依存性をも示す。なお巻磁心
D、巻磁心Eの角形比はそれぞれ98%、8%であった。
本発明合金からなる巻磁心は第30図からわかるように磁
場中の熱処理により高角形比の直流B−Hカーブや低角
形比恒透磁率の直流B−Hカーブを得ることができる。
第31図からわかるように本発明合金のコア損失はCo基の
アモルファス巻磁心と同等以上の低損失特性を示し、飽
和磁束密度も高い。高角形比の巻磁心はスイッチング電
源等に用いられる可飽和リアクトルやスパイク電圧を阻
止する用途、磁気スイッチ等に適し、中低角形比特に低
角形比の巻磁心は高周波トランスやチョークコイル、ノ
イズフィルター等に最適である。
実施例42 単ロール法により板厚20μm及び幅10mmのFe73.5Cu1Nb3
Si13.5B9非晶質合金リボンを作製し、500℃で1時間熱
処理を行い、Hex=800KA/m、昇温速度10K/分でVSMによ
り磁化の温度変化を測定した。比較のために熱処理を行
ってない場合についても磁化の温度変化を測定した。第
32図にその結果を示す。縦軸は室温における磁化との比
σ/σR.Tをとった。本発明の熱処理を行った合金は熱
処理前のほぼ完全なアモルファス合金より磁化σの温度
変化が小さい。これは大部分を占める主相のキュリー温
度Tcがアモルファス状態よりも高くなっており、飽和磁
化の温度依存性が小さいためであると考えられる。
また主相のキュリー温度は純粋なα−Feのキュリー温度
より低いので、主相はα−FeにSi等が固溶したものでは
ないかと推定される。また熱処理温度が高くなるとキュ
リー温度が高くなる傾向があり、主相の組成は熱処理に
より変化していると思われる。
実施例43 単ロール法により板厚18μm及び幅4.5mmのFe73.5Cu1Nb
3Si13.5B9非晶質合金リボンを作製し、外径13mm、内径1
0mmに巻き、巻磁心を作製した。
次に第33図に示す各種の熱処理パターンにより磁場中処
理を行った(磁路方向に磁場印加)。
得られた磁気特性を第13表に示す。
(a)のパターンは急冷する際だけ磁場をかけた場合で
あるが、この場合は角形比はあまり上昇しない。しかし
その他の場合はすべて80%以上の角形比を示し、磁路方
向に磁場を印加する磁場中熱処理により高角形比化でき
ることがわかる。Fe73.5Cu1Nb3Si13.5B9非晶質合金のキ
ュリー温度は約340℃であるが、(f)の場合からわか
るように非晶質合金のキュリー温度より高い温度でだけ
磁場を印加し磁場中熱処理を行っても高角形化できる。
この理由は結晶化した本発明合金の主相のキュリー温度
が熱処理温度より高いためであると考えられる。
なお磁路と直角方向に磁場をかけ同様のパターンで熱処
理を行うと、角形比が30%以下と低角形比のFe基軟磁性
合金を得ることができる。
実施例44 実施例1と同じ組成のFe基合金(Fe73.4Cu1Nb3.1Si13.4
B9.1)について、非晶質化した後で種々の熱処理条件下
で微細結晶粒の割合の異なる試料(No.1〜5)を作成
し、結晶粒の割合と実効透磁率(μe1kHz)との関係を
求めた。結果を第34図に示す。また、試料No.1〜5の透
過電子顕微鏡写真(30万倍)を第35図(a)〜(e)に
示す。なお、線分法により求めた微細結晶粒の割合は以
下の通りである。
試料No.1 0% 試料No.2 12% 試料No.3 47% 試料No.4 約80% 試料No.5 約100% 以上の結果から明らかなように、微細結晶粒の割合が50
%以上になると、実効透磁率が著しく向上する。
〔発明の結果〕
以上に詳述したように、Fe基軟磁性合金は微細結晶粒が
全体の50%以上を占めることにより、コア損失が著しく
低く、Co基非晶質合金と同程度であるとともに、コア損
失の経時変化も小さい。また透磁率及び飽和磁束密度が
高く、耐摩耗性にも優れている。さらに高周波磁気特性
に優れ、含浸や変形等による歪に帰因する特性劣化が少
さく、低磁歪のものである。
このようなFe基軟磁性合金は一旦非晶質化した後で本発
明の熱処理を施すことにより、簡単に製造することがで
きる。
このようにして得られたFe基軟磁性合金は高周波トラン
ス、チョークコイル、可飽和リアクトルだけでなく磁気
ヘッド等にも最適な材料であり、著しい特性改善が達成
できる。
【図面の簡単な説明】
第1(a)図は実施例1のFe基軟磁性合金(熱処理後)
の金属組織を表わす透過電子顕微鏡写真(30万倍)であ
り、 第1(b)図は第1(a)図の写真の概略図であり、 第1(c)図はCuを含有しないFe基軟磁性合金(Fe74.5
Nb3Si13.5B9)(熱処理後)の金属組織を表わす透過電
子顕微鏡写真(30万倍)であり、 第1(d)図は第1(c)図の写真の概略図であり、 第2図は実施例1のFe基軟磁性合金(熱処理前)の金属
組織を表わす透過電子顕微鏡写真(30万倍)であり、 第3(a)図は実施例1の熱処理前のFe基非晶質合金リ
ボンのX線回折パターン、第3図(b)は本発明に係る
熱処理後のFe基軟磁性合金リボンのX線回折パターンで
あり、 第4図は実施例9のFe基軟磁性合金についてCu含有量
(X)とコア損失W2/100Kとの関係を示すグラフであ
り、 第5図は実施例12のFe基軟磁性合金についてM′含有量
(α)とコア損失W2/100Kとの関係を示すグラフであ
り、 第6図は実施例13のFe基軟磁性合金について、M′含有
量(α)とコア損失W2/100Kとの関係を示すグラフであ
り、 第7図は実施例14のFe基軟磁性合金についてNb含有量
(α)とコア損失W2/100Kの関係を示すグラフであり、 第8図は実施例15のFe基軟磁性合金、Co基非晶質合金及
びフェライトについて周波数と実効透磁率との関係を示
すグラフであり、 第9図は実施例16のFe基軟磁性合金、Co基非晶質合金及
びフェライトについて周波数と実効透磁率との関係を示
すグラフであり、 第10図は実施例17のFe基軟磁性合金、Co基非晶質合金、
Fe基非晶質合金およびフェライトについて周波数fと実
効透磁率μeとの関係を示すグラフであり、 第11図は実施例20のFe基軟磁性合金について熱処理温度
とコア損失との関係を示すグラフであり、 第12図は実施例21のFe基軟磁性合金について熱処理温度
とコア損失との関係を示すグラフであり、 第13図は実施例22のFe基軟磁性合金について熱処理温度
と実効透磁率との関係を示すグラフであり、 第14図は実施例23のFe基軟磁性合金の1kHzにおける実効
透磁率μe1kの熱処理温度依存性を示すグラフであり、 第15図は実施例24のFe基軟磁性合金について熱処理温度
と実効透磁率μe1kの関係を示すグラフであり、 第16図は実施例25のFe基軟磁性合金についてCuの含有量
(X)及びNbの含有量(α)と結晶化温度との関係を示
すグラフであり、 第17図は実施例26のFe基軟磁性合金の100時間後の摩耗
量を示す図であり、 第18図は実施例27のFe基軟磁性合金のビッカース硬さの
熱処理温度依存性を示す図であり、 第19図は実施例33のFe73.5Cu1Nb3SiyB22.5-y合金の飽和
磁歪(λs)、および飽和磁束密度(Bs)のy値依存性
を示す図であり、 第20図、第21図、第22図、第23図及び第24図はそれぞれ
(Fe−Cu1−Nb3)−Si−B擬三元系合金の飽和磁歪(λ
s)、保磁力(Hc)、1kHzにおける実効透磁率(μ
e1k)、飽和磁束密度(Bs)、100KHz、2KGにおけるコア
損失(W2/100K)を示す図であり、 第25図は実施例35の合金の磁気特性の熱処理依存性を示
す図であり、 第26図は実施例37のコア損失のBm依存性を示す図であ
り、 第27図は実施例38の本発明Fe基軟磁性合金、従来のFe基
アモルファス合金、Co基アモルファス合金及びフェライ
トのコア損失の周波数依存性を示す図であり、 第28(a)図乃至第28(d)図はそれぞれ実施例39に示
す本発明合金の直流B−Hカーブを示す図であり、 第29図は実施例40のFe基合金のX線回折パターンを示す
図であり、 第30(a)〜(c)図はは実施例41の本発明に係るFe基
軟磁性合金の直流B−Hカーブを示す図であり、 第31図は実施例41の本発明に係るFe基軟磁性合金、従来
のCo基非晶質合金のコア損失の周波数依存性を示す図で
あり、 第32図は実施例42のFe基合金の磁化の温度変化を示す図
であり、 第33図は実施例43の本発明のFe基合金の磁場中熱処理の
パターンの例を示す図であり、 第34図は微細結晶粒の割合と実効透磁率との関係を表す
グラフであり、 第35図(a)は実施例44の試料No.1の金属組織を示す透
過電子顕微鏡写真(30万倍)であり、 第35図(b)は実施例44の試料No.2の金属組織を示す透
過電子顕微鏡写真(30万倍)であり、 第35図(c)は実施例44の試料No.3の金属組織を示す透
過電子顕微鏡写真(30万倍)であり、 第35図(d)は実施例44の試料No.4の金属組織を示す透
過電子顕微鏡写真(30万倍)であり、 第35図(e)は実施例44の試料No.5の金属組織を示す透
過電子顕微鏡写真(30万倍)である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: (Fe1-aMa)100-X-Y-Z-αCuXSiYBZM′α (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
    Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
    の元素であり、a,x,y,z及びαはそれぞれ0≦a≦0.5,
    0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30及び0.
    1≦α≦30を満たす。)により表される組成を有し、組
    織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有する微
    細な結晶粒からなり、残部が実質的に非晶質であるFe基
    軟磁性合金を製造する方法であって、溶湯急冷法又は気
    相急冷法により前記組成の非晶質合金とする工程と、こ
    れにその平均粒径が1000Å以下の微細な結晶粒を形成す
    るために前記非晶質合金を405℃〜700℃に5分〜24時間
    保持する熱処理を施す工程とを含むことを特徴とするFe
    基軟磁性合金の製造方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の製法におい
    て、熱処理を磁場中で行うことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】一般式: (Fe1-aMa)100-X-Y-Z-α−βCuXSiYBZM′αM″β (原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
    Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
    の元素,M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素,Su,Y,希土類元素,
    Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1種の
    元素であり、a,x,y,z,α及びβはそれぞれ0≦a≦0.5,
    0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30,0.1≦
    α≦30,及びβ≦10を満たす。)により表される組成を
    有し、組織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を
    有する微細な結晶粒からなり、残部が実質的に非晶質で
    あるFe基軟磁性合金を製造する方法であって、溶湯急冷
    法又は気相急冷法により前記組成の非晶質合金とする工
    程と、これにその平均粒径が1000Å以下の微細な結晶粒
    を形成するために前記非晶質合金を405℃〜700℃に5分
    〜24時間保持する熱処理を施す工程とを含むことを特徴
    とするFe基軟磁性合金の製造方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項に記載の製法におい
    て、熱処理を磁場中で行うことを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】一般式: (Fe1-aMa)100-X-Y-Z-α−γCuXSiYBZM′αγ (原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
    Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
    の元素,XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ば
    れた少なくとも1種の元素であり、a,x,y,z,α及びγは
    それぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦2
    5,5≦y+z≦30,0.1≦α≦30,及びγ≦10を満たす。)
    により表される組成を有し、組織の少なくとも50%が10
    00Å以下の平均粒径を有する微細な結晶粒からなり、残
    部が実質的に非晶質であるFe基軟磁性合金を製造する方
    法であって、溶湯急冷法又は気相急冷法により前記組成
    の非晶質合金とする工程と、これにその平均粒径が1000
    Å以下の微細な結晶粒を形成するために前記非晶質合金
    を405℃〜700℃に5分〜24時間保持する熱処理を施す工
    程とを含むことを特徴とするFe基軟磁性合金の製造方
    法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第5項に記載の製法におい
    て、熱処理を磁場中で行うことを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】一般式: (Fe1-aMa)100-X-Y-Z-α−β−γCuXSiYBZM′αM″β
    γ (原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
    Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
    の元素,M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素、Sc,Y,希土類元
    素,Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1種
    の元素,XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ば
    れた少なくとも1種の元素であり、a,x,y,z,α,β及び
    γはそれぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z
    ≦25,5≦y+z≦30,0.1≦α≦30,β≦10及びγ≦10を
    満たす。)により表される組成を有し、組織の少なくと
    も50%が1000Å以下の平均粒径を有する微細な結晶粒か
    らなり、残部が実質的に非晶質であるFe基軟磁性合金を
    製造する方法であって、溶湯急冷法又は気相急冷法によ
    り前記組成の非晶質合金とする工程と、これにその平均
    粒径が1000Å以下の微細な結晶粒を形成するために前記
    非晶質合金を405℃〜700℃に5分〜24時間保持する熱処
    理を施す工程とを含むことを特徴とするFe基軟磁性合金
    の製造方法。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第7項に記載の製法におい
    て、熱処理を磁場中で行うことを特徴とする方法。
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