JPH0711396A - Fe基軟磁性合金 - Google Patents

Fe基軟磁性合金

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JPH0711396A
JPH0711396A JP4335524A JP33552492A JPH0711396A JP H0711396 A JPH0711396 A JP H0711396A JP 4335524 A JP4335524 A JP 4335524A JP 33552492 A JP33552492 A JP 33552492A JP H0711396 A JPH0711396 A JP H0711396A
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alloy
heat treatment
soft magnetic
crystal grains
magnetic
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JP4335524A
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English (en)
Inventor
Katsuto Yoshizawa
克仁 吉沢
Kiyotaka Yamauchi
清隆 山内
Shigeru Oguma
繁 小熊
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Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/12Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials
    • H01F1/14Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of soft-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/147Alloys characterised by their composition
    • H01F1/153Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals
    • H01F1/15308Amorphous metallic alloys, e.g. glassy metals based on Fe/Ni

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コア損失、コア損失の経時変化、透過率その
他の磁気特性に優れた新規なFe基軟磁性合金を提供す
ることである。 【構成】 組織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒
径を有するα−Fe主体のbcc構造の微細な結晶粒か
らなり、残部はCu主体のクラスターが分散された実質
的に非晶質な相からなるFe基軟磁性合金。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた磁気特性を有す
るFe基軟磁性合金、特に各種トランス、チョークコイ
ル、可飽和リアクトル、磁気ヘッド等に好適な低磁歪F
e基軟磁性合金に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波トランス、磁気ヘッド、可
飽和リアクトル、チョークコイル等の磁心材料として、
うず電流損が少ない等の利点を有するフェライトが主に
用いられていた。しかしフェライトは飽和磁束密度が低
く、温度特性も悪いため、高周波トランスやチョークコ
イルに用いる場合磁心を小形化することが困難であると
いう欠点があった。またこれらの用途に対しては、含
浸、モールド等を行ったり、加工を行っても特性劣化が
小さく、内部に歪が残留していても比較的優れた軟磁気
特性を示すという理由のために、特に磁歪が小さい合金
が好まれ、使用されている。磁歪が特に小さい軟磁性合
金としては、6.5wt%ケイ素鋼やFe−Si−Al合
金、80wt%Niパーマロイ合金等が知られており、飽
和磁歪λs≒0が実現されている。しかし、ケイ素鋼は
飽和磁束密度は高いが軟磁気特性、特に高周波における
透磁率やコア損失が劣るという欠点がある。Fe−Si
−Al合金は、ケイ素鋼より軟磁気特性が優れている
が、Co基アモルファス合金等と比べると十分でなく、
その上、脆化しているため薄帯化しても巻いたり、加工
するのがひじょうに困難な欠点がある。80wt%Niパ
ーマロイ合金は、飽和磁束密度が8KG程度と低く、磁
歪は小さいが塑性変形しやすいため特性が変形により劣
化する欠点がある。
【0003】近年、このような従来の磁心材料に対抗す
るものとして高い飽和磁束密度を有する非晶質磁性合金
が有望視されており、種々の組成のものが開発されてい
る。非晶質合金は主としてFe系とCo系に大別され、
Fe系の非晶質合金は材料コストがCo系に比べ安くつ
くという利点がある反面、一般的に高周波においてCo
系非晶質合金よりコア損失が大きく、透磁率も低いとい
う問題がある。これに対しCo系の非晶質合金は高周波
のコア損失が小さく、透磁率も高いが、コア損失や透磁
率の経時変化が大きく実用上問題が多い。さらに高価な
Coを主原料とするため価格的な不利は免れない。この
ような状況下でFe基非晶質磁性合金について種々の提
案がなされた。特公昭60−17019号は、74〜84原子%の
Feと、8〜24原子%のBと、16原子%以下のSi及び3
原子%以下のCの少なくとも1つからなる組成を有し、
その構造の少なくとも85%が非晶質金属素地の形を有
し、かつ非晶質金属素地の全体にわたって不連続に分布
した結晶質析出粒子群を有しており、結晶質の粒子群は
0.05−1μmの平均粒度及び1〜10μmの平均粒子間距離を
有しており、粒子群は全体の0.01〜0.3の平均容積分率
を占めていることを特徴とするFe基含硼素磁性非晶質
合金を開示している。この合金の結晶質粒子群は磁壁の
ピンニング点として作用する不連続な分布のα−(F
e,Si)粒子群であるとされている。
【0004】しかし、このFe基非晶質磁性合金は不連
続な結晶質粒子群の存在によりコア損失が減少している
が、それでもコア損失は依然大きく、透磁率もCo基非
晶質合金並の特性は得られず、本発明の目的とする高周
波トランスやチョークの磁心用材料としては満足でな
い。また特開昭60−52557号はFeaCubcSid(た
だし75≦a≦85、0≦b≦1.5、10≦c≦20、d≦10かつc+d
≦30)からなる低損失非晶質磁性合金を開示している。
よく知られているように、CuはFeに対してほとんど
固溶しない。したがって、Fe基合金にわずかにCuを
加え適当な熱処理を行えば、Feマトリックス中に析出
したCu相によって磁区は細分化されるという考え方に
基づき提案されたものである。すなわち、Fe基アモル
ファスに適度な組成のCuを添加することにより、磁区
細分化と電気抵抗の増加によって渦電流損失(磁壁付近
に局所的に電流の流れるいわゆる異常渦電流損失も含
む)を減少させ、低鉄損化を図ったものである。
【0005】しかし、このFe基非晶質合金はCuを含
有しているためにコア損失が著しく低下しているが、そ
れでも上記結晶質粒子含有Fe基非晶質合金と同様に満
足ではない。さらにコア損失の経時変化、透磁率等に関
しても十分ではないという問題がある。さらに、磁歪を
低減する方法として、たとえば、Mo又はNbによって
低磁歪化を図り、併せて低損失化する試みがある(Inoma
ta et al.,J.Appl.Phys.54(11),Nov.1983 p6553〜p655
7)。しかし、Fe基アモルファス合金の場合は飽和磁歪
λsと飽和磁化Msの2乗がほぼ比例関係にあることが
知られており(牧野、他;日本応用磁気学会第4回研究
資料(1987)、43)、飽和磁化がほとんど零にならないと
磁歪が零に近づかない。このような組成ではキュリー温
度が著しく低く実用材料にはならない。このため現在使
用されているFe基アモルファス合金は磁歪が十分小さ
くなっておらず、含浸を行った場合等は軟磁気特性が劣
化した状態で使用されており、Co基アモルファス合金
より著しく軟磁気特性は劣っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
はコア損失、コア損失の経時変化、透磁率その他の磁気
特性に優れた新規なFe基軟磁性合金を提供することで
ある。本発明のもう1つの目的は、軟磁気特性(特に高
周波磁気特性)に優れ、含浸や変形等による特性劣化の
小さい低磁歪のFe基軟磁性合金を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み悦意研究
の結果、本発明者等は、Fe−Si−Bを基本成分とす
る合金にCuと、Nb,W,Ta,Zr,Hf,Ti及
びMoからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素と
を複合添加し、一旦非晶質合金とした後で適当な熱処理
をすることにより、組織の大半が微細結晶粒からなる軟
磁気特性に優れたFe基軟磁性合金が得られ、かつ合金
組成を適当に限定することにより、低磁歪の合金となる
ことを発見し、本発明に想到した。すなわち、本発明の
Fe基軟磁性合金は一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α CuxSiyzM′α(原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はN
b,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素であり、0≦a≦0.5、
0.1≦x≦3、0≦y≦30、0≦z≦25、5≦y+z≦30、
0.1≦α≦30を満たす。)により表される組成、または、
一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α-β CuxSiyzM′αM″β(原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はN
b,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素、M″はV,Cr,M
n,Al、白金属元素、Sc,Y,希土類元素、Au,
Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素であり、a,x,y,z,α及びβはそれぞれ
0≦a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y≦30、0≦z≦25、5≦
y+z≦30、0.1≦α≦30、β≦10を満たす。)により
表される組成、または、一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α-γ CuxSiyzM′αM″γ(原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はN
b,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素、XはV,C,Ge,
P,Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ば
れた少なくとも1種の元素であり、a,x,y,z,α
及びγはそれぞれ0≦a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y≦3
0、0≦z≦25、5≦y+z≦30、0.1≦α≦30、γ≦10を
満たす。)により表される組成、または、一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α-β-γ CuxSiyzM′αM″βγ(原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はN
b,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素、M″はV,Cr,M
n,Al、白金属元素、Sc,Y,希土類元素、Au,
Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素、XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,B
e,Asからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素
であり、a,x,y,z,α,β及びγはそれぞれ0≦
a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y≦30、0≦z≦25、5≦y+
z≦30、0.1≦α≦30、β≦10及びγ≦10を満たす。)
により表される組成、を有し、組織の少なくとも50%が
1000Å以下の平均粒径を有するα−Fe主体のbcc構
造の微細な結晶粒からなり、残部はCu主体のクラスタ
ーが分散された実質的に非晶質な相からなることを特徴
とするものである。
【0008】本発明のFe基軟磁性合金において、Fe
は0〜0.5の範囲でCo及び/又はNiで置換してもよ
い。しかし、良好な磁気特性(低コア損失、低磁歪)を
得るためには、Co及び/又はNiの含有量“a”は0
〜0.1の範囲が好ましい。特に低磁歪の合金とするため
には、aの範囲を0〜0.05の範囲にするのが好ましい。
本発明において、Cuは必須元素であり、その含有量x
は0.1〜3原子%の範囲である。0.1原子%より少ないと
Cuの添加によるコア損失低下、透磁率上昇の効果がほ
とんどなく、一方3原子%より多いとコア損失が未添加
のものよりかえって大きくなることがあり、透磁率も劣
化する。本発明において好ましいCuの含有量xは0.5
〜2原子%であり、この範囲ではコア損失が特に小さく
透磁率が高い。
【0009】Cuのコア損失低下、透磁率上昇作用の原
因は明らかではないが次のように考えられる。CuとF
eの相互作用パラメータは正でり、固溶度は低いが、F
e基原子同志またはCu原子同志が寄り集まりクラスタ
ーを形成するため組成ゆらぎが生じる。このため部分的
に結晶化しやすい領域が多数でき、そこを核とした微細
な結晶粒が生成される。この結晶はFeを主成分とする
ものであり、FeとCuの固溶度はほとんどないため結
晶化によりCu主体のクラスターは微細結晶粒の周囲の
非晶質相中にはきだされ、結晶粒周辺のCu主体のクラ
スター濃度が高くなる。このため結晶粒は成長しにくい
と考えられる。上述したように、本発明においては、C
u添加により結晶核が多数できることとCuクラスター
が周辺に存在してFeを主成分とする結晶粒が成長しに
くいため結晶粒微細化が起こると考えられるが、この作
用はNb,Ta,W,Mo,Zr,Hf,Ti等の存在
により特に著しくなると考えられる。
【0010】Nb,Ta,W,Mo,Zr,Hf,Ti
等が存在しない場合は結晶粒はあまり微細化されず軟磁
気特性も悪い。Nb,Moは特に効果が大きいが、これ
らの元素の中でNbを添加した場合特に結晶粒が細かく
なりやすく、軟磁気特性も優れたものが得られる。また
Feを主成分とする微細結晶相が生ずるためFe基非晶
質合金に比べて磁歪が小さくなり、内部応力−歪による
磁気異方性が小さくなることも軟磁気特性が改善される
理由と考えられる。Cuを添加しない場合は結晶粒は微
細化されにくく、化合物相が形成しやすいため結晶化に
より磁気特性が劣化する。
【0011】Si及びBは、合金組織の微細化に特に有
用な元素である。本発明のFe基軟磁性合金は、好まし
くは、一旦Si,Bの添加効果により非晶質合金とした
あとで熱処理により微細結晶粒を形成させることにより
得られる。Si及びBの含有量y及びzの限定理由は、
yが30原子%以下、zが25原子%以下、y+zが5〜30
原子%でないと、合金の飽和磁束密度の著しい減少があ
ることである。本発明において、yの好ましい範囲は6
〜25原子%であり、zの好ましい範囲は2〜25原子%で
あり、y+zの好ましい範囲は14〜30原子%の範囲であ
る。Si含有量yの限定理由は、yが25原子%を超える
と軟磁気特性の良好な条件では磁歪が大きくなってしま
い好ましくなく、yが6原子%未満では十分な軟磁気特
性が得られないためである。Bの含有量zの限定理由
は、zが2原子%未満では均一な結晶粒組織が得にくく
て軟磁気特性が劣化し、zが25原子%を超えると軟磁気
特性の良好な熱処理条件では磁歪が大きくなってしまい
好ましくないためである。SiとBとの総和量y+zの
値に関しては、y+zが14原子%未満ではロール法によ
る非晶質化が困難になる。一方、y+zが30原子%を超
えると飽和磁束密度の著しい低下および軟磁気特性の劣
化および磁歪の増加がある。より好ましいSi,B含有
量の範囲は10≦y≦25、3≦z≦18、18≦y+z≦28で
あり、この範囲では−5×10-6〜+5×10-6の範囲の飽和
磁歪で軟磁気特性の優れた合金が得られやすい。特に好
ましくは11≦y≦24、3≦z≦9、18≦y+z≦27であ
り、この範囲では−1.5×10-6〜+1.5×10-6の範囲の飽
和磁歪の合金が得られやすい。
【0012】本発明において、M′はCuとの複合添加
により析出する結晶粒を微細化する作用を有するもので
あり、Nb,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoから
なる群から選ばれた少なくとも1種の元素である。Nb
等は合金の結晶化温度を上昇させる作用を有するが、ク
ラスターを形成し結晶化温度を低下させる作用を有する
Cuとの相互作用により、結晶粒の成長を抑え、析出す
る結晶粒が微細化するものと考えられる。なお、Nb、
Bや、後述するCの添加によるNbC、TaC等の化合
物が一部形成されても良い。
【0013】M′の含有量αは0.1〜30原子%であり、
0.1原子%未満だと結晶粒微細化の効果が不十分であ
り、30原子%を超えると飽和磁束密度の著しい低下を招
く。好ましいM′の含有量αは1〜10原子%である。よ
り好ましいαの範囲は2≦α≦8であり、この範囲で特に
優れた軟磁性が得られる。なおM′としてNbが磁気特
性の面で最も好ましい。またM′の添加によりCo基高
透磁率材料と同等の高い透磁率を有するようになる。
V,Cr,Mn,Al、白金属元素、Sc,Y、希土類
元素、Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた
少なくとも1種の元素であるM″は耐食性を改善した
り、磁気特性を改善したり、磁歪を調整したりする目的
のために添加することができるものであるが、その含有
量はせいぜい原子%以下である。それは含有量が10原子
%を超えると著しい飽和磁束密度の低下を招くためであ
り、特に好ましい含有量は5原子%以下である。これら
の中でRu,Rh,Pd,Os,Ir,Pr,Au,C
r,Vから選ばれる少なくとも1種の元素を添加した場
合は特に耐食性、耐摩耗性に優れた合金となるため、磁
気ヘッド材等として好適である。
【0014】本発明の合金において、C,Ge,P,G
a,Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素xを10原子以下含み得る。これらの
元素は非晶質化に有効な元素であり、Si,Bと共に添
加することにより合金の非晶質化を助けると共に、磁歪
やキュリー温度の調整に効果がある。以上を整理する
と、一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α CuxSiyzM′α により表されるFe基軟磁性合金の場合、a,x,y,
z,αの範囲は、0≦a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y≦3
0、0≦z≦25、5≦y+z≦30、0.1≦α≦30である。ま
た、一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α-β CuxSiyzM′αM″β により表されるFe基軟磁性合金の場合、a,x,y,
z,α,βの範囲は、0≦a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y
≦30、0≦z≦25、5≦y+z≦30、0.1≦α≦30、β≦1
0である。また、一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α-γ CuxSiyzM′αγ により表されるFe基軟磁性合金の場合、a,x,y,
z、α,γの範囲は、0≦a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y
≦30、0≦z≦25、5≦y+z≦30、0.1≦α≦30、γ≦1
0である。また、一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α-β-γ CuxSiyzM′αM″βγ により表されるFe基軟磁性合金の場合、a,x,y,
z,α,β、γの範囲は、0≦a≦0.5、0.1≦x≦3、0
≦y≦30、0≦z≦25、5≦y+z≦30、0.1≦α≦30、
β≦10及びγ≦10である。
【0015】上記組成を有する本発明のFe基軟磁性合
金は、組織の少なくとも50%以上が微細な結晶粒からな
る。微細結晶粒の割合が50%未満であると、透磁率の増
大やコア損の低減等が十分でなくなる。この結晶粒はb
cc構造のα−Feを主体とするものでSiやB等が固
溶していると考えられる。この結晶粒は1000Å以下と著
しく小さな平均粒径を有することを特徴とし、合金組織
中に均一に分布している。結晶粒の平均粒径とは各粒子
の最大寸法を平均したものである。平均粒径が1000Åを
超えると良好な軟磁気特性が得られなくなる。好ましい
平均粒径は500Å以下であり、より好ましくは200Å以下
であり、特に50〜200Åが好ましい。合金組織のうち微
細結晶粒以外の部分は主にCuを主体とする極めて微細
なクラスターが分散された非晶質である。なお微細結晶
粒の割合が実質的に100%になっても本発明のFe基軟
磁性合金は十分に優れた磁気特性を示す。
【0016】なお、本発明においては、微細結晶粒の割
合は線分法により求める。この線分法は一般的な方法で
あり、組織写真中に引かれた任意の線分(長さL)が横
切る各結晶粒の長さ(L1、L2、L3、…La)の合計
(L1+L2+L3+…La)を求め、これをLで割ること
により、結晶粒の割合を求めるものである。なお結晶粒
の割合が約70%以上と多くなると、結晶粒がほぼ組織全
体を占めるように見えるが、この場合でも幾分非晶質相
が存在するものと考えられる。というのは、結晶粒の外
周部が顕微鏡写真ではぼやけて見えるが、これは非晶質
相の存在によるためであると考えられるからである。こ
の前提に立つと、ぼやけて見える外周部の割合から、大
体の非晶質相の割合がわかる。このように結晶粒の割合
が多い場合、割合を正確な数値で表すことは極めて困難
であり、ほとんど結晶粒からなるというように表現せざ
るを得ない。
【0017】なお、N,O,S等の不避的不純物につい
ては所望の特性劣化しない程度に含有していても本発明
の合金組成と同一とみなすことができるのはもちろんで
ある。
【0018】次に本発明のFe基軟磁性合金を製造する
方法の例を説明する。まず、上記所定の組成の溶湯か
ら、片ロール法、双ロール法等の公知の液体急冷法によ
りリボン状の非晶質合金を形成する。通常、片ロール法
等により製造された非晶質合金リボンの板厚は5〜100μ
m程度であるが、板厚が25μm以下のものが高周波におい
て使用される磁心材料として特に適している。この非晶
質合金は結晶相を含んでいてもよいが、後の熱処理によ
り微細な結晶粒を均一に生成するためには非晶質である
のが望ましい。液体急冷法により、熱処理を経ずに本発
明の合金を得ることも可能である。この場合、微細な結
晶粒を生成するためには、(a)リボンの肉厚を比較的
大きくしたり、(b)ロール速度を遅くしたり、(c)
ロール材質として熱伝導率の比較的小さなものを使用し
たり、(d)溶湯温度を比較的高くしたり、(e)ロー
ルを200〜300℃程度に加熱する等の手段を、単独で用い
るか併用することにより、Fe基合金の急冷速度を低下
させればよい。
【0019】通常は、非晶質リボンは処理の前に巻回、
打ち抜き、エッチング等をして所定の形状に加工する。
というのは非晶質の段階ではリボンは加工性が良いが、
一旦結晶化すると加工性が著しく低下するからである。
熱処理は所定の形状に加工した非晶質合金リボンを通常
真空中または水素、窒素等の不活性ガス雰囲気中におい
て一定時間保持して行う。熱処理温度及び時間は非晶質
合金リボンからなる磁心の形状、サイズ、組成等により
異なるが、一般的に450℃〜700℃で5分から24時間程度
が望ましい。熱処理温度が450℃未満であると結晶化が
起こりにくく、熱処理に時間がかかりすぎる。また700
℃より高いと粗大な結晶粒が生成するおそれがあり、微
細な結晶粒を均一に得ることができなくなる。また熱処
理時間については、5分未満では加工した合金全体を均
一な温度とすることが困難であり磁気特性がばらつきや
すく、24時間より長いと生産性が悪くなるだけでなく結
晶粒の過剰な成長により磁気特性の低下が起こりやす
い。好ましい熱処理条件は、実用性及び均一な温度コン
トロール等を考慮して、500〜650℃で5分〜6時間であ
る。
【0020】熱処理雰囲気は不活性ガス雰囲気が望まし
いが、大気中等の酸化性雰囲気でも良い。冷却は空冷や
炉冷等により、適宜行うことができる。また場合によっ
ては多段の熱処理を行うこともできる。熱処理を磁場中
で行うこともできる。磁場中熱処理により本合金に磁気
異方性を生じさせることができる。本合金からなる磁心
の磁路方向に磁場を印加し熱処理した場合は、B−Hカ
ーブの角形性が良いものが得られ、可飽和リアクトル用
磁心、磁気スイッチ、パルス圧縮用コア、スパイク電圧
防止用リアクトル等に好適となる。一方磁路と直角方向
に磁場を印加し熱処理した場合は、B−Hカーブが傾斜
し、低角形比で恒透磁率性に優れたものが得られ、動作
範囲が広がるので、トランスや、ノイズフィルター、チ
ョークコイル等に好適となる。磁場は熱処理の間中かけ
る必要はなく、合金のキュリー温度Tcより低い温度の
ときにあればよい。本発明の場合、結晶化しているため
に非晶質の場合よりキュリー温度が上昇しており、非晶
質合金のキュリー温度より高い温度でも磁場中熱処理が
適用できる。磁場中熱処理の場合も熱処理を2段階以上
で行うことができる。また回転磁場中で熱処理を行うこ
ともできる。
【0021】また本発明のFe基軟磁性合金はそれ以外
にスパッター法等の薄膜化技術を用いて製造することも
可能であり、薄膜磁気ヘッド等も作製できる。また回転
液中紡糸法やガラス被覆紡糸法等により細線状のものも
作製できる。またキャビテーション法やアトマイズ法あ
るいは単にロール法により作製した薄帯を粉砕する等に
より粉末状のものも製造することが可能である。このよ
うな粉末状の本発明合金は、圧粉成形することにより圧
粉磁心やバルク体を製造することができる。また、本合
金を磁心に使用する場合、表面に熱処理や化学処理によ
り酸化物層を形成したり、絶縁物を塗付あるいは付着さ
せる等の方法により層間絶縁を行えば、特に良好な特性
が得られる。
【0022】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (実施例1)原子%でCu 1%、Si 13.4%、B
9.1%、Nb 3.1%及び残部実質的にFeからなる組成
の溶湯から、片ロール法により幅5mm、厚さ18μmのリ
ボンを作製した。このリボンのX線回折を測定したとこ
ろ非晶質合金に典型的なハローパターンが得られた。ま
たこのリボンの透過電子顕微鏡写真(30万倍)を図3に
示す。X線回折及び図3から明らかなように、得られた
リボンはほぼ完全な非晶質であった。次にこの非晶質リ
ボンから内径15mm及び外径19mmの巻磁心を形成し、窒素
ガス雰囲気中で550℃で1時間熱処理を行った。熱処理
後のリボンの透過電子顕微鏡写真(30万倍)は図1に示
す通りであった。図1から、熱処理後のリボンの組織の
大部分が微細な結晶粒からなることがわかる。また熱処
理後の合金が結晶粒を有することはX線回折によっても
確認された。結晶粒の平均粒径は約100Åであった。ま
た比較のため、Cuを添加していないFe74.5Nd3
13.59非晶質合金を550℃で1時間熱処理した場合の
透過電子顕微鏡写真(30万倍)は図2に示す。
【0023】CuとNbを複合添加した本発明の合金の
結晶粒の形は球状に近く、平均粒径約100Å程度と著し
く微細化されている。これに対して、Cuを添加せずN
bだけ添加した場合は、結晶粒は粗大化しており、結晶
粒の形状も球状に近いものが少ない。Cu及びNbの複
合添加により、得られる結晶粒の大きさ及び形態が著し
く変化することが確認された。次に熱処理前後のリボン
状Fe基軟磁性合金について、磁束密度の波高値Bm=
2kG及び周波数100kHzにおけるコア損失W2100
を測定したところ、熱処理前のものは4000mW/cc、
熱処理後のものは220mW/ccであった。また周波数1
KHz、Hm=5mOeにおける実効透磁率μeを測定
したところ、前者(熱処理前)は500、後者(熱処理
後)は100200であった。これから、本発明の熱処理によ
り非晶質合金中に微細な結晶粒を均一に形成することに
より、コア損失が著しく低下するのみならず透磁率が著
しく高くなることが分かる。
【0024】(実施例2)原子%でCu 1%、Si 1
5%、B 9%、Nb 3%、Cr 1%及び残部実質的に
Feからなる組成の溶湯から、実施例1と同様にして、
リボンを作製した。このリボンのX線回折を測定したと
ころ図4(a)に示すような非晶質合金に典型的なハロ
ーパターンが得られた。またこのリボンの透過電子顕微
鏡写真(30万倍)と図4(a)のX線回折から明らかなよ
うに、得られたリボンはほぼ完全な非晶質であった。次
のこの非晶質リボンを実施例1と同様に処理を行った。
熱処理後のリボンのX線回折パターンは図4(b)に示す
ように結晶ピークが認められた。この熱処理後のリボン
の透過電子顕微鏡写真(30万倍)から、熱処理後の組織
の大部分が微細な結晶粒からなることがわかる。結晶粒
の平均粒径は約100Åであった。X線回折パターン及び
透過電子顕微鏡写真による分析から、この結晶粒はS
i、B等が固溶したα−Feであると推定される。次に
熱処理前後のFe基軟磁性合金について、磁束密度の波
高値Bm=2kG及び周波数100kHzにおけるコア損失
2100kを測定したところ、熱処理前のものは4100m
W/cc、熱処理後のものは240mW/ccであった。
また周波数1kHz、Hm=5mOeにおける実効透磁率
μeを測定したところ、前者(熱処理前)は480、後者
(熱処理後)は100100であった。
【0025】(実施例3)原子%でCu 1%、Si 1
6.5%、B 6%、Nb 3%、及び残部実質的にFeか
らなる組成の溶湯から、実施例1と同様にして、幅5m
m、厚さ18μmのリボンを作製した。このリボンのX線
回折を測定したところ非晶質合金に典型的なハローパタ
ーンが得られた。得られたリボンはほぼ完全に非晶質で
あった。次にこの非晶質リボンから内径15mm及び外径19
mmの巻磁心を形成し、窒素ガス雰囲気中550℃で1時間熱
処理を行った。熱処理後のリボンのX線回折を行ったと
ころbcc構造のFe−固溶体と思われる結晶ピークが
認められた。またこのリボンの透過電子顕微鏡写真(30
万倍)から、熱処理後の組織の大部分は超微細な結晶粒
からなることがわかった。結晶粒の平均粒径は約100Å
であった。次に熱処理後のFe基軟磁性合金の磁束密度
の波高値Bm=2KG及び周波数100kHzにおけるコア
損失W2100kを測定したところ、熱処理前のものは40
0mW/cc、熱処理後のものは220mW/ccであっ
た。また周波数1KHz、Hm=5mOeにおける実効透
磁率ue1kを測定したところ、前者(熱処理前)は500、
後者(熱処理後)は100200であった。次にCuとNbを
複合添加した本合金の飽和磁歪λsを測定した。熱処理
前の非晶質状態では+20.7×10-6であった値が、550℃
で1時間熱処理することにより+1.3×10-6まで低下し、
従来のFe基アモルファス合金より著しく小さい磁歪に
なっていることがわかる。
【0026】(実施例4)原子%でCu 1%、Si 1
3.8%、B 8.9%、Nb 3.2%、Cr 0.5%、C 1
%及び残部実質的にFeからなる組成の溶湯から、単ロ
ール法により幅10mm、厚さ18μmのリボンを作製した。
このリボンのX線回折を測定したところ非晶質合金に典
型的なハローパターンが得られた。またこのリボンの透
過電子顕微鏡写真(30万倍)によりほぼ完全な非晶質で
あることを確認した。次にこの非晶質リボンから外径19
mm、内径15mmの巻磁心を形成し、窒素ガス雰囲気中で57
0℃で1時間熱処理を行った。透過電子顕微鏡写真(30
万倍)により、熱処理後のリボンの組織の大部分は図1
に示されるものと同様に微細な結晶粒からなることがわ
かった。結晶粒の平均粒径は約100Åであった。Cu無
添加の場合は結晶粒が粗大化することが確認されてお
り、CuとNb等の複合添加により、著しい結晶粒微細
化効果が得られた。次に熱処理前後のFe基軟磁性合金
からなる磁心について、磁束密度の波高値Bm=2KG
及び周波数100KHzにおけるコア損失W2/100kを測定
したところ、熱処理前のものは3800mW/cc、熱処理
後のものは240mW/ccであった。また周波数1KH
z、Hm=5Oeにおける実効透磁率μeを測定したと
ころ、前者(熱処理前)は500、後者(熱処理後)は102
000であった。
【0027】(実施例5)Fe75.5-aCu1Si139.5
M′αTi1により表される組成の非晶質合金(M′=
Nb、W、Ta、又はMo)を下記の最適熱処理温度で
1時間熱処理し、それぞれのコア損失W2/100Kを測定
した。
【0028】
【0029】結果を図5に示す。図5においてグラフ
A,B,C,DはそれぞれM′がNb、W、Ta、Mo
の場合を示す。図5から明らかな通りM′の量αが0.1
〜10原子%の範囲でコア損失が十分に小さくなってい
る。またM′がNbのとき特にコア損失が低かった。特
に望ましいαの範囲は2≦α≦8である。
【0030】(実施例6)Fe69-XCuXSi13.59.5
Nb5Cr12により表わされる組成(0≦x≦3.5)の非
晶質合金を下記の最適熱処理温度で1時間熱処理し、磁
束密度の波高値Bm=2kG、周波数f=100kHzにお
けるコア損失W2/100Kを測定した。
【0031】 xの値 熱処理温度 W2/100K (原子%) (℃) (mW/cc) 0 530 960 0.05 530 880 0.1 535 560 0.5 550 350 1.0 590 240 1.5 580 240 2.0 570 290 2.5 560 440 3.0 550 630 3.2 540 860 3.5 530 1000 以上明らかなようにCuの含有量xが0から増大するに
つれてコア損失が低下するが、約3原子%を超えるとコ
ア損失が無添加のもの並みに大きくなる。xが0.1〜3原
子%の範囲にある場合、コア損失は十分に小さいことが
わかる。特に望ましいxの範囲は0.5〜2原子%である。
【0032】(実施例7)単ロール法により板厚20μm
及び幅10mmのFe73.5Cu1Nb3Si13.59非晶質合
金リボンを作製し、500℃で1時間熱処理を行い、Hex
=800KA/m、昇温速度10K/分でVSMにより磁化
の温度変化を測定した。比較のために熱処理を行ってな
い場合についても磁化の温度変化を測定した。図6にそ
の結果を示す。縦軸は室温における磁化との比σ/σ
R.Tをとった。本発明の熱処理を行った合金は熱処理
前のほぼ完全なアモルファス合金より磁化σの温度変化
が小さい。これは大部分を占める主相のキュリー温度T
cがアモルファス状態よりも高くなっており、飽和磁化
の温度依存性が小さいためであると考えられる。また主
相のキュリー温度は純粋なα−Feのキュリー温度より
低いので、主相はα−FeにSi等が固溶したものでは
ないかと推定される。また熱処理温度が高くなるとキュ
リー温度が高くなる傾向があり、主相の組成は熱処理に
より変化していると思われる。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のFe基軟
磁性合金は微細結晶粒が全体の50%以上を占めることに
より、コア損失が著しく低く、Co基非晶質合金と同程
度であるとともに、コア損失の経時変化も小さい。また
透磁率及び飽和磁束密度が高く、耐摩耗性にも優れてい
る。さらに高周波磁気特性に優れ、含浸や変形等による
歪に起因する特性劣化が小さく、低磁歪のものである。
このような本発明のFe基軟磁性合金は高周波トラン
ス、チョークコイル、可飽和リアクトルだけでなく磁気
ヘッド等にも最適な材料であり、著しい特性改善が達成
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Fe基軟磁性合金(熱処理後)の金属組織を表
す透過電子顕微鏡写真(30万倍)である。
【図2】Cuを含有しないFe基軟磁性合金(熱処理
後)の金属組織を表す透過電子顕微鏡写真(30万倍)で
ある。
【図3】Fe基軟磁性合金(熱処理前)の金属組織を表
す透過電子顕微鏡写真(30万倍)である。
【図4】(a)は熱処理前のFe基非晶質合金リボンの
X線回析パターン、(b)は本発明に係る熱処理後のF
e基軟磁性合金リボンのX線回析パターンである。
【図5】Fe基軟磁性合金について、M′含有量(α)
とコア損失W2/100Kとの関係を示すグラフである。
【図6】Fe基合金の磁化の温度変化を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α CuxSiyzM′α (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はN
    b,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の元素であり、a,x,y,
    z及びαはそれぞれ0≦a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y≦3
    0、0≦z≦25、5≦y+z≦30及び0.1≦α≦30を満た
    す。)により表される組成を有し、組織の少なくとも50
    %が1000Å以下の平均粒径を有するα−Fe主体のbc
    c構造の微細な結晶粒からなり、残部はCu主体のクラ
    スターが分散された実質的に非晶質な相からなることを
    特徴とするFe基軟磁性合金。
  2. 【請求項2】 一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α-β CuxSiyzM′αM″β(原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はN
    b,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の元素、M″はV,Cr,M
    n,Al、白金属元素、Sc,Y,希土類元素、Au,
    Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1
    種の元素であり、a,x,y,z,α及びβはそれぞれ
    0≦a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y≦30、0≦z≦25、5≦
    y+z≦30、0.1≦α≦30及びβ≦10を満たす。)によ
    り表される組成を有し、組織の少なくとも50%が1000Å
    以下の平均粒径を有するα−Fe主体のbcc構造の微
    細な結晶粒からなり、残部はCu主体のクラスターが分
    散された実質的に非晶質な相からなることを特徴とする
    Fe基軟磁性合金。
  3. 【請求項3】 一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α-γ CuxSiyzM′αγ(原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はN
    b,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の元素、XはC,Ge,P,
    Ga,Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた
    少なくとも1種の元素であり、a,x,y,z,α及び
    γはそれぞれ0≦a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y≦30、0≦
    z≦25、5≦y+z≦30、及び0.1≦α≦30、及びγ≦10
    を満たす。)により表される組成を有し、組織の少なく
    とも50%が1000Å以下の平均粒径を有するα−Fe主体
    のbcc構造の微細な結晶粒からなり、残部はCu主体
    のクラスターが分散された実質的に非晶質な相からなる
    ことを特徴とするFe基軟磁性合金。
  4. 【請求項4】 一般式: (Fe1-aa100-x-y-z-α-β-γ CuxSiyzα′M″βγ(原子%) (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はN
    b,W,Ta,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種の元素、M″はV,Cr,M
    n,Al、白金属元素、Sc,Y,希土類元素、Au,
    Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なくとも1
    種の元素、XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,B
    e,Asからなる群から選ばれた少なくとも1種の元素
    であり、a,x,y,z,α,β及びγはそれぞれ0≦
    a≦0.5、0.1≦x≦3、0≦y≦30、0≦z≦25、5≦y+
    z≦30、0.1≦α≦30、β≦10及びγ≦10を満たす。)
    により表される組成を有し、組織の少なくとも50%が10
    00Å以下の平均粒径を有するα−Fe主体のbcc構造
    の微細な結晶粒からなり、残部はCu主体のクラスター
    が分散された実質的に非晶質な相からなることを特徴と
    するFe基軟磁性合金。
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