JP2009293132A - 軟磁性薄帯、磁心、磁性部品、および軟磁性薄帯の製造方法 - Google Patents

軟磁性薄帯、磁心、磁性部品、および軟磁性薄帯の製造方法 Download PDF

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【課題】 特に500A/m以下の比較的低い磁場領域において磁束密度−磁化曲線の角形性が高い軟磁性薄帯を提供する。
【解決手段】 薄帯の内部に結晶粒径が60nm以下(0を含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で30%以上分散した母相組織と、前記薄帯の最表面に結晶組織からなる結晶層と、この結晶層の内部側にアモルファス層が形成されてなり、さらに前記アモルファス層と母相組織との間に、母相組織の平均粒径よりも大きい結晶粒からなる粗大結晶粒層を有する軟磁性薄帯。この軟磁性薄帯の製造方法においては、熱処理工程は300℃以上の平均昇温速度が100℃/min未満で行うことを特徴とする。よって、磁場80A/mにおける磁束密度B80と、磁場印加後の残留磁束密度Brの比、Br/B80が90%以上である軟磁性薄帯を提供できる。
【選択図】 図1

Description

各種トランス、レーザ電源、加速器用パルスパワー磁性部品、各種リアクトル、ノイズ対策、各種モータ、各種発電機等に用いられる高飽和磁束密度で角形性の良好な軟磁性薄帯、およびそれを用いた磁心、磁性部品に関する。
各種トランス、リアクトル・チョークコイル、ノイズ対策部品、レーザ電源、加速器用パルスパワー磁性部品、各種モータ、各種発電機等に用いられる、高飽和磁束密度でかつ優れた交流磁気特性の磁性材料には、ケイ素鋼、フェライト、アモルファス合金やFe基ナノ結晶合金材料等が知られている。
ケイ素鋼板は、材料が安価で磁束密度が高いが、高周波の用途に対しては磁心損失が大きいという問題がある。作製方法上、アモルファス薄帯並に薄く加工することは極めて難しく、渦電流損失が大きいため、これに伴う損失が大きく不利であった。また、フェライト材料は飽和磁束密度が低く、温度特性が悪い問題があり、動作磁束密度が大きいハイパワーの用途には磁気的に飽和しやすいフェライトは不向きであった。
また、Co基アモルファス合金は、飽和磁束密度が実用的な材料では1T以下と低く、熱的に不安定である問題がある。このため、ハイパワーの用途に使用した場合、部品が大きくなる問題や経時変化のために磁心損失が増加する問題があり、さらに、Coが高価なことから価格的な問題もある。
また、特許文献1に記載されているようなFe基アモルファス軟磁性合金は、良い角形特性や低い保磁力を有し、非常に優れた軟磁気特性を示す。しかし、Fe基アモルファス合金系においては、飽和磁束密度は、1.68Tがほぼ物理的上限値となっている。また、Fe基アモルファス合金は、磁歪が大きく応力により特性が劣化する問題や、可聴周波数帯の電流が重畳するような用途では騒音が大きいという問題がある。さらに、従来のFe基アモルファス軟磁性合金において、Feを他の磁性元素Co、Ni等で大幅に置換した場合は若干の飽和磁束密度の増加も認められるが、価格の面からこれらの元素の含有量(重量%)をなるべく少量にすることが望まれる。これらの問題から、特許文献2に記載されるような、ナノ結晶を持つ軟磁性材料が開発され、様々な用途に使用されている。
また、高透磁率かつ高飽和磁束密度の軟磁性成形体として、特許文献3に記載されるような超微細結晶を持つアモルファス合金を得た後に熱処理してナノ結晶化する技術も開示された。
特開平5−140703号公報((0006)〜(0010)) 特許平1−156451号公報(第2頁右上欄19行目〜右下欄6行目) 特開2006−40906号公報((0040)〜(0041))
トランスや可飽和リアクトル等の磁心材料は、角形性が良好で磁化しやすい軟磁性材料が求められる。すなわち、最大印加磁場Hmで得られる磁束密度Bmと見かけ上の残留磁束密度Brの比、Br/Bmが高い値を有する軟磁気特性が必要となる。Fe基アモルファス薄帯はこの点に関しても非常に有用な性質を示すが、上述したようにFe基アモルファス薄帯の飽和磁束密度の上限が1.68T程度であり、より高い磁束密度を有し、損失の少ない軟磁性材料が求められている。また、ケイ素鋼板は、磁束密度は高いが、飽和性が悪い。最大印加磁場によっては磁束密度BmがFe基アモルファスよりも低くなることもあり、加えて、Br/Bmも低くなる。そこで、本発明では、特に500A/m以下の比較的低い磁場領域において磁化しやすく角形性が高い軟磁性薄帯を提供することを課題とする。
本発明の軟磁性薄帯は、薄帯の内部に結晶粒径が60nm以下(0を含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で30%以上分散した母相組織と、前記薄帯の最表面に結晶組織からなる結晶層と、この結晶層の内部側にはアモルファス層が形成されてなり、さらに前記アモルファス層と母相組織との間に、母相組織の平均粒径よりも大きい結晶粒からなる粗大結晶粒層を有することを特徴とする。
本発明の軟磁性薄帯は、組成式:Fe100-x-y(但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも1種以上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた少なくとも一種以上の元素)で表され、原子%で、0<x≦5、10≦y≦24により表されることを特徴とする軟磁性薄帯が好ましい。
また、本発明の軟磁性薄帯は、磁場80A/mにおける磁束密度B80と、磁場印加後の残留磁束密度Brの比、Br/B80が、90%以上の特性が得られ、角形性が良好である。
本発明の軟磁性薄帯を用いた磁心は低損失で小型化に適しており、1.5T、50Hzにおける鉄損が0.5W/Kg以下の磁心を得ることができる。そして、上述の軟磁性薄帯または磁心を用いた磁性部品とすることができる。
本発明の軟磁性薄帯の製造方法は、Feおよび半金属元素を含む合金溶湯を急冷し、非晶質中に平均粒径30nm以下(0nmを含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で0%超30%未満で分散した組織からなるFe基合金の軟磁性薄帯を作製する工程と、前記軟磁性薄帯に熱処理を行い平均粒径60nm以下の体心立方構造の結晶粒が非晶質中に体積分率で30%以上分散した母相組織と、薄帯の最表面に結晶組織からなる結晶層と、この結晶層の内部側にはアモルファス層が形成されてなり、前記アモルファス層と母相組織との間に、母相組織の平均粒径よりも大きい結晶粒からなる粗大結晶粒層を有する組織となす熱処理工程を有し、前記熱処理工程は300℃以上の平均昇温速度が100℃/min未満で行うことを特徴とする。
また、前記Fe基合金は、組成式:Fe100-x-y(但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも一種以上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた少なくとも一種以上の元素)で表され、原子%で、0<x≦5、10≦y≦24により表されるものが好ましい。
本発明によれば、高飽和磁束密度で低損失の軟磁性材料であって、特に角形性の高い軟磁性薄帯を提供することができる。よって、各種トランス、レーザ電源、加速器用パルスパワー磁性部品、大電流用の各種リアクトル、アクティブフィルタ用チョ−クコイル、平滑チョークコイル、電磁シールド材料などのノイズ対策部品、モータ、発電機等に用いられる高飽和磁束密度で特に低い磁心損失を示す高飽和磁束密度低損失の軟磁性薄帯およびそれを用いた高性能の磁心、磁性部品を実現することができるため、その効果は著しいものがある。
軟磁性薄帯の表面近傍に見られる層状構造を示す組織写真(平均昇温速度100℃/min未満)。 別の層状構造を示す組織写真(平均昇温速度200℃/min)。 熱処理の昇温速度を変えた試料を比較したB-H曲線(最大磁場80A/m)。 熱処理の昇温速度を変えた試料を比較したB-H曲線(最大磁場800A/m)。 実施例3の軟磁性薄帯のB-H曲線(最大磁場80A/m)。 軟磁性材の皮相電力の磁束密度依存性を示す図。 本発明の軟磁性薄帯の組織の状態を示す模式図。 図1の組織写真の模式図である。 図2の組織写真の模式図である。 従来の軟磁性薄帯の組織の状態を示す模式図である。
本発明の軟磁性薄帯は、薄帯の内部に結晶粒径が60nm以下(0を含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で30%以上分散した母相組織と、前記薄帯の最表面に結晶組織からなる結晶層と、この結晶層の内部側にはアモルファス層とが形成されてなり、前記アモルファス層と母相組織との間に、母相組織の平均粒径よりも大きい結晶粒からなる粗大結晶粒層を有するという特徴を持つ。本発明の軟磁性薄帯は、母相と異なる結晶組織(最表面の結晶層、アモルファス層、粗大結晶粒層)が同一薄帯内に存在しているため、従来得られなかった磁気特性を持つ軟磁性薄帯を実現できることを見出した。また、アモルファス層を有するので曲げに強いという特徴を持つ。これらの軟磁性薄帯は、ロール冷却により鋳造された厚さが100μm以下の合金薄帯などである。
図7(a)、(b)は本発明の軟磁性薄帯におけるロール冷却面側の表層断面を観察したものである。本発明の軟磁性薄帯は、薄帯の表面側(ロール冷却面およびその裏の自由面の表層部分)において、表面2からの深さが120nmより深い位置で結晶粒径が60nm以下(0を含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で30%以上分散した母相組織Dを有し、かつこの母相組織Dと薄帯の表面2との間にアモルファス層Bを有する。そして、この軟磁性薄帯は、薄帯の最表面に結晶組織から成る結晶層Aが形成され、この結晶層Aの内部側に前記アモルファス層Bが形成されている。さらに、アモルファス層Bと母相組織Dの間に、母相組織の平均粒径よりも粒径が大きい結晶から成る粗大結晶粒層Cを有するものである。この粗大結晶粒層Cを持つものが角形性の良好な磁気特性を持つ。
アモルファス層が発現する理由を以下に推定する。本合金系は、Feを主成分としかつCu及び/又はAu(以下、A元素)が必須である。Feとほぼ非固溶のA元素は、凝集してナノオーダーのクラスターを形成し、結晶粒の核生成を助ける。表面から離れた部分では、A元素は均一に分散しやすく、そのためにナノ結晶の母相組織Dが形成される。また、非固溶の性質から、最表面ではA元素が偏析しやすくA元素の濃度が高くなり、母相と同様に結晶組織が形成される。一方、最表面の直下内部では、A元素が表面側に取られる分、A元素の濃度が低くなる。そのため、この領域では結晶粒の核生成が起きずにアモルファス層となる。本発明の軟磁性薄帯は、熱処理によって微結晶粒層を析出させるが、上述のようにA元素の分布により微結晶粒の核の濃度が決まる。そのため、表面近傍に核が現れにくくなり、アモルファス層ができると思われる。
Nb、Mo、Ta、Zr等、従来のナノ結晶系で用いられてきた元素には、A元素の偏析や熱拡散を抑える効果があり、多く含みすぎる場合、表面近傍のアモルファス層は得にくくなる。
また、粗大結晶粒層Cが発現する理由を以下に推定する。アモルファス層のさらに内側では、A元素の濃度は母相組織となる領域ほど高くなく、核生成も少ない。ナノ結晶粒の粒径は核の濃度と結晶粒成長のスピードの兼ね合いで決まる。A元素の濃度が均一な母相組織の領域では昇温速度の違いによる組織の違いは現れにくいが、A元素の少ないCの領域では、昇温速度が遅ければ、A元素の熱拡散に十分な時間が与えられて核が減る。そのため、結晶粒が粗大化し易くなり、粗大結晶粒層Cが形成される。例えば、昇温速度を速くすると、粗大結晶粒層Cの結晶粒は微細になり、平均粒径が母相に近づく。また、粗大結晶粒層Cの幅は減少する。昇温速度を制御することにより、組織制御がなされ、用途に合わせた磁気的性質が得られる。
ここで、粗大結晶粒層Cとは、母相組織の平均結晶粒径に対して1.5倍以上の部分を指すものとする。また、粗大結晶粒層Cの平均結晶粒径は、母相組織の平均結晶粒径の2倍以下とすることが好ましい。
本発明の軟磁性薄帯の板厚は、渦電流損失を低減させる効果を得るために100μm以下であることが好ましく、40μm以下がより好ましい。また、本発明において母相組織とは、周期的に繰り替えされる構造に類似性があり、結晶粒のサイズの分布が一様である結晶粒と粒界から成る組織を母相組織と称している。軟磁性薄帯では、薄帯の厚さの中間地点付近の組織を母相とする。
結晶粒径の測定は、電子顕微鏡による組織写真で観察される組織の長径と短径の平均値を取ったものである。平均粒径とは、その結晶粒径を30個以上測定した値の平均値である。
結晶粒の体積分率VVは、線分法、すなわち顕微鏡組織中に任意の直線を想定しそのテストラインの長さをLt、結晶相により占められる線の長さLcを測定し、結晶粒により占められる線の長さの割合LL=Lc/Lt×100により求められる。ここで、結晶粒の体積分率VV=LLである。
本発明の軟磁性薄帯は、熱処理を特定の条件で行うことで、磁場80A/mにおける磁束密度B80と、磁場印加後の残留磁束密度Brの比、Br/B80が、90%以上という角形性の高いB−H曲線を得ることができる。
また、本発明の軟磁性薄帯を用いて積層磁心、巻磁心などの磁心とすることで、1.5T、50Hzにおける鉄損が0.5W/Kg以下の磁心とすることができる。飽和磁束密度は1.65T以上である。また、本発明の軟磁性薄帯は、特に500A/m以下の低磁場において従来の方向性ケイ素鋼板よりも優れた高磁束密度の領域が存在し、かつFe系アモルファス材料よりも高い飽和磁束密度である。角形性が向上しているため、皮相電力を低く抑えることができ、磁束密度領域が拡大している。
母相組織中の結晶粒は体積分率で30%以上である。50%以上、さらには60%以上分散したものが好ましい。平均結晶粒径は60nm以下である必要があるが、特に望ましい平均結晶粒径は2nmから25nmであり、この範囲において特に低い保磁力および磁心損失が得られる。
前述の合金中に形成する微結晶粒は主にFeを主体とする体心立方構造(bcc)の結晶相であり、Si,B,AlやGe等が固溶しても良い。また、規則格子を含んでも良い。前記結晶相以外の残部は主にアモルファス相であるが、実質的に結晶相だけからなる合金も本発明に含まれる。一部にCu,Auを含む面心立方構造の相(fcc相)も存在する場合がある。
また、アモルファス相が結晶粒の周囲に存在する場合、抵抗率が高くなり、結晶粒成長の抑制により結晶粒が微細化され、より好ましい軟磁気特性が得られる。
上記合金において化合物相が存在しない場合により低い磁心損失を示すが化合物相を一部に含んでも良い。
本発明の軟磁性薄帯は、組成式:Fe100-x-y(但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも一種以上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた少なくとも一種以上の元素)で表され、原子%で、0<x≦5、10≦y≦24により表されるものが好ましい。以下にその限定理由を述べる。
A元素(Cu、Au)の量は5原子%以下(0%を含まず)とする。本発明の合金組成におけるA元素は特に重要である。前述したように、A元素はFeとほぼ非固溶のため、熱処理や機械的振動、電気的衝撃、磁気的衝撃等の外的あるいは内的な要因によって、拡散を起こす。特に、薄帯表面と内部で温度分布や温度差が生じやすい熱処理を施した場合には、拡散が起き易い部位と相互の拡散が妨げられ易い部位が存在し、内部で組織は傾斜的、層状的に変質する。磁気的性質を制御するには、薄帯の厚さ、組成の制御、熱処理時の熱処理温度、熱処理時間、昇温速度、降温速度を制御することが有効であり、用途に合わせて、B−H曲線の形を変えられる。また、他の方法、振動等を与えること等でCu原子の拡散を促進することも可能である。
A元素の量は5原子%を超えるとA元素同士が凝集し、熱拡散が起こりにくくなる。好ましくは3原子%以下とする。また、A元素は、上記の効果を得るために0.1原子%以上、さらには0.5原子%以上、さらには0.8原子%以上を添加することが好ましい。A元素は原料コストを考慮するとCuを選択することが好ましい。
X元素(B,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Be)はA元素(Cu,Au)が同一薄帯内に存在する本発明の軟磁性薄帯を形成するために不可欠な元素である。10原子%未満であるとアモルファスの形成を促進する効果が不十分である。また24原子%を超えると軟磁気特性が悪化してしまう。好ましい範囲は12原子%以上20原子%以下である。
特にBはアモルファスの形成を促進するために重要な元素であり添加することが好ましい。Bの濃度が10≦y≦20原子%であると、Feの含有量を高く維持しつつアモルファス層が安定に得られる。
また、Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beを添加すると、結晶磁気異方性の大きいFe−Bが析出開始する温度が高くなるため、熱処理温度を高温にできる。高温の熱処理を施すことで微結晶相の割合が増え、Bsが増加し、B−H曲線の角形性が改善される。また、試料表面の変質、変色を抑える効果がある。Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beの添加量は、0原子%超〜7原子%とすることが好ましい。特にSiはこの効果が顕著であり、好ましい。
Feの一部をFeとA元素に共に固溶するNi、Coから選ばれた少なくとも一種以上の元素で置換してもよい。これらの元素を置換した軟磁性薄帯はアモルファス層の形成能が高くなり、A元素の含有量を増加させることが可能である。A元素の含有量が増加することで、結晶組織の微細化が促進され軟磁気特性が改善される。また、Ni、Coを置換した場合には飽和磁束密度が増加する。これらの元素を多く置換すると、価格の高騰につながるため、Niの置換量は10原子%未満、好ましくは5原子%未満、さらには2原子%未満が適当であり、Coの場合は10原子%未満、好ましくは2原子%未満、より好ましくは1原子%未満が適当である。
Feの一部をTi、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、白金族元素、Ag、Zn、In、Sn、As、Sb、Sb、Bi、Y、N、O及び希土類元素から選ばれた少なくとも一種以上の元素で置換した場合、これらの元素はA元素やメタロイド元素と共に熱処理後も残留するアモルファス相に優先的に入るため、Fe濃度の高い微細結晶粒の生成を助ける働きをする。そのため、軟磁気特性の改善に寄与する。一方、本発明の軟磁性薄帯における実質的な磁性の担い手はFeであるため、Feの含有量を高く保つ必要があるが、これら、原子量の大きい元素を含有することは、単位重量あたりのFeの含有量が低下することになる。特に、置換する元素がNb、Zrの場合、置換量は5原子%未満程度、より好ましくは2原子%未満が適当であり、置換する元素がTa、Hfの場合、置換量は2.5原子%未満、より好ましくは1.2原子%未満が適当である。また、Mnを置換する場合は、飽和磁束密度の低下がおこるため、置換量は5原子%未満が妥当であり、より好ましくは2原子%未満である。
但し、特に高い飽和磁束密度を得るためには、これらの元素の総量が1.8原子%以下とすることが好ましい。また、総量が1.0原子%以下とすることがさらに好ましい。
本発明の具体的な製造方法は、前記組成の溶湯を単ロール法等の急冷技術によって100℃/sec以上の冷却速度で急冷し、非晶質相中に平均粒径30nm以下の結晶粒が非晶質相中に体積分率で0%超30%未満で分散した組織のFe基合金を作製後、これを加工し、結晶化温度の近傍で熱処理を施し、平均粒径が60nm以下の微結晶組織を形成することによって得られる。
本発明において、溶湯を急冷する方法としては、単ロール法の他、双ロール法、回転液中紡糸法、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法などがあり、薄片や薄帯、粉末を製造することができる。また、溶湯急冷時の溶湯温度は、合金の融点よりも50℃〜300℃程度高い温度とするのが望ましい。
単ロール法などの超急冷法は、活性な金属を含まない場合は大気中あるいは局所Arあるいは窒素ガスなどの雰囲気中で行うことが可能であるが、活性な金属を含む場合はAr、Heなどの不活性ガス中、窒素ガス中あるいは減圧中、あるいはノズル先端部のロール表面付近のガス雰囲気を制御する。また、CO2ガスをロールに吹き付ける方法や、COガスをノズル近傍のロール表面付近で燃焼させながら合金薄帯製造を行う。
単ロール法の場合の冷却ロール周速は、15m/sから50m/s程度の範囲が望ましく、冷却ロール材質は、熱伝導が良好な純銅やCu−Be、Cu−Cr、Cu−Zr、Cu−Zr−Crなどの銅合金が適している。大量に製造する場合、板厚が厚い薄帯や広幅薄帯を製造する場合は、冷却ロールは水冷構造とした方が好ましい。
熱処理は大気中、真空中、Ar、窒素ヘリウム等の不活性ガス中で行うことができるが、特に不活性ガス中で行うことが望ましい。熱処理により体心立方構造のFeを主体とする結晶粒の体積分率が増加し、飽和磁束密度が上昇する。また、熱処理により磁歪も低減する。本発明の軟磁性合金は、磁界中熱処理を行うことにより、誘導磁気異方性を付与することができる。磁界中熱処理は、熱処理期間の少なくとも一部の期間合金が飽和するのに十分な強さの磁界を印加して行う。合金磁心の形状にも依存するが、一般には薄帯の幅方向(環状磁心の場合:磁心の高さ方向)に印加する場合は8kAm−1以上の磁界を、長手方向(環状磁心の場合は磁路方向)に印加する場合は80Am−1以上の磁界を印加する。印加する磁界は、直流、交流、繰り返しのパルス磁界のいずれを用いても良い。磁界は200℃以上の温度領域で通常20分以上印加する。昇温中、一定温度に保持中および冷却中も印加した方が、良好な一軸の誘導磁気異方性が付与されるので、より望ましい直流あるいは交流ヒステリシスループ形状が実現される。磁界中熱処理の適用により高角形比あるいは低角形比の直流ヒステリシスループを示す合金が得られる。磁界中熱処理を適用しない場合、本発明の軟磁性薄帯は中程度の角形比の直流ヒステリシスループとなる。熱処理は、通常露点が−30℃以下の不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましく、露点が−60℃以下の不活性ガス雰囲気中で熱処理を行うと、ばらつきが更に小さくより好ましい結果が得られる。熱処理の際、最高到達温度は結晶化温度からそれよりも70℃程度高い温度範囲が望ましい。
熱処理時の昇温速度を制御することにより、図7に示す結晶相A、アモルファス層B、粗大結晶粒層Cの層状構造の幅を変えることができ、目的にあったB−H曲線を得ることができる。例えば、昇温速度を100℃未満とした場合は、層状構造の範囲が広くなり、異相が増えるため、低保磁力での磁化過程と高保磁力での磁化過程に大きな差が生じ、低保磁力での角形性が良好になる。さらにこの特性を顕著に出すためには、300℃以上の平均昇温速度を80℃/min未満とすることが好ましい。
本発明の軟磁性微結晶合金は、必要に応じて、SiO、MgO、Al等の粉末あるいは膜で合金薄帯表面を被覆する、化成処理により表面処理し絶縁層を形成する、アノード酸化処理により表面に酸化物絶縁層を形成し、薄帯と薄帯の層間の絶縁を行う等の処理を行うことにより好ましい結果が得られる。これは特に層間を渡る高周波における渦電流の影響を低減し、高周波における磁心損失を改善する効果があるためである。この効果は表面状態が良好でかつ広幅の薄帯から構成された磁心に使用した場合に特に著しい。更に、本発明の軟磁性薄帯から磁心を作製する際に必要に応じて含浸やコーティング等を行うことも可能である。本発明の軟磁性薄帯は高周波の用途として特にパルス状電流が流れるような応用に最も性能を発揮するが、センサや低周波の磁性部品の用途にも使用可能である。特に、磁気飽和が問題となる用途に優れた特性を発揮でき、ハイパワーのパワーエレクトロニクスの用途に特に適する。
使用時に磁化する方向とほぼ垂直な方向に磁界を印加しながら熱処理した本発明の軟磁性薄帯は、従来の高飽和磁束密度の材料よりも低い磁心損失が得られる。
以下本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
液体急冷法で1300℃に加熱した合金溶湯を周速32m/sで回転する外径300mmのCu-Be合金単ロールに溶湯を噴出し、厚さ約20μmのFebalCu1.5Si4B14(原子%)の合金組成からなる薄帯を作製した。X線回折および透過電子顕微鏡(TEM)観察の結果、非晶質相中に微細結晶が体積分率で30%未満分散した組織であることが確認された。
この合金薄帯に熱処理を施した。熱処理のパターンは、300℃から最高温度までの平均昇温速度が100℃/min未満のものと、約200℃/minのものをそれぞれ行った。熱処理の保持温度は両方とも450℃で10分間とし、その後、放冷して本発明の軟磁性薄帯を得た。
図1は、熱処理時の300℃以上の平均昇温速度が100℃/min未満とした本発明の軟磁性薄帯(1−1)の透過型電子顕微鏡による薄帯表面近傍の組織写真である。図8にその模式図を示す。最表面から順に、ナノ結晶粒の結晶層A、アモルファス層B、母相組織Dの平均結晶粒径の約2倍に粗大化した結晶粒から成る粗大結晶粒層C、母相組織Dの構造から成る。母相組織Dは平均粒径が約25nmの微細結晶粒が80%以上存在していた。軟磁性薄帯(1−1)は熱処理の際に、300℃以上の平均昇温速度を100℃/min未満に制御することにより、表面近傍で粗大化した結晶粒の粗大結晶粒層Dが析出しやすくなる。また、図2には熱処理時の300℃以上の平均昇温速度が約200℃/minとした軟磁性薄帯(1−2)の試料の組織写真を示す。また、図9にその模式図を示す。この組織では最表面から順に、ナノ結晶粒の結晶層A、アモルファス相Bが見られ、次に粗大結晶粒層Cが僅かに見られる。さらにその内部側は母相組織Dが見られる。また、アモルファス層Bの領域も軟磁性薄帯(1−1)から比べると狭い。以上のように300℃以上の平均昇温速度を制御することにより表面近傍の層状構造を制御できる。
また、比較のために、液体急冷法で1300℃に加熱した合金溶湯を周速32m/sで回転する外径300mmのCu-Be合金単ロールに溶湯を噴出し、約20μmの組成式:FebalCu1.5Si4B14NbとFebalCu1.0BNb3.5である合金薄帯を作製した。これらの合金薄帯の表面を同様に観察したが、本願のようなアモルファス層は観察されず、図10に模式図を示すように、全体的にほぼ同じ大きさをもつナノ結晶合金であった。
(実施例2)
図3には本発明の軟磁性薄帯(1−1)について最大磁場Bmが80A/mのB-H曲線を示す。また、同一組成で300℃以上の平均昇温速度が200℃/minの軟磁性薄帯(1−2)のB−H曲線を点線で示す。これらの軟磁性薄帯は実施例1の図1、2に示した試料である。昇温速度の遅い軟磁性薄帯(1−1)のB-H曲線は、昇温速度の速い軟磁性薄帯(1−2)よりも角形性が良好であり、Br/B80は約94%と高い値となる。また、低い磁場で、大きな磁束密度が得られる。昇温速度の速い軟磁性薄帯(1−2)では、角形性を示すBr/B80は67%程度で、低磁場では飽和しにくいものである。図4には上記の2試料の、Bmを800A/mとした場合のB-H曲線を示す。B800は、約1.8Tと同程度であるが、1.5T以上のB-H曲線におけるヒステリシスで大きな違いが現れる。熱処理時の昇温速度の遅い軟磁性薄帯(1−1)では、1.5T以上の500A/mの磁場領域までヒステリシスが存在する。一方、昇温速度の速い軟磁性薄帯(1−2)では、この磁束密度の領域ではヒステリシスが減少している。一般的には、ヒステリシスは損失であり少ないことが望まれるが、使用する磁場および磁束密度の領域によっては、角形性が重要となる場合がある。図3、4の比較から1.5T以上の領域でヒステリシスが発生することとマイナーループの角形性の間には密接な関係があることがわかる。以上のように、300℃度以上の平均昇温速度を制御することで、B−H曲線の形状を制御することが可能となる。
(実施例3)
液体急冷法で厚さ約18μmのFebalCu1.35Si2B14合金薄帯を作製した。合金薄帯の製造条件は実施例1と同様であり、得られた合金薄帯は非晶質相中に微細結晶が体積分率で30%未満分散した組織であることが確認された。この合金薄帯に300℃での昇温速度が100℃/minより小さくなるように熱処理を施したところ、実施例1の軟磁性薄帯(1−1)と同様の組織を持つ軟磁性薄帯(2−1)が得られた。図5にこの軟磁性薄帯(2−1)のB−H曲線を示す。図3の軟磁性薄帯(1−1)と同様なB−H曲線となり、B80=1.7Tと大きなBが得られ、角形性も、Br/B80=94%と高い値を得た。
(実施例4)
実施例3と同様にして、表1に示す合金組成(原子%で表す。以下の表も同様)の軟磁性薄帯を製造した。この軟磁性薄帯の角形比Br/B8000、Br/B80を示す。表1に示すように、本発明の軟磁性薄帯はアモルファス層が形成されている。また、熱処理の昇温速度を遅くしたNo.4-1〜4-12はBr/B80が90%以上の高い値を示し、角形性が良好であることがわかる。また、Br/B8000とBr/B80に5〜20%程度の開きがあり、マイナーループを描いている場合と、フルループを描く場合で角形性に違いが現れる。組織制御により、薄帯表面近傍に母相の平均結晶粒の約2倍の大きさの粗大結晶粒から成る層を析出させた場合には、B−Hループの形状が変わり、角形性が良くなる。表1に示すように、組成が同じ場合でも粗大結晶粒層の有無によって、角形性に大きな違いが現れる。このような現象を用いて、磁場領域の違いを利用したスイッチング素子として有望となる。
(実施例5)
液体急冷法で厚さ約18〜20μmのFebalCu1.5Si4B14合金薄帯(表1:4-1)、およびFebalCu1.35Si2B14合金薄帯(表1:4-2)を作製した。合金薄帯の製造条件は実施例1と同様であり、得られた合金薄帯は非晶質相中に微細結晶が体積分率で30%未満分散した組織であることが確認された。この合金薄帯に300℃以上の平均昇温速度が100℃/minより小さくなるように熱処理を施したところ、実施例1の軟磁性薄帯(1−1)と同様の組織を持つ軟磁性薄帯が得られた。300℃以上の平均昇温速度が小さい場合、粗大結晶粒層の平均粒径は大きくなる傾向にある。
図6には本発明の軟磁性薄帯(表1:4−1、4−2)における皮相電力の磁場依存性P15/50、P15.5/50を示す。また、300℃以上の平均昇温速度が200℃/minの場合の同組成の軟磁性薄帯(表1:4−13)のデータも記載する。また、比較のために、方向性ケイ素鋼板およびFe系アモルファス材のデータも共に示す。
また、表2には、50Hzで1.5Tおよび1.55Tにおける鉄損P15/50,P15.5/50と皮相電力S15/50,S15.5/50を示す。低磁場においては、Fe系アモルファス材よりも皮相電力が大きいが、約1.5T以上1.7T未満の領域でFe系アモルファス材、ケイ素鋼板のいずれに対しても皮相電力が低くなる。特に本発明の軟磁性薄帯(4−2)ではP16/50=0.35、P16.5/50=0.41、S16/50=0.42、S16.5/50=0.53と1.6〜1.7Tの領域で、最も低い鉄損および皮相電力となる。また、粗大結晶粒層が存在する軟磁性薄帯4−1と、同組成で粗大結晶粒層が無い軟磁性薄帯4−13を比べると、粗大結晶粒層が存在する軟磁性薄帯4−1の方が、1.4〜1.6T近辺で皮相電力が低くなる。本発明薄帯はFe系アモルファス材よりも飽和磁束密度が約15%高く、飽和磁束密度が1.8T以上である。また、飽和性がケイ素鋼板よりも良好であるため、ケイ素鋼板よりも優れた皮相電力特性を示す領域が1.4T≦Bに存在し、軟磁性体として有望である。
表3−1、表3−2は様々な組成に対する。磁束密度および角形比Br/B80の熱処理温度と昇温速度依存性を示す。薄帯の幅は約5mm、厚さは約21μmである。下表の組成はいずれも角形比Br/B80が90%以上である。
この高飽和磁束密度低損失の軟磁性薄帯から磁性部品を構成することにより、アノードリアクトルなどの大電流用の各種リアクトル、アクティブフィルタ用チョ−クコイル、平滑チョークコイル、各種トランス、磁気シールド、電磁シールド材料などのノイズ対策部品、レーザ電源、加速器用パルスパワー磁性部品、モータ、発電機等に好適な高性能あるいは小型の磁性部品を実現することができる。
1:軟磁性薄帯、2:薄帯の表面

Claims (7)

  1. 薄帯の内部に結晶粒径が60nm以下(0を含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で30%以上分散した母相組織と、前記薄帯の最表面に結晶組織からなる結晶層と、この結晶層の内部側にはアモルファス層が形成されてなり、さらに前記アモルファス層と母相組織との間に、母相組織の平均粒径よりも大きい結晶粒からなる粗大結晶粒層を有することを特徴とする軟磁性薄帯。
  2. 前記軟磁性薄帯は、組成式:Fe100-x-y(但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも1種以上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた少なくとも一種以上の元素)で表され、原子%で、0<x≦5、10≦y≦24により表されることを特徴とする請求項1に記載の軟磁性薄帯。
  3. 磁場80A/mにおける磁束密度B80と、磁場印加後の残留磁束密度Brの比、Br/B80が、90%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軟磁性薄帯。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の軟磁性薄帯を用いた磁心。
  5. 請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の軟磁性薄帯、または請求項4に記載の磁心を用いた磁性部品。
  6. Feおよび半金属元素を含む合金溶湯を急冷し、非晶質中に平均粒径30nm以下(0nmを含まず)の結晶粒が非晶質中に体積分率で0%超30%未満で分散した組織からなるFe基合金の軟磁性薄帯を作製する工程と、前記軟磁性薄帯に熱処理を行い平均粒径60nm以下の体心立方構造の結晶粒が非晶質中に体積分率で30%以上分散した母相組織と、薄帯の最表面に結晶組織からなる結晶層と、この結晶層の内部側にはアモルファス層が形成されてなり、前記アモルファス層と母相組織との間に、母相組織の平均粒径よりも大きい結晶粒からなる粗大結晶粒層を有する組織となす熱処理工程を有し、前記熱処理工程は300℃以上の平均昇温速度が100℃/min未満で行うことを特徴とする軟磁性薄帯の製造方法。
  7. 前記Fe基合金は、組成式:Fe100-x-y(但し、AはCu,Auから選ばれた少なくとも一種以上の元素、XはB,Si,S,C,P,Al,Ge,Ga,Beから選ばれた少なくとも一種以上の元素)で表され、原子%で、0<x≦5、10≦y≦24により表されることを特徴とする請求項6に記載の軟磁性薄帯の製造方法。
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