JPH0787133B2 - Fe基微結晶軟磁性合金からなる巻磁心及びその製造方法 - Google Patents

Fe基微結晶軟磁性合金からなる巻磁心及びその製造方法

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JPH0787133B2
JPH0787133B2 JP2021218A JP2121890A JPH0787133B2 JP H0787133 B2 JPH0787133 B2 JP H0787133B2 JP 2021218 A JP2021218 A JP 2021218A JP 2121890 A JP2121890 A JP 2121890A JP H0787133 B2 JPH0787133 B2 JP H0787133B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、Fe基微結晶軟磁性合金薄板を巻回してなる巻
磁心及びその製造方法に関し、特にFe基微結晶軟磁性合
金薄板の表面に耐熱性絶縁皮膜を形成しており、高周波
磁気特性、高電圧パルス磁気特性等に優れた巻磁心及び
その製造方法に関する。
〔従来の技術〕
最近、高周波特性に優れた磁性材料として、平均粒径10
00Å以下の超微結晶組織からなるFe基微結晶軟磁性合金
が開発された(ヨーロッパ特許公開第0271657号及び特
開昭63−302504号)。
このFe基微結晶軟磁性合金としては、 一般式: (Fe1-aMa100-X-Y-Z- αCuXSiYBZM′α (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素であり、a,x,y,z及びαはそれぞれ0≦a≦0.5,
0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30及び0.
1≦α≦30を満たす。)により表される組成を有し、組
織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有する微
細な結晶粒からなるFe基微結晶軟磁性合金、または、 一般式: (Fe1-aMa100-X-Y-Z- α β γCuXSiYBZM′αM″β
γ (原子%) (ただし、MはCo及び/又はでNiであり、M′はNb,W,T
a,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素であり、M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,
希土類元素,Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なく
とも1種の元素であり、XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asか
らなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a,
x,y,z,α,β及びγはそれぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦
3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30,0.1≦α≦30,β
≦10及びγ≦10を満たす。)により表される組成を有
し、組織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有
する微細な結晶粒からなるFe基微結晶軟磁性合金があ
る。
これらの合金は、通常一旦非晶質合金を作成した後、そ
の合金の結晶化温度以下の温度で熱処理を施すことによ
り得ることができるものである。
上記合金の薄板を用いて可飽和リアクトル、変圧器等の
巻磁心を作成する場合、巻磁心の鉄損の原因となる渦電
流損を低減するために、ポリイミドフィルム、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム等の絶縁テープや、SiO2
MgO、Al2O3等の酸化物粉末の絶縁層によて絶縁すること
が好ましいと記載されている(特開昭63−302504号参
照)。
その他の巻磁心の層間絶縁方法として、絶縁層の耐熱温
度を上げる目的で、金属アルコキシド等の有機金属化合
物を非晶質合金に塗布したり(特開昭63−110607号)、
SiO2−TiO2系金属アルコキシドの部分加水分解ゾルに各
種セラミックス粉末原料を混合したものを塗布したりす
ることにより(特開昭63−302504号)、絶縁層を形成す
ることも提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述した平均粒径(最大径により求め
る)が1000Å以下の超微結晶組織からなる合金の場合
は、通常熱処理により結晶化を行うために熱処理温度が
500℃以上と高く、しかも熱処理後はやや脆化するた
め、絶縁層をあらかじめ形成した状態で熱処理する必要
があり、耐熱性に優れた絶縁材料が必要であった。
ところが絶縁フィルムの場合、比較的耐熱性の高いポリ
イミド系の絶縁フィルムを絶縁材料に用いた場合でも、
500℃以上の熱処理温度では劣化してしまい、十分な絶
縁性を保持できないという問題があった。
また、SiO2、MgO、Al2O3等のセラミックス粉末を絶縁材
料とする場合、セラミックス粒子が合金薄帯に完全に固
着しないため、冷却粒体中に浸漬して使用する場合、巻
磁心層間から流失するおそれがある。
また、特開昭63−229786号公報等に示されるような高電
圧パルスを供給する変圧器及び可飽和リアクリトル用巻
磁心には、数十kV以上の電圧がかかるため、従来の絶縁
処理を施したものでは、絶縁不良によるコアロスの増大
を防ぐことはできなかった。
そこで、金属アルコキシドにセラミック微粒子を分散さ
せた絶縁材が、耐熱性に優れているので有望であると思
われる。ところが、特開昭63−302504号に開示のSiO2
TiO2系金属アルコキシドの部分加水分解ゾルにセラミッ
ク微粒子を添加したものの場合、かかる金属アルコキシ
ド(部分加水分解ゾル)の加熱収縮率(主として架橋反
応によると考えられる)とFe基微結晶軟磁性合金の収縮
率(微結晶化による)とが非常に異なるので、得られる
絶縁層中に大きな内部応力が残留することになることが
わかった。そのため、Fe基微結晶軟磁性合金の薄板から
なる巻磁心の磁気特性が劣化する。
従って、本発明の目的は、超微結晶組織を有するFe基微
結晶軟磁性合金からなる巻磁心であって、微結晶化用の
熱処理を行っても絶縁性が失われない耐熱性絶縁層を有
する巻磁心及びその製造方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の第一の巻磁心は、 一般式: (Fe1-aMa100-X-Y-Z- αCuXSiYBZM′α (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素であり、a,x,y,z及びαはそれぞれ0≦a≦0.5,
0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30及び0.
1≦α≦30を満たす。)により表される組成を有し、組
織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有する微
細な結晶粒からなるFe基微結晶軟磁性合金の薄膜が巻回
されてなり、前記薄板の少なくとも一方の表面に厚さ0.
5〜5μmの耐熱性絶縁層が形成されており、前記耐熱
性絶縁層は、SiO2換算で20〜90重量%のシリコンアルコ
キシドと、80〜10重量%のセラミック微粒子との均一混
合物からなる塗膜を加熱し、前記シリコンアルコキシド
を架橋させたものであることを特徴とする。
また、本発明の第二の巻磁心は、 一般式: (Fe1-aMa100-X-Y-Z- α β γCuXSiYBZM′αM″β
γ (原子%) (ただし、MはCo及び/又はでNiであり、M′はNb,W,T
a,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素であり、M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,
希土類元素,Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なく
とも1種の元素であり、XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asか
らなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a,
x,y,z,α,β及びγはそれぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦
3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30,0.1≦α≦30,β
≦10及びγ≦10を満たす。)により表される組成を有
し、組織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有
する微細な結晶粒からなるFe基微結晶軟磁性合金の薄板
が巻回されてなり、前記薄板の少なくとも一方の表面に
厚さ0.5〜5μmの耐熱性絶縁層が形成されており、前
記耐熱性絶縁層は、SiO2換算で20〜90重量%のシリコン
アルコキシドと、80〜10重量%のセラミック微粒子との
均一混合物からなる塗膜を加熱し、前記シリコンアルコ
キシドを架橋させたものであることを特徴とする。
また本発明の巻磁心の製造方法は、前記合金と同一組成
の非晶質合金の薄板の少なくとも一方の表面に、乾燥膜
厚が0.5〜5μmとなるように、固形分を基準にして20
〜90重量%(SiO2換算)のシラノールオリゴマーと、80
〜10重量%のセラミック微粒子とを含有する分散液を塗
布し、乾燥後前記薄板を巻回し、450〜700℃で5分〜24
時間熱処理することにより、前記非晶質合金を微結晶化
するとともに、前記シラノールオリゴマーを架橋させる
ことを特徴とする。
本発明を以下詳細に説明する。
本発明の巻磁心を構成するFe基微結晶軟磁性合金におい
て、Feは0〜0.5の範囲で、Co及び/又はNiで置換して
もよい。しかし、良好な磁気特性(低コア損失低磁歪)
を得るためには、Co及び/又はNiの含有量“a"は0〜0.
1の範囲が好ましい。特に低磁歪の合金とするために
は、aの範囲を0〜0.05の範囲にするのが好ましい。
Cuは必須元素であり、その含有量xは0.1〜3原子%の
範囲である。0.1原子%より少ないとCuの添加によるコ
ア損失低下、透磁率上昇の効果がほとんどなく、一方3
原子%より多いとコア損失が未添加のものよりかえって
大きくなることがあり、透磁率も劣化する。本発明にお
いて好ましいCuの含有量xは0.5〜2原子%であり、こ
の範囲ではコア損失が特に小さく透磁率が高い。
Cuのコア損失低下、透磁率上昇作用の原因は明らかでは
ないが、次のように考えられる。
CuとFeの相互作用パラメータは正であり、固溶度は低い
が、Fe基原子同志またはCu原子同志が寄り集まりクラス
ターを形成するため組成ゆらぎが生じる。このため部分
的に結晶化しやすい領域が多数でき、そこを核とした微
細な結晶粒が生成される。この結晶はFeを主成分とする
ものであり、FeとCuの固溶度はほとんどないため結晶化
によりCuは微細結晶粒の周囲にはき出され、結晶粒周辺
のCu濃度が高くなる。このため結晶粒は成長しにくいと
考えられる。
Cu添加により結晶核が多数できることと結晶粒が成長し
にくいため結晶粒の微細化が起こると考えられるが、こ
の作用はNb,Ta,W,Mo,Zr,Hf,Ti等の存在により特に著し
くなると考えられる。
Nb,Ta,W,Mo,Zr,Hf,Ti等が存在しない場合は、結晶粒は
あまり微細化されず軟磁気特性も悪い。Nb,Moは特に効
果が大きいが、これらの元素の中でNbを添加した場合特
に結晶粒が細くなりやすく、軟磁気特性も優れたものが
得られる。またFeを主成分とする微細結晶相が生ずるた
めFe基非晶質合金に比べる磁歪が小さくなり、肉部応力
一歪による磁気異方性が小さくなることも軟磁気特性が
改善される理由と考えられる。
Cuを添加しない場合は結晶粒は微細化されにくく、化合
物相が形成しやすいため結晶化により磁気特性は劣化す
る。
Si及びBは、合金組織の微細化に特に有用な元素であ
る。本発明のFe基軟磁性合金は、一旦Si,Bの添加効果に
より非晶質合金とした後で熱処理により微細結晶粒を形
成させることにより得られる。Si及びBの含有量y及び
zの限定理由は、yが30原子%以下、zが25原子%以
下、y+zが5〜30原子%でないと、合金の飽和磁束密
度の著しい減少があることである。
本発明において、yの好ましい範囲は6〜25原子%であ
り、zの好ましい範囲は2〜25原子%であり、y+zの
好ましい範囲は14〜30原子%の範囲である。Si含有量y
の限定理由は、yが25原子%を超えると軟磁気特性の良
好な条件では磁歪が大きくなってしまい好ましくなく、
yが6原子%未満では十分な軟磁気特性が得られないた
めである。Bの含有量zの限定理由は、zが2原子%未
満では均一な結晶粒組織が得にくくて軟磁気特性が劣化
し、zが25原子%を超えると軟磁気特性の良好な熱処理
条件では磁歪が大きくなってしまい好ましくないためで
ある。SiとBの総和量y+zの値に関しては、y+zが
14原子%未満では非晶質化が困難になり磁気特性が劣化
し好ましくなく、一方、y+zが30原子%を超えると飽
和磁束密度の著しい低下および軟磁気特性の劣化および
磁歪の増加がある。より好ましいSi,B含有量の範囲は、
10≦y≦25,3≦z≦18,18≦y+z≦28であり、この範
囲では−5×10-6〜+5×10-6の範囲の飽和磁歪で軟磁
気特性の優れた合金が得られやすい。
特に好ましくは11≦y≦24,3≦z≦9,18≦y+z≦27で
あり、この範囲では−1.5×10-6〜+1.5×10-6の範囲の
飽和磁歪の合金が得られやすい。
本発明においてM′はCuとの複合添加により析出する結
晶粒を微細化する作用を有するものであり、Nb,W,Ta,Z
r,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素である。Nb等は合金の結晶化温度を上昇させる作
用を有するが、クラスターを形成し結晶化温度を低下さ
せる作用を有するCuとの相互作用により、結晶粒の成長
を抑え、析出する結晶粒が微細化するものと考えられ
る。
M′の含有量αは0.1〜30原子%であり、0.1原子%未満
だと結晶粒微細化の効果が不十分であり、30原子%を超
えると飽和磁束密度の著しい低下を招く。好しいM′の
含有量αは1〜10原子%である。より好ましいαの範囲
は2≦α≦8であり、この範囲で特に優れた軟磁性が得
られる。なおM′としてNbが磁気特性の面で最も好まし
い。またM′の添加によりCo基高透磁率材料と同等の高
い透磁率を有するようになる。
V,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,希土類元素,Au,Zn,Sn,Re
からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素である
M″は、耐食性を改善したり、磁気特性を改善したり、
磁歪を調整したりする目的のために添加することができ
るものであるが、その含有量はせいぜい10原子%以下で
ある。それは含有量が10原子%を超えると著しい飽和磁
束密度の低下を招くためであり、特に好ましい含有量は
5原子%以下である。
本発明のFeの基微結晶軟磁性合金において、C,Ge,P,Ga,
Sb,In,Be,Asからなる群から選ばれた少なくとも1種の
元素Xを10原子%以下含み得る。これらの元素は非晶質
化に有効な元素であり、Si,Bと共に添加することによ
り、合金の非晶質化を助けると共に、磁歪やキュリー温
度の調整に効果がある。
以上を整理すると、一般式: (Fe1-aMa100-x-y-z- αCuxSiyBzM′α により表されるFe基微結晶軟磁性合金の場合、a,x,y,z,
αの一般的な範囲は、 0≦a≦0.5 0.1≦x≦3 0≦y≦30 0≦z≦25 5≦y+z≦30 0.1≦α≦30 であり、好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.1≦x≦3 6≦y≦25 2≦z≦25 14≦y+z≦30 0.1≦α≦10 であり、より好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.5≦x≦2 10≦y≦25 3≦z≦18 18≦y+z≦28 2≦α≦8 であり、最も好ましい範囲は 0≦a≦0.05 0.5≦x≦2 11≦y≦24 3≦z≦9 18≦y+z≦27 2≦α≦8 である。
また一般式: (Fe1-aMa100-x-y-z- αCuxSiyBzM′αM″βγ により表されるFe基微結晶軟磁性合金の場合、a,x,y,z,
α,β,γの一般的な範囲は、 0≦a≦0.5 0.1≦x≦3 0≦y≦30 0≦z≦25 5≦y+z≦30 0.1≦α≦30 β≦30 γ≦10 であり、好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.1≦x≦3 6≦y≦25 2≦z≦25 14≦y+z≦30 0.1≦α≦10 β≦5 γ≦5 であり、より好ましい範囲は 0≦a≦0.1 0.5≦x≦2 10≦y≦25 3≦z≦18 18≦y+z≦28 2≦α≦8 β≦5 γ≦5 であり、最も好ましい範囲は 0≦a≦0.05 0.5≦x≦2 11≦y≦24 3≦z≦9 18≦y+z≦27 2≦α≦8 β≦5 γ≦5 である。
上記組成を有するFe基微結晶軟磁性合金はまた、組織の
少なくとも50%以上が微細な結晶粒からなる。
この結晶粒はbcc構造のα−Feを主体とするもので、Si
やB等が固溶していると考えられる。この結晶粒は1000
Å以下と著しく小さな平均粒径を有することを特徴と
し、合金組織中に均一に分布している。なお、結晶粒の
平均粒径とは、各粒子の最大寸法を平均したものであ
る。平均粒径が1000Åを超いると良好な軟磁気特性が得
られなくなる。好ましい平均粒径は500Å以下であり。
より好ましくは200Å以下であり、特に50〜200Åであ
る。
合金組織のうち微細結晶粒以外の部分は主に非晶質であ
る。なお微細結晶粒の割合が実質的に100%になっても
本発明のFe基軟磁性合金は十分に優れた磁気特性を示
す。
なお、N,O,S等の不可避的不純物については、所望の特
性が劣化しない程度に含有していても本発明の合金組成
と同一とみなすことができるのはもちろんである。
次にFe基微結晶軟磁性合金の製造方法について説明す
る。
まず上記所定の組成の溶湯から、片ロール法、双ロール
法等の公知の液体急冷法により薄板状の非晶質合金を形
成する。通常、片ロール法等により製造される非晶質合
金薄板の板厚は5〜100μm程度であるが、板厚が25μ
m以下のものが高周波において使用される磁心材料とし
て特に適している。
この非晶質合金は結晶相を含んでいてもよいが、後の熱
処理により微細な結晶粒を均一に生成するためには非晶
質であるのが望ましい。液体急冷法により、熱処理を経
ずにFe基微結晶軟磁性合金を得ることも可能である。
非晶質薄板は熱処理の前に巻回する。というのは非晶質
の段階では薄板は加工性が良いが、一旦結晶化すると加
工性が著しく低下するからである。
熱処理は、所定の形状に加工した非晶質合金薄板を、通
常真空中または水素、窒素等の不活性ガス雰囲気中にお
いて、一定時間保持し行なう。熱処理温度及び時間は非
晶質合金薄板からなる巻磁心の形状、サイズ、組成等に
より異なるが、一般的に450℃〜700℃で5分から24時間
程度が望ましい。熱処理温度が450℃未満であると結晶
化が起こりにくく、熱処理に時間がかかりすぎる。また
700℃より高いと粗大な結晶粒が生成するおそれがあ
り、微細な結晶粒を均一に得ることができなくなる。ま
た熱処理時間については、5分未満では、加工した合金
全体を均一な温度とすることが困難であり、磁気特性が
はらつきやすく、また24時間より長いと、生産性が悪く
なるだけでなく、結晶粒の過剰な成長により磁気特性の
低下が起こりやすい。好ましい熱処理条件は、実用性及
び均一な温度コントロール等を考慮して、500〜650℃で
5分〜6時間である。
熱処理雰囲気は不活性ガス雰囲気が望ましいが、大気等
の酸化性雰囲気でも良い。冷却は空冷や炉冷等により、
適宜行うことができる。また場合によっては多段の熱処
理を行うこともできる。
熱処理を磁場中で行うこともできる。磁場中熱処理によ
り本合金に磁気異方性を生じさせることができる。本合
金からなる磁心の磁路方向に磁場を印加し熱処理した場
合は、B−Hカーブの角形性が良いものが得られ、可飽
和リアクトル用磁心、磁気スイッチ、パルス圧縮用コ
ア、スパイク電圧防止用リアクトル等に好適となる。一
方磁路と直角方向に磁場を印加し熱処理した場合は、B
−Hカーブが傾斜し、低角形比で恒透磁率性に優れたも
のが得られ、動作範囲が広がるので、トランス、やノイ
ズフィルター、チョークコイル等に好適となる。
磁場は熱処理の間中かける必要はなく、合金のキュリー
温度Tcより低い温度のときにあればよい。Fe基微結晶軟
磁性合金の場合、微結晶化しているために非晶質の場合
よりキュリー温度が上昇しており、非晶質合金のキュリ
ー温度より高い温度でも磁場中熱処理が適用できる。磁
場中熱処理の場合も熱処理を2段階以上で行うことがで
きる。また回転磁場中で熱処理を行うこともできる。
次に、本発明の耐熱性絶縁層は、シラノールオリゴマー
20〜90重量%(SiO2換算)とセラミック微粒子80〜10重
量%とからなることを特徴とする。
シラノールオリゴマーは、実質的にRSi(OR)により
表される構造を有するシリコンアルコキシドの加水分解
生成物であるシラノールを重合させたものである。シリ
コンアルコキシドの加水分解反応は、下記式により表す
ことができる。
シラノール反応性が大きいので、容易に重合する。シラ
ノールオリゴマーの平均分子量は、塗布液の粘度及び塗
膜の収縮率との関係で決まり、分子量が大きすぎると粘
度が高すぎ、また小さすぎると架橋による塗膜の収縮率
が大きすぎる。従って、シラノールオリゴマーの平均分
子量は500〜8000程度が好ましく、特に約2000が好まし
い。
また加水分解によりシラノールオリゴマーを形成するシ
リコンアルコキシドは、実質的に下記の構造: RSi(OR) を有するのが望ましい。ここで、Rはフェニル基やアル
キル基であるが、成膜性及び成膜時の温度、時間等を勘
案すると、フェニル基よりも炭素数の少ないエチル基や
メチル基の方が好ましい。
1分子中にアルコキシル基が2個だと、重合物はシリコ
ンオイルとなり、また4個だと架橋が進みすぎ、収縮率
の増大をまねく。アルコキシル基が3個の場合、R基に
より架橋が部分的に阻止され、全体として望ましい架橋
度となる。
なお、シラノールオリゴマーの架橋反応は、下記式によ
り表されるような脱水反応又は脱アルコール反応により
起こるものと考えられる。
HO−Si−O−…Si−OH+HO−Si−O…Si−OH →HO−Si−O−…Si−OH+H2O ・・・(2) HO−Si−O−…Si−OH+RO−Si−O…Si−OH →HO−Si−O−…Si−OH+ROH ・・・(3) このようにして得られる架橋物は、下記式により表され
る架橋構造を有する。
なお、金属アルコキシドとしてシリコンアルコキシド以
外に種々の金属のアルコキシドがあるが、Fe基微結晶軟
磁性合金に塗布する場合、架橋によりFe基微結晶軟磁性
合金とほぼ同じ収縮率を示す必要があるので、シリコン
アルコキシドを用いる必要がある。詳述すると、Fe基微
結晶軟磁性合金を450〜700℃に加熱して微結晶化させる
と、著しい収縮率を示すので、耐熱性絶縁層も同様の収
縮率を示さないと、内部応力が残留し、歪の原因とな
る。これにより磁気特性が劣化するので、加熱収縮によ
り歪が生じないようにFe基微結晶軟磁性合金に近い収縮
率を示す絶縁材料を用いる必要がある。
耐熱性絶縁層に含有させるセラミック微粒子としては、
SiO2、Al2O3、MgO、SiC、BN、Si3N4、TiO2等の微粒子が
好ましい。セラミック微粒子の粒径は0.1μm以下であ
るのが好ましく、特にコロイダル粒子程度であるのが好
ましい。シリコンアルコキシドとの新和性の観点から、
SiO2のコロイダル粒子であるのが特に好ましい。
上記の絶縁性セラミックス微粒子をシラノールオリゴマ
ーに分散した塗布液を架橋硬化させることにより、巻磁
心の層間から耐熱性絶縁層が流失するのを防止すること
ができるだけでなく、絶縁層の厚さを確保できる。
耐熱性絶縁層中のシラノールオリゴマーの含有量(乾燥
時)は、20〜90重量%(SiO2換算)であり、セラミック
微粒子の含有量は80〜10重量%である。シラノールオリ
ゴマーが20重量%未満(セラミック微粒子が80重量%を
超える)となると、皮膜強度が不十分であり、セラミッ
ク微粒子による応力吸収作用が不十分となる。またシラ
ノールオリゴマーが90重量%を超えると(セラミック微
粒子が10重量%未満になると)、皮膜厚さを十分に大き
くすることができない。好ましいシラノールオリゴマー
の含有量は40〜60重量%(セラミック微粒子は60〜40重
量%)である。なお、合金薄板と皮膜の接着強度が低下
すると、皮膜に亀裂が発生しやすくなるから、シラノー
ルオリゴマーの含有量を適当に調整することが好まし
い。
シラノールオリゴマー及びセラミック微粒子からなる絶
縁層は分散液状で塗布乾燥する。シラノールオリゴマー
及びセラミック微粒子を溶解する有機溶媒としては、巻
磁心を製造するという観点から、作業工程上支障のない
程度に低い沸点を有するアルコールを使用することが好
ましく、プロピルアルコール、エチルアルコール、メチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール等蒸発乾燥の容
易な有機溶媒が適している。
これら有機溶媒を選定する場合、上記作業性の点と、溶
液の使用可能期間(ポットライフ)等の観点から選定す
る必要がある。
上記シラノールオリゴマー及びセラミック微粒子からな
る固形分は、分散液中において2〜50重量%である。2
重量%未満であると、0.5μm以上の膜厚を得るのが困
難であり、また50重量%を超えると、粘性が増大し流動
性が低下するため、塗布が困難となる。
適切な絶縁破壊耐電圧が要求されるため、(層間耐圧は
一般的に数Vから数百Vであることが必要)、絶縁皮膜
の厚さは0.5μmから5μmであることが必要となる。
このためには、固形分は20〜30重量%が特に好適であ
る。
前述の合金薄板に、上記分散液を塗布又は噴霧し、ある
いは合金薄板を分散液に浸漬して、皮膜を形成する。合
金薄板との濡れ性を向上するために、分散液に若干の酸
又はアルカリ、例えばH2SO4、NH3等を添加し、そのpHを
調節すると効果的である。この場合、ほぼpH5.5〜pH10
程度の範囲でpH度を調節するのが好ましい。
分散液を塗布後、十分乾燥し、薄板を巻回する。これ
は、例えば第1図に示す装置により行うことができる。
非晶質合金薄板1はガイドロール11を経て浴槽2に入
り、分散液3中に沈んでいるガイドロール12を回ること
により、その両面に分散液が塗布される。スクレーパ7
により余分な分散液をかき落した後、温風乾燥器5内を
通過して乾燥され、巻磁心6を形成するように巻回され
る。なお分散液3は撹拌器4により常に撹拌されてい
る。
このようにして絶縁層を形成した巻磁心は、微結晶化す
るために上記条件の熱処理を施す。この熱処理により、
シラノールオリゴマーは、前記式(4)で表されるよう
な架橋構造を有するように、架橋反応する。
架橋反応により絶縁層は強化され、巻磁心上に冷却流体
を流しても絶縁層が流失するおそれがなくなる。
〔作 用〕
シラノールオリゴマーの原料となるシリコンアルコキシ
ドとして、実質的にRSi(OR)の構造を有するものを
用い、シラノールオリゴマーにセラミック微粒子を配合
した塗膜を非晶質合金の薄板上に形成後、微結晶化温度
(450〜700℃)まで加熱することことにより熱処理する
と、塗膜は架橋硬化するとともに、Fe基微結晶軟磁性合
金とほぼ等しい収縮率を示す。この理由として、(1)
R基の存在により過大な架橋反応が起こらないので、収
縮率がコントロールされること、(2)収縮により生ず
る応力はセラミック微粒子により緩和されていること等
が考えられる。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例により詳しく説明するが、本発明
はこれら実施例に限るものではない。
実施例1 Cu1、Nb3、Si13、B7、残部Fe(at%)よりなる合金溶湯
から、単ロール法により厚さ18μm、幅25mmの非晶質合
金薄帯を得た。この非晶質合金薄帯を100mmの長さに切
断し、下記組成の絶縁用塗液を塗布乾燥し、5℃/minで
550℃まで昇温し、1時間保持後放冷して、薄薄板の長
手方向の長さの変化を測定した。結果を第1表に示す。
なお各絶縁層の厚さは4μmであった。
実施例2〜6、比較例1〜2 原子パーセント(at%)で、Cu1%、Nb2.2%、Si12.7
%、B10%、残部が実質的にFeからなる非晶質合金薄板
に対して、種々の組成の絶縁皮膜形成用分散液を塗布し
た。分散液はメチルトリメトキシシランCH3Si(OCH3
の加水分解生成物のオリゴマー(平均分子量2000)を
4〜20重量%(SiO2換算)、極微細なコロイダルSiO
2(粒径20〜30ミリμm)をシラノールオリゴマーの7
重量%、残部が実質的にイソプロピルアルコールであ
り、これに若干のNH3を加え、PH8.5としたものであっ
た。各種の分散液を用いて、第1図に示した装置によ
り、巻磁心を作製した。これらの巻磁心を530℃まで昇
温後120分保持して、合金薄板を微結晶化させる熱処理
を施した。得られた巻磁心の諸特性を第2表に示す。ま
た、比較のため、層間絶縁のない場合を比較例1とし、
シラノールオリゴマーが0.2重量%の場合を比較例2と
して、第2表に示した。
ここで、B80は、励磁磁界が80A/mのときの磁束密度、Br
/B800は残留磁束密度Brと励磁磁界が800A/mのときの磁
束密度との比、W0.2/20 KHzは周波数20KHzで0.2Tの磁束
を励振したときのコア損失であり、単位はKW/m3、W
0.2/100 KHzは同様に周波数100KHzで0.2Tの磁束を励振し
たときのコア損失である。
第2表から判るように、直流磁気特性、特に保磁力につ
いては、絶縁皮膜のない場合の方が優れているが、交流
特性については、透過率及びコア損失において、本発明
の巻磁心の方が皮膜のない場合により、格段に優れてい
る。
実施例7〜9、比較例3 原子パーセント(at%)で、Cu0.5%、Nb3%、Si12%、
B9%、残部が実質的にFeからなる非晶質合金の薄板に対
して、種々の組成の絶縁皮膜形成用分散液を塗布した。
分散液は、メチルトリエトキシシランとフェニルトリエ
トキシシランを1:9の重量比で混合し、加水分解後オリ
ゴマーに重合したものを合計で2〜10重量%、平均粒径
0.3μmのMgO粒子を2重量%(従って、MgO粒子は、シ
ラノールオリゴマーの量に対し、20%から100%とな
る)、プロピルアルコールが2〜10重量%(シラノール
オリゴマーと同量)、残部を実質的にメチルアルコール
とした分散液を使用し、実施例2〜6に示したのと同様
の処理をして、巻磁心を作製した。これらの巻磁心を磁
路長方向に640A/mの磁場を印加しつつ、550℃で90分間
保持した後、150℃まで100℃/Hrで徐冷した。これは、
高角形比材を得るための熱処理条件である。得られた巻
磁心の諸特性を比較例とともに第3表に示す。
実施例10、11 実施例9と同じ合金薄板及び皮膜形成原料を用い、MgO
粉末と平均粒径0.8μmのAl2O3粉末、及び平均粒径0.3
μmのBN粉末に変更し、実施例9と同じ処理を行った。
結果を第4表に示す。
これらの場合も、MgOを使用した実施例9と同様に、絶
縁皮膜のない場合に比し、格段に高周波磁気特性が改善
されている。
〔発明の効果〕 本発明の耐熱性絶縁層によれば、層間絶縁性を増大する
ことにより、高周波磁気特性の向上を図れるだけではな
く、数十ボルト以上の層間絶縁破壊電圧を有する巻磁心
を作製することが可能となり、高電圧パルスで励磁する
ような用途にも使用可能な磁気コアの提供を可能とす
る。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の巻磁心の製造装置の概略図である。 1……合金薄板 2……浴槽 3……皮膜原料 4……撹拌器 5……温風乾燥器 6……巻磁心 7……スクレーパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 41/02 C

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式: (Fe1-aMa100-X-Y-Z- αCuXSiYBZM′α (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
    Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
    の元素であり、a,x,y,z及びαはそれぞれ0≦a≦0.5,
    0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30及び0.
    1≦α≦30を満たす。)により表される組成を有し、組
    織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有する微
    細な結晶粒からなるFe基微結晶軟磁性合金の薄板が巻回
    されてなり、前記薄板の少なくとも一方の表面に厚さ0.
    5〜5μmの耐熱性絶縁層が形成されており、前記耐熱
    性絶縁層は、SiO2換算で20〜90重量%のシラノールオリ
    ゴマーと、80〜10重量%のセラミック微粒子との均一混
    合物からなる塗膜を加熱し、前記シラノールオリゴマー
    を架橋させたものであることを特徴とする巻磁心。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の巻磁心において、前記シ
    ラノールオリゴマーが、実質的にRSi(OR)により表
    される構造を有するシリコンアルコキシドの加水分解生
    成物を重合させたものであり、平均分子量が500〜8000
    であることを特徴とする巻磁心。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の巻磁心において、
    前記セラミック微粒子がセラミックのコロイダル粒子で
    あることを特徴とする巻磁心。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の巻磁心において、前記セ
    ラミック微粒子がコロイダルシリカであることを特徴と
    する巻磁心。
  5. 【請求項5】一般式: (Fe1-aMa100-X-Y-Z- α β γCuXSiYBZM′αM″β
    γ (原子%) (ただし、MはCo及び/又はでNiであり、M′はNb,W,T
    a,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1
    種の元素であり、M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,
    希土類元素,Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なく
    とも1種の元素であり、XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asか
    らなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a,
    x,y,z,α,β及びγはそれぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦
    3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30,0.1≦α≦30,β
    ≦10及びγ≦10を満たす。)により表される組成を有
    し、組織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有
    する微細な結晶粒からなるFe基微結晶軟磁性合金の薄板
    が巻回されてなり、前記薄板の少なくとも一方の表面に
    厚さ0.5〜5μmの耐熱性絶縁層が形成されており、前
    記耐熱性絶縁層は、SiO2換算で20〜90重量%のシラノー
    ルオリゴマーと、80〜10重量%のセラミック微粒子との
    均一混合物からなる塗膜を加熱し、前記シラノールオリ
    ゴマーを架橋させたものであることを特徴とする巻磁
    心。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の巻磁心において、前記シ
    ラノールオリゴマーが、実質的にRSi(OR)により表
    される構造を有するシリコンアルコキシドの加水分解生
    成物を重合したものであり、平均分子量が500〜8000で
    あることを特徴とする巻磁心。
  7. 【請求項7】請求項5又は6に記載の巻磁心において、
    前記セラミック微粒子がセラミックのコロイダル粒子で
    あることを特徴とする巻磁心。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の巻磁心において、前記セ
    ラミック微粒子がコロイダルシリカであることを特徴と
    する巻磁心。
  9. 【請求項9】一般式: (Fe1-aMa100-X-Y-Z- αCuXSiYBZM′α (ただし、MはCo及び/又はNiであり、M′はNb,W,Ta,
    Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1種
    の元素であり、a,x,y,z及びαはそれぞれ0≦a≦0.5,
    0.1≦x≦3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30及び0.
    1≦α≦30を満たす。)により表される組成を有し、組
    織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有する微
    細な結晶粒からなるFe基微結晶軟磁性合金の薄板の層間
    に耐熱性絶縁層が形成されている巻磁心の製造方法にお
    いて、前記合金と同一組成の非晶質合金の薄板の少なく
    とも一方の表面に、乾燥膜厚が0.5〜5μmとなるよう
    に、固形分を基準にして20〜90重量%(SiO2換算)のシ
    ラノールオリゴマーと80〜10重量%のセラミック微粒子
    とを含有する分散液を塗布し、乾燥後前記薄板を巻回
    し、450〜700℃で5分〜24時間熱処理することにより、
    前記非晶質合金を微結晶化するとともに、前記シラノー
    ルオリゴマーを架橋させることを特徴とする方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の方法において、前記シ
    ラノールオリゴマーが、実質的にRSi(OR)により表
    される構造を有するシリコンアルコキシドの加水分解生
    成物を重合させたものであり、平均分子量が500〜8000
    であることを特徴とする製造方法。
  11. 【請求項11】請求項9又は10に記載の方法において、
    前記セラミック微粒子がセラミックのコロイダル粒子で
    あることを特徴とする製造方法。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の方法において、前記セ
    ラミック微粒子がコロイダルシリカであることを特徴と
    する製造方法。
  13. 【請求項13】一般式: (Fe1-aMa100-X-Y-Z- α β γCuXSiYBZM′αM″β
    γ (原子%) (ただし、MはCo及び/又はでNiであり、M′はNb,W,T
    a,Zr,Hf,Ti及びMoからなる群から選ばれた少なくとも1
    種の元素であり、M″はV,Cr,Mn,Al,白金属元素,Sc,Y,
    希土類元素,Au,Zn,Sn,Reからなる群から選ばれた少なく
    とも1種の元素であり、XはC,Ge,P,Ga,Sb,In,Be,Asか
    らなる群から選ばれた少なくとも1種の元素であり、a,
    x,y,z,α,β及びγはそれぞれ0≦a≦0.5,0.1≦x≦
    3,0≦y≦30,0≦z≦25,5≦y+z≦30,0.1≦α≦30,β
    ≦10及びγ≦10を満たす。)により表される組成を有
    し、組織の少なくとも50%が1000Å以下の平均粒径を有
    する微細な結晶粒からなるFe基微結晶軟磁性合金の薄板
    の層間に、耐熱性絶縁層が形成されている巻磁心の製造
    方法において、前記合金と同一組成の非晶質合金の薄板
    の少なくとも一方の表面に、乾燥膜厚が0.5〜5μmと
    なるように、固形分を基準にして20〜90重量%(SiO2
    算)のシラノールオリゴマーと80〜10重量%のセラミッ
    ク微粒子とを含有する分散液を塗布し、乾燥後前記薄板
    を巻回し、450〜700℃で5分〜24時間熱処理することに
    より、前記非晶質合金を微結晶化するとともに、前記シ
    ラノールオリゴマーを架橋させることを特徴とする方
    法。
  14. 【請求項14】請求項13に記載の方法において、前記シ
    ラノールオリゴマーが、実質的にRSi(OR)により表
    される構造を有するシリコンアルコキシドの加水分解生
    成物を重合したものであり、平均分子量が500〜8000で
    あることを特徴とする製造方法。
  15. 【請求項15】請求項13又は14に記載の方法において、
    前記セラミック微粒子がセラミックのコロイダル粒子で
    あることを特徴とする製造方法。
  16. 【請求項16】請求項15に記載の方法において、前記セ
    ラミック微粒子がコロイダルシリカであることを特徴と
    する製造方法。
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