JPH0741882Y2

JPH0741882Y2 - 蒸発燃料処理装置

Info

Publication number: JPH0741882Y2
Application number: JP1989048234U
Authority: JP
Inventors: 信明栢沼
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 1989-04-26
Filing date: 1989-04-26
Publication date: 1995-09-27
Anticipated expiration: 2004-04-26
Also published as: US5056494A; JPH02139353U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は非給油時及び給油時に発生する蒸発燃料を処理
する蒸発燃料処理装置に関する。

〔従来の技術〕

活性炭を含むキャニスタに蒸発燃料を吸着させることは
公知である。従来の蒸発燃料処理装置は、主に非給油
時、即ち給油口のフィラーキャップが閉じられている間
に燃料タンク内で発生する蒸発燃料をキャニスタに吸着
させるようになっており、キャニスタにはチェック弁が
設けられていて燃料タンク内を所定の正圧に維持するよ
うになっていた。最近では、給油時、即ちフィラーキャ
ップが開かれている間に発生する蒸発燃料が給油口から
外部に排出されるのを防止することが要求されるように
なっている。

このため、実開昭59−142460号公報及び実開昭61−1411
29号公報は２個のキャニスタと切り換え弁とを設け、一
方のキャニスタを主に給油時に使用し、他方のキャニス
タを主に非給油時に使用することを開示している。

また、実開昭49−76113号公報は、給油中に燃料が給油
ノズルから燃料タンク内に落下して気泡を発生し、この
気泡燃料が給油口から外部に排出するのを防止するため
に、給油口を燃料タンクの底部付近まで下向きに延長
し、且つ大気に接する油面表面積を小さくすることを開
示している。

〔考案が解決しようとする課題〕

キャニスタは蒸発燃料を吸着させるものであるが、その
容量には限度があるので、キャニスタを活性化状態に維
持するためには蒸発燃料の発生量が少ない方が好まし
い。このため、上記したように燃料タンク内の圧力をチ
ェック弁によって所定の正圧に維持し、非給油時に燃料
タンク内での燃料の蒸発を抑制するようになっている。
しかし、燃料タンク内の圧力が高い値に維持されている
と、給油時にフィラーキャップを開いた瞬間に正圧下の
燃料タンクから蒸発燃料が大気に放出されることにな
る。この問題点を解決するためには、燃料タンク内の圧
力が高くならないようにすることが必要であるが、する
と非給油時に蒸発燃料の発生量が多くなり、キャニスタ
の容量を大きくしなければならなくなるという問題があ
る。

本考案の目的は、非給油時に蒸発燃料の発生を抑制する
ために燃料タンク内の圧力を所定の正圧に維持し、且つ
給油時に蒸発燃料が外部に放出されるのを防止するため
に少なくとも給油口を含む領域が低い圧力に維持される
ようにした蒸発燃料処理装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による蒸発燃料処理装置は、燃料タンクの上部か
ら底部近くまで延びる隔壁によって燃料タンクを給油口
を含む第１の室と該給油口を含まない第２の室とに分離
し、該第１の室及び該第２の室をそれぞれ第１の導管及
び第２導管によって蒸発燃料を吸着するキャニスタに接
続し、該第２の導管に該第２の室を所定の正圧に維持す
る弁を設けるとともに、該第１の室を該第２の所定の圧
力よりも低い圧力に維持するようにしたことを特徴とす
るものある。

〔作用〕

上記構成においては、燃料タンク内の第２の室が所定の
正圧に維持され、非給油時に蒸発燃料の発生抑制する。
第１の室は第２の室の所定の圧力よりも低い圧力に維持
される。給油口は第１の室に含まれ、第１の室の圧力が
低く維持されているので、給油時にフィラーキャップを
開けても蒸発燃料が外部に放出されなくなる。

〔実施例〕

第１図を参照すると、10はエンジン、12はエンジンに通
じる吸気通路、14は吸気通路14に配置されるスロットル
弁である。スロットル弁16の下流側にパージポート16が
設けられる。

燃料タンク18は隔壁20によって燃料タンク18を給油管22
を含む第１の室24と給油口22を含まない第２の室26とに
分離される。隔壁20は燃料タンク18の上部から底部近く
まで延び、第１の室24と第２の室26とは底部において連
通している。給油管22は燃料タンク18の頂部よりも高い
位置まで延び、口部にフィラーキャップ28が取りつけら
れる。第１の室24は第２の室26より小さい油面を有して
いる。

第１図に示す実施例においては、エバポ用のキャニスタ
30と、このエバポ用のキャニスタ30よりも大容量のベー
パーリカバリ用のキャニスタ32とが設けられる。燃料タ
ンク18の第１の室24は第１の導管34によって大容量のベ
ーパーリカバリ用のキャニスタ32に接続され、第２の室
26は第２の導管36によってエバポ用のキャニスタ30に接
続される。また、第３の導管38が第１の導管34と第２の
導管36との間を接続する。電磁切り換え弁40が第１の導
管34と第３の導管38との連結部に配置され、燃料タンク
18の第２の室26をエバポ用のキャニスタ30とベーパーリ
カバリ用のキャニスタ32の一方に選択的に接続すること
ができるようになっている。電磁切り換え弁40はフィラ
ーキャップ28の開閉を検出するスイッチ29等のセンサか
らの信号によって作動され、フィラーキャップ28が閉じ
ている非給油時には燃料タンク18の第２の室26をエバポ
用のキャニスタ30と接続し、フィラーキャップ28が開い
ている給油時には燃料タンク18の第２の室26をベーパー
リカバリ用のキャニスタ32に接続する。

エバポ用のキャニスタ30の第２の導管36の終端部にはチ
ェック弁42が配置される。チェック弁42は燃料タンク18
の第２の室26の蒸発燃料の圧力が所定値以上になったと
きに開いて、蒸発燃料がエバポ用のキャニスタ30に吸着
される。また、チェック弁42と並列に逆向きの補助チェ
ック弁44が配置され、燃料の減少によって燃料タンク18
が過度の負圧にならないようになっている。一方、第１
の導管34の途中にはチェック弁46が配置される。このチ
ェック弁46は燃料タンク18の第１の室24からベーパーリ
カバリ用のキャニスタ32へ向かう蒸発燃料の流れを許容
するが、このチェック弁46のスプリングのセット圧は第
２の導管36のチェック弁42のスプリングのセット圧より
もかなり低く、燃料タンク18の第１の室24の蒸発燃料の
圧力を大気圧に近い値に維持するようになっている。さ
らに、エバポ用のキャニスタ30と、ベーパーリカバリ用
のキャニスタ32はそれぞれ空気吸入口48,50を有すると
ともに、それぞれにチェック弁52a,54aを有する排出導
管52,54及び共通の排出導管56によってパージポート16
に接続される。それぞれの排出導管52,54には流量制御
のための絞り58,60が設けられ、排出導管56にはパージ
制御弁62が設けられる。パージ制御弁62は水温感知弁64
を介して負圧を供給される負圧作動式の弁であり、エン
ジン負圧及び水温が所定値以上のときに開弁する。

以上の構成において、フィラーキャップ28が閉じている
非給油時には電磁切り換え弁40が燃料タンク18の第２の
室26をエバポ用のキャニスタ30と接続する。従って、燃
料タンク18の第２の室26で所定の圧力になった蒸発燃料
はエバポ用のキャニスタ30に吸着され、第２の室26を所
定の圧力に維持することによって第２の室26で蒸発する
燃料の量を抑制する。一方、燃料タンク18の第１の室24
は第２の室26よりも油面が小さいので燃料の蒸発量が少
く、低い圧力に維持される。この第１の室24と第２の室
26との間の圧力差は第１の室24と第２の室26との間の油
面レベルの差によって維持される。

給油時にフィラーキャップ28が開かれると、第１の室24
は大気圧に近い比較的に低い圧力に維持されているの
で、非給油時に第１の室24に存在していた蒸発燃料が給
油管22から外部に放出されない。非給油時に第２の室26
に存在していた蒸発燃料は隔壁20によって遮られて給油
管22から外部に放出されない。そして、給気管22は給油
ノズルの挿入時に給油ノズルによってシールされる。ま
た、給油時には電磁切り換え弁40が第２の室26をベーパ
ーリカバリ用のキャニスタ32に接続する。従って、給油
中に発生する全ての蒸発燃料がベーパーリカバリ用のキ
ャニスタ32に吸着される。さらに、給油の終了とともに
フィラーキャップ28が閉じられると、電磁切り換え弁40
が燃料タンク18の第２の室26をエバポ用のキャニスタ30
と接続する。そして、チェック弁46は給油中に蒸発燃料
が第２の室26から第１の室24へ逆流するのを防止すると
ともに、給油後にベーパーリカバリ用のキャニスタ32か
ら第１の室24へ逆流するのを防止する。

このようにしてエバポ用のキャニスタ30とベーパーリカ
バリ用のキャニスタ32とを別々に設けることによって、
比較的に大容量のベーパーリカバリ用のキャニスタ32で
給油時に比較的に大量に発生する蒸発燃料を吸着して次
の給油時までに徐々にパージすることができ、比較的に
小容量のエバポ用のキャニスタ30で次々に発生する蒸発
燃料を吸着し且つ短時間でパージを行うようにすること
ができる。

第２図は本考案の第２実施例を示し、キャニスタ31が１
個だけ設けられた例を示す図である。燃料タンク18は隔
壁20によって第１の室24と第２の室26に分離され、隔壁
20は燃料タンク18の上壁及び側壁と二重壁状に形成され
る。隔壁20は燃料タンク18の底部まで延びているが、底
部近くに穴20aが設けられ、これらの穴20aによって第１
の室24と第２の室26が連通する。給油管22は第１の室24
に設けられ、第１の導管34によってキャニスタ31に接続
される。この第１の導管34には弁類はなく、第１の室24
はキャニスタ31の空気吸入口49を介して大気に通じてい
る。第２の室26は第２の導管36によってキャニスタ31に
接続される。第２の導管36の終端部には第２の室26の蒸
発燃料の圧力を所定値に維持するチェック弁42と燃料タ
ンク18内が負圧になるのを防止する補助チェック弁44と
が設けられる。この構成においては第１実施例の電磁切
り換え弁40がないので、給油時及び非給油時ともに、第
１の室24と第２の室26で発生した蒸発燃料は全てキャニ
スタ31に吸着される。特に、第１の室24は常時大気圧に
維持されているので、給油時にフィラーキャップ28が開
かれるとき、第１の室24に存在していた蒸発燃料が給油
管22から外部に放出されない。

第３図は、燃料タンク18の隔壁20を給油管22を内方に延
長して形成した例を示す図である。また、第１の導管34
は第１の室24の一部としての給油管22に連結され、それ
からキャニスタ32（31）に接続される。第２の室26は第
２の導管36によってキャニスタ30（31）に接続される。
この場合にも、第２の室26は所定の正圧に維持され、第
１の室24は第２の室よりも低い圧力、又は大気圧に維持
される。

第４図は、燃料タンク18の第１の室24に連結される第１
の導管34が燃料タンク18の上壁に連結されるとともに、
補助導管34aが給油管22の上方部と第１の導管34とを連
結して設けられる例を示す図である。この場合にも、第
２の室26は所定の正圧に維持され、第１の室24は第２の
室よりも低い圧力、又は大気圧に維持される。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、燃料タンクの上
部から底部近くまで延びる隔壁によって燃料タンクを給
油口を含む第１の室と該給油口を含まない第２の室とに
分離し、該第１の室及び該第２の室をそれぞれ第１の導
管及び第２の導管によって蒸発燃料を吸着するキャニス
タに接続し、該第２の導管に該第２の室を所定の正圧に
維持する弁を設けるとともに、該第１の室を該第２の室
の所定の圧力よりも低い圧力に維持するようにしたの
で、非給油時に蒸発燃料の発生を抑制してキャニスタの
容量を大きくする必要がなく、且つ給油時にフィラーキ
ャップを開けても蒸発燃料が外部へ放出されなくなると
いう効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の蒸発燃料処理装置を示す
構成図、第２図は第２実施例を示す構成図、第３図は燃
料タンクの隔壁の変形例を示す断面図、第４図は燃料タ
ンクの第１の室に連結される第１の導管の変形例を示す
断面図である。 18…燃料タンク、20…隔壁、22…給油管、24…第１の
室、26…第２の室、28…フィラーキャップ、30,32…キ
ャニスタ、34,36…導管、40…切り換え弁、42…チェッ
ク弁。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】燃料タンクの上部から底部近くまで延びる
隔壁によって燃料タンクを給油口を含む第１の室と該給
油口を含まない第２の室とに分離し、該第１の室及び該
第２の室をそれぞれ第１の導管及び第２の導管によって
蒸発燃料を吸着するキャニスタに接続し、該第２の導管
に該第２の室を所定の正圧に維持する弁を設けるととも
に、該第１の室を該第２の室の所定の圧力よりも低い圧
力に維持するようにした蒸発燃料処理装置。