JPH07117731B2 - 形成される色素の分光吸収特性が良好なハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

形成される色素の分光吸収特性が良好なハロゲン化銀写真感光材料

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JPH07117731B2
JPH07117731B2 JP62066277A JP6627787A JPH07117731B2 JP H07117731 B2 JPH07117731 B2 JP H07117731B2 JP 62066277 A JP62066277 A JP 62066277A JP 6627787 A JP6627787 A JP 6627787A JP H07117731 B2 JPH07117731 B2 JP H07117731B2
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    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/32Colour coupling substances
    • G03C7/3225Combination of couplers of different kinds, e.g. yellow and magenta couplers in a same layer or in different layers of the photographic material

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、形成される色素の分光吸収特性が良好で色再
現性に優れ、しかも画像保存性に優れ、高い最高濃度が
得られるハロゲン化銀写真感光材料に関するものであ
る。
[発明の背景] 直接鑑賞用に供されるハロゲン化銀写真感光材料、特に
カラー印画紙などに於いては、発色色素を形成するカプ
ラーとして通常イエローカプラー、マゼンタカプラー、
及びシアンカプラーの組合せが用いられている。このう
ちマゼンタカプラーとしては近年ピラゾロアゾール系マ
ゼンタカプラーが開発されている。
ピラゾロアゾール系マゼンタカプラーは、従来用いられ
ている5−ピラゾロン系マゼンタカプラーと異なり、形
成される発色色素が430nm付近に副吸収を持たないた
め、色再現性において有利であるという特徴を有してい
る。
一方、通常上記マゼンタカプラーと共に用いられるイエ
ローカプラーは、形成される発色色素の極大吸収波長が
色再現性の点から好ましい吸収特性に対して、一般に長
波長側に位置しており、また、500nmを越える長波長領
域における吸収がシャープに零に減少しないという欠点
を有している。
従って、このようなハロゲン化銀写真感光材料において
ピラゾロアゾール系カプラーをマゼンタカプラーとして
用いたとしても、イエローカプラーの上記の如き欠点の
ため、黄、緑、イエローグリーン(黄緑)等の色相に対
しては十分な色再現性を得ることができないという問題
点を有していた。このため、形成される発色色素の極大
吸収波長が更に短波側に位置し、かつ500nmを越える長
波長領域における吸収がシャープに零に減少するイエロ
ーカプラーが要請されている。
上述の如く、全ての色相に対して総合的に色再現性の優
れたハロゲン化銀写真感光材料は未だ見出されていない
のが実状である。
[発明の目的] 本発明の目的は、形成される色素の分光吸収特性が改良
され、この結果すべての色相における色再現性に優れ、
なおかつ色素画像の保存性および発色性に優れたハロゲ
ン化銀写真感光材料を提供することにある。
[発明の構成] 本発明の上記目的は、支持体上に青感性ハロゲン化銀乳
剤層、緑感性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン
化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも一層有するハロゲン化
銀写真感光材料において、前記緑感性ハロゲン化銀乳剤
層が下記一般式[M−I]で表されるマゼンタカプラー
の少なくとも1つを含有し、かつ前記青感性ハロゲン化
銀乳剤層が下記一般式[Y−1]で表されるイエローカ
プラーの少なくとも1つを含有するハロゲン化銀写真感
光材料によって達成される。
一般式[M−I] 式中、Zは含窒素複素環を形成する必要な非金属原子群
を表し、該Zにより形成される環は置換基を有してもよ
い。
Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との反応により
離脱しうる基を表す。
またRは水素原子又は置換基を表す。] 一般式[Y−I] [式中、R21はアルキル基またはシクロアルキル基を表
し、R22はアルキル基、またはシクロアルキル基を表
し、R23はベンゼン環に置換可能な基を表す。nは0ま
たは1を表す。R24はカルボニルまたはスルホニル単位
を有する結合基を1つ含む有機基を表し、Jは (R25は水素原子、アルキル基、アリール基または複素
環基を表す。)表す。X1は発色現像主薬の酸化体との反
応により離脱しうる基を表す。] 但し、一般式[Y−I]が下記の化合物である場合を除
く。
[発明の具体的構成] 本発明に係る前記一般式[M−I] 一般式[M−I] で表わされるマゼンタカプラーにおいて、Zは含窒素複
素環を形成するに必要な非金属原子群を表し、該Zより
形成される環は置換基を有してもよい。
Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との反応により
離脱しうる基を表す。
またRは水素原子又は置換基を表す。
Rの表す置換基としては特に制限はないが、代表的に
は、アルキル、アリール、アニリノ、アシルアミノ、ス
ルホンアミド、アルキルチオ、アリールチオ、アルケニ
ル、シクロアルキル等の各基が挙げられるが、この他に
ハロゲン原子及びシクロアルケニル、アルキニル、複素
環、スルホニル、スルフィニル、ホスホニル、アシル、
カルバモイル、スルファモイル、シアノ、アルコキシ、
アリールオキシ、複素環オキシ、シロキシ、アシルオキ
シ、カルバモイルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、イ
ミド、ウレイド、スルファモイルアミノ、アルコキシカ
ルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、ア
ルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、複素
環チオの各基、ならびにスピロ化合物残基、有橋炭化水
素化合物残基等も挙げられる。
Rで表されるアルキル基としては、炭素数1〜32のもの
が好ましく、直鎖でも分岐でもよい。
Rで表されるアリール基としては、フェニル基が好まし
い。
Rで表されるアシルアミノ基としては、アルキルカルボ
ニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基等が挙げら
れる。
Rで表されるスルホンアミド基としては、アルキルスル
ホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基等が挙げ
られる。
Rで表されるアルキルチオ基、アリールチオ基における
アルキル成分、アリール成分は上記Rで表されるアルキ
ル基、アリール基が挙げられる。
Rで表されるアルケニル基としては、炭素数2〜32のも
の、シクロアルキル基としては炭素数3〜12、特に5〜
7のものが好ましく、アルケニル基は直鎖でも分岐でも
よい。
Rで表されるシクロアルケニル基としては、炭素数3〜
12、特に5〜7のものが好ましい。
Rで表されるスルホニル基としてはアルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基等; スルフィニル基としてはアルキルスルフィニル基、アリ
ールスルフィニル基等; ホスホニル基としてはアルキルホスホニル基、アルコキ
シホスホニル基、アリールオキシホスホニル基、アリー
ルホスホニル基等; アシル基としてはアルキルカルボニル基、アリールカル
ボニル基等; カルバモイル基としてはアルキルカルバモイル基、アリ
ールカルバモイル基等; スルファモイル基としてはアルキルスルファモイル基、
アリールスルファモイル基等; アシルオキシ基としてはアルキルカルボニルオキシ基、
アリールカルボニルオキシ基等; カルバモイルオキシ基としてはアルキルカルバモイルオ
キシ基、アリールカルバモイルオキシ基等; ウレイド基としてはアルキルウレイド基、アリールウレ
イド基等; スルファモイルアミノ基としてはアルキルスルファモイ
ルアミノ基、アリールスルファモイルアミノ基等; 複素環基としては5〜7員のものが好ましく、具体的に
は2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル
基、2−ベンゾチアゾリル基等; 複素環オキシ基としては5〜7員の複素環を有するもの
が好ましく、例えば3,4,5,6−テトラヒドロピラニル−
2−オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ
基等; 複素環チオ基としては、5〜7員の複素環チオ基が好ま
しく、例えば2−ピリジルチオ基、2−ベンゾチアゾリ
ルチオ基、2,4−ジフェノキシ−1,3,5−トリアゾール−
6−チオ基等; シロキシ基としてはトリメチルシロキシ基、トリエチル
シロキシ基、ジメチルブチルシロキシ基等; イミド基としてはコハク酸イミド基、3−ヘプタデシル
コハク酸イミド基、フタルイミド基、グルタルイミド基
等; スピロ化合物残基としてはスピロ[3.3]ヘプタン−1
−イル等; 有橋炭化水素化合物残基としてはビシクロ[2.2.1]ヘ
プタン−1−イル、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン−
1−イル、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン
−1−イル等が挙げられる。
Xの表す発色現像主薬の酸化体との反応により離脱しう
る基としては、例えばハロゲン原子(塩素原子、臭素原
子、弗素原子等)及びアルコキシ、アリールオキシ、複
素環オキシ、アシルオキシ、スルホニルオキシ、アルコ
キシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、ア
ルキルオキザリルオキシ、アルコキシオキザリルオキ
シ、アルキルチオ、アリールチオ、複素環チオ、アルキ
ルオキシチオカルボニルチオ、アシルアミノ、スルホン
アミド、N原子で結合した含窒素複素環、アルキルオキ
シカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミ
ノ、カルボキシル、 (R1′は前記Rと同義であり、Z′は前記Zと同義であ
り、R2′及びR3′は水素原子、アリール基、アルキル基
又は複素環基を表す。)等の各基が挙げられるが、好ま
しくはハロゲン原子、特に塩素原子である。
またZ又はZ′により形成される含窒素複素環として
は、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環又
はテトラゾール環等が挙げられ、前記環が有してもよい
置換基としては前記Rについて述べたものが挙げられ
る。
一般式[M−I]で表されるものは更に具体的には例え
ば下記一般式[M−II]〜[M−VII]により表され
る。
前記一般式[M−II]〜[M−VII]においてR1〜R8
びXは前記R及びXと同義である。
又、一般式[M−I]の中でも好ましいものは、下記一
般式[M−VII]で表されるものである。
一般式[M−VIII] 式R1,X及びZ1は一般式[M−I]におけるR,X及びZと
同義である。
前記一般式[M−II]〜[M−VII]で表されるマゼン
タカプラーの中で特に好ましいものは一般式[M−II]
で表されるマゼンタカプラーである。
前記複素環上の置換基R及びR1として最も好ましいの
は、下記一般式[M−IX]により表されるものである。
一般式[M−IX] 式中R9,R10及びR11はそれぞれ前記Rと同義である。
又、前記R9,R10及びR11の中の2つたとえばR9とR10
結合して飽和又は不飽和の環(例えばシクロアルカン、
シクロアルケン、複素環)を形成してもよく、更に該環
にR11が結合して有橋炭化水素化合物残基を構成しても
よい。
一般式[M−IX]の中でも好ましいのは、(i)R9〜R
11の中の少なくとも2つがアルキル基の場合、(ii)R9
〜R11の中の1つ例えばR11が水素原子であって、他の2
つR9とR10が結合して根元炭素原子と共にシクロアルキ
ルを形成する場合、である。
更に(i)の中でも好ましいものは、R9〜R11の中の2
つがアルキル基であって、他の1つが水素原子又はアル
キル基の場合である。
又、一般式[M−I]におけるZにより形成される環及
び一般式[M−VIII]におけるZ1により形成される環が
有してもよい置換基、並びに一般式[M−II]〜[M−
VI]におけるR2〜R8としては下記一般式[M−X]で表
されるものが好ましい。
一般式[M−X] −R1−SO2−R2 式中R1はアルキレン基を、R2はアルキル基、シクロアル
キル基又はアリール基を表す。
R1で示されるアルキレン基は好ましくは直鎖部分の炭素
数が2以上、より好ましくは3ないし6であり、直鎖、
分岐を問わない。
R2で示されるシクロアルキル基としては5〜6員のもの
が好ましい。
以下に本発明に係る化合物の代表的具体例を示す。
以上の本発明に係る化合物の代表的具体例の他に、本発
明に係る化合物の具体例としては特願昭61-9791号明細
書の第66頁〜122頁に記載されている化合物の中で、No.
1〜4,6,8〜17,19〜24,26〜43,45〜59、61〜104,106〜12
1,123〜162,164〜223で示される化合物を挙げることが
できる。
前記一般式[M−1]で表されるマゼンタカプラー(以
下、本発明のマゼンタカプラーという)はジャーナル・
オブ・ザ・ケミカル・ソサイアティ(Jouranl of the C
hemical Society),パーキン(Perkin)I(1977),20
47〜2052、米国特許第3,725,067号、特開昭59-99437
号、同58-42045号、同59-162548号、同59-171956号、同
60-33552号、同60-43659号、同60-172982号及び同60-19
0779号等を参考にして当業者ならば容易に合成すること
ができる。
本発明のマゼンタカプラーは通常ハロゲン化銀1モル当
り1×10-3モル〜1モル、好ましくは1×10-2モル〜8
×10-1モルの範囲で用いることができる。
また本発明マゼンタカプラーは1種または2種以上を組
み合わせて用いることができ、また他の種類のマゼンタ
カプラーと併用することもできる。
次に前記一般式[Y−I]で表されるイエローカプラー
について説明する。
前記一般式[Y−I]において、R21で表されるアルキ
ル基としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピ
ル基、t−ブチル基、ドデシル基等が挙げられる。これ
らR21で表されるアルキル基にはさらに置換基を有する
ものも含まれ、置換基としては例えばハロゲン原子、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
スルホニル基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロ
キシ基が挙げられる。
R21で表されるシクロアルキル基としては、シクロプロ
ピル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等が挙げら
れる。
R21として好ましくは、分岐のアルキル基である。
一般式[Y−I]において、R22で表されるアルキル
基、シクロアルキル基としてはR21と同様の基が挙げら
れる。これらR22で表されるアルキル基、シクロアルキ
ル基にはR21と同様の置換基を有するものも含まれる。R
22として好ましくは、アルキル基である。
一般式[Y−I]において、R23で表されるベンゼン環
に置換可能な基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原
子)、アルキル基(例えばエチル基、i−プロピル基、
t−ブチル基)、アルコキシ基(例えばメトキシ基)、
アリールオキシ基(例えばフェニルオキシ基)、アシル
オキシ基(例えばメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイ
ルオキシ基)、アシルアミノ基(例えばアセトアミド
基、フェニルカルボニルアミノ基)、カルバモイル基
(例えばN−メチルカルバモイル基、N−フェニルカル
バモイル基)、アルキルスルホンアミド基(例えばエチ
ルスルホニルアミノ基)、アリールスルホンアミド基
(例えばフェニルスルホニルアミノ基)、スルファモイ
ル基(例えばN−プロピルスルファモイル基、N−フェ
ニルスルファモイル基)およびイミド基(例えばコハク
酸イミド基、グルタルイミド基)などが挙げられる。n
は0または1を表す。
一般式[Y−I]において、R24はカルビニルまたはス
ルホニル単位を有する結合基を1つ含む有機基を表す。
カルボニル単位を有する基としては、エステル基、アミ
ド基、カルバモイル基、ウレイド基、ウレタン基等が挙
げられ、スルホニル単位を有する基としては、スルホン
基、スルホンアミド基、スルファモイル基、アミノスル
ホンアミド基等が挙げられる。
Jは を表し、R25は水素原子、アルキル基、アリール基また
は複素環基を表す。
R25で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、t−ブチル基、ドデシル基等が挙
げられる。またR25で表されるアリール基としては、フ
ェニル基またはナフチル基等が挙げられる。
これらR25で表されるアルキル基、アリール基または複
素環基は、置換基を有するものも含まれる。
一般式[Y−I]において、X1は発色現像主薬の酸化体
との反応により離脱しうる基を表すが、例えば下記一般
式[Y−II]または[Y−III]で表される基を表す。
−OR26 [Y−II] 一般式[Y−II]において、R26は置換基を有するもの
も含むアリール基またはヘテロ環基を表す。
一般式[Y−III]において、Z1は窒素原子と共同して
5乃至6員環を形成するのに必要な非金属原子群を表
す。ここで非金属原子群を形成するのに必要な原子団と
しては、例えばメチレン、メチン、置換メチン、C=
O、−NH−、−N=、−O−、−S−、−SO2−等が挙
げられる。
前記一般式[Y−I]で表される2当量イエローカプラ
ーはR21、R23またはR24部で結合してビス体を形成して
もよい。
本発明の2当量イエローカプラーとして好ましいもの
は、下記一般式[Y−IV]で表される。
一般式[Y−IV] 一般式[Y−IV]において、R21、R22、R23及びJは一般
式[Y−I]におけるR21、R22、R23及びJと同様の基を
表す。nは0または1を表す。R27はアルキレン基、ア
リーレン基、アルキレンアリーレン基、アリーレンアル
キレン基または−A−V1−B−(A及びBはそれぞれ、
アルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基
またはアリーレンアルキレン基を表し、V1は−O−,−
S−等の2価の連結基を表す)を表し、R28はアルキル
基、シクロアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を
表す。Pはカルボニルまたはスルホニル単位を有する結
合基を表す。X2はX1と同様である。
前記一般式[Y−IV]において、Pはカルボニルまたは
スルホニル単位を有する結合基を表すが、好ましくは下
記群[Y−V]で示される基を表す。
群[Y−V] 式中、R′及びR″は水素原子、アルキル基、アリール
基、ヘテロ環基を表し、R′及びR″は同じでも異って
いてもよい。
R′及びR″で表される基としては、前記R25と同様の
基を挙げることができ、また、これらの基にはR25と同
様の置換基を有するものも含まれる。R′及びR″とし
て好ましくは水素原子である。
前記一般式[Y−IV]において、X2はカップリング離脱
基であるが、好ましくは下記一般式[Y−IV]〜[Y−
VII]で表される基を表す。
R29はカルボキシル基、エステル基、アシル基、アルキ
ルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヒドロキシ基
または前記R23で示された基と同様の置換基を表し、l
は1〜5の整数を表す。lが2以上のときR29は同じで
あっても異っていてもよい。
R30、R31はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロ環基、カルボン
酸エステル基、アミノ基、アシルアミノ基、アルキルス
ルホニル基、アリールスルホニル基、アルキルスルフィ
ニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホンア
ミド基、アリールスルホンアミド基、カルボン酸基を表
し、これらの基は同じであっても異なっていてもよい。
また、R30及びR31で環を形成してもよい。
Z2、Z3はヘテロ原子を表し、R32、R33、R34は上記R30
びR31と同様の基を表す。
R35はアルキル基、アリール基、アルキルカルボニル
基、アリールカルボニル基、アルキルスルホニル基また
はアリールスルホニル基を表す。
Yはヘテロ原子(例えば、−NH−、−N=、−O−、−
S−など)、スルホニル基、カルボニル基または で示される炭素原子を表し、Z4は−Y−N−CO−と共同
して5乃至6員環を形成するのに必要な非金属原子群を
表す。
R36、R37、R38は、前記R30及びR31と同様な基を表す。
また、R36、R37、R38は、Z4の一部と共同して環を形成
してもよい。
前記一般式[Y−IV]で表される2当量イエローカプラ
ーはR21、R23またはバラスト基で結合してビス体を形成
してもよい。
次に本発明に用いられる一般式[Y−I]で表されるイ
エローカプラーの代表的具体例を示すが、本発明はこれ
によって限定されるものではない。
本発明のイエローカプラーは従来公知の方法により合成
することができるが、特に特願昭61-269216号明細書第2
7〜33頁の合成方法に従って合成することができる。
本発明のイエローカプラーは1種または2種以上を組み
合わせて用いることができ、また別の種類のイエローカ
プラーと併用することもできる。
また、本発明のハロゲン化銀写真感光材料においてはハ
ロゲン化銀1モル当たり本発明のイエローカプラーを10
〜300g添加することが好ましいが、必要に応じて適宜変
更するとができる。
本発明のマゼンタカプラー、およびイエローカプラー
は、固体分散法、ラテックス分散法、水中油滴型乳化分
散法等種々の方法を用いてハロゲン化銀写真感光材料へ
添加することができる。例えば水中油滴型乳化分散法
は、マゼンタカプラー、イエローカプラー等の疏水性添
加物を通常、トリクレジルホスフェート、ジブチルフタ
レート等の沸点約150℃以上の高沸点有機溶媒に、必要
に応じ酢酸エチル、プロピル酸ブチル等の低沸点、及び
/または水溶性有機溶媒を併用して溶解し、ゼラチン水
溶液などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて乳
化分散した後、目的とする親水性コロイド層中に添加す
ればよい。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、例えばカラーの
ネガ及びポジフィルム、ならびにカラー印画紙などに適
用することができるが、とりわけ直接鑑賞用に供される
カラー印画紙に適用した場合に本発明の効果が有効に発
揮される。
このカラー印画紙をはじめとする本発明のハロゲン化銀
写真感光材料は、減色法色再現を行うために、写真用カ
プラーとして、本発明のマゼンタ、イエローカプラー、
及び公知のシアンカプラーをそれぞれ含有する緑感性、
青感性及び赤感性のハロゲン化銀乳剤層ならびに非感性
層が支持体上に適宜の層数及び層順で積層した構造を有
しているが、該層数及び層順は重点性能、使用目的によ
って適宜変更しても良い。
本発明のイエローカプラーと併用し得るイエローカプラ
ーとしては、ベンゾイルアセトアニリド系及びピバロイ
ルアセトアニリド系化合物などを挙げることができ、本
発明のマゼンタカプラーと併用し得るマゼンタカプラー
としてはピラゾロン系、ピラゾロベンツイミダゾール系
及び開鎖アシルアセトニトリル系カプラーが挙げられ
る。
また、本発明の写真感光材料に用いることのできるシア
ンカプラーとしては、フェノール系化合物、ナフトール
系化合物などを挙げることができ、その具体例は、米国
特許2,369,929号、同2,434,272号、同2,474,293号、同
2,521,908号、同2,895,826号、同3,034,892号、同3,31
1,476号、同3,458,315号、同3,476,563号、同3,583,971
号、同3,591,383号、同3,767,411号、同4,004,929号、
西独特許出願(OLS)2,414,830号、同2,454,329号、特
開昭48-59838号、同51-26034号、同48-5055号、同51-14
6828号、同52-69624号、同52-90932号などに記載されて
いる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられるハロゲ
ン化銀乳剤(以下本発明のハロゲン化銀乳剤という。)
には、ハロゲン化銀として臭化銀、沃臭化銀、沃塩化
銀、塩臭化銀、及び塩化銀等の通常のハロゲン化銀乳剤
に使用される任意のものを用いることが出来る。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、硫黄増感法、セレン増感
法、還元増感法、貴金属増感法などにより化学増感され
る。
本発明のハロゲン化銀乳剤は、写真業界において、増感
色素として知られている色素を用いて、所望の波長域に
光学的に増感できる。
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、色カブリ防止
剤、硬膜剤、可塑剤、ポリマーラテックス、紫外線吸収
剤、ホルマリンスカベンジャー、媒染剤、現像促進剤、
現像遅延剤、蛍光増白剤、マット剤、滑剤、帯電防止
剤、界面活性剤等を任意に用いることができる。
なお、本発明のイエローカプラーを含有せしめたハロゲ
ン化銀写真感光材料には紫外線吸収剤を含有せしめるこ
とにより、黄色画像の耐久性を更に向上させることがで
きる。
本発明においては、当業界で用いられる任意の処理を行
うことができ、例えば白色現像処理、漂白、定着あるい
は漂白定着、安定、水洗、停止等の処理を行うことがで
きる。
[発明の具体的効果] 本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、本発明のマゼン
タカプラーと本発明のイエローカプラーを含有すること
により、実用上十分な画像保存性及び発色性を保ちなが
ら、かつ形成されるマゼンタ色素およびイエロー色素の
分光吸収特性を改良し、その結果あらゆる色相について
色再現性を大幅に向上させることができる。
[実施例] 以下に本発明の具体的実施例を述べるが、本発明の実施
の態様はこれらに限定されない。
実施例−1(ハロゲン化銀乳剤の調製) 中性法、同時混合法により、表−1に示す3種類のハロ
ゲン化銀乳剤を調製した。
それぞれのハロゲン化銀乳剤は化学増感終了後に乳剤安
定剤として下記に示すSTB−1をハロゲン化銀1モル当
り、5×10-3モル添加した。
(ハロゲン化銀カラー写真感光材料試料の作製) 次いで以下の層1〜7を両面をポリエチレンで被覆した
紙支持体上に順次塗設(同時塗布)し、ハロゲン化銀カ
ラー写真感光材料1〜15を作製した。(なお、以下の実
施例において、添加量は感光材料1m2当りの量で示
す。) 層1……ゼラチン(1.2g)と0.29g(銀換算、以下同
じ)の青感光性ハロゲン化銀乳剤(Em−1)と1.0ミリ
モルの表−2に示すイエローカプラー、0.3gの光安定剤
ST−1及び0.015gの2,5−ジオクチルハイドロキノン(H
Q−1)を溶解した0.3gのジノニルフタレート(DNP)と
を含有している層。
層2……ゼラチン(0.9g)と0.04gのHQ−1を溶解した
0.2gのDOP(ジオクチルフタレート)とを含有している
層。
層3……ゼラチン(1.4g)と0.2gの緑感光性ハロゲン化
銀乳剤(Em−2)と0.9gミリモルの表−2に示すマゼン
タカプラー、0.25gの光安定剤ST−2,0.3gのST−3およ
び0.01gのHQ−1を溶解した0.3gのDOPと6mgの下記フィ
ルター染料AI−1とを含有している層。
層4……ゼラチン(1.2g)と下記の0.6gの紫外線吸収剤
UV−1及び0.05gのHQ−1を溶解した0.3gのDNPとを含有
している層。
層5……ゼラチン(1.4g)と0.20gの赤感光性ハロゲン
化銀乳剤(Em−3)と、0.54gのシアンカプラー(C−
1)、0.01gのHQ−1及び0.3gのST−1を溶解した0.3g
のDOPとを含有している層。
層6……ゼラチン(1.1g)と、0.2gのUV−1を溶解した
0.2gのDOPと5mgの下記フィルター染料AI−2とを含有し
ている層。
層7……ゼラチン(1.0g)と、0.05gの2,4−ジクロロ−
6−ヒドロキシトリアジンナトリウムとを含有している
層。
得られた試料を感光計KS−7型(小西六写真工業社製)
を使用して青、緑、赤それぞれの単色光によりウエッジ
露光し、以下の発色現像処理工程にしたがって処理した
後、光学濃度計(小西六写真工業社製PDA−65型)を用
いて緑感光性乳剤層および青感光性乳剤層の最高濃度
(Dmax)を測定した。
また、得られた試料をフェードメーターにて15日間退色
テストを行ない、初濃度1.0における色素画像の残存率
(%)を青感光性乳剤層および緑感光性乳剤層について
求めることにより耐光性を評価した。
また、カラーチェッカー(マクベス社製)をサクラカラ
ーSRV−100(小西六写真工業社製)により撮影・現像し
て得られたネガフィルムをグレー部の色調を合わせた
後、上記の得られた試料にプリントし、各色相における
色再現性を評価した。
結果を表−2に示す。
[処理工程] 温度 時間 発色現像 34.7±0.3℃ 45秒 漂白定着 34.7±0.5℃ 50秒 安定化 30〜34℃ 90秒 乾 燥 60〜80℃ 60秒 [発色現像液] 純水 800ml トリエタノールアミン 8g N,N−ジエチルヒドロキシアミン 5g 塩化カリウム 2g N−エチル−N−β−メタンスル ホンアミドエチル−3−メチル− 4−アミノアニリン硫酸塩 5g テトラポリリン酸ナトリウム 2g 炭酸カリウム 30g 亜硫酸カリウム 0.2g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノ スチルベンジスルホン酸誘導体) 1g 純水を加えて全量を1とし、pH10.2に調製する。
[漂白定着液] エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄 アンモニウム2水塩 60g エチレンジアミンテトラ酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%溶液) 27.5ml 炭酸カリウム又は氷酢酸でpH5.7に調整し水を加えて全
量を1とする。
[安定化液] 5−クロロ−2−メチル−4− イソチアゾリン−3−オン 1g 1−ヒドロキシエチルデン− 1,1−ジホスホン酸 2g 水を加えて1とし、硫酸又は水酸化カリウムにてpHを
7.0に調整する。
表−2の結果からも明らかなように、本発明外のイエロ
ーカプラー、マゼンタカプラーを用いた試料No.1に対し
て、マゼンタカプラーのみを本発明のピラゾロアゾール
系カプラーに変えた試料No.2は青、緑、赤、マゼンタの
各色相に対して色再現性の向上が認められ、またイエロ
ーカプラーのみを本発明のカプラーに変えた試料No.3は
緑、黄、イエローグリーン(黄緑)の各色相に対して色
再現性の向上が認められるが、いずれの場合においても
色再現の不十分な色相を有しており、総合的に色再現性
に優れた写真感光材料とは言い難い。
これに対し、マゼンタカプラー、イエローカプラーとも
に本発明のカプラーを用いた試料No.4〜15はすべての色
相に対して優れた色再現性を有しており、本発明の効果
が優れていることがわかる。
更に、表−2より明らかなように、本発明のマゼンタカ
プラーと本発明のイエローカプラーを組み合わせ用いた
試料No.4〜15は、本発明外のマゼンタカプラーおよび/
または本発明外のイエローカプラーを用いた比較試料N
o.1〜3に比較して十分な最高濃度を有し、更に耐光性
も同等以上であることがわかる。
比較例 実施例1の試料No.4について、層1のイエローカプラー
3に代えて等モルの比較カプラーYY−2、およびYY−3
を使用して比較試料16および比較試料17を作成し、前記
実施例1と同様の評価を行った。結果を表−3に示す。
表−3から明らかなように本発明外の比較カプラーYY−
2およびYY−3を用いた試料は青感性乳剤層の最高濃度
が低く、また生成するイエロー画像色素の耐光性が低
く、さらに緑、黄、イエローグリーン(黄緑)の各色相
に対する色再現性が不十分である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−151647(JP,A) 特開 昭62−38463(JP,A) 特開 昭63−41854(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に青感性ハロゲン化銀乳剤層、緑
    感性ハロゲン化銀乳剤層および赤感性ハロゲン化銀乳剤
    層をそれぞれ少なくとも一層有するハロゲン化銀写真感
    光材料において、前記緑感性ハロゲン化銀乳剤層が下記
    一般式[M−1]で表されるマゼンタカプラーの少なく
    とも1つを含有し、かつ前記青感性ハロゲン化銀乳剤層
    が下記一般式[Y−1]で表されるイエローカプラーの
    少なくとも1つを含有することを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料。 一般式[M−I] [式中、Zは含窒素複素環を形成するに必要な非金属原
    子群を表し、該Zにより形成される環は置換基を有して
    もよい。 Xは水素原子又は発色現像主薬の酸化体との反応により
    離脱しうる基を表す。 またRは水素原子又は置換基を表す。] 一般式[Y−I] [式中、R21はアルキル基又はシクロアルキル基を表
    し、R22はアルキル基又はシクロアルキル基を表し、R23
    はベンゼン環に置換可能な基を表す。nは0又は1を表
    す。R24はカルボニルまたはスルホニル単位を有する結
    合基を1つ含む有機基を表し、Jは (R25は水素原子、アルキル基、アリール基又は複素環
    基を表す。)を表す。X1は発色現像主薬の酸化体との反
    応により離脱しうる基を表す。] 但し、一般式[Y−I]が下記の化合物である場合を除
    く。
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