JP5284987B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体 Download PDF

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Description

本発明は、食品容器や梱包、緩衝材として有用なポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造に用いる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に関する。また、本発明は、さらに詳しくは、成形時に使用する水蒸気の圧力が低圧であっても外観が美麗、且つ高い強度を有する発泡成形体を得ることができ、低圧成形可能なことにより、成形工程において、1ショット当たりの成形時間の短縮を可能とした発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法に関する。
本願は、2008年1月30日に日本に出願された特願2008−19000号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、食品用容器や梱包、緩衝材に用いられる発泡プラスチックとしては、優れた断熱性、経済性、衛生性をもつポリスチレン系樹脂発泡成形体が多く使用されている。
一般に、工業的に行われているポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造方法は、揮発性発泡剤等を含有した、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をスチーム等の熱媒体により加熱し、所望の嵩密度まで発泡(予備発泡)させた後、この予備発泡粒子を所望の成形形状をなすキャビティを持った成形型の該キャビティ内に充填し、このキャビティ内の予備発泡粒子をスチーム等の熱媒体により加熱して型内発泡成形し、発泡成形体とする方法が行なわれている。このとき、得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の密度はほぼ予備発泡での嵩密度と同じとなる。嵩密度の設定は、ポリスチレン系樹脂発泡成形体に要求される強度と、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が有する発泡性能によって決定される。例えば、家電品等の梱包材や魚箱等の食品容器に用いられるポリスチレン系樹脂発泡成形体は、およそ0.02〜0.017g/cmの密度のものが市場に供されている。
この成形工程において、発泡成形体の外観や強度は、スチーム等の加熱媒体温度(水蒸気の場合は加熱蒸気圧力)によって変化する。例えば、水蒸気にて加熱する場合、加熱圧力を高くすると成形体の外観、強度は向上する傾向にあるが、冷却時間が長くなるために生産性が低下し好ましくない。
更に、加熱圧力が高くなると、発泡成形体の表面が熱で融けることで、発泡成形体の外観が低下する。
逆に加熱圧力を低くして成形すると、1ショット当たりの成形時間は短かくなるが、予備発泡粒子同士の接着が弱くなり、発泡成形体の外観、強度が低下する。
このように、成形工程におけるスチームの加熱蒸気圧が低圧から高圧まで、ある程度自由に成形できることは、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の重要な特性の一つである。
一般に、ポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造における、1ショット当たりの成形時間と発泡成形体の強度との関係は、成形時間が長い場合には、高い強度を有する発泡成形体が得られ、逆に成形時間が短い場合には、発泡成形体の強度が低下する傾向が見られる。
ポリスチレン系樹脂発泡成形体の成形時間を短縮するための従来技術として、例えば、特許文献1〜5が挙げられる。
特許文献1には、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、常温で固体で60メッシュ以下の粉末状の脂肪族カルボン酸と脂肪族アルコールのエステルを被覆する方法が提案されている。この方法は、成形時間のうち、冷却時間が大幅に短縮でき、成形時間の短縮には有効であるが、強度の低下を伴なう傾向がある。
また特許文献2にはパラフィンワックスのエマルジョンを、特許文献3には流動パラフィンを、特許文献4には特定のシリコーン化合物を、特許文献5ではポリエーテルを発泡性ポリスチレン系樹脂粒子または発泡粒子表面に被覆する方法が提案されている。しかし、これらの方法も、発泡成形体としたときの強度の低下は避けられない。
特公昭58−56568号公報 特開昭60−195135号公報 特開昭51−135969号公報 特開昭52−865号公報 特開昭59−202235号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、成形時に使用する水蒸気の圧力が低圧であっても外観が美麗、且つ高い強度を有する発泡成形体を得ることができ、低圧成形可能なことにより、成形工程において、1ショット当たりの成形時間の短縮を可能とした発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の提供を目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、
(1)ポリスチレン系樹脂種粒子を水中に分散させてなる分散液中に、ポリスチレン系樹脂種粒子100質量部に対し、スチレン系単量体7.0〜80.0質量部とアクリル酸エステル系単量体2.0〜12.0質量部とを供給し、これらの単量体を種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂種粒子を成長させる第1重合工程と、
(2)次いで、該分散液中にスチレン系単量体のみを供給し、これを種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第2重合工程と、
(3)第2重合工程を行ってポリスチレン系樹脂粒子を製造した後、又はポリスチレン系樹脂粒子の成長途上で発泡剤を含浸させる工程とを行って発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。
また本発明は、スチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体との共重合体を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
ATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面を分析し得られた赤外線吸収スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(A)と、
ATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の中心部を分析し得られた赤外線吸収スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(B)とが、
(A)<(B)であり、且つ
(A)が0.05以上であること、
の関係を満たす発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供する。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記吸光度比(A)が0.05〜0.50の範囲内であり、且つ前記吸光度比(B)が0.20〜0.60の範囲内であることが好ましい。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において、前記吸光度比(A)と(B)との比(B/A)が、1.10〜3.00の範囲内であることが好ましい。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法により得られたものであることが好ましい。
また本発明は、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を嵩密度が0.01〜0.033g/cmの範囲となるように予備発泡して得られた予備発泡粒子を提供する。
また本発明は、前記予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、加熱して型内発泡成形することにより得られた発泡成形体を提供する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、成形時に使用する水蒸気の圧力が低圧であっても外観が美麗、且つ高い強度を有する発泡成形体を得ることができる。
本発明によれば、高い蒸気圧力での成形においても耐熱性低下による成形体外観の劣化が起こりにくい発泡成形体を得ることができる。
本発明によれば、成形可能な条件範囲が非常に広く、様々な成形時に要望される品質を満足する発泡成形体を提供することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及び予備発泡粒子は、従来品と比べて、発泡性能の経時変化が少なくなり、従来品よりも長期保存した後でも、十分な発泡性能を有しており、保存性に優れている。
ATR法赤外分光分析による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の吸光度比の測定において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面の吸光度測定位置を示す概略図である。 ATR法赤外分光分析による発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の吸光度比の測定において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の中心部の吸光度測定位置を示す概略図である。
符号の説明
1…発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、A…表面、B…中心部。
発明を実施するための形態
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、
(1)ポリスチレン系樹脂種粒子を水中に分散させてなる分散液中に、ポリスチレン系樹脂種粒子100質量部に対し、スチレン系単量体7.0〜80.0質量部とアクリル酸エステル系単量体2.0〜12.0質量部とを供給し、これらの単量体を種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂種粒子を成長させる第1重合工程と、
(2)次いで、該分散液中にスチレン系単量体のみを供給し、これを種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第2重合工程と、
(3)第2重合工程を行ってポリスチレン系樹脂粒子を製造した後、又はポリスチレン系樹脂粒子の成長途上で発泡剤を含浸させる工程とを行って発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得ることを特徴としている。
本発明の製造方法において、ポリスチレン系樹脂種粒子(以下、種粒子と略記する。)の材料であるポリスチレン系樹脂としては、スチレン又はスチレン誘導体の単独重合体が挙げられる。ここでスチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどが挙げられる。その他、アクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレート等のスチレンと共重合可能な単量体とスチレンとの共重合体、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールメタクリレート等の多官能性単量体を併用した前記共重合体、適量のゴム状物質を添加した樹脂などが挙げられるが、スチレン成分が50質量%以上である共重体またはスチレン単独重合体であるのが好ましい。このポリスチレン系樹脂は、重量平均分子量が15万〜40万の範囲のものが好ましい。また、種粒子は、一部又は全部に、ポリスチレン系樹脂回収品を用いることができる。
さらに、種粒子の粒径は、作製するポリスチレン系樹脂粒子の平均粒子径等に応じて適宜調整でき、例えば、平均粒子径が1.0mmのポリスチレン系樹脂粒子を作製する場合には、平均粒子径が0.4〜0.7mm程度の種粒子を用いることが好ましい。
本発明の製造方法において、スチレン系単量体としては、スチレン又はスチレン誘導体が挙げられる。ここでスチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどが挙げられる。本発明において、これらのスチレン系単量体の中でも、スチレンが好ましい。
本発明の製造方法において、アクリル酸エステル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシルなどが挙げられ、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルが好ましい。
本発明の第1重合工程に用いられるスチレン系単量体としては、ポリスチレン系樹脂種粒子100質量部に対して7.0〜80.0質量部とする。7.0質量部未満の場合、成形時の耐熱性が低下し、80.0質量部を超えると低圧成形性に劣る。好ましくは、8.0〜72.0質量部である。
また、本発明の第1重合工程に用いられるアクリル酸エステル単量体としては、ポリスチレン系樹脂種粒子100質量部に対して2.0〜12.0質量部とする。2.0質量部未満では、低圧成形性に劣り、12.0質量部を超えると耐熱性が低下する。好ましくは、2.0〜11.2質量部である。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に添加する発泡剤としては、沸点がポリスチレン系樹脂の軟化点以下であって、常圧でガス状もしくは液状の有機化合物が適している。例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、n−ヘキサン、石油エーテル等の炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテル等の低沸点のエーテル化合物、炭酸ガス、窒素、アンモニア等の無機ガス等が用いられる。これらの発泡剤は、一種のみを使用してもよく、また、二種以上を併用してもよい。これらのうち、好ましい発泡剤は沸点が−45〜40℃の炭化水素であり、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン等が好ましい。この発泡剤の添加量は、ポリスチレン系樹脂粒子100質量部に対し、5〜15質量部の範囲が好ましい。
本発明の製造方法によって発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造するには、オートクレーブなどの反応容器内に水性媒体を入れ、該水性媒体に前記種粒子を分散させ、この水性媒体中に、前記(1)第1重合工程においてはスチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体、次いで前記(2)第2重合工程においてはスチレン系単量体のみを、連続的又は断続的に供給し、重合開始剤の存在下で種粒子表面および/又は種粒子内部に、スチレン−アクリル酸エステル系共重合体及びポリスチレン系樹脂を成長させ、所定粒径のポリスチレン系樹脂粒子を作製する。
前記(1)第1重合工程及び(2)第2重合工程において、種粒子の使用量が少ない場合、原料単量体の重合を適正範囲に制御することができずに、ポリスチレン系樹脂が極端に高分子量化したり或いは微粉末状のポリスチレン系樹脂が多量に発生し、製造効率が低下する。又、使用量が多い場合は、1回の生産で得られる量が少なく、生産性に劣る。よって、種粒子の適正使用量としては、ポリスチレン系樹脂全量に対して、10〜60質量%の範囲が好ましく、15〜50質量%の範囲がより好ましい。
前記(1)第1重合工程及び(2)第2重合工程において使用可能な重合開始剤としては、従来からスチレン系単量体の重合に用いられているものであれば、特に限定されずに使用することができ、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3、3、5−トリメチルヘキサノエート、ジーt−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤の中でも、特に10時間の半減期を得るための分解温度が80〜120℃にあるものが好ましい。この重合開始剤は、1種類を単独使用することもできるし、また異なった2種以上の重合開始剤を併用することもできる。
更に、前記種粒子及び単量体の小滴を前記水性媒体中に分散させるために用いられる懸濁安定剤としては、従来からポリスチレン系樹脂の懸濁重合に用いられているものであれば、特に限定されずに使用することができ、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機化合物等が挙げられる。懸濁安定剤は、1種類を単独使用することもできるし、また2種以上の懸濁安定剤を混合使用することもできる。
前記懸濁安定剤として難溶性無機化合物を用いる場合には、アニオン界面活性剤を併用することが好ましい。このようなアニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸石鹸、N−アシルアミノ酸またはその塩、アルキルエーテルカルボン酸塩などのカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルフォン酸塩等のスルフォン酸塩;高級アルコール硫酸エステル塩、第二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩;アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤は1種類を単独で、もしくは2種類以上を混合して用いることができる。
前記(1)第1重合工程において、水性媒体に供給するスチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体の量は、種粒子100質量部に対し、スチレン系単量体が7.0〜80.0質量部の範囲、またアクリル酸エステル系単量体が2.0〜12.0質量部の範囲である。(1)第1重合工程におけるスチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体との量を前記範囲内とすることで、成形時に使用する水蒸気の圧力が低圧であっても外観が美麗、且つ高い強度を有する発泡成形体を得ることができ、低圧成形可能なことにより、成形工程において、1ショット当たりの成形時間の短縮が可能な発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を提供できる。
前記(2)第2重合工程は、前記(1)第1重合工程の終了後、オートクレーブなどの反応容器内の水性媒体にスチレン系単量体のみを加え、前記(1)第1重合工程によって成長した種粒子の上にポリスチレン系樹脂を成長させて、ポリスチレン系樹脂粒子とする。この(2)第2重合工程において用いるスチレン系単量体の量は、特に限定されないが、第2重合工程後に得られるポリスチレン系樹脂粒子の樹脂分100質量部に対して30.0〜80.0質量部の範囲とすることが望ましい。
本発明の製造方法において、ポリスチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させるには、
(a)ポリスチレン系樹脂粒子を製造した後に、発泡剤を含浸させる方法、
(b)又はポリスチレン系樹脂粒子の成長途上で発泡剤を含浸させる方法、
のいずれかを用いることができる。
発泡剤の含浸後、製造された樹脂粒子を取り出し、洗浄・乾燥を行い、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、前記発泡剤以外に、ポリスチレン系樹脂中に必要に応じて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造において一般的に使用されている他の添加剤、例えば、気泡調整剤、可塑剤、溶剤、難燃剤、染料等の着色剤等を添加することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面には、従来の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に対して通常行われているように、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、帯電防止剤などの表面処理剤をコーティングすることができ、表面処理剤のコーティングを行うことで、樹脂粒子(ビーズ)の流動性、予備発泡特性などを改善することもできる。
次に、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子について説明する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、スチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体との共重合体を含有し、
ATR法赤外分光分析により発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面を分析し得られた赤外線吸収スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(A)と、
ATR法赤外分光分析により発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の中心部を分析し得られた赤外線吸収スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(B)とが、
(A)<(B)であり、且つ
(A)が0.05以上であること、
の関係を満たすことを特徴とする。
ATR法赤外分光分析とは、全反射吸収を利用する一回反射型ATR法により赤外吸収スペクトルを測定する分析方法である。
この分析方法は、高い屈折率を持つATRプリズムを試料に密着させ、ATRプリズムを通して赤外線を試料に照射し、ATRプリズムからの出射光を分光分析する方法である。ATR法赤外分光分析は、試料とATRプリズムとを密着させるだけでスペクトルを測定できるという簡便さ、深さ数μmまでの表面分析が可能である等の理由で高分子材料等の有機物をはじめ、種々の物質の表面分析に広く利用されている。
本発明では、ATR法赤外分光分析により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面と中心部とを分析し、得られた赤外吸収スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求める。そして、前記各吸光度の値から、樹脂粒子の表面の吸光度比(A)と、粒子粒子の中心部の吸光度比(B)とを算出する。
なお、赤外吸収スペクトルから得られる1600cm−1での吸光度D1600 は、ポリスチレン系樹脂に含まれるベンゼン環の面内振動に由来する1600cm−1付近に現われるピークの高さをいう。
また、赤外吸収スペクトルから得られる1730cm−1での吸光度D1730は、アクリル酸エステルに含まれるエステル基のC=0間の伸縮振動に由来する1730cm−1付近に現われるピークの高さをいう。
また、表面の吸光度は、図1に示すように発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1の表面AについてATR法赤外分光分析により測定して求めた値であり、また中心部の吸光度は、図2に示すように、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1をその中心を通って切断した断面の中心部BについてATR法赤外分光分析により測定して求めた値である。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、前述したように算出された樹脂粒子の表面の吸光度比(A)と、粒子粒子の中心部の吸光度比(B)とが、
(A)<(B)であり、且つ
(A)が0.05以上であること、
の関係を満たすことを特徴とする。
すなわち、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、粒子の直径方向において、含有されているスチレン−アクリル酸エステル共重合体成分の割合が、中心部で濃度が高く、表層側で低濃度となる傾向にある。また、粒子の表層部においても、ある程度のスチレン−アクリル酸エステル共重合体成分が存在している。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、前述したようなスチレン−アクリル酸エステル共重合体成分の分布構造を有していることから、成形時に使用する水蒸気の圧力が低圧であっても外観が美麗、且つ高い強度を有する発泡成形体を得ることができ、また、高い蒸気圧力での成形においても耐熱性低下による成形体外観の劣化が起こりにくい発泡成形体を得ることができる。前記(A)<(B)であり、且つ(A)が0.05以上であること、の関係を満たさない場合は、前記の効果を得ることが難しくなる。
前記吸光度比(A)は、0.05〜0.50の範囲内が好ましく、0.08〜0.47の範囲がさらに好ましい。
また前記吸光度比(B)は、0.20〜0.60の範囲内が好ましく、0.23〜0.55の範囲がさらに好ましい。
さらに、前記吸光度比(A)と(B)との比(B/A)は、1.10〜3.00の範囲内が好ましく、1.17〜2.88の範囲内がさらに好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、前述した本発明に係る製造方法によって効率よく製造することができるが、製造方法はそれに限定されない。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、嵩密度が0.01〜0.033g/cmの範囲となるように予備発泡して予備発泡粒子とし、さらにこの予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、加熱して型内発泡成形することにより、発泡成形体を製造するために用いられる。
以下、実施例によって本発明の具体例を示すが、以下の実施例は本発明の例示にすぎず、本発明は以下の実施例のみに限定されない。また、以下の実施例、比較例において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の吸光度比の結果は、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子吸光度比の結果と同様であった。
実施例1
(種粒子の製造)
内容量100リットルの撹拌機付き重合容器に、水40000g、懸濁安定剤として第三リン酸カルシウム100g及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム2.0gを供給し撹拌しながらスチレン40000g並びに重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド96.0g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート28.0gを添加した上で90℃に昇温して重合した。そして、この温度で6時間保持し、更に、125℃に昇温してから2時間保持し、その後冷却してポリスチレン系樹脂粒子(a)を得た。
前記ポリスチレン系樹脂粒子(a)を篩分けし、種粒子として粒子径0.5〜0.71mmの範囲のポリスチレン系樹脂粒子(b)を得た。
次に、内容量5リットルの撹拌機付き重合容器内に、水2000g、前記ポリスチレン系樹脂粒子(b)500g、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム6.0g及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム1.0gを供給して撹拌しながら75℃に昇温した。
(第1重合工程)
次に、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gをスチレン180g(種粒子100質量部に対して36質量部)、アクリル酸ブチル30g(種粒子100質量部に対して6質量部)の混合液に溶解させたものを前記5リットルの重合容器に供給し、75℃で60分間保持した。
(第2重合工程)
60分経過後に反応液を110℃まで150分で昇温しつつ、且つスチレン1290gを150分で重合容器内にポンプで一定量づつ供給した上で、120℃に昇温して2時間経過後に冷却しポリスチレン系樹脂粒子(c)を得た。
(樹脂粒子の吸光度比)
得られたポリスチレン系樹脂粒子(c)について、下記<吸光度比の測定>によって樹脂粒子の表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定した。その結果を表1に記す。
また、吸光度比(A)と(B)との比((B)/(A))を算出し、これも表1に記す。
また、得られた発泡性ポリスチレン系樹脂についても、下記の「吸光度比の測定」により吸光度比を測定することができる。
(吸光度比の測定)
吸光度比(D1730/D1600)は下記の要領で測定される。
即ち、無作為に選択した10個の各樹脂粒子の表面(図1中の符号A)、及び粒子を中心を通って切断した断面の中心部(図2中の符号B)について、ATR法赤外分光分析により粒子表面分析を行なって赤外線吸収スペクトルを得る。各赤外線吸収スペクトルから吸光度比(D1730/D1600)をそれぞれ算出し、表面Aについて算出した吸光度比の相加平均を吸光度比(A)とし、中心部Bについて算出した吸光度比の相加平均を吸光度比(B)とする。
吸光度D1730及びD1600は、例えば、Nicolet社から商品名「フーリエ変換赤外分光光度計 MAGMA560」で販売されている測定装置を用いて測定する。
なお、赤外吸収スペクトルから得られる1600cm−1での吸光度D1600は、ポリスチレン系樹脂に含まれるベンゼン環の面内振動に由来する1600cm−1付近に現われるピークの高さをいう。
また、赤外吸収スペクトルから得られる1730cm−1での吸光度D1730は、アクリル酸エステルに含まれるエステル基のC=0間の伸縮振動に由来する1730cm−1付近に現われるピークの高さをいう。
(発泡剤含浸)
続いて、別の内容量5リットルの撹拌機付き重合容器に、水2200g、ポリスチレン系樹脂粒子(c)1800g、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム6.0g及びドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム1.0gを供給して撹拌しながら70℃に昇温した。次に、発泡助剤としてシクロヘキサン27.0g及び可塑剤としてジイソブチルアジペート12.6gを重合容器内に入れて密閉し100℃に昇温した。次に、発泡剤としてn−ブタン90gをポリスチレン系樹脂粒子(c)が入った重合容器内に圧入して3時間保持した後、30℃以下まで冷却した上で重合容器内から取り出し乾燥させた上で13℃の恒温室内に5日間放置して発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例2
第1重合工程において、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを、スチレン200g(種粒子100質量部に対して40質量部)、アクリル酸ブチル10g(種粒子100質量部に対して2質量部)の混合液に溶解したこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
実施例3
第1重合工程において、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを、スチレン154g(種粒子100質量部に対して30.8質量部)、アクリル酸ブチル56g(種粒子100質量部に対して11.2質量部)の混合液に溶解したこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
実施例4
第1重合工程において、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを、スチレン40g(種粒子100質量部に対して8質量部)、アクリル酸ブチル30g(種粒子100質量部に対して6質量部)の混合液に溶解したこと、及び第2重合工程において、150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレンを1430gとしたこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
実施例5
第1重合工程において、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを、スチレン360g(種粒子100質量部に対して72質量部)、アクリル酸ブチル30g(種粒子100質量部に対して6質量部)の混合液に溶解したこと、及び第2重合工程において、150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレンを1110gとしたこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
実施例6
第1重合工程において、使用するアクリル酸エステル種をアクリル酸エチルとし、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを、スチレン170g(種粒子100質量部に対して34質量部)、アクリル酸エチル40g(種粒子100質量部に対して8質量部)の混合液に溶解し、且つ150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレン系単量体を1290gとした以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
実施例7
重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gをスチレ180g、アクリル酸ブチル30gの混合液に溶解し、150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレを750gとした以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
実施例8
重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gをスチレ180g、アクリル酸ブチル30gの混合液に溶解し、150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレを2000gとした以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
実施例9
重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gをスチレ180g、アクリル酸ブチル30gの混合液に溶解し、150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレを500gとした以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
実施例10
重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gをスチレ180g、アクリル酸ブチル30gの混合液に溶解し、150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレを2750gとした以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
比較例1
実施例1において、第1重合工程でアクリル酸エステルは使用せずに、ベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを、スチレン210g(種粒子100質量部に対して42質量部)とした以外は、実施例と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
比較例2
第1重合工程において、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを、スチレン202g(種粒子100質量部に対して40.4質量部)、アクリル酸ブチル8g(種粒子100質量部に対して1.6質量部)の混合液に溶解したこと、及び第2重合工程において、150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレンを1290質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
比較例3
第1重合工程において、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを、スチレン140g(種粒子100質量部に対して28質量部)、アクリル酸ブチル70g(種粒子100質量部に対して14質量部)の混合液に溶解したこと、及び第2重合工程において、150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレンを1290gとしたこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
比較例4
第1重合工程において、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを、スチレン30g(種粒子100質量部に対して6質量部)、アクリル酸ブチル30g(種粒子100質量部に対して6質量部)の混合液に溶解したこと、及び第2重合工程において、150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレンを1440質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
比較例5
第1重合工程において、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド6.8g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5gを、スチレン460g(種粒子100質量部に対して92質量部)、アクリル酸ブチル30g(種粒子100質量部に対して6質量部)の混合液に溶解したこと、及び第2重合工程において、150分で昇温しつつ、重合容器内にポンプで一定量づつ供給するスチレンを1010gとしたこと以外は、実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
比較例6
内容量5リットルの撹拌機付き重合容器内に、水2000質量部、前記スチレン系樹脂粒子(B)500質量部、懸濁安定剤としてピロリン酸マグネシウム6.0質量部及びアニオン界面活性剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸カルシウム0.3質量部を供給して撹拌しながら75℃に昇温した。
次にスチレン1470質量部とアクリル酸ブチル30質量部との混合液をあらかじめ作成し、該混合液210質量部(種粒子100質量部に対してスチレン41.2質量部、アクリル酸ブチル0.84質量部)を用いて、ベンゾイルパーオキサイド6.8質量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.5質量部を溶解し、前記5リットルの重合容器に供給してから60分間75℃で保持した。
60分経過後に反応液を110℃まで150分で昇温しつつ、且つ前記スチレン系単量体とアクリル酸ブチルとの混合液1290質量部を150分で重合容器内にポンプで一定量づつ供給した上で、120℃に昇温して2時間経過後に冷却し、スチレン系樹脂粒子(c)を得た。以降は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
実施例1と同様に、発泡剤含浸前のポリスチレン系樹脂粒子(c)について、表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とを測定し、またこれらの比((B)/(A))を算出した。結果を表1に記す。
Figure 0005284987
表1に示したように、本発明に係る実施例1〜10では、ポリスチレン系樹脂粒子の表面の吸光度比(A)と中心部の吸光度比(B)とが、(A)<(B)であり、且つ(A)が0.05以上であること、との関係を満たしていた。
また、実施例1〜10では、吸光度比(A)が0.05〜0.50の範囲内であり、且つ前記吸光度比(B)が0.20〜0.60の範囲内であった。
さらに、実施例1〜10では、吸光度比(A)と(B)との比(B/A)が、1.10〜3.00の範囲内であった。
一方、比較例1では、アクリル酸エステルを加えていないので、エステル基の吸収に由来する1730cm−1での吸光度D1730は測定されなかった。
また比較例2では、第1重合工程で使用したアクリル酸ブチルが少なかったために、表面の吸光度比(A)が0.02と、本発明で規定した表面の吸光度比(A)の下限(0.05)未満となった。
また比較例3では、第1重合工程で使用したアクリル酸ブチルの量が多かったために、表面の吸光度比(A)が中心部の吸光度比(B)よりも大きくなった。
また比較例4では、第1重合工程で使用したスチレンの量が少なかったために、表面の吸光度比(A)が中心部の吸光度比(B)よりも大きくなった。
また比較例5では、第1重合工程で使用したスチレンの量が多かったために、表面の吸光度比(A)が0.04と、本発明で規定した表面の吸光度比(A)の下限(0.05)未満となった。
また比較例6では、第2重合工程においてスチレンと共にアクリル酸ブチルを使用したことによって、表面の吸光度比(A)が中心部の吸光度比(B)よりも大きくなった。
(予備発泡・発泡成形)
前述したように製造し、5日間13℃以下で保管した実施例1〜10、及び比較例1〜6のそれぞれの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、粒子の表面に表面処理剤としてジンクステアレート及びヒドロキシステアリン酸トリグリセリドを被覆処理した上で予備発泡装置にて嵩密度0.0167g/cmに予備発泡した後に20℃で24時間熟成して予備発泡粒子を得た。
次に、内寸300mm×400mm×30mmの直方体形状のキャビティを有する成形型を備えた発泡ビーズ自動成形機のキャビティ内に前記予備発泡粒子を充填し、下記の2条件(成形蒸気圧)にて、密度0.0167g/cmのポリスチレン系樹脂発泡成形体の成形を行った。
成形条件 (成形機 株式会社積水工機製作所製 ACE―3SP)
成形蒸気圧 2条件(ケージ圧:0.04MPa、0.09MPa)
金型加熱 5秒
一方加熱 (設定圧力0.03MPa)
逆一方加熱 3秒
両面加熱 15秒
水冷 5秒
放冷 (真空放冷 QS成形モード)
取出設定面圧 0.02MPa
実施例1〜10、及び比較例1〜6のそれぞれの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて製造した、成形時水蒸気圧が0.04MPaの場合の発泡成形体と、成形時水蒸気圧が0.09MPaの場合の発泡成形体とについて、以下に示す条件で、曲げ強度、発泡成形体外観、冷却時間を調べて評価した。その結果を表2に記す。
(曲げ強度の測定)
実施例(及び比較例)で得られた発泡成形体について、JIS A9511:2006「発泡プラスチック保温材」記載の方法に準じて曲げ強度を測定した。
すなわち、テンシロン万能試験機UCT−10T(オリエンテック社製)を用い、試験体サイズは75mm×300mm×50mmとし、圧縮速度を10mm/min、先端治具は加圧くさび10R、支持台10Rで、支点間距離200mmの条件として測定し、次式にて曲げ強度を算出した。試験片の数は3個とし、その平均値を求めた。
曲げ強度(MPa)=3FL/2bh
(ここで、Fは曲げ最大荷重(N)を表し、Lは支点間距離(mm)を表し、bは試験片の幅(mm)を表し、hは試験片の厚み(mm)を表す。)
(発泡成形体外観の評価)
発泡成形体の表面を目視にて確認し、以下の評価基準に基づき評価した。
○:外観が美麗で発泡粒子間に隙間がないもの。
×:発泡粒子間に隙間が多い、または融けが発生したもの。
(冷却時間)
本発明の冷却時間は前記記載の成形条件にて成形した際の、水冷工程終了後からキャビティ内の成形体の発泡圧が取出設定面圧0.02MPaになるまでの放冷時間を冷却時間とした。冷却時間は、1条件(成形蒸気圧)につき各3枚成形し、その平均値とした。
(総合評価)
次の評価基準に基づき総合評価した。
◎:成形時の水蒸気圧0.04MPaの場合、0.09MPaの場合の両方ともに、得られた発泡成形体の外観が美麗なもの。
×:成形時の水蒸気圧0.04MPaの場合、0.09MPaの場合の少なくとも一方で発泡成形体の外観が劣るもの。
Figure 0005284987
表2の結果から、第1重合工程において、種粒子100質量部に対し、スチレン7.0〜80.0質量部とアクリル酸エステル2.0〜12.0質量部とを供給し、これらの単量体を種粒子に吸収、重合させて種粒子を成長させた、本発明に係る実施例1〜10の場合は、成形時に低い水蒸気圧(0.04MPa)、及び高い水蒸気圧(0.09MPa)のいずれの場合でも、外観が美麗で曲げ強度の高い発泡成形体を得ることができた。
一方、第1重合工程で使用する単量体をスチレンのみとし、アクリル酸エステルを添加しなかった比較例1は、低い水蒸気圧(0.04MPa)での成形により得られる発泡成形体の外観が悪く、且つ曲げ強度が低くなった。
第1重合工程でアクリル酸エステルを本発明の範囲未満の量で添加した比較例2は、低い水蒸気圧(0.04MPa)での成形により得られる発泡成形体の外観が悪く、且つ曲げ強度が低くなった。
第1重合工程でのアクリル酸エステルの量が本発明の範囲を超えている比較例3は、高い水蒸気圧(0.09MPa)での成形により得られる発泡成形体の外観が悪く、且つ曲げ強度が低くなった。
第1重合工程でのスチレンの量が本発明の範囲未満である比較例4は、低い水蒸気圧(0.04MPa)及び高い水蒸気圧(0.09MPa)の両方の成形で得られる発泡成形体ともに、外観が悪く、且つ曲げ強度が低くなった。
第1重合工程でのスチレンの量が本発明の範囲を超えている比較例4は、低い水蒸気圧(0.04MPa)での成形により得られる発泡成形体の外観が悪く、且つ曲げ強度が低くなった。
第1重合工程及び第2重合工程の両方で、スチレンとアクリル酸エステルとの混合物を用いた比較例6は、高い水蒸気圧(0.09MPa)での成形により得られる発泡成形体の外観が悪く、且つ曲げ強度が低くなった。
(予備発泡粒子の保存性の比較)
前記(予備発泡・発泡成形)の場合と同様に、実施例1〜10、及び比較例1〜6のそれぞれの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面に表面処理剤としてジンクステアレート及びヒドロキシステアリン酸トリグリセリドを被覆処理した上で予備発泡装置にて嵩密度0.0167g/cmに予備発泡した。
予備発泡後、得られた各予備発泡粒子を30℃、湿度50%の雰囲気下で7日間放置した。
次に、内寸300mm×400mm×30mmの直方体形状のキャビティを有する成形型を備えた発泡ビーズ自動成形機のキャビティ内に前記予備発泡粒子を充填し、下記の条件にて、密度0.0167g/cmのポリスチレン系樹脂発泡成形体の成形を行った。
成形条件 (成形機 株式会社積水工機製作所製 ACE―3SP)
成形蒸気圧 ケージ圧:0.04MPa
金型加熱 5秒
一方加熱 (設定圧力0.03MPa)
逆一方加熱 3秒
両面加熱 15秒
水冷 5秒
放冷 (真空放冷 QS成形モード)
取出設定面圧 0.02MPa
予備発泡粒子の状態で7日間放置した後のそれぞれの予備発泡粒子を用い、成形時水蒸気圧を0.04MPaとして製造した実施例1〜10、及び比較例1〜6のそれぞれの発泡成形体について、前記(予備発泡・発泡成形)の場合と同様に、曲げ強度、発泡成形体外観、冷却時間を調べて評価した。また、総合評価は、下記の評価基準に基づき総合評価した。その結果を表3に記す。
(総合評価)
◎:得られた発泡成形体の外観が美麗なもの。
×:発泡成形体の外観が悪いもの。
Figure 0005284987
表3の結果から、本発明に係る実施例1〜10は、予備発泡後7日間放置した予備発泡粒子を用いても、0.04MPaの低い成形時水蒸気圧で外観が美麗な発泡成形体を得ることができた。
一方、比較例1〜6では実施例と同じ条件で外観が美麗な発泡成形体を得ることができなかった。特に、前記(予備発泡・発泡成形)において、表2に示したように低い水蒸気圧(0.04MPa)で外観の良好な発泡成形体が得られている比較例3と比較例6についても、予備発泡後7日間放置した予備発泡粒子を用いた場合には、外観が美麗な発泡成形体を得ることができなかった。
この試験結果から、本発明に係る実施例1〜10で得られた予備発泡粒子は、発泡力の保持性に優れ、保存性が良好であることが分かる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、食品容器や梱包、緩衝材として有用なポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造に好適である。本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、成形時に使用する水蒸気の圧力が低圧であっても外観が美麗、且つ高い強度を有する発泡成形体を得ることができるので、発泡成形体の製造コスト低減化、製造における省エネルギー化を図ることができる。

Claims (4)

  1. スチレン系単量体とアクリル酸エステル系単量体との共重合体を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、
    ATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面を分析し得られた赤外線吸収スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(A)と、
    ATR法赤外分光分析により前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の中心部を分析し得られた赤外線吸収スペクトルのうち、1730cm−1での吸光度D1730と1600cm−1での吸光度D1600とを求め、D1730/D1600から算出される吸光度比(B)とが、
    前記吸光度比(A)が0.05〜0.50の範囲内であり、前記吸光度比(B)が0.20〜0.60の範囲内であり、且つ前記吸光度比(A)と(B)との比(B/A)が1.10〜3.00の範囲内であること、の関係を満たす発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  2. 請求項に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を嵩密度が0.01〜0.033g/cmの範囲となるように予備発泡して得られた予備発泡粒子。
  3. 請求項に記載の予備発泡粒子を成形型のキャビティ内に充填し、加熱して型内発泡成形することにより得られた発泡成形体。
  4. 請求項1に記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    (1)ポリスチレン系樹脂種粒子を水中に分散させてなる分散液中に、ポリスチレン系樹脂種粒子100質量部に対し、スチレン系単量体7.0〜80.0質量部とアクリル酸エステル系単量体2.0〜12.0質量部とを供給し、これらの単量体を種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂種粒子を成長させる第1重合工程と、
    (2)次いで、該分散液中にスチレン系単量体のみを供給し、これを種粒子に吸収、重合させてポリスチレン系樹脂粒子を成長させる第2重合工程と、
    (3)第2重合工程を行ってポリスチレン系樹脂粒子を製造した後、又はポリスチレン系樹脂粒子の成長途上で発泡剤を含浸させる工程とを行って発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得る発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法。
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