JP5216503B2 - 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5216503B2
JP5216503B2 JP2008248509A JP2008248509A JP5216503B2 JP 5216503 B2 JP5216503 B2 JP 5216503B2 JP 2008248509 A JP2008248509 A JP 2008248509A JP 2008248509 A JP2008248509 A JP 2008248509A JP 5216503 B2 JP5216503 B2 JP 5216503B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin particles
weight
particles
aging
moisture content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008248509A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010077309A (ja
Inventor
雅之 高野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Kasei Co Ltd filed Critical Sekisui Kasei Co Ltd
Priority to JP2008248509A priority Critical patent/JP5216503B2/ja
Publication of JP2010077309A publication Critical patent/JP2010077309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5216503B2 publication Critical patent/JP5216503B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

本発明は、発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法に関し、特に未熟性時の温度変化に対しても品質が安定し、且つ熟成が速やかに進行する発泡性スチレン系樹脂粒子に関する。
一般に発泡性スチレン系樹脂粒子はスチレン系樹脂粒子に湿式で発泡剤を含浸させることにより製造されている。含浸直後の発泡性樹脂粒子は発泡させると発泡粒子内部に形成される気泡セルのサイズが粗大化し、気泡サイズの不均一が生じてしまう。これは発泡性スチレン系樹脂粒子内部に発泡剤が局在化しているためで、発泡剤を粒子中に拡散させ、気泡サイズを微細かつ均一にするために熟成処理が施される。熟成処理とは含浸後の発泡性樹脂粒子を常圧下で通常20℃以下に保管することを言う。
発泡性スチレン系樹脂粒子の熟成が完了する前に35℃を超える高温が加わると、気泡セルのサイズが粗大化したままで、熟成処理を実施しても気泡セルのサイズが微細化することがなくなってしまう。従って発泡性スチレン系樹脂粒子製造時には高温下にさらされないように細心の注意が必要である。しかし、夏場には外気温が35℃を超えることもあり、製造時から熟成まで、常温下に置くことができない場合がある。
この問題を解決する目的で、特許文献1(特許第2970492号)には乾燥処理により発泡性樹脂粒子中の水分を0.03重量%以下にすると、それより得られる予備発泡粒子について、特別なセル形成剤(造核剤)を添加せずとも、また熟成処理を施さずとも、均一でかつ良好なセル構造(50〜150μmのセルサイズ)を形成することができ、さらに、得られた予備発泡粒子を高温(35℃〜50℃の温度)の下に放置しても、そのセル構造の均一性および各セルの大きさが実質的に変化しない方法が記載されている。
特許第2970492号公報
特許文献2(特公平6−18917)には、水中に懸濁せしめた均一粒子径の熱可塑性重合体粒子に重合性単量体を連続的もしくは断続的に添加して重合せしめるに際し、重合性単量体添加量が添加総量の2分の1を越えない時点でアミド化合物を添加し、かつアミド化合物及び重合性単量体の添加終了後の該重合体粒子に易揮発性発泡剤を含浸せしめることを特徴とする発泡性熱可塑性重合体粒子の製造方法が提案されている。
特公平6−18917号公報
特許文献3(特許第3168882号)には、重合時に過硫酸のアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩を添加し、且つ重合転化率が30%以上の時点で電解質を添加することで、スチレン系発泡性樹脂粒子の中心付近を通る断面での表面から半径方向0.1mm以内のボイド数が100個/mm2以下であり、かつ表面から半径方向0.3mm以内を除く半径方向内部のボイド数が250個/mm2以上に調整する方法が記載されている。
特許第3168882号公報
しかし特許文献1は、実生産レベルで考えると大掛かりな設備が必要となる上、保冷庫に保管する必要が無いとされているが、発泡剤の散逸を考えると、結局保冷庫に保管せざるを得ない。
また特許文献2は、アミド化合物については影響を軽減するための補助的作用しか有さず、気泡形成剤を添加することでコストアップに繋がり、また、添加方法により生産安定性の阻害や、生産プロセスの遅延がある。
また特許文献3は、水性媒体中に添加された過硫酸のアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩が水溶性重合開始剤として機能するために、水に溶解したスチレン単量体が重合し、微粉末を形成する。微粉末は脱水工程の遅延や発泡成形時の成形性の悪化、成型品外観の悪化を招く。
本発明は、煩雑な工程を必要とせず、またセル形成剤(造核剤)を添加せず、しかもアミド化合物、過硫酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩などの添加剤を用いることなく、未熟性時の温度変化に対しても品質が安定し、且つ熟成が速やかに進行する発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、易揮発性発泡剤を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子で、熟成工程前における乾燥工程終了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.1から1.0重量部であり、熟成工程の完了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.05から0.5重量部であることを特徴とする。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法としては、易揮発性発泡剤を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、
スチレン系樹脂粒子の発泡剤含浸完了後の発泡性スチレン系樹脂粒子の乾燥工程において、該樹脂粒子表面を気流乾燥させた上で該樹脂粒子内部の水分量を制御し、
熟成工程前における上記乾燥工程終了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.1から1.0重量部であり、熟成工程の完了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.05から0.5重量部であることを特徴とする。
本発明によれば、セル形成剤(造核剤)を添加せず、しかもアミド化合物、過硫酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩などの添加剤を必要とせず、簡便な方法のみで熟成完了前の温度変化に対して安定な発泡性スチレン系樹脂粒子を製造できる。
本発明によれば、発泡性スチレン系樹脂粒子は発泡剤を含浸させた後に気流乾燥工程を経て熟成工程を取るが、熟成過程では発泡剤はスチレン系樹脂粒子内で局在化した状態からスチレン系樹脂粒子内部に均一に拡散していく状態にある。水分が多い状態では、水分がこの拡散を阻害するために熟成が遅くなる。熟成前に熱が加わった場合はスチレン系樹脂粒子中の空隙に発泡剤が集中してしまうために、気泡の粗大化が発生する。その際スチレン系樹脂粒子内部に水分があると、発泡剤よりもスチレン系樹脂に対する相溶性の劣る水が先に空隙部分を埋めるために、発泡剤が空隙部分に集中しづらくなり、熱安定性が向上する。上記の2点から熟成に遅延を招かず、また熟成中の熱安定性に優れた発泡性粒子を構成する要件として、前記記載の範囲の水分量が必要である。
発泡性スチレン系樹脂粒子は、製造過程において懸濁重合時の水分の巻き込みや、空気中の水分を吸収することにより、内部に水分を含んでいる。この粒子中の水分量は粒子を構成する樹脂の組成に大きく左右されるが、一般にポリスチレン粒子の場合、0.2から0.5重量%である。発泡性スチレン系樹脂粒子の製法としては発泡剤の含浸工程に引き続き遠心分離機や気流乾燥機による脱水乾燥処理が行われる。この乾燥処理は、通常、温風を粒子に吹き付けることで粒子表面の水分を乾燥させることが目的であるが、乾燥の状態によっては粒子内部の水分も変動する。
本発明における発泡性スチレン系樹脂粒子は、この乾燥工程の終了時点での内部水分量が0.1から1.0重量部であり、好ましくは0.1から0.5重量部に制御したものである。発泡性スチレン系樹脂粒子の水分量が0.1重量部未満である場合、熟成工程前に45℃程度の高温にさらされると、発泡性スチレン系粒子の熟成が進行しないことがある。逆に水分量を多く残す目的で、乾燥処理を施さないなどして、水分量が1.0重量部を超えると熟成に要する期間が長くなり、生産工程上のロスとなってしまう。
熟成工程中にも保管状態によって粒子の水分量は変動する。本発明における発泡性スチレン系樹脂粒子はこの熟成工程の完了(終了)時での内部水分量が0.05から0.5重量部にあることを特徴とする。熟成工程の完了(終了)時の水分量が0.5重量部を越えている状態では熟成の進行が遅く生産工程のロスが発生する。熟成工程の完了(終了)時の水分量が0.05重量部を下回る粒子は熟成工程前に45℃程度の高温にさらされた場合、その後の熟成の進行が阻害されてしまう。
そこで本発明においては、スチレン系樹脂粒子の発泡剤含浸完了後の発泡性スチレン系樹脂粒子の乾燥工程において、該樹脂粒子表面を乾燥させた上で、該樹脂粒子の内部水分量を制御し、熟成工程前における上記乾燥工程終了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.1から1.0重量部であり、熟成工程の完了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.05から0.5重量部であることを特徴とする、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供するものである。
上記ポリスチレン系樹脂粒子は、公知の方法で製造されたものを用いることができ、例えば、(1)水性媒体、スチレン系単量体及び重合開始剤をオートクレーブ内に供給し、オートクレーブ内において加熱、攪拌しながらスチレン系単量体を懸濁重合させてポリスチレン系樹脂粒子を製造する懸濁重合法、(2)水性媒体及びポリスチレン系樹脂種粒子をオートクレーブ内に供給し、ポリスチレン系樹脂種粒子を水性媒体中に分散させた後、オートクレーブ内を加熱、攪拌しながらスチレン系単量体を連続的に或いは断続的に供給して、ポリスチレン系樹脂種粒子にスチレン系単量体を吸収させつつ重合開始剤の存在下にて重合させてポリスチレン系樹脂粒子を製造するシード重合法などが挙げられる。なお、ポリスチレン系樹脂種粒子は、上記(1)の懸濁重合法により製造し分級すればよい。
本発明の製造方法において、ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレンなどのスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体などが挙げられ、スチレンを50重量%以上含有するポリスチレン系樹脂が好ましく、ポリスチレンがより好ましい。
又、上記ポリスチレン系樹脂としては、上記スチレン系単量体を主成分とする、上記スチレン系単量体と、このスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体との共重合体であってもよく、このようなビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性単量体などが挙げられる。ここで主成分とはスチレンを50重量%以上含有するポリスチレン系共重合体である。
そして、ポリスチレン系樹脂粒子の平均粒子径は、難燃性発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて型内発泡成形を行う場合に、難燃性発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて得られる予備発泡粒子のキャビティ内への充填性の観点から、0.3〜2.0mmが好ましく、0.6〜1.4mmがより好ましい。
更に、ポリスチレン系樹脂粒子を構成するポリスチレン系樹脂のスチレン換算重量平均分子量は、小さいと、難燃性発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるポリスチレン系樹脂発泡成形体の機械的強度が低下することがある一方、大きいと、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡性が低下し、高発泡倍率のポリスチレン系樹脂発泡成形体を得ることができない恐れがあるので、20万〜50万が好ましく、24万〜40万がより好ましい。
なお、上記懸濁重合法及びシード重合法において用いられる重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、イソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシ−3、3、5トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートなどの有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、水性媒体中にポリスチレン系樹脂粒子を分散させてなる水性懸濁液は、上記懸濁重合法又はシード重合法による重合後の反応液を水性懸濁液として用いても、或いは、上記懸濁重合法又はシード重合法によって得られたポリスチレン系樹脂粒子を反応液から分離し、このポリスチレン系樹脂粒子を別途用意した水性媒体に懸濁させて水性懸濁液を形成してもよい。なお、水性媒体としては、特に限定されず、例えば、水、アルコールなどが挙げられ、水が好ましい。
又、上記懸濁重合法又はシード重合法において、スチレン系単量体を重合させる際に、スチレン系単量体の液滴又はポリスチレン系樹脂種粒子の分散性を安定させるために懸濁安定剤を用いてもよく、このような懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウムなどの難水溶性無機塩などが挙げられ、難水溶性無機塩を用いる場合には、アニオン界面活性剤が通常、併用される。
上記アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩、β−テトラヒドロキシナフタレンスルホン酸塩などが挙げられ、アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
又、上記懸濁重合法又はシード重合法において、スチレン系単量体を重合させる際に、見ずに溶解したスチレンの重合による微粉末の発生を防ぐ目的で、水溶性の重合禁止剤を添加しても良い。
そして、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法では、上記水性懸濁液中に分散させたポリスチレン系樹脂粒子中に発泡剤を公知の要領で含浸させる。このような発泡剤としては、沸点がポリスチレン系樹脂の軟化点以下であって、常圧でガス状もしくは液状の有機化合物が適しており、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、シクロペンタジエン、n−ヘキサン、石油エーテルなどの炭化水素、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルエチルエーテルなどの低沸点のエーテル化合物、炭酸ガス、窒素、アンモニアなどの無機ガスなどが挙げられ、沸点が−45〜40℃の炭化水素が好ましく、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタンがより好ましい。なお、発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
本発明の製造方法において、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中には、物性を損なわない範囲内において、気泡調整剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤、溶剤、可塑剤等の添加剤を必要に応じて添加することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
100リットルの攪拌機付オートクレーブに、60gのリン酸三カルシウム(大平化学(株)製)と、懸濁安定助剤としての界面活性剤のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.8gと40kgのイオン交換水、140gの過酸化ベンゾイル(純度75%)、30gのt−ブチルパーオキシベンゾエートを溶解させた40kgのスチレン単量体を混合して仕込み、撹拌下で溶解及び分散させ懸濁液を形成した。
次に撹拌下でスチレン単量体を90℃6時間、さらに110℃で4時間重合反応させた。途中90℃の反応の2及び3時間目にそれぞれ6gのリン酸三カルシウム(大平化学(株)製)を追加添加した。反応終了後、反応終了後、冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、遠心分離工程に付したのち、乾燥させスチレン樹脂粒子を得た。
得られたスチレン樹脂粒子を0.6〜0.8mmの粒子に分級し、以下のように発泡剤を含浸した。
5リットルの攪拌機付オートクレーブにイオン交換水2000g、重量平均分子量30万、ポリスチレン粒子2200g、リン酸三カルシウム6.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2gを入れ、温度を30℃に保ちながら攪拌して液中に均一に分散させた。その後、オートクレーブ内を30℃から85℃まで1時間かけて昇温した。
昇温後、発泡剤としてn−ブタン220gを窒素加圧してオートクレーブ内に5分間で圧入し、その状態で3時間保持した。
しかる後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブ内からポリスチレン粒子を取り出して洗浄、脱水を複数回に亘って繰り返し行い、円筒形乾燥機(非加熱気流乾燥機)にて1時間空気を流すことで表面水分(表面水分量)を飛ばして乾燥させ、発泡性スチレン系樹脂粒子を得るとともに、乾燥終了時点で内部水分量を測定した。なお、内部水分量は表面水分量に対する表現である。
その後、45℃のオーブンにて6時間恒温し、ポリエチレン製の袋に密閉して10℃に恒温にした保冷庫にて熟成処理を実施した。熟成工程の完了時の発泡性スチレン系樹脂粒子の内部水分量を測定した。
(実施例2)
円筒形乾燥機による乾燥時間を30分間とした以外は実施例1と同様にして実施した。
(実施例3)
円筒形乾燥機による乾燥時間を2時間とした以外は実施例1と同様にして実施した。
(比較例1)
円筒形乾燥機による乾燥を実施せず、粒子表面(表面水分量)に多量の水分を残した状態で熟成させたこと以外は実施例1と同様にして実施した。
(比較例2)
円筒形乾燥機による乾燥時間を6時間とした以外は実施例1と同様にして実施した。
(比較例3)
熟成時に袋に密閉せずに保管した以外は実施例3と同様にして実施した。
Figure 0005216503
(測定方法)
[発泡性スチレン系樹脂粒子の内部水分量]
発泡性スチレン系樹脂粒子5gを200mlのメタノール中に浸漬し、粒子表面の水分を置換する。その後、吸引ろ過装置にて粒子とメタノールを分離し、5分間風乾させる。その後、試料重量0.5gを精秤し、平沼産業株式会社製微量水分測定装置AQ−2100を使用し、加熱温度150℃でカールフィッシャー法により測定される。
なお、本発明における内部水分量(重量部)は、測定時(熟成工程前における乾燥工程終了時又は熟成工程の完了時)における、表面水分又は表面水分量を排した粒子全体の重量を基準(分母)にしている。測定時には粒子表面の水分をメタノール処理により排除している。
[熟成評価と予備発泡粒子の気泡状態評価]
ブロッキング防止剤としてステアリン酸マグネシウムを発泡性スチレン系樹脂粒子100重量%に対して0.5重量%添加し、蒸気により50倍に発泡させた。この予備発泡粒子を剃刀でスライスして断面の気泡状態を拡大鏡にて観察した。その結果、断面の中心部から表層部にかけて平均気泡径が100μmから200μmの均一な気泡が形成されていれば熟成が完了しているとした(熟成完了時)。熟成工程の日数を最大10日間とし、10日を越えても熟成完了していないものはその時点での気泡を評価した。
表1より、熟成工程直前の乾燥工程終了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.1から1.0重量部であり、熟成工程の完了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.05から0.5重量部である実施例の発泡性スチレン系樹脂粒子の場合、未熟性時の温度変化に対しても品質が安定し、且つ熟成が速やかに進行する。
これに対して、熟成工程直前の乾燥工程終了時の当該樹脂粒子の内部水分量が1.0重量部を超え、熟成工程の完了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.5重量部を越える比較例1では、未熟性時の温度変化に対しても品質が安定するが、熟成に要する期間が長くなり、生産工程上のロスが発生する。反対に、熟成工程直前の乾燥工程終了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.1重量部未満であり、熟成工程の完了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.05重量部を下回る比較例2は、中心部が粗く、熟成が進行しない。なお特に、
熟成工程の完了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.1重量部を超えているが、熟成工程の完了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.05重量部未満である比較例3も、熟成が進行しない。
本発明の発泡性ポリスチレン粒子は、広範囲の用途に使用されており、特に食品容器用(平均粒子径0.3〜0.5mm)、薄肉型物用(平均粒子径0.5〜0.7mm)、一般型物用(平均粒子径0.7〜1.1mm)、ブロック、建材用(平均粒子径1.1〜1.5mm)として使用されている。

Claims (2)

  1. 易揮発性発泡剤を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子で、
    熟成工程前における乾燥工程終了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.1から1.0重量部であり、
    熟成工程の完了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.05から0.5重量部である
    ことを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
  2. 易揮発性発泡剤を含有する発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、
    スチレン系樹脂粒子の発泡剤含浸完了後の発泡性スチレン系樹脂粒子の乾燥工程において、該樹脂粒子表面を気流乾燥させた上で該樹脂粒子内部の水分量を制御し、
    熟成工程前における上記乾燥工程終了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.1から1.0重量部であり、熟成工程の完了時の当該樹脂粒子の内部水分量が0.05から0.5重量部であることを特徴とする、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。



JP2008248509A 2008-09-26 2008-09-26 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 Active JP5216503B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008248509A JP5216503B2 (ja) 2008-09-26 2008-09-26 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008248509A JP5216503B2 (ja) 2008-09-26 2008-09-26 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010077309A JP2010077309A (ja) 2010-04-08
JP5216503B2 true JP5216503B2 (ja) 2013-06-19

Family

ID=42208109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008248509A Active JP5216503B2 (ja) 2008-09-26 2008-09-26 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5216503B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2970492B2 (ja) * 1995-08-29 1999-11-02 アキレス株式会社 発泡性スチレン系樹脂粒子およびその製造方法
JPH10279725A (ja) * 1997-04-04 1998-10-20 Achilles Corp 耐熱性発泡樹脂粒子およびその製造方法
JP3647611B2 (ja) * 1997-07-04 2005-05-18 株式会社ジェイエスピー 発泡性ゴム変性スチレン系樹脂粒子
JP4773007B2 (ja) * 2001-09-25 2011-09-14 株式会社ジェイエスピー 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010077309A (ja) 2010-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5284987B2 (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子とその製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体
WO2013031417A1 (ja) 複合樹脂発泡粒子及びその成形体
CA2115974A1 (en) Bead-form, expandable styrene polymers having a reduced internal water content, and their preparation
JP5689011B2 (ja) 樹脂粒子、その製造方法、発泡性樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体
JP5493606B2 (ja) スチレン改質ポリエチレン系樹脂発泡成形体およびスチレン改質ポリエチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法
JP5216503B2 (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法
JP2004250655A (ja) スチレン系発泡性樹脂粒子、発泡ビーズ及び発泡成形品
JP2011184516A (ja) スチレン系重合体粒子、その製造方法、発泡性スチレン系重合体粒子及び発泡成形体
JP5558038B2 (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子およびその製造方法
JP5403802B2 (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子およびその発泡成形体
JP5713726B2 (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体
JP6343485B2 (ja) ポリスチレン系発泡成形体及びその製造方法
JP5666796B2 (ja) スチレン系重合体粒子の製造方法
JP5377917B2 (ja) 難燃性発泡性ポリスチレン系樹脂粒子
JP5965853B2 (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体
JP2014062191A (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びその製造方法、並びにポリスチレン系樹脂発泡成形体
JP5592731B2 (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体
JP5552399B2 (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体
JP3414084B2 (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子
JP2014070150A (ja) ポリスチレン系発泡成形体、その製造方法及び発泡樹脂容器
JP5518510B2 (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法、及びポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造方法
JP6294040B2 (ja) スチレン系樹脂粒子、発泡性粒子、発泡粒子及び発泡成形体
JP5403803B2 (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子およびその発泡成形体
JP2013203891A (ja) 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体
JP2012067215A (ja) スチレン系樹脂発泡体及び発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5216503

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160308

Year of fee payment: 3