JP3054017B2 - 発泡性スチレン系重合体粒子 - Google Patents

発泡性スチレン系重合体粒子

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JP3054017B2
JP3054017B2 JP5333776A JP33377693A JP3054017B2 JP 3054017 B2 JP3054017 B2 JP 3054017B2 JP 5333776 A JP5333776 A JP 5333776A JP 33377693 A JP33377693 A JP 33377693A JP 3054017 B2 JP3054017 B2 JP 3054017B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡性スチレン系重合
体粒子に関する。更に詳しくは、予備発泡時に発泡粒子
の合着することがなく、しかも発泡成形性に優れ、美麗
な外観を有する発泡成形体を得ることのできる発泡性ス
チレン系重合体粒子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発泡性スチレン系重合体粒子は、一般的
にスチレン系単量体を水中に懸濁して重合し、発泡剤を
含浸して製造するか、特公昭49−2994号公報に示
されるように、スチレン系重合体粒子を水中に懸濁さ
せ、これにスチレン系単量体を連続的もしくは断続的に
供給して重合し、発泡剤を含浸させる方法(シード重合
法)等により製造されている。
【0003】このようにして得られた発泡性スチレン系
重合体粒子は、発泡成形体を製造するための原料として
用いられる。かかる発泡成形体は、発泡性スチレン系重
合体粒子を水蒸気等で加熱発泡して一旦予備発泡粒子と
し、これを多数の小孔を有する閉鎖金型内に充填し、再
び加圧水蒸気等で加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋
めると共に、発泡粒子を相互に融着させた後、冷却し金
型より取り出すことにより製造される。
【0004】しかし従来、型内発泡成形時に、予備発泡
粒子間に存在する空隙を完全に埋めることは難しく、発
泡粒子間に間隙が全くない発泡成形体を得ることは困難
であった。特に金型内壁に接する成形体面においては、
予備発泡粒子が充分に充填されないことがあり、通常発
泡成形体の表面に粒子間隙が少し残ることとなる。この
ような発泡成形体は外観を損ねるばかりでなく、場合に
よっては成形体強度の低下を招く原因ともなった。
【0005】そこでかかる問題点を改善するために、ス
チレン系重合体粒子に対して可塑化、溶剤効果を示すシ
クロヘキサン、可塑剤等を添加することが提案されてい
る。しかしこの可塑剤等は、スチレン系重合体粒子の耐
熱性を低下させることから、予備発泡時に発泡粒子が互
いに合着し易くなる。また型内発泡成形時に、金型が不
均一に加熱されたり、或いは加熱条件が僅かに変化する
だけで、得られる発泡成形体に粒子間隙が残ったり、粒
子相互の融着が不足したり、或いは成形体の表面が溶融
するという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる欠点を解消する
ために、シード重合法で発泡性スチレン系重合体粒子を
製造する方法において、種重合体粒子としてその重量平
均分子量が得られた重合体の重量平均分子量の2/3以
下であるものを用いることを特徴とする方法が提案され
ている(特開平4−185616号公報)。この方法に
よれば、得られた発泡性スチレン系重合体粒子が、低分
子量から高分子量までの幅広い分子量分布を有すること
となり、前述の問題点はかなり解消される。しかしなが
ら、この方法においては、所望とする発泡スチレン系重
合体粒子の粒子径によって、種重合体粒子の使用率が異
なってくることから、得られる重合体粒子の重量平均分
子量が一定にならず、その結果発泡剤の含浸処方や発泡
成形条件を対応させて変動させる必要が生じるという欠
点を抱えていた。またこの方法においては、幅広い分子
量分布の重合体粒子を得るために、通常の発泡成形に適
した200000以上の重量平均分子量よりも低分子量
の重合体種粒子を使用することが必要である(実施例で
は重量平均分子量185000以下の種粒子が使用され
ている)。しかしながら、かかる通常の重量平均分子量
よりも低分子量の重合体粒子は、発泡成形したときに、
得られる成形品の強度が低下することから、通常の発泡
成形用としては単独では使用することができない。そこ
で、上記方法では重合体種粒子として使用するために低
分子量の重合体粒子を特別に処方して製造しなければな
らず、製造効率が悪いという欠点があった。
【0007】本発明は、かかる従来の問題点を解消し、
予備発泡時には発泡粒子同士が互いに合着し難く、一方
発泡成形時には発泡粒子相互の融着がよく、粒子間の間
隙をよく埋め、平滑性に優れた良好な外観を有する発泡
成形体を得ることのできる発泡性スチレン系重合体粒子
を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の発泡性スチレン
系重合体粒子は、易揮発性発泡剤を含有する発泡性スチ
レン系重合体粒子において、上記スチレン系重合体粒子
表面から10重量%の範囲の表層部の重量平均分子量が
重合体粒子全体の重量平均分子量より3〜30%高くさ
れてなることを特徴とする。
【0009】すなわち、本発明の特徴は、発泡性スチレ
ン系重合体粒子の大半を占める内部の重量平均分子量は
通常の範囲内にあり、重合体粒子表面から10重量%の
範囲の表層部のみが3〜30%高分子量化されているこ
とにより、予備発泡時には発泡粒子同士が互いに合着し
難く、一方発泡成形時には発泡粒子相互がよく融着する
と共に、粒子間隙を良く埋め、平滑性に優れた外観の良
好な発泡成形体を製造することのできる発泡性スチレン
系重合体粒子を得ることにある。
【0010】重合体粒子表層部の高分子量化が、重合体
粒子全体の重量平均分子量の3%に満たない場合には、
発泡成形時に発泡粒子間に存在する間隙を完全に埋め尽
くす程の効果は得られない。一方、表層部の高分子量化
が30%を越える場合には、粒子内部の重合体に比較し
て熱的性質が強くなり過ぎ、内部の発泡を表層部で抑制
する傾向がでてきて、その結果発泡性能が低下し、発泡
成形品表面に粒子間の間隙を残す傾向を示すことから好
ましくない。
【0011】本発明において、重合体粒子表層部とは、
重合体粒子の大きさにより粒子表面からの層厚みは変化
するが、重合体粒子の表面からおよそ10重量%の範囲
の外殻をいう。本発明の重合体粒子の表層部が高分子量
化された発泡性スチレン系重合体粒子は、水性媒体中に
スチレン系重合体粒子(種粒子)を分散させ、これにス
チレン系単量体を連続的又は断続的に供給して重合開始
剤の存在下で懸濁重合し、易揮発性発泡剤を含浸させ
る、いわゆるシード重合法によって得ることができる。
なお、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタク
リレート等の架橋剤を用いて重合体粒子の表層部を架橋
した場合には、粒子表層部の熱的性質は強くなるが、発
泡成形時に粒子間隙を十分に埋め尽くすほどの伸びの効
果が得られない。したがって、上記のシード重合法によ
り製造することが好ましい。いう問題点があるので、上
記のシード重合法により製造するすることが好ましい。
【0012】以下、シード重合法により本発明の発泡性
ポリスチレン系重合体粒子を製造する方法について、具
体的に説明する。上記シード重合法で用いるスチレン系
重合体種粒子としては、スチレンの単独重合体、50重
量%以上、好ましくは80%以上のスチレン成分と他の
重合可能な単量体との共重合体等が用いられる。上記共
重合可能な単量体としては、α−メチルスチレン、アク
リロニトリル、アクリルまたはメタクリル酸と1〜8個
の炭素数を有するアルコールとのエステル、無水マレイ
ン酸、N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0013】スチレン系重合体種粒子の粒子径が、ある
狭い範囲内にあれば得られる発泡性スチレン系重合体粒
子径も良く揃ったものとなる。そこで、通常この種粒子
として懸濁重合法によって得られた重合体粒子を一旦ふ
るい分級し、粒径が平均粒径の±20%の範囲になるよ
うに調整した重合体粒子が使用される。塊状重合法によ
り得る場合には、所望の粒径にペレタイズしたものを使
用する。したがって、シード重合法によれば、用途に応
じた所望の粒径範囲の発泡性スチレン系重合体粒子をほ
ぼ100%の収率で製造することができる。例えば、
0.3〜0.5mm、0.5〜0.7mm、0.7〜
1.2mm、1.2〜1.5mm、1.5〜2.5mm
のように区分されて発泡性スチレン系重合体粒子が得ら
れる。
【0014】上記重合体種粒子の使用量は、重合終了時
の重合体全量に対して、10〜90重量%、好ましくは
15〜50重量%である。種粒子の使用量が10重量%
未満ではスチレン系単量体を供給する際に、重合体粒子
の重合率を適正範囲に制御することが困難となり、得ら
れる重合体が高分子量化したり、微粉末状重合体を多量
に発生させて製造効率を低下させる等工業的に不利とな
る。また90重量%を越えると優れた発泡成形性が得難
くなる。
【0015】上記スチレン系単量体としては、スチレン
をはじめとして、α−メチルスチレン、パラメチルスチ
レン等のスチレン誘導体を単独もしくは混合して用いる
ことができる。またジビニルベンゼン、アルキレングリ
コールジメタクリレート等の2官能性単量体を併用して
もよい。更にアクリルまたはメタクリル酸と1〜8個の
炭素数を有するアルコールとのエステル、アクリロニト
リル、ジメチルフマレート等のスチレンと共重合可能な
各種単量体を併用することもできる。
【0016】上記重合開始剤としては、一般にスチレン
の懸濁重合において用いられるラジカル発生型重合開始
剤を用いることができ、例えばベンゾイルパーオキサイ
ド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベ
ンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブ
チルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチル
パーオキシアセテート、2、2−t−ブチルパーオキシ
ブタン、t−ブチルパーオキシ3、3、5トリメチルヘ
キサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイド
ロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチ
ロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ
化合物が挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で又
は2種以上併用して用いることができるが、分子量を調
整し、残存単量体を減少させるために、10時間の半減
期を得るための分解温度が50〜80℃の範囲にある重
合開始剤と、分解温度が80〜120℃の範囲にある異
なる重合開始剤を併用することが望ましい。
【0017】これらの重合開始剤は、重合中もしくは重
合初期に添加し、重合体粒子に均一に吸収させる必要が
あるので液状物として添加することが好ましい。重合開
始剤を直接水性懸濁液中に添加すると、重合体粒子に均
一に吸収されにくくなるので、重合開始剤は、水性媒体
中に懸濁又は乳化させた状態で添加するか、或いは少量
のスチレン単量体に溶解し、無機系懸濁安定剤とアニオ
ン界面活性剤とを加え水系懸濁液として添加することが
望ましい。
【0018】スチレン系重合体粒子を水性媒体中に分散
させるために用いられる懸濁安定剤としては、従来より
懸濁重合において一般に使用されている公知の、ポリビ
ニルアルコール、メチルセルローズ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、第三リ
ン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無
機化合物等が挙げられる。難溶性無機化合物を用いる場
合には、通常ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のア
ニオン界面活性剤が併用される。
【0019】上記の易揮発性発泡剤としては、沸点が重
合体の軟化点以下である易揮発性を有する、例えばプロ
パン、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、
HCFC−141b、HCFC−142b、HCFC−
124、HFC−134a、HFC−152a等が挙げ
られ、これらの発泡剤は、単独もしくは2種以上を併用
して用いることができる。易揮発性発泡剤の使用量は、
得られる重合体粒子100重量部に対して、1〜10重
量%、好ましくは2〜7重量%である。また上記発泡剤
は、シード重合法において、通常重合後期あるいは重合
後に圧入して添加し、重合体粒子に含浸させる。
【0020】上記のシード重合法において、溶剤、可塑
剤、発泡セル造核剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑
剤、着色剤等、発泡性スチレン系重合体粒子を製造する
際に用いられる添加剤を、必要に応じて適宜使用しても
よい。得られる重合体粒子全体の重量平均分子量は、通
常の発泡成形に適した200000〜350000、好
ましくは220000〜300000の範囲に調整する
することが望ましい。重量平均分子量が200000よ
り小さいと発泡成形体の強度が低下し、350000よ
り大きいと発泡性能が低下する。また、シード重合法に
おいて使用する重合体種粒子についても、重量平均分子
量を上記の発泡成形に適合した範囲に調整したものを使
用することが好ましい。
【0021】重合体粒子の重量平均分子量を、通常の発
泡成形に適合した範囲に調整するには、重合開始剤を効
率よく働かせることが重要であり、無駄な分解を防ぎ重
合工程全域でラジカル発生するよう、重合開始剤の配
分、重合温度プログラム、単量体の供給速度、重合時の
重合率等を調整し制御する必要がある。重合開始剤を効
率よく働かせるためには、重合時に重合開始剤を重合体
粒子の表層部だけでなく、内部にまで拡散させておくこ
とが重要である。そのためには重合体種粒子を、スチレ
ン系単量体で適度に軟化させておく必要があり、重合体
粒子中における単量体の割合が35重量%を越えないよ
うに制御しながら単量体を供給し、反応を進めることが
有効である。単量体の割合が10重量%以下になると、
重合開始剤が無駄に消費され、得られる重合体が高分子
量化して好ましくない。
【0022】重合開始剤を、連続的に供給する単量体の
供給量に比例して添加し、80〜90℃の一定温度で反
応させると、重合開始剤は初期には少なく、進行に伴い
蓄積されて後期には多くなるため、低分子量重合体が粒
子表層部に形成されることとなる。粒子内部に比して粒
子表層部に低分子量重合体が形成されると、発泡粒子表
層部の熱的性質が低下することになり、予備発泡時に発
泡粒子同士が合着し易く、また発泡成形時には発泡粒子
相互の融着を阻害し、発泡粒子間隙を十分に埋めること
ができない。更には、発泡成形体の表面が溶融して成形
体の外観を悪化し、発泡成形体強度も低下させることに
もなる。
【0023】重合体粒子の表層部のみを重合体粒子全体
の平均分子量よりも高分子量化する具体的方法として
は、例えば次のような方法があげられる。すなわち、1
0時間の半減期を得るための分解温度が50〜80℃の
重合開始剤が、スチレン系単量体の供給終了時に殆ど無
くなるように設定し、重合温度を高温にして重合体粒子
表層部の重量平均分子量を高くするのである。例えば、
重合開始剤を最初に全量添加して重合を行う場合、重合
開始剤の分解が効率的に働くように重合初期温度を比較
的低温に設定し、単量体の供給時に重合ラジカルが遂次
適度に発生していくように昇温し温度勾配を与える方法
が有効である。
【0024】このようにして得られる本発明の重合体粒
子表層部の重量平均分子量が粒子全体の重量平均分子量
より3〜30%高くされた発泡性ポリスチレン系重合体
粒子は、予備発泡時には発泡粒子同士が互いに合着する
ことがなく、型内発泡成形を行うと、発泡粒子相互の融
着がよく、粒子間の間隙がよく埋められ、平滑性に優れ
た外観の良好な発泡成形体が得られる。
【0025】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ただし、本発明の技術的範囲はこれらの実施例
に限定されるものではない。以下の実施例において、発
泡成形体の表面状態は、粒子間の間隙の度合いにより、
次のように評価した。
【0026】1:間隙あり大、2:隙間あり中、3:間
隙あり小(現行普通市販品程度)、4:隙間あり極小、
5:間隙なし 発泡成形体の内部融着率は、発泡成形品を破断したとき
に、発泡粒子が破断した面の割合を%で示したものであ
る。また、重合体粒子の重量平均分子量は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC)によって、次
のように測定した。 測定装置:東ソ社製 ゲルパーメーションクロマトグラ
フHLC−8020、 カラム:TSKgelGMHーXL−L 7.8mm×
30cm×2、 溶離液:THF、流速:1ml/min、温度:40
℃、検出:RI。
【0027】GPC測定用の粒子表層部(粒子表面から
約10重量%の範囲)の試料採取は次のように行った。
まず得られた発泡性スチレン重合体粒子を飽和蒸気中
で、カサ倍数80倍に発泡させ、その発泡粒子の表層部
を剃刀刃で、およそ粒子の10重量%になるように薄皮
状に剥き試料とした。GPCは、20〜30粒子より採
取した試料の溶解液で測定した。
【0028】〔実施例1〕5.6lの反応器に、純水1
550g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.7
g、ピロリン酸マグネシウム5gを入れ、粒子径が0.
45〜0.65mmで重量平均分子量が280000の
ポリスチレン(スチレンを、ピロリン酸マグネシウム、
ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを使用した水性媒体
中で、通常の懸濁重合を行って得たもの)550gを加
えて撹拌し懸濁させた。
【0029】次いで予め用意した純水280g、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2g、ピロリン酸マグ
ネシウム0.5gの分散液に、ベンゾイルパーオキサイ
ド4.5g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.
65gをスチレン240gに溶解して添加し、ホモミキ
サーで攪拌して懸濁液を作り、この懸濁液を70℃に保
持した反応器に加えた。
【0030】ポリスチレン粒子中に、スチレンと重合開
始剤とが吸収されるよう、1時間保持した後に、スチレ
ンを連続的に480g/hrの速度で3時間供給しなが
ら、スチレンの供給終了時に105℃になるように反応
器を昇温した。引き続き120℃に昇温し30分間保持
した後、シクロヘキサン40gを純水120g、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1g、ピロリン酸マグ
ネシウム0.5gの溶液に加え、ホモミキサーで攪拌し
懸濁液として反応器に添加し、100℃としてブタン2
10gを圧入し、2時間保持した後、常まで冷却して、
粒子径0.65〜0.95mmの発泡性ポリスチレン粒
子を得た。
【0031】この発泡性ポリスチレン粒子を洗浄、脱
水、乾燥した後、通常使用される表面処理剤であるジン
クステアレート2.2g、ヒドロキシステアリン酸トリ
グリセライド1.1gを被覆し、予備発泡機で水蒸気を
用いて加熱発泡し、カサ倍数55倍の予備発泡粒子を得
た。予備発泡時に発泡粒子の合着塊発生の有無を確認し
たが、合着は認められなかった。次いでこの予備発泡粒
子を、内寸300×400×100mm型窩を有する金
型を備えた発泡ビーズ自動成形機(積水工機製作所製
エース3型)を用いて発泡成形を行い、得られた発泡成
形体について表面状態(粒子間の間隙状態)、粒子間の
融着度合い(内部融着率)等を評価した。その結果を表
1に示す。
【0032】〔実施例2〕5.6lの反応器に、純水1
400g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.7
g、ピロリン酸マグネシウム5gを入れ、粒子径が0.
6〜0.7mmで重量平均分子量が280000のポリ
スチレン1100gを加えて撹拌し懸濁させた。 次い
で予め用意した純水400g、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ0.3g、ピロリン酸マグネシウム1.5g
の分散液に、ベンゾイルパーオキサイド3g及びt−ブ
チルパーオキシベンゾエート0.4gをスチレン530
gに溶解して添加し、ホモミキサーで攪拌して懸濁液作
り、この懸濁液を76℃に保持した反応器に加えた。
【0033】ポリスチレン粒子中に、スチレンと重合開
始剤とが吸収されるよう、1時間保持した後に、スチレ
ンを連続的に620g/hrの速度で1時間供給しなが
ら、スチレンの供給終了時に108℃になるように反応
器を昇温した。引き続き121℃に昇温し15分間保持
した後、トルエン35gを純水100g、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダ0.1g、ピロリン酸マグネシウ
ム0.5gの溶液に加え、ホモミキサーで攪拌し懸濁液
として反応器に添加し、100℃としてブタン145g
を圧入し、2時間保持した後、常温まで冷却して粒子径
0.65〜0.95mmの発泡性ポリスチレン粒子を得
た。後はこの発泡性ポリスチレン粒子を、実施例1と同
様して予備発泡し、発泡成形して発泡成形体を製造し
た。粒子の重量平均分子量、予備発泡時の発泡粒子合着
の度合い、発泡成形体の表面状態、及び内部融着率の測
定、評価結果を表1に示す。
【0034】〔比較例1〕5.6lの反応器に、純水1
800g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.7
g、ピロリン酸マグネシウム5gを入れ、粒子径が0.
6〜0.7mmで重量平均分子量が280000のポリ
スチレン1300gを加えて撹拌し懸濁させた。 次い
で予め用意した純水500g、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ0.4g、ピロリン酸マグネシウム1.5g
の分散液に、ベンゾイルパーオキサイド3g、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート0.4g、トルエン32gを
スチレン530gに溶解して添加し、ホモミキサーで攪
拌して懸濁液作り、この懸濁液を78℃に保持した反応
器に加えた。
【0035】スチレン、トルエン、及び重合開始剤がポ
リスチレンに吸収されるまで時間保持した後、スチレン
を連続的に730g/hrの速度で30分間供給した。
次いでブタン220gを圧入し、100℃に昇温した
後、4時間保持し、常温まで冷却して粒子径0.6〜
0.9mmの発泡性ポリスチレン粒子を得た。後はこの
発泡性ポリスチレン粒子を、実施例1と同様して予備発
泡し、発泡成形して発泡成形体を製造した。粒子の重量
平均分子量、予備発泡時の発泡粒子合着の度合い、発泡
成形体の表面状態、及び内部融着率の測定、評価結果を
表1に示す。
【0036】〔比較例2〕5.6lの反応器に、純水1
550g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.7
g、ピロリン酸マグネシウム5gを入れ、粒子径が0.
45〜0.65mmで重量平均分子量が280000の
ポリスチレン550gを加えて撹拌し懸濁させた。
【0037】次いで予め用意した純水280g、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2g、ピロリン酸マグ
ネシウム0.5gの分散液に、ベンゾイルパーオキサイ
ド3.7g、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.6
5gをスチレン240gに溶解し添加してホモミキサー
で攪拌して懸濁液を作り、この懸濁液を72℃に保持し
た反応器に加えた。
【0038】ポリスチレン粒子中に、スチレンと重合開
始剤とが吸収されるよう、1時間保持した後に、スチレ
ンを360g/hrの速度で4時間供給しながら、スチ
レン供給終了時に102℃になるように反応器を昇温し
た。引き続き120℃に昇温し30分間保持した後、シ
クロヘキサン40gを純水120g、ドデシルベンゼン
スルホン酸ソーダ0.1g、ピロリン酸マグネシウム
0.5gの溶液に加え、ホモミキサーで攪拌して懸濁液
として反応器に添加し、100℃としてブタン210g
を圧入し、2時間保持した後、常温まで冷却して粒子径
0.65〜0.95mmの発泡性ポリスチレン粒子を得
た。後は得られた発泡性ポリスチレン粒子を、実施例1
と同様して予備発泡し、発泡成形して発泡成形体を製造
した。粒子の重量平均分子量、予備発泡時の発泡粒子合
着の度合い、発泡成形体の表面状態、及び内部融着率の
測定、評価結果を表1に示す。
【0039】〔比較例3〕上記実施例1のシード重合法
において種粒子として使用したポリスチレン粒子を、粒
子径0.65〜0.95mmにふるい分級し、同じピロ
リン酸マグネシウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダを用いた水性媒体を使用し、実施例2に準じて、ブタ
ン、トルエンを含浸し、発泡性ポリスチレン粒子を得
た。
【0040】得られた発泡性ポリスチレン粒子を、実施
例1と同様して予備発泡し、発泡成形して発泡成形体を
製造した。粒子の重量平均分子量、予備発泡時の発泡粒
子合着の度合い、発泡成形体の表面状態、及び内部融着
率の測定、評価結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明では、特に重合体粒子表面から1
0重量%の範囲の粒子表層部の重量平均分子量が粒子全
体の重量平均分子量より3〜30%高くされた発泡性ポ
リスチレン系重合体粒子は、予備発泡時に発泡粒子同士
が互いに合着することがなく、また発泡成形時には、発
泡粒子相互の融着がよく、粒子間の間隙がよく埋めら
れ、平滑性に優れた外観の良好な発泡成形体が得られ
る。本発明の発泡性ポリスチレン系重合体粒子は、特に
肉厚が薄く複雑な形状を有する型物発泡成形体を成形す
る場合においても、成形体の表面が溶融することなく、
平滑性に優れた美麗な外観を有する発泡成形体を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−185616(JP,A) 特開 平7−188449(JP,A) 特開 平7−188450(JP,A) 特開 平4−185616(JP,A) 特開 昭62−288608(JP,A) 特開 平4−91141(JP,A) 特公 昭49−2994(JP,B1) 特公 昭49−19111(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】易揮発性発泡剤を含有する発泡性スチレン
    系重合体粒子において、上記スチレン系重合体粒子表面
    から10重量%の範囲の表層部の重量平均分子量が、重
    合体粒子全体の重量平均分子量より3〜30%高くされ
    ていることを特徴とする発泡性スチレン系重合体粒子。
  2. 【請求項2】発泡性スチレン系重合体樹脂粒子が、スチ
    レン系重合体粒子を水性媒体中に懸濁させ、これにスチ
    レン系単量体を供給して重合し、発泡剤を含浸すること
    により得られたものである請求項1記載の発泡性ポリス
    チレン系重合体粒子。
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