JP2006160905A - 再生発泡性スチレン系樹脂粒子、その製造方法、再生スチレン系発泡ビーズ及び再生発泡スチレン系樹脂成形品 - Google Patents

再生発泡性スチレン系樹脂粒子、その製造方法、再生スチレン系発泡ビーズ及び再生発泡スチレン系樹脂成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 成形品の外観及び成形品の強度に優れる再生発泡性スチレン系樹脂粒子、その製造方法、再生スチレン系発泡ビーズ及び再生発泡スチレン系樹脂成形品を提供する。
【解決手段】 再生スチレン系樹脂からなる核と、前記核を内包するバージンのスチレン系樹脂からなる再生スチレン系樹脂粒子であって、その表面から中心に向かって5等分した中心から1/5までを形成する中心部分の重量平均分子量が15〜25万、樹脂粒子全体の重量平均分子量(A)に対する樹脂粒子表面から中心に向かって1/5を形成する表面部分の重量平均分子量(B)の比率[(B)/(A)]×100(%)が、110を超え、さらに、樹脂粒子全体の重量平均分子量(A)に対する、前記表面部分を、さらに表面から中心に向かって6等分した1/6までを形成する最表面部分の重量平均分子量(b)の比率[(b)/(A)]×100(%)が、130を超える再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
【選択図】 図1

Description

本発明は、再生発泡性スチレン系樹脂粒子、その製造方法、該再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して得られる再生スチレン系発泡ビーズ、該発泡ビーズを発泡成形して得られる再生発泡スチレン系樹脂成形品に関する。
従来、発泡スチレン系樹脂成形品は、一度使用された後、焼却処分されるか、発泡品を加熱して熱収縮させたり、又は、発泡品を溶剤で溶解してポリスチレンとして再利用(リサイクル)が図られている。この再利用(リサイクル)の比率は、現在のところ不十分であり、今後、環境等の観点から再利用率を上げていくことが、社会的課題とされている。
この発泡スチレン系樹脂成形品の再利用方法としては、上記成形品を熱収縮塊等として回収し、その後の処理により再生ポリスチレンとする方法が挙げられる。得られた再生ポリスチレンは主に、射出成形による雑貨品、押出成形による建材等の用途に利用されているが、現在、再生ポリスチレンから得られた発泡スチレン系樹脂成形品の再生利用法は限定されたものであり、その用途の拡大が求められている。
一方、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品から得られた再生スチレン系樹脂を発泡性スチレン系樹脂粒子として再利用することが、「リサイクル」という言葉の上からも好ましいと考えられる。しかしながら、現在のところ、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品から回収された再生スチレン系樹脂を、発泡性スチレン系樹脂粒子として工業的に再生している例は少ない。
使用済み発泡スチレン系樹脂成形品の熱収縮塊等から発泡性スチレン系樹脂粒子を再生する方法としては、上記収縮塊を押出機でペレット化しこれに発泡剤を含浸する方法が最も技術的には容易であるが、この方法で発泡性スチレン系樹脂として需要の多い粒子径0.3〜1.5mmとするには、押出し工程での吐出量の低下を招くこと、及び混入したゴミに起因して生産性が著しく低下し、経済的とは云いがたい。また、得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、収縮塊として回収する際の熱、及び上記押出し工程による熱により分子量が低下し耐熱性が劣るため、成形品が収縮して外観が低下したり、成形品の強度が低下する問題があった。
これら問題点を解決する方法として、発泡スチレン系樹脂成形品の収縮物を無延伸溶融及び粉砕して得られるスチレン系樹脂粒子を、有機系分散剤を含む水性媒体中に分散し、易揮発性発泡剤を含浸して発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法が提案されている(特許文献1)。
また、再生スチレン系樹脂の分子量低下を補う方法として、ホットカット式押出機により得られた再生スチレン系樹脂のペレットを核とし、触媒を含むスチレン単量体をシード重合させ、発泡剤を含浸させて再生発泡性スチレン系樹脂粒子とする方法が提案されている(特許文献2)。
特開平6−87973号公報 特開平5−98062号公報
しかしながら、上述した発泡スチレン系樹脂成形品の収縮物を無延伸溶融及び粉砕して得られる再生スチレン系樹脂粒子を、有機系分散剤を含む水性媒体中に分散し、易揮発性発泡剤を含浸して再生発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法では、発泡スチレン系樹脂成形品の収縮物を押出機等で無延伸ペレットとする必要がある。この無延伸ペレットを作製できる押出機は一般的なものではなく特殊な押出機等であるため、生産できる設備が限定され、生産量が少なくなってしまうという問題があった。また、押出し工程での熱により樹脂が劣化し得られた成形品の強度が低下する問題もあった。
一方、上記ホットカット式の押出機を使用する方法では、球状の良好な樹脂粒子が得られる特徴はあるが、ペレット粒子径の大きさによって生産性が決まってしまう。特に、需要の多い0.3〜1.5mmの粒子を得る場合、押し出し工程での吐出量の低下を招き、生産性が低下する。また、使用済み発泡スチレン系成形品を処理する場合、混入したゴミを除去するため押出機に設けるスクリーンを細かくする必要があり、ペレット粒子径を小さくした場合には、スクリーン交換回数が増加し作業性が悪化する問題があった。また、得られた再生発泡スチレン系樹脂粒子から作製した成形品の外観が低下する問題もあった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、従来の再生発泡性スチレン系樹脂粒子で課題であった成形品の外観及び成形品の強度に優れる再生発泡性スチレン系樹脂粒子、その製造方法、再生スチレン系発泡ビーズ及び再生発泡スチレン系樹脂成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために良好な外観と成形品の強度を有する再生発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法について鋭意研究を進めたところ、再生スチレン系樹脂粒子の中心部分や表層部分の分子量を調整すれば、上記課題を解決できるとの知見を得た。そこで、再生スチレン系樹脂粒子の表層部分の分子量を調整するために、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造における粒子を核としてスチレン系単量体をシード重合させる際の反応性を中心に検討したところ、主に重合中の反応槽内の酸素濃度を制御することによって、再生スチレン系樹脂粒子の中心部分の分子量を低く、表層部分の分子量を高くすることができ、この結果を利用して本発明に規定するように粒子の分子量を調整したところ、再生発泡性スチレン系樹脂成形品の外観及び強度を大幅に向上できることを見いだし、発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 再生スチレン系樹脂からなる核と、前記核を内包するバージンのスチレン系樹脂からなる再生スチレン系樹脂粒子であって、その表面から中心に向かって5等分した中心から1/5までを形成する中心部分の重量平均分子量が15〜25万、樹脂粒子全体の重量平均分子量(A)に対する樹脂粒子表面から中心に向かって1/5を形成する表面部分の重量平均分子量(B)の比率[(B)/(A)]×100(%)が、110を超え、さらに、樹脂粒子全体の重量平均分子量(A)に対する、前記表面部分を、さらに表面から中心に向かって6等分した1/6までを形成する最表面部分の重量平均分子量(b)の比率[(b)/(A)]×100(%)が、130を超えることを特徴とする再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
[2] 樹脂粒子の表面から中心に向かって5等分した表面から1/5までを形成する表面部分のゲルパーミエーションクロマトグラフ法のチャートが二山又はショルダーを有することを特徴とする上記[1]に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
[3] 再生スチレン系樹脂粒子を水性媒体中に懸濁させ、この懸濁液に予め重合開始剤を溶解したスチレン系単量体を加え再生スチレン系樹脂粒子に含浸させ、引き続きスチレン系単量体を加え重合を行った後、発泡剤を含浸させることを特徴とする上記[1]または上記[2]に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[4] 上記[3]に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、重合率が60〜97%のとき、反応槽内の酸素濃度を、1体積%以下に保って重合反応を進めることを特徴とする上記[3]に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[5] 上記[3]または上記[4]に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、核となる再生スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量が10〜25万であることを特徴とする再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[6] 上記[3]ないし上記[5]のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、核となる再生スチレン系樹脂粒子の粒子径が0.1〜2.0mmであることを特徴とする再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[7] 上記[3]ないし上記[6]のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、核となる再生スチレン系樹脂粒子の比率が、再生発泡性スチレン系樹脂粒子に対して20〜70重量%であることを特徴とする再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[8] 上記[1]または上記[2]に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して得られる再生スチレン系発泡ビーズ。
[9] 上記[8]に記載の再生スチレン系発泡ビーズを発泡成形して得られる再生発泡スチレン系樹脂成形品。
本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、従来の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の課題であった成形品の外観及び成形品の強度を改善し、外観が良好で、成形品の強度に優れた再生発泡性スチレン系樹脂粒子とその製造方法を提供することが出来、それを用いることで成形品の外観及び成形品の強度に優れた再生スチレン系発泡ビーズや再生発泡スチレン系樹脂成形品を提供することが出来る。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法について説明する。
本発明で用いる再生スチレン系樹脂は、(1)使用済み発泡スチレン系樹脂の減容物を得る再生樹脂取得工程と、(2)上記再生樹脂を粒子径0.1〜2.0mmとする再生スチレン系樹脂粒子取得工程により再生スチレン系樹脂粒子を得ることにより製造される。
そして、再生スチレン系樹脂を核とし、その核を内包するバージンのスチレン系樹脂からなる再生スチレン系樹脂粒子は、(3)前記で得られた再生スチレン系樹脂粒子を水性媒体中に懸濁させ、再生スチレン系樹脂粒子に重合開始剤を予め溶解したスチレン系単量体を含浸させ、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行う重合工程により得ることが出来、本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、(4)上記重合後の再生スチレン系樹脂粒子に含浸温度が好ましくは100℃以上で発泡剤を含浸させる発泡剤含浸工程により得ることができる。以下に上記の各工程を詳細に説明する。
(1)再生樹脂取得工程
本発明における使用済みの発泡スチレン系樹脂の減容物は、加温による熱収縮、圧縮による気泡破壊収縮、摩擦熱による収縮又は溶融によって作製できる。
本発明で用いるスチレン系樹脂の減容物は、比重調整を目的に熱溶融されることが好ましい。この工程で、再生スチレン系樹脂の比重を0.6以上に調整することが好ましく、0.9以上に調整することがより好ましい。比重が0.6未満では、樹脂粒子の分散が不安定であるため、重合工程中に過大粒子が発生し収率が低下する傾向がある。スチレン系樹脂の熱溶融は、押出機、熱ロール等の従来既知の手段を使用できる。またこの工程で押出機等に設けられたスクリーンによって異物を除去することができる。
熱溶融工程で樹脂にひずみが残っていても、樹脂の軟化点以上の温度で一定時間養生することでひずみを緩和させることができる。
さらに本発明では、押出成形の際に、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸ビスアミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸の金属塩及びタルク、炭酸カルシウム等の無機物を気泡調整剤として混練することができる。この場合、予め粉砕物と気泡調整剤を混合させた後、押出成形される。粉砕物と気泡調整剤の混合は、従来既知の手段で行うことができる。例えば、リボンブレンダー、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲーミキサー等の混合機が使用できる。
本発明で用いられる気泡調整剤である高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸の金属塩の配合量は、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品に対して0.01〜2重量%、の範囲であることが好ましい。0.01重量%未満では気泡サイズを小さくする十分な効果が得られない傾向にあり、また、2重量%を超えると、気泡サイズが極端に小さくなり、成形時に樹脂が溶融し成形品外観が悪化する傾向がある。
本発明で用いられる気泡調整剤である無機物の配合量は、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品に対して0.1〜5重量%の範囲であることが好ましい。0.1重量%未満では気泡サイズを小さくする十分な効果が得られない傾向にあり、また5重量%を超えると、気泡サイズが極端に小さくなり、成形時に樹脂が溶融し成形品外観が悪化する傾向がある。
(2)再生スチレン系樹脂粒子調製工程
上記で得られた再生スチレン系樹脂を粉砕機により細粉砕して、再生スチレン系樹脂粒子を作製する。粉砕に用いる粉砕機は、プラスチック用のものが適用できるが、ポリスチレンを目的とした、粒子の径の大きさが0.1〜3mmの範囲に粉砕可能なものであれば、必ずしも粉砕機に限定されるものではない。この細粉砕された再生スチレン系樹脂粒子は、粒径を調整後、後述するスチレン系単量体との重合の際、核として用いられる。
粉砕によって得られた目的以外の大きさの再生スチレン系樹脂粒子は、ふるい分けされ、粒子径が大きいものは再度、粉砕工程に供することができる。
本発明において用いる再生スチレン系樹脂粒子の径の大きさは、0.1〜2mmが好ましく、0.4〜1.7mmがより好ましい。再生スチレン系樹脂粒子の大きさが2mmを超えると製品形状が球形になりにくい傾向があり、0.1mm未満では重合を行った後でも粒子径が小さすぎ、再生発泡性スチレン系樹脂としたときの需要が少ない。
核となる再生スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は10万〜25万とすることが好ましい。重量平均分子量が10万未満では十分な強度が得られない傾向があり、25万を超えると、粒子が球状化し難い傾向がある。より好ましくは15万〜23万である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することができる。
(3)重合工程
上記再生スチレン系樹脂粒子を、水性媒体中に懸濁させて懸濁液とする。水性媒体中への分散は、通常、攪拌翼を備えた装置を用いて行われ、その条件等に制限はない。本発明に用いられる水性媒体としては、例えばイオン交換水などが挙げられる。
上記再生スチレン系樹脂粒子は、分散剤と共に分散することが好まし。本発明に用いる分散剤としては、一般的に、懸濁重合に用いられるものであればよく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の有機系分散剤、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等の難溶性無機塩が挙げられる。
さらに、界面活性剤も用いることができる。界面活性剤として、具体的には、例えば、オレイン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、その他懸濁重合で一般的に使用されるアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの分散剤の中では、スチレン系単量体の油滴の安定性から、有機系分散剤を使用することが好ましい。
次に、上記懸濁液に、予め重合開始剤を溶解したスチレン系単量体を加え、核となる再生スチレン系樹脂粒子に含浸させる。本発明で使用するスチレン系単量体とは、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体の1種または2種以上、又はこれらと、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、対応するアクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、塩化ビニル等その他の重合可能な単量体との組み合わせ等である。
また、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の架橋剤を含めて使用してもよい。
スチレン系単量体との合計量に対し、再生スチレン系樹脂粒子の配合量の比率は、20〜80重量%であり、より好ましくは25〜50重量%である。80重量%を超えると粒子が球形化し難くなる。また、20重量%未満では重合過程で粒子同士が合一し易くなる傾向である。
重合反応に用いる重合開始剤としては、懸濁重合法に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーベンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物の1種または2種以上を使用することができる。
重合開始剤は、溶剤に溶解して加え、再生スチレン系樹脂粒子に含浸させてもよい。この場合、重合開始剤を溶解する溶剤としては、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素等が用いられる。これらを用いる場合は、通常、スチレン系単量体に対して3重量%以下で使用される。重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類により異なるが、一般的に単量体に対して0.1〜0.5重量%の範囲が好ましい。
尚、本発明では、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸ビスアミドなどを気泡調整剤として、スチレン系単量体又は前記溶剤に溶解して用いてもよい。
水性媒体中に分散された再生スチレン系樹脂粒子からなる核に、スチレン系単量体を含浸させる方法としては、スチレン系単量体を単独で添加する方法と、水性媒体中にスチレン単量体、分散剤等を添加し微細に分散させた分散液として添加する方法がある。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
スチレン系単量体、分散剤等を水性媒体に添加し微細に分散する方法は、通常、撹拌翼を備えた装置を用いて行なわれる。その条件等に制限はないが、より微細に分散する方法としては、ホモミキサーを用いるのが好ましい。このときスチレン系単量体を分散した分散液の油滴径が、核の粒子径以下になるまで分散するのが好ましい。油滴径が核の粒子径よりも大きい状態で水性媒体中に添加されると、スチレン系単量体を分散した分散液の油滴に複数の樹脂粒子が取り込まれ、樹脂粒子の粘着、可塑化、合一が生じ、過大粒子が発生しやすいためである。
上記懸濁液に、重合開始剤を溶解したスチレン系単量体を加え、核となる再生スチレン系樹脂粒子に含浸させた後、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行う。
スチレン系単量体の添加は、分割して行っても連続的に行ってもよい。また、添加速度は、重合装置の容量、形状、重合温度等によって異なり適宜選択される。また、重合温度は、60〜105℃の範囲が好ましい。
上記重合工程において、反応槽内の酸素濃度を、重合率が60〜97%のとき1体積%以下に保つことにより、表層部の重量平均分子量を調整すると好ましい。好ましくは、重合率が60〜97%のとき酸素濃度を0.5体積%以下に保ちながら、スチレン系単量体を添加する。
反応槽内の酸素濃度を、重合率が60〜80%のとき5体積%以下、重合率が80〜97%のとき1体積%以下に保つことにより、樹脂粒子表層部分の低分子量化が抑えられ、表面部分の分子量を、樹脂粒子全体の重量平均分子量(A)に対する樹脂粒子表面から中心に向かって1/5を形成する表面部分の重量平均分子量(B)の比率[(B)/(A)]×100(%)が、110を超え、さらに、樹脂粒子全体の重量平均分子量(A)に対する、前記表面部分を、さらに表面から中心に向かって6等分した1/6までを形成する最表面部分の重量平均分子量(b)の比率[(b)/(A)]×100(%)が、130を超えるように調整することができる。
上記の酸素濃度を超えると、表面部分は十分に高分子量化せず、得られた再生発泡スチレン系樹脂粒子を長期保管後の成形品の外観は低下する。
反応槽内の酸素濃度は、反応槽内の空気を窒素等の不活性ガスで置き換えることにより調整できる。
本重合工程により、特に樹脂粒子の外側部分の分子量が高くなる。粒子全体の分子量は、重合開始剤の濃度を調整および/または連鎖移動剤の使用により調整できる。連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の従来公知のものが使用できる。
(4)発泡剤含浸工程
続いて、重合中または重合後の樹脂粒子に、発泡剤を含浸させる。発泡剤の含浸は、発泡剤を容器内に圧入し、通常再生スチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に上げ、樹脂粒子中に含浸させる。
発泡剤としては、上記再生スチレン系樹脂粒子を溶かさない発泡剤、または僅かに膨潤させるものが好ましく、具体的にはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素が用いられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
これらの発泡剤は、通常再生スチレン樹脂粒子に対して3〜15重量%使用される。
発泡剤の含浸温度は、好ましくは100〜140℃であり、より好ましくは100〜120℃である。発泡剤の含浸温度が100℃未満では、粒子が球形化し難くなる。140℃を超えると合一ビーズが発生し易くなり好ましくない。発泡剤の含浸が完了した後、重合系内より排出することによって、発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができる。
上記発泡性スチレン系樹脂粒子全体の重量平均分子量(Mw)は、25〜50万であることが好ましく、27〜40万であることがより好ましい。25万未満だと成形品の収縮が大きくなり、外観が低下する傾向にある。
発泡性スチレン系樹脂粒子を脱水乾燥した後、必要に応じて表面被覆剤を被覆することができる。かかる被覆剤は、従来公知である発泡性スチレン系樹脂粒子に用いられるものが適用できる。例えば、ジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、牛脂硬化油、シリコーン類、静電気防止剤等である。
本発明の方法で製造した再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、再生スチレン系樹脂粒子を重合の核として使用しているにもかかわらず、発泡成形性及び強度に優れ、特に長期保管後の成形品の外観に優れた再生発泡性樹脂粒子を得ることができる。
以下、本発明の再生スチレン系発泡ビーズについて説明する。
本発明の再生スチレン系発泡ビーズは、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して製造する。一般的には、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を、スチーム等により加熱して所定の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経て得ることができる。嵩密度は、20〜60ml/gが好ましく、30〜50ml/gがより好ましい。また、熟成工程とは、予備発泡により粒子が急激に体積膨張し粒子内部が真空状態となっているものを空気との置換により常圧に戻す工程である。
続いて、本発明の再生発泡スチレン系樹脂成形品について説明する。
本発明の再生発泡スチレン系樹脂成形品は、上記再生スチレン系発泡ビーズを金型に充填し、再度スチーム等で加熱発泡成形して製造することができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
[再生スチレン系樹脂粒子の作製]
使用済みの発泡スチレン系樹脂成形品(日立化成工業株式会社製ハイビーズSSB−TX−7より得られた成形品)を220℃の熱風で収縮させ、見かけ比重0.8、大きさ500mm×400mm×100mm及び重さ約16kgの収縮物を得た。この収縮物を10mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(ZA−560型粉砕機、株式会社ホーライ商品名)で粗粉砕した。このとき得られた粗粉砕物の最大長さは、おおよそ10mm、嵩比重0.65であった。ついで、ヘンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、FM10B)にこの粗粉砕物2000g及び平均粒子径が10μmのタルク(林化成株式会社製、ミクロホワイト#5000)20g及びエチレンビスステアリルアミド0.6gを入れ、2000rpmで2分間混合した。
次いで、このタルク及びエチレンビスステアリルアミドで被覆された粗粉砕物をベント付き30mm押出機(T型ダイス、シート幅300mm、シート肉圧1mm)を用いて押出速度とほぼ同じ速度でシートを引きながら溶融押出した。
さらに、冷却固化前に、押出方向に対し水平に、1mm間隔、深さ0.5mmのスリットをロールで設け、冷却固化後、切断機で約10〜15cmに切断した。引き続き、得られたシート状スチレン系樹脂の切断片を、2mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(VM−16型粉砕機、株式会社オリエント商品名)で細粉砕した。細粉砕物を、0.6〜1.2mmの範囲に篩で分級し再生スチレン系樹脂粒子とした。
この再生スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は20.1万、比重は0.92であった。
引き続き、得られた細粉砕物(ペレット)を、2mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(VM−16型粉砕機、株式会社オリエント商品名)でさらに細粉砕した。細粉砕物を、0.6〜0.85mmの範囲に篩で分級し、再生スチレン系樹脂粒子とした。この再生スチレン系樹脂粒子の比重は0.94であった。
[含浸・重合工程]
5Lの耐圧攪拌容器に上記の再生スチレン系樹脂粒子1100g、脱イオン水1600g、リン酸三カルシウム12.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.2gを仕込み、容器内空間を7ml/minの流量で窒素を30分間パージし、密閉後75℃に昇温した。昇温後の反応器内の酸素濃度は0.2〜0.8vol%であった。
次いで、容器内を5ml/minの流量で窒素をパージしながら以下の作業を行った。単量体分散容器に脱イオン水300gとポリビニルアルコール1.3gを入れ混合し、これにt−ブチルパーオキサイド0.66gを溶解したスチレン単量体130gを加えホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて5800rpmで120秒攪拌しスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させた。このスチレン単量体分散液を耐圧攪拌容器内に添加し、40分間保温した。
その後、単量体分散容器に脱イオン水300gとポリビニルアルコール1.3gを入れ混合し、これにベンゾイルパーオキサイド2.5gを溶解したスチレン単量体130gを加えホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて5800rpmで120秒間攪拌しスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させたスチレン単量体分散液を耐圧攪拌容器内に添加し、35分間保温した。
その後、スチレン単量体840gを7時間かけて75℃から89℃に昇温しながら等速度(2.0g/分)で添加した。添加終了後、窒素パージを終了した。この時の樹脂粒子の重合率は98.1%であった。また、75℃昇温後から、この間の容器内の酸素濃度は0.2〜0.8vol%であった。
次いで、リン酸三カルシウム2.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05gを添加した後、115℃に昇温し、2時間保温した。
その後、100℃まで冷却し、発泡剤としてブタン(イソブタン/n−ブタンの重量比=4/6)を160gづつ2回に分けて圧入し、10時間保持した。
室温(25℃)まで冷却した後、発泡剤が含浸されたスチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥した。次いでこの重合体粒子を目開き2.2mm及び0.6mmの篩で分級し、2100gの樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子に対し、ステアリン酸亜鉛2.1g、次いで硬化ひまし油2.1gを順次加えて混合し、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子全体の重量平均分子量は31.8万、表面部分(樹脂粒子表面から中心に向かって1/5を形成する表面部分の重量平均分子量(B))の重量平均分子量は35.4万でそのGPCのチャートはショルダーを有しており、最表面部分(表面から中心に向かって6等分した1/6までを形成する最表面部分の重量平均分子量(b))の重量平均分子量は44.2万であった。
得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子を、発泡スチレン系樹脂用発泡機(日立化成テクノプラント株式会社製 HBP-500LW)を用い、スチームで加熱することによって、50ml/gの発泡ビーズに予備発泡し、再生スチレン系発泡ビーズを得た。
その後、約18時間熟成した後、発泡スチレン系樹脂用成型機(ダイセン工業株式会社製 VS−300)を用い、成形圧力0.08MPaで成形し、再生発泡スチレン系樹脂成形品(以下、「発泡成形品」という)を得た。
上記発泡成形品の表面平滑率、発泡成形品の収縮率、曲げ強度を評価し、その結果を表1に示した。表面平滑率は、95%と高く、発泡成形品の収縮率も0.38%と小さかった。さらに曲げ強度も0.285MPaと十分な強度を有していた。
尚、再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、以下の方法により評価した。
(1)成形品の収縮率
成形品収縮率(%)=[(金型寸法−成形品寸法)/金型寸法]×100
(2)成形品の表面平滑率
成形品の表面平滑率は、まず成形品の表面に印刷用インクをローラーで薄く塗り、この表面部分を画像処理装置にかけ、全面積に対する黒色部分の面積を求め、表面平滑率とした。
(3)曲げ強度
JIS A9511に準拠して測定した。
Figure 2006160905
[実施例2]
5Lの耐圧攪拌容器に実施例1で得られた再生スチレン系樹脂粒子550g、脱イオン水1900g、リン酸三カルシウム12.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.2gを仕込み、容器内空間を7ml/minの流量で窒素を40分間パージし、密閉後75℃に昇温した。昇温後の反応器内の酸素濃度は0.2〜0.8vol%であった。
次いで、容器内を5ml/minの流量で窒素をパージしながら以下の作業を行った。単量体分散容器に脱イオン水300gとポリビニルアルコール2.0gを入れ混合し、これにt−ブチルパーオキサイド1.0gを溶解したスチレン単量体130gを加えホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて5800rpmで120秒攪拌しスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させた。このスチレン単量体分散液を耐圧攪拌容器内に添加し、40分間保温した。
その後、単量体分散容器に脱イオン水300gとポリビニルアルコール2.0gを入れ混合し、これにベンゾイルパーオキサイド3.6gを溶解したスチレン単量体130gを加えホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて5800rpmで120秒間攪拌しスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させたスチレン単量体分散液を容器内に添加し、35分間保温した。
その後、スチレン単量体1390gを7時間で75℃から89℃になるよう昇温しながら等速度(3.3g/分)で添加した。添加完了後窒素パージを終了した。この時の樹脂粒子の重合率は98.3%であった。また、75℃昇温後から、この間の容器内の酸素濃度は0.2〜0.8vol%であった。
次いで、リン酸三カルシウム2.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05gを添加した後、115℃に昇温し、2時間保温した。
その後、実施例1と同様な操作を行い、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子全体の重量平均分子量は31.2万、表面の重量平均分子量は36.2万でそのGPCのチャートはショルダーを有しており、最表面の重量平均分子量は44.2万であった。
得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子を用い、実施例1と同様にして再生発泡スチレン系樹脂成形品を得た。
実施例1と同様に発泡成形品の表面平滑率、発泡成形品の収縮率、曲げ強度を評価し、その結果を表1に示した。その結果、表1に示したように、発泡成形品の表面平滑率は95.2%と高く、発泡成形品の収縮率も0.32%と小さかった。さらに曲げ強度も0.302MPaと十分な強度を有していた。
なお、重量平均分子量は、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて測定した。80ml/gに発泡した樹脂粒子の一部を用いて、顕微鏡で観察しながら、剃刀で、図1に示すように、粒子を10当分した。最も表面側にある部分aを表面分子量、表面部分aを更に表面から中心に向かって6等分した最表面部分bを最表面分子量として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により以下の装置および条件で測定した。
測定装置:株式会社日立製作所製
溶離液:THF、流量:2ml/分
検出器:UV220nm
カラム:日立化成工業株式会社製、GL−R400M2本
また、核となる再生スチレン系樹脂粒子の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラアフィー(GPC)法により以下の装置および条件で測定した。
測定装置:株式会社日立製作所製
溶離液:THF、流量:2ml/分
検出器:UV240nm
カラム:日立化成工業株式会社製、GL−R400M2本
[比較例1]
実施例1において、容器内の窒素置換を行わない以外は、実施例1と同様な操作を行い、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子全体の重量平均分子量は30.3万、表面部分の重量平均分子量は32.1万、最表面部分の重量平均分子量は30.8万であった。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を用い、実施例1と同様にして発泡成形品を得た。実施例1と同様に発泡成形品の表面平滑率、発泡成形品の収縮率、曲げ強度を評価し、その結果を表1に示した。発泡成形品の表面平滑率は83.9%と低く、発泡成形品の収縮率は0.88%と大きかった。さらに曲げ強度も0.232MPaと低い値を示した。
[比較例2]
実施例1で、75℃昇温前の窒素パージを10分間、75℃昇温後の窒素パージを2ml/minとした以外は、実施例1と同様の操作を行い、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。重合中の容器内の酸素濃度は4〜10vol%であった。得られた樹脂粒子全体の重量平均分子量は31.9万、表面部分の重量平均分子量は36.8万、最表面の重量平均分子量は29.2万であった。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を用い、実施例1と同様にして発泡成形品を得た。実施例1と同様に発泡成形品の表面平滑率、発泡成形品の収縮率、曲げ強度を評価し、その結果を表1に示した。発泡成形品の表面平滑率は85.1%と低く、発泡成形品の収縮率も0.71%と大きかった。さらに曲げ強度も0.229MPaと小さかった。
以上のように、本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、使用済み発泡スチレン系成形品の再利用に適している。
樹脂粒子表面から中心に向かって粒子を5等分したときの表面部分を、さらに6等分したときの各部分の分子量の測定方法を説明するための図。

Claims (9)

  1. 再生スチレン系樹脂からなる核と、前記核を内包するバージンのスチレン系樹脂からなる再生スチレン系樹脂粒子であって、その表面から中心に向かって5等分した中心から1/5までを形成する中心部分の重量平均分子量が15〜25万、樹脂粒子全体の重量平均分子量(A)に対する樹脂粒子表面から中心に向かって1/5を形成する表面部分の重量平均分子量(B)の比率[(B)/(A)]×100(%)が、110を超え、さらに、樹脂粒子全体の重量平均分子量(A)に対する、前記表面部分を、さらに表面から中心に向かって6等分した1/6までを形成する最表面部分の重量平均分子量(b)の比率[(b)/(A)]×100(%)が、130を超えることを特徴とする再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
  2. 樹脂粒子の表面から中心に向かって5等分した表面から1/5までを形成する表面部分のゲルパーミエーションクロマトグラフ法のチャートが二山又はショルダーを有することを特徴とする請求項1に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
  3. 再生スチレン系樹脂粒子を水性媒体中に懸濁させ、この懸濁液に予め重合開始剤を溶解したスチレン系単量体を加え再生スチレン系樹脂粒子に含浸させ、引き続きスチレン系単量体を加え重合を行った後、発泡剤を含浸させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 請求項3に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、重合率が60〜97%のとき、反応槽内の酸素濃度を1体積%以下に保って重合反応を進めることを特徴とする請求項3に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  5. 請求項3または請求項4に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、核となる再生スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量が10〜25万であることを特徴とする再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  6. 請求項3ないし請求項5のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、核となる再生スチレン系樹脂粒子の粒子径が0.1〜2.0mmであることを特徴とする再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  7. 請求項3ないし請求項6のいずれかに記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、核となる再生スチレン系樹脂粒子の比率が、再生発泡性スチレン系樹脂粒子に対して20〜70重量%であることを特徴とする再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  8. 請求項1または請求項2に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して得られる再生スチレン系発泡ビーズ。
  9. 請求項8に記載の再生スチレン系発泡ビーズを発泡成形して得られる再生発泡スチレン系樹脂成形品。

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