JP4052234B2 - 再生発泡性スチレン系樹脂粒子、再生発泡ビーズ及び再生発泡スチレン系樹脂成形品 - Google Patents

再生発泡性スチレン系樹脂粒子、再生発泡ビーズ及び再生発泡スチレン系樹脂成形品 Download PDF

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Description

本発明は、発泡スチレン系樹脂成形品を再生して得られる再生発泡性スチレン系樹脂粒、再生発泡ビーズ及び再生発泡スチレン系樹脂成形品に関する。
従来、発泡スチレン系樹脂成形品は、一度使用された後、焼却処分されるか、又は熱収縮されポリスチレンとして回収し再利用されているが、再利用の比率は不十分であり、今後、再利用率を上げていくことが、社会的課題とされている。
発泡スチレン系樹脂成形品を収縮塊として回収する技術は、既に完成されており、1999年には日本国内での発泡スチレン系樹脂成形品流通量の約33%が熱収縮塊等として回収されており、主に、射出成形による雑貨品、押出成形による建材等の用途に利用されている。このように、現在、発泡スチレン系樹脂成形品の再生利用法は限定されたものであり、その用途の拡大が急がれている。
一方、リサイクルという定義からは、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形し、最終的に発泡スチレン系樹脂成形品として使用されたスチレン系樹脂を、ポリスチレンとして他の用途に利用するのではなく、発泡性スチレン系樹脂粒子として再利用することが好ましいと考えられるが、現在のところ、発泡スチレン系樹脂成形品から回収されたスチレン系樹脂を発泡性スチレン系樹脂粒子として工業的に再生されている例は少ない。
発泡スチレン系樹脂成形品の収縮物等から発泡性スチレン系樹脂粒子を再生する方法としては、上記収縮物を押出機でペレット化しこれに発泡剤を含浸する方法が最も技術的には容易である。しかし、最も一般的に使用されているストランド式の押出機を用いてペレットを製造すると、ペレットの延伸方向(長さ方向)に歪が残り、発泡剤を含浸した再生発泡性スチレン系樹脂粒子は延伸方向に収縮し扁平状や卵形の形状となる。このため、これを発泡させた発泡ビーズを金型に充填する際、形状が球形でないため充填性が劣り充填不足による不良が多くなったり、得られた成形品の外観が劣る問題があった。
一方、発泡スチレン系樹脂成形品の収縮物等から球形の発泡性スチレン系樹脂粒子を再生する方法として、発泡スチレン系樹脂成形品の収縮物を無延伸溶融及び粉砕して得られるスチレン系樹脂粒子を、有機系分散剤を含む水性媒体中に分散し、易揮発性発泡剤を含浸して再生発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、この方法においては、発泡スチレン系樹脂成形品の収縮物を押出機等で無延伸ペレットとする必要があるが、無延伸ペレットを作製できる押出機は一般的ではく、生産できる設備が限定されるため生産量が限定される問題あった。
特開平6−87973号公報
そこで、本発明は、発泡スチレン系樹脂成形品から、最も広く採用されているストランド式押出機で作製される延伸ペレットを用い、球形の再生発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法を提供することを目的とする。
第一の本発明の態様によれば、延伸方向の寸法収縮率が10%以上50%以下の再生スチレン系樹脂ペレットを粉砕して、粒子径0.2mm〜2.5mmの再生スチレン系樹脂粒子を作製し、この再生スチレン系樹脂粒子を核として、水性媒体中に懸濁させ、重合開始剤とスチレン系単量体を前記再生スチレン系樹脂粒子に含浸させ、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行い、その後、含浸温度100℃以上において、発泡剤を含浸させる再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、再生発泡性スチレン系樹脂粒子に対する再生スチレン系樹脂粒子の比率が、70重量%以下である再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法が提供される。
第二の本発明の態様によれば、上記の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法により得られる再生発泡性スチレン系樹脂粒子が提供される。
第三の本発明の態様によれば、上記の再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して得られる再生スチレン系発泡ビーズが提供される。
第四の本発明の態様によれば、上記の再生スチレン系発泡ビーズを発泡成形して得られる再生発泡スチレン系樹脂成形品が提供される。
第五の本発明の態様によれば、延伸方向の寸法収縮率が50%以下の再生スチレン系樹脂ペレットを粉砕して得られる、粒子径0.2mm〜2.5mmの再生スチレン系樹脂粒子からなる、再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に用いる核が提供される。
本発明によれば、発泡スチレン系樹脂成形品の再利用において、延伸ペレットから、球形の再生発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法を提供することができる。
以下、本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法及びこれを発泡成形して得られる発泡成形品について詳しく説明する。
本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、核となる再生スチレン系樹脂粒子を水性媒体中に懸濁させ、重合開始剤とスチレン系単量体を前記の再生スチレン系樹脂粒子に含浸させ、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行った後、発泡剤を含浸させる。
本発明に用いる再生スチレン系樹脂粒子は、使用済みの発泡スチレン系樹脂の収縮物又は溶融物を必要に応じて適当な大きさに粗粉砕した粉砕物を押出成形して延伸ペレットを得、さらにこれを細粉砕して作製できる。
使用済みの発泡スチレン系樹脂の収縮物又は溶融物は、予め染料等により着色された使用済みの発泡スチレン系成形品を除外して作製することが好ましい。着色された成形品が混入すると、それから得られる再生発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡成形品が着色し製品価値を損ねるため好ましくない。
尚、使用済みの発泡スチレン系樹脂の収縮物又は溶融物の粉砕物に、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸ビスアミド、タルク等の無機物を気泡調整剤として混練することができる。この場合、予め粉砕物と気泡調整剤を混合させた後、押出成形する。気泡調整剤の量は適宜配合できるが、例えば、0.01〜2.0重量%である。
粉砕物と気泡調整剤の混合は、従来既知の手段で行うことができる。例えば、リボンブレンダー、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲーミキサー等の混合機が使用できる。
このような粉砕物を、公知の押出機、例えば、単軸押出機、二軸押出機等にストランドダイを取り付けたもの(ストランド式押出機)を使用して、押出成形して、延伸された再生スチレン系樹脂ペレットを作製できる。
具体的には、使用済みの発泡スチレン系樹脂の収縮物或いは溶融物の粉砕物、又はこれらと気泡調整剤の混合物を、押出機に投入し溶融混練させる。押出機先端のダイから、ストランド状に押出された溶融物は、冷却されながらペレタイザーに導入され、適当な長さに切断され、ほぼ円柱状の再生スチレン系樹脂ペレットになる。ただし、ペレットの形は円柱状に限定されない。
ペレットの、200℃雰囲気下で10分加熱した後の延伸方向の寸法収縮率は、50%以下、好ましくは30%以下である。寸法収縮率が50%を越えると、これを用いて製造した再生発泡性スチレン系樹脂粒子が球形化し難くなる。
尚、「延伸されている」とは、押出成形するとき、引出しながら成形することであり、例えば、寸法収縮率が10%以上である。
再生スチレン系樹脂ペレットの寸法収縮率は、押出機の吐出量や切断速度(引き取り速度)を調整することによって制御できる。
本発明では、さらに再生スチレン系樹脂ペレットを粉砕機により細粉砕して、再生スチレン系樹脂粒子を作製する。粉砕に用いる粉砕機は、プラスチック用のものが適用できるが、ポリスチレンを目的とした、0.2〜2.5mmの範囲に粉砕可能なものであれば、必ずしも粉砕機に限定されるものではない。
粉砕によって得られた目的以外の大きさのスチレン系樹脂は、ふるい分けされ、再度、押出機等による溶融工程に供することができる。
このような方法により得られた再生スチレン系樹脂粒子の比重は0.6以上に調整することが好ましく、0.9以上に調整することがより好ましい。再生スチレン系樹脂粒子の比重が0.6未満では、樹脂粒子の分散が不安定であるため、重合工程中に過大粒子が発生し歩留まりが低下する傾向がある。
本発明において用いる再生スチレン系樹脂粒子の大きさは、0.2〜2.5mmが好ましく、0.4〜1.7mmがより好ましい。再生スチレン系樹脂粒子の大きさが2.5mmを越えると製品形状が球形になりにくい傾向があり、0.2mm未満では重合の後でも粒子径が小さすぎて、再生発泡性スチレン系樹脂としたときの需要が少ない。
再生スチレン系樹脂粒子の粒径は、篩で分級して調整できる。
核となる再生スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は10万〜25万とすることが好ましい。重量平均分子量が10万未満では十分な強度が得られない傾向があり、25万を越えると、粒子が球状化し難い傾向がある。より好ましくは15万〜23万である。
再生スチレン系樹脂粒子を、水性媒体中に懸濁させて懸濁液とする。水性媒体中への分散は、通常、攪拌翼を備えた装置を用いて行われ、その条件等に制限はない。
再生スチレン系樹脂粒子は、分散剤と共に分散することが好ましい。本発明に用いる分散剤は、一般的に、懸濁重合に用いられるものであればよく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の有機系分散剤、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等の難溶性無機塩が挙げられる。
さらに、界面活性剤も用いることができ、例えば、オレイン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、その他懸濁重合で一般的に使用されるアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれでも使用できる。
これらの分散剤の中では、スチレン系単量体の油滴の安定性から、有機系分散剤を使用することが好ましい。
次に、上記懸濁液に、予め重合開始剤を溶解したスチレン系単量体を加え、核となる再生スチレン系樹脂粒子に含浸させる。
本発明で使用するスチレン系単量体は、スチレン、及びα−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体の1種または2種以上、又はこれらと、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、対応するアクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、塩化ビニル等その他の重合可能な単量体との組み合わせ等である。
また、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の架橋剤を使用しても差し支えない。
重合反応に用いる重合開始剤としては、懸濁重合法に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーベンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物の1種または2種以上を使用することができる。
重合開始剤は、溶剤に溶解して加え、再生スチレン系樹脂粒子に含浸させてもよい。この場合、溶剤としては、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素等が用いられ、これらを用いる場合は、通常、スチレン系単量体に対して3重量%以下で使用される。
重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類により異なるが、一般的に単量体に対して0.1〜0.5重量%の範囲が好ましい。
尚、本発明では、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸ビスアミド等を気泡調整剤として、スチレン系単量体又は前記溶剤に溶解して用いてもよい。
水性媒体中に分散された再生スチレン系樹脂粒子からなる核に、スチレン系単量体を含浸させる方法としては、スチレン系単量体を単独で添加する方法と、水性媒体中にスチレン単量体、分散剤等を添加し微細に分散させた分散液として添加する方法がある。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
スチレン系単量体、分散剤等を水性媒体に添加し微細に分散する方法は、通常、撹拌翼を備えた装置を用いて行なわれる。その条件等に制限はないが、より微細に分散する方法としては、ホモミキサーを用いるのが好ましい。このときスチレン系単量体を分散した分散液の油滴径が、核の粒子径以下になるまで分散するのが好ましい。油滴径が核の粒子径よりも大きい状態で水性媒体中に添加されると、スチレン系単量体を分散した分散液の油滴に複数の樹脂粒子が取り込まれ、樹脂粒子の粘着、可塑化、合一が生じ過大粒子が発生しやすいためである。
懸濁液に、重合開始剤とスチレン系単量体を加え、核となる再生スチレン系樹脂粒子に含浸させた後、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行う。
スチレン単量体の添加は、分割して行っても連続的に行ってもよい。また、添加速度は、重合装置の容量、形状、重合温度等によって異なり適宜選択される。また、重合温度は、60〜105℃の範囲が好ましい。
全体の分子量は、重合開始剤の濃度を調整するか、連鎖移動剤を併用するか、又はこれら両方により調整できる。連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の従来公知のものが使用できる。
続いて、重合中または重合後の樹脂粒子に、発泡剤を含浸させる。
発泡剤を容器内に圧入し、通常再生スチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に上げて、発泡剤を樹脂粒子中に含浸させることができる。
発泡剤としては、樹脂粒子を溶かさないか、または僅かに膨潤させるものが好ましく、具体的にはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素が用いられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
これらの発泡剤は、通常再生スチレン樹脂粒子に対して3〜15重量%使用される。
発泡剤の含浸温度は、好ましくは100℃以上であり、より好ましくは110℃以上である。発泡剤の含浸温度が100℃未満では、粒子が球形化し難くなる。140℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましい。
発泡剤の含浸が完了した後、重合系内より排出することによって、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができる。
また、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を脱水乾燥した後、必要に応じて表面被覆剤を被覆することができる。かかる被覆剤は、従来公知である発泡性スチレン系樹脂粒子に用いられるものが適用できる。例えば、ジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、牛脂硬化油、シリコーン類、静電気防止剤等である。
得られる再生発泡性スチレン系樹脂粒子(発泡剤含浸前)に対する再生スチレン系樹脂粒子の比率は、好ましくは70重量%以下であり、より好ましくは60重量%以下である。70重量%を越えると粒子が球形化し難くなる。また、比率が少なすぎると重合過程で粒子同士が合一し易くなるため、20重量%以上が好ましい。
本発明の方法で製造した再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、長さ方向に収縮する再生スチレン系樹脂ペレットを、さらに粉砕して作製した再生スチレン系樹脂粒子を重合の核として使用しているにもかかわらず、球形の粒子として得ることができる。
従って、無延伸の再生スチレン系樹脂ペレットを作製するための特殊な方法によらず、一般的な成形方法によって得られる再生ペレットを使用して再生発泡性スチレン系樹脂粒子を製造できる。
続いて、本発明の再生発泡成形品について説明する。
本発明の再生発泡成形品は、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形して製造する。
一般には、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を、スチーム等により加熱して所定の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経た発泡ビーズを成形金型に充填し再度スチーム等で加熱発泡成形して、発泡成形品を製造する。
次に実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
尚、再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、以下の方法により評価した。
(1)ペレット収縮率
200℃に設定した恒温槽にペレットを入れ、10分間加熱後恒温槽から取り出し、加熱前と加熱後の長さ(ペレット延伸方向)の寸法を測定し、以下の計算式により求めた。
ペレット収縮率=(加熱前の寸法−加熱後の寸法)/(加熱前の寸法)×100
(2)発泡剤含浸後の樹脂粒子の形状
再生発泡性スチレン系樹脂粒子の最も長い部分(A)と最も短い部分(B)の寸法をノギスで測定し、A/B=0.8〜1.3の場合は球形と判定し、A/B=0.8未満又は1.3を越える場合は扁平と判定した。
(3)成形品の表面平滑率
成形品の表面平滑率は、まず成形品の表面に印刷用インクをローラーで薄く塗り、この表面部分を画像処理装置にかけ、全面積に対する黒色部分の面積を求め、表面平滑率とした。
実施例1
[再生スチレン系樹脂粒子の作製]
発泡スチレン系樹脂成形品を220℃の熱風で収縮させ、見かけ比重0.75、大きさ500mm×400mm×100mm及び重さ15kgの収縮物を得た。この収縮物を10mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(株式会社ホーライ製、ZA−560型粉砕機)で粗粉砕した。このとき得られた粗粉砕物の最大長さは、おおよそ10mm、かさ比重0.5であった。
次いで、ヘンシェルミキサー(三井三池化工製、FM10B)にこの粗粉砕物2000g及び平均粒子径が10μmのタルク(林化成株式会社製、ホワイトミクロン#5000)20g、及びエチレンビスステアリルアミド0.6gを入れ、2000rpmで2分間混合した。
このタルク及びエチレンビスステアリルアミドで表面被覆された粗粉砕物をベント付き2軸押出機(ダイス穴径2mm、(株)池貝製 PCM−30)を用い、シリンダー温度230℃、材料フィードモーター回転数8rpm、スクリュー回転数100rpm、ペレタイザー回転数400rpmでストランドを切断しながら再生スチレン系樹脂ペレットを作製した。このペレットの延伸方向の長さは、2.5〜3.0mm、径1.8〜2.0mm、ペレットを200℃雰囲気下で10分間加熱した後の延伸方向の寸法収縮率は12〜17%であった。
引き続き、得られたペレットを、2mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(VM−16型粉砕機、株式会社オリエント商品名)で細粉砕した。細粉砕物を、0.6〜0.85mmの範囲に篩で分級し再生スチレン系樹脂粒子とした。
このとき、得られた再生スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は17.2万であった。
[含浸・重合工程]
5Lの耐圧攪拌容器に上記の再生スチレン系樹脂粒子1100g、脱イオン水1500g、リン酸三カルシウム12.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.09gを仕込み、攪拌しながら70℃に昇温した。
次いで、単量体分散容器に脱イオン水350gとポリビニルアルコール0.36gを入れ混合し、これにt−ブチルパーオキサイド3.2gを溶解したスチレン単量体200gを加え、ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて5800rpmで120秒攪拌しスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させた。
このスチレン単量体分散液を容器内に添加し、90分保温したのち、90℃に昇温した。その後、スチレン単量体900gを連続的に3時間かけて等速度(3.3g/分)で添加した。
次いで、リン酸三カルシウム2.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05gを添加した後、115℃に昇温し、2時間保温した。
その後、100℃まで冷却し、発泡剤としてブタン(イソブタン/n−ブタンの重量比=4/6)を160gづつ2回に分けて圧入し、2時間保持した後、120℃に昇温し、8時間保持して発泡剤の含浸を行った。
室温まで冷却した後、発泡剤が含浸されたスチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥した。次いでこの重合体粒子を目開き2.2mm及び0.6mmの篩で分級し、2100gの樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子に対し、ステアリン酸亜鉛2.1g、次いで硬化ひまし油2.1gを順次加えて混合し、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子は球形であった。
[再生発泡スチレン系樹脂成形品]
得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子を、発泡スチレン系樹脂用発泡機(日立化成テクノプラント製 HBP-500LW)を用い、スチームで加熱することによって、50ml/gの発泡ビーズに予備発泡した。 その後、約18時間熟成した後、発泡スチレン系樹脂用成型機(ダイセン工業製 VS−300)を用い、成形圧力0.08MPaで成形し、再生発泡スチレン系樹脂成形品(以下、発泡成形品という)を得た。
実施例1〜3及び比較例1〜4で作製した再生スチレン系樹脂粒子、再生発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成形品の評価結果を表1に示す。
Figure 0004052234
実施例2
実施例1において、押出機の材料フィードモーター回転数を1.5rpm、ペレタイザーの回転数を550rpmとした以外は、実施例1と同様な操作を行い、再生スチレン系樹脂ペレット得た。この時のペレットは、延伸方向の長さ2.5〜3.0mm、径0.8〜1.1mm、ペレットを200℃雰囲気下で10分加熱後の延伸方向の寸法収縮率は30〜39%であった。
この再生スチレン系樹脂ペレットを用い、実施例1と同様な操作を行い、再生発泡性スチレン系樹脂粒子、及び発泡成形品を得た。
実施例3
実施例1において、押出機の材料フィードモーター回転数を8.5rpm、ペレタイザーの回転数を350rpmとした以外は、実施例1と同様な操作を行い、再生スチレン系樹脂ペレット得た。この時のペレットは、延伸方向の長さ6.5〜7.8mm、径2.6〜3.4mm、ペレットを200℃雰囲気下で10分加熱後の延伸方向の寸法収縮率は15〜18%であった。
この再生スチレン系樹脂ペレットを用い、実施例1と同様な操作を行い、再生発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成形品を得た。
比較例1
実施例1において、押出機の材料フィードモーター回転数を1.2rpm、ペレタイザーの回転数を700rpmとした以外は、実施例1と同様な操作を行い、再生スチレン系樹脂ペレット得た。この時のペレットは、延伸方向の長さ2.8〜3.3mm、径0.6〜0.8mm、ペレットを200℃雰囲気下で10分加熱後の延伸方向の寸法収縮率は65〜72%であった。
この再生スチレン系樹脂ペレットを用い、実施例1と同様な操作を行い、再生発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成形品を得た。
比較例2
実施例1において、発泡剤の圧入を90℃で行い、10時間保持して発泡剤の含浸を行った以外は、実施例1と同様な操作を行い、再生発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成形品を得た。
比較例3
5リットルの耐圧撹拌容器に脱イオン水2000g、実施例1と同様の方法で作製した再生スチレン系樹脂粒子1760g、リン酸三カルシウム17.6g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.04gを仕込み、撹拌しながら75℃に昇温した。
次いで、単量体分散容器に脱イオン水300gとポリビニルアルコール0.1gを入れ混合し、これにt−ブチルパーオキサイド0.1g、ベンゾイルパーオキサイド0.9gを溶解したスチレン単量体300gを加え、ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて5800rpmで120秒撹拌しスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させた。このスチレン単量体分散液を容器内に添加し、60分保温したのち、90℃に昇温した。
次いで、スチレン単量体140gを連続的に1時間かけて等速度(2.3g/分)で添加した。次いで、リン酸三カルシウム2.2g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05gを添加した後、115℃に昇温し、2時間保温した。次いで、100℃まで冷却し、発泡剤としてブタン(i/n比=4/6、重量比以下同じ)180gを2回に分けて圧入し、2時間保持した後、120℃に昇温し発泡剤の含浸を行った。
室温まで冷却後、発泡剤が含浸された再生発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥した。
この再生発泡性スチレン系樹脂粒子を用い、実施例1と同様な操作を行い、発泡成形品を得た。
比較例4
実施例3において、再生スチレン系樹脂ペレットを5mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(VM−16型粉砕機、株式会社オリエント商品名)で細粉砕し、細粉砕物を、2.8〜5.6mmの範囲に篩で分級し再生スチレン系樹脂粒子を核とした。
この再生スチレン系樹脂粒子を用い、実施例3と同様な操作で、重合及び発泡剤の含浸を行い、室温まで冷却後、発泡剤が含浸された再生発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥した。
次いでこの重合体粒子を目開き5.6mm及び2.8mmの篩で分級し、1950gの樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子に対し、ステアリン酸亜鉛1.95g、次いで硬化ひまし油1.95gを順次加えて混合し、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
この再生発泡性スチレン系樹脂粒子を用い、実施例1と同様な操作を行い、発泡成形品を得た。
本発明によれば、発泡スチレン系樹脂成形品を再利用して、球形の再生発泡性スチレン系樹脂粒子及び発泡成形品を製造できる。

Claims (2)

  1. 延伸方向の寸法収縮率が10%以上50%以下の再生スチレン系樹脂ペレットを粉砕して、粒子径0.2mm〜2.5mmの再生スチレン系樹脂粒子を作製し、
    前記再生スチレン系樹脂粒子を核として、水性媒体中に懸濁させ、
    重合開始剤とスチレン系単量体を前記再生スチレン系樹脂粒子に含浸させ、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行い、
    その後、含浸温度100℃以上において、発泡剤を含浸させる再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    前記再生発泡性スチレン系樹脂粒子に対する前記再生スチレン系樹脂粒子の比率が、70重量%以下である再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記再生スチレン系樹脂ペレットが、円柱状であり、長さ方向の寸法収縮率が50%以下である請求項1に記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
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