JP5128246B2 - 再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法及び成形品 - Google Patents

再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法及び成形品 Download PDF

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Description

本発明は、使用済みポリスチレン系樹脂を加熱溶融して得られた再生ポリスチレン系樹脂粒子を用いて製造される再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法、再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びこれを発泡成形して得られる再生発泡ポリスチレン系樹脂成形品に関する。
現在、発泡ポリスチレン系樹脂成形品は、一度使用された後、熱収縮されポリスチレン塊として回収し、主に射出成形による雑貨品、押出成形による建材等の用途に再利用されることが行われてきている。
発泡ポリスチレン系樹脂成形品を熱収縮させる減容装置は、従来260〜300℃の高温で処理していたため熱劣化が大きく、MFR(メルトフローレート)値は熱減容前1〜5g/10分に対し、10〜30g/10分であった。このため、再利用した際の成形品物性が著しく低下する問題があった。近年、この問題を解決するため、摩擦熱方式等により230℃以下で処理する減容装置が開発され広く導入され、MFR値は3〜7g/10分の劣化の小さい再生樹脂が作られてきている。
再生発泡性ポリスチレン系樹脂の製造法としては、再生ポリスチレン樹脂を粉砕して得られる再生ポリスチレン系樹脂粒子を分散媒に分散させ、発泡剤を含浸する方法(特許文献1、2)、再生ポリスチレン樹脂を粉砕して得られる再生ポリスチレン系樹脂粒子を懸濁させ、重合開始剤とスチレン系単量体を、前記再生ポリスチレン系樹脂粒子に含浸させ、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行い、その後、発泡剤を含浸させる再生発泡性ポリスチレン樹脂粒子の製造方法(特許文献3、4)が提案されている。
しかし、近年導入が進んでいる処理温度が低い減容装置により処理されたMFR値の低い再生樹脂を用いた場合、粒子が球形化せず、予備発泡時に粒子同士が溶融し塊となるブロッキングが発生したり、金型への充填性が低下し成形品外観が劣る問題があった。
特許第3044921号公報 特開平5−320406号公報 特開2002−284916号公報 特開2003−064211号公報
本発明は、MFR値が低い樹脂粒子を用いた場合にも粒子を球形化できる再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法及び得られる再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、並びにこれ用いて得られる再生発泡ポリスチレン系樹脂成形品を提供するものである。
本発明は、使用済みポリスチレン系樹脂を加熱溶融し、粉砕して得られる再生ポリスチレン系樹脂粒子を、水性媒体中に懸濁させ、重合開始剤とスチレン系単量体を、前記再生ポリスチレン系樹脂粒子に含浸させて重合を行い、発泡剤を含浸させる再生発泡性ポリスチレン樹脂粒子の製造法であって、前記再生ポリスチレン系樹脂粒子が、メルトフローレート値が3〜7g/10分の使用済みポリスチレン系樹脂に有機過酸化物を該使用済みポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部の割合で混合し、加熱溶融してメルトフローレート値を前記使用済みポリスチレン系樹脂のメルトフローレート値よりも高く調整し、粉砕してなるものであることを特徴とする再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法に関する。
また本発明は、前記混合する有機過酸化物が、発火温度が300℃以上であることを特徴とする再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法に関する。
また本発明は、前記の各再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法により得られる再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に関する。
さらに本発明は、前記の再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡して得られる再生ポリスチレン系発泡ビーズを発泡成形して得られる再生発泡ポリスチレン系樹脂成形品に関する。
本発明によれば、MFR値が低い再生ポリスチレン系樹脂を用いても粒子を球形化でき、予備発泡時のブロッキングが少ない再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が得られ、またこの粒子を用いることで外観に優れた再生発泡ポリスチレン系樹脂成形品が得られる。
本発明の再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法、得られる再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びこれを発泡成形して得られる再生発泡ポリスチレン系樹脂成形品について詳しく説明する。
本発明の再生ポリスチレン系樹脂粒子は、使用済みの発泡ポリスチレン系樹脂を熱減容したのち、有機過酸化物を前記の使用済みポリスチレン系樹脂に混合したものであり、例えば、有機過酸化物とともに熱溶融混合して有機過酸化物を含有させた再生ポリスチレン系樹脂を粉砕することで作製できる。なお、使用済みポリスチレン系樹脂とは、実際に何らかの用途に使用したものに止まらず、一旦は成形されたもので、実際には使用されていないものを含むものである。また、本発明においてポリスチレン系樹脂とは、スチレンのホモポリマーだけではなく、スチレンを主成分とする樹脂であって、その他のモノマ、例えばアクリル酸アルキルエステルやメタクリル酸アルキルエステル、シアン化ビニル等を共重合したものも含む。
本発明の再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法は、使用済みポリスチレン系樹脂を加熱溶融し、粉砕して得られる再生ポリスチレン系樹脂粒子を、水性媒体中に懸濁させ、重合開始剤とスチレン系単量体を、前記再生ポリスチレン系樹脂粒子に含浸させて重合を行い、発泡剤を含浸させるものである。この際、前記再生ポリスチレン系樹脂粒子が、有機過酸化物を前記使用済みポリスチレン系樹脂に混合し、加熱溶融、粉砕して含有させたものであることを特徴とするものである。
本発明の製造法において、再生ポリスチレン系樹脂粒子を得るために用いる有機過酸化物の配合量は、使用済みポリスチレン系樹脂100重量部に対して、0.01〜3重量部であり、0.05〜1重量部が好ましい。配合量が0.01重量部未満ではMFR値を高くする効果が十分に得られず、3重量部を超えるとMFR値の調整が困難となる傾向がある。取り扱いしやすさから有機過酸化物の性状は、常温(25℃)で粉体状となっているものが好ましい。
本発明に用いる有機過酸化物の発火温度は300℃以上であることが好ましく、350℃以上がより好ましい。発火温度が300℃未満では溶融時の熱で発火の恐れがあり危険である。なお、発火温度は、ASTM E659に準拠して測定することができる。
このような有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド(発火温度481℃、日本油脂株式会社製、商品名パークミルD、固体状)、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン(発火温度479℃、日本油脂株式会社製、商品名パーブチルP、固体状)、ジ−t−ブチルパーオキサイド(発火温度475℃、日本油脂株式会社製、商品名パーブチルD、液体状)、t−ブチルクミルパーオキサイド(発火温度490℃、日本油脂株式会社製、商品名パーブチルC、液体状)等の発火温度300℃以上のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(発火温度442℃、日本油脂株式会社製、商品名パーブチルO、液体状)、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート(発火温度460℃、日本油脂株式会社製、商品名パーブチル355、液体状)、t−ブチルパーオキシベンゾエート(発火温度490℃、日本油脂株式会社製、商品名パーブチルZ、液体状)等のパーオキシエステルなどが好ましいものとしてあげられ、取り扱い性の点からは固体状のものが好ましいものとしてあげられる。
なお発火温度の上限は、制限はないが、用いる使用済みポリスチレン系樹脂の分解温度(300〜400℃)の2、3倍程度であることが好ましく、およそ1000℃以下である。
本発明において、有機過酸化物の使用済みポリスチレン系樹脂への混合は、例えば、使用済みポリスチレン系樹脂の粗粉砕物に有機過酸化物を配合し、リボンブレンダー、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲーミキサー等の混合機で一旦混合し、ついで溶融押出機等を用いて溶融混合して行うことができる。
本発明では、使用済みポリスチレン系樹脂の溶融の際に、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸ビスアミド、タルクなどの無機物を気泡調整剤として混練することができる。この場合、予め粉砕物と気泡調整剤を混合させた後、押出成形される。減容物粉砕物と気泡調整剤の混合は、従来既知の手段で行うことができる。例えば、リボンブレンダー、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲーミキサー等の混合機が使用できる。
この気泡調整剤の混合は、有機過酸化物と同時に行うことができる。
本発明におけるポリスチレン系樹脂の減容物は、比重調整を目的に熱溶融される。この工程で、再生ポリスチレン系樹脂の比重を0.6以上に調整することが好ましく、0.9以上に調整することがより好ましい。比重が0.6未満では、樹脂粒子の分散が不安定であるため、重合工程中に過大粒子が発生し歩留まりが低下する傾向がある。スチレン系樹脂の熱溶融は、押出機、熱ロール等の従来既知の手段を使用できる。
スチレン系樹脂の熱溶融は、得られた樹脂にひずみが残留しない、又はひずみが小さい状態で冷却固化することすることが重要である。樹脂粒子にひずみが残っていると、重合工程や発泡剤含浸工程でひずみが緩和され、延伸方向に収縮し、得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子は球形とならず扁平状となる恐れがある。従って、例えば押出機を使用して熱溶融する場合には、押出速度とほぼ同じ速度でシートを引きながら溶融押出することが好ましい。
本発明に用いる粉砕機は、プラスチック用のものが適用できるが、ポリスチレンを目的とした0.3〜2mmの範囲に粉砕可能なものであれば、必ずしも粉砕機の種類は制限されるものではない。
粉砕によって得られた目的以外の大きさの再生ポリスチレン系樹脂粒子は、ふるい分けされ、再度、押出機等による溶融工程に供することもできる。
本発明の製造法において、核として用いる再生ポリスチレン系樹脂粒子の平均径は、0.3〜2mmが好ましく、0.4〜1.0mmがより好ましい。再生ポリスチレン系樹脂粒子の大きさが2mmを超えると製品形状が球形になりにくい傾向があり、0.3mm未満では重合を行った後でも粒子径が小さすぎ、再生発泡性スチレン系樹脂粒子としたときの需要が少ない。
核となる再生ポリスチレン系樹脂粒子の比率は、加えるスチレン系単量体との合計量に対して、20重量%以上、70重量%以下とすることが好ましく、25重量%以上、50重量%以下とすることがより好ましい。再生スチレン系樹脂粒子の比率が20重量%未満では、重合過程で粒子同士が合一し易く、70重量%を超えると成形品の強度が不足する傾向がある。
本発明の再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法では、まず、再生ポリスチレン系樹脂粒子を核として水性媒体中に懸濁する。水性媒体中への懸濁、分散は、通常、攪拌翼を備えた装置を用いて行われ、その条件等に制限はない。また、分散剤と共に分散することが分散安定性の点で好ましい。
本発明に用いる分散剤は、懸濁重合に用いられるものであれば特に制限はない。例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の有機系分散剤、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等の難溶性無機塩が挙げられる。さらに界面活性剤も用いることができる。この界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、その他懸濁重合で一般的に使用されるアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれでも使用できる。これらの分散剤の中では、スチレン系単量体の油滴の安定性から、有機系分散剤を使用することが好ましい。
次に、上記懸濁液に、重合開始剤とスチレン系単量体を加え、重合する。この場合、予め重合開始剤を溶解したスチレン系単量体を加え、核となる再生ポリスチレン系樹脂粒子に含浸させ、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行うことが好ましい。
本発明で使用するスチレン系単量体は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体の1種または2種以上だけではなく、これらと、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル、対応するアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、塩化ビニル等その他の重合可能な単量体との混合物も含む。また、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の架橋剤を併用しても差し支えなく、これも含む。
重合反応に用いる重合開始剤としては、懸濁重合法に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーベンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物の1種または2種以上を使用することができる。
重合開始剤は、溶剤に溶解して加え、再生スチレン系樹脂粒子に含浸させてもよい。この場合、重合開始剤を溶解する溶剤としては、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素等が用いられる。これらを用いる場合は、通常、スチレン系単量体に対して3重量%以下で使用される。重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類により異なるが、一般的に単量体に対して0.1〜0.5重量%の範囲が好ましい。
全体の分子量は、重合開始剤の濃度を調整するか、連鎖移動剤を併用するか、又はこれら両方により調整できる。連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の従来公知のものが使用できる。
水性媒体中に懸濁、分散された再生ポリスチレン系樹脂粒子からなる核に、スチレン系単量体を含浸させる方法としては、スチレン系単量体を単独で添加する方法と、水性媒体中にスチレン単量体、分散剤等を添加し微細に分散させた分散液として添加する方法がある。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
スチレン系単量体、分散剤等を水性媒体に添加し微細に分散する方法は、通常、撹拌翼を備えた装置を用いて行なわれる。その条件等に制限はないが、より微細に分散する方法としては、ホモミキサーを用いるのが好ましい。このときスチレン系単量体を分散した分散液の油滴径が、核の粒子径以下になるまで分散するのが好ましい。油滴径が核の粒子径よりも大きい状態で水性媒体中に添加されると、スチレン系単量体を分散した分散液の油滴に複数の樹脂粒子が取り込まれ、樹脂粒子の粘着、可塑化、合一が起こり、過大粒子が発生しやすいためである。
スチレン系単量体の添加は、分割して行っても連続的に行ってもよい。また、添加速度は、重合装置の容量、形状、重合温度等によって異なり適宜選択される。また、重合温度は、60〜105℃の範囲が好ましい。
本発明で発泡剤の含浸は、重合中または重合後に発泡剤を容器内に圧入し、通常再生スチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に上げ、樹脂粒子中に含浸させる。発泡剤としては、樹脂粒子を溶かさないか、または僅かに膨潤させるものが好ましく、具体的にはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素が用いられる。これらの発泡剤は、通常再生スチレン樹脂粒子に対して3〜15重量%使用される。
発泡剤の含浸温度は、一般的には90℃以上であり、好ましくは100〜140℃であり、より好ましくは100〜120℃である。発泡剤の含浸温度が90℃未満では、粒子が球形化し難くなる。140℃を超えると合一ビーズが発生し易くなり好ましくない。発泡剤の含浸が完了した後、重合系内より排出することによって、発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができる。
再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡剤の含浸が完了し、重合系内より排出され、さらに脱水乾燥した後、必要に応じて表面被覆剤を被覆することができる。かかる被覆剤は、従来公知である発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に用いられるものが適用できる。例えば、ジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、牛脂硬化油、シリコーン類、静電気防止剤等である。
本発明の再生発泡ポリスチレン系樹脂成形品は、再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形して製造する。一般には、再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、スチーム等により加熱して所定の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経た発泡ビーズを成形金型に充填し再度スチーム等で加熱発泡成形して、発泡成形品を製造する。
本発明の成形品は外観、融着に優れ、強度が高く、食品容器、梱包材、緩衝材等に好適に使用できる。
次に実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
[再生スチレン系樹脂粒子からなる核の製造]
使用済みポリスチレン成形品として、発泡スチレン系樹脂成形品(日立化成工業(株)製ハイビーズ3SB−TX−7より得られた成形品)を210℃の熱風で収縮させ、見かけ比重0.8、大きさ500mm×400mm×100mm及び重さ約16kgの収縮物を得た。この収縮物を10mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(ZA−560型粉砕機、株式会社ホーライ商品名)で粗粉砕した。このとき得られた粗粉砕物のMFR値は3.9g/10分、最大長さは約10mm、嵩比重0.65であった。ついで、ヘンシェルミキサー(三井三池化工製、FM10B)にこの粗粉砕物1800g及びジクミルパーオキサイド(日本油脂株式会社製 パークミルD、発火温度481℃)5.4g、平均粒子径が10μmのタルク(林化成株式会社製、ミクロホワイト#5000)18g及びエチレンビスステアリルアミド9.0gを入れ、2000rpmで2分間混合した。
次いで、この粗粉砕物1800gをベント付き30mm押出機(T型ダイス、シート幅300mm、シート肉圧1mm)を用い、シリンダー温度230℃、押出速度とほぼ同じ速度でシートを引きながら溶融押出した。
さらに、冷却固化前に、押出方向に対し水平に、1mm間隔、深さ0.5mmのスリットをロールで設け、冷却固化後、切断機で約10〜15cmに切断した。引き続き、得られたシート状スチレン系樹脂の切断片を、1.5mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(VM−16型粉砕機、株式会社オリエント商品名)で細粉砕した。細粉砕物を、0.4〜1.0mmの範囲に篩で分級し再生ポリスチレン系樹脂粒子を得た。この再生ポリスチレン系樹脂粒子のMFR値は15.4g/10分であった。
[再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造]
5リットルの耐圧撹拌容器に脱イオン水1900g、上記方法で得られた再生ポリスチレン系樹脂粒子(核)1100g、リン酸三カルシウム12.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.09gを仕込んだ。次いで耐圧攪拌容器内を窒素パージし、酸素濃度を0.5〜1体積%とした。その後、攪拌しながら75℃に昇温した。
次いで、単量体分散容器に脱イオン水400gとポリビニルアルコール1.3gを入れ混合し、これにt−ブチルパーオキサイド0.2g、ベンゾイルパーオキサイド2.9gを溶解したスチレン単量体200gを加え、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社(プライミクス株式会社)製)を用いて5800rpmで120秒撹拌してスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させた。このスチレン単量体分散液を容器内に30分かけて添加し、その後60分保温したのち、90℃に昇温した。
その後、スチレン単量体900gを連続的に5時間かけて等速度(3.0g/分)で添加した。この際、耐圧攪拌容器内を窒素パージし酸素濃度を0.5〜1体積%に保った。このときの重合率は90%であった。
次いで、リン酸三カルシウム2.2g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05gを添加した後、115℃に昇温して2時間保温した。ついで、100℃まで冷却し、発泡剤としてペンタン(i/n比=2/8、重量比以下同じ)150gを2回に分けて圧入して10時間保持して発泡剤の含浸を行った。
室温(25℃)まで冷却後、発泡剤が含浸された再生発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥した。次いでこの樹脂粒子を目開き0.6mm〜1.7mmの篩で分級し、得られた樹脂粒子に対しステアリン酸亜鉛0.1重量%、硬化ひまし油0.1重量%を加え表面被覆し再生発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子を、50ml/gに予備発泡し、約18時間熟成後、株式会社ダイセン工業製発泡スチレン系樹脂成型機VS−300を用い、成形圧力0.08MPaで成形し、成形品を得た。
(実施例2)
[再生スチレン系樹脂粒子からなる核の製造]
実施例1において用いたジクミルパーオキサイドの配合量5.4gを2.7gとした以外は実施例1と同様の方法で再生ポリスチレン系樹脂粒子とした。
この再生ポリスチレン系樹脂粒子のMFR値は7.1g/10分であった。
[再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造]
上記方法で得られた再生ポリスチレン系樹脂粒子(核)を用いて実施例1と同様の方法で再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びその成形品を得た。
(比較例1)
[再生ポリスチレン系樹脂粒子からなる核の製造]
実施例1においてジクミルパーオキサイドを使用しない以外は実施例1と同様の方法で再生ポリスチレン系樹脂粒子とした。
この再生ポリスチレン系樹脂粒子のMFR値は4.6g/10分であった。
[再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造]
上記方法で得られた再生ポリスチレン系樹脂粒子(核)を用いて実施例1と同様の方法で再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びその成形品を得た。
実施例1〜2及び比較例1で得た再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の評価結果を表1に示した。表1における特性評価の方法は以下の通りである。
(1)MFR
JIS K7210に準拠、測定温度200℃
(2)発火温度
ASTM E659法に準拠
500mlフラスコを電気炉で適当な温度に設定し、試料0.1mlを投入し、発火が認められる最低温度を発火温度とした。
(3)ブロッキング
ブロッキング(重量%)
=(粒子同士が合一した塊の重量/発泡機に投入したビーズの重量)×100
(4)表面平滑率
成形品の表面平滑率は、まず成形品の表面に印刷用インクをローラーで薄く塗り、この表面部分を画像処理装置にかけ、全面積に対する黒色部分の面積を求め、表面平滑率とした。
(5)粒子形状
得られた再生ポリスチレン系樹脂粒子の形状を顕微鏡により観察し、球形状のものを「球形」、扁平状のものを「扁平」として評価した。
Figure 0005128246
表1から明らかなように、本発明によれば、MFR値が低い再生樹脂を用いても粒子を球形化でき、予備発泡時のブロッキングが少ない再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、外観に優れた再生ポリスチレン系樹脂発泡成形品が得られる。

Claims (4)

  1. 使用済みポリスチレン系樹脂を加熱溶融し、粉砕して得られる再生ポリスチレン系樹脂粒子を、水性媒体中に懸濁させ、重合開始剤とスチレン系単量体を、前記再生ポリスチレン系樹脂粒子に含浸させて重合を行い、発泡剤を含浸させる再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法であって、前記再生ポリスチレン系樹脂粒子が、メルトフローレート値が3〜7g/10分の使用済みポリスチレン系樹脂に有機過酸化物を該使用済みポリスチレン系樹脂100重量部に対して0.01〜3重量部の割合で混合し、加熱溶融してメルトフローレート値を前記使用済みポリスチレン系樹脂のメルトフローレート値よりも高く調整し、粉砕してなるものであることを特徴とする再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法。
  2. 混合する有機過酸化物が、発火温度が300℃以上であることを特徴とする請求項1に記載の再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法。
  3. 請求項1又は2に記載の再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造法により得られる再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子
  4. 請求項に記載の再生発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡して得られる再生ポリスチレン系発泡ビーズを発泡成形して得られる再生発泡ポリスチレン系樹脂成形品。
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