JP5009681B2 - 再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 - Google Patents

再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、使用済み発泡スチレン(ポリスチレン)系樹脂成形品から得られる再生スチレン系樹脂核を用いた再生発泡性スチレン系樹脂粒子、及びその製造方法、並びにこの再生発泡性スチレン系樹脂粒子から製造する再生発泡スチレン系樹脂成形品に関する。
従来、発泡スチレン系樹脂成形品は、一度使用した後、焼却処分するか、又は熱収縮してポリスチレンとして回収し再利用している。しかしながら、再利用の比率は不十分であり、今後再利用率を上げていくことが社会的課題である。
発泡スチレン系樹脂成形品を収縮塊として回収する技術は、既に完成されており、日本国内での発泡スチレン系樹脂成形品流通量の約30%が熱収縮塊等として回収されている。収縮塊は、主に射出成形による雑貨品、押出成形による建材等の用途に利用されている。このように、現在、発泡スチレン系樹脂成形品の再生利用法は限定されたものであり、その用途の拡大が急がれている。
一方、リサイクルという定義からは、発泡性スチレン系樹脂を発泡成形し、最終的に発泡スチレン系樹脂成形品として使用するのであるから、使用済みスチレン系樹脂は、ポリスチレンとして他の用途に利用するのではなく、発泡性スチレン系樹脂として再利用することが望ましい。しかしながら、現在のところ、発泡スチレン系樹脂成形品から回収されたスチレン系樹脂を発泡性スチレン系樹脂として工業的に再生している例は少ない。
再生発泡性スチレン系樹脂の製造方法としては、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品の加熱減容品を粉砕して得られる再生スチレン系樹脂粒子を分散媒に分散させ、発泡剤を含浸する方法が提案されている(特許文献1,2)。
この方法では再生スチレン系樹脂に含有するセルロース等の異物の影響で再生発泡性スチレン系樹脂粒子中の含水量が増加し、発泡体としたときにセル径が大きくなり、成形性や成形品物性が低下する問題があった。
また、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品の加熱減容品を粉砕して得られる再生スチレン系樹脂粒子を分散させた分散液にスチレン系単量体を添加し、引き続き、重合及び発泡剤を含浸する方法が提案されている(特許文献3,4)。
この方法は再生スチレン系樹脂粒子と新規材を複合化するため再生スチレン系樹脂中の異物含有量が少なくなり、その分、発泡体とした時のセル径への影響も小さくできる特徴がある。しかし、この方法においてもセル径を安定化させるには不十分であった。
特開平5−310988号公報 特開平5−320406号公報 特開2002−284916号公報 特開2003−064211号公報
本発明の目的は、成形性及び成形品物性に優れる再生発泡性スチレン系樹脂粒子、その製造方法及び再生発泡スチレン系樹脂成形品を提供することである。
本発明によれば、以下の再生発泡性スチレン系樹脂粒子、その製造方法及び再生発泡スチレン系樹脂成形品が提供される。
1.使用済みの発泡スチレン系樹脂成形品から得られる再生スチレン系樹脂に、アクリロニトリル−スチレン共重合体を配合して再生スチレン系樹脂核を得、
前記再生スチレン系樹脂核に、スチレン系単量体を加え重合し、さらに、発泡剤を含浸させる再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
2.前記アクリロニトリル−スチレン共重合体の重量平均分子量が7万〜40万である1記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
3.前記再生スチレン系樹脂核に、アクリロニトリル−スチレン共重合体が1重量%〜30重量%含まれる1又は2記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
4.前記再生スチレン系樹脂核の、再生発泡性スチレン系樹脂粒子に対する比率が、30重量%〜70重量%である1〜3のいずれか記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
5.上記1〜4のいずれか記載の製造方法により得られる再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
6.上記5記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形させて得られる再生発泡スチレン系樹脂成形品。
本発明によれば、成形性及び成形品物性に優れる再生発泡性スチレン系樹脂粒子、その製造方法及び再生発泡スチレン系樹脂成形品を提供できる。
本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、使用済みの発泡スチロールを減容して得られる再生スチレン系樹脂に、アクリロニトリル−スチレン共重合体を配合して得られる再生スチレン系樹脂核を用いて、シード重合して得られる。
本発明に用いるアクリロニトリル−スチレン共重合体は、重量平均分子量が7万〜40万であることが好ましく、12万〜25万がより好ましい。重量平均分子量が7万未満では十分な気泡調整効果が得らない恐れがあり、また、40万を超えると成形品物性が低下する恐れがある。
アクリロニトリル−スチレン共重合体の再生スチレン系樹脂核に対する配合量は1重量%〜30重量%が好ましく5重量%〜20重量%がより好ましい。1重量%未満では十分なセル調整効果が得らない恐れがあり、30重量%を超えると成形品物性が低下する恐れがある。
使用済みの発泡スチロールは、通常、見掛け比重が0.015g/ml〜0.03g/mlである。これを減容する。減容方法としては、熱収縮、圧縮による収縮又は溶融等が挙げられる。
再生スチレン系樹脂核は、例えば、使用済みの発泡スチレン系樹脂成形品を減容して得られる再生スチレン系樹脂に、アクリロニトリル−スチレン共重合体を配合し、さらに粉砕することで作製できる。
アクリロニトリル−スチレン共重合体は、再生スチレン系樹脂と溶融混合、溶融押出等することにより配合できる。
また、さらに、この粉砕物を押出成形してペレット化したもの、このペレットをさらに粉砕したものを核として使用してもよい。押出成形することで比重調整でき、さらに押出機に設けられたスクリーンにより異物を除去できる。
再生スチレン系樹脂核に、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸ビスアミド、タルク等の無機物を気泡調整剤として配合できる。例えば、溶融押出又は押出成形の際に、気泡調整剤を混練する。この場合、予め粉砕物と気泡調整剤を混合させた後、溶融押出又は押出成形する。粉砕物と気泡調整剤の混合は、従来既知の手段で行うことができ、例えば、リボンブレンダー、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲーミキサー等の混合機で予め混合する方法、定量供給機を備えた押出機を用い、原料投入口に気泡調整剤を添加する方法がある。
スチレン系樹脂の収縮物又は溶融物等の減容物は、比重調整を目的に熱溶融することが好ましい。この工程で、再生スチレン系樹脂核の比重を、好ましくは0.6g/ml以上に、より好ましくは0.8g/ml以上に、特に好ましくは0.8〜1.0g/mlに調整する。比重が0.6g/ml未満では、樹脂核の分散が不安定であるため、重合工程中に過大粒子が発生し歩留まりが低下する傾向がある。スチレン系樹脂の熱溶融は、押出機、熱ロール等の従来既知の手段を使用できる。
スチレン系樹脂の熱溶融は、得られた樹脂にひずみが残留しない、又はひずみが小さい状態で冷却固化することすることが好ましい。樹脂粒子にひずみが残っていると、重合工程や発泡剤含浸工程でひずみが緩和され、延伸方向に収縮し、得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子は球形とならず扁平状となる恐れがある。
熱溶融工程で樹脂にひずみが残っていても、樹脂の軟化点以上の温度で一定時間養生することでひずみを緩和させることができる。
粉砕機としては、プラスチック用のものが使用できるが、ポリスチレンを目的とした0.3〜3mmの範囲に粉砕可能なものであれば、必ずしも粉砕機に制限されるものではない。
粉砕によって得られた目的以外の大きさの再生スチレン系樹脂核は、ふるい分けされ、再度、押出機等による溶融工程に供することができる。
再生スチレン系樹脂粒核の平均径は、0.2〜3mmが好ましく、0.4〜1.7mmがより好ましい。再生スチレン系樹脂粒子の大きさが3mmを越えると製品形状が球形になりにくい傾向があり、0.2mm未満では重合を行った後でも粒子径が小さすぎ、再生発泡性スチレン系樹脂粒子としたときの需要が少ない。
なお、平均径は、JIS−Z−880/試験用ふるいにより測定することができる。
再生スチレン系樹脂核の重量平均分子量は、12万〜25万が好ましい。重量平均分子量が大きすぎると球状化しにくい傾向があり、小さすぎると成形品強度が低下する傾向がある。
本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、上記の再生スチレン系樹脂核に、スチレン系単量体を加えて重合し、さらに、発泡剤を含浸させて得られる。
核である再生スチレン系樹脂粒子の比率は、好ましくは30重量%〜70重量%、より好ましくは30重量%〜50重量%である。再生スチレン系樹脂粒子の比率が30重量%未満では重合過程で粒子同士が合一し易く、70重量%を越えると十分な強度が得られない恐れがある。
具体的な製造方法としては、例えば、まず、再生スチレン系樹脂核を水性媒体中に懸濁する。水性媒体中への分散は、通常、攪拌翼を備えた装置を用いて行い、その条件等に制限はない。また、分散剤と共に分散することが好ましい。
本発明に用いる分散剤は、懸濁重合に用いられるものであれば特に制限はない。例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の有機系分散剤、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等の難溶性無機塩が挙げられる。さらに界面活性剤も用いることができる。この界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、その他懸濁重合で一般的に使用されるアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤のいずれでも使用できる。これらの分散剤の中では、スチレン系単量体の油滴の安定性から、有機系分散剤を使用することが好ましい。
次に、好ましくは、上記懸濁液に、予め重合開始剤を溶解したスチレン系単量体を加え、核となる再生スチレン系樹脂粒子に含浸させ、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行う。
本発明で使用するスチレン系単量体は、スチレン、及びα−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体の1種又は2種以上、又はこれらと、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、対応するアクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、塩化ビニル等その他の重合可能な単量体との組み合わせ等である。また、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の架橋剤を使用しても差し支えない。
重合開始剤として、有機過酸化物等を例示できる。有機過酸化物は、10時間半減分解温度が50〜100℃である従来公知のものを使用できる。例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t―ブチルパーオキシベンゾエート、t―ブチルパーオキシイソプロピルカーボネイト等がある。有機過酸化物は、重合性単量体に対して0.001重量%〜0.5重量%使用されるのが好ましい。有機過酸化物を1又は2以上用いることができる。
重合開始剤は溶剤に溶解して加え、核となる再生スチレン系樹脂粒子に含浸させてもよい。溶剤としては、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素等が用いられ、これらを用いる場合は、通常、スチレン系単量体に対して3重量%以下で使用する。
重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類により異なるが、一般的に単量体に対して0.1〜0.5重量%の範囲が好ましい。また、重合開始剤は、スチレン系単量体又は溶剤に溶解して添加する。この溶剤としては、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素等が用いられ、これらを用いる場合は、通常、スチレン系単量体に対して3重量%以下で使用する。
さらに、本発明では、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸ビスアミド等を気泡調整剤として、スチレン系単量体又は前記溶剤に溶解して用いてもよい。
全体の分子量は、重合開始剤の濃度を調整するか、連鎖移動剤を併用するか、又はこれら両方により調整できる。連鎖移動剤としては、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の従来公知のものが使用できる。
水性媒体中に分散した再生スチレン系樹脂核に、スチレン系単量体を含浸させる方法としては、スチレン系単量体を単独で添加する方法と、水性媒体中にスチレン単量体、分散剤等を添加し微細に分散させた分散液として添加する方法がある。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
スチレン系単量体、分散剤等を水性媒体に添加し微細に分散する方法は、通常、撹拌翼を備えた装置を用いて行なわれる。その条件等に制限はないが、より微細に分散する方法としては、ホモミキサーを用いるのが好ましい。このときスチレン系単量体を分散した分散液の油滴径が、核の粒子径以下になるまで分散するのが好ましい。油滴径が核の粒子径よりも大きい状態で水性媒体中に添加されると、スチレン系単量体を分散した分散液の油滴に複数の樹脂粒子が取り込まれ、樹脂粒子の粘着、可塑化、合一が起こり、過大粒子が発生しやすいためである。
スチレン系単量体の添加は、分割して行っても連続的に行ってもよい。また、添加速度は、重合装置の容量、形状、重合温度等によって異なり適宜選択される。また、重合温度は、60〜105℃の範囲が好ましい。
尚、重合後期(重合率60%以上)に酸素濃度を7体積%以下とすることにより、表面部分の重量平均分子量が高く、発泡性と強度に優れた粒子を得ることができる。好ましくは、酸素濃度を1体積%以下とする。また、重合開始から酸素濃度を低くしてもよい。
発泡剤の含浸は、重合中又は重合後に発泡剤を容器内に圧入し、通常再生スチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に上げ、樹脂粒子中に含浸させる。発泡剤としては、樹脂粒子を溶かさないか、又は僅かに膨潤させるものが好ましく、具体的にはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素が用いられる。これらの発泡剤は、通常再生スチレン系樹脂粒子に対して3〜15重量%使用される。
再生発泡性スチレン系樹脂粒子は、発泡剤の含浸が完了した後、重合系内より排出し、必要に応じて、脱水乾燥した後、表面被覆剤を被覆することができる。かかる被覆剤は、従来公知である発泡性スチレン系樹脂粒子に用いられるものが適用できる。例えば、ジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、牛脂硬化油、シリコーン類、静電気防止剤等である。
本発明の再生発泡成形品は、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形して製造する。
一般には、再生発泡性スチレン系樹脂粒子を、スチーム等により加熱して所定の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経た発泡ビーズを成形金型に充填し再度スチーム等で加熱発泡成形して、発泡成形品を製造する。
本発明の成形品は外観に優れ、強度が高く、食品容器、梱包材、緩衝材等に好適に使用できる。
次に実施例により、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
[再生スチレン系樹脂核の製造]
発泡スチレン系樹脂成形品(日立化成工業(株)製ハイビーズSSB−TX−7より得られた成形品)を220℃の熱風で収縮させ、見かけ比重0.8g/ml、大きさ500mm×400mm×100mm及び重さ約16kgの収縮物を得た。この収縮物を10mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(ZA−560型粉砕機、株式会社ホーライ商品名)で粗粉砕した。このとき得られた粗粉砕物の最大長さは、約10mm、嵩比重0.65であった。ついで、ヘンシェルミキサー(三井三池化工製、FM10B)にこの粗粉砕物1800g及び平均粒子径が10μmのタルク(林化成製、ミクロホワイト#5000)18g及びエチレンビスステアリルアミド1.8gを入れ、2000rpmで2分間混合した。
次いで、このタルク及びエチレンビスステアリルアミドで被覆された粗粉砕物1800gとアクリロニトリル−スチレン共重合体(デンカ製、AS−XGS、重量平均分子量12.7万)200gをベント付き30mm押出機(T型ダイス、シート幅300mm、シート肉圧1mm)を用いて押出速度とほぼ同じ速度でシートを引きながら溶融押出した。
さらに、押出方向に対し水平に、1mm間隔、深さ0.5mmのスリットをロールで設け、冷却固化後、切断機で約10〜15cmに切断した。引き続き、得られたシート状スチレン系樹脂の切断片を、2mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(VM−16型粉砕機、株式会社オリエント商品名)で細粉砕した。細粉砕物を、0.6〜1.2mmの範囲に篩で分級し平均径が0.84mmの再生スチレン系樹脂核(粒子)とした。
この再生スチレン系樹脂核の重量平均分子量は16.8万、比重は0.91であった。
尚、重量平均分子量は以下の条件で測定した。
測定装置:(株)日立製作所製
カラム:日立化成工業(株)製GL−R400M(直径10.7×300mm)2本
カラム温度:室温
溶離液:THF
流量:2.0ml/分
検出器:UV 220nm、
注入量:100μL
標準ポリスチレン検量線を用いて換算。
[再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造]
5リットルの耐圧撹拌容器に脱イオン水1900g、上記方法で得られた再生スチレン系樹脂粒子(核)1100g、リン酸三カルシウム12.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.09gを仕込んだ。次いで耐圧攪拌容器内を窒素パージし、酸素濃度を0.5〜1体積%とした。その後攪拌しながら75℃に昇温した。
次いで、単量体分散容器に脱イオン水400gとポリビニルアルコール1.3gを入れ混合し、これにt−ブチルパーオキサイド0.2g、ベンゾイルパーオキサイド2.9gを溶解したスチレン単量体200gを加え、ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて5800rpmで120秒撹拌してスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させた。このスチレン単量体分散液を容器内に30分かけて添加し、その後60分保温した。
その後、5時間かけて等速度で90℃まで昇温しながら、スチレン単量体900gを連続的に5時間かけて等速度(3.0g/分)で添加した。この際、耐圧攪拌容器内を窒素パージし酸素濃度を0.5〜1体積%に保った。このときの重合率は90%であった。
次いで、リン酸三カルシウム2.2g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05gを添加した後、115℃に昇温して2時間保温した。ついで、100℃まで冷却し、発泡剤としてペンタン(i/n比=2/8、重量比以下同じ)150gを2回に分けて圧入して10時間保持して発泡剤の含浸を行った。
室温まで冷却後、発泡剤が含浸された再生発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥した。次いでこの樹脂粒子を目開き0.6mm〜1.7mmの篩で分級し、得られた樹脂粒子に対しステアリン酸亜鉛0.1重量%、硬化ひまし油0.1重量%を加え表面被覆し再生発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
得られた再生発泡性スチレン系樹脂粒子を、50ml/gに予備発泡し、約18時間熟成後、ダイセン工業製発泡スチレン系樹脂成型機VS−300を用い、成形圧力0.08MPaで成形し、成形品を得た。
実施例2
[再生スチレン系樹脂核の製造]
実施例1において、タルク及びエチレンビスステアリルアミドで被覆された粗粉砕物1600gとアクリロニトリル−スチレン共重合体(デンカ製、AS−XGS)400gとした以外は実施例1と同様の方法で再生スチレン系樹脂核を得た。
この再生スチレン系樹脂核の重量平均分子量は14.9万、比重は0.91であった。
[再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造]
上記方法で得られた再生スチレン系樹脂核を用いて実施例1と同様の方法で再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びその成形品を得た。
比較例1
[再生スチレン系樹脂核の製造]
実施例1においてアクリロニトリル−スチレン共重合体(デンカ製、AS−XGS)を使用しない以外は実施例1と同様の方法で再生スチレン系樹脂核を得た。
この再生スチレン系樹脂核の重量平均分子量は16.7万、比重は0.91であった。
[再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造]
上記方法で得られた再生スチレン系樹脂核を用いて実施例1と同様の方法で再生発泡性スチレン系樹脂粒子及びその成形品を得た。
実施例1〜2及び比較例1で得た再生発泡性スチレン系樹脂粒子の評価結果を表1に示す。表1における特性評価の方法は以下の通りであった。
(1)表面平滑率
成形品の表面に印刷用インクをローラーで薄く塗り、この表面部分を画像処理装置にかけ、全面積に対する黒色部分の面積を求め、表面平滑率とした。
(2)曲げ強度
密度0.02g/lの発泡成形体について、JIS−A−9511に準じた方法で曲げ強度を測定した。
(3)セル径
発泡倍率50ml/gの発泡粒子の中央部分を剃刀でスライスし、スライス面のセル径を拡大鏡で測定した。
Figure 0005009681
表1に示すように、実施例では、セル径が微細で外観、強度に優れた再生発泡成形品が得られた。
本発明の再生発泡性スチレン系樹脂粒子及び再生発泡スチレン系成形品は食品容器、梱包材、緩衝材等に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 使用済みの発泡スチレン系樹脂成形品から得られる再生スチレン系樹脂に、重量平均分子量が7万〜40万であるアクリロニトリル−スチレン共重合体を配合して再生スチレン系樹脂核を得、
    前記再生スチレン系樹脂核に、スチレン系単量体を加え重合し、さらに、発泡剤を含浸させる再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  2. 前記再生スチレン系樹脂核に、アクリロニトリル−スチレン共重合体が1重量%〜30重量%含まれる請求項記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  3. 前記再生スチレン系樹脂核の、再生発泡性スチレン系樹脂粒子に対する比率が、30重量%〜70重量%である請求項1又は2記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の製造方法により得られる再生発泡性スチレン系樹脂粒子。
  5. 請求項記載の再生発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形させて得られる再生発泡スチレン系樹脂成形品。
  6. 前記再生発泡スチレン系樹脂成形品のセル径が140μm以下である請求項5記載の再生発泡スチレン系樹脂成形品。
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