JP2006028373A - 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法、該製造方法により得られる発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系ビーズ、発泡スチレン系樹脂成形品、および上記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に用いる再生スチレン系樹脂粒子 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法、該製造方法により得られる発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系ビーズ、発泡スチレン系樹脂成形品、および上記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に用いる再生スチレン系樹脂粒子 Download PDF

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Tetsuya Kato
哲也 加藤
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和樹 岡村
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誠 齊藤
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Abstract

【課題】発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に一部原料として用いる再生スチレン系樹脂の残存溶剤量の上限値を15重量%とすることができ、作業性、生産性に優れる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法を提供する。粒子の形状が良好であり、発泡特性に優れた発泡性スチレン系樹脂粒子を提供する。
【解決手段】回収した発泡スチレン系樹脂成形品を溶剤に溶解した後、上記溶剤を蒸留分離して再生スチレン系樹脂を得て、上記再生スチレン系樹脂の粒子径を0.1〜3.0mmとし、得られた再生スチレン系樹脂粒子に重合開始剤とスチレン系単量体とを含浸付着させて前記単量体の重合を行い、得られた新生スチレン系樹脂粒子に含浸温度100℃以上で発泡剤を含浸させる。ここで上記重合時において全配合量に対し、再生スチレン系樹脂粒子の配合量の上限値を80重量%とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法、該製造方法によって得られる発泡性スチレン系樹脂粒子、該発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して得られる発泡ビーズ、該発泡ビーズを発泡形成して得られる発泡スチレン系樹脂成形品、および上記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に用いる再生スチレン系樹脂粒子に関し、詳しくは発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に一部原料として用いられる再生スチレン系樹脂の残存溶剤の許容上限値を15重量%として発泡性スチレン系樹脂粒子を得る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法、該製造方法によって得られる発泡性スチレン系樹脂粒子、該発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して得られる発泡スチレン系ビーズ、該発泡スチレン系ビーズを発泡形成して得られる発泡スチレン系樹脂成形品、および上記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に用いる再生スチレン系樹脂粒子に関する。
従来、発泡スチレン系樹脂成形品は、一度使用された後、焼却処分されるか、または熱収縮や溶剤回収されてポリスチレンとしての再利用(リサイクル)が図られている。この再利用(リサイクル)の比率は、現在のところ不十分であり、今後、環境等の観点から再利用率を上げていくことが、社会的課題とされている。
この発泡スチレン系樹脂成形品の再利用方法としては、上記成形品を溶剤に溶解させた後、蒸留により溶剤を分離し、その後の処理により再生ポリスチレンとする方法等が挙げられる。得られた再生ポリスチレンは主に、射出成形による雑貨品、押出成形による建材等の用途に利用されているが、現在、再生ポリスチレンから得られた発泡スチレン系樹脂成形品の再生利用法は限定されたものであり、その用途の拡大が求められている。
一方、「リサイクル」という言葉の定義から考えると、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形して発泡スチレン系樹脂成形品とし、成形品として使用されたスチレン系樹脂を、ポリスチレンとして再利用することは純然たる「リサイクル」ではない。使用済み発泡スチレン系樹脂成形品から得られた再生スチレン系樹脂は、発泡性スチレン系樹脂粒子として再利用することが、「リサイクル」という言葉の上からも好ましいと考えられる。しかしながら、現在のところ、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品から回収された再生スチレン系樹脂を、発泡性スチレン系樹脂粒子として工業的に再生している例は少ない。
その理由としては、上述したように使用済み発泡スチレン系樹脂成形品は溶剤に溶解し、溶剤を蒸留分離して回収するが、回収後の再生スチレン系樹脂中には溶剤が多く残存し、この残存溶剤が3重量%以上残存していると、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性が大きくなり発泡倍率の調整が困難となったり、後に成形品としたときに成形品が収縮し、外観が劣ったりする問題があることが挙げられる。しかしながら、残存溶剤量の少ない再生スチレン系樹脂を、蒸留のみで短時間で得るには高価な蒸留設備が必要であり、コスト的に不利であった。
このため、溶剤に溶解し、回収することにより得られた再生スチレン系樹脂を、発泡性再生スチレン系樹脂粒子とする方法としては、上記再生スチレン系樹脂を押出機に供し、ペレット化するとともに、押し出し工程の熱により溶剤を揮発させて溶剤を分離した再生スチレン系樹脂ペレットを得て、発泡剤を含浸させる方法が最も一般的に用いられていた。
しかし、この方法を最も一般的に普及しているストランド式の押出機で行うと、延伸方向に歪が残り、発泡剤を含浸した発泡性スチレン系樹脂粒子は、延伸方向に収縮し扁平状や卵形の形状となる。このような形状の発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られるスチレン系発泡ビーズを金型に充填すると、形状が球形でないため充填性が劣り充填不足による不良が多くなったり、得られた成形品の外観が劣ったりする問題があった。また、押し出し工程の熱により樹脂が劣化し、分子量が小さくなるため、成形品としたときの強度が低下する。
また、蒸留だけでなく、余計に押出し工程を経る必要があるためコスト的に不利であった。
そこで、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品から、球形の発泡性スチレン系樹脂粒子をつくる方法として、再生スチレン系樹脂をホットカット式押出機によりペレット化し、このペレットに発泡剤を含浸させ発泡性スチレン系樹脂粒子とする方法(例えば、特許文献1参照)や、ホットカット式押出機により得られたペレットを核とし、触媒を含むスチレン単量体をシード重合及び発泡剤含浸して発泡性スチレン系樹脂粒子とする方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、溶剤回収した再生スチレン系樹脂を無延伸溶融及び粉砕して得られるスチレン系樹脂粒子を、有機系分散剤を含む水性媒体中に分散し、易揮発性発泡剤を含浸して発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平4−325534号公報 特開平5−98062号公報 特開2001−114925号公報
しかしながら、上記ホットカット式の押出機を使用する方法では、球状の良好な樹脂粒子が得られる特徴はあるが、ペレット粒子径の大きさによって生産性が決まってしまう。特に、需要の多い0.3〜1.5mmの粒子を得る場合、押し出し工程での吐出量の低下を招き、生産性が低下する。また、使用済み発泡スチレン系成形品を処理する場合、混入したゴミを除去するため押出機スクリーンの目を細かくする必要があり、ペレット粒子径を小さくした場合には、スクリーン交換回数が増加し作業性が悪化するという問題があった。また、ストランド押出機を用いる方法と同様に、押し出し工程の熱で樹脂が劣化し、得られた発泡スチレン系樹脂成形品の強度が低下するという問題もあった。
一方、上述した溶剤回収した再生スチレン系樹脂を無延伸溶融および粉砕して得られる再生スチレン系樹脂粒子を、有機系分散剤を含む水性媒体中に分散し、易揮発性発泡剤を含浸して発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法においては、溶剤回収された再生ポリスチレン樹脂を押出機等で無延伸ペレットとする必要がある。この無延伸ペレットを作製できる押出機は一般的ではないため、生産できる設備が限定され、生産量が少なくなってしまうという問題点があった。また、押し出し工程での熱により樹脂が劣化し、得られた成形品の強度が低下するという問題もあった。
すなわち、残存溶剤量が一定値(3重量%)以上であると発泡倍率の調整が困難となり、一方残存溶剤量を上述したような方法で調整すると粒子の形状、成形品の強度、作業性、生産性等が悪くなるという問題が生じていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、従来の残存溶剤量の許容上限値(3重量%)から引き上げ、従来の上限値(3重量%)以上の場合であっても、発泡倍率の調製が行ないやすいという良好な発泡特性を有し、後に成形品としたときに成形品の強度等が低下しない発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために従来の残存溶剤量の許容上限値以上であっても良好な発泡特性を有し、後に成形品としたときに成形品の強度等が低下しない発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する方法について鋭意研究を進めたところ、再生スチレン系樹脂粒子の外側部分の分子量を高くすれば、上記課題を解決できるとの知見を得た。そこで、
再生スチレン系樹脂粒子の外側部分の分子量を高くするために、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造における再生スチレン系樹脂粒子の物性とこの粒子に含浸・付着させるスチレン系単量体との反応性の関係を中心に検討したところ、主に再生スチレン系樹脂粒子の粒径と残存溶剤量を所定の範囲内に制御することによって、再生スチレン系樹脂粒子の外側部分の分子量が高くなり、翻って言えば、残存溶剤の許容上限値を大幅に引き上げることができることを見いだし、発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に一部原料として用いる再生スチレン系樹脂の残存溶剤の許容上限値を15重量%として発泡性スチレン系樹脂粒子を得る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、回収した発泡スチレン系樹脂成形品を溶剤に溶解した後、上記溶剤を蒸留分離して再生スチレン系樹脂を得る再生スチレン系樹脂取得工程と、
上記再生スチレン系樹脂の粒子径を0.1〜3.0mmとする再生スチレン系樹脂粒子調整工程と、上記再生スチレン系樹脂粒子調整工程で得られた再生スチレン系樹脂粒子に重合開始剤とスチレン系単量体とを含浸・付着させて前記単量体の重合を行う重合工程と、上記重合工程で得られた新生スチレン系樹脂粒子に含浸温度100℃以上で発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子を得る発泡剤含浸工程とを有し、上記重合工程において全配合量に対し、再生スチレン系樹脂粒子の配合量の上限値を80重量%とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
[2] 上記発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法により得られる発泡性スチレン系樹脂粒子。
[3] 上記発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して得られるスチレン系発泡ビーズ。
[4] 上記スチレン系発泡ビーズを発泡成形して得られる発泡スチレン系樹脂成形品。
[5] 回収した発泡性スチレン系樹脂成形品を溶剤に溶解した後、上記溶剤を蒸留分離して得られた再生スチレン系樹脂を粒子化して再生スチレン系樹脂粒子を得て、これにスチレン系単量体と重合開始剤とを含浸・付着させて、上記スチレン系単量体を重合させることにより新生スチレン系樹脂粒子を調製し、得られた新生スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡させることによって、発泡性スチレン系樹脂粒子を得る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法に用いて好適な再生スチレン系樹脂粒子であって、残存溶剤量の上限値が15重量%に調整されるとともに、粒子径が0.1〜3.0mmに調製されていることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に用いる再生スチレン系樹脂粒子。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に一部原料として用いられる再生スチレン系樹脂の残存溶剤量の上限値を15重量%とすることができ、作業性、生産性に優れる。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、粒子の形状が良好であるため、成形品製造における金型への充填性がよく、充填不足による不良品を生じにくくすることができる。
本発明のスチレン系発泡ビーズは、良好な発泡特性を有する。
本発明の再生発泡スチレン系樹脂成形品は、強度が低下せず、また外観もよい。
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に一部原料として用いる再生スチレン系樹脂の残存溶剤の許容上限値を15重量%として発泡性スチレン系樹脂粒子を得る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、(1)回収した発泡スチレン系樹脂成形品を溶剤に溶解した後、上記溶剤を蒸留分離して再生スチレン系樹脂を得る再生スチレン系樹脂取得工程と、(2)上記再生スチレン系樹脂の粒子径を0.1〜3.0mmとする再生スチレン系樹脂粒子調整工程と、(3)上記再生スチレン系樹脂粒子調整工程で得られた再生スチレン系樹脂粒子に重合開始剤とスチレン系単量体とを含浸・付着させて前記単量体の重合を行う重合工程と、(4)上記重合工程で得られた新生スチレン系樹脂粒子に含浸温度100℃以上で発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子を得る発泡剤含浸工程とを有し、上記重合工程において全配合量に対し、再生スチレン系樹脂粒子の配合量の上限値を80重量%とする。
(1)再生スチレン系樹脂取得工程
本発明における再生スチレン系樹脂取得工程により、回収した発泡スチレン系樹脂成形品を溶剤に溶解した後、上記溶剤を蒸留分離して再生スチレン系樹脂を得る。
回収した発泡スチレン系樹脂成形品は、発泡スチレン系樹脂成形品であれば限定されないが、予め染料等により着色された使用済みの発泡スチレン系成形品を除外しておくことが好ましい。着色された成形品が混在すると、得られる発泡性スチレン系樹脂粒子、発泡スチレン系樹脂成形品が着色し、製品価値を損ねるおそれがあるため好ましくない。
本発明における使用済み発泡スチレン系樹脂成形品を溶解させる溶剤としては、トルエン、エチルベンゼン等のベンゼン系有機溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系有機溶剤のほか、リモネン等のポリスチレンの溶解に適した溶剤であればよい。溶剤の量は用いる溶剤の種類により異なるが、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品を十分に溶解できる量であればよい。具体的には、溶剤としてトルエンを用いた場合、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品100gに対して350Lである。
本発明では、回収した使用済み発泡スチレン系樹脂成形品を溶解する溶剤に、気泡調整剤を溶解又は分散させて使用することができる。気泡調整剤としてオレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の高級脂肪酸ビスアミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の高級脂肪酸の金属塩及びタルク、炭酸カルシウム等の無機物を使用することができる。
本発明で用いられる気泡調整剤である高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸の金属塩の配合量は、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品に対して0.01〜2重量%の範囲であることが好ましい。0.01重量%未満では気泡サイズを小さくする十分な効果が得られない傾向にあり、また、2重量%を越えると、気泡サイズが極端に小さくなり、成形時に樹脂が溶融し成形品の外観が悪化する傾向がある。
本発明で用いられる気泡調整剤である無機物の配合量は、使用済み発泡スチレン系樹脂成形品に対して0.1〜5重量%の範囲であることが好ましい。0.1重量%未満では気泡サイズを小さくする十分な効果が得られない傾向にあり、また5重量%を越えると、気泡サイズが極端に小さくなり、成形時に樹脂が溶融し成形品の外観が悪化する傾向がある。
本発明において、再生スチレン系樹脂と溶剤とに分離する方法は、再生スチレン系樹脂に残存する溶剤量が15重量%以下にすることができれば特に制限はない。具体例としては、蒸留法、遠心分離法等が挙げられる。この上限値に近い方が発泡性スチレン系樹脂粒子の製造効率が高いこととなるが、再生スチレン系樹脂粒子に残存する溶剤量が15重量%以下、例えば5重量%以下にしても製品に対する影響はない。残存溶剤量が15重量%を越えると、発泡性が高く発泡倍率の調整が困難となり、また、成形品の収縮が大きくなり外観が低下する傾向がある。
(2)再生スチレン系樹脂粒子調製工程
溶剤と分離することによって得られた再生スチレン系樹脂を粉砕機により細粉砕して、再生スチレン系樹脂粒子を作製する。粉砕に用いる粉砕機は、プラスチック用のものが適用できるが、ポリスチレンを目的とした、粒子の径の大きさが0.1〜3mmの範囲に粉砕可能なものであれば、必ずしも粉砕機に限定されるものではない。この細粉砕された再生スチレン系樹脂粒子は、粒径を調整後、後述するスチレン系単量体との重合の際、核として用いられる。
粉砕によって得られた目的以外の大きさの再生スチレン系樹脂粒子は、ふるい分けされ、粒子の径が大きいものは再度、溶剤での溶解に供することができる。
本発明において用いる再生スチレン系樹脂粒子の径の大きさは、0.1〜3.0mmが好ましく、0.4〜1.7mmがより好ましい。再生スチレン系樹脂粒子の大きさが3.0mmを越えると発泡性スチレン系樹脂の形状が球形になりにくい傾向があり、0.1mm未満では重合を行った後でも粒子径が小さすぎ、発泡性スチレン系樹脂としたときの需要が少ない。
核となる再生スチレン系樹脂粒子の質量平均分子量は、10〜25万とすることが好ましい。質量平均分子量が10万未満では十分な強度が得られない傾向があり、25万を越えると、粒子が球状化し難い傾向がある。より好ましくは15〜23万である。
発泡性スチレン系樹脂粒子を得る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法に用いて好適な再生スチレン系樹脂粒子であって、残存溶剤量の上限値が15重量%に調整されるとともに、粒子径が0.1〜3.0mmに調製されていることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に用いる再生スチレン系樹脂粒子も本発明の対象である。
(3)重合工程
上記再生スチレン系樹脂粒子を、水性媒体中に懸濁させて懸濁液とする。水性媒体中への分散は、通常、攪拌翼を備えた装置を用いて行われ、その条件等に制限はない。本発明に用いられる水性媒体としては、例えばイオン交換水などが挙げられる。
上記再生スチレン系樹脂粒子は、分散剤と共に分散することが好ましい。本発明に用いられる分散剤としては、一般的に、懸濁重合に用いられるものであればよく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース等の有機系分散剤、リン酸マグネシウム、リン酸三カルシウム等の難溶性無機塩が挙げられる。
さらに、界面活性剤も用いることができる。界面活性剤として、具体的には、例えば、オレイン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、その他懸濁重合で一般的に使用されるアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの分散剤の中では、スチレン系単量体の油滴の安定性から、有機系分散剤を使用することが好ましい。
次に、上記懸濁液に、予め重合開始剤を溶解したスチレン系単量体を加え、核となる再生スチレン系樹脂粒子に含浸させる。本発明で使用するスチレン系単量体は、スチレン、及びα−メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン誘導体の1種または2種以上、又はこれらと、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル、対応するアクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル、塩化ビニル等その他の重合可能な単量体との組み合わせ等である。
また、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート等の架橋剤を使用してもよい。
全配合量に対し、再生スチレン系樹脂粒子の配合量の比率は、好ましくは80重量%以下であり、より好ましくは60重量%以下である。80重量%を越えると粒子が球形化し難くなる。また、比率が少なすぎると重合過程で粒子同士が合一し易くなるため、20重量%以上が好ましい。
重合反応に用いる重合開始剤としては、懸濁重合法に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、t−ブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、t−ブチルパーベンゾエート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物の1種または2種以上を使用することができる。
重合開始剤は、溶剤に溶解して加え、再生スチレン系樹脂粒子に含浸させてもよい。この場合、重合開始剤を溶解する溶剤としては、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素等が用いられる。これらを用いる場合は、通常、スチレン系単量体に対して3重量%以下で使用される。重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類により異なるが、一般的にスチレン系単量体に対して0.1〜0.5重量%の範囲が好ましい。
尚、本発明では、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸モノアミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド等の脂肪酸ビスアミドなどを気泡調整剤として、スチレン系単量体又は上記溶剤に溶解して用いてもよい。
水性媒体中に分散された再生スチレン系樹脂粒子からなる核に、スチレン系単量体を含浸させる方法としては、スチレン系単量体を単独で添加する方法と、水性媒体中にスチレン系単量体、分散剤等を添加し微細に分散させた分散液として添加する方法がある。また、これらの方法を組み合わせてもよい。
スチレン系単量体、分散剤等を水性媒体に添加し、微細に分散する方法は、通常、撹拌翼を備えた装置を用いて行なわれる。その条件等に制限はないが、より微細に分散する方法としては、ホモミキサーを用いるのが好ましい。このときスチレン系単量体を分散した分散液の油滴径が、核となる再生スチレン系樹脂粒子の粒子径以下になるまで分散するのが好ましい。油滴径が再生スチレン系樹脂粒子の粒子径よりも大きい状態で水性媒体中に添加されると、スチレン系単量体を分散した分散液の油滴に複数の樹脂粒子が取り込まれ、樹脂粒子の粘着、可塑化、合一が生じ、過大粒子が発生しやすいためである。
上記懸濁液に、重合開始剤を溶解したスチレン系単量体を加え、核となる再生スチレン系樹脂粒子に含浸させた後、引き続きスチレン系単量体を加えて重合を行う。スチレン系単量体の添加は、分割して行ってもよいし、連続的に行ってもよい。また、添加速度は、重合装置の容量、形状、重合温度等によって異なり適宜選択される。また、重合温度は、60〜105℃の範囲が好ましい。
本重合工程により、特に粒子の外側部分の分子量が高くなる。粒子全体の分子量は、重合開始剤の濃度の調整および/または連鎖移動剤の使用により調整できる。連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、α−メチルスチレンダイマー等の従来公知のものが使用できる。
(4)発泡剤含浸工程
続いて、重合中または重合後の樹脂粒子(新生スチレン系樹脂粒子)に、発泡剤を含浸させる。発泡剤の含浸は、発泡剤を容器内に圧入し、通常再生スチレン系樹脂粒子の軟化点以上の温度に上げ、樹脂粒子中に含浸させる。
発泡剤としては、上記新生スチレン系樹脂粒子を溶かさない発泡剤、または僅かに膨潤させる発泡剤が好ましく、具体的にはプロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂環式炭化水素が用いられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。これらの発泡剤は、通常再生スチレン系樹脂粒子に対して3〜15重量%使用される。
発泡剤の含浸温度は、好ましくは100〜140℃であり、より好ましくは100〜120℃である。発泡剤の含浸温度が100℃未満では、粒子が球形化し難くなる傾向がある。一方、140℃を越えると粒子と粒子が結合して合一ビーズが発生しやすくなり好ましくない。発泡剤の含浸が完了した後、重合系内より排出することによって、発泡性スチレン系樹脂粒子を得ることができる。
上記発泡性スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量(Mw)は、25万以上であることが好ましく、30〜50万であることがより好ましい。25万未満だと成形品の収縮が大きくなり、外観が低下する傾向にある。
発泡性スチレン系樹脂粒子を脱水乾燥した後、必要に応じて表面被覆剤を被覆することができる。かかる被覆剤は、従来公知で発泡性スチレン系樹脂粒子に用いられるものが適用できる。例えば、ジンクステアレート、ステアリン酸トリグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ひまし硬化油、牛脂硬化油、シリコーン類、静電気防止剤等が挙げられる。
本発明の方法で製造した発泡性スチレン系樹脂粒子は、残存溶剤量が3重量%以上の再生スチレン系樹脂粒子を重合の核として使用しているにもかかわらず、発泡特性、発泡成形性および強度に優れた再生発泡性樹脂粒子を得ることができる。すなわち、再生スチレン系樹脂粒子に、従来法では問題となっていた残存溶剤量以上の溶剤が残留していても、発泡成形性に優れる発泡性スチレン系樹脂粒子を製造できる。
以下、本発明のスチレン系発泡ビーズについて説明する。
本発明のスチレン系発泡ビーズは、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して製造する。一般には、発泡性スチレン系樹脂粒子を、スチーム等により加熱して所定の嵩密度まで予備発泡し、熟成工程を経て得ることができる。嵩密度は、20〜60ml/gが好ましく、30〜50ml/gがより好ましい。また、熟成工程とは、予備発泡により粒子が急激に体積膨張し粒子内部が真空状態となっているものを空気との置換により常圧に戻す工程である。
続いて、本発明の発泡スチレン系樹脂成形品について説明する。
本発明の再生発泡スチレン系樹脂成形品は、上記スチレン系発泡ビーズを成形金型に充填し、再度スチーム等で加熱発泡成形して製造することができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
[再生スチレン系樹脂粒子の作製]
発泡スチレン系樹脂成形品(日立化成工業(株)製 商品名ハイビーズSSB−TX−7より得られた成形品)2.5kgを、60℃に加温したトルエン20kgの入った攪拌装置付きタンクに投入し、溶解した。次いで、この溶解槽に平均粒子径が5μmの微粉状のタルク(丸尾カルシウム製、タルクVLBB)25gを添加し、2時間攪拌販した。その後、この溶解液を50リットルの耐圧容器に入れ、温度200℃、真空度40mmHg、50リットル/hの流量で、窒素バブリングを行ないながら、約10時間減圧真空蒸留し、約2.4kgの再生スチレン系樹脂を得た。得られた再生スチレン系樹脂の質量平均分子量は、22.5万、樹脂に残存するトルエンは、1.3重量%であった。この樹脂を10mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(株式会社ホーライ製、ZA−560型粉砕機)で粗粉砕した。このとき得られた粗粉砕物(ペレット)の最大の長さは、おおよそ10mmであった。
引き続き、得られた粗粉砕物(ペレット)を、2mmのスクリーンをとりつけた粉砕機(VM−16型粉砕機、株式会社オリエント商品名)で細粉砕した。細粉砕物を、0.6〜0.85mmの範囲に篩で分級し、再生スチレン系樹脂粒子とした。この再生スチレン系樹脂粒子の比重は0.94であった。
[含浸・重合工程]
5Lの耐圧攪拌容器に上記の再生スチレン系樹脂粒子1100g、脱イオン水1900g、リン酸三カルシウム12.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.2gを仕込み、攪拌しながら70℃に昇温した。次いで、単量体分散容器に脱イオン水300gとポリビニルアルコール1.3gを入れて混合し、これにt−ブチルパーオキサイド0.66g、ベンゾイルパーオキサイド2.5gを溶解したスチレン単量体200gを加え、ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて5800rpmで120秒攪拌しスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させた。このスチレン単量体分散液を上記耐圧攪拌容器内に添加し、90分保温したのち、90℃に昇温した。その後、スチレン単量体900gを連続的に3時間かけて等速度(5.0g/分)で添加した。次いで、リン酸三カルシウム2.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05gを添加した後、115℃に昇温し、2時間保温した。
その後、100℃まで冷却し、発泡剤としてブタン(イソブタン/n−ブタンの質量比=4/6)を160gずつ2回に分けて圧入し、10時間保持した。その後、室温まで冷却し、発泡剤が含浸された発泡性スチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥した。次いで、この発泡性スチレン系樹脂粒子を目開き2.2mm及び0.6mmの篩で分級し、2100gの発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子に対し、ステアリン酸亜鉛2.1g、次いで、硬化ひまし油2.1gを順次加えて混合し、表面被覆剤を被覆した。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の残存トルエン量は、0.60重量%、分子量は32.8万であった。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を、発泡スチレン系樹脂用発泡機(日立化成テクノプラント製 HBP-500LW)を用い、スチームで加熱することによって、50ml/gの発泡ビーズに予備発泡した。その後、約18時間熟成した後、発泡スチレン系樹脂用成型機(ダイセン工業製 VS−300)を用い、成形圧力0.08MPaで成形し、発泡スチレン系樹脂成形品(以下、「発泡成形品」という)を得た。
上記発泡成形品の表面平滑率、発泡成形品の収縮率、曲げ強度を評価した結果、表1に示すように、発泡成形品の表面平滑率は、94.0%と高く、発泡成形品の収縮率も0.40%と小さかった。さらに曲げ強度も0.28MPaと十分な強度を有していた。
尚、発泡性スチレン系樹脂粒子は、以下の方法により評価した。
1.発泡成形品の収縮率
発泡成形品収縮率(%)=(金型寸法−成形品寸法)/金型寸法×100
2.発泡成形品の表面平滑率
発泡成形品の表面平滑率は、まず発泡成形品の表面に印刷用インクをローラーで薄く塗り、この表面部分を画像処理装置にかけ、全面積に対する黒色部分の面積を求め、表面平滑率とした。
3.曲げ強度
JIS A9511に準拠して測定した。
Figure 2006028373
〔実施例2〕
実施例1において、減圧真空蒸留の時間を約8時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行い、再生スチレン系樹脂ペレット得た。この時の残留トルエン量は3.16重量%、分子量は23.5万であった。この再生スチレン系樹脂ペレットを用い、実施例1と同様の操作を行い、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の質量平均分子量は33.3万、残存トルエン量は1.51重量%であった。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を用い、実施例1と同様にして発泡成形品を得た。
その結果、表1に示すように、発泡成形品の表面平滑率は、92.0%と高く、発泡成形品の収縮率も0.60%と小さかった。さらに曲げ強度も0.27MPaと十分な強度を有していた。
〔実施例3〕
5Lの耐圧攪拌容器に実施例2で得られた再生スチレン系樹脂粒子550g、脱イオン水1900g、リン酸三カルシウム12.0g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.2gを仕込み、攪拌しながら70℃に昇温した。次いで、単量体分散容器に脱イオン水300gとポリビニルアルコール2.0gを入れ混合し、これにt−ブチルパーオキサイド1.0g、ベンゾイルパーオキサイド3.6gを溶解したスチレン単量体200gを加え、ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて5800rpmで120秒攪拌しスチレン単量体を微細(単量体油滴の平均径10〜100μm)に分散させた。このスチレン単量体分散液を容器内に添加し、90分保温したのち、90℃に昇温した。その後、スチレン単量体1450gを連続的に5時間かけて等速度(4.8g/分)で添加した。次いで、リン酸三カルシウム2.4g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.05gを添加した後、115℃に昇温し、2時間保温した。その後、実施例1と同様の操作を行い、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の質量平均分子量は34.1万、残存トルエン量は0.66重量%であった。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を用い、実施例1と同様にして発泡成形品を得た。
その結果、表1に示すように、発泡成形品の表面平滑率は、95.0%と高く、発泡成形品の収縮率も0.35%と小さかった。さらに曲げ強度も0.30MPaと十分な強度を有していた。
〔実施例4〕
実施例1における減圧真空蒸留の時間を約4時間とした以外は、実施例1と同様な操作を行ない、再生スチレン系樹脂ペレットを得た。このときの残留トルエン量は13.1重量%、分子量は23.9万であった。この再生スチレン系樹脂ペレットを用い、実施例3と同様な操作を行ない、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の質量平均分子量は34.3万、残存トルエン量は3.04重量%であった。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を用い、実施例1と同様にして発泡成形品を得た。
その結果、表1に示すように、発泡成形品の表面平滑率は、91.0%と高く、発泡成形品の収縮率も0.62%と小さかった。さらに曲げ強度も0.27MPaと十分な強度を有していた。
なお、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により以下の装置および条件で測定した。
測定装置:(株)日立製作所製
溶離液:THF、流量:2ml/分
検出器:UV220nm
カラム:日立化成工業(株)製、GL−R400M2本
〔比較例1〕
実施例2で得られた再生スチレン系樹脂粒子1000g、脱イオン水2000g、ポリビニルアルコール0.5g、リン酸三カルシウム5g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.08gを内容積4リットルの耐圧反応釜にいれ、密閉して90℃に昇温後、発泡剤としてブタン(イソブタン/n-ブタン=4/6)を45gずつ2回に分けて圧入した。ブタン圧入完了後、60分保持し、引き続き115℃に昇温し12時間保持して発泡剤の含浸を行った。室温まで冷却後、発泡剤が含浸されたスチレン系樹脂粒子を取り出し、脱水乾燥した後、8.6メッシュ通過,26メッシュ残で分級し、更にステアリン酸亜鉛0.1重量%、硬化ひまし油0.1重量%となる量で表面被覆し、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の残留トルエン量は3.03重量%、分子量は23.1万であった。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を用い、実施例1と同様にして発泡成形品を得た。
その結果、表1に示すように、再生スチレン系樹脂粒子の配合量が100重量%の場合、発泡成形品の表面平滑率は、83.0%と低く、発泡成形品の収縮率も0.80%と大きかった。さらに曲げ強度は、0.22MPaと小さかった。
以上のように、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、使用済みの発泡スチレン系成形品の再利用に適している。

Claims (5)

  1. 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に一部原料として用いる再生スチレン系樹脂の残存溶剤の許容上限値を15重量%として発泡性スチレン系樹脂粒子を得る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法であって、
    回収した発泡スチレン系樹脂成形品を溶剤に溶解した後、前記溶剤を蒸留分離して再生スチレン系樹脂を得る再生スチレン系樹脂取得工程と、
    前記再生スチレン系樹脂の粒子径を0.1〜3.0mmとする再生スチレン系樹脂粒子調整工程と、
    前記再生スチレン系樹脂粒子調整工程で得られた再生スチレン系樹脂粒子に重合開始剤とスチレン系単量体とを含浸・付着させて前記単量体の重合を行なう重合工程と、
    前記重合工程で得られた新生スチレン系樹脂粒子に含浸温度100℃以上で発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系樹脂粒子を得る発泡剤含浸工程と、
    を有し、前記重合工程において全配合量に対し、再生スチレン系樹脂粒子の配合量の上限値を80重量%とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法により得られる発泡性スチレン系樹脂粒子。
  3. 請求項2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡して得られるスチレン系発泡ビーズ。
  4. 請求項3に記載のスチレン系発泡ビーズを発泡成形して得られる発泡スチレン系樹脂成形品。
  5. 回収した発泡性スチレン系樹脂成形品を溶剤に溶解した後、前記溶剤を蒸留分離して得られた再生スチレン系樹脂を粒子化して再生スチレン系樹脂粒子を得て、これにスチレン系単量体と重合開始剤とを含浸・付着させて、前記スチレン系単量体を重合させることにより新生スチレン系樹脂粒子を調製し、得られた新生スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡させることによって、発泡性スチレン系樹脂粒子を得る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法に用いて好適な再生スチレン系樹脂粒子であって、
    残存溶剤量の上限値が15重量%に調整されるとともに、粒子径が0.1〜3.0mmに調製されていることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造に用いる再生スチレン系樹脂粒子。
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