JP3514905B2 - 発泡性熱可塑性重合体粒子の製法 - Google Patents

発泡性熱可塑性重合体粒子の製法

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JP3514905B2 JP10573396A JP10573396A JP3514905B2 JP 3514905 B2 JP3514905 B2 JP 3514905B2 JP 10573396 A JP10573396 A JP 10573396A JP 10573396 A JP10573396 A JP 10573396A JP 3514905 B2 JP3514905 B2 JP 3514905B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡性熱可塑性重
合体粒子の製法に関する。さらに詳しくは、本発明は、
水性分散液中に懸濁させた均一粒子径の熱可塑性重合体
種粒子に重合性単量体を添加してえられる熱可塑性重合
体粒子に易揮発性発泡剤を含浸させてうる粒度が好適に
揃った発泡性重合体粒子の製法であって、長期間保管し
てもそれぞれの粒子の発泡力に差が生じにくく、これを
予備発泡させてえた予備発泡粒子が成形性にすぐれてお
り、この予備発泡粒子を型内成形してえた発泡成形体の
外観が美麗な発泡成形体をうることのできる発泡性熱可
塑性重合体粒子の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡性熱可塑性重合体粒子は、様々な形
状の発泡成形体の原料として広く用いられている。その
ような発泡成形体は、通常、この発泡性熱可塑性重合体
粒子を予備発泡させてえた予備発泡粒子を型内成形する
ことによりえられる。この型内成形の際に予備発泡粒子
は型内でさらに膨張し、この予備発泡粒子間の隙間を埋
め、互いに融着することにより発泡成形体になる。
【0003】しかしながら、粒子径の小さい発泡性熱可
塑性重合体粒子の発泡力は短期間で低下しやすいもので
あり、粒子径が均一でない発泡性熱可塑性重合体粒子で
あるばあい、粒子径が小さいものから早く発泡力が低下
する。そのために、粒子径が均一でない発泡性熱可塑性
重合体粒子を放置しておくと、発泡力にばらつきがある
発泡性熱可塑性重合体粒子になる。
【0004】このような発泡力にばらつきがある発泡性
熱可塑性重合体粒子において、発泡力が低い粒子が多く
混在している発泡性熱可塑性重合体粒子を予備発泡させ
るばあい、所望の発泡倍率になりにくく、全体として所
望の高い発泡倍率になったとしても、小粒子径のものや
大粒子径のものを含む、粒子径のばらつきが大きい予備
発泡粒子になる。
【0005】このような予備発泡粒子を型内成形するば
あい、大粒子径のものが多く混在しているときは予備発
泡粒子の金型への充填性がわるく、とくに複雑な構造の
金型を用いるばあいには、良好な形状の発泡成形体に成
形することが困難であるという問題点があった。また、
このような発泡成形体は、その強度が低いものであると
いう問題点も有する。また、粒子径のばらつきの大きい
予備発泡粒子からなる発泡成形体は、外観がわるいとい
う問題点も有する。
【0006】このような点から、発泡性熱可塑性重合体
粒子の粒子径分布は狭いものであることが好ましい。発
泡性熱可塑性重合体粒子の粒子径のばらつきを小さくす
る方法の例として、従来より、 重合性単量体を懸濁重合させ、熱可塑性重合体粒子に
し、この熱可塑性重合体粒子に発泡剤を含浸させたの
ち、これをふるい分けすることにより、所望の粒子径お
よび粒子径分布を有する発泡性熱可塑性重合体粒子をう
る方法、 重合性単量体を懸濁重合させ、熱可塑性重合体粒子を
え、これをふるい分けすることにより、所望の粒子径お
よび粒子径分布を有する熱可塑性重合体粒子をえ、これ
に発泡剤を含浸させることにより、所望の粒子径および
粒子径分布を有する発泡性熱可塑性重合体粒子をうる方
法、および 熱可塑性重合体を所望の大きさのペレットに成形し、
これに発泡剤を含浸させることにより、所望の粒子径お
よび粒子径分布を有する発泡性熱可塑性重合体粒子をう
る方法があげられる。
【0007】しかしながら、前記の方法によれば、懸
濁重合させた全ての熱可塑性重合体粒子に発泡剤を含浸
させるので、発泡剤を含有していながら、好適な粒子径
でないために目的とする用途に適さない粒子径の発泡性
熱可塑性重合体粒子を、別用途向けとする必要があり、
このことがとくに生産量が増大するにつれて大きな負担
になるという問題点がある。
【0008】また、前記の方法によれば、懸濁重合に
よりえた熱可塑性重合体粒子をふるい分けしてから発泡
剤を含浸させるために、熱可塑性重合体粒子の重合工程
と発泡剤の含浸工程とを別工程にする必要があるので、
この方法によると工程が煩雑になると共に、コスト的に
も不利であるという問題がある。また、この方法におい
ても、前記の方法と同様、好適な粒子径を有する熱可
塑性重合体粒子のほかの粒子を別用途向けとする必要性
は避けられない。
【0009】また、前記の方法によれば、重合により
熱可塑性重合体をうる工程とこの重合体をペレット化す
る工程と発泡剤の含浸工程とが連続的に行なえず、それ
ぞれ独立の工程にて行なう必要があり、工程が著しく煩
雑になる。
【0010】これら〜の方法における問題点を解消
する方法として、 重合性単量体を懸濁重合させて、熱可塑性重合体粒子
をえ、これをふるい分けすることにより、所望の粒子径
および粒子径分布を有する熱可塑性重合体種粒子とし、
この熱可塑性重合体種粒子を含む水性懸濁液に重合性単
量体を添加して、熱可塑性重合体種粒子に重合性単量体
をシード重合させることにより、熱可塑性重合体粒子を
え、この熱可塑性重合体粒子に発泡剤を含浸させること
により、所望の粒子径および粒子径分布を有する発泡性
熱可塑性重合体粒子をうる方法があげられる。
【0011】この方法によれば、ふるい分けされた熱可
塑性重合体種粒子の粒子径の均一度に応じ、所望の狭い
粒子径分布を有する熱可塑性重合体粒子がえられる。こ
の熱可塑性重合体粒子に易揮発性発泡剤を含浸させるこ
とにより、粒子径分布が狭く、それぞれの粒子の発泡力
のばらつきが小さい発泡性熱可塑性重合体粒子を製造し
うる。このような方法は特公昭49−2994号公報に
開示されている。
【0012】このような発泡性熱可塑性重合体粒子を予
備発泡させ予備発泡粒子とし、この予備発泡粒子を金型
内で蒸気などによりさらに気泡径を増大させることによ
り、予備発泡粒子同士の隙間を埋めながら、互いに融着
させることによって発泡成形体をうることができるが、
前記の方法によりえられる発泡性熱可塑性重合体粒子
を予備発泡させた予備発泡粒子を型内成形するばあいで
も、前記の予備発泡粒子同士の隙間が充分に埋められた
発泡成形体をうることが困難である。
【0013】前記の発泡成形体に隙間やくぼみが発生す
るという問題点を解消する方法として、熱可塑性重合体
粒子の調製の際に可塑剤を含有させ、この可塑剤を含む
熱可塑性重合体粒子に発泡剤を含浸させて発泡性熱可塑
性重合体粒子とし、これを予備発泡させた予備発泡粒子
を型内成形させる方法があげられる。この方法によれ
ば、可塑化効果により予備発泡粒子の膨張力が向上する
ために、前記の予備発泡粒子同士の隙間やくぼみをなく
すことが期待できる。しかしながら、発泡性熱可塑性重
合体粒子の軟化点、とくにその表層部の軟化点が低下す
るために、これを予備発泡させるときに予備発泡粒子同
士が合一することにより収率が低下しやすい。このよう
に塊状(たとえば、2〜3個程度以上の予備発泡粒子が
合一したもの)になった予備発泡粒子を型内成形に供す
るばあい、充填不良を引き起こしやすいという問題があ
る。また、型内成形時に加熱により予備発泡粒子が膨張
しても、冷却する際に収縮しやすく、この収縮のために
前記の隙間やくぼみが生じやすいという問題点も有す
る。
【0014】前述のような発泡性熱可塑性重合体粒子の
表層部および予備発泡粒子の表層部の軟化度を低下させ
ず、また発泡成形体における隙間やくぼみの発生を抑制
する方法として、特公昭48−44656号公報および
特開昭51−77684号公報には、熱可塑性重合体粒
子であるスチレン系重合体粒子の表層部を架橋剤により
架橋させる方法が開示されている。
【0015】また、熱可塑性重合体粒子であるスチレン
系重合体粒子の表層部のポリマー分子の重量平均分子量
を、このスチレン系重合体粒子全体の重量平均分子量よ
り3〜30%高くした発泡性スチレン系重合体粒子が、
特開平7−188454号公報に開示されている。
【0016】また、前記それぞれの公報には、前記の発
泡性スチレン系重合体粒子および前記の製法によりえら
れる発泡性スチレン系重合体粒子は、表層部の分子量が
高くなり、えられる発泡成形体の強度が高く、表面硬度
が高いものであることが開示されている。
【0017】しかしながら、これらのスチレン系重合体
粒子は、いずれも、ポリマー分子の分子量の極端に高い
領域がその表面に局部的に層状に存在するものであり、
この層状の部分とその内側の部分とでは、発泡させたと
きの発泡倍率に大きな差が生じるものであり、内部のセ
ルが過大になったり不均一になるという不具合が生じ、
また、この分子量の高い層状の領域が発泡力の低いもの
であるために、発泡可能領域が狭くなるという欠点を有
するものであった。
【0018】すなわち、前述のようなそれぞれの方法を
用いても、発泡性熱可塑性重合体粒子の発泡力の低さ、
予備発泡粒子の金型への充填性のわるさ、発泡成形体の
隙間やくぼみの発生、発泡成形体の強度の低さ、発泡成
形体の外観のわるさなどの問題点を同時に解決しうるも
のではなかった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】前述のように従来の発
泡性熱可塑性重合体粒子の製法においては、架橋剤を用
いるばあい、発泡力が低下したものになり、可塑剤を用
いるばあい、耐熱性が低下したものになり、表層部分の
ポリマーの重量平均分子量を高くするようにして製造す
るばあい、発泡させたときの発泡倍率が表層部と内層部
とで大きな差を有するので発泡可能領域が狭いものにな
るという問題点があった。
【0020】本発明は、すぐれた発泡力を有し、これを
予備発泡させてえた予備発泡粒子が成形性のすぐれたも
のであり、この予備発泡粒子を型内成形することによ
り、その内部に隙間がないかまたは極めて少なく、その
表面にくぼみがないかまたは極めて少なく、そのため
に、強度が高く、外観が美麗な発泡成形体をうることの
できる発泡性熱可塑性重合体粒子を提供することを目的
する。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱可塑性
重合体種粒子に重合性単量体を水性懸濁液中で重合させ
る際に、この重合性単量体と重合開始剤とを連続的にま
たは断続的にこの水性懸濁液中に添加していく方法にお
いて、前記重合性単量体の添加開始時から添加終了時ま
での間に、重合性単量体の添加量に対する重合開始剤の
添加量の重量比を連続的にまたは段階的に減少させなが
ら、この重合性単量体とこの重合開始剤とを添加して熱
可塑性重合体粒子をえ、この熱可塑性重合体粒子に易揮
発性発泡剤を含浸させることにより、目的とする発泡性
熱可塑性重合体粒子をうることができることを見出し、
本発明を完成させるに至った。
【0022】前記熱可塑性重合体粒子は、熱可塑性重合
体種粒子に、さらに重合性単量体を重合させて肥大化さ
せたものである。
【0023】すなわち、本発明は、熱可塑性重合体種粒
子を含む水性懸濁液に、重合性単量体と重合開始剤とを
連続的にまたは断続的に添加することにより、該熱可塑
性重合体種粒子に該重合性単量体を重合させて熱可塑性
重合体粒子をえ、該熱可塑性重合体粒子に易揮発性発泡
剤を含浸させる発泡性熱可塑性重合体粒子の製法であっ
て、前記重合性単量体の添加開始時から添加終了時まで
の間に、添加終了時における前記重合性単量体の添加量
に対する前記重合開始剤の添加量の重量比を、添加開始
時における前記重合性単量体の添加量に対する前記重合
開始剤の添加量の重量比の0.7倍以下になるようにし
て、徐々に減少させながら、前記重合性単量体と前記重
合開始剤とを添加する発泡性熱可塑性重合体粒子の製法
に関する。
【0024】前記重合性単量体の添加開始時から添加終
了時までの間において、前記重合性単量体の添加量に対
する前記重合開始剤の添加量の重量比の各時間ごとの減
少率が10%以上であることが好ましい。
【0025】また、前記重合性単量体の添加開始時から
添加終了時までの間において、前記重合性単量体の添加
量に対する前記重合開始剤の添加量の重量比を3回以上
減少させることが好ましい。
【0026】また、前記熱可塑性重合体種粒子がスチレ
ン系重合体種粒子であり、前記重合性単量体がスチレン
系単量体またはスチレン系単量体とスチレン系単量体に
共重合可能なほかの単量体との混合物であることが好ま
しい。
【0027】また、前記熱可塑性重合体種粒子の量が、
前記熱可塑性重合体粒子の量の1〜60重量%であるこ
とが好ましい。
【0028】また、前記熱可塑性重合体種粒子の90重
量%以上が、前記熱可塑性重合体種粒子の体積平均粒子
径の0.9〜1.1倍の体積粒子径を有するものである
ことが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明における熱可塑性重合体粒
子は、(1)水性媒体に熱可塑性重合体種粒子を添加
し、懸濁させることにより、この熱可塑性重合体種粒子
を含む水性懸濁液を調製する工程、および(2)前記
(1)の工程によりえた水性懸濁液に、重合性単量体の
添加開始時から添加終了時までの間に、前記重合性単量
体の添加量に対する前記重合開始剤の添加量の重量比を
連続的にまたは段階的に減少させながら、前記重合性単
量体と前記重合開始剤とを添加する工程により製造しう
る。
【0030】前記のそれぞれの工程は、通常、水性媒体
または水性懸濁液を適宜の条件のもとで撹拌しながら行
なわれる。そして重合を充分に完結させることにより前
記熱可塑性重合体粒子がえられる。
【0031】前記(1)の工程において用いられる水性
媒体としては、コストおよび後処理のしやすさの点か
ら、通常、水が用いられる。
【0032】また、前記(1)の工程において、水性媒
体に懸濁剤を添加することが好ましい。前記懸濁剤とし
ては、一般に懸濁剤として用いられるものであればいず
れも用いることができ、たとえば、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニ
ルピロリドンなどの水溶性高分子;第3リン酸カルシウ
ム、ピロリン酸マグネシウムなどの難水溶性無機物など
があげられる。懸濁剤として、前記難水溶性無機物を用
いるばあい、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム
などのアニオン系界面活性剤を併用することが、懸濁安
定効果が増大する点で好ましい。また、懸濁剤として前
記水溶性高分子と前記難溶性無機物とを併用してもよ
い。これら懸濁剤が用いられるばあい、その添加量は、
前記熱可塑性重合体種粒子が充分に前記水性媒体に懸濁
する量であればよく、使用する懸濁剤の種類、装置の種
類、撹拌条件などによって大きく異なり、それぞれの条
件のもと適宜選択すればよい。
【0033】前記水性媒体に添加される熱可塑性重合体
種粒子としては、一般に知られている熱可塑性重合体の
粒状物であればよく、そのような熱可塑性重合体として
は、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレ
ン、t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどのスチレ
ン系単量体;ポリエチレン;ポリプロピレンなどの単独
重合体、またはこれらの単量体の2種以上を混合してな
る共重合体などがあげられる。また、前記熱可塑性重合
体種粒子として、ハイインパクトポリスチレンの粒状物
を用いてもよい。これらのうち、スチレン系単量体から
なる重合体が汎用である点、および蒸気で容易に加熱成
形しうる点で好ましい。
【0034】また、前記熱可塑性重合体種粒子の粒子径
が均一であるものが、目的とする熱可塑性重合体粒子の
粒子径が均一になるという点で好ましい。このような熱
可塑性重合体種粒子のうち、好適なものとしては、少な
くとも90重量%以上、さらには99重量%以上の熱可
塑性重合体種粒子の体積粒子径が、前記熱可塑性重合体
種粒子の体積平均粒子径の0.9〜1.1倍の範囲内に
あるものがあげられる。ここで、体積粒子径とは、実際
の熱可塑性重合体種粒子の体積と同体積の球の直径をい
い、その平均値を体積平均粒子径という。
【0035】また、前記熱可塑性重合体種粒子の粒子径
は、目的とする熱可塑性重合体粒子の粒子径または目的
とする予備発泡粒子の発泡倍率および粒子径などにより
適宜選択しうる。また、前記熱可塑性重合体種粒子の粒
子径は使用する重合性単量体の量と目的とする熱可塑性
重合体粒子の粒子径との関係によっても変わりうる。
【0036】このような熱可塑性重合体粒子からなる本
発明の発泡性熱可塑性重合体粒子は、長期間保管して
も、それぞれの粒子の発泡力に差が生じにくいものであ
り、これら発泡性熱可塑性重合体粒子を予備発泡させる
と均一に予備発泡しやすい。
【0037】このような均一な粒子径を有する熱可塑性
重合体種粒子を簡便に作製する方法の一例としては、通
常の懸濁重合法によってえられる熱可塑性重合体粒子を
分級することにより、均一な粒子径を有する熱可塑性重
合体種粒子をえる方法があげられる。また、熱可塑性重
合体種粒子をうるための重合性単量体を規則的に振動を
繰り返している所望の形状のノズルから水性媒体中に、
この重合性単量体が均一な粒子径の液滴になるようにし
て滴下し、この液滴が水性媒体中で、合着や分散が生じ
ない条件で重合させる方法を用いてもよい。
【0038】本発明の製法において、前記熱可塑性重合
体種粒子の量が、目的とする熱可塑性重合体粒子の量の
1〜60重量%、さらには5〜30重量%であることが
好ましい。
【0039】前記熱可塑性重合体種粒子の量が、前記の
範囲より少ないばあい、水性懸濁液に添加する重合性単
量体が前記熱可塑性重合体種粒子の周囲に重合されずに
重合性単量体の単独の重合体(粉末状の重合体となるば
あいが多い)になる割合が増える傾向があり、一方、前
記の範囲より多いばあい、この熱可塑性重合体粒子をう
るために一回の工程でより多くのモノマーを重合させる
ことができず、不経済である。
【0040】このようにしてえた熱可塑性重合体種粒子
を、前記水性媒体に添加し、適宜の条件で懸濁させて、
熱可塑性重合体種粒子を含む水性懸濁液を調製する。
【0041】つぎに、前記(2)の工程において、前記
熱可塑性重合体種粒子を含む水性懸濁液に、重合性単量
体と重合開始剤とを所望の添加速度で連続的に、または
所望の量の所望の数に分割して断続的に添加する。
【0042】本発明において重量性単量体と重合開始剤
との重量比を重量性単量体の添加終了時に添加開始時の
0.7倍以下にするときは、重量性単量体の重合度を重
合の最終段階まで徐々に大きくし粒子の表面付近のポリ
マーの重量平均分子量を大きくして型内成形の際の粒子
同士の融着を容易にかつ強固にし、しかも成形体表面を
滑らかにすることができる。0.7倍を超えると粒子の
表面のポリマーの重量平均分子量が充分大きくならず、
本発明の所望の効果がえられない。前記重量比は、重合
性単量体の添加終了時に添加開始時の0.5倍以下とす
るのが好ましい。
【0043】このとき、重合性単量体と重合開始剤と
は、重合性単量体の添加開始時から添加終了時までの間
において、重合性単量体の添加量に対する重合開始剤の
添加量の重量比を連続的にまたは段階的に添加終了時に
添加開始時の0.7倍以下となるように減少させなが
ら、熱可塑性重合体種粒子を含む水性懸濁液に添加され
る。また、重合性単量体または重合開始剤を連続的に添
加する方法としては、これらを所望の添加速度または所
望の可変の添加速度で、たとえば細管口などから水性懸
濁液に滴下または注入する方法などがあげられる。ま
た、重合性単量体または重合開始剤を断続的に添加する
方法としては、これらを所望の量の所望の数に分割し
て、水性懸濁液に投入、滴下または注入する方法などが
あげられる。また、重合性単量体と重合開始剤とのどち
らか一方が連続的に添加され、ほかの一方が断続的に添
加されてもよい。
【0044】前記熱可塑性重合体粒子は、水性懸濁液中
で、熱可塑性重合体種粒子を種にして、これに重合性単
量体を重合させてえられる。この重合が進むにつれて熱
可塑性重合体粒子の粒子径が増大していくので、前記水
性懸濁液中への重合性単量体の時間あたりの添加量は、
重合が進むにつれて増加させていくことが好ましい。し
かし、重合性単量体の時間あたりの添加量を一定にする
かまたは減少させていく方法によっても、前記熱可塑性
重合体をうることができる。
【0045】重合性単量体の添加量に対する重合開始剤
の添加量の重量比を減少させながら水性懸濁液に、重合
性単量体と重合開始剤とを添加する方法の具体的な例と
しては、重合性単量体の単位時間あたりの添加量を増加
させていき、重合開始剤の単位時間あたりの添加量を一
定に保つかまたは減少させていく方法、重合性単量体の
単位時間あたりの添加量を一定に保ち、重合開始剤の単
位時間あたりの添加量を減少させていく方法などがあげ
られる。そのほか前記の重量比を減少させながら、重合
性単量体および重合開始剤の双方の添加量を増加させて
いくか、または減少させていく方法もある。このよう
に、水性懸濁液中に存在している重合性単量体に対する
重合開始剤の重量比が、重合性単量体の添加開始時から
添加終了時までの間において実質的に減少していけばよ
く、たとえば重合性単量体と前記重合開始剤との添加の
タイミングのずれなどのために重合性単量体に対する重
合開始剤の重量比が一時的に増加するばあいがあって
も、水性懸濁液中に存在している重合性単量体と重合開
始剤との重量比が結果として実質的に減少していくもの
であればよい。
【0046】前記(2)の工程における、前記熱可塑性
重合体種粒子を含む水性懸濁液への重合性単量体と重合
開始剤との添加方法を、その実施態様を例示することに
よりさらに詳しく説明する。
【0047】(実施態様1) 重合性単量体の時間あた
りの添加量を重合性単量体の添加期間を通じて増加させ
ていき、重合開始剤の時間あたりの添加量を重合開始剤
の添加期間を通じて減少させていく。
【0048】(実施態様2) 重合性単量体の時間あた
りの添加量を重合性単量体の添加期間を通じて一定また
はほぼ一定に保ち、重合開始剤の時間あたりの添加量を
重合開始剤の添加期間を通じて減少させていく。
【0049】(実施態様3) 重合性単量体の時間あた
りの添加量を重合性単量体の添加期間を通じて増加させ
ていき、重合開始剤の時間あたりの添加量を重合開始剤
の添加期間を通じて一定またはほぼ一定に保つ。
【0050】(実施態様4) 重合性単量体の時間あた
りの添加量に対する重合開始剤の時間あたりの添加量の
比が、重合性単量体および重合開始剤の添加期間を通じ
て低くなっていくようにして、重合性単量体の時間あた
りの添加量を重合性単量体の添加期間を通じて増加させ
ていき、重合開始剤の時間あたりの添加量を重合開始剤
の添加期間を通じて増加させていく。
【0051】また、前記添加量の比が低くなっていくよ
うにして、重合性単量体の時間あたりの添加量および重
合開始剤の時間あたりの添加量をともに減少させていく
方法も考えられる。
【0052】なお、重合開始剤の添加は、重合性単量体
の添加中に終了させるばあいもある。そのばあい、前記
水性懸濁液中に重合開始剤が残存していれば重合反応が
進行する。
【0053】前記のそれぞれの実施態様において、重合
性単量体の添加および重合性単量体の添加は連続的に行
なわれてもよく、断続的に行なわれてもよい。また、断
続的に行なわれるばあい、重合性単量体の添加と重合性
単量体の添加は同期させるかまたは同期させずに行なわ
れる。
【0054】このような方法により、前記熱可塑性重合
体種粒子の周囲に重合していくポリマー分子の分子量を
徐々に大きくすることができ、粒子の表面に近くなるほ
どポリマーの重量平均分子量が大きくなっている熱可塑
性重合体粒子をうることができる。
【0055】この工程において、前記の重合性単量体の
添加量に対する重合開始剤の添加量の重量比の各時間ご
との減少率は、10%以上、さらには10〜70%であ
ることが好ましい。この重量比の減少率が前記の範囲よ
り低いばあい、分子量の増加による効果が期待できなく
なる傾向があり、一方、70%より高いばあい、重合反
応が遅くなることもある。
【0056】ここで、この重量比の各時間ごとの減少率
D(%)は、時間あたりの重合性単量体の添加量をA1
とし、そのときの時間あたりの重合開始剤の添加量をB
1とし、T時間後の時間あたりの重合性単量体の添加量
をA2とし、そのときの時間あたりの重合開始剤の添加
量をB2とするばあい、式: D(%/Hr)={(B1/A1)−(B2/A2)}/
(B1/A1)×100 で表わすことができる。また、前記の添加量A1、A2
1およびB2は、1時間あたりの添加量の値とすること
が通常であり、前記の時間T(Hr)は1時間とするの
が通常である。そのばあい、1時間あたりの重合性単量
体の添加量および重合開始剤の添加量をそれぞれA1
よびB1とし、つぎの1時間あたりの重合性単量体の添
加量および重合開始剤の添加量をそれぞれA2およびB2
として、前記重量比の各時間ごとの減少率Dをうる。ま
た、重量比の各時間ごとの減少率Dは各時間ごとに異な
っていてもよい。
【0057】また、前記重合性単量体の添加量に対する
重合開始剤の添加量の重量比の減少率を段階的に減少さ
せるばあい、段階的に3回以上減少させることが、分子
量の傾斜をつける点から好ましい。前記の減少させる回
数が前記の範囲より少ないばあい、分子量の傾斜がつき
にくい傾向がある。また、前記の減少させる回数は、操
作が複雑となるばあいがあるので、通常10回以下であ
る。
【0058】前記重合性単量体としては、スチレン、α
−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルス
チレン、クロロスチレンなどのスチレン系単量体などが
あげられ、これらの単量体を単独でまたは2種以上を混
合して用いることができる。また、前記重合性単量体が
スチレン系単量体のばあい、このスチレン系単量体に共
重合可能なほかの単量体を併用してもよく、そのような
単量体としては、アクリロニトリル、(メタ)アクリレ
ートなどがあげられる。この共重合可能なほかの単量体
が使用されるばあい、スチレン系単量体100重量部に
対して通常50重量部程度までが使用される。また、ジ
ビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレー
トなどの2官能性単量体を架橋剤として併用することも
できる。
【0059】前記重合性単量体の使用量は、熱可塑性重
合体種粒子の量と目的とする熱可塑性重合体粒子をうる
ために必要な重合性単量体の量との合計量を100重量
部とするとき、40〜99重量部であることが好まし
い。
【0060】前記重合開始剤としては、一般に熱可塑性
重合体の製造に用いられるラジカル発生型重合開始剤が
あげられ、その代表的なものとしては、たとえば、ベン
ゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t
−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーピバレー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−t−ブ
チルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,
3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパ
ーオキシヘキサハイドロテレフタレート、3,3,5−
トリメチルシクロヘキサンなどの有機過酸化物;アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリ
ルなどのアゾ化合物などがあげられる。これらの重合開
始剤は単独または2種以上を混合して用いることができ
るが、分子量をさらに充分に調節し、かつ残留単量体を
さらに充分に減少させるためには、分解温度の異なる重
合開始剤を2種以上併用することが効果的である。
【0061】また、前記重合開始剤の使用量は、用いる
重合開始剤の種類、重合条件などにより異なり、適宜選
択される。
【0062】また、前記重合性単量体および前記重合開
始剤が所望の添加速度で連続的に水性懸濁液に添加され
るばあいはその添加速度、所望の量づつに分割して断続
的に水性懸濁液に添加されるばあいはその断続的に分割
されて添加されるそれぞれの量または断続的に添加され
る添加時期の間隔は適宜選択すればよい。しかしなが
ら、前記重合性単量体の添加速度が速すぎるばあい、ま
たは断続的に分割されて添加されるそれぞれの量が多す
ぎるばあい、熱可塑性重合体粒子中に含まれる未反応の
モノマー量が増えるため、この熱可塑性重合体粒子が軟
らかくなるために水性懸濁液中で熱可塑性重合体粒子同
士が合一することがあり、一方、添加速度が遅すぎるば
あい、断続的に分割されて添加されるそれぞれの量が少
なすぎるばあい、または断続的に添加されるそれぞれの
添加時期の間隔が長すぎるばあいは生産性が問題にな
る。
【0063】また、前記水性懸濁液の撹拌速度や撹拌時
間は、その工程で前記水性懸濁液に添加した重合性単量
体、重合開始剤および熱可塑性重合体粒子の分散・混合
状態が好適になる条件であればよい。
【0064】つぎに、前述のようにして製造した熱可塑
性重合体粒子に、易揮発性発泡剤を含浸させることによ
り、発泡性熱可塑性重合体粒子をうる。このときの易揮
発性発泡剤の熱可塑性重合体粒子への含浸は従来より公
知の方法により行ないうる。
【0065】前記易揮発性発泡剤としては、室温で液体
状であるか、または室温で気体状であるが加圧下で液体
状となりうるものであり、かつその沸点が発泡性熱可塑
性重合体粒子の軟化点以下である揮発性有機化合物など
があげられ、そのような揮発性有機化合物としては、た
とえばプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂
肪族炭化水素;シクロブタン、シクロペンタン、シクロ
ヘキサンなどの脂環族炭化水素;メチルクロライド、ジ
クロルジフルオロメタン、ジクロルテトラフルオロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素などがあげられる。これら
の易揮発性発泡剤は、単独または2種以上を併せて用い
ることができる。
【0066】また、本発明の製法においては、一般の発
泡性熱可塑性重合体粒子の製造に通常使用しうる造核
剤、可塑剤、溶剤、難燃剤などを適宜の方法で前記熱可
塑性重合体種粒子または前記熱可塑性重合体粒子に添加
してもよい。
【0067】このようにして製造された発泡性熱可塑性
重合体粒子は、粒子の表面に近くなるにつれてそのポリ
マー分子の分子量が高くなっているものであり、この発
泡性熱可塑性重合体粒子を予備発泡させてえた予備発泡
粒子を型内成形するばあい、予備発泡粒子同士がほぼ完
全に融着して粒子間隙に隙間がなくなるか、あったとし
ても極めて少なくなり、えられる発泡成形体は、その内
部に空隙がないか、あったとしても極めて少なく、ま
た、表面にくぼみがないか、あったとしても極めて少な
いものになる。
【0068】前記予備発泡および前記型内成形は、従来
より公知の方法で行ないうる。
【0069】また、本発明の製法により製造される発泡
性熱可塑性重合体粒子からなる予備発泡粒子の発泡倍率
は、その目的により適宜に調節すればよいが、通常、1
00倍以下である。しかしながら、この発泡倍率は熱可
塑性重合体粒子の分子量、発泡剤の量や種類、可塑剤の
量などにより大きく異なる。
【0070】本発明の製法により製造された発泡性熱可
塑性重合体粒子は、そのポリマー分子の分子量が、その
粒子の半径方向に、低分子量から高分子量までの幅広い
分子量分布を有すものであり、幅広い温度範囲で発泡可
能であり、外側のポリマーの分子量が高いので、その粒
子における広い領域が発泡力の高い領域となりうる。
【0071】このような発泡性熱可塑性重合体粒子は、
充分な発泡力を有するものであり、これを予備発泡させ
てえられる予備発泡粒子は型内成形する際に膨張しやす
く、成形性のよいものである。
【0072】また、この予備発泡粒子を型内成形するこ
とにより、表面にくぼみをもたず、内部に隙間をもたな
い発泡成形体がえられる。このような好適な発泡成形体
がえられる理由は明確でないが、この予備発泡粒子の表
層部にそのポリマー分子の分子量が高い領域があるため
に、型内成形時に予備発泡粒子の表層部が熱により過度
に軟化しないこと、および型内成形時に熱により2次発
泡した予備発泡粒子が、冷却時に収縮を起こしにくいこ
となどがその理由として考えられる。
【0073】
【実施例】つぎに、本発明を実施例によりさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はない。
【0074】実施例1〜2および比較例1 撹拌機を具備した5リットル反応器に、純水1.8リッ
トル、分散剤である第三リン酸カルシウム7.2gなら
びにα−オレフィンスルフォン酸ソーダ1重量%水溶液
20ミリリットル、粒子径分布が0.40〜0.50m
mで平均粒子径が0.45mmであるスチレン重合体種
粒子360gおよび滑剤であるエチレンビスステアリン
酸アミド粉末8.1gを入れ、撹拌下に反応容器中の混
合液を90℃に昇温し、熱可塑性重合体種粒子であるス
チレン重合体種粒子を含む水性懸濁液を調製した。
【0075】つづいて、可塑剤であるジオクチルフタレ
ート18gをスチレン1440gに溶解した重合性単量
体溶液および重合開始剤であるベンゾイルパーオキサイ
ド3.5gおよび1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1.8gを10
gの純水に分散せしめた重合開始剤分散液を、それぞれ
第1表に示すように添加速度を経過時間ごとに変化させ
ることにより、反応器中に連続的に添加し、90℃の温
度のもとで撹拌しながら、前記スチレン重合体種粒子に
スチレンを重合させスチレン重合体粒子をえた。
【0076】
【表1】
【0077】前記重合性単量体溶液と前記重合開始剤分
散液との添加が終了したのち、直ちに発泡剤としてシク
ロヘキサン32gおよびブタン153gを前記反応器の
加圧下で添加し、これを115℃に昇温して3時間反応
器内の内容物を撹拌することにより、前記発泡剤をスチ
レン重合体粒子へ含浸させ、発泡性スチレン重合体粒子
をえた。これを冷却し、えられた発泡性スチレン重合体
粒子を取出し、脱水、乾燥したのち、回転式予備発泡機
で蒸気により加熱を行ない、見掛け体積で発泡性スチレ
ン重合体粒子の約60倍の体積を有する予備発泡粒子を
えた。
【0078】この予備発泡粒子を大気中で24時間養生
乾燥したのち、これをキャビティ寸法300mm×45
0mm×20mmの金型を設けたパールスター90自動
成形機(東洋機械金属(株)製)を用いて型内成形し板
状の発泡成形体をえた。えられた発泡成形体の表面状
態、内部状態および内融率を第2表に示す。
【0079】なお、第2表中、内部状態とは成形体中層
部を300mm×450mm×5mmに切り出した平板
における発泡粒子間状態(融着した予備発泡粒子同士間
の状態)を観察したものであり、◎は粒子間に隙間がな
いかまたは少なく問題なし、○は粒子間にやや隙間有る
が実用域にある、△は粒子間に隙間有り実用域外である
ことを意味する。また、表面状態とは、発泡成形体の表
面の平滑性および表面における粒子間状態を示すもので
あって、◎は優秀、○は良好、△はやや不良、×は不良
を意味する。また、内融率とは発泡成形体の破断面の発
泡粒子間の融着率(予備発泡粒子同士の融着率)を示す
ものであって、発泡成形体を引き裂いたときの破断面に
おいて、発泡粒子間の融着面ではなれたものではなく、
発泡粒子の内部で引き裂かれたものを数え、破断面に現
われている全発泡粒子数に対する内部で引き裂かれた発
泡粒子の数の割合を百分率で表わしたものである。この
内融率が90%以上であるものが実用域にあるものとい
える。
【0080】
【表2】
【0081】
【発明の効果】本発明の発泡性熱可塑性重合体粒子は、
充分な発泡力を有するものであり、これを予備発泡させ
てえられる予備発泡粒子は型内成形する際に膨張しやす
く、成形性のよいものである。
【0082】また、この予備発泡粒子を型内成形するこ
とにより、表面にくぼみをもたず、内部に隙間をもたな
い発泡成形体がえられる。このような好適な発泡成形体
がえられる理由は明確でないが、この予備発泡粒子の表
層部にそのポリマー分子の分子量が高い領域があるため
に、型内成形時に予備発泡粒子の表層部が熱により過度
に軟化しないこと、および型内成形時に熱により2次発
泡した予備発泡粒子が、冷却時に収縮を起こしにくいこ
となどがその理由として考えられる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性重合体種粒子を含む水性懸濁液
    に、重合性単量体と重合開始剤とを連続的にまたは断続
    的に添加することにより、該熱可塑性重合体種粒子に該
    重合性単量体を重合させて熱可塑性重合体粒子をえ、該
    熱可塑性重合体粒子に易揮発性発泡剤を含浸させる発泡
    性熱可塑性重合体粒子の製法であって、前記重合性単量
    体の添加開始時から添加終了時までの間に、添加終了時
    における前記重合性単量体の添加量に対する前記重合開
    始剤の添加量の重量比を、添加開始時における前記重合
    性単量体の添加量に対する前記重合開始剤の添加量の重
    量比の0.7倍以下になるようにして、徐々に減少させ
    ながら、前記重合性単量体と前記重合開始剤とを添加す
    る発泡性熱可塑性重合体粒子の製法。
  2. 【請求項2】 前記重合性単量体の添加開始時から添加
    終了時までの間において、前記重合性単量体の添加量に
    対する前記重合開始剤の添加量の重量比の各時間ごとの
    減少率が10%以上である請求項1記載の製法。
  3. 【請求項3】 前記重合性単量体の添加開始時から添加
    終了時までの間において、前記重合性単量体の添加量に
    対する前記重合開始剤の添加量の重量比を3回以上減少
    させる請求項1または2記載の製法。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性重合体種粒子がスチレン系
    重合体種粒子であり、前記重合性単量体がスチレン系単
    量体またはスチレン系単量体とスチレン系単量体に共重
    合可能なほかの単量体との混合物である請求項1ないし
    3のいずれかに記載の製法。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性重合体種粒子の量が、前記
    熱可塑性重合体粒子の量の1〜60重量%である請求項
    1ないし4のいずれかに記載の製法。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性重合体種粒子の90重量%
    以上が、前記熱可塑性重合体種粒子の体積平均粒子径の
    0.9〜1.1倍の体積粒子径を有する請求項1ないし
    5のいずれかに記載の製法。
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