JP3054015B2 - 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法

Info

Publication number
JP3054015B2
JP3054015B2 JP5333774A JP33377493A JP3054015B2 JP 3054015 B2 JP3054015 B2 JP 3054015B2 JP 5333774 A JP5333774 A JP 5333774A JP 33377493 A JP33377493 A JP 33377493A JP 3054015 B2 JP3054015 B2 JP 3054015B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
styrene
polymer particles
polymerization
monomer
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5333774A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07188450A (ja
Inventor
二三人 山井
智彦 石田
昭義 東山
敏喜 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Kasei Co Ltd filed Critical Sekisui Kasei Co Ltd
Priority to JP5333774A priority Critical patent/JP3054015B2/ja
Publication of JPH07188450A publication Critical patent/JPH07188450A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3054015B2 publication Critical patent/JP3054015B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒度がよく揃った発泡
性スチレン系重合体粒子の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来発泡性スチレン系重合体粒子は、主に
スチレン系単量体を水性媒体中で重合開始剤の存在下で
懸濁重合し、発泡剤を含浸することにより製造されてい
る。この懸濁重合法で得られる重合体粒子は広い粒度分
布幅を有する。発泡性重合体粒子は、粒子径によって発
泡性が大きく変化し、例えば粒径の大きな粒子は発泡剤
の保持性がよく高発泡し易いが、粒径の小さな粒子は高
度に発泡し難い等の相違があり、同等に使用することが
できない。そこで、通常ふるい分級し、用途に応じて発
泡成形条件を変えて使用されている。
【0003】また、工業的には使用できる粒度分布幅の
重合体粒子の収率が問題となる。一般的に、発泡性スチ
レン系重合体粒子には、品質の異なる品種が設定されて
おり、各品種に応じて最適な重合処方及び発泡剤含浸の
配合処方等が各々採用されている。この場合に、粒度が
よく揃った重合体粒子を、高収率で得る重合方法が要求
される。
【0004】このような通常の懸濁重合法により発泡性
スチレン系重合体粒子を得る際に生ずる上記の問題点を
解消する方法として、シード重合法により製造する方法
が知られている。すなわち、懸濁重合によって得られた
スチレン系重合体小粒子を、予めふるいで分級し、粒径
が揃えられた重合体粒子を水性媒体中に懸濁させ、これ
にスチレン系単量体を連続的または断続的に添加し、重
合開始剤の存在下で重合することにより粒径の揃った重
合体粒子を製造するものである(特公昭49−2994
号公報)。
【0005】このシード重合法によれば、粒度分布の狭
い発泡性スチレン系重合体粒子を製造することができ
る。しかしながら一部に、重合時に重合体粒子が相互に
合着して合着粒子を生成したり、また製品として利用で
きない微粉末状の低分子量重合体が発生し、製造効率を
低下させると共に、その一部が正常な重合体粒子の表面
に付着するという欠点があった。この重合体粒子表面に
付着した微粉末は、発泡性重合体粒子表面に被覆された
表面処理剤と一緒に剥がれ易く、発泡性スチレン系重合
体粒子及びその予備発泡粒子を輸送する管の内壁に付着
して輸送管を詰まらせたり、発泡成形金型の蒸気孔を詰
まらせる原因となっていた。更には、型内成形して得ら
れる発泡成形品の外観を損ねる等の弊害を惹起してい
た。
【0006】この微粉末状重合体の発生を防止する方法
として、上記のシード重合法において、スチレン系単量
体を吸収し重合成長しつつある重合体粒子に含まれる単
量体の割合が、粒子に対して21〜45重量%の範囲
で、且つ15分間以上保持するようにして重合する方法
(特公昭49−19107号公報)、及びスチレン系単
量体中に界面活性剤を加えて表面張力を低下させて、単
量体が重合体中に速やかに吸収されるようにする方法
(特公昭49−19109号公報)が提案されている。
【0007】これらの方法によれば、32メッシュを通
過する0.5mm未満の微粉末状重合体の発生量が、
1.65〜1.75重量%となり、従来の方法よりも低
減している。しかしながら、実用上支障がないといえる
ほどには改善されていない。また、重合体粒子が分散し
た懸濁液中に、低分解温度の重合開始剤の1/2以上を
スチレン系単量体の重合開始前に添加し、高分解温度の
重合開始剤を後からスチレン系単量体に溶解して加え
て、粒度分布幅が狭く、微粒子の生成量を少なくした発
泡性スチレン系重合体粒子の製造法が提案されている
(特公平5−12386号公報)。この方法によれば、
0.5mm未満の発泡性重合体粒子の量が低減し、0.
8〜1.8重量%となっている。しかしながら、実用上
は依然として改善が要望されるものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の欠点を解消し、微粉末状重合体粒子の発生が大幅に抑
制された、粒度がよく揃った発泡性スチレン系重合体粒
子の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、スチレン系重
合体粒子を水性媒体中に懸濁させ、この水性懸濁液にス
チレン系単量体を添加し、重合開始剤の存在下で懸濁重
合を行うと共に、発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系
重合体粒子を製造する方法において、スチレン系単量体
の重合に要する重合開始剤の実質的全量を添加しスチレ
ン系重合体粒子に吸収させると共に、上記スチレン系重
合体と加えたスチレン系単量体の合計に対する加えたス
チレン系単量体の割合が25〜35重量%の範囲となる
ようスチレン系単量体を水性懸濁液として添加しスチレ
ン系重合体粒子に吸収させて反応を開始させ、引き続い
てスチレン系重合体中のスチレン系単量体の割合が35
%以下になるように保ちながら、残余のスチレン系単量
体を連続的又は断続的に供給し、重合させることを特徴
とする発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法に関す
る。
【0010】本発明において懸濁重合は、スチレン系重
合体粒子を種粒子として使用するいわゆるシード重合法
により行われる。本発明において用いるスチレン系重合
体粒子としては、スチレンの単独重合体、50重量%以
上、好ましくは80%以上のスチレン成分と他の重合可
能な単量体との共重合体等が用いられる。上記共重合可
能な単量体としては、α−メチルスチレン、アクリロニ
トリル、アクリルまたはメタクリル酸と1〜8個の炭素
数を有するアルコールとのエステル、無水マレイン酸、
N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0011】シード重合法において、種粒子として用い
るスチレン系重合体粒子の粒子径が、ある狭い範囲内に
あれば得られる発泡性スチレン系重合体粒子径も良く揃
ったものとなる。すなわち、予め粒径の揃った種粒子を
用いてシード重合を行うことにより、用途に応じた所望
とする粒径の発泡性スチレン系重合体粒子を、例えば
0.3〜0.5mm、0.5〜0.7mm、0.7〜
1.2mm、1.2〜1.5mm、1.5〜2.5mm
のように狭い範囲に区分して、しかも各区分毎にほぼ1
00%の収率で得ることができる。そこで、上記の種粒
子となるスチレン系重合体種粒子としては、懸濁重合法
によって得られた重合体粒子を一旦ふるい分級し、粒径
が平均粒径の±20%の範囲になるように調整した重合
体粒子が使用される。塊状重合法により得る場合には、
所望の粒径にペレタイズしたものを使用する。
【0012】上記スチレン系重合体種粒子の使用量は、
重合終了時の重合体全量に対して、10〜75重量%、
好ましくは15〜50重量%である。種粒子の使用量が
10重量%未満ではスチレン系単量体を供給する際に、
重合体粒子の重合率を適正範囲に制御することが困難と
なり、得られる重合体が高分子量化したり、微粉末状重
合体を多量に発生させて製造効率を低下させる等工業的
に不利となる。逆に75重量%を越えると経済的に不利
となる。また重合体種粒子の重量平均分子量は通常20
0000〜350000、好ましくは220000〜3
00000の範囲である。
【0013】本発明においてスチレン系単量体として
は、スチレンをはじめとして、α−メチルスチレン、パ
ラメチルスチレン等のスチレン誘導体を単独もしくは混
合して用いることができる。またジビニルベンゼン、ア
ルキレングリコールジメタクリレート等の2官能性単量
体を併用してもよい。更にアクリルまたはメタクリル酸
と1〜8個の炭素数を有するアルコールとのエステル、
アクリロニトリル、ジメチルフマレート等のスチレンと
共重合可能な各種単量体を併用することもできる。
【0014】本発明における重合開始剤としては、スチ
レンの懸濁重合において一般に使用されるラジカル発生
型重合開始剤を用いることができ、例えばベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−ブチルパーオキシアセテート、2、2−t−ブチル
パーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ3、3、5ト
リメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘ
キサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリ
ル等のアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤
は、単独で又は2種以上併用して用いることができる
が、通常は分子量を調整し、残存単量体を減少させるた
めに、10時間の半減期を得るための分解温度が50〜
80℃の範囲にある重合開始剤と、分解温度が80〜1
20℃の範囲にある異なる重合開始剤とが併用される。
上記の重合開始剤は、重合体粒子に均一に吸収させるこ
とが必要であることから、液状物として添加することが
好ましい。重合開始剤を直接水性懸濁液中に添加する
と、重合体粒子に均一に吸収されにくくなるので、重合
開始剤は水性媒体に懸濁又は乳化させた状態で添加する
か、或いは少量のスチレン系単量体に溶解し、無機系懸
濁安定剤とアニオン界面活性剤とを加え水性懸濁液とし
て添加することが望ましい。
【0015】本発明において、スチレン系重合体粒子を
水性媒体中に懸濁させるために用いられる懸濁安定剤と
しては、従来より懸濁重合において一般に使用されてい
る公知の、ポリビニルアルコール、メチルセルローズ、
ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性
高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシ
ウム等の難溶性無機化合物等が挙げられる。難溶性無機
化合物を用いる場合には、通常ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ等のアニオン界面活性剤が併用される。
【0016】本発明において用いる易揮発性発泡剤とし
ては、沸点が重合体の軟化点以下である易揮発性を有す
る、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタ
ン、ヘキサン、HCFC−141b、HCFC−142
b、HCFC−124、HFC−134a、HFC−1
52a等が挙げられ、これらの発泡剤は、単独もしくは
2種以上を併用して用いることができる。易揮発性発泡
剤の使用量は、得られる重合体粒子100重量部に対し
て、1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%である。
また上記発泡剤の添加は、重合前、重合中、重合後の何
れの時点でもよいが、通常重合後期あるいは重合後に圧
入して添加し、重合体粒子に含浸させる。
【0017】本発明におけるシード重合法において、溶
剤、可塑剤、発泡セル造核剤、充填剤、難燃剤、難燃助
剤、滑剤、着色剤等、発泡性スチレン系重合体粒子を製
造する際に用いられる添加剤を、必要に応じて適宜使用
してもよい。本発明において、粒径が揃ったスチレン系
重合体粒子を水性媒体中に懸濁させ、スチレン系単量体
を連続的又は断続的に供給して重合する場合、得られる
重合体の重量平均分子量を発泡性スチレン系重合体粒子
の品質上から特定の範囲に制御する必要がある。一般的
には、重量平均分子量が200000〜350000で
あり、好ましくは220000〜300000である。
通常重合体種粒子とシード重合して得られる重合体粒子
の重量平均分子量がほぼ同等となるようにすることが望
ましい。
【0018】本発明のシード重合では、重合体種粒子の
径が大きくなると重合開始剤の吸収効率及び内部拡散が
小さくなり、分子量が高くなる傾向を示し、また重合終
了後の重合体量に対して重合体種粒子の使用量が少ない
とスチレン系単量体供給時の重合率の制御が難しくなり
反応時間も延長し、分子量調節が困難となる。重合体粒
子の重量平均分子量を、普通の発泡成形に適合する範囲
に調整するには、重合開始剤を効率よく働かせることが
重要であり、無駄な分解を防ぎ重合工程全域でラジカル
発生するような重合開始剤の分配、重合温度プログラ
ム、単量体供給速度、重合時の重合率の調整等の制御が
必要である。
【0019】重合開始剤の添加方法と重合プログラム、
単量体供給速度は相互に関係しており、これらのバラン
スがとれなければ重合率が低下し過ぎて反応に要する時
間が延長したり、微粉末状重合体が多量に生成したり、
重合開始剤の効率を低下させたりする。シード重合法に
おいては、重合開始剤をいかに効率よく重合体粒子に吸
収させるかということが微粉末状重合体生成の抑制に関
係している。仮に重合開始剤が全量、重合体粒子に吸収
されておれば、供給されるスチレン系単量体が水性懸濁
液中で重合することなくそのまま重合体粒子に吸収さ
れ、その結果微粉末状重合体が発生しない。すなわちス
チレン系単量体を、水性懸濁液中で油滴状に分散した状
態で重合が進行しないようして、スチレン系重合体粒子
中に効果的に吸収させることによって微粉末状重合体の
生成が防止されることとなる。重合開始剤をスチレン系
重合体粒子中に、できるだけ速やかに、効率的に、しか
も均一に吸収させるためには、重合開始剤を予めスチレ
ン系単量体に溶解し、しかも水性懸濁液として添加する
ことが有効である。
【0020】重合開始剤をスチレン系重合体粒子の表層
に限らず、できるだけ内部にも拡散させることが、反応
上或いは品質上重要である。重合開始剤が重合体粒子の
内部にまで拡散されることにより、粒子表層と粒子内部
でほぼ均等な反応が行われ、重合体粒子の重量平均分子
量と分子量分布の均一性が得られる。重合開始剤を重合
体粒子の内部まで拡散させるためには、適量のスチレン
系単量体を重合体粒子に吸収させ、重合体粒子を適度に
軟化させておくことが有効である。重合体粒子を適度に
軟化させることにより、重合開始剤を含有するスチレン
系単量体の吸収が促進され、重合開始剤の吸収が促進さ
れ。その結果、微粉末状重合体の生成が抑制される。し
かし、重合開始前に添加されるスチレン系単量体総量の
割合がスチレン系重合体と加えたスチレン系単量体総量
の合計に対して35%を越えると、スチレン系重合体粒
子に対するスチレン系単量体の吸収能が低下し、逆に微
粉末状重合体の生成量が増加する傾向にあり好ましくな
い。逆に単量体の添加量が25%未満では、重合体粒子
が十分に軟化されず、重合開始剤を含むスチレン系単量
体懸濁液の重合体内への吸収速度が遅くなり、重合開始
剤の吸収が遅れる。この場合、重合体粒子表層に重合開
始剤を含有するスチレン系単量体が過度に付着すること
になり、重合開始剤が重合体粒子内へ吸収される前に粒
子表面への付着と水性懸濁液液への離脱を繰り返し、微
粉末状重合体の発生が増加してくる。また、重合体粒子
の軟化が不足した場合、品質的にも得られる重合体粒子
内の重量平均分子量や発泡セルサイズの均一性を欠くこ
とになる。
【0021】スチレン系単量体を重合体粒子に吸収させ
るに際して、スチレン系単量体を水性懸濁液中に直接添
加すると、重合体粒子の表面が溶解されて重合体粒子同
士が結合しやすくなることから、最初に加えるスチレン
系単量体は、水に比較的少量のピロリン酸マグネシウム
等の難溶性無機化合物粉末(無機系懸濁安定剤)とドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニオン界面活性剤
とを加えた水性媒体中に懸濁状態に分散させて水性懸濁
液として添加する。スチレン系単量体を水性懸濁液とし
て添加することにより、スチレン系重合体粒子は、表面
がスチレン系単量体の微粒子油滴で濡れ、スチレン系単
量体が重合体粒子中に均等に吸収されて行くと共に、無
機系懸濁安定剤を吸着して懸濁安定化してくる。重合体
粒子表面に無機系懸濁安定剤が吸着されて懸濁安定化す
れば、重合体粒子が合着結合することが防止されるの
で、後はスチレン系単量体をそのまま添加しても支障が
ない。
【0022】本発明においては、スチレン系単量体の重
合に要する重合開始剤の全量又はほぼ全量を重合開始前
に添加した後で、スチレン系単量体を供給しながら重合
を開始するため、反応初期には重合開始剤濃度が高いの
で、その分解が無駄にならないように反応初期温度を設
定することが重要となる。またスチレン系単量体を供給
する段階で重合開始剤が遂次適度にラジカル発生するよ
うに温度勾配を与えることが有効となる。この重合開始
剤を供給する時の反応開始温度が反応の重合率と重合体
の分子量に大きな影響を及ぼす。初期の反応が速い程、
反応中の重合率は高くなり、得られる重合体粒子の分子
量も高くなる。なお、分子量の制御は重合開始剤の使用
量だけでなく、この初期反応温度によっても調整でき
る。
【0023】後で加えられるスチレン系単量体の供給量
は、スチレン系重合体粒子使用量と関係しており、重合
体粒子に吸収される単量体の速度と吸収された単量体が
反応する速度によって決められる。例えば重合体粒子の
使用割合が小さければ、それに合わせて少量の単量体が
供給され、反応時間は延長することになる。また反応初
期の重合体量が少ない段階と、反応後半に重合体が生成
し増加した段階で単量体の供給割合を変化させて供給し
てもよい。
【0024】本発明では、スチレン系単量体の供給時
に、スチレン系重合体粒子中における単量体の割合は、
重合過程に従い変化するが、35重量%以下に保つこと
が必要である。スチレン系単量体の割合が35重量%を
越えると、重合反応が遅延し、しかも単量体の吸収能も
低下することから微粉末状重合体の生成が急激に増加す
る。逆に、単量体の供給量が不足すると微粉末状重合体
の生成は減少するが、重合開始剤の効率が悪くなり得ら
れる重合体の分子量が高くなる傾向を示すので、単量体
の下限は10重量%以上に保つことが望ましい。。
【0025】重合開始剤としては、通常分解温度が80
〜120℃の高温分解型の重合開始剤が併用されるが、
この場合には、この開始剤が分解する温度以上に水性媒
体を更に加熱し、この温度を通常30分以上保持して重
合を完結させる。また、発泡剤の水性分散媒への添加
は、重合前、重合中、重合後の何れの時点でもよいが、
通常は重合後期あるいは重合後に添加して重合体粒子に
含浸させる。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ただし、本発明の技術的範囲はこれらの実施例
に限定されるものではない。 〔実施例1〕100lの反応器に、純水31kg、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ14g、ピロリン酸マグ
ネシウム100gを入れ、粒子径が0.65〜0.95
mmで重量平均分子量が300000のポリスチレン粒
子(スチレンを、ピロリン酸マグネシウム、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ソーダを使用した水性媒体中で、通常
の懸濁重合を行って得たもの)26kgを加えて撹拌し
懸濁させた。
【0027】次いで予め用意した純水8kg、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ6g、ピロリン酸マグネシウ
ム30g、トルエン640g、及びスチレン8.6kg
を、ホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁
液を78℃に保持した反応器に添加し、15分間ポリス
チレン粒子に吸収させた。次いで、スチレン2kgにベ
ンゾイルパーオキサイド60g、t−ブチルパーオキシ
ベンゾエート8gを溶解して純水2kgに加え、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ8gを添加し、ホモミキサ
ーで攪拌して懸濁液とし、これを反応器に添加した。な
お、この時点で、ポリスチレンと加えたスチレン合計に
対するスチレンの割合は29重量%であった。
【0028】その後ポリスチレン粒子中に、スチレンと
重合開始剤とがよく吸収されるように、20分間保持し
た後に、スチレンを連続的に14.8kg/hrの速度
で、30分間供給しながら重合を行った。この間ポリス
チレン中のスチレン含有最大量は20重量%であった。
引き続き、ブタン4.4kgを圧入し、100℃で4時
間保持した後、常温まで冷却して取り出し、粒子径が
0.9〜1.2mmの発泡性ポリスチレン粒子を得た。
【0029】発泡性ポリスチレン粒子の洗浄時に、JI
S500μmふるいを通過する微粉末状重合体を集め
て、その重量を測定した。次いで発泡性ポリスチレン粒
子を、脱水、乾燥した後、表面処理剤としてジンクステ
アレート44g、ヒドロキシステアリン酸トリグリセラ
イド22gを粒子表面に被覆処理し、予備発泡機で水蒸
気を用いて加熱発泡し、カサ倍数55倍の予備発泡粒子
を得た。
【0030】予備発泡粒子を、内寸300×400×1
00mm型窩を有する金型を備えた発泡ビーズ自動成形
機(積水工機製作所製 エース3型)を用いて発泡成形
を行い、得られた発泡成形体について粒子間の融着度合
い、表面状態等、その品質及び外観を評価した。その結
果を表1に示す。なお、重合時の重合体粒子中のスチレ
ン系単量体の割合は、重合過程に従いサンプリングを行
い、トルエンに溶解してウイッス法で定量した。
【0031】〔実施例2〕5.6lの反応器に、純水1
600g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.8
g、ピロリン酸マグネシウム5gを入れ、粒子径が0.
45〜0.65mmで重量平均分子量が280000の
ポリスチレン粒子(スチレンを、ピロリン酸マグネシウ
ム、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを使用した水性
媒体中で、通常の懸濁重合を行って得たもの)550g
を加えて撹拌し懸濁させた。
【0032】次いで予め用意した純水200g、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1g、ピロリン酸マグ
ネシウム0.5g、及びスチレン260gを、ホモミキ
サーで攪拌して懸濁液を調製し、この懸濁液を72℃に
保持した反応器に添加し、15分間ポリスチレン粒子に
吸収させた。次にベンゾイルパーオキサイド5g、t−
ブチルパーオキシベンゾエート0.7gを純水80gに
加え、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.6gを添
加し、ホモミキサーで攪拌して懸濁液とし、これを反応
器に添加した。なお、この時点で、ポリスチレンと加え
たスチレンの合計に対する加えたスチレンの割合は32
重量%であった。
【0033】その後ポリスチレン粒子中に、スチレンと
重合開始剤とがよく吸収されるように、1時間保持した
後に、72℃からスチレンを連続的に500g/hrの
速度で、3時間供給しながら、スチレン供給終了時に1
07℃になるように昇温した。スチレン供給しながら重
合を行ったこの間ポリスチレン中のスチレン含有最大量
は28重量%であった。
【0034】引き続き、水性懸濁液を120℃に昇温
し、30分間保持した後、シクロヘキサン40gを純水
120g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1
g、ピロリン酸マグネシウム0.5gの溶液に加え、ホ
モミキサーで攪拌し懸濁液として反応器に添加し、10
0℃としてブタン210gを圧入し、2時間保持した
後、常温まで冷却して取り出し、粒子径が0.65〜
0.95mmの発泡性ポリスチレン粒子を得た。実施例
1と同様に、微粉末状重合体発生量の測定結果及び発泡
成形性、発泡成形体の評価結果を表1に示す。
【0035】〔比較例1〕実施例1において、最初に添
加するスチレンの懸濁液のスチレン量を4.5kgとし
て、ポリスチレンとスチレンの合計に対する加えたスチ
レンの割合を20重量%とし、またスチレンの供給速度
を22.8kg/hrに変更した以外は実施例1と同様
の方法で実施した。なお、スチレン供給時のポリスチレ
ン中のスチレン含有最大量は23重量%であった。微粉
末状重合体発生量の測定結果及び発泡成形性、発泡成形
体の評価結果を表1に示す。
【0036】〔比較例2〕実施例1において、最初に添
加するスチレンの懸濁液のスチレン量を15kgとし
て、ポリスチレンとスチレンの合計に対する加えたスチ
レンの割合を40重量%とし、スチレンの含有量が30
重量%以下になった後で、スチレンの供給速度を2kg
/hrに変更して添加した以外は実施例1と同様の方法
で実施した。なお、スチレン供給時のポリスチレン中の
スチレン含有最大量は29重量%であった。微粉末状重
合体発生量の測定結果及び発泡成形性、発泡成形体の評
価結果を表1に示す。
【0037】〔比較例3〕実施例1において、最初に添
加するスチレンの懸濁液のスチレン量を6.5kgとし
て、ポリスチレンとスチレンの合計に対する加えたスチ
レンの割合を25重量%とし、スチレン供給をを供給速
度を28.5kg/hrで20分間に変更して添加した
以外は実施例1と同様の方法で実施した。なお、スチレ
ン供給時のポリスチレン中のスチレン含有最大量は39
重量%であった。微粉末状重合体発生量の測定結果及び
発泡成形性、発泡成形体の評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明方法は、スチレン系単量体の重合
に必要な重合開始剤の実質的全量を重合体粒子に吸収さ
せてから反応を開始させ、続いて残余のスチレン系単量
体を供給するに際してスチレン系重合体中のスチレン系
単量体の割合が35重量%以下になるように保持して重
合させるようにしたため、微粉末状重合体の発生が実用
上全く支障がない程に抑制され、粒度がよく揃った発泡
性スチレン系重合体粒子を高収率で得ることができ、生
産性が大きく向上するという優れた効果を奏する。ま
た、本発明により得られた発泡性スチレン系重合体粒子
は、発泡成形性に優れ、品質及び外観の良好な発泡成形
体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−175044(JP,A) 特開 平4−91141(JP,A) 特開 平3−275739(JP,A) 特開 昭62−185721(JP,A) 特開 平7−188449(JP,A) 特公 平5−12386(JP,B2) 特公 昭46−2987(JP,B1) 特公 昭49−2994(JP,B1) 特公 昭49−19111(JP,B1) 特公 昭44−2469(JP,B1) 特公 昭49−19107(JP,B1) 特公 昭49−19109(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系重合体粒子を水性媒体中に懸濁
    させ、この水性懸濁液にスチレン系単量体を添加し、重
    合開始剤の存在下で懸濁重合を行うと共に、発泡剤を含
    浸させて発泡性スチレン系重合体粒子を製造する方法に
    おいて、 スチレン系単量体の重合に要する重合開始剤の実質的全
    量を添加しスチレン系重合体粒子に吸収させると共に、
    上記スチレン系重合体と加えたスチレン系単量体の合計
    に対する加えたスチレン系単量体の割合が25〜35重
    量%の範囲となるようスチレン系単量体を水性懸濁液と
    して添加しスチレン系重合体粒子に吸収させて反応を開
    始させ、引き続いてスチレン系重合体中のスチレン系単
    量体の割合が35%以下になるように保ちながら、残余
    のスチレン系単量体を連続的又は断続的に供給し、重合
    させることを特徴とする発泡性スチレン系重合体粒子の
    製造方法。
JP5333774A 1993-12-27 1993-12-27 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法 Expired - Fee Related JP3054015B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333774A JP3054015B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5333774A JP3054015B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07188450A JPH07188450A (ja) 1995-07-25
JP3054015B2 true JP3054015B2 (ja) 2000-06-19

Family

ID=18269810

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5333774A Expired - Fee Related JP3054015B2 (ja) 1993-12-27 1993-12-27 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3054015B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6644558B2 (en) 2001-11-12 2003-11-11 Denso Corporation Automatic air conditioner having learning function and control method of control system

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5576678B2 (ja) * 2010-03-05 2014-08-20 積水化成品工業株式会社 スチレン系重合体粒子、その製造方法、発泡性スチレン系重合体粒子及び発泡成形体
JP5721337B2 (ja) * 2010-03-23 2015-05-20 積水化成品工業株式会社 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の製造方法及びポリスチレン系樹脂発泡成形体の製造方法。

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6644558B2 (en) 2001-11-12 2003-11-11 Denso Corporation Automatic air conditioner having learning function and control method of control system

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07188450A (ja) 1995-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0448391B1 (en) Process for making controlled uniform-sized polymer particles
US4271281A (en) Process for preparing styrenic polymer particles
JP2933707B2 (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法
JPH11106548A (ja) スチレン系発泡性樹脂粒子
JP2915134B2 (ja) スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子の製造法
JP3054015B2 (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法
JP3776038B2 (ja) スチレン系樹脂粒子及び発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法
JP3054017B2 (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子
JP3054014B2 (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法
JP5576678B2 (ja) スチレン系重合体粒子、その製造方法、発泡性スチレン系重合体粒子及び発泡成形体
JPH02286726A (ja) 発泡性熱可塑性重合体粒子の製造方法
US4731388A (en) Process for producing expandable styrene-based polymer beads
JPS5918714A (ja) 改質ポリオレフイン粒子および発泡性改質ポリオレフイン粒子の製造法
JP3054016B2 (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法
JP3572493B2 (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法
JPH0122843B2 (ja)
JP5500845B2 (ja) スチレン系重合体粒子の製造方法
JPH11152364A (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法
JPS62185721A (ja) 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法
JP3514905B2 (ja) 発泡性熱可塑性重合体粒子の製法
JP2956043B2 (ja) 熱可塑性重合体粒子の製造方法
JP3024522B2 (ja) スチレン系発泡性樹脂粒子及びそれを用いて得た発泡成形体
JPH05140363A (ja) 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法
JP2832467B2 (ja) 発泡性熱可塑性重合体粒子の製造方法
JPH0367537B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407

Year of fee payment: 13

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees