JP3572493B2 - 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ブロック状発泡成形体を、スライサー、もしくはニクロム線に通電加熱して使用目的にあった形にカットして使用する場合、綺麗な切断面が得られる発泡体を生じるようなスチレン系重合体粒子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来発泡性スチレン系重合体粒子は、主にスチレン系単量体を水性媒体中で重合開始剤の存在下で懸濁重合し、得られた重合体粒子に発泡剤を含浸することにより製造されている。この懸濁重合法で得られた重合体粒子は広い粒度分布幅を有する。そして、粒径の大きな粒子は発泡剤の保持性がよく高発泡し易いが、粒径の小さな粒子は高度に発泡し難い等粒子径によって発泡性が大きく変化するため懸濁重合法で得られた重合体粒子に発泡剤を含浸した発泡性重合体粒子をそのままでは使用することができず、通常ふるい等によって分級し、用途に応じて発泡成形条件を変えて使用されている。
また、工業的には使用できる粒度分布幅の重合体粒子の収率が問題となる。一般的に、発泡性重合体粒子には、品質の異なる品種が設定されており、各品種に応じて最適な重合処方及び発泡剤含浸の配合処方等が各々採用されている。この場合に、粒度がよく揃った重合体粒子を高収率で得る重合方法が要求される。
そこで、懸濁重合法において粒度がよく揃った重合体粒子を高収率で得る方法として、第三リン酸カルシウムとアニオン系界面活性剤の組合わせによる方法が良く知られており、工業的にも多く用いられている。
【0003】
このようにして得られた重合体粒子に発泡剤を含浸し、発泡性重合体粒子とするが、上記の方法においては、重合転化率が50〜70%の粘度の高い時に微小液滴の合一が行われる為、水の巻き込みが発生し水滴を内包した発泡性スチレン系重合体粒子が多く存在する。
発泡性スチレン系重合体粒子を水蒸気等で加熱発泡して一旦予備発泡粒子とし、これを多数の小孔を有する閉鎖金型内に充填し、再び加圧水蒸気で加熱発泡させ、発泡粒子間の空間を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させた後、冷却し金型より取り出すことにより発泡体成形品が製造され、これらの成形品の外観は良好なものである。また、発泡体成形品をスライサー、もしくはニクロム線に通電加熱して使用目的に合った形に切断して用いられる場合、成形品の外観と共に切断面の良好さが要望されるが、前記の水滴を内包した発泡性スチレン系重合体粒子より得られた発泡体成形品は、その切断面には発泡粒子間の空間は十分に埋めることが可能であるが、発泡粒子内に存在するピンホール(直径1.0mm以上のものをピンホールとして規定する。)を埋めることができず、カット面に発泡粒子内ピンホールがそのまま存在し商品価値を著しく低下させてしまうという欠点があった。このようなピンホールの発生原因は、先に述べた重合体粒子中に内包された水滴によるのであるが、この水滴は発泡剤を含浸する際にも除去することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者等はこのような欠点を改良すべく種々検討した結果、水滴を内包した重合体粒子を含有する水性懸濁液中に単量体を添加して重合体粒子を膨潤、軟化させた後、単量体を重合する所謂シード重合を行うことで水滴を追い出してピンホールを削減しうることを見出し本発明を完成したもので、本発明の目的は、ブロック状発泡成形体をスライサー、もしくはニクロム線に通電加熱して使用目的にあった形にカットして使用する場合、綺麗な切断面が得られる発泡体を生じるようなスチレン系重合体粒子を製造する方法を提供するのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、スチレン系重合体粒子を水性媒体中に懸濁させ、この水性懸濁液にスチレン系単量体を添加し60〜100℃の温度条件下で少なくとも15分間保持し、該重合体粒子を該単量体により膨潤、軟化させた後、重合開始剤を添加し、その後発泡剤を加えることを特徴とする発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法である。
即ち、本発明ではスチレン系重合体粒子を懸濁させた水性懸濁液にスチレン系単量体を添加して60〜100℃の温度条件下で少なくとも15分間保持することによって該重合体粒子を膨潤、軟化させ、重合体粒子中に内包されている水滴を追い出し、それから重合開始剤を加えて重合させ、しかる後、発泡剤を吸収させて重合体粒子中の水滴を削減した発泡性スチレン系重合体粒子を製造するのである。
【0006】
本発明において水性媒体中に懸濁させるスチレン系重合体粒子としては、スチレンの単独重合体、50重量%以上、好ましくは80重量%以上のスチレン成分と他の重合可能な単量体との共重合体等が用いられる。上記共重合可能な単量体としては、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、アクリルまたはメタクリル酸と1〜8個の炭素数を有するアルコールとのエステル、無水マレイン酸、N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0007】
本発明において水性懸濁液中に添加するスチレン系単量体としては、水性懸濁液中に存在するスチレン系重合体と同種のものでも、また異なっていてもよく、スチレン系単量体としては、スチレンをはじめとして、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等のスチレン誘導体を単独もしくは混合して用いることができる。またジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレート等の2官能性単量体を併用してもよい。更にアクリルまたはメタクリル酸と1〜8個の炭素数を有するアルコールとのエステル、アクリロニトリル、ジメチルフマレート等のスチレンと共重合可能な各種単量体を併用することもできる。
【0008】
本発明における重合開始剤としては、スチレンの懸濁重合において一般に使用されるラジカル発生型重合開始剤を用いることができ、例えばベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパ−オキシアセテート、2、2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ3、3、5トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0009】
これらの重合開始剤は、単独で又は2種以上併用して用いることができるが、通常は分子量を調整し、残存単量体を減少させるために、10時間の半減期を得るための分解温度が50〜80℃の範囲にある重合開始剤と、分解温度が80〜120℃の範囲にある異なる重合開始剤とが併用される。上記の重合開始剤は、重合体粒子に均一に吸収させることが必要であることから、液状物として添加することが好ましい。重合開始剤を直接水性懸濁液中に添加すると、重合体粒子に均一に吸収されにくくなるので、重合開始剤はトルエン、エチルベンゼン等の有機溶媒に溶解して添加するかもしくは、水性媒体に懸濁又は乳化させた状態で添加することが望ましい。
【0010】
本発明において、スチレン系重合体粒子を水性媒体中に懸濁させるために用いられる懸濁安定剤としては、従来より懸濁重合において一般に使用されている公知の、ポリビニルアルコール、メチルセルローズ、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機化合物等が挙げられる。難溶性無機化合物を用いる場合には、通常ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニオン界面活性剤が併用される。
【0011】
本発明において用いる易揮発性発泡剤としては、沸点が重合体の軟化点以下である易揮発性を有する、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,2−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、モノクロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)等が挙げられ、これらの発泡剤は、単独もしくは2種以上を併用して用いることができる。易揮発性発泡剤の使用量は、得られる重合体粒子100重量部に対して、1〜15重量部、好ましくは2〜10重量部である。また上記発泡剤の添加は、スチレン系重合体粒子を水性媒体中に懸濁させ、この水性懸濁液にスチレン系単量体を添加し60〜100℃の温度条件下で少なくとも15分間保持し、該重合体粒子を該単量体により膨潤、軟化させた後、重合開始剤を添加した後であれば、重合中、重合後の何れの時点でもよい。通常重合後期あるいは重合完了後に圧入して添加し、重合体粒子に含浸させることが好ましい。
【0012】
本発明におけるシード重合法において、溶剤、可塑剤、発泡セル造核剤、充填剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、着色剤等、発泡性スチレン系重合体粒子を製造する際に用いられる添加剤を、必要に応じて適宜使用してもよい。
本発明において、シード重合して得られるスチレン系重合体粒子は、その発泡性や発泡成形品の品質の点から、重量平均分子量を200000〜350000、好ましくは220000〜300000とすることが好ましい。また、スチレン系重合体粒子とシード重合して得られる重合体粒子の重量平均分子量がほぼ同等となるように制御することが望ましい。
【0013】
本発明では、まずスチレン系重合体粒子を水性懸濁液中に懸濁し、次いでスチレン系単量体をスチレン系重合体粒子100重量部に対して、5〜80重量部添加する。5重量部未満ではスチレン系重合体粒子の膨潤、軟化が不十分で重合体粒子中の水滴を粒子外へ追い出すことができない。また80重量部を越えて添加しても、重合体粒子に吸収しきれない単量体が水性懸濁液中に油滴状で浮遊し、重合開始剤添加後、該油滴が重合開始剤を吸収し重合することによって微粉末状重合体粒子を発生させ製造効率を低下させるので好ましくない。
【0014】
スチレン系単量体は、水に比較的少量のピロリン酸マグネシウム等の難溶性無機化合物粉末(無機懸濁安定剤)とドデシルベンゼンスルホン酸ソーダなどのアニオン界面活性剤とを加えた水性媒体中に懸濁状態に分散させて懸濁液として添加する。スチレン系単量体を水性懸濁液として添加することにより、スチレン系重合体粒子は、表面がスチレン系単量体の微粒子油滴で濡れ、スチレン系単量体がスチレン系重合体粒子中に均等に、かつ効率的に吸収されていくと共に、無機系安定剤を吸着して懸濁安定化する。
【0015】
スチレン系単量体によるスチレン系重合体粒子の膨潤、軟化は、60〜100℃の温度条件下で行なう。温度が60℃未満では重合体粒子の膨潤、軟化が不十分となり、内包された水滴を粒子外に追い出すことができない。100℃を越えると添加した単量体が熱重合を開始するため重合体粒子の膨潤・軟化が不十分となる上に、粒子が球状を保てず扁平したり、粒子同士の合一が起こりやすくなり好ましくない。
【0016】
スチレン単量体がスチレン系重合体粒子に吸収され、膨潤、軟化によって水滴が追い出される迄には一定時間保持する。この時間はスチレン系単量体の添加量や反応機の形状・容積及び攪拌翼の形状等によっても異なるが、少なくともスチレン系単量体添加完了後15分とすることが好ましい。
【0017】
重合開始剤は、スチレン系重合体粒子に内包された水滴が粒子外に追い出された後に添加する。添加時期が早いと、先に添加したスチレン系単量体が重合を開始するため重合体粒子の膨潤、軟化が不十分となり、水滴を追い出すことができず、本発明の目的を達成することができない。
【0018】
重合開始剤はトルエン、エチルベンゼン等の有機溶媒に溶解させて溶液として添加するか、あるいは水性媒体に懸濁または乳化させた状態で添加する。そうすることによって、膨潤、軟化させた重合体粒子中に、より均一かつ効率的に吸収させることができる。
【0019】
重合開始剤添加後の反応温度は、使用する重合開始剤の種類、添加量、得られる重合体粒子の目標とする重合平均分子量等によって適時設定する。スチレン系単量体によりスチレン系重合体粒子を膨潤、軟化させたときの温度のままでも良いし、変更しても良い。又、一定温度でも良いし、階段状または連続的に変化させても良い。通常、使用する重合開始剤の10時間の半減期を得るための分解温度より15℃低い温度から35℃高い温度の範囲内で反応を行なう。
【0020】
【実施例】
以下、更に具体例をもって、本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1
100リットルの反応器に、純水44kg、第三リン酸カルシウム800g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.7gを入れ、攪拌を行ないながらスチレン42kgにベンゾイルパーオキサイド110g、t−ブチルパーオキシベンゾエート26gを溶解して加えた。反応器を密閉し90℃に昇温し、5時間反応を行なった後、125℃に1時間かけて昇温し、1時間後に冷却を始め、常温まで冷却した。得られたスラリーを全量脱水乾燥し、篩分けして0.60〜1.00mmのスチレン重合体粒子を得た。
5リットルの反応器に、純水1.5kg、上記の方法により得たスチレン重合体粒子(粒子径が0.60〜1.00mm、重量平均分子量が約300000)1.8kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1g、ピロリン酸マグネシウム5.0g、を加えて攪拌し懸濁させ、反応器内温度を90℃に昇温した。
次いで予め用意した純水0.5kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.05g、ピロリン酸マグネシウム1.0gにスチレン200gをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、90℃に保持した反応器に添加し、20分後にトルエン24gにベンゾイルパーオキサイド0.7g、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.2gを溶解し、これを反応器に添加した。
その90分後にブタン180gを圧入し100℃に昇温し、3時間保持した後、常温まで冷却して取り出し、発泡性スチレン重合体粒子を得た。
次いで脱水、乾燥した後、表面処理剤として発泡性スチレン重合体粒子1kgにジンクステアレート0.5g、ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド0.5gを粒子表面に被覆処理し、予備発泡機で水蒸気を用いて加熱発泡し、嵩倍数60倍の予備発泡粒子を得た。
予備発泡粒子を内寸300×400×100mm型嵩を有する金型を備えた発泡ビーズ自動成形機(積水工機製作所製 エース3型)を用いて発泡成形を行い、得られた発泡成形体を通電加熱したニクロム線にて切断し、その切断面に存在する全てのピンホールを数えた。その切断面にある全ての発泡粒子に対するピンホールのある発泡粒子の割合は0.07%であった。
【0021】
実施例2
5リットルの反応器に、純水1.5kg、実施例1で使用したスチレン重合体粒子1.6kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1g、ピロリン酸マグネシウム5.0gを加えて攪拌し懸濁させ、反応器内温度を80℃に昇温した。次いで予め用意した純水0.5kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.05g、ピロリン酸マグネシウム1.0gにスチレン400gをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、80℃に保持した反応器に添加し、20分後にトルエン24gにベンゾイルパーオキサイド1.4g、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.4gを溶解し、これを反応器に添加した。
その90分後にブタン180gを圧入し100℃に昇温し、3時間保持した後、常温まで冷却して取り出し、発泡性スチレン重合体粒子を得た。
以下、実施例1と同様にして評価した結果、切断面にある全ての発泡粒子に対するピンホールのある発泡粒子の割合は0.05%であった。
【0022】
実施例3
5リットルの反応器に、純水1.5kg、実施例1で使用したスチレン重合体粒子1.4kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1g、ピロリン酸マグネシウム5.0gを加えて攪拌し懸濁させ、反応器内温度を70℃に昇温した。次いで予め用意した純水0.5kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.05g、ピロリン酸マグネシウム1.0gにスチレン600gをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、70℃に保持した反応器に添加し、20分後にトルエン24gにベンゾイルパーオキサイド2.1g、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.6gを溶解し、これを反応器に添加した。
その90分後にブタン180gを圧入し100℃に昇温し、3時間保持した後、常温まで冷却して取り出し、発泡性スチレン重合体粒子を得た。
以下、実施例1と同様にして評価した結果、切断面にある全ての発泡粒子に対するピンホールのある発泡粒子の割合は0.05%であった。
【0023】
比較例1
5リットルの反応器に、純水1.5kg、実施例1で使用したスチレン重合体粒子2.0kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.1g、ピロリン酸マグネシウム5.0gを加えて攪拌し懸濁させた。次いであらかじめ用意した純水0.5kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.05g、ピロリン酸マグネシウム1.0gにトルエン37gをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、反応器に添加した。
ブタン180gを圧入し100℃に昇温し、3時間保持した後、常温まで冷却して取り出し、発泡性スチレン重合体粒子を得た。
以下、実施例1と同様にして評価した結果、切断面にある全ての発泡粒子に対するピンホールのある発泡粒子の割合は0.39%であった。
【0024】
比較例2
5リットルの反応器に、純水2.0kg、実施例1で使用したスチレン重合体粒子1.6kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.15g、ピロリン酸マグネシウム6.1gを加えて攪拌し懸濁させた。次いで予め用意した純水0.5kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.05g、ピロリン酸マグネシウム1.0gにスチレン400gをホモミキサーで攪拌して懸濁液を調製し、反応器に添加した。
次いでトルエン24gにベンゾイルパーオキサイド1.4g、t−ブチルパーオキシベンゾエート0.4gを溶解し、これを反応器に添加した。次いで反応器内温度を80℃に昇温し、その90分後にブタン180gを圧入し100℃に昇温し、3時間保持した後、常温まで冷却して取り出し、発泡性スチレン重合体粒子を得た。
以下、実施例1と同様にして評価した結果、切断面にある全ての発泡粒子に対するピンホールのある発泡粒子の割合が0.30%であった。
以上の結果をまとめると、表1のようになる。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明ではスチレン系重合体粒子を水性媒体中に懸濁させ、この水性懸濁液にスチレン系単量体を添加し60〜100℃の温度条件下で該重合体粒子が該単量体により膨潤、軟化させることによって、スチレン系重合体の粒子内に存在する水滴を追い出し、その結果、この発泡性重合体粒子よりえられた発泡成形品の切断面はピンホールが削減され美麗な面とすることができる。
Claims (1)
- スチレン系重合体粒子を水性媒体中に懸濁させ、この水性懸濁液にスチレン系単量体を添加し60〜100℃の温度条件下で少なくとも15分間保持し、該重合体粒子を該単量体により膨潤、軟化させた後、重合開始剤を添加し、その後発泡剤を加えることを特徴とする発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法。」
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JP15340295A JP3572493B2 (ja) | 1995-06-20 | 1995-06-20 | 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法 |
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JPH093235A JPH093235A (ja) | 1997-01-07 |
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