JP3054016B2 - 発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法 - Google Patents

発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法

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JP3054016B2 JP5333775A JP33377593A JP3054016B2 JP 3054016 B2 JP3054016 B2 JP 3054016B2 JP 5333775 A JP5333775 A JP 5333775A JP 33377593 A JP33377593 A JP 33377593A JP 3054016 B2 JP3054016 B2 JP 3054016B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡成形性に優れた発
泡性スチレン系重合体粒子の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】従来発泡性スチレン系重合体粒子は、主に
スチレン系単量体を水中に懸濁して重合し、発泡剤を含
浸して製造するか、特公昭49−2994号公報に示さ
れるように、スチレン系重合体粒子を水中に懸濁させ、
これにスチレン系単量体を連続的もしくは断続的に供給
して重合し、発泡剤を含浸させる方法(シード重合法)
等により製造されている。
【0003】このようにして得られた発泡性スチレン系
重合体粒子は、発泡成形体を製造するための原料として
用いられる。かかる発泡成形体は、発泡性スチレン系重
合体粒子を水蒸気等で加熱発泡して一旦予備発泡粒子と
し、これを多数の小孔を有する閉鎖金型内に充填し、再
び加圧水蒸気等で加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋
めると共に、発泡粒子を相互に融着させた後、冷却し金
型より取り出すことにより製造される。
【0004】しかし従来、型内発泡成形時に、予備発泡
粒子間に存在する空隙を完全に埋めることは難しく、発
泡粒子間に間隙が全くない発泡成形体を得ることは困難
であった。特に金型内壁に接する成形体面においては、
予備発泡粒子が充分に充填されないことがあり、通常発
泡成形体の表面に粒子間隙が少し残ることとなる。この
ような発泡成形体は外観を損ねるばかりでなく、場合に
よっては成形体強度の低下を招く原因ともなった。
【0005】そこでかかる問題点を改善するために、ス
チレン系重合体粒子に対して可塑化、溶剤効果を示すシ
クロヘキサン、可塑剤等を添加することが提案されてい
る。しかしこの可塑剤等は、スチレン系重合体粒子の耐
熱性を低下させることから、予備発泡時に発泡粒子が互
いに合着し易くなる。また型内発泡成形時に、金型が不
均一に加熱されたり、或いは加熱条件が僅かに変化する
だけで、得られる発泡成形体に粒子間隙が残ったり、粒
子相互の融着が不足したり、或いは成形体の表面が溶融
するという欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる欠点を解消する
ために、シード重合法で発泡性スチレン系重合体粒子を
製造する方法において、スチレン系単量体を吸収し重合
成長しつつある重合体粒子に含まれる単量体の割合が、
粒子に対して21〜45重量%の範囲で、且つ15分間
以上保持するようにして重合して重合体粒子の分子量分
布を均等化する方法(特公昭49−19107号公
報)、及びエチレングリコールジメタクリレート又はト
リメチロールプロパントリメタクリレートを使用して重
合体粒子表面部層の分子量低下を防止して、融着不良や
成型品表面にとけが生じないようにする方法(特公昭4
9−19111号公報)が提案されている。しかしなが
ら、これらの方法でも、上記の問題点は十分に解消する
ことはできなかった。
【0007】本発明は、かかる従来の問題点を解消し、
予備発泡時には発泡粒子同士が互いに合着し難く、一方
発泡成形時には発泡粒子相互の融着がよく、粒子間の間
隙をよく埋め、平滑性に優れた良好な外観を有する発泡
成形体を得ることのできる発泡性スチレン系重合体粒子
の製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、スチレン系重
合体粒子を水性媒体中に懸濁させ、この水性懸濁液にス
チレン系単量体を添加し、重合開始剤の存在下で懸濁重
合を行うと共に、発泡剤を含浸させて発泡性スチレン系
重合体粒子を製造する方法において、スチレン系単量体
の重合に要する重合開始剤の実質的全量を反応初期に添
するとともに、スチレン系単量体を水性懸濁液として
添加し、スチレン系単量体の存在下で重合を開始させ、
重合開始時の反応温度をA℃、残余のスチレン系単量体
の供給終了後の反応温度をB℃としたときに、B℃≧A
℃+15℃となるように昇温しながらスチレン系単量体
を連続的又は断続的に供給し、重合させることを特徴と
する発泡性スチレン系重合体粒子の製造方法に関する。
【0009】本発明において懸濁重合は、スチレン系重
合体粒子を種粒子として使用するいわゆるシード重合法
により行われる。本発明において用いるスチレン系重合
体粒子としては、スチレンの単独重合体、50重量%以
上、好ましくは80%以上のスチレン成分と他の重合可
能な単量体との共重合体等が用いられる。上記共重合可
能な単量体としては、α−メチルスチレン、アクリロニ
トリル、アクリルまたはメタクリル酸と1〜8個の炭素
数を有するアルコールとのエステル、無水マレイン酸、
N−ビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0010】シード重合法において、種粒子として用い
るスチレン系重合体粒子の粒子径が、ある狭い範囲内に
あれば得られる発泡性スチレン系重合体粒子径も良く揃
ったものとなる。すなわち、予め粒径の揃った種粒子を
用いてシード重合を行うことにより、用途に応じた所望
とする粒径の発泡性スチレン系重合体粒子を、例えば
0.3〜0.5mm、0.5〜0.7mm、0.7〜
1.2mm、1.2〜1.5mm、1.5〜2.5mm
のように狭い範囲に区分して、しかも各区分毎にほぼ1
00%の収率で得ることができる。そこで、上記の種粒
子となるスチレン系重合体種粒子としては、懸濁重合法
によって得られた重合体粒子を一旦ふるい分級し、粒径
が平均粒径の±20%の範囲になるように調整した重合
体粒子が使用される。塊状重合法により得る場合には、
所望の粒径にペレタイズしたものを使用する。
【0011】上記スチレン系重合体種粒子の使用量は、
重合終了時の重合体全量に対して、10〜90重量%、
好ましくは15〜50重量%である。種粒子の使用量が
10重量%未満ではスチレン系単量体を供給する際に、
重合体粒子の重合率を適正範囲に制御することが困難と
なり、得られる重合体が高分子量化したり、微粉末状重
合体を多量に発生させて製造効率を低下させる等工業的
に不利となる。逆に90重量%を越えると経済的に不利
となる。また重合体種粒子の重量平均分子量は通常20
0000〜350000、好ましくは220000〜3
00000の範囲である。
【0012】本発明においてスチレン系単量体として
は、スチレンをはじめとして、α−メチルスチレン、パ
ラメチルスチレン等のスチレン誘導体を単独もしくは混
合して用いることができる。またジビニルベンゼン、ア
ルキレングリコールジメタクリレート等の2官能性単量
体を併用してもよい。更にアクリルまたはメタクリル酸
と1〜8個の炭素数を有するアルコールとのエステル、
アクリロニトリル、ジメチルフマレート等のスチレンと
共重合可能な各種単量体を併用することもできる。
【0013】本発明における重合開始剤としては、スチ
レンの懸濁重合において一般に使用されるラジカル発生
型重合開始剤を用いることができ、例えばベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−ブチルパーオキシアセテート、2、2−t−ブチル
パーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ3、3、5ト
リメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘ
キサハイドロテレフタレート等の有機過酸化物やアゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリ
ル等のアゾ化合物が挙げられる。これらの重合開始剤
は、単独で又は2種以上併用して用いることができる
が、通常は分子量を調整し、残存単量体を減少させるた
めに、10時間の半減期を得るための分解温度が50〜
80℃の範囲にある重合開始剤と、分解温度が80〜1
20℃の範囲にある異なる重合開始剤とが併用される。
上記の重合開始剤は、重合体粒子に均一に吸収させるこ
とが必要であることから、液状物として添加することが
好ましい。重合開始剤を直接水性懸濁液中に添加する
と、重合体粒子に均一に吸収されにくくなるので、重合
開始剤は水性媒体に懸濁又は乳化させた状態で添加する
か、或いは少量のスチレン系単量体に溶解し、無機系懸
濁安定剤とアニオン界面活性剤とを加え水性懸濁液とし
て添加することが望ましい。
【0014】本発明において、スチレン系重合体粒子を
水性媒体中に懸濁させるために用いられる懸濁安定剤と
しては、従来より懸濁重合において一般に使用されてい
る公知の、ポリビニルアルコール、メチルセルローズ、
ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等の水溶性
高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシ
ウム等の難溶性無機化合物等が挙げられる。難溶性無機
化合物を用いる場合には、通常ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ソーダ等のアニオン界面活性剤が併用される。
【0015】本発明において用いる易揮発性発泡剤とし
ては、沸点が重合体の軟化点以下である易揮発性を有す
る、例えばプロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタ
ン、ヘキサン、HCFC−141b、HCFC−142
b、HCFC−124、HFC−134a、HFC−1
52a等が挙げられ、これらの発泡剤は、単独もしくは
2種以上を併用して用いることができる。易揮発性発泡
剤の使用量は、得られる重合体粒子100重量部に対し
て、1〜10重量%、好ましくは2〜7重量%である。
また上記発泡剤の添加は、重合前、重合中、重合後の何
れの時点でもよいが、通常重合後期あるいは重合後に圧
入して添加し、重合体粒子に含浸させる。
【0016】本発明におけるシード重合法において、溶
剤、可塑剤、発泡セル造核剤、充填剤、難燃剤、難燃助
剤、滑剤、着色剤等、発泡性スチレン系重合体粒子を製
造する際に用いられる添加剤を、必要に応じて適宜使用
してもよい。本発明において、粒径が揃ったスチレン系
重合体粒子を水性媒体中に懸濁させ、スチレン系単量体
を連続的又は断続的に供給して重合する場合、得られる
重合体の重量平均分子量を発泡性スチレン系重合体粒子
の品質上から特定の範囲に制御する必要がある。一般的
には、重量平均分子量が200000〜350000で
あり、好ましくは220000〜300000である。
通常重合体種粒子とシード重合して得られる重合体粒子
の重量平均分子量がほぼ同等となるようにすることが望
ましい。
【0017】本発明のシード重合では、重合体種粒子の
径が大きくなると重合開始剤の吸収効率及び内部拡散が
小さくなり、分子量が高くなる傾向を示し、また重合終
了後の重合体量に対して重合体種粒子の使用量が少ない
とスチレン系単量体供給時の重合率の制御が難しくなり
反応時間も延長し、分子量調節が困難となる。重合体粒
子の重量平均分子量を、普通の発泡成形に適合する範囲
に調整するには、重合開始剤を効率よく働かせることが
重要であり、無駄な分解を防ぎ重合工程全域でラジカル
発生するような重合開始剤の分配、重合温度プログラ
ム、単量体供給速度、重合時の重合率の調整等の制御が
必要である。また重合時に重合開始剤は、重合体粒子の
表層部だけでなく、内部にまで拡散していることが重要
であり、そのためには重合体粒子はスチレン系単量体で
適度に軟化させておくことが必要であり、重合体粒子中
における単量体の割合が35重量%を越えないように単
量体を供給して反応を進めればよい。単量体の割合が1
0重量%以下になると、重合開始剤が無駄に消費され、
得られる重合体が高分子量化して好ましくない。
【0018】本発明では、重合開始時の反応温度をA
℃、残余のスチレン系単量体の供給終了時の反応温度を
B℃としたときに、B℃≧A℃+15℃となるように昇
温しながらスチレン系単量体を連続的又は断続的に添加
し重合させる。このようにすれば、得られた発泡性スチ
レン系重合体粒子は、大半を占める内層の重量平均分子
量が前記の通常の範囲内にあり、表層部についてもその
分子量は少なくとも同等であり、通常は高分子量化し、
優れた発泡成形性を有することとなる。単量体供給終了
時の反応温度B℃がA+15℃に満たない場合には、得
られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が成形時に発泡粒
子間の間隙を埋め尽くす程の効果は得られない。なお、
重合体粒子の表層部とは、重合体粒子の大きさにより粒
子表面からの層厚みは変化するが、重合体粒子の表面か
らおよそ2〜10重量%の外殻を指している。本発明に
おいては、重合体粒子表層部の熱的性質向上を架橋剤等
を用いることなく達成していることに特徴がある。
【0019】本発明においては、スチレン系単量体の供
給終了時に、10時間の半減期を得るための分解温度が
50〜80℃の重合開始剤が殆ど無くなるように設定
し、重合温度を高温にして重合体粒子表層部の重量平均
分子量を高くするのである。重合開始剤を反応の初期に
スチレン系単量体の重合に要する全量を添加して重合を
行い、重合開始剤の分解が有効に働くように重合初期温
度を比較的低温に設定し、単量体の供給時に重合ラジカ
ルが遂次適度に発生していくように温度勾配を与えて昇
温することが有効である。
【0020】なお、連続的に供給するスチレン系単量体
の量に比例して重合開始剤を添加し、80〜90℃の一
定温度で反応させると、重合開始剤の量は初期に少な
く、進行に伴い蓄積されて行き後期には多くなることが
ら、低分子量重合体が粒子表層部に形成されることとな
る。重合体表層部に形成された低分子量重合体は、発泡
粒表層部の熱的性質を低下させ、予備発泡時に発泡粒子
間の合着ををおこし易くし、また発泡成形時には発泡粒
子間の融着を阻害し、発泡粒子間隙を十分に埋めること
ができない。更には、発泡成形体の表面が溶融して成形
体の外観を悪化し、発泡成形体強度も低下させることに
なる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ただし、本発明の技術的範囲はこれらの実施例
に限定されるものではない。 〔実施例1〕100lの反応器に、純水30kg、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ15g、ピロリン酸マグ
ネシウム100gを入れ、粒子径が0.3〜0.47m
mで重量平均分子量が280000のポリスチレン粒子
(スチレンを、ピロリン酸マグネシウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダを使用した水性媒体中で、通常の
懸濁重合を行って得たもの)11kgを加えて撹拌し懸
濁させた。
【0022】次いで予め用意した純水6kg、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ2g、ピロリン酸マグネシウ
ム10gの懸濁液に、ベンゾイルパーオキサイド90
g、t−ブチルパーオキシベンゾエート8gを溶解した
スチレン5kgを加え、ホモミキサーで攪拌して懸濁液
とし、これを70℃に保持した反応器に添加した。その
後ポリスチレン粒子中に、スチレンと重合開始剤とがよ
く吸収されるように、1時間保持した後に、スチレンを
連続的に10kg/hrの速度で、3時間供給しなが
ら、スチレン供給終了時に105℃になるように反応器
を昇温した。重合開始時と重合終了時での反応温度の差
は35℃であった。
【0023】引き続き、120℃に昇温し、30分間保
持した後、トルエン600gを純水2.5kg、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ2g、ピロリン酸マグネシ
ウム10gに加え、ホモミキサーで攪拌して懸濁液とし
て反応器に加え、ブタン4kgを圧入した。2時間保持
した後、常温まで冷却して取り出し、粒子径が0.47
〜0.63mmの発泡性ポリスチレン粒子を得た。
【0024】次いで発泡性ポリスチレン粒子を、脱水、
乾燥した後、表面処理剤としてジンクステアレート46
g、ヒドロキシステアリン酸トリグリセライド23gを
粒子表面に被覆処理し、予備発泡機で水蒸気を用いて加
熱発泡し、カサ倍数50倍の予備発泡粒子を得た。また
予備発泡時に、合着粒子発生の度合いを測定した。予備
発泡粒子を、内寸300×400×100mm型窩を有
する金型を備えた発泡ビーズ自動成形機(積水工機製作
所製 エース3型)を用いて発泡成形を行い、得られた
発泡成形体について発泡成形体の表面状態及び内部融着
率を評価した。その結果を表1に示す。
【0025】なお、発泡成形体の表面状態は、粒子間の
間隙の度合いにより、次のように評価した。 1:間隙あり大、2:隙間あり中、3:間隙あり小(現
行普通市販品程度)、4:隙間あり極小、5:間隙なし 発泡成形体の内部融着率は、発泡成形品を破断したとき
に、発泡粒子が破断した面の割合を%で示したものであ
る。
【0026】〔実施例2〕100lの反応器に、純水2
8kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ15g、ピ
ロリン酸マグネシウム100gを入れ、粒子径が0.3
〜0.47mmで重量平均分子量280000のポリス
チレン粒子22kgを加えて撹拌し懸濁させた。
【0027】次いで予め用意した純水10kg、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ2g、ピロリン酸マグネシ
ウム30gの懸濁液に、ベンゾイルパーオキサイド60
g、t−ブチルパーオキシベンゾエート8gを溶解した
スチレン10kgを加え、ホモミキサーで攪拌して懸濁
液として、これを76℃に保持した反応器に添加した。
【0028】ポリスチレン粒子中に、スチレンと重合開
始剤とが吸収されるように1時間保持した後に、スチレ
ンを連続的に12.5kg/hrの速度で、1時間供給
しながら、スチレン供給終了時に108℃になるように
反応器を昇温した。重合開始時と重合終了時での反応温
度の差は32℃であった。引き続き120℃に昇温し、
30分間保持した後、トルエン700gを純水2.0k
g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2g、ピロリン
酸マグネシウム10gに加え、ホモミキサーで攪拌し懸
濁液として反応器に加え、100℃にしてブタン3kg
を圧入した。2時間保持した後、常温まで冷却して取り
出し、粒子径が0.47〜0.63mmの発泡性ポリス
チレン粒子を得た。実施例1と同様に得られた発泡性ポ
リスチレン粒子に表面処理を施し、予備発泡した後、発
泡成形を行った。予備発泡時の発泡粒子合着度合い、発
泡成形体の表面状態、及び内部融着率の測定、評価結果
を表1に示す。
【0029】〔実施例3〕実施例2において、スチレン
供給終了時の温度が94℃になるように変更した以外は
実施例2と同様の方法で実施した。重合開始時と重合終
了時での反応温度の差は18℃であった。得られた発泡
性ポリスチレン粒子を、同様に予備発泡し、発泡成形を
行った。予備発泡時の発泡粒子合着の度合い、発泡成形
体の表面状態、及び内部融着率の測定、評価結果を表1
に示す。
【0030】〔実施例4〕実施例1において、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエートの代えてジクミルパーオキサ
イドを50g添加して、スチレンの供給終了時の温度が
120℃になるように昇温しながらスチレンを15kg
/hrの速度で2時間供給した。重合開始時と重合終了
時での反応温度の差は50℃であった。また、120℃
で2時間保持した後、シクロヘキサンを添加した以外は
実施例1と同様の方法で実施した。得られた発泡性ポリ
スチレン粒子を、同様に予備発泡し、発泡成形を行っ
た。予備発泡時の発泡粒子合着の度合い、発泡成形体の
表面状態、及び内部融着率の測定、評価結果を表1に示
す。
【0031】〔比較例1〕実施例1において、反応開始
温度を80℃、スチレンの供給終了時の反応温度が温度
が90℃になるように変更した以外は実施例1と同様の
方法で実施した。重合開始時と重合終了時での反応温度
の差は10℃であった。
【0032】得られた発泡性ポリスチレン粒子を、同様
に予備発泡し、発泡成形を行った。予備発泡時の発泡粒
子合着の度合い、発泡成形体の表面状態、及び内部融着
率の測定、評価結果を表1に示す。 〔比較例2〕実施例2において、スチレン供給終了時の
温度が88℃になるように変更した以外は実施例2と同
様の方法で実施した。重合開始時と重合終了時での反応
温度の差は12℃であった。得られた発泡性ポリスチレ
ン粒子を、同様に予備発泡し、発泡成形を行った。予備
発泡時の発泡粒子合着の度合い、発泡成形体の表面状
態、及び内部融着率の測定、評価結果を表1に示す。
【0033】〔比較例3〕100lの反応器に、純水3
6kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ14g、ピ
ロリン酸マグネシウム100gを入れ、粒子径が0.3
〜0.47mmで重量平均分子量280000のポリス
チレン粒子26kgを加えて攪拌し懸濁させた。次いで
予め用意した純水10kg、ドデシルベンゼンスルホン
酸ソーダ3g、ピロリン酸マグネシウム30gの懸濁液
に、ベンゾイルパーオキサイド60g、t−ブチルパー
オキシベンゾエート8g、トルエン700gをスチレン
10kgに溶解して添加し、ホモミキサーで攪拌して懸
濁液とし、これを78℃に保持した反応器に添加した。
【0034】ポリスチレン粒子中にスチレンと重合開始
剤とが吸収されるよう1時間保持した後に、スチレンを
連続的に15kg/hrの速度で30分間供給した。次
いでブタン4.4kgを圧入し、100℃に昇温して4
時間保持し、常温まで冷却して取り出し、粒子径が0.
47〜0.63mmの発泡性ポリスチレン粒子を得た。
得られた発泡性ポリスチレン粒子を、同様に予備発泡
し、発泡成形を行った。予備発泡時の発泡粒子合着の度
合い、発泡成形体の表面状態、及び内部融着率の測定、
評価結果を表1に示す。
【0035】〔比較例4〕シード重合法の種粒子とし
て、スチレンをピロリン酸マグネシウム、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダを使用した水性媒体中で、通常の
懸濁重合して得たポリスチレン粒子を粒径0.65〜
0.95mmにふるい分級したものを使用し、同じ水性
懸濁液を用い、実施例2に準じた方法でブタン及びトル
エンを含浸し発泡性ポリスチレン粒子を得た。得られた
発泡性ポリスチレン粒子を、同様に予備発泡し、発泡成
形を行った。予備発泡時の発泡粒子合着の度合い、発泡
成形体の表面状態、及び内部融着率の測定、評価結果を
表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明方法は、スチレン系単量体の重合
に要する重合開始剤の実質的全量反応初期に添加してス
チレン系単量体の存在下で重合を開始させ、重合開始時
の反応温度をA℃、重合終了時の反応温度をB℃とした
ときに、B℃≧A℃+15℃となるように昇温しながら
スチレン系単量体を供給し、重合させるようにしたた
め、予備発泡時に発泡粒子同士が互いに合着することが
なく、また発泡成形時には、発泡粒子相互の融着がよ
く、粒子間の間隙がよく埋められ、平滑性に優れた外観
の良好な発泡成形体を製造することのできる発泡性スチ
レン系重合体粒子を得ることができるという優れた効果
を奏する。また、本発明により得られた発泡性スチレン
系重合体粒子は、特に肉厚が薄く複雑な形状を有する型
物発泡成形体を成形する場合においても、成形体の表面
が溶融することなく、平滑性に優れた美麗な外観を有す
る発泡成形体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−188449(JP,A) 特開 平7−188450(JP,A) 特開 平7−188454(JP,A) 特開 昭63−175044(JP,A) 特開 平4−91141(JP,A) 特開 平3−275739(JP,A) 特開 昭62−185721(JP,A) 特公 平5−12386(JP,B2) 特公 昭45−2994(JP,B1) 特公 昭49−19111(JP,B1) 特公 昭44−2469(JP,B1) 特公 昭49−19107(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スチレン系重合体粒子を水性媒体中に懸濁
    させ、この水性懸濁液にスチレン系単量体を添加し、重
    合開始剤の存在下で懸濁重合を行うと共に、発泡剤を含
    浸させて発泡性スチレン系重合体粒子を製造する方法に
    おいて、スチレン系単量体の重合に要する重合開始剤の
    実質的全量を反応初期に添加するとともに、スチレン系
    単量体を水性懸濁液として添加し、スチレン系単量体の
    存在下で重合を開始させ、重合開始時の反応温度をA
    ℃、残余のスチレン系単量体の供給終了後の反応温度を
    B℃としたときに、B℃≧A℃+15℃となるように昇
    温しながらスチレン系単量体を連続的又は断続的に供給
    し、重合させることを特徴とする発泡性スチレン系重合
    体粒子の製造方法。
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