JP3024522B2 - スチレン系発泡性樹脂粒子及びそれを用いて得た発泡成形体 - Google Patents

スチレン系発泡性樹脂粒子及びそれを用いて得た発泡成形体

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JP3024522B2 JP7227955A JP22795595A JP3024522B2 JP 3024522 B2 JP3024522 B2 JP 3024522B2 JP 7227955 A JP7227955 A JP 7227955A JP 22795595 A JP22795595 A JP 22795595A JP 3024522 B2 JP3024522 B2 JP 3024522B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、力学物性の優れた
発泡成形体を製造することができるスチレン系発泡性樹
脂粒子及びそれを用いて得た発泡成形体に関するもの
で、本発明の粒子は、魚箱、通い箱、断熱材、ドレンパ
ン等の構造部材、及び、包装緩衝材等に用いられる発泡
成形体の製造に有用である。
【0002】
【従来の技術と発明が解決使用とする課題】スチレン系
予備発泡樹脂粒子は比較的安価で、特殊な方法を用いず
に低圧の蒸気等で発泡成形ができ、高い緩衝・断熱の効
果が得られる社会的に有用な材料である。しかしなが
ら、従来のスチレン系予備発泡樹脂粒子を比較的強度を
必要とする容器等を製造するために使用するには、機械
的強度の不足を補うために、成形品の発泡倍率を下げた
り、肉厚を厚くしなければならなかったが、この方法で
は成形品が重くなるという問題があった。また、機械的
強度を上げる手法としては、ポリスチレンの分子量を上
げるという方法も考えられるが、この方法では発泡体の
成形時の融着が低下するという欠点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、スチレン系発
泡性樹脂粒子として、内部に多数のボイドを有し、かつ
その基材樹脂として高分子量のものを用い、それを使用
することによって機械的強度が優れ、かつ融着に優れた
発泡成形体が得られることを見いだし、本発明を完成す
るに至った。
【0004】即ち、本発明は、スチレン系発泡性樹脂粒
子の中心付近を通る断面にボイドが250個/mm2
上存在し、かつ該樹脂の重量平均分子量が25万以上1
00万以下であることを特徴とするスチレン系発泡性樹
脂粒子である。ここで、重量平均分子量が35万以上5
0万以下であるのが好ましい。また、発泡成形体は、上
記したスチレン系発泡性樹脂粒子を予備発泡させた後、
それを成形して、成形品密度が20〜100g/lであ
るものが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のスチレン系発泡性樹脂粒
子は、その粒子の中心付近を通る断面にボイドが250
個/mm2 以上存在する必要があり、好ましくは500
個/mm2 以上、また上限としては10000個/mm
2 以下であるのが好ましい。ボイド数が少なすぎると、
それを用いて得られた成形体の機械的強度が弱くなり、
また、ボイド数が多すぎる場合には、成形条件によって
は、成形体表面が溶融(所謂メルト)し、成形品の表面
外観が悪くなるため余り好ましくない。
【0006】加えて、本発明のスチレン系発泡性樹脂粒
子の、基材樹脂の重量平均分子量が25万以上100万
以下である必要がある。分子量が小さ過ぎると充分な機
械的強度が得られず、また逆に大き過ぎるとそれを用い
て発泡成形する際に、成形条件によっては予備発泡粒子
同士の融着が不充分となり満足な成形体が得られず、ま
た発泡成形体の表面に間隙が多くなり外観不良等の問題
が生じることとなる。また、より高強度の発泡成形体を
得るためには、重量平均分子量35万以上が好ましく、
幅広い成形条件でも外観が優れた発泡成形体を得るため
には重量平均分子量50万以下が好ましい。
【0007】尚、本発明で言う「ボイド」とは、スチレ
ン系発泡性樹脂粒子中に存在する、直径0.1〜30μ
m程度の小孔であり、その内部にはポリスチレン以外の
物質、即ち水、発泡剤、溶剤、可塑剤、残存モノマー等
を含んでいても良い。ボイドの大きさが小さ過ぎると、
発泡剤の種類や予備発泡条件によっては気泡が形成され
ず、また、大き過ぎると予備発泡時に大きな気泡を形成
するために成形品の機械的強度が低下してしまう。好ま
しくは、0.2〜20μmの大きさのボイドである。
【0008】また、ボイド数は、スチレン系発泡性樹脂
粒子の中心付近を通る断面をミクロトームで切り出し、
この断面を走査型電子顕微鏡で観察し、写真を撮り、こ
の写真よりボイド数を計測し、1mm2 当たりの値に換
算することによって求められる。また、スチレン系発泡
性樹脂粒子を、屈折率を合わせるために屈折率が約1.
51の屈折率調整剤(例えばツェーデル油、キシダ化学
社製、1級品、屈折率=1.514〜1.522)に浸
した状態で光学顕微鏡(透過光)で観察する方法によっ
て、ある程度のボイド数をより簡便に求めることができ
る。
【0009】また、スチレン系発泡性樹脂粒子内にボイ
ドを多数含有させる方法については特に限定はされない
が、例えば、懸濁重合中においてスチレン系発泡性樹脂
粒子中に水分を取り込ませボイドを作る方法が有効であ
る。その方法としては、(1)懸濁重合中において界面
活性剤等を多量に加える方法、(2)懸濁重合中におい
て、過硫酸のアルカリ金属塩もしくは重亜硫酸のアルカ
リ金属塩等を添加する方法、(3)懸濁重合中に、メタ
クリル酸メチル重合体等のポリスチレンとは異なる高分
子を添加する方法、等が挙げられる。但し、これらの物
質はボイドの数を本発明の範囲、即ち最終的に得られた
スチレン系発泡性樹脂粒子中に直径が0.1μm〜30
μmのボイドが、粒子の中心付近を通る断面に、250
個/mm 2 以上となるように十分量添加することが肝要
である。また、これらの物質をより少ない量で効果的に
ボイドを発生させるためには、重合の最終温度から取り
出しまでのいわゆる冷却時間を短くすることが有効であ
る。尚、この冷却時間の範囲は重合条件等により異なる
ので一該には言えないが、9時間以内で冷却するのが好
ましい。
【0010】高分子量体の製造方法についても特に限定
はされないが、本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子を得
るために、予め重合したスチレン系重合体の小粒子を用
いるいわゆるシード重合の手法を用いても良い(特公昭
46−2987号公報、特公昭49−2994号公報参
照)。尚、この時のスチレン系重合体の小粒子の使用量
は特に規定はしないが、重合させる全単量体100重量
部に対して、通常、10〜40重量部が望ましい。この
ほか、懸濁重合時において、重合温度を低くしたり、重
合開始剤の量を制御したり、また2官能もしくは多官能
性開始剤を用いる方法もある。
【0011】なお、本発明で言う重量平均分子量とは、
クロロホルムの0.25%溶液でゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)法にて測定し、標準ポリ
スチレンで換算した値である。上記した本発明のスチレ
ン系発泡性樹脂粒子を得る一つの具体的な方法として
は、スチレン系単量体を重合開始剤及び懸濁剤の存在下
で水性媒体中に分散させた後に重合反応を開始し、懸濁
重合中に発泡剤を添加するか、又は重合後に発泡剤を含
浸させる方法が挙げられる。
【0012】本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子を得る
ために使用できるスチレン系単量体としては、スチレ
ン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、
p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−
メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、o−クロロ
スチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、
2,4−ジクロロスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、
p−オクチルスチレン、スチレンスルホン酸、スチレン
スルホン酸ナトリウム等が挙げられる。また、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等の
アクリル酸の炭素数1〜10のアルキルエステル;メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル等のメタクリル酸の炭素数1〜10のアルキ
ルエステル;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシ
ブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート
等の水酸基を有する不飽和化合物;アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等のニトリル基含有不飽和化合物;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の有機酸ビニル化合
物;エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、
イソブテン等の不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、
イソプレン、クロロプレン等のジエン化合物;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハ
ロゲン化ビニル;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケ
トン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類;ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロ
リドン、N−ビニルインドール、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルピロール等のN−ビニル化合物;アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、N−メチロールメタクリルアミド等のアミド基
を有する不飽和化合物;アクリル酸、メタクリル酸、イ
タコン酸等の不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミ
ド、N−(メチル)フェニルマレイミド、N−(ヒドロ
キシ)フェニルマレイミド、N−(メトキシ)フェニル
マレイミド、N−安息香酸マレイミド、N−メチルマレ
イミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレ
イミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチル
マレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−t−ブチ
ルマレイミド等のマレイミド系化合物;ジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジメタクリレート等の架橋性多
官能ビニル化合物;グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタクリレート等のエポキシ基を有する不飽和化合
物、などの各種のビニル系化合物を併用しても良い。
【0013】また、本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子
を得るために使用される重合開始剤としては、たとえば
アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、クメン
ヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、
t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネ
ート、ラウロイルパーオキサイド等の単量体に可溶な開
始剤が挙げられる。上記の開始剤は、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。特に、1,1−
ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ
−2−メチルシクロヘキサン等の多官能性開始剤を使用
するのが、高分子量体が得られるので好ましい。重合開
始剤の使用量は、仕込み単量体の全重量100重量部に
対して0.01〜3重量部が好ましい。0.01重量部
以下では重合速度が遅くなり過ぎ、逆に3重量部以上で
は高分子量体が得られないため好ましくない。
【0014】本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子を得る
ために使用される懸濁剤としては、例えばポリビニルア
ルコール、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等
の水溶性高分子、ピロリン酸マグネシウム、第3燐酸カ
ルシウム等の難溶性無機塩等を用いることができ、これ
らは界面活性剤を併用してもよい。なお、難溶性無機塩
を用いる場合は、アルキルスルホン酸ソーダ、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ソーダ等のアニオン性界面活性剤を
併用するのが好ましい。
【0015】懸濁剤の使用量は、仕込み単量体の全重量
100重量部に対し0.01〜5.0重量部が好まし
く、前記した難溶性無機塩とアニオン性界面活性剤との
併用系では、それぞれ仕込み単量体の全重量100重量
部に対し難溶性無機塩を0.05〜3.0重量部、アニ
オン性界面活性剤を0.0001〜0.5重量部が好ま
しい。
【0016】尚、単量体の水性媒体への添加方法は、予
め一括に仕込んでもよいし、徐々に添加しながら行って
も良い。(特公昭46−2987号、特公昭49−29
94号参照) 本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子を得るために使用さ
れる発泡剤としては、たとえばプロパン、ノルマルブタ
ン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネ
オペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素;シクロブタ
ン、シクロペンタン等の脂環族炭化水素;塩化メチル、
ジクロルフルオロメタン等のハロゲン化炭化水素等の物
理発泡剤;さらには炭酸ガス、窒素、アンモニア等の無
機ガスが挙げられる。これらの発泡剤は1種類を単独
で、又は2種以上を併用して使用できる。発泡剤は、通
常、生成重合体粒子中の発泡剤含有量が1〜20重量%
になる程度の量が供給される。
【0017】また、スチレン系単量体には、気泡形成剤
としてのメタクリル酸メチル系共重合体、ポリエチレン
ワックス、タルク、エチレンビスステアリルアミド、メ
チレンビスステアリルアミド、エチレン−酢酸ビニル共
重合体樹脂等を添加しておくことができる。また、更に
必要に応じて、その重合反応系に分子量を調整するため
に、ドデシルメルカプタン等のアルキルメルカプタン
類、α−メチルスチレンダイマー等の連鎖移動剤を重合
反応系に添加することができる。その連鎖移動剤の使用
量は、重合させる全単量体100重量部に対して、0.
01〜3重量部が好ましい。
【0018】また、本発明のスチレン系発泡性樹脂粒子
を得るために、必要に応じて、重合反応系に生成重合体
の可塑剤、たとえばジオクチルフタレート等のフタル酸
エステル、その他ジオクチルアジペート等の脂肪酸エス
テルやトルエン、シクロヘキサン等の有機化合物等を添
加することができる。さらに、難燃剤、難燃助剤、帯電
防止剤、導電化剤、セル核剤、粒度分布調整剤等の一般
的に発泡性樹脂粒子の製造に使用されている添加剤を適
宜添加したり、ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン
ゴム等のゴム成分を混合することもできる。
【0019】また、得られた発泡性樹脂粒子に熱処理を
施して、更にそれら粒子を用いて成形された成形体の表
面外観を向上させてもよい。本発明の発泡性樹脂粒子を
予備発泡させ、その後それを用いて発泡成形させ、発泡
成形体とする。発泡性樹脂粒子の予備発泡方法としては
例えば、円筒形の予備発泡機を用いて、スチーム等で加
熱し発泡させる等の方法がある。
【0020】また、予備発泡樹脂粒子を発泡成形させる
方法としては例えば、金型内に予備発泡粒子を充填し、
スチーム等を吹き込んで加熱する、通常の所謂型内成形
法で成形品を得る等の方法が挙げられる。この様にし
て、発泡成形して得られた発泡成形体の密度は、低過ぎ
ると強度が不足し、逆に高過ぎると経済的に不適当であ
ることから、20〜100g/lであるのが好ましい。
【0021】
【実施例】以下に、実施例及び比較例をあげて本発明を
さらに詳述するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。 実施例1 撹拌器付き50リットルオートクレーブにイオン交換水
18リットル、第3燐酸カルシウム90g、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム0.2g、硫酸アンモニウ
ム7g、95%以上が0.74〜0.81mmの粒径範
囲にあるポリスチレンビーズ4.3kgを投入した。
【0022】撹拌下でベンゾイルパーオキサイド(純度
75%)78g、t−ブチルパーベンゾエート26g、
ジオクチルアジペート98gを投入し、30分間室温の
まま放置した後、1時間半かけて90℃まで昇温し、次
いで1,2,5,6,9,10−ヘキサブロモシクロド
デカン3g、可塑化剤としてシクロヘキサン340gを
スチレンモノマー13kgに溶解させたものを6.5時
間かけて投入した後、90℃を1時間保持した。
【0023】ブタン1.6kgをオートクレーブ内に圧
入し、さらに12.5時間90℃を保持した。その後、
6時間かけて30℃まで冷却した。遠心分離器にて脱水
し、酸洗浄して発泡性樹脂粒子の表面の第3リン酸カル
シウムを除去した。その後、流動乾燥装置で上面付着水
分を除去し、発泡性樹脂粒子を得た。得られた発泡性樹
脂粒子を予備発泡機(株式会社ダイセン工業製 DYH
−850)で、常法により嵩密度33g/lに発泡させ
た。
【0024】こうして得られた予備発泡粒子を、1日室
温で放置(熟成)した後、これを28×35×15cm
の大きさの箱型の金型内に充填し0.8kgf/cm2
・Gの蒸気吹き込み圧で20秒間加熱して成形し、発泡
成形体を得た。上記のようにして得られる発泡性樹脂粒
子の重量平均分子量、発泡性樹脂粒子中に含まれるボイ
ドの数、発泡成形体の表面外観、融着度、曲げ強度、圧
縮強度および落球衝撃強度高さを下記の方法で評価し
た。
【0025】評価方法 重量平均分子量;発泡性樹脂粒子をクロロホルムの0.
25%溶液で、GPC法にて測定し、標準ポリスチレン
で換算した。 発泡性樹脂粒子中に含まれるボイドの数;スチレン系発
泡性樹脂粒子の中心付近を通る断面をミクロトームで切
り出し、この断面を走査型電子顕微鏡で観察し、発泡性
樹脂粒子の中心付近の写真を撮る。この写真より0.2
mm×0.2mmの範囲にあるボイド数を計測して、断
面1mm2 当たりの値に換算して求めた。
【0026】表面外観;発泡成形体の表面外観を目視に
より下記基準にて評価した。 ○;溶融した粒子はなく、粒子間の間隙もなく、見栄え
がよい。 △;溶融した粒子が表面にあるか又は粒子間に間隙があ
り見栄えが悪い。 ×;溶融した粒子があるか又は粒子間に間隙があり見栄
えが著しく悪い。もしくは成形品が得られない。
【0027】融着度;成形品において予備発泡粒子同士
が完全に接着(融着)している割合であり、発泡成形体
を割った断面において、予備発泡粒子の界面以外で裂け
ている割合を目視で測定した。 曲げ強度;発泡成形体を縦300mm、横75mm、厚
さ25mmに切断して試験片とし、JIS A 951
1に準拠して曲げ強度を測定した。
【0028】圧縮強度;発泡成形体を縦50mm、厚さ
25mmに切断して試験片とし、JIS Z 0234
に準拠して圧縮強度を測定した。 落球衝撃強度高さ;発泡成形体を縦200mm、横40
mm、厚さ25mmに切断して試験片とし、重量255
gの剛球を垂直に落下させ発泡成形体の50%が破壊し
たところの落下高さとする。(JIS K7211に準
拠)
【0029】実施例2 撹拌器付き50リットルオートクレーブに、イオン交換
水18リットル、第3燐酸カルシウム(太平化学社製)
40g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5
gを投入した。次いで撹拌下に、1,1−ジ−t−ブチ
ルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン40g、可塑
化剤としてシクロヘキサン320gをスチレンモノマー
18kgに溶解させたものを投入した。
【0030】撹拌下で30分間室温のまま放置した後、
1時間半かけて90℃まで昇温し、90℃で過硫酸カリ
ウムの0.1%水溶液を110g加え、そのまま7時間
保持した。ブタン1kgをオートクレーブ内に圧入し、
さらに1時間90℃を保持した。その後、90℃から1
10℃まで1時間半かけて昇温し、110℃を2時間保
持した後、6時間かけて30℃まで冷却した。その後の
処理及び測定は、上記実施例1と同様に行った。
【0031】実施例3 1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロ
ヘキサンの代わりに、開始剤としてt−ブチルパーオキ
シ−2−エチルヘキサノエートを24g、t−ブチルパ
ーオキシイソプロピルカーボネート24gを加え、11
0℃から30℃までの冷却時間を30分にした他は、全
て上記実施例2と同様に行った。
【0032】実施例4 110℃から30℃までの冷却時間を2時間にした他は
上記実施例3と同様に行った。 実施例5 110℃から30℃までの冷却時間を6時間にした他は
上記実施例3と同様に行った。
【0033】実施例6 スチレン単量体に、重合開始剤、可塑化剤の他にメタク
リル酸メチル重合体(三菱レイヨン社製、BR−80)
9gをさらに加える他は、上記実施例5と同様に行っ
た。 実施例7 開始剤、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ートの投入量を48gとした他は全て上記実施例5と同
様に行った。
【0034】比較例1 開始剤、ベンゾイルパーオキサイト(純度75%)の投
入量を52gとした他は全て上記実施例1と同様に行っ
た。 比較例2 110℃から30℃までの冷却時間を10時間にした他
は上記実施例1と同様に行った。
【0035】比較例3 110℃から30℃までの冷却時間を15分間にした他
は上記実施例3と同様に行った。 比較例4 110℃から30℃までの冷却時間を10時間にした他
は上記実施例3と同様に行った。
【0036】比較例5 110℃から30℃までの冷却時間を10時間にした他
は上記実施例6と同様に行った。 比較例6 開始剤、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ートの投入量を60gとした他は全て上記実施例5と同
様に行った。
【0037】比較例7 110℃から30℃までの冷却時間を10時間にした他
は上記比較例5と同様に行った。以上の各実施例及び各
比較例におけるスチレン系発泡性樹脂粒子の重量平均分
子量、発泡性樹脂粒子中に含まれるボイドの数、発泡成
形体の表面外観、融着度、曲げ強度、圧縮強度及び落球
衝撃強度高さは表1に示す通りであった。
【0038】
【表1】
【0039】
【発明の効果】本発明の発泡性樹脂粒子を用いて成形さ
れた発泡成形体は、充分な融着がされ、機械的強度の大
きいものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−295757(JP,A) 特開 昭58−109539(JP,A) 特開 平9−71679(JP,A) 特開 平7−292150(JP,A) G.Cigna et.al「Cel lular Polymers 5 (1986)241−268 久布白 兼三著「発砲ポリスチレンの すべて」(1995年5月1日)マーティッ ク株式会社発行 第35〜39頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42 C08F 2/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系発泡性樹脂粒子の中心付近を
    通る断面にボイドが250個/mm2 以上存在し、かつ
    該樹脂の重量平均分子量が25万以上100万以下であ
    ることを特徴とするスチレン系発泡性樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量が35万以上50万以下
    であることを特徴とする、請求項1に記載のスチレン系
    発泡性樹脂粒子。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のスチレン系発泡性樹脂粒
    子を予備発泡させた後、それを成形して得られる発泡成
    形体であって、該発泡成形体の密度が20〜100g/
    lであることを特徴とする発泡成形体。
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久布白 兼三著「発砲ポリスチレンのすべて」(1995年5月1日)マーティック株式会社発行 第35〜39頁

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