JP5005857B2 - 自転車用モータ駆動式変速機の電気制御装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自転車用のモータで駆動される変速機の電気制御装置に関する。より詳しくは、本発明は、
自転車のハンドルに自身を固定する手段を備えた支持ボデーと；
第１の軸の回りに揺動可能な状態で前記支持ボデーに搭載されるブレーキ・レバーと；
前記支持ボデーに搭載される、ギア・チェンジを制御するための一対の電気スイッチと；
前記スイッチの１つを制御する手動操作が可能なギア・レバーと、から構成される形式の制御装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
上述の形式になる制御装置は、本願出願人名義による米国特許第5,470,277号によって知られており、そこには自転車のハンドルに固定された支持ボデーにセットされた２つのスイッチを有する電気制御装置が記載されている。第１のスイッチは、前記ブレーキ・レバーのすぐ背後にセットされたギア・レバーによって操作され、第２のスイッチは、前記支持ボデーの側壁に配置された押しボタンによって操作される。前記２つの電気スイッチは、自転車用変速機に組み合わされた電気モータを正逆２方向に動作させることができる。前記変速機のモータを第１の方向に動作させると、チェーンを第１の方向、例えば高いギア比の側へのシフトを可能にし、前記モータを反対方向に動作させると、前記チェーンを反対方向、例えば低いギア比の側へのシフトを可能にする。
【０００３】
米国特許第6,015,036号の明細書は、自転車用の電気制御装置であって、ブレーキ・レバーに支持されたギア・チェンジを制御するための１つのスイッチを含む装置について記述している。ギア・チェンジを制御するための第２のスイッチは、前記ブレーキ・レバーの近傍にセットすることが可能である。この解決策は、前記支持ボデーに対して揺動するブレーキ・レバー上に電気接点をもってくる必要があることから、双方のスイッチを前記支持ボデー上にセットするものほど有利ではない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、構造の観点からは簡単で、従来の装置に対してより大きな機能性を発揮する改善された形式の電気制御装置を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、前記目的は、請求項１に記載された特性を有する制御装置によって達成することができる。請求項１に記載の発明は、自転車用モータ駆動式変速機の電気制御装置であって、自転車のハンドルに自身を固定するための手段を備えた支持ボデーと、揺動可能な状態で前記支持ボデーに搭載されるブレーキ・レバーと、前記支持ボデーに備えられる、ギア・チェンジを制御するための一対の電気スイッチとから構成され、前記電気スイッチは支持プレートに搭載され、この支持プレートはさらに前記支持ボデーに搭載され、前記プレートが前記支持ボデーに搭載される前に、前記スイッチが前記プレートに事前組み付け可能であることを特徴とする制御装置に関する。
【０００６】
本発明につき、添付図面を参照して以下により詳細に述べるが、これらは純粋に非限定的な例示目的のために提供されるものである。
【０００７】
【発明の実施の形態】
各図面において、符号１０は、自転車用のモータで駆動される変速機の電気制御装置である。本発明に係るこの制御装置は、例えば本願出願人の名義にかかる米国特許第5,470,277号に記載された形式のモータ駆動式ギア・チェンジを制御するために使用することが可能である。
【０００８】
本制御装置１０は、従来の方式により自転車のハンドル１４に自らを固定させる手段を持った支持ボデー１２を含む。制御装置１０は、ピボット１８によって支持ボデー１２に関節結合されたブレーキ・レバー１６を含む。ブレーキ・ケーブル２２の一端２０は、従来の方式によってブレーキ・レバー１６の上端部にアンカー止めされる。図１及び図２から明らかなように、ブレーキ・レバー１６は、自転車ブレーキを制御するためにピボット１８の回りに手動により揺動可能な状態とされ、これらはいずれも従来からの方式による。
【０００９】
支持ボデー１２は、ギア・チェンジを制御するため、符号２４、２６で示す一対の電気スイッチを備える。前記スイッチは、好ましくは支持ボデー１２に固定された支持プレート２８の表面と裏面にセットされる。図に示す実施の形態の例では、支持プレート２８は、サイクル・コンピュータ（図示せず）を制御するよう形成された第３のスイッチ３０をも備えている。第１のスイッチ２４は、ギア・チェンジ（図示せず）を制御するため、例えばチェーンを高いギア比の側にシフトさせる方向に対応した第１の方向に電気モータを動作させるように形成される。第２のスイッチ２６の操作は、例えばチェーンを低いギア比の側にシフトさせる方向に対応した、上述とは反対の方向に電気モータを動作させる。制御装置１０は、自転車の前側変速機か後側変速機かには関係なく使用が可能である。したがって、自転車のハンドルの右手側にセットされる制御装置（通常、後側変速機を制御するように形成される）では、スイッチ２４はギア・チェンジを低いギア比の方に制御し（すなわち、チェーンを歯数の多い歯車の方にシフトし）、一方スイッチ２６は、ギア・チェンジを高いギア比の方に制御する（すなわち、チェーンを歯数の少ない歯車の方にシフトする）。これに対し、自転車のハンドルの左手側にセットされる制御装置（通常、前側変速機を制御するように形成される）では、この状態が反対となる。つまり、スイッチ２４は、ギア・チェンジを高いギア比の方に制御し（すなわち、ボトム・ブラケットにより駆動されるより歯数の多い歯車の方に向け）、一方スイッチ２６は、ギア・チェンジを低いギア比の方に制御する（すなわち、ボトム・ブラケットにより駆動されるより歯数の少ない歯車の方に向ける）。
【００１０】
図３において、スイッチ２６は、好ましくは運転者の手が支持ボデー１２あるいはハンドル１４のカーブした部分を掴んでいる時に運転者の親指によって操作できる位置に配置される、支持ボデー１２の一方の側にセットされた押しボタン３２によって制御される。好ましくは、押しボタン３２は、支持ボデー１２の側壁３４とほぼ直交する制御面を有し、ピボット１８とほぼ直交する軸回りに揺動可能な状態で前記側壁３４に関節結合される。
【００１１】
サイクル・コンピュータの操作制御用に形成されたスイッチ３０は、好ましくは支持ボデー１２の側壁３４から僅かに突出し、側壁３４とほぼ直角方向の短い操作代を設けた押しボタンによって操作可能である。
【００１２】
本発明に係る制御装置は、ブレーキ・レバー１６のすぐ背後にセットされるギア・レバー３８を備えている。この制御用レバー（即ち、ギア・レバー）３８は、中間支持部４０によって揺動可能な状態で支持され、一方この中間支持部４０は、ブレーキ・レバー１６のピボット１８の軸の回りに揺動可能な状態で支持ボデー１２に搭載されている。図３から明らかなように、ブレーキ・レバー１６はほぼＵ字断面をしており、中間支持部４０は、このブレーキ・レバーの内側に収納されている。中間支持部４０は、ピボット１８の回りに回転が自在である。図１及び図２に示すように、中間支持部４０は、一対の突出部４２においてブレーキ・レバー１６の内側表面に当接している。したがって、ブレーキ・レバー１６が図１に示す開放位置から図２に示すブレーキ位置に揺動されると、中間支持部４０もブレーキ・レバー１６と共にピボット１８の回りに揺動する。制御用レバー３８は、前記ブレーキ・レバーのピボット１８の軸にほぼ直交する軸４４の回りに揺動可能な状態で中間支持部４０に関節結合されている。図に示す例では、ギア・レバー３８と中間支持部４０との間の前記関節結合は、中間支持部４０に固定されるねじ４６によって得られ、ブッシュ４８が取り付けられて前記レバー３８はその回りを回転する。したがって前記レバー３８は、軸４４の回りに揺動が自在であり、その上、ブレーキ操作の際には図２に示すようにブレーキ・レバー１６と共にピボット１８の軸回りに揺動する。
【００１３】
ギア・レバー３８には、２つのフラップ、すなわちタブ５０、５２が設けられ（図示の例ではレバーと一体に形成）、スイッチ２４を作動する部分と、レバー３８が軸４４の回りに揺動してスイッチ２４を作動させるように手動操作を可能とする部分と、をそれぞれ構成している。
【００１４】
スイッチ２４の損傷を防止するため、好ましくはギア・レバー３８は、レバー３８の揺動範囲を制限する抑止装置が付けられている。図４及び図５で詳細を示すように、この抑止装置はプレート５６に固定されるピン５４からなり、プレート５６は、ブレーキ・レバー１４のハンドル１４と対向する側の面上に固定される。ピン５４は、ギア・レバー３８に設けられた溝５８に遊びを設けて係合される。図４は、開放位置にあるギア・レバーを示しており、ここではスイッチ２４を作動させる部分を構成するタブ５０が、スイッチ２４から僅かに距離をおいてこれに対向してセットされている。ギア・チェンジの指令を発するには、ユーザが手でタブ５２を操作し、制御用レバー３８を図４の矢印Ａに示す方向に揺動させる。図５は、ピン５４が溝５８の端部に当接するレバー３８の最大揺動位置を示している。この位置でタブ５０はスイッチ２４を作動させ、ギア・チェンジを制御する。図２に示すように、スイッチ２４を操作するギア・レバー３８のタブ５０は延長部を持つことができ、これによってブレーキ・レバー３８がブレーキ位置にあってもタブ５０はスイッチ２４に対向している。この方法により、運転者は、ブレーキをかけているときにおいてもギアを切り換えることができる。反対方向へのギアの切り換えは、押しボタン３２に対して図３の紙面と垂直な方向に圧力をかけ、スイッチ２６が作動する方向へ前記押しボタンを揺動させる。
【００１５】
特に、本発明の他の態様によれば、レバー３８を省略することもでき、スイッチ２４には直接操作されるような押しボタンがセットされても良い。この場合には、電気スイッチ全てが支持プレート２８に搭載され、これらを同プレート上にサブ・アセンブリすることができるので、ブレーキ・レバーを支持するために当該プレートを単に搭載するだけで、これらをその最終位置に同時に配置することができるという革新的な特性をより明らかにするものとなる。
【００１６】
【発明の効果】
本発明によれば、従来における自転車用変速機の制御装置のように、支持ボデーに対して揺動するブレーキ・レバー上に電気接点をもってくる必要がなくなり、構成が簡単で、従来の装置に対してより大きな機能性を発揮する改善された形式の電気制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明に係る制御装置の側面断面図である。
【図２】 図１に示す制御装置の他の操作位置を示す側面断面図である。
【図３】 図１のIII−IIIに沿った断面図である。
【図４】 図１のIV−IV線に沿った断面図である。
【図５】 図４の他の操作位置における断面図である。
【符号の説明】
１０．電気制御装置、 １２．支持ボデー、 １４．ハンドル、 １６．ブレーキ・レバー 、１８．第１の軸（ピボット）、 ２４．第１の電気スイッチ、 ２６．第２の電気スイッチ、 ２８．支持プレート、 ３０．第３の電気スイッチ、 ３２．押しボタン、 ３８．ギア・レバー、 ４０．中間支持部、 ４４．第２の軸、 ５０、５２．タブ、 ５４、５８．抑止装置。

Claims (9)

1. 自転車用モータ駆動式変速機の電気制御装置であって：
   自転車のハンドル（１４）に自身を固定するための手段を備えた支持ボデー（１２）と；
   揺動可能な状態で前記支持ボデー（１２）に搭載されるブレーキ・レバー（１６）と；
   前記支持ボデー（１２）に備えられる、ギア・チェンジを制御するための一対の電気スイッチ（２４、２６）と、から構成され、
   前記制御装置がさらに：
   前記一対の電気スイッチ（２４、２６）を搭載するための支持プレートであって、事前に前記一対の電気スイッチ（２４、２６）が当該支持プレートに組付けられた後に前記支持ボデー（１２）に搭載されるよう構成された支持プレートと、
   前記スイッチの１つである第１のスイッチ（２４）を制御するための手動操作が可能なギア・レバー（３８）と、
   を含むことを特徴とする制御装置。
2. 前記電気スイッチ（２４、２６）が、前記支持プレート（２８）の表面と裏面にセットされることを特徴とする、請求項１に係る制御装置。
3. サイクル・コンピュータの操作制御用に形成された第３の電気スイッチ（３０）を含み、前記第３のスイッチ（３０）もまた前記支持プレート（２８）に搭載されることを特徴とする、請求項１に係る制御装置。
4. 前記ギア・レバー（３８）が揺動可能な状態で中間支持部（４０）に搭載され、この中間指示部（４０）が第１の軸（１８）の回りに揺動可能な状態でさらに前記支持ボデー（１２）に搭載されることを特徴とする、請求項１に係る制御装置。
5. 前記ギア・レバー（３８）が、前記第１の軸（１８）とほぼ直交する第２の軸（４４）の回りに揺動可能な状態で前記中間支持部（４０）に関節結合されることを特徴とする、請求項４に係る制御装置。
6. 前記ギア・レバー（３８）が、スイッチを操作するための部分と、当該ギア・レバー（３８）を前記第２の軸の回りに揺動させるための手動操作が可能な制御部分と、を各々が構成する一対のタブ（５０、５２）を有していることを特徴とする、請求項４に係る制御装置。
7. 前記電気スイッチ（２４、２６）が、前記支持ボデー（１２）によって保持される支持プレート（２８）の表面と裏面にセットされていることを特徴とする、請求項４に係る制御装置。
8. 前記ギア・レバー（３８）の揺動範囲を制限するよう形成された抑止装置（５４、５８）を含むことを特徴とする、請求項４に係る制御装置。
9. 前記支持ボデー（１２）の側壁とほぼ平行な軸の回りに揺動可能であり、前記スイッチの１つである第２のスイッチ（２６）を制御するために手動操作が可能な状態で搭載される押しボタン（３２）を含むことを特徴とする、請求項４に係る装置。

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