JP4662893B2 - 電子写真感光体の評価方法 - Google Patents
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Description
ここで、前記「フィルミング現象」とは、(1)トナー中の樹脂やワックス成分が電子写真感光体に付着する現象、(2)トナー中のシリカ粒子が電子写真感光体表面へ食い込む現象、(3)トナー中の酸化チタン粒子が電子写真感光体表面へ食い込む現象、(3)トナー中のステアリン酸亜鉛が電子写真感光体に付着する現象、(4)トナー中のステアリン酸亜鉛が変化した物質等が電子写真感光体に付着する現象、(5)紙粉、キャリア微粉、又は塵埃等の異物が電子写真感光体に付着する現象、などの総称である。
このような「フィルミング現象」は、電子写真感光体の周方向に発生することが多く、その厚みが0.1μm前後でも、スジ故障、画像流れ、黒ポチ等の画像不良が生じるおそれがあるので、フィルミング発生の評価が必要となる。
また、特許文献2では、駆動モーターの電流値の変化により、フィルミングの発生を検知している。しかし、フィルミングの発生初期や軽度なフィルミングでは、電流値の変化は僅かであり、正確なフィルミング発生の検知が困難である。
また、特許文献8及び特許文献9では、電子写真感光体のフィルミングの発生を光学的に検知している。しかし、これらの提案では、電子写真感光体は、使用に伴って表面が擦られて多くの傷が発生するため、光の反射状況が変化して、フィルミング発生を評価するのが困難である。
また、特許文献10では、感光体ドラムからの反射光をCCDカメラで捉え、感光体ドラムの表面に生じた傷、ないし感光層内部に混入した異物などを光の反射を用いて検出している。しかし、電子写真感光体の経時的な使用に伴い感光体表面が擦られて多くの傷が発生するため、この方法では、傷とフィルミングとの区別が困難である。
また、画像形成を行った使用後の電子写真感光体は、その表面に無数の細かな傷が付いている。このような傷は感光体の周方向に発生することが多く、傷が浅い場合には、再利用にまったく問題なく、評価の判定では合格とすべきである。一方、フィルミングは傷と同様に周方向に発生することが多いが、このフィルミングは電子写真感光体表面では僅かであるにもかかわらず、画像に影響が出るので評価の判定では不合格とすべきである。
また、このような検査方法を行う場合には、電子写真感光体を画像形成装置が入ったまま回収しなければならず、容積及び質量が大きいままの状態で、再生処理拠点まで運搬しなければならないという問題がある。
更に、画像形成装置の外装はプラスチック製であることが多く、フレームには鉄が使用されており、内部には電子部品を搭載したプリント基板や、レーザー光源等が入っている。このような画像形成装置を市場から回収した場合には、再生処理拠点で分解し、プラスチック、鉄、アルミニウム等の材料ごとの分別を行わなければならない。しかし、電子写真感光体が再利用可能であるか否かを判断する際に、電子写真感光体が搭載された画像形成装置を使用すると、材料ごとの分別収集が最後にならないと行えないという問題がある。
しかし、このようなプロセスカートリッジにおいても、使用時の紙詰まりやフィルミング等のトラブルによりフィルミングや傷が発生した場合には、感光層の磨耗が少ないにもかかわらず、局部的な傷やフィルミングが原因となり使用できないので、電子写真感光体が再利用できるか否かの評価が必要となる。
また、本発明は、使用後の電子写真感光体の使用可否を簡便かつ確実に評価することができ、使用可能な電子写真感光体を選別して効率よく再使用でき、省資源及び省エネルギー化に寄与することができる電子写真感光体の再使用方法を提供することを目的とする。
<1> 電子写真感光体に対し波長が200nm以上420nm以下の紫外線を照射し、該感光体から発する蛍光を測定することによって、フィルミングの発生を評価することを特徴とする電子写真感光体の評価方法である。該<1>に記載の電子写真感光体の評価方法においては、電子写真感光体に対し波長200nm以上420nm以下の紫外線を感光体に照射し、感光体が発する蛍光を測定することによって、感光体表面のフィルミングを観察するので、フィルミングが軽度の見え難いものであっても明瞭に観察することが可能であり、かつ電子写真感光体表面の傷等の影響を受けずに評価することが可能になる。
<2> 電子写真感光体から発する蛍光の測定が、目視観察である前記<1>に記載の電子写真感光体の評価方法である。該<2>に記載の電子写真感光体の評価方法においては、電子写真感光体に対し波長200nm以上420nm以下の紫外線を感光体に照射し、感光体が発する蛍光を目視観察することによって、感光体表面のフィルミングを観察するので、フィルミングが軽度の見え難いものであっても明瞭に観察することが可能であり、かつ電子写真感光体表面の傷等の影響を受けずに評価することが可能になる。
<3> 電子写真感光体から発する蛍光の測定が、画像取込手段により取得した画像の観察である前記<1>に記載の電子写真感光体の評価方法である。該<3>に記載の電子写真感光体の評価方法においては、電子写真感光体に波長200nm以上420nm以下の紫外線を感光体に照射し、感光体が発する蛍光を画像取込手段としてのカメラで測定することによって、感光体表面のフィルミングを観察するので、フィルミングが軽度の見え難いものであっても明瞭に観察することが可能であり、かつ電子写真感光体表面の傷等の影響を受けずに評価することが可能になる。
<4> 取得した画像を画像処理する前記<1>に記載の電子写真感光体の評価方法である。該<4>に記載の電子写真感光体の評価方法においては、画像取込手段により取得した画像処理することによって、フィルミングが軽度の見え難いものであっても明瞭に観察することが可能であり、かつ電子写真感光体表面の傷等の影響を受けずに評価することが可能になる。
<5> 電子写真感光体から発する蛍光の測定が、蛍光の波長に感度を有する受光素子による検知である前記<1>に記載の電子写真感光体の評価方法である。該<5>に記載の電子写真感光体の評価方法においては、電子写真感光体に対し波長200nm以上420nm以下の紫外線を照射し、感光体が発する蛍光を受光素子で検知して、感光体表面のフィルミングを観察するので、フィルミングが軽度の見え難いものであっても明瞭に観察することが可能であり、かつ電子写真感光体表面の傷等の影響を受けずに評価することが可能になる。
<6> 受光素子の分光感度のピーク波長が、450nm以上700nm以下である前記<5>に記載の電子写真感光体の評価方法である。該<6>に記載の電子写真感光体の評価方法においては、電子写真感光体に対し波長200nm以上420nm以下の紫外線を照射し、感光体が発する蛍光を感度よく検出でき、精度のよい評価が可能となる。
<7> 紫外線の照度が、電子写真感光体表面で、100μW/cm2以上1,000μW/cm2以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真感光体の評価方法である。該<7>に記載の電子写真感光体の評価方法においては、紫外線の照度が電子写真感光体の表面で100μW/cm2以上1000μW/cm2以下であるので、微弱なフィルミングであっても明瞭に観察することができ、かつ、電子写真感光体を疲労させない。
<8> 紫外線の照射時間が、照射1回当り1分間以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真感光体の評価方法である。該<8>に記載の電子写真感光体の評価方法においては、感光体への波長200nm以上420nm以下の紫外線の照射時間が照射1回当り1分間以下であるので、電子写真感光体を疲労させない。
<9> 電子写真感光体の最表面層が紫外線を照射すると蛍光を発する電荷輸送物質を30質量%以上含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載の電子写真感光体の評価方法である。該<9>に記載の電子写真感光体の評価方法においては、電子写真感光体の最表面層(例えば、保護層、電荷輸送層、感光層)が紫外線を照射すると蛍光を発する電荷輸送物質を30質量%以上含有しているので、該電子写真感光体に紫外線を照射すると蛍光を発するので、紫外線を吸収あるいは減衰するフィルミングの観察が可能になる。
<10> 電子写真感光体がプロセスカートリッジ内に搭載されている前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真感光体の評価方法である。
<11> 電子写真感光体のフィルミング発生を評価するための電子写真感光体の評価装置であって、
電子写真感光体に対し波長が200nm以上420nm以下の紫外線を照射する紫外線照射手段と、
前記電子写真感光体から発する蛍光を測定する測定手段とを少なくとも有することを特徴とする電子写真感光体の評価装置である。該<11>に記載の電子写真感光体の評価装置においては、電子写真感光体に対し波長200nm以上420nm以下の紫外線を感光体に照射し、感光体が発する蛍光を測定することによって、感光体表面のフィルミングを観察するので、フィルミングが軽度の見え難いものであっても明瞭に観察することが可能であり、かつ電子写真感光体表面の傷等の影響を受けずに評価することが可能になる。
<12> 測定手段が、電子写真感光体から発する蛍光を画像様に取り込む画像取込手段と、該画像取込手段により取得された画像を処理する画像処理手段とを有する前記<11>に記載の電子写真感光体の評価装置である。
<13> 画像処理手段が、画像処理情報からフィルミング量を算出するアルゴリズムを有する前記<12>に記載の電子写真感光体の評価装置である。該<13>に記載の電子写真感光体の評価装置においては、蛍光灯や白熱電球等の可視光で観察したのではよく見えない初期のフィルミングや軽度なフィルミングであっても、蛍光を観察することにより明瞭にフィルミングを可視化することが可能になる。更に、目視判断法のみではなく、フィルミングの定量化アルゴリズムにより、定量的にフィルミング量を把握することが可能になる。
<14> 測定手段が受光素子を有し、かつ該受光素子が電子写真感光体から発する蛍光の波長に感度を有する前記<11>に記載の電子写真感光体の評価装置である。
<15> 使用後の電子写真感光体の使用可否を評価し、使用可能な感光体を選別して再度使用する電子写真感光体の再使用方法であって、
前記電子写真感光体の使用可否の評価が、前記<1>から<10>のいずれかに記載の評価方法により行われることを特徴とする電子写真感光体の再使用方法である。該<15>に記載の電子写真感光体の再使用方法においては、使用後の電子写真感光体の表面に画像形成に伴う傷(スジ)の発生があり、フィルミングがこのスジにまぎれて検出しにくいものであっても、波長が200nm以上420nm以下の紫外線を照射し、電子写真感光体が発する蛍光を測定しているので、明確かつ精度が高い使用可否の評価を行え、再利用可能な電子写真感光体を選別することができる。
<16> 使用後の電子写真感光体が、1,000枚以上の画像形成を行った電子写真感光体である前記<15>に記載の電子写真感光体の再使用方法である。
<17> 使用後の電子写真感光体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.01〜3μmである前記<15>から<16>のいずれかに記載の電子写真感光体の再使用方法である。
<18> 電子写真感光体が少なくとも支持体を有し、かつ該支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.8μm以上である前記<15>から<17>のいずれかに記載の電子写真感光体の再使用方法である。該<18>に記載の電子写真感光体の再使用方法においては、支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.8μm以上であっても、波長が200nm以上420nm以下の紫外線を照射し、電子写真感光体が発する蛍光を測定しているので、明確かつ精度が高い使用可否の評価を行え、再利用可能な電子写真感光体を選別することができる。
<19> 電子写真感光体が、支持体上に少なくとも下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有してなり、前記下引き層が顔料を含有する前記<15>から<18>のいずれかに記載の電子写真感光体の再使用方法である。
<20> 前記<15>から<19>のいずれかに記載の電子写真感光体の再使用方法により使用可能である評価された電子写真感光体と、該電子写真感光体表面を帯電させる帯電手段、前記電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段、及び前記電子写真感光体上の残留トナーを除去するクリーニング手段から選択される少なくとも1つを有し、画像形成装置本体に着脱可能であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
<21> 前記<15>から<19>のいずれかに記載の電子写真感光体の再使用方法により使用可能であると評価された電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<22> 前記<15>から<19>のいずれかに記載の電子写真感光体の再使用方法により使用可能であると評価された電子写真感光体と、該電子写真感光体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
また、本発明は、使用後の電子写真感光体の使用可否を簡便かつ確実に評価することができ、使用可能な電子写真感光体を選別して効率よく再使用でき、省資源及び省エネルギー化に寄与することができる電子写真感光体の再使用方法を提供することができる。
本発明の電子写真感光体の評価方法は、電子写真感光体に対し波長が200nm以上420nm以下の紫外線を照射し、該感光体から発する蛍光を測定することによって、フィルミングの発生を評価する。
本発明の電子写真感光体の評価装置は、電子写真感光体に対し波長が200nm以上420nm以下の紫外線を照射する紫外線照射手段と、
前記電子写真感光体から発する蛍光を測定する測定手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
本発明の電子写真感光体の評価装置を実施すると、本発明の電子写真感光体の評価方法を実施することになる。
以下、本発明の電子写真感光体の評価方法の説明を通じて、本発明の電子写真感光体の評価装置の詳細についても明らかにする。
前記電子写真感光体表面に照射する紫外線の波長は、200nm以上420nm以下であり、240〜410nmが好ましく、240〜270nmがより好ましい。前記波長が200nm未満はいわゆる真空紫外領域であり、このような真空紫外領域では酸素による強い吸収があるため、光路を真空にするか、あるいは窒素パージして測定しなければならず、測定装置が大掛かりなものとなることがある。一方、前記波長が420nmを超えると、電子写真感光体が蛍光を発しなかったり、発したとしても蛍光がごく微弱であるので、フィルミングの検出が正確に行えないことがある。
前記紫外線ランプとしては、薄層クロマトグラフィー観察用の紫外線ランプが好適であり、例えば、株式会社トプコン製の紫外線ランプである、PU−2型(発光波長=250〜400nm)、FI−5L型(発光波長=約300〜400nm)、FI−5S型(発光波長=約254nm)などが挙げられる。
前記紫外LEDとしては、例えば、OptoSupply社製のOSSV5111A(発光ピーク波長=約400nm)、ドイツ国SANDER ELECTRONICS社製のSDL−5N3CUV−A(発光ピーク波長=約400nm)、サンケン電気株式会社製表面実装型の紫外LEDであるSECU1V0AC(発光ピーク波長=約385nm)などが挙げられる。
前記電子写真感光体から発する蛍光を測定する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)目視観察、(2)画像取込手段により取得した画像(画像処理後の画像を含む)の観察、(3)蛍光の波長に感度を有する受光素子による検知、などが挙げられる。
前記画像取込手段により取得した画像は、そのまま濃度の変化を目視観察するか、又は画像処理により画像濃度の変化を段階に分けてデジタル表示することにより明瞭にフィルミングの発生状況を判別することができる。画像処理としては、コントラスト増加、輪郭強調、フーリエ変換等の演算処理などが挙げられる。
なお、電子写真感光体が発する蛍光を一次元CCD、二次元CCD等の受光素子で撮影し、そのまま、あるいはコントラスト増加、輪郭強調、フーリエ変換等の演算処理を行うこともできる。
前記受光素子の分光感度のピーク波長は、450nm以上700nm以下が好ましく、500nm以上600nm以下がより好ましい。これは、電子写真感光体中の電荷輸送物質が紫外線を受けて出す蛍光の波長が450nm以上700nm以下であるからである。
ここで、前記透過限界波長とは、フィルターの分光透過率において透過性が72%以上となる波長値と5%以下となる波長値の間隔を波長傾斜幅といい、波長傾斜幅の中点に該当する波長を透過限界波長という。
また、前記受光素子の受光面に、JIS B7133の「写真用ガラスフィルター(シャープカット)」で定義している透過限界波長の値が440nm以上580nm以下の光学フィルターを設けることにより、光源である紫外光が受光素子に入光することを防止し、蛍光のみ入光させることが可能になる。
前記光学フィルターの材質としては、各種材質が使用可能であり、ガラス、プラスチックが使用できる。また、一般に市販されている写真用フィルターの中でゼラチン製のフィルター、トリアセチルセルロース(TRIACETYL CELLULOSE)製のフィルターなどが好適に使用可能である。
なお、前記電子写真感光体の評価装置は、暗室又は暗幕で囲った場所に置き、周囲からの光が入らないようにすると、電子写真感光体が発する蛍光を明瞭に検出できる。
前記電子写真感光体がベルト形状である場合には、該ベルト状感光体を一定方向に回転させながら紫外線を照射して、評価を行うことが好ましい。
前記電子写真感光体が、プロセスカートリッジ内に装着された状態で評価されることが利便性の点から好ましい。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明で用いられる電子写真感光体は、その最表面層が、紫外線を照射すると蛍光を発する電荷輸送物質を30質量%以上含有すれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、支持体上に少なくとも感光層を有してなり、該感光層は単層構造であっても、積層構造であってもよいが、機能分離型の積層構造がより好ましい。
前記電荷輸送物質の含有量が30質量%未満であると、紫外線を照射しても明瞭な蛍光を発しないので、フィルミングの評価が困難となることがあり、60質量%を超えると、充分な蛍光を発するが、最表面層の硬度が低くなり、耐摩耗性が低下することがある。
前記電子輸送物質としては、例えば、クロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
図1Aは、支持体11上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層12と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層13とが順次積層された構造からなる電子写真感光体である。
図1Bは、支持体11上に、下引き層14が形成され、該下引き層上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層12と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層13とが順次積層された構造からなる電子写真感光体である。
図1Cは、支持体11上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層12と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層13と、保護層15とが順次積層された構造からなる電子写真感光体である。
図1Dは、支持体11上に、下引き層14が形成され、該下引き層上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層12と、電荷輸送物質を主成分とする電荷輸送層13と、保護層15とが順次積層された構造からなる電子写真感光体である。
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(1)アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、(2)アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレス等の板、又はそれらを押し出し、引き抜き等の工法で素管化した後、切削、超仕上げ、研摩等の表面処理を施した管、(3)特開昭52−36016号公報に記載されているエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルト、(4)厚み50〜150μmのニッケル箔、あるいは厚み50〜150μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの表面にアルミニウム蒸着等の導電加工を行ったもの、などが挙げられる。
前記導電性粉体としては、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック;アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀等の金属粉;導電性酸化スズ、ITO等の金属酸化物粉体などが挙げられる。
前記結着樹脂としては、例えばポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などが挙げられる。
前記溶剤としては、例えばテトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。
前記積層型感光層は、電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有し、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
前記電荷発生層は、少なくとも電荷発生物質を含有してなり、バインダー樹脂、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
これらの中でも、フタロシアニン系顔料が好ましく、チタニルフタロシアニンがより好ましく、CuKαの特性X線(波長1.541Å)に対するブラッグ角2θの最大回折ピークが27.2±0.2°にあるチタニルフタロシアニンは、高感度材料として特に好ましい。
前者の真空薄膜法としては、例えばグロー放電重合法、真空蒸着法、CVD法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング法、加速イオンインジェクション法等が挙げられる。この真空薄膜法には、上述した無機系材料又は有機系材料が好適に用いられる。
また、後者のキャスティング法によって電荷発生層を設けるには、電荷発生層塗工液を浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法などで塗布することにより形成することができる。
これらの中でも、沸点が40〜80℃のテトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、ジクロロメタン、メタノール、エタノールは、塗工後の乾燥が容易であることから特に好適である。
前記電荷発生層塗工液は、上記有機溶媒中に前記電荷発生物質と、バインダー樹脂を分散、溶解して製造する。有機顔料を有機溶媒に分散する方法としては、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどの分散メディアを用いた分散方法、高速液衝突分散方法などが挙げられる。
前記電荷発生層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜5μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。
前記電荷輸送層は帯電電荷を保持させ、かつ露光により電荷発生層で発生分離した電荷を移動させて保持していた帯電電荷と結合させることを目的とする層である。帯電電荷を保持させる目的を達成するためには、電気抵抗が高いことが要求される。また、保持していた帯電電荷で高い表面電位を得る目的を達成するためには、誘電率が小さく、かつ電荷移動性がよいことが要求される。
(a)カルバゾール環を有する重合体としては、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、特開昭50−82056号公報、特開昭54−9632号公報、特開昭54−11737号公報、特開平4−175337号公報、特開平4−183719号公報、特開平6−234841号公報に記載の化合物などが挙げられる。
(b)ヒドラゾン構造を有する重合体としては、例えば、特開昭57−78402号公報、特開昭61−20953号公報、特開昭61−296358号公報、特開平1−134456号公報、特開平1−179164号公報、特開平3−180851号公報、特開平3−180852号公報、特開平3−50555号公報、特開平5−310904号公報、特開平6−234840号公報に記載の化合物などが挙げられる。
(c)ポリシリレン重合体としては、例えば、特開昭63−285552号公報、特開平1−88461号公報、特開平4−264130号公報、特開平4−264131号公報、特開平4−264132号公報、特開平4−264133号公報、特開平4−289867号公報に記載の化合物などが挙げられる。
(d)トリアリールアミン構造を有する重合体としては、例えば、N,N−ビス(4−メチルフェニル)−4−アミノポリスチレン、特開平1−134457号公報、特開平2−282264号公報、特開平2−304456号公報、特開平4−133065号公報、特開平4−133066号公報、特開平5−40350号公報、特開平5−202135号公報に記載の化合物などが挙げられる。
(e)その他の重合体としては、例えば、ニトロピレンのホルムアルデヒド縮重合体、特開昭51−73888号公報、特開昭56−150749号公報、特開平6−234836号公報、特開平6−234837号公報に記載の化合物などが挙げられる。
なお、前記電荷輸送層は、架橋性のバインダー樹脂と架橋性の電荷輸送物質との共重合体を含むこともできる。
前記電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。前記含有量が30質量%未満であると、感光体へのレーザー書き込みにおけるパルス光露光において、高速電子写真プロセスでの十分な光減衰時間が得られないことがある。
前記電荷輸送層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜30μmが好ましい。
前記単層型感光層は、電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂を含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含んでなる。
前記電荷発生物質、電荷輸送物質、及びバインダー樹脂としては、上述した積層型感光層と同様な材料を用いることができる。前記その他の成分としては、例えば、可塑剤、微粒子、各種添加剤、などが挙げられる。なお、前記単層型感光層が最表面層となる場合には、正孔輸送物質、電子輸送物質等の低分子型の電荷輸送物質としては、最表面層と同様のものを用いることができる。
前記単層型感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。前記厚みが5μm未満であると、帯電性が低下することがあり、100μmを超えると、感度の低下をもたらすことがある。
前記電子写真感光体では、最表面層として、前記感光層の保護及び耐久性の向上を目的として、保護層を感光層の上に形成することができる。前記保護層には、上記最表面層における紫外線照射により蛍光を発する低分子型の電荷輸送物質を添加することが極めて有効であり、その添加量は、30質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。これにより、露光に対する特性を向上させることができる。
前記バインダー樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、塩素化ポリエーテル樹脂、アリル樹脂、フェノール樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、AS樹脂、AB樹脂、BS樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記保護層に添加されるフィラーの含有量は、10〜40質量%が好ましく、20〜30質量%がより好ましい。前記フィラーの含有量が10質量%未満であると、摩耗が大きく、耐久性に劣り、40質量%を超えると、露光時における明部電位の上昇が著しくなって、感度低下が無視できなくなるので好ましく。前記フィラーの平均1次粒径は0.3〜1.2μmが好ましく、0.3〜0.7μmがより好ましい。前記粒径が0.3μm未満であると、耐摩耗性が充分でないことがあり、1.2μmを超えると、書き込み光を散乱させることがある。
前記保護層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレー塗工法、リング塗工法等が採用される。前記保護層の厚みは、0.1〜10μmが好ましく、4〜6μmがより好ましい。
前記支持体と前記感光層との間には、必要に応じて、下引き層を設けてもよい。前記下引き層は、接着性を向上する、モアレなどを防止する、上層の塗工性を改良する、残留電位を低減するなどの目的で設けられる。
前記樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂;共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂;ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の三次元網目構造を形成する熱硬化型樹脂、などが挙げられる。
前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物、金属硫化物、又は金属窒化物などが挙げられる。
前記下引き層の厚みについては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。
前記酸化防止剤として、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、などが挙げられる。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミンなどが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノンなどが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネートなどが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィンなどが挙げられる。
これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、添加する層の総質量に対して0.01〜10質量%が好ましい。
また、光源の照射光によって蛍光を発光する物質は、電子写真感光体表面に塗布されていてもよい。即ち、電子写真感光体の表面にフィルミングが発生すると、電子写真感光体に光源によって照射した場合に照射光は電子写真感光体表面に発生したフィルミング部で吸収あるいは減衰遮光され、フィルミング部のみが、単層構造の感光層、電荷輸送層、又は保護層中の電荷輸送物質に到達する照射光の光量が減り、その結果、電子写真感光体が発光する蛍光も減少する。
電子写真感光体1表面に対し光源3から照射された光4は、電子写真感光体1表面に付着物等の吸収及び遮光されるものがないので電子写真感光体1表面から蛍光が発光される。
また、図2Bは、電子写真感光体1の表面にフィルミングが発生した場合を示す模式図である。
電子写真感光体1表面に対し光源3から照射された光4は、フィルミング部50によって吸収あるいは遮光されるため、電子写真感光体1表面から照射光及び蛍光の発光を妨げる。フィルミングの増大に伴って、蛍光発光量が減少し、画像明度が低くなり、暗いフィルミング部として可視化されることになる。
従って、電子写真感光体から発光される蛍光の強度を検出することにより、フィルミングの発生を把握することが可能になり、反射光で観察したのではよく見えない初期のフィルミングや軽度なフィルミングであっても、感光体から発する蛍光を観察することにより明瞭に付着物を把握することが可能になる。
図4は、本発明の第1形態に係る電子写真感光体の評価方法を実施する様子の一例を示す図である。図4中1は、電子写真感光体であり、該電子写真感光体1の両端は、保持機構2a,2bで保持され、かつ回転可能になっている。電子写真感光体1の回転は手動であってもよく、あるいはモーター等の動力源によってもよい。
図4の電子写真感光体1はドラム状であるが、その他の形状であってもよく、例えばベルト状、シート状などが挙げられる。
図4中3は、紫外線光源であり、該紫外線光源は移動機構5の作動によって電子写真感光体1の軸方向に沿って移動可能になっている。
図4中4は、紫外線光源3からの光路であり、紫外線光源3から出た光は、電子写真感光体1に当って、蛍光を発するので、これを目視観察する。なお、図4では、紫外線光源3は1個であるが、複数個であってもよい。
紫外線光源3の波長は、200〜420nmが好ましく、240〜270nmがより好ましい。
前記紫外線の照度は、電子写真感光体の表面において、100μW/cm2以上1,000μW/cm2以下が好ましく、200μW/cm2以上700μW/cm2以下がより好ましい。
前記電子写真感光体への波長200nm以上420nm以下の紫外線の照射時間は1回当り1分間以下が好ましく、30秒間以下がより好ましく、5秒間以下がより好ましい。
前記紫外線光源3としては、例えば、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、高圧水銀ランプ、発光ダイオード(LED)などが使用可能である。
なお、図4では、プロセスカートリッジから取り出した電子写真感光体ドラム1のフィルミングの発生及び付着物を観察しているが、電子写真感光体がプロセスカートリッジに搭載された状態で、電子写真感光体の一部が見えるような部分を観察してもよい。
図5は、本発明の第2実施形態に係る電子写真感光体の評価装置の一例を示す図である。図5において、1は電子写真感光体であり、該電子写真感光体1の両端は保持機構2a,2bで保持されかつ回転可能になっている。電子写真感光体1の回転は手動でもよく、あるいはモーター等の動力源によってもよい。
図5の電子写真感光体1はドラム状であるが、その他の形状であってもよく、例えばベルト状、シート状などが挙げられる。
図5中3は、紫外線光源であり、該紫外線光源は移動機構5の作動によって電子写真感光体1の軸方向に沿って移動可能になっている。
図5中4は、紫外線光源3からの光路であり、紫外線光源3から出た光は、電子写真感光体に当って、電子写真感光体は蛍光を出す。電子写真感光体から出た蛍光を画像取込手段6で観察記録する。なお、図5では、紫外線光源3は1個であるが、複数個であってもよい。
前記画像取込手段6としては、各種カメラが使用可能であり、例えば、一般の銀塩写真フィルムを使用するカメラ以外に、いわゆるCCD、又はC−MOSを撮像デバイスとしたデジタルカメラを使用してもよく、あるいは二次元のラインセンサでもよい。
紫外線光源3の波長は、200〜420nmが好ましく、240〜270nmがより好ましい。
紫外線の照度は、電子写真感光体の表面において、100μW/cm2以上1,000μW/cm2以下が好ましく、200μW/cm2以上700μW/cm2以下がより好ましい。
また、感光体への波長200nm以上420nm以下の紫外線の照射時間が1回当り1分間以下が好ましく、30秒間以下がより好ましく、5秒間以下が更に好ましい。
紫外線光源としては、例えば、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、高圧水銀ランプ、発光ダイオード(LED)等が使用可能である。
なお、図5では、プロセスカートリッジから取り出した電子写真感光体ドラム1のフィルミングの発生及び付着物を観察しているが、電子写真感光体がプロセスカートリッジに搭載された状態で、電子写真感光体の一部が見えるような部分を観察してもよい。
図6は、本発明の第3実施形態に係る電子写真感光体の評価装置の一例を示す図である。図6において、1は電子写真感光体であり、該電子写真感光体1の両端は保持機構2a、2bで保持されかつ回転可能になっている。電子写真感光体1の回転は手動でもよく、あるいはモーター等の動力源によってもよい。
図6中7aは紫外線光源、7bは紫外線光源への電源あるいは紫外線光路である。8aは受光素子、8bは受光素子からの信号を伝えるケーブルである。これらは、移動機構5によって電子写真感光体1の軸方向に沿って移動可能になっている。
紫外線光源3の波長は、200〜420nmが好ましく、240〜270nmがより好ましい。
紫外線の照度は、電子写真感光体の表面において、100μW/cm2以上1,000μW/cm2以下が好ましく、200μW/cm2以上700μW/cm2以下がより好ましい。
感光体への波長200nm以上420nm以下の紫外線の照射時間が1回当り1分間以下が好ましく、30秒間以下がより好ましく、5秒間以下が更に好ましい。
前記紫外線光源7aとしては、例えば、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、高圧水銀ランプ、発光ダイオード(LED)等が挙げられる。
また、受光素子8aとしては、電子写真感光体が出す蛍光の波長に感度が有る受光素子であればよく、例えばフォトダイオード、フォトトランジスタ、CCDセンサ、C−MOSセンサ等が使用可能である。
なお、図6では、プロセスカートリッジから取り出した電子写真感光体ドラム1のフィルミングの発生及び付着物を観察しているが、電子写真感光体がプロセスカートリッジに搭載された状態で、電子写真感光体の一部が見えるような部分を観察してもよい。
図7は、本発明の第4実施形態に係る電子写真感光体の評価装置の一例を示す図である。図7において、1は電子写真感光体であり、該電子写真感光体1の両端は保持機構2a,2bで保持されかつ回転可能になっている。電子写真感光体1の回転は手動でもよく、あるいはモーター等の動力源によってもよい。
図7の電子写真感光体1はドラム状であるが、その他の形状であってもよく、例えばベルト状、シート状などが挙げられる。
図7中3は、紫外線光源であり、該紫外線光源は移動機構5の作動によって電子写真感光体1の軸方向に沿って移動可能になっている。なお、図7では紫外線光源3は1個であるが、複数個であってもよい。
図7中4は、紫外線光源3からの光路であり、紫外線光源3から出た光は、電子写真感光体1に当り、電子写真感光体表面あるいは内部に含まれている発光物質から蛍光が発せられる。電子写真感光体から出た蛍光は画像取込手段6に取り込まれて、画像データが得られる。この画像データを画像処理手段9で処理して電子写真感光体表面上のフィルミング部と、非フィルミング部(感光体地肌部)との光量差を検出する。画像処理手段9は、検出された感光体の長手方向の変動分布をフィルミング量として算出するアルゴリズムを有している。
前記画像取込手段6としては、各種カメラが使用可能であり、例えば、一般の銀塩フィルムを使用するカメラ以外に、いわゆるCCD、又はC−MOSを撮像デバイスとしたデジタルカメラを使用してもよく、又は二次元のラインセンサでもよい。
紫外線光源3の波長は、200〜420nmが好ましく、240〜270nmがより好ましい。
紫外線の照度は、電子写真感光体の表面において、100μW/cm2以上1,000μW/cm2以下が好ましく、200μW/cm2以上700μW/cm2以下がより好ましい。
また、感光体への波長200nm以上420nm以下の紫外線の照射時間が1回当り1分間以下が好ましく、30秒間以下がより好ましく、5秒間以下が更に好ましい。
紫外線光源としては、例えば水銀ランプ、水銀キセノンランプ、高圧水銀ランプ、発光ダイオード(LED)等が使用可能である。
なお、図7では、プロセスカートリッジから取り出した電子写真感光体ドラム1のフィルミングの発生及び付着物を観察しているが、電子写真感光体がプロセスカートリッジに搭載された状態で、電子写真感光体の一部が見えるような部分を観察してもよい。
図8中51aが付着物により電子写真感光体1表面から蛍光発光が遮光されている部分であり、黒スジ状に見えているところがフィルミング部である。51bが電子写真感光体1表面から蛍光発光される発光部分で非フィルミング部(感光体地肌部)である。画像の横方向が電子写真感光体の長手方向(軸方向)であり、画像の縦方向が電子写真感光体の周方向である。この図8の画像から、電子写真感光体表面のフィルミング部51aは、感光体表面の周方向に伸びて黒スジ状に発生していることがわかる。
まず、画像取込手段6により取得された画像の各画素について、R(レッド)画像データ、G(グリーン)画像データ、及びB(ブルー)画像データの物理量に変換し、全画素のRGB画像データの物理量を求める。次に、電子写真感光体表面のフィルミング部は、感光体表面の周方向に伸びて黒スジ状に発生していることから、Y方向(感光体周方向)のRGB画像信号データを積和し、X方向(感光体長手方向)の全画素数に対して周方向の積和値の平均値を算出し、数値化する。
まず、画像取込手段6から画像を取得する(S101)。次に、取得した画像から全画素について、R(レッド)画像データ変換部、G(グリーン)画像データ変換部、及びB(ブルー)画像データ変換部により各画素のRGB画像データの物理量に変換する(S102)。次に、画像のX方向(感光体長手方向)に対する全画素数のY方向(感光体周方向)の画像データ信号の積和値を求め、その平均を算出する(S103)。次に、図10Bに示す基準感光体(感光体地肌部)の画像データと、図10Aに示す画像データのX方向(感光体長手方向)の差分値を算出する(S104)。次に、前記差分値算出により画像データの感光体表面上からの光量変動が求まる。その変動データを用いてフィルミング量を算出する(S105)。その結果、感光体表面から発光される光を用いて、電子写真感光体の付着物を検出し、フィルミング量を定量値化できる。
この図10Aにおいて、X軸は感光体の長手方向であり、Y軸は感光体の周方向の画像信号の積和値の平均である。51aがフィルミング部、51bが非フィルミング部であり、電子写真感光体1表面上のフィルミング部に対応して、画像の光量変動が捉えられていることがわかる。
この図10Bによれば、X軸は、感光体長手方向であり、Y軸は感光体周方向の画像信号の積和値の平均である。基準感光体(感光体地肌部)の画像データであるのでフィルミング部はなく、画像の光量変動がなく、感光体長手方向の分布結果がフラットであることがわかる。
また、図11Bは、フィルミング量を感光体表面上のフィルミング部51aの面積Sとして求めたものである。
本発明の電子写真感光体の再使用方法は、使用後の電子写真感光体の使用可否を評価し、使用可能な感光体を選別して再度使用し、
前記電子写真感光体の使用可否の評価が、本発明の前記電子写真感光体の評価方法により行われる。
本発明の電子写真感光体の再使用方法によれば、電子写真感光体を使用後であっても充分に使用可能な電子写真感光体を再使用することができるので、省資源及び省エネルギーの点で優れている。
また、前記使用後の電子写真感光体の十点平均表面粗さ(Rz)は0.01〜3μmが好ましく、0.1〜3μmがより好ましい。このような使用後の電子写真感光体には表面にたくさんの傷(スジ)が生じており、フィルミングの発生が傷(スジ)にまぎれて検出しにくいが、本発明の電子写真感光体の評価方法によれば、明確かつ精度が高い検査が可能になり、使用可否の判断が容易に行える。
ここで、前記十点平均表面粗さ(Rz)は、JIS B0601−1994に準拠した表面粗さ計を用いて測定することができる。
前記電子写真感光体は、支持体上に少なくとも下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有してなり、前記下引き層が顔料を含有する態様が好ましい。前記下引き層における顔料の含有量は10質量%以下が好ましい。このように下引き層における顔料の含有量が10質量%以下であっても、支持体の加工跡の影響を受けず、明確かつ精度が高い評価が可能になる。
<第一実施態様>
図15Aは、支持体11上に、電荷発生物質と必要に応じてバインダー樹脂を含有する電荷発生層12と、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有する電荷輸送層13とが、順次積層された構成をとっている。この電子写真感光体は、1,000枚以上の画像形成を行うことによって、電荷輸送層13の表面に電子写真感光体の周方向に僅かであるが浅い傷が発生している。この傷の発生原因は主に、クリーニングブレードやクリーニングブラシとの接触であり、JIS B0601−1994に準拠した表面粗さ計を用いて十点表面粗さ(Rz)を測定すると0.1μm以下である。
従って、蛍光18のムラの状態を観察することによって、付着物50の存在状態を微量であっても検出することが可能であり、電荷輸送層13の表面状態の如何にかかわらず、検出することが可能になる。なお、付着物50は微小量であり、かつ透明なので、蛍光灯や白熱電球のような可視光では、電荷輸送層13の表面の凹凸と区別できず、検出が困難である。
図15Bでは、支持体11上に下引き層14が形成され、該下引き層上に電荷発生物質と必要に応じバインダー樹脂からなる電荷発生層12、更にその上に、電荷輸送物質とバインダー樹脂を主成分とする電荷輸送層13が、順次積層された構成をとっている。電荷輸送層13は1,000枚以上の画像形成によって、その表面に電子写真感光体の周方向に僅かではあるが浅い傷が発生している。この傷の発生原因は主に、クリーニングブレードやクリーニングブラシとの接触であり、JIS B0601−1994に準拠した表面粗さ計で十点平均表面粗さ(Rz)を測定すると0.1μm以下である。
従って、蛍光18のムラの状態を観察することによって、付着物50の存在状態を微量であっても検出することが可能であるばかりではなく、電荷輸送層13の表面状態の如何にかかわらず、検出することが可能になる。なお、付着物50は微小量であり、かつ透明なので、蛍光灯や白熱電球のような可視光では、電荷輸送層13の表面の凹凸と区別できず、検出が困難である。
図15Cは、支持体11上に、電荷発生物質と必要に応じてバインダー樹脂を含有する電荷発生層12と、電荷輸送物質とバインダー樹脂を含有する電荷輸送層13と、保護層15とが、順次積層された構成をとっている。この電子写真感光体は、1,000枚以上の画像形成を行うことによって、保護層15の表面に電子写真感光体の周方向に僅かであるが浅い傷が発生している。この傷の発生原因は主に、クリーニングブレードやクリーニングブラシとの接触であり、JIS B0601−1994に準拠した表面粗さ計で十点表面粗さ(Rz)を測定すると0.1μm以下である。
従って、蛍光18のムラの状態を観察することによって、付着物50の存在状態を微量であっても検出することが可能であり、保護層15の表面状態の如何にかかわらず、検出することが可能になる。なお、付着物50は微小量であり、かつ透明なので、蛍光灯や白熱電球のような可視光では、保護層15の表面の凹凸と区別できず、検出が困難である。
図15Dでは、支持体11上に下引き層4が形成され、更にその上に電荷発生物質と必要に応じバインダー樹脂からなる電荷発生層12と、電荷輸送物質とバインダー樹脂を主成分とする電荷輸送層13と、保護層5とが、順次積層された構成をとっている。保護層15は1,000枚以上の画像形成によって、その表面に電子写真感光体の周方向に僅かであるが浅い傷が発生している。この傷の発生原因は主に、クリーニングブレードやクリーニングブラシとの接触であり、JIS B0601−1994に準拠した表面粗さ計で表面粗さを測定すると0.1μm以下である。
従って、蛍光18のムラの状態を観察することによって、付着物50の存在状態を微量であっても検出することが可能であり、保護層15の表面状態の如何にかかわらず、検出することが可能になる。なお、付着物50は微小量であり、かつ透明なので、蛍光灯や白熱電球のような可視光では、保護層15の表面の凹凸と区別できず、検出が困難である。
前記第五実施態様の電子写真感光体は、支持体上に少なくとも下引き層、電荷発生層、及び電荷輸送層をこの順に有してなり、前記下引き層が顔料を含有する。
前記顔料の前記下引き層における含有量は10質量%以下が好ましい。前記含有量が10質量%以下であっても、支持体の加工跡の影響を受けず、明確かつ精度が高い検査が可能になる。前記顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、有機顔料又は無機顔料が挙げられる。
前記下引き層の顔料の含有量が10質量%以下であると、下引き層は透明か、あるいは半透明であり、表面から電子写真感光体を観察すると、支持体の加工痕が見え、電子写真感光体表面の付着物を検査しようとしても、該加工痕とまぎれて検出し難いという問題がある。
しかし、このような下引き層を有する構成であっても、電子写真感光体に、紫外線を照射すると、付着物が無く、電荷輸送層に到達した紫外線は、電荷輸送層中の電荷輸送物質に蛍光発光を生じさせる。しかし、表面に付着物が有ると、紫外線は付着物によって遮られ、電荷輸送層に到達せず、蛍光を発光することがなく、付着物を検出できる。
したがって、蛍光のムラの状態を観察することによって、付着物の存在状態を微量であっても検出することが可能であるばかりではなく、下引き層の顔料含有量の如何にかかわらず、検出することが可能になる。ここで、付着物は微小量であり、かつ透明なので、蛍光灯や白熱電球のような可視光では、支持体の表面の凹凸と区別できず、検出が困難である。
前記第六実施態様の電子写真感光体は、該電子写真感光体に対し波長200〜420nmの紫外線を照射し、該電子写真感光体が発する蛍光のムラを測定することによって、支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.8μm以上であり、更に電荷輸送層が透明なため、支持体の切削加工跡が見えて、可視光ではフィルミング等との区別が困難であっても、該電子写真感光体の使用可否の判断が可能になる。
多くの場合、電子写真感光体の支持体は旋盤を使用した切削加工法で製造されており、この加工法で作製された支持体の表面には周方向に細かな凹凸が発生する。このような周方向に細かな凹凸のある支持体上に直接電荷発生層を形成し、更にその上に電荷輸送層を形成した場合、支持体の表面粗さが大きいと、電子写真感光層を形成した後でも、電子写真感光体の表面を観察すると、透明な電荷輸送層を通して電荷発生層及び支持体が見え、これは周方向に僅かであるがスジ状となっており、このような場合も電子写真感光体表面に周方向に発生するトナーフィルミングの存在を発見するのは困難である。
このような電子写真感光体の表面にトナーフィルミング等の付着物50が付着した場合、これを可視光で観察しても、切削加工等で形成された支持体の十点平均表面粗さ(Rz)が0.8μm以上であり、更に電荷輸送層が透明なため、この切削加工跡が見えて、フィルミング等との区別が困難である。
したがって、蛍光18のムラの状態を観察することによって、付着物50の存在状態を微量であっても検出することが可能であるばかりではなく、支持体11の表面粗さの如何にかかわらず、検出することが可能になる。ここで、付着物50は微小量であり、かつ透明なので、蛍光灯や白熱電球のような可視光では、支持体11の表面の凹凸と区別できず、検出が困難である。
なお、図17A及び17Bは保護層の無い電子写真感光体の層構成を示しているが、保護層が有っても同様な効果が有る。また、図17A及び17Bでは電荷輸送層13の表面が画像形成により多数のスジのある電子写真感光体を示しているが、電子写真感光体が未使用で表面に傷やスジのないものでも、本発明の効果は発現する。
本発明の画像形成装置は、本発明の電子写真感光体の再使用方法により使用可能と判断された電子写真感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記静電潜像形成工程は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記電子写真感光体としては、本発明の電子写真感光体の再使用方法により使用可能と判断された電子写真感光体を用いる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記帯電器としては、上記のような接触式の帯電器に限定されるものではないが、帯電器から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電器が特に好ましい。
前記帯電器が電子写真感光体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって電子写真感光体表面を帯電するものが好ましい。
また、帯電器が、電子写真感光体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって電子写真感光体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナー乃至前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、前記トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像に該トナー乃至該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間記録媒体を用い、該中間記録媒体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間記録媒体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間記録媒体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の記録媒体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組み合わせ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体上に残留する前記電子写真トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
この画像形成装置は、本発明の電子写真感光体の再使用方法により使用可能であると評価された電子写真感光体61を中心として、帯電装置62、露光装置63、現像装置64、転写装置65、クリーニング装置67、及び定着装置68を備えている。
帯電装置62は、電子写真感光体61に電荷を与えるための、接触帯電、非接触帯電、コロナ帯電方式のいずれかを用いることができる。
露光装置63は、原稿をCCD(電荷結合素子)で読みとり、帯電後の感光体に静電潜像である静電コントラストを形成するためのLD素子、又はLEDアレイを光源とする。
現像装置64は、静電潜像を現像するための一成分現像剤である磁性トナー又は2成分現像剤であるトナーとキャリアとからなる現像剤が、投入されたバイアスを印加された磁気ブラシ方式の現像装置である。
転写装置65は、感光体上のトナー像をコピー用紙に転写するためのトナーとは逆極性の電圧を印加し、トナー像を転写する。
クリーニング装置67は、感光体上の残留粉体を清掃するための、クリーニングブレード72単体で構成されるか、更には直毛状又はループ状のクリーニングブラシ71を併用して構成される。
定着装置68は、トナー像をハードコピー化するためのヒーターを有する。なお、図18中69は普通紙等の記録媒体、66は、電子写真感光体61と記録媒体69を静電的に引き離すための分離装置である。
静電潜像は現像装置64によってトナー像として可視像化され、かかるトナー像は、転写装置65の作用により、普通紙等の記録媒体に転写される。この転写の後、感光体61の表面にはトナーが残留付着しているので、クリーニング装置67内のクリーニングブラシ71及びクリーニングブレード72などによって、その表面から掻き取り除去される。このように一連の画像形成動作が繰り返し行われることになる。
ここで、画像形成動作(コピー動作)を繰り返し実行するうちに感光体61の経時使用に伴い感光体61上には次第に「フィルミング物質」が形成される。この「フィルミング物質」は経時的に蓄層され、進行すると次第に画像品質の悪化を招くことになり、感光体の交換が必要になる。この場合、使用後の電子写真感光体の使用可否を本発明の電子写真感光体の評価方法により評価することによって、使用可能なものは再使用できるので、省資源及び省エネルギー化に寄与することができる。
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の電子写真感光体の再使用方法により使用可能と判断された電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段及び除電手段から選択される少なくとも一つの手段を有し、更に必要に応じてその他の手段を有してなり、画像形成装置本体に着脱可能である。
次に、図19に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、電子写真感光体101は、図中矢印方向に回転しながら、帯電装置102による帯電、露光装置(不図示)による露光103により、その表面の露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置104で現像され、得られた可視像は転写装置106により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、転写後の電子写真感光体表面は、クリーニング装置107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
<電子写真感光体の作製>
外径30mm、内径28mm、長さ340mmのJIS規格A3100アルミニウム合金製円筒体を脱脂洗浄した後、下記の組成からなる下引き層塗工液を浸漬塗工法で塗布した。次いで、150℃で15分間加熱し、熱硬化させて、アルミニウム合金製支持体上に、厚み3μmの下引き層を形成した。
−下引き層塗工液の組成−
・酸化チタン・・・20質量部
・アルキッド樹脂・・・10質量部
・メラミン樹脂・・・10質量部
・メチルエチルケトン・・・60質量部
−電荷発生層塗工液の組成−
・ブチラール樹脂(UCC社製、XYHL)・・・1質量部
・下記構造式で表されるジスアゾ化合物・・・9質量部
・テトラヒドロフラン(THF)・・・30質量部
・ポリカーボネート樹脂(TS2050、帝人化成株式会社製、粘度平均分子量=5万)・・・10質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質(波長200〜420nmの紫外線の照射により蛍光を発する)・・・10質量部
次に、作製した電子写真感光体の両端にフランジを取り付け、これを画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color 8000)に搭載して、A4サイズ画像3,000枚を印字した。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置から取り出し、暗室内に設置した図4に示す評価装置に取り付け、照明を消し、波長254nmの紫外線光を照射して、電子写真感光体から発する蛍光を目視観察したところ、フィルミングを明瞭に確認することができた。
この実施例1において、紫外線光源としては、米国UVP社製のCompact UV Lamp UVG−15型を使用し、紫外線光源と電子写真感光体との距離は15cmとした。
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、該感光体を用いてA4サイズ画像3,000枚の印字を行った。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置から取り出し、該電子写真感光体の表面を、蛍光灯下で目視観察したが、フィルミングの発生の程度がごく軽度であるため、フィルミングの確認が困難であった。
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、該感光体を用いて実施例1と同様にしてA4サイズ画像3,000枚の印字を行った。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置から取り出し、暗室内に設置した図5に示す評価装置に搭載し、米国UVP社製Compact UV Lamp UVG−15型で波長254nmの紫外線を照射して、電子写真感光体から発する蛍光を、デジタルカメラ(株式会社リコー製、Caplio G3)で撮影した。結果を図13に示す。なお、図13の原画像はカラー(グリーン画像)であるが、ここでは白黒画像に変換したものを示している。
図13において、写真の横方向は電子写真感光体の軸方向30mmを観察した結果である。また、図14は、図13における画像濃度の変化を256段階でデジタル化した結果を示す図である。図13及び図14の結果から、フィルミングの発生状況を仔細に観察記録できることがわかる。
実施例1において、電荷輸送層塗工液中の電荷輸送物質を、下記構造式で表される電荷輸送物質(波長200〜420nmの紫外線の照射により蛍光を発する)に変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置から取り出し、暗室内に設置した図4に示す評価装置に搭載し、照明を消して、波長254nmの紫外線光を照射し、電子写真感光体から発する蛍光を観察したところ、フィルミングを明瞭に観察することができた。
この実施例3において、紫外線光源としては米国UVP社製のCompact UV Lamp UVG−15型を使用し、紫外線光源と電子写真感光体の距離は15cmとした。
実施例3と同様にして電子写真感光体を作製し、該感光体を用いてA4サイズ画像3,000枚の印字を行った。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置から取り出し、該電子写真感光体の表面を、蛍光灯下で目視観察したが、フィルミングの発生の程度がごく軽度であるため、フィルミングの確認が困難であった。
実施例1で作製した電子写真感光体の表面に、下記の組成の保護層塗工液をスプレー塗工し、120℃で20分間の乾燥を行って、厚み3μmの保護層を形成した。
−保護層塗工液の組成−
・ポリカーボネート樹脂(TS2050、帝人化成株式会社製、粘度平均分子量=5万)・・・10質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質(波長200〜420nmの紫外線の照射により蛍光を発する)・・・7質量部
・シクロヘキサノン・・・500質量部
・テトラヒドロフラン・・・150質量部
次に、作製した電子写真感光体を、画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color 8000)に搭載し、A4サイズ画像3,000枚を印字した。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置から取り出し、暗室内に設置した図4に示す評価装置に搭載し、照明を消して、波長365nmの紫外線光を照射し、電子写真感光体から発する蛍光を観察したところ、フィルミングを明瞭に観察することができた。
この実施例4において、紫外線光源としては、米国UVP社製のCompact UV Lamp UVG−15型を使用し、紫外線光源と電子写真感光体の距離は15cmとした。
実施例4と同様にして電子写真感光体を作製し、該感光体を用いてA4サイズ画像3,000枚の印字を行った。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置から取り出し、該電子写真感光体の表面を、蛍光灯下で目視観察したが、フィルミングの発生の程度がごく軽度であるため、フィルミングの確認が困難であった。
実施例1と同様にして電子写真感光体を作製し、該感光体を用いてA4サイズ画像3,000枚の印字を行った。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置から取り出し、暗室内に設置した図6に示す評価装置に搭載し、フィルミングの観察を行った。
この実施例5において、紫外線光源7aとしては、OptoSupply社製のピーク波長400nmのLEDであるOSS5111Aを使用し、受光素子8aとしては株式会社東芝製のフォトトランジスタ TPS601Aを使用した。
そして、紫外線光源7aと受光素子8aを電子写真感光体の軸方向に20mm/秒の速度で移動させ、受光素子8aが受光する光量を測定した。
その結果、目視によりフィルミングが存在する領域の受光光量は低く、フィルミングの無い部分、あるいは少ない部分の受光光量は多いことが確認でき、フィルミングの発生を検出できることが判った。
<電子写真感光体の作製>
抽伸加工によって作製した外径30.5mm、長さ340mmのアルミニウム製円筒体の表面を切削加工し、外径30mm、内径28.5mm、長さ340mm、十点平均表面粗さ(Rz)が1.1μmのアルミニウム製支持体を用意した。
次に、下記組成の下引き層塗工液を調製し、上記アルミニウム製支持体に浸漬塗工を行った後、120℃で20分間乾燥し、厚み3.0μmの下引き層を形成した。
−下引き層塗工液の組成−
・アルキッド樹脂(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・6質量部
・メラミン樹脂(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)・・・4質量部
・酸化チタン・・・40質量部
・メチルエチルケトン(MEK)・・・200質量部
−電荷発生層用塗工液の組成−
・Y型チタニルフタロシアニン・・・15質量部
・ポリビニルブチラール・・・10質量部
・メチルエチルケトン・・・600質量部
−電荷輸送層塗工液−
・Zタイプのポリカーボネート樹脂・・・10質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質(波長200〜420nmの紫外線の照射により蛍光を発する)・・・8質量部
・テトラヒドロフラン・・・80質量部
作製した電子写真感光体の両端にフランジを取り付け、画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color 8000)に搭載し、連続100枚の印字を50回繰り返して電子写真感光体にフィルミングを発生させた。印字後の電子写真感光体の十点平均表面粗さ(Rz)を、JIS B0601−1994に準拠した表面粗さ計で測定したところ、1.3μmであった。
次に、印字後の電子写真感光体を画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color 8000)から取り出し、図7に示す評価装置に暗室内で取り付けた。そして、電子写真感光体を120rpmで回転させながら、紫外LED(OptoSupply社製、OSSV5111A)を電子写真感光体の表面から5cmに近づけ、ピーク波長が400nmの紫外光を照射した。このとき、紫外LEDには、DC5Vの低電圧に電流制限抵抗を入れて20mAを供給した。受光素子として浜松ホトニクス株式会社製SiフォトダイオードS7686を電子写真感光体からの蛍光が照射するように取り付け、紫外LEDとSiフォトダイオードを左端から右端に向けて2mm/secの速度で動かし、Siフォトダイオードで測光を行った。Siフォトダイオードで測光した信号はオペアンプで増幅し、信号変化を調べたところ、左端から57mmと95mmの位置で信号変化が認められた。該信号変化が認められた位置の感光体を光学顕微鏡で詳細に観察したところ、フィルミングの存在が認められた。なお、実施例6では紫外光の照射時間は、照射1箇所当り5秒間であった。
<電子写真感光体の作製>
抽伸加工によって作製した外径30.5mm、長さ270mmのアルミニウム製円筒体の表面を切削加工し、外径30mm、内径28.5mm、長さ270mm、十点平均表面粗さRzが1.1μmのアルミニウム製支持体を用意した。
次に、ビーズミリング分散により顔料の平均粒径が0.2μmになるように調製した下記組成の電荷発生層用塗工液を浸漬塗工装置に入れ、前記アルミニウム製支持体上に浸漬塗布した。続いて、80℃で20分間乾燥し、厚み0.2μmの電荷発生層を形成した。
−電荷発生層用塗工液の組成−
・Y型チタニルフタロシアニン・・・15質量部
・ポリビニルブチラール・・・10質量部
・メチルエチルケトン(MEK)・・・600質量部
−電荷輸送層塗工液の組成−
・Zタイプのポリカーボネート樹脂・・・10質量部
・下記構造式で表される電荷輸送物質(波長200〜420nmの紫外線の照射により蛍光を発する)・・・8質量部
・テトラヒドロフラン・・・80質量部
−電子写真感光体の作製及び評価−
実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、該感光体を用いて連続100枚の印字を50回繰り返して電子写真感光体にフィルミングを発生させた。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color 8000)から取り出し、15cmの距離から紫外線ランプ(株式会社トプコン製、FI−5S型)で波長254nmの紫外線を照射して表面の観察を行ったところ、感光体全体が蛍光を発したが、左端から57mmと95mmの位置に2個の濃紺〜黒スポットが観察できた。これは実施例6で検出したフィルミングと同じものであった。このときの紫外線照射時間は、全部で10秒間であった。
−電子写真感光体の作製及び評価−
実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、該感光体を用いて連続100枚の印字を50回繰り返して電子写真感光体にフィルミングを発生させた。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color 8000)から取り出し、15cmの距離から紫外線ランプ(株式会社トプコン製、FI−5S型)で波長254nmの紫外線を照射し、感光体表面をCCDカメラで撮影した。CCDカメラで撮影した画像をパーソナルコンピューターに取り込み、輪郭強調を行ったところ、左端から57mmと95mmの位置に2箇所の濃度変化を検出した。左から57mmの濃度変化を図20に示す。また、図20の画像に対し、横方向の濃度測定を行った結果を図21に示す。図20及び図21において、縦横の大きさは12.7mmである。このときの紫外光の総照射時間は10秒間であった。
−電子写真感光体の作製及び評価−
実施例6と同様にして電子写真感光体を作製し、該感光体を用いて連続100枚の印字を50回繰り返して電子写真感光体にフィルミングを発生させた。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color 8000)から取り出し、蛍光灯(日立製作所製、ハイホワイトFL15N−B)昼白色の真下30cmで2分間かけて目視検査したが、フィルミングを発見することはできなかった。
−電子写真感光体の作製及び評価−
実施例7と同様にして電子写真感光体を作製し、該感光体を用いて連続100枚の印字を50回繰り返して電子写真感光体にフィルミングを発生させた。
印字後の電子写真感光体を画像形成装置(株式会社リコー製、IPSiO Color 8000)から取り出し、蛍光灯(日立製作所製、ハイホワイトFL15N−B)昼白色の真下30cmで2分間かけて目視検査したが、フィルミングを発見することはできなかった。
本発明の電子写真感光体の再使用方法は、使用後の電子写真感光体の使用可否を簡便かつ確実に評価することができ、使用可能な電子写真感光体を効率よく選別することができ、プロセスカートリッジや画像形成装置に再度使用することができる。
2a,2b 電子写真感光体の保持機構
3 紫外線光源
4 紫外線と蛍光の光路
5 紫外線光源の移動機構
6 画像取込手段(カメラ)
7a 紫外線光源
7b 紫外線光源への電源又は紫外線光路
8a 受光素子
8b 受光素子からの信号を伝えるケーブル
11 支持体
12 電荷発生層
13 電荷輸送層
14 下引き層
15 保護層
50 フィルミング部(付着物)
61 電子写真感光体
62 帯電装置
63 露光装置
64 現像装置
65 転写装置
66 分離装置
67 クリーニング装置
68 定着装置
71 クリーニングブラシ
72 クリーニングブレード
101 電子写真感光体
102 帯電装置
103 露光
104 現像装置
105 記録媒体
106 転写装置
107 クリーニング装置
Claims (7)
- 最表面層に200〜420nmの紫外線の照射をしたときに蛍光を発光する電荷輸送物質を30質量%以上含む電子写真感光体に対し、波長が200nm以上420nm以下の紫外線を照射し、
該紫外線の照射を受けて該電子写真感光体から発する蛍光を画像取込手段によって取得し、得られた画像を観察することによって、フィルミングの発生を評価することを特徴とする電子写真感光体の評価方法。 - 前記得られた画像を画像処理手段により処理し、電子写真感光体上のフィルミング部と非フィルミング部との光量差を検出し、感光体の長手方向の変動分布をフィルミング量として算出する請求項1に記載の電子写真感光体の評価方法。
- 最表面層に200〜420nmの紫外線の照射をしたときに蛍光を発光する電荷輸送物質を30質量%以上含む電子写真感光体に対し、波長が200nm以上420nm以下の紫外線を照射し、
該紫外線の照射を受けて該電子写真感光体から発する蛍光を該蛍光の波長に感度を有する受光素子により検知することによって、フィルミングの発生を評価することを特徴とする電子写真感光体の評価方法。 - 紫外線の照度が、電子写真感光体表面で、100μW/cm 2 以上1,000μW/cm 2 以下である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子写真感光体の評価方法。
- 紫外線の照射時間が、照射1回当り1分間以下である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子写真感光体の評価方法。
- 前記電荷輸送物質が、下記構造式で表されるいずれかである請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子写真感光体の評価方法。
- 電子写真感光体がプロセスカートリッジ内に搭載されている請求項1乃至6のいずれか一項に記載の電子写真感光体の評価方法。
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