JP2002278098A - 感光体、トナー及びこれらを用いた画像形成方法 - Google Patents

感光体、トナー及びこれらを用いた画像形成方法

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JP2002278098A
JP2002278098A JP2001079568A JP2001079568A JP2002278098A JP 2002278098 A JP2002278098 A JP 2002278098A JP 2001079568 A JP2001079568 A JP 2001079568A JP 2001079568 A JP2001079568 A JP 2001079568A JP 2002278098 A JP2002278098 A JP 2002278098A
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resin
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JP2001079568A
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English (en)
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Fumihiro Sasaki
文浩 佐々木
Hideki Sugiura
英樹 杉浦
Yasutaka Iwamoto
康敬 岩本
Hiroshi Nakai
洋志 中井
Hiroto Higuchi
博人 樋口
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光体の表面にトナー等のフィルミングを起
こすことなく、感光体の表面が傷つきにくい画像形成方
法及びこの方法に適した感光体を提供する。 【解決手段】 画像形成方法は、感光体上の静電潜像を
結着樹脂を含むトナーを用いて現像してトナー像を形成
し、トナー像を記録材に転写して記録画像を得る工程
と、感光体の表面に残存したトナーを除去する工程とを
備えている。画像形成方法に用いられる感光体の表面に
は、表面摩擦係数が1.6以下の樹脂層が形成されてい
る。この樹脂層の溶解度パラメータの値は、トナーの結
着樹脂の溶解度パラメータの値より絶対値で0.5以上
異なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光体、トナー及
びこれらを用いた画像形成方法に関し、詳しくは、プリ
ンタ、複写機、軽印刷機等に用いられる感光体、トナー
及びこれらを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、簡便で高画質の画像を形成するこ
とができる画像形成方法として、電子写真方式が広く用
いられている。電子写真方式としては、米国特許第2,
297,691号、特公昭49−23910号公報及び
特公昭43−24748号公報などに各種の方法が記載
されている。これらの方法は、一般に、光導電性物質を
利用して種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成
し、この電気的潜像をトナーを用いて現像してトナー像
を形成し、必要に応じて紙などにトナー像を転写した
後、加熱、加圧あるいは溶剤蒸気などにより定着して記
録画像を得るものである。
【0003】電気的潜像を現像する方式には、大別し
て、絶縁性有機液体中に各種の顔料や染料を微細に分散
させた現像剤を用いる液体現像方式と、カスケード法、
磁気ブラシ法、パウダークラウド法などのように天然又
は合成樹脂にカーボンブラックなどの着色剤を分散した
トナーを用いる乾式現像方式があり、その取り扱いの容
易さから、乾式現像方式が広く使用されている。
【0004】ところで、近年、環境に配慮したごみレス
の観点から、感光体が長期にわたって繰り返し使用され
ている。このように、感光体が繰り返し使用されても安
定した画像を得るには、その初期性能がよく、さらに帯
電、露光、現像、転写、クリーニング、除電の長期にわ
たって性能劣化が非常に少ない感光体を用いる必要があ
る。このため、感光体には、耐摩耗性等の機械的強度の
向上、トナーや紙粉などの付着の防止等が求められてい
る。
【0005】電子写真方式に用いられる感光体として
は、導電性基体上にセレンないしセレン合金を主体とす
る光導電層を設けたもの、酸化亜鉛、酸化カドミウムな
どの無機光導電材料をバインダー中に分散させたもの、
ポリ−N−ビニルカルバゾールとトリニトロフルオレノ
ンあるいはアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ
系顔料、ペリレン系顔料などの有機光導電材料を用いた
もの及び非晶質シリコンを用いたもの等が一般に知られ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、初期性
能、例えば、高解像度で高感度性能に優れた感光体は、
用いられる感光性物質の膜強度あるいは膜硬度が低くな
る傾向を示し、長期の使用により変質したり、表面にト
ナー等が付着してフィルミングを起こしたりする場合が
あった。また、これら表面付着物を除去するクリーニン
グ等の操作により、感光体が摩耗したり、傷ついたりす
る場合があった。
【0007】上記欠点を解決するために、特開平5−1
58248号公報によれば、感光体の表面層である電荷
輸送層の物質を規定する旨が開示されている。また、特
開平3−20768号公報によれば、クリーニングブレ
ードの材質を規定する旨が開示されている。しかし、近
年、さらなる高耐久性への要求が高まっている。
【0008】さらに、これらの感光体では、感光体とと
もに使用されるトナーとの相互作用により、使用される
トナーの種類によっては、感光体の表面にトナーがフィ
ルミングしてしまうという問題が生じる。
【0009】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
であり、感光体の表面にトナー等のフィルミングを起こ
すことなく、感光体の表面が傷つきにくい画像形成方法
及びこの方法に適した感光体を提供することを目的とす
る。また、本発明は、感光体の表面にフィルミングを起
こさないトナー及びこのトナーを用いた画像形成方法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第1の観点にかかる感光体は、形成され
た静電潜像を結着樹脂を含むトナーを用いて現像してト
ナー像を形成し、該トナー像を記録材に転写して記録画
像を得る画像形成方式に用いられる感光体であって、表
面摩擦係数が1.6以下の樹脂層が表面に形成され、該
樹脂層の溶解度パラメータの値が前記トナーの結着樹脂
の溶解度パラメータの値より絶対値で0.5以上異な
る、ことを特徴とする。
【0011】この構成によれば、感光体の樹脂層の表面
摩擦係数が1.6以下なので、感光体の樹脂層が摩耗さ
れにくく、感光体の表面が傷つきにくくなる。また、樹
脂層の溶解度パラメータの値がトナーの結着樹脂の溶解
度パラメータの値より絶対値で0.5以上異なるので、
トナーと感光体との化学的な相溶が起きにくくなり、感
光体へのトナーのフィルミングが起こらなくなる。
【0012】前記樹脂層は、シリコンオイルが樹脂成分
量に対して0.05〜5重量%含有されていることが好
ましい。シリコンオイルが樹脂成分量に対して0.05
〜5重量%含有されていると、樹脂層の表面摩擦係数の
小さい(1.6以下)感光体が容易に得られる。
【0013】前記樹脂層は、シリコンオイルとフッ素系
界面活性剤とが含有されていることが好ましい。シリコ
ンオイルとフッ素系界面活性剤とを併用することによ
り、樹脂層の表面摩擦係数を大きく低減することがで
き、樹脂層の表面摩擦係数の小さい感光体が容易に得ら
れる。
【0014】この発明の第2の観点にかかるトナーは、
感光体上の静電潜像を現像して記録材に転写することに
より記録画像を得る画像形成方式に用いられるトナーで
あって、前記トナーは少なくとも結着樹脂からなる母体
粒子に無機微粒子が添加され、前記結着樹脂は、その溶
解度パラメータの値が前記感光体の溶解度パラメータの
値より絶対値で0.5以上異なる、ことを特徴とする。
【0015】この構成によれば、トナーの結着樹脂の溶
解度パラメータの値が感光体の溶解度パラメータの値よ
り絶対値で0.5以上異なるので、トナーと感光体との
化学的な相溶が起きにくくなり、感光体へのトナーのフ
ィルミングが起こらなくなる。
【0016】前記無機微粒子は一次粒径の異なる少なく
とも2種類からなることが好ましい。この無機微粒子の
平均一次粒子径は、少なくとも一つが0.03μm以下
であることが好ましい。平均一次粒子径が0.03μm
より小さいと、流動性が良くなってトナー帯電が均一と
なり、トナー飛散や地汚れが発生しなくなる。また、他
の無機微粒子の平均一次粒子径は0.2μm以下である
ことが好ましい。他の無機微粒子の平均一次粒子径が
0.2μm以下であると、さらに、流動性が良くなって
トナー帯電が均一となり、トナー飛散や地汚れが発生し
なくなる。
【0017】前記無機微粒子は、シリカ、酸化チタン、
アルミナの中から選ばれる少なくとも1種類であること
が好ましい。無機微粒子にシリカ、酸化チタンまたはア
ルミナであると、適度な摩耗性のある、帯電安定性の優
れたトナーとして機能させることができる。
【0018】前記無機微粒子は、少なくとも有機系シラ
ン化合物で処理された疎水性無機微粒子であることが好
ましい。無機微粒子が疎水性無機微粒子であると、環境
安定性の優れ、また、「文字の中抜け」等の画像欠陥の
少ない、高画質の記録画像を得ることができる。
【0019】この発明の第3の観点にかかる画像形成方
法は、感光体上の静電潜像をトナーを用いて現像してト
ナー像を形成し、該トナー像を記録材に転写して記録画
像を得る工程と、前記感光体の表面に残存したトナーを
除去する工程とを備える画像形成方法であって、前記感
光体に請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光体を
用いる、ことを特徴とする。
【0020】この構成によれば、感光体の樹脂層の表面
摩擦係数が1.6以下なので、感光体の表面に残像した
トナーを除去する工程において、感光体の樹脂層が摩耗
されにくく、感光体の表面が傷つきにくくなる。また、
感光体の溶解度パラメータの値とトナーの結着樹脂の溶
解度パラメータの値とが絶対値で0.5以上異なるの
で、トナーと感光体との化学的な相溶が起きにくくな
り、感光体へのトナーのフィルミングが防止される。
【0021】この発明の第4の観点にかかる画像形成方
法は、感光体上の静電潜像をトナーを用いて現像してト
ナー像を形成し、該トナー像を記録材に転写して記録画
像を得る工程と、前記感光体の表面に残存したトナーを
除去する工程とを備える画像形成方法であって、前記ト
ナーに請求項4乃至8のいずれか1項に記載のトナーを
用いる、ことを特徴とする。
【0022】この構成によれば、トナーの結着樹脂の溶
解度パラメータの値と感光体の溶解度パラメータの値と
が絶対値で0.5以上異なるので、トナーと感光体との
化学的な相溶が起きにくくなり、感光体へのトナーのフ
ィルミングが防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の感光体、トナー及
びこれらを用いた画像形成方法について説明する。ま
ず、本発明の感光体について説明する。
【0024】感光体は、導電性支持体と、導電性支持体
上に形成された下引き層と、下引き層上に形成された感
光層とを備えている。導電性支持体は、体積抵抗が10
10Ωcm以下の導電性を示す材料、例えば、アルミニ
ウム、アルミニウム合金、鉄、ニッケル合金、ステンレ
ス合金、チタン合金等の板を素管化後、切削、超仕上
げ、研磨等で表面処理することにより形成される。ま
た、アルミニウム、チタン、ニッケル、クロム、ニクロ
ム、ハステロイ、パラジウム、マグネシウム、亜鉛、
銅、金、白金などの金属、及び合金、酸化錫、酸化イン
ジウム、酸化アンチモンなどの金属酸化物を、フィル
ム、円筒状のプラスチック、紙などに、蒸着、スパッタ
リングまたはバインダー樹脂中に分散して塗工すること
により形成してもよい。さらに、前述の金属、金属酸化
物または導電性カーボンをフィルム状もしくは円筒状の
プラスチック中に分散含有させて形成してもよい。
【0025】導電性支持体上には、下引き層が形成され
る。下引き層は、樹脂を主成分とし、例えば、ポリビニ
ルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等
の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイ
ロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミ
ン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目
構造を形成する硬化型樹脂やシランカップリング剤や有
機キレート化合物等よりなるセラミック系等を導電性支
持体上に浸積塗工することにより形成される。なお、電
荷ブロッキング性を向上させるために、下引き層を設け
ることが好ましいが、導電性支持体上に下引き層を形成
せずに、導電性支持体上に直接感光層を形成してもよ
い。
【0026】下引き層の上には感光層が形成される。感
光層は、単層構造でも積層構造でもよいが、電荷発生層
と電荷輸送層とを持つ、いわゆる機能分離型の積層構造
を有するものであることが好ましい。なお、必要に応じ
て通常の感光層以外に保護層等を設けてもよい。
【0027】電荷発生層は溶剤にバインダー樹脂ととも
に、電荷発生物質を分散ないし相溶し、これを下引き層
上に、塗布・乾燥することによって形成される。電荷発
生層の膜厚は、0.05〜2μm程度が適当であり、好
ましくは0.1〜1μmである。
【0028】電荷発生物質としては、特に限定されな
い。例えば、シーアイピグメントブルー25〔カラーイ
ンデックス(CI)21180〕、シーアイピグメント
レッド41(CI21200)、シーアイアシッドレッ
ド52(CI45100)、シーアイベーシックレッド
3(CI45210)、さらに、ポリフィリン骨格を有
するフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スク
アリック塩顔料、アンスアンサンスロン系顔料、カルバ
ゾール骨格を有するアゾ顔料、スチルベン骨格を有する
アゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、
ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、オキサジア
ゾール骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有す
るアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジ
スチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジス
チリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、カルバゾー
ル骨格を有するトリアゾ顔料等、さらに、シーアイピグ
メントブルー16(CI74100)等のフタロシアニ
ン系顔料、シーアイバットブラウン5(CI7341
0)、シーアイバットダイ(CI73030)等のイン
ジゴ系顔料、アルゴスカーレットB(バイオレット社
製)、インダスレンスカーレットR(バイエル社製)等
のペリレン系顔料等の有機顔料を使用することができ
る。金属または無金属フタロシアニン化合物またはアン
スアンスロン化合物等を用いるのが好ましく、チタニル
フタロシアニン、ヒドロキシカリウムフタロシアニンを
用いるのがさらに好ましく、Cu−Kα線に対するブラ
ッグ角2θの27.2°に最大ピークを有するチタニル
フタロシアニンを用いるのが最も好ましい。またこれら
は必要に応じて二種以上混合して用いてもよい。
【0029】バインダー樹脂としては、ポリスチレン、
スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリルニ
トリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
ポリエステル、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、
酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルホル
マール、フェノキシ樹脂、ポリビニルピリジン、ポリ−
N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコン樹
脂、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴ
ム、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェ
ノール樹脂、アルキド樹脂等の、熱可塑性または熱硬化
性樹脂、また高分子有機半導体、例えば、ポリ−N−ビ
ニルカルバゾール等が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。これらのバインダー樹脂は、単独また
は混合して用いられる。電荷発生物質とバインダー樹脂
の使用割合は、重量比で100:0〜100:50が好
ましい。
【0030】溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、塩化メチレン、ジクロルベンゼン、モノクロルベ
ンゼン、ジクロルベンゼン、エチルアルコール、メチル
アルコール、ブチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブなどが挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これら溶剤も単独ま
たは混合して用いることができる。
【0031】電荷輸送層は電荷輸送物質、バインダー樹
脂及び必要により可塑剤、レベリング剤を適当な溶媒に
溶解し、これを電荷発生層上に塗布し乾燥することによ
り形成される。電荷輸送層は、その表面摩擦係数を1.
6以下にすることが好ましく、1.0以下にすることが
さらに好ましい。電荷輸送層の表面摩擦係数が1.6を
越えるとクリーニングブレードの反転、ビビリ等の不都
合が生じてしまうためである。この表面摩擦係数は、感
光体上に現像剤の薄層を設けた後に、クリーニングブレ
ードを当接させて測定した値である。また、電荷輸送層
は、その膜厚を10〜35μmにすることが好ましい。
膜厚を10〜35μmにすると、高速応答性に優れ、高
画質で、削れによる帯電低下の少ない感光体とすること
ができる。
【0032】電荷輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾール及びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリル
エチルグルタメート及びその誘導体、ピレン−ホルムア
ルデヒド縮合物及びその誘導体、ポリビニルピレン、ポ
リビニルフェナントレン、オキサゾール誘導体、イミダ
ゾール誘導体、トリフェニルアミン誘導体、9−(p−
ジエチルアミノスチリル)アントラセン、1,1−ビス
(4−ジベンジルアミノフェニル)プロパン、スチリル
アントラセン、スチリルピラゾリン、フェニルヒドラゾ
ン類、α−スチルベン誘導体等の電子供与性物質が挙げ
られる。
【0033】電荷輸送物質を相溶ないし分散させる電荷
輸送層のバインダー樹脂としては、ポリスチレン、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリ
エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポ
リカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロー
ス樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッ
ド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。
これらは、単独で用いても混合して用いてもよい。
【0034】また、バインダー樹脂の溶解度パラーメー
ターの値(SP値)が、後述するトナーの結着樹脂のS
P値より絶対値で0.5以上、より好ましくは1.0以
上異なる、すなわちバインダー樹脂のSP値とトナーの
結着樹脂のSP値との差が絶対値で0.5(より好まし
くは1.0)以上となるように、バインダー樹脂が選択
される。両者のSP値との差を絶対値で0.5以上にす
ると、トナーと感光体の化学的な相溶が起きにくくな
り、感光体へのトナーのフィルミングを有効に防止でき
るためである。特に、両者のSP値との差を絶対値で
1.0以上にすると、トナーと感光体の化学的な相溶が
起こらなくなる。逆に、両者のSP値との差が絶対値で
0.5未満にすると、特に、高温環境下での長期間放置
時に感光体とトナーが相溶して、感光体表面にトナーが
強固に付着するため、白抜けあるいは汚れ等の異常画像
を引き起こしやすくなる。
【0035】電荷輸送層を形成するための溶媒として
は、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、モノ
クロルベンゼン、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキ
サノン、ジクロロメタン、1,1,2−トリクロロエタ
ン、1,1,2,2−テトラクロロエタン及びこれらの
混合溶媒が望ましい。
【0036】さらに、電荷輸送層にシリコンオイルを加
えることが好ましい。電荷輸送層にシリコンオイルを加
えることにより、電荷輸送層の表面摩擦係数を容易に小
さくすることができるためである。シリコンオイルは、
バインダー樹脂に対して0.05〜5重量%含有させる
ことが好ましく、0.1〜2重量%含有させることがさ
らに好ましい。シリコンオイルは、電荷移動物質やバイ
ンダー樹脂との相溶性からバインダー樹脂に対して5重
量%を超えて含有させると塗工液が白濁してしまう。ま
た、バインダー樹脂に対して0.05重量%未満である
と、電荷輸送層の表面摩擦係数を低減させる効果を得る
ことができないためである。
【0037】シリコンオイルとしては、例えば、下記の
一般式で示されるものが挙げられる。
【化1】 ここで、上式中、R,R,R,R,R
,RおよびRはそれぞれメチル、エチルなどの
アルキル基、フェニル、ナフチルなどのアリール基また
はメトキシ、エトキシなどのアルコキシ基を示し、他の
置換基やハロゲン原子などで置換されていてもよい。n
は正の整数である。これらの具体例としては、例えばジ
メチルシリコンオイル、メチル−フェニル共重合シリコ
ンオイル等がある。
【0038】また、電荷輸送層にシリコンオイルとフッ
素系界面活性剤とを加えることが好ましい。フッ素系界
面活性剤は、単独ではあまり電荷輸送層の表面摩擦係数
を低減させる効果がなく、シリコンオイル以上に電荷移
動物質やバインダー樹脂との相溶性が悪いためごく微量
しか添加できない。しかし、シリコンオイルとフッ素系
界面活性剤とを加えることにより、電荷輸送層の表面摩
擦係数を大きく低減する効果を得ることができる。
【0039】フッ素系界面活性剤としては、炭素数2〜
10のパーフルオロアルキル基を主鎖あるいは側鎖に有
する分子量1000〜10000のオリゴマーが好まし
い。市販品としてはモディパー(日本油脂)、サーフロ
ン(旭硝子)、ディフェンサ(大日本インキ化学)等が
上市されている。フッ素系界面活性剤は、バインダー樹
脂に対して0.05〜2重量%含有させることが好まし
く、0.1〜1重量%含有させることがさらに好まし
い。バインダー樹脂に対して2重量%を超えて含有させ
ると電荷移動物質やバインダー樹脂との相溶性から塗工
液が白濁してしまう。また、バインダー樹脂に対して
0.05重量%未満であると、電荷輸送層の表面摩擦係
数を低減させる効果を得ることができないためである。
【0040】ところで、各層の形成には塗布する方法が
最も一般的であり、塗布液の塗布方法としては、浸漬コ
ーティング法、スプレーコーティング法、ブレードコー
ティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーテ
ィング法、カーテンコーティング法及び円型量規制型コ
ーティング法等を用いることができる。
【0041】次に、本発明のトナーについて説明する。
トナーは、結着樹脂及び着色剤を含む母体粒子と、無機
微粒子からなる外添剤とを備えている。
【0042】トナー用の結着樹脂としては、従来公知の
ものを広く使用することができる。例えば、ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂あるいはポリオール樹脂が好まし
く用いられる。
【0043】ビニル樹脂としては、ポリスチレン、ポリ
P−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレ
ン及びその置換体の単重合体:スチレン−p−クロロス
チレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチ
レン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフ
タリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−
アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オク
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロ
メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合
体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マ
レイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重
合体などのスチレン系共重合体:ポリメチルメタクリレ
ート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポ
リ酢酸ビニルなどがある。
【0044】ポリエステル樹脂としては以下のA群に示
すような2価のアルコールと、B群に示すような二塩基
酸塩からなるものであり、さらにC群に示すような3価
以上のアルコールあるいはカルボン酸を第三成分として
加えてもよい。 A群:エチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−ブテンジオール、1,4−ビス(ヒド
ロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水
素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフ
ェノールA、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2
´−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオ
キシプロピレン(3,3)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,
0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、ポリオキシプロピレン(2,0)−2,2´−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなど。 B群:マレイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラ
コン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソ
フタール酸、テレフタール酸、シクロヘキサンジカルボ
ン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、
リノレイン酸、又はこれらの酸無水物又は低級アルコー
ルのエステルなど。 C群:グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトールなどの3価以上のアルコール、トリメリト
酸、ピロメリト酸などの3価以上のカルボン酸など。
【0045】ポリオール樹脂としては、エポキシ樹脂と
2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物、もしく
は、そのグリシジルエーテルとエポキシ基と反応する活
性水素を分子中に1個有する化合物と、エポキシ樹脂と
反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反
応してなるものなどがある。
【0046】その他にも必要に応じて、エポキシ樹脂、
ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ブチ
ラール樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂などを
混合して使用することもできる。エポキシ樹脂として
は、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフ
ェノールとエピクロロヒドリンとの重縮合物が代表的で
ある。
【0047】トナーにおける着色剤としては、トナー用
として公知の着色剤が使用できる。イエロー着色剤の具
体例として、C.I.Pigment Yellow
1(Symuler Fast Yellow GH,
大日本インキ社製)、C.I.Pigment Yel
low 3(Symuler Fast Yellow
10GH,大日本インキ社製)、C.I.Pigme
nt Yellow12(Symuler Fast
Yellow GF,大日本インキ社製、イエロー15
2,有本化学社製、ピグメントイエローGRT,山陽色
素社製、スミカプリントイエローST−O,住友化学社
製、ベンジジンイエロー1316,野間化学社製、セイ
カファストイエロー2300,大日精化社製、リオノー
ルイエローGRT,東洋インキ社製)、C.I.Pig
ment Yellow 13(Symuler Fa
st Yellow GRF,大日本インキ社製)、
C.I.Pigment Yellow 14(Sym
uler Fast Yellow 5GR,大日本イ
ンキ社製)、C.I.Pigment Yellow
17(Symuler Fast Yellow 8G
R,大日本インキ社製、リオノールイエローFGNT,
東洋インキ社製)などが挙げられる。
【0048】マゼンタ着色剤の具体例として、C.I.
Pigment Red 5(Symuler Fas
t Carmine FB,大日本インキ社製)、C.
I.Pigment Red 18(Sanyo To
luidine Maroon Medium,山陽色
素社製)、C.I.Pigment Red、21(S
anyo Fast Red GR,山陽色素社製)、
C.I.Pigment Red 22(Symule
r Fast Brill ScarletBG,大日
本インキ社製)、C.I.Pigment Red 5
7(Symuler Brill Carmine L
B,大日本インキ社製)、C.I.Pigment R
ed 81(Symulex Rhodamine Y
Toner F,大日本インキ社製)、C.I.Pi
gment Red 112(Symuler Fas
t Red FGR,大日本インキ社製)、C.I.P
igment Red 114(Symuler Fa
st CarmineBS,大日本インキ社製)、C.
I.Pigment Red 122(Fastoge
n Super Magenta REO2,大日本イ
ンキ社製)などが挙げられる。
【0049】シアン着色剤の具体例として、C.I.P
igment Blue 15(Fastogen B
lue GS,大日本インキ社製、Chromofin
eSR,大日精化社製)、C.I.Pigment B
lue 16(Sumitone Cyanine B
lue LG,住友化学社製)、C.I.Pigmen
t Blue 15:3(Cyanine Blue
GGK,日本ビグメント社製、リオノールブルーFG7
351,東洋インキ社製)、C.I.Pigment
Green 7(Phthalogcyanine G
reen 東京インキ社製)、C.I.Pigment
Green 36(CyanineGreen ZY
L,東洋インキ社製)などが挙げられる。
【0050】ブラック着色剤の具体例としては、カーボ
ンブラック、スピリットブラック、アニワンブラック
(C.I.Pigment Black 1)などが挙
げられる。着色剤の量としては結着樹脂100重量部に
対して、0.1〜15重量部が好ましく、特に0.15
〜9重量部が好ましい。
【0051】また、母体粒子は、必要に応じて帯電制御
剤を含有してもよい。帯電制御剤としては公知のものが
全て使用でき、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニ
ルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン
酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミ
ン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム
塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、
タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サ
リチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等であ
る。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第
四級アンモニウム塩のボントロンPー51、含金属アゾ
染料のボントロンSー34、オキシナフトエ酸系金属錯
体のEー82、サリチル酸系金属錯体のEー84、フェ
ノール系縮合物のEー89(以上、オリエント化学工
業)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTPー3
02、TP一415(以上、保土谷化学工業)、第四級
アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP203
8、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第
四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2
036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘ
キスト)、LRAー901、ホウ素錯体であるLRー1
47(日本カ一リット)、銅フタロシアニン、ペリレ
ン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、
カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有す
る高分子系の化合物が挙げられる。
【0052】荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の
種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法
を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一
義的に限定されるものではないが、好ましくは、バイン
ダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の
範囲で用いられる。さらに好ましくは、2〜5重量部の
範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電
性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ロ
ーラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性の低下
や、画像濃度の低下を招くためである。
【0053】さらに、母体粒子に磁性材料を含有させ、
磁性トナーとして使用してもよい。磁性材料としては、
マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、
鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金
属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、
スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カド
ミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タン
グステン、バナジウムのような金属の合金およびその混
合物などが挙げられる。これらの磁性材料は平均粒径が
0.1〜2μm程度のものが好ましい。また、結着樹脂
成分100重量部に対して約20〜200重量部含有さ
せることが好ましく、結着樹脂成分100重量部に対し
40〜150重量部含有させることがさらに好ましい。
【0054】また、トナーに離型性を持たせるために、
ワックスを含有させることが好ましい。ワックスは、そ
の融点が40〜120℃のものであり、特に50〜11
0℃のものであることが好ましい。ワックスの融点が高
すぎると低温での定着性が不足する場合があり、一方、
融点が低すぎると耐オフセツト性、耐久性が低下する場
合があるためである。なお、ワックスの融点は、示差走
査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。
すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(1
0℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点と
する。
【0055】ワックスとしては、例えば、固形のパラフ
ィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂
肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノ
ケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系
ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリ
コーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスな
どを挙げることができる。また、低分子量ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いるこ
とができる。特に、環球法による軟化点が70〜150
℃のポリオレフィンが好ましく、軟化点が120〜15
0℃のポリオレフィンがさらに好ましい。
【0056】トナーに添加する無機微粒子としては、例
えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウ
ム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタ
ン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化
スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、
酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモ
ン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウ
ム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化
ケイ素などを挙げることができる。その中でも特に、シ
リカと酸化チタン、アルミナが好ましい。これらは、適
度な摩耗性のある、帯電安定性の優れたトナーとして機
能させることができるためである。無機微粒子の添加量
はトナーに対して0.05〜2.0重量%、好ましくは
0.3〜1.5重量%である。
【0057】無機微粒子は流動性付与の観点から、少な
くとも一つは平均一次粒子径が0.03μm以下である
ことが好ましい。平均一次粒子径が0.03μmより大
きいと流動性不良によりトナー帯電が不均一となり、ト
ナー飛散や地汚れが発生しやすくなるためである。ま
た、他の無機微粒子は、平均一次粒子径が0.2μm以
下であることが好ましい。併用して用いる平均一次粒子
径が0.03μm以下の無機微粒子により、ある程度の
流動性が得られるが、それでも、他の無機微粒子の平均
一次粒子径が0.2μmより大きいと、流動性不良によ
りトナー帯電が不均一となり、トナー飛散や地汚れが発
生しやすくなるためである。
【0058】また、無機微粒子は、少なくとも有機系シ
ラン化合物で疎水化処理された疎水性無機微粒子である
ことが好ましい。疎水化処理することにより、環境安定
性の優れた、「文字の中抜け」等の画像欠陥の少ない、
高画質を達成できるためである。
【0059】疎水化処理剤としては、例えば、ジメチル
ジクロルシラン、トリメチルクロルシラン、メチルトリ
クロルシラン、アリルジメチルジクロルシラン、アリル
フェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラ
ン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエ
チルトリクロルシラン、p−クロルエチルトリクロルシ
ラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、クロルメチ
ルトリクロルシラン、p−クロルフェニルトリクロルシ
ラン、3−クロルプロピルトリクロルシラン、3−クロ
ルプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メト
キシエトキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピル
トリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ジ
ビニルジクロルシラン、ジメチルビニルクロルシラン、
オクチルトリクロルシラン、デシルトリクロルシラン、
ノニルトリクロルシラン、(4−t−プロピルフェニ
ル)トリクロルシラン、(4−t−ブチルフェニル)ト
リクロルシラン、ジペンチルジクロルシラン、ジヘキシ
ルジクロルシラン、ジオクチルジクロルシラン、ジノニ
ルジクロルシラン、ジデシルジクロルシラン、ジドデシ
ルジクロルシラン、ジヘキサデシルジクロルシラン、
(4−t−ブチルフェニル)オクチルジクロルシラン、
ジオクチルジクロルシラン、ジデセニルジクロルシラ
ン、ジノネニルジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシ
ルジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチルジク
ロルシラン、トリヘキシルクロルシラン、トリオクチル
クロルシラン、トリデシルクロルシラン、ジオクチルメ
チルクロルシラン、オクチルジメチルクロルシラン、
(4−t−プロピルフェニル)ジエチルクロルシラン、
イソブチルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、オクチルトリメトキシシラン、トリメトキシ
(3,3,3−トリフルオロプロピル)シラン、ヘキサ
メチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ジエチル
テトラチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ヘ
キサトリルジシラザン等の有機系シラン化合物やジメチ
ルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイ
ル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロ
ジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シ
リコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、ア
ミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオ
イル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、
フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シ
リコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ア
クリル、メタクリル変性シリコーンオイル、αメチルス
チレン変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル、そ
の他シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカッ
プリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミ
ニウム系のカップリング剤などが挙げられる。中でも有
機系シラン化合物が好ましい。これら疎水化処理剤によ
り前述の無機微粒子を疎水化処理することにより、疎水
性無機微粒子が形成される。
【0060】疎水化処理されたシリカ微粒子の商品名と
しては、HDK H 2000、HDK H 2000
/4、HDK H 2050EP、HVK21(以上ヘ
キスト)やR972、R974、RX200、RY20
0、R202、R805、R812(以上日本アエロジ
ル)、TS530、TS720(以上キャボット)があ
る。また、疎水化処理されたチタニア微粒子は、アナタ
ーゼ型やルチル型の結晶性のものや無結晶性のものを使
用することができ、その商品名としては、T−805
(日本アエロジル)や、ルチル型としてMT150A
I、MT150AFM(以上テイカ)や、STT−30
A(チタン工業)、STT−30A−FS(チタン工
業)等がある。
【0061】無機微粒子の粒子径は、動的光散乱を利用
する粒径分布測定装置、例えば、(株)大塚電子製のD
LS−700やコールターエレクトロニクス社製のコー
ルターN4により測定可能である。しかし、有機系シラ
ン化合物による疎水化処理後の粒子の二次凝集を解離す
ることは困難であるため、走査型電子顕微鏡もしくは透
過型電子顕微鏡により得られた写真から、直接、粒径を
求めることが好ましい。この場合、少なくとも100個
以上の無機微粒子を観察し、その長径の平均値を求める
ことが好ましい。
【0062】トナーは粉砕法もしくは重合法によって製
造することができる。この製造方法は、少なくとも結着
樹脂、主帯電制御剤及び顔料を機械的に混合する工程
と、溶融混練する工程と、粉砕する工程と、分級する工
程とを有するトナーの製造方法が適用できる。また、機
械的に混合する工程や溶融混練する工程では、粉砕また
は分級する工程で得られる製品となる粒子以外の粉末を
戻して再利用する製造方法も含まれる。ここで、製品と
なる粒子以外の粉末(副製品)とは、溶融混練する工程
後、粉砕工程で得られる所望の粒径の製品となる成分以
外の微粒子や粗粒子、分級工程で発生する所望の粒径の
製品となる成分以外の微粒子や粗粒子を意味する。この
ような副製品を機械的に混合する工程や溶融混練する工
程で、副製品とその他原材料との重量比率が1:99〜
50:50で混合するのが好ましい。
【0063】機械的に混合する工程は、回転させる羽に
よる通常の混合機などを用いて通常の条件で行えばよ
く、特に制限はない。混合する工程が終了すると、混合
物を混練機に仕込んで溶融混練する。溶融混練機として
は、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッ
チ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所
社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型押出
機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、池貝鉄工所社製
PCM型2軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用
いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の
切断を招来しないような適正な条件で行うことが重要で
ある。具体的には、溶融混練温度は、結着剤樹脂の軟化
点を参考に行うべきであり、軟化点より低温すぎると切
断が激しく、高温すぎると分散が進まない。
【0064】溶融混練する工程が終了すると、混練物を
粉砕する。この粉砕する工程では、まず粗粉砕し、次い
で微粉砕することが好ましい。この際 ジェット気流中
で衝突板に衝突させて粉砕したり、機械的に回転するロ
ーターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好
ましく用いられる。粉砕する工程が終了した後に、粉砕
物を遠心力などにより気流中で分級し、所定の粒径、例
えば、平均粒径が5〜20μmの母体粒子を製造する。
【0065】また、トナーを製造する際には、トナーの
流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上
のようにして製造されたトナーに、さらに先に挙げた疎
水性シリカ微粉末等の無機微粒子(外添剤)を添加混合
してもよい。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用い
られるが、ジャケット等を装備して、内部の温度を調節
できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変
えるには、途中または漸次、外添剤を加えていけばよ
い。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度な
どを変化させてもよい。例えば、初めに強い負荷を、次
に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。
このような混合設備の例としては、V型混合機、ロッキ
ングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサ
ー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
【0066】また、トナーを2成分系現像剤に用いる場
合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤
中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量
部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。
【0067】磁性キャリアとしては、粒子径20〜20
0μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁
性樹脂キャリアなど、従来から公知のものが使用でき
る。被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば、尿素−
ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミ
ン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等
が挙げられる。また、ポリビニルおよびポリビニリデン
系樹脂、例えば、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレ
ート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラー
ル樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合
樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロ
ゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹
脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステ
ル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポ
リトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロ
ピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重
合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テト
ラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体と
のターポリマー等のフルオロターポリマー、およびシリ
コーン樹脂等が使用できる。また、必要に応じて、導電
粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉として
は、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、
酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子
径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよ
りも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になるためで
ある。また、トナーはキャリアを使用しない1成分系の
磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることが
できる。
【0068】次に、本発明の画像形成方法を、その主要
部が図1に示す構成の複写機に適用した場合を例に説明
する。複写機は、感光体1を中心に、帯電装置2、画像
露光装置3、現像装置4、転写・分離装置5、クリーニ
ング装置6及び除電装置7が配置されている。そして、
これらの装置を順に作動させることよって、画像の形成
が行われる。
【0069】まず、帯電装置2により、感光体1に画像
形成に必要な表面電位を帯電させる。次に、画像露光装
置3により、例えば、CCDで読みとられた画像を感光
体1上に順次照射し、感光体1上に静電潜像を形成す
る。感光体1に形成された静電潜像は、現像装置4によ
り、トナーを用いて現像されてトナー像が形成される。
そして、転写・分離装置5によりコピー用紙(普通紙)
9に転写される。このコピー用紙9が定着装置8に搬送
され、コピー用紙9に記録画像が形成される。
【0070】また、転写後の感光体1にはトナー、トナ
ーに含有されるシリカ、キャリア、及び紙粉等が残存し
ているため、クリーニング装置6により感光体1のクリ
ーニングが行われる。感光体1のクリーニングには、ク
リーニング性向上剤が用いられる。クリーニング性向上
剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸などの脂肪酸金属塩、ポリメ
チルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などの
ソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマ
ー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は
比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μ
mのものが好ましい。
【0071】クリーニング装置6は、クリーニングブレ
ード6aとクリーニングブラシ6bとを備えている。ク
リーニングブレード6aは、その一端が感光体1に圧接
するように、配置されている。この一端は、感光体1の
回転方向と反対方向(カウンター方向)に圧接すること
が好ましい。感光体1の回転方向(トレーリング方向)
にクリーニングブレード6aを圧接させてクリーニング
すると、トナーのクリーニング不良を防止するために、
クリーニングブレード6aの硬度を大きくし、感光体1
へのクリーニングブレード6aの当接圧を大きくする等
の必要性が生じ、繰り返し使用時の感光体1の摩耗量が
増大してしまうためである。ただし、感光体1の表面の
表面摩擦係数が大きくなると、クリーニングブレード6
aの反転、ビビリ等の不都合が生じてしまうことから、
表面摩擦係数が1.6以下の感光体1を用いる必要があ
る。また、クリーニングブレード6aは、硬度がJIS
A 60〜70°、反発弾性が30〜70%、ヤング率
が30〜60kgf/cm、厚さが1.5〜3.0m
m、自由長が7〜12mm、感光体1への押圧力が15
g/cm以下であることが好ましい。なお、感光体1へ
のクリーニングブレード6aの当接角は5〜50°に設
定することが好ましく、10〜30°に設定することが
さらに好ましい。
【0072】クリーニングブラシ6bは、感光体1の表
面に当接可能な位置に配置される。クリーニングブラシ
6bの構成素材は任意のものを用いることができるが、
疎水性で、かつ誘電率が高い繊維形成性高分子重合体を
用いるのが好ましい。このような高分子重合体として
は、例えば、レーヨン、ナイロン、ポリカーボネート、
ポリエステル、メタクリル酸樹脂、アクリル樹脂、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジ
エン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−
酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹
脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノールホルムア
ルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリビニル
アセタール(例えば、ポリビニルブチラール)等が挙げ
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
樹脂は単独であるいは2種以上の混合物として用いるこ
とができる。特に、レーヨン、ナイロン、ポリエステ
ル、アクリル、ポリプロピレンを用いることが好まし
い。
【0073】また、クリーニング後の感光体1は、必要
に応じて除電装置7により、感光体1に残存した静電潜
像が消去され、引き続きコピー用紙9にハードコピーを
行うことが可能になる。
【0074】本発明の画像形成方法は、これまでの電子
写真プロセス等の条件を満たす公知のプロセスすべてを
使用することができる。また、トナー像の形成方法、記
録材への転写方法も異なるものであってもよい。
【0075】また、トナー単色によるプロセスだけでな
く、2色以上の複数色トナーを用いたカラー画像形成プ
ロセスでもよい。画像読み取り時に色分解された各分解
色ごとの信号を、帯電、レーザー光露光による画像書き
込みと、それに対応するカラートナーが現像されるとい
うプロセスを繰り返し、イエロー、マゼンタ、シアン、
黒トナーの4色トナー像が、感光体上に形成され、一括
して記録紙に転写されるものでもよい。
【0076】さらに、上記の他、予め画像情報をRO
M,フロッピー(登録商標)ディスク等の画像メモリに
記憶させ、必要に応じて画像メモリ内の情報を取り出し
て、画像形成部に出力させることができる。従って、画
像読み取り部を持つものだけでなく、コンピュータ等か
らの情報をメモリに記憶させ画像形成部へ出力させる装
置にも適用することができる。これらの最も一般的なも
のとして、LEDプリンタやLBP(レーザービームプ
リンタ)がある。
【0077】以下に実施例および比較例を挙げ、本発明
について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施
例のみに限定されるものではない。また、以下の例にお
ける部および%は、特に断りのない限り重量基準であ
る。
【0078】(実施例1) (1)感光体 80mmφのアルミニウムドラムからなる導電性支持体
上に、アルコール可溶性ナイロン(ポリアミド樹脂:商
品名、CM8000東レ社製)を下引き層として約0.
2μm浸漬塗工し、その上に後述する電荷発生層塗工液
を浸漬塗工し、110℃で10分間加熱乾燥して、約
0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0079】電荷発生層用塗工液は、次のようにして形
成される。φ15cmのガラスポット中に、容積1/2
の量のφ1cmの焼結酸化ジルコニウムボール(YTZ
ボール)及びポリビニルブチラール(商品名XYHL)
を2部と、シクロヘキサノン溶液を300部と、Y型チ
タニルフタロシアニンを12部とを投入して72時間ミ
リングした。そして、500部のメチルエチルケトンを
追加投入して、さらに24時間ミリングして電荷発生層
塗工液とした。
【0080】次に、下記化学式2で示される電荷移動物
質(D)と、下記化学式3で示される粘度平均分子量5
万のバインダー樹脂(R)(溶解度パラメータの値(S
P値)=10.1)とを、D/R=5/10、固形分濃
度15%(溶媒:塩化メチレン溶液)となるように調整
した後、シリコンオイル(KF−50,信越シリコン社
製)を対R比で0.1%加えた電荷輸送層用塗布液(溶
媒:塩化メチレン溶液)を電荷発生層上に浸漬塗工及び
加熱乾燥して、約22μmの電荷輸送層を形成して感光
体を作成した。
【化2】
【化3】
【0081】ところで、SP値の測定方法は、一般には
以下のような方法がある。例えば、物理特性からの計算
では、蒸発熱、屈折率、カウリブタノール価、表面張
力、双極子能率その他から求める方法があり、化学組成
からの計算ではモル引力定数の和から求める方法があ
り、また、相溶性または膨潤度からの実測では、溶解状
態からの実測、濁点滴定法等がある(原社勇次著「コー
ティングの基礎科学」槙書店(1977)、P.48
〜)。
【0082】本例では、溶解度パラメータの値が判明し
ている、次の示すような有機溶剤、例えば、ヘキサン
(7.24)、ジイソブチルケトン(8.17)、メチ
ルイソブチルケトン(8.57)、トルエン(8.9
1)、酢酸エチル(9.10)、メチルエチルケトン
(9.27)、アニソール(9.25)、アセトン
(9.77)、シクロヘキサン(9.88)、ヘキシル
アルコール(10.31)、n−ペンチルアルコール
(10.61)、イソブタノール(11.11)、ブタ
ノール(11.30)、2−プロパノール(11.5
0)、2−メチル−2,4−ペンタジオール(11.7
0)、1−プロパノール(11.97)、ギ酸(12.
15)、エタノール(12.92)、メタノール(1
4.28)、ジエチレングリコール(14.60)、エ
チレングリコール(16.30)、ホルムアミド(1
7.80)、グリセリン(21.10)、水(23.5
0)等を使用して、相溶性または膨潤度からの実測とし
ての溶解状態からSP値の測定を試みた。
【0083】(2)感光体の物性測定 次に、以上のように作成された感光体を通常のカールソ
ンプロセスによる下記仕様の複写機に搭載して10万枚
の複写テストを行い、画像評価及び複写テスト前後の感
光層膜厚を渦電流式膜厚計で測定した。
【0084】<複写機仕様> A.クリーニングブレード 材質:ポリウレタン系樹脂 反発弾性:50% 硬度:70° 当接角:20° B.クリーニングブラシ 材質:アクリル系樹脂 C.コピースピード:40枚/分
【0085】また、上記仕様の複写機から帯電器、現像
器、転写器、クリーニングブラシを取り除きトルクメー
ターを取り付けた改造機に複写テスト前の感光体を装着
した後、感光体上に現像剤の薄層を設け、露光、通紙無
しにクリーニングブレードのみ当接させて感光体を回転
させ、検知したトルクより感光体の表面摩擦係数を求め
た。
【0086】(3)トナー <トナー用母体粒子> ポリエステル樹脂(SP値:9.5) 100部 カルナウバワックス 5部 カーボンブラック 8部 含金属モノアゾ染料 3部 上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹搬混
合した後、ロールミルにより130〜140℃の温度で
約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練
物をジェットミルで粉砕分級し、体積平均粒径8.0μ
mの粒径の母体粒子を得た。
【0087】得られた母体粒子100重量部と、シリカ
としてのH2000(クラリアント平均一次粒子径0.
01μm)0.6重量部と、チタニアとしてのT−80
5(日本アエロジル 平均一次粒子径0.02μm)
0.4重量部とを、ヘンシェルミキサーにより1000
rpmで5分間混合し、目開き50μmの篩を通過させ
る凝集物を取り除く事によりトナーを得た。
【0088】(4)現像剤 <キャリア> シリコーン樹脂溶液 100部 カーボンブラック 4部 トルエン 100部 上記組成の混合物をホモミキサーで30分間、分散して
被覆層形成液を調製した。これを体積平均粒径50μm
のフェライト1000部の表面に、流動床型塗布装置を
用いて被覆層を形成しキャリアを作製した。
【0089】上記のように作製したトナー5部とキャリ
ア100部とを容器が転動して攪拌される型式のターブ
ラーミキサーを用いて均一混合し帯電させて、二成分現
像剤を得た。
【0090】(実施例2)シリコンオイルの添加量を2
%に変えた以外は実施例1と同様にして、サンプルを作
成した。 (実施例3)シリコンオイルの添加量を0.05%に変
えた以外は実施例1と同様にして、サンプルを作成し
た。 (実施例4)シリコンオイルの添加量を5%に変えた以
外は実施例1と同様にして、サンプルを作成した。
【0091】(実施例5)電荷輸送層用塗布液にフッ素
系界面活性剤(ディフェンサMCF300、大日本イン
キ社製)を0.1%(対R比)加えた以外は実施例1と
同様にして、サンプルを作成した。 (実施例6)フッ素系界面活性剤の添加量を1%に変え
た以外は実施例5と同様にして、サンプルを作成した。 (実施例7)フッ素系界面活性剤の添加量を0.05%
に変えた以外は実施例5と同様にして、サンプルを作成
した。 (実施例8)フッ素系界面活性剤の添加量を2%に変え
た以外は実施例5と同様にして、サンプルを作成した。
【0092】(実施例9)実施例1において、感光体の
電荷輸送層(CTL)の膜厚を11μmに変えたこと以
外は実施例1と同様にして、サンプルを作成した。
【0093】(実施例10) <トナー用母体粒子> スチレン−アクリル樹脂(SP値:9.1) 100部 カルナウバワックス 5部 カーボンブラック 8部 含金属モノアゾ染料 3部 上記組成の混合物を用いてトナーを作成したこと以外は
実施例1と同様にして、サンプルを作成した。
【0094】(実施例11) <トナー用母体粒子> エポキシ樹脂(SP値:10.9) 100部 カルナウバワックス 5部 カーボンブラック 8部 含金属モノアゾ染料 3部 上記組成の混合物を用いてトナーを作成したこと以外は
実施例1と同様にして、サンプルを作成した。
【0095】(実施例12)外添剤としてコロイダルシ
リカ微粉末AEROSIL TT600(日本アエロジ
ル社製、平均一次粒子径:0.04μm)100gと、
ジメチルシリコーンオイル〔KF−96,100cs
(信越化学社製)〕35gとを溶剤にて希釈したもの
を、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合処理
し、乾燥後、260℃で加熱処理を行い、35重量%の
ジメチルシリコーンオイルで表面処理されたシリカを得
た。
【0096】また、メチルトリメトキシシラン40gを
溶解したメタノール−水(95:5)の混合溶媒に、水
洗したチタニアCR−EL(石原産業社製、平均一次粒
子径:0.3μm)100gを添加し、超音波分散し
た。次いで、エバポレーターで分散液中のメタノールな
どを蒸発させ、乾燥した後、120℃に設定された乾燥
機で熱処理し、乳鉢で粉砕して、40重量%のメチルト
リメトキシシランで表面処理されたチタニアを得た。上
記シリカ及びチタニアを用いてトナーを作成したこと以
外は実施例5と同様にして、サンプルを作成した。
【0097】(実施例13)実施例5において母体粒子
100重量部に対し、疎水性シリカR972(日本アエ
ロジル 平均一次粒子径0.016μm)1.0重量部
混合してトナーを作成すること以外は実施例5と同様に
して、サンプルを作成した。
【0098】(比較例1)シリコンオイルの添加量を
0.01%に変え、実施例13のトナーを用いたこと以
外は実施例1と同様にして、サンプルを作成した。 (比較例2)シリコンオイルの添加量を10%に変えた
以外は実施例1と同様にして、サンプルを作成しようと
したが、塗工液が白濁したためサンプルを作成すること
ができなかった。
【0099】(比較例3)シリコンオイルの添加無しに
フッ素界面活性剤を0.1%加え、実施例13のトナー
を用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプルを作
成した。 (比較例4)フッ素界面活性剤の添加量を5%に変えた
以外は実施例5と同様にしてサンプルを作成しようとし
たが、塗工液が白濁したためサンプルを作成することが
できなかった。
【0100】(比較例5) <トナー用母体粒子> ポリエステル樹脂(SP値:9.8) 100部 カルナウバワックス 5部 カーボンブラック 8部 含金属モノアゾ染料 3部 上記組成の混合物を用いてトナーを作成したこと以外は
実施例1と同様にして、サンプルを作成した。
【0101】(評価)上記のように作製した現像剤、ト
ナー及び感光体を(株)リコー製複写機imagio6
550に搭載して評価を行った。評価機は感光体上の静
電潜像の極性と非磁性一成分現像剤の極性とが同一であ
る反転現像方式である。いずれの項目も6%画像面積の
画像チャートを10万枚ランニング出力した後に画像品
質を評価した。
【0102】(1)減耗性 10万枚ランニング出力した後の感光体ドラムの膜厚を
測定し、初期との差から減耗膜厚を算出した。結果を表
1に示す。ここで、表1内の◎は減耗膜厚が0.5μm
以下、○は減耗膜厚が0.5〜4.0μm、×は減耗膜
厚が4μm以上を示している。
【0103】(2)画像評価 10万枚ランニング出力した後の画像サンプルを見て地
カブリ、中間調画像での白スジや黒スジ、濃淡ムラ等の
感光体劣化による画像欠陥の有無および、画像濃度、細
線再現性、画像の鮮やかさ等を調べ、それらを総合的に
判断した。結果を表1に示す。ここで、表1内の◎は特
に優れたレベル、○は優れたレベル、△は少し劣ったレ
ベル、×は極めて劣ったレベルを示している。
【0104】(3)フィルミング 高温高湿環境(30℃、80%RH)でさらに1000
0枚ランニング出力した後の感光体の表面観察からフィ
ルミングの状態を目視で評価した。結果を表1に示す。
ここで、表1内の◎は極めて良好なレベル、○は良好な
レベル、×は変色のある(多発)レベルを示している。
【0105】
【表1】
【0106】表1に示すように、感光体の表面摩擦係数
を1.6以下にすると、感光体の減耗が少なくなり、感
光体が傷つきにくくなることが確認できた。特に、感光
体の表面摩擦係数を0.73以下にすると、感光体の減
耗が極めて少なくなり、感光体が傷つかなくなる。ま
た、感光体のSP値とトナーのSP値との差を絶対値で
0.5以上にすると、フィルミングを起こさなくするこ
とができる。特に、感光体のSP値とトナーのSP値と
の差を絶対値で1.0以上にすると、感光体の表面を極
めて良好なレベルにすることができる。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
感光体の表面にトナー等のフィルミングを起こさせなく
することができる。また、感光体の表面を傷つきにくく
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の画像形成方法に用いられ
る複写機の概略図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電装置 3 画像露光装置 4 現像装置 5 転写・分離装置 6 クリーニング装置 6a クリーニングブレード 6b クリーニングブラシ 7 除電装置 8 定着装置 9 コピー用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 375 G03G 9/08 321 (72)発明者 岩本 康敬 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 中井 洋志 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 樋口 博人 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA08 CA26 CB07 CB13 DA10 EA10 2H068 AA13 AA14 AA21 BA60 BB26 BB34 BB51 FA04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】形成された静電潜像を結着樹脂を含むトナ
    ーを用いて現像してトナー像を形成し、該トナー像を記
    録材に転写して記録画像を得る画像形成方式に用いられ
    る感光体であって、 表面摩擦係数が1.6以下の樹脂層が表面に形成され、
    該樹脂層の溶解度パラメータの値が前記トナーの結着樹
    脂の溶解度パラメータの値より絶対値で0.5以上異な
    る、ことを特徴とする感光体。
  2. 【請求項2】前記樹脂層は、シリコンオイルが樹脂成分
    量に対して0.05〜5重量%含有されている、ことを
    特徴とする請求項1に記載の感光体。
  3. 【請求項3】前記樹脂層は、シリコンオイルとフッ素系
    界面活性剤とが含有されている、ことを特徴とする請求
    項1または2に記載の感光体。
  4. 【請求項4】感光体上の静電潜像を現像して記録材に転
    写することにより記録画像を得る画像形成方式に用いら
    れるトナーであって、 前記トナーは少なくとも結着樹脂からなる母体粒子に無
    機微粒子が添加され、前記結着樹脂は、その溶解度パラ
    メータの値が前記感光体の溶解度パラメータの値より絶
    対値で0.5以上異なる、ことを特徴とするトナー。
  5. 【請求項5】前記無機微粒子は一次粒径の異なる少なく
    とも2種類からなる、ことを特徴とする請求項4に記載
    のトナー。
  6. 【請求項6】前記無機微粒子の少なくとも一つの平均一
    次粒子径は0.03μm以下であり、他の無機微粒子の
    平均一次粒子径は0.2μm以下である、ことを特徴と
    する請求項4または5に記載のトナー。
  7. 【請求項7】前記無機微粒子は、シリカ、酸化チタン、
    アルミナの中から選ばれる少なくとも1種類である、こ
    とを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の
    トナー。
  8. 【請求項8】前記無機微粒子は、少なくとも有機系シラ
    ン化合物で処理された疎水性無機微粒子である、ことを
    特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載のトナ
    ー。
  9. 【請求項9】感光体上の静電潜像をトナーを用いて現像
    してトナー像を形成し、該トナー像を記録材に転写して
    記録画像を得る工程と、前記感光体の表面に残存したト
    ナーを除去する工程とを備える画像形成方法であって、 前記感光体に請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感
    光体を用いる、ことを特徴とする画像形成方法。
  10. 【請求項10】感光体上の静電潜像をトナーを用いて現
    像してトナー像を形成し、該トナー像を記録材に転写し
    て記録画像を得る工程と、前記感光体の表面に残存した
    トナーを除去する工程とを備える画像形成方法であっ
    て、 前記トナーに請求項4乃至8のいずれか1項に記載のト
    ナーを用いる、ことを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7842443B2 (en) 2005-11-28 2010-11-30 Ricoh Company, Ltd. Method for evaluating electrophotographic photoconductor and the evaluation device, and method for reusing electrophotographic photoconductor
US20220066342A1 (en) * 2020-09-02 2022-03-03 Sharp Kabushiki Kaisha Toner, two-component developer, and image-forming apparatus

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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