JP5853658B2 - 感光体・プロセスカートリッジ・画像形成装置 - Google Patents
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Description
昨今、いずれの現像方式においても、出力画像のカラー化が進み、画像の高画質化や画像品質の安定化に対する要求は、これまでにも増して強くなっている。このような高画質化を図るため、トナーの平均粒径は小さくなり、その粒子形状は角張った部分がなくなり、トナーはより丸い形状になってきている。
市場では、物質自体の安全性や、製造の容易さ、コストの面から、有機感光層を用いた像担持体が多く使用されている。
この有機感光層を用いた像担持体は、通常、それぞれ機能の異なる複数の層を、導電性円筒等の基体表面に、塗布・乾燥を必要な層の数だけ繰り返して、順次、層を形成して作成する。
そのため、これまでにも、感光体の長寿命化を図るため、感光体としての特性を維持しつつ、その表面の機械的耐久性を向上するための試みが材料面や構成面で数多く行われてきている。
近年、半導体基板の絶縁処理等を目的として、パリレン(パラキシリレン樹脂)系の材料開発が進み、例えば、特許文献5の特許第3595094号公報等では、耐熱性を備えた材料の被膜も開発されてきている。しかしながら、これらの耐熱性被膜を、感光体表層のように、帯電によるハザードが繰り返し加わり、かつ、露光による電位減衰を必要とする部材に用いた場合の耐久性能や機能の維持については、これまでに全く検討されず未知であった。優れた耐久性の表面保護材料として例えば、テフロン(登録商標)に代表されるフッ素樹脂や、ポリイミド樹脂が多くの分野で知られ使われているが、これら材料は一般的に「焼付け」と称する数百度の加熱下での塗装処理により設けられるものである。しかし、有機材料感光体は、無機材料感光体と異なり、硬度や機械的強度のみならず耐熱性にも劣る場合が多いので、有機材料感光体に保護層を設けるためそのような高温に曝すと、感光体自体の変質、性能劣化を齎す危険性がある。つまり、弱い感光体には高強度の表面保護層が必要であるが焼付塗装を施すことが適当でなくできず、焼付塗装処理に対する耐久性がより強い無機感光体には表面保護層を設ける必要性がより少ないという一見矛盾した現実があると云えるので、この問題を避け得る技術の開発が好ましいと思われるが、そのような特定技術は現在まで提案されていない。
(1)「少なくとも支持体上に感光層を有し、該感光層表面に表面被覆層を形成した感光体において、該表面被覆層が化学式(1)で表されるポリ−α,α,α’,α’−テトラフルオロ−パラキシリレンを含有し、該表面層の厚さが0.1乃至5μmであることを特徴とする電子写真感光体;
(3)「該感光層が、少なくとも、電荷発生層上に熱可塑性樹脂を含む電荷輸送層を積層した有機感光層であることを特徴とする前記(1)項または(2)項に記載の電子写真感光体」。
(4)「該表面被覆層形成後の感光体を前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上の温度で熱保存処理(アニール処理)されたものであることを特徴とする前記(3)項に記載の電子写真感光体」。
(5)「少なくとも減圧下で加熱して昇華させた化学式(2)の化合物を、熱分解し反応性モノマーまたは熱ラジカルを生成し、生成した反応性モノマーまたは熱ラジカルを感光層と接触させ感光層表面で化学式(1)で表されるポリ−α,α,α’,α’−テトラフルオロ−パラキシリレンを含有する表面被覆層を重合することにより得られたものであることを特徴とする前記(1)項乃至(4)のいずれかに記載の電子写真感光体;
P3<P2<P1、かつ、T3<T1<T2・・・状態式(1);
であることを特徴とする前記(5)項に記載の電子写真感光体」。
(7)「少なくとも電子写真感光体、該感光体を帯電する帯電手段と、該感光体上の残存トナーをクリーニングするクリーニング手段を有するプロセスカートリッジにおいて、該感光体が、前記(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ」。
(8)「少なくとも電子写真感光体と、該感光体を帯電する帯電手段と、感光体上に静電潜像を形成するための書き込み手段と、トナーにより静電潜像を可視像化する現像手段と、感光体上のトナー可視像を、中間転写媒体を介してまたは介さずに、記録媒体上へ転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着固定化する定着手段とを有する画像形成装置において、上記感光体が、前記(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の感光体であることを特徴とする画像形成装置」。
(9)「少なくともプロセスカートリッジと、電子写真感光体上に静電潜像を形成するための書き込み手段と、トナーにより静電潜像を可視像化する現像手段と、感光体上のトナー可視像を、中間転写媒体を介してまたは介さずに、記録媒体上へ転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着固定化する定着手段とを有する画像形成装置において、上記プロセスカートリッジが、前記(7)項に記載のプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置」。
(10)「画像形成装置が、更に可視像化したトナー像を像担持媒体に転写後、帯電手段に至るまでの間に、感光体の少なくとも像形成領域の全幅を露光する露光手段を有することを特徴とする、前記(8)項または(9)項のいずれかに記載の画像形成装置」。
(11)「少なくとも支持体上に感光層を有し、該感光層表面に表面被覆層を形成した感光体において、該表面被覆層が化学式(1)を含有し、該表面層の厚さが0.1乃至5μmであることを特徴とする感光体の製造方法において、
少なくとも化学式(2)の化合物を減圧下で加熱して昇華する工程、昇華した化学式(2)の化合物を更に加熱して熱分解し反応性モノマーまたは熱ラジカルを生成する工程、生成した反応性モノマーまたは熱ラジカルを感光層と接触させ感光層表面で化学式(1)で表されるポリ−α,α,α’,α’−テトラフルオロ−パラキシリレンを含有する表面被覆層を重合する工程を、この順で含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法」。
P3<P2<P1、かつ、T3<T1<T2・・・状態式(1);
であることを特徴とする前記(11)項に記載の電子写真感光体の製造方法」。
また、表面被覆層が、電荷輸送物質を含有することにより、表面保護層内を確実に電荷輸送させることができ、より安定した静電潜像の形成ができるため、画像品質を向上させることができる。また、感光体上に形成したトナー像を転写後に、感光体に残留した電荷を全面露光等の除電手段によって容易に除去できる。
さらに、感光層が置かれる蒸着の際の温度(T3)及び圧力(P3)は、反応性モノマー又は熱ラジカルの生成温度(T2)や、原材料の昇華温度(T1)に比し非常に低くてよい。また、感光層が、少なくとも、電荷発生層上に熱可塑性樹脂を含む電荷輸送層を積層した感光層の有機電子写真感光体であるである場合には、基体が導電性であるため、連続使用時でも帯電部材に電荷の蓄積が生じることなく、本発明の効果をより確実に実現できる。薄膜形成法の1つとしての真空蒸着法(熱蒸着法)は、イオンビームスパッタ法やマグネトロン加速法を含むスパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法等の他の方法に比し、より温和な条件で薄膜形成できるが、フラシッシュ蒸着法、アーク蒸着法、レーザ加熱法、電子ビーム加熱法、分子エピタキシー(MBE)法等を含む真空蒸着法のうちでも最も温和な方法である抵抗加熱蒸着法でも、極めて薄くかつ高耐久性の表面被覆層を、感光体の電子写真特性の損傷劣化を招くことなく、形成することができる(知られているように、1eVに相当する感光体表面の衝撃は、エネルギーでは1.60×10−19J(=×10−12erg)、電磁波の波長で1.24×10−6m(=×10−4cm)、周波数では2.42×1014sec−1であるが、温度では1.16×104Kである)。
該表面被覆層形成後の感光体を前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上の温度で熱保存処理(アニール処理)を行う場合には、感光層と表面被覆層界面近傍における電荷輸送物質濃度のギャップが緩和されるため、静電潜像形成過程や除電過程で、よりスムーズに電荷移動が行われるため、安定して高品質な画像を持続的に得ることができ、静電潜像の履歴を消去し、均一に感光体の帯電を行うことができるため、より画像品質が高い安定した画像を長期間にわたって提供することができる。
さらに、本発明の前記「感光体の製造方法」によれば、極めて薄くかつ高耐久性の表面被覆層を、感光体の電子写真特性の損傷劣化を招くことなく、比較的容易に形成することができ、下層に対して影響を与えない程度の温和な条件(前記蒸着の際の低い温度(T3)及び圧力(P3)参照)で安定して製造することができ、生産性を上げられるため、感光体のコストを低減することができる。
また、本発明に上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジにおいては、上記本発明の効果を確実に実現できる。
また、本発明に上記電子写真感光体又はプロセスカートリッジを用いた画像形成装置によれば、上記感光体を用いているため、安定した画像を長期間にわたって提供することができる。
実施例の説明の前に、用語の説明を行う。本明細書における「画像形成装置」とは例えば、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機などである。
また、「記録媒体」は、例えば、紙、糸、繊維、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどの媒体である。以下では、記録媒体を用紙として説明する。
「画像形成」とは、文字や図形、パターンなどの画像を記録媒体に付与すること、着色または非着色の粉体(例えば、トナー)により静電潜像を可視像化し、必要により中間転写媒体を介して、これを記録媒体に転写して定着することを意味する。
また、「着色または非着色の粉体」とは、単一の樹脂粉末、複合粉末、単一または複数の色材、樹脂と色材の複合物やこれにワックス成分や無機材料を加えた粉末、これらを高次に形態制御した機能粉末を始めとするトナーなど、画像形成を行うことができる全ての粉体の総称として用い、例えば、光沢抑制粉体、光沢付与粉体、焼付け粉体、発泡性粉体なども含まれる。以下では、粉体をトナーとして説明する。
「プロセスカートリッジ」とは、画像形成を行うために必要な構成要素の全部または一部を一体化したものであり、少なくとも、感光体を含む。また、感光体を所定の電位するための帯電、静電潜像を形成するための書き込み、感光体上の静電潜像をトナー像にするための現像、感光体上のトナー像を記録媒体または中間転写媒体上に移すための転写、感光体上のトナー像残分を除去するためのクリーニングを行うために、必要な構成部材の全部または一部を含んでもよい。また、これら各過程の内、必要な過程が実施できるように各部材を配設可能な形態で構成する。
図1に本実施例の画像形成装置(100)の一構成例の断面図を示す。画像形成装置(100)の画像形成部(10)は、像担持体の典型例としての電子写真感光体(1Y)、(1M)、(1C)、(1K)を含む。該像担持体(1Y)、(1M)、(1C)、(1K)は、中間転写ベルト(5)の搬送方向に沿って設けられている。以下では、感光体(1Y)、(1M)、(1C)、(1K)をまとめていう場合は、感光体(1)という。感光体(1Y)、(1M)、(1C)、(1K)は、各色のトナー(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による画像を担持可能なものであり、光導電層を有する。該画像は、書き込み装置(3)により感光体(1)に対して、書き込まれる。
前記静電潜像形成手段は、帯電装置(2)を用いて前記感光体(1)を帯電したのち、前記感光体(1)上に静電潜像を形成させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記帯電装置(2)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電装置、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電装置、等が挙げられる。中でも、前述の理由から、導電性又は半導電性のロールを像担持体に対して、接触帯電及び近接帯電のいずれかを行う、帯電ローラを有する帯電装置が、好ましい。また、接触帯電及び近接帯電のいずれかの帯電ローラを有する帯電手段を用いる場合には、当接部分で大きな押圧力が加わらないように、軟質の接触帯電ローラの使用や、加圧部材を配設しない帯電手段構成をとる事がより好ましい。
また、前記帯電装置(2)としては、交流成分を有する電圧を印加する電圧印加手段を有するものが好ましい。
前記書き込み露光装置としては、帯電装置(2)により帯電された感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、LED光学系、等の各種書き込み露光装置が挙げられる。
なお、感光体の裏面側から像様に書き込み露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像装置(4)は、前記感光体(1)に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像して可視像を形成する手段であり、現像スリーブと、現像剤攪拌搬送機構を有する。
前記現像スリーブは、現像剤を担持すると共に、前記像担持体との対向位置まで搬送する。
前記感光体と前記現像スリーブとの間には隙間として画成される現像ギャップが形成される。
前記現像ギャップは、現像剤の汲み上げ量や、現像剤を現像スリーブ上へ保持するための磁界の強さ、現像剤中のキャリアの磁化、現像スリーブ回転速度等を考慮の上、略均等の間隙に調整して形成されるため、必ずしも特定できるものではないが、概ね、平均値として0.2〜0.4mm程度であることが好ましい。
前記現像装置としては、これらの構成を有するものであれば、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、例えば、現像剤を収容し、静電潜像に現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。
前記現像剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、トナーとキャリアからなる二成分現像剤である。
円形度SR=[トナー面積/(トナー周囲長)2]×4π 計算式(2)
円形度は、例えばフロー式粒子像分析装置(FPIA−1000、東亜医用電子社製)を用いて測定することができる。
前記クリーニング装置(6)としては、前記感光体の表面をクリーニングする手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、該手段を実現可能なクリーニング装置を挙げることができ、中でも、前記感光体表面をクリーニングするためのクリーニングブレードを有することが好ましい。
一般に、像担持体のクリーニング方法としては、前記クリーニングブレードを用いた方法のほかに、像担持体上に残存するトナーと逆極性となるように電圧を印加したブラシを用いた、静電クリーニング方式が挙げられる。
次に、各感光体(1)や現像装置(4)等を一体に構成し、画像形成装置本体に対して着脱自在なプロセスカートリッジとして構成することもできる。
図2に本実施例のプロセスカートリッジ(300)の構成例を示す。但し、識別符号は省略する。
上述した感光体(1)、帯電装置(2)、現像装置(4)、及びクリーニング装置(6)はプロセスカートリッジ(300)内に一体に収容されている。
帯電装置(2)は、この例の画像形成装置では帯電部材としての帯電ローラ(20)を有している。
図3に感光体(1)の一例の部分拡大図(概略図)を示す。感光体(1)は、支持体(10)と、下引き層(11)と、感光層(12)と、表面被覆層(13)を含む。
感光体(1)に用いる支持体(10)としては、体積抵抗1.0×1010Ω・cm以下の導電性を示すものが好ましく用いられ、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着又はスパッタリングにより、プラスチック、強化ガラス等に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどを、押し出し、引き抜きなどの工法でドラム状に素管化後、切削、仕上げ、研摩などの表面処理した管などが挙げられる。画像形成時の位置合わせ精度や、寸法安定性等の面から、支持体(10)は、硬質の円管状または十分な引っ張り強度を持った薄い筒状であることが好ましい。
前記下引き層(11)としては、特に制限はなく、一層であっても、複数の層で構成してもよく、例えば(i)樹脂を主成分としたもの、(ii)白色顔料と樹脂を主成分としたもの、(iii)導電性支持体表面を化学的又は電気化学的に酸化させた酸化金属膜等が挙げられる。これらの中でも、白色顔料と樹脂を主成分とするものが好ましい。
前記白色顔料としては、特に制限はなく、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられ、これらの中でも、導電性支持体からの電荷の注入防止性が優れる酸化チタンが特に好ましい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリアミド、ポリビニルアルコール、カゼイン、メチルセルロース等の熱可塑性樹脂;アクリル、フェノール、メラミン、アルキッド、不飽和ポリエステル、エポキシ等の熱硬化性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記下引き層(11)の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、0.1μm〜10μmが好ましく、1μm〜5μmがより好ましい。
前記感光層(12)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、電荷発生物質と電荷輸送物質を混在させた単層型、電荷発生物質を含有する電荷発生層の上に電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有する順層型、又は電荷輸送層の上に電荷発生層を有する逆層型が挙げられる。
また、各層には必要に応じて可塑剤、酸化防止剤、レベリング剤等を適量添加することもできる。
前記感光層(12)の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、10〜50μmが好ましい。
また、前記下引き層(11)、感光層(12)の合計厚みとしては、20から60μmの範囲を満たすことが好ましい。
これらの関係を満たすと、長期間に渡り均等な可視像の形成を実現できるため、経時変動の小さい安定した画像形成装置を提供することができる。厚みが20μm未満の場合には、感光体としての電気的な均一性を確保することが困難となる事があり、60μmを超える場合であると、静電潜像解像度の低下を引き起こすことがあるため好ましくない。
該結着樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネ−ト、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類などが挙げられる。
前記酸化防止剤の添加量としては、添加する層の総質量に対して0.01質量%〜10質量%が好ましい。
本発明の感光体(1)について必須の構成要素となる表面被覆層(13)に使用する材質について説明する。表面被覆層(13)に使用する材料としては、下記化学式(1)で示される、メチレンの水素を全てフッ素置換したパラキシリレン(パリレン)の重合体を、含有する。
表面被覆層に電荷輸送能力を持たせる方法としては、例えば感光層に用いられる上述の電荷輸送物質のうち、減圧下で過熱した時に昇華性を有する電荷輸送材料を、表面被覆層形成過程で同時に被覆層中に導入すればよい。
画像形成のための一連のプロセスについて、ネガ−ポジプロセスで説明を行なう。なお、全ての感光体、現像装置に共通する内容の場合には感光体を単に符号(1)で示し、現像装置を符号(4)で示す。
光導電層を有する感光体(1)は、除電ランプ(図示せず)等で除電され、後述する帯電部材を有する帯電装置(2)で均一にマイナスに帯電される。
帯電された感光体(1)は、レーザー光学系等の書き込み装置(3)によって照射されるレーザー光(L)で潜像形成(露光部電位の絶対値は、非露光部電位の絶対値より低電位となる)が行なわれる。
静電潜像の現像時には、上記電圧印加装置から上記現像スリーブに、感光体(1)の露光部と非露光部の間にある、適当な大きさの電圧又はこれに交流電圧を重畳した現像バイアスが印加される。
重ね合わせ画像を一括転写された記録媒体は、定着装置(7)に送られてここで熱と圧力によりトナー像を定着される。定着を終えた記録媒体は排紙ローラ対により排紙トレイ(8)に排出・スタックされる。
本実施形態では、画像形成装置として、中間転写ベルト(5)を用いて2次転写する構成としたが、記録媒体を搬送ベルトで搬送しながら複数の感光体(1)のトナー像を順次記録媒体上に重ね転写する構成としてもよい。
次に、評価結果について説明する。後述の表1に、評価結果を示す。まず、表1の記載について説明する。
表1における感光層厚さには、下引き層の厚さも含まれる。感光層厚さ(下引き層、電荷発生層及び電荷輸送層の合計)は、渦電流式の膜厚測定器(万能型膜厚計 LZ−200 (株)ケット科学研究所製、LHP−20(NFe)型プローブ)を用いて、像担持体回転軸方向に沿って10箇所測定して平均した。
≪目視2by2画像≫
◎:極めて優れている(全面にわたってムラが感知できないレベル)
○:実用上問題ないレベル(◎と並べて見るとわずかにムラが感知できるレベル)
△:実用上許容できるレベル(◎と並べて見るとムラが感知できるレベル)
×:使用不可(単独で明らかにムラが感知できる)
◎:極めて優れている(全面にわたってムラが感知できないレベル)
○:実用上問題ないレベル(◎と並べて見るとわずかにムラが感知できるレベル)
△:実用上許容できるレベル(◎と並べて見るとムラが感知できるレベル)
×:使用不可(単独で明らかにムラが感知できる)
◎:極めて優れている(全面にわたって異常な細線が感知できないレベル)
○:実用上問題ないレベル(◎と並べるとわずかに汚れが感知できるレベル)
△:実用上許容できるレベル(◎と並べて見ると汚れが感知できるレベル)
×:使用不可(単独で明らかに汚れが感知できる)
◎:極めて優れている(ドットが非常にそろっている;Rrが0.9以上)
○:実用上問題ないレベル(視野毎のドットの大きさに差異がある場所が少数ある;Rrが0.8以上0.9未満)
△:実用上許容できるレベル(視野毎のドットの大きさに差異がある場所がある;Rrが0.6以上0.8未満)
×:使用不可(複数領域のドットの大きさが明らかに異なる;Rrが0.6未満)
<表面被覆層を有しない感光体の作成>
導電性円筒状支持体として、外径40mm、肉厚0.8mmのアルミニウムシリンダーを用いた。このアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、電荷発生層用塗工液、電荷輸送層用塗工液を順次、浸漬塗布、乾燥を繰り返すことにより、3.5μmの下引き層、0.2μmの電荷発生層、約30μmの電荷輸送層を形成して、感光体1を得た。
下記組成の下引き層用塗工液を前記アルミニウムシリンダー上に浸漬塗布した後、120℃で25分間加熱乾燥して、3.5μmの下引き層を形成した。
アルキッド樹脂 6部
(ベッコゾール 1307−60−EL、大日本インキ化学工業社製)
メラミン樹脂 4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業社製)
酸化チタン(CR−EL、石原産業社製) 40部
メチルエチルケトン 200部
下記組成の電荷発生層用塗工液を前記下引き層上に浸漬塗布した後、120℃で20分間加熱乾燥して、0.2μmの電荷発生層を形成した。
オキソチタニウムフタロシアニン顔料 2部
(特開2009−007271号公報の段落「0029」、図3に記載のものと同じオキソチタニウムフタロシアニン顔料)
ポリビニルブチラール 0.2部
(エスレックBM−S、積水化学工業(株)製)
テトラヒドロフラン 50部
下記組成の電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上に浸漬塗布した後、135℃で20分間加熱乾燥して、電荷輸送層を形成した。浸漬塗布工程では、引き上げ速度及び周辺雰囲気調整し、塗工液の付着量が均等になるようにした。
下記構造式で表される電荷輸送物質(D−1) 10部
ビスフェノールZポリカーボネート 10部
(パンライトTS−2050:帝人化成社製)
シリコーンオイル 0.002部
(KF−50、信越化学工業社製)
テトラヒドロフラン 100部
これにより、本発明の比較対象の一つとなる、表面被覆層を有しない感光体を得た。
この感光体1の両端にフランジを設けた。
リコー製、imagio MP C4500の作像ユニットに作成したフランジ付きの感光体1を組み込んだ。この時、クリーニング部に配設した潤滑剤塗布機構及び塗布ブレードは取り外した。また、カートリッジは黒用を使用した。
作成したプロセスカートリッジを、リコー製、imagio MP C4500の黒用カートリッジと置き換え、上記の手順により画像評価を行った。
評価結果を、表1に示す。
<表面被覆層を有する感光体の作成>
実施例1により作成した感光体1の内側面をマスキングした後、図4に示される表面被覆層を生成するための製造装置の真空室(3)内で前記化学式(2)のオクタフルオロ[2,2]パラシクロフアンの熱分解により生じた反応性モノマー、及び、前記電荷輸送物質(D−1)の昇華物を流入して、感光層の外側面に化学式(1)の表面被覆層を蒸着積層した。
更に、反応性モノマーは真空室(2)と真空室(3)を繋ぐ流路を通って、約13Paで常温(約20℃)に調整した真空室(3)に流入され、内部に設置した感光体表面で直接重合し表面被覆層を生成した。
また、表面被覆層中の電荷輸送物質(D−1)の含有量は、反応性モノマー及び電荷輸送物質(D−1)の昇華物の真空室(3)への流入量および流入時間により、重量基準で約30重量%に制御した。
実施例2により作成した感光体2の表面被覆層の厚さは2.0μmであった。
評価結果を、表1に示す。
真空室(3)への反応性モノマー流入量及び表面被覆層形成時間を調節し、表面被覆層の厚さを0.05μmとして感光体3を作成した。それ以外の条件は実施例1と同様である。
真空室(3)への反応性モノマー流入量及び表面被覆層形成時間を調節し、表面被覆層の厚さを0.1μmとして感光体4を作成した。それ以外の条件は実施例1と同様である。
真空室(3)への反応性モノマー流入量及び表面被覆層形成時間を調節し、表面被覆層の厚さを1.0μmとして感光体5を作成した。それ以外の条件は実施例1と同様である。
真空室(3)への反応性モノマー流入量及び表面被覆層形成時間を調節し、表面被覆層の厚さを3.0μmとして感光体6を作成した。それ以外の条件は実施例1と同様である。
真空室(3)への反応性モノマー流入量及び表面被覆層形成時間を調節し、表面被覆層の厚さを5.0μmとして感光体7を作成した。それ以外の条件は実施例1と同様である。
真空室(3)への反応性モノマー流入量及び表面被覆層形成時間を調節し、表面被覆層の厚さを8.0μmとして感光体8を作成した。それ以外の条件は実施例1と同様である。
実施例9では、表面被覆層中に電荷輸送物質を含まない感光体による画像品質の安定性を確認するために、実施例2における電荷輸送物質(D−1)を使用せずに表面被覆層を形成した以外は、実施例2(表面被覆層の厚さ=2.0μm)と同様にして、<表面被覆層を有する感光体の作成>、<プロセスカートリッジの作成>及び、<画像品質の確認>を行った。
実施例10では、表面被覆層中に電荷輸送物質を含まない感光体による画像品質の安定性を確認するために、実施例2における電荷輸送物質(D−1)を使用せずに表面被覆層を形成し、真空室(3)への反応性モノマー流入量及び表面被覆層形成時間を調節し、表面被覆層の厚さを5.0μmとした以外は、実施例2と同様にして、<表面被覆層を有する感光体の作成>、<プロセスカートリッジの作成>及び、<画像品質の確認>を行った。評価結果を、表1に示す。
実施例11では、本発明とは異なるポリパラキシリレンによる表面層の性能を確認するために、実施例2における化学式(2)のダイマーに替えて、下記化学式(4)のダイマー(テトラフルオロ−[2,2]−パラシクロフアン)を用いて、化学式(3)をそれぞれ含有する表面被覆層を形成した感光体を用いた以外は、実施例2と同様にして、<表面被覆層を有する感光体の作成>、<プロセスカートリッジの作成>及び、<画像品質の確認>を行った。評価結果を、表1に示す。
実施例12では、本発明とは異なるポリパラキシリレンによる表面層の性能を確認するために、実施例2における化学式(2)のダイマーに替えて、化学式(6)のダイマー([2,2]−パラシクロフアン)を用いて、化学式(5)のポリマーを含有する表面被覆層を形成した感光体を用いた以外は、実施例2と同様にして、<表面被覆層を有する感光体の作成>、<プロセスカートリッジの作成>及び、<画像品質の確認>を行った。
評価結果を、表1に示す。
実施例13では、感光体の熱処理により、表面被覆層を有しない感光体でも画像品質の安定性が向上するかどうかを確認するため、実施例1の感光体に対して実施例2と同様の熱処理を行い、<表面被覆層を有する感光体の作成>、<プロセスカートリッジの作成>及び、<画像品質の確認>を行った。
評価結果を、表1に示す。
実施例14では、感光体の熱処理をしなかった場合でも、表面被覆層を有する感光体の画像品質の安定性が許容できるかどうかを確認するため、実施例2の感光体の熱処理を行わなかった以外は、実施例2と同様にして、<表面被覆層を有する感光体の作成>、<プロセスカートリッジの作成>及び、<画像品質の確認>を行った。
評価結果を、表1に示す。
実施例15では、感光体温度が表面被覆層生成の安定性に与える影響を確認するために、真空室3の温度を真空室1の温度と同じ150℃とした以外は、実施例2と同様にして、<表面被覆層を有する感光体の作成>を行った。この感光体の総膜厚を測定したところ、感光層表面で均一な重合が行われず、測定場所による総膜厚のバラツキが認められ、十分な均一性を持った感光体は得られなかった。
<実施例2、4、5、6、7と実施例1、3、8の比較>
化学式(1)の組成物及び電荷輸送物質よりなり、厚みが良好な範囲(0.1μm〜5μm)である表面被覆層を有する感光体による実施例2、4、5、6、7と、表面被覆層を持たない感光体による実施例1、表面被覆層厚みが良好な範囲外となる実施例3、8との比較結果について説明する。表1では、表面被覆層厚みが該良好な範囲の場合、画像品質の評価が良くなることが示されている。表面被覆層を持たない、または、表面被覆層厚みが薄い場合には、感光体表面の耐久性が十分ではないことがあり、通紙試験により感光体表面がダメージを受け、画像品質が悪化した。逆に、表面層厚みが厚すぎると、感光体表面の電位を制御性良く十分に減衰させづらく、初期から静電潜像にムラが生じ、画像品質が悪化した。またこの感光体の耐久性は良好であるため、表面被覆層の状態は通紙試験によっても維持されつづけ、この画像品質が改善されることはなかった。
また、実施例2、5、6は、実施例4、7より画像品質が良好であり、表面被覆層厚みが1μm〜3μmであることが、より好ましいことが証明された。
化学式(1)の組成物及び電荷輸送物質よりなり、厚みが良好な範囲(2μm,5μm)である表面被覆層を有する感光体による実施例2、5と、化学式(1)の組成物のみよりなり、同じ厚みの表面被覆層を有する感光体による実施例9、10との比較結果について説明する。表1では、表面被覆層中に電荷輸送物質を含む場合と比較して、電荷輸送物質を含まない場合の方が、僅かに画像品質に劣ることが示されている。
従って、表面被覆層中に電荷輸送物質を含むことが好ましいことが証明された。
実施例2と実施例11、12との比較結果について説明する。化学式(1)の組成物を用いた実施例2に対して、化学式(3)、化学式(5)の組成物を用いた実施例11、12では、いずれも、十分な感光体の耐久性を得ることができず、通紙試験により画像品質の劣化が認められた。
従って、化学式(1)の組成物を用いた表面被覆層によって、特異的に良好な耐久性を持つ表面被覆層が形成できることが証明された。
上記の様に実施例2では、表面被覆層の形成後熱処理をしている点で、実施例1と異なっているため、感光体の熱処理が感光体の耐久性に影響を及ぼすかについて、実施例13で確認したところ、本願構成の表面被覆層を持たない感光体においては感光体の熱処理の有無に関係なく、長期間にわたる耐久性は得られないことが証明された。
表面被覆層を有する実施例2について、感光体の熱処理の効果を確認するために、熱処理を行わない実施例14で確認したところ、熱処理をした実施例2の場合と比較して、初期の評価、通紙試験後の評価ともに、僅かに画像品質が劣ることが示された。従って、表面被覆層の形成後に感光体の熱処理を施すことが好ましいことが証明された。
1Y、C、M、K 感光体
2 帯電装置
3 書き込み装置
4 現像装置
5 中間転写ベルト
6 クリーニング装置
7 定着装置
8 排紙トレイ
9 光ガイド部材
10 感光体支持体
11 下引き層
12 感光層
13 表面被覆層
20 帯電ローラ
21 帯電クリーニングローラ
40 現像スリーブ
41 現像剤攪拌搬送部材
42 現像剤攪拌搬送部材
50 中間転写ベルト支持ローラ
51 中間転写ベルト支持ローラ
52Y、C、M、K 1次転写ローラ
53 2次転写ローラ
60 クリーニングブレード
100 画像形成装置
120 電荷発生層
121 電荷輸送層
200 給紙機構
300 プロセスカートリッジ
(図4について)
1 昇華用真空室
2 熱分解用真空室
3 被覆層形成用真空室
4 (第2)昇華用真空室
Claims (10)
- 少なくとも支持体上に感光層を有し、該感光層表面に表面被覆層を形成した感光体において、該表面被覆層が化学式(1)で表されるポリ−α,α,α’,α’−テトラフルオロ−パラキシリレンを含有し、該表面層の厚さが0.1乃至5μmであることを特徴とする電子写真感光体。
- 該表面被覆層が、電荷輸送物質を含有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
- 該感光層が、少なくとも、電荷発生層上に熱可塑性樹脂を含む電荷輸送層を積層した有機感光層であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子写真感光体。
- 該表面被覆層形成後の感光体が前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上の温度で熱保存処理(アニール処理)されたものであることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体を製造する方法であって、
少なくとも減圧下で加熱して昇華させた化学式(2)の化合物を、熱分解し反応性モノマーまたは熱ラジカルを生成して、生成した反応性モノマーまたは熱ラジカルを感光層と接触させ感光層表面で化学式(1)で表されるポリ−α,α,α’,α’−テトラフルオロ−パラキシリレンを含有する表面被覆層を重合することにより、
前記感光層表面に前記表面被覆層を形成する工程を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
- 前記化学式(2)の化合物を昇華させた際の制御圧力及び制御温度をP1(Pa)、T1(℃)とし、昇華した化学式(2)の化合物を更に加熱して熱分解し反応性モノマーまたは熱ラジカルを生成した際の制御圧力及び制御温度をP2(Pa)、T2(℃)とし、生成した反応性モノマーまたは熱ラジカルを感光層と接触させ感光層表面で化学式(1)で表されるポリ−α,α,α’,α’−テトラフルオロ−パラキシリレンを含有する表面被覆層を重合する工程における、制御圧力及び制御温度をP3(Pa)、T3(℃)としたとき、
P3<P2<P1、かつ、T3<T1<T2・・・・・状態式(1)
であることを特徴とする請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。 - 少なくとも電子写真感光体、該感光体を帯電する帯電手段と、該感光体上の残存トナーをクリーニングするクリーニング手段を有するプロセスカートリッジにおいて、該感光体が、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 少なくとも電子写真感光体と、該感光体を帯電する帯電手段と、感光体上に静電潜像を形成するための書き込み手段と、トナーにより静電潜像を可視像化する現像手段と、感光体上のトナー可視像を、中間転写媒体を介してまたは介さずに、記録媒体上へ転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着固定化する定着手段とを有する画像形成装置において、上記感光体が、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電子写真感光体であることを特徴とする画像形成装置。
- 少なくともプロセスカートリッジと、電子写真感光体上に静電潜像を形成するための書き込み手段と、トナーにより静電潜像を可視像化する現像手段と、感光体上のトナー可視像を、中間転写媒体を介してまたは介さずに、記録媒体上へ転写する転写手段と、トナー像を記録媒体に定着固定化する定着手段とを有する画像形成装置において、上記プロセスカートリッジが、請求項7に記載のプロセスカートリッジであることを特徴とする画像形成装置。
- 画像形成装置が、更に可視像化したトナー像を像担持媒体に転写後、帯電手段に至るまでの間に、感光体の少なくとも像形成領域の全幅を露光する露光手段を有することを特徴とする、請求項8または請求項9のいずれかに記載の画像形成装置。
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