JP4637439B2 - 脱臭アブラナ科植物色素 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、無臭若しくは臭いが有意に低減された微臭のアブラナ科植物色素、及び該色素を含有する色素製剤に関する。更に本発明は、長期保存または光や熱の影響によって生じ得る経時的な臭いの発現が有意に抑制されてなる無臭若しくは微臭のアブラナ科植物色素、及び該色素を含有する色素製剤に関する。また、本発明はかかる無臭若しくは微臭のアブラナ科植物色素の製造方法に関する。
背景技術
アントシアニン系色素であるアブラナ科植物色素は、主に飲料などの食品の着色に広く使用されている色素である。しかしながら、当該アブラナ科植物色素は、原料として用いるアブラナ科植物に起因して特有の野菜臭あるいは漬物臭といった臭いを有する。このため、例えば食品や化粧品等の製品に使用する際、その臭いや香気がこれらの製品の風味、味または香りに悪影響を及ぼす場合がある。
このため、従来から食品などに添加してもアブラナ科植物由来の臭いが感じられないほどに香気が低減されてなるアブラナ科植物色素製剤が求められており、これまでに各種の精製方法が検討され実施されている。例えば、紫甘らんの抽出液を吸着樹脂あるいはイオン交換樹脂で処理する方法(特公昭62−18581号)、水溶性食用色素を有機溶媒や超臨界状態の炭酸ガスで抽出する方法(特公平4−48420号)、あるいはアントシアニン系色素を含む水やアルコール溶液を陽イオン交換樹脂、シリカゲル(脱臭処理)及び分子量約20,000以上の分子を除去する限外濾過膜などを用いて処理する方法(特公平4−41185号)などが、提案されている。
しかしながら、このような処理によって製造されるアブラナ科植物色素を含む色素製剤は、未処理の色素製剤に比べて確かに臭いは低減されているものの、未だ満足できる色素製剤といえないのが実情である。
また、従来のアブラナ科植物色素製剤は、加熱や長期保存によって香気が発現して徐々に臭いが強くなる、所謂「匂い戻り現象」が発生するという問題が指摘されているが、上記種々の処理によってもかかる「匂い戻り現象」という問題は未だ解消されていない。
発明の開示
本発明は食品、医薬品、医薬部外品または化粧品などの各種製品の風味や香味に対して長期にわたって影響を与えることなく、これらの製品に安心して配合使用できるアブラナ科植物色素製剤を提供することを目的とするものである。
具体的には、本発明は第1に、アブラナ科植物に由来する臭いを有しないか若しくは当該臭いが有意に低減されてなるアブラナ科植物色素、並びに該色素を含有する色素製剤を提供することを目的とする。第2に本発明は、加熱や長期保存によっても所謂「匂い戻り現象」といった経時変化のない安定性に優れたアブラナ科植物色素、並びに該色素を含有する色素製剤を提供することを目的とする。第3に本発明は、上記の無臭若しくは微臭のアブラナ科植物色素を製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、アブラナ科植物色素製剤に関する従来の問題点を解決すべく、日夜鋭意検討していたところ、本発明の方法によればアブラナ科植物に含まれる悪臭や異臭の原因となる香気成分を有意に除去することができ、無臭若しくは微臭のアブラナ科植物色素が調製できることを見出した。さらにこのようにして得られたアブラナ科植物色素は、加熱や長期保存によっても「匂い戻り現象」を生じないことを見出した。そして、これらの知見から当該アブラナ科植物色素を原料とすることによって、無臭若しくは微臭であって経時的安定性に優れたアブラナ科植物色素製剤が調製できることを確認した。
本発明はかかる知見に基づいて、完成したものである。
すなわち本発明は下記(1)〜(8)に掲げるアブラナ科植物色素である:
(1).色価を
10% 1cm=80
とした場合に、含まれる香気成分濃度が100ppm以下であるアブラナ科植物色素。
(2).色価を
10% 1cm=80
とした場合に、含まれる香気成分濃度が50ppm以下であるアブラナ科植物色素。
(3).色価を
10% 1cm=80
とした場合に、含まれる香気成分濃度が20ppm以下であるアブラナ科植物色素。
(4).上記香気成分が、ジメチルジスルフィッド、ジメチルトリスルフィッド、3−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−フェニルプロパンニトリル、4−(メチルチオ)ブタンニトリル、5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、ヘキサノール、2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセナール、4−ビニルフェノール、フェニルアセトアルデヒドおよび酢酸よりなる群から選択されるいずれか少なくとも一種である(1)記載のアブラナ科植物色素。
(5).色価を
10% 1cm=80
とした場合に、含まれるジメチルジスルフィッド及び/又はジメチルトリスルフィッドの濃度が、総量で0.1ppm以下であるアブラナ科植物色素。
(6).色価を
10% 1cm=80
とした場合に、含まれる3−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−フェニルプロパンニトリル、4−(メチルチオ)ブタンニトリル、5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、ヘキサノール、2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセナール、4−ビニルフェノール、フェニルアセトアルデヒドまたは酢酸の各濃度がそれぞれ1ppm以下である、(5)記載のアブラナ科植物色素。
(7).アブラナ科植物色素が、赤キャベツ、赤ダイコン、二十日ダイコン、西洋ダイコン、クロダイコン、赤カブ、ケール、ブロッコリー、カリフラワー、メキャベツ、コールラビー、クロガラシ、葉ボタン及び高菜に由来する色素よりなる群から選択されるいずれか少なくとも一種であることを特徴とする(1)に記載のアブラナ科植物色素。
さらに本発明は、上記(1)〜(7)に記載のアブラナ科植物色素を含有する色素製剤である。かかる態様としては下記の(8)及び(9)を挙げることができる。
(8).溶液状であるアブラナ科植物色素製剤。
(9).アブラナ科植物色素を1〜90重量%の割合で含有するアブラナ科植物色素製剤。
また、本発明は、下記(10)〜(24)に掲げる、上記高度に精製されたアブラナ科植物色素の製造方法に関する:
(10).アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液に対して、吸着処理、イオン交換処理、酸処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理を行うことを特徴とする、無臭若しくは微臭のアブラナ科植物色素の製造方法。
(11).アブラナ科植物色素抽出液が、アブラナ科植物を酸性抽出溶媒中で細断しながら抽出するか、アブラナ科植物の細断物を酸性抽出溶媒に入れて浸漬抽出することによって得られるものである、(10)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
(12).酸性抽出溶媒のpHが1〜4である、(11)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
(13).アブラナ科植物色素抽出液が、アブラナ科植物を酸性抽出溶媒に浸漬し、然る後、加熱処理を施すことによって得られるものである、(11)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
(14).酸処理が、食品添加物として使用される酸を用いた処理である、(10)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
(15).酸処理が、硫酸、塩酸、リン酸及び硝酸よりなる群から選択される少なくとも1種の無機酸を用いた処理である、(10)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
(16).酸処理が、アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液または各種処理後の処理液をpH1〜4の条件下に曝すことからなるものである、(10)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
(17).膜分離処理が、メンブランフィルター膜処理、限外濾過膜処理、逆浸透膜処理、電気透析膜処理、イオン選別膜処理及びイオン交換膜処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理である、(10)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
(18).アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液を、脱蛋白処理した後に膜分離処理を行うことを特徴とする、無臭または微臭のアブラナ科植物色素の製造方法。
(19).上記膜分離処理が、逆浸透膜処理または限外濾過膜処理のいずれか少なくとも一方の処理である、(18)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
(20).上記膜分離処理が、分画分子量が2000〜4000である膜を使用した処理である、(18)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
(21).脱蛋白処理が、イオン交換処理、抽出処理、膜分離処理及びゲルろ過処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理である、(18)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
(22).脱蛋白処理として用いる膜分離処理が分画分子量が10〜10である膜を使用した処理である、(21)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。(24).膜分離処理前に酸処理を行う、(18)記載のアブラナ科植物色素の製造方法。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、原料として用いるアブラナ科植物に由来する臭いを有しないか、若しくは当該臭いが有意に低減されてなる、無臭若しくは微臭のアブラナ科植物色素である。
本発明において、アブラナ科植物色素とはアブラナ科(Family Brassicaceae)に属する植物を原料として得られる色素を広く意味するものである。好ましくはアブラナ科植物に由来するアントシアニン系色素であり、該アントシアニン系色素を含有する赤系色素及び赤紫色系色素も当該色素に包含される。
ここでアブラナ科植物としては、特に限定はされないが、赤キャベツ(甘藍、Brassica oleracea L.var.capitata DC)、ブロッコリー(Brassica oleracea L.var.itarica Plen.)、カリフラワー(Brassica oleracea L.var.otrytis gr.)、メキャベツ(Brassica oleracea L.var.gemmifera Zenher)、コールラビー(Brassica oleracea L.var.caulorapa DC)、ケール(Brassica oleracea L.var.acephala gr.)、葉ボタン(Brassica oleracea L.var.acephala DC)、赤カブ(Brassica rape)、クロガラシ(Brassica nigra)、及び高菜(Brassica juncea)等のアブラナ科アブラナ属に属する植物;赤ダイコン(Raphanus sativus L.)、二十日ダイコン(Raphanus sativus var.radicula)、西洋ダイコン(Raphanus sativus var.major)、クロダイコン(Raphanus sativus var.niger)などのアブラナ科ダイコン属に属する植物;などを例示することができる。
本発明において色価(E10% 1cm)とは、当該対象のアブラナ科植物色素を含有する溶液(緩衝液pH3.0)の可視部での極大吸収波長(530nm付近)における吸光度を測定し(測定セル幅:1cm)、該吸光度を10w/v%アブラナ科植物色素含有溶液の吸光度に換算した数値である。
また本発明において香気成分とは、各種のアブラナ科植物に含まれる香気成分、特に悪臭や異臭の原因となる香気成分を意味するものである。特に制限されないが、具体的にはジメチルジスルフィッド、ジメチルトリスルフィッド、3−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−フェニルプロパンニトリル、4−(メチルチオ)ブタンニトリル、5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、ヘキサノール、2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセナール、4−ビニルフェノール、フェニルアセトアルデヒドまたは酢酸を挙げることができる。
本発明が対象とするアブラナ科植物色素は、当該色素の色価を
10% 1cm=80
に調整した場合に、該色素中に含まれる上記香気成分の総濃度が100ppm以下であることを特徴とするものである。好ましくは50ppm程度以下、より好ましくは20ppm程度以下である。香気成分の濃度は色価にほぼ比例するものである。よって、本発明が対象とするアブラナ科植物色素は、色素を上記色価に調整した場合に香気成分の総濃度が上記範囲にあるものであればよく、色素自体が上記色価を有する必要はない。
本発明のアブラナ科植物色素として好ましくは、その色価を上記のように調整した場合に、該色素中に含まれるジメチルジスルフィッド及び/またはジメチルトリスルフィッドの濃度が、総量で0.1ppm程度以下であるものである。これらの成分は、アブラナ科植物に含まれる揮発性香気成分であって、匂い閾値が非常に小さく僅かに含まれるだけで異臭を発する。よって、アブラナ科植物色素における悪臭の主原因となる。この場合において、更に、アブラナ科植物色素に含まれ得る上記の他の各香気成分(3−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−フェニルプロパンニトリル、4−(メチルチオ)ブタンニトリル、5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、ヘキサノール、2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセナール、4−ビニルフェノール、フェニルアセトアルデヒド、酢酸)の濃度がそれぞれ1ppm程度以下であることがより好ましい。
このように香気成分の含有量が極めて低減されることによって、無臭化若しくは微臭化された本発明のアブラナ科植物色素は、アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液に対して、吸着処理、イオン交換処理、酸処理、抽出処理または膜分離処理のいずれか一種またはこれらの処理を任意に2種以上組み合わせて行うことによって製造取得することができる。
従って、本発明は上記無臭若しくは微臭化されたアブラナ科植物色素(脱臭アブラナ科植物色素)の製造方法を提供する。なお、当該本発明の製造方法は、別の観点から、アブラナ科植物の色素抽出液に含まれる異臭もしは悪臭の原因成分、特にジメチルジスルフィッド、ジメチルトリスルフィッド、3−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−フェニルプロパンニトリル、4−(メチルチオ)ブタンニトリル、5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、ヘキサノール、2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセナール、4−ビニルフェノール、フェニルアセトアルデヒドまたは酢酸の香気成分を除去若しくは低減するために有用な、アブラナ科植物色素の精製方法と言い換えることもできる。また当該本発明の製造方法は、更に別の観点からアブラナ科植物色素の脱臭方法と言い換えることができる。
本発明の製造方法において用いられるアブラナ科植物の色素抽出液としては、前述する各種のアブラナ科植物の植物体の溶媒抽出物が用いられる。抽出に用いられる植物部位は、目的とする色素、特にアントシアニン系色素が含まれる部位であればよく、全草またはその一部(例えば根、茎、葉、果実(種子)、花弁、花蕾等)の別を特に問うものではない。なお、上記植物体にはアブラナ科植物のカルスも包含される。当該植物の全草又はその一部はそのまま(生)若しくはその破砕物(粗末、細切物等)として抽出操作に付してもよいし、また乾燥後、必要に応じて破砕物(粉体物等)として抽出操作に付してもよい。
上記抽出に用いられる溶媒としては、特に制限されないが、好適にはアルコール、水またはこれらの混合液を用いることができる。なお、アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロピルアルコール、ブタノール等の炭素数1〜4の低級アルコールを例示することができる。好ましくは水または含水アルコールである。なお、含水アルコールはアルコール含有量が40容量%以下のものが好ましい。
また、抽出に使用する溶媒として酸性溶液、具体的には、pH1〜4、好ましくはpH1〜3の範囲に調整された酸性溶液を使用することもできる。
かかる酸性溶液は、抽出溶媒に塩酸、硫酸、硝酸若しくはリン酸等の無機酸、またはクエン酸、酢酸、リンゴ酸若しくは乳酸等の有機酸を配合することによって調製することができる。なお、抽出溶媒に配合する無機酸または有機酸の量は、上記pH範囲を有することを限度として、特に制限されないが、0.01〜10重量%の範囲で適宜調整されることが好ましい。
抽出方法としては、一般に用いられる方法を任意に採用することができる。制限はされないが、例えば溶媒中にアブラナ科植物の全草若しくは部分(そのまま若しくは粗末、細切物)、又はそれらの乾燥物(乾燥細断物(粉末などの粉砕物)を含む)を冷浸、温浸等によって浸漬する方法、加温し攪拌しながら抽出を行い、濾過して抽出液を得る方法、またはパーコレーション法等を挙げることができる。
好適な抽出方法は、酸性条件下での抽出である。かかる酸性条件下での抽出は、アブラナ科植物の全草若しくは部分(そのまま若しくは粗末、細切物)又はそれらの乾燥物(乾燥細断物(粉末などの粉砕物)を含む)を前述の酸性抽出溶媒を用いて上記各種の抽出処理を行うことによって実施できる。好ましくは、酸性抽出溶媒中でアブラナ科植物の全草若しくは部分(生または乾燥物)を細断しながら抽出する方法、またはアブラナ科植物の全草若しくは部分(生または乾燥物)を細断した後に酸性抽出溶媒に浸漬して抽出する方法等を挙げることができる。なお、この場合、100℃以下に加熱した酸性抽出溶媒を用いて抽出処理を行うこともできる。
より好適には、アブラナ科植物の全草若しくは部分(生または乾燥物)の細断物をpH1〜4の酸性抽出溶媒中に浸漬し、その後、100℃以下の温度で加熱処理を施す抽出方法である。
得られた抽出液は、必要に応じて濾過、共沈または遠心分離によって固形物を除去した後、そのまま若しくは濃縮して、吸着処理に供される。
吸着処理は、常法に従って行うことができ、例えば活性炭、シリカゲルまたは多孔質セラミックなどによる吸着処理;スチレン系のデュオライトS−861(商標Duolite,U.S.A.ダイヤモンド・シャムロック社製、以下同じ)、デュオライトS−862、デュオライトS−863又はデュオライトS−866;芳香族系のセパビーズSP70(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、セパビーズSP700、セパビーズSP825;ダイヤイオンHP10(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、ダイヤイオンHP20、ダイヤイオンHP21、ダイヤイオンHP40、及びダイヤイオンHP50;あるいはアンバーライトXAD−4(商標、オルガノ製、以下同じ)、アンバーライトXAD−7、アンバーライトXAD−2000などの合成吸着樹脂を用いた吸着処理を挙げることができる。
本発明で用いられる吸着処理液は、アブラナ科植物色素抽出液が付されて色素成分を吸着した樹脂担体を例えば含水アルコールなどの適当な溶媒で洗浄することによって、回収取得することができる。含水アルコールとしては、通常1〜20容量%程度のエタノールを含有する水を好適に例示することができる。
かくして得られるアブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液は、次いで吸着処理、イオン交換処理、酸処理、抽出処理または膜分離処理等の各種の処理に供される。好ましくは吸着処理、イオン交換処理、酸処理または膜分離処理である。
吸着処理としては、前述する処理を挙げることができる。
またイオン交換処理は、特に制限されず慣用のイオン交換樹脂(陽イオン交換樹脂または陰イオン交換樹脂)を用いて常法に従って行うことができる。例えば陽イオン交換樹脂としては、制限されないがダイヤイオンSK1B(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、ダイヤイオンSK102、ダイヤイオンSK116、ダイヤイオンPK208、ダイヤイオンWK10、ダイヤイオンWK20などが、また陰イオン交換樹脂としては、制限されないがダイヤイオンSA10A(商標、三菱化学(株)製、以下同じ)、ダイヤイオンSA12A、ダイヤイオンSA20A、ダイヤイオンPA306、ダイヤイオンWA10、ダイヤイオンWA20などが例示される。
また本発明でいう酸処理は、アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液若しくは上記の各種処理(吸着処理、イオン交換処理、抽出処理または膜分離処理等)が施された処理液をpH1〜4、好ましくはpH1〜3の酸性条件下に曝すことによって実施できる。酸処理は、具体的には上記処理液に酸を添加配合することによって簡便に行うことができる。かかる酸としては、食品添加物として通常使用される酸であれば特に制限されず、かかる中から任意に選択使用することができる。例えばクエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸または硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸を例示することができる。好ましくは食品添加物として通常使用される無機酸を用いた酸処理である。
かかる酸処理を行う温度条件は特に制限されず、通常5〜100℃の範囲から適宜選択使用することができる。例えば20〜100℃や40〜100℃の範囲を例示することができる。酸処理時間も特に制限されず、通常1〜300分の範囲から適宜選択することができる。一般に高温下での酸処理であればより短い処理時間で十分であり、よって例えば40〜100℃での酸処理の場合は5〜60分の範囲から処理時間を採択することができる。なおこの時、処理液は撹拌してもしなくても特に制限されない。
また本発明において抽出処理とは、特に制限はされないが、炭酸ガス、エチレン、プロパン等の液体をアブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液若しくは上記の各種処理(吸着処理、イオン交換処理、酸処理または膜分離処理等)が施された処理液に臨界点以上の温度、圧力下の密閉系装置内で接触させる方法を挙げることができる。
さらに本発明でいう膜分離法とは、膜による濾過方法を広く意味するものであり、例えばメンブレンフィルター(MF)膜、限外濾過(UF)膜、逆浸透膜(NF)および電気透析膜などの機能性高分子膜を用いた濾過処理を挙げることができる。また膜分離法としてはこれらの膜を利用した限外濾過法や逆浸透膜法などのほか、イオン選別膜による濃度勾配を利用した透析法、隔膜としてイオン交換膜を使用し電圧を印加する電気透析法などが知られている。工業的には逆浸透膜法による膜分離法が好ましい。かかる膜分離法に用いられる膜材料としては、天然、合成、半合成の別を問わず、例えばセルロース、セルロース・ジ−アセテート若しくはトリ−アセテート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアクリロニトリルなどを挙げることができる。
本発明で用いる膜分離法には、分画分子量が例えば10〜10の範囲にある膜を用いて高分子化合物を分離除去する処理方法と、分画分子量が約2,000〜4,000程度、好ましくは3,000程度の膜を用いて低分子化合物を分離除去する処理方法が含まれる。前者の方法として具体的にはNTU−3150膜、NTU−3250膜、NTU−3550膜、NTU−3800 UF膜(以上、日東電工製);Cefilt−UF(日本ガイシ製);AHP−2013膜、AHP−3013膜、AHP−1010膜(以上、旭化成製);等を利用した限外濾過(UF)膜処理を挙げることができ、また後者の方法として具体的にはNTR−7250膜、NTR−7410膜、NTR−7430膜、NTR−7450膜(以上、日東電工製);AIP−3013膜、ACP−3013膜、ACP−2013膜、AIP−2013膜、AIO−1010膜(以上、旭化成製)などの膜を利用した逆浸透膜(分画分子量3,000程度)処理を挙げることができる。
これらの各種処理は、1種単独で行っても、また2種以上を任意に組み合わせて行ってもよく、また同一処理を、同一もしくは異なる条件で、繰り返し実施してもよい。
好ましい処理方法は、特に制限されないが、アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液を脱蛋白処理し、ついでこの脱蛋白処理した処理色素液について膜分離処理を行う方法である。
脱蛋白処理は、前述する抽出処理、イオン交換処理または限外濾過膜等を利用した膜分離処理によって実効的に行うことができる。なお、この場合、膜分離処理は、高分子化合物の分離除去に使用される分画分子量約10〜10の範囲にある膜を用いた処理を好適に採用することができる。ただし、脱蛋白処理は、これらの方法に限定されることなく、ゲルろ過処理などの常法の脱蛋白処理に従って行うこともできる。
また、必要に応じて上記脱蛋白処理後に更に吸着処理を行うこともできる。好ましい処理方法としては、脱蛋白処理した処理色素液を、必要に応じて吸着処理し、次いで酸処理し、斯くして得られる処理色素液に対して膜分離処理を行う方法を挙げることができる。なお、ここで膜分離処理は、好ましくは逆浸透膜処理または限外濾過膜処理であり、より好ましくは逆浸透膜処理である。また、当該膜分離処理は、分画分子量が2,000〜4,000、好ましくは3,000付近である膜を用いて行うことが好ましい。
かくして得られる本発明のアブラナ科植物色素は、異臭あるいは悪臭の原因となる、前述のアブラナ科植物由来の香気成分が効果的に除去されてなるものであって、これによって無臭か若しくは食品に配合してもその風味に殆ど影響しない程度に臭いが低減されてなる微臭のアブラナ科植物色素を提供することができる。また、上記方法によって得られる本発明のアブラナ科植物色素は、加熱や長期保存によっても所謂「匂い戻り現象」といった経時変化を生じないものである。これは、拘束はされないが、上記本発明の製造方法によって、異臭や悪臭を発現し得る香気成分の前駆体が分解されたかまたは除去されたためと考えられる。
本発明のアブラナ科植物色素は、水、エタノール、プロピレングリコールなどのアルコール、その他の溶媒に溶解若しくは分散(乳化)した溶液状態、若しくは乾燥状態(粉状、顆粒状、錠剤状、丸剤状など)の色素製剤として調製することができる。好ましくは、溶液の形態である。
従って、本発明は上記のアブラナ科植物色素を含有する色素製剤を提供するものである。
当該色素製剤は、上記本発明のアブラナ科植物色素だけからなるものであってもよいし、また上記アブラナ科植物色素に加えて、食品衛生上許容される担体や各種の添加剤が配合されていてもよい。
かかる担体及び添加剤として、具体的には、例えばデキストリン、乳糖、粉末水飴の他、色素・色素製剤に通常用いられる保存剤(酢酸ナトリウム、プロタミンなど)、安定剤(燐酸ナトリウム、メタ燐酸ナトリウムなど)または酸化防止剤(ルチン、アスコルビン酸など)などの食品添加物を挙げることができる。
本発明の色素製剤が各種担体や添加剤などを含有する場合、該色素製剤中に含まれる上記アブラナ科植物色素の配合割合は、特に制限されないが、通常1〜90重量%、好ましくは10〜60重量%を例示することができる。
本発明の色素製剤は、食品、医薬品、医薬部外品、化粧品及び飼料などの赤色系または赤紫色系の着色料として、特に天然着色料として有用である。
本発明の色素製剤は、制限されないが、食品としては、着色、即ち色を有するものであれば特に制限されず、例えばアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類;乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、粉末飲料等の飲料類;カスタードプリン,ミルクプリン,果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム);マーブルチョコレート等のコーティングチョコレートの他、イチゴチョコレート,ブルーベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等のチョコレート類;ハードキャンディー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含む)、ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)、ドロップ、タフィ等のキャラメル類;ハードビスケット、クッキー、おかき、煎餅等の焼き菓子類;浅漬け、醤油漬け、塩漬け、味噌漬け、粕漬け、麹漬け、糠漬け、酢漬け、芥子漬、もろみ漬け、梅漬け、福神漬、しば漬、生姜漬、朝鮮漬、梅酢漬け等の漬物類;セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソースなどのソース類;ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類;赤ワイン等の果実酒;シロップ漬のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ等の加工用果実;ハム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工品;魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン等の水産練り製品;うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等の麺類;その他、各種総菜及び蒲鉾、麩、田麩等の種々の加工食品を挙げることができる。
なお、飲食物における着色は、飲食物に人為的に色素を添加して着色したものだけでなく、果汁等のように、飲食物の材料に本来含まれる色素に由来して着色しているものまでもが広く包含される。
また医薬品においては、一例として各種錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トローチ剤、うがい薬などの着色料として、医薬部外品においては、一例として歯磨き剤、口中清涼剤、口臭予防剤などの着色料として、化粧品においては、一例としてスキンローション、口紅、日焼け止め化粧品、メークアップ化粧品などの着色料として、飼料においては、一例としてキャットフードやドッグフードなどの各種ペットフード、観賞魚用若しくは養殖魚の餌などに使用することができる。 なお本発明には、下記の態様が包含される:
(a).アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液に対して、吸着処理、イオン交換処理、pH調整処理、抽出処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理を行うことを特徴とする、アブラナ科植物色素の精製方法。
(b).アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液を、脱蛋白処理した後に膜分離処理を行うことを特徴とする、アブラナ科植物色素の精製方法。
(c).脱蛋白処理が、イオン交換処理、抽出処理、膜分離処理及びゲルろ過処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理である、(b)記載のアブラナ科植物色素の精製方法。
(d).膜分離処理前にpH調整処理を行う、(b)記載のアブラナ科植物色素の精製方法。
(e).アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液に対して、吸着処理、イオン交換処理、pH調整処理、抽出処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理を行うことを特徴とする、アブラナ科植物色素の脱臭方法。
(f).アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液を、脱蛋白処理した後に膜分離処理を行うことを特徴とする、アブラナ科植物色素の脱臭方法。
(g).脱蛋白処理が、イオン交換処理、抽出処理、膜分離処理及びゲルろ過処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理である、(e)記載のアブラナ科植物色素の脱臭方法。
(h).膜分離処理前にpH調整処理を行う、(e)記載のアブラナ科植物色素の脱臭方法。
(i).色価を
10% 1cm=80
とした場合に、含まれる香気成分濃度が100ppm以下であるアブラナ科植物色素の食用着色料としての使用。
(j).上記香気成分が、ジメチルジスルフィッド、ジメチルトリスルフィッド、3−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−フェニルプロパンニトリル、4−(メチルチオ)ブタンニトリル、5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、ヘキサノール、2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセナール、4−ビニルフェノール、フェニルアセトアルデヒド及び酢酸よりなる群から選択されるいずれか少なくとも一種である(i)記載のアブラナ科植物色素の食用着色料としての使用。
(k).色価を
10% 1cm=80
とした場合に、含まれるジメチルジスルフィッド及び/またはジメチルトリスルフィッドの濃度が、総量で0.1ppm以下であるベニバナ黄色素の食用着色料としての使用。
(l).色価を
10% 1cm=80
とした場合に、含まれるジメチルジスルフィッド及び/またはジメチルトリスルフィッドの濃度が総量で0.1ppm以下であって、含まれる3−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−フェニルプロパンニトリル、4−(メチルチオ)ブタンニトリル、5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、ヘキサノール、2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセナール、4−ビニルフェノール、フェニルアセトアルデヒドまたは酢酸の各濃度がそれぞれ1ppm以下であるベニバナ黄色素の食用着色料としての使用。
実施例
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明する。ただし、本発明はかかる実施例によって何ら限定されるものではない。
比較例1
硫酸によりpH2に調整した酸性水20Lに赤キャベツ(アブラナ科植物)の生葉の磨砕品10kgを投入し、室温下に一夜放置して、色素を抽出した。得られた色素抽出液に、濾過助剤と珪藻土を配合して吸引濾過し、濾液としてアブラナ科植物色素抽出液約25Lを得た。この抽出液を合成吸着樹脂アンバーライトXAD−7(樹脂量1.5L、SV=1、オルガノ製)に付して、色素成分を吸着させ、該樹脂を水5Lでよく洗浄した後、60%エタノール水溶液で赤キャベツ色素を脱離溶出させて、該溶出液をアブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液として取得した(一次精製色素抽出液:5L)。次いでこの吸着処理液を減圧濃縮して色価E10% 1cm=200の色素液90gを得た。この濃縮液90gに水90gとエタノール45gを加えて色価E10% 1cm=80の赤キャベツ色素製剤225gを調製した。この色素製剤を嗅ぐと、赤キャベツ特有の強い野菜臭がした。
実施例1 アブラナ科植物(赤キャベツ)色素製剤(溶液状)
比較例1と同様の方法により得られた一次精製色素抽出液(アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液)4.8Lを、限外濾過膜(AHP−2013膜(商標):旭化成製、分画分子量50,000)を用いて3.5kg/cm,20°Cで処理した(膜分離処理)。次いで、得られた処理液を硫酸を用いてpH2.0に調整し、これを40〜80℃の温度条件下で30分間撹拌をした(酸処理)。つづいて、当該酸処理液に、水5Lを加えて逆浸透膜処理(NTR−7250膜(商標):日東電工製、分画分子量約3,000程度)を行い、膜処理液1Lを得た(膜分離処理)。この際、赤キャベツの香気成分および夾雑物は濾液として透過除去され、精製脱臭された色素成分が残液として濃縮された。次いでこの残液を減圧下で濃縮して、色価E10% 1cm=200の有意に脱臭精製された濃縮液80gを得た。この濃縮液80gに水80gとエタノール40gを加えて色価E10% 1cm=80の赤キャベツ色素製剤200gを調製した。この製剤は全く無臭であった。
実施例2 アブラナ科植物(赤キャベツ)色素製剤(固体状)
実施例1と同様の方法で調製した、色価E10% 1cm=200の有意に脱臭精製された色素液32gに、水60gとデキストリン15gを加えてスプレードライによる乾燥を行い、色価E10% 1cm=250の赤キャベツ色素粉末製剤25gを調製した。この製剤は無臭であった。
実施例3 GC−MS測定
比較例1で製造した赤キャベツ色素製剤(比較品)および実施例1で製造した本発明の赤キャベツ色素製剤(本発明品)に含まれる香気成分の量を、ガスクロマトグラフィー・質量分析計(GC−MS)を用いて比較した。具体的には、それぞれの色素(色価E10% 1cm=80)10gを、内部標準物質(IS:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT))3ppmを含むジエチルエーテル200mlで抽出し、次いでジエチルエーテル溶液を蒸発乾燥し、得られた濃縮液を下記の条件のガスクロマトグラフィー・質量分析計(GC−MS)に供して、香気成分の量を測定した。
<GC−MS測定条件>
GC/MS :Hewlett−Packard 5973 Mass Selective Detector
カラム :J&W製DB−WAX(0.25mm x 60m)
温度条件 :注入口250℃、インターフェース230℃
カラム温度50℃(2分)−220℃、昇温3℃/分
スプリット比 :70:1
イオン化電圧 :70eV
結果を図1に示す。図1のAで示すように、実施例1の赤キャベツ色素製剤(本発明品)のトータルイオンクロマトグラムによると、内部標準物質以外の成分は極微量(5ppm以下)であった。それに対して、図1のBで示すように、比較例1の赤キャベツ色素製剤(比較品)には数多くの揮発性成分が含まれていること(総量約320ppm)が観察された。この結果は、比較例1の色素製剤が赤キャベツ特有の強い野菜臭あるいは漬物臭を有していたのに対して、実施例1の色素製剤は無臭であったという、上記事実と一致するものであった。
なお、図1のB中、▲1▼のピークは4−ペンテンニトリル、▲2▼のピークは酢酸、▲3▼のピークは5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、▲4▼のピークは3−フェニルプロパンニトリル、ISのピークは内部標準物質であるBHTをそれぞれ示す。
実施例4 香味評価および保存テスト
比較例1で製造した赤キャベツ色素製剤(比較品)および実施例1で製造した赤キャベツ色素製剤(本発明品)について、それぞれ製造直後の香味、並びに5°C、25°Cまたは38°Cで15日乃至は30日保存した後の香味を、良く訓練されたフレーバーリスト10名のパネラーで評価を行った。また、それぞれの色素製剤を用いて飲料タイプの溶液(色価E10% 1cm=0.04、Brix.10°、0.2%クエン酸水溶液、フレーバー未添加)を調製し、当該溶液についても上記と同様にして、調製直後並びに保存後の香味を比較評価した。結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004637439
<評価基準>
A:全く臭気を感じない
B:僅かに異臭がある
C:異臭がある
D:強い異臭がある
E:非常に強い異臭がある
表1に示す製造直後の結果から分かるように、本発明品は比較品に比べて有意に臭いが低減されており、実質上無臭の色素であると判断された。さらに比較品は15〜30日間と保存時間が長くなるにしたがって香気がしだいに強くなるのに対し、本発明品は、経時変化が生じることなく、調製直後の無臭状態を維持していた。このことは実施例1の方法で製造された本発明のアブラナ科植物色素(赤キャベツ色素)には、それ自体に臭気を発揮する香気成分が全く若しくはほとんど含まれていないだけでなく、当該香気成分の前駆体となる夾雑物も含まれていないことを示唆するものである。
実施例5
硫酸によりpH2に調整した酸性水20Lに粉砕した赤ダイコン(アブラナ科植物)10kgを入れて、室温で一晩放置後、40℃での加温処理を施した。かくして得られた色素抽出液に、濾過助剤と珪藻土を配合して吸引濾過し、濾液としてアブラナ科植物色素抽出液約25Lを得た。この抽出液を合成吸着樹脂アンバーライトXAD−7(樹脂量1.5L、SV=1、オルガノ製)に付して、色素成分を吸着させ、該樹脂を水5Lでよく洗浄した後、60%エタノール水溶液で赤ダイコン色素を脱離溶出させて、該溶出液をアブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液として取得した(一次精製色素抽出液:5L)。
かかる一次精製色素抽出液(アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液)5Lを、実施例1と同様に処理して、色価E10% 1cm=200の有意に脱臭精製された濃縮液80gを得た。この濃縮液80gに水80gとエタノール40gを加えて色価E10% 1cm=80の赤ダイコン色素製剤200gを調製した。この色素製剤は全く無臭であった。
実施例6 GC−MS測定
実施例5で製造した本発明の赤ダイコン色素製剤(本発明品)に含まれる香気成分の量を、実施例3と同様にしてガスクロマトグラフィー・質量分析計(GC−MS)を用いて測定した。なお、比較のため、従来の赤ダイコン色素製剤についても同様にして、それに含まれる香気成分の量を測定した。
結果を図2に示す。図2のAで示すように、実施例5で調製した赤ダイコン色素製剤(本発明品)のトータルイオンクロマトグラムによると、内部標準物質以外の成分は極微量(5ppm以下)であった。それに対して、図2のBで示すように、従来の赤ダイコン色素製剤には数多くの揮発性成分が含まれていること(総量約450ppm)が観察された。この結果は従来の赤ダイコン色素製剤がダイコン特有の強い野菜臭あるいは漬物臭を有しているのに対して、実施例5の色素製剤(本発明品)は無臭であったという上記事実と一致するものであった。なお、図2のB中、▲1▼のピークはヘキサノール、▲2▼のピークはcis−3−ヘキセナール、▲3▼のピークは酢酸、▲4▼のピークは4−ビニルフェノール、ISのピークは内部標準物質であるBHTをそれぞれ示す。
産業上の利用可能性
本発明のアブラナ科植物色素は、高度に精製されることによって、原料として用いるアブラナ科植物に含まれる香気成分に由来する悪臭若しくは異臭がしないか、または該臭いが有意に低減されてなる、無臭若しくは微臭の色素である。さらに、本発明のアブラナ科植物色素は、加熱や長期保存によっても匂い戻り現象等の経時変化が有意に抑制されてなるものである。このため、本発明の色素または当該色素を含有する色素製剤によれば、飲料やその他の食品、医薬品、医薬部外品、化粧品などの着色に用いても、アブラナ科植物特有の香気成分の匂いに影響されることなく、風味の良い製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例1において調製した赤キャベツ色素製剤(図1、A)と比較例1において調製した赤キャベツ色素製剤(図1、B)に含まれる香気成分量を、ガスクロマトグラフィー・質量分析計(GC−MS)で測定した結果を示す図である。なお、図B中、▲1▼のピークは4−ペンテンニトリル、▲2▼のピークは酢酸、▲3▼のピークは5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、▲4▼のピークは3−フェニルプロパンニトリル、ISのピークは内部標準物質である2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)をそれぞれ示す。また、図中、縦軸は、強度(Abundance)、横軸は保持時間(retention time)を示す。
図2は、実施例4において調製した赤ダイコン色素製剤(図2、A)と従来の赤ダイコン色素製剤(図2、B)に含まれる香気成分量を、ガスクロマトグラフィー・質量分析計(GC−MS)で測定した結果を示す図である。なお、図B中、▲1▼のピークはヘキサナール、▲2▼のピークはcis−3−ヘキセナール、▲3▼のピークは酢酸、▲4▼のピークは4−ビニルフェノール、ISのピークは内部標準物質である2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)をそれぞれ示す。また、図中、縦軸は、強度(Abundance)、横軸は保持時間(retention time)を示す。

Claims (19)

  1. 色価を
    10% 1cm=80
    とした場合に、含まれる香気成分の総濃度が100ppm以下であるアブラナ科植物色素製剤であって、
    アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液に対して、吸着処理、イオン交換処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理と40℃以上での酸処理とを組み合わせて行う方法によって得られうる、アブラナ科植物色素製剤
  2. 色価を
    10% 1cm =80
    とした場合に、含まれる香気成分の総濃度が100ppm以下であるアブラナ科植物色素製剤であって、
    アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液を、脱蛋白処理した後に40℃以上で酸処理し、次いで膜分離処理を行う方法によって得られうる、アブラナ科植物色素製剤。
  3. 色価を
    10% 1cm=80
    とした場合に、含まれる香気成分の総濃度が50ppm以下である、請求項1又は2記載のアブラナ科植物色素製剤
  4. 色価を
    10% 1cm=80
    とした場合に、含まれる香気成分の総濃度が20ppm以下である、請求項1又は2記載のアブラナ科植物色素製剤
  5. 上記香気成分が、ジメチルジスルフィッド、ジメチルトリスルフィッド、3−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−フェニルプロパンニトリル、4−(メチルチオ)ブタンニトリル、5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、ヘキサノール、2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセナール、4−ビニルフェノール、フェニルアセトアルデヒドおよび酢酸よりなる群から選択されるいずれか少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか一項記載のアブラナ科植物色素製剤
  6. 色価を
    10% 1cm=80
    とした場合に、含まれるジメチルジスルフィッド及び/又はジメチルトリスルフィッドの濃度が、総量で0.1ppm以下である、請求項1又は2記載のアブラナ科植物色素製剤
  7. 色価を
    10% 1cm=80
    とした場合に、含まれる3−ブテンニトリル、4−ペンテンニトリル、3−フェニルプロパンニトリル、4−(メチルチオ)ブタンニトリル、5−(メチルチオ)ペンタンニトリル、ヘキサノール、2−ヘキセナール、cis−3−ヘキセナール、4−ビニルフェノール、フェニルアセトアルデヒドまたは酢酸の各濃度がそれぞれ1ppm以下である、請求項1又は2記載のアブラナ科植物色素製剤
  8. アブラナ科植物色素が、赤キャベツ、赤ダイコン、二十日ダイコン、西洋ダイコン、クロダイコン、赤カブ、ケール、ブロッコリー、カリフラワー、メキャベツ、コールラビー、クロガラシ、葉ボタン及び高菜に由来する色素よりなる群から選択されるいずれか少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のアブラナ科植物色素製剤
  9. 溶液状である請求項1〜8のいずれか一項記載のアブラナ科植物色素製剤。
  10. アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液に対して、吸着処理、イオン交換処理及び膜分離処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理と40℃以上での酸処理とを組み合わせて行うことを特徴とする、無臭若しくは微臭のアブラナ科植物色素製剤の製造方法。
  11. アブラナ科植物色素抽出液が、アブラナ科植物を酸性抽出溶媒中で細断しながら抽出するか、アブラナ科植物の細断物を酸性抽出溶媒に入れて浸漬抽出することによって得られるものである、請求項10記載のアブラナ科植物色素製剤の製造方法。
  12. 酸性抽出溶媒のpHが1〜4である、請求項11記載のアブラナ科植物色素製剤の製造方法。
  13. 酸処理が、アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液または各種処理後の処理液をpH1〜4の条件下に曝すことからなるものである、請求項10〜12のいずれか一項記載のアブラナ科植物色素製剤の製造方法。
  14. 膜分離処理が、メンブランフィルター膜処理、限外濾過膜処理、逆浸透膜処理、電気透析膜処理、イオン選別膜処理及びイオン交換膜処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理である、請求項10〜13のいずれか一項記載のアブラナ科植物色素製剤の製造方法。
  15. アブラナ科植物色素抽出液の吸着処理液を、脱蛋白処理した後に40℃以上で酸処理し、次いで膜分離処理を行うことを特徴とする、無臭または微臭のアブラナ科植物色素製剤の製造方法。
  16. 上記膜分離処理が、逆浸透膜処理または限外濾過膜処理のいずれか少なくとも一方の処理である、請求項15記載のアブラナ科植物色素製剤の製造方法。
  17. 上記膜分離処理が、分画分子量が2000〜4000である膜を使用した処理である、請求項15又は16記載のアブラナ科植物色素製剤の製造方法。
  18. 脱蛋白処理が、イオン交換処理、抽出処理、膜分離処理及びゲルろ過処理よりなる群から選択される少なくとも一種の処理である、請求項15〜17のいずれか一項記載のアブラナ科植物色素製剤の製造方法。
  19. 脱蛋白処理として用いる膜分離処理が分画分子量が10〜10である膜を使用した処理である、請求項18記載のアブラナ科植物色素製剤の製造方法。
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