JP4013018B2 - 色素退色防止剤及びそれを含有する食品 - Google Patents

色素退色防止剤及びそれを含有する食品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種水溶性色素及び油溶性色素に対して有効な退色防止剤に関する。さらに、本発明は水溶性色素又は油溶性色素を含む着色食品であって、当該退色防止剤を含有することによって、熱や光等による退色が有意に抑制された食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、多くの水溶性並びに油溶性の色素が食品、化粧品、医薬品などの分野で利用されている。
【0003】
しかしながら、これらの色素は、概して酸素、光及び熱に対して不安定であり、例えば食品の加工や保存中にこれらの要因や添加剤などの他の影響を受けて速やかに退色若しくは変色を生じるという欠点を有している。
【0004】
このため、従来から各種色素について、その熱、光並びに酸素に対する不安定さを解消して退色現象を防止することを目的として、種々の安定化剤並びに退色防止剤が検討され、開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、食品、化粧品、医薬品などの各分野で広く用いられている水溶性色素の退色現象を有意に抑制することのできる退色防止剤を提供することを目的とするものである。また本発明は、これらの分野で同様に広く用いられている油溶性色素の退色現象を有意に抑制することのできる退色防止剤を提供することも目的とする。
【0006】
また本発明は、かかる退色防止剤を含むことにより有意に色素(着色)の退色現象が抑制された食品を提供することをも目的にする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねていたところ、ジカフェオイルキナ酸(イソクロロゲン酸)が、カロチノイド系、キノン系、アザフィロン系などといった特定の水溶性色素の退色に対して優れた防止効果を発揮することを見出した。さらに本発明者らは、これらのジカフェオイルキナ酸が水溶性色素のみならず、特定の油溶性色素に対しても、その熱や光の影響による退色現象を有意の抑制する効果を発揮することを見出した。本発明はかかる知見に基づいて開発されたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、イソクロロゲン酸またはその塩を有効成分として含有する、水溶性色素の退色防止剤である。なお、水溶性色素には、カロチノイド系色素(クチナシ黄色色素を除く)、キノン系色素、アザフィロン系色素、フラボノイド系色素(ベニバナ黄色色素を除く)、ポリフィリン系色素、ジケトン系色素、ベタシアニン系色素、水溶性合成色素、カラメル及びクチナシ赤色素が含まれる。
【0009】
また本発明は、イソクロロゲン酸またはその塩を有効成分として含有する、油溶性色素の退色防止剤である。なお、油溶性色素には、カロテン、リコピン、キサントフィル、ルテイン等のカロテン類、パプリカ色素及びアナトー色素が含まれる。
【0010】
さらに本発明は、上記に掲げる水溶性色素、または油溶性色素を有する着色食品であって、イソクロロゲン酸またはその塩を色素退色防止剤として含有する食品である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の退色防止剤は、有効成分としてイソクロロゲン酸またはその塩を含むことを特徴とするものである。
【0012】
当該イソクロロゲン酸には、式(1)で示される3,5−ジカフェオイルキナ酸、式(2)で示される3,4−ジカフェオイルキナ酸、式(3)で示される4,5−ジカフェオイルキナ酸の3種類の異性体、及び式(4)で示される3,4,5−トリカフェオイルキナ酸が含まれる。
【0013】
【化1】
Figure 0004013018
【0014】
これらは一種単独で使用しても、また必要に応じて2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0015】
イソクロロゲン酸の塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩といったアルカリ金属塩などの水溶性塩を挙げることができる。
【0016】
使用するイソクロロゲン酸は化学合成品であってもよいし、天然物起源から採取したものでもよい。イソクロロゲン酸は、一般にサツマイモ、タバコ葉、ナシ葉、リンゴ果肉等の植物中に広く存在しているものであるが、含有量の割合を考慮すれば、サツマイモの塊根、茎、葉等から採取するのが容易である。サツマイモとしては、特に種類を制限するものでないが、紅さつま、高系14号、ベニアズマ、ベニオトメ、コガネセンガン、サツマヒカリ、サツマヒカリ、ベニハヤト等の他、アヤムラサキ,ブラジル原産紫サツマイモ(Ipoea batas, Lam., Convolvlaceae),山川紫,種子島在来,頴娃紫,知覧紫,喜入紫及びナカムラサキ等の紫さつまいも及びこれらの改良品種を挙げることができる。
【0017】
例えば出発材料としてサツマイモを用いる場合、イソクロロゲン酸は、例えば日本食品科学工学会誌、43巻、3号、第313-317頁、(1996)に記載の方法から得ることができる。具体的には、サツマイモの塊根、茎、葉等を蒸煮するなどして加熱処理し、次いで乾燥処理して、粉砕し、含水エタノール水溶液で抽出する。得られた抽出物を必要に応じて濃縮して、次いで濃縮抽出物を例えばゲルろ過やイオン交換等の各種のカラムクロマトグラフィーに付してイソクロロゲン酸を分離、精製する方法を例示することができる。
【0018】
本発明で利用するイソクロロゲン酸またはその塩は必ずしも純品である必要はないが、退色防止剤を適用する例えば化粧品、食品または医薬品等の対象物の味や香りに影響を与えない程度にまで精製されているものが好ましい。
【0019】
本発明の退色防止剤は、イソクロロゲン酸またはその塩を有効成分として含むものであれば、イソクロロゲン酸またはその塩だけからなるものであってもよいし、また他成分として希釈剤、担体またはその他の添加剤を含有する組成物の形態であってもよい。希釈剤、担体及び添加剤は、本発明の効果を妨げないものであれば特に制限されず、例えばシュクロース、グルコース、デキストリン、アラビアゴム、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリン、水飴等を挙げることができる。
【0020】
本発明の退色防止剤の形態は特に制限されず、例えば粉末状、顆粒状、錠剤状、液状、乳液状、ペースト状等の任意の形態として調製することができる。
【0021】
本発明が対象とする水溶性色素としては、ノルビキシンを主成分とする水溶性アナトー色素などのカロチノイド系色素(但し、クチナシ黄色色素は除く);コチニール色素、ラック色素、アカネ色素及びこれらのミョウバン製剤を包含するキノン系色素;紅麹赤色素、紅麹黄色素等のアザフィロン系色素;ベニバナ赤色色素などのカルコン系色素(但し、ベニバナ黄色色素は除く)、並びにコウリャン色素,タマネギ色素,カカオ色素,サンダルウッド色素及びタマリンド色素などのフラボン系色素を包含するフラボノイド系色素;スピルリナ色素、クロロフィル色素などのポルフィリン系色素;ウコン色素などのジケトン系色素;ビートレッドなどのベタシアニン系色素;等の各種天然色素:食用赤色2号、3号、40号、102号、104号、105号及び106号、食用緑色3号、食用黄色4号及び5号、食用青色1号及び2号等の各種合成色素:並びにカラメル、クチナシ赤色素などを挙げることができる。
【0022】
また本発明が対象とする油溶性色素としては、β−カロテンや抽出カロテンなどのカロテン類、パプリカ(トウガラシ)色素、並びにビキシンを主成分とする油溶性アナトー色素などのカロチノイド系色素を挙げることができる。
【0023】
これらの色素は、いずれも市販されており、商業的に入手することが可能である。
【0024】
本発明の退色防止剤は、上記各色素に対して効果があるのはもちろん、上記色素の二種以上の組み合わせに対しても有意に退色防止効果を発揮するものである。また、本発明が対象とする色素には、上記色素に加えて、本発明の退色防止効果を損なわないことを限度に他の色素が含まれていてもよい。
【0025】
このような色素としては、カキ色素、カロブ色素、カンゾウ色素、シタン色素、スオウ色素、ベニバナ黄色色素等のフラボノイド系色素;カロチン類やキサントフィル類、及びクチナシ黄色色素等のカロチノイド色素;紫サツマイモ色素、赤キャベツ色素、エルダーベリー色素、ブドウ果汁色素、ブドウ果皮色素、ムラサキトウモロコシ色素、アカダイコン色素、シソ色素、赤米色素、カウベリー色素、グースベリー色素、クランベリー色素、サーモンベリー色素、スィムブルーベリー色素、ストロベリー色素、ダークスィートチェリー色素、チェリー色素、ハイビスカス色素、ハクルベリー色素、ブラックカーラント色素、ブラックベリー色素、ブルーベリー色素、プラム色素、ホワートルベリー色素、ボイセンベリー色素、マルベリー色素、ムラサキヤマイモ色素、ラズベリー色素、レッドカーラント色素、ローガンベリー色素等のアントシアニン系色素;及びその他の色素としてクサギ色素、クチナシ青色色素等の天然色素を好適に例示することができる。
【0026】
本発明の退色防止剤は、前記する各種水溶性色素または油溶性色素を含有するものに広く適用することができる。かかるものとしては、例えば食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、飼料等を挙げることができる。
【0027】
すなわち本発明は、カロチノイド系色素(クチナシ黄色色素を除く)、キノン系色素、アザフィロン系色素、フラボノイド系色素(ベニバナ黄色色素を除く)、ポリフィリン系色素、ジケトン系色素、ベタシアニン系色素、水溶性合成色素、カラメル及びクチナシ赤色素よりなる群から選択される水溶性色素の少なくとも一種の色素を含有し、かつ退色防止剤としてイソクロロゲン酸を含有する食品、化粧品、医薬品、医薬部外品及び飼料を提供するものである。また本発明は、カロテン、リコピン、キサントフィル、ルテイン等のカロテン類、パプリカ色素及びアナトー色素よりなる群から選択される油溶性色素の少なくとも一種の色素を含有し、かつ退色防止剤としてイソクロロゲン酸を含有する食品、化粧品、医薬品、医薬部外品及び飼料を提供するものである。
【0028】
なお、化粧品としてはスキンローション、口紅、日焼け止め化粧品、メークアップ化粧品等を、医薬品としては各種錠剤、カプセル剤、液剤、ドリンク剤、トローチ剤、うがい薬等を、医薬部外品としては歯磨き剤、口中清涼剤、口臭予防剤等を、また飼料としてはキャットフードやドッグッフード等の各種ペットフード、観賞魚若しくは養殖魚の餌等を一例として挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
【0029】
好ましくは食品である。食品としては、これらの色素に起因して着色しているものであれば特に制限されず、例えばアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類;乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、粉末飲料等の飲料類;カスタードプリン、ミルクプリン及び果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア、ヨーグルト等のデザート類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガムを含む);マーブルチョコレート等のコーティングチョコレートの他、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート及びメロンチョコレートなど風味を付加したチョコレート等のチョコレート類;ハードキャンディー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含む)、ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)、ドロップ、タフィ等のキャラメル類;ハードビスケット、クッキー、おかき、煎餅などの焼き菓子類;浅漬け、醤油漬け、塩漬け、味噌漬け、糠漬け、粕漬け、麹漬け、梅漬け、酢漬け、芥子漬け、もろみ漬け、福神漬け、しば漬け、生姜漬け、朝鮮漬け、梅酢漬け等の漬物類;セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソースなどのソース類;ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類;赤ワイン等の果実酒;シロップ漬のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ、パイナップル、桃等の加工用果実;ハム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工品;魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン等の水産練り製品;うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等の麺類;その他、各種総菜及び蒲鉾、麩、田麩等の種々の加工食品を挙げることができる。
【0030】
なお、着色食品の着色とは、飲食物に人為的に色素を添加して着色した意味のみならず、果汁や果物等、飲食物に本来含まれる色素に由来して着色しているものまでも広く包含する趣旨で用いられる。
【0031】
これらの食品は、常法に従って製造することができる。なお、製造工程において、本発明の退色防止剤及び色素の配合工程及びその順番はとりわけ制限はないが、退色防止剤の存在下に色素、好ましくは色素及び香料を配合し、加熱処理等の各種の処理を施すことが望ましい。
【0032】
例えば、冷菓類の場合は、まず主原料としての牛乳、クリーム、練乳、粉乳、糖類、果実、餡等に退色防止剤、酸類、乳化剤及び安定剤等、次いで香料を加えて冷菓ミックス液を調製し、このミックス液に色素を添加混合し、次いで殺菌して容器に充填し、冷却、凍結して最終製品を調製する方法を挙げることができる。また飲料類の場合は、主原料としての糖類、果汁、酸類等に退色防止剤、安定剤等を加え、次いでこの飲料に香料及び色素を添加混合した後、殺菌、冷却して容器に充填する方法を挙げることができる。また、ガム類の場合は、加熱し柔らかくしたガムベースに砂糖、ブドウ糖、退色防止剤及びクエン酸等を加え、次いでその中に香料及び色素を加え練合する。次に圧延ローラーで適当な厚さにし、室温まで冷却後、切断して最終製品を調製する方法を挙げることができる。また、ゼリー類の場合は、主原料の砂糖、水飴、退色防止剤、クエン酸及び凝固剤(ペクチン、寒天、ゼラチン、カラギナンなど)を適当な割合で混合し、その中に香料並びに色素を加え、加熱溶解した後、容器に充填し、冷却して最終製品たるゼリーを調製する方法を挙げることができる。キャンディー類の場合は、例えば砂糖、水飴等の主原料に水を加え加熱し溶解した後放冷し、退色防止剤を添加し、次いで香料及び色素を加え、成型し、室温まで冷却して最終キャンディーを調製する方法を挙げることができる。漬物類の場合は、野菜、食塩、糖類、グルタミン酸ナトリウムを主原料とし、これに調味料及び退色防止剤等を加えて漬物を調製し、この漬物に香料及び色素を添加混合した後、容器に充填し、殺菌、冷却し最終製品を調製する方法を挙げることができる。ドレッシング類の場合は、植物油、醤油、果汁、糖類、果汁、醸造酢、食塩等を主原料とし、これに退色防止剤、安定剤、乳化剤等を加え、このドレッシング液に香料及び色素を添加混合した後、殺菌、冷却後容器に充填して最終製品を調製する方法を挙げることができる。
【0033】
なお、イソクロロゲン酸は本来水溶性である。このため、該イソクロロゲン酸を油溶性色素に適用する場合は、グリセリン脂肪酸エステル、アラビアガム等の乳化剤を用いてイソクロロゲン酸を油溶性にして用いることが好ましい。
【0034】
本発明の退色防止剤の食品、化粧品、医薬品、医薬部外品または飼料等の対象物への添加量は、それらに含まれる各種水溶性色素、または油溶性色素の退色現象が防止できる量であれば特に制限されず、対象物の種類やそれに含まれる成分並びに各種色素の含有量などを考慮して適宜選択、決定することができる。例えば対象物が食品の場合、食品に配合する退色防止剤の量はイソクロロゲン酸に換算して10〜500ppmの範囲を挙げることができる。
【0035】
上記対象物に含まれる色素に対する退色防止剤の割合としては、色素の極大吸収波長における吸光度(Abs)に対するイソクロロゲン酸の325nmでの吸光度の比率が1以上となるような割合を挙げることができる。また、極大吸収波長を有しない、例えばコウリャン色素、タマネギ色素及びカラメル色素などの色素の場合は、任意に設定した固定波長(例えば500nm)における吸光度に対するイソクロロゲン酸の吸光度(325nm)の比率が1以上となるような割合を挙げることができる。
【0036】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例及び実験例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記に記載する処方の単位は特に言及しない限りgを意味するものとする。
【0037】
実施例1 かき氷シロップ液
液糖 65
砂糖 3
クエン酸 0.25
カラギナン 0.3
食塩 0.15
オレンジフレーバー 0.3
パプリカ色素(水分散性タイプ)0.2
イソクロロゲン酸 0.01
(3,4−ジカフェオイルキナ酸)
適 量
合 計 100.000
上記の処方で混合しオレンジ風味のかき氷シロップ液を調製した。このシロップと氷を1:1混合し、凍結しかき氷を作成した。
【0038】
実験例1
上記実施例1においてイソクロロゲン酸の代わりにクロロゲン酸を、325nmにおける極大吸収でほぼ同一の吸光度となる量を添加したかき氷シロップ液(比較品1)、並びに無添加のかき氷シロップ液(比較品2)を、実施例1と同様にして調製した。
【0039】
実施例1のかき氷シロップ液及びこれらの比較品を用いて、第1の実験としてこれらのシロップを20000luxの蛍光灯照射の下に、5℃で5日間放置して、かき氷シロップ液の「耐光性」を試験した。また第2の実験として、これらのシロップを50℃の恒温器内に14日間放置して「耐熱性」を試験した。スタート時のかき氷シロップ液の色度を100%(コントロール)として退色の程度を肉眼で比較した。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0004013018
【0041】
表1から明らかなように、イソクロロゲン酸を添加して調製した本発明のかき氷シロップ液は、クロロゲン酸を添加した比較品1よりも光照射後及び加熱処理後も退色が有意に抑制され、鮮明な黄色が維持されていた。
【0042】
実施例2 オレンジ飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0
砂糖 10.0
クエン酸 0.4
1/5オレンジ果汁 4.4
オレンジフレーバー 0.2
β−カロテン(乳化タイプ) 0.2
イソクロロゲン酸 0.005
(3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸混合物及び4, 5−ジカフェオイルキナ酸混合物)
適 量
合 計 100.000
果糖ブドウ糖及び砂糖の糖類、クエン酸、オレンジ果汁を主原料とし、これにイソクロロゲン酸及びオレンジフレーバーを加え、次いでこれにβ−カロチン(乳化タイプ)色素を添加混合して容器に充填してオレンジ飲料を作った。
【0043】
実験例2
上記実施例2においてイソクロロゲン酸の代わりにクロロゲン酸を、325nmにおける極大吸収でほぼ同一の吸光度となる量を添加したオレンジ飲料(比較品3)、並びに両方無添加のオレンジ飲料(比較品4)を、実施例2と同様にして調製した。
【0044】
実施例2のオレンジ飲料及びこれらの比較品を用いて、第1の実験としてこれらの飲料を10000luxの蛍光灯照射の下に、5℃で3日間放置して、オレンジ飲料の「耐光性」を試験した。また第2の実験として、これらの飲料を50℃の恒温器内に7日間放置して「耐熱性」を試験した。スタート時の飲料の色度を100%(コントロール)として退色の程度を肉眼で比較した。結果を表2に示す。
【0045】
【表2】
Figure 0004013018
【0046】
表2から明らかなように、実験例1と同様に、イソクロロゲン酸を添加して調製した本発明のオレンジ飲料は、クロロゲン酸を添加した比較品3よりも、光照射後及び加熱処理後も退色が有意に抑制され、鮮明なオレンジ色が維持されていた。光に対しても高い割合で退色現象が抑制されていたが、とりわけ加熱処理による退色現象がほぼ完全に抑制された。
【0047】
実施例3 アセロラ飲料
下記処方に従って、各成分を添加混合してアセロラ飲料を作った。
【0048】
果糖ブドウ糖液糖 30.0
砂糖 10.0
クエン酸 0.4
アセロラフレーバー 0.2
クチナシ赤色色素 0.1
イソクロロゲン酸 0.005
(3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸及び4,5− ジカフェオイルキナ酸の混合物)
炭酸水 残 量
合 計 100.000
実験例3
実施例3と同様にして、イソクロロゲン酸の代わりにクロロゲン酸を用い、325nmにおける極大吸収でほぼ同一吸光度となる量を添加したアセロラ飲料(比較品5)、及びイソクロロゲン酸無添加のアセロラ飲料(比較品6)を調製した。
【0049】
前記実施例3で調製した本発明のアセロラ飲料と上記比較のアセロラ飲料(比較品5)及び比較品6)を、5℃、20000luxの蛍光灯下で3日間照射してアセロラ飲料の「耐光性」を試験した。また第2の実験として、これらの飲料を50℃の恒温器内に7日間放置してアセロラ飲料の「耐熱性」を試験した。スタート時の飲料の色度を100%(コントロール)として、退色の程度を肉眼で比較した。その結果を表3に示す。
【0050】
【表3】
Figure 0004013018
【0051】
表3から明らかなように、イソクロロゲン酸を添加して調製した本発明のアセロラ飲料は、クロロゲン酸を添加した比較品5及び無添加の比較品6と比較して、光照射後及び加温処理後も色相が殆ど変化せずに退色現象が有意に抑制されており、鮮明な赤色が維持されていた。
【0052】
実施例4 フルーツゼリー(ピーチゼリー)
果糖ブドウ糖液糖(75%) 20.0
1/5濃縮ホワイトピーチ果汁 4.0
カラギナン 1.0
クエン酸 0.2
ピーチエッセンス 0.1
コチニール色素 0.1
イソクロロゲン酸 0.004
(3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジ カフェオイルキナ酸及び3,4,5−トリカフェオイルキナ酸の混合物)
適 量
合 計 100.000
上記組成を添加混合し、80℃で10分間加熱して溶解後、カップに充填し、5℃で1時間冷却してピーチゼリーを作った。
【0053】
実施例5 ストロベリーシャーベット
砂糖 15.0
粉末水飴 7.5
硬化ヤシ油 1.0
脱脂粉乳 1.0
1/5濃縮ストロベリー果汁 4.0
ストロベリーフレーバー 0.1
ビートレッド 0.22
イソクロロゲン酸 0.007
(3,4−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸の混合物)
適 量
合 計 100.000
脱脂粉乳、砂糖、粉末水飴、果汁を主原料とし、これにイソクロロゲン酸、硬化ヤシ油、香料を加えてミックス液とし、このミックス液にビートレッドを添加混合した。その後、殺菌、冷却及びフリージングして容器に充填して、これを0℃以下に冷却し凍結してストロベリーシャーベットを作った。
【0054】
実施例6 梅風味ガム
ガムベース 100
精製ブドウ糖 288.95
粉砂糖 100
クエン酸 0.5
梅フレーバー 5.0
食用赤色102号 0.0001
イソクロロゲン酸 0.05
(3,5−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸混合物)
適 量
合 計 500.00
上記処方のうち 食用赤色102号以外の成分を混合、加熱して柔らかくした後、食用赤色102号を希釈したものを添加し、練合して圧延ローラーで適当な厚さにし、室温まで冷却後、切断してアセロラガムを作った。
【0055】
実施例7 ハードキャンデー
水20g、砂糖60g、水飴40gの混合物を150℃まで加熱溶解し、煮詰めて100gにした後、120℃まで冷却し、ウコン色素0.1g、クエン酸0.1g、レモンフレーバー0.15g、イソクロロゲン酸(3,4−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸の混合物)0.008gを添加し、成型後、室温まで冷却してハードキャンディーを作った。
【0056】
実施例8 焼き肉のタレ
醤油 28.0
果糖ブドウ糖液糖 30.0
味醂 15.0
生姜 2.5
味噌 4.0
ニンニク 2.0
タマネギ 2.0
ゴマ 1.0
ブラックペパー 0.5
唐辛子 0.2
グルタミン酸ナトリウム 0.5
ビーフエキス 1.0
紅麹色素 0.3
パプリカ色素 0.2
イソクロロゲン酸 0.006
(3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジ カフェオイルキナ酸の混合物)
キサンタンガム 0.2
適 量
合 計 100.00
上記処方を添加混合し、焼き肉用のタレを調製した。

Claims (3)

  1. キノン系色素、アザフィロン系色素、ジケトン系色素、ベタシアニン系色素、水溶性合成色素、及びクチナシ赤色素よりなる群から選択される水溶性色素に対して用いられる、イソクロロゲン酸又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする色素退色防止剤。
  2. パプリカ色素に対して用いられる、イソクロロゲン酸又はその塩を有効成分として含有することを特徴とする色素退色防止剤。
  3. イソクロロゲン酸が3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸及び3,4,5−トリカフェオイルキナ酸よりなる群から選択されるいずれか少なくとも一種である請求項1または2記載の色素退色防止剤。
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