JP3498212B2 - アントシアニン系色素含有食品 - Google Patents
アントシアニン系色素含有食品Info
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Description
色素によって着色された食品、特に酸性食品に関する。
より詳細には本発明は、風味を損なうことなく、アント
シアニン系の色素本来の色を安定して有する酸性食品に
関する。さらに本発明は、食品の風味を損なうことな
く、アントシアニン系色素によって食品を安定的に着色
する方法に関する。
常、天然色素としてアントシアニン系色素、コチニール
系色素、ラック色素などのキノン系色素、クチナシ赤色
素、紅麹色素並びにビートレッド等の赤系色素が、必要
に応じて青色色素や黄色色素と組み合わせて、1種また
は2種以上用いられる。しかしながら、これらの天然色
素のうち、紅麹色素及びビートレッドはそれぞれ耐光性
及び耐熱性に著しく劣るため実用性に欠けるという問題
がある。またクチナシ赤色素は色調が暗く、酸性域で沈
殿物を生じるという短所がある。またキノン系色素は酸
性下では燈色に発色し、鮮明な赤色の着色には使用でき
ないという問題がある。
鮮明な赤色を呈し、且つ熱や光に比較的安定であること
を特徴とする色素である。このため、従来から弱酸性〜
酸性の食品を、燈色〜紫色の所望の色に着色する場合に
は、上記の如く光・熱安定性に優れたアントシアニン系
色素が、単独若しくは青色色素や黄色色素等と組み合わ
せて、広く使用されている。かかるアントシアニン系色
素が有する熱安定性や光安定性は、商品の品質保証が厳
しく求められる一方で、より明るい環境下(照明下)で
の商品陳列が好まれ、且つ流通が複雑化している近年に
おいては、非常に重要な性質である。しかしながら、か
かるアントシアニン系色素の安定性は酸性域における特
有の性質であり、pHが高くなるに従って著しく安定性
が低減することが知られている。
る食品は、液性が弱酸性〜酸性領域にある食品に限定さ
れているのが実情である。
トシアニン系色素はpHが弱酸性〜酸性領域にある食品
の着色にしか使用できない。更に近年においては食品の
耐光性がより強く求められているため、上記アントシア
ニン系色素はより低pH下での使用が望まれるものの、
pHを低下させることによって風味が損なわれる食品に
は適用できないという問題があった。
Hを低下させる方法を提供することによって上記問題を
解決するものであり、これによってアントシアニン系色
素の適用範囲(適用対象食品の範囲)を拡大することを
目的とするものである。具体的は、本発明の第1の目的
は、風味を損なうことなく、アントシアニン系色素によ
って安定的に着色してなる食品を提供することである。
また本発明の第2の目的は、食品の風味を損なうことな
く、アントシアニン系色素によって食品を安定的に着色
する方法を提供することである。
を達成するために鋭意研究を重ねていたところ、アント
シアニン系色素にスクラロースを併用することによっ
て、食品本来の風味を損なうことなく食品を酸性下で安
定して着色することが可能になることを見出し、これに
よってより多くの食品をアントシアニン系色素によって
着色することができ、光や熱の影響をうけても退色しに
くい色保持性に優れた食品が調製できることを確認し
た。特にかかるアントシアニン系色素とスクラロースと
の併用は、漬物のように、従来は味の問題から酸性、特
にpH4.5以下に調整することが困難であった食品に
ついてもそれを可能とし、これによって該食品について
燈色〜紫色への安定的な着色を実現可能とするものであ
る。さらに、デザート、冷菓及び飲料等のように今まで
もアントシアニン系色素が使用されていた食品において
も、より安定的な着色を実現可能とするものである。本
発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
に掲げる、アントシアニン系色素で着色されてなる食品
である。 (1)アントシアニン系色素とスクラロースを含有する
漬け物。 (2)pHが4.5以下である(1)記載の漬け物。 (3)アントシアニン系色素が、赤キャベツ色素、赤ゴ
メ色素、赤ダイコン色素、シソ色素、ハイビスカス色
素、ブドウ果汁色素、ブドウ果皮色素、紫イモ色素、紫
トウモロコシ色素、紫ヤマイモ色素及びエルダーベリー
色素よりなる群から選択される少なくとも1種である、
(1)または(2)に記載の漬け物。(4)漬け物が、らっきょう漬、しょうが漬け、福神漬
け、しば漬け、うめ酢漬け、桜漬け及びうめ漬けよりな
る群から選択されるいずれかである(1)乃至(3)の
いずれかに記載の漬け物。
掲げる、アントシアニン系色素による食品の着色方法で
ある: (5)アントシアニン系色素とスクラロースを併用する
ことによって、pH4 . 5以下に調整した食品につい
て、その風味を損なうことなく安定的に着色する方法。 (6)食品が、漬け物、飲料、デザートまたは冷菓であ
る(5)に記載の方法。 (7)漬け物が、らっきょう漬、しょうが漬け、福神漬
け、しば漬け、うめ酢漬け、桜漬け及びうめ漬けよりな
る群から選択されるいずれかである(6)に記載の方
法。
系色素とスクラロースの両者を含有することを特徴とす
るものである。
は、下式(I)で示されるようにショ糖分子内のフルク
トース残基の1、6位およびグルコース残基の4位の三
つの水酸基を塩素分子で置換した構造をしており(4,
1',6'−トリクロロガラクトスクロース、化学名:1,6-d
ichloro-1,6-dideoxy-β-D-fructofuranosyl-4-chloro-
4-deoxy-α-D-garactopyranoside)、ショ糖の約600
倍の良質の甘味を示すノンカロリー且つ非う蝕性の高甘
味度甘味料である(英国特許第1543167号)。
能である。
は、食品の種類によって異なり一概に規定することはで
きないが、通常食品100重量%あたり0.0005〜0.005重量
%の範囲、好ましくは0.001〜0.003重量%の範囲を挙げ
ることができる。特に福神漬等の漬け物の場合、0.001
〜0.005重量%の範囲が好ましく、より好適には0.002〜
0.003重量%の範囲を挙げることができる。
色素は、赤、青、紫系の色を呈するフラボノイド系の水
溶性色素である。本発明で用いられるアントシアニン系
色素は、無毒性で食品衛生上許容されるものであれば特
に制限されず、従来公知もしくは将来知られうる色素を
すべて包含するものである。具体的には、例えば紫サツ
マイモ色素、赤キャベツ色素、赤ゴメ素、エルダーベリ
ー色素、ブドウ果汁色素、ブドウ果皮色素、紫トウモロ
コシ色素、赤ダイコン色素、シソ色素、赤米色素、カウ
ベリー色素、グースベリー色素、クランベリー色素、サ
ーモンベリー色素、スィムブルーベリー色素、ストロベ
リー色素、ダークスィートチェリー色素、チェリー色
素、ハイビスカス色素、ハクルベリー色素、ブラックカ
ーラント色素、ブラックベリー色素、ブルーベリー色
素、プラム色素、ホワートルベリー色素、ボイセンベリ
ー色素、マルベリー色素、紫イモ色素、紫ヤマイモ色
素、ラズベリー色素、レッドカーラント色素、ローガン
ベリー色素、その他のアントシアニン系色素を挙げるこ
とができる。これらの色素は一種類で用いてもまた二種
以上を任意に組み合わせて用いることもできる。好まし
くは赤キャベツ色素、赤ゴメ素、赤ダイコン色素、シソ
色素,ハイビスカス色素,ブドウ果汁色素,ブドウ果皮
色素,紫イモ色素、紫トウモロコシ色素、紫ヤマイモ色
素、エルダーベリー色素、クランベリー色素、チェリー
色素、ハイビスカス色素、ブラックベリー色素、プラム
色素、ブルーベリー色素、ラズベリー色素及びボイセン
ベリー色素であり、より好ましくは、赤キャベツ色素、
赤ゴメ素、赤ダイコン色素、シソ色素、ハイビスカス色
素、ブドウ果汁色素、ブドウ果皮色素、紫イモ色素、紫
トウモロコシ色素、紫ヤマイモ色素及びエルダーベリー
色素である。なお、本発明の食品に含まれる上記の色素
は、人為的に着色料として配合される色素に限定される
ことなく、例えばブドウ果汁など食品の1素材として配
合することによって結果として着色する場合の色素まで
を広く意味するものである。
割合は、食品に所望の色を付けることのできる量であれ
ばよく、特に制限されない。一例として挙げれば、食品
100重量%に対するアントシアニン系色素(E10% 1cm =
80)の配合割合として0.005〜5重量%、好ましくは0.01
〜0.3重量%を挙げることができる。特に漬け物の場合
は、漬け物100重量%に対してアントシアニン系色素
(E10% 1cm =80)を0.01〜5重量%の割合で配合するこ
とが好ましく、具体的には福神漬に対しては紫イモ色素
や赤ダイコン色素等のアントシアニン系色素(E10% 1cm
=80)を0.1〜1重量%の範囲で、らっきょうに対して
は紫イモ色素、赤キャベツ色素及び赤ダイコン色素等の
アントシアニン系色素(E10% 1cm =80)を0.05〜0.15
重量%の範囲で配合する方法を好適に例示することがで
きる。
10% 1cm =80)とは、食品に配合するアントシアニン系
色素濃度(色価)を意味するものであって、具体的に
は、アントシアニン系色素の10wt/v%溶液の可視部での
極大吸収波長における吸光度を液層幅1cmで測定した場
合80であることを意味する。
アニン系色素の熱安定性及び光安定性を確保するために
弱酸性〜酸性のpHを有するように調整されたものであ
ることが好ましい。具体的にはpH4.5以下、好まし
くはpH3.5以下であることが望ましい。食品をかか
る酸性pHに調整するためには通常酸味料が用いられ
る。制限はされないが、かかる酸味料としては、具体的
にはクエン酸、乳酸、酢酸、氷酢酸、リンゴ酸、酒石
酸、フマル酸、フィチン酸、グルコン酸、コハク酸、ア
スコルビン酸、アジピン酸、イタコン酸、グルコノデル
タラクトン等の有機酸またはその塩(例えばクエン酸ナ
トリウム、フマル酸一ナトリウム);リン酸及び二酸化
炭素(炭酸ガス)等の無機酸を例示することができる。
ン系色素に加えて、他の色素を配合することもできる。
かかる色素としては、弱酸性〜酸性、特にpH4.5以
下のpH領域で安定であるものが好ましく、具体的に
は、食用赤色2号、食用赤色40号、食用赤色102
号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4
号、食用黄色5号、食用青色1号、食用青色2号、食用
緑色3号等のタール色素、およびこれらのアルミニウム
レーキ色素;ノルビキシンNa・K,銅クロロフィル,
銅クロロフィリンNa及び鉄クロロフィリンNa等の天
然色素誘導体;並びにβ−カロテン、アスタキサンチ
ン、カンタキサンチン、リボフラビン,リボフラビン酪
酸エステル及びリボフラビン5’−リン酸エステルNa
等の合成天然色素などの合成着色料;アナトー色素,ク
チナシ黄色素,デュナリエラカロテン,ニンジンカロテ
ン,パーム油カロテン,イモカロテン、トマト色素、エ
ビ色素、オキアミ色素、オレンジ色素、カニ色素、トウ
モロコシ色素、ファフィア色素、ヘマトコッカス藻色
素、マリーゴールド色素、サフラン色素及びトウガラシ
色素(パプリカ色素)等のカロテノイド色素;アカネ色
素,コチニール色素,シコン色素及びラック色素等のキ
ノン色素;カカオ色素,クーロー色素、コウリャン色
素,シタン色素,タマネギ色素,タマリンド色素,カキ
色素,カロブ色素,カンゾウ色素,スオウ色素,ピーナ
ッツ色素、ペカンナッツ色素、ベニバナ赤色素及びベニ
バナ黄色素等のフラボノイド色素;クロロフィリン,ク
ロロフィル(葉緑素)及びスピルリナ色素等のポルフィ
リン色素;ウコン色素等のジケトン色素;赤ビート色素
等のベタシアニン色素;紅麹色素(モナスカス色素)等
のアザフィロン色素;その他、紅麹黄色素、カラメル、
クチナシ青色素、クチナシ赤色素などの天然色素を挙げ
ることができる。
ントシアニン系色素とスクラロースを含有し、酸性領
域、好ましくはpH4.5以下に調製され得る食品であ
れば、特に制限されないが、具体的には、例えばシャー
ベットやかき氷などの冷菓;乳酸菌飲料、果汁入り清涼
飲料、炭酸飲料、果汁飲料、粉末飲料、果実酒等の飲
料;果汁入りプリン、ゼリー、ヨーグルト、ババロア等
のデザート;チューインガムや風船ガム等のガム類(板
ガム、糖衣状粒ガム);マーブルチョコレート等のコー
ティングチョコレートの他、イチゴチョコレート,ブル
ーベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味
を付加したチョコレート等のチョコレート;ハードキャ
ンディー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含
む)、ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミ
キャンディー、マシュマロ等を含む)、ドロップ、グミ
キャンディー、タフィ等のキャラメル類などの各種の菓
子;らっきょう塩漬け、つぼ漬け、しょうが塩漬け、梅
干し、うめ漬け、はくさい漬け、高菜漬け、広島菜漬
け、野沢菜漬け、一夜漬け及び桜漬け等の塩漬け;福神
漬け、らっきょう醤油漬け、割干漬け、しば漬け、しょ
うが醤油漬け、山菜醤油漬け及び松前漬け等の醤油漬
け;千枚漬け、らっきょう漬け、しょうが漬け、はりは
り漬け、うめ酢漬け及びはじかみ漬け等の酢漬け;山菜
みそ漬けやだいこんみそ漬け等のみそ漬;奈良漬け、山
海漬け、わさび漬け、野菜わさび漬け、しょうが粕漬及
びセロリー粕漬等の粕漬;べったら漬けや三五八漬け等
のこうじ漬け;みずな糠漬けやたくあん漬け等の糠漬
け;なす辛子漬けやふき辛子漬け等の辛子漬け;こなす
もろみ漬けやきゅうりもろみ漬け等のもろみ漬け;朝鮮
漬;すんき漬け;ピクルス;サワークラウト等の各種の
漬物;セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシン
グ、ケチャップ、たれ、ソースなどのソース類;ストロ
ベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リ
ンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類;赤ワ
イン等の果実酒;シロップ漬のチェリー、アンズ、リン
ゴ、イチゴ等の加工用果実等の種々の加工食品を挙げる
ことができる。好ましくは前述する色素によって着色さ
れているものであり、中でも漬け物(例えば、らっきょ
う塩漬、桜漬け及びうめ漬け等の塩漬、福神漬やしば漬
け等の醤油漬、うめ酢漬けやしょうが漬け等の酢漬
等)、冷菓(例えばシャーベット、かき氷等),デザー
ト(例えばゼリー、ヨーグルト等)、飲料(例えば乳酸
菌飲料等)が好ましい。
各種食品原料に加えて少なくともアントシアニン系色素
及びスクラロース、並びに必要に応じて酸味料(pH調
整剤)を含有するものであればよく、本発明の効果を妨
げない限り、他の成分、例えば退色防止剤、防腐剤、安
定剤、糖類、増粘剤、等の各種の食品添加剤などが配合
されることを特に妨げるものではない。
る食品の着色方法、具体的には風味を損なうことなくア
ントシアニン系色素によって酸性下で食品を着色する方
法に関するものである。
スクラロースを併用することによって実施することがで
き、これによって被着色対象物である食品をアントシア
ニン系色素がより安定となる酸性pH域に調整しても、
該食品の風味を損なうことなく、食品に安定した色を付
与することができる。
造工程において、まず被着色対象の食品の原料、並びに
スクラロースや酸味料(pH調整剤)などを配合して酸
性、好ましくはpH4.5以下に調整し、次いでこの食
品組成物中にアントシアニン系色素または該色素を含有
する食品素材(例えば果汁や野菜ジュース等)を配合す
る方法を好適に挙げることができる。
原料としての牛乳、クリーム、練乳、粉乳または果実な
どに、スクラロースや必要に応じてその他の糖類、並び
に乳化剤及び安定剤等を加えて冷菓ミックスを調製し、
均質化後殺菌して冷却し、これに香料、酸味料、アント
シアニン系色素並びに果汁を添加し、容器に充填して、
次いで冷却または凍結して最終製品を調製する方法を挙
げることができる。ゼリー類は、主原料の砂糖や水飴等
の糖類及びゲル化剤(ペクチン、寒天、ゼラチン、カラ
ギナン等)をスクラロースとともに適当な割合で混合
し、加熱溶解した後、香料、酸味料並びにアントシアニ
ン系色素を加え、容器に充填し、冷却して最終製品たる
ゼリーを調製する方法を挙げることができる。また飲料
の場合は、主原料としての果汁などに、スクラロースや
必要に応じてその他の糖類、並びに酸類や安定剤等を加
え、次いでこの飲料組成物に香料及びアントシアニン系
色素を添加混合した後、殺菌、冷却して容器に充填する
方法を挙げることができる。キャンディー類の場合は、
例えば砂糖、水飴等の主原料にスクラロースとともに水
を加え加熱し溶解した後放冷し、次いで香料、酸味料、
アントシアニン系色素及び果汁を加え、成型し、室温ま
で冷却して最終キャンディーを調製する方法を挙げるこ
とができる。漬物の場合は、野菜、食塩、スクラロース
などの糖類、及びグルタミン酸ナトリウムを主原料と
し、これに調味料及び酸味料等を加えて漬物を調製し、
この漬物に香料及びアントシアニン系色素を添加混合し
た後、容器に充填し、殺菌、冷却し最終製品を調製する
方法を挙げることができる。ドレッシング類の場合は、
植物油、醤油、果汁、スクラロースなどの糖類、果汁、
醸造酢、食塩等を主原料とし、これに安定剤、乳化剤等
を加え、このドレッシング液に香料及びアントシアニン
系色素を添加混合した後、殺菌、冷却後容器に充填して
最終製品を調製する方法を挙げることができる。
特にpHを低下させた場合、酸味を強く感じるため、風
味を損なう場合が多い。しかし、上記のようにスクラロ
ースとアントシアニン系色素を併用して食品を着色する
ことによって、pHを低下させても風味を損なうことな
く、食品に所望の色を安定して付与することが可能とな
る。
例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明はこれら
に限定されるものではない。なお、下記の処方中に記載
する*は、三栄源エフ・エフ・アイ(株)製の製品であ
ることを意味する。実施例1 アントシアニン系色素として紫イモ色素を用いて、下記
の処方に従って福神漬調味液(pH3.8)を調製し
た。
150gを加えて、80℃で20分間殺菌処理して福神
漬(本発明品)を調製した。
クラロースを添加しないで調製した福神漬調味液1(pH
3.8:比較液1)及び 福神漬調味液2(pH4.5:比較液
2)を作成し、これを用いて同様にして大根を処理して
福神漬(比較品1及び比較品2)を調製した。なお、福
神漬調味液2(pH4.5:比較液2)は上記処方においてス
クラロースを添加しないで且つクエン酸でpH調整をし
ないで調製した調味液である。
について、5,000lxの蛍光灯下で7日間照射した後、
又は38℃の恒温器で7日間保管した後の色素の残存率
(%)を調べ、本発明品(スクラロース添加品)と比較
品1及び2(スクラロース無添加品)の福神漬の色の耐
光性並びに耐熱性を評価した。なお、色素の残存率
(%)は安定性試験前の各福神漬サンプルの色度を10
0%として、試験後のサンプルの色度を肉眼で比較する
ことによって求めた。結果を表1に示す。
うにアントシアニン系色素はpH4以下で耐光性及び耐
熱性に優れることが示された。
の福神漬を専門のパネラー5名に食べてもらって、比較
品1(pH3.8)と比べて本発明品及び比較品2の酸
味の程度と嗜好性(味と風味の総合的な嗜好性)につい
て回答してもらった。なお、当該評価は、比較品1と本
発明品の2者間、並びに比較品1と比較品2の2者間で
の相対評価である。結果を表2に示す。
スを配合しないで酸性に調整した漬け物(比較品1)
は、色素の耐光性及び耐熱性に優れているものの、酸味
が強くて福神漬として美味しくないものであったが、ス
クラロースを添加することによって酸味を発現させるこ
となく酸性に調整することが可能となり、その結果福神
漬の味と風味を損なうことなく、アントシアニン系色素
によって鮮やかに、かつ安定に着色することが可能であ
った。
グを調製した(pH3.84)。
溶解し、次いで93℃まで加熱する。この中に7〜10
の成分を加え、水にて全量を100Lに調整し、容器に
充填して10%ピーチ果汁入り飲料(pH3.6、Bx1.2°)
を調製した。
溶解し、次いで93℃まで加熱する。この中に4〜7の
成分を加え、水にて全量を100Lに調整し、冷却して
シロップとする。このシロップ65mlに炭酸水35m
lを加え、瓶に充填し、70℃で20分間殺菌処理して
10%ク゛レーフ゜果汁入り炭酸飲料(pH3.3、Bx1.6°、ガス
圧1.5kg/cm2)を調製した。
に、攪拌しながら混合し80℃10分間で加熱溶解後、
2、4〜6の成分を加え、カップに充填し、85℃,3
0分間殺菌後、5℃1時間冷却し、フルーツゼリー(p
H3.6)を調整した。
Claims (7)
- 【請求項1】 アントシアニン系色素とスクラロースを
含有する漬け物。 - 【請求項2】 pHが4.5以下である請求項1記載の
漬け物。 - 【請求項3】 アントシアニン系色素が、赤キャベツ色
素、赤ゴメ色素、赤ダイコン色素、シソ色素、ハイビス
カス色素、ブドウ果汁色素、ブドウ果皮色素、紫イモ色
素、紫トウモロコシ色素、紫ヤマイモ色素及びエルダー
ベリー色素よりなる群から選択される少なくとも1種で
ある、請求項1または2に記載の漬け物。 - 【請求項4】 漬け物が、らっきょう漬、しょうが漬
け、福神漬け、しば漬け、うめ酢漬け、桜漬け及びうめ
漬けよりなる群から選択されるいずれかである請求項1
乃至3のいずれかに記載の漬け物。 - 【請求項5】 アントシアニン系色素とスクラロースを
併用することによって、pH4 . 5以下に調整した食品
について、その風味を損なうことなく安定的に着色する
方法。 - 【請求項6】 食品が、漬け物、飲料、デザートまたは
冷菓である請求項5に記載の方法。 - 【請求項7】 漬け物が、らっきょう漬、しょうが漬
け、福神漬け、しば漬け、うめ酢漬け、桜漬け及びうめ
漬けよりなる群から選択されるいずれかである請求項6
に記載の方法。
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