JP2000345155A - 色素退色防止剤及びそれを含有する食品 - Google Patents

色素退色防止剤及びそれを含有する食品

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JP2000345155A
JP2000345155A JP11154494A JP15449499A JP2000345155A JP 2000345155 A JP2000345155 A JP 2000345155A JP 11154494 A JP11154494 A JP 11154494A JP 15449499 A JP15449499 A JP 15449499A JP 2000345155 A JP2000345155 A JP 2000345155A
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pigment
acid
gardenia
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yellow pigment
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JP11154494A
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Koji Nishiyama
浩司 西山
Takahito Ichi
隆人 市
Yutaka Higashimura
東村  豊
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Original Assignee
San Ei Gen FFI Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ベニバナ黄色色素、クチナシ黄色色素またはク
チナシ青色色素の退色現象を有意に抑制する退色防止剤
の提供及び退色が有意に抑制された上記色素含有食品の
提供。 【解決手段】イソクロロゲン酸、特に3,5−ジカフェ
オイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、4,5
−ジカフェオイルキナ酸、3,4,5−トリカフェオイ
ルキナ酸及びそれらの塩よりなる群から選択されるいず
れか少なくとも一種を含有する、ベニバナ黄色色素、ク
チナシ黄色色素またはクチナシ青色色素の退色防止剤、
該退色防止剤を含有するベニバナ黄色色素、クチナシ黄
色色素またはクチナシ青色色素を含有する食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベニバナ黄色色
素,クチナシ黄色色素またはクチナシ青色色素に対して
有効な退色防止剤に関する。さらに、本発明は当該退色
防止剤を含有するベニバナ黄色色素,クチナシ黄色色素
またはクチナシ青色色素を含む食品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、従来多用されていた合成色素に代
わり、ベニバナ黄色色素,クチナシ黄色色素またはクチ
ナシ青色色素をはじめとする天然色素が食品、化粧品、
医薬品などの分野で広く利用されるようになっている。
【0003】しかしながら、これらの天然色素は、酸
素、光及び熱に対して不安定であり、例えば食品の加工
や保存中にこれらの要因や添加剤などの他の影響を受け
て速やかに退色若しくは変色を生じるという欠点を有し
ている。とりわけクチナシ黄色色素は酸性領域で極めて
不安定であり、酸素、光及び熱などの影響を受けて短期
間に退色することが知られている。
【0004】このため、従来から、かかるベニバナ黄色
色素,クチナシ黄色色素またはクチナシ青色色素の不安
定さを解消して退色現象を防止するために種々の安定化
剤並びに退色防止剤が検討され、開発されている。
【0005】例えば、特開平5−32909号公報に
は、その実施例にクロロゲン酸及びカフェー酸がクチナ
シ青色色素及びベニバナ黄色色素に対して退色防止効果
を奏することが記載されている。また、特開平6−93
199号公報には、その実施例にクロロゲン酸及びカフ
ェー酸がクチナシ黄色色素に対して退色防止効果を奏す
ることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者が確認したところ、クロロゲン酸及びカフェー酸の上
記色素に対する退色防止効果は十分満足できるものとは
いえず、特に熱や光によるベニバナ黄色色素,クチナシ
黄色色素またはクチナシ青色色素の退色については十分
な予防ができないのが実情であった。
【0007】本発明は、これらの天然色素の退色現象を
有意に抑制することのできる退色防止剤を提供すること
を目的とするものである。さらに本発明は、ベニバナ黄
色色素,クチナシ黄色色素またはクチナシ青色色素に対
して、クロロゲン酸よりも退色防止効果が有意に高い退
色防止剤を提供することを目的とする。
【0008】また本発明は、かかる退色防止剤を含むこ
とにより有意に退色現象が抑制されたベニバナ黄色色
素,クチナシ黄色色素またはクチナシ青色色素を含有す
る食品を提供することを目的にする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意研究を重ねていたところ、ジカフ
ェオイルキナ酸(イソクロロゲン酸)が、ベニバナ黄色
色素、クチナシ黄色色素及びクチナシ青色色素といった
各天然色素の退色に対して優れた防止効果を発揮し、し
かもその防止効果がクロロゲン酸の退色防止効果よりも
有意に高いことを見いだした。さらに本発明者らは、ジ
カフェオイルキナ酸の異性体、特に3,4−ジカフェオ
イルキナ酸が極めて優れた退色防止効果を発揮し、その
効果はクロロゲン酸よりも顕著に高いことを見いだし
た。本発明はかかる知見に基づいて開発されたものであ
る。
【0010】すなわち、本発明は、イソクロロゲン酸、
特に3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェ
オイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸及び3,
4,5−トリカフェオイルキナ酸よりなる群から選択さ
れるいずれか少なくとも一種の異性体を有効成分として
含有する、ベニバナ黄色色素,クチナシ黄色色素または
クチナシ青色色素の退色防止剤である。また本発明は上
記退色防止剤を含有することを特徴とするベニバナ黄色
色素,クチナシ黄色色素及びクチナシ青色色素よりなる
群から選択されるいずれか少なくとも一種の色素を含有
する食品である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の退色防止剤は、有効成分
としてイソクロロゲン酸またはその塩を含むことを特徴
とするものである。
【0012】当該イソクロロゲン酸には、式(1)で示
される3,5−ジカフェオイルキナ酸、式(2)で示さ
れる3,4−ジカフェオイルキナ酸、式(3)で示され
る4,5−ジカフェオイルキナ酸の3種類の異性体、及
び式(4)で示される3,4,5−トリカフェオイルキ
ナ酸が含まれる。
【0013】
【化1】
【0014】本発明においては、イソクロロゲン酸とし
てこれらの異性体を用いることが好ましく、また異性体
の中でも特に3,4−ジカフェオイルキナ酸(2)を用
いることが好ましい。なお、これらは一種単独で使用し
ても、また必要に応じて2種以上を組み合わせて用いる
こともできる。
【0015】イソクロロゲン酸の塩としては、ナトリウ
ム塩やカリウム塩といったアルカリ金属塩などの水溶性
塩を挙げることができる。
【0016】使用するイソクロロゲン酸は化学合成品で
あってもよいし、天然物起源から採取したものでもよ
い。イソクロロゲン酸は、一般にサツマイモ、タバコ
葉、ナシ葉、リンゴ果肉等の植物中に広く存在している
ものであるが、含有量の割合を考慮すれば、サツマイモ
の塊根、茎、葉等から採取するのが容易である。サツマ
イモとしては、特に種類を制限するものでないが、紅さ
つま、高系14号、ベニアズマ、ベニオトメ、コガネセ
ンガン、サツマヒカリ、サツマヒカリ、ベニハヤト等の
他、アヤムラサキ,ブラジル原産紫サツマイモ(Ipoea
batas, Lam., Convolvlaceae),山川紫,種子島在来,
頴娃紫,知覧紫,喜入紫及びナカムラサキ等の紫さつま
いも及びこれらの改良品種を挙げることができる。
【0017】例えば出発材料としてサツマイモを用いる
場合、イソクロロゲン酸は、例えば日本食品科学工学会
誌、43巻、3号、第313-317頁、(1996)に記載の方法
から得ることができる。具体的には、サツマイモの塊
根、茎、葉等を蒸煮するなどして加熱処理し、次いで乾
燥処理して、粉砕し、含水エタノール水溶液で抽出す
る。得られた抽出物を必要に応じて濃縮して、次いで濃
縮抽出物を例えばゲルろ過やイオン交換等の各種のカラ
ムクロマトグラフィーに付してイソクロロゲン酸を分
離、精製する方法を例示することができる。
【0018】本発明で利用するイソクロロゲン酸または
その塩は必ずしも純品である必要はないが、退色防止剤
を適用する例えば化粧品、食品または医薬品等の対象物
の味や香りに影響を与えない程度にまで精製されている
ものが好ましい。
【0019】本発明の退色防止剤は、イソクロロゲン酸
またはその塩を有効成分として含むものであれば、イソ
クロロゲン酸またはその塩だけからなるものであっても
よいし、また他成分として希釈剤、担体またはその他の
添加剤を含有する組成物の形態であってもよい。希釈
剤、担体及び添加剤は、本発明の効果を妨げないもので
あれば特に制限されず、例えばシュクロース、グルコー
ス、デキストリン、アラビアゴム、水、エタノール、プ
ロピレングリコール、グリセリン、水飴等を挙げること
ができる。
【0020】本発明の退色防止剤の形態は特に制限され
ず、例えば粉末状、顆粒状、錠剤状、液状、乳液状、ペ
ースト状等の任意の形態として調製することができる。
【0021】本発明が対象とするベニバナ黄色色素は、
サフラワーイエロー(サフロミン)若しくはカーサミン
イエローとも称され、日本薬局方に収載されているベニ
バナ(Carthamus tinctorius)の花弁から抽出して調製
される黄色のフラボノイド系色素である。クチナシ黄色
色素は、クチナシ(Gardenia augusta)の果実に含まれ
る、クロシン及びクロセチンを主成分とする黄色のカロ
テノイド系色素であり、クチナシ青色色素は、クチナシ
果実の抽出液に蛋白質あるいはアミノ酸を添加し、酵素
(β−グルコシダーゼ)処理することによって得られる
青色の色素である。これらの色素はいずれも市販されて
おり、商業的に入手することが可能である。
【0022】本発明の退色防止剤は、上記各色素に対し
て効果があるのはもちろん、上記色素の二種以上の組み
合わせに対しても有意に退色防止効果を発揮するもので
ある。また、本発明が対象とする色素には、上記色素に
加えて、本発明の退色防止効果を損なわないことを限度
に他の色素を含むことができる。
【0023】このような色素としては、コチニール色
素、シコン色素、アカネ色素、ラック色素等のキノン系
色素;カキ色素、カロブ色素、カンゾウ色素、シタン色
素、スオウ色素等のフラボノイド系色素;ベニコウジ色
素、ベニコウジ赤色素等のアザフィロン色素;カロチン
類やキサントフィル類等のカロチノイド色素;紫サツマ
イモ色素、赤キャベツ色素、エルダーベリー色素、ブド
ウ果汁色素、ブドウ果皮色素、ムラサキトウモロコシ色
素、アカダイコン色素、シソ色素、赤米色素、カウベリ
ー色素、グースベリー色素、クランベリー色素、サーモ
ンベリー色素、スィムブルーベリー色素、ストロベリー
色素、ダークスィートチェリー色素、チェリー色素、ハ
イビスカス色素、ハクルベリー色素、ブラックカーラン
ト色素、ブラックベリー色素、ブルーベリー色素、プラ
ム色素、ホワートルベリー色素、ボイセンベリー色素、
マルベリー色素、ムラサキヤマイモ色素、ラズベリー色
素、レッドカーラント色素、ローガンベリー色素等のア
ントシアニン系色素;及びその他の色素として、ウコン
色素、クサギ色素、クチナシ赤色素、スピルリナ青色素
等の天然色素やタール系色素等の合成色素を好適に例示
することができる。なお、制限はされないが、タール系
色素としては、例えば、食用赤色2号、食用赤色3号、
食用赤色40号、食用赤色102号、食用赤色104
号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用黄色4
号、食用黄色5号、食用青色1号、食用青色2号、食用
緑色3号等を挙げることができる。かかる色素とベニバ
ナ黄色色素、クチナシ黄色色素またはクチナシ青色色素
のいずれか少なくとも1種との併用に対して、本発明の
退色防止剤は、ベニバナ黄色色素、クチナシ黄色色素ま
たはクチナシ青色色素のみならず総して退色防止効果を
発揮することができる。
【0024】本発明の退色防止剤は、ベニバナ黄色色
素、クチナシ黄色色素またはクチナシ青色色素を含有す
るものに広く適用することができる。かかるものとして
は、例えば食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、飼料等
を挙げることができる。
【0025】すなわち本発明は、退色防止剤としてイソ
クロロゲン酸を含有する、ベニバナ黄色色素、クチナシ
黄色色素またはクチナシ青色色素の少なくとも1種を含
有する食品、化粧品、医薬品、医薬部外品及び飼料を提
供するものである。なお、化粧品としてはスキンローシ
ョン、口紅、日焼け止め化粧品、メークアップ化粧品等
を、医薬品としては各種錠剤、カプセル剤、液剤、ドリ
ンク剤、トローチ剤、うがい薬等を、医薬部外品として
は歯磨き剤、口中清涼剤、口臭予防剤等を、また飼料と
してはキャットフードやドッグッフード等の各種ペット
フード、観賞魚若しくは養殖魚の餌等を一例として挙げ
ることができるが、これらに制限されるものではない。
【0026】好ましくは食品である。食品としては、こ
れらの色素に起因して着色しているものであれば特に制
限されず、例えばアイスクリーム、アイスミルク、ラク
トアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類;乳飲料、乳
酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、粉
末飲料等の飲料類;カスタードプリン、ミルクプリン及
び果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア、ヨ
ーグルト等のデザート類;チューインガムや風船ガム等
のガム類(板ガム、糖衣状粒ガムを含む);マーブルチ
ョコレート等のコーティングチョコレートの他、バナナ
チョコレート及びメロンチョコレートなど風味を付加し
たチョコレート等のチョコレート類;ハードキャンディ
ー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含む)、ソ
フトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンデ
ィー、マシュマロ等を含む)、ドロップ、タフィ等のキ
ャラメル類;ハードビスケット、クッキー、おかき、煎
餅などの焼き菓子類;浅漬け、醤油漬け、塩漬け、味噌
漬け、糠漬け、粕漬け、麹漬け、梅漬け、酢漬け、芥子
漬け、もろみ漬け、福神漬け、しば漬け、生姜漬け、朝
鮮漬け、梅酢漬け等の漬物類;セパレートドレッシン
グ、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソー
スなどのソース類;ストロベリージャム、ブルーベリー
ジャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレ
ザーブ等のジャム類;赤ワイン等の果実酒;シロップ漬
のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ、パイナップル、
桃等の加工用果実;ハム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉
加工品;魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲
鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン
等の水産練り製品;うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中
華そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ
及びワンタン等の麺類;その他、各種総菜及び蒲鉾、
麩、田麩等の種々の加工食品を挙げることができる。
【0027】なお、着色食品の「着色」とは、飲食物に
人為的に色素を添加して着色した意味のみならず、果汁
や果物等、飲食物に本来含まれる色素に由来して着色し
ているものまでも広く包含する趣旨で用いられる。
【0028】これらの食品は、常法に従って製造するこ
とができる。なお、製造工程において、本発明の退色防
止剤及び色素の配合工程及びその順番はとりわけ制限は
ないが、退色防止剤の存在下に色素、好ましくは色素及
び香料を配合し、加熱処理等の各種の処理を施すことが
望ましい。
【0029】例えば、冷菓類の場合は、まず主原料とし
ての牛乳、クリーム、練乳、粉乳、糖類、果実、餡等に
退色防止剤、酸類、乳化剤及び安定剤等、次いで香料を
加えて冷菓ミックス液を調製し、このミックス液に色素
を添加混合し、次いで殺菌して容器に充填し、冷却、凍
結して最終製品を調製する方法を挙げることができる。
また飲料類の場合は、主原料としての糖類、果汁、酸類
等に退色防止剤、安定剤等を加え、次いでこの飲料に香
料及び色素を添加混合した後、殺菌、冷却して容器に充
填する方法を挙げることができる。また、ガム類の場合
は、加熱し柔らかくしたガムベースに砂糖、ブドウ糖、
退色防止剤及びクエン酸等を加え、次いでその中に香料
及び色素を加え練合する。次に圧延ローラーで適当な厚
さにし、室温まで冷却後、切断して最終製品を調製する
方法を挙げることができる。また、ゼリー類の場合は、
主原料の砂糖、水飴、退色防止剤、クエン酸及び凝固剤
(ペクチン、寒天、ゼラチン、カラギナンなど)を適当
な割合で混合し、その中に香料並びに色素を加え、加熱
溶解した後、容器に充填し、冷却して最終製品たるゼリ
ーを調製する方法を挙げることができる。キャンディー
類の場合は、例えば砂糖、水飴等の主原料に水を加え加
熱し溶解した後放冷し、退色防止剤を添加し、次いで香
料及び色素を加え、成型し、室温まで冷却して最終キャ
ンディーを調製する方法を挙げることができる。漬物類
の場合は、野菜、食塩、糖類、グルタミン酸ナトリウム
を主原料とし、これに調味料及び退色防止剤等を加えて
漬物を調製し、この漬物に香料及び色素を添加混合した
後、容器に充填し、殺菌、冷却し最終製品を調製する方
法を挙げることができる。ドレッシング類の場合は、植
物油、醤油、果汁、糖類、果汁、醸造酢、食塩等を主原
料とし、これに退色防止剤、安定剤、乳化剤等を加え、
このドレッシング液に香料及び色素を添加混合した後、
殺菌、冷却後容器に充填して最終製品を調製する方法を
挙げることができる。
【0030】本発明の退色防止剤の食品、化粧品、医薬
品、医薬部外品または飼料等の対象物への添加量は、そ
れらに含まれるベニバナ黄色色素、クチナシ黄色色素ま
たはクチナシ青色色素の退色現象が防止できる量であれ
ば特に制限されず、対象物の種類やそれに含まれる成分
並びに各種色素の含有量などを考慮して適宜選択、決定
することができる。例えば対象物が食品の場合、食品に
配合する退色防止剤の量はイソクロロゲン酸に換算して
10〜500ppmの範囲を挙げることができる。ま
た、上記対象物に含まれる色素に対する退色防止剤の割
合は、色素の極大吸収波長における吸光度(Abs)に
対するイソクロロゲン酸の325nmでの吸光度の比率が1
以上となるような割合を挙げることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の内容を以下の実施例及び実験
例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。なお、下記に記載する処方の単位
は特に言及しない限りgを意味するものとする。実施例1 ソーダ飲料 下記処方に従って、各成分を添加混合してソーダ飲料を
作った。
【0032】 実験例1 実施例1と同様にして、イソクロロゲン酸の代わりにク
ロロゲン酸を用い、325nmにおける極大吸収でほぼ同一
の吸光度となる量を添加したソーダ飲料(比較品1
(a))、及びイソクロロゲン酸無添加のソーダ飲料(比
較品1(b))を調製した。
【0033】前記実施例1で調製した本発明のソーダ飲
料と上記比較のソーダ飲料(比較品1(a)及び比較品1
(b))を、5℃、20000luxの蛍光灯下で3日間
照射してソーダ飲料の「耐光性」を試験した。また第2
の実験として、これらの飲料を50℃の恒温器内に7日
間放置してソーダ飲料の「耐熱性」を試験した。スター
ト時の飲料の色度を100%(コントロール)として、
退色の程度を肉眼で比較した。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、イソクロロゲン
酸を添加して調製した本発明のソーダ飲料は、クロロゲ
ン酸を添加した比較品1(a)及び無添加の比較品1(b)と
比較して、光照射後及び加温処理後も色相が殆ど変化せ
ずに退色現象が有意に抑制されており、鮮明な青色が維
持されていた。
【0036】実施例2 レモン飲料 下記処方に従って、各成分を添加混合してレモン果汁入
り飲料を作った。
【0037】 果糖ブドウ糖液糖 30.0 砂糖 10.0 クエン酸 0.4 レモン果汁 5.0 レモンフレーバー 0.2 ベニバナ黄色色素 0.05 イソクロロゲン酸 0.005 (3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸混合物及 び 4,5−ジカフェオイルキナ酸混合物) 水 残 量 合 計 100.000 実験例2 実施例2と同様にして、イソクロロゲン酸の代わりにク
ロロゲン酸を用い、325nmにおける極大吸収でほぼ同一
の吸光度となる量を添加したレモン飲料(比較品2
(a))、及びイソクロロゲン酸無添加のレモン飲料(比
較品2(b))を調製した。
【0038】実施例2で調製した本発明のレモン飲料と
上記比較のレモン飲料(比較品2(a)及び比較品2(b))
を、5℃、20000luxの蛍光灯下で3日間照射し
てレモン飲料の「耐光性」を試験した。また第2の実験
として、これらの飲料を50℃の恒温器内に7日間放置
してレモン飲料の「耐熱性」を試験した。スタート時の
飲料の色度を100%(コントロール)として、退色の
程度を肉眼で比較した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】表2から明らかなように、イソクロロゲン
酸を添加して調製した本発明のレモン飲料は、クロロゲ
ン酸を添加した比較品2(a)及び無添加の比較品2(b)と
比較して、光照射後及び加温処理後も色相が殆ど変化せ
ずに退色現象が有意に抑制されており、鮮明な黄色が維
持されていた。
【0041】 実施例3 マスカット飲料 果糖ブドウ糖液糖 30.0 砂糖 10.0 クエン酸 0.4 マスカット果汁 5.0 マスカットフレーバー 0.2 ベニバナ黄色色素 0.05 クチナシ青色色素 0.01 イソクロロゲン酸 0.005 (3,5−ジカフェオイルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、4,5− ジ カフェオイルキナ酸及び3,4,5−トリカフェオイルキナ酸の混合物) 水 残 量 合 計 100.000 上記処方に従って、各成分を添加混合してマスカット果
汁入り飲料を作った。
【0042】 実施例4 マスカットフルーツゼリー 果糖ブドウ糖液糖(75%) 20.0 1/5濃縮ホワイトピーチ果汁 4.0 カラギナン 1.0 クエン酸 0.2 マスカットエッセンス 0.1 ベニバナ黄色色素 0.07 クチナシ青色色素 0.03 イソクロロゲン酸 0.004 (3,4−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸の混合物 ) 水 残 量 合 計 100.000 上記処方を添加混合し、80℃10分間加熱溶解後、カ
ップに充填し、5℃で1時間冷却してマスカットフルー
ツゼリーを作った。
【0043】 実施例5 かき氷シロップ液 液糖 65 砂糖 3 クエン酸 0.25 カラギーナン 0.3 食塩 0.15 クチナシ青色色素 0.2 イソクロロゲン酸 0.005 (3,4−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸の混合物) 水 残 量 合 計 100.000 上記の処方に従って各成分を添加混合してかき氷シロッ
プを調製した。
【0044】 実施例6 レモンシャーベット 砂糖 15.0 粉末水飴 7.5 硬化ヤシ油 1.0 脱脂粉乳 1.0 1/5濃縮ストロベリー果汁 4.0 レモンフレーバー 0.1 クチナシ黄色色素 0.2 イソクロロゲン酸 0.007 (3,5−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジカフェオイルキナ酸混合物) 水 残 量 合 計 100.000 脱脂粉乳、砂糖、粉末水飴、果汁を主原料とし、これに
イソクロロゲン酸、硬化ヤシ油、香料を加えてミックス
液とし、このミックス液にクチナシ黄色色素を添加混合
した。その後、殺菌、冷却及びフリージングして容器に
充填して、これを0℃以下に冷却し凍結してレモンシャ
ーベットを作った。
【0045】 上記処方のうちクチナシ青色色素以外を混合して加熱し
た後、クチナシ青色色素を添加し、練合して圧延ローラ
ーで適当な厚さにし、室温まで冷却後、切断してミント
ガムを作った。
【0046】実施例8 ハードキャンデー 水20g、砂糖60g、水飴40gの混合物を150℃
まで加熱溶解し、煮詰めて100gにした後、120℃
まで冷却し、ベニバナ黄色色素0.07g、クチナシ青
色色素0.03g、クエン酸0.5g、抹茶フレーバー
0.15g、イソクロロゲン酸(3,5−ジカフェオイ
ルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−
ジカフェオイルキナ酸の混合物)0.008gを添加
し、成形後、室温まで冷却してハードキャンディーを作
った。
【0047】 実施例9 中華麺 小麦粉 42.0 食塩 4.0 クチナシ黄色色素 0.3 イソクロロゲン酸 0.006 (3,4−ジカフェオイルキナ酸及び4,5−ジカフェオイルキナ酸の混合物) 水 残 量 合 計 100.00 小麦粉、食塩を粉末混合し予め水、クチナシ黄色素、イ
ソクロロゲン酸を混合した溶液を、攪拌機で混合練り上
げる。得られた生地を2〜3時間冷蔵庫で寝かした後、
圧延で数回延ばし、次いで中華麺の幅にカットし中華麺
を作った。
【0048】 上記成分を各種添加混合した後、殺菌、冷却後容器に充
填して梅ドレッシングを調製した。
フロントページの続き (72)発明者 東村 豊 大阪府豊中市三和町1丁目1番11号 三栄 源エフ・エフ・アイ株式会社内 Fターム(参考) 4B018 MA01 MA02 MC04 4H025 AA18 AC04 AC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソクロロゲン酸又はその塩を有効成分と
    して含有することを特徴とする、ベニバナ黄色色素,ク
    チナシ黄色色素またはクチナシ青色色素の退色防止剤。
  2. 【請求項2】イソクロロゲン酸が3,5−ジカフェオイ
    ルキナ酸、3,4−ジカフェオイルキナ酸、4,5−ジ
    カフェオイルキナ酸及び3,4,5−トリカフェオイル
    キナ酸よりなる群から選択されるいずれか少なくとも一
    種である請求項1記載の退色防止剤。
  3. 【請求項3】イソクロロゲン酸が3,4−ジカフェオイ
    ルキナ酸である請求項1記載の退色防止剤。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の退色防
    止剤を含有することを特徴とする、ベニバナ黄色色素,
    クチナシ黄色色素及びクチナシ青色色素よりなる群から
    選択されるいずれか少なくとも一種の色素を含有する食
    品。
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