JP2002233330A - 退色抑制剤 - Google Patents

退色抑制剤

Info

Publication number
JP2002233330A
JP2002233330A JP2001032828A JP2001032828A JP2002233330A JP 2002233330 A JP2002233330 A JP 2002233330A JP 2001032828 A JP2001032828 A JP 2001032828A JP 2001032828 A JP2001032828 A JP 2001032828A JP 2002233330 A JP2002233330 A JP 2002233330A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pigment
extract
dye
fading
discoloration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001032828A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Kato
喜昭 加藤
Shinji Yasunami
信治 安並
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
San Ei Gen FFI Inc
Original Assignee
San Ei Gen FFI Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by San Ei Gen FFI Inc filed Critical San Ei Gen FFI Inc
Priority to JP2001032828A priority Critical patent/JP2002233330A/ja
Publication of JP2002233330A publication Critical patent/JP2002233330A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】色素の退色現象を有意に抑制する退色抑制剤の
提供及び退色が有意に抑制された着色飲食物の提供。 【解決手段】クマツヅラ科の植物抽出物を有効成分とし
て、また必要に応じて酸化防止剤を含有することを特徴
とする色素の退色抑制剤、特にアントシアニン系色素、
カロチノイド系色素及びラック色素等の天然色素の退色
抑制剤。該退色抑制剤を含有する着色飲食物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は退色抑制剤に関す
る。より詳細には、本発明はクマツヅラ科植物の抽出物
を有効成分として含有することにより、光や熱や酸素に
よる色素の退色を有意に防止できる退色抑制剤に関す
る。更に本発明は、該退色抑制剤を含有することにより
色素の退色が有意に抑制された着色飲食物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、飲食物の着色には広く合成色
素並びに天然色素が用いられており、特に合成色素の安
全性が問題視されている近年では、ことさら天然色素が
多く用いられるようになっている。
【0003】しかしながら、これらの天然色素は比較的
不安定であり、例えば光、酸素、熱等の影響を受けて経
時的に退色並びに変色する傾向がある。このため該天然
色素によって着色された飲食物、化粧品、医薬品並びに
医薬部外品等の各種製品は、退色や変色によってその商
品価値が著しく低下するという問題を含んでいる。特に
近年のペットボトル入り飲料等といった透明容器入り飲
料の普及並びに商品の低着色化指向に伴って、光や熱に
よる色素の退色現象を有意に抑制乃至防止する方法の開
発が早期に求められているのが現状である。
【0004】ところで、本発明が対象とするクマツヅラ
科植物に属するバーベナ、ハマゴウまたはクサギに関し
て、抗酸化作用又は脂質過酸化抑制作用があり、油脂や
食品の酸化防止または動脈硬化、老化及び癌の防止に有
用であることが知られている(特開平3-56585号公報、
特開平10-158187号公報、特公平7-7347号公報など)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、広範囲の色
素、特に天然色素を対象として、その退色現象を有意に
抑制できる退色抑制剤を提供することを目的とするもの
である。より具体的には本発明は、熱、光または酸素の
いずれか、特に光(太陽光、蛍光灯や白熱灯の光)の影
響を受けて生じる色素の退色現象に対して、より有効な
抑制効果を発揮する退色抑制剤を提供することを目的と
する。
【0006】また本発明は、かかる退色抑制剤を含有す
ることにより色素の退色現象が有意に抑制された着色飲
食物を提供することを目的にする。
【0007】なお、本発明において退色とは色素の着色
退行並びに変色を含む広い概念で用いられる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意研究を重ねていたところ、クマツ
ヅラ科植物の1種であるレモンバーベナ(Lippia citri
odora:Lemon Vervena)に多くの天然色素の退色現象を
有意に抑制する効果があることを見出し、それを飲食
物、化粧品並びに医薬品等の各種の着色製品に適用する
ことによって、特に従来より問題とされていた蛍光灯に
よる経時的退色が有意に抑制され、着色が安定して保持
されてなる製品が調製できることを確認した。かかる知
見に基づいて、さらに本発明者らは研究を進めて、レモ
ンバーベナ以外のクマツヅラ科植物にも同様の効果があ
ることを確信するにいたり、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明はクマツヅラ科植物の抽
出物を有効成分として含有する色素の退色抑制剤であ
る。本発明の退色抑制剤の態様には、下記のものを含め
ることができる。 (1)クマツヅラ科植物がレモンバーベナ、クサギ、ハ
マゴウ、及びビジョザクラよりなる群から選択されるい
ずれかの少なくとも1種の植物であ る退色抑制剤。 (2)色素が天然色素である色素の退色抑制剤。 (3)色素がアントシアニン系色素、カロチノイド系色
素またはラック色素である色素の退色抑制剤。 (4)さらに酸化防止剤を含有する退色抑制剤。
【0010】さらに本発明は、上記クマツヅラ科植物の
抽出物または該抽出物と酸化防止剤を有効成分とする退
色抑制剤を含有する、退色が抑制された着色飲食物であ
る。当該態様には、下記に掲げるものを含めることがで
きる。 (a)着色飲食物に含まれる色素が天然色素である着色
飲食物。 (b)色素がアントシニン系色素、カロチノイド系色素
またはラック色素である着色飲食物。 (c)色素を0.05以上の吸光度(極大吸収波長)を
示す割合で含む着色飲食物。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の退色抑制剤は、有効成分
としてクマツヅラ科植物の抽出物を含むことを特徴とす
るものである。
【0012】クマツヅラ科(Verbenaceae、Vervain Fam
ily)植物はシソ科(Labiatae)植物に近縁する双子葉
植物であり、代表的な属としては、Aloysia,Amasoni
a,Avicennia(ヒルギダマシ属),Callicarpa(ムラサ
キシキブ属),Caryopteris(カリガネソウ属),Clero
dendrum(クサギ属),Duranta(タイワンレンギョウ
属),Gmelina(キバナヨウラク属),Hoimskioldia,L
antana(ランタナ属),Lippia(イワダレソウ属),Ny
ctanthes(ヨルソケイ属),Petrea(ヤモメカズラ
属),Premna(ハマクサギ属),Stachytarpheta(ホナ
ガソウ属),Tectona(チークノキ属),Verbena(クマ
ツヅラ属),Vitex(ハマゴウ属)などを挙げることが
できる。また、代表的な植物としては、Callicarpa dic
hotoma(コムラサキシキブ),Callicarpa japonica
(ムラサキシキブ),Callicarpa kochiana(ビロード
ムラサキ),Callicarpa mollis(ヤブムラサキ),Cal
licarpa shikokiana(トサムラサキ),Caryopteris in
cana(ダンギク),Caryopteris×clandonensis(ハナ
シキブ),Clerodendrum(クサギ),Duranta repenns
(デュランタ),Lantana camara(ランタナ),Lippia
alba,Lippia citriodora(レモンバーベナ),Lippia
nodiflora(イワダレソウ),Verbena hybrida(ビジ
ョザクラ),Vervena officinalis(クマツヅラ),Ver
bena peruviana(バーベナ・ペルビアナ),Verbena ph
logiflora(ビジョザクラ),Verbena rigida(シュッ
コンバーベナ),Verbena tenera(ヒメビジョザク
ラ),Vitex rotundifolia(ハマゴウ)等を挙げること
ができる。
【0013】本発明においては上記のクマツヅラ科植物
をいずれも使用することができるが、好ましくはレモン
バーベナ、クサギ、ハマゴウ、ビジョザクラであり、よ
り好ましくはレモンバーベナである。
【0014】なお、レモンバーベナは、古来よりペルー
などでセドロン茶(Cedoron Tea)としてお茶の代用とし
て飲用されており、吐き気、消化不良、鼓腸、心悸亢進
及び眩暈によいことが知られている。また、レモンバー
ベナは、近年レモン香の精油を搾取するために使用され
るほか、その鎮痛活性作用や抗男性ホルモン作用を利用
した製品開発に向けた研究も進められている。
【0015】本発明のクマツヅラ科植物の抽出物は、常
法に従って、上記1種又は2種以上の植物の植物体全て
またはその一部をそのまま若しくは破砕して適当な溶媒
で抽出する方法、または植物体(又はその一部)を乾燥
後、必要に応じて粉砕粉体状にして適当な溶媒で抽出す
る方法等を挙げることができる。なお、抽出植物として
植物体の一部を使用する場合、特にその部位は限定され
ず、葉、茎、根、果実(種子)及び花蕾等、広く使用す
ることができるが、好ましくは葉、茎及び根を挙げるこ
とができる。
【0016】抽出に用いられる溶媒は、特に制限され
ず、低級アルコール、多価アルコール、非極性溶媒及び
極性溶媒を広く挙げることができる。より具体的には低
級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロ
パノール及びイソプロピルアルコール、ブタノール等の
炭素数1〜4のアルコール;多価アルコールとしては、
グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリ
コール等;非極性溶媒としてはヘキサン、エーテル等;
極性溶媒としては水、アセトン、酢酸エチル、酢酸メチ
ルなどが使用される。これらは単独で用いても、また2
種以上を組み合わせて使用することもできる。好ましく
はエタノールなどの低級アルコール、水、または水と上
記各種の有機溶媒との組み合わせであり、より好ましく
は含水アルコールである。なお、抽出溶媒として上記水
と有機溶媒との混合溶媒を使用する場合、その混合比率
は特に制限されないが、好ましくは有機溶媒の割合が5
0重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
抽出溶媒は、クママツヅラ科植物の植物体1重量部に対
して5〜50重量部、好ましくは5〜30重量部、より
好ましくは5〜15重量部の割合を挙げることができ
る。
【0017】抽出方法としては、一般に用いられる方法
を広く採用することができる。制限はされないが、例え
ば溶媒中に全植物体若しくは一部分(そのまま若しくは
粗末、細切物)またはそれらの乾燥破砕物(粉末等)を
冷浸、温浸等によって浸漬する方法、溶媒を加温し撹拌
しながら抽出を行い濾過して抽出液を得る方法、または
パーコレーション法などを挙げることができる。好まし
くは30〜100℃の温度条件下、更に好ましくは50
〜100℃、より更に好ましくは80〜100℃での抽
出である。
【0018】得られた抽出液は、必要に応じて濾過また
は遠心分離によって固形物を除去したり、またさらに溶
媒を留去して一部濃縮若しくは乾燥することができる。
また、必要に応じてさらに精製処理や脱臭処理等を行う
ことにより着色度の低減や脱臭を図ることができる。精
製処理は特に制限されず、一般に植物抽出操作に用いら
れる精製処理を広く採用することができる。具体的に
は、上記で得られた抽出物を適当な溶媒で再度抽出処理
する方法;上記抽出物を濃縮若しくは乾燥して非溶解性
溶媒で洗浄する方法;上記抽出物を必要に応じて濃縮し
て各種の樹脂(例えばイオン交換、吸着、分子篩等)や
膜(例えば除菌、限外濾過、逆浸透、精密濾過等)を用
いて精製する方法;その他、活性炭処理、超臨界流体抽
出、溶剤洗浄、再結晶化などの方法を例示することがで
きる。また、脱臭処理についても特に制限されず一般に
使用される方法が広く採用できる(例えば、蒸留処理、
水蒸気蒸留処理、活性炭処理、吸着樹脂処理、イオン交
換樹脂処理、超臨界流体抽出、溶剤洗浄、再結晶化な
ど)。
【0019】より具体的には、抽出したエキスをシリカ
ゲル(例えば、ワコーゲルC-200[和光純薬工業株式会
社製],ワコーゲルC-300[和光純薬工業株式会社
製]),ODS(例えば、ワコーシル40C18[和光純薬工業
株式会社製],ワコーシル25C18[和光純薬工業株式会
社製])、イオン交換樹脂(例えば、アンバーライトIR
A-67[オルガノ株式会社製],アンバーライトIRC-50
[オルガノ株式会社製]),吸着樹脂(例えば、ダイヤ
イオンHP-20[三菱化学株式会社製],アンバーライトX
AD-7[オルガノ株式会社製])、ゲル濾過(例えば、Se
phadex LH-20[AmershamPharmacia Biotech AB製],Se
phadex LH-60[Amersham Pharmacia Biotech AB
製])、MF膜(例えば、マイクローザMF「旭化成工業株
式会社,TCFH-100「東洋濾紙株式会社製」)、UF膜(CP
20-1010「東レ株式会社製」,マイクローザUF「旭化成
工業株式会社製)、RO膜(ES20-D8「日東電工株式会社
製」)などを任意に組み合わせて化学的に精製を行う方
法を例示することができる。
【0020】このようにクマツヅラ科の植物から得られ
た抽出物を高度に精製すると、抽出物独自のにおいと色
がともに低減され、添加量が多くても食品,医薬品,飼
料,化粧品などに含まれる色素自身の色調や香料自身の
香りを損ねることなく退色防止効果を発揮することがで
きる。特に、色素添加量の少ないものや香りの少ないも
のに好適に使用できる。
【0021】なお、本発明で使用する植物抽出物は、前
述するクマツヅラ科に属する一種の植物の抽出物であっ
てもよいし、また二種以上の植物の抽出物を任意に組み
合わせて用いることもできる。
【0022】本発明の退色抑制剤は、前述するクマツヅ
ラ科植物の抽出物を含有するものであればよいが、他成
分として、希釈剤、担体またはその他の添加剤を含有し
ていてもよい。希釈剤、担体及び添加剤は、本発明の効
果を妨げないものであれば特に制限されず、例えば希釈
剤として好適にはエタノール、プロピレングリコール、
グリセロール、グリセリンなどのアルコール類;水;液
糖、水飴、グルコース、マルトース、スクロース、トレ
ハロース、デキストリン、シクロデキストリン、でんぷ
ん及びオリゴ糖等の糖類;ソルビトール、エリスリトー
ル、キシリトール及び還元水飴等の糖アルコール類;な
どを挙げることができる。
【0023】また本発明の退色抑制剤には、上記クマツ
ヅラ科植物抽出物が有する退色防止作用を補助若しくは
増強するように働く成分を配合することができ、かかる
成分としては酸化防止剤を好適に挙げることができる。
【0024】ここで酸化防止剤としては、食品添加物と
して用いられるものを広く例示することができ、例え
ば、制限はされないが、L−アスコルビン酸及びその塩
等のアスコルビン酸類;エリソルビン酸及びその塩等の
エリソルビン酸類;亜硫酸ナトリウムやピロ亜硫酸カリ
ウムなどの亜硫酸塩類等;α−トコフェロールやミック
ストコフェロール等のトコフェロール類;ジブチルヒド
ロキシトルエン(BHT)やブチルヒドロキシアニソー
ル(BHA)等;アスコルビン酸パルミチン酸エステル
などのアスコルビン酸エステル類;アオイ花抽出物、カ
ンゾウ油性抽出物、食用カンナ抽出物、チョウジ抽出
物、リンゴ抽出物、精油除去ウイキョウ抽出物、セイヨ
ウワサビ抽出物、セージ抽出物、セリ抽出物、チャ抽出
物、ドクダミ抽出物、生コーヒー豆抽出物、ヒマワリ種
子抽出物、ピメンタ抽出物、ブドウ種子抽出物、ブルー
ベリー葉抽出物、へゴ・イチョウ抽出物、ペパー抽出
物、ホウセンカ抽出物、ヤマモモ抽出物、ユーカリ葉抽
出物、リンドウ根抽出物、ルチン抽出物(小豆前全草,
エンジュ,ソバ全草抽出物)、ローズマリー抽出物等の
各種植物の抽出物;その他、酵素処理ルチン、ルチン分
解物(ケルセチン)、酵素処理イソクエルシトリン、菜
種油抽出物、コメヌカ油抽出物、コメヌカ酵素分解物等
を挙げることができる。
【0025】好ましくは、ヤマモモ抽出物、ルチン抽出
物、生コーヒー豆抽出物、ローズマリー抽出物等の植物
抽出物;酵素処理ルチン、酵素処理イソクエルシトリン
等を挙げることができる。
【0026】退色抑制剤に配合する酸化防止剤の割合
は、上記クマツヅラ科植物抽出物の退色防止効果を増強
する割合であれば特に制限されず、対象色素、使用する
クマツヅラ科植物抽出物や酸化防止剤の種類に応じて適
宜選択調整することができる。
【0027】特に割合は限定されないが、通常、退色抑
制剤に含まれるクマツヅラ科植物抽出物(植物体の乾燥
重量)100重量部に対して、酸化防止剤を通常10〜
5000重量部、好ましくは50〜1000重量部の割
合で配合することができる。
【0028】本発明の退色抑制剤の形態は特に制限され
ず、例えば粉末状、顆粒状、錠剤状、液状、乳液状、ペ
ースト状等の任意の形態として調製することができる。
【0029】本発明の退色抑制剤が対象とする色素に
は、合成色素及び天然色素の別を問わず、広範囲の色素
が含まれる。
【0030】合成色素には、赤色2号、赤色3号、赤色
40号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、
赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2
号、緑色3号等のタール色素;三二酸化鉄や二酸化チタ
ンなどの無機顔料;ノルビキシンNa・K,銅クロロフ
ィル,銅クロロフィリンNa及び鉄クロロフィリンNa
等の天然色素誘導体;並びにβ−カロチン,リボフラビ
ン,リボフラビン酪酸エステル及びリボフラビン5’−
リン酸エステルNa等の合成天然色素などの合成着色料
が含まれる。
【0031】天然色素には、アナトー色素,クチナシ黄
色素,デュナリエラカロチン,ニンジンカロチン,パー
ム油カロチン,トマト色素及びパプリカ色素等のカロチ
ノイド系色素;アカネ色素,コチニール色素,シコン色
素及びラック色素等のキノン系色素;赤キャベツ色素,
シソ色素,ハイビスカス色素,ブドウ果汁色素,ブドウ
果皮色素,紫イモ色素、紫コーン色素,エルダーベリー
色素及びボイセンベリー色素等のアントシアニン系色
素;カカオ色素,コウリャン色素,シタン色素,タマネ
ギ色素,タマリンド色素,カキ色素,カロブ色素,カン
ゾウ色素,スオウ色素,ベニバナ赤色素及びベニバナ黄
色素等のフラボノイド系色素;クロロフィリン,クロロ
フィル及びスピルリナ色素等のポルフィリン系色素;ウ
コン色素等のジケトン系色素;紅麹色素等のアザフィロ
ン系色素;ビートレッド等のベタシアニン系色素;その
他、紅麹黄色素、カラメル、クチナシ青色素、クチナシ
赤色素、金、銀、アルミニウム系色素が含まれる。
【0032】本発明の退色抑制剤は好ましくは天然色素
を対象とすることができ、中でもカロチノイド系色素、
アントシアニン系色素、及びラック色素を好適に挙げる
ことができる。特に本発明の退色抑制剤は、カロチノイ
ド系に属する色素の光、好適には蛍光灯照射による退色
現象を抑制する効果(耐光性)に優れている。
【0033】従って、本発明の退色抑制剤は、各種の色
素、好ましくは上に掲げる各種の色素を含有するものに
広く適用することができる。かかるものとしては、例え
ば食品、化粧品、医薬品、医薬部外品、飼料等を挙げる
ことができる。
【0034】すなわち本発明は、退色抑制剤として上記
クマツヅラ科植物の1種又は2種以上の抽出物、または
これら植物抽出物に加えて更に酸化防止剤を含有するこ
とによって色素の退色が有意に抑制されてなる、着色さ
れた飲食物、化粧品、医薬品、医薬部外品及び飼料を提
供するものである。
【0035】なお、化粧品としてはスキンローション、
口紅、日焼け止め化粧品、メークアップ化粧品等を、医
薬品としては各種錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、トロ
ーチ剤、うがい薬等を、医薬部外品としては歯磨き剤、
口中清涼剤、口臭予防剤等を、また飼料としてはキャッ
トフードやドッグッフード等の各種ペットフード、観賞
魚若しくは養殖魚の餌等を一例として挙げることができ
るが、これらに制限されるものではない。
【0036】好ましくは飲食物である。飲食物としては
着色、即ち色を有するものあれば特に制限されず、例え
ばアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャ
ーベット、氷菓等の冷菓類;乳飲料、乳酸菌飲料、果汁
入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、粉末飲料等の飲料
類;カスタードプリン,ミルクプリン,果汁入りプリン
等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデ
ザート類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガ
ム、糖衣状粒ガム);マーブルチョコレート等のコーテ
ィングチョコレートの他、イチゴチョコレート,ブルー
ベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味を
付加したチョコレート等のチョコレート類;ハードキャ
ンディー(ボンボン、バターボール、マーブル等を含
む)、ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミ
キャンディー、マシュマロ等を含む)、ドロップ、タフ
ィ等のキャラメル類;ハードビスケット、クッキー、お
かき、煎餅等の焼き菓子類;浅漬け、醤油漬け、塩漬
け、味噌漬け、粕漬け、麹漬け、糠漬け、酢漬け、芥子
漬、もろみ漬け、梅漬け、福神漬、しば漬、生姜漬、朝
鮮漬、梅酢漬け等の漬物類;セパレートドレッシング、
ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソースな
どのソース類;ストロベリージャム、ブルーベリージャ
ム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザー
ブ等のジャム類;赤ワイン等の果実酒;シロップ漬のチ
ェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ等の加工用果実;ハ
ム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工品;魚肉ハム、魚
肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩
摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン等の水産練り製品;うど
ん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、スパゲッティ、
マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等の麺類;
その他、各種総菜及び蒲鉾、麩、田麩等の種々の加工食
品を挙げることができる。好ましくは前述する色素によ
って着色されているものであり、中でも菓子類及び飲料
が好ましい。
【0037】なお、着色飲食物の「着色」とは、飲食物
に人為的に色素を添加して着色した意味のみならず、果
汁等のように、飲食物の材料に本来含まれる色素に由来
して着色しているものまでも広く包含する趣旨で用いら
れる。
【0038】本発明の飲食物は、製造の任意の工程で本
発明の退色抑制剤を配合することを除けば常法に従って
製造することができる。退色抑制剤の配合工程及びその
順番等に特に制限はないが、退色抑制剤を配合した後、
その存在下で色素、好ましくは色素及び香料を配合し、
次いで加熱処理等の各種の処理を施すことが望ましい。
【0039】例えば、冷菓類の場合は、まず主原料とし
ての牛乳、クリーム、練乳、粉乳、糖類、果実、餡等に
本発明の退色抑制剤、酸類、乳化剤及び安定剤を加え、
次いで香料を加えて冷菓ミックス液を調製し、このミッ
クス液に色素を添加混合し、殺菌、冷却後フリージング
して容器に充填し、冷却、凍結して最終製品を調製する
方法を挙げることができる。また飲料類の場合は、主原
料としての糖類、果汁、酸類等に本発明の退色抑制剤、
安定剤等を加え、次いでこの飲料に香料及び必要に応じ
て色素を添加混合した後、殺菌、冷却して容器に充填す
る方法を挙げることができる。また、ガム類の場合は、
加熱し柔らかくしたガムベースに砂糖、ブドウ糖、退色
抑制剤及びクエン酸等を加え、次いでその中に香料及び
色素を加え練合し、次に圧延ローラーで適当な厚さにし
て、室温まで冷却後、切断して最終製品を調製する方法
を挙げることができる。また、ゼリー類の場合は、主原
料の砂糖、水飴、退色抑制剤、クエン酸及び凝固剤(ペ
クチン、寒天、ゼラチン、カラギナンなど)を適当な割
合で混合し、その中に香料並びに色素を加え、加熱溶解
した後、容器に充填し、冷却して最終製品たるゼリーを
調製する方法を挙げることができる。キャンディー類の
場合は、例えば砂糖、水飴等の主原料に水を加え加熱し
溶解した後放冷し、退色抑制剤を添加し、次いで香料及
び色素を加え、成型し、室温まで冷却して最終キャンデ
ィーを調製する方法を挙げることができる。漬物類の場
合は、漬物とする野菜、海藻、キノコまたは果物等の主
原料に、食塩や糖類等の各種調味料、保存料び退色抑制
剤等の副原料を加えて漬物を調製し、この漬物に香料及
び必要に応じて色素を添加混合した後、容器に充填し、
殺菌、冷却し最終製品を調製する方法を挙げることがで
きる。タレ類やドレッシング類の場合は、植物油、醤
油、果汁、糖類、果汁、醸造酢、食塩等を主原料とし、
これに退色抑制剤、安定剤、乳化剤等を加え、このドレ
ッシング液に香料及び必要により色素を添加混合した
後、殺菌、冷却後容器に充填して最終製品を調製する方
法を挙げることができる。
【0040】飲食物、化粧品、医薬品、医薬部外品また
は飼料等の各種対象物に対する本発明の退色抑制剤の添
加量は、それらに含まれる色素の退色現象が防止できる
量であれば特に制限されず、本発明の退色抑制剤の有効
成分として使用するクマツヅラ科植物の種類、対象物に
含まれる色素の種類及びその含量、対象物の種類及びそ
れに含まれる成分などを考慮して適宜選択、決定するこ
とができる。
【0041】例えば色素をその極大吸収波長における吸
光度が0.05以上となる割合で含む上記飲食物などの
各種対象物に対するクマツヅラ科植物抽出物の配合量と
しては、植物体乾燥重量に換算して0.01〜50重量
%の割合を挙げることができる。言い換えれば、吸光度
が0.05以上となるように対象物に添加された色素の
量に対して、植物体乾燥重量に換算してクマツヅラ科植
物抽出物を0.01〜50重量%の割合で配合すること
によって当該色素の退色現象を有意に抑制することがで
きる。退色防止という効果の点からは飲食物などの対象
物に含まれる色素の含量は特に制限されず、上述するよ
うにその極大吸収波長における吸光度が0.05以上と
なるような割合であればよい。
【0042】
【実施例】以下、本発明の内容を以下の実験例、実施例
及び比較例を用いて具体的に説明する。ただし、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、下記に記載
する処方の単位は特に言及しない限りgを、また%は重
量%を意味するものとする。また、各処方中、*を付記
した製品は三栄源エフ・エフ・アイ(株)製の製品を意
味する。実験例1 レモンバーベナの葉(乾燥物)1重量部に対して、抽出
溶媒としてエタノールを5重量%含む水溶液を15重量
部の割合で加え、80〜90℃で加熱しながら8時間抽
出を行った。この時、溶出されてくるクロロフィルを吸
着する目的で、少量の活性炭を添加した。次いで抽出し
て得られたエキスを濾紙で濾過して濾液を得た。この濾
液を濃縮して揮発成分を除去し、水にて再溶解したのち
再度濾紙で濾過し、さらにMF濾過することによって清
澄な抽出液を得た。なお、この抽出液は、原料として使
ったレモンバーベナの葉(乾燥物)の重量の3倍の重量
となるように必要に応じて水で重量を調整した。この清
澄液を退色抑制剤Aとし、後述する色素退色試験に用い
た。
【0043】<色素退色試験>退色抑制剤Aを下記の試
験液処方に従って、水,砂糖,pH調整剤(クエン酸、ク
エン酸三ナトリウム)及び各種色素を混合した酸糖液に
添加して混合溶液(試験液)とし、これを透明なガラス
製容器に充填した後、85oCで30分間殺菌した。これを太
陽光または蛍光灯に曝して時間の経過とともに色素が退
色する度合いを確認した。また比較実験のため、各色素
ごとに退色抑制剤Aのみを加えなかった無添加品(Blan
k)を作成し、比較対照区とした。 <試験液処方> 砂 糖 5.0(g) クエン酸(結晶) 各色素毎にpH調整 クエン酸三ナトリウム 各色素毎にpH調整 色 素 表1、2記載退色抑制剤A 0.1 水にて全量 100.0gとする。
【0044】<太陽光照射試験と蛍光灯照射試験>上記
で調製した各試験液について、各試験液を室外に置き太
陽光に照射することにより紫外線の影響による色素の退
色現象を観察した。また、同様に各試験液について人工
気象器(日本医化器械製作所製:20,000lx)を
用いて10℃で17〜293時間照射して蛍光灯の影響
による色素の退色現象を観察した。なお、退色防止効果
(耐光性)は、予め試験前の試験液について、各色素の
極大吸収波長における吸光度を測定しておき(光路長:
1cm)、試験後に測定した同波長での吸光度から、試験
前の吸光度を100%とした場合の色素の残存率(%)
を求めて、この残存率から評価した。
【0045】なお、太陽光照射試験に用いた各条件(各
試験液配合色素(色素製剤)、色素添加量、測定した吸
収波長、pH、太陽光照射時の太陽エネルギー)を表1
に、また蛍光灯照射試験に用いた各条件(各試験液配合
色素(色素製剤)、色素添加量、測定した吸収波長、p
H、照射時間)を表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表1及び2に掲げる各種色素に対する本発
明の退色抑制剤Aの太陽光照射に対する耐光性効果(退
色防止効果)及び蛍光灯照射に対する耐光性効果(退色
防止効果)をそれぞれ図1及び図2に示す(実線)。各
図中、破線は退色抑制剤を配合しなかった比較対照区
(blank)の実験結果である。
【0049】図1及び2に示すように、本発明の退色抑
制剤は、太陽光照射及び蛍光灯照射に対する上記の各種
の天然色素、特にアントシアニン系及びカロチノイド系
色素の退色現象を有意に抑制することができることが判
明した。
【0050】 実施例1 オレンジゼリー 果糖ブドウ糖液糖(75%) 20 (kg) 5倍濃縮オレンジ透明果汁 6 砂 糖 5 ゲルアップWM−100*(ゲル化剤) 1 クエン酸(結晶)N* 0.2 パプリカベース70R* (パプリカ色素製剤) 0.03 フルーツフレーバーTB* (香料) 0.1 オレンジエッセンスNo.58944*(香料) 0.15 ブランデー 2.0 退色抑制剤A 0.1 水にて合計 100.0 kgとする。
【0051】水に果糖ブドウ糖液糖を加えたものに砂
糖、ゲルアップWM−100の粉体混合物を加え、80
℃で10分間攪拌溶解し、残りの原料を加え、蒸発水を
補正した後、容器に充填後、85℃で30分間殺菌後冷
却してオレンジゼリーを得た。退色抑制剤Aを用いたこ
のオレンジゼリーは、50日間蛍光灯が点いたショーケ
ースに保管しても目立った退色は認められなかった。
【0052】 実施例2 こんにゃくゼリー(オレンジ味) 果糖ブドウ糖液糖(75%) 20 (kg) 5倍濃縮柑橘混合果汁 4 砂 糖 5 ゲルアップWG−G*(ゲル化剤) 1.2 クエン酸(結晶)N* 0.2 パプリカベース70R−S*(パプリカ色素製剤) 0.02 フルーツフレーバーTB*(香料) 0.1 オレンジエッセンスNo.58944*(香料) 0.15 退色抑制剤A 0.1 水にて合計 100.0kg 水に果糖ブドウ糖液糖を加えたものに砂糖、ゲルアップ
WG−Gの粉体混合物を加え、80℃で10分間攪拌溶
解し、残りの原料を加え、蒸発水を補正した後、容器に
充填後、85℃で30分間殺菌後冷却してこんにゃくゼ
リー(オレンジ味)を得た。退色抑制剤Aを用いたこの
こんにゃくゼリーは、50日間蛍光灯が点いたショーケ
ースに保管しても目立った退色は認められなかった。
【0053】 実施例3 すりおろしリンゴゼリー 砂 糖 15 (kg) りんご(すりおろし) 10 白ワイン 5 5倍濃縮りんご透明果汁 2 ゲルアップJ−3180*(ゲル化剤) 0.6 クエン酸(結晶)N* 0.15 乳酸カルシウム 0.15 アップルフレーバーNo.93−DJ*(香料) 0.1 サンアロマFAM No.9603(N)*(香料) 0.05 カロチンベースNo.9400S*(カロチン色素製剤) 0.01 退色抑制剤A 0.1 水にて全量を 100.0kg 水に砂糖とゲルアップJ−3180の粉体混合物を加
え、80℃で10分間攪拌溶解し、残りの原料を全て添
加し、蒸発水を補正して容器に充填後、85℃で30分
間殺菌後冷却してすりおろしリンゴゼリーを得た。退色
抑制剤Aを用いたこのすりおろしりんごゼリーは、50
日間蛍光灯が点いたショーケースに保管しても目立った
退色は認められなかった。
【0054】 実施例4 赤ワインゼリー 果糖ブドウ糖液糖(75%) 20 (kg) 赤ワイン 10 5倍濃縮グレープ果汁 1 砂 糖 5 ゲルアップWG−100*(ゲル化剤) 1.2 クエン酸(結晶)N* 0.2 サンレッドG*(ぶどう果汁色素製剤) 0.1 フルーツフレーバーTB*(香料) 0.1 ワインフレーバーNo.60964(N)*(香料) 0.1 ブランデー 1 退色抑制剤A 0.1 水にて合計 100kgとする。
【0055】水に果糖ブドウ糖液糖を加えたものに砂
糖、ゲルアップWG−100の粉体混合物を加え、80
℃で10分間攪拌溶解し、その他の原料を加えて均一に
なるよう攪拌し、蒸発水を補正後、容器に充填し、85
℃で30分間殺菌冷却して赤ワインゼリーを得た。退色
抑制剤Aを用いたこの赤ワインゼリーは、50日間蛍光
灯が点いたショーケースに保管しても目立った退色は認
められなかった。
【0056】 実施例5 ピーチエード(果汁10%入り清涼飲料) 果糖ブドウ糖液糖(75%) 14 (kg) 5倍濃縮白桃透明果汁 2.2 クエン酸(結晶)N* 0.1 DL−リンゴ酸 0.07 ビタミンC 0.03 サンレッドBM*(ボイセンベリー色素製剤) 0.03 ピーチフレーバーNo.60449*(香料) 0.18 フルーツフレーバーTB*(香料) 0.1 退色抑制剤A 0.1 水にて合計 100.0kg 水に果糖ブドウ糖液糖、クエン酸、DL−リンゴ酸、ビ
タミンCを加え、攪拌しながら90℃まで加温し、残り
の原料を全て加えて97℃まで加温後、容器にホットパ
ック充填してピーチエードを得た。退色抑制剤Aを用い
たこのピーチエードは、50日間蛍光灯が点いたショー
ケースに保管しても目立った退色は認められなかった。
【0057】 実施例6 ピーチフィズ(果汁0.5% アルコール分5%) ホワイトリカー(アルコール分35%) 30 (kg) 果糖ブドウ糖液糖(75%) 20 クエン酸(結晶)N* 0.7 5倍濃縮ピーチ透明果汁 0.2 サンレッドRCA*(赤キャベツ色素製剤) 0.02 フルーツフレーバーTB*(香料) 0.1 ピーチフレーバーNo.60449*(香料) 0.2 退色抑制剤A 0.1 水にて合計 100.0kg 水に果糖ブドウ糖液糖を加え、攪拌しながら90℃まで
加温し、残りの原料を全て加え、均一に混合後、Wilkin
son炭酸水(アサヒ飲料株式会社製)との容量が1:1
となるように、容器に充填し、70℃で20分間殺菌し
てピーチフィズを得た。退色抑制剤Aを用いたこのピー
チフィズは、50日間蛍光灯が点いたショーケースに保
管しても目立った退色は認められなかった。
【0058】 実施例7 ドリンクゼリー(グレープ味) (ゼリー部) 果糖ブドウ糖液糖(75%) 3.5 (kg) 砂 糖 2.5 ゲルアップWM−100*(ゲル化剤) 0.75 クエン酸(結晶)N* 0.1 5倍濃縮ぶどう透明果汁 0.1 グレープ色RCG−EM* 0.25 (赤キャベツ色素・クチナシ青色素製剤) フルーツフレーバーTB*(香料) 0.05 グレープエッセンスNo.80*(香料) 0.1 退色抑制剤A 0.1 水にて合計 50kg 水に果糖ブドウ液糖を加えたものに砂糖、ゲルアップW
M−100の粉体混合物を加え、80℃で10分間攪拌
溶解し、クエン酸、5倍濃縮ぶどう糖透明果汁、グレー
プ色NO.1745−EM、フルーツフレーバーTB、
グレープフルーツエッセンスNO.80、退色抑制剤A
を加え、均一に溶解したのち容器に入れて冷却後、ゲル
状になった物を砕いてゼリー部とした。
【0059】 (ジュース部) 果糖ブドウ糖液糖(75%) 30 (kg) 5倍濃縮ぶどう透明果汁 2.2 クエン酸(結晶)N* 0.45 ビタミンC 0.05 フルーツフレーバーTB*(香料) 0.2 グレープエッセンスNo.80*(香料) 0.3 乳酸カルシウム 0.1 ゼリー部 50 退色抑制剤A 0.1 水にて合計 100kg 水に果糖ブドウ糖液糖を加えたものを攪拌しながら90
℃まで加温し、残りの原料を加えて加えて97℃まで加
温し、容器にホットパック充填し、ドリンクゼリーを得
た。退色抑制剤Aを用いたこのドリンクゼリーは、50
日間蛍光灯が点いたショーケースに保管しても目立った
退色は認められなかった。
【0060】
【発明の効果】クマツヅラ科の植物抽出物、特にレモン
バーベラの抽出物は、天然色素の経時的退色現象、特に
太陽光や蛍光灯照射による退色現象を有意に抑制するこ
とができる。特にアントシアニン系色素、カロチノイド
系色素、ラック色素の退色現象の抑制効果に優れてい
る。従って、かかる植物抽出物は食品、化粧品及び医薬
品を含む広い分野で退色抑制剤として有用であり、特に
アントシアニン系色素、カロチノイド系色素またはラッ
ク色素を含む飲食物に対して、優れた耐光性及び耐熱性
を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の退色抑制剤による、太陽光照射に対す
る各種天然色素の耐光性(退色防止効果)を示す図であ
る(実験例1)。
【図2】本発明の退色抑制剤による、蛍光灯照射に対す
る各種天然色素の耐光性(退色防止効果)を示す図であ
る(実験例1)。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クマツヅラ科植物の抽出物を有効成分とし
    て含有する色素の退色抑制剤。
  2. 【請求項2】クマツヅラ科植物がレモンバーベナ、クサ
    ギ、ハマゴウ、及びビジョザクラよりなる群から選択さ
    れるいずれかの少なくとも1種の植物である請求項1に
    記載の退色抑制剤。
  3. 【請求項3】 さらに酸化防止剤を含有する請求項1又
    は2に記載の退色抑制剤。
  4. 【請求項4】色素が天然色素である請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の退色抑制剤。
  5. 【請求項5】色素がアントシアニン系色素、カロチノイ
    ド系色素またはラック色素である請求項4記載の色素の
    退色抑制剤。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3のいずれかに記載の退色抑
    制剤を含有する、退色が抑制された着色飲食物。
  7. 【請求項7】アントシアニン系色素、カロチノイド系色
    素またはラック色素を用いて着色されてなる、請求項6
    に記載の退色が抑制された着色飲食物。
  8. 【請求項8】色素を0.05以上の吸光度(極大吸収波
    長)を示す割合で含む着色飲食物。
JP2001032828A 2001-02-08 2001-02-08 退色抑制剤 Pending JP2002233330A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001032828A JP2002233330A (ja) 2001-02-08 2001-02-08 退色抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001032828A JP2002233330A (ja) 2001-02-08 2001-02-08 退色抑制剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002233330A true JP2002233330A (ja) 2002-08-20

Family

ID=18896693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001032828A Pending JP2002233330A (ja) 2001-02-08 2001-02-08 退色抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002233330A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013023592A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Auto Kagaku Kogyo Kk プライマー組成物、並びに当該プライマー組成物を用いたシーリング材の施工方法および防水材の施工方法
JP2017112900A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 Dic株式会社 天然色素含有飲料およびその製造方法

Citations (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5141415A (en) * 1974-10-01 1976-04-07 Shuichi Iwadare Shokubutsuseibunno chushutsuho
JPS57144960A (en) * 1981-03-04 1982-09-07 San Ei Chem Ind Ltd Coloring method of acidic food blue or green
JPS5865761A (ja) * 1981-10-14 1983-04-19 T Hasegawa Co Ltd 色素用退色防止剤
JPS5950265B2 (ja) * 1981-01-12 1984-12-07 三栄化学工業株式会社 パプリカ色素の退色防止方法
JPH01132344A (ja) * 1988-10-21 1989-05-24 T Hasegawa Co Ltd 飲食物
JPH02243613A (ja) * 1989-03-16 1990-09-27 Ichimaru Pharcos Co Ltd アントシアニン系色素成分含有化粧料並びにアントシアニン系色素成分含有化粧料の退色防止法
JPH0532909A (ja) * 1991-07-25 1993-02-09 T Hasegawa Co Ltd 色素の褪色防止剤
JPH06197731A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Sanei Gen F F I Inc 中性食品の着色法
JPH089921A (ja) * 1994-06-30 1996-01-16 Sanei Gen F F I Inc 食品の着色方法
JP2000053576A (ja) * 1998-08-06 2000-02-22 Morishita Jintan Kk ハーブ植物を有効成分とする閉経後骨粗鬆症の予防又は治療剤
JP2000270607A (ja) * 1999-03-25 2000-10-03 Kubota Corp 刈取収穫機
JP2000345155A (ja) * 1999-06-02 2000-12-12 Sanei Gen Ffi Inc 色素退色防止剤及びそれを含有する食品
JP3882106B2 (ja) * 2000-12-06 2007-02-14 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 退色抑制剤

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5141415A (en) * 1974-10-01 1976-04-07 Shuichi Iwadare Shokubutsuseibunno chushutsuho
JPS5950265B2 (ja) * 1981-01-12 1984-12-07 三栄化学工業株式会社 パプリカ色素の退色防止方法
JPS57144960A (en) * 1981-03-04 1982-09-07 San Ei Chem Ind Ltd Coloring method of acidic food blue or green
JPS5865761A (ja) * 1981-10-14 1983-04-19 T Hasegawa Co Ltd 色素用退色防止剤
JPH0122872B2 (ja) * 1981-10-14 1989-04-28 Hasegawa T Co Ltd
JPH01132344A (ja) * 1988-10-21 1989-05-24 T Hasegawa Co Ltd 飲食物
JPH02243613A (ja) * 1989-03-16 1990-09-27 Ichimaru Pharcos Co Ltd アントシアニン系色素成分含有化粧料並びにアントシアニン系色素成分含有化粧料の退色防止法
JPH0532909A (ja) * 1991-07-25 1993-02-09 T Hasegawa Co Ltd 色素の褪色防止剤
JPH06197731A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Sanei Gen F F I Inc 中性食品の着色法
JPH089921A (ja) * 1994-06-30 1996-01-16 Sanei Gen F F I Inc 食品の着色方法
JP2000053576A (ja) * 1998-08-06 2000-02-22 Morishita Jintan Kk ハーブ植物を有効成分とする閉経後骨粗鬆症の予防又は治療剤
JP2000270607A (ja) * 1999-03-25 2000-10-03 Kubota Corp 刈取収穫機
JP2000345155A (ja) * 1999-06-02 2000-12-12 Sanei Gen Ffi Inc 色素退色防止剤及びそれを含有する食品
JP3882106B2 (ja) * 2000-12-06 2007-02-14 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 退色抑制剤

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013023592A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Auto Kagaku Kogyo Kk プライマー組成物、並びに当該プライマー組成物を用いたシーリング材の施工方法および防水材の施工方法
JP2017112900A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 Dic株式会社 天然色素含有飲料およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5002072B2 (ja) 水易溶性イソクエルシトリン組成物
JP4790561B2 (ja) フラボノイド組成物、その製造方法および用途
JP2001342489A (ja) 香味劣化抑制剤および香味劣化抑制方法
US6572906B1 (en) Method for inhibiting fading of a natural pigment using nigerooligosaccharide or maltooligosaccharide or panose with or without an antioxidant
JP5646815B2 (ja) ルチン誘導体組成物及びその製造方法並びにその用途
KR20090119976A (ko) 개질 아카시아 검을 함유하는 카로테노이드 조성물
WO2005108503A1 (ja) タール色素の退色抑制方法、及び退色が抑制されてなるタール色素含有組成物
JP2008148588A (ja) ポリフェノール組成物
KR101543569B1 (ko) 칼라만시를 이용한 안토시아닌 함유 천연 추출물의 안정화 방법
JP2000336354A (ja) 退色防止剤
JP6029637B2 (ja) ルチン誘導体組成物及びその製造方法並びにその用途
KR102588023B1 (ko) 산성 수계 매체 중에서의 2-O-α-D-글루코실-L-아스코르브산의 안정화 방법
JP2003160495A (ja) 活性酸素消去能低減抑制剤
JP2003033164A (ja) 香味劣化抑制方法及び香味劣化抑制剤
JP5586859B2 (ja) 酸化防止剤組成物
JP3882106B2 (ja) 退色抑制剤
JP4013017B2 (ja) アントシアニン系色素用退色防止剤及びそれを含有する食品
JP4510412B2 (ja) 退色抑制剤
JP4258618B2 (ja) 退色抑制剤
JP4013018B2 (ja) 色素退色防止剤及びそれを含有する食品
TW200402271A (en) Flavor deterioration inhibitor and inhibitor for the generation of citral deterioration smell
JP5617077B2 (ja) 水易溶性ミリシトリン組成物
JP2002065201A (ja) 色素の退色防止剤
JP2002233330A (ja) 退色抑制剤
JP2000345155A (ja) 色素退色防止剤及びそれを含有する食品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091016

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091021

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100317