JP7324137B2 - 被着色組成物 - Google Patents

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Description

特許法第30条第2項適用 ・公開日、公開した場所 1.令和元年7月1日、FFIジャーナル Vol.224,No.3,p.351-354; 2.令和元年11月28日、Beverage Japan Vol.42,No.11,p.54-56; 3.令和元年11月1日、食と開発 Vol.54,No.11,p.35-36
本発明は被着色組成物、色素製剤、及び被着色組成物の製造方法に関する。
従来、色素を得るために有色野菜・果実等の植物性原料が用いられている。特に、食用色素としても利用可能な植物性原料に由来する色素は、食品や医薬品等の人体に摂取される製品群の他、化粧品等の人体に直接接触する製品群や、子ども用玩具等の人体に摂取されるおそれのある製品群、動物に摂取される飼料等に用いられており、活用される製品の幅は広い。また、天然の植物等に由来する天然系色素を求める国際的な市場ニーズも高まりつつある。
植物性原料として赤ダイコンを用いた赤ダイコン色素は、食用色素のアントシアニン系色素のなかでも、最も黄みの強い赤色を呈する。その色合いは、合成色素の赤色40号や赤色102号に近く、赤ダイコン色素は、合成系色素から天然系色素に代替し得る色素として注目されている。
アントシアニン系色素では、由来する植物性原料によって耐光性が問題となるが、例えば、特許文献1では、アントシアニンを含有する容器詰炭酸飲料のpH等を調整することにより、アントシアニン系色素の光劣化を抑制する技術が提案されている(特許文献1)。
特許第5119356号公報
アントシアニン系色素の1種であるエルダーベリー色素や紫コーン色素は、例えば、やや黄みのある鮮やかな赤色を呈し、各種のベリー(果実)系の色合いを表現するための色素として用いられているが、光劣化が問題となる。アントシアニン系色素の中でも、例えば、ベリー系の色合いを有する天然系色素は、光に弱く、退色しやすいため、これらに代替可能な天然系色素の開発が求められている。
そこで、本発明は、ベリー系の色合いを表現することができる天然系色素であって、安定性にも優れる色素製剤や、これにより着色された被着色組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題について鋭意検討を行った結果、赤ダイコン色素と、紫サツマイモ色素や赤キャベツ色素という特定の色素を組み合わせて着色料として用いた場合に、ベリー系の色合いを表現でき、且つ、安定性にも優れることを見出し、かかる知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の態様を含む;
[1]
(A)赤ダイコン色素、並びに、
(B)紫サツマイモ色素及び/又は赤キャベツ色素
を含有する、被着色組成物。
[2]
マンセル表色系の色相環で2.5R~5.5RPの色相を示す、[1]に記載の被着色組成物。
[3]
前記(A)成分1質量部に対する、前記(B)成分の含量が0.05~20質量部である、[1]又は[2]に記載の被着色組成物。
[4]
前記被着色組成物が、飲食品、医薬品、医薬部外品、香粧品、衛生用日用品、飼料、文具、又は玩具である、[1]~[3]のいずれか1に記載の被着色組成物。
[5]
光透過性を有する、[1]~[4]のいずれか1に記載の被着色組成物。
[6]
前記被着色組成物が液体であり、以下吸光度の比X/Yが3.0を超えるものである、[1]~[5]のいずれか1に記載の被着色組成物;
X:被着色組成物のpHを3.2に調整したときの520nmにおける吸光度、
Y:被着色組成物のpHを3.2に調整したときの430nmにおける吸光度。
また、本発明は、下記に掲げる組み合わせ色素製剤を提供する。
[7]
(A)赤ダイコン色素製剤、並びに、
(B)紫サツマイモ色素製剤及び/又は赤キャベツ色素製剤
を組み合わせてなる、組み合わせ色素製剤。
また、本発明は、下記に掲げる退色抑制方法及び/又は色合い変化抑制方法を提供する。
[8]
(A)赤ダイコン色素製剤、並びに、
(B)紫サツマイモ色素製剤及び/又は赤キャベツ色素製剤
を組み合わせて、未着色組成物に適用することを含む、被着色組成物の退色抑制方法及び/又は色合い変化抑制方法。
また、本発明は、下記に掲げる退色及び/又は色合い変化が抑制された被着色組成物の製造方法を提供する。
[9]
(A)赤ダイコン色素製剤、並びに、
(B)紫サツマイモ色素製剤及び/又は赤キャベツ色素製剤
を組み合わせて、未着色組成物に適用することを含む、退色及び/又は色合い変化が抑制された被着色組成物の製造方法。
本発明によれば、(A)赤ダイコン色素と、(B)紫サツマイモ色素及び/又は赤キャベツ色素とを組み合わせて着色料として用いることにより、ベリー系の色合いを表現でき、且つ、安定性にも優れる被着色組成物を提供することができる。
試験例1-1における、被着色組成物の耐光性試験の結果を示したグラフである。 試験例1-2における、被着色組成物の耐熱性試験の結果を示したグラフである。
本発明は色素組成物に関する。以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
[被着色組成物]
本発明の被着色組成物は、(A)赤ダイコン色素、並びに、(B)紫サツマイモ色素及び/又は赤キャベツ色素を含有する。本明細書において、「被着色組成物」とは、着色が求められる組成物(未着色組成物)に対して、上記(A)と(B)との色素が適用されることにより、着色された組成物をいう。本明細書において、未着色組成物とは、飲食品、医薬品、飼料等において着色が求められる組成物であればよい。
(赤ダイコン色素)
本明細書において、「赤ダイコン色素」とは、アントシアニン系色素の一種であるペラルゴニジン型アントシアニンを主成分とする色素組成物であり、赤ダイコンの根等から弱酸性水溶液等で抽出して得られる色素組成物である。特に限定されないが、通常、赤ダイコン色素の極大吸収波長は505~520nmの範囲である(溶媒:pH3.0のクエン酸緩衝液)。
限定はされないが、本発明で用いる赤ダイコン色素は、4MTB-GSL欠失形質を有する赤ダイコンから得られる色素組成物であり得る。ここで、4MTB-GSLとは、4-methyltio-3-butenyl glucosinolate(4-メチルチオー3-ブテニルグルコシノレート)であり、従来の赤ダイコンに含まれる主要なグルコシノレート成分である。
従来、赤ダイコン色素は、赤ダイコン原料に含まれる硫黄化合物由来の「硫黄臭」(例えば、メチルメルカプタン、ジメチルジスルフィド、ジメチルトリスルフィド等)を伴いやすく、使い勝手が悪いという課題を有している。また、「戻り臭」が発生するという課題を有する。「戻り臭」とは、赤ダイコン色素を加熱処理した場合(例えば、製造、加工、調理等)や、時間経過(例えば、保存等)と共に臭気が強くなる現象によって生じる臭いである。これら「戻り臭」は、例え色素原料の抽出物を精製及び脱臭した場合であっても完全に回避することは困難であることが技術常識である。しかし、本発明の一態様では、4MTB-GSL欠失形質を有する赤ダイコンから得られる色素組成物を赤ダイコン色素として用いることで、戻り臭が大幅に低減、又は戻り臭が生じない被着色組成物を提供することができる。
本発明において、4MTB-GSL欠失形質を有する赤ダイコンとは、言い換えれば、4MTB-GSL欠失形質を表現型として示す赤ダイコン、又は4MTB-GSL欠失形質の遺伝子型を有する赤ダイコン、と表現することもできる。
また、4MTB-GSL欠失形質を有するか否かを簡便に判断する方法としては、赤ダイコンに含まれる4MTB-GSLの含量を測定し、判断する方法が挙げられる。
具体的には、赤ダイコンの肥大根部(根及び胚軸部)の乾燥重量における4MTB-GSL含有量が、2μmоl/g以下、好ましくは1μmоl/g以下、さらに好ましくは0.5μmоl/g以下、特に好ましくは0.1μmоl/g以下である場合、4MTB-GSL欠失形質を有する赤ダイコンであると判断することができる。最も好ましくは、肥大根部において4MTB-GSLを含まないものが好適である。なお、通常のHPLC分析で検出限界以下であった場合は、痕跡程度の含量であり、当該基準を満たすと判断できる。
「4MTB-GSL欠失形質を有する赤ダイコン」としては、4MTB-GSL欠失性を表現型として示すものであれば、如何なる赤ダイコンでも用いることができる。例えば、4MTB-GSL欠失形質を有する赤ダイコンの製造方法として、4MTB-GSL欠失性を表現型として有する白色ダイコン品種「だいこん中間母本農5号」と、赤ダイコンを交配、選別することで製造(育種)する方法(例えば、国際公開第2016/031887号開示)、4MTB-GSL欠失形質を有さない従来の赤ダイコンから、4MTB-GSLをコードする遺伝子をノックアウト又はノックダウンする方法等が挙げられ、製造方法は特に制限されない。
(紫サツマイモ色素)
本明細書において、「紫サツマイモ色素」とは、アントシアニン系色素の一種であるシアニジン系アントシアニン(紫系色素)及び/又はペオニジン系アントシアニン(赤紫系色素)を主成分とする色素組成物で、紫サツマイモの塊根部(特に内部)から弱酸性水溶液等で抽出して得られる色素組成物である。特に限定されないが、通常、紫サツマイモ色素の極大吸収波長は515~535nmの範囲(溶媒:pH3.0のクエン酸緩衝液)である。
(赤キャベツ色素)
本明細書において、「赤キャベツ色素」とは、アントシアニン系色素の一種であるシアニジン系アントシアニン(紫系色素)を主成分とする色素組成物で、赤キャベツの葉から弱酸性水溶液等で抽出して得られる色素組成物である。ここで、「赤キャベツ」とは、紫キャベツ、又は紫甘藍等とも呼ばれるアントシアニン系色素を高含有するキャベツ(Brassica oleracea var. capitata DC)である。
本発明では、(A)赤ダイコン色素と、(B)紫サツマイモ色素及び/又は赤キャベツ色素とを、併用して含有する。これらの含有割合は特に限定されないが、例えば、(A)1質量部に対する(B)の含量が0.05~20質量部であることが好ましく、0.1~10質量部であることがより好ましく、0.25~4質量部であることが更に好ましく、0.65~1.5質量部であることがより更に好ましい。
ここで、(A)1質量部に対する(B)の含量の割合は、(A)及び(B)の色価を同色価に設定した場合の割合を意味する。
本発明において「色価」とは、「色価E10% 1cm」を意味し、「色価E10% 1cm」とは、10質量%の色素含有溶液を調製した場合において、光路長が1cmの測定セルを用いて、可視光領域における極大吸収波長(λmax)の吸光度(A:Absorbance)に基づいて算出される値である。
色価は、日本国食品添加物公定書(第9版)、「B.一般試験法」に記載の方法で測定することができる。具体的には、各色素に適する緩衝液にて希釈した色素溶液の可視部での極大吸収波長における吸光度を分光光度計により測定し、10w/v%溶液の吸光度に換算した数値(E10%、1cm)で算出する方法を挙げることができる。
(A)及び(B)の色価を同色価に設定した場合の色素含量は、技術常識に従って算出できる。具体的には、色価の比率を乗じることで算出でき、例えば、(A)の色価が120であり、(B)の色価が60である場合は、(B)の含量に両者の色価の比率0.5(60/120)を乗じた値が、(A)と同色価に設定した場合の色素含量である。
従って、(A)赤ダイコン色素の色価が120、及び含量が1質量%であり、(B)紫サツマイモ色素及び/又は赤キャベツ色素の色価が60、及び含量が1質量%である場合は、(A)1質量部に対する(B)の含量は1×0.5=0.5質量部と算出される。
[組み合わせ色素製剤]
本発明の別の実施形態において、(A)赤ダイコン色素製剤、並びに、(B)紫サツマイモ色素製剤及び/又は赤キャベツ色素製剤からなる群より選択される少なくとも1種を組み合わせてなる、組み合わせ色素製剤を提供することも可能である。
本明細書において、「赤ダイコン色素製剤」、「紫サツマイモ色素製剤」、「赤キャベツ色素製剤」とは、それぞれの色素である「赤ダイコン色素」、「紫サツマイモ色素」、「赤キャベツ色素」を含有する色素組成物が製剤化されたものをいう。特に限定されないが、製剤化には、溶媒(例えば、水、アルコール、多価アルコール等)、pH調整剤(例えば有機酸、無機酸)、又は賦形剤(例えば、デキストリン)等を適宜用いることができる。
色素製剤の剤形は、特に限定されないが、例えば、液体状、ペースト状、ゲル状、半固体状、又は固体状(例えば、粉末状、顆粒状等)等が挙げられ、液体状又は固体状が好ましく、液体状又は粉末状がより好ましい。
組み合わせ色素製剤は、上記(A)及び(B)の色素製剤が予め混合されてなる配合製剤であってもよいし、上記(A)及び(B)の色素製剤を、着色が求められる組成物(未着色組成物)に適用することを目的として、個別の色素製剤として製造・販売等がされる形態であってもよい。
赤ダイコン色素製剤は、市販品を用いることも可能であり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「アートレッド[登録商標]RD」、「ベジタレッド[登録商標]AD」等が挙げられる。
紫サツマイモ色素製剤は、市販品を用いることも可能であり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「サンレッド[登録商標]YMF」、「サンレッド[登録商標]YM」等が挙げられる。
赤キャベツ色素製剤は、市販品を用いることも可能であり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製の「サンレッド[登録商標]RCFU」、「サンレッド[登録商標]RCAU」等が挙げられる。
(着色が求められる組成物(未着色組成物))
上記(A)及び(B)の色素が適用される未着色組成物は、本発明の効果を発揮し得る限り、特に制限されない。
本発明の色素組成物は、公知の方法により、未着色組成物へ適用され、その着色方法は限定されない。上記(A)及び(B)の色素は、被着色組成物となる製品の製造工程の一部において適用されればよく、例えば、被着色組成物となる製品の原料に添加され、混合されてもよく、成形や製剤化の前後、又はその途中のいずれかの段階において適用されてもよい。
未着色組成物の性状は、本発明の効果を発揮し得る限り、特に制限されない。例えば、液体状、ペースト状、ゲル状、半固形状、又は固形状(粉末状を含む)等が挙げられる。
[被着色組成物の製品形態]
被着色組成物の製品形態は、本発明の効果を発揮し得る限り、特に限定されない。被着色組成物の製品形態は、例えば、飲食品、医薬品、医薬部外品、化粧品、衛生用日用品、飼料、文具、又は玩具等が挙げられる。
「飲食品」の種類は特に制限されないが、具体的には、当該飲食品の例は、
乳飲料、乳酸菌飲料、乳性飲料、炭酸飲料、果実飲料(例:果実ジュース、果実ミックスジュース、果汁入り飲料、果汁入り炭酸飲料、果肉飲料、希釈飲料等)、野菜飲料、野菜及び果実飲料、コーヒー飲料(例:コーヒー、コーヒー飲料、コーヒー入り清涼飲料等)、茶系飲料(例:紅茶飲料、緑茶飲料、ウーロン茶飲料、麦茶飲料、ブレンド茶飲料、その他茶系飲料等)、ニアウォーター、粉末飲料、スポーツ飲料、サプリメント飲料、ココア飲料、栄養飲料、機能性飲料、ゼリー飲料、ドリンクスープ、豆乳飲料、タンパク含有飲料等の飲料類;
リキュール類、アルコール入り飲料等のアルコール飲料類(なお、アルコール飲料類は、「飲料」に包含される。);
カスタードプリン、ミルクプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア、ヨーグルト等のデザート類;
アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓等の冷菓類;
チューインガム及び風船ガム等のガム類(例:板ガム、糖衣状粒ガム);
コーティングチョコレート(例:マーブルチョコレート等)、風味を付加したチョコレート(例:イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート、メロンチョコレート等)等のチョコレート類;
ハードキャンディー(例:ボンボン、バターボール、マーブル等)、ソフトキャンディー(例:キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等)、糖衣キャンディー、ドロップ、タフィ等のキャンディー類;
クッキー、ビスケット、スナック菓子等の菓子類;
コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類;
セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソース等の液体調味料類;
ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ、シロップ等のジャム類;
赤ワイン等の果実酒;
シロップ漬のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ、桃等の加工用果実;
漬物等の農産加工品;
水産練り製品等の水産加工品;及び
パン、麺(ノンフライ麺を含む)、饅頭生地、米等の穀類加工食品;
を包含する。
当該飲食品の例は、これらの製品の半製品、及び中間製品等も包含する。
「医薬品」の例としては、散剤(粉末剤)、顆粒剤、錠剤(トローチ剤、チュアブル剤を含む)、丸剤、
カプセル剤、フィルム剤、ドリンク剤、トローチ剤、うがい薬等を挙げることができる。
「医薬部外品」の例としては、栄養助剤、各種サプリメント、歯磨き剤、口中清涼剤、臭予防剤、養毛剤、育毛剤、皮膚用保湿剤等を挙げることができる。
「香粧品」の例としては、洗顔料、クレンジング剤、化粧水、美容液、乳液、クリーム等の基礎化粧品、ファンデーション、アイブロー、マスカラ、アイライン、口紅、グロス、チーク、マニキュア等のメークアップ化粧品、日焼け止め化粧品等を挙げることができる。
「衛生用日用品」の例としては、石鹸、ボディソープ、洗剤、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、歯磨き剤、入浴剤等を挙げることができる。
「飼料」の例としては、キャットフード、ドッグフード等の各種ペットフード、観賞魚用や養殖魚用の餌等を挙げることができる。
「文具」の例としては、色鉛筆、クレヨン、色ペン用インク、印刷用インク等を挙げることができる。
「玩具」の例としては、乳児用玩具、幼児用玩具、おしゃぶり、幼児用クレヨン等を挙げることができる。
被着色組成物における(A)赤ダイコン色素、並びに、(B)紫サツマイモ色素、及び、赤キャベツ色素の含有量は特に限定されないが、例えば、(A)及び(B)の各々の含有量が、色価E10% 1cm=120換算で0.005~1質量%であることができ、好ましくは0.01~0.08質量%、より好ましくは0.02~0.06質量%である。ここで、色価E10% 1cm=120換算とは、色価を120に設定した場合の色素の含有量を意味し、具体的には、前述の「同色価に設定した場合の色素含量」と同様に算出できる。
上記(A)及び(B)の色素が適用された被着色組成物の色相は、特に限定はされないが、マンセル表色系の色相環で2.5R~5.5RPであることが好ましく、2.1R~5.7RPであることがより好ましく、2.0R~5.4RPであることが更に好ましく、1.9R~5.3RPであることが特に好ましい。
[液体の場合の被着色組成物]
特に限定されるものではないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、被着色組成物が液体(例えば、飲料類)である場合は、以下吸光度の比X/Yが3.0を超えるものであることが好ましく、3.1以上がより好ましく、3.2以上が更に好ましく、3.3以上がより更に好ましく、3.4以上が特に好ましく、3.5以上が最も好ましい。吸光度の比X/Yが、上記範囲内であることで、ベリー系の色相を安定的に表現することが可能となるため好ましい。
X:被着色組成物のpHを3.2に調整したときの520nmにおける吸光度、
Y:被着色組成物のpHを3.2に調整したときの430nmにおける吸光度。
上記吸光度Xの範囲は、特に限定されないが、ベリー系の色相を安定的に表現することの観点から、例えば、0.05~1.5とすることができ、0.06~1.4が好ましく、0.07~1.3がより好ましく、0.08~1.2が更に好ましく、0.09~1.1がより更に好ましく、0.1~1.0が特に好ましい。
上記吸光度Yの範囲は、特に限定されないが、ベリー系の色相を安定的に表現することの観点から、例えば、0.001~0.35とすることができ、0.006~0.34が好ましく、0.007~0.33がより好ましく、0.008~0.32が更に好ましく、0.009~0.3が特に好ましい。
上記の吸光度は、液体の被着色組成物について、分光光度計(分光色差計V-760 日本分光株式会社製)を用いて、光路長10ミリメートルの石英ガラス製セルを用い、pHを3.2に調整したときの520nmにおける吸光度X、又は、pHを3.2に調整したときの430nmにおける吸光度Yとを測定して求めることができる。pHは、公知のpHメータにて測定することが可能であり、飲食品、医薬品、医薬部外品等の分野で用いられている公知のpH調整剤によりpHを調整することが可能である。
(色に関する用語)
本明細書中にて用いた色に関する用語のうち主要なものを以下に説明する。
(マンセル表色系)
マンセル表色系とは、色の3属性に基づいた色彩を表現する体系(表色系)の一種である。なおマンセル表色系は、JIS Z 8721(3属性による色の表示方法)として規格化されている。ここで3属性とは、色相、明度及び彩度の3つを意味する。
3属性のうち「色相」とは、色の種類を表すものである。この色相では、色を、赤(R)、黄(Y)、緑(G)、青(B)、紫(P)の基本の5色、そしてそれぞれの中間色である黄赤(YR)、黄緑(GY)、青緑(BG)、青紫(PB)、赤紫(RP)を加えた、合計10色に分割する。そしてこれらの色をさらに10で分割し、計100色相で色の種類を表現する。本発明において「色相」は、後述するように、HUE値を測定することで算出できる。
本明細書中「CIE Lab表色系(Lab系)」とは、色度を示すa軸及びb軸よりなる直交座標とこれに垂直なL軸とから構成される色立体を成す表色系である。
ここで、「L値」とは明度を数値で表した値である。L値=100の時は白色となり、L値=0の時は黒色となる。「a値」とは赤色と緑色の色の方向を数値で表現した値である。a値の+の値が大きいほど赤色が強くなり、a値の-の値が大きいほど緑色が強くなる。「b値」とは黄色と青色の色の方向を数値で表現した値である。b値の+の値が大きいほど黄色が強くなり、b値の-の値が大きいほど青色が強くなることを示す。
本明細書中「CHROMA値」とは、Lab表色系における原点からの距離を下記式(1)によって数値で表した値である。彩度を示す値として用いられる。当該値が大きいほど色彩が鮮やかであることを示す。
Figure 0007324137000001
本明細書中「色差(ΔE)」とは、Lab表色系において2色をプロットした点である(a,b,L)及び(a,b,L)の間の隔たりの距離を、下記式(2)によって算出して数値で表した値である。
Figure 0007324137000002
本明細書中「HUE値」とは、Lab表色系におけるa軸及びb軸の直交座標上のプロット(a値、b値)と原点とを結んだ直線の形成角度を、マンセル色相環における色相表記に変換して表現した色相を表す値である。色相を記号及び数値で表した値である。
本明細書中、「色合い」とは、色相、明度及び彩度によって実現される色みを意味する。
この色合いの土台となる色相が近いと、似たような色合いと認識される傾向が強い。そのため、本明細書においては、例えば、ベリー系の色合いを「色相」で表現する場合がある。
本明細書中、「色合い変化抑制」とは、時間経過、又は外部環境(例えば熱、光)等によって生じる色合いの変化を抑制することを意味する。色合い変化抑制の程度は、例えば、ΔE(色差)の大小を指標とすることができる。
本明細書中「色量」とは、色価(E10% 1cm)の値に色素添加量を乗じた値を表す。
[退色抑制方法及び/又は色合い変化抑制方法]
本発明はまた、以下の態様を有する方法に関する。
(A)赤ダイコン色素製剤、並びに、
(B)紫サツマイモ色素製剤及び/又は赤キャベツ色素製剤
を組み合わせて、未着色組成物に適用することを含む、被着色組成物の退色抑制方法及び/又は色合い変化抑制方法。
本方法は、上述の各色素、色素製剤の実施態様及び調製方法と同じ、又は類似することができ、及び上述の各色素、色素製剤の実施態様及び調製方法を参照して理解され得る。
[退色及び/又は色合い変化が抑制された被着色組成物の製造方法]
本発明はまた、以下の態様を有する方法に関する。
(A)赤ダイコン色素製剤、並びに、
(B)紫サツマイモ色素製剤及び/又は赤キャベツ色素製剤
を組み合わせて、未着色組成物に適用することを含む、退色及び/又は色合い変化が抑制された被着色組成物の製造方法。
本方法は、上述の各色素、色素製剤の実施態様及び調製方法と同じ、又は類似することができ、及び上述の各色素、色素製剤の実施態様及び調製方法を参照して理解され得る。
上記の各種方法において、限定はされないが、退色の抑制は、耐光性及び/又は耐熱性によりもたらされる。
本明細書において、(A)及び(B)の色素製剤が適用された被着色組成物の退色の抑制は、耐光性の観点から、白色LED照射15000ルクス及び10℃にて4日間保管した場合において、色差(ΔE)が、例えば、保管前の10以下、好ましくは9以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは7以下、特に好ましくは6以下、最も好ましくは5以下である。
また、本明細書において、(A)及び(B)の色素製剤が適用された被着色組成物の退色の抑制は、耐熱性の観点から、50℃及び暗所にて5日間保管した場合において、色差(ΔE)が、例えば、保管前の13以下、12以下、11以下、10以下、又は9以下であることができ、好ましくは8以下、より好ましくは7以下、更に好ましくは6以下、より更に好ましくは5以下、特に好ましくは4以下、最も好ましくは3以下である。
上記の各種方法において、限定はされないが、色合い変化の抑制は、耐光性及び/又は耐熱性によりもたらされる。
本明細書において、(A)及び(B)の色素製剤が適用された被着色組成物の色合い変化の抑制は、耐光性の観点から、白色LED照射15000ルクス及び10℃にて4日間保管した場合において、彩度(CHROMA値)の変化量が、例えば、保管前の8以下、好ましくは7以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは5以下、特に好ましくは4.8以下、最も好ましくは4.5以下である。
また、本明細書において、(A)及び(B)の色素製剤が適用された被着色組成物の色合い変化の抑制は、耐熱性の観点から、50℃及び暗所にて5日間保管した場合において、彩度(CHROMA値)の変化量が、例えば、保管前の3以下であることができ、好ましくは2.5以下、より好ましくは2以下、更に好ましくは1.5以下、より更に好ましくは1以下、特に好ましくは0.9以下、最も好ましくは0.8以下である。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらにより限定されるものではない。
[使用色素製剤]
赤ダイコン色素製剤 :アートレッド[登録商標]RD、色価120
赤キャベツ色素製剤 :サンレッド[登録商標]RCFU、色価80
紫イモ色素製剤 :サンレッド[登録商標]YMF、色価80
エルダーベリー色素製剤:サンレッド[登録商標]ELF、色価60
いずれも三栄源エフ・エフ・アイ(株)製のものを用いた。
[試験例1.安定性試験]
(試験液の調製)
赤ダイコン色素製剤と紫イモ色素製剤とを組み合わせた場合と、従来、ベリー系の色合いとして用いられているエルダーベリー色素製剤を用いた場合との、安定性の差を確認した。
モデル系として、常法に従い、表1に示す処方の試験液を用いた。用いた各色素製剤の添加量を表2に示す。実施例1では、赤ダイコン色素製剤と紫イモ色素製剤との色量が等量(同色価に設定した場合の質量比が1:1)となるように添加量を調整した。各試験液は93℃まで加熱し、200mLペットボトルへ充填され、熱間充填(ホットパック)法により殺菌処理を行った。
Figure 0007324137000003
Figure 0007324137000004
(試験例1-1.耐光性試験)
上記で調製した試験液(被着色組成物)の光に対する色素の安定性を検討した。具体的には、LED照射条件下におけるアントシアニン系色素のLab値及び吸光度等を測定することで、光に対する色素の安定性を評価した。
(耐光性試験条件)
試験機 :照明付インキュベーターFLI-2010A-LED(東京理化器械(株)製)
光源 :白色LED
照度 :15000Lux
照射温度:10℃
照射日数:4日間又は8日間
耐光性試験後、下記の方法により、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」を計測し、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」、「色差(ΔE)」及び「色素残存率」を算出した。耐光性試験の結果を表3~5に示す。
(1)Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)
各試験液について、分光光度計(分光色差計V-760 日本分光株式会社製)を用いて、測定波長380~780nmにおける透過光測色を行い、Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)を計測した。
(2)色相(HUE値)
色相を記号及び数値で表した値であり、Lab表色系におけるa軸b軸の直行座標上のプロット(a値、b値)と原点とを結んだ直線の形成角度を、マンセル色相環における色相表記に変換して算出した。
(3)彩度(CHROMA値)
Lab表色系における原点からの距離を下記式(1)によって数値で表した。
Figure 0007324137000005
(4)色差(ΔE)
各試験液と、調製直後の試験液(コントロール試料)とを比較した時の「色差」(2色の隔たりの距離)について、下記式(2)によりΔE値を算出した。
Figure 0007324137000006
試験前及び試験後に測定した各試験液の極大吸収波長の吸光度を基にして、下記式(3)により、色素残存率を算出した。
Figure 0007324137000007
(試験例1-2.耐熱性試験)
上記で調製した試験液(被着色組成物)の熱に対する色素の安定性を検討した。具体的には、高温条件下におけるアントシアニン系色素Lab値及び吸光度等を測定することで、熱に対する色素の安定性を評価した。
(耐熱性試験条件)
保管温度:50℃(恒温器)
保管条件:暗所
保管日数:5日間又は10日間
保管後、耐光性試験の場合と同様の方法により、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」を計測し、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」、「色差(ΔE)」及び「色素残存率」を算出した。耐熱性試験の結果を表3~5に併せて示す。
Figure 0007324137000008
Figure 0007324137000009
表3及び表4に示す通り、耐光性試験において、赤ダイコン色素及び紫イモ色素の組み合わせ色素製剤を用いた場合、従来、ベリー系の色合いとして用いられているエルダーベリー色素製剤を用いた場合と比較して、光に対する高い耐性を有し、退色が抑制されることが示された。
表3及び表4に示す通り、耐熱性試験において、赤ダイコン色素及び紫イモ色素の組み合わせ色素製剤を用いた場合、従来、ベリー系の色合いとして用いられているエルダーベリー色素製剤を用いた場合と比較して、熱に対する高い耐性を有し、退色が抑制されることが示された。
Figure 0007324137000010
表5中、殺菌時残存率は、殺菌処理前後における色素残存率を示し、その他の残存率は、耐光性又は耐熱性試験前後における色素残存率を示す。
表5に示す通り、耐光性試験及び耐熱性試験のいずれにおいても、赤ダイコン色素及び紫イモ色素の組み合わせ色素製剤を用いた場合、エルダーベリー色素製剤を用いた場合と比較して、退色が顕著に抑制されることが示された。
[試験例2.ベリー系色合い範囲の評価試験]
赤ダイコン色素製剤と紫イモ色素製剤、又は、赤キャベツ色素製剤とを、種々の配合比率で配合させ、色量を1.2~12まで順次変化させた場合の、被着色組成物の色合いの変化を評価した。
(1)色量1.2における赤ダイコン色素製剤と紫イモ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素を表6の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」を計測し、「色相(HUE値)」及び「彩度(CHROMA値)」を算出した。結果を表7に示す。
Figure 0007324137000011
Figure 0007324137000012
(2)色量2.4における赤ダイコン色素製剤と紫イモ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表8の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表9に示す。
Figure 0007324137000013
Figure 0007324137000014
(3)色量4.8における赤ダイコン色素製剤と紫イモ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表10の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表11に示す。
Figure 0007324137000015
Figure 0007324137000016
(4)色量7.2における赤ダイコン色素製剤と紫イモ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表12の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表13に示す。
Figure 0007324137000017
Figure 0007324137000018
(5)色量9.6における赤ダイコン色素製剤と紫イモ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表14の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表15に示す。
Figure 0007324137000019
Figure 0007324137000020
(6)色量12における赤ダイコン色素製剤と紫イモ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表16の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表17に示す。
Figure 0007324137000021
Figure 0007324137000022
表6~表17に示す通り、赤ダイコン色素製剤と、紫イモ色素製剤とを、種々の配合比率で配合させ、色量を1.2~12まで順次変化させた場合、マンセル色相環における色相表記に変換して表現した色相を表す値である「HUE値」が、1.9R~6.1RPまでの範囲を網羅することができた。よって、赤ダイコン色素と紫イモ色素を併用することにより、エルダーベリー色素等のベリー系の色合いを表現でき、かつ色素安定性が高く、エルダーベリー色素等の従来のベリー系色素における退色しやすさ等の課題を解決することができる。
(7)色量1.2における赤ダイコン色素製剤と赤キャベツ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表18の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表19に示す。
Figure 0007324137000023
Figure 0007324137000024
(8)色量2.4における赤ダイコン色素製剤と赤キャベツ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表20の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表21に示す。
Figure 0007324137000025
Figure 0007324137000026
(8)色量4.8における赤ダイコン色素製剤と赤キャベツ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表22の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表23に示す。
Figure 0007324137000027
Figure 0007324137000028
(9)色量7.2における赤ダイコン色素製剤と赤キャベツ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表24の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表25に示す。
Figure 0007324137000029
Figure 0007324137000030
(10)色量9.6における赤ダイコン色素製剤と赤キャベツ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表26の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表27に示す。
Figure 0007324137000031
Figure 0007324137000032
(11)色量12における赤ダイコン色素製剤と赤キャベツ色素製剤との組み合わせ
表1と同じ処方において、各色素組成物を表28の通りに添加し、各試験液を調製した。
各試験液について、試験例1-1と同様の方法にて、「Lab表色系の3刺激値(L値、a値及びb値)」、「色相(HUE値)」、「彩度(CHROMA値)」を測定した。結果を表29に示す。
Figure 0007324137000033
Figure 0007324137000034
表18~表29に示す通り、赤ダイコン色素製剤と、赤キャベツ色素製剤とを、種々の配合比率で配合させ、色量を1.2~12まで順次変化させた場合、マンセル色相環における色相表記に変換して表現した色相を表す値である「HUE値」が、2.1R~5.7RPまでの範囲を網羅することができた。よって、赤ダイコン色素と赤キャベツ色素を併用することにより、エルダーベリー色素等のベリー系の色合いを表現でき、かつ色素安定性が高く、エルダーベリー色素等の従来のベリー系色素における退色しやすさ等の課題を解決することができる。

Claims (9)

  1. (A)赤ダイコン色素、並びに、
    (B)紫サツマイモ色素及び/又は赤キャベツ色素
    を含有する、被着色組成物。
  2. マンセル表色系の色相環で2.5R~5.5RPの色相を示す、請求項1に記載の被着色組成物。
  3. 前記(A)成分1質量部に対する、前記(B)成分の含量が0.05~20質量部である、請求項1又は2に記載の被着色組成物。
  4. 前記被着色組成物が、飲食品、医薬品、医薬部外品、香粧品、衛生用日用品、飼料、文具、又は玩具である、請求項1~3のいずれか1項に記載の被着色組成物。
  5. 光透過性を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の被着色組成物。
  6. 前記被着色組成物が液体であり、以下吸光度の比X/Yが3.0を超えるものである、請求項1~5のいずれか1項に記載の被着色組成物;
    X:被着色組成物のpHを3.2に調整したときの520nmにおける吸光度、
    Y:被着色組成物のpHを3.2に調整したときの430nmにおける吸光度。
  7. (A)赤ダイコン色素製剤、並びに、
    (B)紫サツマイモ色素製剤及び/又は赤キャベツ色素製剤
    を組み合わせてなる、組み合わせ色素製剤。
  8. (A)赤ダイコン色素製剤、並びに、
    (B)紫サツマイモ色素製剤及び/又は赤キャベツ色素製剤
    を組み合わせて、未着色組成物に適用することを含む、被着色組成物の退色抑制方法及び/又は色合い変化抑制方法。
  9. (A)赤ダイコン色素製剤、並びに、
    (B)紫サツマイモ色素製剤及び/又は赤キャベツ色素製剤
    を組み合わせて、未着色組成物に適用することを含む、退色及び/又は色合いの変化が抑制された被着色組成物の製造方法。

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