JP3989287B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、スロットマシン等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遊技機のうち、例えばスロットマシンでは、複数の遊技図柄を変動表示させ、遊技者のボタン操作に基づいて各遊技図柄の変動を停止させ、その停止図柄態様に応じて遊技者に利益を還元するようになっている。
【0003】
一方、パチンコ機等の弾球遊技機では、図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に複数個の遊技図柄を変動させて、所定時間経過後、又は遊技者による操作ボタン操作等があったときにその遊技図柄の変動を停止させ、その停止図柄が予め定められた図柄の組み合わせである大当たり態様となったときに、大入賞手段を所定回数繰り返し開放する等、遊技者に有利な利益状態を発生させるようにしたものがある。
【0004】
また、例えば遊技図柄とは異なる演出図柄を遊技図柄と関連して変動表示し、遊技者のボタン操作等に基づいてその演出図柄を停止させると共に、その停止図柄に関連して例えば遊技図柄を所定の態様で停止させるなど、遊技者のボタン操作等を伴う演出を行うようにしたものも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の遊技機では、遊技者が操作する操作ボタン等が例えば遊技機本体の前側に操作可能な状態で固定的に設けられているため、遊技者はその操作ボタンが有効であるか否か等を容易に知ることができず、ボタン操作のタイミングを逃してしまったり、操作が無効な状態のときにボタン操作を行ってしまうなど、遊技を十分に楽しむことができない場合があった。
【0006】
また、操作ボタンを設けているにも拘わらずその操作ボタン自体が演出効果の向上のために十分に利用されているとは言い難く、遊技者の遊技に対する興趣を十分に喚起できていないという問題もあった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、操作ボタン等の操作手段を遊技者が遊技の中で容易に使いこなすことができ、また、その操作手段自体により演出効果を十分に向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、遊技機本体1の前側に外部操作可能な操作手段14を備えた遊技機において、前記操作手段14を、前記遊技機本体1の外部方向に突出した突出位置と内部方向に退去した退去位置との間で摺動自在に保持する案内手段15と、前記操作手段14の操作が有効となる操作有効期間中、前記操作手段14を、前記退去位置から前記突出位置に移動させて保持する移動駆動手段16とを備え、前記操作手段14は、前記案内手段15の案内方向に移動可能な操作ボタン14aと、該操作ボタン14aを外向きに弾性付勢する付勢手段20と、前記操作ボタン14aが内向きに移動したときに該操作ボタン14a側の被検出部28を検出することにより前記操作ボタン14aが操作されたことを検出する操作検出手段21と、前記操作ボタン14aの内向き移動方向に対応して前記案内手段15に固定された外部操作防止手段17とを備え、前記操作手段14が前記突出位置にあるときには、前記操作ボタン14aが前記付勢手段20の付勢力に抗して押されたとき、前記操作ボタン14aが前記外部操作防止手段17に当接するよりも前に前記操作検出手段21が前記被検出部28を検出し、前記操作手段14が前記退去位置にあるときには、前記操作検出手段21が前記被検出部28を検出するよりも操作方向上流側で前記操作ボタン14aが前記外部操作防止手段17に当接するように構成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図8は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。図1において、1は遊技機本体で、矩形状の外枠2と、この外枠2の前側に開閉自在に枢着された前枠3とを備えている。4はガラス扉、5は前面板で、これらは前枠3の窓孔6に対応して上下に配置され、前枠3に開閉自在に枢支されている。
【0010】
前面板5は、例えば金属板により構成される上皿台板5aを備え、その前側に発射用の遊技球を貯留する上皿7が装着されている。上皿台板5aの前面側から上皿7の前側にかけては、例えば樹脂製の上皿カバー8により覆われている。上皿カバー8は、上皿7に沿って前側に向けて滑らかに膨出した形状となっており、その上下方向略中央部分が最もその膨出量が大きくなっている。
【0011】
また、9は余剰球等を貯留する下皿、10は灰皿で、これらは前面板5の下側で前枠3の前側に左右に配置され、下皿カバー11により覆われている。下皿9の一側、例えば向かって右側には、発射手段12の発射ハンドル13が、前枠3の前側に突出状に設けられている。
【0012】
遊技盤本体1の前側の所定位置、例えば前面板5上には、図1及び図4に示すように、例えば押しボタン式の操作手段14が、操作ボタン14aを上皿カバー8の開口孔8aから前側に露出させた状態で上皿カバー8の裏側に配置されている。
【0013】
また、上皿カバー8の後方には、操作手段14を遊技機本体1の内外方向摺動自在に保持する案内手段15と、操作手段14を案内手段15に沿って移動させる移動駆動手段(作動手段の一例)16とが設けられている。
【0014】
案内手段15は、例えば略筒状に形成され、上皿カバー8の上向き傾斜部8bの裏側等に、前斜め上向きの状態で着脱可能に装着されている。案内手段15には、その周方向の所定位置に、内側に向けて突出するピン部材等の突起物(外部操作防止手段)17が1又は複数装着されている。
【0015】
操作手段14は、ケース体18と、このケース体18の内部前側に摺動自在に嵌合された操作ボタン14aと、操作ボタン14aをケース体18の外向きに弾性付勢するコイルバネ等の付勢手段20と、操作ボタン14aの操作状態を検出する操作検出手段21とを備えている。操作手段14は、操作ボタン14aを上皿カバー8の開口孔8aに後側から嵌合させた状態で、案内手段15によりケース体18の側壁部外側において摺動自在に保持されている。
【0016】
ケース体18は、略筒状に形成された側壁部23と、この側壁部23の前縁側から内側に向けて延設され且つその中央に開口部24aが形成された前板部24と、側壁部23の後縁側を略閉鎖するように装着された後板部25とを備えている。
【0017】
側壁部23上には、その周方向の1又は複数箇所にその摺動方向に沿って長孔23aが形成されており、その長孔23aに案内手段15側の突起物17が外側から内側に突出するように嵌合している。また、例えば後板部25の内側(前側)には基板上に固定された操作検出手段21が設けられている。
【0018】
操作ボタン14aは、断面略U字型の膨出部26と、この膨出部26の後縁側から外向きに設けられた鍔部27とを一体に備えており、膨出部26をケース体18の開口部24aから外向きに突出させた状態で配置されている。操作ボタン14aの鍔部27とケース体18側の後板部25との間には付勢手段20が装着されており、操作ボタン14aの鍔部27の前面側をケース体18の前板部24の内面側に押し付ける方向に弾性付勢している。
【0019】
なお、操作ボタン14aは、付勢手段20の付勢力に抗して押されたとき、その後端側の鍔部27が突起物17に当接することによりその移動が所定位置で規制されるようになっている。
【0020】
また、操作ボタン14a上の例えば鍔部27上には、後ろ向きに突出する被検出部28が、操作検出手段21に対応して設けられている。操作ボタン14aの膨出部26の内部には、液晶式等の操作表示手段(作動手段の一例)29が前向きに装着されている。操作ボタン14aの膨出部26は、その前側、即ち操作表示手段29の前側を覆う部分の少なくとも一部が透明に形成され、操作表示手段29に表示された文字等を前側から視認可能となっており、操作表示手段29の保護カバーとしても機能している。
【0021】
移動駆動手段16は、駆動軸16aを操作手段14の摺動方向、即ち前斜め上方向に向けた状態で支持部材16bを介して例えば上皿台板5aに着脱可能に固定されており、駆動軸16aの先端側が操作手段14側の例えば後板部25に固定されている。
【0022】
移動駆動手段16は、非通電時には駆動軸16aが後方に退去して操作手段14を後方側の「退去位置」で保持し、通電時には駆動軸16aが前方に進出して操作手段14を最も前方側の「突出位置」に切り換えるようになっている。
【0023】
「突出位置」では、図4(a)に示すように、操作手段14の操作ボタン14aが開口孔8aを介して上皿カバー8の外部方向に突出した状態となる。この状態では、突起物17が操作検出手段21よりも後方に位置しており、操作ボタン14aが付勢手段20の付勢力に抗して押されたとき、鍔部27が突起物17に当接するよりも前に操作検出手段21が被検出部28を検出して操作検出信号が出力されるようになっている。
【0024】
一方、「退去位置」では、図4(b)に示すように、操作手段14の操作ボタン14aが上皿カバー8の内部方向に退去した状態となる。この状態では、突起物17が操作検出手段21よりも前方で且つ操作ボタン14aの鍔部27に略当接した状態となるため、操作ボタン14aを押圧操作することはできず、当然ながら操作検出手段21が被検出部28を検出することもない。
【0025】
30は遊技盤で、前枠3の窓孔6に対応するように、前枠3の裏側に着脱自在に装着されている。遊技盤30には、図2に示すように、発射手段12から発射された遊技球を案内するガイドレール31が環状に装着されると共に、そのガイドレール31の内側の遊技領域30aに、センターケース32、普通図柄始動手段33、特別図柄始動手段34、大入賞手段35、普通入賞手段36等の各種遊技部品が配置されている。
【0026】
センターケース32は、普通図柄表示部37と特別図柄表示部(図柄表示手段)38とを兼用する液晶式の可変表示手段39、回転ドラム式の演出表示手段40等を備えている。
【0027】
普通図柄表示部37は、1個又は複数個、例えば1個の普通図柄を変動表示可能に構成されており、通過ゲート、入賞手段等よりなる普通図柄始動手段33が遊技球を検出することを条件に、その普通図柄が乱数制御等により所定時間変動して、所定態様(所定種類の図柄)又は非所定態様で停止するようになっている。
【0028】
なお、普通図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の適宜遊技図柄を使用可能であり、この実施形態では、「0」〜「9」までの数字図柄が用いられている。
【0029】
特別図柄始動手段34は、開閉自在な左右一対の開閉爪34aを備えた可変作動式の電動式チューリップ等により構成され、普通図柄表示部37の変動後の停止図柄が所定態様となった場合に一対の開閉爪34aが所定時間開状態に作動するようになっている。
【0030】
特別図柄表示部38は、1個又は複数個、例えば左右方向に3個の特別図柄(遊技図柄)を表示可能に構成され、特別図柄始動手段34が遊技球を検出することを条件に乱数制御により各特別図柄が所定時間変動して、例えば左、右、中等の所定の順序で停止するようになっている。
【0031】
特別図柄は、変動時には上下方向又は左右方向にスクロールする等、所定の変動パターンで変動して、その変動後に例えば各特別図柄が同種図柄となる特定態様(大当たり態様)、又は特別図柄の少なくとも1つが異なる図柄となる非特定態様(外れ態様)で停止する。
【0032】
特別図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の遊技図柄を適宜使用可能であり、この実施形態では、「0」〜「9」までの数字図柄が用いられている。また特別図柄には、その種類によって1種類又は複数種類の特定図柄と非特定図柄とがあり、「0」〜「9」までの10種類の数字図柄の内、奇数図柄が特定図柄、偶数図柄が非特定図柄となっている。
【0033】
また、特別図柄の変動パターンは複数設けられており、例えば6種類の変動パターンA,B1,B2,C1,C2,Dが予め設定されている。変動パターンAはリーチ状態を経由しない変動パターンで、特別図柄が特定態様とならない場合にのみ選択される。
【0034】
変動パターンB1,B2,C1,C2,Dはリーチ状態を経由する変動パターンで、変動パターンB1とB2(第1変動パターンBで総称する)、C1とC2(第2変動パターンCで総称する)が夫々同種の変動パターンとなっており、変動パターンB1,C1が非特定態様(外れ態様)に対応し、変動パターンB2,C2,Dが特定態様(大当たり態様)に対応している。
【0035】
第1リーチ外れ変動パターンB1は、第1変動パターンBを経て3つの特別図柄が非特定態様で仮停止した後、そのまま非特定態様で最終停止し、確定するようになっている。
【0036】
第1リーチ大当たり変動パターンB2は、第1変動パターンBを経て3つの特別図柄が特定図柄又は非特定図柄による特定態様で仮停止した後、全特別図柄が再変動して、特定図柄又は非特定図柄による特定態様で最終停止し、確定するようになっている。
【0037】
第2リーチはずれ変動パターンC1は、第2変動パターンCを経て3つの特別図柄が非特定態様で仮停止した後、演出図柄の変動停止を待って一部の特別図柄又は全特別図柄が再変動して、非特定図柄で最終停止し、確定するようになっている。
【0038】
第2リーチ大当たり変動パターンC2は、第2変動パターンCを経て3つの特別図柄が非特定態様で仮停止した後、演出図柄の変動停止を待って一部の特別図柄又は全特別図柄が再変動して、特定図柄又は非特定図柄による特定態様で最終停止し、確定するようになっている。
【0039】
第3リーチ大当たり変動パターンDは、第3変動パターンDを経て3つの特別図柄が特定図柄又は非特定図柄による特定態様で仮停止した後、全特別図柄が再変動して、必ず特定図柄による特定態様で最終停止し、確定するようになっている。
【0040】
演出表示手段40は、演出図柄を変動表示するためのもので、例えば上下方向の回転軸廻りに回転自在で且つその外周面上に複数種類の演出図柄が描かれた回転ドラム41と、この回転ドラム41を回転駆動するステッピングモータ等の回転駆動手段42(図6)とを備え、所定の変動パターン、例えば図5に示す変動パターンC1,C2の何れかが選択され、その変動パターンC1又はC2に従って特別図柄がリーチ外れで仮停止することに基づいて回転ドラム41の回転を開始すると共に、所定の操作有効期間内に操作手段14が操作されるか、若しくは操作手段14が操作されることなくその操作有効期間が経過することを条件に、所定の演出図柄でその回転ドラム41の回転を停止するようになっている。
【0041】
操作有効期間は、例えば回転ドラム41の回転開始と略同時、又はその後所定のタイミングで開始され、例えばその後所定時間(例えば10秒)経過するか、その所定時間内に操作手段14が操作されたときに終了するようになっている。
【0042】
回転ドラム41の外周面に描かれる演出図柄には、数字図柄、アルファベット図柄、キャラクター図柄、その他の適宜遊技図柄を使用可能であり、この実施形態では、図3に示すように「大当たり!」「大当たり?」「確変大当たり!」「確変大当たり?」「はずれ」「残念」「再チャンス」「☆」の8種類が用いられている。
【0043】
大入賞手段35は、下部側の横軸心廻りに開閉する開閉板35aを備えた可変作動式であって、特別図柄表示部38の変動後の特別図柄が特定態様となることに基づいて第1利益状態が発生したときに、開閉板35aが前側に開放して、その上に落下した遊技球を内部へと入賞させるようになっている。また大入賞手段35は、その内部が3個等の複数個の通路に分割され、その一部の通路が特定領域43となっている。そして、遊技球が特定領域43を通過することを条件に、第1利益状態を継続させるようになっている。
【0044】
なお、大入賞手段35は、その開放から所定時間(例えば30秒間)が経過するか、所定時間内に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞することを条件に開閉板35aを閉じ、遊技球が特定領域43を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返すようになっている。
【0045】
図6は制御用のブロック図である。図6において、51は主制御基板であり、この主制御基板51は、遊技領域30a側に装着されたセンターケース32、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤30を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに収納されている。
【0046】
52は図柄制御基板、53は演出制御基板で、これらの副制御基板についても、遊技領域30a側に装着されたセンターケース32、その他の複数個の遊技部品を裏側から一括して覆う裏カバーの裏側等、前枠3及び遊技盤30を含む遊技機本体1の裏側の適宜箇所に着脱自在に装着された基板ケースに収納されている。
【0047】
なお、本実施形態では、主制御基板51から演出制御基板53へは一方向通信可能であり、演出制御基板53と図柄制御基板52とは双方向通信可能となっており、主制御基板51側から図柄制御基板52側への制御コマンドの送信は演出制御基板53を経由して行われる。
【0048】
主制御基板51は、主に遊技盤30側の遊技動作に関わる制御を行うためのもので、CPU、ROM、RAM等により構成されており、第1乱数抽選手段61、第1判定手段62、開閉制御手段63、第2乱数抽選手段(抽選手段)64、第2判定手段65、第1利益状態発生手段(利益状態発生手段)66、停止特別図柄選択手段67、変動パターン選択手段68、第2利益状態発生手段69、制御コマンド送信手段70等を備えている。
【0049】
第1乱数抽選手段61は、変動後の普通図柄が所定態様となる確率が例えば1/10のときに0〜9までの10個の乱数値を発生する等、その確率に応じて所定数の乱数値を発生し、普通図柄始動手段33が遊技球を検出することを条件に、その何れかの乱数値を抽出するようになっている。
【0050】
第1判定手段62は、第1乱数抽選手段61での抽出乱数値に基づいて、変動後の普通図柄を所定態様とするか否か、即ち特別図柄始動手段34を開状態にするか否かを判定するためのもので、第1乱数抽選手段61で抽出された抽出乱数値が所定態様判定値か否かを判定し、その抽選乱数値が所定態様判定値のときに所定態様の判定出力を出すようになっている。
【0051】
開閉制御手段63は、第1判定手段62の判定結果が所定態様判定のときに、普通図柄表示部37の変動後の普通図柄が所定態様となることに基づいて特別図柄始動手段34の開閉爪34aを所定時間開放させるようになっている。
【0052】
第2乱数抽選手段64は、変動後の特別図柄が特定態様となる確率が例えば1/360のときに0〜359までの360個の乱数値を発生する等、その確率に応じて所定数の乱数値を発生し、特別図柄始動手段34が遊技球を検出することを条件に、その何れかの乱数値を抽出するようになっている。
【0053】
第2判定手段65は、第2乱数抽選手段64での抽出乱数値に基づいて変動後の特別図柄が特定態様となるか否か、即ち第1利益状態を発生させるか否かを判定するためのもので、第2乱数抽選手段64で抽出された抽出乱数値が特定態様判定値か否かを判定し、その抽出乱数値が特定態様判定値のときに特定態様(第1利益状態発生)の判定出力を出すようになっている。
【0054】
第1利益状態発生手段66は、第2判定手段65の判定結果が特定態様判定のときに、特別図柄表示部38の変動後の特別図柄が「7・7・7」等の特定態様となることに基づいて、遊技者に有利となる第1利益状態を発生させるためのものである。
【0055】
この第1利益状態発生手段66は、特別図柄表示部38の変動後の特別図柄が特定態様となった後に大入賞手段35の開閉板35aを開放し、また開閉板35aの開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、所定時間(例えば30秒)の経過までに大入賞手段35に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞したときに開閉板35aを閉じ、更に入賞した遊技球が特定領域43を通過することを条件に、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作(第1利益状態)を継続させるようになっている。
【0056】
停止特別図柄選択手段67は、変動後の特別図柄の停止図柄を選択するためのもので、第2判定手段65の判定結果が特定態様判定のときには複数種類の特定態様の中から1つを、第2判定手段65の判定結果が特定態様判定以外のときには複数種類の非特定態様の中から1つを、夫々乱数抽選により選択するようになっている。なお、非特定態様のときには、3個の特別図柄の少なくとも1個が異なる種類の図柄となる。
【0057】
変動パターン選択手段68は、第2判定手段65の判定結果と、停止特別図柄選択手段67の選択結果との少なくとも一方に基づいて、複数の変動パターンA,B1,B2,C1,C2,D等の中から1つを乱数抽選により択一的に選択するためのもので、第2判定手段65の判定結果が特定態様判定のときに、変動後の特別図柄が特定態様となる複数種類の変動パターンB2,C2,Dの何れかを、非特定態様判定のときに、変動パターンA,B1,C1の何れかを夫々乱数抽選等により選択するようになっている。
【0058】
第2利益状態発生手段69は、第1利益状態の終了後(又は発生後)に、遊技者に有利となる第2利益状態を発生させるためのもので、確率変化手段69aにより構成されている。確率変化手段69aは、第2判定手段65が特定態様と判定して、変動後の特別図柄が特定図柄(例えば奇数の数字図柄)による特定態様となることを条件に、第1利益状態の終了後に、特別図柄が特定態様となる確率を通常確率状態(例えば1/360の低確率)から高確率状態(例えば1/50程度)へと変化させるためのものである。なお、確率変化手段69aは、高確率状態のときに第2判定手段65の特定態様判定値の数を増やして、その特定態様の発生確率を高くするようになっている。
【0059】
また、確率変化手段69aは、特別図柄が非特定図柄による特定態様となって次の第1利益状態が発生するか、それまでに特別図柄が予め定められた所定回数変動するか、又は特別図柄始動手段34に所定数の遊技球が入賞した場合等に、特定態様の発生確率を高確率から通常確率(低確率)へと復帰させて第2利益状態を終了させるようになっている。
【0060】
制御コマンド送信手段70は、所定の制御コマンドを一方向通信により図柄制御基板52、演出制御基板53等の副制御基板側へと送信して制御指令を与えるためのもので、普通図柄始動手段33が遊技球を検出したときに、第1判定手段62の判定結果に基づいて普通図柄の変動制御コマンドを図柄制御基板52側へと送信する機能、特別図柄始動手段34が遊技球を検出したときに、変動パターン選択手段68で選択された変動パターン、停止特別図柄選択手段67で選択された停止図柄等に基づいて、変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、変動停止コマンド等の変動制御コマンドを図柄制御基板52、演出制御基板53側へと送信する機能等を備えている。
【0061】
図柄制御基板52は、普通図柄表示部37及び特別図柄表示部38の表示制御を行うためのもので、普通図柄制御手段71、特別図柄制御手段(図柄制御手段)72等を備えている。
【0062】
普通図柄制御手段71は、普通図柄表示部37の表示制御を行うもので、普通図柄始動手段33が遊技球を検出することを条件に、制御コマンド送信手段70からの変動制御コマンドに基づいて普通図柄表示部37の普通図柄を所定時間変動させて、第1判定手段62の判定結果が所定態様判定のときに「7」等の所定態様で、それ以外のときに非所定態様で普通図柄を停止させるようになっている。
【0063】
特別図柄制御手段72は、特別図柄表示部38の表示制御を行うもので、特別図柄始動手段34が遊技球を検出することを条件に、制御コマンド送信手段70からの変動制御コマンドに基づいて特別図柄表示部38の特別図柄を所定の変動パターンA,B1,B2等で所定時間変動させて、第2判定手段65の判定結果が特定態様判定のときに「7・7・7」等の特定態様で、それ以外のときに非特定態様で特別図柄を停止させるようになっている。
【0064】
演出制御基板53は、操作手段14、演出表示手段40等の制御を行うためのもので、作動制御手段73、演出図柄制御手段74等を備えている。
【0065】
作動制御手段73は、操作手段14側の制御を行うためのもので、移動駆動制御手段75、操作表示制御手段76等を備えている。
【0066】
移動駆動制御手段75は、操作手段14の移動駆動手段16を制御して操作手段14の移動制御を行うもので、操作有効期間中以外の通常時には移動駆動手段16を非通電状態として、操作手段14を初期状態、即ち上皿カバー8の内部方向に退去した「退去位置」(図4(b))で保持させると共に、操作有効期間中は移動駆動手段16に通電して、操作手段14を上皿カバー8の外部方向に突出した「突出位置」(図4(a))に切り換えて保持し、操作有効期間が終了すると、再度初期状態(退去位置)に復帰させるようになっている。
【0067】
操作表示制御手段76は、操作表示手段29の表示制御を行うもので、操作有効期間中以外の通常時には、操作表示手段29を初期状態、例えば所定のキャラクター、シンボルマーク、デモ画像等を表示させた状態とすると共に、操作有効期間中は操作表示手段29に「PUSH!」「STOP!」「CHANCE!」等の文言、その他を表示して遊技者に操作有効期間中であることを報知し、操作有効期間が終了すると、再度初期状態に復帰させるようになっている。
【0068】
演出図柄制御手段74は、演出表示手段40による演出図柄の変動表示制御、即ち回転ドラム41の回転制御を行うためのもので、回転駆動制御手段77、表示内容判定手段78、回転停止制御手段79等を備えている。
【0069】
回転駆動制御手段77は、回転ドラム41の回転制御を行うためのもので、所定の変動パターン、例えば変動パターンC1又はC2に従って特別図柄がリーチ外れで仮停止することに基づいて回転ドラム41の回転を開始させ、回転停止制御手段79による停止指令に基づいて回転ドラム41の回転を停止させるべく、回転駆動手段42を制御するようになっている。
【0070】
表示内容判定手段78は、回転ドラム41の所定時点での表示内容(演出図柄)を判定するためのもので、回転ドラム41の回転位置を検出する位置検出手段80(図6)からの位置検出信号に基づいて、回転ドラム41の回転中にその前側に表示されている(若しくは所定時間後に表示される)演出図柄を判定し、回転停止制御手段79にその判定結果を出力するようになっている。
【0071】
例えば、図7に模式的に示すように、演出図柄が「大当たり!」「☆」「確変大当たり?」「はずれ」「大当たり?」「再チャンス」「確変大当たり!」「残念」の順序で回転ドラム41の外周面に配置されており、各演出図柄がその順序で周期的に表示されるように回転ドラム41が回転駆動され、扇形で示す▲1▼の期間内(「残念」が表示された後、「大当たり!」が表示されるまでの間)に操作手段14が操作された場合には「大当たり!」で、▲2▼の期間内での操作に対しては「☆」で、回転ドラム41の回転が停止するように設定されているとすると、表示内容判定手段78は、回転ドラム41の回転中、回転ドラム41の回転が▲1▼〜▲8▼のどの期間内にあるかを判定し、例えば▲1▼の期間内には「大当たり!」、▲2▼の期間内には「☆」の判定結果を回転停止制御手段79に出力するようになっている。
【0072】
回転停止制御手段79は、回転駆動制御手段77の制御による回転ドラム41の回転を停止させるためのもので、操作有効期間中に操作検出手段21が操作手段14の操作を検出するか、若しくは操作検出手段21が操作手段14の操作を検出することなく操作有効期間が終了することを条件に、その時点での表示内容判定手段78の判定結果に基づいて、所定のタイミングで回転駆動制御手段77に変動停止信号を出力し、所定の演出図柄で回転ドラム41の回転を停止させるようになっている。
【0073】
8種類の演出図柄のうち、「大当たり!」は大当たり確実(図7では二重長円で囲んで示す)、「大当たり?」は大当たり可能性大(図7では一重長円で囲んで示す)、「確変大当たり!」は確率変動確実(図7では二重四角で囲んで示す)、「確変大当たり?」は確率変動可能性大(図7では一重四角で囲んで示す)を表すように設定されている。回転停止制御手段79は、停止特別図柄選択手段67の選択結果等に基づいて、必要に応じて非停止演出図柄を設定し、操作手段14の操作時、若しくは操作有効期間の終了時がそれら非停止演出図柄での停止タイミングであった場合には、例えばその次の演出図柄で回転ドラム41の回転を停止させるようになっている。
【0074】
例えば、図7の例では、非停止演出図柄として「大当たり!」が設定されている場合には、▲1▼の期間内に操作手段14が操作されても回転ドラム41は「大当たり!」では停止せず、次の「☆」で停止する。
【0075】
非停止演出図柄は、停止特別図柄選択手段67で非特定態様が選択された場合には「大当たり!」と「確変大当たり!」が、非特定図柄での特定態様が選択された場合には「確変大当たり!」「残念」「はずれ」が、特定図柄での特定態様が選択された場合には「残念」「はずれ」が、夫々設定される。これにより、例えば回転ドラム41が大当たり確実を示す「大当たり!」を表示して停止したにも拘わらず特別図柄が非特定態様となるような矛盾状態を回避できる。
【0076】
次に上記パチンコ機における動作について説明する。ゲームに際して発射手段12により遊技球を発射すると、その遊技球はガイドレール31を経て遊技領域30aに入った後、その遊技領域30a内を落下する間に普通入賞手段36等に入賞するか、普通図柄始動手段33を通過しながら下方へと落下する。
【0077】
遊技球が普通図柄始動手段33を通過すると、第1乱数抽選手段61が発生乱数値を抽出して、第1判定手段62がその抽出乱数値から所定態様か否かを判定し、その判定結果に基づいて制御コマンド送信手段70から図柄制御基板52側に普通図柄の停止図柄コマンド等が送信される。
【0078】
第1判定手段62の判定結果が所定態様判定のときには、図柄制御基板52側の普通図柄制御手段71の制御により、普通図柄表示部37の普通図柄が所定時間変動した後に所定態様で停止する。そして、開閉制御手段63の制御により、特別図柄始動手段34の開閉爪34aが所定時間開放し、この特別図柄始動手段34に遊技球が入賞し易くなる。なお、第1判定手段62の判定結果が所定態様判定以外であれば、変動後の普通図柄が非所定態様で停止する。
【0079】
特別図柄始動手段34の開閉爪34aが開放して遊技球が入賞し、この特別図柄始動手段34が遊技球を検出すると、第2乱数抽選手段64が発生乱数値を抽出し、第2判定手段65がその抽選乱数値から特定態様か否かを判定し、その判定結果に応じて停止特別図柄選択手段67が特別図柄の変動後の停止図柄の種類を選択すると共に、第2判定手段65の判定結果と、停止特別図柄選択手段67の選択結果との少なくとも一方に基づいて変動パターン選択手段68が変動パターンA,B1,B2,C1,C2,D等の何れかを選択する。
【0080】
そして、制御コマンド送信手段70が特別図柄の変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、変動停止コマンド等の変動制御コマンドを一方向通信により夫々所定のタイミングで図柄制御基板52、演出制御基板53側へと送信する。
【0081】
図柄制御基板52側では、制御コマンド送信手段70からの変動制御コマンドに基づいて、特別図柄制御手段72の制御により、主制御基板51側で選択された変動パターンA,B1,B2等に従って特別図柄を変動表示させた後、停止特別図柄選択手段67で選択された図柄で停止させる。
【0082】
例えば、第2判定手段65の判定結果が特定態様判定となり、停止特別図柄選択手段67で「6・6・6」が、変動パターン選択手段68で第2リーチ大当たり変動パターンC2が夫々選択された場合には、全ての特別図柄が一斉に変動を開始した後(図8のa1)、左、右、中等の順序で各特別図柄が仮停止し、例えば「3・4・3」等のリーチ外れでの仮停止状態となる(図8のa2)。
【0083】
また、演出制御基板53側では、制御コマンド送信手段70からの変動制御コマンドを解析し、第2リーチ変動パターンC1又はC2が選択されている場合には、その変動パターンC1又はC2に従って特別図柄がリーチ外れ又は所定表示で仮停止することに基づいて、回転駆動制御手段77が回転駆動手段42を制御して回転ドラム41の回転を開始させる(図8のa3)。
【0084】
また、第2判定手段65で特定態様判定となり、停止特別図柄選択手段67で非特定図柄である「6・6・6」が夫々選択されたことに基づいて、回転停止制御手段79では非停止演出図柄として「確変大当たり!」「残念」「はずれ」が設定される。
【0085】
そして、その回転ドラム41の回転開始後に操作有効期間が開始されると、移動駆動制御手段75が移動駆動手段16に対して通電を開始して、操作手段14を初期状態としての「退去位置」から「突出位置」に切り換えると共に、操作表示制御手段76が操作表示手段29の表示を初期状態、例えばデモ画像表示状態から「PUSH!」等の文言表示に切り換えて遊技者に操作有効期間中であることを報知する(図8のa3)。
【0086】
その操作有効期間中に遊技者が操作手段14を操作すると、操作ボタン14aが付勢手段20の付勢力に抗して後方に移動し、被検出部28が操作検出手段21により検出され、操作検出手段21から操作検出信号が出力される(図8のa4)。
【0087】
そして、その操作検出信号に基づいて、回転停止制御手段79がその時点での表示内容判定手段78の判定結果を取得し、その判定結果が非停止演出図柄に設定されている演出図柄「確変大当たり!」「残念」「はずれ」以外の例えば「大当たり!」であれば、その演出図柄を表示させるべく、所定のタイミングで回転駆動制御手段77に回転停止信号を出力し、これによって回転ドラム41の回転は「大当たり!」を表示した状態で停止する。
【0088】
一方、表示内容判定手段78の判定結果が非停止演出図柄に設定されている演出図柄「確変大当たり!」「残念」「はずれ」の何れかであれば、それらの演出図柄を避けて例えば次の演出図柄「大当たり!」「大当たり?」等を表示させるべく、所定のタイミングで回転駆動制御手段77に回転停止信号を出力し、これによって回転ドラム41の回転は演出図柄「大当たり!」「大当たり?」等を表示した状態で停止する。
【0089】
なお、例えば停止特別図柄選択手段67で「7・7・7」等の特定図柄による特定態様が選択された場合には、非停止演出図柄として「はずれ」「残念」が設定されてそれ以外の例えば「確変大当たり!」「大当たり?」等で停止し、第2判定手段65の判定結果が非特定態様判定となり、第2リーチ外れ変動パターンC1が選択された場合には、非停止演出図柄として「大当たり!」と「確変大当たり!」が設定されてそれ以外の例えば「☆」、「残念」、「大当たり?」等で停止する。
【0090】
また、操作手段14が操作されると、操作有効期間は終了し、移動駆動制御手段75が移動駆動手段16への通電を停止して、操作手段14を「突出位置」から初期状態としての「退去位置」に切り換えると共に、操作表示制御手段76が操作表示手段29の表示を「PUSH!」等の文言表示から初期状態としての例えばデモ画像表示に切り換える(図8のa4)。操作手段14は、「退去位置」では操作ボタン14aが突起物17に略当接してその移動が規制されるため、遊技者による操作手段14の操作は不可能となる。
【0091】
なお、操作手段14が操作されることなく操作有効期間が経過した場合には、その時点で、上述した操作手段14が操作された場合と略同様の処理が行われる。また、演出図柄が「再チャンス」となった場合には、例えば再度回転ドラム41を回転させ、新たに操作有効期間を開始させて遊技者が操作ボタン14aを再度操作できるようにすればよい。
【0092】
回転ドラム41の回転が停止すると、全ての特別図柄が再び変動して(図8のa5)、停止特別図柄選択手段67で選択された「6・6・6」で最終停止し、確定する(図8のa6)。
【0093】
変動後の特別図柄が特定態様となると、その後に第1利益状態発生手段66が作動して第1利益状態が発生し、大入賞手段35の開閉板35aが前側に開放する。大入賞手段35は、開放から所定時間(例えば30秒)が経過するか、所定時間(例えば30秒)の経過までに大入賞手段35に所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すれば、その時点で開閉板35aが閉じる。そして、入賞した遊技球が特定領域43を通過すれば、再度開閉板35aが開放し、最大所定回数(例えば16回)まで開閉動作を繰り返す。
【0094】
このため、第1利益状態が発生すれば、大入賞手段35に多数の遊技球が入賞する可能性があり、遊技者はその入賞球数に応じて賞球の払い出しを受けることができ、多大な利益を享受することができる。
【0095】
そして、第1利益状態が終了すると、第1利益状態の発生に起因する特別図柄が特定図柄(例えば奇数の数字図柄)での特定態様(例えば「7・7・7」)であった場合には、第2利益状態発生手段69の確率変化手段69aが作動して、特定態様の発生確率を通常確率から高確率へと変化させる。その後は、第2判定手段65が高確率状態で特定態様とするか否かを判定するため、変動後の特別図柄が特定態様となる可能性が非常に高くなり、遊技者は有利な状態でゲームを行える。
【0096】
第2利益状態発生後、特別図柄が特定態様となって次の第1利益状態が発生するか、それまでに特別図柄が予め定められた所定回数変動するか、又は特別図柄始動手段34に所定数の遊技球が入賞すると、確率変化手段69aが特定態様の発生確率を高確率から通常確率(低確率)へと復帰させて第2利益状態が終了する。
【0097】
以上説明したように、本実施形態では、操作手段14を作動させる作動手段としての移動駆動手段16,操作表示手段29を備えているため、例えばその作動により操作手段14の操作が有効であることを遊技者に報知することができるために遊技者がその操作手段14を遊技の中で容易に使いこなすことができ、また、その操作手段14自体の作動により演出効果を更に向上させることが可能である。
【0098】
また、特別図柄の変動表示を制御する特別図柄制御手段72と、この特別図柄制御手段72からの制御信号に基づいて特別図柄を変動表示する特別図柄表示部38と、この特別図柄表示部38の変動後の停止図柄が予め定められた特定態様(大当たり態様)となることに基づいて遊技者に有利な利益状態を発生させる第1利益状態発生手段66とを備え、特別図柄表示部38による変動パターンと変動後の停止図柄態様との少なくとも一方に基づいて作動手段としての移動駆動手段16,操作表示手段29が作動するように構成しているため、特別図柄の変動と操作手段14の作動とを関連させることができ、操作手段14により特別図柄の変動を演出して興趣を喚起できる。
【0099】
特別図柄表示部38の変動後の停止図柄を特定態様(大当たり態様)とするか否かを抽選する第2乱数抽選手段64を備えた主制御基板51と、作動手段としての移動駆動手段16,操作表示手段29を制御する作動制御手段73を備えた副制御手段としての演出制御基板53とを別々の基板として構成しているため、主制御基板51側への制御負荷の集中を軽減できる。
【0100】
操作手段14が操作されることに基づいて作動手段としての移動駆動手段16,操作表示手段29が夫々初期状態、例えば操作手段14を退去位置に保持し、デモ画像等を表示させた状態となるように構成しているため、遊技者はその操作が有効であって且つその操作有効期間が終了したことを容易に認識することができる。
【0101】
作動手段として、操作手段14を遊技機本体1の外部方向に移動させる移動駆動手段16を備えているため、遊技者に対してその操作手段14の存在等を効果的にアピールすることができると共に、高い演出効果が期待できる。
【0102】
移動駆動手段16は、操作手段14の操作が有効となる操作有効期間中に操作手段14を遊技機本体1の外部方向に移動させるように構成されているため、遊技者は操作手段14が有効状態にあるか否かを容易に判断することができる。
【0103】
操作手段14は、遊技機本体1の外部方向に突出した突出位置と遊技機本体1の内部方向に退去した退去位置とに切り換え可能に構成され、移動駆動手段16は操作有効期間中に操作手段14を突出位置に保持するように構成されているため、操作有効期間中の操作手段14の操作性が向上し、遊技者が容易に操作することができる。
【0104】
操作手段14が退去位置にあるときに操作手段14の外部操作を不可能とする外部操作防止手段としての突起物17を備えているため、遊技者による誤操作を確実に防止できる。
【0105】
更に、作動手段として、操作手段14上に可変表示を行う操作表示手段29を備えているため、操作手段14の操作有効状態等をより効果的にアピールすることができると共に、演出効果の更なる向上が期待できる。
【0106】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、移動駆動手段16は、ソレノイド式の駆動手段に限られるものではなく、モータ等の各種駆動手段を用いることができる。また、移動駆動手段16の駆動方向は、遊技機本体1の内外方向以外の例えば上下、左右、斜め方向、回転方向等であってもよい。また、作動手段として操作手段14を振動させる振動発生手段を設けてもよい。
【0107】
操作手段14が退去位置にあるときに操作手段14の外部操作を不可能とする外部操作防止手段としては、例えば操作手段14の操作ボタン14aの移動を規制するもの以外に、例えば操作ボタン14aの前側を覆う開閉動作可能な開閉扉等を設けてもよい。この開閉扉は内部の操作ボタン14aが前側から透視可能となるように例えば透明に形成してもよい。
【0108】
操作表示手段29は、液晶式の表示手段に限られるものではなく、EL(エレクトロルミネッセンス)式表示手段、7セグメント式表示手段、ドット式表示手段等の各種表示手段を用いることができる。操作表示手段29には、静止画を切り替え表示するようにしてもよいし、動画表示するようにしてもよい。
【0109】
操作手段14が操作されたときに、操作表示手段29の表示内容が変化するようにしてもよい。例えば、操作手段14が操作される前までは操作表示手段29に「PUSH!」が表示され、遊技者が操作手段14を操作したときにその表示が「注目!」等に変化するようにしてもよい。
【0110】
作動手段としての移動駆動手段16、操作表示手段29は、その何れか一方のみを搭載してもよい。
【0111】
操作手段14は、押しボタン式に限られるものではなく、レバー式、スライド式、回転式等のどのような構成を採用してもよい。また、操作手段14は、遊技機本体1の前側で遊技者が容易に操作できる位置であればどこに設けても良く、例えばガラス扉4上、下皿カバー11上、発射ハンドル13上又はその近傍等に設けてもよい。
【0112】
実施形態では、操作手段14を前斜め上向きに配置したが、その装着位置等に応じて遊技者が操作しやすい方向に向けて配置すればよく、例えば、水平前向き、上向き、水平横向き、横斜め上向き等でもよい。
【0113】
操作手段14内にLED等の発光手段を設け、例えば移動駆動手段16による移動、操作表示手段29による表示等に対応して発光させるようにしてもよい。
【0114】
演出表示手段40は複数設けてもよい。また、回転ドラム41は可変表示手段39とは別体の遊技部品として遊技盤30上に配置してもよい。
【0115】
演出図柄を変動表示する演出表示手段40は、回転ドラム式のものに限られるものではなく、液晶式表示手段、EL式表示手段、7セグメント式表示手段、マトリックス表示手段、蛍光表示管、プラズマディスプレイ、CRT等、どのようなものでもよい。可変表示手段39により演出表示手段40を構成してもよい。
【0116】
また、可変表示手段39についても、液晶式表示手段に限られるものではなく、液晶式表示手段、EL式表示手段、7セグメント式表示手段、マトリックス表示手段、蛍光表示管、プラズマディスプレイ、CRT、回転ドラム式等でもよい。
【0117】
操作手段14は、演出図柄の変動を停止させるためのものに限られるものではなく、遊技者の外部操作により遊技に関する何らかの状態を変化させるものであればよい。例えば、演出図柄ではなく遊技図柄を停止させるもの、可変表示手段39等に表示される背景やキャラクタ等を切り換えるもの、何らかの遊技モードを切り換えるもの等であってもよい。
【0118】
複数の演出表示手段40と、その複数の演出表示手段40に夫々対応する複数の操作手段14とを設けてもよい。また、複数の演出表示手段40と、それらを個別に又は同時に停止可能な単一の操作手段14を設けてもよい。
【0119】
演出図柄は、その一部若しくは全てが特別図柄と同一のものであってもよい。演出図柄には、異なる種類、例えば数字図柄、キャラクタ図柄、アルファベット図柄、文言図柄等を混在させてもよい。
【0120】
演出図柄の変動パターン、例えば回転ドラム41の回転パターンを複数設け、それらの1つを選択するようにしてもよい。
【0121】
演出表示手段40は、特別図柄等の遊技図柄の変動中、或いは変動前に演出図柄を変動表示し、操作手段14の操作等に基づいて停止した演出図柄に関連して遊技図柄を停止させるようにしてもよい。
【0122】
操作手段14の操作有効期間は可変としてもよい。また、操作有効期間は連続する期間である必要はなく、複数に分割されていてもよい。操作手段14は演出図柄の変動中は常に有効であるように構成してもよい。
【0123】
操作手段14の操作有効期間が異なる複数種類の変動パターンを設ける等により操作有効期間が複数種類に変化可能としてもよい。
【0124】
演出表示手段40は、遊技が行われていないときには、任意のパターンで回転ドラム41を回転させるなど、デモ表示を行うようにしてもよい。回転ドラム41は、所定のタイミング、例えば回転動作を行う毎に特定の演出図柄で停止させて原点位置に復帰させるようにしてもよい。
【0125】
作動制御手段73、演出図柄制御手段74は、主制御基板51、図柄制御基板52、ランプ制御基板、音声制御基板、払い出し制御基板、発射制御基板等に設けてもよい。また、作動制御手段73、演出図柄制御手段74は別々の基板上に設けてもよい。
【0126】
演出制御基板53、図柄制御基板52等の副制御基板は、主制御基板51から一方向通信により個別に直接的に制御コマンドを受信するようにしてもよいし、他の副制御基板を介して制御コマンドを受信するようにしてもよい。
【0127】
第2利益状態発生手段69で発生させる第2利益状態としては、特別図柄が特定態様となる確率を通常状態よりも高確率とするもの以外に、例えば特別図柄の変動時間を通常状態よりも短縮するもの、変動時間の短縮となる変動パターンを通常よりも高確率で選択するもの、特別図柄始動手段34の開放時間を通常状態よりも長くするもの、普通図柄が所定態様となる確率を通常状態よりも高確率とするもの、普通図柄の変動時間を通常状態よりも短縮するもの、大入賞手段35の開放のラウンド回数を増加(例えば通常5回を16回に増加)させるもの、大入賞手段35の1回の開放時間を増大(例えば通常10秒を30秒に増大)させるもの、大入賞手段35の規定入賞数を増加(例えば通常5個を10個に増加)させるもの、普通図柄始動手段33の遊技球検出に基づく乱数値の最大記憶個数を増加(例えば通常4個を8個に増加)させるもの、特別図柄始動手段34の遊技球検出に基づく乱数値の最大記憶個数を増加(例えば通常4個を8個に増加)させるもの等、種々の利益状態を用いることができる。また、それら複数種類の利益状態を同時或いは個別に発生させるようにしてもよい。
【0128】
表示内容判定手段78は、フォトセンサと回転ドラム41に設けた所定の認識部(孔、凹部、凸部等)、メカ式スイッチと回転ドラム41に設けた所定の認識部(孔、凹部、凸部等)等により構成してもよい。また表示内容判定手段78は、回転ドラム41を回転させるパルス若しくはそのパルスに関連する情報を計数し、その計数結果に基づいて表示内容を判定するようにしてもよいし、回転ドラム41の回転又は作動開始など所定時期からの時間をカウントし、そのカウント結果に基づいて表示内容を判定するようにしてもよいし、回転ドラム41の回転又は作動開始など所定時期からの定期割り込み数を計数し、その計数結果に基づいて判定するようにしてもよい。
【0129】
また本発明は、パチンコ機に限らず、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種の弾球遊技機の他、スロットマシン等の全ての遊技機において同様に実施することが可能である。
【0130】
【発明の効果】
本発明によれば、遊技機本体1の前側に外部操作可能な操作手段14を備えた遊技機において、操作手段14を、遊技機本体1の外部方向に突出した突出位置と内部方向に退去した退去位置との間で摺動自在に保持する案内手段15と、操作手段14の操作が有効となる操作有効期間中、操作手段14を、退去位置から突出位置に移動させて保持する移動駆動手段16とを備え、操作手段14は、案内手段15の案内方向に移動可能な操作ボタン14aと、該操作ボタン14aを外向きに弾性付勢する付勢手段20と、操作ボタン14aが内向きに移動したときに該操作ボタン14a側の被検出部28を検出することにより操作ボタン14aが操作されたことを検出する操作検出手段21と、操作ボタン14aの内向き移動方向に対応して案内手段15に固定された外部操作防止手段17とを備え、操作手段14が突出位置にあるときには、操作ボタン14aが付勢手段20の付勢力に抗して押されたとき、操作ボタン14aが外部操作防止手段17に当接するよりも前に操作検出手段21が被検出部28を検出し、操作手段14が退去位置にあるときには、操作検出手段21が被検出部28を検出するよりも操作方向上流側で操作ボタン14aが外部操作防止手段17に当接するように構成しているため、例えばその作動により操作手段14の操作が有効であることを遊技者に報知することができるために遊技者がその操作手段14を遊技の中で容易に使いこなすことができ、また、その操作手段14自体の作動により演出効果を更に向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すパチンコ機の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す遊技盤の正面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す回転ドラム上の演出図柄の配置の一例である。
【図4】本発明の一実施形態を示す操作手段の縦断面図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す変動パターンの一例である。
【図6】本発明の一実施形態を示す制御系のブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態を示す演出図柄の表示順序とその停止操作期間の説明図である。
【図8】本発明の一実施形態を示す演出図柄表示手段、特別図柄表示部、移動駆動手段、操作表示手段、操作検出手段の履歴の一例である。
【符号の説明】
1 遊技機本体
14 操作手段
16 移動駆動手段(作動手段)
17 突起物(外部操作防止手段)
29 操作表示手段(作動手段)
38 特別図柄表示部(図柄表示手段)
51 主制御基板
53 演出制御基板(副制御基板)
64 第2乱数抽選手段(抽選手段)
66 第1利益状態発生手段(利益状態発生手段)
72 特別図柄制御手段(図柄制御手段)
73 作動制御手段
Claims (1)
- 遊技機本体(1)の前側に外部操作可能な操作手段(14)を備えた遊技機において、前記操作手段(14)を、前記遊技機本体(1)の外部方向に突出した突出位置と内部方向に退去した退去位置との間で摺動自在に保持する案内手段(15)と、前記操作手段(14)の操作が有効となる操作有効期間中、前記操作手段(14)を、前記退去位置から前記突出位置に移動させて保持する移動駆動手段(16)とを備え、前記操作手段(14)は、前記案内手段(15)の案内方向に移動可能な操作ボタン(14a)と、該操作ボタン(14a)を外向きに弾性付勢する付勢手段(20)と、前記操作ボタン(14a)が内向きに移動したときに該操作ボタン(14a)側の被検出部(28)を検出することにより前記操作ボタン(14a)が操作されたことを検出する操作検出手段(21)と、前記操作ボタン(14a)の内向き移動方向に対応して前記案内手段(15)に固定された外部操作防止手段(17)とを備え、前記操作手段(14)が前記突出位置にあるときには、前記操作ボタン(14a)が前記付勢手段(20)の付勢力に抗して押されたとき、前記操作ボタン(14a)が前記外部操作防止手段(17)に当接するよりも前に前記操作検出手段(21)が前記被検出部(28)を検出し、前記操作手段(14)が前記退去位置にあるときには、前記操作検出手段(21)が前記被検出部(28)を検出するよりも操作方向上流側で前記操作ボタン(14a)が前記外部操作防止手段(17)に当接するように構成したことを特徴とする遊技機。
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