以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1に示すように、遊技機1は、支持体2と、この支持体2に回転可能に枢支された扉体3とを備えている。支持体2は、上板2a、下板2b、側板2c,2dによって四辺を構成する枠体からなる。各板2a〜2dは、変形や歪みが生じにくい木材等を材質とするもので、略長方形状に囲繞空間が形成されるように連結金具によって連結されている。
そして、これら連結金具のうち、上板2aと側板2cとを連結する金具および側板2cと下板2bとを連結する金具には、一対のヒンジ4a,4bが、遊技機1の前面側に突出した位置で対面するように固定されている。
そして、一対のヒンジ4a,4bには、扉体3が回転可能に枢支されている。扉体3は、支持体2に対して開閉可能となるものであり、本実施形態においては、透過部材保持枠5と遊技盤保持枠6とによって扉体3が構成されている。なお、図1は、支持体2に対して透過部材保持枠5が開放され、遊技盤保持枠6が支持体2に対して閉じられた状態を示している。これら透過部材保持枠5および遊技盤保持枠6は、その背面の一部または全部を支持体2の前面に接触させ、支持体2、透過部材保持枠5および遊技盤保持枠6が略平行となる閉位置から、上記背面が支持体2の前面から離間した開位置まで回転する。
透過部材保持枠5は、支持体2と同様に、上辺5a、下辺5b、側辺5c,5dからなる四辺によって略長方形状の囲繞空間が形成される枠体からなり、後述する遊技盤17の前面を覆う透過部材7が囲繞空間に固定される。本実施形態においては、透明のガラス板によって透過部材7を構成しているが、この透過部材7を介して後述する遊技盤17が見えるものであれば、その材質や形状は特に問わず、例えば合成樹脂等によって構成してもよい。また、透過部材保持枠5の材質も特に問わないが、軽量化や装飾性の向上の目的から合成樹脂性とすることが望ましく、特にこの場合には補強金具8を固定して歪みや変形を防止するとよい。
なお、図2に示すように、遊技機1の前面すなわち透過部材保持枠5の前面には、装飾ランプ9、遊技球を発射するための操作ハンドル10、払い出された賞球を溜める上皿11aを有する上皿ユニット11、装飾部材12が固定されている。
上皿ユニット11には、上皿11aの他、図示しないカードユニット(CRユニット)に挿入されたカード(プリペイドカード)の残り度数があるときに、該カードユニットから遊技機へ遊技球の払い出しをするための入力手段として機能する払出ボタン11b、上記カードユニットに挿入されたカードを返却するための返却ボタン11c、上記カードユニットに挿入されたカードの残り度数を表示する度数表示器11d、及びチャンスボタン装置100と、該チャンスボタン装置100を収納するチャンスボタン収納部11eが設けられている。
また装飾部材12は内部に設けられたスピーカ18(図示せず)を完全に覆う形で固定されているが、この装飾部材12は、スピーカ18からの音を遊技機外部に放出する放音穴は有していない。すなわち、スピーカ18はこの装飾部材12により完全に覆われるため、該スピーカ18が遊技機外部から視認することは不可能となっている。また、図1に示すように、上記の補強金具8や、上皿11aに賞球を送球する供給路13、装飾ランプ9の照射方向を変更するためのモータ等を制御する制御基板54(ランプ制御基板54)が、遊技機1の背面側に位置するように設けられている。
図1および図2からも明らかなように、透過部材保持枠5の上辺5aおよび下辺5bは、支持体2の上板2aおよび下板2bと長さを等しくしており、透過部材保持枠5を閉じて、支持体2および透過部材保持枠5が略平行になったとき(透過部材保持枠5が閉位置にあるとき)に、上辺5aが上板2aに、側辺5c,5dが側板2c,2dに、それらの外周面が面一の状態で重なる。したがって、遊技機1を正面から見たときに、支持体2の上板2aおよび側板2c,2dは、透過部材保持枠5に覆われて見えなくなる。ただし、側辺5c,5dは、側板2c,2dよりも短く形成されており、支持体2の下板2bが遊技機1の正面側に露出する。支持体2の下板2bは、上板2aや側板2c,2dに比べて厚く形成されており、その正面側に装飾部材15が固定されている。
そして、透過部材保持枠5には、側辺5cの上方に突出する枢支軸16a、および側辺5cの下方に突出する枢支軸16bが固定されており、枢支軸16aがヒンジ4aに、枢支軸16bがヒンジ4bに回転可能に枢支されている。これにより、透過部材保持枠5が支持体2に対して開閉可能に支持されることとなる。なお、透過部材保持枠5を支持体2に回転可能に枢支する構造は上記に限らず、例えば、透過部材保持枠5の側辺5cの一部を凸状に形成し、この凸状部分をヒンジ4a,4bや支持体2に直接嵌合させて枢支するようにしてもよい。
また、ヒンジ4a,4bには、透過部材保持枠5と同様に、遊技盤保持枠6が回転可能に枢支されている。図1に示すように、遊技盤保持枠6は、上辺6a、下辺6b、左側辺6c,右側辺6dからなる四辺によって略長方形状の囲繞空間が形成される枠体からなり、遊技盤保持枠6の左側辺6cには遊技盤止め具60a,60bが設けられており、上辺6aおよび下辺6bのそれぞれ右側辺6d寄りには遊技盤固定具60c,60dが設けられている。そして、遊技盤止め具60a,60b、及び遊技盤固定具60c,60dにより、この囲繞空間に図3に示す遊技盤17が固定される。
遊技盤17の前面には、複数の釘や風車、遊技球が入球可能な各種の入賞口、演出用の役物等が設けられており、その略中央部分に形成された孔に演出用の液晶表示装置30が固定されている。透過部材保持枠5および遊技盤保持枠6が閉じられて遊技が可能な状態では、遊技盤17に所定の間隔を維持して略平行に透過部材7が対面するとともに、遊技盤17の前面が透過部材7によって覆われる。
ここで、遊技盤17に設けられた各種の入賞口、役物等について、図2〜図4を参照しつつ説明する。上述したように、遊技盤17の下部位置には操作ハンドル10が回動可能に設けられている。遊技者が操作ハンドル10に触れると、操作ハンドル10内にあるタッチセンサ10a(図4参照)が、操作ハンドル10に遊技者が触れたことを検知し、発射制御基板56(図4参照)にタッチ信号を送信する。発射制御基板56は、タッチセンサ10aからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド10c(図4参照)の通電を許可する。そして、操作ハンドル10の回転角度を変化させると、操作ハンドル10に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム10bのつまみが回転する。この発射ボリューム10bの検出角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド10cに印加される。そして、発射用ソレノイド10cに電圧が印加されると、発射用ソレノイド10cが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル10の回動角度に応じた強さで、遊技領域26に向けて遊技球が発射される。
上記のようにして発射された遊技球は、レール21a,21b間を上昇して遊技盤17の上部位置に達した後、遊技領域22内を落下する。このとき、遊技領域22に設けられた複数の釘や風車23によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域22には、複数の一般入賞口24が設けられている。これら各一般入賞口24には、一般入賞口検出スイッチ24aが設けられており、この一般入賞口検出スイッチ24aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。なお、本実施形態では、必要に応じてスイッチを「SW」と表記する。
さらに、上記遊技領域22であって、後述する大入賞口28の上方には、普通図柄ゲート27が遊技球を通過可能に設けられている。普通図柄ゲート27には、遊技球の通過を検出するゲート検出スイッチ27aが設けられており、このゲート検出スイッチ27aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
また、上記遊技領域22の下部位置には、上記一般入賞口24と同様に、遊技球が入球可能な第1始動口25が設けられている。また、第1始動口25の真下には、第2始動口26が設けられている。第2始動口26は、図3に示すように、一対の可動片26bを有しており、これら一対の可動片26bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片26bが開状態となる第2の態様とに可動制御される(図3では、この第2の態様に可動制御されている状態を示している)。なお、第2始動口26が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口26の真上に位置する第1始動口25が障害物となって、遊技球の受入れを不可能または困難としている。一方で、第2始動口26が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片26bが受け皿として機能し、第2始動口26への遊技球の入球が容易となる。つまり、第2始動口26は、第1の態様にあるときには遊技球の入球機会がほとんどなく、第2の態様にあるときには遊技球の入球機会が増すこととなる。
なお、上記第1始動口25および第2始動口26には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチ25aおよび第2始動口検出スイッチ26aがそれぞれ設けられており、これら検出スイッチが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、検出スイッチ25a、26aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
そして、図2に示すように、上記普通図柄ゲート27のさらに下方には、大入賞口28が設けられている。この大入賞口28は、通常は大入賞口開閉扉28bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、大入賞口開閉扉28bが開放されるとともに、この大入賞口開閉扉28bが遊技球を大入賞口28内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞口28に入球可能となる。大入賞口28には大入賞口検出スイッチ28aが設けられており、この大入賞口検出スイッチ28aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。なお、大入賞口28、大入賞口検出スイッチ28a、大入賞口開閉扉28b、及び後述する大入賞口開閉ソレノイド28cを総じて大入賞口開閉装置ともいう。
上記大入賞口28のさらに下方、すなわち、遊技領域22の最下部には、一般入賞口24、第1始動口25、第2始動口26、および大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するための排出口29が設けられている。
また、上記遊技盤17には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。
具体的には、上記遊技領域22の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる液晶表示装置30が設けられており、この液晶表示装置30の上方には、演出用役物装置31が設けられている。さらに、遊技盤17の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置9(装飾ランプ9)が設けられている。
上記液晶表示装置30は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動口25または第2始動口26に遊技球が入球したときには、抽選結果を遊技者に報知する装飾図柄が変動表示される。装飾図柄というのは、例えば3つの数字をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、特定の図柄(数字)を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄によって、抽選結果が遊技者に報知される。この装飾図柄の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクター等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
上記演出用役物装置31は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。本実施形態においては、演出用役物装置31は、中央部に回転可能な風車部材31aが配設されたベルトを模擬している。演出に応じて風車部材が回転したり、ベルト全体が下降したりする。
そして、本実施形態においては、上皿ユニット11の近傍に遊技者が押圧操作可能なチャンスボタン装置(遊技機用ボタン装置)100が設けられている。このチャンスボタン装置100は、例えば、上記液晶表示装置30または当該チャンスボタン装置100の操作部301bに当該チャンスボタン装置100を操作するようなメッセージが表示されたときに押下された操作を有効とするものである。チャンスボタン装置100には、チャンスボタン検出スイッチとしてフォトセンサ312が設けられており、このフォトセンサ312が遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
そして、遊技領域22の下方には、第1特別図柄表示装置40、第2特別図柄表示装置41、普通図柄表示装置42、第1保留表示器43、第2保留表示器44、普通図柄保留表示器45、高確率状態表示器46及び時短状態表示器47が設けられている。
上記特別図柄表示装置40,41は、始動口25,26に遊技球が入球することを条件に行われる大当たり抽選の抽選結果を表示するためのものである。つまり、大当たり抽選の抽選結果に対応する特別図柄が複数設定されており、これらの特別図柄表示装置40,41に大当たり抽選の抽選結果に対応する特別図柄を停止表示することによって、抽選結果が遊技者に報知される。特別図柄表示装置40,41は、例えばそれぞれ複数のLEDで構成されており、大当たりに当選した場合には特定の複数のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはそれに対応した特定のLEDが1つ点灯する。このようにして点灯することによって表される模様が特別図柄となるが、この特別図柄は、所定時間変動表示された後に、停止表示される。言い換えれば、特別図柄の変動表示が行われると必ず特別図柄の停止表示が行われ、大当たり抽選の抽選結果が報知される。また、本実施形態では、第1特別図柄表示装置40および第2特別図柄表示装置41における特別図柄の表示態様は同一のものとはしていない。すなわち、同じ種類の大当たりであっても、第1特別図柄表示装置40における特別図柄の表示態様と、第2特別図柄表示装置41における特別図柄の表示態様は異なるものとなる。このようにすると、遊技者が特別図柄表示装置40,41のいずれか一方の特別図柄の表示態様を覚えたとしても、他方の表示態様からは大当たり等の種類を把握することができないため、特別図柄の表示態様を分かりにくくできるという効果が得られる。なお、ハズレの場合にも複数のLEDを点灯させるものとすれば、ハズレか大当たりかを見極めにくくすることも可能となる。
普通図柄表示装置42は、普通図柄ゲート27を遊技球が通過したことを契機として行われる当たりの抽選の抽選結果を報知するためのものである。この当たりの抽選に当選すると左右2つのLEDで構成された普通図柄表示装置42のうち図中における左のLEDが点灯し、その後、上記第2始動口26が所定時間、第2の態様に制御される(なお、図中における右のLEDが点灯した場合にはハズレとなり、第2始動口26は、第2の態様に制御されない)。
なお、この普通図柄についても、普通図柄ゲート27を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置42を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。すなわち、所定時間が経過するまで普通図柄表示装置42は点滅する。この普通図柄表示装置42の点滅が普通図柄の変動表示を構成し、普通図柄表示装置42の点灯が、当たりの抽選の抽選結果に対応する普通図柄の停止表示を構成する。
ところで、特別図柄の変動表示中や大入賞口開閉装置が作動する特別遊技中に、始動口25,26に遊技球が入球しても、即座に特別図柄の変動表示が行われて特賞抽選の抽選結果が報知されない場合には、一定条件下で特別図柄の変動表示(特賞抽選の抽選結果の報知)が保留される。より詳細には、第1始動口25に遊技球が入球して留保される特別図柄の変動表示の権利は第1保留(U1)として留保され、第2始動口26に遊技球が入球して留保される特別図柄の変動表示の権利は第2保留(U2)として留保される。
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1保留表示器43と第2保留表示器44とに表示される。なお、第1保留(U1)が1つの場合には、第1保留表示器43の左側のLEDが点灯し、第1保留(U1)が2つの場合には、第1保留表示器43の左側、真ん中の2つのLEDが点灯する。また、第1保留(U1)が3つの場合には、第1保留表示器43の左側、真ん中、右側の3つのLED全てが点灯し、第1保留(U1)が4つの場合には、第1保留表示器43の3つのLED全てが点滅する。また、第2保留表示器44においても、上記と同様に第2保留(U2)の留保個数が表示される。
一方、普通図柄の変動表示についても同様に、上限留保個数が4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示器43および第2特別図柄保留表示器44と同様の態様によって、普通図柄保留表示器45において表示される。
高確率状態表示器46はLEDで構成されており、モーニング(電源復旧時)において当該電源切断前に後述する高確率状態であることを条件に点灯する。一方、時短状態表示器47もLEDで構成されているが、こちらはモーニング時に限らず電源が投入されていれば時短状態であることを条件に点灯する。
また、遊技盤保持枠6において、遊技盤17の固定位置の下方には、音声出力装置19(低音スピーカ19)や、操作ハンドル10の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射する発射装置20等が固定されている。また、遊技盤17の背面には遊技の進行を制御するさまざまな制御基板が固定されている。
図4は、遊技機1の制御基板(制御手段)の構成について示した図である。遊技機1は、主制御基板51、演出制御基板52、払出制御基板53、ランプ制御基板54、画像制御基板55、発射制御基板56、及び電源基板57から構成されている。
主制御基板51は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板51は、メインCPU51a、メインROM51b、メインRAM51cを備えている。メインCPU51aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM51bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM51cは、メインCPU51aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板51の入力側には、一般入賞口検出スイッチ24a、ゲート検出スイッチ27a、第1始動口検出スイッチ25a、第2始動口検出スイッチ26a、及び大入賞口検出スイッチ28aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板51に入力するようにしている。
また、主制御基板51の出力側には、第2始動口26の一対の可動片26bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド26cと、大入賞口開閉扉28bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド28cとが接続されるとともに、図柄表示装置を構成する第1特別図柄表示装置40と第2特別図柄表示装置41と普通図柄表示装置42と、保留表示装置を構成する第1保留表示器43と第2保留表示器44と普通図柄保留表示器45と、状態表示装置を構成する高確率状態表示器46及び時短状態表示器47とが接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
主制御基板51のメインROM51bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。また、主制御基板51のメインRAM51cには、複数の記憶領域が設けられている。
また、メインRAM51cは、その一部または全部が電源基板57において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMを構成している。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、メインRAM51cのデータの内容は保存される。なお、バックアップ電源を有さずに、メインRAM51cをフラッシュメモリ等で構成してもよい。
さらに、主制御基板51には、メインRAM51cのデータの内容をクリアすることを指示するためのRAMクリアスイッチ51dが直接搭載されている。また、主制御基板51には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)51eが搭載されている。メインCPU51aは、RTC51eから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時にもとづいて各種処理を実行する。RTC51eは、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源によって動作し、遊技機の電源が切られているときには、電源基板57に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。従って、RTC51eは、遊技機の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。
なお、RTC51eは、主制御基板51上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。また、RTC51eを設けずに、バックアップRAMとしての機能を有するメインRAM51cに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば4ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時してもよい。
電源基板57は、電源プラグ14から供給される電力を管理するとともに、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板51及び演出制御基板52に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU51aおよびサブCPU52aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU51a及びサブCPU52aは動作停止状態になる。
演出制御基板52は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板52は、サブCPU52a、サブROM52b、サブRAM52cを備えており、主制御基板51に対して、当該主制御基板51から演出制御基板52への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU52aは、主制御基板51から送信されたコマンド、チャンスボタン装置100のフォトセンサ312からの入力信号、または、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM52bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板54または画像制御基板55に送信する。サブRAM52cは、サブCPU52aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板52のサブROM52bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板51から受信したコマンドに基づいて演出モードを決定するための演出モード決定テーブル(図示しない)等がサブROM52bに記憶されている。
また、演出制御基板52のサブRAM52cには、複数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板53は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板53は、払出CPU53a、払出ROM53b、払出RAM53cを備えており、主制御基板51に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU53aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ32、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROM53bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板51に送信する。また、払出制御基板53の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための払出モータ33(賞球払出装置)が接続されている。払出CPU53aは、主制御基板51から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROM53bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出モータ33を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM53cは、払出CPU53aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板53に接続されているか確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板56に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
発射制御基板56は、払出制御基板53から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ10aからのタッチ信号および発射ボリューム10bからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド10cを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド10cに印加するパルス電圧の回数は、発射制御基板56に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射用ソレノイド10cにパルス電圧が1回印加される毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。
なお、本実施形態では、タッチセンサ10aからのタッチセンサ信号は、発射制御基板56が払出制御基板53と主制御基板51とを介して、演出制御基板52に送信されるようになっている。
ランプ制御基板54は、演出用照明装置9(装飾ランプ9)を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用役物装置31を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。さらに、ランプ制御基板54は、チャンスボタン装置100のソレノイド202及びモータ207を通電制御する。このランプ制御基板54は、演出制御基板52に接続されており、演出制御基板52から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板55は、液晶表示装置30、チャンスボタン装置100の液晶表示装置501、および音声出力装置18,19と接続されており、演出制御基板52から送信された各種のコマンドに基づいて、液晶表示装置30,501における画像の表示制御、音声出力装置18,19における音声の出力制御を行う。
(画像制御基板のブロック図)
次に、図5の画像制御基板55のブロック図を用いて、画像表示制御について説明する。
画像制御基板55は、液晶表示装置30,501の画像表示制御を行うためホストCPU55a、ホストRAM55b、ホストROM55c、CGROM401、水晶発振器402、VRAM403、VDP(Video Display Processor)400と、音制御回路404とを備えている。
ホストCPU55aは、演出制御基板52から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、VDP400にCGROM401に記憶されている画像データを液晶表示装置30,501に表示させる指示を行う。かかる指示は、VDP400における制御レジスタ411におけるデータの設定、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストの出力によって行われる。
また、ホストCPU55aは、VDP400からVブランク割込信号や描画終了信号を受信すると、適宜割り込み処理を行う。
さらに、ホストCPU55aは、音声制御回路404にも、演出制御基板52から受信した演出パターン指定コマンドに基づいて、所定の音声データを音声出力装置18,19に出力させる指示を行う。
ホストRAM55bは、ホストCPU55aに内蔵されており、ホストCPU55aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、ホストROM55cから読み出されたデータを一時的に記憶するものである。また、ホストRAM55bの記憶領域には、演出タイマカウンタ等の各種のタイマカウンタが設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
また、ホストROM55cは、マスクROMで構成されており、ホストCPU55aの制御処理のプログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、演出パターンのアニメーションを表示するためのアニメパターン、アニメシーン情報等が記憶されている。
このアニメパターンは、演出パターンのアニメーションを表示するにあたり参照され、その演出パターンに含まれるアニメシーン情報の組み合わせや各アニメシーン情報の表示順序等を記憶している。また、アニメシーン情報には、ウェイトフレーム(表示時間)、対象データ(スプライトの識別番号、転送元アドレス等)、パラメータ(スプライトの表示位置、転送先アドレス等)、描画方法等などの情報を記憶している。
CGROM401は、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば、32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなる画像データ(スプライト、ムービー)等を圧縮して記憶している。なお、前記画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。
さらに、CGROM401には、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータを圧縮せずに記憶している。
なお、CGROM401は、全ての画像データを圧縮せずとも、一部のみ圧縮している構成でもよい。また、ムービーの圧縮方式としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
水晶発振器402は、パルス信号をVDP400(クロック生成回路415)に出力し、このパルス信号を分周することで、クロック生成回路415にてVDP400が制御を行うためのシステムクロック、液晶表示装置30、501と同期を図るための同期信号等が生成される。
VRAM403は、画像データの書込みまたは読み出しが高速なSRAMで構成されている。
また、VRAM403は、ホストCPU55aから出力されたメインの液晶表示装置30用(以下メイン用と呼ぶ)のディスプレイリストを一時的に記憶するメイン用ディスプレイリスト記憶領域403a1と、伸長回路416により伸長されたメイン用の画像データを記憶するメイン用展開記憶領域403b1と、メイン用の画像を描画または表示するためのメイン用第1フレームバッファ403c1、メイン用第2フレームバッファ403d1とを有している。また、VRAM403には、パレットデータも記憶される。
なお、この2つのフレームバッファは、描画の開始毎に、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とに交互に切り替わるものである。
また、VRAM403は、ホストCPU55aから出力されたチャンスボタン装置100の液晶表示装置501用(以下チャンスボタン用と呼ぶ)のディスプレイリストを一時的に記憶するチャンスボタン用ディスプレイリスト記憶領域403a2と、伸長回路416により伸長されたチャンスボタン用の画像データを記憶するチャンスボタン用展開記憶領域403b2と、チャンスボタン用の画像を描画または表示するためのチャンスボタン用第1フレームバッファ403c2、チャンスボタン用第2フレームバッファ403d2とを有している。
VDP400は、いわゆる画像プロセッサであり、ホストCPU55aからの指示に基づいて、いずれかのフレームバッファ(表示用フレームバッファ)から画像データを読み出し、読み出した画像データに基づいて、映像信号(RGB信号等)を生成して、液晶表示装置30,501に出力するものである。
また、VDP400は、制御レジスタ411と、CGバス I/F412と、CPU I/F413と、クロック生成回路415と、伸長回路416と、描画回路417と、表示回路418と、メモリコントローラ419とを備えている。
制御レジスタ411は、VDP400が描画や表示の制御を行うためレジスタであり、制御レジスタ411に対するデータの書き込みと読み出しで、描画の制御や表示の制御が行われる。ホストCPU55aは、CPU I/F413を介して、制御レジスタ411に対するデータの書き込みと読み出しを行うことができる。
この制御レジスタ411は、VDPが動作するために必要な基本的な設定を行うシステム制御レジスタ、データの転送に必要な設定をするデータ転送レジスタ、描画の制御をするための設定をする描画レジスタ、バスのアクセスに必要な設定をするバスインターフェースレジスタ、圧縮された画像の伸長に必要な設定をする伸長レジスタ、表示の制御をするための設定をする表示レジスタ等の複数種類のレジスタを備えている。
CGバス I/F412は、CGROM401との通信用のインターフェース回路であり、CGバス I/F412を介して、CGROM401からの画像データがVDP400に入力される。
また、CPU I/F413は、ホストCPU55aとの通信用のインターフェース回路であり、CPU I/F413を介して、ホストCPU55aがVDP400にディスプレイリストを出力したり、制御レジスタにアクセスしたり、VDP400からの各種の割込信号をホストCPU55aが入力したりする。
データ転送回路414は、各種デバイス間のデータ転送を行う。
具体的には、ホストCPU55aとVRAM403とのデータ転送、CGROM401とVRAM403とのデータ転送、VRAM403の各種記憶領域(フレームバッファも含む)の相互間のデータ転送を行う。
クロック生成回路415は、水晶発振器402よりパルス信号を入力し、VDP400の演算処理速度を決定するシステムクロックを生成する。また、メイン用及びチャンスボタン用の同期信号生成用クロックを生成し、表示回路を介してメイン用及びチャンスボタン用の同期信号をそれぞれ液晶表示装置30,501に出力する。
伸長回路416は、CGROM401に圧縮された画像データを伸長するための回路であり、伸長した画像データをメイン用展開記憶領域403b1またはチャンスボタン用展開記憶領域403b2に記憶させる。
描画回路417は、描画制御コマンド群から構成されるディスプレイリストによるシーケンス制御を行う回路である。
表示回路418は、VRAM403にある「表示用フレームバッファ」に記憶された画像データ(デジタル信号)から、メイン用及びチャンスボタン用の映像信号として画像の色データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成し、生成したメイン用及びチャンスボタン用の映像信号(RGB信号)をそれぞれ液晶表示装置30,501に出力する回路である。さらに、表示回路418は、液晶表示装置30,501と同期を図るためのメイン用及びチャンスボタン用の同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)も液晶表示装置30,501に出力する。
なお、本実施形態では、映像信号として、デジタル信号をアナログ信号に変換したRGB信号を液晶表示装置30,501に出力するように構成したが、デジタル信号のまま映像信号を出力してもよい。
メモリコントローラ419は、ホストCPU55aからフレームバッファ切換えの指示があると、「描画用フレームバッファ」と「表示用フレームバッファ」とを切り替える制御を行うものである。
音制御回路404には、音声データが多数格納されている音声ROMが備えられており、音制御回路が、演出制御基板52から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置18,19における音声出力制御をする。
以下、本実施形態の特徴部分であるチャンスボタン装置100(遊技機用ボタン装置)の構造について、図6〜図30を参照しながら説明する。
図6及び図7は、上皿ユニット11から取り外したチャンスボタン装置100を示す斜視図である。
チャンスボタン装置100は、上ケース101、下ケース102により、後述する駆動部200やボタン部300が収納されている。また、チャンスボタン装置100は、所定の契機によりボタン部300が上昇移動したり、下降移動したりすることが可能となっている。所定の契機とは、例えば、大当たりの抽選において特定の抽選結果が得られたときや、特定の演出が液晶表示装置30において行われるときなどを指し、これらのときにボタン部300が上昇/下降移動することにより、演出効果を一層向上させることができるものである。
図6は、ボタン部300が僅かに突出した状態となっている様子を示すものである。通常時、ボタン部300は図示するようにわずかに突出した状態となっている。このため、遊技者等にはボタン部300が一般的な押しボタン(ボタン部300自体が上昇したり下降したりすることのないもの)であるという印象のみを与えるものとしている。
なお、この図6において示す「ボタン部300が僅かに突出した状態」が「遊技機1から引き込んだ位置」に相当する。
つまり、図6に示す通り、「ボタン部300が僅かに突出した状態」とは、ボタン部300の先端表面部である頂部(図中「SU」)が上ケース101よりも外側に僅かに突出した状態であり、換言すると、ボタン部300の殆どの部分が上ケース101の内部に収納された状態を意味し、この僅かな突出により、操作者による押下操作が可能となるのである。
図7は、ボタン部300が上昇移動し、ボタン部300が大きく突出した状態となっている様子を示すものである。この状態は、図6に示した状態に比べて、ボタン部300が大きく上方向に突出した状態(図示のように距離Sだけ上方向に突出している)となっている。このようにボタン部300を大きく突出させることにより、演出面において遊技者に十分なアピールをすることができる。
なお、この図7において示す「ボタン部300が大きく突出した状態」が「遊技機1から突出した位置」に相当する。
また、上記の「距離S」について、特定の距離に限定することなく、ボタン部300が大きく突出した状態における頂部「SU」の位置について、図6に示した「ボタン部300が僅かに突出した状態」における頂部「SU」の位置よりも外側に移動される状態であるかぎり、演出内容等と連動して、その都度変更してもよい。
図8は、チャンスボタン装置100の分解斜視図である。
図8において、ボタン部300(図6及び図7参照)は、プラスチック等の透光性を有する素材からなるボタン操作部材301、このボタン操作部材301内に収納される部品取り付け部材302、液晶表示装置501、遮光部材502及び投射レンズ503、頭頂部304aを有する円筒押圧フレーム304、円筒押圧フレーム304が固定される内側円筒フレーム305、駆動部200からの動力によりボタン部300を上昇/下降移動させる上下駆動フレーム307、上下駆動フレーム307の円筒部307Aに挿入されるセンタースプリング308、アシストスプリング313の弾性力を受けて上下駆動フレーム等を押し上げるプッシュホルダ309、該プッシュホルダ309に収納されるとともにシャフト314のガイドとして機能する長シャフトブッシュ310、該プッシュホルダ309に収納されるとともにシャフト315のガイドとして機能する短シャフトブッシュ311、内側円筒フレーム305に設けられた後述する突起部305b(図14参照)を検知するフォトセンサ312、ボタン部300を上昇移動させるときに付勢力を与えるアシストスプリング313、シャフト314,315、該シャフト314,315を固定するシャフト固定板316とから構成されている。なお、これらの部材は適宜ビス、ネジ等によってそれぞれ固定されるが、このビス、ネジ等についての説明は省略する。
なお、以下では、ボタン操作部材301、部品取り付け部材302、液晶表示装置501、遮光部材502及び投射レンズユニット503をボタン体303という。
ボタン操作部材301は、円筒部301aと、円筒部301aの上端を閉塞する平面形状の操作部301bと、円筒部301aの下端の外周に形成されたフランジ部301cとを透明性の素材(例えば透明樹脂)で一対形成したものである。操作部301bの外側面は、遊技者の指により押圧される操作面301dとなり、操作部301bの内側面は、複数のマイクロレンズが形成されたスクリーン面301eになっている。
部品取り付け部材302は、円筒部302aと、円筒部302aの上端を閉塞する平面形状の部品取り付け部302bと、円筒部302aの下端の外周に形成されたフランジ部302cとを樹脂(透明または不透明)で一対形成したものである。部品取り付け部302bには、ネジ螺入孔によるネジ止め部302d,302eと、ハーネス挿通孔513fとが形成されている。
部品取り付け部302bのネジ止め部302d,302eには、液晶表示装置501、遮光部材502及び投射レンズ503が下から順に重ねてネジ止めされている。部品取り付け部302bのハーネス挿通孔513fには、液晶表示装置501のハーネス513が挿通されるようになっている。
ハーネス513は、内側円筒フレーム305のハーネス挿通孔305f、上下駆動フレーム307のハーネス挿通孔307f、下ケース102のハーネス挿通孔102fを介してチャンスボタン装置100の外側に延出するようになっている。
部品取り付け部材302の円筒部302aは、外径がボタン操作部材301の円筒部301a内径と同寸法に形成され、全長がボタン操作部材301の円筒部301aの約40%になっている。
部品取り付け部材302は、部品取り付け部302bに液晶表示装置501、遮光部材502及び投射レンズユニット503をネジ止めした状態で部品取り付け部302b側からボタン操作部材301の円筒部302aの下側の開放部に挿入され、フランジ部302cがボタン操作部材301のフランジ部301cネジ止め固定されるようになっている。フランジ部302cは、内側円筒フレーム305にネジ止め固定される。
次に、チャンスボタン装置100におけるボタン体303の位置関係及び内部構造について図9を用いて説明する。
図9はボタン部300が最下部にあるときのチャンスボタン装置100の断面図である。
図9においては、駆動部200等、ボタン部300の上下動のための制御機構の図示を省略する。
図9において、液晶表示装置501は、液晶表示パネル511とバックライト512から構成されている。バックライト512は、内部に複数の白色発光ダイオード512aを有し、上面に拡散板512bを有し、白色発光ダイオード512aからの光を拡散板512bで拡散して液晶表示パネル511の画面511aの裏側に導くようになっている。液晶表示パネル511の画面511aは、画素毎に制御された透過率でバックライト512からの光が透過することで、当該画面511aを発光させ画像を表示するようになっている。液晶表示パネル511の画面511aの外周に配置する枠部511bには、液晶を駆動するための各種端子や配線が収納されている。液晶表示パネル511の枠部511bには、ネジ504,504によりネジ止め部302d,302eにネジ止めするためのネジ挿通孔511d,511eが形成されている。バックライト512の枠部512cには、ネジ504,504によりネジ止め部302d,302eにネジ止めするためのネジ挿通孔512d,512eが形成されている。液晶表示パネル511とバックライト512は、ハーネス513(図8参照)を介して画像制御基板55(図5参照)に接続され、駆動されるようになっている。
遮光部材502は、下方に向かって拡開形状に形成された拡開形状部502aとネジ504,504によりネジ止め部302d,302eにネジ止めするためのネジ取り付け部502d,502eを一体形成したものである。
拡開形状部502aは、投射レンズユニット503と液晶表示装置501の間に介挿され、投射レンズユニット503と液晶表示装置501の間から光が漏れるのを防止するとともに、液晶表示装置501に対する投射レンズユニット503の位置を一定にしている。投射レンズユニット503は、鏡筒503aの内側に複数のレンズを組合せた投射レンズ503bを有し、鏡筒503aの外周にネジ504,504によりネジ止め部302d,302eにネジ止めするためのネジ取り付け部503d,503eを一体形成したものである。
投射レンズ503bは、液晶表示装置501の表示面(画面511a)に表示される画像の光を前記ボタン操作部材301の前記スクリーン面301eに投射光L1として投射して当該スクリーン面301eに画像を表示する。
円筒押圧フレーム304は、内側円筒フレーム305と嵌合して円筒フレーム306を構成する。また、上下駆動フレーム307は、長孔350を有しており、ここにスライダ205(図16参照)がスライド移動自在に貫入される(詳細は後述する)。
次に、ボタン部300の移動制御のための移動力が駆動部200から伝達されたときにおける当該ボタン操作部材301および部品取り付け部材302の各々の動作と、位置関係について、図9に加えて図10乃至図12を用いて説明する。
図10はボタン部300が最下部にありボタン体303に押下力が加えられたときのチャンスボタン装置100の断面図である。図11はボタン部300が最上部にあるときのチャンスボタン装置100の断面図である。図12はボタン部300が最上部にありボタン体303に押下力が加えられたときのチャンスボタン装置100の断面図である。
なお、図10乃至図12においては、駆動部200等、ボタン部300の上下動のための制御機構の図示を省略する。
ここで、図9は、図6において示した「ボタン部300が僅かに突出した状態」について示している。
図9に示す通り、不図示の駆動源から下方向への移動力がボタン部300の上下駆動フレーム307に伝達されたことにより、当該ボタン部300の下方向への移動が行われている。この状態では、ボタン体303のボタン操作部材301の操作部301bに押下力が加えられておらず、ボタン体303と円筒フレーム306は、センタースプリング308の付勢力により上下駆動フレーム307に対して最も上方に移動した位置にある。この状態では、フォトセンサ312(図14参照)は内側円筒フレーム305に設けられた後述する突起部305b(図14参照)を検知しない。
図9の状態から図10に示すように、遊技者が指600で操作部301bに押下力を加えた場合、ボタン体303と円筒フレーム306は、センタースプリング308の付勢力に逆らって上下駆動フレーム307に対して最も下方に移動した位置に移動する。フォトセンサ312(図14参照)は内側円筒フレーム305に設けられた後述する突起部305b(図14参照)を検知する。
次に、駆動源200から上方向への移動力がボタン部300の上下駆動フレーム307に伝達されたことにより、当該ボタン部300の上方向への移動が行われ、当該ボタン部300が最も上方に移動した位置に来た場合には、図11に示す状態になる。図11の状態では、図7において示した「ボタン部300が大きく突出した状態」にとなる。また、図11の状態では、ボタン体303のボタン操作部材301の操作部301bに押下力が加えられておらず、ボタン体303と円筒フレーム306は、センタースプリング308の付勢力により上下駆動フレーム307に対して最も上方に移動した位置にある。この状態では、フォトセンサ312(図14参照)は内側円筒フレーム305に設けられた後述する突起部305b(図14参照)を検知しない。
図11の状態から図12に示すように、遊技者が指600で操作部301bに押下力を加えた場合、上下駆動フレーム307は移動せず、ボタン体303と円筒フレーム306は、センタースプリング308の付勢力に逆らって上下駆動フレーム307に対して最も下方に移動した位置に移動する。これによりフォトセンサ312(図14参照)は内側円筒フレーム305に設けられた後述する突起部305b(図14参照)を検知する。
図13及び図14は、ボタン体303に押下力が加えられたとき(ボタン体303が遊技者等により押下されたとき)に主に動作する部材について説明する斜視図及び側面図である。また、図15は、上記部材の断面図である。
図13及び図14に示すように、円筒押圧フレーム304は、内側円筒フレーム305と嵌合して円筒フレーム306を構成する。また、上下駆動フレーム307は、長孔350を有しており、ここにスライダ205(図16参照)がスライド移動自在に貫入される(詳細は後述する)。
上記図8で示したように、内側円筒フレーム305の中央部分には、円筒フレーム306と上下駆動フレーム307が係合したときに、上下駆動フレーム307の円筒部307Aが遊挿される空洞305aが設けられている。図15において、この円筒部307Aには、円筒口307Amからセンタースプリング308が挿入されるとともに、円筒押圧フレーム304の内部に形成された軸筒304b(後述する)も挿入可能に設けられている。また、円筒部307Aには、円筒底307Abが形成されており、円筒口307Amから挿入されたセンタースプリング308は、円筒底307Abにて係止される。言い換えれば、円筒口307Amから挿入されたセンタースプリング308が円筒307Ab側から脱落しないように円筒底307Abが設けられている。
円筒押圧フレーム304は、頭頂部304aにより円筒形状の一方が塞がれており、この頭頂部304aの裏側(つまり円筒内部)には軸筒304bが設けられている。この軸筒304bは、円筒フレーム306が上下駆動フレーム307と係合したときに、該上下駆動フレーム307の円筒部307A内を摺動可能に係合される。また、軸筒304bの径はセンタースプリング308の径に比して大きくされており、軸筒304bが円筒底307Ab方向に円筒部307A内を摺動するときには、この軸筒304bによりセンタースプリング308が押圧されることとなる。このとき、押圧されたセンタースプリング308の弾性力により、軸筒304bには、センタースプリング308からの押し返しの力が作用することとなる。すなわち、ボタン体303が押下されると、その押圧力は円筒フレーム306の頭頂部304a及び軸筒304bからセンタースプリング308に伝達される。そして、押下されたボタン体303には、押下前の状態に戻そうとするセンタースプリング308からの付勢力(上記押圧力の反作用による力)が働くこととなる。
内側円筒フレーム305は、図14において図中ST1(例えば、10mm)で示す間隔を持って上下駆動フレーム307に係合される。具体的には、内側円筒フレーム305のフランジ面UXと上下駆動フレーム307のフランジ面DXとの間に上記ST1の距離を保つように内側円筒フレーム305と上下駆動フレーム307が係合される。すなわち、円筒フレーム306(内側円筒フレーム305)は、ST1の距離だけ上下駆動フレーム307に下降移動が可能に係合されることとなる。この円筒フレーム306が下降移動可能な距離ST1を押下許容距離(詳細は後述する)という。
また、内側円筒フレーム305には、突起部305b及び複数のボス状突起305cが形成されている。そして、上下駆動フレーム307には、この突起部305bにより受光発光素子間が遮蔽可能となる位置にフォトセンサ312(透過型フォトセンサ)が取り付けられる。すなわち、内側円筒フレーム305がST1だけ下降移動したときに、この突起部305bも図12の矢印(点線)で示すようにST1だけ下降移動することとなるが、このST1だけ突起部305b(内側円筒フレーム305)が下降移動したときにフォトセンサ312において受光発光素子間が遮蔽される。これにより、ボタン部300がST1だけ押下されたことが検出されることとなる。
図16は、駆動部200の分解斜視図である。駆動部200は、前ギアフレーム201と、後ギアフレーム206と、該ギアフレーム201,206に収納される、各種ギア等(図17参照)、ソレノイド202、クランクアーム203及び該クランクアーム203の先端突起203aに嵌合するクランクブッシュ204と、該ギアフレーム201,206に収納された各種ギアの一つ(モータギア210)に連結されるモータ207と、該モータ207を保護(収納)するモータカバー208とから構成されている。なお、先端突起203aとクランクブッシュ204がスライダ205を構成する。
図17は、ギアフレーム201,206に収納される各種ギア等を説明する拡大図である。モータ207には、モータギア210が連結(直結)されており、モータ207の駆動による回転動力は、モータギア210から、中継ギア211、クランクギア212へと伝達される。クランクギア212には、クランクアーム203に固着されたクラッチ用シャフト222に介挿されているが、該シャフト222の回転方向には固定されていないため、該シャフト222の回転に伴って従動はしないものとなっている。
また、このクラッチ用シャフト222には、クラッチ受け220も介挿されているが、このクラッチ受け220はクラッチ用シャフト222の回転方向に固定されており、該シャフト222の回転に伴って従動して回転する。さらに、クラッチ受け220は、該シャフト222の軸方向(軸に対して前後する方向)には摺動可能となっており、常にはクラッチ用スプリング221に付勢されてクランクギア212を押圧した状態となっている。
クランクギア212には、クラッチ用シャフト222の軸方向にギザギザした鋸歯形状を成す歯型部212Aが形成されている。そして、クラッチ受け220には、この歯型部212Aと歯合可能な鋸歯形状を成す歯型部220Aが形成されており、クラッチ用スプリング221に付勢されたクラッチ受け220の歯型部220Aと、該歯型部212Aとが歯合した状態が常には保たれている。このように歯合された状態が保持されることにより、クランクギア212、クラッチ受け220及びクラッチ用シャフト222、並びにクランクアーム203が同期して回転することとなる。なお、歯型部220A、歯型部212Aについては、図29及び図30を用いて後述する。
クランクギア212の近傍には、クランクアーム203の回転角度を検出可能なフォトセンサ(下位置フォトセンサ213、上位置フォトセンサ214)が設けられている。このフォトセンサ213,214は、透過型フォトセンサであり、クランクアーム203に形成された遮蔽突起203bにより受光発光素子間が遮蔽可能となる位置に配されている。詳細は後述するが、各フォトセンサ213,214は、下位置フォトセンサ213に遮蔽突起203bが検知されるとボタン部300が最下部位置(ボタン部300が僅かに突出した状態となる位置のこと)となるように、また、上位置フォトセンサ214に遮蔽突起203bが検知されるとボタン部300が最上部位置(ボタン部300が大きく突出した状態となる位置のこと)となるように配されている。
また、モータ207の駆動による回転動力は、モータギア210から移動ロックギア215にも伝達されるが、この移動ロックギア215は回転軸が略上下方向に移動可能となっている(詳細は後述する)。そして、移動ロックギア215の回転軸215Aが下方向に移動したとき(つまり、移動ロックギア215が下方向に移動したとき)に、この移動ロックギア215の歯と噛合可能な位置にギアロック216が配されている。このギアロック216はプランジャー202aによりソレノイド202と連結されており、プランジャー202aがソレノイド202の作動(ソレノイド202が通電状態となること)により、該ソレノイド202本体側に引き付けられることに伴って、ギアロック216もソレノイド212本体側に引き付けられる。
ギアロック216は、ソレノイド202の非作動時(非通電状態)には、下方向に移動した移動ロックギア215と噛合する位置となるように配置されている。したがって、ソレノイド202の非作動時(非通電状態)には、移動ロックギア215の回転動力がギアロック216により規制される(これを「ロック状態」という)。
一方、ソレノイド202の作動時(通電状態)には、前述したように、ギアロック216がソレノイド202本体側に引き付けられることにより、下方向に移動した移動ロックギア215と噛合する位置から外れることとなる。したがって、ソレノイド202の作動時(通電状態)には、移動ロックギア215の回転動力がギアロック216により規制されない(これを「非ロック状態」という)。
なお、ロック状態にある移動ロックギア215がソレノイド202の作動により非ロック状態になることを、特に、「ロック状態が解除された」という。
次に、チャンスボタン装置100の動作について、図18〜図30を参照しながら説明する。
図18〜図20を用いて、ボタン部300が最下部位置にある状態から上昇移動を開始するときの動作について説明する。
図18に示すように、移動ロックギア215の回転軸215Aは、モータギア210の回転(図示ではAで示す矢印方向)によって、回転軸215Ad〜回転軸215Auの間で略上下移動可能となっている。
図19は、ボタン部300が最下部位置に静止しているときの様子を示している。図示のように、移動ロックギア215は、その自重により下方向に移動している。このとき、移動ロックギア215の回転軸215Aは下位置にある(このときの回転軸を回転軸215Adという)。すなわち、回転軸215Adを有する移動ロックギア215はギアロック216とロック状態になっている。
図20は、ボタン部300が最下部位置にある状態から上昇移動を開始するときの様子を示している。図示のように、モータギア210の回転(図中のA方向)に伴って、移動ロックギア215は図中X方向に上昇移動する。このとき、移動ロックギア215の回転軸215Aは上位置にある(このときの回転軸を回転軸215Auという)。また、回転軸215Auを有する移動ロックギア215はギアロック216と非ロック状態になっている。
次に、図21を用いて、ボタン部300が最下部位置から最上部位置に移動するときのクランクアーム203及び長孔350について説明する。
図21(a)は、ボタン部300が最下部位置から上昇移動を開始するときのクランクアーム203及び長孔350の位置関係を示している。ボタン部300が最下部位置から上昇移動を開始するときには、クランクギア212がM方向に回転するとともに、クランクアーム203もM方向に回転する。このとき、スライダ205は、長孔350内をR1方向にスライド移動するとともに、上下駆動フレーム307は図中Uで示す矢印方向に上昇移動する。
なお、最下部位置にあるときに長孔350内においてスライダ205の位置する点のことを最降下点(D)という。
図21(b)は、スライダ205が長孔350内をR1方向にさらにスライド移動して長孔350の右側端350aに到達したときの様子を示している。このとき、クランクアーム203はまだM方向に回転を続けているため、この右側端350aに到達したスライダ205は、次に長孔350内を左側端350bに向けて、図中L1方向にスライド移動する(図21(c))。
そして、長孔350内をL1方向にスライド移動したスライダ205は、図21(d)に示す位置まで移動すると停止する(すなわち、遮蔽突起203bが上位置フォトセンサ214により検知される位置に到達する)。
なお、最上部位置にあるときに長孔350内においてスライダ205の位置する点のことを最上昇点(H)という。
次に、図22〜図26を用いて、ボタン部300が最上部位置に到達するとき、及び最上部位置から下降移動を開始するときの移動ロックギア215の動作について説明する。
図22は、ボタン部300が最上部位置に到達する直前の駆動部200の様子を示している。すなわち、モータギア210はA方向に回転を続けており、このとき、移動ロックギア215は回転軸が回転軸215Auとなる位置に(図中X方向に)上昇移動した状態が保たれている。したがって、ギアロック216と移動ロックギア215との非ロック状態が保たれている。
図23は、ボタン部300が最上部位置に到達したときの駆動部200の様子を示している。すなわち、モータギア210の回転は停止し、移動ロックギア215はその自重により、回転軸215Aが回転軸215Adとなる位置(図中Y方向に)下降移動した状態となる。これにより、移動ロックギア215はギアロック216とロック状態になる。
図24は、ボタン部300が最上部位置から下降移動を開始するときの駆動部200の様子を示している。このときモータギア210は上昇移動時とは逆のB方向に回転をするため、クランクギア212及びクランクアーム203も上昇移動時のM方向とは反対の図中N方向に回転をすることとなる。そして、移動ロックギア215は図中W方向に回転をすることとなるが、このときの移動ロックギアの回転軸は回転軸215Adであるため、移動ロックギア215がギアロック216とロック状態となってしまうこととなる(図25参照)。このため、図25で示すロック状態を解除するため、ソレノイド202を通電状態にしてギアロック216と移動ロックギア215とを非ロック状態にする(図26参照)。
なお、本実施形態では、上記図22で説明したボタン部300が最下部位置から上昇移動を続けている間は、ソレノイド202を通電状態にする。これにより、例えば、移動ロックギア215として重量の大きいギアを用いたとしても、上昇移動中にその自重(移動ロックギア215の自重)により該ギア215が下位置に移動した(回転軸215Aが回転軸215Adになる)としてもギアロック216とロック状態にされてしまうことを回避できる。
次に、図27及び図28を用いて、ボタン部300が押下されたときの押下許容距離(以下「押下ストローク」という)について説明する。
図27は、ボタン部300が最下部位置にあるときの下ケース102(点線で示す)、円筒フレーム306及び上下駆動フレーム307の位置関係を示している。
すなわち、円筒フレーム306と上下駆動フレーム307とのあいだには、図9で説明したとおり、ST1で示す距離が保たれている。つまり、円筒フレーム306は、ST1だけ上下駆動フレーム307に向けて下降移動が可能となるが、下ケース102には、該下ケース102がボタン部300(特には円筒フレーム306)と係合したときに、円筒フレーム306の複数のボス状突起305cを受け入れ可能な受け穴102aが複数設けられている。この受け穴102aは、図示のように、下ケース102がボタン部300(特には円筒フレーム306)と係合したときに、ボス状突起305cの先端面BXと受け穴102aの底面TXとの間にST2で示す距離が保たれるようにその穴が穿設されている。
また、このST2で示す距離(例えば、3mm)は、ST1で示す距離(例えば、10mm)に比べて小さく設定されている。これにより、円筒フレーム306がST2だけ下降移動すると、ボス状突起305cの先端面BXが受け穴102aの底面TXに接触するため、それ以上の下降移動が不可能となる。すなわち、ボタン部300が最下部位置にあるときの押下ストロークはST2ということになる。
一方、図28は、ボタン部300が最上部位置にあるときの下ケース102(点線で示す)、円筒フレーム306及び上下駆動フレーム307の位置関係を示している。
すなわち、複数のボス状突起305cは、これを受け入れ可能な受け穴102aとは離れて位置することとなるため、[ST2<ST1]という関係が成立しない。このため、円筒フレーム306と上下駆動フレーム307とのあいだには、図9で説明したとおり、ST1で示す距離が保たれているのみである。したがって、円筒フレーム306はST1だけ下降移動することが可能となる。すなわち、ボタン部300が最上部位置にあるときの押下ストロークはST1ということになる。
次に、図29及び図30を用いて、ボタン部300が最上部位置にあるときに、押下ストロークを超える押下力が加えられた場合の駆動部200の動作について説明する。
図29は、ボタン部300が最上部位置にあるときのクランクギア212及びクラッチ受け220の状態を示している。図示するように、クラッチ受け220には、クラッチ用スプリング221からの付勢力が働くため、クラッチ受け220の歯型部220Aは、クランクギア212の歯型部212Aと歯合した状態となっている。
ところが、図30に示すように、押下ストロークST1を超える押圧力F(図中において白抜き矢印で示す)が加えられると、ボタン部300にはそれ以上の下降移動をする押下ストロークの余裕がなくなるため、クランクアーム203を介してクランクギア212にこの押圧力Fによる回転動力(図中のIで示す矢印方向の力)が働くことになる。すなわち、駆動部200が作動していないにも関わらず、クランクギア212が図中のI方向に回転する動力が加えられる。しかしながら、このとき移動ロックギア215はギアロック216とロック状態にあり、中継ギア211及びモータギア210も回転不可能な状態にある。このため、クランクギア212に図中のI方向への回転動力が加えられると、これに従動して他のギア211〜215にも回転動力が伝達されることになる。すなわち、ギア211〜215に対して無理な力(過負荷)が加えられることとなり、ギア212〜215の損傷(歯が破損したり、ギアの軸がずれたりすること)を招いてしまう虞がある。
このような事態を回避するために、本実施形態では、クランクギア212に歯型部212Aを設け、この歯型部212Aと歯合する歯型部220Aを有するクラッチ受け220を設けたのである。この歯型部212A,220Aは図示するように、ギザギザ形状(のこぎり歯のような刻み目)であり、互いに噛み合う形状を成している。
したがって、図29に示すように、通常ではクラッチ用スプリング221からクラッチ受け220がP方向に付勢されているため、付勢されたクラッチ受け220の歯型部220Aがクランクギア212の歯型部212Aと噛み合うことになる。
一方で、図30に示すような、押圧力Fが加えられたときには、クランクアーム203及びクラッチ受け220には図中のI方向への回転動力が加わることとなるが、このときクランクギア212には、その他のギア210,211,215がロック状態にあることから、図中のKで示す矢印方向への力が発生する。すると、クラッチ受け220の歯型部220Aは、クランクギア212Aの歯型部212Aのギザギザ形状の歯合面を沿って、歯型部212Aとの歯合する位置から離れた状態にズレながらI方向に回転移動することになる。したがって、図示するように、クラッチ受け220とクランクギア212とが歯合した状態が一時的に解除されることとなる(以下、この解除された状態を「非歯合状態」という)。つまり、この非歯合状態においては、クラッチ受け220には図中のLで示す矢印方向への付勢力がクランクギア212(及び歯型部212A)から働くこととなる。
そして、この非歯合状態において、クランクアーム203及びクラッチ受け220がI方向に若干回転すると、クラッチ用スプリング221に付勢されたクラッチ受け220がP方向に押し出されるとともに、歯型部220Aが再び歯型部212Aと歯合することとなる。
ここで、「若干回転すると」としたのは、歯型部212Aの1ピッチ分だけクラッチ受け220が回転移動すれば、互いの歯型部212A,220Aが次に歯合が可能な位置となるため、常にP方向に付勢されているクラッチ受け220は歯合が可能な位置にて再び歯合することとなる。
すなわち、押圧力Fが短期的に加えられたようなとき(一瞬だけ強い力が加えられたような場合)には、上記のように1ピッチずれることだけで押圧力Fによるギア210〜215への過負荷を軽減することができる。
また、押圧力Fが長期的に加えられ続けるような時(強い力で押し続けられているような場合)には、上記のような1ピッチずれを何度も繰り返しながら、押圧力Fによるギア210〜215への過負荷を軽減することができる。
図31を用いて、演出制御基板52のメイン処理を説明する。
ステップS1000において、サブCPU52aは、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU52aは、電源投入に応じて、サブROM52bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM52cに記憶されるフラグなどを初期化し、設定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1100に処理を移す。
ステップS1100において、サブCPU52aは、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU52aは、サブRAM52cに記憶される乱数(演出用乱数値1、演出用乱数値2、演出図柄決定用乱数値、演出モード決定用乱数値等)を更新する処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、上記ステップS1100の処理を繰り返し行う。
(演出制御基板のタイマ割込処理)
図32を用いて、演出制御基板52のタイマ割込処理を説明する。
図示はしないが、演出制御基板52に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒)毎にクロックパルスが発生され、タイマ割込処理プログラムを読み込み、演出制御基板のタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS1400において、サブCPU52aは、サブCPU52aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS1500において、サブCPU52aは、演出制御基板52で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
ステップS1600において、サブCPU52aは、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU52aは、サブRAM52cの受信バッファに格納されているコマンドを解析する処理を行う。コマンド解析処理の具体的な説明は、図22および図23を用いて後述する。なお、演出制御基板52は、主制御基板110から送信されたコマンドを受信すると、図示しない演出制御基板52のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS1600において受信したコマンドの解析処理が行われる。
ステップS1700において、サブCPU52aは、演出ボタン検出スイッチであるフォトセンサ312の信号のチェックを行い、チャンスボタン装置100に関する演出入力制御処理を行う。
ステップS1800において、サブCPU52aは、サブRAM52cの送信バッファにセットされている各種のコマンドをランプ制御基板54や画像制御基板55へ送信するデータ出力処理を行う。
ステップS1900において、サブCPU52aは、ステップS1810で退避した情報をサブCPU52aのレジスタに復帰させる。
図33を用いて、画像制御基板55のメイン処理を説明する。
電源基板170により電源が供給されると、ホストCPU55aにシステムリセットが発生し、ホストCPU55aは、以下のメイン処理を行う。
ステップS2010において、ホストCPU55aは、初期化処理を行う。この処理において、ホストCPU55aは、電源投入に応じて、ホストROM55cからメイン処理プログラムを読み込むとともに、ホストCPU55aの各種モジュールやVDP(Video Display Processor)400の初期設定を指示する。
ここで、ホストCPU55aは、VDP400の初期設定の指示として、
(1)表示回路418に映像信号を作成して出力させることを指示するため、映像信号作成の指示をしたり(表示レジスタの0bit目に1をセットしたり)、
(2)伸長回路416に使用頻度の高い画像データ(演出図柄36等の画像データ、押せ(図37参照)の画像データ等)をVRAM403のメイン用展開記憶領域403b1またはチャンスボタン用展開記憶領域403b2に伸長させて展開させるために、伸長レジスタに所定の初期値データをセットしたり、
(3)描画回路417に初期値画像データ(「電源投入中」という文字画像等)を描画させるため、初期値ディスプレイリストを出力したりする。
ステップS2020において、ホストCPU55aは、描画実行開始処理を行う。この処理において、既に出力したディスプレイリストに対する描画の実行をVDP400に指示するため、描画レジスタに描画実行開始データをセットする。
すなわち、電源投入開始時には上記ステップS2010で出力された初期値ディスプレイリストに対する描画の実行が指示され、通常のルーチン処理時には後述するS2050で出力されたディスプレイリストに対する描画の実行が指示されることになる。
ステップS2030において、ホストCPU55aは、演出制御基板52から送信された演出指示コマンド(ホストRAM55bの受信バッファに格納されているコマンド)を解析する演出指示コマンド解析処理を行う。
なお、画像制御基板55は、演出制御基板52から送信されたコマンドを受信すると、図示しない画像制御基板55のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。その後、本ステップS2030において受信したコマンドの解析処理が行われる。
演出指示コマンド解析処理は、受信バッファに演出指示コマンド(例えば、図12に示すような演出パターン指定コマンド)が記憶されているか否かを確認する。受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていなければ、そのままステップS2040に処理を移す。
受信バッファに演出指示コマンドが記憶されていれば、新たな演出指示コマンドを読み込み、読み込んだ演出指示コマンドに基づいて、実行する1つまたは複数のアニメグループを決定するとともに、それぞれのアニメグループからアニメパターンを決定する。
ステップS2040において、ホストCPU55aは、アニメーション制御処理を行う。この処理において、後述するステップS2210において更新される上記「シーン切換えカウンタ」、上記「ウェイトフレーム」、上記「フレームカウンタ」と、上記ステップS2030で決定されたアニメパターンとに基づいて、各種アニメシーンのアドレスを更新する。
ステップS2050において、ホストCPU55aは、アニメシーンが属するアニメグループの優先順位(描画順序)に従って、更新したアドレスにあるアニメシーンの1フレームの表示情報(スプライトの識別番号、表示位置等)から、ディスプレイリストを生成していく。そして、ディスプレイリストの生成が完了すると、ホストCPU55aはディスプレイリストをVDP400に出力する。
なお、ここで出力されたディスプレイリストは、VDP400におけるCPU I/F2030を介して、VRAM403のメイン用ディスプレイリスト記憶領域403a1またはチャンスボタン用ディスプレイリスト記憶領域403a2に記憶される。
ステップS2060において、ホストCPU55aは、FB切換えフラグ=01であるか否かを判定する。
ここで、FB切換えフラグは、1/60秒(約16.6ms)毎のVブランク割込みにおいて、前回のディスプレイリストの描画が完了していれば、FB切換えフラグ=01になる。すなわち、ステップS2060では、前回の描画が完了したか否かを判定することになる。
ホストCPU55aは、FB切換えフラグ=01であれば、ステップS2070に処理を移し、FB切換えフラグ=00であれば、FB切換えフラグ=01になるまで待機をする。
ステップS2070において、ホストCPU55aは、FB切換えフラグ=00をセットして(FB切換えフラグをオフにして)、ステップS2020に処理を移す。
以降は、所定の割り込みが発生するまで、ステップS2020〜ステップS2070の処理を繰り返し行う。
(伸長回路の伸長制御処理)
図34を用いて、VDP400における伸長回路416の伸長制御処理を説明する。
まず、ステップS2310において、伸長回路416は、描画回路417から描画する画像データを伸長させる伸長実行開始の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、描画回路417により伸長レジスタに伸長実行開始データがセットされたか否か(伸長レジスタの0bit目に1がセットされたか否か)の判定を行う。
伸長回路416は、伸長実行開始の指示があったときは、ステップS2320に処理を移し、伸長実行開始の指示がなかったときは、伸長実行開始の指示があるまで待機をする。
ステップS2320において、伸長回路416は、描画回路417によりセットされた伸長レジスタの伸長実行開始データをクリアする(伸長レジスタの0bit目に0をセットする)。
ステップS2330において、伸長回路416は、描画回路417に伸長の実行中であることを知らせるため、伸長レジスタに伸長実行中データをセットする(伸長レジスタの1bit目に1をセットする)(図6(c)参照)。
ステップS2340において、伸長回路416は、CRROM401に圧縮された圧縮画像データを読み出し、読み出された圧縮画像データを元画像データに伸長して、伸長された画像データをVRAM403のメイン用展開記憶領域403b1またはチャンスボタン用展開記憶領域403b2に展開させる。
ステップS2350において、伸長回路416は、1つの画像の伸長が完了したか否かを判定する。
伸長回路416では、1つの画像の伸長が完了したときは、ステップS2360に処理を移し、1つの画像の伸長が完了していないときは、ステップS2340に処理を戻して伸長処理を繰り返し行う。
ステップS2360において、伸長回路416は、1つの画像の伸長が完了すると、描画回路417に伸長が終了したことを知らせるため、伸長レジスタの伸長実行中データをクリア(伸長レジスタの1bit目に0をセット)して、ステップS2310に処理を戻して伸長制御処理を繰り返し行う。
(描画回路における描画制御処理)
図35を用いて、VDP400における描画回路417の描画制御処理を説明する。
ステップS2410において、描画回路417は、ホストCPU55aから描画の実行開始の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、ホストCPU55aにより描画レジスタに描画実行開始データがセットされているか否か(描画レジスタの0bit目に1がセットされているか否か)の判定を行う(図6(b)参照)。
描画回路417では、描画の実行開始の指示があったときは、ステップS2420に処理を移し、描画の実行開始の指示がなかったときは、描画の実行開始の指示があるまで待機をする。
ステップS2420において、描画回路417は、ホストCPU55aによりセットされた描画レジスタの描画実行開始データをクリアする(描画レジスタの0bit目に0をセットする)。
ステップS2430において、描画回路417は、VRAM403のメイン用ディスプレイリスト記憶領域403a1またはチャンスボタン用ディスプレイリスト記憶領域403a2に記憶されたディスプレイリストを読み込み、読み込んだディスプレイリストの描画制御コマンドを、あらかじめ定められた優先順位(描画順序)に従って順次解析していく。
なお、ここではディスプレイリストにある複数の描画制御コマンドを全て一括して解析するわけではなく、1回のディスプレイリスト解析制御処理においては、あらかじめ定められた優先順位(描画順序)に従って、所定単位(例えば1つの画像データ)の描画制御コマンドを順次解析していく。
ステップS2440において、描画回路417は、ディスプレイリストに圧縮された画像を伸長させる伸長コマンドが記憶されており、描画する画像データがVRAM403のメイン用展開記憶領域403b1またはチャンスボタン用展開記憶領域403b2に記憶(伸長)されていなければ、伸長回路416に描画する画像データを伸長させること指示する。具体的には、具体的には、伸長レジスタに伸長実行開始データをセットする(伸長レジスタの0bit目に1をセットする)。
ステップS2450において、描画回路417は、描画する画像の伸長が完了したか否かを判定する。具体的には、伸長レジスタに伸長実行中データがクリアされているか否か(伸長レジスタの1bit目に0がセットされているか否か)を判定する。
描画回路417は、描画する画像の伸長が完了したときはステップS2460に処理を移し、描画する画像の伸長が完了していなかったときは、描画する画像の伸長が完了するまで待機をする。
ステップS2460において、描画回路417は、ディスプレイリストの描画制御コマンドに従い、適宜必要なデータを描画レジスタに設定しながら、VRAM403のメイン用展開記憶領域403b1またはチャンスボタン用展開記憶領域403b2に伸長された画像を、VRAM403にある「描画用フレームバッファ」に描画する描画処理を行う。
ステップS2470において、描画回路417は、1フレームのディスプレイリストの全ての描画制御コマンドが終了(1フレームの描画処理が完了)したか否かを判定する。
描画回路417は、1フレームの描画処理が完了したときは、ステップS2480に処理を移し、1フレームの描画処理が完了していなかったときは、ステップS2430に処理を戻して、1フレームの描画処理が完了するまで上記ステップS2430の「ディスプレイリスト解析制御処理」と上記ステップS2440の「伸長指示処理」と上記ステップS2460の「描画処理」とを繰り返し行う。
なお、本実施形態のように、画像データを全て圧縮してCGROM401に記憶しているとすると、ディスプレイリストに従い、1つの画像毎に伸長して描画していくことになる。
ステップS2480において、描画回路417は、割込レジスタに描画終了データをセットし(システム制御レジスタの1bit目に1をセットし)(図6(a)参照)、ステップS2410に処理を戻して描画制御処理を繰り返し行う。
(表示回路における表示制御処理)
図36を用いて、VDP400における表示回路2080の表示制御処理を説明する。
ステップS2510において、表示回路2080は、ホストCPU55aから映像信号作成の指示があったか否かの判定を行う。具体的には、表示レジスタの0bit目に1がセットされているか否かを判定する。
表示回路2080は、映像信号の作成の指示があったときは、ステップS2520に処理を移し、映像信号作成の指示がなかったときは、映像信号作成の指示があるまで待機をする。
なお、表示レジスタの0bit目は、原則として、電源投入時から「1」はセットされたままになっている(電源投入時から映像信号作成ONの状態を維持している)。
ステップS2520において、表示回路2080は、VRAM403にある「表示用フレームバッファ」に記憶された画像データ(デジタル信号)から、映像信号として画像の色データを示すRGB信号(アナログ信号)を生成する。
ステップS2530において、表示回路2080は、生成した映像信号(RGB信号)と、液晶表示装置30,501と同期を図るための同期信号(垂直同期信号、水平同期信号等)とを液晶表示装置30,501に出力する。その後、ステップS2510に処理を戻して表示制御処理を繰り返し行う。
(画像表示)
図9に示すように、液晶表示装置501の画面511aに表示される画像は、チャンスボタン装置100の投射レンズ503bにより操作部301bの前記スクリーン面301eに投射して表示される。このような操作部301bに表示される画像について図37を用いて説明する。
図37は、操作部301bの画像表示を示す説明図である。
図37(a)は、チャンスボタン装置100の操作部301bの画像表示の第1の例であり、操作部301bには、[!!]のマーク701aが表示される。
図37(b)は、チャンスボタン装置100の操作部301bの画像表示の第2の例であり、操作部301bには、押圧要求の[押せ]の文字701bが表示される。
図37(c)は、チャンスボタン装置100の操作部301bの画像表示の第3の例であり、操作部301bには、大当たりに当選したことを示す[当]の文字701cが表示される。
図37(d)は、チャンスボタン装置100の操作部301bの画像表示の第4の例であり、操作部301bには、キャラクター701dが表示される。キャラクター701dは、動画、静止画の両方で表示が可能である。
図37(e)は、チャンスボタン装置100の操作部301bの画像表示の第5の例であり、操作部301bには、大当たりに当選した可能性が高いことを示す花火701eが表示される。花火701eは、動画、静止画の両方で表示が可能である。
図37(a)〜(e)に示す画像は、演出制御基板52によって選択される。演出制御基板52は、が主制御基板51から送信されたコマンド及びチャンスボタン装置100のフォトセンサ312からの入力信号に基づいて演出モード決定テーブルを選択し、選択した演出モード決定テーブルを乱数発生器から取得した乱数と照合することで、操作部301bに表示する画像を決定し、決定した画像を表示するためのコマンドを画像制御基板55に送信して液晶表示装置501に表示する。
このような表示を用いた演出の例として、例えば、主制御基板51において大当たりの抽選に当選した場合、演出制御基板52の選択により、操作部301bを押す前に図37(a)、(b)、(d)に示す画像が表示され、遊技者が操作部301bを押すと図37(a)、(c)、(e)に示す画像が表示されるようにする。このような演出を行うことで、遊技性を高めることができる。
以上の構成及び動作を纏めて説明すると、チャンスボタン装置100は、遊技機用ボタン装置になっている。
ボタン操作部材301は、遊技機1に設けられ、透明性を有し外部操作が行われる操作部301bを有し、当該操作部301bの表面が当該遊技機の外側に露出し、当該操作部301bの裏面にスクリーン面301eが形成されている。
フォトセンサ312は、前記操作部301bに対する所定の外部操作を検知する外部操作検知手段になっている。
液晶表示装置501は、前記操作部301bの内側に設けられ、表示面の画面511aを発光させることで当該画面511aに画像を表示する画像表示手段になっている。
投射レンズ503bは、前記操作部301bの内側に設けられ、前記液晶表示装置501の前記画面511aに表示される画像の光を前記ボタン操作部材301の前記スクリーン面301eに投射して当該スクリーン面301eに画像を表示する。
上下駆動フレーム307は、前記ボタン操作部材301を前記遊技機1の外側に突出する方向及びその逆方向に移動可能に保持する基体部になっている。
センタースプリング308は、前記上下駆動フレーム307と前記ボタン操作部材301の間に介挿され、前記ボタン操作部材301を前記遊技機1の外側に突出する方向に付勢する付勢手段になっている。
前記ボタン操作部材301は、前記所定の外部操作により前記上下駆動フレーム307に対して前記逆方向に移動し、前記フォトセンサ312は、前記上下駆動フレーム307に対する前記ボタン操作部材301の前記逆方向の移動を検出することで前記操作部301bに対する所定の外部操作を検知する。
駆動部200は、前記ボタン操作部材301を前記遊技機1の外側にさらに突出する方向及びその逆方向の内の任意の一方向に上下駆動フレーム307を移動させる基体部基体部移動手段になっている。
演出制御基板52及びランプ制御基板54は、前記駆動部200による前記上下駆動フレーム307の移動を制御することで、前記遊技機1の外側に突出する前記ボタン操作部材301の突出量を制御する突出量制御手段になっている。
以上に説明した本実施形態によれば、投射レンズ503bが液晶表示装置501の画面511aに表示される画像の光をボタン操作部材301のスクリーン面301eに投射して当該スクリーン面301eに画像を表示し、当該スクリーン面301eに表示された画像がボタン操作部材301の透明性の操作部301bを介して遊技者に視認されるので、十分な演出効果を発揮できる。
また、本実施形態では、ボタン操作部材301の操作部301bに表示する画像としてキャラクター等の動画が表示可能であり、従来の演出用のボタンスイッチの発光パターンの変化に比べて格段に高い演出効果が得られる。
また、本実施形態によれば、チャンスボタン装置100は、遊技機1本体の表面(具体的には上皿ユニット11)からボタン体303が大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間において上下移動の駆動制御を可能とし、その大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間のいずれの位置において遊技者による押下操作を可能とし、さらに、過大な押下力に対して耐久性を備えたことにより、様々な遊技状態や演出内容に対応した遊技機用ボタン装置を提供することができる。
例えば、遊技機における遊技の進行が、遊技者にとって特別な遊技価値が付与される第1の遊技状態(確率変動状態に代表される、いわゆる高確率遊技状態)と、特別な遊技価値が付与されない第2の遊技状態(通常遊技状態に代表される、いわゆる低確率遊技状態)との切り替えにより進行される遊技機においては、前記第1の遊技状態においてはボタン部300を「最上部位置」に移動させ、前記第2の遊技状態においてはボタン部300を「最下部位置」に移動させる。このようにすることで、チャンスボタン装置100においてボタン体303が「大きく突出した状態」にあるときには現在の遊技状態が第1の遊技状態であることを知らせることができる。
さらに、遊技の進行が上記第1の遊技状態であり、ボタン体303が「大きく突出した状態」にあるときに、液晶表示装置30及び液晶表示装置501にボタン体303を連続して押下する動作(以下、「連打」という)を促すメッセージ「連打」を表示し、遊技者に連打を促してもよい。このように、本実施形態におけるチャンスボタン装置100は、ボタン体303が「大きく突出した位置」と「僅かに突出した位置」との間のいずれの位置において、過大な押圧力(押下力)に対して耐久性を備えているため、この「連打」を促すことができるのである。
また、別の一例として、遊技機1における液晶表示装置30等の演出内容に応じて、特定の演出内容が実行されるときに、ボタン体303を「大きく突出した位置」に移動させ、その特定の演出内容の実行が終了したときに「僅かに突出した位置」に移動させて、遊技者の趣向を高めてもよい。この場合においても、先ほどと同様に、ボタン体303が「大きく突出した位置」に移動しているときに、液晶表示装置30等にて「連打」とメッセージを表示し、遊技者にチャンスボタン装置100の「連打」を促してもよい。
さらに、本実施形態におけるチャンスボタン装置100は、ボタン部300が大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間において上下動制御を可能とし、ボタン部300が大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間のいずれの位置においても遊技者による押下操作を可能とすることから、この「大きく突出した位置」と「僅かに突出した位置」との間のいずれの位置においても「連打」が可能となる。このことから、「連打」を促す演出における演出内容と、ボタン部300の高さ位置に基づく演出内容との組み合わせが多様になり、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施形態においては、ボタン部300を大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間において上下動制御を可能とし、その大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間のいずれの位置において遊技者による押下操作を可能としているが、遊技者による押下操作が可能な位置については、「大きく突出した位置」および「僅かに突出した位置」に限られない。すなわち、「大きく突出した位置」と「僅かに突出した位置」との間のどの位置においても、ボタン部300の上下動の駆動制御を停止させ、その停止した位置において押下操作を受け付け可能としてもよい。さらには、先に述べた遊技機1における遊技状態や液晶表示装置30等の演出内容に応じて、ボタン部300の上下動の駆動制御を「大きく突出した位置」と「僅かに突出した位置」との間のどの位置においても上下動の駆動制御を停止させてもよい。また、いずれの位置においても「押下操作」および「連打」を促すこととしてもよい。