以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
図1に示すように、遊技機1は、支持体2と、この支持体2に回転可能に枢支された扉体3とを備えている。支持体2は、上板2a、下板2b、側板2c,2dによって四辺を構成する枠体からなる。各板2a〜2dは、変形や歪みが生じにくい木材等を材質とするもので、略長方形状に囲繞空間が形成されるように連結金具によって連結されている。
そして、これら連結金具のうち、上板2aと側板2cとを連結する金具および側板2cと下板2bとを連結する金具には、一対のヒンジ4a,4bが、遊技機1の前面側に突出した位置で対面するように固定されている。
そして、一対のヒンジ4a,4bには、扉体3が回転可能に枢支されている。扉体3は、支持体2に対して開閉可能となるものであり、本実施形態においては、透過部材保持枠5と遊技盤保持枠6とによって扉体3が構成されている。なお、図1は、支持体2に対して透過部材保持枠5が開放され、遊技盤保持枠6が支持体2に対して閉じられた状態を示している。これら透過部材保持枠5および遊技盤保持枠6は、その背面の一部または全部を支持体2の前面に接触させ、支持体2、透過部材保持枠5および遊技盤保持枠6が略平行となる閉位置から、上記背面が支持体2の前面から離間した開位置まで回転する。
透過部材保持枠5は、支持体2と同様に、上辺5a、下辺5b、側辺5c,5dからなる四辺によって略長方形状の囲繞空間が形成される枠体からなり、後述する遊技盤17の前面を覆う透過部材7が囲繞空間に固定される。本実施形態においては、透明のガラス板によって透過部材7を構成しているが、この透過部材7を介して後述する遊技盤17が見えるものであれば、その材質や形状は特に問わず、例えば合成樹脂等によって構成してもよい。また、透過部材保持枠5の材質も特に問わないが、軽量化や装飾性の向上の目的から合成樹脂性とすることが望ましく、特にこの場合には補強金具8を固定して歪みや変形を防止するとよい。
なお、図2に示すように、遊技機1の前面すなわち透過部材保持枠5の前面には、装飾ランプ9、遊技球を発射するための操作ハンドル10、払い出された賞球を溜める上皿11aを有する上皿ユニット11、装飾部材12が固定されている。
上皿ユニット11には、上皿11aの他、図示しないカードユニット(CRユニット)に挿入されたカード(プリペイドカード)の残り度数があるときに、該カードユニットから遊技機へ遊技球の払い出しをするための入力手段として機能する払出ボタン11b、上記カードユニットに挿入されたカードを返却するための返却ボタン11c、上記カードユニットに挿入されたカードの残り度数を表示する度数表示器11d、及びチャンスボタン装置100と、該チャンスボタン装置100を収納するチャンスボタン収納部11eが設けられている。
また装飾部材12は内部に設けられたスピーカ18(図示せず)を完全に覆う形で固定されているが、この装飾部材12は、スピーカ18からの音を遊技機外部に放出する放音穴は有していない。すなわち、スピーカ18はこの装飾部材12により完全に覆われるため、該スピーカ18が遊技機外部から視認することは不可能となっている。また、図1に示すように、上記の補強金具8や、上皿11aに賞球を送球する供給路13、装飾ランプ9の照射方向を変更するためのモータ等を制御する制御基板54(ランプ制御基板54)が、遊技機1の背面側に位置するように設けられている。
図1および図2からも明らかなように、透過部材保持枠5の上辺5aおよび下辺5bは、支持体2の上板2aおよび下板2bと長さを等しくしており、透過部材保持枠5を閉じて、支持体2および透過部材保持枠5が略平行になったとき(透過部材保持枠5が閉位置にあるとき)に、上辺5aが上板2aに、側辺5c,5dが側板2c,2dに、それらの外周面が面一の状態で重なる。したがって、遊技機1を正面から見たときに、支持体2の上板2aおよび側板2c,2dは、透過部材保持枠5に覆われて見えなくなる。ただし、側辺5c,5dは、側板2c,2dよりも短く形成されており、支持体2の下板2bが遊技機1の正面側に露出する。支持体2の下板2bは、上板2aや側板2c,2dに比べて厚く形成されており、その正面側に装飾部材15が固定されている。
そして、透過部材保持枠5には、側辺5cの上方に突出する枢支軸16a、および側辺5cの下方に突出する枢支軸16bが固定されており、枢支軸16aがヒンジ4aに、枢支軸16bがヒンジ4bに回転可能に枢支されている。これにより、透過部材保持枠5が支持体2に対して開閉可能に支持されることとなる。なお、透過部材保持枠5を支持体2に回転可能に枢支する構造は上記に限らず、例えば、透過部材保持枠5の側辺5cの一部を凸状に形成し、この凸状部分をヒンジ4a,4bや支持体2に直接嵌合させて枢支するようにしてもよい。
また、ヒンジ4a,4bには、透過部材保持枠5と同様に、遊技盤保持枠6が回転可能に枢支されている。図1に示すように、遊技盤保持枠6は、上辺6a、下辺6b、左側辺6c,右側辺6dからなる四辺によって略長方形状の囲繞空間が形成される枠体からなり、遊技盤保持枠6の左側辺6cには遊技盤止め具60a,60bが設けられており、上辺6aおよび下辺6bのそれぞれ右側辺6d寄りには遊技盤固定具60c,60dが設けられている。そして、遊技盤止め具60a,60b、及び遊技盤固定具60c,60dにより、この囲繞空間に図3に示す遊技盤17が固定される。
遊技盤17の前面には、複数の釘や風車、遊技球が入球可能な各種の入賞口、演出用の役物等が設けられており、その略中央部分に形成された孔に演出用の液晶表示装置30が固定されている。透過部材保持枠5および遊技盤保持枠6が閉じられて遊技が可能な状態では、遊技盤17に所定の間隔を維持して略平行に透過部材7が対面するとともに、遊技盤17の前面が透過部材7によって覆われる。
ここで、遊技盤17に設けられた各種の入賞口、役物等について、図2〜図4を参照しつつ説明する。上述したように、遊技盤17の下部位置には操作ハンドル10が回動可能に設けられている。遊技者が操作ハンドル10に触れると、操作ハンドル10内にあるタッチセンサ10a(図4参照)が、操作ハンドル10に遊技者が触れたことを検知し、発射制御基板56(図4参照)にタッチ信号を送信する。発射制御基板56は、タッチセンサ10aからタッチ信号を受信すると、発射用ソレノイド10c(図4参照)の通電を許可する。そして、操作ハンドル10の回転角度を変化させると、操作ハンドル10に直結しているギアが回転し、ギアに連結した発射ボリューム10bのつまみが回転する。この発射ボリューム10bの検出角度に応じた電圧が、遊技球発射機構に設けられた発射用ソレノイド10cに印加される。そして、発射用ソレノイド10cに電圧が印加されると、発射用ソレノイド10cが印加電圧に応じて作動するとともに、操作ハンドル10の回動角度に応じた強さで、遊技領域26に向けて遊技球が発射される。
上記のようにして発射された遊技球は、レール21a,21b間を上昇して遊技盤17の上部位置に達した後、遊技領域22内を落下する。このとき、遊技領域22に設けられた複数の釘や風車23によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域22には、複数の一般入賞口24が設けられている。これら各一般入賞口24には、一般入賞口検出SW24aが設けられており、この一般入賞口検出SW24aが遊技球の入球を検出すると、所定の賞球(例えば10個の遊技球)が払い出される。なお、本実施形態では、必要に応じてスイッチを「SW」と表記する。
さらに、上記遊技領域22であって、後述する大入賞口28の上方には、普通図柄ゲート27が遊技球を通過可能に設けられている。普通図柄ゲート27には、遊技球の通過を検出するゲート検出SW27aが設けられており、このゲート検出SW27aが遊技球の通過を検出すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。
また、上記遊技領域22の下部位置には、上記一般入賞口24と同様に、遊技球が入球可能な第1始動口25が設けられている。また、第1始動口25の真下には、第2始動口26が設けられている。第2始動口26は、図3に示すように、一対の可動片26bを有しており、これら一対の可動片26bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片26bが開状態となる第2の態様とに可動制御される(図3では、この第2の態様に可動制御されている状態を示している)。なお、第2始動口26が上記第1の態様に制御されているときには、当該第2始動口26の真上に位置する第1始動口25が障害物となって、遊技球の受入れを不可能または困難としている。一方で、第2始動口26が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片26bが受け皿として機能し、第2始動口26への遊技球の入球が容易となる。つまり、第2始動口26は、第1の態様にあるときには遊技球の入球機会がほとんどなく、第2の態様にあるときには遊技球の入球機会が増すこととなる。
なお、上記第1始動口25および第2始動口26には、遊技球の入球を検出する第1始動口検出SW25aおよび第2始動口検出SW26aがそれぞれ設けられており、これら検出SWが遊技球の入球を検出すると、後述する大当たり遊技を実行する権利獲得の抽選(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。また、検出SW25a、26aが遊技球の入球を検出した場合にも、所定の賞球(例えば3個の遊技球)が払い出される。
そして、図2に示すように、上記普通図柄ゲート27のさらに下方には、大入賞口28が設けられている。この大入賞口28は、通常は大入賞口開閉扉28bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、大入賞口開閉扉28bが開放されるとともに、この大入賞口開閉扉28bが遊技球を大入賞口28内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞口28に入球可能となる。大入賞口28には大入賞口検出SW28aが設けられており、この大入賞口検出SW28aが遊技球の入球を検出すると、予め設定された賞球(例えば15個の遊技球)が払い出される。なお、大入賞口28、大入賞口検出SW28a、大入賞口開閉扉28b、及び後述する大入賞口開閉ソレノイド28cを総じて大入賞口開閉装置ともいう。
上記大入賞口28のさらに下方、すなわち、遊技領域22の最下部には、一般入賞口24、第1始動口25、第2始動口26、および大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するための排出口29が設けられている。
また、上記遊技盤17には、さまざまな演出を行う演出装置が設けられている。
具体的には、上記遊技領域22の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる液晶表示装置30が設けられており、この液晶表示装置30の上方には、演出用役物装置31が設けられている。さらに、遊技盤17の上部位置および下部位置の双方には、演出用照明装置9(装飾ランプ9)が設けられている。
上記液晶表示装置30は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、第1始動口25または第2始動口26に遊技球が入球したときには、抽選結果を遊技者に報知する装飾図柄が変動表示される。装飾図柄というのは、例えば3つの数字をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、特定の図柄(数字)を配列表示するものである。これにより、図柄のスクロール中には、あたかも現在抽選が行われているような印象を遊技者に与えるとともに、スクロールの停止時に表示される図柄によって、抽選結果が遊技者に報知される。この装飾図柄の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクター等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにしている。
上記演出用役物装置31は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。本実施形態においては、演出用役物装置31は、中央部に回転可能な風車部材31aが配設されたベルトを模擬している。演出に応じて風車部材が回転したり、ベルト全体が下降したりする。
そして、本実施形態においては、上皿ユニット11の近傍に遊技者が押圧操作可能な演出ボタン(チャンスボタン)100が設けられている。この演出ボタン100は、例えば、上記液晶表示装置30に当該演出ボタン100を操作するようなメッセージが表示されたときに押下された操作を有効とするものである。演出ボタン100には、チャンスボタン検出SW100aが設けられており、このチャンスボタン検出SW100aが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
そして、遊技領域22の下方には、第1特別図柄表示装置40、第2特別図柄表示装置41、普通図柄表示装置42、第1保留表示装置43、第2保留表示装置44、普通図柄保留表示装置45、高確率状態表示装置46及び時短状態表示装置47が設けられている。
上記特別図柄表示装置40,41は、始動口25,26に遊技球が入球することを条件に行われる大当たり抽選の抽選結果を表示するためのものである。つまり、大当たり抽選の抽選結果に対応する特別図柄が複数設定されており、これらの特別図柄表示装置40,41に大当たり抽選の抽選結果に対応する特別図柄を停止表示することによって、抽選結果が遊技者に報知される。特別図柄表示装置40,41は、例えばそれぞれ複数のLEDで構成されており、大当たりに当選した場合には特定の複数のLEDが点灯し、ハズレであった場合にはそれに対応した特定のLEDが1つ点灯する。このようにして点灯することによって表される模様が特別図柄となるが、この特別図柄は、所定時間変動表示された後に、停止表示される。言い換えれば、特別図柄の変動表示が行われると必ず特別図柄の停止表示が行われ、大当たり抽選の抽選結果が報知される。また、本実施形態では、第1特別図柄表示装置40および第2特別図柄表示装置41における特別図柄の表示態様は同一のものとはしていない。すなわち、同じ種類の大当たりであっても、第1特別図柄表示装置40における特別図柄の表示態様と、第2特別図柄表示装置41における特別図柄の表示態様は異なるものとなる。このようにすると、遊技者が特別図柄表示装置40,41のいずれか一方の特別図柄の表示態様を覚えたとしても、他方の表示態様からは大当たり等の種類を把握することができないため、特別図柄の表示態様を分かりにくくできるという効果が得られる。なお、ハズレの場合にも複数のLEDを点灯させるものとすれば、ハズレか大当たりかを見極めにくくすることも可能となる。
普通図柄表示装置42は、普通図柄ゲート27を遊技球が通過したことを契機として行われる当たりの抽選の抽選結果を報知するためのものである。この当たりの抽選に当選すると左右2つのLEDで構成された普通図柄表示装置42のうち図中における左のLEDが点灯し、その後、上記第2始動口26が所定時間、第2の態様に制御される(なお、図中における右のLEDが点灯した場合にはハズレとなり、第2始動口26は、第2の態様に制御されない)。
なお、この普通図柄についても、普通図柄ゲート27を遊技球が通過して即座に抽選結果が報知されるわけではなく、所定時間が経過するまで、普通図柄表示装置42を点滅させる等、普通図柄が変動表示するようにしている。すなわち、所定時間が経過するまで普通図柄表示装置42は点滅する。この普通図柄表示装置42の点滅が普通図柄の変動表示を構成し、普通図柄表示装置42の点灯が、当たりの抽選の抽選結果に対応する普通図柄の停止表示を構成する。
ところで、特別図柄の変動表示中や大入賞口開閉装置が作動する特別遊技中に、始動口25,26に遊技球が入球しても、即座に特別図柄の変動表示が行われて特賞抽選の抽選結果が報知されない場合には、一定条件下で特別図柄の変動表示(特賞抽選の抽選結果の報知)が保留される。より詳細には、第1始動口25に遊技球が入球して留保される特別図柄の変動表示の権利は第1保留(U1)として留保され、第2始動口26に遊技球が入球して留保される特別図柄の変動表示の権利は第2保留(U2)として留保される。
これら両保留は、それぞれ上限留保個数を4個に設定し、その留保個数は、それぞれ第1保留表示装置43と第2保留表示装置44とに表示される。なお、第1保留(U1)が1つの場合には、第1保留表示装置43の左側のLEDが点灯し、第1保留(U1)が2つの場合には、第1保留表示装置43の左側、真ん中の2つのLEDが点灯する。また、第1保留(U1)が3つの場合には、第1保留表示装置43の左側、真ん中、右側の3つのLED全てが点灯し、第1保留(U1)が4つの場合には、第1保留表示装置43の3つのLED全てが点滅する。また、第2保留表示装置44においても、上記と同様に第2保留(U2)の留保個数が表示される。
一方、普通図柄の変動表示についても同様に、上限留保個数が4個に設定されており、その留保個数が、上記第1特別図柄保留表示装置43および第2特別図柄保留表示装置44と同様の態様によって、普通図柄保留表示装置45において表示される。
高確率状態表示装置46はLEDで構成されており、モーニング(電源復旧時)において当該電源切断前に後述する高確率状態であることを条件に点灯する。一方、時短状態表示装置47もLEDで構成されているが、こちらはモーニング時に限らず電源が投入されていれば時短状態であることを条件に点灯する。
また、遊技盤保持枠6において、遊技盤17の固定位置の下方には、音声出力装置19(低音スピーカ19)や、操作ハンドル10の操作に応じて遊技領域に遊技球を発射する発射装置20等が固定されている。また、遊技盤17の背面には遊技の進行を制御するさまざまな制御基板が固定されている。
図4は、遊技機1の制御基板(制御手段)の構成について示した図である。遊技機1は、主制御基板51、演出制御基板52、払出制御基板53、ランプ制御基板54、画像制御基板55、発射制御基板56、及び電源基板57から構成されている。
主制御基板51は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板51は、メインCPU51a、メインROM51b、メインRAM51cを備えている。メインCPU51aは、各検出SWやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM51bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM51cは、メインCPU51aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
上記主制御基板51の入力側には、一般入賞口検出SW24a、ゲート検出SW27a、第1始動口検出SW25a、第2始動口検出SW26a、及び大入賞口検出SW28aが接続されており、遊技球の検出信号が主制御基板51に入力するようにしている。
また、主制御基板51の出力側には、第2始動口26の一対の可動片26bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド26cと、大入賞口開閉扉28bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド28cとが接続されるとともに、図柄表示装置を構成する第1特別図柄表示装置40と第2特別図柄表示装置41と普通図柄表示装置42と、保留表示装置を構成する第1保留表示装置43と第2保留表示装置44と普通図柄保留表示装置45と、状態表示装置を構成する高確率状態表示装置46及び時短状態表示装置47とが接続されており、出力ポートを介して各種信号が出力される。
主制御基板51のメインROM51bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。また、主制御基板51のメインRAM51cには、複数の記憶領域が設けられている。
また、メインRAM51cは、その一部または全部が電源基板57において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMを構成している。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、メインRAM51cのデータの内容は保存される。なお、バックアップ電源を有さずに、メインRAM51cをフラッシュメモリ等で構成してもよい。
さらに、主制御基板51には、メインRAM51cのデータの内容をクリアすることを指示するためのRAMクリアスイッチ51dが直接搭載されている。また、主制御基板51には、現在時刻を出力するRTC(リアルタイムクロック)51eが搭載されている。メインCPU51aは、RTC51eから現在の日付を示す日付信号や現在の時刻を示す時刻信号を入力し、現在の日時にもとづいて各種処理を実行する。RTC51eは、通常、遊技機に電源が供給されているときには遊技機からの電源によって動作し、遊技機の電源が切られているときには、電源基板57に搭載されたバックアップ電源から供給される電源によって動作する。従って、RTC51eは、遊技機の電源が切られている場合であっても現在の日時を計時することができる。
なお、RTC51eは、主制御基板51上に電池を設けて、かかる電池によって動作するようにしてもよい。また、RTC51eを設けずに、バックアップRAMとしての機能を有するメインRAM51cに設けたカウンタを、所定時間ごと(例えば4ms毎)にカウントアップすることによって時間を計時してもよい。
電源基板57は、電源プラグ14から供給される電力を管理するとともに、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板51及び演出制御基板52に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU51aおよびサブCPU52aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU51a及びサブCPU52aは動作停止状態になる。
演出制御基板52は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板52は、サブCPU52a、サブROM52b、サブRAM52cを備えており、主制御基板51に対して、当該主制御基板51から演出制御基板52への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU52aは、主制御基板51から送信されたコマンド、または、上記チャンスボタン検出スイッチ100a、タイマからの入力信号に基づいて、メインROM51bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板54または画像制御基板55に送信する。サブRAM52cは、サブCPU52aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板52のサブROM52bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、主制御基板51から受信したコマンドに基づいて演出モードを決定するための演出モード決定テーブル(図示しない)等がサブROM52bに記憶されている。
また、演出制御基板52のサブRAM52cには、複数の記憶領域が設けられている。
払出制御基板53は、遊技球の発射制御と賞球の払い出し制御を行う。この払出制御基板53は、払出CPU53a、払出ROM53b、払出RAM53cを備えており、主制御基板51に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPU53aは、遊技球が払い出されたか否かを検知する払出球計数スイッチ32、タイマからの入力信号に基づいて、払出ROM53bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板51に送信する。また、払出制御基板53の出力側には、遊技球の貯留部から所定数の賞球を遊技者に払い出すための払出モータ33(賞球払出装置)が接続されている。払出CPU53aは、主制御基板51から送信された払出個数指定コマンドに基づいて、払出ROM53bから所定のプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、払出モータ33を制御して所定の賞球を遊技者に払い出す。このとき、払出RAM53cは、払出CPU53aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、図示しない遊技球貸出装置(カードユニット)が払出制御基板53に接続されているか確認し、遊技球貸出装置(カードユニット)が接続されていれば、発射制御基板56に遊技球を発射させることを許可する発射制御データを送信する。
発射制御基板56は、払出制御基板53から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ10aからのタッチ信号および発射ボリューム10bからの入力信号を読み出し、発射用ソレノイド10cを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド10cに印加するパルス電圧の回数は、発射制御基板56に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、約99.9(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射用ソレノイド10cにパルス電圧が1回印加される毎に1個発射されるため、約99.9(個/分)となる。
なお、本実施形態では、タッチセンサ10aからのタッチセンサ信号は、発射制御基板56が払出制御基板53と主制御基板51とを介して、演出制御基板52に送信されるようになっている。
ランプ制御基板54は、演出用照明装置9(装飾ランプ9)を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用役物装置31を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板54は、演出制御基板52に接続されており、演出制御基板52から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板55は、上記液晶表示装置30の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板55は、上記演出制御基板52に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記液晶表示装置30及び音声出力装置18,19を接続している。
上記画像ROMには、液晶表示装置30に表示される演出図柄や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板52から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROMからVRAMに読み出して、液晶表示装置30における表示制御をする。なお、画像CPUは、液晶表示装置30に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクター画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクター画像は、液晶表示装置30の表示画面上において重畳表示される。
すなわち、演出図柄画像やキャラクター画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAMに記憶させる。
また、上記音声ROMには、音声出力装置18,19から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板52から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置18,19における音声出力制御をする。
以下、本実施形態の特徴部分であるチャンスボタン装置100(遊技機用ボタンスイッチ装置)の構造について、図5〜図24を参照しながら説明する。
図5及び図6は、上皿ユニット11から取り外したチャンスボタン装置100を示す斜視図である。
チャンスボタン装置100は、上ケース101、下ケース102により、後述する駆動部200やボタン部300が収納されている。また、チャンスボタン装置100は、所定の契機によりボタン部300が上昇移動したり、下降移動したりすることが可能となっている。所定の契機とは、例えば、大当たりの抽選において特定の抽選結果が得られたときや、特定の演出が液晶表示装置30において行われるときなどを指し、これらのときにボタン部300が上昇/下降移動することにより、演出効果を一層向上させることができるものである。
図5は、ボタン部300が僅かに突出した状態となっている様子を示すものである。通常時、ボタン部300は図示するようにわずかに突出した状態となっている。このため、遊技者等にはボタン部300が一般的な押しボタン(ボタン部300自体が上昇したり下降したりすることのないもの)であるという印象のみを与えるものとしている。
なお、この図5において示す「ボタン部300が僅かに突出した状態」が本発明における「引き込んだ位置」に相当する。
つまり、図5に示す通り、「ボタン部300が僅かに突出した状態」とは、ボタン部300の先端表面部である頂部(図中「SU」)が上ケース101よりも外側に僅かに突出した状態であり、換言すると、ボタン部300の殆どの部分が上ケース101の内部に収納された状態を意味し、この僅かな突出により、操作者による押下操作が可能となるのである。
図6は、ボタン部300が上昇移動し、ボタン部300が大きく突出した状態となっている様子を示すものである。この状態は、図5に示した状態に比べて、ボタン部300が大きく上方向に突出した状態(図示のように距離Sだけ上方向に突出している)となっている。このようにボタン部300を大きく突出させることにより、演出面において遊技者に十分なアピールをすることができる。
なお、この図6において示す「ボタン部300が大きく突出した状態」が本発明における「突出した位置」に相当する。
また、上記の「距離S」について、特定の距離に限定することなく、ボタン部300が大きく突出した状態における頂部「SU」の位置について、図5に示した「ボタン部300が僅かに突出した状態」における頂部「SU」の位置よりも外側に移動される状態であるかぎり、演出内容等と連動して、その都度変更してもよい。
図7は、ボタン部300の分解斜視図である。ボタン部300は、プラスチック等の透光性を有する素材からなるボタンカバー301、このボタンカバー301内に収納されるボタン302、頭頂部303aを有する円筒押圧フレーム303、複数のLEDが配されたLED基板305、このLED基板305を保護する保護板304、該保護板304及びLED基板305が固定される内側円筒フレーム306、駆動部200からの動力によりボタン部300を上昇/下降移動させる上下駆動フレーム307、上下駆動フレーム307の円筒部307Aに挿入されるセンタースプリング308、アシストスプリング313の弾性力を受けて上下駆動フレーム等を押し上げるプッシュホルダ309、該プッシュホルダ309に収納されるとともにシャフト314のガイドとして機能する長シャフトブッシュ310、該プッシュホルダ309に収納されるとともにシャフト315のガイドとして機能する短シャフトブッシュ311、内側円筒フレーム306に設けられた後述する突起部306bを検知するフォトセンサ312、ボタン部300を上昇移動させるときに付勢力を与えるアシストスプリング313、シャフト314,315、該シャフト314,315を固定するシャフト固定板316とから構成されている。なお、これらの部材は適宜ビス、ネジ等によってそれぞれ固定されるが、このビス、ネジ等についての説明は省略する。
また、以下では、ボタンカバー301及びボタン302をボタン体330という。
図8は、ボタン体330に押下力が加えられたとき(ボタン体330が遊技者等により押下されたとき)に主に動作する部材について説明する図である。また、図9は、上記部材の断面図である。図8に示すように、円筒押圧フレーム303は、内側円筒フレーム306と嵌合して円筒フレーム340を構成する。また、上下駆動フレーム307は、長孔350を有しており、ここにスライダ205がスライド移動自在に貫入される(詳細は後述する)。
上記図7で示したように、内側円筒フレーム306の中央部分には、円筒フレーム340と上下駆動フレーム307が係合したときに、上下駆動フレーム307の円筒部307Aが遊挿される空洞306aが設けられている。この円筒部307Aには、円筒口307Amからセンタースプリング308が挿入されるとともに、円筒押圧フレーム303の内部に形成された軸筒303b(後述する)も挿入可能に設けられている。また、円筒部307Aには、円筒底307Abが形成されており、円筒口307Amから挿入されたセンタースプリング308は、円筒底307Abにて係止される。言い換えれば、円筒口307Amから挿入されたセンタースプリング308が円筒307Ab側から脱落しないように円筒底307Abが設けられている。
円筒押圧フレーム303は、頭頂部303aにより円筒形状の一方が塞がれており、この頭頂部303aの裏側(つまり円筒内部)には軸筒303bが設けられている。この軸筒303bは、円筒フレーム340が上下駆動フレーム307と係合したときに、該上下駆動フレーム307の円筒部307A内を摺動可能に係合される。また、軸筒303bの径はセンタースプリング308の径に比して大きくされており、軸筒303bが円筒底307Ab方向に円筒部307A内を摺動するときには、この軸筒303bによりセンタースプリング308が押圧されることとなる。このとき、押圧されたセンタースプリング308の弾性力により、軸筒303bには、センタースプリング308からの押し返しの力が作用することとなる。すなわち、ボタン体330が押下されると、その押圧力は円筒フレーム340の頭頂部303a及び軸筒303bからセンタースプリング308に伝達される。そして、押下されたボタン体330には、押下前の状態に戻そうとするセンタースプリング308からの付勢力(上記押圧力の反作用による力)が働くこととなる。
内側円筒フレーム306は、図8(b)において図中ST1(例えば、10mm)で示す間隔を持って上下駆動フレーム307に係合される。具体的には、内側円筒フレーム306のフランジ面UXと上下駆動フレーム307のフランジ面DXとの間に上記ST1の距離を保つように内側円筒フレーム306と上下駆動フレーム307が係合される。すなわち、円筒フレーム340(内側円筒フレーム306)は、ST1の距離だけ上下駆動フレーム307に下降移動が可能に係合されることとなる。この円筒フレーム340が下降移動可能な距離ST1を押下許容距離(詳細は後述する)という。
また、内側円筒フレーム306には、突起部306b及び複数のボス状突起306cが形成されている。そして、上下駆動フレーム307には、この突起部306bにより受光発光素子間が遮蔽可能となる位置にフォトセンサ312(透過型フォトセンサ)が取り付けられる。すなわち、内側円筒フレーム306がST1だけ下降移動したときに、この突起部306bも図8(b)の矢印(点線)で示すようにST1だけ下降移動することとなるが、このST1だけ突起部306b(内側円筒フレーム306)が下降移動したときにフォトセンサ312において受光発光素子間が遮蔽される。これにより、ボタン本体300がST1だけ押下されたことが検出されることとなる。
図10は、駆動部200の分解斜視図である。駆動部200は、前ギアフレーム201と、後ギアフレーム206と、該ギアフレーム201,206に収納される、各種ギア等(図11参照)、ソレノイド202、クランクアーム203及び該クランクアーム203の先端突起203aに嵌合するクランクブッシュ204と、該ギアフレーム201,206に収納された各種ギアの一つ(モータギア210)に連結されるモータ207と、該モータ207を保護(収納)するモータカバー208とから構成されている。なお、先端突起203aとクランクブッシュ204がスライダ205を構成する。
図11は、ギアフレーム201,206に収納される各種ギア等を説明する拡大図である。モータ207には、モータギア210が連結(直結)されており、モータ207の駆動による回転動力は、モータギア210から、中継ギア211、クランクギア212へと伝達される。クランクギア212には、クランクアーム203に固着されたクラッチ用シャフト222に介挿されているが、該シャフト222の回転方向には固定されていないため、該シャフト222の回転に伴って従動はしないものとなっている。
また、このクラッチ用シャフト222には、クラッチ受け220も介挿されているが、このクラッチ受け220はクラッチ用シャフト222の回転方向に固定されており、該シャフト222の回転に伴って従動して回転する。さらに、クラッチ受け220は、該シャフト222の軸方向(軸に対して前後する方向)には摺動可能となっており、常にはクラッチ用スプリング221に付勢されてクランクギア212を押圧した状態となっている。
クランクギア212には、クラッチ用シャフト222の軸方向にギザギザした鋸歯形状を成す歯型部212Aが形成されている。そして、クラッチ受け220には、この歯型部212Aと歯合可能な鋸歯形状を成す歯型部220Aが形成されており、クラッチ用スプリング221に付勢されたクラッチ受け220の歯型部220Aと、該歯型部212Aとが歯合した状態が常には保たれている。このように歯合された状態が保持されることにより、クランクギア212、クラッチ受け220及びクラッチ用シャフト222、並びにクランクアーム203が同期して回転することとなる。なお、歯型部220A、歯型部212Aについては、図23及び図24を用いて後述する。
クランクギア212の近傍には、クランクアーム203の回転角度を検出可能なフォトセンサ(下位置フォトセンサ213、上位置フォトセンサ214)が設けられている。このフォトセンサ213,214は、透過型フォトセンサであり、クランクアーム203に形成された遮蔽突起203bにより受光発光素子間が遮蔽可能となる位置に配されている。詳細は後述するが、各フォトセンサ213,214は、下位置フォトセンサ213に遮蔽突起203bが検知されるとボタン部300が最下部位置(ボタン部300が僅かに突出した状態となる位置のこと)となるように、また、上位置フォトセンサ214に遮蔽突起203bが検知されるとボタン部300が最上部位置(ボタン部300が大きく突出した状態となる位置のこと)となるように配されている。
また、モータ207の駆動による回転動力は、モータギア210から移動ロックギア215にも伝達されるが、この移動ロックギア215は回転軸が略上下方向に移動可能となっている(詳細は後述する)。そして、移動ロックギア215の回転軸215Aが下方向に移動したとき(つまり、移動ロックギア215が下方向に移動したとき)に、この移動ロックギア215の歯と噛合可能な位置にギアロック216が配されている。このギアロック216はプランジャー202aによりソレノイド202と連結されており、プランジャー202aがソレノイド202の作動(ソレノイド202が通電状態となること)により、該ソレノイド202本体側に引き付けられることに伴って、ギアロック216もソレノイド212本体側に引き付けられる。
ギアロック216は、ソレノイド202の非作動時(非通電状態)には、下方向に移動した移動ロックギア215と噛合する位置となるように配置されている。したがって、ソレノイド202の非作動時(非通電状態)には、移動ロックギア215の回転動力がギアロック216により規制される(これを「ロック状態」という)。
一方、ソレノイド202の作動時(通電状態)には、前述したように、ギアロック216がソレノイド202本体側に引き付けられることにより、下方向に移動した移動ロックギア215と噛合する位置から外れることとなる。したがって、ソレノイド202の作動時(通電状態)には、移動ロックギア215の回転動力がギアロック216により規制されない(これを「非ロック状態」という)。
なお、ロック状態にある移動ロックギア215がソレノイド202の作動により非ロック状態になることを、特に、「ロック状態が解除された」という。
次に、チャンスボタン装置100の動作について、図12〜図24を参照しながら説明する。
図12〜図14を用いて、ボタン部300が最下部位置にある状態から上昇移動を開始するときの動作について説明する。
図12に示すように、移動ロックギア215の回転軸215Aは、モータギア210の回転(図示ではAで示す矢印方向)によって、回転軸215Ad〜回転軸215Auの間で略上下移動可能となっている。
図13は、ボタン部300が最下部位置に静止しているときの様子を示している。図示のように、移動ロックギア215は、その自重により下方向に移動している。このとき、移動ロックギア215の回転軸215Aは下位置にある(このときの回転軸を回転軸215Adという)。すなわち、回転軸215Adを有する移動ロックギア215はギアロック216とロック状態になっている。
図14は、ボタン部300が最下部位置にある状態から上昇移動を開始するときの様子を示している。図示のように、モータギア210の回転(図中のA方向)に伴って、移動ロックギア215は図中X方向に上昇移動する。このとき、移動ロックギア215の回転軸215Aは上位置にある(このときの回転軸を回転軸215Auという)。また、回転軸215Auを有する移動ロックギア215はギアロック216と非ロック状態になっている。
次に、図15を用いて、ボタン部300が最下部位置から最上部位置に移動するときのクランクアーム203及び長孔350について説明する。
図15(a)は、ボタン部300が最下部位置から上昇移動を開始するときのクランクアーム203及び長孔350の位置関係を示している。ボタン部300が最下部位置から上昇移動を開始するときには、クランクギア212がM方向に回転するとともに、クランクアーム203もM方向に回転する。このとき、スライダ205は、長孔350内をR1方向にスライド移動するとともに、上下駆動フレーム307は図中Uで示す矢印方向に上昇移動する。
なお、最下部位置にあるときに長孔350内においてスライダ205の位置する点のことを最降下点(D)という。
図15(b)は、スライダ205が長孔350内をR1方向にさらにスライド移動して長孔350の右側端350aに到達したときの様子を示している。このとき、クランクアーム203はまだM方向に回転を続けているため、この右側端350aに到達したスライダ205は、次に長孔350内を左側端350bに向けて、図中L1方向にスライド移動する(図15(c))。
そして、長孔350内をL1方向にスライド移動したスライダ205は、図15(d)に示す位置まで移動すると停止する(すなわち、遮蔽突起203bが上位置フォトセンサ214により検知される位置に到達する)。
なお、最上部位置にあるときに長孔350内においてスライダ205の位置する点のことを最上昇点(H)という。
次に、図16〜図20を用いて、ボタン部300が最上部位置に到達するとき、及び最上部位置から下降移動を開始するときの移動ロックギア215の動作について説明する。
図16は、ボタン部300が最上部位置に到達する直前の駆動部200の様子を示している。すなわち、モータギア210はA方向に回転を続けており、このとき、移動ロックギア215は回転軸が回転軸215Auとなる位置に(図中X方向に)上昇移動した状態が保たれている。したがって、ギアロック216と移動ロックギア215との非ロック状態が保たれている。
図17は、ボタン部300が最上部位置に到達したときの駆動部200の様子を示している。すなわち、モータギア210の回転は停止し、移動ロックギア215はその自重により、回転軸215Aが回転軸215Adとなる位置(図中Y方向に)下降移動した状態となる。これにより、移動ロックギア215はギアロック216とロック状態になる。
図18は、ボタン部300が最上部位置から下降移動を開始するときの駆動部200の様子を示している。このときモータギア210は上昇移動時とは逆のB方向に回転をするため、クランクギア212及びクランクアーム203も上昇移動時のM方向とは反対の図中N方向に回転をすることとなる。そして、移動ロックギア215は図中W方向に回転をすることとなるが、このときの移動ロックギアの回転軸は回転軸215Adであるため、移動ロックギア215がギアロック216とロック状態となってしまうこととなる(図19(a)参照)。
この場合、図19(a)にて示すロック状態を解除するため、図19(b)に示す通り、ソレノイド202を通電状態にして、ギアロック216をソレノイド202に向けて移動させる、つまり、ギアロック216を移動ロックギア215と噛合する位置から噛合が解除される位置まで移動し、ギアロック216と移動ロックギア215とを非ロック状態にする。
なお、本実施形態では、上記図16で説明したボタン部300が最下部位置から上昇移動を続けている間は、ソレノイド202を通電状態にする。これにより、例えば、移動ロックギア215として重量の大きいギアを用いたとしても、上昇移動中にその自重(移動ロックギア215の自重)により該ギア215が下位置に移動した(回転軸215Aが回転軸215Adになる)としてもギアロック216とロック状態にされてしまうことを回避できる。
次に、図20(a)〜図20(c)を用いて、移動ロックギア215およびギアロック216の位置関係について説明する。
図20(a)は、本実施形態におけるギアロック216と移動ロックギア215とが噛合している状態について、双方の位置関係を示す図である。
図に示す通り、移動ロックギア215は、モータギア210との噛合状態を維持しながら、モータギア210の回転方向に基づいて、当該移動ロックギア215の中心軸(図中「CA」)をモータギア210の周方向に沿った円弧状の軌道(図中「OR」)の軌道上において軸移動が可能となっている。
そして、ギアロック216および移動ロックギア215の噛み合いの位置(図中「CP」)と、移動ロックギア215の中心軸「CA」の位置との位置関係について、中心軸「CA」の位置における軌道「OR」の接線(図中「TL」)の線上において共に存在する位置関係を有している。
次に、図20(a)におけるギアロック216と移動ロックギア215との間において発生される運動エネルギーの作用について、図20(b)を用いて詳細に説明する。
図に示す通り、モータギア210の図中「B」方向への回転動作により、移動ロックギア215の中心軸「CA」は、軌道「OR」に沿って図中「F」方向に向けて移動されることとなる。このため、中心軸「CA」においては、図に示す通り、軌道「OR」の軌道上における接線(図中「TL」)方向に向けて、中心軸「CA」の軸移動に係る軸移動ベクトル(図中「UV1」)が発生することとなる。
さらに、図に示す通り、ギアロック216の歯先部「TT1」と移動ロックギア215の歯底部「TB1」とが当接する位置「CP」においては、上記の軸移動ベクトル「UV1」の反作用として、当該軸移動ベクトル「UV1」の反対方向の移動停止ベクトル「DV1」が発生されることとなる。
このように、軸移動ベクトル「UV1」および移動停止ベクトル「DV1」は、接線「TL」上において互いに反対方向に向けて発生する移動ベクトルであるため、これらベクトル同士で、互いの移動ベクトルを相殺する効果が働き、移動ロックギア215の回転動作を停止する作用に加え、移動ロックギア215の軌道「OR」に沿った軸移動を阻止する作用も働くこととなり、遊技者による過大な押圧力が加わった場合でも、これらの歯車の余分な回転動作を防止するとともに、より効果的に駆動部への過負荷の影響を軽減させることができる。
次に、ギアロック216と移動ロックギア215との間において発生される運動エネルギーの作用について、ギアロック216の歯先部と移動ロックギア215の歯底部とが当接する位置「CP」が接線「TL」上に存在しない場合を仮定して、図20(c)を参照しながら説明する。
なお、本実施形態においては、図20(b)に示す移動ロックギア215およびギアロック216の配置構成を採用することとしており、図20(c)に示す移動ロックギア215およびギアロック216の配置構成は、補足的な説明のために引用するものである。
図20(c)においては、図20(b)と同様に、モータギア210の図中「B」方向への回転動作により、移動ロックギア215の中心軸「CA」は、軌道「OR」に沿って図中「F」方向に向けて移動されることとなり、中心軸「CA」においては、軌道「OR」の軌道上における接線「TL」方向に向けて、中心軸「CA」の軸移動に係る軸移動ベクトル(図中「UV2」)が発生されることとなる。
ここにおいて、ギアロック216の歯先部「TT2」と移動ロックギア215の歯底部「TB2」とが当接する位置「CP」においては、図に示す通り、歯先部「TT2」から歯底部「TB2」に向けて、図20(b)と同様に、移動ロックギア215とギアロック216との当接に係る上記の移動停止ベクトル「DV1」と同じスカラー量の移動停止ベクトル「DV2」が発生すると仮定する。
そして、当該移動停止ベクトル「DV2」について、接線「TL」方向と同じ方向の成分と、接線「TL」方向と直角の関係をなす方向の成分とに分けると、図に示す通り、当該位置「CP」における接線「TL」方向における接線方向移動停止ベクトル「TDV2」と、接線「TL」方向と直角の関係をなす方向における垂直方向移動停止ベクトル「SDV2」とが働いていることとなる。
ここにおいて、図に示す通り、中心軸「CA」の軸移動に係る軸移動ベクトル「UV2」に対し、当該軸移動ベクトル「UV2」と反対方向の移動ベクトルとして、接線方向移動停止ベクトル「TDV2」が働くことになるものの、軸移動ベクトル「UV2」と移動停止ベクトル「DV2」とのスカラー量が同じであることを考慮すると、当該接線方向移動停止ベクトル「TDV2」は、当該軸移動ベクトル「UV2」を相殺する程度のスカラー量を有していないこととなる。
つまり、当該接線方向移動停止ベクトル「TDV2」の働きにより、当該軸移動ベクトル「UV2」を相殺するためには、当該接線方向移動停止ベクトル「TDV2」が図20(b)に示した移動停止ベクトル「DV1」に相応したスカラー量を有する必要があり、そのためには、ギアロック216の歯先部「TT2」と移動ロックギア215の歯底部「TB2」とが当接する位置「CP」において、より大きなスカラー量を有する移動停止ベクトル「DV2」が発生されている必要がある。
以上、図20(b)および図20(c)を用いて説明した通り、ギアロック216の歯先部と移動ロックギア215の歯底部とが当接する位置「CP」について、図20(c)に示す配置構成に比べ、図20(b)に示す配置構成を採用すること、つまり、中心軸「CA」の位置における軌道「OR」の接線「TL」の線上にギアロック216の歯先部と移動ロックギア215の歯底部とが当接する位置「CP」が存在するとの配置構成を採用することの方が、移動ロックギア215の軸移動を停止するという作用効果の点において優れているといえる。
これらを踏まえ、本実施形態においては、図20(b)に示す通り、ギアロック216の歯先部「TT1」および移動ロックギア215の歯底部「TB1」の噛み合いの位置「CP」と、移動ロックギア215の中心軸「CA」の位置との位置関係について、中心軸「CA」の位置における軌道「OR」の接線「TL」の線上において、共に存在する位置関係とすることで、接線「TL」上において互いに反対方向に向けて発生する軸移動ベクトル「UV1」および移動停止ベクトル「DV1」の相殺作用により、移動ロックギア215の回転動作を停止する作用に加え、移動ロックギア215の軌道「OR」に沿った軸移動を阻止する作用も働くこととなり、遊技者による過大な押圧力が加わった場合でも、これらの歯車の余分な回転動作を防止するとともに、より効果的に駆動部への過負荷の影響を軽減させることができるというものである。
また、本実施形態におけるギアロック216について、図20(b)に示す通り、部分的に歯部材を備える構成を実施例として採用しているものの、これに限らず、円周方向に向けて歯部材を備える停止歯車などであってもよく、移動ロックギア215と噛み合うことが可能である限り、その構成は問わないものである。
さらに、ギアロック216および移動ロックギア215の噛み合いの位置「CP」について、図20(b)に示す通り本実施形態おいては、ギアロック216の歯先部「TT1」と移動ロックギア215の歯底部「TB1」とが当接する位置を実施例として採用しているものの、ギアロック216の歯底部と移動ロックギア215の歯先部とが当接する位置として予め設計してもよいものである。
次に、図21及び図22を用いて、ボタン部300が押下されたときの押下許容距離(以下「押下ストローク」という)について説明する。
図21は、ボタン部300が最下部位置にあるときの下ケース102(点線で示す)、円筒フレーム340及び上下駆動フレーム307の位置関係を示している。
すなわち、円筒フレーム340と上下駆動フレーム307とのあいだには、図8で説明したとおり、ST1で示す距離が保たれている。つまり、円筒フレーム340は、ST1だけ上下駆動フレーム307に向けて下降移動が可能となるが、下ケース102には、該下ケース102がボタン部300(特には円筒フレーム340)と係合したときに、円筒フレーム340の複数のボス状突起306cを受け入れ可能な受け穴102aが複数設けられている。この受け穴102aは、図示のように、下ケース102がボタン部300(特には円筒フレーム340)と係合したときに、ボス状突起306cの先端面BXと受け穴102aの底面TXとの間にST2で示す距離が保たれるようにその穴が穿設されている。
また、このST2で示す距離(例えば、3mm)は、ST1で示す距離(例えば、10mm)に比べて小さく設定されている。これにより、円筒フレーム340がST2だけ下降移動すると、ボス状突起306cの先端面BXが受け穴102aの底面TXに接触するため、それ以上の下降移動が不可能となる。すなわち、ボタン部300が最下部位置にあるときの押下ストロークはST2ということになる。
一方、図22は、ボタン部300が最上部位置にあるときの下ケース102(点線で示す)、円筒フレーム340及び上下駆動フレーム307の位置関係を示している。
すなわち、複数のボス状突起306cは、これを受け入れ可能な受け穴102aとは離れて位置することとなるため、[ST2<ST1]という関係が成立しない。このため、円筒フレーム340と上下駆動フレーム307とのあいだには、図8で説明したとおり、ST1で示す距離が保たれているのみである。したがって、円筒フレーム340はST1だけ下降移動することが可能となる。すなわち、ボタン部300が最上部位置にあるときの押下ストロークはST1ということになる。
次に、図23及び図24を用いて、ボタン部300が最上部位置にあるときに、押下ストロークを超える押下力が加えられた場合の駆動部200の動作について説明する。
図23は、ボタン部300が最上部位置にあるときのクランクギア212及びクラッチ受け220の状態を示している。図示するように、クラッチ受け220には、クラッチ用スプリング221からの付勢力が働くため、クラッチ受け220の歯型部220Aは、クランクギア212の歯型部212Aと歯合した状態となっている。
ところが、図24に示すように、押下ストロークST1を超える押圧力F(図中において白抜き矢印で示す)が加えられると、ボタン部300にはそれ以上の下降移動をする押下ストロークの余裕がなくなるため、クランクアーム203を介してクランクギア212にこの押圧力Fによる回転動力(図中のIで示す矢印方向の力)が働くことになる。すなわち、駆動部200が作動していないにも関わらず、クランクギア212が図中のI方向に回転する動力が加えられる。しかしながら、このとき移動ロックギア215はギアロック216とロック状態にあり、中継ギア211及びモータギア210も回転不可能な状態にある。このため、クランクギア212に図中のI方向への回転動力が加えられると、これに従動して他のギア211〜215にも回転動力が伝達されることになる。すなわち、ギア211〜215に対して無理な力(過負荷)が加えられることとなり、ギア212〜215の損傷(歯が破損したり、ギアの軸がずれたりすること)を招いてしまう虞がある。
このような事態を回避するために、本実施形態では、クランクギア212に歯型部212Aを設け、この歯型部212Aと歯合する歯型部220Aを有するクラッチ受け220を設けたのである。この歯型部212A,220Aは図示するように、ギザギザ形状(のこぎり歯のような刻み目)であり、互いに噛み合う形状を成している。
したがって、図23に示すように、通常ではクラッチ用スプリング221からクラッチ受け220がP方向に付勢されているため、付勢されたクラッチ受け220の歯型部220Aがクランクギア212の歯型部212Aと噛み合うことになる。
一方で、図24に示すような、押圧力Fが加えられたときには、クランクアーム203及びクラッチ受け220には図中のI方向への回転動力が加わることとなるが、このときクランクギア212には、その他のギア210,211,215がロック状態にあることから、図中のKで示す矢印方向への力が発生する。すると、クラッチ受け220の歯型部220Aは、クランクギア212Aの歯型部212Aのギザギザ形状の歯合面を沿って、歯型部212Aとの歯合する位置から離れた状態にズレながらI方向に回転移動することになる。したがって、図示するように、クラッチ受け220とクランクギア212とが歯合した状態が一時的に解除されることとなる(以下、この解除された状態を「非歯合状態」という)。つまり、この非歯合状態においては、クラッチ受け220には図中のLで示す矢印方向への付勢力がクランクギア212(及び歯型部212A)から働くこととなる。
そして、この非歯合状態において、クランクアーム203及びクラッチ受け220がI方向に若干回転すると、クラッチ用スプリング221に付勢されたクラッチ受け220がP方向に押し出されるとともに、歯型部220Aが再び歯型部212Aと歯合することとなる。
ここで、「若干回転すると」としたのは、歯型部212Aの1ピッチ分だけクラッチ受け220が回転移動すれば、互いの歯型部212A,220Aが次に歯合が可能な位置となるため、常にP方向に付勢されているクラッチ受け220は歯合が可能な位置にて再び歯合することとなる。
すなわち、押圧力Fが短期的に加えられたようなとき(一瞬だけ強い力が加えられたような場合)には、上記のように1ピッチずれることだけで押圧力Fによるギア210〜215への過負荷を軽減することができる。
また、押圧力Fが長期的に加えられ続けるような時(強い力で押し続けられているような場合)には、上記のような1ピッチずれを何度も繰り返しながら、押圧力Fによるギア210〜215への過負荷を軽減することができる。
以上のように、本実施形態によれば、チャンスボタン装置100は、遊技機1本体の表面(具体的には上皿ユニット11)からボタン体330が大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間において上下移動の駆動制御を可能とし、その大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間のいずれの位置において遊技者による押下操作を可能とし、さらに、過大な押下力に対して耐久性を備えたことにより、様々な遊技状態や演出内容に対応した遊技機用ボタンスイッチ装置を提供することができる。
例えば、遊技機における遊技の進行が、遊技者にとって特別な遊技価値が付与される第1の遊技状態(確率変動状態に代表される、いわゆる高確率遊技状態)と、特別な遊技価値が付与されない第2の遊技状態(通常遊技状態に代表される、いわゆる低確率遊技状態)との切り替えにより進行される遊技機においては、前記第1の遊技状態においてはボタン部300を「最上部位置」に移動させ、前記第2の遊技状態においてはボタン部300を「最下部位置」に移動させる。このようにすることで、チャンスボタン装置100においてボタン体330が「大きく突出した状態」にあるときには現在の遊技状態が第1の遊技状態であることを知らせることができる。
さらに、遊技の進行が上記第1の遊技状態であり、ボタン体330が「大きく突出した状態」にあるときに、液晶表示装置30にボタン体330を連続して押下する動作(以下、「連打」という)を促すメッセージ「連打」を表示し、遊技者に連打を促してもよい。このように、本実施形態におけるチャンスボタン装置100は、ボタン体330が「大きく突出した位置」と「僅かに突出した位置」との間のいずれの位置において、過大な押圧力(押下力)に対して耐久性を備えているため、この「連打」を促すことができるのである。
また、別の一例として、遊技機1における液晶表示装置30等の演出内容に応じて、特定の演出内容が実行されるときに、ボタン体330を「大きく突出した位置」に移動させ、その特定の演出内容の実行が終了したときに「僅かに突出した位置」に移動させて、遊技者の趣向を高めてもよい。この場合においても、先ほどと同様に、ボタン体330が「大きく突出した位置」に移動しているときに、液晶表示装置30等にて「連打」とメッセージを表示し、遊技者にチャンスボタン装置100の「連打」を促してもよい。
さらに、本実施形態におけるチャンスボタン装置100は、ボタン部300が大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間において上下動制御を可能とし、ボタン部300が大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間のいずれの位置においても遊技者による押下操作を可能とすることから、この「大きく突出した位置」と「僅かに突出した位置」との間のいずれの位置においても「連打」が可能となる。このことから、「連打」を促す演出における演出内容と、ボタン部300の高さ位置に基づく演出内容との組み合わせが多様になり、遊技者の興趣の向上を図ることができる。
なお、本実施形態においては、ボタン部300を大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間において上下動制御を可能とし、その大きく突出した位置と僅かに突出した位置との間のいずれの位置において遊技者による押下操作を可能としているが、遊技者による押下操作が可能な位置については、「大きく突出した位置」および「僅かに突出した位置」に限られない。すなわち、「大きく突出した位置」と「僅かに突出した位置」との間のどの位置においても、ボタン部300の上下動の駆動制御を停止させ、その停止した位置において押下操作を受け付け可能としてもよい。さらには、先に述べた遊技機1における遊技状態や液晶表示装置30等の演出内容に応じて、ボタン部300の上下動の駆動制御を「大きく突出した位置」と「僅かに突出した位置」との間のどの位置においても上下動の駆動制御を停止させてもよい。また、いずれの位置においても「押下操作」および「連打」を促すこととしてもよい。
なお、本実施形態において「過大な押圧力」とは、前記した「連打」に限定されることなく、「殴打」「ひじ打ち」など、過大な押下操作であるかぎり、その全てを含むことを意味する。
なお、本実施形態における「ボタン体330、円筒フレーム340、保護板304、LED基板305、上下駆動フレーム307およびセンタースプリング308から成る構成」が本発明のボタン本体に相当する。
なお、本実施形態の図5において示す「ボタン部300が僅かに突出した状態」が本発明における「引き込んだ位置」に相当する。
なお、本実施形態の図6において示す「ボタン部300が大きく突出した状態」が本発明における「突出した位置」に相当する。
なお、本実施形態における「モータギア210」が本発明の駆動歯車に相当する。
なお、本実施形態における「クランクアーム203」が本発明のクランクアームに相当する。
なお、本実施形態における「移動ロックギア215」が本発明の移動歯車に相当する。
なお、本実施形態における「ギアロック216」が本発明の停止歯車に相当する。
なお、本実施形態における軌道「OR」が本発明の「円弧状の軌道」に相当する。
なお、本実施形態における噛み合いの位置「CP」が本発明の「噛み合いの位置」に相当する。
なお、本実施形態におけるギアロック216の歯先部「TT1」および「TT2」が本発明の「停止歯材部の歯先部」に相当する。
なお、本実施形態における移動ロックギア215の歯底部「TB1」および「TB2」が本発明の「移動歯車の歯底部」に相当する。
なお、本実施形態におけるギアロック216の歯底部が本発明の「停止歯材部の歯底部」に相当する。
なお、本実施形態における移動ロックギア215の歯先部が本発明の「移動歯車の歯先部」に相当する。
なお、本実施形態における頂部「SU」が本発明の「頂部」に相当する。