以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。なお、後述する各実施の形態では、本発明の遊技機を所謂第1種特別電動役物を使用したパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂第2種特別電動役物や所謂第3種特別電動役物等を使用したパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。
図1は、本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機1の外部構造を示す正面図である。本パチンコ機1は、同図に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体6と、遊技盤3を支持した形で筐体6に開閉可能に支持された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が、前扉7の遊技盤保持枠(図示せず)に対して開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における上部左右、及び下部の皿ユニット16の左右には、スピーカー(図示せず)を有する放音装置12がそれぞれ配設されている。そして、前扉7の上部における放音装置12の間には、演出用照明装置8が配設されている。なお、筐体6及び前扉7等によって遊技機本体が構成されている。
また、ガラス枠10における中央部右方には、前扉7を筐体6側に施錠又は解放し、或いは、ガラス枠10を前扉7側に施錠又は解放するための施錠装置13が配設されている。なお、図1中の符号14は、打ち出された遊技球Baを遊技盤3側に案内するガイドレールを示している。本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域3aにて入賞することなく落下してアウト口(図示せず)に進入した遊技球Baをパチンコ機1の背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
そして、前扉7における下部中央には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球Baが供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及びプリペイドカード返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16の中央左部には、該皿ユニット16上の遊技球Baを発射装置付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aが配設されており、皿ユニット16の中央下部には、皿ユニット16上の遊技球Baを球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bが配設されている。なお、上述のように、本実施形態の前扉7には、ガラス枠10、皿ユニット16及びその周辺、不図示の遊技盤保持枠等が含まれている。
また、前扉7における皿ユニット16の右方下部の前壁部48には、発射装置(図示せず)を操作して遊技球Baを遊技盤3に向けて打ち出すための発射ハンドル2が設けられている。更に、皿ユニット16の下部左方には、灰皿21と遊技者参加ボタン22とが配設されている。この遊技者参加ボタン22の左右には、選択ボタン18a,18bがそれぞれ配設されている。遊技者参加ボタン22は、遊技機本体に備えられ、遊技者を遊技に参加させ得る操作部材を構成している。
また、遊技領域3aの中央部分には、遊技球ステージSを有するセンター飾り23が配設されている。センター飾り23の左右下方には、それぞれ大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口25,26が配設されており、センター飾り23の直下方には、始動チャッカー27と、アタッカー5とが順次配設されている。
始動チャッカー27は、大当たり抽選の契機となり得る入賞が行われる始動入賞口を構成しており、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように始動チャッカー開閉ソレノイド70(図5参照)によって作動させられる。始動チャッカー27の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘30が打ち込まれている。
アタッカー5は、大当たり抽選で大当たりが決定した際に所定ラウンド数(例えば15回)だけ繰り返し開閉動作する大入賞口を構成している。すなわち、アタッカー5は、大当たり発生時に開放され、遊技盤3の遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球Baを入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
遊技領域3aには、センター飾り23の四方には風車31が配設されており、遊技球ステージSの下方における始動チャッカー27の左側には、普通図柄作動ゲート(スルーゲート)32が配設されている。この普通図柄作動ゲート32は、始動チャッカー27を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
遊技領域3aにおける普通図柄作動ゲート32、入賞口25,26及び始動チャッカー27等の周囲には、遊技球ステージSから零れた遊技球Baや、発射されてから遊技球ステージSに関与せずに落下してくる遊技球Baを適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘33を含む多数の障害釘が打ち込まれている。
上記センター飾り23は、遊技盤3側に固定された図柄表示装置35を露出する開口36を中央部に、ワープ導入口37を左上部に、該ワープ導入口37に連通する放出口4を左下部に、遊技球ステージSを開口36の下側に、球放出口49を該ステージSの中央下部にそれぞれ有している。また、ワープ導入口37の対向位置には、一対の障害釘39が打ち込まれている。ワープ導入口37の周囲や上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域3aに打ち出された遊技球Baを始動チャッカー27等に、遊技球ステージSを介して入球させ又は該ステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、上記「ワープ導入」という語句は、遊技領域3aに打ち出された遊技球Baを、当該遊技領域3aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー27の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域3aにおいて始動チャッカー27左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球Baを始動チャッカー27方向に導く役割を担っている。
次に、本発明の特徴である確変判定装置(報知装置)72を備えたセンター飾り(ユニット役物)23について、図1ないし図3を参照して詳細に説明する。なお、図2は確変判定装置72の全体を拡大して示す斜視図、図3は確変判定装置72による確変判定演出を順を追って示す正面図である。
図1に示すように、遊技領域3a内に位置するセンター飾り23は、開口部36の右側部に確変判定装置72を有している。確変判定装置72は、抽選手段57(図5参照)による抽選結果を所定の契機(大当たりが確定してアタッカー5の開閉動作が開始された時点)で報知するように制御される。
確変判定装置72は、図2に示すように、共通の軸cを中心としてそれぞれ相対回動自在に入れ子状に係合する内筒部材(第1移動部材)77及び外筒部材(第2移動部材)78を有している。外筒部材78は、内筒部材77を内側に収容した状態で該内筒部材77との間で相対回動し得るように該内筒部材77より若干大径に構成されている。
内筒部材77は、後述する内筒回動モータ73の回転を、底部に固定された回動軸85に受けて回動するように、不図示の支持機構によって支持されている。外筒部材78は、後述する外筒回動モータ74の回転を、底部に固定された回動軸86に受けて回動するように、不図示の支持機構によって支持されている。回動軸86は、回動軸85を内側に収容した状態で該回動軸85との間で相対回動し得るように該回動軸85より若干大径の円筒状に形成されている。
また内筒部材77は、円筒の軸方向(図2の上下方向)にて等面積となるように3分割された第1表示面77a、第2表示面77b及び第3表示面77cを有している。第1表示面77a及び第2表示面77bの各前面側には、通常遊技時に遊技領域3aの前側を向くように、キャラクタ絵柄や文字(図3では例えば「ABCDEF」,「GHIJKL」と記載している)等の初期図柄(初期パターン)79a,79bがそれぞれ形成されている。第1表示面77a(つまり、初期図柄79a)の背面側には、「確」を拡大した白抜き文字である第1図柄80aが形成されており、第2表示面77b(つまり、初期図柄79b)の背面側には、「変」を拡大した白抜き文字である第1図柄80bが形成されている。つまり、内筒部材77は、通常遊技中の所定の契機で初期図柄79a,79bに代えて遊技領域3aの前側を向くように第1図柄(第1パターン)80a,80bを備えている。第3表示面77cの前面側には、特に図示はしないが任意のキャラクタ絵柄や文字等の図柄(パターン)79cが形成されており、第3表示面77cの背面側には、「CHANCE 文字を揃えて確変ゲット CHANCE」の文字である第3図柄(第3パターン)80cが形成されている。
外筒部材78も、内筒部材77と同様に3分割された第1表示面78a、第2表示面78b及び第3表示面78cを有している。外筒部材78は、後述の第2図柄(第2パターン)81a,81bが第1図柄80a,80bに重なる状況を視認可能とし得るように第2図柄81a,81bを除く部位が透明状に形成されている。すなわち、外筒部材78は、全体的に透明材料(透明のプラスチック等)から構成されており、第1表示面78a及び第2表示面78bの双方に、「確」及び「変」を拡大した色塗り文字である第2図柄81a,81bがそれぞれ形成されている。これら第2図柄81a,81bの文字は、外筒部材78の内筒部材77に対する回動に伴って第1図柄80a,80bの文字に重なり、図3の矢印eで示すような、確率変動当たりの確定を表す状態となり得るように形成されている。なお、本実施の形態では、「確」及び「変」という漢字パターンを第1図柄80a,80b及び第2図柄81a,81bとして用いたが、これら漢字等の文字に限らず、〇,☆,◇,□,△のような図形模様や数字、キャラクタ絵柄などを含め、他の如何なるパターンを用いても良いことは勿論である。
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図4を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。
図4に示すように、パチンコ機1の前扉7の背面における上部左方には、賞球タンク43が取り付けられており、この賞球タンク43の下方に、サブ基板(サブ制御基板)38、主基板(主制御基板)40、及び払出し制御基板51がこの順に配置されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板52が取り付けられており、この外部端子板52の下方に、整列待機通路45、賞球装置46、賞球排出通路47、電源ユニット41、及び発射装置(図示せず)用の発射制御基板53がこの順に配置されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図5に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
本制御系は、遊技制御装置(制御部)54と、該遊技制御装置54に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71、放音装置12、演出用照明装置8,11、図柄表示装置35、遊技者参加ボタン22、及び確変判定装置(報知装置)72と、を備えている。
遊技制御装置54は、図4に示した主制御基板40やサブ制御基板38等から構成されている。主制御基板40は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。また、サブ制御基板38は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。
遊技制御装置54は、入賞判定手段55、入賞信号出力手段56、抽選手段57、遊技制御手段59、保留手段60、作動制御手段61、作動判定手段62、作動決定手段63、演出制御手段64、表示制御手段65、及び確変判定制御手段(報知制御手段)66を備えている。
入賞判定手段55は、発射ハンドル2の操作に応じて遊技領域3aに打ち出された遊技球が始動チャッカー27、入賞口25,26、アタッカー5等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段56は、入賞判定手段55によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー27、入賞口25,26、アタッカー5等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
抽選手段57は、遊技者に有利な特殊状態となる確率変動当たり(第1大当たり)及び該特殊状態とならない通常当たり(第2大当たり)のうちの何れかに当選させる大当たり抽選を行うものである。すなわち、抽選手段57は、入賞信号出力手段56からの始動チャッカー27に対応する入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。そして、抽選手段57は、大当たり抽選で大当たりに当選した際、確率変動当たりと通常当たりのいずれに当選したかを示す信号を出力する。
遊技制御手段59は、放音装置12、及び演出用照明装置8,11に放音、発光の演出をさせる契機となる指令を演出制御手段64に送る。更に、遊技制御手段59は、予め設定された演出データや、抽選手段57での抽選結果に応じて、図柄表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を表示制御手段65に送る。
保留手段60は、抽選手段57から出力された変動パターン信号を入力し、変動パターンを、始動チャッカー27への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、大当たり抽選保留表示装置(図示せず)に、最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段60は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定し、保留球数Hが4個表示されている間は、始動チャッカー27への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段60は、保留(記憶)している変動パターンに係る信号を順次出力し、その変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を出力しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターン信号の出力に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段60は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、抽選手段57で行われる始動チャッカー27への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
作動制御手段61は、作動決定手段63の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド70に駆動信号を送って該ソレノイド70を作動させ、始動チャッカー27を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段61は、アタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送って該ソレノイド71を作動させ、抽選手段57での抽選による大当たり発生時にアタッカー5を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段62は、始動チャッカー開閉ソレノイド70及びアタッカー開閉ソレノイド71を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド70にあって、始動チャッカー27の開閉の「条件を満たす」時とは、抽選手段57の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド71にあって、アタッカー5の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー5の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。
作動決定手段63は、作動判定手段62からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド70、アタッカー開閉ソレノイド71の作動開始を夫々に決定する。
演出制御手段64は、遊技制御手段59からの指令に応答して、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置8,11を発光させ、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。
表示制御手段65は、遊技制御手段59からの信号に従って、図柄表示装置35を駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。更に表示制御手段65は、確変判定制御手段66からの信号に応じて、図柄表示装置35の画面に、目盛り画像82と回動ピッチ決定ポイント82aとを表示するように制御する。
確変判定制御手段66は、確変判定装置72を作動制御するものであり、始動チャッカー開閉ソレノイド70を開閉動作させる作動制御手段61の制御状態を参照しつつ、大当たり当選した際の各ラウンド間では遊技者参加ボタン22を有効にして通常操作(回動ピッチ決定ポイント82aの左右の振れを1回の操作で停止させる)し得るように制御し、またラウンド中には遊技者参加ボタン22を有効にして連打操作(第2図柄81a,81bの回動動作を見ながら連続して押圧操作する)し得るように制御する。つまり、遊技者参加ボタン(操作部材)22への通常操作を、アタッカー5が閉止する各ラウンド間に行わせるように制御し、また遊技者参加ボタン22への連打操作を、アタッカー5が開放する各ラウンド中に行わせるように制御する。
具体的には、確変判定制御手段66は、遊技者参加ボタン22への通常操作に応じて外筒部材78の内筒部材77に対する移動ピッチ(回動ピッチ)を決定し、そして遊技者参加ボタン22への連打操作に応じて外筒部材78を内筒部材77に対し、決定された移動ピッチずつ移動させ、抽選手段57による抽選結果が確率変動当たりである場合には第2図柄81a,81bを第1図柄80a,80bに重ね合わせ、抽選結果が通常当たりである場合には最終的に第2図柄81a,81bを第1図柄80a,80bからずらすように制御する。また確変判定制御手段66は、図1に示すような目盛り画像82と、目盛り画像82の目盛り部分を図1の左右に一定の周期で振られ、遊技者参加ボタン22が押圧操作された瞬間の位置で停止する回動ピッチ決定ポイント82aとを、表示制御手段65を介して図柄表示装置35の画面に表示させる。
始動チャッカー開閉ソレノイド70は、作動制御手段61から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、始動チャッカー27を開閉動作させる。アタッカー開閉ソレノイド71は、作動制御手段61から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー5を開閉動作させる。
放音装置12は、演出制御手段64の制御に従ってスピーカー(図示せず)を駆動させ、演出に応じた効果音を発する。演出用照明装置8,11は、演出制御手段64の制御に従ってその内蔵する電飾ランプ(図示せず)を発光駆動(点灯、点滅)させ、演出に応じた照明を行う。図柄表示装置35は、表示制御手段65の制御に従って作動し、演出データや抽選手段57での抽選結果に応じた演出表示を行う。
遊技者参加ボタン22は、操作が有効となっている状態で押圧操作されたとき、該操作に応じた信号を遊技制御装置54の確変判定制御手段66に送る。
確変判定装置72は、内筒回動モータ73、外筒回動モータ74、内筒回動角検出手段75、外筒回動角検出手段76、内筒部材77、及び外筒部材78を有している。内筒回動モータ73は、確変判定制御手段66の制御に応答して回転駆動し、図2に示した回動軸85に回転伝達機構(図示せず)を介して回転を与えて、軸cを中心に内筒部材77を回動させる。外筒回動モータ74は、確変判定制御手段66の制御に応答して回転駆動し、図2に示した回動軸86に回転伝達機構(図示せず)を介して回転を与えて、軸cを中心に外筒部材78を回動させる。内筒回動角検出手段75は、不図示のセンサによる検知信号に基づき、内筒部材77の回動角度を検出しその検出信号を確変判定制御手段66にフィードバックする。外筒回動角検出手段76は、不図示のセンサによる検知信号に基づき、外筒部材78の回動角度を検出しその検出信号を確変判定制御手段66にフィードバックする。
次に、本パチンコ機1による作用について、図6のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、不図示の発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー27や入賞口25,26に適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口(図示せず)から遊技盤3背面側に排出される。
つまり、遊技領域3aに向けて打ち出された多数の遊技球Baは、その一部がワープ導入口37から導入されて放出口4から遊技球ステージS上に放出され、その一部が球放出口49から放出されて始動チャッカー27に向け落下し、この始動チャッカー27に高確率で入賞する。この際、障害釘30への当接状況によっては、始動チャッカー27に入賞できないこともある。一方、球放出口49からではなく遊技球ステージSから直接に落下する遊技球Baは、始動チャッカー27と異なる方向に向かう。この際、当該遊技球Baは、落下方向が、始動チャッカー27上の一対の障害釘30の間を通過して入球し得る方向と異なっても、障害釘30の左右に打ち込まれた所謂ジャンプ釘(図示せず)や、このジャンプ釘から左右方向に配列された道釘(図示せず)で弾き返されることで、障害釘30に絡んでその間を落下して始動チャッカー27に入球することもある。
ところで、上述したように始動チャッカー27や入賞口25,26の何れかに遊技球Baが入賞した場合、入賞判定手段55が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段56が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段60は、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段59を介して表示制御手段65に順次送信し、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段60は、当該保留球の消費に応じて、抽選手段57で行われる始動チャッカー27への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
ステップS3において、大当たり抽選で当選した場合、抽選手段57が当たりフラグをオンすると、抽選手段57が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりを決定する。そして、ステップS4において、図柄表示装置35に表示されるべき図柄がセットされる。
以上のように、遊技制御手段59が、図柄表示装置35に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段65に送信することに基づき、表示制御手段65は、図柄表示装置35を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する(ステップS5)。
そして、図柄表示装置35の画面上に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段61は、作動決定手段63の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド71に駆動信号を送り、当該ソレノイド71を作動させてアタッカー5を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー5に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる(ステップS6)。
上記の大当たり処理が開始すると、確変判定制御手段66は、アタッカー5開閉時の最初のラウンドの終了後、表示制御手段65を介して図柄表示装置35に目盛り画像82及び回動ピッチ決定ポイント82aを表示させると共に、遊技者参加ボタン22に対する通常操作を有効にし、かつ該遊技者参加ボタン22内に設けた不図示のランプを発光させて、遊技者に、通常操作をする旨を知らせる。同時に、確変判定装置72に駆動信号を送り、それまで遊技者側に初期図柄79a,79bを向けていた内筒部材77(図3のa参照)を、図3の矢印bで示すように回動させて、図3の矢印cで示すように第1図柄80a,80bを遊技者側に向けた状態にする。
この状態で、遊技者は、図柄表示装置35の画面上に表示されて左右に一定の周期で素早く振れている回動ピッチ決定ポイント82aの目盛り画像82に対する位置を見ながら、適宜のタイミングで遊技者参加ボタン22を押圧する。その際、目盛り画像82の右方向が回動ピッチを増加させるプラス(+)方向であり、左方向が回動ピッチを減少させる方向であるので、遊技者は、決定ポイント82aの素早い動きを視認しつつ、プラス(+)側で止まるように、期待感を持って参加ボタン22を押圧することとなる。
その結果、回動ピッチ決定ポイント82aが、より(+)側で停止した場合には、確変判定制御手段66は、その後のラウンド間で実施する連打操作による外筒部材78の、1打で進む回動量(回動ピッチ)を、その停止目盛り位置に対応するように比較的大きな値に設定する。従って、アタッカー5が一旦閉止した時点から、遊技者は、センター飾り23の右側に位置する確変判定装置72を視認しつつ、外筒部材78の第2図柄81a,81bを第1図柄80a,80bに重ね合わせるように遊技者参加ボタン22を連打する。これにより、比較的大きなピッチで回動する外筒部材78が、図3の矢印dで示すように、第1図柄80a,80bに第2図柄81a,81bを接近させていく。この際、抽選手段57の抽選で実際に確率変動当たりが決定していれば、第1図柄80a,80bに第2図柄81a,81bが重なって図3の矢印eで示すようになる。一方、通常当たりが決定していれば、最終的に第2図柄81a,81bは第1図柄80a,80bに重ならない。
また、上記通常操作によって、回動ピッチ決定ポイント82aが(+)と逆側で停止した場合には、確変判定制御手段66は、その後の連打操作による外筒部材78の回動ピッチを、その停止目盛り位置に対応するように比較的小さな値に設定する。そのため、アタッカー5が一旦閉止した時点から、外筒部材78の第2図柄81a,81bを第1図柄80a,80bに重ね合わせるように連打しても、外筒部材78は小さなピッチでしか進まず、遊技者はハラハラすることになるが、この場合も、実際に確率変動当たりが決定していれば第1図柄80a,80bに第2図柄81a,81bが重なり、また、通常当たりが決定していれば最終的に第2図柄81a,81bは第1図柄80a,80bからずれて停止することとなる。
以上の場合、接近してくる第2図柄81a,81bから第1図柄80a,80bが逃げるように内筒部材77が回動し、或いは、第1図柄80a,80bが第2図柄81a,81bに接近して重なるように内筒部材77が回動する、等の演出も可能である。この場合、例えば、確率変動当たりが決定している際に、第2図柄81a,81bが第1図柄80a,80bに重なろうとしているとき、第1図柄80a,80bが第2図柄81a,81bから逃げるように内筒部材77を回動させ、次の瞬間、第1図柄80a,80bが第2図柄81a,81b側に接近して重なるように内筒部材77を回動させる、といった演出を行うことができる。その場合、遊技者は、一旦落胆するものの、次の瞬間には大きな喜悦感を得ることができ、従って演出効果がより高まることになる。また、通常当たりが決定している際に、第2図柄81a,81bが第1図柄80a,80bに一旦重なった後、第1図柄80a,80bが第2図柄81a,81bから逃げるように内筒部材77が回動して、一旦重なった図柄80a,80b、81a,81bが最終的にずれる、といった演出も行うことができる。その場合、遊技者は、一旦は喜び、次の瞬間にがっかりすることになるが、次のチャンスには遊技者参加ボタン22の押し方に気をつけようなどと、新たな興味を湧かせて遊技を進めることとなる。
なお、本実施の形態では、上述したように、回動ピッチ決定ポイント82aを、固定状態の目盛り画像82に対して移動させるように構成したが、これに限らず、目盛り画像82側も移動し得るようにして上記決定ポイント82aと目盛り画像82とを相対移動可能に構成することもできる。その場合、例えば、遊技者参加ボタン22の操作で決定ポイント82aを目盛り画像82上で止めた際に、目盛り画像82が決定ポイント82aから逃げるように移動する演出が可能となる。その際、決定ポイント82aの停止位置が(+)と逆側で停止して遊技者が落胆した次の瞬間、目盛り画像82側が(+)と逆側に動き出し、決定ポイント82aを(+)側で停止させたと同じ結果を招来し、遊技者に大きな喜悦感を与える演出が可能となる。或いは、これと逆に、上記決定ポイント82aの停止位置が(+)側で停止して遊技者が喜んだ次の瞬間、目盛り画像82側が(+)側に逃げるように動き出す演出も可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば、通常操作を行うことで外筒部材78の内筒部材77に対する回動ピッチ(移動ピッチ)が決まり、遊技者参加ボタン22を連打することで外筒部材78を内筒部材77に対し上記決定された回動ピッチずつ回動できるので、遊技者自身が確変判定装置72の内筒部材77の回動ピッチを決め、参加ボタン22の連打で第2図柄81a,81bを該回動ピッチずつ第1図柄80a,80bに進めて合わせるように遊技でき、抽選結果が遊技者の人為的操作に従って報知されるように遊技することができる。
そして、抽選結果が確率変動当たりであれば第2図柄81a,81bと第1図柄80a,80bとが重なり、通常当たりであれば第2図柄81a,81bと第1図柄80a,80bとが重ならない状態になるので、最終的に第2図柄81a,81bと第1図柄80a,80bとが重なって確率変動当たりが確定した場合、遊技者は、回動ピッチの決定や連打が功を奏したと満足することとなる。また、最終的に第2図柄81a,81bと第1図柄80a,80bとが重ならず通常当たりになった場合には、次回の回動ピッチの決定や連打をきちんと行おうと感じることとなる。このように、高い興趣で期待感を持って遊技を進めることができる。
更に、確変判定制御手段66が、遊技者参加ボタン22への通常操作を、アタッカー5が閉止する各ラウンド間に行わせるように制御し、かつ遊技者参加ボタン22への連打操作を、アタッカー5が開放する各ラウンド中に行わせるように制御するので、抽選手段57による抽選結果で大当たりを取得した後、遊技者は、アタッカー5が開放して所定数の遊技球を入賞させた後、アタッカー5が一旦閉止してから開放するまでのラウンド間に、できるだけ大きな回動ピッチを取得しようと参加ボタン22を懸命に操作し、またアタッカー5が開放したラウンド中には、自身の操作で決めた回動ピッチで第2図柄81a,81bを移動させ第1図柄80a,80bに重ねようと参加ボタン22を懸命に連打することで、興趣の高い遊技を行うことになる。
また、内筒部材77及び外筒部材78が、それぞれ相対回動自在に入れ子状に係合し、内筒部材77が、通常遊技時に遊技領域3aの前側を向くように初期図柄79a,79bを備えると共に通常遊技中の所定の契機で該初期図柄79a,79bに代えて遊技領域3aの前側を向くように第1図柄80a,80bを備え、外筒部材78が、第2図柄81a,81bが第1図柄80a,80bに重なる状況を視認可能とし得るように第2図柄81a,81bを除く部位が透明状に形成されるので、主に内筒部材77及び外筒部材78だけの回動動作により、或る回動ピッチで第2図柄81a,81bを第1図柄80a,80bに進め、あたかも大当たり種別を人為的に決めるという、新奇で興趣の高い演出を実現することができる。
更に、確変判定装置72が、センター飾り23の左右幅方向の一側(本実施形態では右側)に配置されるので、遊技者は、図柄表示装置35上で行われる演出表示と、センター飾り23一側の確変判定装置72による抽選結果の報知演出とを併せて容易に視認することが可能になる。
なお、本実施の形態では、本発明に係る、第1移動部材を内筒部材77として、また第2移動部材を外筒部材78として説明したが、これに限らず、本発明に係る、第1移動部材を外筒部材78として、また第2移動部材を内筒部材77として構成することも可能である。その場合にも、ほぼ同様の効果を得ることができる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。