(第1実施形態)
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の第1実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)60の方へ案内する球受皿である。尚、上皿19が遊技球で満杯になった状態では、払出される遊技球は、後述する下皿連通路71及び排出口16を介して、下皿15へと案内される。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技ホール等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
また、上皿19には、球抜きボタン123が設けられている。球抜きボタン123が押圧操作されることで、上皿19の球案内路の下流側に設けられ、下皿15に連通する連通孔(図示略)が開口し、上皿19に貯留されていた遊技球が下皿15へと案内される(落下する)。つまり、遊技者は、球抜きボタン123を操作することで、上皿19にある遊技球をいつでも下皿15に移すことができる。
さらに、上皿19には、演出ボタン125を具備するボタンユニット120が設けられている。演出ボタン125は、遊技者の演出ボタン125の操作を各種演出等に反映させることで、遊技者の興趣を向上させる目的で設けられたものであり、具体的には、演出ボタン125の操作に応じて、後述する装飾図柄表示装置42の表示内容を変更したり、対応する音声を流したりする等の何らかの変化を生じさせる制御が行われる。尚、ボタンユニット120の詳細については後述する。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
さらに、前面枠セット14の背面側には、前面枠セット14に設けられた電飾やボタンユニット120等の制御を行う前部制御装置265が基板ボックスに収容された状態で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置60及び当該発射装置60より発射された直後の遊技球を案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置60としてソレノイド式発射装置を採用している。また、発射装置60の上方には、上皿19から案内される遊技球を、内蔵された駆動手段(例えばソレノイド)の駆動により、1球ずつ発射装置60の発射位置へと案内する球送り装置63が設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(始動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33などの各種入賞口に遊技球が入球(入賞)すると、各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。例えば、第1契機対応ユニット33への入球があった場合には3個、一般入賞口31への入球があった場合には10個、可変入賞装置32への入球があった場合には15個の遊技球が上皿19(下皿15)に払出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている
第1契機対応ユニット33は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な上入賞口33a及び下入賞口33bと、下入賞口33bの両側部に設けられた開閉する一対の開閉部材33cを備えている。上入賞口33aは、遊技球が常時入球可能となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な開状態と、遊技球が入球不可能な閉状態との間で状態変化可能に構成されている。尚、詳しくは後述するが、第1契機対応ユニット33は、上入賞口33a、下入賞口33bに入球した遊技球をそれぞれ検知する第1契機対応スイッチ224a、224bを備えており、当該第1契機対応スイッチ224a、224bにて遊技球が検知された場合に、大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われるとともに、特別表示装置43及び装飾図柄表示装置42にて変動表示が行われる構成となっている。そして、当否抽選にて当選した場合には、大当たり状態(特別遊技状態)が付与される。
また、第2契機対応口34は、遊技領域を流下する遊技球が1球ずつ通過可能に構成されている。詳しくは後述するが、第2契機対応口34は、当該第2契機対応口34を通過する遊技球を検知可能な第2契機対応スイッチ225を備えており、当該第2契機対応スイッチ225にて遊技球が検知された場合に、第1契機対応ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選が行われるとともに、普通図柄表示装置41にて変動表示が行われる構成となっている。そして、開放抽選にて当選した場合には、第1契機対応ユニット33が規定時間だけ開状態とされる。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過を契機として変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入賞を契機として変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第1契機対応ユニット33が所定時間だけ開状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞する毎に色換え表示(変動表示)が行われ、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯色)により、大当たりか否かが確定的に表示される。
より詳しくは、第1契機対応ユニット33に対し遊技球が入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。大当たり抽選に当選した場合には、この際、赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)され、特別遊技状態が発生する。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが高確率モードであることを示す表示であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが時間短縮モードであることを示す表示である。なお、この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。
装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄表示領域が設けられ、各図柄表示領域において複数種類の図柄(数字)が順次表示され(変動表示され)、その後、図柄表示領域毎に順番に(例えば、上図柄表示領域→下図柄表示領域→中図柄表示領域の順に)図柄が停止表示されるようになっている。例えば、主制御装置261にて大当たりが確定すると、特別表示装置43にて大当たりに対応する表示がなされるとともに、装飾図柄表示装置42にて図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示され(例えば、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域にて停止表示される図柄が同一となり)、大当たり状態が開始される。
また、図柄が大当たりに対応する組合わせで停止表示される場合には、その前段階として、例えば、上図柄表示領域及び下図柄表示領域において同一の図柄が停止表示されることとなる。このように上図柄表示領域及び下図柄表示領域にて同一図柄が停止表示されるとともに、中図柄表示領域において未だ変動表示が行われている状態がリーチ状態である。
また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。センターフレーム47の上部には入球口151が設けられており、該入球口151に入球した遊技球は、センターフレーム47の内部に形成され、装飾図柄表示装置42の側部に沿って上下に延びるワープ流路152を介して、装飾図柄表示装置42の下方に形成されたステージ153上に案内される。ステージ153上に案内された遊技球は、ステージ153上から前方の遊技領域に転落したり、ステージ153上を転動した後ステージ153の中央奥側に形成されたポケット154に入球したりする。尚、ポケット154は、第1契機対応ユニット33の直上方の遊技領域へと通じる案内通路155と連通しており、該ポケット154に入球した遊技球は、比較的高い確率で第1契機対応ユニット33に入球するようになっている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞可能な開状態とされる。具体的には、規定時間(例えば30秒)の経過又は規定個数(例えば8個)の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置60から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、発射装置60にて打出された遊技球が、戻り球防止部材53を通過するまでは、レール50を逆流する場合があるため、内外レール構成部51,52の並行部分は遊技領域から除かれる。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、球通路ユニット70が設けられている。球通路ユニット70は、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる下皿連通路71と、払出機構部352から上皿19へ繋がる上皿連通路73と備えている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、球通路ユニット70には、前記隙間より落下した遊技球を下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置60から発射された遊技球が戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球を内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿連通路73(上皿19)に通じる通路と、下皿連通路71(下皿15)に通じる通路とに分かれている。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、下皿連通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。尚、下皿連通路71及び上皿連通路73の入口(球流入部)が隣接するとともに、前面枠セット14の閉状態において当該各入口と払出通路67とが所定距離だけ離間しており、両者間の隙間を遊技球が通過可能となっている。このため、上皿19及び上皿連通路73が遊技球で満杯となると、払出される遊技球が下皿連通路71側に流れ(下皿連通路71の入口側に溢れ)、下皿連通路71を通って下皿15に払出されることとなる。
加えて、球通路ユニット70には、下皿連通路71内に位置する遊技球を検知する満杯検知スイッチ(図示略)が設けられている。当該満杯検知スイッチの存在により、下皿15が遊技球で満杯になっていること(下皿15が遊技球で満杯となり、下皿連通路71において遊技球が滞留していること)を把握することができる。本実施形態では、満杯検知スイッチによって所定時間継続して遊技球が検知されることに基づき、発射装置60の打出しを禁止するといった制御が行われる。尚、下皿連通路71における遊技球の滞留が解消され、満杯検知スイッチにより遊技球が検知されなくなると(所定時間継続して検知されなくなると)発射装置60の打出しが許容される。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び第1契機対応ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構を備えている(図示略)。この球回収機構により回収された遊技球は、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュートからパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板ボックス263が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球を検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、第1契機対応ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1契機対応ユニットスイッチ224a,224bが設けられている。さらに、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口スイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及び第2契機対応口スイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する第1契機対応スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球の払出しが実施される(第2契機対応スイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技ホールのホールコンピュータなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板ボックス263の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球は上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板ボックス263)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収機構により回収された遊技球が流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート(図示略)が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球は、裏枠セット215の球回収機構を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュートを通じてパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュートを介してパチンコ機10外部に排出される。尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成される。
また、払出制御装置311は、基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。尚、払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
加えて、カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技ホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置60の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
さて、本実施形態ではボタンユニット120に特徴がある。以下、ボタンユニット120について図7〜図13を参照して説明する。図7は、演出ボタン125が第1の位置にあり、扉体481a,481bが閉位置にあるときのボタンユニット120を示す図であって、(a)は模式側面図であり、(b)は模式断面図である。図8は、演出ボタン125が第1の位置にあり、扉体481a,481bが開位置にあるときのボタンユニット120を示す図であって、(a)は模式側面図であり、(b)は模式断面図である。図9は、演出ボタン125が第2の位置にあり、扉体481a,481bが開位置にあるときのボタンユニット120を示す図であって、(a)は模式側面図であり、(b)は模式断面図である。図10は演出ボタン125の模式断面図である。図11は収納ボックス451及びレバー453を示す分解斜視図であり、図12は扉体(第2扉体481b)の斜視図である。図13はボタンユニット120の上面図である。
尚、図7(a)、図8(a)、図9(a)は、ハウジング391の後構成部391bを取外し、ボタンユニット120を後側から見たときの図である。また、図7(b)、図8(b)、図9(b)において、演出ボタン125、レバー453等のケース体401の内部の構成に関しては、便宜上、断面ではなく側面を図示している。また、図7(b)、図8(b)、図9(b)では、レバー453を軸支する前後一対の軸受部467のうち紙面手前側の軸受部467の図示を省略している。尚、前面枠セット14(上皿19)のうち演出ボタン125が取付けられる部位(上皿19の上面)は前方に向けて若干下方傾斜しており、従って、演出ボタン125も若干傾いて取付けられるのではあるが、便宜上、演出ボタン125が単に上向きに取付けられているものとして説明する。
図7等に示すように、ボタンユニット120は、上皿19(前面部としての前面枠セット14)に取付けられるハウジング391と、ハウジング391に収容されるケース体401と、ケース体401に対して上下に相対変位可能に設けられる操作手段としての演出ボタン125と、演出ボタン125とケース体401とにかけて設けられ、演出ボタン125を下方に付勢する引張コイルばね402とを備えている。
<演出ボタン125>
先ず、演出ボタン125について説明する。図10等に示すように、演出ボタン125は、略四角筒状の本体部411と、発光手段413が搭載されたLED基板412と、本体部411に対して出没可能に設けられ、LED基板412の上方を覆う操作部414と、操作部414を上方に付勢する付勢手段としての圧縮コイルばね415と、本体部411に外嵌するケーシング416とを備えている。
(本体部411)
本体部411は、上下方向に延びる四角筒状のベース421と、ベース421の上縁部から外方に延出する支持壁部422と、支持壁部422の先端縁から上方に延びる枠状の縁壁部423と、ベース421の上下方向中間位置において、ベース421の前壁部と後壁部とを連結するようにして設けられ、圧縮コイルばね415の下部を支持する左右一対の下支持部424とを備えている。
ベース421の左右の壁部には上下に延びる一対のガイドスリット427が対向して形成されている。また、ベース421には、ガイドスリット427の上縁部近傍から外方に向けて上方傾斜して延びる係止片部428が設けられている。加えて、本体部411には、ベース421の下側の開口を閉塞する土台部425が取付けられている。
(操作部414)
操作部414は、本体部411のベース421に挿通状態とされる操作部本体431と、透明又は半透明な素材よりなり、操作部本体431の上部に取付けられるカバー部材441とを備えている。
操作部本体431は、上下に延びる円筒状の中壁部432と、中壁部432の上縁部から外方に向けて延出する当接壁部433と、当接壁部433の先端縁から上方に延出する枠状の延出壁部434と、中壁部432を囲むようにして、当接壁部433から下方に延出する左右一対の外壁部435と、中壁部432から下方に突出する遮断片436とを備えている。当接壁部433及び延出壁部434は本体部411の縁壁部423の内側に挿通状態とされており、当接壁部433と支持壁部422とが上下方向において当接可能に構成されている。
左右一対の外壁部435と中壁部432との間には、圧縮コイルばね415の上部を挿通可能な隙間が形成されており、当該隙間に圧縮コイルばね415の上部を挿通させることで、圧縮コイルばね415の上部が中壁部432と、外壁部435と、当接壁部433とにより支持される。以下、中壁部432と、外壁部435と、当接壁部433とにより構成される断面略コ字状の部位を上支持部437と称する。当該上支持部437と上記下支持部424とにより圧縮コイルばね415の両端部を支持させるようにして、圧縮コイルばね415を本体部411と操作部414との間に介在させることにより、操作部414が上方に付勢されることとなる。
図10(a)に示すように、操作部414が押下操作されていない状態においては、圧縮コイルばね415の付勢力により、本体部411の支持壁部422と操作部414の当接壁部433とが上下に離間した状態となっている。一方、図10(b)に示すように、操作部414の押圧部443を押圧操作すると、圧縮コイルばね415が収縮し、支持壁部422と当接壁部433とが当接するまで、操作部414(押圧部443)が本体部411に没入する方向(下方)に変位する。また、押圧部443の操作を解除すると(操作部414から手を離すと)、圧縮コイルばね415が伸長し、操作部414が本体部411から突出する方向(上方)に変位して元の状態(図10(a)の状態)に戻る。
また、各外壁部435は中壁部432よりも下方にまで延出しており、外壁部435の下部は、本体部411のベース421と下支持部424との間に挿通されている。外壁部435の外面は、本体部411のベース421の内面に略当接状態となっており、操作部414が上下に変位すると、外壁部435とベース421とが摺接することとなる。さらに、外壁部435には、本体部411(ベース421)のガイドスリット427に対応して、ガイドスリット427に挿通可能なガイド突部439を有するガイド片部438が設けられている。ガイド片部438は外壁部435に対して略コ字状のスリット部を設けることで形成され、ガイド突部439のみが外壁部435から外方に突出し、その他の部位の外側面は外壁部435の外面と面一となっている。当該ガイド片部438のガイド突部439がガイドスリット427に挿通されることにより、操作部414のスライドがガイドされるとともに、操作部414が本体部411から抜け出してしまうといった事態を防止することができる。
カバー部材441は、上下に延びる筒状の周壁部442と、周壁部442の上側の開口部を閉塞する押圧部443とを備えている。周壁部442は、操作部本体431の延出壁部434の外周形状に対応した形状をなしている。また、周壁部442には内側に突出する係止凸部444が形成されている。そして、操作部本体431の延出壁部434にカバー部材441を被せるようにして操作部本体431とカバー部材441とを組付けると、操作部本体431(延出壁部434)の上側の開口が押圧部443により覆われるとともに、操作部本体431の延出壁部434の外面に形成された係止凹部445に係止凸部444が嵌合する。本実施形態では押圧部443(押圧部443の上面)が操作面に相当する。
尚、周壁部442は本体部411の縁壁部423の内側に挿通状態とされ、操作部414が操作された場合、周壁部442と縁壁部423とが摺接する構成となっている。また、操作部414が操作されていない状態においても、係止凸部444は本体部411(縁壁部423)の内側に位置している。このため、操作部414を本体部411から取外さない限り、カバー部材441を操作部本体431から取外すことができない構成となっている。
(LED基板412)
LED基板412は、前面枠セット14に設けられた電飾部材(環状電飾部102、エラー表示ランプ104)やスイッチ(球貸しボタン121、返却ボタン122)に内蔵された発光手段等の制御を行う前部制御装置265の入出力ポート574に電気的に接続されている。当該LED基板412は、本体部411の内側に収容されており、本体部411の下支持部424と土台部425とにより挟持固定されている。また、LED基板412に実装された発光手段413は、LED基板412から上方に延びるアウターリードを有しており、レンズやLEDチップ等を具備する発光部が操作部414の中壁部432の内周側に位置している。発光手段413(発光部)の光は、押圧部443を介して演出ボタン125の外部から視認可能となっている。尚、本実施形態では、スピーカSPはサブ制御装置262により直接制御される。但し、スピーカSPの制御を前部制御装置265により行うこととしてもよい。
また、LED基板412の上面には、操作部414の操作を検知する操作検知手段としての操作検知スイッチ446が実装されている。本実施形態の操作検知スイッチ446は、投光部と受光部とを備えるフォトセンサにより構成されている。そして、操作部414が押下操作されると、操作部414に設けられた遮断片436が投光部と受光部との間に進入し、投光部から受光部に至る光が遮られる構成となっている。これにより、操作部414の操作が検知される構成となっている。
尚、本実施形態では、操作部414(押圧部443)が押圧操作され、投光部から受光部に至る光が遮られるときの操作部414位置が操作位置に相当し、操作部414(押圧部443)が押圧操作されておらず、投光部からの光が受光部に入射するときの操作部414の位置が非操作位置に相当する。
(ケーシング416)
ケーシング416は、上方に開口する略箱状に構成されており、側壁部には、上下に延びる一対の係止スリット447が対向して形成されている。当該係止スリット447には、本体部411の係止片部428の先端部が挿通状態とされ、当該係止片部428の先端部が係止スリット447の上縁部に係止されている。これにより、本体部411がケーシング416から抜け出してしまうといった事態を防止している。また、ケーシング416の下面には、引張コイルばね402の上端部を支持する一対のボタン側鉤部448が設けられている。加えて、ケーシング416には、係止スリット447の直下方において外方に突出する抜け止め突起449が設けられている。尚、ケーシング416の下面には、LED基板412に接続された配線を挿通させるための開口が形成されている。
尚、ケーシング416を省略することも可能である。その場合、本体部411の下面(土台部425の下面)に対しボタン側鉤部448を設けることとする。但し、ケーシング416を設けることにより、市販されている押ボタンスイッチを改造することなくそのまま利用することもできるため、製造作業性等の向上を図ることができる。
<ケース体401>
次に、ケース体401について説明する。図7等に示すように、ケース体401は、上方に開口し、内側に演出ボタン125が挿通状態とされる収納ボックス451と、収納ボックス451に対して回動可能に設けられ、収納ボックス451の上側の開口を開閉可能な開閉手段452と、収納ボックス451に対して傾動可能に設けられたレバー453とを備えている。
(収納ボックス451)
図11に示すように、収納ボックス451は、前後方向略中央部において前後に分割されるようにして、2つの型成形体により構成されている。前側の型成形体(前成形部451a)には、右側面上部及び左側面上部から外方に突出する組付ボス455が設けられており、後側の型成形体(後成形部451b)には、組付ボス455に対応する位置にボス固定部456が設けられている。さらに、前成形部451aには、前壁部から後方(後成形部451b側)に突出する円柱状の支持突起461が設けられており、後成形部451bには、支持突起461に対応して前方(前成形部451a側)に突出する円筒状の支持受部462が設けられている。そして、組付ボス455の後端部をボス固定部456に形成された凹部に嵌入させるとともに、支持突起461の後端部を支持受部462に形成された凹部に嵌入させ、組付ボス455及びボス固定部456をねじ固定するとともに、支持突起461及び支持受部462をねじ固定することで、収納ボックス451が組み付けられている。本実施形態では、以上のようにして組み付けられる収納ボックス451の内側に演出ボタン125が設置されるとともに、演出ボタン125が収納ボックス451に対して上下に相対変位可能に構成されている。
また、収納ボックス451の前壁部及び後壁部には、収納ボックス451の内側に突出し、演出ボタン125の下面と当接可能な規制凸部463(図7(b)等参照)が形成されている。加えて、収納ボックス451の下壁部には、演出ボタン125(LED基板412)と電気的に接続された配線を挿通させるための開口が形成されており、当該開口の周縁部には、演出ボタン125のボタン側鉤部448に対応して、上方に突出する一対のケース側鉤部464(図7(b)等参照)が設けられている。当該ケース側鉤部464と上記ボタン側鉤部448とにより引張コイルばね402の両端部を支持させるようにして、引張コイルばね402を収納ボックス451(ケース体401)と演出ボタン125との間に介在させることにより、演出ボタン125が下方に付勢されることとなる。
加えて、収納ボックス451の左右の壁部には、演出ボタン125(ケーシング416)の抜け止め突起449を挿通可能な抜け止めスリット465が形成されている。抜け止め突起449が抜け止めスリット465に挿通状態とされることにより、演出ボタン125が収納ボックス451から抜き取られてしまうといった事態を防止することができる。また、抜け止めスリット465は、演出ボタン125の上下動に伴う抜け止め突起449のスライドを許容できる大きさとなっており、詳しくは後述する演出ボタン125の動作が抜け止め突起449によって阻害されないようになっている。
さらに、収納ボックス451の左壁部(図7、図11では右側の壁部)には、規制凸部463と同じくらいの高さ位置において、レバー453を挿通可能なレバー挿通孔466が形成されている。また、前成形部451a及び後成形部451bの左壁部には、レバー挿通孔466の前縁部及び後縁部から収納ボックス451の外方(図7、図11では右方)に突出し、レバー453を軸支する前後一対の軸受部467が設けられている。各軸受部467には前後に貫通する受孔468(図11参照)が形成されている。
(レバー453)
図7(b)、図11等に示すように、レバー453は、左右に延び、収納ボックス451のレバー挿通孔466に挿通されて収納ボックス451の左壁部(図7、図11では右側の壁部)を貫通するレバー本体471と、レバー本体471の右端部(図7では左側の端部)から下方傾斜して延びる作用部472と、レバー本体471の長手方向中間部位から上方に突出する軸部473とを備えている。軸部473には前後に貫通する軸孔474が形成されている。そして、軸受部467の受孔468と、軸部473の軸孔474とを位置合わせしてリベットにより接合することで、レバー453が収納ボックス451に対して回動可能に取付けられている。
レバー453は、収納ボックス451の内部に位置する部分(図7で軸部473よりも左側の部分)の重さが、収納ボックス451の外部に位置する部分(図7で軸部473よりも右側の部分)の重さよりも重くなっている。また、レバー453(レバー本体471と作用部472との境界部付近)の下面は、支持突起461の上部と当接可能に構成されている。このため、レバー453に対して外力が加えられていない状態においては、レバー453が自重により軸部473を中心として図7の反時計回り方向に回動する構成となっており、レバー453が支持突起461により支持された状態となる。支持突起461により支持されたレバー453は、レバー本体471がほぼ水平方向に延びている。加えて、本実施形態のレバー453は、樹脂素材によって適度な可撓性及び弾性を有する形状(厚み)に構成されており、例えば、作用部472に対して比較的大きな力が加えられると、レバー453が追従的に(当該レバー453の回動方向に沿って)撓むこととなる。尚、支持突起461は、規制凸部463よりも下方に設けられており、支持突起461に支持されたレバー453と、規制凸部463に支持された演出ボタン125とは当接しない構成となっている。
また、レバー453のうち収納ボックス451の外側に突出する一端部を押下げると、軸部473を中心にレバー453が図7の時計回り方向に回動し、作用部472が上方に傾動変位する。このように、レバー453の一端部が押下げられると、他端部の作用部472が規制凸部463よりも上方に変位し、当該作用部472により、演出ボタン125が押上げられる構成となっている(図9(b)参照)。
本実施形態では、演出ボタン125は、レバー453によって押上げられていないときには、図7、図8に示すように、操作部414の押圧部443がケース体401の上端部とほぼ同じ高さ位置(押圧部443がケース体401から若干上方に突出している)となっており、レバー453によって押上げられると、図9に示すように、ケーシング416の上部がケース体401から上方に比較的大きく突出する構成となっている。以下、レバー453に押上げられていないときの演出ボタン125の位置を第1の位置と称し、レバー453に押上げられたときの演出ボタン125の位置を第2の位置と称する。尚、本実施形態では、レバー453に押上げられていないとき(操作部414の押圧部443が、詳しくは後述するハウジング391の上壁部(挿通開口部392周縁部)よりも下方に位置しているとき)の演出ボタン125の状態が操作手段の第1の状態に相当し、レバー453に押上げられたとき(押圧部443が、後述するハウジング391の挿通開口部392周縁部よりも上方に位置しているとき)の演出ボタン125の状態が操作手段の第2の状態に相当する。
(開閉手段452)
図7、図12等に示すように、開閉手段452は、透明な樹脂により構成される左右一対の扉体481と、収納ボックス451に対して扉体481を回動可能に取付ける回動ピン486とを備えている。以下、右側(図7では左側)の扉体を第1扉体481aと称し、左側(図7では右側)の扉体を第2扉体481bと称する。尚、第1扉体481a及び第2扉体481bは同一形状に構成され、両者を入れ替えて収納ボックス451に取付けても支障がないようになっている。
図12に示すように、扉体481b(481a)は、略扇状をなす前後一対の板状体482と、一対の板状体482の略円弧状の辺部同士を連結する断面略円弧状の閉塞パネル483と、各板状体482のうち閉塞パネル483から離間したコーナー部において板状体482の側面(前面又は後面)から扉体481b(481a)の外方に突設されたピニオン部484とを備えている。一対の板状体482は、収納ボックス451の前後幅と略同じ距離だけ離間しており、一対の板状体482の内側に収納ボックス451を挿通可能となっている。また、扉体481b(481a)には、各ピニオン部484の中央部において前後に貫通する回動孔485が形成されている。
図12に示すように、回動ピン486は、扉体481b(481a)の回動孔485に挿通される軸柱部487と、軸柱部487の一端部側に設けられ、ピニオン部484(481a)の外面(前面又は後面)を支持する傘部488とを備えている。また、回動ピン486には、中央部において前後に貫通するねじ孔489が形成されている。そして、扉体481a、481bを収納ボックス451に被せ、扉体481a、481bの各回動孔485にそれぞれ回動ピン486を挿通状態とした上で、収納ボックス451の前壁部及び後壁部に形成された固定孔458(図11参照)と、各回動ピン486のねじ孔489とを位置合わせし、ねじ固定する。以上のようにして、扉体481a、481bが収納ボックス451に取付けられた回動ピン486に軸支され、扉体481a、481bが収納ボックス451に対して回動可能に設けられている。
各扉体481a、481bの収納ボックス451への取付状態においては、第1扉体481aに設けられたピニオン部484(以下、第1ピニオン部484aとも称する)と、第2扉体481bに設けられたピニオン部484(以下、第2ピニオン部484bとも称する)とが噛み合った状態となっている。このため、第1ピニオン部484aが回動すると、第2ピニオン部484bが反対向きに回動することとなる。尚、第1ピニオン部484a及び第2ピニオン部484bは同形状かつ同径に構成されているため、各扉体481a、481bの回動向きは反対であるが、回動量は同じである。但し、両扉体481a、481bの閉塞パネル483を突き合せて、操作部414の上方を隙間なく閉塞するために、第1ピニオン部484a及び第2ピニオン部484bは板状体482に対して、ピニオン部484の周方向において互いに歯半個分だけずれて設けられている。
また、各扉体481a、481bが回動して上方に変位し、扉体481a、481bの閉塞パネル483同士が当接すると、収納ボックス451の上側の開口部が完全に閉塞された状態となる。すなわち、扉体481a、481bにより操作部414の押圧部443(操作面)が覆われた状態となる。一方、扉体481a、481bの閉塞パネル483が互いに離間し、閉塞パネル483が収納ボックス451の上側の開口の側方に位置すると、当該収納ボックス451の上側の開口が完全に開放された状態となる。すなわち、操作部414の押圧部443(操作面)が露出した状態となる。以下、収納ボックス451の上側の開口部を完全に閉塞したときの扉体481a、481bの位置を閉位置と称し、閉塞パネル483が収納ボックス451の上側の開口の側方に位置したときの扉体481a、481bの位置を開位置と称する。尚、本実施形態では、扉体481a、481bが閉位置にあるときの状態が開閉手段の閉状態に相当し、扉体481a、481bが開位置にあるときの状態が開閉手段の開状態に相当する。
さて、本実施形態では、第2扉体481bが閉位置側へと回動変位することで、当該第2扉体481bが収納ボックス451から外方に突出するレバー453の一端部側(レバー本体471)に圧接し、当該第2扉体481bによりレバー453の一端部側が押下げられて、レバー453が軸部473を中心に回動変位する構成となっている。
より詳しくは、板状体482のうち、扉体481a、481bが開位置となる側の開放側辺部491(第2扉体481bの板状体482に関しては図7の右側の辺部)は、板状体482の内側に凹むようにして屈曲形成されており、ピニオン部484が設けられたコーナー部から屈曲部491aにかけて延びるピニオン側辺部491bと、屈曲部491aから閉塞パネル483の開位置側の端部にかけて延びるパネル側辺部491cとから構成されている。また、開放側辺部491に対応して、屈曲部491aを跨ぐようにして、前後一対の板状体482間を連結する連結壁部492が設けられている。以下、連結壁部492のうち、ピニオン側辺部491bに設けられた部位をピニオン側連結部492aと称し、パネル側辺部491cに設けられた部位をパネル側連結部492bと称する。尚、パネル側連結部492aは、閉塞パネル483と連続的に形成されている。また、ピニオン側連結部492aは、扉体481a、481bの開閉動作を許容するべく、屈曲部491a付近にのみ形成されている。
本実施形態では、扉体481a、481bは、第2扉体481bのピニオン側連結部492aが軸受部467と当接するまで下方に回動可能に構成されている。すなわち、ピニオン側連結部492aが軸受部467の上部に当接することで、扉体481a、481bのそれ以上の回動が規制される構成となっている。
また、本実施形態では、第2扉体481bのピニオン側連結部492aと軸受部467とが当接する前の段階で、第2扉体481bのパネル側連結部492bがレバー453に当接するとともに、当該当接状態からさらに第2扉体481bを回動させ、レバー453をある程度押下げた時点で、第2扉体481bのピニオン側連結部492aと軸受部467とが当接する構成となっている。尚、第2扉体481bによりレバー453の一端部側が押し下げられると、上記のように、レバー453が軸部473を中心として図7の時計回り方向に回動し、作用部472により演出ボタン125が持ち上げられて第2の位置へと変位することとなる(図9参照)。
本実施形態では、第1の位置にある演出ボタン125の上端部は、閉位置にあるときの扉体481a、481bの内側に位置するが、第2の位置にある演出ボタン125の上端部は、閉位置にあるときの扉体481a、481bの上端部よりも上方に位置することとなる。すなわち、扉体481a、481bは、演出ボタン125が第1の位置へと変位することで閉位置への変位が許容され、閉位置にある扉体481a、481bは、第2の位置にある演出ボタン125が第1の位置へと変位することで形成される空間に位置する構成となっている。
また、本実施形態では、収納ボックス451の上側の開口部とレバー453との間には、第2扉体481bの回動方向において、第2扉体481b(閉塞パネル483)を収容可能な空間が形成されている。すなわち、第2扉体481bは、収納ボックス451の上側の開口を閉塞する閉位置と、収納ボックス451の上側の開口を開放する開位置とに変位するのであるが、開位置にある第2扉体481bが必ずしもレバー453に当接するわけではなく、閉位置から開位置へと変位した第2扉体481bをさらに同方向に所定角度回動変位させることで当該第2扉体481bがレバー453と当接することとなる。当該構成により、第1の位置にある演出ボタン125を第2の位置へと変位させる際には、収納ボックス451の上側の開口が完全に開放された後に、演出ボタン125が上方の第2の位置へと変位し始めるようになっている。また、収納ボックス451の上側の開口を閉塞する際には、演出ボタン125が第1の位置へと変位した後に、扉体481a、481bが収納ボックス451の上側の開口を覆い始めるようになっている。従って、演出ボタン125が第2の位置にあるときに扉体481a、481bが閉位置へと変位したり、扉体481a、481bが閉位置にあるときに演出ボタン125が第2の位置へと変位したりしてしまうといった事態を回避することができ、扉体481a、481b及び演出ボタン125をスムースに動作させることができる。
<ハウジング391>
ハウジング391は、箱状に構成され、上壁部には、演出ボタン125(ケーシング416)を挿通可能な挿通開口部392が形成されている。挿通開口部392は、収納ボックス451の上側の開口部に対応して(若干大きく)形成されており、本実施形態では、挿通開口部392の左右幅は約50mmであり、奥行幅は約40mmである。尚、操作部414の押圧部443(操作面)の左右幅は(一番幅の大きいところで)約40mmであり、奥行幅は(一番幅の大きいところで)約30mmである。また、演出ボタン125の左右幅は約45mmであり、奥行幅は約35mmである。
また、ハウジング391は側壁部から外方に突出する取付部393を備えており、前面枠セット14(上皿19の背面側)に設けられた図示しない被取付部と位置合わせされてねじ固定されている。これにより、ボタンユニット120が前面枠セット14(上皿19)に取付けられている。ハウジング391の前面枠セット14への取付状態においては、ハウジング391の上壁部が上皿19の上面と面一となっており、本実施形態では、ハウジング391の上壁部により上皿19の上面の一部(前面部の一部)が構成されている。
また、ハウジング391は、前後方向略中央部において前後に分割されるようにして、前構成部391aと後構成部391bとにより構成されており、ケース体401を内部に収容した状態で前構成部391aと後構成部391bとがねじ固定されることで、ハウジング391が組み付けられている(図13参照)。さらに、前構成部391a及び後構成部391bには前後に貫通するねじ孔が形成されたケース固定部(図示略)が設けられており、ケース体401の前壁部及び後壁部に設けられた固定ボス395(図11等参照)と位置合わせされ、ねじ固定されている。これにより、ケース体401がハウジング391に固定されている。
図13に示すように、ハウジング391の後壁部には、外面側において駆動手段としてのモータ397が取付けられている。モータ397は前部制御装置265の入出力ポート574に電気的に接続されている。モータ397の回転軸398は、ハウジング391の後壁部を貫通してハウジング391の内側にまで延びており、その先端部には、歯車399が固定されている。モータ397は、歯車399が第1扉体481aの第1ピニオン部484aと噛み合うように設置されており、モータ397の駆動力が歯車399を介して第1ピニオン部484a(第1扉体481a)、ひいては第2ピニオン部484b(第2扉体481b)に伝達される構成となっている(図7〜図9参照)。従って、モータ397が駆動し、歯車399が回転することにより、一対の扉体481a、481bが回動する(開閉動作を行う)構成となっている。
また、モータ397には回転軸398の回転位相を検知可能なエンコーダが内蔵されている。従って、エンコーダの検知情報に基づいてモータ397を駆動することで、扉体481a、481bの回動位相を調節可能となっている。
本実施形態では、モータ397、歯車399、第1ピニオン部484aを包含する第1扉体481a、第2ピニオン部484bを包含する第2扉体481b、及びレバー453により状態切替手段が構成されている。また、歯車399、扉体481a、481b、及びレバー453が伝達手段を構成する。さらに、歯車399(及び第1ピニオン部484a)が駆動伝達部材を構成し、レバー453が連動部材を構成する。
尚、閉塞パネル483のうち、扉体481a、481bが閉位置にあるときにハウジング391の挿通開口部392から露出する(外方に臨む)部位に関しては、略平板状に構成されている。当該構成により、閉状態にある扉体481a、481b(閉塞パネル483)がハウジング391から外方に大きく突出してしまうといった事態を抑制することができる。また、扉体481a、481bが閉位置にあるときには、閉塞パネル483の前記略平板状の部位が、各ピニオン部484a、484bの上方に位置する(操作部414の変位方向において一直線状に並ぶ)。このため、閉塞パネル483が下方に押圧された場合に、扉体481a、481bに対して回動するような応力が作用してしまうといった事態を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、演出ボタン125に内蔵された圧縮コイルばね415の付勢力は、演出ボタン125を第2の位置において保持するモータ397の保持力よりも弱く、第2の位置にある演出ボタン125の操作部414(押圧部443)を押圧操作することで、演出ボタン125を第1の位置へと変位させることなく、演出ボタン125の操作部414を操作位置へと変位させることができる。
また、演出ボタン125を第2の位置において保持するモータ397の保持力に関してもそれ程強力なものではなく、演出ボタン125の操作部414(押圧部443)をある程度強く押圧操作することで、演出ボタン125全体を第1の位置へと変位させることができる(演出ボタン125、レバー453、扉体481a、481b、及び歯車399を介して、モータ397の回転軸398を回動させることができる)。但し、上記のように、圧縮コイルばね415の付勢力よりもモータ397の保持力の方が強くなっていることから、操作部414を操作位置へと変位させた後、さらに操作部414を押圧することで、演出ボタン125全体を下方の第1の位置へと変位させることが可能となる。
尚、本実施形態では、レバー453が可撓性及び弾性を有している。このため、操作部414が比較的強い力で押圧されて演出ボタン125全体が勢いよく押下げられる場合に、レバー453が追従的に変形する。従って、レバー453を介して演出ボタン125と扉体481a、481bとの間に相互作用する力を緩和することができる。結果として、操作部414を操作した遊技者(の手)に作用する衝撃を緩和することができる上、扉体481a、481b、ひいては、モータ397の損傷を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、上記のように、収納ボックス451の上側の開口部(ハウジング391の挿通開口部392)とレバー453との間には、第2扉体481bを収容可能な空間が形成されている。このため、上記のように、第2の位置にある演出ボタン125を力ずくで第1の位置へと変位させた場合、演出ボタン125が押下げられることに伴ってレバー453が軸部473を中心に図9の反時計回り方向に回動するとともに、第2扉体481bがレバー453に押圧されることに伴って閉位置側に回動変位するのではあるが、扉体481a、481bの閉塞パネル483が収納ボックス451の上側の開口部(ハウジング391の挿通開口部392)にまで達することはなく、挿通開口部392は完全に開放された状態のままである(扉体481a、481bは開位置の範囲内で変位するだけである)。
図7〜図9に示すように、本実施形態のボタンユニット120には、扉体481a、481bの位置を検知する位置検知手段493が設けられている。位置検知手段493は、第2扉体481bに対応して設けられる検知レバー494と、検知レバー494の略先端部と当接可能な位置において収納ボックス451の外側面から突出して設けられ、前部制御装置265の入出力ポート574と電気的に接続された閉鎖側検知部495及び開放側検知部496とを備えている。
図12に示すように、検知レバー494は、回動ピン486の軸柱部487を挿通可能な環状に構成され、回動ピン486の傘部488とピニオン部484との間に挟み込まれる固定リング494aと、固定リング494aのピニオン部484との対向面からピニオン部484側に突出する左右一対の係止片494bと、固定リング494aから固定リング494aの遠心方向に向けて、対応するピニオン部484の歯先よりもピニオン部484の外周側にまで延設された連結バー494cとを備えている。さらに、連結バー494cの先端部には、閉鎖側検知部495と接触可能な第1検知部497と、開放側検知部496と接触可能な第2検知部498とが設けられている。
また、検知レバー494に対応するピニオン部484には、回動孔485の周縁部に対し、検知レバー494の係止片494bを嵌合させるための凹部(図示略)が形成されている。そして、当該凹部に対して係止片494bを嵌め込むことで、第2扉体481bの回動に伴って、検知レバー494が回動することとなる。
尚、検知レバー494に対応する回動ピン486は、当該回動ピン486の傘部488とピニオン部484との間に検知レバー494の固定リング494aを挟み込むために、その他の回動ピン486に比べて、固定リング494aの厚み分だけ軸柱部487が長く構成されている。
本実施形態では、一対の扉体481a、481bの閉塞パネル483同士が当接し、ハウジング391の挿通開口部392が完全に閉塞された時点で、閉鎖側検知部495と第1検知部497とが接触する構成となっている。また、第2扉体481b(ピニオン側連結部492a)が軸受部467と当接し、演出ボタン125がレバー453によって第2の位置へと押上げられた時点で、開放側検知部496と第2検知部498とが接触する構成となっている。閉鎖側検知部495と第1検知部497とが接触することで、閉鎖側検知部495及び第1検知部497を具備する回路が電通状態となり、演出ボタン125が第1の位置にあり、かつ、扉体481a、481bが閉位置にあることを把握することができる。一方、開放側検知部496と第2検知部498とが接触することで、開放側検知部496及び第2検知部498を具備する回路が電通状態となり、演出ボタン125が第2の位置にあり、かつ、扉体481a、481bが開位置にあることを把握することができる。尚、図7〜図9では、閉鎖側検知部495に接続される配線及び開放側検知部496に接続される配線の図示を省略している。尚、位置検知手段493の構成は特に限定されるものではなく、例えば、扉体481a、481bが開位置へと変位したことを検知する光センサと、扉体481a、481bが閉位置へと変位したことを検知する光センサとにより位置検知手段を構成することとしてもよい。
ここで、ボタンユニット120の組立て作業について簡単に説明する。まず、抜け止めスリット465の内側に抜け止め突起449を位置させるようにして、前成形部451aと後成形部451bとで演出ボタン125を挟み込んでから、前成形部451aと後成形部451bとを固定することで収納ボックス451を組み付ける。次に、収納ボックス451の挿通孔にレバー453を挿通し、収納ボックス451の軸受部467とレバー453の軸部473とをリベットで接続する。続いて、収納ボックス451に対し、回動ピン486を用いて一対の扉体481a、481bを取付ける。その後、演出ボタン125のボタン側鉤部448とケース体401(収納ボックス451)のケース側鉤部464とにかけて引張コイルばね402を装着する。
次に、ハウジング391の後構成部391bにモータ397を取付けるとともに、モータ397の回転軸398に歯車399を取付ける。続いて、ハウジング391の前構成部391aにケース体401を固定する。その後、ハウジング391の前構成部391aと後構成部391bとを固定するとともに、後構成部391bとケース体401とを固定する。以上のようにして、ボタンユニット120が組み立てられる。
次に、ボタンユニット120の動作について説明する。本実施形態では、通常、図7に示すように、演出ボタン125が下方の第1の位置において維持されるとともに、扉体481a、481bが閉位置において保持されている。すなわち、演出ボタン125(操作部414)がハウジング391の内側に収容されるとともに、一対の扉体481a、481bによりハウジング391の挿通開口部392が閉塞され、操作部414の押圧部443(操作面)が覆われた状態(押圧部443を触ることができない状態)となっている。
演出ボタン125が第1の位置にある状態において、歯車399が図7(a)の時計回り方向に回転するようにモータ397が駆動すると、第1ピニオン部484aが図7(a)の反時計回り方向に回動するとともに、第2ピニオン部484bが図7(a)の時計回り方向に回動する。すなわち、一対の扉体481a、481bが互いに離間するようにして下方に向けて回動変位する。
そして、扉体481a、481bがハウジング391の挿通開口部392(収納ボックス451の上側の開口部)の側方に位置して挿通開口部392が完全に開放された後、さらに扉体481a、481bが同方向に回動変位することで、第2扉体481bのパネル側連結部492bが、レバー453(レバー本体471)に当接する。当該当接状態から、さらに第2扉体481bのピニオン側連結部492aと軸受部467とが当接するまで扉体481a、481bを回動させることで、収納ボックス451から突出するレバー453の一端部側が第2扉体481bによって押下げられる。このとき、レバー453が軸部473(軸受部467)を中心として回動し、作用部472が上方に変位するとともに、当該作用部472により第1の位置にあった演出ボタン125が第2の位置へと押上げられ、操作部414がハウジング391の挿通開口部392から上方に突出する。
また、演出ボタン125が第2の位置にある状態において、歯車399が図9(a)の反時計回り方向に回転するようにモータ397が駆動すると、第1ピニオン部484aが図9(a)の時計回り方向に回動するとともに、第2ピニオン部484bが図9(a)の反時計回り方向に回動する。すなわち、一対の扉体481a、481bが上方に向けて互いに近接するようにして回動変位する。
このように扉体481a、481bが回動変位していくと、レバー453の作用部472により支持されている演出ボタン125が、引張コイルばね402の付勢力と演出ボタン125自身の重さとにより下方の第1の位置側に変位し、やがて、演出ボタン125が規制凸部463によって支持される第1の位置へと到達する。そして、演出ボタン125が第1の位置へと変位した後、さらに扉体481a、481bが同方向に回動変位することで、扉体481a、481bがハウジング391の挿通開口部392を次第に閉塞していき、一対の扉体481a、481bの各閉塞パネル483同士が当接した時点で、挿通開口部392が完全に閉塞される。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図14は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)のメイン処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応スイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、遊技盤30に設けられた各種電飾部材が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、メイン処理によって電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時のメイン処理において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込み処理が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、コマンド判定処理により受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技ホール等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置60による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置60は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置60が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを、入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
前部制御装置265は、演算装置であるCPU571、該CPU571により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM572、該ROM572内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM573、入出力ポート574、バスライン575を備えるとともに、その他にもデータ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM573は、CPU571による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。入出力ポート574には、バスライン575を介してCPU571、ROM572、RAM573が接続されるとともに、サブ制御装置262が接続されている。さらに、入出力ポート574には、ボタンユニット120や、環状電飾部102及びエラー表示ランプ104等の前面枠セット14に設けられる電飾部材が接続されている。また、前部制御装置265のCPU571は、サブ制御装置262から送信される指令信号に基づいて、前面枠セット14に設けられた前記電飾部材等の制御を行う構成となっている。
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
本実施形態では、主制御装置261内のCPU501は、遊技に際し各種カウンタ情報を用いて抽選(大当たり抽選)を行うこととしている。具体的には、図15に示すように、大当たりの抽選に使用する抽選用乱数カウンタとしての大当たり乱数カウンタC1と、大当たりに際し後述する高確率モード又は低確率モードへの移行決定に使用するモード決定カウンタC2と、特別表示装置43の変動表示時間の決定等に使用する変動選択カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する初期値乱数カウンタCINIと、特別表示装置43の変動表示時間の決定等に使用する変動種別カウンタCS1,CS2と、普通図柄表示装置41の抽選(第1契機対応ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選)に使用する普通図柄乱数カウンタC4とを用いることとしている。なお、変動選択カウンタC3は、装飾図柄表示装置42を外れ変動させる際の変動パターンやリーチ種別の抽選にも使用される。また、変動種別カウンタCS1,CS2は、装飾図柄表示装置42の変動パターン選択(演出パターン選択)にも使用される。詳しくは、決定された変動パターンにより、特別表示装置43の変動時間が決定されるとともに、装飾図柄表示装置42における変動態様及び変動時間すなわち演出パターン(演出態様)が決定される。
カウンタC1,C2,C3,CINI,CS1,CS2,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、上限値に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは定期的に更新され、その更新値がRAM503の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される(乱数初期値カウンタCINIを除く)。
RAM503には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜保留第4エリア)とからなる記憶エリアとしての第1保留球格納エリア及び第2保留球格納エリアが設けられている。第1保留球格納エリアの各エリアには、第1契機対応ユニット33への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、及び変動選択カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。また、第2保留球格納エリアの各エリアには、第2契機対応口34への遊技球の通過履歴に合わせて、普通図柄乱数カウンタC4の値が時系列的に格納されるようになっている。当該構成を採用することで、上記のように特別表示装置43及び普通図柄表示装置41における変動表示を保留可能としている。
各カウンタについて詳しく説明すると、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜917の範囲内で順に1ずつ加算され、終値としての上限値(つまり917)に達した後、始値としての下限値である0に戻る構成となっている。通常、大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の初期値乱数カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の次の初期値として読み込まれる。なお、初期値乱数カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタであり(値=0〜917)、タイマ割込み毎に1回更新されると共に通常処理の残余時間内で繰り返し更新される。一方、大当たり乱数カウンタC1は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、大当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで大当たり乱数カウンタバッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値は、低確率状態(通常モードや時間短縮モード等)と高確率状態(高確率モード)とで2種類設定されており、本実施形態では、低確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は3で、その値は「147、341、533」であり、高確率状態であれば大当たりとなる乱数の値の数は30で、その値は「141〜150、341〜350、531〜540」である。
ここで、各種遊技モードについて説明する。本実施形態では、遊技モード(遊技状態)が、通常モード(通常状態)及び当該通常モードよりも遊技者に有利な複数の特定モードの間で切換設定される。より詳しくは、特定モードとしては、高確率モード及び時間短縮モードの2つが設定されている。このうち、高確率モードは、次回大当たりまで継続する遊技モードであり、時間短縮モードは、所定期間終了後には次のモードへ移行するモードである。
通常モードとは、上記高確率モード等の特定モードでない通常時の状態をいう。従って、通常モード時には、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)が通常の低確率となっている。
また、高確率モードとは、特別表示装置43において「赤」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後の大当たり確率が低確率状態時に比べアップした状態をいう。以下の説明では適宜、装飾図柄表示装置42において確変図柄によって大当たりになった場合を「確変大当たり」といい、確変図柄以外の通常図柄によって大当たりになった場合を「通常大当たり」という。
高確率モードにおいては、大当たり確率が高められ、高確率状態となるのであるが、これに加えて、本実施形態では、特別表示装置43における変動表示時間が短くなる(時間短縮状態となる)。さらに、第1契機対応ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い状態となる。これによって、第1契機対応ユニット33が開状態となっている時間帯が長くなるため、第1契機対応ユニット33に対して遊技球が頻繁に入球するようになり、大当たり抽選が連続してなされると共に、玉持ちのよい状態となる。つまり、このような状態が本実施形態における高入球状態に相当する。従って、上記高確率モードは、高確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。これに対し、通常モード時は低入球状態に相当する。尚、各モードにおける第1契機対応ユニット33の開放時間は特に限定されるものではなく、機種毎にそれぞれ設定することができる。また、高確率モードにおいて、普通図柄表示装置41における変動時間を短くしたり、普通図柄表示装置41において「○」図柄が停止表示される確率(開放抽選の当選確率)を通常モード時よりも高くしたり、一回の当選につき第1契機対応ユニット33が開状態とされる回数を多くしたりすることとしてもよい。
また、時間短縮モードとは、特別表示装置43において「緑」で停止表示されること(装飾図柄表示装置42において予め定められた確変図柄以外の通常図柄で停止表示されること)によって大当たりになり、その後特別表示装置43の変動表示が100回行われる間設定される遊技モードであり、通常モードよりも遊技者に有利な状態をいう。時間短縮モードは、大当たり確率が通常モード時と同じ低確率であり、かつ、第1契機対応ユニット33における単位時間あたりの閉状態に対する開状態の割合が通常モード時の割合より高い遊技モードである。つまり、大当たり確率(大当たり状態の当選確率)の違いを除いて同様の状態(時間短縮状態及び高入球状態)となる。従って、上記時間短縮モードは、低確率・時間短縮・高入球モードと言い換えることができる。
モード決定カウンタC2は、例えば0〜9の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり9)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、モード決定カウンタC2によって、大当たり後、高確率モードへ移行させるか否かが決定されるようになっている。具体的には、カウンタの値が「1,3,5,7,9」という奇数であれば高確率モードへの移行が決定され、「0,2,4,6,8」という偶数であれば時間短縮モードへの移行が決定される。なお、ここでは移行という文言を用いたが、高確率モードにある場合に大当たりし、奇数のカウンタ値が選択された場合には、大当たり状態を挟んで高確率モードが継続されることになり、もともと時間短縮モードにある場合に大当たりし、偶数のカウンタ値が選択された場合には、大当たり状態を挟んで時間短縮モードが継続されることになる。モード決定カウンタC2は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、モード決定カウンタC2の値がモード決定カウンタバッファに格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで、モード決定カウンタバッファに格納されているモード決定カウンタC2の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
また、変動選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり238)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、装飾図柄に関してリーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。なお、リーチの抽選は、抽選確率の状態や変動開始時の始動保留球数等に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。変動選択カウンタC3は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、変動選択カウンタバッファに変動選択カウンタC3の値が格納される。そして、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したタイミングで、変動選択カウンタバッファに格納されている変動選択カウンタC3の値がRAM503の第1保留球格納エリアに格納される。
また、2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり198)に達した後、下限値である0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり240)に達した後、下限値である0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。図15中でもこのように表記した。第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等、装飾図柄のリーチ種別(リーチパターン)やその他大まかな図柄変動態様が決定され、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施形態では中図柄)が停止するまでの経過時間(言い換えれば、変動図柄数)などより細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄とを組合わせて同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。
なお、本実施形態では、「大当たり」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのうちいずれかが選択され、「前後外れリーチ」が発生する場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチのうちどちらかが選択され、「前後外れ以外リーチ」が発生する場合にはノーマルリーチが選択される。また、「完全外れ」となる場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチのいずれも選択されない。
また、変動種別カウンタCS1,CS2は、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動開始時における変動パターン決定に際してCS1,CS2のバッファ値が取得される。
なお、各カウンタの大きさや範囲は一例にすぎず任意に変更できる。但し、大当たり乱数カウンタC1、変動選択カウンタC3、変動種別カウンタCS1,CS2の大きさは何れも異なる素数とし、いかなる場合にも同期しない数値としておくのが望ましい。
また、普通図柄乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり250)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。普通図柄乱数カウンタC4は定期的に(本実施形態ではタイマ割込み毎に1回)更新され、遊技球が左右何れかの第2契機対応口34を通過した時に普通図柄乱数カウンタC4の値が取得される。通常、当選となる乱数の値の数は250あり、その範囲は「5〜153」である。そして、当選となる普通図柄乱数カウンタC4の値が取得された場合、普通図柄表示装置41において変動表示が所定時間行われた後、当選に対応する図柄(本例では「○」)が停止表示され、第1契機対応ユニット33が所定時間の間、作動状態となる。尚、本実施形態では、普通図柄表示装置41にて当選に対応する図柄が停止表示される確率、すなわち、第1契機対応ユニット33を開状態とするか否かの開放抽選の当選確率、及び、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間がどのモードでも同じである。
次いで、主制御装置261内のCPU501により実行される各制御処理を、フローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU501の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理とがあり、説明の便宜上ここでは、先ずタイマ割込み処理とNMI割込み処理とを説明し、その後でメイン処理を説明する。
図18は、タイマ割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は主制御装置261のCPU501により例えば2msec毎に実行される。
図18において、先ずステップS301では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置261に接続されている各種スイッチ(但し、RAM消去スイッチ323を除く)の状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
ステップS302では乱数初期値更新処理を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では917)に達した際0にクリアする。
また、ステップS303では乱数更新処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2、変動選択カウンタC3及び普通図柄乱数カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、917,9,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1,C2,C3,C4の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS304では、第1契機対応ユニット33への入賞に伴う始動入賞処理を実行し、ステップS305では、第2契機対応口34への遊技球の通過に伴う第2契機対応口通過処理を実行する。その後、タイマ割込み処理を一旦終了する。
ここで、ステップS304の始動入賞処理について図20のフローチャートを参照して説明する。ステップS501では、遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したか否かを第1契機対応ユニットスイッチ224の検出情報により判別する。遊技球が第1契機対応ユニット33に入賞したと判別されると、続くステップS502では、始動保留球数Naが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。第1契機対応ユニット33への入賞があり、且つ始動保留球数Na<4であることを条件にステップS503に進み、始動保留球数Naをインクリメントする。
また、続くステップS504では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した大当たり乱数カウンタC1、モード決定カウンタC2及び変動選択カウンタC3の各値を、RAM503の第1保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、始動入賞処理を一旦終了する。従って、この始動入賞処理の機能により本実施形態における抽選手段(当否抽選処理)の一部が構成される。
次に、ステップS305の第2契機対応口通過処理について図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップS601では、遊技球が第2契機対応口34を通過したか否かを第2契機対応スイッチ225の検出情報により判別する。
ステップS601で否定判別された場合、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS601にて肯定判別された場合、すなわち、遊技球が第2契機対応口34を通過したと判別されると、ステップS602において、普通図柄表示装置41の保留球数Nbが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS602で肯定判別された場合、すなわち、第2契機対応口34への遊技球の通過が確認され、且つ、保留球数Nb<4であることを条件にステップS603に進み、保留球数Nbを1インクリメントする。
また、続くステップS604では、当否に関わる乱数を取得する。具体的には、上記ステップS303の乱数更新処理で更新した普通図柄乱数カウンタC4の値を、RAM503の第2保留球格納エリアの空き記憶エリアのうち最初のエリアに格納する。その後、第2契機対応口通過処理を終了する。
図19は、NMI割込み処理を示すフローチャートであり、本処理は、主制御装置261のCPU501により停電の発生等によるパチンコ機10の電源断時に実行される。このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される。
すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から主制御装置261内のCPU501のNMI端子に出力される。すると、CPU501は実行中の制御を中断してNMI割込み処理を開始し、ステップS401において、電源断の発生情報の設定として電源断の発生情報をRAM503のバックアップエリア503aに記憶してNMI割込み処理を終了する。
なお、上記のNMI割込み処理は払出制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込みにより、電源断の発生情報がRAM513のバックアップエリア513aに記憶される。すなわち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SK1が停電監視回路542から払出制御装置311内のCPU511のNMI端子に出力され、CPU511は実行中の制御を中断して図19のNMI割込み処理を開始する。その内容は上記説明の通りである。
次に、主制御装置261内のCPU501により実行されるメイン処理の流れを図16のフローチャートを参照しながら説明する。このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず、ステップS101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(サブ制御装置262,払出制御装置311等)が動作可能な状態になるのを待つために例えば1秒程度、ウェイト処理を実行する。続くステップS102では、RAMアクセスを許可する。
その後、CPU501内のRAM503に関してデータバックアップの処理を実行する。つまり、ステップS103では、電源装置313に設けたRAM消去スイッチ323が押下(ON)されているか否かを判別し、押下されていれば、バックアップデータをクリア(消去)するべく、ステップS112へ移行する。一方、RAM消去スイッチ323が押下されていなければ、続くステップS104で、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、設定されていなければ、バックアップデータは記憶されていないので、この場合もステップS112へ移行する。バックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS105でRAM判定値を算出し、続くステップS106では、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。ここで算出したRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、この場合もステップS112へ移行する。
ステップS112の処理では、サブ側の制御装置となるサブ制御装置262及び払出制御装置311等を初期化するために、初期化コマンドを送信する。その後、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM503の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時に初期状態に戻したい場合にはRAM消去スイッチ323を押しながら電源が投入される。従って、RAM消去スイッチ323がONされていれば、RAMの初期化処理(ステップS113等)に移行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様にRAM503の初期化処理(ステップS113等)に移行する。つまり、ステップS113ではRAM503の使用領域を0にクリアし、続くステップS114ではRAM503の初期値を設定する。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
一方、RAM消去スイッチ323が押されていない場合(ステップS103:NO)には、電源断の発生情報が設定されていること、及びRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS107では、電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS108では、電源断の発生情報をクリアする。ステップS109では、サブ側の制御装置を電源断時の遊技状態に復帰させるコマンドを送信し、ステップS110では、使用レジスタをRAM503のバックアップエリア503aから復帰させる。その後、ステップS111で割込み許可を設定し、後述する通常処理に移行する。
次に、通常処理の流れを図17のフローチャートを参照しながら説明する。この通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S210の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS211,ステップS212のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
先ずステップS201では、前回の処理で更新された特別表示装置43や第1契機対応ユニット33等の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信したり、コマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信したりする外部出力処理を実行する。
例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して、変動パターンコマンド、図柄コマンド等をサブ制御装置262に送信する。つまり、変動パターンコマンドや図柄コマンドは、特別表示装置43にて行われる表示に合わせた表示演出を装飾図柄表示装置42にて行わせるためにサブ制御装置262に出力されるコマンドであり、本実施形態における指令情報に相当する。従って、この外部出力処理の機能が本実施形態における指令情報出力手段を構成する。これに対し、変動パターンコマンド、図柄コマンド等を入力したサブ制御装置262は、かかる各種コマンドに基づいて、装飾図柄表示装置42の変動態様を決定し、該変動態様を装飾図柄表示装置42において表示(変動表示)するように表示制御装置45に対し指示を出す。
便宜上、ここで変動パターンコマンド等について説明する。変動パターンコマンドには、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチといった装飾図柄の変動種別を特定する情報が含まれている。本実施形態では、例えば通常モード時には「FF10」,「FF11」,「FF12」,「FF13」,「FF14」,「FF15」,「FF16」のうちのいずれかが変動パターンコマンドとして設定される。また、高確率モード時には、「FD10」,「FD11」,「FD12」,「FD13」,「FD14」,「FD15」,「FD16」が設定され、時間短縮モード時には、「FE10」,「FE11」,「FE12」,「FE13」,「FE14」,「FE15」,「FE16」が設定される。一方、サブ制御装置262には、これらの変動パターンコマンドと装飾図柄の変動種別との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、変動パターンコマンドに対応する演出パターンを実行する。
以下、装飾図柄の変動種別、及び、変動種別と変動パターンコマンドとの対応関係について説明する。
ノーマルリーチは、装飾図柄の変動以外には特段の演出表示がされないリーチパターンである。そして、ノーマルリーチに対応する変動パターンコマンドには通常モード時には「FF11」が設定され、高確率モード時には「FD11」が設定され、時間短縮モード時には「FE11」が設定される。なお、本実施形態では、ノーマルリーチが導出される変動表示時間は通常モード時「20秒」、高確率モード時「8秒」、時間短縮モード時「10秒」に設定されている。
スーパーリーチは、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外にも、装飾図柄表示装置42にキャラクタ等が表示され、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態では、スーパーリーチには通常モード時で30秒、40秒、50秒パターンの3種類(スーパーリーチSR1,SR2,SR3)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、スーパーリーチSR1ならば通常モード時「FF12」、高確率モード時「FD12」、時間短縮モード時「FE12」が変動パターンコマンドに設定される。スーパーリーチSR2ならば通常モード時「FF13」、高確率モード時「FD13」、時間短縮モード時「FE13」が設定される。スーパーリーチSR3ならば通常モード時「FF14」、高確率モード時「FD14」、時間短縮モード時「FE14」が設定される。
プレミアムリーチは、大当たり状態が発生する際にのみ導出され得る演出態様であり、装飾図柄の変動表示中(リーチ状態成立後)において、装飾図柄以外に、スーパーリーチとは異なるパターンのキャラクタ等が表示される態様で行われ、これにより遊技者に対し期待感を抱かせるリーチパターンである。本実施形態のプレミアムリーチには通常モード時で60秒、70秒パターンの2種類(プレミアムリーチPR1,PR2)が用意されている。なお、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。各リーチパターンに対応して、プレミアムリーチPR1ならば通常モード時「FF15」、高確率モード時「FD15」、時間短縮モード時「FE15」が変動パターンコマンドに設定される。プレミアムリーチPR2ならば通常モード時「FF16」、高確率モード時「FD16」、時間短縮モード時「FE16」が設定される。
また、いずれのリーチ状態にもならない「完全外れ」に対応する変動パターンコマンドには通常モード時「FF10」、高確率モード時「FD10」、時間短縮モード時「FE10」が変動パターンコマンドに設定される。本実施形態では、完全外れとなる変動表示時間は通常モード時で10秒に設定されている。もちろん、高確率モード時及び時間短縮モード時の変動表示時間は、上記ノーマルリーチ同様に通常モード時に比べ時間短縮されている。
また、サブ制御装置262は、図柄コマンドに基づき停止図柄(停止図柄の組合わせ)を決定して、変動時間経過後に表示する。図柄コマンドは、サブ制御装置262に停止図柄を決定させるコマンドであり、確変図柄の組合わせ、通常図柄の組合わせ、前後外れ図柄の組合わせ、前後外れ以外図柄の組合わせ、完全外れ図柄の組合わせという5つの区分を指定するものである。これらの区分は、例えば、「A1」,「A2」,「A3」,「A4」,「A5」で示され、この内のいずれかが図柄コマンドとして設定される。一方、サブ制御装置262には、これらのコマンドと停止図柄との関係がテーブルで記憶されている。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに対応する停止図柄を表示する。
以下、停止図柄の区分及び、停止図柄と図柄コマンドとの対応関係について説明する。
確変図柄の組合わせは、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、確変図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A1」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに確変図柄を示す「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
通常図柄の組合わせは、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせであり、通常図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A2」が設定される。そして、サブ制御装置262は、図柄コマンドに通常図柄を示す「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8の数字のゾロ目からなる図柄の組合わせのうちの一つを停止図柄として決定する。
前後外れ図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」に対応するものであり、前後外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A3」が設定される。前後外れ以外図柄の組合わせは、リーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」に対応するものであり、前後外れ以外図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A4」が設定される。完全外れ図柄の組合わせは、リーチ発生しない「完全外れ」に対応するものであり、完全外れ図柄の組合わせに対応する図柄コマンドには「A5」が設定される。なお、詳しくは後述するが、図柄コマンドに「A3」〜「A5」が設定されている場合、サブ制御装置262は、対応するRAM553のカウンタ用バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。本実施形態では、外れ用の図柄コマンドに「A3」〜「A5」の3つのコマンドを用意しているが、これに限らず、例えば外れ用の図柄コマンドが1つだけの構成としてもよい。
図17の説明に戻り、ステップS202では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する。より具体的には、他のカウンタと同様に、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が上限値(本実施形態では198,240)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の更新値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置311より受信した賞球計数信号を読み込む。次に、ステップS204では、払出制御装置311より受信した払出異常信号を読み込む。
その後、ステップS205では、第1表示制御処理を実行する。この処理では、特別表示装置43においてどのような制御を行うか当該特別表示装置43の制御内容の設定が行われると共に、大当たり判定や装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動パターン(演出パターン)の設定などが行われる。この第1表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS206では、可変入賞装置制御処理を実行する。この処理では、可変入賞装置32においてどのような制御を行うか当該可変入賞装置32の制御内容の設定が行われる。これにより、大当たり状態(特別遊技状態)となった場合には、可変入賞装置32の大入賞口の開閉処理が所定ラウンド数繰り返し実行される。可変入賞装置制御処理の詳細は後述する。
ステップS207では、第2表示制御処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41おいてどのような制御を行うか当該普通図柄表示装置41の制御内容の設定などが行われる。この第2表示制御処理の詳細は後述する。
ステップS208では、契機対応ユニット制御処理を実行する。この処理では、第1契機対応ユニット33においてどのような制御を行うか当該第1契機対応ユニット33の制御内容の設定が行われる。
その後は、ステップS209において、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここでバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていなければ、ステップS210で、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していれば、ステップS201へ移行し、上記ステップS201以降の処理を繰り返し実行する。
一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCS1,CS2の更新を繰り返し実行する(ステップS211,ステップS212)。
つまり、ステップS211では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値(本例では917)に達した際0にクリアする。
また、ステップS212では、変動種別カウンタCS1,CS2の更新を実行する(前記ステップS202と同様)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2を1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値(本例では198,240)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2の変更値を、RAM503の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S209の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定ではなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2についてもランダムに更新することができる。
さて、RAM503のバックアップエリア503aに電源断の発生情報が設定されていれば(ステップS209:YES)、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS213以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS213において各割込み処理の発生を禁止し、ステップS214において、CPU501が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS215において、スタックポインタの値をバックアップエリア503aに記憶する。その後、ステップS216において、電源が遮断されたことを示す電源断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置311等)に対して送信する。そして、ステップS217でRAM判定値を算出し、バックアップエリア503aに保存する。RAM判定値は、例えば、RAM503の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。その後、ステップS218でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
なお、ステップS209の処理は、ステップS201〜S208で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるステップS211,S212の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置261の通常処理において、各処理の終了時に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM503のバックアップエリア503aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア503aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、主制御装置261の処理の負担を軽減することができる。さらに、データの記憶前に割込み処理の発生を禁止(ステップS213)するので、電源が遮断されたときのデータが変更されることを防止でき、電源遮断前の状態を確実に記憶することができる。
次に、前記ステップS205の第1表示制御処理について図22のフローチャートを参照して説明する。
図22において、ステップS801では、詳しくは後述する大当たりフラグを参照し、今現在、大当たり中であるか否かを判別する。なお、大当たり中には、大当たり状態(特別遊技状態)の最中と大当たり状態終了後の所定時間(ここで言う大当たり状態終了後の所定時間とは、大当たり状態終了後、通常遊技(特別表示装置43における変動表示)が開始されるまでの時間であり、一般にこの時間帯は、装飾図柄表示装置42にて大当たり状態の終了や大当たり後に付与されるモードを示す表示が行われる)とが含まれる。また、特別表示装置43及び装飾図柄表示装置42にて変動表示が大当たりに対応する態様にて停止表示されてから可変入賞装置32(大入賞口)が開放されるまでの間の期間(一般にこの時間帯は装飾図柄表示装置42にて大当たり状態の開始を示す表示が行われる)についても大当たり中に含まれる。
続くステップS802では、第1表示中フラグの設定状況を見て特別表示装置43による色換え表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第1表示中フラグが設定されている場合(オン状態の場合)には変動表示中とみなされ、第1表示中フラグが解除されている場合(オフ状態の場合)には、変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。そして、大当たり中でなくさらに変動表示中でもない場合、ステップS803に進み、始動保留球数Naが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、大当たり中であるか、又は始動保留球数Naが0である場合、そのまま本処理を終了する。尚、詳しくは後述するが、第1表示中フラグは、特別表示装置43の変動表示を開始する際(ステップS917参照)にオンにされ、特別表示装置43の変動表示が停止表示される際(ステップS809参照)にオフにされる。
また、大当たり中、変動表示中の何れでもなく且つ始動保留球数Na>0であれば、ステップS804に進む。ステップS804では、始動保留球数Naから1を減算する。ステップS805では、第1保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS806では、変動表示設定処理を実行する。ここで、図23のフローチャートを用いて変動表示設定処理の詳細を説明する。
まず、ステップS901では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する。具体的には、大当たりか否かは大当たり乱数カウンタC1の値とその時々のモードとの関係に基づいて判別され、前述した通り通常モード等の低確率状態では大当たり乱数カウンタC1の数値0〜917のうち「147、341、533」が当たり値であり、高確率モードでは「141〜150、341〜350、531〜540」が当たり値である。ここで大当たりであると判断された場合(ステップS901:YES)、ステップS902へ移行する。一方、大当たりでないと判断された場合(ステップS901:NO)、すなわち外れである場合には、ステップS909へ移行する。
ステップS902では、確変大当たりであるか否かを判断する。本実施形態では、大当たりとなった場合、それぞれ1/2の確率で高確率モード又は時間短縮モードへ移行するように構成されている。具体的には、高確率モードへ移行させるか否かは、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて判断される。格納されているモード決定カウンタC2の値が、数値0〜9のうち奇数「1,3,5,7,9」であるならば高確率モードへの移行が決定され(確変大当たり)、偶数「0,2,4,6,8」であるならば時間短縮モードへの移行が決定される(通常大当たり)。
ここで確変大当たりであると判断された場合(ステップS902:YES)、ステップS904にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS905にて確変図柄(本実施形態では「A1」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
一方、ステップS902で確変大当たりでないと判断された場合(ステップS902:NO)、すなわち通常大当たりである場合には、ステップS907にて大当たり変動パターンを決定し、ステップS908にて通常図柄(本実施形態では「A2」)を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
上記ステップS904,ステップS907では、大当たり時における変動パターンを決定し、当該変動パターンを変動パターンコマンドに設定する。このとき、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1及び第2変動種別カウンタCS1、CS2の値に基づいて装飾図柄の図柄変動態様を決定する。なお、第1変動種別カウンタCS1の数値とリーチパターン(変動種別)との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、各遊技モード毎にテーブル等により予め規定されている。なお、本実施形態におけるモード判別は、後述する高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグのオンオフ状況の組合せにより行われる。例えば、高確率状態フラグ、時間短縮状態フラグ及び高入球状態フラグが全てオン状態(フラグ値「1」)であれば、高確率モードと判別される。
ここで、第1変動種別カウンタCS1及び第2変動種別カウンタCS2の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の大当たり時においては、図25(a)に示すような通常モード中大当たり時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=0〜69のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=70〜149のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜196かつCS2=150〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。CS1=197,198かつCS2=0〜120のときは、変動パターンコマンドに「FF15」(プレミアムリーチPR1)が設定される。CS1=197,198かつCS2=121〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF16」(プレミアムリーチPR2)が設定される。
また、ステップS905,ステップS908における図柄コマンドは、大当たりの図柄を所定区分で指示するものであり、停止図柄の決定は、後述するようにサブ制御装置262が行う。具体的には、確変図柄の組合わせを示す「A1」が図柄コマンドに設定されると(ステップS905)、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。一方、通常図柄の組合わせを示す「A2」が図柄コマンドに設定されると(ステップS908)、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせをサブ制御装置262が停止図柄として決定する。当該ステップS905、ステップS908で図柄コマンドを設定した後、ステップS917へ移行する。
また、ステップS901にて否定判断された場合に移行するステップS909では、リーチであるか否かを判断する。この判断は、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されている変動選択カウンタC3の値に基づいてなされる。上述したように、本実施形態では、変動選択カウンタC3によって、リーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチ発生しない「完全外れ」とを抽選することとしており、例えば、C3=0,1が前後外れリーチに該当し、C3=2〜21が前後外れ以外リーチに該当し、C3=22〜238が完全外れに該当する。ここでリーチであると判断された場合(ステップS909:YES)、ステップS910へ移行する。一方、リーチでないと判断された場合(ステップS909:NO)、すなわち「完全外れ」である場合には、ステップS915にて外れ変動パターンを決定し、ステップS916にて完全外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
ステップS910では、前後外れリーチであるか否かを判断する。ここで前後外れリーチであると判断された場合(ステップS910:YES)、ステップS911にて外れ変動パターンを決定し、ステップS912にて前後外れ図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。一方、前後外れリーチでないと判断された場合(ステップS910:NO)、すなわち前後外れ以外リーチである場合には、ステップS913にて外れ変動パターンを決定し、ステップS914にて前後外れ以外図柄を図柄コマンドに設定して、ステップS917へ移行する。
上記ステップS911,ステップS913,ステップS915で外れ変動パターンを決定する際、RAM503のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値に基づいて変動パターンが決定されるのは前記ステップS904等と同様である。
ここで、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動種別との対応関係について説明する。例えば通常モード中の前後外れリーチ時においては、図25(b)に示すような通常モード中前後外れリーチ時テーブルによって前記対応関係が規定されている。すなわち、CS1=0〜9のときは、CS2の値に関わらず、変動パターンコマンドに「FF11」(ノーマルリーチ)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=0〜90のときは、変動パターンコマンドに「FF12」(スーパーリーチSR1)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=91〜170のときは、変動パターンコマンドに「FF13」(スーパーリーチSR2)が設定される。CS1=10〜198かつCS2=171〜240のときは、変動パターンコマンドに「FF14」(スーパーリーチSR3)が設定される。また、前後外れ以外リーチ時(C3=2〜21)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらずノーマルリーチとなり、変動パターンコマンドに「FF11」が設定される。また、完全外れ時(C3=22〜238)においては、変動種別カウンタCS1,CS2の値にかかわらず、変動パターンコマンドに「FF10」が設定される。
また、ステップS912,ステップS914,ステップS916における図柄コマンドが外れの図柄の組合わせの所定区分を指示するものであることも、上記ステップS905等と同様である。具体的には、前後外れ図柄の組合わせを示す「A3」が図柄コマンドに設定されると(ステップS912)、当該図柄コマンドを受信したサブ制御装置262は、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納されている前後外れリーチに対応する図柄の組合わせを停止図柄として決定する。前後外れ以外図柄の組合わせを示す「A4」が図柄コマンドに設定されると(ステップS914)、RAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている前後外れ以外リーチに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。完全外れ図柄の組合わせを示す「A5」が図柄コマンドに設定されると(ステップS916)、RAM553の完全外れ図柄バッファに格納されている完全外れに対応する図柄の組合わせを、サブ制御装置262が停止図柄として決定する。
さて、ステップS917では、特別表示装置43において色換え表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す開始設定処理を行う。この開始設定処理では、特別表示装置43にて変動表示中であるか否かを示す第1表示中フラグがオンにされるとともに、第1表示タイマの設定処理が行われる。第1表示タイマとは、特別表示装置43における変動時間(変動表示の残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。なお、本実施形態における特別表示装置43の変動表示時間は、上記変動種別カウンタCS1,CS2により選出される装飾図柄の変動パターンに対応した値が設定される。このような第1表示タイマの設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、特別表示装置43に対し色換え表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、特別表示装置43において色換え表示が開始される。特別表示装置43は上述したような3色LEDであり、点灯している色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤へ色換えを行う。そして、ステップS917の終了後、変動表示設定処理を終了する。
図22の説明に戻り、ステップS802がYES、すなわち変動表示中である場合には、ステップS807に進み、第1表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第1表示タイマの値が4msecずつ減算されていく。例えば変動時間が10秒(10000msec)の場合には、第1表示タイマに対して「2500」が設定され、4msec毎に1減算される。
続いてステップS808に進み、上記減算後の第1表示タイマの値を参酌して所定の変動時間が経過したか否かを判別する。このとき、所定の変動時間が経過した時すなわち第1表示タイマの値が「0」となった時にステップS808が肯定判別される。
ステップS808で肯定判別された場合には、ステップS809において上記第1表示中フラグを解除(オフ)し、ステップS810において特別表示装置43にて停止表示を行うための停止表示設定を行う。そして、この停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、高確率モードへの移行を伴う確変大当たりである場合には赤色を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、時間短縮モードへの移行を伴う通常大当たりである場合には緑色を停止表示させ、外れである場合には青色を停止表示させる。繰り返しとなるが、このような特別表示装置43による停止表示が主となる表示であり、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の表示はあくまでも補助的なものとなっている。
続いてステップS811に進み、判別情報設定処理を行う。より詳しくは、図24に示すように、ステップS1001において、停止表示が大当たりに対応するか否かを判別する。ここで、大当たりに対応する場合には、ステップS1002へ移行し、大当たり設定を行う。具体的には、大当たりフラグ、第1可変フラグ、第1可変タイマ、ラウンド数カウンタ、及び入賞カウンタ等の設定処理を行う。そして、ステップS1002の終了後、判別情報設定処理を終了する。
大当たりフラグとは、特別遊技状態としての大当たり状態か否かを判別するための状態判別情報であり、ここでは大当たり状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定される。大当たりフラグの値は、大当たり乱数カウンタC1の値に基づき決定される。
第1可変フラグとは、可変入賞装置32(大入賞口)が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
第1可変タイマとは、可変入賞装置32の開放時間等を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際等に参酌される。本例では、第1可変タイマに対して「7500」が値として設定される。これにより、1ラウンドあたりの最大開放時間(可変入賞装置32が開状態とされる最長時間)が30秒となる。
ラウンド数カウンタとは、大当たり状態中に実行されるラウンドの回数(特賞状態発生回数、つまり可変入賞装置32の開閉処理の実行回数)を判別するための判別情報であり、本処理では15ラウンドを示す「15」が値として設定される。
入賞カウンタとは、可変入賞装置32に入球した遊技球の数をカウントする手段であり、本処理では、1ラウンドあたりの最大入球個数を示す「8」が値として設定される。尚、タイマ割込み処理のスイッチ読み込み処理(図18参照)に際して、可変入賞装置32への入球があったか否かをカウントスイッチ223の検出情報により判別し、可変入賞装置32への入球があったと判別されると、入賞カウンタの値が1減算される。
さて、ステップS1001において、大当たりに対応しない、すなわち外れであると判別された場合には、ステップS1003へ移行する。
ステップS1003では、変動回数カウンタの設定の有無を判別する。変動回数カウンタとは、時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、後述するように通常大当たり終了後にカウンタ値として「100」が設定される。
ここで、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」の場合には、そのまま本処理を終了する。一方、変動回数カウンタが設定されている場合(カウンタ値が「0」以外の場合)には、時間短縮状態の設定中とみなし、ステップS1004において、変動回数カウンタの値を1減算する処理を行い、ステップS1005へ移行する。
ステップS1005では、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」か否かを判別する。つまり、今回の変動表示が、通常大当たりの終了後(時間短縮状態の付与後)、100回目の変動表示であったか否かを判別する。ここで、変動回数カウンタの値が「0」であれば、ステップS1006において後述する高入球状態フラグをオフする処理を行い、ステップS1007において後述する時間短縮状態フラグをオフする処理を行い、本処理を終了する。
一方、ステップS1005で、変動回数カウンタのカウンタ値が「0」でないと判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
図22の説明に戻り、ステップS811の判別情報設定処理の終了後、第1表示制御処理を終了する。また、上記ステップS808で否定判別された場合には、ステップS812において、特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)を継続して行うための色換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この色換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、特別表示装置43に対し色換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯色が赤であれば緑、緑であれば青、青であれば赤への色換えを行うよう設定する。これによって、第1表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に特別表示装置43のLEDの色換え表示(変動表示)が実現される。
次に、上記ステップS206の可変入賞装置制御処理について図26のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS1201において大当たりフラグがオンであるか否かを判別する。ここで否定判別された場合にはそのまま本処理を終了する。
ステップS1202で肯定判別された場合、第1可変タイマのカウント値を1減算する。続くステップS1203では、第1可変フラグがオンであるか否かを判別する。
ステップS1203で肯定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32が開状態である場合には、ステップS1204に進み、第1可変タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、1ラウンドあたりの可変入賞装置32の開放時間が残されているか否かを判別する。
ステップS1204にて否定判別された場合には、ステップS1205に進み、入賞カウンタの値が「0」であるか否か、すなわち、可変入賞装置32へ入賞した遊技球の球数が1ラウンドあたりの規定個数(本例では8個)に達したか否かを判別する。ステップS1204にて否定判別された場合、すなわち、可変入賞装置32を閉状態とするタイミング(ラウンド終了のタイミング)が未だ到来していない場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS1204又はステップS1205にて肯定判別された場合には、ステップS1206に進み、ラウンド数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否か、すなわち、ラウンド数(可変入賞装置32の開放回数)が規定回数に達したか否かを判別する。
ステップS1206で肯定判別された場合には、ステップS1207において終了設定処理を行い、本処理を終了する。ステップS1207の終了設定処理では、第1可変フラグ及び大当たりフラグをオフするとともに、高確率状態フラグの設定処理、時間短縮状態フラグの設定処理、高入球状態フラグの設定処理、変動回数カウンタの設定処理などが行われる。
高確率状態フラグとは、遊技モードが高確率状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高確率状態フラグの設定処理では、第1保留球格納エリアの実行エリアに格納されているモード決定カウンタC2の値に基づいて、フラグ値の切換設定が行われる。これにより、大当たり終了後に高確率モードが設定される場合(確変大当たり)には、高確率状態の発生を示す「1」がフラグ値として設定され、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、低確率状態の発生を示す「0」がフラグ値として設定される。
時間短縮状態フラグとは、遊技モードが時間短縮状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記時間短縮状態フラグの設定処理では、時間短縮状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
高入球状態フラグとは、遊技モードが高入球状態か否かを判別するための状態判別情報であり、前記高入球状態フラグの設定処理では、高入球状態を発生させる旨を示す「1」がフラグ値として設定される。
変動回数カウンタとは、上述したように時間短縮状態の継続期間(変動表示何回分か)を計測するための手段であり、前記変動回数カウンタの設定処理では、上記高確率状態フラグの設定処理と同様にモード決定カウンタC2の値に基づいて、変動回数カウンタの切換設定が行われる。これにより、時間短縮モードが設定される場合(通常大当たり)には、変動回数カウンタの値として変動表示100回分に相当する「100」が設定される。
ステップS1206で否定判別された場合、すなわちラウンド数が規定回数に達していない場合には、ステップS1208において、ラウンド送り処理を行い、本処理を終了する。ラウンド送り処理では、ラウンド数カウンタの値を1減算する。つまり、実行したラウンド数が、事前に設定された規定回数に達するまで上記開閉処理が繰り返し行われる。また、ラウンド送り処理では、第1可変フラグをオフにするとともに、第1可変タイマに対して、次のラウンドが開始されるまでの時間(ウエイト時間)をセットする。
また、上記ステップS1203にて否定判別された場合、すなわち、ラウンド間のウエイト期間中である場合には、ステップS1209に進み、第1可変タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS1209にて肯定判別された場合、すなわちウエイト期間が終了し、次のラウンドを開始するタイミングに至った場合には、ステップS1210においてラウンド開始処理を行う。ラウンド開始処理では、第1可変フラグをオンにするとともに、第1可変タイマに対して1ラウンドあたりの可変入賞装置32の開放時間(本例では「7500」)を設定し、入賞カウンタに対して1ラウンドあたりの最大入賞個数(本例では「8」)を設定する。ステップS1209にて否定判別された場合、ステップS1210にてラウンド開始処理が完了した場合には、本処理を終了する。
尚、第1可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、可変入賞装置32に対し各種制御信号が出力される。第1可変フラグがオンの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を開放する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が開状態となる。一方、第1可変フラグがオフの場合には可変入賞装置32に対し大入賞口を閉鎖する旨の制御信号が出力され、可変入賞装置32が閉状態となる。
次に、前記ステップS207の第2表示制御処理について図27のフローチャートを参照して説明する。
図27において、ステップS2101では、普通図柄表示装置41にて変動表示中であるか否かを示す第2表示中フラグの設定状況を見て普通図柄表示装置41による切換表示(変動表示)中であるか否かを判別する。詳しくは、第2表示中フラグがオンである場合には普通図柄表示装置41において変動表示中であるとみなされ、第2表示中フラグがオフである場合には、普通図柄表示装置41において変動表示が停止した状態にあたる停止表示中であるとみなされる。
ステップS2101で否定判別された場合には、ステップS2102に進み、保留球数Nbが0よりも大きいか否かを判別する。このとき、保留球数Nbが0である場合には、そのまま本処理を終了する。
また、変動表示中でなく且つ保留球数Nb>0であれば、ステップS2103に進む。ステップS2103では、保留球数Nbから1を減算する。ステップS2104では、第2保留球格納エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第2保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
その後、ステップS2105では、開始設定処理を実行する。この処理では、普通図柄表示装置41において切換表示(変動表示)を行う条件が成立したことを示す処理を行う。詳しくは、第2表示中フラグをオンにするとともに、第2表示タイマの設定処理が行われる。第2表示タイマとは、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間(残余時間)を計測する手段であり、変動表示開始から所定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。本実施形態では、通常モードにおいては、普通図柄表示装置41にて行われる変動表示の変動時間は0.4秒であるため、第2表示タイマには「100」が設定される。当該開始設定処理における設定に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換表示(変動表示)を開始する旨の制御信号が出力された場合には、普通図柄表示装置41において切換表示が開始される。上述したように普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示するように構成されており、表示されているのが「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。そして、ステップS2105の終了後、第2表示制御処理を終了する。
さて、ステップS2101で肯定判別された場合、すなわち普通図柄表示装置41にて変動表示中である場合には、ステップS2106に進み、第2表示タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2表示タイマのカウント値が1減算される。
続いてステップS2107に進み、第2表示タイマのカウント値が「0」であるか否か、すなわち、変動時間が経過したか否かを判別する。ステップS2107で肯定判別された場合には、ステップS2108において第2表示中フラグをオフし、ステップS2109において普通図柄表示装置41にて停止表示を行うための普通図柄停止表示設定を行う。そして、この普通図柄停止表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し停止表示を行う旨の制御信号が出力される。すなわち、当選である場合には「○」図柄(当選図柄)を停止表示(例えば数秒間だけ点灯)させ、外れである場合には「×」図柄を停止表示させる。
なお、上述したように、第2保留球格納エリアの実行エリアに格納されている普通図柄乱数カウンタC4の値に基づいて当選か否かが判別される。具体的には、普通図柄乱数カウンタC4の数値0〜250のうち「5〜153」が当たり値である。
続いてステップS2110に進み、普通図柄判別情報設定処理を行い、本処理を終了する。この処理において、停止表示が当選に対応する場合には、第1契機対応ユニット33の開閉処理を行うための設定処理を行う。具体的には、第2可変フラグをオンにして、第2可変タイマに開放時間を設定する。
第2可変フラグとは、第1契機対応ユニット33が開状態中であるか否かを判別するための判別情報である。
第2可変タイマとは、第1契機対応ユニット33の開放時間(残余時間)を計測する手段であり、開放開始から規定時間が経過したか否かを判別する際に参酌される。尚、本実施形態では、高入球状態と低入球状態とで第1契機対応ユニット33の開放時間が異なり、高入球状態においては、第2可変タイマに対して「1000」が設定され、低入球状態においては、第2可変タイマに対して「100」が設定される。
一方、ステップS2107で否定判別された場合には、ステップS2111において、普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)を継続して行うための切換え表示設定を行い、本処理を終了する。そして、この切換え表示設定の設定内容に基づき、次回の通常処理における外部出力処理において、普通図柄表示装置41に対し切換え表示を行う旨の制御信号が出力される。具体的には、現在の点灯が「○」であれば「×」、「×」であれば「○」へ切換え表示する。これによって、第2表示制御処理のタイミング、すなわち4ms毎に普通図柄表示装置41の切換表示(変動表示)が実現される。
次に上記ステップS208の契機対応ユニット制御処理について図28のフローチャートを参照して説明する。
まず、ステップS2201において第1契機対応ユニット33が開状態であるか否かを示す第2可変フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、第2可変フラグがオンではない(第1契機対応ユニット33が閉状態である)と判別された場合、そのまま本処理を終了する。
一方、上記ステップS2201において肯定判別された場合、すなわち第2可変フラグがオンである場合は第1契機対応ユニット33が開状態であるとみなし、ステップS2202において第2可変タイマ減算処理を行う。この処理が1回行われる毎に第2可変タイマの値が1ずつ減算されていく。
続いてステップS2203に進み、上記減算後の第2可変タイマの値を参酌して、規定された開放時間が経過したか否かを判別する。ここでは、規定された開放時間を経過した時、すなわち第2可変タイマの値が「0」となった時にステップS2203が肯定判別される。ここで否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。
一方、ステップS2203で肯定判別された場合にはステップS2204へ移行し、ステップS2204にて終了設定処理を行ってから、本処理を終了する。ステップS2204の終了設定処理では、第2可変フラグをオフする処理が行われる。
尚、第2可変フラグのオンオフ状況に基づき、次回の通常処理の外部出力処理において、第1契機対応ユニット33に対し各種制御信号が出力される。第2可変フラグがオンの場合には第1契機対応ユニット33に対し開閉部材33cを開放する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33が開状態となる。一方、第2可変フラグがオフの場合には第1契機対応ユニット33に対し開閉部材33cを閉鎖する旨の制御信号が出力され、第1契機対応ユニット33が閉状態となる。
次に、払出制御装置311内のCPU511により実行される払出制御について説明する。説明の便宜上、まず図29を参照して受信割込み処理を説明し、その後図30を参照してメイン処理を説明する。
図29は、払出制御装置311により実行される受信割込み処理を示すフローチャートである。受信割込み処理は、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信した場合に割り込んで実行される処理である。主制御装置261から送信されたコマンドが受信されたことを払出制御装置311が確認すると、払出制御装置311内のCPU511により実行される他の処理を一端待機させ、受信割込み処理が実行される。受信割込み処理が実行されると、まずステップS3001において主制御装置261から送信されたコマンドをRAM513のコマンドバッファに記憶し、ステップS3002において主制御装置261からコマンドが送信されたことを記憶するためにコマンド受信フラグをオンして、本受信割込み処理を終了する。上述したように、コマンドがコマンドバッファに記憶される場合には、記憶ポインタが参照されて所定の記憶領域に記憶されると共に、次に受信したコマンドを次の記憶領域に記憶させるために記憶ポインタが更新される。
なお、本実施形態では、主制御装置261から送信されるコマンドの受信処理は、そのコマンドが受信されたときに実行される割込処理で行われるものとしたが、例えば、図31に示したタイマ割込処理において、コマンド判定処理(ステップS3201)が行われる前に、コマンドが受信されたか否かを確認し、コマンドが受信されている場合にはそのコマンドをRAM513のコマンドバッファへ記憶してコマンド受信フラグをオンするとともに、コマンドが受信されていない場合にはコマンド判定処理へ移行するものとしてもよい。かかる場合には、所定間隔毎に入出力ポートのコマンド入力に対応するポートを確認することで、コマンドが受信されたか否かを確認する。
次に、払出制御装置311のメイン処理について図30を参照して説明する。図30は、払出制御装置311のメイン処理を示すフローチャートであり、このメイン処理は電源投入時のリセットに伴い起動される。
先ず始めに、ステップS3101では、電源投入に伴う初期設定処理を実行する。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、ステップS3103でRAMアクセスを許可すると共に、ステップS3104で外部割込みベクタの設定を行う。
その後、ステップS3106では、RAM513のバックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。そして、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されていれば、ステップS3107でRAM判定値を算出し、続くステップS3108で、そのRAM判定値が電源断時に保存したRAM判定値と一致するか否か、すなわちバックアップの有効性を判別する。RAM判定値は、例えばRAM513の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。なお、RAM513の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断することも可能である。
ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていない場合や、ステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合には、ステップS3115以降のRAM513の初期化処理へ移行する。
ステップS3115ではRAM513の全領域を0にクリアし、ステップS3116ではRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3117ではCPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3114へ移行して割込みを許可する。
一方、ステップS3106で電源断の発生情報が設定されていること、及びステップS3108でRAM判定値(チェックサム値等)が正常であることを条件に、復電時の処理(電源断復旧時の処理)を実行する。つまり、ステップS3109で電源断前のスタックポインタを復帰させ、ステップS3110で電源断の発生情報をクリアし、ステップS3111で賞球の払出を許可する払出許可フラグをクリアする。また、ステップS3112では、CPU周辺デバイスの初期設定を行い、ステップS3113では、使用レジスタをRAM513のバックアップエリア513aから復帰させる。さらに、ステップS3114では、割込みを許可する。
ステップS3114で割込みが許可された後は、ステップS3122の処理において、バックアップエリア513aに電源断の発生情報が設定されているか否かを判別する。ここで、電源断の発生情報が設定されていれば、電源が遮断されたことになるので、電源断時の停電処理としてステップS3123以降の処理が行われる。停電処理は、まずステップS3123において各割込み処理の発生を禁止し、次のステップS3124において後述するコマンド判定処理を実行する。その後、ステップS3125でCPU511が使用している各レジスタの内容をスタックエリアに退避し、ステップS3126でスタックポインタの値をバックアップエリア513aに記憶し、ステップS3127でRAM判定値を算出してバックアップエリア513aに保存し、ステップS3128でRAMアクセスを禁止して、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM513のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、ステップS3122の処理は、電源投入時に行われる処理の終了後に電源断の発生情報を確認しているので、各処理が途中の場合と比較してRAM513のバックアップエリア513aに記憶するデータ量が少なくなり、容易に記憶することができる。また、電源遮断前の状態に復帰する場合には、バックアップエリア513aに記憶されているデータ量が少ないので、容易に復帰させることができ、払出制御装置311の処理の負担を軽減することができる。
次に、図31のフローチャートを参照して、払出制御装置311のタイマ割込み処理を説明する。このタイマ割込み処理は、定期的に(本実施形態では2msec周期で)起動される。
タイマ割込み処理では、まず、主制御装置261からのコマンドを取得し、そのコマンドの判定処理を行う(ステップS3201)。このコマンド判定処理について図32を参照して以下に説明する。
図32は、払出制御装置311により行われるコマンド判定処理を示すフローチャートである。コマンド判定処理(ステップS3124,S3201)では、まず、ステップS3301においてコマンド受信フラグがオンされているか否かを判別する。コマンド受信フラグは、上述した受信割込み処理(図29参照)において主制御装置261から送信されたコマンドを受信したときにオンされる。
ステップS3301においてコマンド受信フラグがオフと判別されれば、新たなコマンドを主制御装置261から受信していないので、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS3301でコマンド受信フラグがオンと判別されれば、ステップS3302において、その受信したコマンドをRAM513から読み出し、ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフする。ステップS3303においてコマンド受信フラグをオフすることにより、新たにコマンドが受信されるまで、ステップS3302〜ステップS3311の処理をスキップできるので、払出制御装置311の制御を軽減することもできる。
ステップS3304〜ステップS3306の処理でRAM513から読み出されたコマンドの種類が判別される。ステップS3304では主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであるか否かが判別され、ステップS3305では払出復帰コマンドであるか否かが判別され、ステップS3306では賞球コマンドであるか否かが判別される。
主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドであれば、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされているか否かが判別され、払出許可フラグがオフされていれば、電源投入時に主制御装置261からRAM513の初期化が指示されていることになるので、ステップS3308でRAM513のスタックエリア以外となる作業領域(エリア)を0にクリアし、ステップS3309でRAM513の初期値を設定する。その後、ステップS3311で払出許可フラグをオンして、賞球の払出許可が設定される。
上述したように、主制御装置261は、払出初期化コマンドを送信した後に、RAM503の初期化処理を行っており、払出制御装置311は、払出初期化コマンドを受信した後に、RAM513の初期化処理を行っているので、RAM503が初期化されるタイミングと、RAM513が初期化されるタイミングとが略同時期となる。よって、初期化のタイミングがずれることにより、主制御装置261から送信されるコマンドを払出制御装置311が受信したとしても、RAM513が初期化されてしまい、受信したコマンドに対応する制御が行えない等の弊害の発生を防止することができる。また、RAM513が初期化された後に、払出許可フラグをオンするので、賞球の払出許可を確実に設定することができる。
一方、ステップS3307で既に払出許可フラグがオンされていれば、RAM513の作業領域のクリアと、RAM513の初期化処理とを行わずに、本コマンド判定処理を終了する。すなわちステップS3307の処理は、払出許可フラグが設定された状態でRAM513が初期化されることを禁止している。なお、払出初期化コマンドは、電源投入時にRAM消去スイッチ323がオンされている場合のみ送信されるコマンドであるので、払出許可フラグがオンされた状態で受信することはなく、かかる場合には、ノイズなどの影響によって払出制御装置311が払出初期化コマンドとして認識してしまったことが考えられる。よって、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513の作業領域のクリア(ステップS3308)と、RAM513の初期値設定(ステップS3309)を実行すると、賞球が残っている場合に払出されないなどの弊害が生じて遊技者に損失を与えてしまうが、払出許可フラグがオンされている状態で、RAM513が初期化されることを防止しているので、遊技者に損失を与えることを防止できる。
また、主制御装置261から送信されたコマンドが払出復帰コマンドであれば(ステップS3304:NO、ステップS3305:YES)、主制御装置261及び払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰するので、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。すなわち、電源断の発生情報があり、主制御装置261と払出制御装置311が電源遮断前の状態に復帰した場合には、賞球の払出が許可される。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
さらに、主制御装置261から送信されたコマンドが賞球コマンドであれば(ステップS3305:NO、ステップS3306:YES)、ステップS3310において、受信した賞球個数を総賞球個数に加算して記憶し、賞球の払出を許可するためにステップS3311で払出許可フラグをオンする。この際、払出制御装置311は、コマンドバッファ(リングバッファ)に記憶された賞球コマンドを順次読み出し、当該コマンドに対応する賞球個数を、所定のバッファ領域に記憶される総賞球個数に加算して記憶する。主制御装置261から送信される賞球コマンドに基づいて賞球個数に対応した賞球の払出しが行われるので、賞球コマンドは、賞球コマンドは賞球の払出しを指示する払出指示コマンドである。また、賞球コマンドが受信された場合には、即座に払出許可が設定されるので、入賞に対して早期に賞球の払出しを行うことができる。ステップS3311の処理において払出許可フラグがオンされると、コマンドバッファの所定の記憶領域に記憶されたコマンドに基づく処理が終わったことになるので、読出ポインタが次の記憶領域に対応した読出ポインタに更新される。
なお、主制御装置261から送信されたコマンドが払出初期化コマンドでもなく(ステップS3304:NO)、払出復帰コマンドでもなく(ステップS3305:NO)、賞球コマンドでもなければ(ステップS3306:NO)、払出許可フラグをオンすることなく、コマンド判定処理を終了する。
ここで、図31のフローチャートに戻って説明する。コマンド判定処理が終わると、ステップS3202において、コマンド判定処理で払出許可フラグがオンされたか否かが判別される。ここで、払出許可フラグがオンされていなければ、そのまま本処理を終了する。つまり、主制御装置261からコマンドが送信される前に賞球の払出しが行われることを防止することができる。
一方、ステップS3202で肯定判別されれば、ステップS3203で発射制御装置312に対して発射許可の設定を行い、ステップS3204で状態復帰スイッチ321をチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。この処理により、例えば払出モータの球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
その後、ステップS3205では、下皿15の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する。すなわち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿15の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、ステップS3206では、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態(球切れ状態)又はタンク球無し解除状態(球有り状態)の設定を実行する。すなわち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった特、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった特、タンク球無し解除状態の設定を実行する。
その後、ステップS3207では、例えばエラー状態のように報知すべき状態の有無を判別し、報知すべき状態が有る場合には報知する。
続いて賞球及び貸球の払出制御処理を実行する。詳しくは、ステップS3208で払出個数設定処理を行い、ステップS3209においてモータ制御状態取得処理を行い、ステップS3210においてモータ駆動処理を行う。
ステップS3211では、状態復帰スイッチ321をチェックして球抜き不可状態でないこと、及び球抜き動作開始でないことを条件に、払出モータ358aを駆動させ球抜き処理を実行する。続くステップS3212では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ360の制御(バイブモータ制御)を実行する。その後、本タイマ割込み処理の先頭に戻る。
次に、サブ制御装置262の通常処理ついて図33を参照しつつ説明する。先ずステップS3901では、入出力ポート554のコマンド入力に対応するポートを確認し、主制御装置261や前部制御装置265から送信されたコマンドが受信されているか否かを判別する。
コマンドが受信されている場合には、ステップS3902においてそのコマンドをRAM553のコマンドバッファへ記憶する。RAM553のコマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。リングバッファは所定の記憶領域を有しており、その記憶領域の始端から終端に至るまで規則性をもってコマンドが記憶され、全ての記憶領域にコマンドが記憶された場合には、記憶領域の始端に戻りコマンドが更新されるよう構成されている。よって、コマンドが記憶された場合及びコマンドが読み出された場合に、コマンドバッファにおける記憶ポインタ及び読出ポインタが更新され、その各ポインタに基づきコマンドの記憶と読み出しとが行われる。
ステップS3902の後又はステップS3901で否定判別された場合に、ステップS3903へと移行し、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では1msec)が経過したか否かを判別する。そして、既に所定時間が経過していればステップS3904へ移行し、一方、前回の通常処理の開始から未だに所定時間が経過していなければ、ステップS3910へと移行する。
ステップS3904では、各種カウンタの更新処理を実行する。サブ制御装置262のCPU551は、装飾図柄の表示に際し各種カウンタ情報を用いる。具体的には、図34に示すように、大当たり時装飾図柄カウンタC5と、上図柄表示領域、中図柄表示領域、及び下図柄表示領域の各外れ図柄の設定に使用する上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRとを用いることとしている。外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、CPU551内のRレジスタ(リフレッシュレジスタ)を用いてレジスタ値が加算され、結果的に数値がランダムに変化する構成となっている。
大当たり時装飾図柄カウンタC5は、大当たりの際、装飾図柄表示装置42の変動停止時の図柄(大当たり図柄)を決定するものであり、本実施形態では、装飾図柄表示装置42において装飾図柄は、確変図柄が5通り、通常図柄が5通り設定されている。従って、大当たり時装飾図柄カウンタC5としては、5個(0〜4)のカウンタ値が用意されている。すなわち、大当たり時装飾図柄カウンタC5は、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。そして、主制御装置261から送信された図柄コマンドが確変図柄の組合わせを示す「A1」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「1」(のゾロ目)、1であれば「3」(のゾロ目)、2であれば「5」(のゾロ目)、3であれば「7」(のゾロ目)、4であれば「9」(のゾロ目)という具合に、確変図柄の組合わせを決定する。また、図柄コマンドが通常図柄の組合わせを示す「A2」である場合、図示しないテーブル(カウンタ値と装飾図柄とを対応付けるテーブル)に基づいて、例えば、カウンタ値が0であれば「0」(のゾロ目)、1であれば「2」(のゾロ目)、2であれば「4」(のゾロ目)、3であれば「6」(のゾロ目)、4であれば「8」(のゾロ目)という具合に通常図柄の組合わせを決定する。この大当たり時装飾図柄カウンタC5はステップS3902のカウンタ更新処理にて定期的に更新され、後述するようにサブ制御装置262が図柄コマンドを受信するタイミングでRAM553のカウンタ用バッファから読み出す。なお、本実施形態では大当たり時装飾図柄カウンタC5はRAM553の大当たり時装飾図柄カウンタバッファに格納されるものとしたが、バッファに格納せず、図柄コマンドを受信したタイミングなどでカウンタ値を参照するようにしてもよい。
上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは、大当たり抽選が外れとなった時に上・中・下の図柄表示領域の各停止図柄(外れ図柄の組合わせ)を決定するものであり、各列では10個の装飾図柄の何れかが表示されることから、各々に10個(0〜9)のカウンタ値が用意されている。上・外れ図柄カウンタCLにより上図柄表示領域の停止図柄が決定され、中・外れ図柄カウンタCMにより中図柄表示領域の停止図柄が決定され、下・外れ図柄カウンタCRにより下図柄表示領域の停止図柄が決定される。
本実施形態では、CPU551に内蔵のRレジスタの数値を用いることにより各カウンタCL,CM,CRの値をランダムに更新する構成としている。すなわち、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新時には、前回値にRレジスタの下位3ビットの値が加算され、その加算結果が上限値を超えた場合に10減算されて今回値が決定される。各外れ図柄カウンタCL,CM,CRは更新時期が重ならないようにして更新され、それら外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ、前後外れ以外リーチ図柄バッファ及び完全外れ図柄バッファの何れかに格納される。
ここで、各外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新処理を詳しく説明する。図35に示すように、ステップS4001では、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期か否かを判別し、ステップS4002では、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期か否かを判別する。なお、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新されるように構成する。したがって、前回の更新処理において下・外れ図柄カウンタCRが更新されている場合、ステップS4001で肯定判断されることになる。また、前回の更新処理において上・外れ図柄カウンタCLが更新されている場合、ステップS4002で肯定判断されることになる。そして、上・外れ図柄カウンタCLの更新時期(ステップS4001がYES)であればステップS4003に進み、上・外れ図柄カウンタCLを更新する。また、中・外れ図柄カウンタCMの更新時期(ステップS4002がYES)であればステップS4004に進み、中・外れ図柄カウンタCMを更新する。さらに、下・外れ図柄カウンタCRの更新時期(ステップS4001、S4002が共にNO)であればステップS4005に進み、下・外れ図柄カウンタCRを更新する。ステップS4003〜S4005の外れ図柄カウンタCL,CM,CRの更新では、前回のカウンタ値にRレジスタの下位3ビットの値を加算すると共にその加算結果が上限値を超えた場合に10を減算して、その演算結果を、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの今回値とする。
上記CL,CM,CRの更新処理によれば、上・中・下の各外れ図柄カウンタCL,CM,CRが1回の更新処理で1つずつ順に更新され、各カウンタ値の更新時期が重なることはない。これにより、更新処理を3回実行する毎に外れ図柄カウンタCL,CM,CRの1セット分が更新されるようになっている。
その後、ステップS4006では、上記更新した外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせがリーチ図柄の組合わせ(上図柄表示領域の図柄と下図柄表示領域の図柄とが同じで、上下の図柄表示領域の図柄と中図柄表示領域の図柄とが異なっている)になっているか否かを判別し、リーチ図柄の組合わせである場合(S4006がYES)、さらにステップS4007では、それが前後外れリーチであるか否かを判別する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れリーチ(前後外れ図柄)の組合わせである場合(S4007がYES)、ステップS4008に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れリーチ図柄バッファに格納する。外れ図柄カウンタCL,CM,CRが前後外れ以外リーチ(前後外れ以外図柄)の組合わせである場合(S4007がNO)には、ステップS4009に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納する。
また、リーチ図柄以外の組合わせである場合(S4006がNO)、ステップS4010に進み、外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせが外れ図柄の組合わせになっているか否かを判別し、外れ図柄(完全外れ図柄)の組合わせになっていれば(S4010がYES)、ステップS4011に進み、そのときの外れ図柄カウンタCL,CM,CRの組合わせをRAM553の完全外れ図柄バッファに格納する。なお、ステップS4006、S4010が共にNOの場合は、上・中・下で図柄が揃っている、すなわち大当たり図柄の組合わせに相当するが、かかる場合、外れ図柄カウンタCL,CM,CRをバッファに格納することなくそのまま本処理を終了する。
図33の説明に戻り、ステップS3905では表示設定処理を行う。ここでは、RAM553のコマンドバッファに格納された情報に基づき、表示制御装置45へ出力する表示コマンドを生成する等の各種の演算処理及びコマンドの出力設定を行う。従って、ここで装飾図柄表示装置42において表示する表示態様が決定され、変動パターンコマンドの変動時間に対応する値が変動時間タイマに設定される。この際、サブ制御装置262は、装飾図柄の変動種別と変動パターンコマンドとを対応付けるテーブルに基づいて処理を行う。
尚、表示コマンドは、例えば変動表示の開始から終了までの一連の表示演出を指定するためのコマンドや、大当たり中の表示演出を指定するためのコマンドであり、コマンドバッファに格納された情報に基づいてその都度必要な表示コマンドが生成される。通常、サブ制御装置262にて生成される変動表示に関わる表示コマンドは大別して通常変動データ群やリーチ演出データ群などからなり、基本的にはこれらデータ群を構成する各データが上記変動時間タイマを基に予め決められた時間順序に則して順次出力されることで、各種変動パターンに応じた表示演出が行われる。例えば、通常変動データ群が通常変動データ1,通常変動データ2,・・・,通常変動データmからなり、リーチ演出データ群がリーチ演出データ1,リーチ演出データ2,・・・,リーチ演出データnからなる場合には、通常変動の開始に伴い通常変動データ1→2→・・・→mの順でデータ出力が順次行われ、それに引き続きリーチ演出の開始に伴いリーチ演出データ1→2→・・・→nの順でデータ出力が順次行われる。
また、当該ステップS3905の表示設定処理では、図柄コマンドに基づいて停止図柄の決定もあわせて行う。なお、上述したことであるが、図柄コマンドに「A1」が設定されている場合、1,3,5,7,9のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。一方、図柄コマンドに「A2」が設定されている場合、0,2,4,6,8のゾロ目のいずれかの図柄の組合わせを停止図柄として決定する。また、図柄コマンドに「A3」が設定されている場合、RAM553の前後外れリーチ図柄バッファ(図34参照)に格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A4」が設定されている場合、前後外れ以外リーチ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。図柄コマンドに「A5」が設定されている場合、完全外れ図柄バッファに格納されている図柄の組合わせを停止図柄として決定する。
尚、表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指令に応じて描画処理を行い、装飾図柄表示装置42での図柄の変動表示を開始する。なお、主制御装置261から変動パターンコマンドが一旦受信されると、当該変動パターンに対応する変動時間が経過するまで(ステップS3905で設定された変動時間タイマが0になるまで)の間、サブ制御装置262と表示制御装置45との協働のもとに図柄の変動表示が継続される。
さて、本実施形態では、ボタンユニット120は、通常、演出ボタン125が下方の第1の位置において保持されるとともに、扉体481a、481bが閉位置において保持され、操作部414(押圧部442)を押圧操作できない状態となっているが、ステップS3905において、特定の演出を行うことが決定された場合、扉体481a、481bを開位置へと変位させるとともに、演出ボタン125を上方の第2の位置へと変位させ、操作部414を押圧操作できる状態へと変化させる処理が行われる場合がある。
すなわち、ステップS3905では、当該ステップ3905において特定の演出を行うことが決定された場合、ボタンユニット120の動作に関するボタン用コマンドを生成し、後述する外部出力処理(ステップS3909参照)において、ボタン用コマンドを前部制御装置265に出力する。また、ボタン用コマンドが前部制御装置265に出力される場合、前部制御装置265に対して変動時間の情報も出力される構成となっている。
本実施形態のボタン用コマンドは大別して2種類存在し、扉体481a、481bを開位置へと変位させ、操作部414をハウジング391から突出させる第1のボタン用コマンドと、扉体481a、481bを開位置へと変位させるが、操作部414をハウジング391から突出させることなく、再び扉体481a、481bを閉位置へと変位させる第2のボタン用コマンドとがある。本実施形態では、特定の演出を行うことが決定された場合であって、大当たり状態が発生する場合(特別表示装置43及び装飾図柄表示装置42において大当たり状態の付与を教示する変動表示が行われる場合)には、第1のボタン用コマンドを前部制御装置265に出力する。
これに対し、特定の演出を行われることが決定された場合であって、大当たり状態が発生しない場合(外れとなる場合)には、ボタンユニット120の動作を決定するためのボタン演出乱数カウンタの値を取得する処理を行う。ボタン演出乱数カウンタは、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、上限値(つまり99)に達した後、下限値である0に戻るループカウンタとして構成されている。ボタン演出乱数カウンタは定期的に更新され(例えば、ステップS3904のカウンタ更新処理の後にボタン演出乱数カウンタの値を更新する処理が行われ)、カウンタバッファにボタン演出乱数カウンタの値が記憶される。そして、特定の演出を行われることが決定された場合、カウンタバッファに記憶されたボタン演出乱数カウンタの値が取得される。第1のボタン用コマンドに対応する(第1のボタン用コマンドを生成し、前部制御装置265に出力することとなる)乱数の値の数は30あり、その範囲は「0〜29」である。第2のボタン用コマンドに対応する乱数の値は70あり、その範囲は「30〜99」である。
尚、演出ボタン125は、上記のように遊技者の演出ボタン125(操作部414)の操作を各種演出等に反映させる目的で設けられたものであり、操作に応じて、装飾図柄表示装置42における表示内容を変更したり、対応する音声を流したりする等の何らかの変化を生じさせる制御が行われる。但し、いつでも演出ボタン125を操作すれば何らかの変化が生じるといったわけではなく、操作しても変化が生じないタイミングもある。以下、演出ボタン125の操作(操作検知スイッチ446による検知情報)が、装飾図柄表示装置42の表示態様やスピーカSPから流れる音声に反映されるときをボタン有効時(操作有効状態)と称し、反映されないときをボタン無効時(操作無効状態)と称する。また、ボタン有効時とボタン無効時との間の切替制御は、サブ制御装置262にて行われる。尚、演出ボタン125は、ボタン無効時においては第1の位置にて維持され、ボタン有効時において第2の位置へと変位することとなる。
加えて、演出ボタン125が操作されると、操作検知スイッチ446による検知情報が、前部制御装置265を介してサブ制御装置262に送信される。当該ステップS3905では、ボタン有効時において演出ボタン125の操作が確認された場合には、これに応じた設定(演出ボタン125の操作に応じた表示コマンドの生成等)を行う。
ステップS3906のランプ設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、ランプ・電飾類の点灯パターンを設定する。また、始動保留球数Na及びNbに応じた保留ランプ44、46の点灯制御等、ランプに関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3906で行われる。
ステップS3907の音声設定処理では、装飾図柄表示装置42で行われる表示演出に同期させるべく、スピーカ24の出力パターンを設定する。また、エラー発生の報知等、音声に関するコマンドが主制御装置261から送信されてきた場合には、これらの制御を行うための設定もステップS3907で行われる。
ステップS3908では、客待ち演出(例えば装飾図柄表示装置42の変動表示が行われていない状態で所定時間が経過すると表示されるように設定されているデモ画面表示)の制御設定等その他の処理を行う。
ステップ3909では、上記ステップS3904〜3908の設定内容に基づいた制御信号を各装置に送信する外部出力処理を実行する。例えば、装飾図柄表示装置42による装飾図柄の変動表示に際して表示コマンドを表示制御装置45に送信する。
1msec毎に行われるステップS3904〜S3909の処理が実行された後、又は、上記ステップS3903で否定判別された場合には、ステップS3910に移行し、RAM553に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する。尚、電源断の発生情報は、主制御装置261から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。
電源断の発生情報が記憶されていない場合には、ステップS3911に進み、RAM553が破壊されているか否かが判別される。ここでRAM553が破壊されていなければ、ステップS3901の処理へ戻り、繰り返し通常処理が実行される。一方、RAM553が破壊されていれば、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
一方、ステップS3910で電源断の発生情報が記憶されると判別された場合、ステップS3912において電源断処理を実行する。電源断処理では、割り込み処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。電源断処理の実行後は、処理を無限ループする。
次に、前部制御装置265によるボタンユニット120を動作させる処理(ボタン処理)について図36を参照しつつ説明する。尚、本実施形態では、ボタン処理は前部制御装置265にて4msec毎に行われる通常処理において周期的に行われる。
尚、前部制御装置265では、サブ制御装置262からボタン用コマンドを受信した場合、変動表示中においてボタンユニット120を動作させるか否かを判別するためのボタンフラグをオンにするとともに、変動時間の情報に基づいて、ボタンユニット120を動作させるタイミングを計るボタンタイマ、及び、変動時間の終了のタイミングを計る変動時間タイマを設定する。本実施形態では、ボタンフラグは2種類あり、サブ制御装置262から第1のボタン用コマンドを受信した場合にオンとなる第1ボタンフラグと、第2のボタン用コマンドを受信した場合にオンとなる第2ボタンフラグとが設けられている。
また、本実施形態では、ボタンフラグがオンとされた場合、装飾図柄表示装置42において変動表示が所定時間行われた後にボタンユニット120の動作が開始される構成となっており、ボタンタイマには、変動表示が開始されてからボタンユニット120を動作させるまでの時間に対応する値が設定される(例えば、ボタンユニット120を動作させるまでの時間が2秒である場合、ボタンタイマには「500」がセットされる)。
尚、演出ボタン125を第2の位置へと変位させる場合、本実施形態では、ボタン無効時からボタン有効時へと切替わるタイミングに合わせて、ボタンユニット120を動作させる構成となっている。加えて、前部制御装置265のRAM573には、上記ボタンフラグ、ボタンタイマ、変動時間タイマの他、第1ボタンフラグがオンであるときに、演出ボタン125の操作部414が操作され、操作検知スイッチ446による検知が行われた場合にオンとなる操作フラグが設けられている。
先ず、ステップS4701では、第1ボタンフラグがオンであるか否かを判別する。ステップS4701で肯定判別された場合には、ステップS4702においてボタンタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS4702で否定判別された場合、すなわち、ボタンユニット120を動作させる(モータ397を駆動させる)タイミングが未だ到来していない判別には、ステップS4703においてボタンタイマの値を1つ減算した後、本処理を終了する。
一方、ステップS4702で肯定判別された場合、すなわち、ボタンユニット120を動作させるタイミングが到来している場合には、ステップS4704に進み、位置検知手段493の開放側検知部496と第2検知部498とが接触しているが否かを判別することで、演出ボタン125が第2の位置にあるか否かを判別する。
ステップS4704で否定判別された場合、ステップS4705において、操作フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS4705で否定判別された場合には、ステップS4706に進み、操作検知スイッチ446の検知信号があるか否か、すなわち、演出ボタン125が操作されているか否かを判別する。ステップS4706で否定判別された場合、ステップS4707において、モータ397を駆動させて演出ボタン125を第2の位置へと変位させるための処理を行った後、本処理を終了する。尚、当該ステップS4707の処理が行われた場合、位置検知手段493の開放側検知部496と第2検知部498とが接触するまでモータ397が駆動制御される。本実施形態では、開放側検知部496と第2検知部498とが接触すると、モータ397の駆動が停止される。
一方、ステップS4706で肯定判別された場合、ステップS4708において操作フラグをオンし、本処理を終了する。
また、ステップS4704で肯定判別された場合、又は、ステップS4705で肯定判別された場合には、ステップS4709に移行し、変動時間タイマの値が「0」であるか否かを判別する。本実施形態では、変動表示が終了した時点で、ボタン無効時に切替わるとともに、扉体481a、481bを閉位置に戻す構成となっており、当該ステップS4709では、扉体481a、481bを閉位置に戻すタイミングが到来したか否かを判別している。
尚、変動時間タイマの値は、当該ボタン処理ではなく、前部制御装置265にて周期的に行われる4msec毎の通常処理において周期的に減算される(例えば、10秒の変動表示が行われる際には、変動時間タイマに「2500」が設定されるとともに、4msec毎にその値が「1」ずつ減算され、10秒後に変動時間タイマの値が「0」となる)。加えて、ステップS4705にて肯定判別されると、演出ボタン125を第2の位置へと変位させるステップS4707へ移行することなく、ステップS4709へ移行する構成となっているため、操作部414(押圧部443)が押圧操作されることで演出ボタン125が第1の位置へと変位した場合には、当該変動表示中において演出ボタン125が再度第2の位置へと変位することはない。
ステップS4709で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4709で肯定判別された場合には、ステップS4710において、モータ397を駆動させて扉体481a、481bを閉位置へと変位させるための処理を行う。尚、当該ステップS4710の処理が行われた場合、位置検知手段493の閉鎖側検知部495と第1検知部497とが接触するまでモータ397が駆動制御される。本実施形態では、閉鎖側検知部495と第1検知部497とが接触すると、モータ397の駆動が停止される。
ステップS4710の後、ステップS4711において第1ボタンフラグをオフするとともに、ステップS4712において操作フラグをオフし、本処理を終了する。
また、ステップS4701で否定判別された場合、ステップS4713に移行し、第2ボタンフラグがオンであるか否かを判別する。ステップS4713で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS4713で肯定判別された場合には、ステップS4714において、ボタンタイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS4714で否定判別された場合には、ステップS4715においてボタンタイマの値を1減算した後、本処理を終了する。
一方、ステップS4714で肯定判別された場合には、ステップS4716において、扉出戻り処理を行う。尚、当該ステップS4716の扉出戻り処理が行われた場合、閉位置にある扉体481a、481bが開位置となるまでモータ397を駆動させた後、第2扉体481b(パネル側連結部492b)がレバー453と当接する前の段階で、扉体481a、481bが再び閉位置となるまでモータ397を逆向きに駆動させるといった制御が行われる。つまり、扉体481a、481bが開位置へと変位して、ハウジング391の挿通開口部392が一旦開放されるのであるが、演出ボタン125が第2の位置へと変位することなく、挿通開口部392が閉塞された状態に戻ることとなる。尚、モータ397を逆向きに駆動して歯車399(扉体481a、481b)の回動方向を反対向きとする際には、モータ397に内蔵されたエンコーダを参酌する。尚、所定時間後にモータ397を逆向きに駆動させる構成を採用する場合、エンコーダを省略してもよい。
ステップS4716の後、ステップS4717において第2ボタンフラグをオフし、本処理を終了する。
尚、扉体481a、481bが開位置にあるときに、操作検知スイッチ446により操作部414の操作が検知されている場合には、扉体481a、481bを閉位置へと変位させない(モータ397を駆動させない)構成としてもよい。例えば、ステップS4709で肯定判別された後、かつ、ステップS4710の前の段階で、操作検知スイッチ446の検知信号を確認して操作部414が操作されているか否かを判別し、操作部414が操作されていると判別された場合には、ステップS4710以下の処理をスキップし、そのままボタン処理を終了させることとしてもよい。この場合、遊技者の手に扉体481a、481bが接触してしまうといった事態を確実に防止することができる。
尚、本実施形態では、大当たり状態の発生を教示する変動表示中において第2の位置へと変位した演出ボタン125の操作部414を操作することにより、操作部414を操作した時点で、装飾図柄表示装置42において、大当たり状態の発生を教示する表示演出、又は、大当たり状態の発生を期待させる表示演出が行われる。一方、大当たり状態が発生しないことを教示する変動表示中において第2の位置へと変位した演出ボタン125を操作することにより、操作部414を操作した時点で、大当たり状態の発生を期待させる表示演出が行われる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、演出ボタン125がケース体401及びハウジング391(上皿19)に対して上下に相対変位可能に設けられており、演出ボタン125が下方の第1の位置に変位することで、操作部414の押圧部443(操作面)がハウジング391(上皿19)の内側に収容され(ハウジング391の挿通開口部392の周縁部よりも押圧部443が下方に位置し)、演出ボタン125が上方の第2の位置に変位することで、押圧部443がハウジング391(上皿19)から上方に突出する構成となっている。さらに、ハウジング391の挿通開口部392を閉塞する閉位置と、挿通開口部392を開放する開位置とに変位する扉体481a、481bが設けられており、扉体481a、481bを閉位置へと変位させることで、当該扉体481a、481bにより第1の位置にある演出ボタン125(操作部414)が覆われる構成となっている。
このため、扉体481a、481bを閉位置へと変位させることで、操作部414の操作を抑止することができる。また、扉体481a、481bが開位置にあっても、演出ボタン125を第1の位置としておくことで、操作部414を操作し難くすることができ、例えば、遊技者が掌や手を握って操作部414を強打するといった行為が行い難くなる。従って、扉体481a、481bを閉位置へと変位させたり、演出ボタン125を第1の位置へと変位させたりすることで、遊技者による操作部414への度を超した操作を抑制する(操作部414を強打するといった行為を控えさせる)ことができ、演出ボタン125が早期に劣化したり、破損したりしてしまうといった事態を抑制することができる。さらに、扉体481a、481bを閉位置へと変位させたり、演出ボタン125を第1の位置へと変位させたりした場合、遊技者に対して見た目で操作部414が操作し難くなっていることを認知させることができる。従って、操作部414への操作自体を控えさせることができ、演出ボタン125の操作頻度(操作部414の操作回数)を低減させることができる。結果として、演出ボタン125の耐久性を向上させる(演出ボタン125の劣化を遅延させる)ことができ、演出ボタン125が劣化・損傷することに起因して、遊技に支障をきたしてしまうといった事態を抑止することができる。
特に、本実施形態では、ボタン有効時においては、扉体481a、481bを開位置へと変位させるとともに、演出ボタン125を第2の位置へと変位させ、ボタン無効時においては、演出ボタン125を第1の位置へと変位させるとともに、扉体481a、481bを閉位置へと変位させる構成となっている。従って、ボタン有効時においては、スムースに操作部414の操作を行うことができ、その一方で、ボタン無効時においては、操作部414の操作を抑制することができる。結果として、演出ボタン125の操作性を確保しつつ、操作部414を操作する必要がないときの操作部414の操作を抑制することができ、上記作用効果が一層確実に奏される。加えて、演出ボタン125は、通常(ボタン無効時において)操作することができないことから、遊技者に対し、演出ボタン125を操作することによる優越感や満足感を覚えさせることができる。
また、ボタン無効時からボタン有効時に切替わると、閉位置にある扉体481a、481bが開位置へと変位するとともに、第1の位置にある演出ボタン125が第2の位置へと変位してハウジング391から上方に突出するため、遊技者に対し、ボタン無効時からボタン有効時に切替わったことを認知させ易い。従って、ボタン有効時であることに気付かずに、操作部414を操作するタイミングを逃がしてしまい、操作部414を操作することで導出されるはずであった演出を堪能できなくなってしまうといった事態を抑制することができる。さらに、ボタン有効時となると、上記のようにボタンユニット120(扉体481a、481b及び演出ボタン125)が動作することから、ボタンユニット120が目立ち、ボタンユニット120(演出ボタン125)の設置位置を比較的容易に把握(発見)することができる。このため、例えば、(当該パチンコ機10を初めて遊技する遊技者等が)演出ボタン125の位置を探している間にボタン有効時である期間が終了してしまうといった事態を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、演出ボタン125全体を上下に変位させることで、操作部414の押圧部443(操作面)をハウジング391の内側に収容したり、ハウジング391から上方に突出させたりしている。このため、演出ボタン125として、市販の押しボタンスイッチを(大幅に)改造することなく(ケーシング416を取付けるだけで)使用することもでき、生産性の向上を図ることができる。
また、例えば、操作部414を操作位置へと変位させることで、押圧部443を本体部411の内側に位置させ、操作部414を操作しにくくする(演出ボタン125を第1の状態とする)構成の場合、遊技者による操作部414への操作がなくても、操作検知スイッチ446による検知が行われてしまうおそれがある。かかる事態を回避するためには、例えば、演出ボタン125は第1の状態にあるが、操作検知スイッチ446による操作部414の検知は行われていないといった状態を設定するべく、操作部414を非操作位置と操作位置との間の位置で静止させ得る構成としたり、操作有効状態のときにだけ操作検知スイッチ446の検知情報を参酌する構成としたりする必要がある。しかしながら、前者の構成を採用する場合、操作部414の押圧部443を本体部411の内側にまで押込まなければ、操作検知スイッチ446による検知が行われなくなってしまうため、操作性の低下を招くおそれがある。また、後者の構成を採用する場合には、制御の複雑化を招くおそれがある。
これに対し、本実施形態によれば、本体部411に対する操作部414の相対変位(操作位置と非操作位置との間の変位)と、上皿19に対する演出ボタン125の相対変位(第1の状態と第2の状態との間の変位)とがそれぞれ独立して行えるように、各変位の構成を別々にしているため、上記不具合を確実に回避することができる。
さらに、操作部414への度を超した操作を抑制するべく、本実施形態の構成以外にも、例えば、演出ボタン125の操作部414を操作位置へと変位させ、押圧部443を本体部411の内側に位置させることで、操作部414を操作し難くすることも考えられる。しかしながら、この場合、操作部414を操作していないにも関わらず、操作部414の押圧部443が本体部411の内側に収容された状態となるため、(当該パチンコ機10を初めて遊技する)遊技者は演出ボタン125が故障しているのではないかと勘違いしてしまうおそれがある。これに対し、本実施形態のように、演出ボタン125全体を変位させる構成とすることで、遊技者は、当該パチンコ機10の演出ボタン125に関しては、機械的に操作部414の押圧部443が上皿19(ハウジング391)の内側に収容される構成となっていることを容易に把握することができる。従って、操作部414を操作していないにも関わらず、操作部414の押圧部443が本体部411の内側に収容された状態となることに起因して、遊技者が遊技に集中できなくなってしまったり、遊技ホールの店員に説明を受けたりする等の事態を回避することができる。
また、例えば、演出ボタン125が第2の位置にあるとき、すなわち、操作部414の押圧部443がハウジング391から突出しているときには操作部414を強打することもでき、操作部414が強打されることに起因して、演出ボタン125等が損傷してしまうおそれがある。これに対し、本実施形態では、演出ボタン125が第2の位置にあるときに、非操作位置にある操作部414の押圧部443を押圧操作することで、操作部414を操作位置へと変位させるとともに、演出ボタン125を第1の位置へと変位させることができる構成となっている。つまり、操作部414が強打された場合、操作部414が操作位置に変位するだけではなく、演出ボタン125全体が第1の位置側へと変位することとなるため、演出ボタン125への衝撃を吸収することができる。従って、例えば、操作部414が強打されても演出ボタン125が第2の位置で維持される(変位しないように強固に保持される)といった構成に比べ、演出ボタン125が損傷してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
加えて、例えば、圧縮コイルばね415の付勢力がモータ397の保持力よりも強い場合、演出ボタン125を第1の位置に変位させてからでないと操作部414を操作位置へと変位させることができなくなってしまうおそれがある。つまり、演出ボタン125が第1の位置にあると、操作部414を操作し難いため、操作性の低下を招くおそれがある。これに対し、本実施形態では、操作部414を上方(非操作位置側)に付勢する圧縮コイルばね415の付勢力は、演出ボタン125を第2の位置において保持するモータ397の保持力よりも弱くなっている。このため、演出ボタン125が第2の位置にあるときに、非操作位置にある操作部414の押圧部443を押圧操作することで、演出ボタン125を第2の位置に維持しつつ、操作部414を操作位置へと変位させることができ、当該操作位置にある操作部414の押圧部443をさらに押圧操作することで、演出ボタン125を第1の位置へと変位させることができる構成となっている。このため、上記不具合を払拭することができ、演出ボタン125の操作性の低下を防止することができる。
さらに、閉位置にある扉体481a、481bは、第2の位置にある演出ボタン125が第1の位置へと変位することで空いたスペースに位置している。このため、ボタンユニット120の大型化を抑制することができる。また、閉位置にある扉体481a、481bがハウジング391(上皿19)から上方に大きく突出してしまうといった事態を抑止することができ、閉位置にある扉体481a、481bに対して外力が加えられた場合に扉体481a、481bや回動ピン486等が損傷し易くなってしまうといった事態を抑制することができる。
また、モータ397を駆動させると、モータ397の回転軸398に固定された歯車399に噛み合う第1ピニオン部484a、及び第2ピニオン部484bが回動し、扉体481a、481bが回動変位するとともに、扉体481a、481bの変位に伴って、第2扉体481bがレバー453に圧接したり離間したりすることで、レバー453が軸部473を中心として回動変位し、レバー453の変位に伴って演出ボタン125が上下に変位する構成となっている。従って、1つの駆動源(モータ397)により演出ボタン125及び扉体481a、481bを動作させることができるため、構成及び制御の簡素化、コストの削減、ボタンユニット120の大型化の抑制等を図ることができる。さらに、モータ397の駆動力が扉体481a、481bに伝達される経路と、モータ397の駆動力が演出ボタン125に伝達される経路とが別々に存在するわけではなく、モータ397の駆動力を演出ボタン125に伝達する伝達手段の一部を第2扉体481bによって構成しているため、より確実に構成の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態では、ケース体401の上側の開口部(ハウジング391の挿通開口部392)とレバー453(レバー本体471)との間に、開位置と閉位置との間を回動変位する第2扉体481bを収容可能な空間が形成されている。このため、ボタンユニット120の状態としては、大別して、演出ボタン125が第1の位置にあり、かつ、扉体481a、481bが閉位置にある状態(状態A)と、演出ボタン125が第1の位置にあり、かつ、扉体481a、481bが開位置にある状態(状態B)と、演出ボタン125が第2の位置にあり、かつ、扉体481a、481bが開位置にある状態(状態C)とがある。
従って、閉位置にある扉体481a、481bが開位置となる側に変位し始めると直ぐに演出ボタン125が第2の位置へと変位し始めるのではなく、扉体481a、481bが開位置へと変位し、ハウジング391の挿通開口部392が完全に開放された後に演出ボタン125が第2の位置へと変位し始めることとなる。また、演出ボタン125が第1の位置へと変位した後に、扉体481a、481bがハウジング391の挿通開口部392を閉塞し始めることとなる。このため、開位置へと変位している最中の扉体481a、481bに対して第2の位置へと変位する演出ボタン125が接触してしまい、扉体481a、481bの開位置側への変位が阻害されるとともに、演出ボタン125の第2の位置側への変位が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。また、第1の位置へと変位している最中の演出ボタン125に対して閉位置へと変位する扉体481a、481bが接触してしまい、演出ボタン125の第1の位置側への変位が阻害されるとともに、扉体481a、481bの閉位置側への変位が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。結果として、1つの駆動原(モータ397)により、演出ボタン125及び扉体481a、481bを変位させる構成においても、演出ボタン125及び扉体481a、481bをスムースに動作させることができる。
さらに、演出ボタン125が第2の位置にあり、かつ、扉体481a、481bが開位置にある状態において、上記のように、操作部414を押圧操作して演出ボタン125を力ずくで第1の位置へと変位させた場合、扉体481a、481bは、レバー453を介して演出ボタン125に押圧され、閉位置側へ変位するものの、閉位置に至ることはなく、開位置である範囲内において変位するだけである(押圧部443が扉体481a、481bにより覆われることはない)。従って、演出ボタン125を力ずくで第1の位置へと変位させた場合に、押圧部443を押圧操作している遊技者の手に扉体481a、481bが接触してしまう(遊技者の手が扉体481a、481bに挟まれてしまう)といった事態を防止することができる。
また、本実施形態では、ボタンユニット120を前記状態Aから前記状態Bへと状態変化させた後、前記状態Cへと状態変化させる制御パターンと、前記状態Aから前記状態Bへと状態変化させた後、前記状態Cに状態変化させることなく、前記状態Aへと状態変化させる制御パターンとが設定されている(図36のボタン処理参照)。従って、ボタンユニット120(演出ボタン125及び扉体481a、481b)の動作にバリエーションを付与することができ、演出性の向上を図ることができる。また、ボタンユニット120の動作にバリエーションを付与することにより、上下に変位する演出ボタン125や扉体481a、481bに関し、演出ボタン125を操作し難くするための構成であるという印象よりも、演出を面白くするために設けられたという印象を与えることができる。従って、ボタンユニット120に対する抵抗感を抑制することができる。
さらに、開閉手段452は、互いに反対向きに回動する一対の扉体481a、481bを備えている。このように、扉体481a、481bが一対で設けられることにより、ハウジング391の挿通開口部392を開閉する際の各扉体481a、481bの変位量及びモータ397の駆動量を小さくすることができ、結果的に、開閉動作を素早く行うことができる。
加えて、本実施形態では、主として遊技盤30に設けられた電飾や装飾図柄表示装置42等の制御を行うサブ制御装置262とは別に、前面枠セット14に設けられた電飾(環状電飾部102、エラー表示ランプ104、球貸しボタン121及び返却ボタン122に内蔵された発光手段等)や、ボタンユニット120(LED基板412、モータ397)の制御を行う前部制御装置265が設けられている。このため、主制御装置261及びサブ制御装置261の制御負担を軽減することができる。
また、ハウジング391の上壁部に形成され、ハウジング391に収容された演出ボタン125の外方への突出を許容する挿通開口部392の奥行幅は約40mmとなっている。このため、遊技者が掌や握った手で第2の位置にある演出ボタン125の操作部414をある程度押込むと、演出ボタン125が第2の位置側へと変位して、遊技者の手がハウジング391の挿通開口部392の周縁に当接することとなり、操作部414をそれ以上に押し込み難くなる。従って、遊技者による操作部414への度を超した操作に起因して、演出ボタン125が破壊されてしまうといった事態をより確実に抑制することができる。
さらに、操作部414の押圧部443(操作面)の奥行幅は約30mmとなっている。このため、上記のように、挿通開口部392の大きさを極力小さく構成することができる上、第2の位置にある演出ボタン125の操作部414が操作し難くなってしまうといった事態を抑制することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、特徴部分である演出ボタン1125を中心に図37〜図41を参照して説明する。図37は連動部材1410が収縮したときの演出ボタン1125を示す模式断面図である。図38は連動部材1410が伸長したときの演出ボタン1125を示す模式断面図である。図39(a)は上基板1402を示す上面図であり、図39(b)は下基板1403を示す上面図であり、図39(c)は支持金具1451を示す断面図である。図40(a)は被伝達部材1486を示す模式断面図であり、図40(b)は伝達部材1481を示す模式断面図である。図41は演出ボタン1125の回路構成を説明するための図である。
図37、図38に示すように、操作手段としての演出ボタン1125は、前面枠セット14に固定される本体部1401と、発光手段L1、L2、L3(図39(a)参照)が搭載された発光体ブロックとしての上基板1402と、上基板1402の下方において上基板1402と対向配置される下基板1403と、透明な素材よりなり、上基板1402の上方を覆う操作部1404と、上基板1402を回転させる発光体駆動手段としてのモータ1405と、モータ1405が搭載される中間体1406と、中間体1406を上方に付勢する付勢手段としての第1コイルばね1407と、操作部1404を下方に付勢する第2コイルばね1408と、操作部1404の操作を検知する操作検知手段としての操作検知スイッチ1409と、上基板1402の変位に操作部1404を連動させるための可動手段としての連動部材1410とを備えている。
(中間体1406)
中間体1406は、略円盤状に構成され、中央部においてモータ1405の下部を嵌合するモータ設置部1472が形成された土台部1471と、モータ設置部1472を囲むようにして土台部1471から上方に突出し、下基板1403の外周部を土台部1471から所定距離だけ上方に離間した位置で支持する支持壁部1474と、第1コイルばね1407の上部を支持する第1ばね収容部1477とを備えている。モータ設置部1472は土台部1471の下面から下方に突出するようにして形成されている
第1ばね収容部1477は、土台部1471の下面に形成された有底状の凹部であり、土台部1471の中央部を中心として均等位置に複数(例えば4つ)設けられている。第1ばね収容部1477の内側には、第1コイルばね1407の上部が挿入状態とされており、これによって、第1コイルばね1407の上部が支持されている。
(本体部1401)
本体部1401は、演出ボタン1125の底面を構成するベース板1411と、ベース板1411とは別体として構成される略円筒状の枠体1421とを備えている。
ベース板1411は、略円盤状に構成される底壁部1412と、第1コイルばね1407の下部を支持する第1ばね支持部1415とを備えている。底壁部1412の中央部には、中間体1406のモータ設置部1472を挿通可能な設置孔1413が形成されている。演出ボタン125の組付け状態においては、モータ設置部1472が設置孔1413を介して底壁部1412を上下に貫通している。また、設置孔1413は四角形状に構成されており、本体部1401に対して中間体1406が上下に相対変位した場合に、四角箱状のモータ設置部1472と設置孔1413の内周面とが摺接するようになっている。これにより、本体部1401に対する中間体1406の回動変位が規制されることとなる。
また、底壁部1412には、中間体1406の土台部1471と対向する位置において、ゴム製のクッション部材1414が設けられている。これにより、中間体1406と本体部1401の底壁部1412とが衝突した際の衝撃を緩和することができ、モータ1405、上基板1402、及び下基板1403等への悪影響を抑制することができる。
第1ばね支持部1415は、底壁部1412から上方に突出する略円柱状の突起であり、中間体1406の土台部1471に設けられた複数の第1ばね収容部1477に対応して複数(例えば4つ)設けられている。当該第1ばね支持部1415には、第1コイルばね1407の下部が挿通状態とされ、これにより、第1コイルばね1407の下部が支持されている。すなわち、第1ばね支持部1415と第1ばね収容部1477とにより第1コイルばね1407の両端部を支持させるようにして、第1コイルばね1407をベース板1411と中間体1406との間に介在させることにより、中間体1406が上方に付勢されることとなる。操作部1404が操作されていない状態においては、当該第1コイルばね1407の付勢力により、中間体1406の土台部1471と、ベース板1411の底壁部1412(クッション部材1414)とが上下に離間した状態となっている。尚、詳しくは後述するが、第1コイルばね1407の付勢力が中間体1406等を介して操作部1404に作用するよう構成されている。
枠体1421は、上下方向に延びる円筒状の基部1422と、基部1422の上側の開口部の周縁部を塞ぐようにして設けられる円環状の縁壁部1423と、基部1422の外周面から外方に突出する取付片1424と、第2コイルばね1408の上部を支持する第2ばね収容部1426とを備えている。取付片1424には、上下に貫通する取付孔1425が形成されている。そして、取付孔1425と、前面枠セット14(例えば上皿19の背面側)に形成されたねじ穴(図示略)とを位置合わせし、ねじ固定することで、演出ボタン125が前面枠セット14に取付けられている。
第2ばね収容部1426は、縁壁部1423の下面から下方に突出する筒状部であり、縁壁部1423の内周側に形成される開口部の中央部を中心として均等位置に複数(例えば3つ)設けられている。第2ばね収容部1426の内側には、第2コイルばね1408の上部が挿入状態とされており、これによって、第2コイルばね1408の上部が支持されている。
尚、ベース板1411の底壁部1412の外周部は段差形状となっており、枠体1421(基部1422)の下側の開口部を塞ぐようにして、枠体1421に対しベース板1411を組付けると、当該段差部において枠体1421(基部1422)の下部が支持されるようになっている。また、底壁部1412の外周部には、上方に突出するねじ固定部1418が、周方向に沿って所定間隔毎に(例えば5つ)設けられている。ねじ固定部1418には、底壁部1412の遠心方向に沿って貫通するねじ孔1418aが形成されている。そして、ベース板1411と枠体1421とを組付けた後、かかるねじ孔1418aと、枠体1421(基部1422)に形成された固定孔1427とを位置合わせし、ねじ固定することで、枠体1421がベース板1411に取付けられ、本体部1401が構成されている。
(操作部1404)
操作部1404は、上下方向に延び、縁壁部1423の上側の開口に挿通可能な円筒状の周壁部1431と、周壁部1431の上側の開口部を閉塞する押圧部1432と、周壁部1431の外周面に突設され、第2コイルばね1408の下部を支持する第2ばね支持部1433とを備えている。また、周壁部1431の下縁部と、中間体1406の土台部1471のうち支持壁部1474よりも外周側の部位とが上下に当接可能に構成されている。
第2ばね支持部1433は、周壁部1431の上下方向中間位置から外方に突出する支持台1434と、支持台1434の上面から上方に突出する支持突起1435とを備えており、枠体1421の縁壁部1423に設けられた複数の第2ばね収容部1426に対応して複数(例えば3つ)設けられている。当該第2ばね支持部1433(支持突起1435)には、第2コイルばね1408の下部が挿通状態とされており、これにより、第2コイルばね1408の下部が支持されている。すなわち、第2ばね支持部1433と第2ばね収容部1426とにより第2コイルばね1408の両端部を支持させるようにして、第2コイルばね1408を枠体1421と操作部1404との間に介在させることにより、操作部1404が下方に付勢されることとなる。加えて、第2ばね支持部1433の支持台1434は、枠体1421の基部1422の内周面と略当接状態となっており、本体部1401に対して操作部1404が上下に相対移動する場合、支持台1434と基部1422とが摺接するようになっている。
また、操作部1404の周壁部1431の内面は、中間体1406の支持壁部1474の外周面と略当接状態となっており、中間体1406に対して操作部1404が上下に相対変位する場合、周壁部1431と支持壁部1474とが摺接するようになっている。さらに、図示は省略するが、周壁部1431の内面側には、内周側に突出するガイド突部が設けられている。これに対し、支持壁部1474には、ガイド突部を挿通可能なガイドスリット1479が形成されている。そして、中間体1406と操作部1404との組付け時には、ガイド突起がガイドスリット1479の内側に挿通状態とされ、これにより、中間体1406に対する操作部1404の上下方向への相対変位がガイドされるとともに、中間体1406に対する操作部1404の回動変位が規制されることとなる。
本実施形態では、操作部1404は、第2ばね収容部1426と、第2ばね支持部1433(支持台1434)とが当接する位置まで上方に変位することが可能であり、中間体1406の土台部1471と、ベース板1411のクッション部材1414とが当接する位置まで下方に変位することが可能である。
また、第1コイルばね1407は第2コイルばね1408よりも付勢力の強いもの(ばね定数の大きいもの)が採用されているとともに、演出ボタン125に搭載される第1コイルばね1407の総数は第2コイルばね1408の総数よりも多くなっている。これにより、第1コイルばね1407が支えるモータ1405、上基板1402、及び下基板1403等を搭載した中間体1406と操作部1404との重さを加味しても、操作部1404を押下げる際に必要な力が、操作部1404を持ち上げる際に必要な力よりも大きくなるように構成されている。
但し、第1コイルばね1407は、第2コイルばね1408の付勢力に抗して、第2ばね支持部1433と第2ばね収容部1426とが当接するまで中間体1406を持ち上げるようには構成されておらず、操作部1404は、第1コイルばね1407及び第2コイルばね1408により、上方及び下方のどちらにも変位可能な中間位置において緊張状態とされている。尚、仮に、第2コイルばね1408を取外したとしても、第2ばね収容部1426と第2ばね支持部1433とが上下に離間するようになっていることとしてもよいし、第2コイルばね1408の付勢力により第1コイルばね1407を押し縮めることで、第2ばね収容部1426と第2ばね支持部1433とが上下に離間することとしてもよい。
尚、操作部1404の押圧部1432を押圧操作すると、第1コイルばね1407が収縮し、中間体1406の土台部1471とベース板1411のクッション部材1414とが当接するまで、操作部1404(押圧部1432)が本体部1401(縁壁部1423)に没入する方向(下方)に変位する。このとき、第2コイルばね1408が追従的に伸長し、第2コイルばね1408が第2ばね収容部1426から抜け出さないようになっている。また、押圧部1432の操作を解除すると(操作部1404から手を離すと)、第1コイルばね1407が伸長し、操作部1404が本体部1401から突出する方向に変位して元の状態に戻る。
(操作検知スイッチ1409)
操作検知スイッチ1409は、中間体1406の土台部1471の外周面に設けられた操作側端子部1438と、前部制御装置265の入出力ポート574に電気的に接続され、ベース板1411の底壁部1412に設けられたベース側端子部1439とから構成されている。操作部1404が押下操作されていない状態においては、操作側端子部1438とベース側端子部1439とが離間し、操作部1404が押下操作されると操作側端子部1438とベース側端子部1439とが接触する構成となっている。操作側端子部1438とベース側端子部1439とが接触することにより、操作側端子部1438及びベース側端子部1439を具備する回路が通電状態となり、操作部1404の操作が検知される構成となっている。尚、操作検知スイッチ1409の構成は特に限定されるものではなく、例えば、光センサ等を用いて操作部1404の操作の検知を行うこととしてもよい。
尚、押圧部1432が押圧操作され、操作側端子部1438とベース側端子部1439とが接触しているときの操作部1404の位置が操作位置に相当し、押圧部1432が押圧操作されておらず、操作側端子部1438とベース側端子部1439とが接触していないときの位置が非操作位置に相当する。
(上基板1402)
図39(a)に示すように、上基板1402は略円盤状をなし、その上面には発光手段L1、L2、L3が上基板1402の中央部を中心として均等位置に設置されている。発光手段L1、L2、L3は3色LEDにより構成され、それぞれ発光色が赤である発光素子(発光部)R1、R1、R1、発光色が緑である発光素子(発光部)G1、G2、G3、発光色が青である発光素子(発光部)B1、B2、B3を有している。また、図37等に示すように、上基板1402の下面には、発光手段L1、L2、L3(発光素子R1、R2、R3、G1、G2、G3、B1、B2、B3)と電気的に接続された発光側端子部P1〜P7が設けられている。本実施形態では、上基板1402の外周側から内周側に向けて、P1→P2→P3→P4→P5→P6→P7の順に配設されている。また、本実施形態では、発光側端子部P1〜P7は、それぞれ複数の銅線がよられることで構成され、先端部が略ブラシ状になっている。さらに、本実施形態では、発光側端子部P1〜P7は、上基板1402の遠心方向に沿った一直線上に並ぶようにして所定間隔毎に配置されている。つまり、上基板1402の中心部と、各発光側端子部P1〜P7との間の距離がそれぞれ異なっており、上基板1402が1回転する際に各発光側端子部P1〜P7の描く軌道がいずれも重ならないようになっている。尚、本実施形態では、説明の便宜上、発光側端子部P1〜P7が上基板1402の遠心方向において一直線上に並ぶように配置されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、一直線上にではなく、点在させてもよい。尚、図39では、発光手段L1、L2、L3と発光側端子部P1〜P7とを電気的に接続するプリント配線(プリントパターン)の図示を省略している。
図41に基づいて、発光手段L1、L2、L3と、発光側端子部P1〜P7との対応関係を説明する。同図に示すように、発光素子R1のアノード側には発光側端子部P1が接続され、発光素子G1のアノード側には発光側端子部P2が接続され、発光素子B1のアノード側には発光側端子部P3が接続されている。また、発光素子R2、R3のアノード側には発光側端子部P4が接続され、発光素子G2、G3のアノード側には発光側端子部P5が接続され、発光素子B2、B3のアノード側には発光側端子部P6が接続されている。さらに、発光素子R1、R2、R3、G1、G2、G3、B1、B2、B3のカソード側には発光側端子部P7が接続されている。
また、上基板1402は、詳しくは後述する連動部材1410を介してモータ1405の回転軸1461と接続されており、モータ1405が駆動すると上基板1402が回転する構成となっている。
(下基板1403)
図39(b)に示すように、下基板1403は略円盤状をなしており、上記のように、外周部が支持壁部1474により支持されている。下基板1403の中央部には上下に貫通する挿通孔1441が形成されており、当該挿通孔1441には、詳しくは後述する連動部材1410が挿通状態とされている。つまり、下基板1403にモータ1405の駆動力が伝達されることはなく、下基板1403は中間体1406に対して変位不可能に設けられている。
下基板1403の上面には、上記各発光側端子部P1〜P7に個別に対応する本体側端子部Q1〜Q7が設けられている。図41に示すように、各本体側端子部Q1〜Q7はそれぞれ図示しないトランジスタ等のスイッチング素子や、抵抗、コンデンサ等を介して、前部制御装置265の入出力ポート574に接続されている。そして、前部制御装置265は、入出力ポート574から信号を出力することによってスイッチング素子を駆動制御(オン、オフ)し、発光手段L1、L2、L3を点灯制御している。
さて、本実施形態における本体側端子部Q1〜Q7は、下基板1403の上面に形成されたプリント配線であり、上基板1402を1回転させた場合に、対応する発光側端子部P1〜P7が描く軌道に沿って形成されている。つまり、上基板1402を1回転させた場合に、7つの発光側端子部P1〜P7が描く軌道は、下基板1403の中央部を中心とする7つの同心円であり、これらの同心円の円周上に沿って本体側端子部Q1〜Q7が延設されている。
具体的に、本体側端子部Q1〜Q7は、下基板1403の外周側から内周側に向けて、Q1→Q2→Q3→Q4→Q5→Q6→Q7の順に配設されており、本体側端子部Q1は発光側端子部P1と接触可能に構成され、本体側端子部Q2は発光側端子部P2と接触可能に構成され、本体側端子部Q3は発光側端子部P3と接触可能に構成され、本体側端子部Q4は発光側端子部P4と接触可能に構成され、本体側端子部Q5は発光側端子部P5と接触可能に構成され、本体側端子部Q6は発光側端子部P6と接触可能に構成され、本体側端子部Q7は発光側端子部P7と接触可能に構成されている(図41参照)。そして、発光側端子部P1〜P7と本体側端子部Q1〜Q7との接触状態を保ちつつ、上基板1402を下基板1403に対して相対変位させることで、発光手段L1、L2、L3を点灯状態のまま下基板1403に対して相対変位させることができる。
また、本体側端子部Q4〜Q7は切れ目のない閉じた円環状となっており、上基板1402の回転位相によらず、対応する発光側端子部P4〜P7と常時接触状態とされている。従って、発光側端子部P4〜P6、P7に接続される発光手段L2、L3の各発光素子R2、R3、G2、G3、B2、B3は、アノード側(本体側端子部Q4〜Q6)に接続された図示しないスイッチング素子がオンになるとともに、カソード側(本体側端子部Q7)に接続された図示しないスイッチング素子がオンになっていれば、上基板1402がいかなる回転位相にあっても通電し、点灯することとなる。
一方、本体側端子部Q1〜Q3は周方向において一部が欠けた略C字状となっており、上基板1402が回転することによって、対応する本体側端子部Q1〜Q3と接触している状態と、接触していない状態とに切替わることとなる。従って、発光側端子部P1〜P3、P7に接続される発光手段L1の各発光素子R1、G1、B1は、アノード側(本体側端子部Q1〜Q3)に接続された図示しないスイッチング素子がオンになるとともに、カソード側(本体側端子部Q7)に接続された図示しないスイッチング素子がオンになったとしても、上基板1402の回転位相に応じて、点灯状態と消灯状態とに切替わることとなる。
本実施形態では、本体側端子部Q1、Q2、Q3毎に、下基板1403の周方向において途切れている位置が異なっており、本体側端子部Q1は図39(b)の右方に開口し、本体側端子部Q2は同図の左下方に開口し、本体側端子部Q3は同図の左上方に開口したような形状となっている。より詳しくは、下基板403の遠心方向において、本体側端子部Q1〜Q3が重複する区間(図39(b)に示す区間a)が3箇所設けられ、その他の区間(図39(b)に示す区間b、c、d)では、本体側端子部Q1〜Q3のいずれか2つが重複している。
また、本実施形態では、発光側端子部P1〜P7が上基板1402の遠心方向に沿って一直線上に配置されているため、本体側端子部Q1〜Q3、Q7に接続された図示しないスイッチング素子がオンである場合に、発光側端子部P1〜P7が、図39(b)に示す区間aに位置すると発光手段L1の発光素子R1、G1、B1が点灯して発光色が白色となり、区間bに位置すると発光手段L1の発光素子R1、B1が点灯して発光色が紫(マゼンダ)となり、区間cに位置すると発光手段L1の発光素子R1、G1が点灯して発光色が黄色となり、区間dに位置すると発光手段L1の発光素子G1、B1が点灯して発光色が水色(シアン)となる。
つまり、上基板1402が回転すると、発光側端子部P1〜P3のうち対応する本体側端子部Q1〜Q3と接触状態となっている発光側端子部P1〜P3の組合せが変化するため、発光手段L1が回動変位しつつ色変化することとなる。また、下基板1403は変位しないため、発光素子R1、G1、B1は、モータ1405の駆動に基づき上基板1402が1回転(1サイクル)する間の発光手段L1の位相に応じて点灯状態とされる発光素子R1、G1、B1が予め定められていることになる。従って、発光手段L1は周期的に同じ色を発色することとなる。尚、発光手段L2、L3に関しては、本体側端子部Q4〜Q6(本体側端子部Q7)に接続された図示しないスイッチング素子のオンオフを切替えない限り、上基板1402が回転しても発光色が変化することはない。
また、図37等に示すように、下基板1403には、各本体側端子部Q1〜Q7の両側部に沿って誘導レール1443が設けられている(尚、図39(b)では誘導レール1443の図示を省略している)。各誘導レール1443は断面略三角形状をなし、下基板1403と一体形成されている。当該誘導レール1443の存在により、上基板1402の回転に伴う各発光側端子部P1〜P7の変位がガイドされ、所定の発光側端子部P1〜P7が対応する本体側端子部Q1〜Q7ではなく、隣の本体側端子部Q1〜Q7に接触してしまうといった事態を抑制することができる。尚、本実施形態の本体側端子部Q1〜Q7は若干肉厚に形成されており、発光側端子部P1〜P7との摩擦により多少摩耗したとしても、支障がないようになっている。また、上基板1402の発光側端子部P1〜P7は、上基板1402の回転に際し、上基板1402と下基板1403との間の距離が僅かに遠近するような場合であっても、これを許容できるように、上基板1402と下基板1403との間の距離よりも若干長めに形成され、若干撓んだ状態で(斜めに)配設されている。尚、誘導レール1443の傾斜面の根元部にも本体側端子部Q1〜Q7が形成されることとしてもよい。また、下基板1403とは別体として形成された誘導レール1443を、下基板1403に固定することとしてもよい。
(支持金具1451)
また、本実施形態では、上基板1402と下基板1403とをユニット化した上で本体部1401に組付ける構成となっている。以下、上基板1402と下基板1403とをユニット化する構成について説明する。
図37、図39(b)、図39(c)に示すように、下基板1403は上基板1402よりも一回り大きくなっており、上基板1402と下基板1403とをそれぞれの中心を合わせるようにして重ね合わせた場合に、下基板1403のうち上基板1402の外周よりも外側に位置する部位に対して(本体側端子部Q1よりも外周位置において)、上下に貫通する係止孔1445が形成されている。係止孔1445は、下基板1403の中央部を中心とする均等位置に3つ形成されている。また、係止孔1445にはそれぞれ雌ねじが形成されており、当該係止孔1445に対して支持金具1451が螺着されている。
図39(c)に示すように、支持金具1451は、下基板1403に固定される略円柱状の金具本体1452と、金具本体1452に挿通状態とされる挿通可能な環状の支持リング1453と、金具本体1452に挿通状態とされる筒状のベアリング1454と、金具本体1452に固定されるナット1455とを備えている。
金具本体1452は、円柱状の一般部1456と、一般部1456の一端部側に設けられ、一般部1456よりも径が小さい縮径部1457と、一般部1456の他端部側に設けられ、一般部1456及び係止孔1445よりも径が大きい頭部1458とを備えている。一般部1456は、頭部1458との境界部において、雄ねじが形成されたねじ込み部1456aを備えており、当該ねじ込み部1456aは係止孔1445と螺着可能となっている。また、縮径部1457は、その先端部において、雄ねじが形成されたボルト部1457aを備えており、当該ボルト部1457aは前記ナット1455と螺着可能となっている。
支持リング1453は、外径が一般部1456の径よりも大きく、内径(内周側の開口部の径)が縮径部1457の径と同程度となっている。ベアリング1454は、外径が一般部1456の径と同程度となっており、内径が縮径部1457よりも若干大きくなっている。ナット1455は、外径(直径)が一般部1456の径よりも大きくなっている。
上基板1402と下基板1403とのユニット化に際しては、まず、係止孔1445に対し、下基板1403の下面側から、金具本体1452を挿通させるとともに、下基板1403の下面と頭部1458とが当接するまで、係止孔1445とねじ込み部1456aとを螺着させる。これにより、金具本体1452が下基板1403に固定される。
次に、縮径部1457に対して支持リング1453及びベアリング1454を挿通状態とする。これにより、支持リング1453の下面が一般部1456(縮径部1457と一般部1456との境界部)に支持されるとともに、ベアリング1454の下面が支持リング1453に支持されることとなる。続いて、下基板1403の上方から上基板1402の連結部1438を下基板1403の挿通孔1441に挿通させる。このとき、上基板1402の外周部下面が、各支持金具1451の支持リング1453の上面に当接して支持されるとともに、ベアリング1454が上基板1402の外周面に略当接状態とされる。その後、ボルト部1457aにナット1455を固定する。これにより、ナット1455の下面が上基板1402の外周部上面と略当接状態とされる。
以上のように支持金具1451を用いてユニット化された上基板1402及び下基板1403は、下基板1403に対して上基板1402が相対的に回転可能となっている。
(モータ1405)
モータ1405の回転軸1461は、その先端部が断面略D字状に構成されている。回転軸1461は、詳しくは後述する連動部材1410を介して上基板1402と連結されており、モータ1405が駆動すると、上基板1402が回動変位するようになっている。また、モータ1405には回転軸1461の回転位相を検知可能なエンコーダが内蔵されている。従って、エンコーダの検知情報に基づいてモータ1405を駆動することで、上基板1402の回転位相を調節可能となっている。
尚、回転軸1461は基準位相が予め定められており、モータ1405の駆動を停止させる際には、エンコーダの検知情報に基づいて、回転軸1461(上基板1402)が基準位相となるようにモータ1405が駆動制御される。本実施形態では、図39(b)に示す仮想線e上に発光側端子部P1〜P7が並ぶときの回転軸1461の位相が回転軸1461(上基板1402)の基準位相とされ、このとき、発光側端子部P1、P1、P3と、本体側端子部Q1、Q2、Q3とがそれぞれ接触状態となる。これにより、モータ1405が駆動していないときには、発光手段L1の発光色を白色とできるようになっている。また、本体側端子部Q1〜Q3、Q7に接続された図示しないスイッチング素子がいずれもオンである場合に、モータ1405の駆動により上基板1402が図39(a)の時計回り方向に回転すると、発光手段L1は、上基板1402の回転に伴って、時計回り方向に回動しつつ、白→紫→白→黄色→白→水色→白→・・・といった具合に発光色が変化する。
(連動部材1410)
さて、本実施形態では、モータ1405、上基板1402、及び操作部1404を連動させるための連動部材1410が設けられている。以下、かかる連動部材1410について、図40を参照しつつ説明する。尚、本実施形態では、モータ1405及び連動部材1410により状態切替手段が構成されている。
連動部材1410は、上基板1402に対し、上基板1402の中央部に形成された軸孔1447を貫通した状態で取付けられる略棒状の伝達部材1481と、操作部1404の押圧部1432に設けられる被伝達部材1486(被伝達部)とから構成されている。
図40(b)等に示すように、伝達部材1481は、モータ1405の回転軸1461と接続される接続部1482と、接続部1482の上方に位置し、上基板1402に固定される取付部1484と、取付部1484から上方に突出する伝達部1485とを備えている。接続部1482及び取付部1484は樹脂により構成されている。伝達部1485は、接続部1482及び取付部1484の成形時に、一部が取付部1484に埋設されるようにしてインサート成形される金属部材により構成されている。
接続部1482は、下方に開口し、モータ1405の回転軸1461の先端部を挿入(嵌合)可能な接続凹部1483を有している。また、上記のようにモータ1405の回転軸1461の先端部は断面略D字状であり、接続凹部1483の形状はこれに対応した形状となっている。
取付部1484には、伝達部材1481の長手方向に対して直交する方向に貫通するねじ孔1484aが形成されている。これに対し、上基板1402には、軸孔1447を囲うようにして軸孔1447の周縁部から下方に突出する円筒状の固定壁部1448が設けられており、固定壁部1448には一対の固定孔1448aが対向して形成されている。そして、伝達部材1481を上基板1402の軸孔1447に挿通し、固定壁部1448の固定孔1448aと取付部1484のねじ孔1484aとを位置合わせしてねじ固定することにより、伝達部材1481が上基板1402に取付けられている。
尚、取付部1484は接続部1482よりも縮径となっており、取付部1484と接続部1482との境界部に段差が形成されている。そして、上基板1402の下側から伝達部材1481を軸孔1447に挿通させると、当該段差が固定壁部1448の下縁部に当接し、上基板1402に対し伝達部材1481が位置決めされる。
伝達部1485は、略円柱状に構成されるとともに、その外周面には雄ねじが形成されている。尚、伝達部材1481の上基板1402への取付状態においては、取付部1484のうち金属部材が埋設された部位の下端部が上基板1402の上面よりも下方に位置している。また、本態様例では、接続部1482及び取付部1484を樹脂により構成し、伝達部1485を金属により構成しているが、伝達部材1481全体を金属により構成することとしてもよい。
図40(a)に示すように、被伝達部材1486は、円筒状の筒状部1487と、筒状部1487から上方に突出する連結突部1488とを備えている。筒状部1487の内周面には、伝達部材1481の伝達部1485に形成された雄ねじと螺着可能な雌ねじが形成されている。また、連結突部1488には、被伝達部材1486の長手方向に対して直交する方向に貫通するねじ孔1488aが形成されている。これに対し、操作部1404の押圧部1432には、上基板1402の中央部(軸孔1447)と対向する位置において下方に突出する筒状の取付壁部1436が設けられており、取付壁部1436には一対の取付孔1436aが対向して形成されている。そして、被伝達部材1486の連結突部1488を取付壁部1436の内側に挿入し、固定壁部の取付孔1436aと連結突部1488のねじ孔1488aとを位置合わせしてねじ固定することにより、被伝達部材1486が操作部1404に取付けられている。
演出ボタン125の組付け状態においては、伝達部材1481の伝達部1485が被伝達部材1486の筒状部1487に挿入された状態となっている。伝達部1485と筒状部1487とが螺着された状態で、上基板1402が一定方向(例えば、図39(a)の時計回り方向)に回転すると、図38に示すように、伝達部1485が筒状部1487から抜け出る方向に相対移動し、伝達部1485と筒状部1487との螺着範囲が短くなる。すなわち、連動部材1410が伸長し、操作部1404の押圧部1432と上基板1402とが離間することとなる。本実施形態では、連動部材1410が伸長状態となると、図38に示すように、操作部1404の周壁部1431が縁壁部1423を上下に貫通した状態となり、押圧部1432が本体部1401(縁壁部1423)から上方に突出する。
一方、上基板1402が反対方向(例えば、図39(a)の反時計回り方向)に回転すると、図37に示すように、伝達部1485が筒状部1487に挿入される方向(伝達部1485と筒状部1487との螺着範囲が増える方向)に相対移動し、伝達部1485と筒状部1487との螺着範囲が長くなる。すなわち、連動部材1410が収縮し、操作部1404の押圧部1432と上基板1402とが次第に近接することとなる。本実施形態では、連動部材1410が最も収縮した状態となると、図37に示すように、押圧部1432が縁壁部1423と略面一となる(押圧部1432が縁壁部1423よりも下方に位置するよう構成してもよい)。尚、連動部材1410が伸長状態及び収縮状態のどちらにあっても、操作部1404が操作されていない状態においては、中間体1406の土台部1471と、本体部1401(ベース板1411)の底壁部1412に設けられたクッション部材1414と中間体1406とが離間している上、操作検知スイッチ1409の操作側端子部1438とベース側端子部1439とが離間している。
尚、被伝達部材1486の筒状部1487の下端部には雌ねじは形成されておらず、上基板1402が回転し、伝達部材1481(伝達部1485)と被伝達部材1486(筒状部1487)との螺着状態が解除されたとしても、伝達部1485の先端部は、筒状部1487の内側に位置するようになっている。このため、伝達部1485が筒状部1487から完全に抜け出して伝達部1485と筒状部1487とが位置ずれしてしまい、モータ1405(上基板1402)を反対方向に回転させたとしても、伝達部1485と筒状部1487とを螺着させることができなくなってしまうといった事態を回避することができる。従って、伝達部1485と筒状部1487との螺着状態が解除された状態においても、モータ1405(上基板1402)を支障なく同じ方向(伝達部材481と被伝達部材486とが螺着しない方向)に回転させておくことができる。
また、上記のように、操作部1404は第2コイルばね1408により下方に付勢されているため、伝達部1485と筒状部1487とが非螺着状態になったとしても、伝達部1485に形成された雄ねじの上端部と、筒状部1487に形成された雌ねじの下端部とが圧接した状態(伝達部1485に筒状部1487が押付けられている状態)となっている。従って、伝達部1485と筒状部1487とが非螺着状態にあるときに、上基板1402を回転させて伝達部1485と筒状部1487とを確実に螺着させ、連動部材1410を収縮させることができる。また、伝達部1485と筒状部1487とが当接していることから、中間体1406を上方に付勢する第1コイルばね1407の付勢力が、モータ1405及び伝達部材1481を介して、操作部1404にも作用することとなる。加えて、押圧部1432が押圧操作された場合には、かかる応力が連動部材1410を介して中間体1406にも作用し、操作部1404とともに中間体1406も下方に変位することとなる。
さらに、上記のように、本実施形態では、第1コイルばね1407の付勢力が第2コイルばね1408の付勢力よりも強くなっており、連動部材1410が伸縮すると、主として第2コイルばね1408が追従的に伸縮し、第1コイルばね1407はほとんど伸縮しない構成となっている。つまり、中間体1406はほとんど変位することなく、操作部1404が上下に変位することとなる。具体的に、連動部材1410が収縮状態にある場合、操作部1404は第1コイルばね1407及び第2コイルばね1408によって上方及び下方のどちらにも変位可能な中間位置にて保持されている。また、連動部材1410が最も伸長した状態(伝達部1485と筒状部1487とが螺着していない状態)になると、中間体1406や本体部1401に対して操作部1404が相対的に上方に変位し、第2ばね収容部1426と第2ばね支持部1433(支持台1434)とが略当接状態とされる。
(当接検知スイッチ1491)
また、演出ボタン125には、操作部1404(周壁部1431)の下縁部と、中間体1406の土台部1471とが略当接したことを検知する当接検知スイッチ1491が設けられている。当接検知スイッチ1491は、操作部1404(周壁部1431)の下縁部に設けられた上端子部1492と、前部制御装置265の入出力ポート574に電気的に接続され、中間体1406の土台部1471に設けられた下端子部1493とから構成されている。連動部材1410が収縮すると上端子部1492と下端子部1493とが接触し、連動部材1410が伸長すると、上端子部1492と下端子部1493とが上下に離間する構成となっている。上端子部1492と下端子部1493とが接触することにより、上端子部1492及び下端子部1493を具備する回路が通電状態となり、操作部1404の下縁部と中間体1406の土台部1471とが略当接したこと(操作部1404の押圧部1432と上基板1402とが最も近接する状態となったこと:図37の状態)が検知される構成となっている。尚、本実施形態では、連動部材1410を収縮させる場合のモータ1405の駆動を停止する際に当接検知スイッチ1491の検知信号が参酌され、離間していた上端子部1492と下端子部1493とが接触した場合にモータ1405の駆動が停止されるようになっている。これにより、周壁部1431の下縁部と土台部1471とが当接した後もモータ1405が駆動することに起因して、モータ1405や連動部材1410が損傷してしまうといった事態を防止することができる。
次に、前部制御装置265による演出ボタン1125を動作させる処理(ボタン設定処理)について図42を参照しつつ説明する。
尚、本実施形態では、サブ制御装置262の通常処理において行われる表示設定処理(図33のステップS3905参照)において特定の演出を行うことが決定された場合、演出ボタン1125の動作に関するボタン用コマンドを生成し、ステップS3909の外部出力処理において、ボタン用コマンドを前部制御装置265に出力する。また、ボタン用コマンドが前部制御装置265に出力される場合、前部制御装置265に対して変動時間の情報、及び、大当たりとなるか否かの情報も出力される構成となっている。また、ボタン有効時であるか否かの情報が送信されることとしてもよい。
また、前部制御装置265では、サブ制御装置262からボタン用コマンドを受信した場合、変動表示中において演出ボタン1125を動作させるか否かを判別するためのボタン演出フラグをオンにするとともに、変動時間の情報に基づいて、モータ1405を回転させるタイミングを計るボタン演出タイマ、及び、変動時間の終了のタイミングを計る変動時間タイマを設定する。
尚、本実施形態では、ボタン有効時に切替わる際にモータ1405の駆動が開始される構成となっており、ボタン有効時に切替わるタイミングに合わせてボタン演出タイマの値が「0」になるように設定される。さらに、本実施形態では、変動表示の終了と同時にボタン無効時に切り替わり、モータ1405が停止される構成となっている。また、変動時間タイマの値は、前部制御装置265にて周期的に行われる通常の処理において周期的に減算される。
図42に示すように、先ず、ステップS5101では、上記ボタン演出フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS5101で否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、ステップS5101で肯定判別された場合、すなわち、演出ボタン1125のモータ1405を駆動(回転)させる場合には、ステップS5102において、上記ボタン演出タイマの値が「0」であるか否かを判別する。ステップS5102で否定判別された場合には、ステップS5107においてボタン演出タイマの値を1減算した後、本処理を終了する。
一方、ステップS5102で肯定判別された場合、すなわち、モータ1405を回転させるタイミングが到来している場合には、ステップS5103において、変動表示タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS5103で否定判別された場合、すなわち、装飾図柄表示装置42(特別表示装置43)における変動表示を停止表示させるタイミングが未だ到来していない場合には、ステップS5104において、モータ1405を継続して駆動させるためのモータ駆動処理を行い、本処理を終了する。本実施形態では、ステップS5104において、上基板1402が時計回り方向に回転するようにモータ1405を駆動させる処理が行われる。尚、上記のように、上基板1402が時計回り方向に回転すると、連動部材1410が伸長し、操作部1404が本体部1401から突出する方向に変位することとなる。
ステップS5103で肯定判別された場合、すなわち、装飾図柄表示装置42における変動表示を停止表示させるタイミングが到来した場合には、ステップS5105においてモータ停止フラグをオンにする。ステップS5105の後、ステップS5106に進み、ボタン演出フラグをオフにしてから本処理を終了する。
ここで、モータ停止フラグがオンされた場合に行われる停止処理について図44を参照して説明する。尚、当該停止処理は、周期的に行われる前部制御装置265の通常の処理において行われる。
先ず、ステップS5301では、モータ停止フラグがオンであるか否かを判別する。ここで、否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合、ステップS5302において、モータ1405を逆回転させる(モータ1405を継続して逆回転させる)処理を行う。当該処理が行われることにより、上基板1402が反時計回り方向に回転し、連動部材1410が収縮することとなる。
ステップS5302の後、ステップS5303に進み、当接検知スイッチ1491の検知情報があるか否かを判別する。ここで、否定判別された場合には、そのまま本処理を終了する。一方、肯定判別された場合には、ステップS5304において、位置合わせ処理を行う。位置合わせ処理では、エンコーダの検知情報に基づいて、モータ1405の回転軸1461の位相が基準位相と一致するまでモータ1405を駆動してから、モータ1405を停止させる。
ステップS5304の後、ステップS5305にてモータ停止フラグをオフした後、本処理を終了する。尚、本実施形態では、電源投入時において、演出ボタン1125の調節処理が行われる。すなわち、演出ボタン1125の調節処理では、当接検知スイッチ1491の検知情報があるか否かの判別が行われ、ここで否定判別された場合には、肯定判別されるまで(上端子部1492と下端子部1493とが接触するまで)、モータ1405を逆回転させ、上基板1402を反時計回りに回転させる。そして、当接検知スイッチ1491の検知が行われた場合にモータ1405を停止させる。このとき、モータ1405をむやみに停止させるのではなく、エンコーダの検知情報に基づいて、モータ1405の回転軸461の位相が基準位相とずれている場合には、一致するまでモータ1405を駆動してから駆動を停止する。
次に、色変え処理について、図43を参照しつつ説明する。当該色変え処理は、周期的に行われる前部制御装置265の通常の処理において行われる。
先ず、ステップS5201では、ボタン演出フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS5201で肯定判別された場合には、ステップS5202においてボタン演出タイマの値が「0」であるか否かを判別する。
ステップS5202で肯定判別された場合、すなわち、ボタン有効時であってモータ1405が駆動している場合には、ステップS5203において、操作検知スイッチ1409の検知情報に基づいて、演出ボタン1125が操作されているか否かを判別する。
ステップS5203で肯定判別された場合には、ステップS5204において発光素子R1、G1、B1〜B3をオンにし、発光素子R2、R3、G2、G3をオフにする処理を行ってから本処理を終了する。具体的に、ステップS5204では、本体側端子部Q1〜Q3、Q6、Q7に接続された図示しないスイッチング素子をオンにして、本体側端子部Q4、Q5に接続された図示しないスイッチング素子をオフにする。これにより、発光手段L1が色変化しつつ回動するとともに、発光手段L2、L3が青色に発光しつつ回動することとなる。
一方、ステップS5203で否定判別された場合、すなわち、演出ボタン1125の操作が行われていない場合には、ステップS5205において、発光素子R1〜R3、G1、B1をオンにし、発光素子G2、G3、B2、B3をオフにする処理を行ってから本処理を終了する。具体的に、ステップS5205では、本体側端子部Q1〜Q3、Q4、Q7に接続された図示しないスイッチング素子をオンにして、本体側端子部Q5、Q6に接続された図示しないスイッチング素子をオフにする。これにより、発光手段L1が色変化しつつ回動するとともに、発光手段L2、L3が赤色に発光しつつ回動することとなる。
また、ステップS5201又はステップS5202で否定判別された場合、すなわち、ボタン無効時であってモータ1405が駆動していない場合には、ステップS5206において、発光素子R1〜R3、G1〜G3、B1〜B3をオンにする処理を行ってから本処理を終了する。具体的に、ステップS5206では、本体側端子部Q1〜Q7に接続された図示しないスイッチング素子をオンにする。これにより、発光手段L1、L2、L3が静止した状態のまま白色に発光することとなる。
尚、本実施形態では、大当たり状態の発生を教示する変動表示中において操作部1404を操作することにより、操作部1404を操作した時点で、装飾図柄表示装置42において、大当たり状態の発生を教示する表示演出、又は、大当たり状態の発生を期待させる表示演出が行われる。一方、大当たり状態が発生しないことを教示する変動表示中において操作部1404を操作することにより、操作部1404を操作した時点で、大当たり状態の発生を期待させる表示演出が行われる。
尚、モータ1405が逆回転している(上基板1402が反時計回りに回転している)ときには、全ての発光手段L1〜L3、又は発光手段L1を消灯させる構成としてもよい。また、モータ1405を駆動させ、操作部1404を上方に変位させる際には発光手段L1を消灯状態としておき、その後、操作部1404が操作された場合であって、大当たり状態が発生する場合に、発光手段L1を点灯させるよう構成してもよい。
以上詳述したように、本実施形態によれば、ボタン無効時においては、連動部材1410が収縮した状態となり、操作部1404の押圧部1432が本体部1401の縁壁部423の上面と面一とされる。すなわち、操作部1404が本体部1401の内側に収容されることとなるため、例えば、遊技者が掌や手を握って操作部1404を強打するといった行為が行い難くなる。従って、遊技者による操作部1404への度を超した操作を抑制する(操作部1404を強打するといった行為を控えさせる)ことができ、演出ボタン1404が早期に劣化したり、破損したりしてしまうといった事態を抑制することができる。その一方で、ボタン有効時においては、連動部材1410が伸長して、操作部1404の押圧部1432が本体部1401から上方に突出するため、スムースに操作部1404の操作を行うことができる。結果として、演出ボタン1125の操作性を確保することができる。
また、本実施形態によれば、演出ボタン1125のモータ1405が駆動すると、発光手段L1〜L3が固定された上基板1402が回転し、発光手段L1〜L3自体が変位する。これにより、操作部1404(押圧部1432)を介して視認される演出ボタン1125の光部を変位させることができる。さらに、上基板1402の変位に伴い、発光手段L1の発光素子R1、G1、B1のうち点灯状態とされる発光素子R1、G1、B1の組合せが変化する。つまり、発光手段L1の発光色を変化させることができ、操作部1404を介して視認される演出ボタン1125の光部の色を変化させることができる。さらに、上基板1402の回転に連動して伸縮する連動部材1410が設けられ、連動部材1410が伸縮することで、操作部1404が上下に変位する構成となっている。このため、操作部1404を介して視認される演出ボタン1125の光部が移動しつつ色変化するとともに、操作部1404が変位するといった斬新な態様が導出される演出ボタン1125を得ることができる。従って、このような演出ボタン1125がパチンコ機10に搭載されることにより、装飾効果や演出効果を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
また、従来、装飾性が低く、遊技者に注視されることのなかった演出ボタン1125において上記のような斬新な態様が導出されることから、遊技者は、新鮮な驚きを覚えるとともに、演出ボタン1125自体に興味を抱くことができる。結果として、飛躍的な興趣の向上を図ることができる。さらに、演出ボタン1125の態様を利用した演出(各種遊技状態の示唆や教示等)を行うこともでき、パチンコ機10で行い得る演出の可能性を広げることができる。また、光部が移動しつつ色変化するといった演出ボタン1125の態様を単に視認するだけにすぎない構成に比べ、かかる態様にある演出ボタン1125を操作することでの遊技者の優越感や満足感を飛躍的に向上させることができる。
さらに、モータ1405の駆動に伴って変位する操作部1404の変位方向と、押圧部1432を押圧したり押圧部1432から手を離したりすることで変位する操作部1404の変位方向とが同じ方向となっている。従って、例えば、操作部1404が回動したり、左右にスライド変位したりする場合に比べ、操作部1404の操作性の低下を抑止することができる。
また、本実施形態では、発光手段L1、L2、L3が固定された上基板1402を回転させることで、発光手段L1、L2、L3自体を変位させ、操作部1404を介して視認される演出ボタン1125の光部の位置を変位させている。例えば、演出ボタン1125の光部が(連続的、アナログ的に)変位しているように見せるべく、複数の発光素子を隣接配置し、発光素子を順次点灯・消灯させていく場合には、多数の発光素子が必要となる上、制御が複雑になることが懸念される。これに対し、本実施形態では、発光手段L1〜L3自体を変位させるため、光部を変位させるために多数の発光素子が必要になってしまったり、演出ボタン1125の点灯制御が複雑化してしまったりするといった事態を回避することができる。さらに、連続的に変位するといった光部の動きをよりスムースなものとすることができる。
さらに、本実施形態では、発光手段L1に関しては、上基板1402の回転に伴い、点灯状態とされる発光素子R1、G1、B1の組合せが変化する。具体的に、上基板1402が回転すると発光側端子部P1〜P3自体が動き、特に、対応する本体側端子部Q1〜Q3と接触したり、非接触とされたりする。つまり、発光側端子部P1〜P3及び本体側端子部Q1〜Q3がスイッチング機能を具備し、各発光素子R1、G1、B1の通電状態が付随的に切替えられる。さらに、上基板402の回転に伴って、発光側端子部P1〜P3のうち対応する本体側端子部Q1〜Q3と接触状態となっている発光側端子部P1〜P3の組合せが変化する。従って、上基板1402を回転させるだけで、発光手段L1の発光色を変化させることができ、例えば、上基板1402の変位(位相)を検知する変位検知手段を設けるとともに、当該変位検知手段の検知情報に基づいて発光素子R1、G1、B1の通電状態を個別に切替え制御するような場合に比べ、構成や制御の簡素化を図ることができる。
また、上基板1402を回転させるモータ1405を駆動させることで操作部1404が変位する構成となっているため、モータ1405とは別に操作部1404を変位させるための電気的作動手段(ソレノイド等)を設ける必要がなく、構成の簡素化や制御の簡素化等を図ることができる。
加えて、例えば、発光手段を変位させずに演出ボタン1125の光部を変位させるべく、発光手段の周りに回転可能な反射部材を設け、反射部材にて反射した光を視認可能とする場合には、反射部材を変位させる制御の他に、発光手段の発光色を変化させる制御が必要となる。これに対し、本実施形態では、上基板1402を回転させる制御(モータ1405の駆動制御)を行うだけで、発光手段L1自体が変位するとともに、発光手段L1の発光色も変化するため、制御の簡素化を図ることができる。また、発光手段の光を前記反射部材にて反射させる場合、光部が暗くなったり、光部がぼやけたりして所望とする光の態様を導出できないおそれがあるが、本実施形態では、発光手段L1の光を直接視認させることで光部が変位するといった光の態様を導出できるため、上記不具合を回避することができる。
また、発光手段L1〜L3(発光素子R1〜R3、G1〜G3、B1〜B3)と所定の電源とをコネクタケーブル等の配線により接続する場合、上基板1402の回転に起因して、発光手段L1〜L3に接続される配線が捻れ、上基板1402の回転を阻害してしまうおそれがある。このため、上基板1402の回転が制限されるとともに、捻れを戻すために上基板1402を所定間隔毎に逆回転させる必要がある。これに対し、本実施形態によれば、発光側端子部P1〜P7と本体側端子部Q1〜Q7とを接触させて電通する構成のため、上基板1402を回転させても配線が絡まる等することがない。従って、上基板1402を支障なく一定方向に沿って変位させることができる。
さらに、本体側端子部Q1〜Q7は、上基板1402の変位に際し、本体側端子部Q1〜Q7に対して相対変位する発光側端子部P1〜P7の軌道に沿って延設されている。これにより、比較的簡単な構成を採用しつつ発光素子R1〜R3、G1〜G3、B1〜B3を点灯状態のまま回動変位させることができる。また、比較的容易に発光側端子部P1〜P3と本体側端子部Q1〜Q3とを接触状態としたり、非接触状態としたりすることができる。
また、支持金具1451により上基板1402と下基板1403とがユニット化されるため、発光側端子部P1〜P7と本体側端子部Q1〜Q7との位置決めを確実に行うことができる。従って、上記のような光の態様を確実に導出することができる。
加えて、演出ボタン1125のモータ1405にはエンコーダが搭載されており、本実施形態では、モータ1405が駆動していないときの回転軸1461(上基板1402)の位相が、発光側端子部P1〜P3がそれぞれ対応する本体側端子部Q1〜Q3と接触する位相になるように制御される。従って、ボタン無効時でモータ405が駆動していない状態において、発光手段L2、L3は白色であるのに対し、発光手段L1は白・黄色・水色・紫のいずれかであるといった具合に、発光手段L1〜L3の発光色を統一することができなくなってしまうといった事態を回避することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記第1実施形態において、開閉手段452を省略することも可能である。この場合、演出ボタン125が第1の位置にあっても、操作部414への接触を図ることが可能になるが、押圧部443がハウジング391の内側に収容される(押圧部443がハウジング391の上壁部よりも下方に位置する)ため、操作部414を操作し難くすることができる。従って、操作部414への度を超した操作を抑制することができ、結果として、演出ボタン125の劣化や損傷を抑制するといった作用効果が十分に奏される。
(b)上記第1実施形態では、第2の位置にある演出ボタン125の操作部414を押圧操作することで、演出ボタン125を第1の位置へと変位させることができる構成となっているが、第2の位置にある演出ボタン125が第1の位置側に変位しないように、演出ボタン125を強固に保持するよう構成してもよい。例えば、位置検知手段493の開放側検知部496と第2検知部498とが接触した場合に(演出ボタン125が第2の位置となったときに)、演出ボタン125の下方に突出して演出ボタン125と略当接し、位置検知手段493の閉鎖側検知部495と第1検知部497とが接触した場合に演出ボタン125の下方位置から外れる可動部材と、可動部材を動作させるソレノイドとを設けることとしてもよい。但し、当該構成を採用する場合、第2の位置にある演出ボタン125の操作部414が強打された場合に、その衝撃がまともに演出ボタン125(可動部材及びソレノイド)に作用してしまうため、衝撃を吸収するべく、上記第1実施形態のように、第2の位置にある演出ボタン125の操作部414を押圧操作することで演出ボタン125全体を下方に変位させることのできる構成とすることが望ましい。
(c)上記第1実施形態では、扉体481a、481bを開位置へと変位させるとともに、演出ボタン125を第2の位置へと変位させた後、及び、演出ボタン125を第1の位置へと変位させるとともに、扉体481a、481bを閉位置へと変位させた後、モータ397の駆動を停止させているが、演出ボタン125が第2の位置へと変位した後、及び、扉体481a、481bが閉位置へと変位した後も、モータ397を駆動させ続ける構成としてもよい。また、扉体481a、481bが閉位置へと変位した後は、モータ397を駆動させ続け、演出ボタン125が第2の位置へと変位した後は、モータ397を停止させる構成としてもよい。これらの構成を採用する場合、位置検知手段493を省略することも可能である。
また、上記第1実施形態では、演出ボタン125が第2の位置にあるときに操作部414が押圧されて演出ボタン125が第1の位置へと変位した場合、遊技者が操作部414から手を離しても演出ボタン125は第2の位置へ戻らない構成となっている(図36のボタン処理参照)が、操作部414から手を離せば(ボタン有効時である期間においては)演出ボタン125が第2の位置へと戻る(例えば、演出ボタン125が第2の位置へと変位した後もモータ397を駆動させ続ける)よう構成してもよい。
(d)上記第1実施形態では、ボタン処理(図36参照)のステップS4716にて行われる扉出戻り処理が行われた場合、扉体481a、481bは動作するが、演出ボタン125は動作しない構成となっているが、演出ボタン125も第2の位置側に動作する(第2扉体481bによりレバー453を押下げる)よう構成してもよい。
また、上記第1実施形態では特に言及していないが、扉体481a、481bが開位置にあり、かつ、演出ボタン125が第1の位置にある状態(第2扉体481bがレバー453を押圧していない状態)において、モータ397の駆動を停止させる場合もあるように構成してもよい。
(e)上記第1実施形態では、前部制御装置265がサブ制御装置262と電気的に接続され、サブ制御装置262からのコマンドに基づいて各種制御が行われる構成であったが、前部制御装置265を主制御装置261と電気的に接続し、主制御装置261からのコマンドに基づいて各種制御が行われる構成としてもよい。但し、上記第1実施形態のように、前部制御装置265とサブ制御装置262とを電気的に接続する構成を採用することにより、比較的容易に装飾図柄表示装置42の表示内容等に同調させてボタンユニット120を動作させることができ、演出性の向上等を図ることができる。尚、前部制御装置265を省略し、サブ制御装置262により前面枠セット14に設けられる電飾やボタンユニット120の制御を行う構成としてもよい。
(f)上記第1実施形態において、ハウジング391の挿通開口部392の周縁部に対して、緩衝手段(ゴム、スポンジ等)を設置することとしてもよい。この場合、第2の位置にある演出ボタン125の操作部414を強打することで、演出ボタン125が第1の位置側へと変位した際に、操作部414を強打した手がハウジング391に衝突した場合であっても、その衝撃を緩和することができる。
尚、挿通開口部392の大きさや形状は特に限定されるものではないが、奥行幅(前後幅)は、70mm以下、かつ、20mm以上とすることが望ましい。この場合、挿通開口部392の内側に手を進入させ難くなり、第1の位置にある演出ボタン125を操作し難くすることができる上、演出ボタン125の操作部414の押圧部443の奥行幅を確保し、第2の位置にある演出ボタン125の操作部414が操作し難くなってしまうといった事態を回避することができる。尚、挿通開口部392の奥行幅は、60mm以下、25mm以上であることがより望ましく、さらに、50mm以下、30mm以上とすることがより望ましい。この場合、上記作用効果が一層確実に奏される。また、上記第1実施形態では、演出ボタン125の押圧部443が上斜め前方に向くようにして配置されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、押圧部443の向きはパチンコ機の機種毎にそれぞれ設定することができる。例えば、操作面の法線方向が水平方向となるように演出ボタン125を設けることとしてもよい。この場合、「奥行幅」と記載されている幅は上下幅に相当する。
また、一対の扉体481a、481bの突き合せ部(閉塞パネル483)に対して緩衝部材を設け、扉体481a、481bの衝突に際しての衝撃を吸収・緩和することとしてもよい。
加えて、上記実施形態において、レバー453の素材や形状は特に限定されるものではなく、例えば金属により構成してもよい。尚、レバー453を可撓性及び弾性がないように構成してもよいが、レバー453を介して演出ボタン125と扉体481a、481bとの間に相互作用する力を緩和するべく、レバー453は可撓性及び弾性を有するように構成することが望ましい。
(g)上記第1実施形態では、開閉手段452は一対の扉体481a、481bを備え、一対の扉体481a、481bにより、ハウジング391の挿通開口部392を開閉する構成となっているが、1つの扉体により挿通開口部392を開閉する構成としてもよい。但し、当該構成を採用する場合、2つの扉体481a、481bを具備する場合に比べ、挿通開口部392を開閉する際に扉体を比較的大きく動作させる必要が生じる。従って、挿通開口部392の開閉を迅速に行うといった観点からすると、上記第1実施形態のように一対の扉体481a、481bを設けることが望ましい。
また、開閉手段452は、収納ボックス451に対して回動可能に設けられた扉体481a、481bを回動変位させることで挿通開口部392を開閉しているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、左右方向(前後方向でも可)にスライド可能な板状の扉体を設け、当該扉体をモータ397によりスライドさせることで、挿通開口部392を開閉することとしてもよい。但し、当該構成を採用する場合、扉体のスライドを許容するためのスペースを余分に必要としてしまい、ボタンユニット120の大型化を招くおそれがある。特に、扉体とレバー453とを連動させる構成を採用する場合には、かかるおそれが顕著なものとなる。従って、上記第1実施形態のように回動する扉体481a、481bを設ける方が望ましい。
(h)上記第1実施形態では、演出ボタン125を下方に付勢する引張コイルばね402が設けられているが、引張コイルばね402を省略し、演出ボタン125の自重により演出ボタン125が第2の位置から第1の位置へと変位する構成としてもよい。但し、引張コイルばね402を設けることで、第2の位置にある演出ボタン125をより確実に第1の位置へと変位させることができる。特に、ボタンユニット120(演出ボタン125)が傾いた状態で前面枠セット14に取付けられる場合、かかる作用効果が顕著なものとなる。
また、レバー453と演出ボタン125(ケーシング416)とを連結するとともに、レバー453と第2扉体481b(リンク機構を介して)連結し、扉体481a、481bの閉位置側への変位にレバー453及び演出ボタン125を連動させる(扉体481a、481bが閉位置へと変位する際の力を利用する)こととしてもよい。
さらに、上記第1実施形態では、第2扉体481bによりレバー453を押圧することで、演出ボタン125を第2の位置へと変位させているが、扉体481a、481bとレバー453とが接触しない構成とし、扉体481a、481bとは別に設けられ、モータ397の駆動に連動する伝達手段によりレバー453を押圧することで演出ボタン125を第2の位置へと変位させる構成としてもよい。また、扉体481a、481bを変位させるモータ397とは別に演出ボタン125を変位させる駆動手段(例えばレバー453を変位させるソレノイド等)を設けることとしてもよい。但し、構成の簡素化を図るべく、上記実施形態のように、第2扉体481bによりレバー453を押圧することで、演出ボタン125を第2の位置へと変位させる構成とすることが望ましい。
(i)上記第1実施形態において、扉体481a、481bの変位速度は一定でなくてもよく、変速可能に構成してもよい。例えば、開位置にある扉体481a、481bが閉位置へと変位するときの速度は、閉位置にある扉体481a、481bが開位置へと変位するときの速度よりも遅く設定されていることとしてもよい。この場合、遊技者の手に扉体481a、481bが衝突してしまうといった事態を防止することができる。
(j)上記第1実施形態において、扉体481a、481bは、閉位置にあっても、ハウジング391の内側に収容されていること(閉位置にある扉体481a、481bの上端部は、ハウジング391の挿通開口部392の周縁と面一又は挿通開口部392の周縁よりも下方に位置すること)としてもよい。この場合、閉位置にある扉体481a、481bを掌や握った手で強打した場合、手がハウジング391の挿通開口部392の周縁に当接するため、扉体481a、481bに対して大きな外力が作用してしまうといったおそれを抑制することができる。従って、閉位置にある扉体481a、481bが強打されて扉体481a、481bが損傷してしまうといった事態を抑制することができる。
(k)上記第1実施形態において、扉体481a、481bは、ハウジング391の挿通開口部392(演出ボタン125の操作部414)を完全に覆う必要はなく、少なくとも操作部414の押圧部443の一部を覆うことのできる構成となっていればよい。例えば、扉体481a、481bの閉塞パネル483を格子状に構成してもよい。
また、上記実施形態では、閉位置にある扉体481a、481bは、演出ボタン125が第2の位置から第1の位置へと変位することで空いたスペースに位置する構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、演出ボタン125が第2の位置にあるときに扉体481a、481bを閉位置へと変位させても扉体481a、481bと演出ボタン125とが当接しない構成としてもよい。但し、当該構成を採用する場合、ボタンユニット120の大型化等を招くおそれがあるため、上記実施形態のように、閉位置にある扉体481a、481bを、演出ボタン125が第2の位置から第1の位置へと変位することで空いたスペースに位置させることが望ましい。
(l)上記第1実施形態において、ボタンユニット120の取付位置は特に限定されるものではなく、遊技者が操作可能な位置(すなわち、上記パチンコ機10で言えば前面枠セット14)に設けられていればよい。例えば、ボタンユニット120を下皿15の側方に設けることとしてもよい。
また、例えば、第1の位置にある演出ボタン125の操作部414が上皿19の上面よりも上方に位置するようにして、ハウジング391を上皿19の上面から上方に突出させて設けることとしてもよい。さらに、ハウジング391を省略し、ケース体401やモータ397を直接上皿19(前面枠セット14)に固定してもよい。この場合、第1の位置にある演出ボタン125の操作部414の押圧部443は、上皿19(前面枠セット14)、及び、ケース体401のうち少なくとも一方の内側に収容されることとする。
(m)上記第1実施形態のハウジング391に対し、遊技者の指等がハウジング391の挿通開口部392に挿入されていることを検知する挿入検知手段を設けることとしてもよい。挿入検知手段としては、例えば、第1の位置にある演出ボタン125の操作部414の上方位置において、ハウジング391の前壁部に設けられた投光部と、ハウジング391の後壁部に設けられた受光部とを備えるフォトセンサにより構成することが考えられる。当該挿入検知手段を設けることにより、閉位置へと変位する扉体481a、481bが遊技者の手に接触してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
(n)上記第2実施形態では、発光手段L1〜L3のうち、発光手段L1のみが上基板1402の回転に伴って色変化する構成であったが、その他の発光手段L2、L3の発光色についても上基板1402の回転に伴って色変化する構成としてもよい。例えば、本体側端子部Q4〜Q6を、上基板1402の回転に伴って変位する発光側端子部P4〜P6の軌道に沿って部分的に(断続的に)設けることとしてもよい。また、当該構成を採用する場合、例えば、発光手段L1は、図39(b)の区間aでは白、区間bでは紫、区間cでは黄色、区間dでは水色に色変化するが、発光手段L2(L3)は区間aでは白、区間bでは黄色、区間cでは水色、区間dでは紫に色変化するよう構成してもよい。もちろん、発光手段L2と発光手段L3とをそれぞれ独立して色変化させることとしてもよい(この場合、発光側端子部及び本体側端子部が3つずつ増える)。
また、上記第2実施形態では、本体側端子部Q1〜Q3が略C字状に延設され、下基板1403の遠心方向において、本体側端子部Q1〜Q3のうち少なくとも2つが重複しているようになっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、各本体側端子部Q1〜Q3が下基板403の周方向において複数に区切られるようにして断続的に設けられていてもよいし、下基板1403の遠心方向において、本体側端子部Q1〜Q3が重複しない区間(発光側端子部P1〜P3のうち1つだけが対応する本体側端子部Q1〜Q3と接触する区間)があってもよいし、下基板1403の遠心方向においていずれの本体側端子部Q1〜Q3も存在しない区間(発光側端子部P1〜P3と本体側端子部Q1〜Q3とが接触しない区間:当該区間では発光手段L1が必ず消灯する)があってもよい。
加えて、上基板1402に搭載される発光手段の数は特に限定されるものではなく、2つ以下でもよいし、4つ以上でもよい。尚、上基板1402に搭載される発光手段の数を増やす場合、演出用ボタン1125の大型化を抑制するべく、発光手段を複数の組に分け、各組ごとに発光側端子部及び本体側端子部を共通化することが望ましい。
(o)上記第2実施形態では、発光側端子部P1〜P7がそれぞれ複数の銅線がよられることで(ワイヤ状に)構成されているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、発光側端子部P1〜P7を板ばね状に構成することとしてもよい。また、発光側端子部P1〜P7を板ばね状に構成する場合、発光側端子部P1〜P7の変位方向(上基板1402の回転方向)とは反対方向に傾斜するようにして発光側端子部P1〜P7を撓ませつつ、発光側端子部P1〜P7と下基板1403(本体側端子部Q1〜Q7)とが接触するように、上基板1402と下基板1403とを取付けることが望ましい。このように、発光側端子部P1〜P7を撓ませて本体側端子部Q1〜Q7と接触させることにより、発光側端子部P1〜P7と本体側端子部Q1〜Q7との接触状態を良好に保つことができる。また、上基板1402の回転方向とは反対方向に本体側端子部Q1〜Q7を傾斜させることにより、発光側端子部P1〜P7が下基板1403(本体側端子部Q1〜Q7)に干渉し、上基板1402の回転が阻害されてしまうといった事態を防止することができる。
また、上記第2実施形態では、発光側端子部P1〜P7がワイヤ状に構成され、本体側端子部Q1〜Q7がプリント配線(プリントパターン)として構成されているが、発光側端子部P1〜P7をプリント配線とし、本体側端子部Q1〜Q7をワイヤ状としてもよい。
(p)さらに、上記第2実施形態では、発光手段L2、L3、及び、上基板1402が変位していない状態(静止状態)にあるときの発光手段L1に関しては、本体側端子部Q1〜Q6に接続された図示しないスイッチング素子のオンオフを切替えて、発光手段L1〜L3の発光色を切替えていたが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、発光手段L1〜L3が赤色に発色する位相と、青色に発色する位相と、白色に発色する位相とができるように本体側端子部Q1〜Q7を延設しておき、ボタン有効時には発光手段L1〜L3の発光色が赤、ボタン有効時に演出ボタン1125が操作されているときには発光手段L1〜L3の発光色が青、ボタン無効時には発光手段L1〜L3の発光色が白となるように、エンコーダの検知情報に基づいてモータ405を駆動させる(上基板403を回動変位させる)こととしてもよい。
また、上記第2実施形態では、モータ1405に内蔵されたエンコーダの検知情報に基づいて上基板1402の回転位相を調節可能となっているが、例えば、上基板1402の回転位相を検出可能なフォトセンサ等の位相検知センサを設け(例えば、上基板1402の所定位置に投光部を設け、下基板1403の所定位置に受光部を設ける)、当該位相検知センサの検知情報に基づいて上基板1402の回転位相を調節可能としてもよい。
(q)上記第2実施形態では、上基板1402を回動変位させることで、発光手段L1の発光色(発光素子R1、G1、B1の点灯・消灯)を切替えているが、上基板1402を左右方向、前後方向、又は上下方向に変位させることで発光手段L1の発光色を切替えてもよい。
(r)上記第2実施形態において、上基板1402(モータ1405)の回転速度は一定でなくてもよく、例えば、他段階に切替え可能に構成されていることとしてもよい。この場合、演出ボタン125の光の態様の多様化を図ることができる上、例えば、確変大当たりのときと通常大当たりのときとでモータ1405の回転速度を変える等して、演出効果を向上させることもできる。
(s)上記第2実施形態において、演出ボタン1125のモータ1405の回転開始のタイミングは特に限定されるものではなく、パチンコ機の機種毎にそれぞれ設定することができる。また、モータ1405の回転開始のタイミングは1パターンでなくてもよく、例えば、変動開始直後、リーチ状態となった直後、及び停止表示直前のうちいずれかが選択されるといった具合に複数のタイミングがあってもよい。
さらに、演出ボタン1125(操作部1404)の操作を契機として、モータ1405が回転することもあるように構成してもよい。この場合、遊技者は演出ボタン1125を操作するといった行為自体に面白みを覚えることができ、興趣の向上を図ることができる。
(t)上記第2実施形態では、上基板1402に取付けられた伝達部材1481と、操作部1404に設けられた被伝達部材1486とにより構成される連動部材1410により、モータ1405の駆動に伴って操作部1404を上下に変位させているが、特にこのような構成に限定されるものではない。以下、態様例について、図45、図46を参照しつつ説明する。尚、説明の便宜上、基本的に上記第2実施形態の演出ボタン1125と同じ部材番号を用いて説明する。図45はモータ1405が駆動していない状態における演出ボタン1125を示す模式断面図である。図46はモータ1405が駆動している状態における演出ボタン1125を示す模式断面図である。
図45、図46に示す演出ボタン1125は、前面枠セット14に固定される本体部1401と、発光手段L1、L2、L3が搭載された上基板1402と、上基板1402と対向配置される下基板1403と、上基板1402の上方を覆う操作部1404と、上基板1402を回転させるモータ1405と、操作部1404を上方に付勢する付勢手段としてのコイルばね1900と、操作部1404の操作を検知する操作検知スイッチ1409とを備えている。
本体部1401は、上記第2実施形態と同様に、ベース板1411と枠体1421とからなるが、本態様例では、中間体1406が省略されており、ベース板1411に対して、モータ1405が搭載されるモータ設置部1472、下基板1403の外周部を支持する支持壁部1474、及び操作部1404を上方に付勢するためのコイルばね1900の下部を支持する円柱状のばね支持部1415が設けられている。本態様例における支持壁部1474は、下基板1403の外周形状(円形状)に合わせて断面略円弧状に形成された2つの壁部を下基板1403の中央部を中心とした均等位置に設けることで構成されている。また、本態様例では、操作部1404を下方に付勢するためのコイルばね(第2コイルばね1408、第2ばね収容部1426、第2ばね支持部1433)、及び当接検知スイッチ1491についても省略されている。
また、操作部1404は、上下に延びる円筒状の周壁部1431と、周壁部1431の上側の開口を閉塞する押圧部1432と、周壁部1431の外面側に設けられ、コイルばね1900の上部を支持するばね収容部1433とを備えている。
ばね収容部1433は、周壁部1431の上下方向中間位置から下端部にかけて上下に延び、下方が開放され、上方が閉塞された略筒状をなしている。ばね収容部1433の内側には、ばね支持部1415及びコイルばね1900が挿入状態とされている。これにより、コイルばね1900がベース板1411と操作部1404との間に介在し、操作部1404が上方に付勢されることとなる。尚、操作部1404が押下操作されていない状態においては、コイルばね1900の付勢力により、操作部1404とベース板1411とが上下に離間した状態となっている。また、ばね収容部1433の外面は、枠体1421の内面に略当接状態となっており、操作部1404が上下に動作すると、ばね収容部1433と枠体1421とが摺接するようになっている。
また、本態様例では、連動部材1410が省略されており、上基板1402は、上基板1402の中央部に取付けられた連結部1901を介して、モータ1405の回転軸1461と接続されている。
さて、本態様例では、上基板1402の下面に対して、上基板1402の遠心方向に沿ってスライド可能な可動部材1902が設けられている。可動部材1902は、上基板1402の下面に設けられ、上基板1402の遠心方向に沿って延びる略筒状のガイドレール1903の内側に設置されている。また、上基板1402には、可動部材1902を上基板1402の中心側に付勢する可動コイルばね1904が設けられている。可動コイルばね1904は、上基板1402の遠心方向側の一端部が、上基板1402の下面に突設されたばね固定部1905に固定され、他端部が可動部材1902と接続されている。
さらに、可動部材1902のうち上基板1402の中心側の端部には、可動端子部1906が設けられている。これに対し、上基板1402に取付けられた連結部1901には、可動端子部1906と当接可能な位置に、固定端子部1907が設けられている。図45に示すように、モータ1405が駆動していない状態においては、可動コイルばね1904の付勢力により、可動部材1902が上基板1402の中心側に変位しており、可動端子部1906と固定端子部1907とが接触した状態となっている。一方、図46に示すように、モータ1405が駆動して、上基板1402が回転すると、可動部材1902に働く遠心力により、可動コイルばね1904の付勢力に抗して、可動部材1902が上基板1402の遠心方向に変位する。従って、上基板1402が所定の速度で回転している状態においては、可動端子部1906と固定端子部1907とが離間した状態となる。本態様例では、可動部材1902及び可動端子部1906により可動手段が構成されている。また、可動コイルばね1904(及びばね固定部1905)により可動付勢手段が構成されている。
また、本態様例では、ベース板1411に対して操作部1404を上下に変位させることのできる変位調節手段としての規制用ソレノイド1908が、ベース板1411の中央部を中心として均等位置に2つ設けられている。規制用ソレノイド1908は、ベース板1411に形成されたソレノイド設置部1909に固定されるソレノイド本体1910と、ソレノイド本体1910から上方に突出するプランジャー1911と、プランジャー1911の先端部に設けられた支持片部1915とを備えている。加えて、規制用ソレノイド1908は、前部制御装置265の入出力ポート574と電気的に接続されている。但し、入出力ポート574からは一定の電力が供給されるのみであり、前部制御装置265により規制用ソレノイド1908が制御されることはない。
これに対し、操作部1404の周壁部1431には、規制用ソレノイド1908に対応する位置において、内周側に突出する突部1916が形成されている。本態様例では、突部1916の上面と、規制用ソレノイド1908の支持片部1915とが当接状態とされている。
規制用ソレノイド1908は、固定端子部1907と、図示しない配線を介して電気的に接続されている。そして、固定端子部1907と可動端子部1906とが接触状態にある場合には、規制用ソレノイド1908が励磁状態となり、プランジャー1911がソレノイド本体1910に引っ込む方向に変位する。これに伴い、突部1916が支持片部1915により下方に押圧され、コイルばね1900の付勢力に抗して、操作部1404が下方に変位する。本態様例では、図45に示すように、規制用ソレノイド1908が励磁状態とされると、操作部1404の下端部がベース板1411の上面に略当接するとともに、操作部1404の押圧部1432が、本体部1401の縁壁部1423の上面と略面一となる(押圧部1432を縁壁部1423よりも下方に位置させることとしてもよい)。尚、規制用ソレノイド1908が励磁状態にある場合、押圧部1432が押圧操作されていなくても、操作検出スイッチ1409の操作側端子部1438とベース側端子部1439とが接触した状態となっている。
一方、固定端子部1907と可動端子部1906とが非接触状態となった場合には、規制用ソレノイド1908が非励磁状態となり、コイルばね1900の付勢力により、操作部1404が上方に変位する。本態様例では、図46に示すように、規制用ソレノイド1908が非励磁状態とされると、操作部1404の下端部がベース板1411から離間するとともに、ばね収容部1433の上面が縁壁部1423の下面と略当接し、押圧部1432が本体部1401(縁壁部423)から上方に突出する。
以上詳述したような構成を採用する場合、上基板1402が回転すると、可動部材1902に働く遠心力により当該可動部材1902が可動コイルばね1904の付勢力に抗して上基板1402の遠心方向側に変位し、接触状態にあった固定端子部1907と可動端子部1906とが離間する。さらに、固定端子部1907と可動端子部1906とが離間することに基づいて、励磁状態にあった規制用ソレノイド1908は非励磁状態となる。これに伴って、操作部1404がコイルばね1900の付勢力により上方に変位し、押圧部1432が本体部1401から上方に突出することとなる。
また、モータ1405が停止すると、可動コイルばね1904の付勢力により可動部材1902が上基板1402の中央部側に変位し、固定端子部1907と可動端子部1906とが接触する。さらに、固定端子部1907と可動端子部1906とが接触することに基づいて、規制用ソレノイド1908が励磁状態となる。これにより、支持片部1915によって突部1916が下方に押圧され、操作部1404がコイルばね1900の付勢力に抗して下方に変位し、押圧部1432が本体部1401の内側に収容されることとなる。尚、本態様例では、ボタン無効時においてモータ1405を停止状態としておき、ボタン有効時においてモータ1405を駆動させる。
従って、モータ1405が停止状態とすることで、操作部1404を操作し難くすることができ、操作部1404への度を超した操作を抑制することができる。一方、モータ1405を駆動させることで、発光手段L1〜L3を回転変位させつつ色変化させるとともに、操作部1404を本体部1401から突出させ、操作部1404を操作しやすくすることができる。結果として、基本的に上記第2実施形態と同様の作用効果が奏される。また、上基板1402が回転すると、自動的に規制用ソレノイド1908が動作して操作部1404が変位することから、規制用ソレノイド1908を制御装置(例えば前部制御装置265)によって制御する必要がなくなり、制御の簡素化を図ることができる。さらに、本態様例では、操作部1404を操作する際に、操作部1404とともにモータ1405、上基板1402、及び下基板1403を上下に変位させる必要がないことから、モータ1405、上基板1402、及び下基板1403を変位させることに起因する不具合(例えば、上基板1402、下基板1403、及びモータ1405間の相互の接続状態の悪化、モータ1405や下基板1403の取付状態の悪化等)を防止することができ、演出ボタン1125の耐久性の向上等を図ることができる。また、モータ1405を逆回転させる必要がなく、制御の簡素化を図ることができる。
(u)上記第2実施形態では、被伝達部材1486の筒状部1487の下端部に雌ねじが形成されておらず、伝達部材1481と被伝達部材1486との螺着状態が解除された後も、伝達部1485の先端部が筒状部1487の内側に位置した状態で上基板1402が回転し続ける構成となっているが、特にこのような構成に限定されるものではない。例えば、伝達部材1481と被伝達部材1486とが螺着状態となっている範囲内(例えば1〜3回転)で、上基板1402が回転する構成としてもよい。具体的に、例えば、装飾図柄表示装置42にて大当たり状態の発生を教示する変動表示が行われている際に、上基板1402を5回転させてから停止させ、装飾図柄表示装置42における変動表示が停止表示される際に、モータ1405を逆方向に5回転させることとしてもよい。
また、例えば、装飾図柄表示装置42にて大当たり状態の発生を教示する変動表示が行われている際に、上基板1402を伝達部材1481と被伝達部材1486とが螺着状態となっている範囲内で正逆方向に交互に同じ数だけ回転させ続け、装飾図柄表示装置42における変動表示が停止表示される際に、操作部1404が基準の姿勢に戻るように、モータ1405が駆動制御される構成としてもよい。
(v)上記第2実施形態において、操作部1404(押圧部1432)の上方を覆う閉位置と、操作部1404を覆わない開位置とに変位可能な扉体を設けることとしてもよい。
また、例えば、上記(t)にて説明した図45、図46に示す演出ボタン1125に対応して扉体を設けるとともに、扉体を変位させる開位置と閉位置とに変位させる扉駆動手段(ソレノイド等)を設け、当該扉駆動手段と固定端子部1907とを電気的に接続することとしてもよい。当該構成を採用する場合の演出ボタン1125の動作例としては、固定端子部1907と可動端子部1906とが接触状態にあり、規制用ソレノイド1908が励磁状態にある場合、操作部1404の押圧部1432が本体部1401の縁壁部1423の上面と略面一(又は、押圧部1432が縁壁部1423よりも下方に位置する)となるとともに、扉体が操作部1404の上方を覆う閉位置へと変位する。一方、固定端子部1907と可動端子部1906とが離間し、規制用ソレノイド1908が非励磁状態にある場合、押圧部1432が本体部1401(縁壁部423)から上方に突出するとともに、扉体が操作部1404を覆わない開位置へと変位する。以上のような構成を採用する場合、上基板1402を変位させる制御、操作部1404を変位させる制御、及び扉体を変位させる制御を別々に行わなくてはいけないといった事態を回避することができ、制御の簡素化を図ることができる。
(w)上記第1実施形態の演出ボタン125に代えて、上記第2実施形態の演出ボタン1125から連動部材1410を省略したもの(モータ1405の駆動と操作部1404とが連動しないもの)を搭載してもよい。
(x)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、回胴式遊技機としてのスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。尚、スロットマシンやスロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機においては、例えば、操作手段として、クレジットされているメダルをベットするためのベットボタンや、識別情報の付されたリールを停止させるためのストップボタン等を適用してもよい。
[付記]
上記実施形態から把握できる技術的思想について、以下に記載する。
遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、例えば、発射装置にて打ち出された遊技球が案内される遊技領域に設けられた始動入球手段に遊技球が入球すると大当たり状態を発生させるか否かの当否抽選が行われる。前記当否抽選にて当選した場合には、遊技者に有利な大当たり状態が発生し、遊技者は多くの遊技価値(賞球)を獲得することが可能となる。
近年では、遊技者が操作することで、液晶表示装置における表示内容が変更されたり、スピーカから対応する音声が流れたり等するボタン等の操作手段が設けられたものがある(例えば、特開2004−81603号公報参照)。
ところで、操作手段は、使用につれて次第に劣化していくおそれがあり、特に、操作手段の操作部が強打された場合には、劣化が早まったり、操作手段が破壊されたりするおそれがある。なお、上述した課題は、パチンコ機に限られるものではなく、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、その目的は、操作手段の耐久性の向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
手段1.遊技機の前面部に設けられる本体部と、
前記本体部に対して相対変位可能に設けられ、操作されたときの操作位置と、操作されていないときの非操作位置との間を変位する操作部と、
前記操作部を前記非操作位置側に付勢する付勢手段と、
前記操作部が前記操作位置に変位したことを検知する操作検知手段とを具備する操作手段を備え、
前記操作部の操作面が前記本体部又は前記前面部の内側に収容される第1の状態と、前記操作部の操作面が前記本体部及び前記前面部から外方に突出する第2の状態とに前記操作手段を状態変化させる(前記操作手段の状態を切替える)状態切替手段を備えていることを特徴とする遊技機。
手段1によれば、操作手段が第1の状態へと状態変化すると、遊技者が操作部を操作しなくても、操作部の操作面が本体部又は前面部の内側に収容される。このため、操作手段を第1の状態とすることで、操作部を操作し難くすることができ、例えば、掌や握った手で操作部を強打するといった行為が行い難くなる。従って、遊技者による操作部への度を超した操作を抑制する(操作部を強打するといった行為を控えさせる)ことができ、操作手段が早期に劣化したり、破損したりしてしまうといった事態を抑制することができる。さらに、操作手段が第1の状態とされることで、操作部の操作面が本体部又は前面部の内側に収容されるため、遊技者に対して見た目で操作部が押し難くなっていることを認知させることができる。従って、操作部への操作自体を控えさせることができ、操作手段の操作頻度(操作部の操作回数)を低減させることができる。結果として、操作手段の耐久性を向上させる(操作手段の劣化を遅延させる)ことができ、操作手段が劣化・損傷することに起因して、遊技に支障をきたしてしまうといった事態を抑止することができる。
また、操作手段を第2の状態とすることで、操作部の操作面が本体部及び前面部から外方に突出するため、操作部を操作し易くすることができる。さらに、操作手段が、操作部の操作が困難であった第1の状態から操作部の操作が容易となる第2の状態へと状態変化することで、遊技者に対し、第2の状態となった操作手段を操作することによる優越感や満足感を覚えさせることができる。
尚、「操作面が前記本体部又は前記前面部の内側に収容される」とあるのは、操作面が、操作部を挿通可能な本体部の開口部の周縁部や、操作部(操作手段)を挿通可能な前面部の開口部の周縁部と面一、又は、当該開口部の周縁部よりも本体部或いは前面部の奥側に位置していることを意味している。
尚、操作手段としては、パチンコ機で言えば、例えば、操作に応じて所定の表示装置の表示内容が変更されたり、所定の音声が流れたりする演出用のボタン等が挙げられ、スロットマシンで言えば、クレジットされているメダルをベットするためのベットボタン等が挙げられる。
手段2.通電状態が切替えられることで態様変化する電気的作動手段を備え、
前記操作検知手段による検知情報が所定の前記電気的作動手段に関する所定の態様変化の契機として有効な操作有効状態と、有効ではない操作無効状態とがあり、
前記操作有効状態と前記操作無効状態との間の状態変化と、前記状態切替手段による前記操作手段の前記第1の状態と前記第2の状態との間の状態変化とが連動して行われることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2によれば、例えば、操作手段を操作することで当該操作が所定の電気的作動手段の態様変化に反映される操作有効状態において操作手段を第2の状態とし、それ以外のとき、すなわち、操作手段を操作しても電気的作動手段の態様変化に何ら影響を及ぼさない操作無効状態において操作手段を第1の状態とすることができる。この場合、操作有効状態においては、スムースに操作部の操作を行うことができ、その一方で、操作無効状態においては、操作部の操作を抑制することができるといった作用効果が奏される。結果として、操作手段の操作性を確保しつつ、操作部を操作する必要がないときの操作部の操作を抑制することができ、上記手段1の作用効果が一層確実に奏される。
また、操作部の操作面が本体部及び前面部から突出したり、前面部の内側に収容されたり(没入したり)することにより、遊技者に対して、操作有効状態と操作無効状態との間で状態変化したことを認知させ易い。従って、操作有効状態であることに気付かずに、操作部を操作するタイミングを逃がしてしまい、操作部を操作することで導出されるはずであった演出を堪能できなくなってしまうといった事態を抑制することができる。さらに、操作面が本体部及び前面部から突出するようにして操作部が変位することから、操作手段の位置を比較的容易に把握(発見)することができる。このため、例えば、(当該遊技機を初めて遊技する遊技者等が)操作手段の位置を探している間に操作有効状態である期間が終了してしまうといった事態を抑制することができる。
尚、電気的作動手段としては、液晶表示装置、ドットマトリックス表示装置、EL表示装置、及び回転リール(ドラム)等の表示手段、スピーカ、ランプ、及び可動役物(ギミック)等が挙げられる。尚、「前記状態切替手段は、前記操作有効状態において前記操作手段を前記第2の状態とし、前記操作無効状態において前記操作手段を前記第1の状態とすること」としてもよい。尚、操作有効状態と操作無効状態との間の状態変化のタイミングと、状態切替手段による前記第1の状態と前記第2の状態との間の状態変化のタイミングとが一致していてもよいし、所定時間(規定時間)だけ互いに前後にずれていてもよい。
尚、上記手段1の構成において、例えば、操作部を操作位置へと変位させることで、操作面を本体部の内側に位置させ、操作手段を第1の状態とすることも考えられる。この場合、遊技者による操作部への操作がなくても、操作検知手段による検知が行われてしまうが、本手段2によれば、操作手段は操作無効状態のときに第1の状態となるため、遊技者による操作部への操作がないにもかかわらず操作検知手段による検知に基づいて所定の電気的作動手段が所定の態様変化を起こしてしまうといった事態を回避することができる。尚、操作手段が操作有効状態のときにだけ操作検知手段の検知情報を参酌する構成としてもよい。
手段3.前記操作面の少なくとも一部を覆う閉状態と、前記操作面を覆わない開状態とに状態変化可能な開閉手段を備えていることを特徴とする手段1又は2に記載の遊技機。
手段3によれば、開閉手段を閉状態へと状態変化させることで、操作部への操作をより確実に抑制することができる。従って、操作手段の劣化や破損を抑制するといった上記作用効果が一層確実に奏される。また、手段2に対応して、開閉手段は、操作有効状態において開状態となり、操作無効状態において閉状態となるといった構成を採用する場合、操作無効状態から操作有効状態へと状態が切替わると、開閉手段が変位するといった大きな変化が生じるため、操作有効状態に状態変化したことを認知させ易くするといった作用効果が一層確実に奏される。尚、開閉手段により操作面を完全に覆い、操作面を接触不可能(直接視認することが不可能)となるように構成してもよい。この場合、本手段3の作用効果が一層確実に奏される。
尚、開閉手段の状態変化の速度は一定でなくてもよく、変速可能に構成してもよい。例えば、開閉手段が閉状態へと変化するときの速度は、開閉手段が開状態へと変化する速度よりも遅く設定されていることとしてもよい。この場合、遊技者の手に開閉手段が衝突してしまうといった事態を防止することができる。また、開閉手段が開状態にあるときに、操作検知手段により操作部への操作が検知されている場合には、開閉手段を閉状態に変化させないこととしてもよい。この場合、遊技者の手に開閉手段が衝突してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
尚、「前記開閉手段は、駆動手段と、前記駆動手段の駆動に伴い、互いに反対向きに回動する一対の扉体とを備えていること」としてもよい。このように、扉体が一対で設けられることにより、開閉手段を開状態と閉状態とに状態変化させる際の各扉体の変位量及び駆動手段の駆動量を小さくすることができ、結果的に、操作手段の開閉動作を素早く行うことができる。尚、当該構成を採用する場合、一対の扉体の突き合せ部に対して緩衝部材を設け、扉体の衝突に際しての衝撃を吸収・緩和することとしてもよい。また、「前記一対の扉体のうち一方側は、前記駆動手段としてのモータの回転軸に固定された歯車と噛み合う第1ギアを備え、他方側は、前記第1ギアと噛み合う第2ギアを備えていること」としてもよい。この場合、構成の簡素化を図りつつ、1つのモータにより一対の扉体を互いに反対向きに回動させることのできる開閉手段を得ることができる。
手段4.前記閉状態にある前記開閉手段は、前記第2の状態にある前記操作手段が前記第1の状態へと状態変化することで空いたスペースに位置することを特徴とする手段3に記載の遊技機。
手段4によれば、操作手段及び開閉手段の設置スペースを極力小さくすることができる。尚「前記開閉手段は、前記閉状態にあっても、前記前面部の内側に位置すること」としてもよい。この場合、閉状態にある開閉手段を掌や握った手で強打することが困難となることから、開閉手段が強打されて損傷してしまうといった事態を抑制することができる。尚、当該手段4の構成を採用する場合、前記開閉手段は、前記操作手段が前記第1の状態にあるときに前記閉状態へと状態変化し、前記操作手段は、前記開閉手段が前記開状態にあるときに前記第2の状態へと状態変化することとしてもよい。
手段5.前記状態切替手段は、駆動手段と、前記駆動手段の駆動力を前記操作手段に伝達する伝達手段とを備え、
前記駆動手段の駆動により前記伝達手段が動作することに伴って、前記操作手段が前記第1の状態と前記第2の状態とに状態変化するとともに、
前記伝達手段の動作に伴って(前記駆動手段の駆動に連動して)、前記開閉手段が前記閉状態と前記開状態とに状態変化することを特徴とする手段3又は4に記載の遊技機。
手段5によれば、操作手段を状態変化させる制御と、開閉手段を状態変化させる制御とを別々に行わなくても済み、制御の簡素化を図ることができる。また、駆動手段と開閉手段とが連動する場合、1つの駆動源(駆動手段)により操作手段及び開閉手段を動作させることもできる。従って、構成及び制御の簡素化、コストの削減等を図ることができる。尚、前記伝達手段の動作としては、例えば、スライド変位したり、その場で回動したりする動作が挙げられる。尚、「駆動手段の駆動により前記伝達手段が動作することに伴って」とあるのは、駆動手段が駆動すると操作手段が付随的に動作するといった趣旨であり、前記駆動手段の駆動に開閉手段が連動(リンク)する構成でもよいし、前記駆動手段の駆動に起因してその他の駆動手段が動作し、当該その他の駆動手段によって開閉手段が動作する構成でもよい。
手段6.前記伝達手段は、前記駆動手段の駆動力を前記開閉手段に伝達する駆動伝達部材を備えていることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
手段6によれば、開閉手段により伝達手段の一部が構成されるため、より一層構成の簡素化を図ることができる。尚、「前記第1の状態にある前記操作手段は、前記閉状態から前記開状態へと状態変化する前記開閉手段の変位に連動して、前記第2の状態へと状態変化すること」としてもよい。
手段7.前記伝達手段は、前記開閉手段と前記操作手段とを連動させる連動部材を備え、
前記連動部材は、揺動可能に軸支され、軸支された部位よりも一端部側が前記開閉手段と当接可能に構成されるとともに、軸支された部位よりも他端部側が前記操作手段と当接可能に構成され、
前記駆動手段の駆動により、前記閉状態から前記開状態へと変位する前記開閉手段が前記連動部材に圧接して前記連動部材が回動するとともに、当該連動部材により前記第1の状態にある前記操作手段が押圧されて前記第2の状態へと状態変化することを特徴とする手段6に記載の遊技機。
手段7によれば、比較的簡単な構成を採用しつつ、上記手段6の作用効果が奏される伝達手段を得ることができる。尚、連動部材は、開閉手段と一体的に構成されてもよいし、別体として構成されてもよい。
尚、操作手段を操作面が上向きとなるように遊技機に設置した場合、操作手段は自重のみにより第1の状態へと状態変化することとしてもよい。また、状態切替手段は、操作手段を付勢する切替付勢手段を備え、切替付勢手段の付勢力により第2の状態にある操作手段が第1の状態へと状態変化することとしてもよい。もちろん、操作手段の自重及び切替付勢手段の付勢力により第1の状態へと状態変化することとしてもよい。さらに、連動部材の一端部が開閉手段と(直接的又は間接的に)連結されるとともに、連動部材の他端部が操作手段と(直接的又は間接的に)連結され、開状態から閉状態へと状態変化する開閉手段の変位に連動して連動部材が回動するとともに、当該連動部材の動作に連動して操作手段が第1の状態とされることとしてもよい。
手段8.前記操作部を挿通可能な前記本体部の開口部の周縁部(前記操作部又は前記操作手段を挿通可能な前記前面部の開口部の周縁部)と、前記連動部材との間には、前記開状態と前記閉状態とに状態変化する前記開閉手段の変位方向において前記開閉手段を収容可能な空間(隙間)が形成されていることを特徴とする手段6又は7に記載の遊技機。
手段8によれば、閉状態にある開閉手段が開状態となる側に変位し始めると直ぐに操作手段が第2の状態へと状態変化し始めるのではなく、開閉手段が完全に開状態となった後に操作手段が第2の状態へと状態変化し始める。また、開閉手段を閉状態とする場合、第2の状態にある操作手段が第1の状態へと状態変化した後に、開閉手段が操作手段の操作面を覆い始めることとなる。このため、開状態へと状態変化する開閉手段に対して第2の状態へと状態変化する操作手段が接触してしまい、開閉手段の開状態への状態変化が阻害されるとともに、操作手段の第2の状態への状態変化が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。また、第1の状態へと状態変化する操作手段に対して閉状態へと状態変化する開閉手段が接触してしまい、操作手段の第1の状態への状態変化が阻害されるとともに、開閉手段の閉状態への状態変化が阻害されてしまうといった事態を回避することができる。結果として、1つの駆動源(駆動手段)により操作手段及び開閉手段を動作させる構成を採用する場合であっても、操作手段及び開閉手段をスムースに動作させることができる。
さらに、操作手段が第2の状態にあり、かつ、開閉手段が開状態にある状態において、(後述する手段11のように)操作部の操作面を押圧操作して操作手段を力ずくで第1の状態へと状態変化させた場合、開閉手段は、連動部材を介して操作手段に押圧され、閉状態となる側へ変位するものの、閉状態になることはなく(前記空間に位置し)、開状態が維持される(操作面が開閉手段により覆われることはない)。従って、操作手段を力ずくで第1の状態へと状態変化させた場合に、遊技者の手に開閉手段が接触してしまうといった事態を防止することができる。
手段9.前記操作手段が前記第1の状態にあり、かつ、前記開閉手段が前記閉状態にある状態Aと、
前記操作手段が前記第1の状態にあり、かつ、前記開閉手段が前記開状態にある状態Bと、
前記操作手段が前記第2の状態にあり、かつ、前記開閉手段が前記開状態にある状態Cとに状態変化する構成であって、
前記状態Aから前記状態Bへと状態変化させた後、前記状態Cへと状態変化させる制御パターンと、
前記状態Aから前記状態Bへと状態変化させた後、前記状態Cへと状態変化させることなく、前記状態Aへと状態変化させる制御パターンとが設定されていることを特徴とする手段3乃至8のいずれかに記載の遊技機。
手段9によれば、単純に状態Aから状態Bを経て状態Cへと状態変化する場合だけでなく、状態Aから状態Bへと状態変化した後、状態Cに状態変化することなく状態Aに戻る場合があることにより、操作手段及び開閉手段の動作にバリエーションを付与することができ、演出性の向上を図ることができる。また、操作手段及び開閉手段の動作にバリエーションを付与することにより、操作手段を状態変化させる構成や開閉手段に関し、操作手段(操作部)を操作し難くするための構成であるという印象よりも、演出を面白くするための構成であるという印象を与えることができ、これらの構成に対する抵抗感を抑制することができる。
特に、上記手段8の構成を採用することで、1つの駆動源(駆動手段)により操作手段及び開閉手段を動作させる構成を採用する場合であっても、当該手段9に記載したように操作手段及び開閉手段を確実かつスムースに動作させることができる。
手段10.前記状態切替手段は、前記操作手段全体(前記本体部)を変位させることで、前記操作手段を、前記操作部の操作面が前記前面部の内側に収容される前記第1の状態と、前記操作部の操作面が前記前面部から外方に突出する前記第2の状態とに状態変化させることを特徴とする手段1乃至9のいずれかに記載の遊技機。
例えば、操作部を操作位置へと変位させ、操作面を本体部の内側に位置させることで、操作手段を第1の状態とする場合、操作手段を操作していないにもかかわらず、操作部の操作面が本体部の内側に収容された状態となるため、(当該遊技機を初めて遊技する)遊技者は操作手段が故障しているのではないかと勘違いしてしまうおそれがある。これに対し、本手段10のように、操作手段全体を変位させる構成とすることで、遊技者は、当該遊技機の操作手段に関しては、機械的に操作部の操作面が前面部の内側に収容される構成となっていることを比較的容易に把握することができる。従って、操作手段が第1の状態へと状態変化することに起因して、遊技者が遊技に集中できなくなってしまったり、遊技ホールの店員に説明を受けたりする等の事態を回避することができる。
また、例えば、操作部を操作位置へと変位させることで、操作面を本体部の内側に位置させ、操作手段を第1の状態とする構成の場合、遊技者による操作部への操作がなくても、操作検知手段による検知が行われてしまうおそれがある。かかる事態を回避するためには、例えば、操作手段は第1の状態にあるが、操作検知手段による操作部の検知は行われていないといった状態を設定するべく、第1の状態においては操作部を非操作位置と操作位置との間の位置で静止させ得る構成としたり、操作有効状態のときにだけ操作検知手段の検知情報を参酌する構成としたりする必要がある。しかしながら、前者の構成を採用する場合、操作部の操作面を本体部の内側にまで押込まなければ、操作検知手段による検知が行われなくなってしまうため、操作性の低下を招くおそれがある。また、後者の構成を採用する場合には、制御の複雑化を招くおそれがある。
これに対し、本手段10によれば、本体部に対する操作部の相対変位(操作位置と非操作位置との間の変位)と、前面部に対する操作手段の相対変位(第1の状態と第2の状態との間の変位)とがそれぞれ独立して行えるように、各変位の構成を別々にしているため、上記不具合を確実に回避することができる。
加えて、操作手段として、市販の押しボタンスイッチを(大幅に)改造することなく使用することもでき、生産性の向上を図ることができる。
手段11.前記操作手段が前記第2の状態にあるときに、前記非操作位置にある前記操作部の前記操作面を押圧操作することで、前記操作部を前記操作位置へと変位させるとともに、前記操作手段を前記第1の状態へと状態変化させることが可能であることを特徴とする手段10に記載の遊技機。
例えば、操作手段が第2の状態にあるとき、すなわち、操作面が前面部及び本体部から突出しているときには操作部を強打することもでき、操作部が強打されることに起因して、操作手段等が損傷してしまうおそれがある。これに対し、本手段11によれば、操作面を押圧操作することで、操作部を操作位置へと変位させるだけではなく、操作手段を第1の状態へと状態変化させることができる構成となっている。つまり、操作部が強打された場合、操作部が操作位置に変位するだけではなく、操作手段全体が変位することとなるため、操作手段への衝撃を吸収することができる。従って、例えば、操作部が強打されても操作手段が第2の状態で維持される(変位しないように強固に保持されている)といった構成に比べ、操作手段が損傷してしまうといった事態をより確実に防止することができる。
尚、操作手段が第2の状態にあるときに操作面が押圧されて操作手段が第1の状態へと状態変化した場合、遊技者が操作面から手を離すと操作手段が第2の状態へと戻る構成としてもよいし、遊技者が操作面から手を離しても操作手段は第1の状態で維持される(再度第2の状態とされるタイミングが到来するまで第2の状態にはならない)構成としてもよい。
手段12.前記付勢手段によって前記操作部を前記非操作位置側に付勢する付勢力は、前記操作手段を前記第2の状態において保持する前記状態切替手段の保持力よりも弱く、
前記操作手段が前記第2の状態にあるときに、前記非操作位置にある前記操作部の前記操作面を所定の力で押圧操作することで、前記操作手段を前記第2の状態に維持しつつ、前記操作部を前記操作位置へと変位させることが可能であり、さらに当該操作位置にある前記操作部の前記操作面を前記所定の力以上の力で押圧操作することで、前記操作手段を前記第1の状態へと状態変化させることが可能であることを特徴とする手段11に記載の遊技機。
例えば、付勢手段による付勢力が状態切替手段の保持力よりも強い場合、操作手段を第1の状態としてからでないと操作部を操作位置へと変位させることができなくなってしまうおそれがある。つまり、操作手段が第1の状態にあると、操作部を操作し難いため、操作性の低下を招くおそれがある。これに対し、本手段12によれば、操作手段を第2の状態に維持しつつ、操作部を操作位置へと変位させることができるため、上記不具合を払拭することができ、操作手段の操作性の低下を防止することができる。
手段13.前記操作手段は、
前記操作部に対向して設けられ、発光色の異なる複数の発光部を具備する発光手段と、
前記発光手段が搭載され、前記操作部に対して相対変位可能な発光体ブロックと、
前記発光体ブロックを変位させることのできる発光体駆動手段とを備え、
前記操作部は少なくとも一部において透光性を有し、
前記発光体駆動手段の駆動により前記発光体ブロックが変位することに伴って、前記発光色の異なる複数の発光部のうち点灯状態とされる前記発光部又はその組合せが変化することを特徴とする手段1乃至12のいずれかに記載の遊技機。
手段13によれば、発光手段が固定された発光体ブロックを変位させることで、発光手段自体が変位する。これにより、操作部を介して視認される操作手段の光部を変位させることができる。さらに、発光体ブロックの変位に伴い、点灯状態とされる発光部又はその組合せが変化する。つまり、発光手段の発光色を変化させることができ、操作部を介して視認される操作手段の光部の色を変化させることができる。このため、操作部を介して視認される操作手段の光部が移動しつつ色変化するといった斬新な態様が導出される操作手段を得ることができる。従って、当該操作手段を遊技機に搭載することにより、装飾効果や演出効果を高め、遊技者にとってのさらなる興趣の向上を図ることができる。
また、例えば、操作手段の光部が変位しているように見せるべく、複数の発光部を隣接配置し、発光部を順次点灯・消灯させていく場合には、制御が複雑になることが懸念される。これに対し、本手段によれば、発光手段自体を変位させているため、光部を変位させるために多数の発光部が必要になってしまったり、操作手段の点灯制御が複雑化してしまったりするといった事態を回避することができる。さらに、変位する光部の動きをよりスムースなものとすることができる。
尚、一度に点灯状態とされる発光部の数は特に限定されるものではなく、点灯状態とされる発光部又はその組合せが変化することで、発光手段の発光色が変化する構成となっていればよい。また、発光体ブロックの変位に伴って自身も変位する発光手段の数は特に限定されるものではなく、複数の光部が変位する光の態様を導出可能に構成してもよい。加えて、発光体ブロックの変位速度は一定でなくてもよく、他段階に切替え可能に構成されていることとしてもよい。この場合、演出効果を向上させることができる。また、操作手段の操作を契機として、発光体駆動手段が駆動することもあるように構成した場合、遊技者は操作手段を操作するといった行為自体に面白みを覚えることができ、興趣の向上を図ることができる。
また、操作手段において、光部が移動しつつ色変化するとともに、操作部が変位するといった態様が導出されることから、同様の態様を単に視認するだけにすぎない構成に比べ、かかる態様にある操作手段を操作することでの遊技者の優越感や満足感を飛躍的に向上させることができる。
尚、「前記発光体駆動手段が駆動し、前記発光体ブロックが変位している最中に、前記操作部を操作して前記操作位置へと変位させた場合には、表示装置にて導出される演出表示のうち、前記発光体ブロックが変位していない状態では選択される可能性の低い、又は選択されることのない演出表示が導出されること」としてもよい。この場合、操作手段が上記のように斬新な態様となって驚きを覚える上、さらに、操作手段を操作すると珍しい演出表示が導出されるため、今までにない高揚感や満足感を付与することができ、飛躍的に興趣の向上を図ることができる。尚、「選択される可能性の低い演出表示」としては、例えば、大当たり状態の発生が確定していることを教示する演出表示が挙げられる。
手段14.前記操作手段は、
前記操作部に対向して設けられ、発光色の異なる複数の発光部を具備する発光手段と、
前記発光手段が搭載され、前記操作部に対して相対変位可能な発光体ブロックと、
前記発光体ブロックを変位させることのできる発光体駆動手段とを備え、
前記操作部は少なくとも一部において透光性を有し、
前記状態切替手段は前記発光体駆動手段に連動する可動手段を備え、
前記発光体駆動手段の駆動により前記発光体ブロックが変位することに伴って、前記発光色の異なる複数の発光部のうち点灯状態とされる前記発光部又はその組合せが変化するとともに、
前記可動手段の変位に伴って、前記操作手段が、前記操作部の操作面が前記本体部又は前記前面部の内側に収容される前記第1の状態と、前記操作部の操作面が前記本体部及び前記前面部から外方に突出する前記第2の状態とに状態変化することを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
手段14によれば、基本的に上記手段13と同様の作用効果が奏される。また、発光体ブロックの制御(発光体駆動手段の制御)と状態切替手段の制御(上記手段5の駆動手段の制御)とを別々に行わなくてはいけないといった事態を回避することができ、制御の簡素化を図ることができる。
尚、手段3、手段4に対応して、前記開閉手段は、前記可動手段の変位に伴って、前記閉状態と前記開状態とに状態変化することとしてもよい。この場合、発光体ブロックの制御、状態切替手段の制御、及び扉体の制御を別々に行わなくてはいけないといった事態を回避することができ、制御の簡素化を図ることができる。
手段15.前記発光体ブロックに設けられ、前記複数の発光部のうちそれぞれ異なる前記発光部と電気的に接続された複数の発光側端子部と、前記発光体ブロック以外の本体側部材において、前記各発光側端子部に個別に対応して設けられた本体側端子部とを備え、
前記発光側端子部を、対応する前記本体側端子部と接触させることで、当該発光側端子部と電気的に接続されている前記発光部を点灯させることのできる構成であって、
前記発光体ブロックが変位することで、前記発光側端子部が前記本体側端子部に対して相対変位するとともに、複数の前記発光側端子部のうち、対応する前記本体側端子部と接触状態となっている前記発光側端子部の組合せが変化することを特徴とする手段13又は14に記載の遊技機。
手段15によれば、発光体ブロックが変位すると発光側端子部自体が動き、当該発光側端子部が対応する本体側端子部と接触したり、非接触とされたりする。つまり、発光側端子部及び本体側端子部がスイッチング機能を具備し、発光体ブロックの変位に伴って各発光部の通電状態(点灯・消灯)が付随的に切替えられる。従って、発光体ブロックを変位させるだけで、発光手段の発光色を変化させることができ、例えば、発光体ブロックの変位を検知する変位検知手段を別途設けるとともに、当該変位検知手段の検知情報に基づいて各発光部の通電状態を個別に切替え制御するような場合に比べ、構成や制御の簡素化を図ることができる。
加えて、例えば、発光手段を変位させずに操作手段の光部を変位させるべく、発光手段の周りに回転可能な反射部材を設け、反射部材にて反射した光を視認可能とする場合には、反射部材を変位させる制御の他に、発光手段の発光色を変化させる制御が必要となる。これに対し、本手段では、発光体ブロックを変位させる制御(発光体駆動手段の駆動制御)を行うだけで、発光手段自体が変位するとともに、発光手段の発光色も変化するため、制御の簡素化を図ることができる。
また、発光部と所定の電源とをコネクタケーブル等の配線により接続する場合には、発光体ブロックが変位すると、発光手段に接続される配線が絡まる等して、発光体ブロックの変位を阻害してしまうおそれがある。具体的に、発光体ブロックが回転変位する場合には、発光体ブロックの回転に伴い発光部に接続された配線が捻れてしまうため、発光体ブロックの回転が制限されるとともに、捻れを戻すために発光体ブロックを所定間隔毎に逆回転させる必要がある。また、発光体ブロックがスライド変位する場合、発光体ブロックの所定方向への変位に伴って発光部に接続された配線が引き出されると、発光体ブロックの前記所定方向とは反対方向への変位に際し、当該配線が発光体ブロックに干渉してしまうおそれがある。これに対し、本手段によれば、発光側端子部と本体側端子部とは電気的に接続可能(接触可能)になっているが、いわゆる配線接続はなされていないため、発光体ブロックを変位させたとしても配線が絡まる等することがない。従って、発光体ブロックを支障なく変位させることができる。
尚、発光部と発光側端子部とは1対1で対応していなくてもよく、例えば、1つの発光側端子部が2つの発光部と電気的に接続されていることとしてもよい。尚、前記発光体ブロックがどの位置に変位しても、複数の前記発光側端子部のうち少なくとも一つは対応する前記本体側端子部と接触状態となっていることとしてもよい。この場合、発光手段を常に点灯状態としておくことが可能になる。但し、複数の前記発光側端子部のうち少なくとも一つは、前記発光体ブロックがどの位置に変位しても、対応する前記本体側端子部と常に接触状態となっているといった構成にする必要はなく、例えば、発光体ブロックが発光体駆動手段の駆動に基づいて周期運動を行う場合に、前記発光体ブロックがどの位相にあっても、複数の前記発光側端子部のうち少なくとも一つは対応する前記本体側端子部と接触状態となっているが、前記発光体ブロックの位相が1サイクルする間に、全ての前記発光側端子部が対応する前記本体側端子部と接触した状態と接触していない状態とに切替わるといった構成を採用してもよい。
尚、「前記本体側端子部が設けられた接続ブロックと、前記接続ブロックに対して前記発光体ブロックを相対変位可能に取付ける取付手段とを備え、前記取付手段により前記発光体ブロックと前記接続ブロックとがユニット化されていること」としてもよい。この場合、発光側端子部と本体側端子部との位置決めを確実に行うことができる。
手段16.前記発光体ブロックは前記発光体駆動手段の駆動に基づいて周期運動を行うとともに、前記発光側端子部及び前記本体側端子部のうち一方は、前記発光体ブロックの変位方向に沿って延設され、他方は、前記一方と当接可能に設けられ、
複数の前記発光側端子部のうち少なくとも1つは、前記発光体駆動手段の駆動により変位する前記発光体ブロックが1サイクルする間に、前記発光体ブロックの位相に応じて、対応する前記本体側端子部と接触した状態と、接触していない状態とに切替わることを特徴とする手段15に記載の遊技機。
手段16によれば、発光側端子部及び本体側端子部のうち一方は、発光体ブロックの変位に際し、当該一方に対して相対変位する他方の軌道に沿って延設されている。これにより、比較的簡単な構成を採用しつつ発光部を点灯状態のまま所定距離変位させることができる上、比較的容易に発光側端子部と本体側端子部とを接触状態としたり、非接触状態としたりすることができる。
尚、発光体ブロックが1サイクルする間に前記他方が描く軌道の全域に対応して前記一方が切れ目なく延設された場合には、対応する発光部を常に点灯状態としておくことができる。一方、発光体ブロックが1サイクルする間に前記他方が描く軌道の一部に対応して前記一方が延設された場合には、発光体ブロックが1サイクルする間に、対応する発光部が一時的に消灯状態とされる。つまり、本手段では、発光体ブロックが1サイクルする間に点灯状態と消灯状態とに切替わる発光部が少なくとも1つ存在するため、発光体ブロックが1サイクルする間に、発光色の異なる複数の発光部のうち点灯状態となっている発光部の組合せが変化し、これによって、発光手段の発光色が変化することとなる。また、前記一方の延設パターンにより点灯状態となる発光部が切替わることから、前記発光体ブロックの位相に応じて点灯状態とされる前記発光部が予め定められ、発光手段は周期的に同じ発光色を導出することとなる。
手段17.前記発光体ブロックは回動変位可能に構成され、前記発光体駆動手段の駆動により前記発光体ブロックが回転することを特徴とする手段13乃至16のいずれかに記載の遊技機。
手段17によれば、発光体ブロックを往復運動させる場合に比べ、操作手段の大型化を抑制しつつ、操作手段の光部をより大きく変位させることができる。
手段18.前記可動手段は、前記発光体ブロックの回転中心位置から前記操作部の前記押圧部側に突出して設けられる伝達部材と、前記押圧部から前記発光体ブロック側に突出して設けられる被伝達部とにより構成され、
前記伝達部材及び前記被伝達部のうち一方には雄ねじが形成されるとともに、他方には前記雄ねじと螺着可能な雌ねじが形成された凹部が設けられ、前記一方が前記他方に挿入され、前記伝達部材と前記被伝達部とを螺着可能な構成であって、
前記発光体駆動手段が駆動することで、前記伝達部材と前記被伝達部との螺着範囲が長短し、前記伝達部材と前記被伝達部とからなる前記可動手段が伸縮することを特徴とする手段17に記載の遊技機。
手段18によれば、発光体駆動手段が駆動して発光体ブロックが一方向に回転すると、伝達部材と被伝達部との螺着範囲が短くなり、伝達部材と被伝達部とからなる可動手段が伸長する(押圧部と発光体ブロックとの間の距離が長くなる)。一方、発光体ブロックを反対方向に回転させると伝達部材と連結部との螺着範囲が長くなり、可動手段が収縮する(押圧部と発光体ブロックとの間の距離が短くなる)。これにより、発光体駆動手段の駆動に伴って操作部が変位する操作手段を得ることができる。また、発光体ブロックを回転させる発光体駆動手段を駆動させることで操作部が変位する構成となっているため、当該発光体駆動手段とは別に操作部を変位させるための変位調節手段(ソレノイド等)を設ける必要がなく、構成の簡素化や制御の簡素化等を図ることができる。
手段19.前記可動手段は、前記発光体ブロックに対して相対変位可能に設けられる可動部材と、前記可動部材の一端部に設けられ、前記発光体ブロックに対して相対変位不可能に設けられた固定端子部と接触可能な可動端子部とを備え、
前記可動部材は、前記固定端子部と前記可動端子部とが接触する接触位置と、前記固定端子部と前記可動端子部とが離間する非接触位置との間で変位可能に構成されるとともに、
前記可動部材の他端部には、前記可動部材を前記接触位置又は前記非接触位置の一方側に付勢する可動付勢手段が接続され、
前記操作手段には、前記固定端子部及び前記可動端子部と電気的に接続され、前記操作部の変位量を調節可能な変位調節手段が設けられ、
前記発光体駆動手段が駆動した場合、前記発光体ブロックの回転に伴って前記可動部材に働く遠心力により、前記可動部材が前記可動付勢手段の付勢力に抗し、前記接触位置又は前記非接触位置の一方から他方に変位するとともに、
前記固定端子部及び前記可動端子部の接触状態が切替わることに基づいて前記変位調節手段が動作し、当該変位調節手段の動作に伴って、前記操作部が変位することを特徴とする手段17に記載の遊技機。
手段19によれば、発光体ブロックが回転すると、可動部材に働く遠心力により当該可動部材が変位して、固定端子部と可動端子部との接触状態(オンオフ)が切替わる。さらに、固定端子部と可動端子部との接触状態が切替わることに基づいて、変位調節手段が動作し、これに伴って、操作部が変位することとなる。従って、発光体駆動手段の駆動に伴って操作部が変位する操作手段を得ることができる。また、発光体ブロックが回転すると、自動的に変位調節手段が動作して、操作部が変位することから、変位調節手段を制御手段により制御する必要がなくなり、制御の簡素化を図ることができる。また、本手段によれば、操作部を操作位置へと変位させる場合に、操作部とともに発光体ブロック及び発光体駆動手段についても変位させなければならないといった事態を回避することができるため、操作手段の耐久性の向上等を図ることができる。
手段20.前記発光体駆動手段はエンコーダを備えていることを特徴とする手段13乃至19のいずれかに記載の遊技機。
手段20によれば、エンコーダの検知情報に基づいて発光体駆動手段を駆動させることにより発光体ブロックの位置(位相)を調節することができ、発光体ブロックの位置を調節することで、発光手段の発光色(操作手段の光部の色)を所望の色にすることができる。これにより、遊技機の状況(遊技状態や演出等)と操作手段の光の態様との対応付けを行うことができ、操作手段の光の態様により、操作手段による演出効果を高めたり、操作手段に対して遊技機の状況を遊技者に教示する教示機能を持たせたりすることができる。
手段21.遊技の進行に関する制御を行う主制御装置と、前記主制御装置からのコマンドに基づいて演出に関する制御を行うサブ制御装置と、通電状態が切替えられることで態様変化する電気的作動手段のうち前記前面部に設けられたものの制御を行う前部制御装置とを備え、
前記前部制御装置は、前記主制御装置又は前記サブ制御装置と電気的に接続されるとともに、前記主制御装置又は前記サブ制御装置からのコマンドに基づいて、前記状態切替手段(上記手段5に対応しては前記駆動手段、手段14に対応しては前記発光体駆動手段)の駆動制御を行うことを特徴とする手段1乃至20のいずれかに記載の遊技機。
手段21によれば、遊技機に設けられる電気的作動手段のうち、状態切替手段を含む遊技機の前面部に設けられた電気的作動手段を制御する前部制御装置が設けられることにより、主制御装置及びサブ制御装置の制御負担を軽減することができる。
手段22.前記操作面に関し、左右幅と直交する方向における奥行幅は、70mm以下、かつ、20mm以上であることを特徴とする手段1乃至21のいずれかに記載の遊技機。
手段22によれば、操作面の奥行幅を70mm以下とし、これに合わせて、操作部を挿通可能な本体部の開口部や、操作部(操作手段)を挿通可能な前面部の開口部を形成することで、当該開口部の内側に手を進入させ難くなるため、第1の状態にある操作手段をより操作し難くすることができる。すなわち、遊技者が掌や握った手で第2の状態にある操作手段の操作部をある程度押込むと、遊技者の手が本体部の開口部周縁や前面部の開口部周縁に当接することとなり、操作部をそれ以上に押し込み難くなる。従って、遊技者による操作部への度を超した操作に起因して、操作手段が破壊されてしまうといった事態をより確実に抑制することができる。
また、操作面の奥行幅を20mm以上とすることで、操作手段が第2の状態にあっても操作部が操作し難くなってしまうといった事態を抑制することができる。尚、本手段の構成を採用する場合、本体部の開口部周縁又は前面部の開口部周縁に対して緩衝手段を設けることが望ましい。この場合、操作部を強打した手が本体部の開口部周縁や前面部の開口部周縁に衝突した場合であっても、その衝撃を緩和することができる。
尚、操作面の奥行幅は60mm以下、25mm以上であることがより望ましく、さらに、50mm以下、30mm以上とすることがより望ましい。この場合、本手段の作用効果が一層確実に奏される。また、操作部の操作面は必ずしも上方を向いていなくてもよく、例えば、操作面の法線方向が水平方向となるように操作手段を設けることとしてもよい。つまり、この場合、本手段で「奥行幅」と記載されている幅は上下幅に相当する。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。