JP3976350B2 - 反応性シラン官能性を有する要求に応じて硬化する、湿分硬化性組成物 - Google Patents

反応性シラン官能性を有する要求に応じて硬化する、湿分硬化性組成物 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、一般に、湿分硬化性組成物に関し、特に、反応性シラン官能性を有する組成物に関する。本発明の組成物は、酸生成物質を使用して、要求に応じて硬化させることが可能である。さらに、本発明は、このような組成物の使用方法に関する。
関連技術の説明
湿分硬化性組成物は、水分の存在下で硬化して、架橋した物質、たとえば、多くの産業に有用な接着剤、シーラントおよび塗料を形成する。一般に、水分は、大気から、または組成物が適用される対象である基材から得られるが、水分を組成物に加えてもよい。
湿分硬化性組成物は、通常、水分の存在下で反応して、硬化した(すなわち、架橋した)物質を形成する基(たとえば、アルコキシシラン部分またはアシルオキシシラン部分)を有するポリマーを含む。ポリオレフィン類、ポリエステル類、ポリエーテル類、ポリアクリレート類、ポリ塩化ビニル、ポリホスファゼン類、ポリシロキサン類、ポリスルフィド類、それらのブロックコポリマーおよびフッ素化誘導体を含む、多種多様のポリマーを湿分硬化性にすることが可能であり、個々のポリマーは、所期の用途に基づいて選択される。たとえば、ポリシロキサンやフッ素化ポリエーテルは、感圧接着剤と一緒に使用するのに適した剥離塗料を提供するために、しばしば選択される。
湿分硬化性組成物は、一般に2つの反応で硬化するアルコキシシラン官能性またはアシルオキシシラン官能性を含む。第1の反応で、アルコキシシラン基またはアシルオキシシラン基は、水分および触媒の存在下で加水分解して、シラノール基を有する化合物を形成する。第2の反応で、このシラノール基は、触媒の存在下で他のシラノール基、アルコキシシラン基、またはアシルオキシシラン基と縮合して、-Si-O−Si-結合を形成する。この2つの反応は、シラノール官能化合物が発生するとすぐに、本質的に同時に起こる。この2つの反応によく使用される触媒としては、ブレンステッド酸およびルイス酸などがあり、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, 2nd Edition, Volume 15, page 252,(1989)に記載されている。1つの物質で両反応を触媒することができる。
以下に、アルコキシシラン基を有するポリマーの加水分解反応を概略的に図解する:
Figure 0003976350
このようにして得られるシラノール(SiOH)基は、酸触媒の存在下で安定でなく、シラノール官能化合物とアルコキシシラン官能化合物との縮合反応について以下に概略的に示す通り、他のシラノール基やアルコキシシラン基と即座に縮合して、−Si−O−Si−結合を形成する。
Figure 0003976350
湿分硬化性組成物が、たとえば基材に、いったん適用されると、その後は、加水分解および縮合反応が急速に進行することが好ましい。しかし、同時に、反応は、早期に、たとえば、処理中や保存中に、起こってはならない。
急速な反応性と保存安定性は互いに正反対の特性であるため、多くの場合、これらの特性の良好なバランスを得ることは難しい。たとえば、テトラアルキルチタネートエステルのような極めて活性な触媒は、湿分硬化反応を速やかに促進するが、同時に、供給タンク、塗布器具、および他の製造装置や取扱い装置の中で早期ゲル化する危険にさらさずに、材料を処理することを困難にする。これにひきかえ、ジブチルスズジラウレートのような従来の触媒は、早期ゲル化せずに、進行および保存が可能な、安定な湿分硬化性組成物を生成するが、多くの場合、硬化速度が余りにも遅く、たいていの製造工程には工業用に実用的ではない。
処理上の困難や保存上の困難がない、許容できる硬化速度を有する湿分硬化性組成物を提供するために、様々なアプローチが使用されてきた。たとえば、米国特許第2,843,555号には、1部は機能的ポリマーを含み、他の1部は触媒を含む、使用直前に2部を混合する2液系が記載されている。この方法は、小規模の用途には有用であるが、2部を混合しなければならないことによって生じる遅延が望ましくない大量生産には、さほど有能ではない。さらに、組成物が容器内で硬化する前に、塗布工程が速やかに完了しなければならないため、表面積が大きい基材または大量の組成物を扱うときは、困難なことがある。
米国特許第5,286,815号には、湿分硬化反応を開始する酸化合物を遊離するほど十分に加熱されるまで不活性である、アンモニウム塩触媒が開示されている。しかし、酸の遊離は、蒸発によって除去しなければならないアミンも発生させる。さらに触媒の活性化に使用される熱によって、組成物を適用する対象である熱過敏性基材が損なわれる恐れがある。
「Cationic Photopolymerization of Ambifunctional Monomers”(J.V. Crivello et al., Macromolekular Symposia, 95, 79-89,(1995))と題する論文には、陽イオン触媒を使用した、「両機能性(ambifunctional)」モノマー(すなわち、2つの化学的に異なる反応性官能基を同一分子内に担持するモノマー)の光重合について記載されている。1つの実施例では、エポキシシクロヘキシル反応性官能基とトリメトキシシリル反応性官能基の両者を有する両機能性モノマーを調製し、次いで、陽イオン性トリアリールスルホニウム触媒の存在下でUV照射する。著者によれば、こうしたモノマーの重合は、「...エポキシ基の急速な重合に続くトリアルコキシシリル基の緩徐な消費を特徴とする。」
したがって、処理上の困難および保存上の困難(たとえば、早期ゲル化)がない、許容できる硬化速度を与える湿分硬化性組成物が依然として必要である。理想的には、これらの組成物は、たとえば、硬化する前に混合することを必要とせずに効率よく処理することができ、除去しなければならない種を発生しない触媒を使用する。熱過敏性基材に対する損傷を避けるために、組成物は、熱活性化を必要としないことが好ましい。
発明の概要
概して、および1つの態様で、本発明は、「要求に応じて硬化させる」ことが可能な湿分硬化性組成物を提供する。すなわち、本組成物は、予め選択された時または所定の時に硬化させることができる。このような特性を実現するために、本発明の湿分硬化性組成物は、予め選択された時または所定の時間に活性化されるまで不活性なままである(すなわち、湿分硬化反応を開始しない)酸生成物質を含む。結果として、処理中または保存中に早期硬化する危険にさらさずに、且つ使用する直前に特に混合せずに、この酸生成物質を湿分硬化性組成物に組み込むことができる。さらに、酸生成物質がいったん活性化されるとその後は、除去しなければならない望ましくない種を生成せずに、硬化が急速に進行する。
さらに詳細には、本発明は、反応性シラン官能性または反応性シラン官能基を有する少なくとも1種の化合物、および酸生成物質を含む湿分硬化性組成物を提供する。一般に、反応性シラン基は、1個以上のアシルオキシ基またはアルコキシ基に結合したケイ素原子を含む。湿分硬化性組成物の平均反応性シラン官能性は、硬化する際に架橋した網状結合を形成するために2より大きく、且つ反応性シラン基は、組成物中で唯一の酸硬化可能基である。
反応性シラン基以外の酸硬化可能基が存在しない時に、最高の結果が得られることが判明した。特に、エポキシドのような酸硬化可能基は、水分とシランとの反応に悪影響を及ぼし、その結果、トリアルコキシシリル基の消費が緩徐になると考えられる。したがって、このような他の酸硬化可能基は、シラン反応基の湿分硬化を阻害する可能性がある。さらに、水も、酸過敏性モノマーの重合を阻害することが判っている。
スルホニウム塩やヨードニウム塩のようなオニウム塩を含む、多種多様の酸生成物質を本発明の実行に使用して、湿分硬化反応を触媒することができる。これらの触媒は、エポキシド、ビニルエーテル、オレフィン性硬化基および他の陽イオン性硬化基の連鎖重合用として知られているが、唯一の酸硬化可能基としてシランを有する反応性シラン化合物の縮合の触媒におけるその有用性は、これまで認められていなかった。
酸生成物質を活性化すると、Si−O−Si架橋の形成により、湿分硬化性組成物の架橋を開始し且つ促進する酸を遊離する。活性化は、組成物に、たとえば、紫外線、可視光線、電子ビームまたはマイクロ波を照射することによって遂行される。加熱を使用して酸生成物質を活性化してもよいが、都合よく、本発明の組成物は加熱を必要とせず、その結果、熱過敏性基材に対する望ましくない損傷を避けることができる。
本発明は、さらに、組成物を硬化する方法を提供する。さらに詳細には、本方法は、本発明による湿分硬化性組成物を提供するステップと、酸を遊離させるために酸生成物質を活性化するステップと、Si−O−Si架橋を形成するために、組成物を水分の存在下で反応させて酸を遊離させるステップとを含む。
本発明の湿分硬化性組成物には、たとえば、接着剤、シーラント、パテおよび塗料(特に保護用塗料および剥離塗料として)として、多種多様の用途がある。
したがって、他の実施態様で、発明は、シリコー感圧接着剤を提供する。
好ましい実施態様の詳細な説明
本発明は、反応性シラン官能性または反応性シラン官能基を有する少なくとも1種の化合物、および酸生成物質を含む湿分硬化性組成物を提供する。一般に、反応性シラン基は、1個以上のアシルオキシ基またはアルコキシ基に結合したケイ素原子を含む。湿分硬化性組成物の平均反応性シラン官能性は、硬化する際に、架橋した網状結合を形成するために2より大きい。反応性シラン基は、本組成物中で唯一の酸硬化可能基である。
分子a、b、...、nを含む組成物の平均反応性シラン官能性は、次式:
Figure 0003976350
によって規定され、
式中、fa、fb、...、fnは、それぞれ、分子a、b、...n、の反応性シラン官能性を表し、Na、Nb、...、Nnは、それぞれ、分子sa、b、...、n、のモル数を表す。
反応性シラン官能化合物は、酸がいったん発生したら、その後は、酸の中和により架橋反応を阻害しない、場合に応じて、塩基性基、たとえば、アミド、尿素、ウレタン、スルホンアミド、および他の塩基性基で置換された、多種多様の物質を含んでもよい。このような塩基性基が反応性シラン化合物中に存在するとき、架橋反応の阻害を防止するために、発生する酸が、塩基性基に比べて1モル濃度過剰の酸発生物質が湿分硬化性組成物中に存在しなければならないか、またはその塩基性基を(たとえば、中性のpHを提供するのに十分な酸を加えることにより)予め中和しておかなければならない。
本発明に有用な反応性シラン官能化合物は、反応性シラン基を支持するための多種多様の主鎖を組み込むことができ、結果として、このような化合物は、一般に、次の好ましい構造:
Figure 0003976350
によって表すことができる。
Aは、たとえば、アルキル基(好ましくは1〜30個、さらに好ましくは、12〜20個の炭素原子を有する)、フルオロアルキル基(好ましくは1〜12個、さらに好ましくは、6〜10個の炭素原子を有する、アリール基、フルオロアリール基、および線状、分枝、ブロックまたはグラフト構造のものであってもよいポリマー基から選択することが可能なm価基である。適当なポリマー基の例としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリオレフィン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリホスファゼン、ならびに誘導体およびそれらの組合せなどがある。前述のポリマーの特に好ましい誘導体は、たとえば、フルオロシリコーン、フッ素化ポリアクリレート、フッ素化ポリエーテルまたはフッ素化ポリエステルのような、それらのフッ素化誘導体である。基Aに好ましいポリマー基としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリオレフィンおよびポリエーテルなどがある。
整数値「p」は、1、2または3であるが、整数値「m」は、1より大きいか1に等しく、さらに好ましくは、1〜50である。
各R1は、アルキル基(好ましくは、1〜4個の炭素原子を有する)、またはアシル基(好ましくは、1〜3個の炭素原子を有する)からそれぞれ独立に選択される(すなわち、そぞれが同じであっても異なってもよい)。
各R2は、水素、アシル基、アルキル基、およびアリール基からそれぞれ独立に選択され、且つ後者の2つは、場合に応じて、シアノ、ヒドロキシ、カルボキシ、メルカプト、カルボアルコキシまたはハロ部分で置換されていてもよい。しかし、好ましくは、R2は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。
Gは、基Aを反応性シラン官能基に架橋する任意の連結基である(あるいは、Gは、Gnと表してもよい。Gが存在するとき、nの値は1である。Gが存在しなとき、nの値は0である)。有用なG基のなかで最たるものは、酸素、アルキレン基およびアリーレン基(場合に応じてアミド、尿素、ウレタン、スルホンアミドまたはエステル結合、またはヘテロ原子を含む)、および
Figure 0003976350
式中、R1およびR2は、上記の通りであり、qは整数1〜40であり、vは、0または1のいずれかである。G基は、好ましくは、数平均分子量が2,000未満である。各Gは同じであっても異なってもよく、幾つかの反復単位中に存在してもよいが、他の反復単位中には存在しない。
上述の通り、基Aに好ましい基としては、ポリシロキサン、ポリアクリレート、ポリオレフィンおよびポリエーテルなどがある。次に、これらの基をさらに詳細に検討する。
反応性シラン官能シロキサン類
反応性シラン官能ポリシロキサンは、多数の便利な方法で調製することができる。たとえば、−SiH官能環状シロキサンと環状ジメチルシロキサンとの平衡により、ペンダントおよび/または末端−SiH基を含むポリジメチルシロキサンコポリマーが得られる。一般に、分子量を調節するために、ジシロキサン末端封鎖剤を含める。このような末端封鎖剤の例としては、テトラメチルジシロキサン(−SiH末端基を提供する)およびヘキサメチルジシロキサン(不活性なトリメチルシリル末端を提供する)。これらの中間体とビニルシラン、たとえば、ω−アルケニルシラン(ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、およびビニルジメチルエトキシシランを含む)とのプラチナ触媒ヒドロシリル化反応によって多数のモノ−、ジ−、およびトリ−アルコキシシラン基を有するポリシロキサンが得られる。他のアプローチでは、二重結合へのメルカプトアルキ置換シラン(たとえば、メルカプトプロピルトリメトキシシランやメルカプトプロピルメチルジメトキシシラン)の遊離基付加により、末端および/またはペンダントビニル置換のいずれかを有するポリジオルガノシロキサンをアルコキシシランに変換する。たとえば、米国特許第4,269,963号を参照されたい。
一般に、ポリシロキサンポリマーの主鎖のケイ素原子は、メチル基で置換されている。メチル基以外の置換基が望ましいとき、様々な合成経路を使用することができる。たとえば、線状ポリメチル水素シロキサンは、共重合したジメチルシロキサンの有無にかかわらず、所望する数のビニルアルコキシ基またはアシルオキシシラン基で先ずヒドロシリル化し、続いて、過剰量のオレフィン、たとえば、ヘキサン、オクタデセン、スチレン、トリフルオロプロパン、ヘキサン等々との反応によって、残りのSiH基を完全に変換することができる。ビニル置換ポリシロキサン中間体の調製にさらに適当した他の方法では、ビニル置換末端封鎖剤、環状ビニルメチルシロキサン、環状ジメチルシロキサン、およびメチル以外の置換基を有する他の環状またはポリシロキサンの混合物を、強酸触媒、たとえば、硫酸やトリフルオロメタンスルホン酸と平衡化する。便利な非−ジメチルシロキサン源(市販の環状ジフェニルシロキサン以外)は、様々な置換メチルジクロロシラン、たとえば、オクチルエチルジクロロシラン、ノナフルオロヘキシルメチルジクロロシラン等々の形である。
尿素結合を有する反応性シラン官能ポリシロキサンは、アミノアルキルポリジオルガノシロキサンをイソシアナート−官能シラン、たとえば、イソシアナトプロピルトリエトキシシランと反応させることによって、ペンダントおよび/または末端アミノアルキル基を有するポリジオルガノシランから誘導することができる。このような反応性シラン官能ポリシロキサンの製造方法は、米国特許第5,286,815号に記載されている。特に有用な出発物質は、米国特許第5,214,119号、第5,461,134号、および第5,512,650号に記載のオルガノポリシロキサンジアミン類および米国特許第5,091,483号および第5,475,124号に記載のモノアミノアルキル末端オルガノポリシロキサン類である。
反応性シラン官能物質のフッ素化誘導体を使用するとき、それらは、当技術分野で周知の方法に従って調製される。たとえば、末端および/またはペンダント−SiH官能基を有するフルオロシリコーン出発物質とω−アルケニルアルコキシシラン化合物とのプラチナ触媒ヒドロシリル化反応により、反応性シラン官能ポリシロキサンを調製することができる。有用な−SiH官能フルオロシリコーンの例は、米国特許第4,968,766号(Kendziorski)に記載のケイ素結合したフッ素化基を含むオルガノ水素ポリシロキサン類である。あるいは、たとえば米国特許第4,736,048号(Brownら)および第5,028,679号(Teraeら)に記載されているもののようなビニル官能またはアルケニル官能フルオロシリコーン物質、または米国特許第5,616,672号(O'Brienら)に記載のフルオロアルキル置換分枝アルケニルシリコーンポリマー組成物を、同様のアルコキシシラン化合物(たとえば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、および他のモノ−、ジ−およびトリアルコキシシラン)とのヒドロシリル化反応によって、シラン官能フルオロシリコーンに変換することができる。これらの物質の一部は市販されている。市販のビニル官能フルオロシリコーンの一例は、Dow CorningからQ2−7785の商品名で市販されている。
反応性シラン官能ポリシロキサンは、感圧接着剤(PSA)用剥離塗料を提供するためによく使用される。剥離塗料の製造に特に好ましい反応性シラン官能化合物は、構造I(式中、Gは−CH2CH2−であり、mは6であり、pは1であり、R1は−CH2CH3であり、R2は−CH3であり、Aは以下の通りである
Figure 0003976350
)で表すことができるジメチルシロキサン−[メチル−2(エトキシジメチルシリル)エチル−]シロキサンコポリマーである。
剥離塗料の製造に特に好ましい他の物質は、構造I(Gは−CH2CH2−であり、mは6であり、pは3であり、R1は−CH2CH3であり、Aは上記構造IIIである)で表すことができる。
剥離塗料の製造に特に好ましい物質群は、構造I(式中、Gは
−CH2CH2CH2−HNC(O)NH−CH2CH2 CH2−であり、mは2であり、pは3であり、R1は−CH2CH3であり、Aは、以下に示す
Figure 0003976350
(式中、xの値は10〜2000である)である)で表すことができる。
反応性シラン官能ポリシロキサンから誘導されるシリコーン感圧接着剤
本発明の他の態様では、粘着付与樹脂、好ましくはシリケート粘着付与樹脂を、尿素−結合した反応性シラン官能ポリシロキサンと混合することによって、独特なクラスの湿分硬化性シリコーン感圧接着剤を調製することができる。特に、このようなシリコーン感圧接着剤組成物は、
(a)構造Iを基礎とする次式(式中、Gは−Y−HNC(O)NH−Y−であり、mは2であり、p、R1およびR2は上記の通りであり、Yは、それぞれ独立に、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基、好ましくは6〜20個の炭素原子を有するアラルキレン基またはアリーレン基である2価基であり、Aは構造V
Figure 0003976350
(式中、R3は、それぞれ独立に、ビニル基または好ましくは約1〜12個の炭素原子を有するアルキル部分である部分であり、そのアルキル部分は、たとえば、トリフルオロアルキル基またはビニル基で置換されていてもよく、X=100−2000である)を有する、尿素−結合した反応性シラン官能ポリシロキサンを20〜約80重量部と、
(b)シリケート粘着付与樹脂を80〜約20重量部と、
(c)(a)と(b)を加えた合計100重量部を基準にして、約0.5〜約20重量部の縮合触媒または酸生成物質と
を含む。
感圧接着剤の調製に有用なシリケート粘着付与樹脂としては、M、D、TおよびQ構造単位、ならびにそれらの組合せ(従来、1文字コードはシリケート樹脂を表すのに使用される)を含む。非官能シリケート樹脂も官能シリケート樹脂も使用することができ、官能樹脂は、たとえば、ケイ素結合水素、ケイ素結合アルケニル、およびシラノール基を含む、1つ以上の官能部分を有する。さらに詳細には、また例として、MQシリケート樹脂、MQDシリケート樹脂、およびMQTシリケート樹脂(それぞれ、コポリマーシリケート樹脂ともよばれる)は、好ましくは数平均分子量が約100〜約50,000、さらに好ましくは約500〜約10,000であり、一般に、メチル置換基を有する。MQシリケート樹脂は、一般に、R′3SiO1/2単位およびSiO4/2単位を有し、このような樹脂は、たとえば、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, vol. 15, John Wiley & Sons, New York,(1989), pp. 265-270、米国特許第2,676,182号、米国特許第3,627,851号、米国特許第3,772,247号、および米国特許第5,248,739号に記載されている。米国特許第4,774,310号(シリルヒドライド基)、米国特許第5,262,558号(ビニル基およびトリフルオロプロピル基)、および米国特許第4,707,531号(シリルヒドライド基およびビニル基)には、官能基を有する様々なMQシリケート樹脂が記載されている。これらのMQ樹脂は、一般に、溶剤中で、乾燥状態、すなわち、無溶剤で調製される。MQシリケート樹脂は、米国特許第5,319,040号,米国特許第5,302,685号、および米国特許第4,935,484号に記載の通りに調製することができる。MQDシリケート樹脂は、米国特許第2,736,721号に開示されているようなR′3SiO1/2単位、SiO4/2単位、およびR′2SiO2/2単位を有するターポリマーである。QTシリケート樹脂は、米国特許第5,110,890号および特開平2−36234号に開示されているようなR′3SiO1/2単位、SiO4/2単位およびR′SiO3/2単位を有するターポリマーである。
市販のシリケート樹脂としては、General Electric Co., Silicone Resins Division, Waterford, N.Y.から入手可能なSR−545(トルエン中のMQ樹脂)、PCR, Inc. Gainesville, FLから入手可能なMQOH樹脂、Shin-Etsu Silicones of America, Inc., Torrance, CAから入手可能なMQR−32−1、MQR−32−2、およびMQR−32−3(トルエン中のMQD樹脂)、およびRhone-Poulenc, Latex and Specialty Polymers, Rock Hill, SC.から入手可能な、トルエン中のヒドライド官能MQ樹脂であるPC−403トルエンなどがある。一般に、このような樹脂は、有機溶剤中で供給され、受け入れたままの状態で、本発明の感圧接着剤に使用される。しかし、これらのシリケート樹脂の有機溶液は、当技術分野で周知の幾つかの技術、たとえば、スプレードライやオーブン乾燥等々、または本発明で使用するために実質的に100%の不揮発性物質含有率でシリケート樹脂を提供する汽水分離で、乾燥することもできる。また、2種以上の異なるシリケート樹脂の配合物が、本発明の感圧接着剤に有用である。
湿分硬化性シリコーン感圧接着剤は、好ましくは、約20〜80重量部、さらに好ましくは約25〜75重量部、最も好ましくは約30〜重量部の尿素結合した反応性シラン官能ポリシロキサンを含む。この接着剤は、好ましくは、約20〜80重量部、さらに好ましくは約25〜75重量部、最も好ましくは約30〜70重量部のシリケート粘着付与樹脂を含む。この組成物は、尿素結合した反応性シラン官能ポリシロキサンとシリケート粘着付与樹脂を合わせた100重量部を基準にして、約0.5重量部〜約20重量部、さらに好ましくは約3〜10重量部、最も好ましくは約3〜7重量部の酸生成物質を含む。
上述の酸生成物質は、制御された硬化性を提供するので好ましいが、縮合触媒、たとえば、強有機酸、弱ルイス酸、弱有機塩基および金属キレートも、新規シリコーン感圧接着剤に使用することができることがわかっている。他の好ましいクラスの縮合触媒は、米国特許第5,286,815号に記載されている、pKaが約3未満の強有機酸およびそれらの無水物およびアンモニウム塩である。有用な強有機酸および誘導体の例としては、トリクロロ酢酸、シアノ酢酸、マロン酸、ニトロ酢酸、ジクロロ酢酸、ジフルオロ酢酸、無水トリクロロ酢酸、無水ジクロロ酢酸、無水ジフルオロ酢酸、トリエチルアンモニウムトリクロロアセテート、トリメチルアンモニウムトリクロロアセテート、およびそれらの混合物などがある。
本発明の感圧接着剤は、一般に、裏材層の向かい合った主要表面の片面または両面に感圧接着剤を配置した、裏材層(一般に、可撓性の紙またはポリマー材料)を含む感圧接着剤被覆シートおよびテープ(たとえば、永久テープおよび転写テープ)を含む、多種多様の接着剤被覆物品の製造に使用することができる。露出した接着剤層を汚れおよび他の汚染物質から保護するために、一時的な除去可能な剥離ライナーを使用し、接着剤物品を使用する前に剥すことができる。感圧接着剤が裏材層の主要表面の片面のみに配置される接着剤物品の場合、たとえば、テープのロールを製作するために、裏材層の非接着剤担持面に低粘着力裏糊付けを提供して、接着剤物品をロール形に巻き上げるのを容易にすることもできる。
感圧接着剤組成物を、ともに剥離塗料を含む2枚の一時的な除去可能なライナーの間に塗布し、接着剤を剥離塗料と接触させることによって、転写テープを作ることができる。この剥離ライナーは、透明なポリマー材料、たとえば、紫外線を通すポリオレフィンやポリエステルをしばしば含む。
シリコーン接着剤と一緒に使用するのに適した任意の剥離ライナーを、欧州特許公告第433070号、欧州特許公告第378420号、欧州特許公告第311262号、および米国特許第4,889,753号に記載されているような発明とともに使用することができる。市販のライナーおよび組成物としては、Dow Corning Corp., Midland, MIから入手可能なDow Corning SYL-OFF Q2-7785フルオロシリコーン剥離塗料、Shin-Etsu Silicones of America, Inc., Torrance, CAから入手可能なX-70-029NSフルオロシリコーン剥離塗料、およびRelease International, Bedford Park, ILから入手可能なS TAKE-OFF 2402フルオロシリコーン剥離ライナーなどがある。
特に好ましい剥離ライナーは、以下に記載されており且つ反応性シラン官能フッ素化ポリエーテルおよび本発明の酸生成物質組成物を使用して調製することができる、フッ素化ポリエーテル剥離塗料を担持する裏材を含む。
反応性シラン官能ポリアクリレートおよびフッ素化ポリアクリレート類
官能遊離基的反応性モノマーと遊離基的反応性コモノマーとの共重合によって、反応性シラン官能ポリアクリレートを調製することができ、たとえば、乳剤、懸濁液、溶剤溶液、またはPrinciples of Polymerization, 3rd ed.(G. Odian, Wiley-Interscience: New York, 1981, pp. 286-296)に記載の重合方法を使用した重合生成物として得ることができる。
有用なシラン−官能遊離基的反応性モノマーとしては、たとえば、3−(メタクリルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリルオキシ)メチルトリエトキシシラン、3−(メタクリルオキシ)メチルトリメトキシシラン、3−(メタクリルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロペニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、およびそれらの混合物などがある。これらの中で、3−(メタクリルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリルオキシ)プロピルメチルジメトキシシランおよび3−(メタクリルオキシ)プロピルジメチルエトキシシランが好ましい。
一般に、反応性シラン官能ポリアクリレートの調製に使用される遊離基的反応性コモノマーはビニル官能性であり、たとえば、アクリル酸およびそのエステル、メタクリル酸およびそのエステル、ビニル置換芳香族化合物、ビニル置換複素環式化合物、ビニルエステル、塩化ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドおよびの誘導体、およびメタクリルアミドおよびその誘導体などがある。
有用なアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルとしては、それぞれ、約1〜約24個の炭素原子を有する、直鎖アルキル、分枝アルキルまたはシクロアルキル基を有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルなどがある。例としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、イソオクチルアクリレート、4−メチル−2−ペンチルアクリレート、2−メチルブチルアクリレート、イソアミルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ブチルメタクリレート、エチルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、ベヘニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレートおよびそれらの混合物などがある。
置換アルキル基を有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステを反応性シラン官能ポリアクリレートの調製に使用することもできる。好ましいクラスの置換アルキルアクリレートおよびメタクリレートは、フルオロアルキル基を含むものである。完全にフッ素化されたアルキル基が好ましいが、水素置換基および塩素置換基および/または懸垂ヘテロ原子(たとえば、酸素、2価または6価のイオウ原子および窒素原子に結合した炭素)も存在してもよい。有用なフルオロアルキル置換またはペルフルオロポリエーテル置換アクリレートコモノマーおよびメタクリレートコモノマーの例としては、ペルフルオロシクロヘキシルカルビノールメタクリレート、ペルフルオロシクロペンチルカルビノールメタクリレート、N−メチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエチルアクリレート、N−エチルペルフルオロオクタンスルホンアミドエチルアクリレート、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチルメタクリレート、1H,1H−ペンタデカフルオロオクチルアクリレート、2−(ペルフルオロオクチル)エチルメタクリレート、およびヒドロキシエチルメタクリレートとヘキサフルオロプロピレン三量体の付加物などがある。
シラン官能遊離基的反応性モノマーと容易に重合できるその他のビニル官能コモノマーとしては、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、スルホエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、酢酸ビニル、ビニルプロピオネート、スチレン、α−メチルスチレン、それらの混合物等々がある。
遊離基的に共重合可能なマクロモノマーも、本発明の重合可能な組成物に使用することができる。このようなマクロモノマーの例としては、アクリレート末端ポリ(メチルメタクリレート)、メタクリレート末端ポリ(メチルメタクリレート)、p−スチリル末端ポリ(メチルメタクリレート)、アクリレート末端ポリスチレン、メタクリレート末端ポリスチレン、アクリレート末端ポリ(エチレンオキシド)、メタクリレート末端ポリ(エチレンオキシド)、アクリレート末端ポリ(エチレングリコール)、メタクリレート末端ポリ(エチレングリコール)、メトキシポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ブトキシポリ(エチレングリコール)メタクリレート、メタクリレート末端ポリシロキサン類、アクリレート末端ポリシロキサン類、およびそれらの混合物などがある。これらのマクロモノマーは、イオン重合技術および連鎖移動重合技術を使用して容易に調製され、且つグラフトオリゴマーセグメントおよびグラフトポリマーセグメントをシラン官能ポリアクリレートに提供する際にも極めて有効であるため、好ましい。
反応性シラン官能ポリアクリレートの調製に使用される遊離基的反応性コモノマーおよびマクロモノマーのタイプおよび比率は、重合生成物の所望する特性および用途によって異なる。たとえば、感圧接着特性を有する重合生成物を必要とするのであれば、十分な粘性、剥離強さおよび凝集強さを示すために、結果として十分な粘弾特性および形態学的特性を備えた生成物となる周知の調合技術によって、モノマーを配合しなければならない。このような感圧接着剤の場合、好ましい配合物は、n−ブチルアクリレート、イソオクチルアリレート、イソノニルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソデシルアクリレート、または2−エチルヘキシルアクリレート、またはそれらの混合物を半分以上と、場合に応じアクリル酸、メタクリル酸、n−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、スチレン、アクリレート末端ポリスチレン、メタクリレート末端ポリスチレン、またはそれらの混合物を半分以下と、少量の(約0.05重量%〜約3重量%)シラン官能遊離基的反応性モノマーを含む。
反応性シラン官能フッ素化ポリアクリレートは、フッ素化された遊離基的重合可能なモノマー、シラン官能遊離基的反応性モノマー、および場合に応じて、他の遊離基的反応性コモノマーから調製することも可能である。これらの物質は、低い表面エネルギーを特徴とし、それ自身、油も水もはじく力があるため、耐汚水性塗料および/または耐水性塗料を提供するための酸生成物質との併用に有用である。こうした表面特性があるため、これらの物質は、自動車、ボート、壁装材、床、飛行機および建造物の保護用塗料として有用である。さらに、これらの固有の低表面エネルギーのゆえに、これらの物質は、感圧接着剤と一緒に使用するための剥離塗料として、また成形プラスチック物品の製造に使用される剥離表面として有用である。一般に、配合物は、約20〜約80重量%のフッ素化遊離基的重合可能なモノマーと、約20〜約50重量%のシラン官能遊離基的反応性モノマーと、使用するとき、1〜約30重量%の他の遊離基的反応性コモノマーを含む。
反応性シラン官能ポリオレフィン類
幾つかの方法で、反応性シラン官能ポリオレフィン類を市販の出発物質から製造することができる。1つの有用な方法は、チーグラー・ナッタ触媒を使用して、ビニルトリクロロシランのようなω−アルケニルハロシラン、ビニルトリエトキシシランのようなω−アルケニルアルコキシシラン、またはビニルトリアセトキシシランのようなω−アルケニルアシルオキシシランを、α−オレフィンモノマーと共重合して、ハロシリル側鎖またはアルコキシシリル側鎖を含むコポリマーを製造することを含む。ω−アルケニルハロシランを使用するとき、このコポリマーをアルキルアルコールと反応させて、ハロシラン基をアルコキシシランに変換することができる。
あるいは、チーグラー・ナッタ触媒を使用して、α−オレフィンモノマーを、非共役の線状、モノ−、またはポリ環状ジエンモノマーと共重合させて、ペンダントおよび/または末端エチレン的不飽和を含む中間体コポリマーを製造することにより、反応性シラン官能ポリオレフィンを調製することができる。次いで、プラチナヒドロシリル化触媒を使用して、これらのペンダントおよび/または末端不飽和基をモノ−、ジ−およびトリ−アルコキシシランまたはアシルオキシシランと反応させ、反応性シラン官能ポリオレフィンを提供することができる。熱開始剤または光開始剤の存在下で、メルカプトプロピルトリエトキシシランのようなメルカプトアルキルアルコキシシランを中間体ポリオレフィンに加えることによって、このようなエチレン的官能ポリオレフィンを、反応性シラン基で官能化することもできる。
上述の調製に一般に使用されるα−オレフィンは、2〜14個の炭素原子を有する。代表的な例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキサン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−テトラデセン、分枝オレフィン類、たとえば、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンおよび3−エチル−1−ペンテン、環状オレフィン類、たとえば、シクロペンテン、シクロヘキサン、3−メチルシクロペンテン、4−n−ブチルシクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(ボルニレン)ビシクロ[3.2.0]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[3.2.0]ヘプト−6−エン、ビシクロ[2.2.0]オクト−2−エン、およびトリシクロ[3.2.2]ノン−6−エン、および芳香族オレフィン、たとえば、アリルベンゼン、1H−インデン、3−メチル−H−インデン、およびスチレンなどがある。
使用されるジエン類は、5〜14個の炭素原子を有するものである。代表的な例としては、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,13−テトラデカジエン、1,19−エイコサジエン等々、環状ジエン類、たとえば、1,4−シクロヘキサジエン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、ビシクロ[2.2.2]オクト−2,5−ジエン、4−ビニルシクロヘキス−1−エン、ビシクロ[2.2.2]オクト−2,6−ジエン、1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,5−ジエン、ジシクロペンタジエン、5−アリルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1,5−シクロオクタジエンおよび芳香族ジエン、たとえば、1,4−ジアリルベンゼン、4−アリル−1H−インデン等々がある。
米国特許第5,227,442号、第5,296,561号および第5,397,648号に従って反応性シラン官能ポリオレフィンを調合して、感圧接着剤を提供することができる。
反応性シラン官能ポリエーテル類
水素化ナトリウムの存在下で、ポリオキシアルキレングリコール類またはポリオール類を臭化アリルと反応させて、線状または分枝状の、フッ素化したまたは炭化水素、アリル末端ポリエーテル類を形成することによって、反応性シラン官能ポリエーテルを調製することができる。このポリエーテルを、プラチナ触媒の存在下で、アルコキシシラン類(たとえば、トリエトキシシラン類、ジエトキシメチルシラン類、メチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン類、およびエトキシジメチルシラン類)を用いて、さらにヒドロシリル化して、アルコキシシラン末端ポリエーテル類を生成する。このようなシラン−修飾ポリエーテル類の調製方法は、米国特許第3,971,751号、第4,444,974号、および第4,507,469号に記載されている。
好ましい反応性シラン官能ポリエーテルは、分子量が約7500〜8500のメチルジメトキシシラン−官能ポリプロピレンオキシドであり、Union Carbide Chemicals and Plastics Co.(S.Charleston. WV)およびKanegafuchiから、それぞれSILMODおよびKANEKA MS POLYMERの商品名で市販されている。これらは入手しやすい上に、そのポリプロピレンオキシド主鎖によって提供される比較的低い粘度および高い可撓性および耐水性のため、これらのシラン官能ポリエーテルは好ましい。
本発明に従って、反応性シラン官能フッ素化ポリエーテルを硬化させることも可能である。これらの反応性シラン化合物のフッ素化ポリエーテル部分は、1〜6個の炭素原子を有するペルフルオロアルキレンオキシド基を含むか、またはこのような基の組み合わせを有するペルフルオロエーテル部分である。1つ以上のアミド−結合を有する反応性シラン官能フッ素化ポリエーテルは、好ましくは、エステル−、アシル−、または酸末端ポリ(ペルフルオロアルキレンオキシド)プレポリマーを、アミノアルキルまたはアミノアリールアルコキシシラン反応物と配合することによって、調製することができる。このような線状アミド−連結した反応性シラン官能フッ素化ポリエーテルは、米国特許第4,094,911号に記載の通りに調製することができる。同様に、ウレタン−連結したヒドロキシ−官能ポリ(ペルフルオロアルキレンオキシド)プレポリマーを、イソシアナート末端反応性シラン、たとえば、イソシアナトプロピルトリエトキシシランと反応させることが可能である。同様に、アリルオキシ末端ポリ(ペルフルオロアルキレンオキシド)プレポリマーをヒドロシリル化して反応性シラン官能フッ素化ポリエーテル類を生成することができる。
本発明の方法に従って硬化させるとき、これらのポリエーテル類を接着剤、剥離塗料、保護用塗料、およびシーラント配合物に使用することができる。
反応性シラン官能ポリウレタン類
イソシアナート末端ポリウレタンプレポリマーを活性な水素官能反応性シランモノマーと反応させることにより、反応性シラン官能ポリウレタンを一般的な方法で調製することができる。当技術分野で周知の通り、本発明に有用なイソシアナート末端ポリウレタンプレポリマーは、1モル過剰の有機ポリイソシアナートを1種または複数のポリオールと反応させることによって調製される。ウレタンポリマー化学およびテクノロジーの概要は、たとえば、Polyurethanes: Chemistry and Technology, Saunders and Frisch, Interscience Publishers(New York, 1963(PartI)and 1964(PartII))に見られる。
脂肪族、脂環式、araliphaticまたは芳香族のいずれかの、任意の適当な有機ポリイソシアナートを、単独または2つ以上の組合せのいずれで使用してもよい。芳香族イソシアナートまたは脂肪族イソシアナートのいずれも適当であり、一般に、脂肪族イソシアナートは、芳香族化合物よりも柔軟なポリマーおよび良好な光安定性を有する塗料を与える。芳香族化合物は、より経済的であり、且つ一般に有用である。な。結果として生じるポリマーの特性が測定できるほど変化することなく、2個を超えるイソシアナート基を分子中に含むイソシアナートを含めることができ、ジイソシアナート類が好ましい。適当な有機ポリイソシアナートとしては、m−フェニレンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、m−テトラメチルキシレンジイソシアナート、p−テトラメチルキシレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアナート、ベンジジンジイソシアナート、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、および他のアルキレンジイソシアナート類、4,4',4"−トリフェニルメタントリイソシアナート、デカメチレンジイソシアナート、約4個までの芳香族環を含むアニリン/ホルムアルデヒド縮合生成物のホスゲン化によって生成するポリフェニルメチレンポリイソシアナート類、ジアニシジンジアニシジンジイソシアナート、キシレンジイソシアナート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)シクロヘキス−4−エン−1,2−ジカルボキシレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートなどがあり、当技術分野で周知の他の有機ポリイソシアナートでもよい。
本発明に有用なイソシアナート末端ポリウレタンプレポリマーを製造する際に、1種または複数のポリヒドロキシ化合物またはポリオールを、有機ポリイソシアナートとの反応に使用してもよい。具体例としてのポリヒドロキシ化合物には、下記のクラスの化合物が含まれる:
a.ラクトンポリオール類およびそれらのアルキレンオキシド付加物質、
b.ポリエステルポリオール類およびそれらのアルキレンオキシド付加物質、
c.ポリオキシアルキレンポリオール類、ポリオキシシクロアルキレンポリオール類、およびそれらのアルキレンオキシド付加物質、および
d.ポリテトラメチレングリコール類。
「ラクトンポリオール類」は、ラクトン、たとえば、ε−カプロラクトンまたはε−カプロラクトンの混合物およびアルキレンオキシドを、ポリ官能開始剤、たとえば、多価アルコール開始剤と反応させることによって、調製される。用語「ラクトンポリオール類」は、様々な「コポリマー」、たとえば、ラクトンコポリエステル類、ラクトンポリエステル/ポリカーボネート類、ラクトンポリエステル/ポリエーテル類、ラクトンポリエステル/ポリエーテル/ポリカーボネート等々も含む。
用語「アルキレンオキシド」は、たとえば、エチレンオキシド、1,2−エポキシプロパン、1,2−エポキシブタン、2,3−エポキシブタン、イソブチレンオキシド、エピクロロヒドリン等々およびそれらの混合物を含む。
「ポリエステルポリオール類」は、液体から非架橋固体、すなわち、ごく普通の、通常は液体の不活性な有機媒体の多くに溶解する固体までの範囲のエステル化生成物であり、ポリカルボン酸、それらの無水物、それらのエステル類またはそれらのハロゲン化物と、化学量論的に過剰なポリオールとの反応によって調製される。ポリエステルポリオール類の調製に使用することができるポリカルボン酸は、好ましくは、ジカルボン酸類およびトリトリカルボン酸類、たとえば、マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ゼライン酸、セバシン酸、クロレンド酸、1,2,4−ブタン−トリカルボン酸、フタル酸、等々を含むが、エステル化反応は当技術分野で周知である。
「ポリオキシアルキレンポリオール類」としては、アルキレンオキシド付加物質、たとえば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,1,1−トリメメチロールエタンまたはプロパン、ペンタエリトリトール等々がある。アルキレンオキシド類は、通常、2〜4個の炭素原子を有するポリオキシアルキレンポリオールの製造に使用される。エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびプロピレンオキシドとエチレンオキシドとの混合物が好ましい。このようなポリアルキレンポリオール類は、当技術分野で周知である。
他の有用なクラスのポリオール類は、ポリオキシテトラメチレングリコール類であり、酸性触媒の存在下でテトラヒドロフランを重合することによって調製される。好ましいポリオール類は、ポリエステルジオール類およびポリオキシアルキレンジオール類である。
引張強さを改善し、且つ常温流れを低減させるために、本発明で使用するポリウレタン類の製造にトリオール類、テトラオール類、トリイソシアナート等々を使用して、ポリウレタン−ポリ尿素主鎖の少量の架橋を促進することができる。
イソシアナート末端プレポリマーを使用するとき、次に、そのプレポリマーを、イソシアナート反応性アルコキシシランまたはアセトキシシラン、たとえば、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルメチルジメトキシシラン、およびアミノプロピルメチルジエトキシシランと反応させて、反応性シラン官能ポリウレタンを形成する。あるいは、ヒドロキシ末端プレポリマー類(イソシアナート基と比較してa molar excess ofヒドロキシ基を配合することによって調製することができる。)から、またこのプレポリマー生成物をイソシアナート末端反応性シラン、たとえば、イソシアナトプロピルトリエトキシシランと反応させるることにより、反応性シラン官能ポリウレタンを提供することができる。
酸生成物質
活性化するとすぐに、酸生成物質は、組成物の硬化(すなわち、架橋)を開始し且つ促進する酸を遊離する。さらに急速な硬化を促進するために、遊離された酸のpKaは、好ましくは、約3未満、さらに好ましくは、約1未満である。活性化は、たとえば、紫外線、可視光線、電子ビームまたはマイクロ波で組成物を照射することによって遂行される。熱線を使用して酸生成物質活性化することも可能であるが、本発明の組成物は、好ましくは、これを必要とせず、その結果、熱過敏性基材に対する望ましくない損傷を避けることができる。しかし、熱活性化を使用するのであれば、マイクロ波または赤外線を熱源として使用することが好ましい。硬化機序の初期加水分解反応に必要な水分は、たとえば、基材、組成物自身、または最も一般的には、大気の湿分から得ることができる。酸生成物質は、一般に、反応性シラン官能化合物100重量部を基準にして、約0.5〜約20重量部の量で存在する。
本発明を実行する際に、本発明の要求に応じて硬化する組成物の硬化反応を阻害する恐れがあるアミンを発生する、米国特許第5,286,815号に開示されているアンモニウム塩を除き、様々な酸生成物質を使用することが可能である。したがって、本発明の酸生成物質は、アンモニウム塩を含まな。本発明に特に望ましい酸生成物は、紫外線または可視光線に曝露されるか電子ビーム照射に曝露されると、酸を放出することができるものである。たとえば、この酸生成物質は次の一般構造:
Figure 0003976350
(R3はアルキルまたはフルオロアルキル基であり、R4は水素またはアルキル基であり、R5およびR6はアルキル基(同じであっても異なってもよい)であるか、または環状構造の形成に協力する炭化水素含有基である)を有するスルホン酸エステルを含んでもよい。特に好ましいスルホン酸エステルは、R5およびR6が、それらと結合している炭素と一緒に、シクロヘキサン環を形成し、且つR4が水素であるものである。
酸生成物質は、次の構造:
Figure 0003976350
(式中、R7はフルオロアルキル基であって、好ましくは2〜7個の炭素原子を有するペルフルオロアルキル基であり、R8およびR10は、アルキル基(同じであっても異なってもよい)であるか、または環状構造の形成に協力する炭化水素含有基である)を有するカルボン酸エステルも含んでもよい。R9は、アルキル基である。特に好ましいカルボン酸エステルとしては、R8およびR9が、それらと結合している炭素原子と一緒にシクロヘキサン環を形成し、R10は低級アルキル、たとえば、メチルであり、R7はペルフルオロアルキル基、たとえば、C7F15である。一般に、スルホン酸エステルおよびカルボン酸エステルは、酸を遊離するために、加熱ステップ(50℃〜100℃)を必要とする。
オニウム塩は、活性化されたとき、強酸と強力な遊離基とを同時に生成することができるため、好ましくは、酸生成物質は、オニウム塩を含む。これらの触媒は、たとえば、保護用塗料および剥離塗料を製造するための、エポキシド、ビニルエーテル、オレフィン硬化可能基および他の陽イオン硬化可能基の連鎖重合に使用されることが知られている(たとえば、米国特許第3,981,897号および第4,069,054号、およびベルギー特許第837,782号を参照)が、唯一の酸硬化可能機としてシランを有する反応性シラン化合物の縮合における、その触媒作用での有用性はこれまで認められていない。
本発明で使用するのに適したオニウム塩は、好ましくは、次の構造:
Lw−Y+MX-
構造VIII
(式中、Lはアリール基または置換アリール基であり、wは2〜4の整数であり、Yはイオウまたはヨウ素であり、Mは、元素周期表のIII、IVまたはV族の元素であり、Xは、スルフェート、トシレート、アルキルスルホネート、フルオロアルキルスルホネート、フルオロアルキル、または過フッ素化アリール基である)を有するスルホニウム塩またはヨードニウム塩である。
有用なスルホニウムニウム塩の例としては:
トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、
トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオベンジル)ボレート、
メチルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、
メチルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、
ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、
トリトイルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
アニシルジフェニルスルホニウムヘキサヘキサフルオルアンチモネート、
4−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、
4−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、
4−クロロフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
トリス(4−フェノキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
ジ(4−エトキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、
4−アセチルフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、
4−アセチルフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、
トリス(4−チオメトキシフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
ジ(メトキシスルホニルフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、
ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムテトラフルオロボレート、
ジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、
ジ(カルボメトキシフェニル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
(4−オクチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、
トリス(ドデシルフェニル)スルホニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、
4−アセトアミドフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、
4−アセトアミドフェニルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、
ジメチルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
トリフルオロメチルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、
トリフルオロメチルジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、
フェニルメチルベンジルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、
10−メチルフェノキサチイニウムヘキサフルオロホスフェート、
5−メチルチアントレニウムヘキサフルオロホスフェート、
10−フェニル−9,9−ジメチルチオキサンテニウムヘキサフルオロホスフェート、
10−フェニル−9−オキソチオキサンテニウムキサンテニウムテトラフルオロボレート、
10−フェニル−9−オキソチオキサンテニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、
5−メチル−10−オキソチアトレニウムテトラフルオロボレート、
5−メチル−10−オキソチアトレニウムテトラキス(ペンタフルオロベンジル)ボレート、および
5−メチル−10,10−ジオキソチアトレニウムヘキサフルオロホスフェート
などがある。
有用なヨードニウム塩の例としては、ジ(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジ(ドデシルフェニル)ヨードニウムトリフラート、ジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4'−ジクロロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4'−ジブロモジフェニルヨードニウムビスルフェート、3,3'−ジニトロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4'−ジメチルジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4'−ビススクシンイミドジフェニルヨードニウムビスルフェート、3−ニトロジフェニルヨードニウムビスルフェート、4,4'−ジメトキシジフェニルヨードニウムビスルフェート、ビス
(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、米国特許第5,554,664号に開示されている(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ポレート(CH3C6H42I−(SO2CF33、米国特許第5,514,728号に開示されている(C6H52I−B(C6F54、および米国特許第5,340,898号に開示されているものなどがある。特に好ましいオニウム塩は、ジ(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートである。
一部の酸生成物質は、ある種の用途に必要と思われる導電特性を、組成物に与えることができる。たとえば、静電気支援塗布可能組成物を調製するとき、その組成物は、特定の特性(たとえば、導電性)を必要とすることがある。表Aに、ある一定の静電的支援塗布可能組成物に望ましい典型的な特性を示す。このような組成物は、たとえば、静電吹付、電気吹付、および静電気支援を用いた連続液体適用(たとえば、ロール塗布などによる)を使用して塗布するときに、有用である。
Figure 0003976350
このような組成物に有用な、特に好ましい酸生成塩としては、(4−オクチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(ドデシルフェニル)スルホニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウムテトラキス(3,5−ビス−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、および(トリルクミル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどがある。このような酸生成塩を使用するとき、それらは、静電気支援塗料に十分な導電性を提供することができる。都合がよいことに、このような塩を使用するとき、一般に、さらなる導電性増強剤は必要ではないが、これらの好ましい酸生成塩と共に使用してもよい。
一般に、紫外線を使用して、オニウム塩を活性化する。このため、熱過敏性基材を含む用途で、熱オニウム塩を都合よく使用することができる。場合に応じて、酸触媒の遊離を促進するために、増感剤にオニウム塩を補足してもよく、一般的な量は、反応性シラン官能化合物100重量部を基準にして、約0.03〜約0.1重量部である。適当な増感剤の例としては、Radiation Curing in Polymer Science and Technology、第2巻、Fouassier and Rabek編,Elsevier Science Publishers LTD, 1993の第13章に記載されているものなどがある。2−イソプロピルチオキサントンは、ジ(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートと一緒に使用するのに特に好ましい増感剤である。
湿分硬化性組成物
本発明の湿分硬化性組成物は、本来溶ける酸生成物質を、必要に応じて混合しながら、室温で反応性シラン官能化合物に溶解することによって容易に調製することができる。しかし、異なる反応性シラン官能化合物の組合せを使用することによって、特に、非ポリマー反応性シラン官能化合物を使用することによって、酸生成物質の溶解を促進することが可能である。たとえば、A基が非ポリマー、たとえば、テトラエトキシシラン、ジエトキシテトラメチルジシロキサン、オクチルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、および置換アルキル含有反応性シラン官能化合物、たとえば、フッ素化または過フッ素化アルキル含有反応性シラン官能化合物、特に過フッ素化アルキル含有トリエトキシシランまたは過フッ素化アルキル含有トリメトキシシランである構造I種を、ポリマー反応性シラン官能化合物と併用して、溶解性を高め、且つある特定の酸生成物質、たとえば、ヨードニウム塩は、硬化性組成物に溶解するのを促進することができる。以後、このような化合物を、「反応性希釈剤」と呼ぶ。このような好ましいフッ素化アルキルまたは過フッ素化アルキル含有化合物では、連結基Gは、存在するとき、アミド、尿素、ウレタン、スルホンアミド、エーテルまたはエステル結合を含むことができる。
特定の用途に合わせて物理的特性を調整するために、反応性希釈剤を組成物に加えてもよい。たとえば、メルカプト含有反応性シラン官能化合物を含むと、接着剤配合物の粘着力が高くなり、フッ素化アルキル基、シラノール末端ポリジオルガノシロキサン、およびシラノール末端オリゴジオルガノシロキサンを含むと、低表面エネルギー物質が得られ、ピレン誘導体を含むと、リン光検出器を使用したオンライン塗布量のモニタリングが容易になり、アルコキシシラン基を含むと、剥離塗料の剥離塗料特性を変化させることができる。
個々の用途に応じて、様々な他の添加物を、組成物に使用してもよい。一般に、これらの添加物としては、顔料、充填剤、粘着付与剤、可塑剤、UV−安定剤、酸化防止剤、導電性エンハンサー等々がある。
最も一般には、静電気支援塗布方法を使用するとき、1種または複数の導電性エンハンサーを本発明の組成物に加えてもよい。導電性エンハンサーは、このような方法を使用して、これらの組成物を効果的に送出するのに必要な導電性を高める。ある一定の環境では、導電性増強添加物の添加が望ましく、あるいは、必要でさえある。たとえば、ある種の酸生成物質は、静電気支援塗布に必要な導電性を提供することが可能であるが、組成物の導電性をさらに高めることが望ましいこともある。あるいは、酸生成物質は、本組成物の導電性に寄与しないこともある。その場合、通常、導電性エンハンサーが必要である。導電性エンハンサーは、導電性を増強するものによる酸生成物質の濃度を独立に調節できるため、ある種の用途では、導電性エンハンサーが望ましいことがある。
一般に、導電性増強添加物は不揮発性である(すなわち、その蒸気圧は、25℃で1kPa以下、好ましくは25℃で0.5kPa以下、さらに好ましくは25℃で0.1kPa以下である)。導電性増強添加物は、処理中のいかなる時も、最終生成物から、分解して揮発性物質を生成したり、熱抽出可能または水抽出可能にならないことが好ましい。さらに、導電性エンハンサーは、本組成物の重合を妨げてはならない。吹付塗布方法、たとえば、電気吹付または静電吹付を導電性エンハンサーを含む塗料組成物に使用するとき、導電性エンハンサーが本組成物の他の成分に溶けることも望ましい。
導電性エンハンサーの移行性は、最終生成物の特性妨げる恐れがある。したがって、選択された導電性エンハンサーは、残りの組成物と共重合することが好ましい。しかし、導電性エンハンサーが残りの組成物と共重合する必要はない。たとえば、導電性エンハンサーが少量加えられ、且つ硬化した組成物内に物理的に捕らえられる(すなわち、導電性エンハンサーが隣接した層に移動したり、蒸発したり、または加熱または水に曝露したときに抽出可能にならない)場合、導電性エンハンサーは、共重合する必要がない。
導電性エンハンサーは、比較的少量で加えられたとき、組成物の導電性を高めることが好ましい。一般に、反応性シラン官能化合物の総重量を基準にして約0.001重量%から約10重量%、好ましくは約0.001重量%から約1重量%の導電性エンハンサーを本発明の組成物に加える。
本発明に有用な導電性エンハンサーは、塩の溶解およびイオン乖離を促進するために、有機陽イオンまたは無機陽イオン、および嵩高い炭素含有非配位親有機性陰イオンを有する塩類を有機モノマー中に含む。好ましくは、この陰イオンは、少なくとも200kg/kmolの式量を有する。
導電性エンハンサーに特に有用な陽イオンとしては、Cations that are particularly the s includeアルカリ金属イオンおよび一般式:
[RnB+
(式中、少なくとも1個のRが約4〜約18個の炭素原子炭化水素を有する)を有するオニウム基などがある。好ましくは、Rは、互いに水素または約4〜約18個の炭素原子を有する炭化水素である。最も好ましくは、各Rは炭化水素である。Bは、Va族、VIa族、またはVIIa族の元素であり、nは、2〜4の整数である。
これらの陽イオンの例としては、アルキル置換アンモニウム、アルキル置換ホスホニウム、ジアリールヨードニウムおよびそのアルキル化誘導体、トリアリールスルホニウムおよびそのアルキル化誘導体等々がある。好ましいオニウム基としては、テトラオクチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラオクチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリス(ドデシルフェニル)スルホニウム、トリフェニルスルホニウム、ビス(オクチルフェニル)ヨードニウム、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウム、ジフェニルヨードニウム等々がある。
他のクラスの有用な陽イオンとしては、アルキル置換イミダゾリウム基およびアルキル置換ピリジニウム基などがある。これらの陽イオンの例としては、ドデシルピリジニウム陽イオンおよび(2−メチル−5−エチル)イミダゾリウム陽イオンなどがある。有用なとしては、アルキルスルホネート、シクロァルキルスルホネート、アリールスルホネート、フルオロアルキルスルホニウムイミド類、フルオロアルキルスルホニルメチド類、アリールボレート類、炭酸陰イオン、およびメタロカーボネート陰イオンなどがあるが、その限りではない。また、ホウ素カテコラートが有用な場合もある。このような有用な陰イオンは、PCT公告第WO97/35,930号に記載されており、参照により本明細書に援用する。好ましくは、陰イオンは、ハロゲン置換されており、最も好ましくは、ハロゲンはフッ素である。このようなフッ素化陰イオンは、フッ素化湿分硬化性組成物の導電性の増強に特に有用である。
したがって、本発明の静電的支援塗布可能な、要求に応じて硬化する湿分硬化性組成物は、
(a)反応性シラン官能基を担持する分子を含む化合物と、
(b)アンモニウム塩およびその導電性エンハンサーを含まない酸生成物質とを含んでもよく、反応性シラン官能基は組成物に存在する唯一の酸硬化可能基である。好ましい組成物は、電気吹付できる。
あるいは、本発明の静電的支援塗布可能な、要求に応じて硬化する湿分硬化性組成物は、
(a)反応性シラン官能基を担持する分子を含む化合物と、
(b)アンモニウム塩を含まない酸生成物質と、
(c)導電性エンハンサーと、
を含んでもよく、反応性シラン官能基は組成物に存在する唯一の酸硬化可能基である。好ましい組成物は、電気吹付できる。
その他の好ましい硬化性組成物は、
(a)Aがポリマー基である、構造Iで表される1種または複数の化合物を0〜約100重量部と、
(b)Aが非ポリマー基である、構造Iで表される1種または複数の化合物を0〜約100重量部と、
(c)(a)と(b)を加えた合計100重量部を基準にして約0.5〜約20重量部のオニウム塩と、
(d)(a)と(b)を加えた合計100重量部を基準にして約0.03〜約0.1重量部の増感剤と
を含む。
剥離材料を提供するのに特に好ましい硬化性組成物は、
(a)構造Iで表される反応性シラン官能化合物であって、Gが−CH2CH2−であり、mが6であり、pが3であり、R1が−CH2CH3であり、Aが構造IIIである、反応性シラン官能化合物を約〜約80重量部と、
(b)(a)と(b)の合計が100重量部に等しい、約20〜約80重量部のジエトキシテトラメチルジシロキサンと、
(c)(a)と(b)を加えた合計100重量部を基準にして約0.5〜約20重量部のオニウム塩と、
(d)(a)と(b)を加えた合計100重量部を基準にして約0.03〜約0.1重量部の増感剤と
を含む。
別の、剥離材料を提供するのに特に好ましい組成物は、
(a)構造Iで表される反応性シラン官能化合物であって、Gが−CH2CH2−であり、mが6であり、pが1であり、R1が−CH2CH3であり、R2が−CH3であり、Aが構造IIIである、反応性シラン官能化合物を約20〜約80重量部と、
(b)ジエトキシテトラメチルジシロキサンを約20〜約80重量部と、
(c)(a)+(b)+(c)の合計が100重量部に等しい、オクタデシルトリエトキシシランを約0.5〜約20重量部と、
(d)(a)+(b)+(c)の合計100重量部を基準にして約0.5〜約20重量部のオニウム塩と、
(e)(a)+(b)+(c)の合計100重量部を基準にして約0.03〜約0.1重量部の増感剤と
を含む。
保護用塗料を提供するのに特に好ましい硬化性組成物は、
(a)約20〜約80重量%のフッ素化遊離基的反応性アクリレートモノマーと約80〜約20重量%のシラン官能遊離基的反応性モノマーとをを含むモノマー配合物の重合によって得られる反応性シラン官能ポリフルオロアクリレート化合物を約20〜約100重量部と、
(b)(a)と(b)の合計が100重量部に等しい反応性希釈剤を約0〜約80重量部と
(c)(a)と(b)の合計100重量部を基準にして約0.5〜約20重量部のオニウム塩と、
(d)(a)と(b)の合計100重量部を基準にして約0.03〜約0.1重量部の増感剤と
を含む。
被覆された基材
酸生成物質が活性化される前は、本発明の組成物は、環境の水分に対して安定である。したがって、組成物への水分の侵入を避けるための予防措置を講じる必要なしに、任意の従来の塗装技術を使用して、本組成物を標的基材に適用することができる。有用な塗装技術としては、ブラシ、ロール、吹付、塗布、ワイヤー、グラビヤ、トランスファーロール、エアナイフ、またはドクターブレード塗装などがある。これらの塗装技術の静電気支援変形を使用することもできる。たとえば、静電吹付や電気吹付のような静電気支援吹付、および「Free-Radically Polymerizable Compositions Capable of Being Coated By Electrostatic Assistance(静電気支援によって塗布することができる遊離基重合可能な組成物)」と題するPCT公告第WO97/35,930号およびSeaverらに付与された米国特許第5,683,798号(参照により本明細書に援用する)に記載の他の静電気支援塗布方法を利用することもできる。ポリマーと反応性希釈剤との比率を調節して、必要な塗料粘度を提供することができる。一般に、反応性希釈剤を加えることによって粘度は低下し、ポリマーの量が増加すると、粘度が上昇する。加えて、またはあるいは、溶剤を加えて、粘度を調節することができる。しかし、無溶剤処理の場合、反応性希釈剤の量を選択することによって、またはポリマーの分子量を調節することによって、粘度を調節することが好ましい。
この塗料を、シート、繊維、または造形物品であってもよい任意の適当な基材に適用することができる。しかし、好ましい基材は、感圧接着剤生成物に使用されるものである。硬化を開始する前に、この組成物を、適当な可撓性または不撓性の裏材材料の少なくとも1つの主要表面に適用することができる。有用な可撓性裏材材料としては、たとえば、紙、プラスチックフィルム、たとえば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、エチルセルロース等々がある。
裏材は、不規則な表面を有する構造物、たとえば、織布、不織布、紙または粗面を有する他の物質であってもよい。このような織布は、合成材料または天然材料(たとえば、綿、ナイロン、レーヨン、ガラス、またはセラミック材料)の糸から作ることができる。このような不織布には、塗料材料が裏材材料に実質的に移動するのを防止するために、ウェブが多孔性すぎないという条件で、天然繊維、合成繊維、またはこれらの配合物の気撚ウェブが含まれる。紙は多孔性であるため、紙に染み込む塗料材料を相殺する目的で、1μmより多い大量の塗料が適用されなければ、通常、紙自身は適当ではない。塗料
しかし、グラシン紙、プラスチック塗布紙、または含浸紙は適当である。粗面を有する他の物質としては、型押し表面、型模様のある表面、および粒子含浸樹脂、たとえば、研磨粒子被覆樹脂(たとえば、エポキシ樹脂)やガラスビーズ被覆樹脂を有するものなどがある。これらの裏材の多くは、舗装マーキングテープによく使用される。さらに、さらに、適当なな裏材は、金属、金属処理ポリマーフィルム、天然ゴム、合成ゴム、またはセラミックシート材料で作られていてもよい。下塗材を使用してもよいが、必要ではない。
塗料の厚さは、様々な因子、たとえば、個々の用途、塗料配合物、および基材の性質(たとえば、その吸収性、多孔性、表面の粗さ、縮み、化学組成物など)によって異なる。一般に、多孔性基材または粗面には、さほど多孔性でない基材または平滑な他の表面よりも、厚い塗料が必要である。感圧接着剤塗料は、一般に、25μm〜250μmの厚さを有する。
本発明の要求に応じて硬化する組成物を主成分とする剥離塗料は、好ましくは0.05μm〜10の厚さを有する。このような剥離塗料を基材に塗布して、剥離ライナーを作ることができる。剥離塗料を基材の反対側に適用するとき、特異な剥離ライナー(すなわち、反対側に異なる剥離特性を有するもの)を形成することができる。たとえば、異なる化学組成物を基材の反対側に塗布することによって、特異な剥離ライナーを形成することができる。塗布方法の変形を使用して、特異な剥離ライナーを形成することもできる。たとえば、基材の片側を連続的に塗布し、反対側を不連続に塗布する。
いったん、組成物を基材に適用したら、エネルギー源によって酸生成物質を活性化し、硬化を開始し且つ促進する酸触媒を放出させる。薄いフィルム(たとえば、厚さが2ミル以下のフィルム)は、水分の浸透が容易で且つ速やかに硬化することが可能なため、好ましい。
本発明は、以下の非限定的実施例を参照することによって、さらに完全に理解されるであろう。
実施例
実施例1〜6
アルコキシシランおよびアセトキシシラン官能ポリシロキサン類の合成
オクタメチルシクロテトラシロキサン500g、トリメチルシリル末端封止ポリメチルヒドロシロキサン69.8g(重合度=40、
Figure 0003976350
から市販されている)、ヘキサメチルジシロキサン12.7g、濃硫酸0.5g、および活性炭粉末2.5gを、4リットルのプラスチック製のビンの中で、混合することによって、前駆物質メチルヒドロ−ジメチルシロキサンポリマーを調製した。このビンを密閉し、混合物を室温で3日間振塗した。次いで、この混合物を濾過して、透明な、粘稠液体を得た。濾過に続いて、未反応の低分子量不純物を除去すると、無色透明な粘稠液体を生じた。
実施例1では、この前駆物質メチルヒドロ−ジメチルシロキサンポリマー130g、ドライヘプタン100ml、キシレンに溶解したプラチナジビニルテトラメチルジシロキサン触媒の3重量%溶液50ppm、およびω−アルケニルシラン(ビニルトリエトキシシラン)48gを3口丸底フラスコに入れることによって、トリエトキシシリル官能ポリシロキサンを調製した。このフラスコを窒素でパージし、60℃の油浴中で加温した。IR分光学を使用して、反応を追った。IRが、2150/cmにおけるSi−Hピークを全く示さなかったとき(メチルヒドロ−ジメチルシロキサンポリマー上の全ての−SiH基の反応を確認して)、溶剤およびあらゆる未反応の共反応物質を減圧下で除去し、結果として生じた液体を高真空下で6時間保持した。
同様に、表1に明記されているタイプおよび量のω−アルケニルシラン類を使用して、実施例2〜6を調製した。
Figure 0003976350
実施例7〜22
湿分硬化性組成物の調製
実施例1〜6の反応性シラン官能化合物、表2に記載の反応性希釈剤、および表3に記載の酸生成物質を混合することによって、湿分硬化性塗料を調製した。これらの湿分硬化性組成物に使用したこれらの各成分のタイプおよび量を、表4に記載する。
Figure 0003976350
Figure 0003976350
Figure 0003976350
実施例7〜22の組成物を基材に塗布し、アメリカ試験および測定協会
(ASTM)試験方法D3359-87(「テープ試験による接着力の測定方法」)の方法Bの改良版に従って、基材に対する接着力を試験した。この組成物を、6番MAYERロッドを使用して、厚さ50μの下塗りしたポリエステル基材に、4〜5g/m2の塗料厚さで塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に40mJ/cm2の紫外線を照射した。剃刀の刃を使用して、硬化した塗料中に、約2mmの間隔で、長さ約20mmの切片6枚を作り、続いて、四角い相交わる格子を形成するために、同様に間隔のあいた切片を最初の切片と90°の角度で且つその中心に置いた。透明な感圧接着剤テープ(3M Co.から市販されている、810テープ)の約75mmの切片を相交わる格子に載せ、2kgのローラーを6回通過させてしっかり接触させた。このテープを試料上で約90秒間休止させた。テープを、試料から約180°の角度で急速に剥した。相交わる格子を各題して検査し、下記の等級を使用して評価した。
優秀。
優秀 切片の縁が完全に滑らかであり、四角が全く引き離されていなかった。
良好 交点で、塗料の小さい薄片が引き離されていた。影響を受けた面積は、格子の15%までであった。
並 縁に沿って、また四角の一部で、塗料が剥がれ落た。影響を受けた面積は、格子の15%〜35%であった。
劣る 切片の縁に沿って、塗料が大きいリボン状で剥がれ落ち、四角全部が引き離された。影響を受けた面積は、格子の35%〜100%であった。
酢酸エチル飽和綿およびアセトン飽和綿を先に先端につけたアプリケーターで塗料表面をこすることによって、硬化した試料の耐溶剤性および基材に対する接着力も試験した。表5に報告する通り、硬化した塗料が、アプリケーターによる30回以上の通過に耐えれば(目に見える劣化の証拠が全くない)、「優秀」という評価を適用し、10〜29回の通過および1〜9回の通過に耐えたものを、それぞれ、「良好」、「並」と評価した。
Figure 0003976350
以上の試験から、様々な硬化したアルコキシシラン官能ポリシロキサン、反応性希釈剤、および酸生成物質の混合物を、様々な比率で組み合わせて、良好ないし優秀な基材接着力および耐溶剤性が得られることがわかる。
実施例23〜31
ポリシロキサン剥離剤塗布基材の剥離試験および再接着力試験
実施例1の反応性シラン官能化合物10gとトリエトキシメチルシラン反応性希釈剤10gとを混合して溶液を形成することにより、剥離塗料を調製した。この溶液に、メチルトリエトキシシラン触媒溶液に溶解した50%ジドデシルフェニルヨードニウムヘキサフルオルアンチモネート(表3に記載の「AG1」)0.3gを加えた。この混合物を、6番MAYERロッドを使用して、4〜5g/m2の塗料厚さで、次の基材の1つに塗布した。
Figure 0003976350
FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に40mJ/cm2の紫外線を照射した。下記の試験方法を使用して、初期および熟成剥離および熟成再接着力について、この剥離剤塗布基材を試験した。
初期および熟成の剥離および再接着力試験方法
本試験では、初期および加熱熟成基間後に、剥離組成物の有効性を測定する。初期剥離値または熟成剥離値は、被験組成物を塗布した基材から、可撓性接着剤テープを、特定の角度および除去速度で剥すのに要する力の定量的測定値である。以下の実施例では、この力を、以下の可撓性接着剤テープの代表例からのニュートン/デシメートル(N/dm)で表す。
テープA−−幅1.91cmのポリプロピレン裏材上の乾燥アクリレートコポリマー感圧接着剤、
テープB−−幅1.91cmのポリプロピレン裏材上に塗布した粘着付与スチレン−イソプレンブロックコポリマー感圧接着剤、
テープC−−幅1.91cmの樹脂含浸クレープ紙裏材上に塗布した粘着付与天然ゴム。硬化した塗料を、室温且つ相対湿度50%で24時間状態調整した後、実施例で製作した、塗布された基材の2.54cm×20.32cmのストリップを(塗布側を上にして)、Instrumentors, Inc.のスリップ/剥離テスター(3M90型)のステージに両面塗布テープで貼り合せることによって、初期および熟成剥離試験を実施した。このように形成した貼合せ物の上に、感圧接着剤(PSA)を塗布した被験テープの1.91cm×15.24cmのストリップを、2kgのゴムローラーでのばした。25℃で、塗布された基材と接触した状態で、被験テープを休止させた後、初期に(すなわち、30分)、3日間休止させた後、および場合によっては、3ヶ月間休止させた後、このテープを、180°且つ剥離速度228.6cm/分で剥すのに要した力を測定した。
被験テープを25℃で7日間休止させた後、新たに剥離したテープを清浄なガラス板に接着し、228.6cm/分且つ180°剥離角度で再度剥して、上記の同じInstrumentorsスリップ/剥離テスターを使用して、通常の様式で剥離接着力を測定することにより、熟成再接着力も測定した。これらの測定値を考慮に入れて、接着力値の低下が剥離塗料による接着面の望ましくない汚染によって生じたかどうかを決定した。剥離塗料に接着しなかった対照テープ試料を清浄なガラス板から剥すのに要した力に対する、熟成試料を清浄なガラス板から剥すのに要した力のパーセントとして、再接着力を報告する。表7に、これらの剥離試験および再接着試験(Readh)の結果を示す。
Figure 0003976350
以上の結果から、様々な基材および一般的な感圧接着剤を使用した、優れた性能および硬化の完全性の達成における、これらの剥離塗料の有効性がわかる。
実施例32〜43
ポリシロキサン剥離剤塗布基材の剥離試験および再接着試験
実施例1の反応性シラン官能化合物10gとトリエトキシオクチルシラン反応性希釈剤10gを混合して溶液を生成することにより、剥離塗料を調製した。この溶液に、「AG1」酸生成物質(既述の通り)0.4gを加えた。次いで、この溶液を、6番MAYERロッドを使用して、表8に記載の厚さで、「紙」または「PC紙」(既述の通り)または厚さ50μのポリエチレンテレフタレートフィルム(「PET」)基材に塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に40mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで、実施例23〜31の試験方法を使用して、剥離剤塗布基材の初期剥離力、熟成剥離力および熟成再接着力を試験した。表8に、これらの試験結果および試験条件を示す。
Figure 0003976350
以上の結果から、硬化した本発明の混合物の使用は、様々な基材上に塗布したとき、ある範囲の感圧接着剤に適した有効な剥離塗料であることがわかる。
実施例44〜46
ポリシロキサン剥離剤塗布基材の剥離試験および再接着試験
実施例1の反応性シラン官能化合物50重量部と、ジエトキシテトラメチルジシロキサン反応性希釈剤50重量部とを混合して溶液を生成し、この溶液に「AG1」酸生成物質(既述の通り)3重量部を加えることによって、剥離材料を調製した。次いで、この溶液を、6番MAYERロッドを使用して、5g/m2の厚さで、厚さ50μのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)基材に塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に40mJ/cm2の紫外線を照射した。実施例23〜31の試験方法を使用して、剥離剤塗布基材の初期剥離力、熟成剥離力、および熟成再接着力を、25℃で7日間、25℃で3日間、または70℃で3日間、試験した。表9に、これらの試験結果を示す。
Figure 0003976350
実施例47〜49
ポリシロキサン剥離剤塗布基材の剥離試験および再接着試験
ビニル末端ポリジメチルシロキサン(Mw=700、Gelest Co.から市販されている)77g、トリエトキシシラン40g、ヘプタン250ml、および50ppmのPt触媒(キシレンに溶解した3%プラチナ−ジビニルテトラメチルシロキサン錯体、
Figure 0003976350
から市販されている)を、窒素でパージした1リットル入り3口フラスコ内で混合することにより、ビス−トリエトキシシリル末端ポリジメチルシロキサン前駆物質を調製した。この混合物を70℃に加熱し、16時間加熱した。過剰のシランおよび溶剤を真空で除去し除去して、無色透明の生成物110gを生じた。
ビス−トリエトキシシリル末端ポリジメチルシロキサン50重量部と、分子量が610のヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン50重量部とを混合して、溶液を生成することにより、剥離塗料を調製した。この溶液に、「AG1」酸生成物質(既述の通り)3重量部を加えた。次いで、この溶液を、6番MAYERを使用して、5g/m2の厚さで、厚さ50μのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)基材上に塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に40mJ/cm2の紫外線を照射した。実施例23〜31の試験方法を使用して、剥離剤塗布基材の初期剥離力、熟成剥離力、および熟成再接着力を、25℃で7日間、25℃で3日間、または70℃で3日間、試験した。
表10に、これらの試験結果を示す。
Figure 0003976350
実施例50
ポリシロキサン剥離剤塗布基材の剥離試験および再接着試験
ビニル末端ポリジメチルシロキサン(Mw=4200、Gelest Co.から市販されている)200g、メルカプトプロピルトリエトキシシラン19.6g、酢酸エチル156ml、およびVAZO64(DuPont Co.から市販されているアゾ−ビス(イソブチロニトリル)開始剤)2gを、窒素でパージした1リットル入り3口フラスフラスコ内で混合することにより、トリエトキシシリルチオエーテル末端基を有するポリジメチルシロキサン前駆物質を調製した。この混合物を60℃に加熱し、22時間攪拌した。過剰のシランおよび溶剤を真空で除去して、無色の粘性生成物219gを生じた。
このビス−トリエトキシシリル末端ポリジメチルシロキサン生成物90部と、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン希釈剤とを混合して溶液を生成することにより、剥離塗料を調製した。この溶液に、「AG1」酸生成物質(既述の通り)3重量部を加えた。次いで、この溶液を、6番MAYERロッドを使用して、5g/m2の厚さで、厚さ50μのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)基材に塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に40mJ/cm2の紫外線を照射した。実施例23〜31の試験方法を使用して、剥離剤塗布基材の初期剥離力、熟成剥離力、および熟成再接着力を、25℃で7日間、25℃で3日間、または70℃で3日間、試験した。表11に、これらの試験結果を示す。
Figure 0003976350
実施例51および52
フッ素化ポリエーテル剥離塗料の調製および剥離試験
使用された従来の触媒を本発明の酸生成物質置き換えたこと以外は米国特許第5,306,758号(Pellerite)に従って、フッ素化ポリエーテル剥離塗料を調製した。このフッ素化ポリエーテルを、次式
(CH3CH2O)3−Si(CH23−NHC(O)CF2O(CF2O)m(CF2CF2O)n−CF2C(O)NH(CH23Si−(OCH2CH33
(式中、mは約13であり、nは約15である)のポリフルオロポリエーテルビス(トリエトキシシラン)1gと、エチルペルフルオロブチルエーテル溶剤3gに溶解したKRYTOX1514(DuPont Co.から市販されているポリフルオロポリエーテル流体)0.35gを混合することによって調製した。この溶液に、「AG1」酸生成物質0.03gを加えた。次いで、この溶液を、6番MAYERロッドを使用して、<1g/m2の厚さで、厚さ50μのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)基材に塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に40mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで、2種類のシリコーン感圧接着剤(実施例51−DC−280A、Dow Corninから市販されている、キシレンでシリコーン固形物含有量55重量%に希釈した、ポリジメチルシロキサンゴムおよび樹脂分散液、および実施例52−GE−595、General Electric Co.から市販されている、キシレンでシリコーン固形物含有量55重量%に希釈した、ポリジメチルシロキサンゴムおよび樹脂分散液)に対する、この剥離剤塗布基材の熟成剥離力および熟成再接着を、下記の湿潤流延接着剤剥離試験方法を使用して試験した。
2重量%のベンゾイルペルオキシド開始剤と混合したシリコーン接着剤の50重量%溶液を、250μの湿潤フィルム厚さで、硬化したフルオロポリマー剥離塗料上にナイフ塗布した。この塗料を70℃で1分間乾燥し、次いで、170℃で2分間硬化させた。接着剤層の露出面を、厚さ50μのポリエステルフィルムに貼り合わせた。この貼合せ物から幅2.5cmのストリップを切り取り、実施例23〜31の試験方法で、25℃および70℃で3日後に、2.3m/分の剥離速度で剥離力を測定した。上述の通りに、25℃および70℃で3日間休止した後、再接着力も測定した。表12に、これらの試験結果を示す。
Figure 0003976350
実施例53〜56
フッ素化ポリエーテル剥離塗料の調製および剥離試験
KRYTOX1514ポリフルオロポリエーテル流体を使用しなかったこと以外は、実施例51〜52の方法に従って、フッ素化ポリエーテル剥離塗料を調製し、塗布し、硬化させた。次いで、実施例23〜31の試験方法を使用して、初期、25℃で3日間、および70℃で3日間、剥離剤塗布基材の初期剥離力、熟成剥離力および再接着力を試験した。表13に、これらの試験結果を示す。
Figure 0003976350
実施例51〜52の湿潤流延接着剤剥離試験方法を以下のように変形して、剥離塗料も試験した。
米国特許第Re. 24,906号の実施例5に記載されている、イソオクチルアクリレート(95.5重量%)−アクリル酸(4.5重量%)コポリマーを含む感圧接着剤組成物のヘプタン−メチルエチルケトン溶液を、硬化したフルオロエーテル剥離塗料上にナイフ塗布した。この塗料を70℃で15分間乾燥させた。接着剤層の露出面を、厚さ50μのポリエステルフィルムに貼り合わせた。この貼合せ物から幅2.5cmのストリップを切り取り、実施例23〜31の試験方法で、25℃および70℃で3日後に、2.3m/分の剥離速度で剥離力を測定した。上述の通りに、25℃および70℃で3日間休止した後、再接着力も測定した。表14に、これらの試験結果を示す。
Figure 0003976350
実施例57および58
高級アルキル剥離塗料の調製および剥離試験
オクタデシルトリエトキシシラン1g、ビストリエトキシシリルヘキサン0.2g、および「AG1」酸生成物質0.05gを混合することによって、高級アルキレン剥離塗料を調製した。次いで、この溶液を、6番MAYERロッドを使用して、5g/m2の厚さで、厚さ50μのPET基材に塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に40mJ/cm2の紫外線を照射した。実施例23〜31の試験方法を使用して、剥離剤塗布基材の熟成剥離力および熟成再接着力を、25℃で1日間、25℃で14日間、試験した。表15に、これらの試験結果を示す。
Figure 0003976350
実施例59〜65
反応性シラン官能フルオロアクリレートコポリマーの合成
実施例59〜65に、反応性シラン官能フルオロアクリレートコポリマーの調製を示す。コポリマーを調製するために、118mlのビンに、VAZO64(duPontから市販されている2,2'−アゾビス(イソブチリロニトリル)開始剤)100mg、酢酸エチル40g、および表16に記載のフルオロアルキル置換(メト)アクリレートコモノマーおよびシラン官能反応性モノマーを入れた。この混合物を、1リットル/分の速度で35秒間、窒素でパージし、密閉し、60℃の回転水浴中で2時間加熱した。
Figure 0003976350
実施例66〜72
フルオロケミカル保護用塗料の調製および試験
実施例59〜65の反応性シラン官能コポリマー2.9gを含む溶液と、「AG1」酸生成物質0.03gとを混合することによって、保護用塗料を調製した。この溶液を、12番MAYERロッドを使用して、厚さ50μの下塗りしたPETフィルム上に、約8μmの厚さで塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に100mJ/cm2の紫外線を照射した。硬化したフィルムは、手触りが非粘着性であった。永久洗濯マーカー、たとえば、SHARPIE永久マーカーペンを使用して印をつけたとき、印は玉のようになって、拭き取ることにより、容易に除去された。これらの硬化したフィルムでは、このような玉の形成は耐油性を示す。
実施例73〜79
フルオロケミカル保護用塗料の調製および試験
実施例59〜65の反応性シラン官能コポリマー1.0gを含む溶液、メチルトリエトキシシラン反応性希釈剤1.0gおよび「AG1」酸生成物質0.024を含む反応性希釈剤を調製し、塗布し、硬化させて、実施例66〜72の方法に従って試験した。これらのフィルムも非粘着性で、且つ撥油性であったが、たぶん低級フルオロケミカルの含有量が少ないため、実施例66〜72の塗料ほど撥油性ではなかった。
実施例80
ポリ(α−オレフィン)コポリマー感圧接着剤の調製および試験
米国特許第5,397,648号(Babuら)の実施例1の方法に従って、97:3のモル比を有する1−ヘキサン−コ−1,7−オクタジエンコポリマーを調製した。このコポリマー60gをトルエン600gに溶解し、この溶液を窒素条件下で還流した。この溶液に、トリエトキシシラン5gおよび50ppmのPt触媒を加え、反応を60℃で16時間実行した。過剰な未反応の反応物および溶剤を真空で除去した。この生成物2gをトルエンに再度溶解し、inメチルトリエトキシシラン触媒溶液に溶解した50%ジドデシルヨードニウムヘキサフルオルアンチモネート(表4に記載のAG−1)0.06gを加えた。この溶液を、下塗りしたポリエステル基材上にナイフ塗布し、70℃で15分間乾燥させて、乾燥した塗料の厚さ50μmとした。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に80mJ/cm2の紫外線を照射した。剥離接着力(特定の角度および除去速度で測定した、塗布した可撓性シート材料を試験パネルから剥すのに要する力)は、下記の剥離接着試験方法で測定したとき、12.0N/dmであった。
1.幅12.5mmの塗布シートを、少なくとも12.7linealcmしっかりと接触させて、清浄なガラス試験プレートの水平な表面に適用する。硬質ゴムローラーを使用して、ストリップを適用する。
2.塗布したストリップの自由端を、それ自身にほとんど接触するように二つ折りにすると、剥離角が180°になる。自由端を接着力テスター秤に取り付ける。
3.ガラス試験プレートを、2.3m/分の定速で秤からプレートを遠ざけることができる引張試験機の顎に締め付ける。
4.ガラスの表面からテープが剥離したときの秤の読み(ニュートン/デシメートル)を記録する。このデータを、試験中に実測される値域の平均値として記録する。
実施例81
ポリシロキサン感圧接着剤の調製および試験
窒素で20分間パージしたバッチ反応器内で、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン4.32部と、オクタメチルシクロテトラシロキサン95.68部とを混合することにより、低分子量ポリジメチルシロキサンジアミン前駆物質を調製した。次いで、この混合物を、反応器内で150℃に加熱した。100ppmの50%水酸化セシウム水溶液をこの混合物に加え、ジシロキサンが消費されるまで、6時間加熱しつづけた。この反応混合物を90℃に冷却し、トリエチルアミンの存在下で、過剰の酢酸で中和し、高真空下で5時間加熱して残留環状シロキサンを除去した。この材料を室温まで冷却し、生成したあらゆる酢酸セシウムを除去するために濾過し、1.0N塩酸で滴定して精製した生成物の数平均分子量(Mw)を決定した(Mwは約5,000)。
低分子量前駆物質8.7部とオクタメチルテトラシロキサン91.3部とを配合することにより、同様の方法で、分子量(Mw)が61,000の高分子量ポリジメチルシロキサンジアミン前駆物質を調製した。
この高分子量ポリジメチルシロキサンジアミン59.63g、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(Silar Labsから入手可能)0.50gを、99.0g of MQResin 545(GE. Co.から市販されている、固形分60%のMQシリケート粘着付与樹脂のトルエン溶液)と丸底フラスコ内で混合し、磁気的に攪拌した。この混合物に、「AG1」8gを加えた。ナイフコターを使用して、この粘稠液体を、下塗りしたポリエステルフィルム上に、乾燥厚さ50μで塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に40mJ/cm2の紫外線を照射した。UV曝露後、速やかに粘着性のPSA塗料が得られた。実施例80に関連して記載した剥離接着力試験方法で測定したとき、このシリコーン感圧接着剤の剥離接着力は61.3N/dmであった。
実施例82
ポリエーテル感圧接着剤の調製
シラン末端封止ポリプロピレンオキシド(KanekaのSAT−30)10gとAG−10.2gとの混合物を調製した。ナイフコターを使用して、この粘稠液体を、下塗りしたポリエステルフィルム上に50μの厚さで塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に40mJ/cm2の紫外線を照射した。UV曝露後、速やかに粘着性のPSA塗料が得られた。実施例80に関連して記載した剥離接着力試験方法で測定したとき、このポリエーテル感圧接着剤の剥離接着力は16.4N/dmであった。
実施例83〜85
アルコキシシラン官能フルオロシリコーンの合成、硬化および剥離試膜
4リットル入りのプラスチック製のビンの中で、オクタメチルシクロテトラシロキサン500g、トリメチルシリル末端封止ポリメチルヒドロシロキサン(重合度=40、
Figure 0003976350
から市販されている)241g、ヘキサメチルジシロキサン17.1g、濃硫酸0.5g、および活性炭素粉末2.5gを配合することによって、34モル%のメチルヒドロ基を有し、且つ分子量=6924の前駆物質メチルヒドロ−ジメチルシロキサンポリマーを調製した。このビンを密閉し、混合物を室温で30日間振盪した。次いで、この混合物を濾過して、透明な粘稠液体を得た。濾過後、未反応の低分子量不純物を真空で除去すると、無色透明な粘稠液体が生じた。
500ml入り3口丸底フラスコに、前駆物質メチルヒドロ−ジメチルシロキサンポリマー30g、トリデカフルオルオクテン42g、ビニルジメチルエトキシシラン3.4g、およびドライヘプタン250mlを入れることにより、ジメチルエトキシシリル官能フルオロシリコーンを調製した。このフラスコを窒素でパージし、60℃の油浴中で加熱した。キシレンに溶解したプラチナジビニルテトラメチルジシロキサン触媒の3重量%溶液50ppmをフラスコに加えた。IR分光学を使用して、反応を追った。IRスペクトルが2150/cmにSi−Hピークを全く示さなかったとき(メチルヒドロ−ジメチルシロキサンポリマー上の全ての−SiH基の反応を確認して)、溶剤およびあらゆる未反応の共反応物を減圧下で除去し、結果として得られた液体を高真空下で6時間保持した。
表17に記載の通りに、ジメチルエトキシシリル官能フルオロシリコーンポリマー、反応性希釈剤、およびAG−1(既述の通り)を混合することによって、湿分硬化性フルオロシリコーン剥離塗料配合物を調製した。6番MAYERロッドを使用して、これらの溶液(ヘプタン中10重量%)を、厚さ50μのポリエステルフィルム(「PET」)基材上に、1μの乾燥厚さまで塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布した基材に25mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで、実施例23〜31の試験方法を使用して、この剥離剤塗布基材の、SCOTCH8403(3M Co.から市販されている感圧接着剤テープ)に対する初期剥離力および熟成剥離力を試験した。表17に、これらの試験結果および試験条件を示す。
Figure 0003976350
実施例86〜88
フッ素化ポリエーテル剥離塗料の調製および剥離試験
KRYTOX1514ポリフルオロポリエーテル流体を使用せず、次式のポリフルオロポリエーテルビス(メチルジエトキシシラン)を使用したこと以外は、実施例51〜52の方法に従って、フッ素化ポリエーテル剥離塗料を調製し、被覆し、硬化させた。
Figure 0003976350
(式中、mは約13であり、nは約15である)。
この剥離剤塗布基材にアクリル感圧接着剤を実施例56に記載の溶液から湿潤流延し、実施例23〜31の試験方法を使用して、初期、25℃で3日間、および70℃で3日間、初期剥離力、熟成剥離力および再接着力を試験した。米国特許第Re. 24,906号の実施例5に記載のイソオクチルアクリレート(95.5重量%)−アクリル酸(4.5重量%)コポリマーを含む感圧接着剤組成物のヘプタン−メチルエチルケトン溶液を、実施例86に使用し、同じ方法で調製した90重量%/10重量%の90/10イソオクチルアクリレート/アクリル酸感圧接着剤溶液を実施例87に使用した。表18に、これらの試験結果を示す。
実施例88では、放射線硬化性アクリレート感圧接着剤配合物を、硬化したフッ素化ポリエーテル剥離塗料上に湿潤流延した。この放射線硬化性アクリレート感圧接着剤は、下記の方法で調製した。
イソオクチルアクリレート90部、アクリル酸10部、およびIRGACURE651(Ciba-Geigy Corp.から入手可能な2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン光開始剤)0.04部の混合物を窒素大気下で不活化し、UV線下で部分的に光重合すると、約3,000cPsの粘度を有する塗布可能なシロップを生じた。このシロップに、IRGACURE651 0.1部および2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチレン−s−トリアジン0.08部をさらに混合した後、シロップを、硬化したフッ素化ポリエーテル剥離剤塗布試料上に50μmの厚さで塗布し、シロップの露出面をポリエステルフィルムで覆った。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この積層構造に、400mJ/cm2の線量の紫外線を照射し、実施例23〜31の試験方法を使用して、について試験した。表18に、これらの試験結果を示す。実施例88の初期剥離力試験、熟成剥離力試験、および再接着力試験の結果を表18に示す。
Figure 0003976350
実施例89〜90
湿分硬化性アクリレート感圧接着剤の調製および試験
実施例89および90は、硬化したとき、感圧接着剤材料として使用することができる反応性シラン官能アクリレーコポリマーの調製方法を例示する。コポリマーを調製するために、118mlのビンに、VAZO64(DuPontから市販されている2,2'−アゾビス(イソブチリロニトリル)開始剤)48mg、酢酸エチル36gおよびイソオクチルアクリレート(「IOA」)およびトリメトキシプロピルメタクリレート(A174)シラン反応性モノマーを入れた。0.5gのA174と49.5gのIOAとを混合することによって、IOAに溶解したA174の1%溶液を調製した。実施例89では、IOA 23.88gおよびIOAに溶解した1%A1740.12gを開始剤および溶剤と配合し、実施例90では、IOA12.0gおよびIOAに溶解した1%A17412.0gを配合した。この混合物を、1気圧で35秒間、窒素パージし、密閉し、55℃の回転水浴中で20時間加熱した。ナイフコターを使用して、この粘稠液体を、下塗りしたポリエステルフィルム上に50μmの乾燥厚さで塗布した。FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗布したフィルムに、80mJ/cm2の紫外線を照射した。UV曝露後、速やかに粘着性のPSA塗料が得られた。上記剥離接着力試験方法で測定したとき、このアクリレート感圧接着剤の剥離接着力は43.9N/dm(実施例89)および9.9N/dm(実施例90)であった。
実施例91〜93
電気吹付されるポリシロキサン剥離塗料の調製および剥離試験
米国特許第5,340,898号(Cavezzanら)の方法に従って、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート導電性増強性酸生成塩を調製した。この方法を使用すると、n−ブチルリチウムによるブロモペンタフルオロベンゼンのリチウム化によって、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート塩が最初に生成し、続いて、反応ofこのリチウム化した中間体が三塩化ホウ素と反応する。別の反応で、ドデシルベンゼンをヨウ化カリウムおよび硫酸で処理して、ヨードニウムビスルフェート−[(C12H25(C6H5))2I]+[HSO4-を生成した。このヨードニウムビスルフェートを、リチウムボレート塩と配合すると、90重量%の収率で、導電性粘性の赤色油として増強性酸生成塩が得られた。
上で調製した酸生成塩1.6gをトリエトキシメチルシラン(United Chemical Technologies Co.から市販されているM9050−KG)4.8gに溶解することにより、混合物を調製した。次いで、この溶液を、重合度が8の線状ポリジメチルシロキシジシラノール(Gelest Inc.から市販されている、DMS−S12)100.0gおよびビストリエトキシシリルオクタン反応性希釈剤(Gelest Inc.から市販されている、SIB1824.0)100.0gと混合した。
この混合物を、15.24m/分(50フィート/分)の速度で動いている、下塗りしていない36μmの厚さを有するポリエステルフィルム上に、下記の塗装方法を使用して電気吹付した。
この混合物約0.3リットルを、小さいガラスジャーに入れ、ポンプで(MASTERFLEXポンプドライブModel7520−25,MICROPUMP Model07002−26ポンプヘッド、両者ともCole-Palmer Instrument Co.、Chicago、ILから入手可能)吹付ヘッドに引き出した。この吹付ヘッドは、一緒に配置すると、ダイの底に沿って0.508mmの出口スロットを維持する、2つのプラスチックダイ半分で構成されていた。吹付ヘッドからワイヤーに均等に流させる圧降下を維持するために、POREX Model X−4920多孔性プラスチックシート(Porex Technologies; Fairburn, GAから市販されている)を、このスロット内に嵌め込み、1.53mmに圧縮した。このワイヤー(直径1.59mm)を、スロットヘッド2つの搾出器ロッド(それぞれ直径6.35mm)と平行な水平面に吊り下げた。この搾出器ロッドを、ワイヤーに対して水平方向に対称的に配置した。ワイヤーが配置されている水平面の位置は、スロットヘッドより0.889mm下で且つ搾出器ロッドより11.1mm下であった。搾出器ロッドの位置は、直径0.508m、幅0.61mのアースした金属塗料ドラムより0.12mm上であった。スロットヘッドは、幅0.318m(ダイおよびキャップを含めて、0.33m)であった。幅0.33mを、規定されたウェブ速度で所望の塗料高さを得るために必要な流速の計算に使用した。
コロトロン(corotron)(内径72mmのアルミニウム管およびプラス電源に取りつけられた直径60μmのワイヤーでできている、Glassman High Voltage, Inc., Whitehouse Station, NJから入手可能な型番PS/WG−10P30−DMを有する、半月形のアースした導体)を使用して、動いている、下塗りしていないポリエステルフィルムを塗料ドラム上に載せた。アースした塗料ドラムを基準にしてポリエステルフィルムを1,000Vに維持するようにコロトロンの電圧を調製した。
型番PS/WG−50N6−DMを有するマイナスの、30kVGLASSMAN電源(Glassman High Voltage, Inc.から市販されている)を吹付ヘッドワイヤーに接続した。搾出器電極を地表電位に維持した。
塗料流れが存在したとき、湿った長さ0.33mのワイヤーの上に、液体フィラメントを形成した。このフィラメントは、正に帯電したポリエステルフィルムに結びつく負に帯電した小滴の霧を作って、散乱した。ポリエステルフィルム上に、厚さ1μmの塗膜が形成された。
FUSION−H電球(この電球は、118ワット/cmの出力を有する)を備えたFusion Systems Curing Unitを使用して、この塗膜に、63mJ/cm2の紫外線を照射した。実施例22〜31に記載の試験方法を使用して、硬化した、塗布フィルムの熟成剥離力および再接着力を試験した。ある試料は、25℃で3日間熟成させ、他の試料は70℃で3日間熟成させた。
Figure 0003976350
当業者には、添付の請求の範囲に明確に定められている、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の様々な改良および変更が明白になるであろう。

Claims (10)

  1. (a)式
    Figure 0003976350
    (式中、部分Aはフルオロアルキル基、フルオロアリール基、およびポリシロキサン、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリホスファゼン、フルオロシリコーン、フッ素化ポリアクリレート、フッ素化ポリエーテル、フッ素化ポリエステルおよびそれらの誘導体および組合せからなる群から選択されるポリマーを含むポリマー基からなる群から選択されるm価の基であり;
    pは1〜3の整数であり;
    mは1以上の整数であり;
    各R1はアルキル基およびアシル基からなる群から個々に選択され;
    各R2は水素、アルキル基、アシル基およびアリール基からなる群から個々に選択され;
    Gは、存在するときには、基Aを反応性シラン官能基に連結する任意の連結部分である)
    の構造を有する反応性シラン官能基を担持する分子を含む化合物;および
    (b)紫外線、可視光線、または電子ビーム照射に曝露すると、湿分硬化性組成物を硬化することができる酸を生成する、アンモニウム塩を含まない酸生成物質;
    を含む、要求に応じて硬化する湿分硬化性組成物であって、
    前記反応性シラン官能基は、前記組成物中に存在する唯一の酸硬化可能基であり、かつ組成物の平均反応性シラン官能性は2より大きい組成物。
  2. Gが存在し、Gは酸素、アルキレン基、アリーレン基および
    Figure 0003976350
    (式中、各R1はアルキル基およびアシル基からなる群から個々に選択され;
    各R2は水素、アルキル基、アシル基およびアリール基からなる群から個々に選択され;
    qは1〜40の整数であり;
    vは0または1である)からなる群から選択される請求項1に記載の要求に応じて硬化する湿分硬化性組成物。
  3. Gが−CH2CH2−であり;
    mが6であり;
    pが1または2であり;
    1が−CH2CH3であり;
    2が−CH3であり;そして
    Aが
    Figure 0003976350
    である請求項1に記載の要求に応じて硬化する湿分硬化性組成物。
  4. Gが−CH2CH2−であり;
    mが6であり;
    pが3であり;
    1が−CH2CH3であり;
    Aが
    Figure 0003976350
    である請求項1に記載の要求に応じて硬化する湿分硬化性組成物。
  5. Aがフルオロシリコーン、フッ素化ポリアクリレート、フッ素化ポリエーテル、及びフッ素化ポリエステルからなる群から選択される請求項1に記載の要求に応じて硬化する湿分硬化性組成物。
  6. 前記酸生成物質が、式
    Lw−Y+MX
    (式中、Lは、アリール基および置換アリール基からなる群から選択され;
    wは2〜4の整数であり;
    Yは、イオウおよびヨウ素からなる群から選択され;
    Mは、元素周期表のIII族、IV族またはV族の元素であり;
    Xは、スルフェート、アリールスルホネート、アルキルスルホネート、フルオロアルキルスルホネート、フルオロアルキル、および過フッ素化アリール基からなる群から選択される)
    の構造を有するオニウム塩である請求項1に記載の要求に応じて硬化する湿分硬化性組成物。
  7. )Aがポリマー基である構造(I)で表される化合物(a)を0〜100重量部と、
    ii)()と(ii)の合計が100重量部である、Aが非ポリマー基である構造(I)で表される化合物(a)を0〜100重量部と、
    iii)()と(ii)を加えた合計100重量部を基準にして0.5〜20重量部の酸生成物質(b)としてのオニウム塩と、
    iv)()と(ii)を加えた合計100重量部を基準にして0.03〜0.1重量部の増感剤と
    を含む請求項1に記載の要求に応じて硬化する湿分硬化組成物。
  8. 前記反応性シラン官能基を担持する分子を含む化合物が、アミド、尿素、ウレタン、およびスルホンアミド基からなる群から選択される塩基性基を本質的に含まないポリマー材料を包含する、請求項1に記載の要求に応じて硬化する湿分硬化組成物。
  9. 基材;および
    請求項1に記載の要求に応じて硬化する湿分硬化組成物の層;
    を有する剥離ライナー。
  10. a’)式
    Figure 0003976350
    (式中、pは1〜3の整数であり;
    各R1は、アルキル基およびアシル基からなる群から個々に選択され;
    各R2は、水素、アルキル基、アシル基およびアリール基からなる群から個々に選択され;
    Yは、それぞれ独立に1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基、アラルキレン基またはアリーレン基である2価基であり;
    Aは、式
    Figure 0003976350
    (式中、R3はビニル基またはアルキル部分であり、xは100〜2000である)で表される)
    の構造を有する尿素連結した反応性シラン官能ポリシロキサンを20〜80重量部と、
    (b)(a’)と(c)を加えた合計100重量部を基準にして0.5〜20重量部の酸生成物質と、
    (c)(a’)と(c)の合計が100重量部である、シリケート粘着付与樹脂を80〜20重量部と
    を含む、シリコーン感圧接着剤組成物。
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