JP2002363528A - 接着用エマルジョン組成物および繊維基材とシリコーンゴム基材との接着方法 - Google Patents
接着用エマルジョン組成物および繊維基材とシリコーンゴム基材との接着方法Info
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- JP2002363528A JP2002363528A JP2001176223A JP2001176223A JP2002363528A JP 2002363528 A JP2002363528 A JP 2002363528A JP 2001176223 A JP2001176223 A JP 2001176223A JP 2001176223 A JP2001176223 A JP 2001176223A JP 2002363528 A JP2002363528 A JP 2002363528A
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- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C66/00—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
- B29C66/70—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
- B29C66/71—General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined
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- Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 布基材とシリコーンゴム基材との接着に使用
され、布基材への良好な塗布性を有し、かつ優れた接着
性の得られる接着用エマルジョン組成物を提供する。 【解決手段】 第1の接着用エマルジョン組成物は、
(A1)分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有
するシランおよび/またはその部分加水分解物100重
量部と、(B)水分散性シリカ20〜500重量部と、
(C)ウレタン樹脂エマルジョンまたはウレタン樹脂の
水分散物20〜1500重量部(固形分)、および
(D)水を含有してなる。第2のエマルジョン組成物
は、(A2)分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリロ
キシプロピル基を有するシランおよび/またはその部分
加水分解物100重量部と、(B)水分散性シリカ20
〜500重量部と、(C)ウレタン樹脂エマルジョンま
たはウレタン樹脂の水分散物20〜1500重量部(固
形分)、および(D)水を含有してなる。
され、布基材への良好な塗布性を有し、かつ優れた接着
性の得られる接着用エマルジョン組成物を提供する。 【解決手段】 第1の接着用エマルジョン組成物は、
(A1)分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有
するシランおよび/またはその部分加水分解物100重
量部と、(B)水分散性シリカ20〜500重量部と、
(C)ウレタン樹脂エマルジョンまたはウレタン樹脂の
水分散物20〜1500重量部(固形分)、および
(D)水を含有してなる。第2のエマルジョン組成物
は、(A2)分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリロ
キシプロピル基を有するシランおよび/またはその部分
加水分解物100重量部と、(B)水分散性シリカ20
〜500重量部と、(C)ウレタン樹脂エマルジョンま
たはウレタン樹脂の水分散物20〜1500重量部(固
形分)、および(D)水を含有してなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナイロンに代表さ
れる繊維の布やカーぺットのような繊維基材とシリコー
ンゴム基材との接着に使用される接着用エマルジョン組
成物と、この接着用エマルジョン組成物を用いる繊維基
材とシリコーンゴム基材との接着方法に関する。
れる繊維の布やカーぺットのような繊維基材とシリコー
ンゴム基材との接着に使用される接着用エマルジョン組
成物と、この接着用エマルジョン組成物を用いる繊維基
材とシリコーンゴム基材との接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、防水、エア抜け防止および滑
り止めなどの目的で、布基材(織布、不織布)や繊維を
植毛したカーぺットなどの繊維基材と、板状、シート状
などのゴム基材とを接着してなる複合体が知られてお
り、自動車の内装材、建築物の壁材や床材、あるいは除
塵用敷物(マット)を始めとして、各種の用途に使用さ
れている。特に、ナイロン製のカーペット材とゴムシー
トとの複合体では、繊維の起毛状態や厚さなどを変え
て、各種の形状のものを生産性よく製造することができ
るので、例えば使用後に洗浄して再使用される用途など
に、幅広く使用されている。
り止めなどの目的で、布基材(織布、不織布)や繊維を
植毛したカーぺットなどの繊維基材と、板状、シート状
などのゴム基材とを接着してなる複合体が知られてお
り、自動車の内装材、建築物の壁材や床材、あるいは除
塵用敷物(マット)を始めとして、各種の用途に使用さ
れている。特に、ナイロン製のカーペット材とゴムシー
トとの複合体では、繊維の起毛状態や厚さなどを変え
て、各種の形状のものを生産性よく製造することができ
るので、例えば使用後に洗浄して再使用される用途など
に、幅広く使用されている。
【0003】繊維基材と組み合わせて使用されるゴム基
材には、天然ゴムを始めとして、イソプレンゴム、ブタ
ジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、E
PDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)など各種
のゴムが使用されている。近年、耐熱性、耐候性、耐薬
品性、耐屈曲性などに優れることから、シリコーンゴム
の使用が検討されている。
材には、天然ゴムを始めとして、イソプレンゴム、ブタ
ジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、E
PDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)など各種
のゴムが使用されている。近年、耐熱性、耐候性、耐薬
品性、耐屈曲性などに優れることから、シリコーンゴム
の使用が検討されている。
【0004】シリコーンゴムとしては、加水分解性の架
橋剤により、室温あるいは加熱下で縮合反応により硬化
する縮合反応型のもの、白金系化合物を触媒とし、室温
あるいは加熱下で付加反応により硬化する付加反応型の
もの、および過酸化物を触媒とし加熱下でラジカル反応
により硬化する、いわゆる過酸化物硬化型のものがそれ
ぞれ知られている。特に、強度が必要とされる用途にお
いては、ゴム強度に優れていることから、過酸化物硬化
型のシリコーンゴムの使用が好ましいと考えられる。
橋剤により、室温あるいは加熱下で縮合反応により硬化
する縮合反応型のもの、白金系化合物を触媒とし、室温
あるいは加熱下で付加反応により硬化する付加反応型の
もの、および過酸化物を触媒とし加熱下でラジカル反応
により硬化する、いわゆる過酸化物硬化型のものがそれ
ぞれ知られている。特に、強度が必要とされる用途にお
いては、ゴム強度に優れていることから、過酸化物硬化
型のシリコーンゴムの使用が好ましいと考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、過酸化
物硬化型のシリコーンゴムは、他の硬化型のシリコーン
ゴムと比較して、各種の材料に対する接着性が低いとい
う欠点があった。そのため、接着により前記した繊維基
材との複合体を形成するには、接着性を改善することが
望まれていた。
物硬化型のシリコーンゴムは、他の硬化型のシリコーン
ゴムと比較して、各種の材料に対する接着性が低いとい
う欠点があった。そのため、接着により前記した繊維基
材との複合体を形成するには、接着性を改善することが
望まれていた。
【0006】また、シリコーンゴムと各種の基材との接
着性の向上を目的として、加水分解性シラン化合物を有
機溶剤に配合した各種のプライマー組成物が知られてい
る(特開昭62−73930号公報参照)が、これらの
プライマー組成物においては、加水分解性基を有する化
合物が配合され、かつ分散媒として揮発性の高い有機溶
剤が使用されているので、保管状態などによっては組成
物の安定性が十分でないという問題があった。また、安
全性や環境面から、有機溶剤を使用しないプライマー組
成物が望まれていた。
着性の向上を目的として、加水分解性シラン化合物を有
機溶剤に配合した各種のプライマー組成物が知られてい
る(特開昭62−73930号公報参照)が、これらの
プライマー組成物においては、加水分解性基を有する化
合物が配合され、かつ分散媒として揮発性の高い有機溶
剤が使用されているので、保管状態などによっては組成
物の安定性が十分でないという問題があった。また、安
全性や環境面から、有機溶剤を使用しないプライマー組
成物が望まれていた。
【0007】さらに、このようなプライマー組成物で
は、分散媒として有機溶剤が使用されているため、不織
布などに使用した場合に、繊維間への浸透が大きくなり
過ぎて、十分な接着性向上の効果が得られないことがあ
るばかりでなく、不織布の柔軟性やクッション性を低下
させてしまうことがあり、改善が望まれていた。
は、分散媒として有機溶剤が使用されているため、不織
布などに使用した場合に、繊維間への浸透が大きくなり
過ぎて、十分な接着性向上の効果が得られないことがあ
るばかりでなく、不織布の柔軟性やクッション性を低下
させてしまうことがあり、改善が望まれていた。
【0008】これらの問題に際し、無溶剤タイプのエア
ーバッグコーティング用液状シリコーンゴム組成物が提
案されている(特開平5−214295号公報、特開平
5−2592021号公報、特開平5−2571986
号公報参照)。また、接着性を向上させるための成分と
して、エポキシファンクショナルシランまたはその部分
加水分解物と、一分子中にイソシアナート基と加水分解
性基とを有するオルガノシランまたはその加水分解物を
含有する無溶剤タイプのエアーバッグ用コーティング剤
が提案されている(特開平5−2590649号公報参
照)。
ーバッグコーティング用液状シリコーンゴム組成物が提
案されている(特開平5−214295号公報、特開平
5−2592021号公報、特開平5−2571986
号公報参照)。また、接着性を向上させるための成分と
して、エポキシファンクショナルシランまたはその部分
加水分解物と、一分子中にイソシアナート基と加水分解
性基とを有するオルガノシランまたはその加水分解物を
含有する無溶剤タイプのエアーバッグ用コーティング剤
が提案されている(特開平5−2590649号公報参
照)。
【0009】これらの組成物は、コーティング剤として
の機能、例えば縫い目の保護、柔軟性、展張性等の向上
を目的としたものであるが、ナイロン繊維基材との接着
において、十分な特性を有していなかった。例えば、洗
濯やクリーニングなどが繰り返され、耐水性、耐湿性、
耐温水性が求められる用途では、温水による接着耐久性
試験において接着性が著しく低下したり、ゴムが繊維基
材から剥がれるといった不具合が生じ、その改善が望ま
れていた。
の機能、例えば縫い目の保護、柔軟性、展張性等の向上
を目的としたものであるが、ナイロン繊維基材との接着
において、十分な特性を有していなかった。例えば、洗
濯やクリーニングなどが繰り返され、耐水性、耐湿性、
耐温水性が求められる用途では、温水による接着耐久性
試験において接着性が著しく低下したり、ゴムが繊維基
材から剥がれるといった不具合が生じ、その改善が望ま
れていた。
【0010】以上のように、繊維基材とシリコーンゴム
との複合体の形成において、過酸化物硬化型のシリコー
ンゴムを使用することが望ましいと考えられるが、この
シリコーンゴムと繊維基材との接着性、特に温水条件で
の接着耐久性をさらに改善することが望まれていた。
との複合体の形成において、過酸化物硬化型のシリコー
ンゴムを使用することが望ましいと考えられるが、この
シリコーンゴムと繊維基材との接着性、特に温水条件で
の接着耐久性をさらに改善することが望まれていた。
【0011】本発明は、これらの問題を解決するために
なされたもので、布やカーぺットのような繊維基材とシ
リコーンゴム基材との接着に使用され、繊維基材への良
好な塗布性を有し、優れた接着性の得られる接着用エマ
ルジョン組成物、およびそのような接着用エマルジョン
組成物を用いた繊維基材とシリコーンゴム基材との接着
方法を提供することを目的とする。
なされたもので、布やカーぺットのような繊維基材とシ
リコーンゴム基材との接着に使用され、繊維基材への良
好な塗布性を有し、優れた接着性の得られる接着用エマ
ルジョン組成物、およびそのような接着用エマルジョン
組成物を用いた繊維基材とシリコーンゴム基材との接着
方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、分子鎖末端に少なくと
も1つのエポキシ基を有するシランおよび/またはその
部分加水分解物を使用し、これに水分散性シリカとウレ
タン樹脂エマルジョン等を配合し、水に分散させて得ら
れるエマルジョン組成物が、繊維基材とシリコーンゴム
基材との接着において優れた接着性を発揮することを見
出した。また、分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリ
ロキシプロピル基を有するシランおよび/またはその部
分加水分解物を使用し、これに水分散性シリカとウレタ
ン樹脂エマルジョン等を配合し、水に分散させて得られ
るエマルジョン組成物が、繊維基材とシリコーンゴム基
材との接着において、温水条件下でも良好な接着耐久性
を有し、さらにエマルジョン組成物の保存安定性を有す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
を達成すべく鋭意検討した結果、分子鎖末端に少なくと
も1つのエポキシ基を有するシランおよび/またはその
部分加水分解物を使用し、これに水分散性シリカとウレ
タン樹脂エマルジョン等を配合し、水に分散させて得ら
れるエマルジョン組成物が、繊維基材とシリコーンゴム
基材との接着において優れた接着性を発揮することを見
出した。また、分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリ
ロキシプロピル基を有するシランおよび/またはその部
分加水分解物を使用し、これに水分散性シリカとウレタ
ン樹脂エマルジョン等を配合し、水に分散させて得られ
るエマルジョン組成物が、繊維基材とシリコーンゴム基
材との接着において、温水条件下でも良好な接着耐久性
を有し、さらにエマルジョン組成物の保存安定性を有す
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明の第1の発明の接着用エ
マルジョン組成物は、請求項1に記載するように、(A
1)分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有する
シランおよび/またはその部分加水分解物100重量部
と、(B)水分散性シリカ20〜500重量部と、
(C)ウレタン樹脂エマルジョンまたはウレタン樹脂の
水分散物20〜1500重量部(固形分)、および
(D)水を含有してなり、繊維基材とシリコーンゴム基
材との接着に使用されることを特徴とする。
マルジョン組成物は、請求項1に記載するように、(A
1)分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有する
シランおよび/またはその部分加水分解物100重量部
と、(B)水分散性シリカ20〜500重量部と、
(C)ウレタン樹脂エマルジョンまたはウレタン樹脂の
水分散物20〜1500重量部(固形分)、および
(D)水を含有してなり、繊維基材とシリコーンゴム基
材との接着に使用されることを特徴とする。
【0014】また、第2の発明の接着用エマルジョン組
成物は、請求項3に記載するように、(A2)分子鎖末
端に少なくとも1つのメタクリロキシプロピル基を有す
るシランおよび/またはその部分加水分解物100重量
部と、(B)水分散性シリカ20〜500重量部と、
(C)ウレタン樹脂エマルジョンまたはウレタン樹脂の
水分散物20〜1500重量部(固形分)、および
(D)水を含有してなり、繊維基材とシリコーンゴム基
材との接着に使用されることを特徴とする。
成物は、請求項3に記載するように、(A2)分子鎖末
端に少なくとも1つのメタクリロキシプロピル基を有す
るシランおよび/またはその部分加水分解物100重量
部と、(B)水分散性シリカ20〜500重量部と、
(C)ウレタン樹脂エマルジョンまたはウレタン樹脂の
水分散物20〜1500重量部(固形分)、および
(D)水を含有してなり、繊維基材とシリコーンゴム基
材との接着に使用されることを特徴とする。
【0015】また、本発明の繊維基材とシリコーンゴム
基材との接着方法は、請求項8に記載するように、布基
材またはカーペット基材の少なくとも片面に、請求項1
または3記載の接着用エマルジョン組成物を塗布する工
程と、前記布基材またはカーペット基材の前記接着用エ
マルジョン組成物が塗布された面に、未硬化のシリコー
ンゴムコンパウンドからなる基材を重ねて密着させる工
程と、前記シリコーンゴムコンパウンドからなる基材を
加熱硬化させる工程とを備えたことを特徴とする。
基材との接着方法は、請求項8に記載するように、布基
材またはカーペット基材の少なくとも片面に、請求項1
または3記載の接着用エマルジョン組成物を塗布する工
程と、前記布基材またはカーペット基材の前記接着用エ
マルジョン組成物が塗布された面に、未硬化のシリコー
ンゴムコンパウンドからなる基材を重ねて密着させる工
程と、前記シリコーンゴムコンパウンドからなる基材を
加熱硬化させる工程とを備えたことを特徴とする。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。
【0017】本発明の第1の発明および第2の発明にそ
れぞれ使用される(A1)成分および(A2)成分は、い
ずれも強度と密着性を付与するために重要な成分であ
る。
れぞれ使用される(A1)成分および(A2)成分は、い
ずれも強度と密着性を付与するために重要な成分であ
る。
【0018】(A1)成分である分子鎖末端に少なくと
も1つのエポキシ基を有するシランとしては、一般式
も1つのエポキシ基を有するシランとしては、一般式
【化3】 (式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基を示し、X
は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。また、aおよび
bは、1≦a≦3、a+b=3の関係を満たす数であ
る。)で表されるエポキシ基含有アルコキシシランを使
用することができる。エポキシ基含有シランの中でも加
水分解性基を有しないものは、形成成分中に取り込まれ
ないので、強度と接着性向上を実現するうえで有用でな
い。
は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。また、aおよび
bは、1≦a≦3、a+b=3の関係を満たす数であ
る。)で表されるエポキシ基含有アルコキシシランを使
用することができる。エポキシ基含有シランの中でも加
水分解性基を有しないものは、形成成分中に取り込まれ
ないので、強度と接着性向上を実現するうえで有用でな
い。
【0019】前記一般式を有するアルコキシシランとし
ては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリプロポキシシラン、3−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルメチルジプロポキシシランなどが挙げられ
る。これらの中でも入手が容易なことから、3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシランの使用が好まし
い。
ては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルトリプロポキシシラン、3−グリシ
ドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキ
シプロピルメチルジプロポキシシランなどが挙げられ
る。これらの中でも入手が容易なことから、3−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランまたは3−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシランの使用が好まし
い。
【0020】また、これらのアルコキシシランの部分加
水分解物も使用することができる。加水分解物は、前記
したエポキシ基含有アルコキシシランの1種または2種
以上の混合物を、加水分解条件下(使用するアルコキシ
シランの種類に応じて適宜決定される)で縮合させるこ
とにより得ることができる。この加水分解物の好ましい
例としては、前記したエポキシ基含有アルコキシシラン
が加水分解され縮合された構造のシロキサンおよびポリ
シロキサンなどが挙げられる。
水分解物も使用することができる。加水分解物は、前記
したエポキシ基含有アルコキシシランの1種または2種
以上の混合物を、加水分解条件下(使用するアルコキシ
シランの種類に応じて適宜決定される)で縮合させるこ
とにより得ることができる。この加水分解物の好ましい
例としては、前記したエポキシ基含有アルコキシシラン
が加水分解され縮合された構造のシロキサンおよびポリ
シロキサンなどが挙げられる。
【0021】(A2)成分である分子鎖末端に少なくと
も1つのメタクリロキシプロピル基を有するシランとし
ては、一般式
も1つのメタクリロキシプロピル基を有するシランとし
ては、一般式
【化4】 (式中、R2は炭素数が1〜4のアルキル基を示し、Y
は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。また、cおよび
dは、1≦c≦3、c+d=3の関係を満たす数であ
る。)で表されるメタクリロキシプロピル基含有アルコ
キシシランを使用することができる。
は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。また、cおよび
dは、1≦c≦3、c+d=3の関係を満たす数であ
る。)で表されるメタクリロキシプロピル基含有アルコ
キシシランを使用することができる。
【0022】前記一般式を有するアルコキシシランとし
ては、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3-
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-
メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-
メタクリロキシプロピルメチルジプロポキシシランなど
が挙げられる。これらの中でも入手が容易なことから、
3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランまたは
3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランの
使用が好ましい。
ては、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
3-メタクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3-
メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-
メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-
メタクリロキシプロピルメチルジプロポキシシランなど
が挙げられる。これらの中でも入手が容易なことから、
3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランまたは
3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランの
使用が好ましい。
【0023】また、これらのアルコキシシランの部分加
水分解物も使用することができる。加水分解物は、前記
したメタクリロキシプロピル基含有アルコキシシランの
1種または2種以上の混合物を、加水分解条件下(使用
するアルコキシシランの種類に応じて適宜決定される)
で縮合させることにより得ることができる。この加水分
解物の好ましい例としては、前記したメタクリロキシプ
ロピル基含有アルコキシシランが加水分解され縮合され
た構造のシロキサンおよびポリシロキサンなどが挙げら
れる。
水分解物も使用することができる。加水分解物は、前記
したメタクリロキシプロピル基含有アルコキシシランの
1種または2種以上の混合物を、加水分解条件下(使用
するアルコキシシランの種類に応じて適宜決定される)
で縮合させることにより得ることができる。この加水分
解物の好ましい例としては、前記したメタクリロキシプ
ロピル基含有アルコキシシランが加水分解され縮合され
た構造のシロキサンおよびポリシロキサンなどが挙げら
れる。
【0024】本発明の第1の発明に用いられる(B)成
分の水分散性シリカとしては、煙霧質シリカ、湿式シリ
カ、焼成シリカ、コロイダルシリカなどが挙げられる。
これらのシリカの中でも、配合のし易さおよび配合後の
エマルジョンの安定性の点から、特にコロイダルシリカ
の使用が好ましい。コロイダルシリカとしては、粒径が
2〜200nmでナトリウム、アンモニウム、アルミニウ
ムなどで安定化したものを使用することができ、具体的
には、スノーテックスシリーズ(日産化学工業株式会
社、商品名)、ルドックスシリーズ(デュポン社、商品
名)、カタロイドSシリーズ(触媒化成工業株式会社、
商品名)などが例示される。
分の水分散性シリカとしては、煙霧質シリカ、湿式シリ
カ、焼成シリカ、コロイダルシリカなどが挙げられる。
これらのシリカの中でも、配合のし易さおよび配合後の
エマルジョンの安定性の点から、特にコロイダルシリカ
の使用が好ましい。コロイダルシリカとしては、粒径が
2〜200nmでナトリウム、アンモニウム、アルミニウ
ムなどで安定化したものを使用することができ、具体的
には、スノーテックスシリーズ(日産化学工業株式会
社、商品名)、ルドックスシリーズ(デュポン社、商品
名)、カタロイドSシリーズ(触媒化成工業株式会社、
商品名)などが例示される。
【0025】この水分散性シリカは、(A1)成分のエ
ポキシ基含有シランおよび/またはその部分加水分解物
100重量部に対して、20〜500重量部、より好ま
しくは100〜400重量部の割合で配合される。水分
散性シリカの配合量が20重量部未満では、繊維基材と
シリコーンゴム基材との接着性が低下して好ましくな
い。また、500重量部を越えると、硬化皮膜が硬くて
脆いものとなり、伸びおよび柔軟性が低下することか
ら、500重量部以下とすることが好ましい。さらに、
このような水分散性シリカの表面を予めシランやシロキ
サンを用いて処理することにより、エマルジョン組成物
の安定性をより良好なものにすることができる。
ポキシ基含有シランおよび/またはその部分加水分解物
100重量部に対して、20〜500重量部、より好ま
しくは100〜400重量部の割合で配合される。水分
散性シリカの配合量が20重量部未満では、繊維基材と
シリコーンゴム基材との接着性が低下して好ましくな
い。また、500重量部を越えると、硬化皮膜が硬くて
脆いものとなり、伸びおよび柔軟性が低下することか
ら、500重量部以下とすることが好ましい。さらに、
このような水分散性シリカの表面を予めシランやシロキ
サンを用いて処理することにより、エマルジョン組成物
の安定性をより良好なものにすることができる。
【0026】第2の発明に用いられる(B)成分の水分
散性シリカとしては、煙霧質シリカ、湿式シリカ、焼成
シリカ、コロイダルシリカなどが挙げられる。これらの
シリカの中でも、配合のし易さおよび配合後のエマルジ
ョンの安定性の点から、特にコロイダルシリカの使用が
好ましい。コロイダルシリカとしては、粒径が2〜20
0nmでナトリウム、アンモニウム、アルミニウムなどで
安定化したものを使用することができ、特に酸性コロイ
ダルシリカの使用が好ましい。具体的には、スノーテッ
クスOLシリーズ(日産化学工業株式会社、商品名)な
どが例示される。
散性シリカとしては、煙霧質シリカ、湿式シリカ、焼成
シリカ、コロイダルシリカなどが挙げられる。これらの
シリカの中でも、配合のし易さおよび配合後のエマルジ
ョンの安定性の点から、特にコロイダルシリカの使用が
好ましい。コロイダルシリカとしては、粒径が2〜20
0nmでナトリウム、アンモニウム、アルミニウムなどで
安定化したものを使用することができ、特に酸性コロイ
ダルシリカの使用が好ましい。具体的には、スノーテッ
クスOLシリーズ(日産化学工業株式会社、商品名)な
どが例示される。
【0027】この水分散性シリカは、(A2)成分のメ
タクリロキシプロピル基含有シランおよび/またはその
部分加水分解物100重量部に対して、20〜500重
量部、より好ましくは100〜400重量部の割合で配
合される。水分散性シリカの配合量が20重量部未満で
は、繊維基材とシリコーンゴム基材との接着性が低下し
て好ましくない。また、500重量部を越えると、硬化
皮膜が硬くて脆いものとなり、伸びおよび柔軟性が低下
することから、500重量部以下とすることが好まし
い。
タクリロキシプロピル基含有シランおよび/またはその
部分加水分解物100重量部に対して、20〜500重
量部、より好ましくは100〜400重量部の割合で配
合される。水分散性シリカの配合量が20重量部未満で
は、繊維基材とシリコーンゴム基材との接着性が低下し
て好ましくない。また、500重量部を越えると、硬化
皮膜が硬くて脆いものとなり、伸びおよび柔軟性が低下
することから、500重量部以下とすることが好まし
い。
【0028】本発明の第1の発明と第2の発明にそれぞ
れ用いられる(C)成分のウレタン樹脂エマルジョンま
たはウレタン樹脂の水分散物は、適当な乳化剤を用い乳
化重合や機械乳化により製造される。生産性や使用効率
の点から、固形分の割合が10〜70重量%の範囲のも
のが一般に使用される。具体的には、スーパーフレック
スE2000(第一工業製薬株式会社、商品名)、Ne
oRezシリーズ(Avecia社、商品名)およびD
aotanシリーズ(ソルーシア・ジャパン株式会社、
商品名)などが例示される。特に、Daotanシリー
ズの使用が好ましい。
れ用いられる(C)成分のウレタン樹脂エマルジョンま
たはウレタン樹脂の水分散物は、適当な乳化剤を用い乳
化重合や機械乳化により製造される。生産性や使用効率
の点から、固形分の割合が10〜70重量%の範囲のも
のが一般に使用される。具体的には、スーパーフレック
スE2000(第一工業製薬株式会社、商品名)、Ne
oRezシリーズ(Avecia社、商品名)およびD
aotanシリーズ(ソルーシア・ジャパン株式会社、
商品名)などが例示される。特に、Daotanシリー
ズの使用が好ましい。
【0029】このようなウレタン樹脂エマルジョンまた
はウレタン樹脂水分散物は、(A1)成分のエポキシ基
含有シランおよび/またはその部分加水分解物100重
量部に対して、固形分で20〜1500重量部、より好
ましくは100〜800重量部の割合で配合される。ま
た、(A2)成分のメタクリロキシプロピル基含有シラ
ンおよび/またはその部分加水分解物100重量部に対
しても、固形分で20〜1500重量部、より好ましく
は100〜800重量部の割合で配合される。いずれの
発明においても、20重量部未満では、繊維基材にエマ
ルジョン組成物を塗布した場合、繊維基材とシリコーン
ゴム基材との接着性が低下して好ましくない。また、硬
化皮膜の柔軟性を適切なものとするために、1500重
量部以下とすることが好ましい。
はウレタン樹脂水分散物は、(A1)成分のエポキシ基
含有シランおよび/またはその部分加水分解物100重
量部に対して、固形分で20〜1500重量部、より好
ましくは100〜800重量部の割合で配合される。ま
た、(A2)成分のメタクリロキシプロピル基含有シラ
ンおよび/またはその部分加水分解物100重量部に対
しても、固形分で20〜1500重量部、より好ましく
は100〜800重量部の割合で配合される。いずれの
発明においても、20重量部未満では、繊維基材にエマ
ルジョン組成物を塗布した場合、繊維基材とシリコーン
ゴム基材との接着性が低下して好ましくない。また、硬
化皮膜の柔軟性を適切なものとするために、1500重
量部以下とすることが好ましい。
【0030】本発明の第1の発明と第2の発明にそれぞ
れ使用される(D)成分の水は、(A1)成分であるエ
ポキシ基含有シランおよび/またはその部分加水分解物
と、(B)成分の水分散性シリカおよび(C)成分のウ
レタン樹脂エマルジョンまたは水分散物、あるいは(A
2)成分であるメタクリロキシプロピル基含有シランお
よび/またはその部分加水分解物と、(B)成分の水分
散性シリカおよび(C)成分のウレタン樹脂エマルジョ
ンまたは水分散物に対して分散媒となるものであり、水
であれば特に純度などは限定されない。水の配合量は特
に限定されず、エマルジョンに十分な安定性を与え、か
つエマルジョンを塗布条件に適した固形分濃度とする量
であれば良い。例えば、エマルジョンを各種コーターで
塗布処理する場合には、有効成分の割合が5〜50重量
%となるように調整し、またスプレイコーティングの場
合には、有効成分の割合が1〜30重量%となるように
水の配合量を調整することが好ましい。
れ使用される(D)成分の水は、(A1)成分であるエ
ポキシ基含有シランおよび/またはその部分加水分解物
と、(B)成分の水分散性シリカおよび(C)成分のウ
レタン樹脂エマルジョンまたは水分散物、あるいは(A
2)成分であるメタクリロキシプロピル基含有シランお
よび/またはその部分加水分解物と、(B)成分の水分
散性シリカおよび(C)成分のウレタン樹脂エマルジョ
ンまたは水分散物に対して分散媒となるものであり、水
であれば特に純度などは限定されない。水の配合量は特
に限定されず、エマルジョンに十分な安定性を与え、か
つエマルジョンを塗布条件に適した固形分濃度とする量
であれば良い。例えば、エマルジョンを各種コーターで
塗布処理する場合には、有効成分の割合が5〜50重量
%となるように調整し、またスプレイコーティングの場
合には、有効成分の割合が1〜30重量%となるように
水の配合量を調整することが好ましい。
【0031】本発明(第1の発明および第2の発明)の
接着用エマルジョン組成物には、(A1)成分または
(A2)成分の水への分散性の向上、エマルジョンの安
定性の付与、および基材への塗布性、接着性を向上させ
るために、各種シランカップリング剤、金属キレート、
乳化剤、増粘剤、有機樹脂や無機材料の粉末、アクリル
樹脂などの有機樹脂エマルジョン、有機または無機顔料
などを添加することができる。
接着用エマルジョン組成物には、(A1)成分または
(A2)成分の水への分散性の向上、エマルジョンの安
定性の付与、および基材への塗布性、接着性を向上させ
るために、各種シランカップリング剤、金属キレート、
乳化剤、増粘剤、有機樹脂や無機材料の粉末、アクリル
樹脂などの有機樹脂エマルジョン、有機または無機顔料
などを添加することができる。
【0032】本発明のエマルジョン組成物は、(A1)
成分の分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有す
るシランおよび/またはその部分加水分解物、あるいは
(A2)成分の分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリ
ロキシプロピル基を有するシランおよび/またはその部
分加水分解物と、(B)成分の水分散性シリカおよび
(C)成分のウレタン樹脂エマルジョンまたは水分散物
を、(D)成分の水に配合し、撹拌して分散させること
により得られる。乳化処理は、コロイドミル、ホモミキ
サー、ホモジナイザー、コンビミックス、あるいはサン
ドグラインダーなどの乳化分散装置を用いて行うことが
できる。また、ウレタン樹脂エマルジョンを製造する際
に、予め(A1)成分または(A2)成分と(B)成分の
いずれか一方、あるいは両方を添加しエマルジョン化す
ることにより得ることができる。配合は、公知のパドル
型、錨型などの撹拌翼を備えた混合撹拌機、コンビミッ
クスなどを用いて行うことができる。
成分の分子鎖末端に少なくとも1つのエポキシ基を有す
るシランおよび/またはその部分加水分解物、あるいは
(A2)成分の分子鎖末端に少なくとも1つのメタクリ
ロキシプロピル基を有するシランおよび/またはその部
分加水分解物と、(B)成分の水分散性シリカおよび
(C)成分のウレタン樹脂エマルジョンまたは水分散物
を、(D)成分の水に配合し、撹拌して分散させること
により得られる。乳化処理は、コロイドミル、ホモミキ
サー、ホモジナイザー、コンビミックス、あるいはサン
ドグラインダーなどの乳化分散装置を用いて行うことが
できる。また、ウレタン樹脂エマルジョンを製造する際
に、予め(A1)成分または(A2)成分と(B)成分の
いずれか一方、あるいは両方を添加しエマルジョン化す
ることにより得ることができる。配合は、公知のパドル
型、錨型などの撹拌翼を備えた混合撹拌機、コンビミッ
クスなどを用いて行うことができる。
【0033】本発明のエマルジョン組成物を繊維基材に
塗布する方法については、特に限定されず、刷毛塗り、
ドクターナイフ等のコーター塗布、ペイントローラー塗
布、スプレイ塗布および浸漬塗布などの公知の方法で行
うことができる。処理された繊維基材の柔軟性の点で
は、ナイフコーター塗布がより好ましい。塗布後、室温
放置あるいは加熱乾燥により硬化皮膜が形成される。
塗布する方法については、特に限定されず、刷毛塗り、
ドクターナイフ等のコーター塗布、ペイントローラー塗
布、スプレイ塗布および浸漬塗布などの公知の方法で行
うことができる。処理された繊維基材の柔軟性の点で
は、ナイフコーター塗布がより好ましい。塗布後、室温
放置あるいは加熱乾燥により硬化皮膜が形成される。
【0034】繊維基材に対するエマルジョンの裏抜けを
防止するためには、本発明のエマルジョン組成物を、1
000〜20000mPa・s、より好ましくは500
0〜10000mPa・sの粘度に増粘することが望ま
しい。塗布液の粘度が1000mPa・s より低いと、
繊維基材に浸透しすぎていわゆる裏抜けが生じ、基材全
体が硬くなり柔軟性が低下する。反対に塗布液の粘度が
20000mPa・sより高いと、均一に塗布すること
が困難となる。
防止するためには、本発明のエマルジョン組成物を、1
000〜20000mPa・s、より好ましくは500
0〜10000mPa・sの粘度に増粘することが望ま
しい。塗布液の粘度が1000mPa・s より低いと、
繊維基材に浸透しすぎていわゆる裏抜けが生じ、基材全
体が硬くなり柔軟性が低下する。反対に塗布液の粘度が
20000mPa・sより高いと、均一に塗布すること
が困難となる。
【0035】粘度調整のための増粘剤としては、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸アルキル
共重合体などを使用することができる。作業性などの点
から、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニル
ポリマーまたはアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合
体の使用が好ましい。
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸アルキル
共重合体などを使用することができる。作業性などの点
から、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニル
ポリマーまたはアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合
体の使用が好ましい。
【0036】繊維基材とシリコーンゴム基材との接着に
おいては、まず本発明の接着用エマルジョン組成物を繊
維基材に塗布した後、加熱あるいは室温に放置して乾燥
および硬化させる。ここで、接着用エマルジョン組成物
の塗布量は、エマルジョン中の固形分の付着量が、20
〜100g/m2となるように塗布することが好ましく、
より好ましくは30〜50g/m2となるように塗布す
る。塗布量が固形分で20g/m2未満では、シリコーン
ゴムとの接着性が低下する。また100g/m2を越える
と、繊維基材の柔軟性が低下するため好ましくない。
おいては、まず本発明の接着用エマルジョン組成物を繊
維基材に塗布した後、加熱あるいは室温に放置して乾燥
および硬化させる。ここで、接着用エマルジョン組成物
の塗布量は、エマルジョン中の固形分の付着量が、20
〜100g/m2となるように塗布することが好ましく、
より好ましくは30〜50g/m2となるように塗布す
る。塗布量が固形分で20g/m2未満では、シリコーン
ゴムとの接着性が低下する。また100g/m2を越える
と、繊維基材の柔軟性が低下するため好ましくない。
【0037】乾燥条件としては、室温から200℃の温
度で5〜30分間乾燥することが好ましく、特に100
〜200℃の温度で5〜20分間加熱乾燥することが望
ましい。
度で5〜30分間乾燥することが好ましく、特に100
〜200℃の温度で5〜20分間加熱乾燥することが望
ましい。
【0038】繊維基材とシリコーンゴム基材との接着複
合体は、前記したように接着用エマルジョン組成物によ
り処理された繊維基材に、シリコーンゴムシートのよう
なシリコーンゴム基材を密着させ、加圧下に加熱するこ
とにより得ることができる。ここで加熱は、2〜5kgf/
cm2の面圧下において120〜200℃の温度で2〜
30分間行うことが好ましい。
合体は、前記したように接着用エマルジョン組成物によ
り処理された繊維基材に、シリコーンゴムシートのよう
なシリコーンゴム基材を密着させ、加圧下に加熱するこ
とにより得ることができる。ここで加熱は、2〜5kgf/
cm2の面圧下において120〜200℃の温度で2〜
30分間行うことが好ましい。
【0039】シリコーンゴム基材としては、良好な接着
性が得られることから、未架橋のシリコーンゴムコンパ
ウンドのシートを用いることが望ましい。シリコーンゴ
ムコンパウンドとしては、加水分解性の架橋剤を使用
し、室温あるいは加熱下に縮合反応により硬化する縮合
反応型のものや、白金系化合物を触媒として使用し、室
温あるいは加熱下に付加反応により硬化する付加反応型
のもの、あるいは過酸化物を触媒として加熱下にラジカ
ル反応により硬化する過酸化物硬化型のもののいずれも
使用することができる。特に強度の必要とされる用途に
おいては、得られるシリコーンゴムの強度に優れること
から、過酸化物硬化型のシリコーンゴムコンパウンドの
使用が好ましい。また、過酸化物硬化型のシリコーンゴ
ムコンパウンドを使用した場合には、本発明のエマルジ
ョン組成物による接着性改善の効果が良好に見出される
という利点がある。
性が得られることから、未架橋のシリコーンゴムコンパ
ウンドのシートを用いることが望ましい。シリコーンゴ
ムコンパウンドとしては、加水分解性の架橋剤を使用
し、室温あるいは加熱下に縮合反応により硬化する縮合
反応型のものや、白金系化合物を触媒として使用し、室
温あるいは加熱下に付加反応により硬化する付加反応型
のもの、あるいは過酸化物を触媒として加熱下にラジカ
ル反応により硬化する過酸化物硬化型のもののいずれも
使用することができる。特に強度の必要とされる用途に
おいては、得られるシリコーンゴムの強度に優れること
から、過酸化物硬化型のシリコーンゴムコンパウンドの
使用が好ましい。また、過酸化物硬化型のシリコーンゴ
ムコンパウンドを使用した場合には、本発明のエマルジ
ョン組成物による接着性改善の効果が良好に見出される
という利点がある。
【0040】本発明によれば、ナイロン布やカーペット
のような繊維基材への良好な塗布性を有し、繊維基材の
特性を損なうことなく、シリコーンゴム基材との良好な
接着性と耐水耐湿性および温水条件下での接着耐久性を
有するエマルジョン組成物が得られる。特に第2の発明
においては、ポットライフが長く、より保存安定性が良
好なエマルジョン組成物が得られる。
のような繊維基材への良好な塗布性を有し、繊維基材の
特性を損なうことなく、シリコーンゴム基材との良好な
接着性と耐水耐湿性および温水条件下での接着耐久性を
有するエマルジョン組成物が得られる。特に第2の発明
においては、ポットライフが長く、より保存安定性が良
好なエマルジョン組成物が得られる。
【0041】そして、このような接着用エマルジョン組
成物を用いることで、繊維基材とシリコーンゴム基材と
の良好な接着が達成され、接着性、耐水耐湿性および温
水条件下での接着耐久性などの特性に優れた複合体が得
られる。
成物を用いることで、繊維基材とシリコーンゴム基材と
の良好な接着が達成され、接着性、耐水耐湿性および温
水条件下での接着耐久性などの特性に優れた複合体が得
られる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の記載において、「部」は全て「重
量部」を示すものとする。
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、以下の記載において、「部」は全て「重
量部」を示すものとする。
【0043】実施例1 まず、未硬化(未架橋)のシリコーン生ゴムシートを作
製した。すなわち、メチルビニルシロキシ基をシロキシ
単位として0.05モル%含むメチルビニルシリコーン
生ゴム95部と、メチルビニルシロキシ基をシロキシ単
位として8モル%含むメチルビニルシリコーン生ゴム5
部、およびシス−ポリイソプレン5部をニーダーに入
れ、全体を110℃になるまで加熱混練し、シス−ポリ
イソプレンが溶解・分散したことを確認した後、加熱を
停止し、表面処理シリカ粉であるアエロジルR−976
(日本アエロジル株式会社、商品名)50部を入れ、均
一なコンパウンドを得た。次いで、架橋剤である2,5
−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルパーオキシヘキ
サン1部を加えて、ロールにより均一に分散させた後、
8インチ2本ロールを25℃に設定して、30cm巾のガ
イドを付け、これを分出しすることにより、5mm厚の未
架橋のシリコーンゴムシートを得た。
製した。すなわち、メチルビニルシロキシ基をシロキシ
単位として0.05モル%含むメチルビニルシリコーン
生ゴム95部と、メチルビニルシロキシ基をシロキシ単
位として8モル%含むメチルビニルシリコーン生ゴム5
部、およびシス−ポリイソプレン5部をニーダーに入
れ、全体を110℃になるまで加熱混練し、シス−ポリ
イソプレンが溶解・分散したことを確認した後、加熱を
停止し、表面処理シリカ粉であるアエロジルR−976
(日本アエロジル株式会社、商品名)50部を入れ、均
一なコンパウンドを得た。次いで、架橋剤である2,5
−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルパーオキシヘキ
サン1部を加えて、ロールにより均一に分散させた後、
8インチ2本ロールを25℃に設定して、30cm巾のガ
イドを付け、これを分出しすることにより、5mm厚の未
架橋のシリコーンゴムシートを得た。
【0044】次いで、以下に示すようにして接着用エマ
ルジョン組成物を調製した。すなわち、ホモミキサーの
ガラス容器(2リットル)に、水170部を入れ、そこ
にアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体系増粘剤の
Carbopol ETD2020(日光ケミカル株式
会社、商品名)を加えて分散させ、さらに10%水酸化
ナトリウム水溶液0.6部を添加して増粘させた。そこ
にコロイダルシリカ(固形分40%)25部とウレタン
樹脂エマルジョン(ポリヒドラジドおよびカルボニル基
含有ポリウレタン・ビニル・ハイブリッドポリマー、固
形分36%)6部を仕込み、さらに3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン10部を加えてホモミキサー
で混合し、有効成分10%の接着用エマルジョン組成物
を得た。
ルジョン組成物を調製した。すなわち、ホモミキサーの
ガラス容器(2リットル)に、水170部を入れ、そこ
にアクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体系増粘剤の
Carbopol ETD2020(日光ケミカル株式
会社、商品名)を加えて分散させ、さらに10%水酸化
ナトリウム水溶液0.6部を添加して増粘させた。そこ
にコロイダルシリカ(固形分40%)25部とウレタン
樹脂エマルジョン(ポリヒドラジドおよびカルボニル基
含有ポリウレタン・ビニル・ハイブリッドポリマー、固
形分36%)6部を仕込み、さらに3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン10部を加えてホモミキサー
で混合し、有効成分10%の接着用エマルジョン組成物
を得た。
【0045】こうして得られた接着用エマルジョン組成
物の25℃における粘度を測定するとともに、このエマ
ルジョン組成物をナイロン基布に塗布量が50g/m2
になるようにローラー塗布した。このとき、ローラー塗
布時のナイロン基布に対するエマルジョン組成物の裏抜
けの有無を確認した。その後、150℃で10分間加熱
乾燥し、塗布処理されたナイロン基布を得た。
物の25℃における粘度を測定するとともに、このエマ
ルジョン組成物をナイロン基布に塗布量が50g/m2
になるようにローラー塗布した。このとき、ローラー塗
布時のナイロン基布に対するエマルジョン組成物の裏抜
けの有無を確認した。その後、150℃で10分間加熱
乾燥し、塗布処理されたナイロン基布を得た。
【0046】次いで、こうして処理されたナイロン基布
の処理面に、前述の方法で作製された未架橋のシリコー
ンゴムシートを重ね合わせ、面圧2kgf/cm2にて13
0℃の温度で10分間加圧・加熱処理を行った。こうし
て、シリコーンゴムシートの架橋を行い、ナイロン基布
とシリコーンゴムシートとの複合体を得た。
の処理面に、前述の方法で作製された未架橋のシリコー
ンゴムシートを重ね合わせ、面圧2kgf/cm2にて13
0℃の温度で10分間加圧・加熱処理を行った。こうし
て、シリコーンゴムシートの架橋を行い、ナイロン基布
とシリコーンゴムシートとの複合体を得た。
【0047】次に、得られた複合体において、ナイロン
基布とシリコーンゴムシートとの接着性を、オートグラ
フによる引き裂き試験値を測定することにより評価し
た。また、温水条件での接着耐久性を、以下に示すよう
にして調べた。すなわち、ナイロン基布とシリコーンゴ
ムシートとの複合体に対して、90℃の温水に30分間
浸漬した後90℃の温度で1時間乾燥させるサイクルを
20回繰り返した後、ナイロン基布とシリコーンゴムシ
ートとの接着性をオートグラフによる引き裂き試験値を
測定した。
基布とシリコーンゴムシートとの接着性を、オートグラ
フによる引き裂き試験値を測定することにより評価し
た。また、温水条件での接着耐久性を、以下に示すよう
にして調べた。すなわち、ナイロン基布とシリコーンゴ
ムシートとの複合体に対して、90℃の温水に30分間
浸漬した後90℃の温度で1時間乾燥させるサイクルを
20回繰り返した後、ナイロン基布とシリコーンゴムシ
ートとの接着性をオートグラフによる引き裂き試験値を
測定した。
【0048】これらの測定結果を、エマルジョン組成物
の25℃における粘度の測定値、およびローラー塗布時
のナイロン基布に対するエマルジョン組成物の裏抜けの
有無とともに、表1に示す。
の25℃における粘度の測定値、およびローラー塗布時
のナイロン基布に対するエマルジョン組成物の裏抜けの
有無とともに、表1に示す。
【0049】実施例2〜4 表1に示す各成分を同表に示す組成でホモミキサーのガ
ラス容器(2リットル)に仕込み、実施例1と同様にし
て調製し、有効成分10%の接着用エマルジョン組成物
をそれぞれ得た。また、比較例1〜9として、表1に示
す成分を同表に示す組成でガラス容器に仕込み、実施例
1〜4と同様に調製して接着用エマルジョン組成物を得
た。
ラス容器(2リットル)に仕込み、実施例1と同様にし
て調製し、有効成分10%の接着用エマルジョン組成物
をそれぞれ得た。また、比較例1〜9として、表1に示
す成分を同表に示す組成でガラス容器に仕込み、実施例
1〜4と同様に調製して接着用エマルジョン組成物を得
た。
【0050】なお、実施例3および比較例3では、コロ
イダルシリカおよびウレタン樹脂エマルジョンととも
に、アクリル樹脂エマルジョン(固形分36%)50部
を仕込んだ。また、比較例8および比較例9では、3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10部に代え
て、ビニルトリエトキシシラン10部および3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン10部をそれぞれ仕込ん
だ。
イダルシリカおよびウレタン樹脂エマルジョンととも
に、アクリル樹脂エマルジョン(固形分36%)50部
を仕込んだ。また、比較例8および比較例9では、3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10部に代え
て、ビニルトリエトキシシラン10部および3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン10部をそれぞれ仕込ん
だ。
【0051】次いで、こうして得られた接着用エマルジ
ョン組成物を、実施例1と同様にして、ナイロン基布に
塗布し加熱乾燥した後、処理されたナイロン基布の処理
面に未架橋のシリコーンゴムシートを重ね合わせて加圧
・加熱し、ナイロン基布とシリコーンゴムシートとの複
合体を得た。
ョン組成物を、実施例1と同様にして、ナイロン基布に
塗布し加熱乾燥した後、処理されたナイロン基布の処理
面に未架橋のシリコーンゴムシートを重ね合わせて加圧
・加熱し、ナイロン基布とシリコーンゴムシートとの複
合体を得た。
【0052】次に、こうして得られた複合体において、
ナイロン基布とシリコーンゴムシートとの接着性を、実
施例1と同様に温水での耐久性試験の前後で調べ評価し
た。また、実施例1と同様に、エマルジョン組成物の2
5℃における粘度を測定するとともに、塗布時のエマル
ジョン組成物の裏抜けの有無を確認した。これらの測定
結果を表1に示す。
ナイロン基布とシリコーンゴムシートとの接着性を、実
施例1と同様に温水での耐久性試験の前後で調べ評価し
た。また、実施例1と同様に、エマルジョン組成物の2
5℃における粘度を測定するとともに、塗布時のエマル
ジョン組成物の裏抜けの有無を確認した。これらの測定
結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】表1から、実施例1〜4で得られた接着用
エマルジョン組成物が、ナイロン基布とシリコーンゴム
シートとの接着性に優れているうえに、温水条件下での
接着耐久性が良好であることがわかった。また、実施例
1〜4の接着用エマルジョン組成物は、良好な塗布性を
有し、塗布時に裏抜けすることがなかった。
エマルジョン組成物が、ナイロン基布とシリコーンゴム
シートとの接着性に優れているうえに、温水条件下での
接着耐久性が良好であることがわかった。また、実施例
1〜4の接着用エマルジョン組成物は、良好な塗布性を
有し、塗布時に裏抜けすることがなかった。
【0055】実施例5 ホモミキサーのガラス容器(2リットル)に、水170
部を入れ、そこにカルボキシビニルポリマー系増粘剤
0.6部を分散させ、さらにトリエタノールアミン0.
6部を添加して増粘させた。次いでそこに、酸性コロイ
ダルシリカ(固形分40%)20部とウレタン樹脂エマ
ルジョン(ポリヒドラジドおよびカルボニル基含有ポリ
ウレタン・ビニル・ハイブリッドポリマー、固形分36
%)6部を仕込み、さらに3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン10部を加えてホモミキサーで混合
し、有効成分10%の接着用エマルジョン組成物を得
た。
部を入れ、そこにカルボキシビニルポリマー系増粘剤
0.6部を分散させ、さらにトリエタノールアミン0.
6部を添加して増粘させた。次いでそこに、酸性コロイ
ダルシリカ(固形分40%)20部とウレタン樹脂エマ
ルジョン(ポリヒドラジドおよびカルボニル基含有ポリ
ウレタン・ビニル・ハイブリッドポリマー、固形分36
%)6部を仕込み、さらに3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン10部を加えてホモミキサーで混合
し、有効成分10%の接着用エマルジョン組成物を得
た。
【0056】こうして得られたエマルジョン組成物の2
5℃における粘度を測定した。また、保存安定性の評価
として、50℃の乾燥機で2日間さらに30日間静置し
た後、25℃における粘度を測定することにより、エマ
ルジョン組成物の加促粘度を測定した。
5℃における粘度を測定した。また、保存安定性の評価
として、50℃の乾燥機で2日間さらに30日間静置し
た後、25℃における粘度を測定することにより、エマ
ルジョン組成物の加促粘度を測定した。
【0057】次いで、調製後の接着用エマルジョン組成
物、およびそのエマルジョン組成物を50℃の乾燥機で
30日間静置したものを、それぞれナイロン基布に塗布
量が50g/m2になるようにローラー塗布した後、1
50℃で10分間加熱乾燥し、塗布処理されたナイロン
基布を得た。このとき、調製直後の接着用エマルジョン
組成物について、ローラー塗布時のナイロン基布に対す
るエマルジョン組成物の裏抜けの有無を確認した。
物、およびそのエマルジョン組成物を50℃の乾燥機で
30日間静置したものを、それぞれナイロン基布に塗布
量が50g/m2になるようにローラー塗布した後、1
50℃で10分間加熱乾燥し、塗布処理されたナイロン
基布を得た。このとき、調製直後の接着用エマルジョン
組成物について、ローラー塗布時のナイロン基布に対す
るエマルジョン組成物の裏抜けの有無を確認した。
【0058】次に、こうして処理されたナイロン基布の
処理面に、前述の方法で作製された未架橋のシリコーン
ゴムシートを重ね合わせ、面圧2kgf/cm2にて130
℃の温度で10分間加圧・加熱処理を行った。こうし
て、シリコーンゴムシートの架橋を行い、ナイロン基布
とシリコーンゴムシートとの複合体を得た。
処理面に、前述の方法で作製された未架橋のシリコーン
ゴムシートを重ね合わせ、面圧2kgf/cm2にて130
℃の温度で10分間加圧・加熱処理を行った。こうし
て、シリコーンゴムシートの架橋を行い、ナイロン基布
とシリコーンゴムシートとの複合体を得た。
【0059】こうして得られた複合体において、ナイロ
ン基布とシリコーンゴムシートとの接着性を、オートグ
ラフによる引き裂き試験値を測定することにより評価し
た。また、温水条件での接着耐久性を、実施例1〜4と
同様にして調べた。すなわち、ナイロン基布とシリコー
ンゴムシートとの複合体を、90℃の温水に30分間浸
漬した後90℃の温度で1時間乾燥させるサイクルを2
0回繰り返した後、ナイロン基布とシリコーンゴムシー
トとの接着性をオートグラフによる引き裂き試験値を測
定した。これらの測定結果を、表2に示す。なお、表2
において、加促引き裂き試験値は、調製後50℃の乾燥
機で30日間静置された接着用エマルジョン組成物を用
いて接着されたナイロン基布とシリコーンゴムシートと
の複合体について、温水での耐久性試験の前後で接着性
を測定したものである。
ン基布とシリコーンゴムシートとの接着性を、オートグ
ラフによる引き裂き試験値を測定することにより評価し
た。また、温水条件での接着耐久性を、実施例1〜4と
同様にして調べた。すなわち、ナイロン基布とシリコー
ンゴムシートとの複合体を、90℃の温水に30分間浸
漬した後90℃の温度で1時間乾燥させるサイクルを2
0回繰り返した後、ナイロン基布とシリコーンゴムシー
トとの接着性をオートグラフによる引き裂き試験値を測
定した。これらの測定結果を、表2に示す。なお、表2
において、加促引き裂き試験値は、調製後50℃の乾燥
機で30日間静置された接着用エマルジョン組成物を用
いて接着されたナイロン基布とシリコーンゴムシートと
の複合体について、温水での耐久性試験の前後で接着性
を測定したものである。
【0060】実施例6、7 表1に示す各成分を同表に示す組成でホモミキサーのガ
ラス容器(2リットル)にそれぞれ仕込み、実施例5と
同様にして調製し、有効成分10%の接着用エマルジョ
ン組成物を得た。また、比較例10〜17として、表2
に示す成分を同表に示す組成でガラス容器に仕込み、実
施例5〜7と同様に調製して接着用エマルジョン組成物
を得た。
ラス容器(2リットル)にそれぞれ仕込み、実施例5と
同様にして調製し、有効成分10%の接着用エマルジョ
ン組成物を得た。また、比較例10〜17として、表2
に示す成分を同表に示す組成でガラス容器に仕込み、実
施例5〜7と同様に調製して接着用エマルジョン組成物
を得た。
【0061】なお、比較例16および17では、3−メ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン10部に代え
て、ビニルトリエトキシシラン10部および3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン10部をそれぞれ仕込ん
だ。(*提案書では、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランを配合したものが、比較例9として記載さ
れていますが、実施例との関連でこれを比較例に挙げる
のは不適当と考えて、削除しました。)
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン10部に代え
て、ビニルトリエトキシシラン10部および3−アミノ
プロピルトリエトキシシラン10部をそれぞれ仕込ん
だ。(*提案書では、3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランを配合したものが、比較例9として記載さ
れていますが、実施例との関連でこれを比較例に挙げる
のは不適当と考えて、削除しました。)
【0062】次いで、こうして得られた接着用エマルジ
ョン組成物の25℃における粘度を測定するとともに、
加促粘度を実施例5と同様にして測定した。
ョン組成物の25℃における粘度を測定するとともに、
加促粘度を実施例5と同様にして測定した。
【0063】また、調製後の接着用エマルジョン組成
物、およびそのエマルジョン組成物を50℃の乾燥機で
30日間静置したものを、実施例5と同様にして、ナイ
ロン基布に塗布し加熱乾燥した後、処理されたナイロン
基布の処理面に未架橋のシリコーンゴムシートを重ね合
わせて加圧・加熱し、ナイロン基布とシリコーンゴムシ
ートとの複合体を得た。
物、およびそのエマルジョン組成物を50℃の乾燥機で
30日間静置したものを、実施例5と同様にして、ナイ
ロン基布に塗布し加熱乾燥した後、処理されたナイロン
基布の処理面に未架橋のシリコーンゴムシートを重ね合
わせて加圧・加熱し、ナイロン基布とシリコーンゴムシ
ートとの複合体を得た。
【0064】次に、得られた複合体において、ナイロン
基布とシリコーンゴムシートとの接着性を、実施例5と
同様に温水での耐久性試験の前後で調べ評価した。ま
た、塗布時のエマルジョン組成物の裏抜けの有無を確認
した。これらの測定結果を表2に示す。
基布とシリコーンゴムシートとの接着性を、実施例5と
同様に温水での耐久性試験の前後で調べ評価した。ま
た、塗布時のエマルジョン組成物の裏抜けの有無を確認
した。これらの測定結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】表2から、実施例5〜7で得られた接着用
エマルジョン組成物が、ナイロン基布とシリコーンゴム
シートとの接着性に優れているうえに、温水条件下での
接着耐久性が良好であることがわかった。また、実施例
1〜4の接着用エマルジョン組成物は、保存安定性に優
れ、かつ良好な塗布性を有し、塗布時に裏抜けすること
がなかった。
エマルジョン組成物が、ナイロン基布とシリコーンゴム
シートとの接着性に優れているうえに、温水条件下での
接着耐久性が良好であることがわかった。また、実施例
1〜4の接着用エマルジョン組成物は、保存安定性に優
れ、かつ良好な塗布性を有し、塗布時に裏抜けすること
がなかった。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、布、カーペットなどの
繊維基材に塗布することにより、繊維基材の特性を損な
うことなく、シリコーンゴム基材との良好な接着が可能
であり、かつ耐水耐湿性および温水条件下での接着耐久
性を有する接着用エマルジョン組成物を得ることができ
る。そして、このような接着用エマルジョン組成物を用
いることで、繊維基材とシリコーンゴム基材との良好な
接着が達成され、接着性などの特性に優れた複合体が得
られる。
繊維基材に塗布することにより、繊維基材の特性を損な
うことなく、シリコーンゴム基材との良好な接着が可能
であり、かつ耐水耐湿性および温水条件下での接着耐久
性を有する接着用エマルジョン組成物を得ることができ
る。そして、このような接着用エマルジョン組成物を用
いることで、繊維基材とシリコーンゴム基材との良好な
接着が達成され、接着性などの特性に優れた複合体が得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 175/04 C09J 175/04 183/07 183/07 // B29K 19:00 B29K 19:00 (72)発明者 竹澤 好昭 東京都港区六本木六丁目2番31号 ジーイ ー東芝シリコーン株式会社内 Fターム(参考) 4F211 AA33 AA45 AD08 AD16 AD34 TA03 TC02 TC21 TD11 TH22 TN84 TQ04 4J040 EF001 EF002 EK051 EK052 FA201 FA202 FA241 FA242 GA06 GA11 GA13 HA30 HD34 JA03 JB02 KA03 KA25 LA06 MA10 MA12 MB02 NA11
Claims (8)
- 【請求項1】 (A1)分子鎖末端に少なくとも1つの
エポキシ基を有するシランおよび/またはその部分加水
分解物100重量部と、 (B)水分散性シリカ20〜500重量部と、 (C)ウレタン樹脂エマルジョンまたはウレタン樹脂の
水分散物20〜1500重量部(固形分)、および (D)水を含有してなり、 繊維基材とシリコーンゴム基材との接着に使用されるこ
とを特徴とする接着用エマルジョン組成物。 - 【請求項2】 前記(A1)成分が、次の一般式で表さ
れるエポキシ基含有シランおよび/またはその部分加水
分解物であることを特徴とする請求項1記載の接着用エ
マルジョン組成物。 【化1】 (式中、R1は炭素数が1〜4のアルキル基を示し、X
は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。また、aおよび
bは、それぞれ1≦a≦3、a+b=3の関係を満たす
数である。) - 【請求項3】 (A2)分子鎖末端に少なくとも1つの
メタクリロキシプロピル基を有するシランおよび/また
はその部分加水分解物100重量部と、 (B)水分散性シリカ20〜500重量部と、 (C)ウレタン樹脂エマルジョンまたはウレタン樹脂の
水分散物20〜1500重量部(固形分)、および (D)水を含有してなり、 繊維基材とシリコーンゴム基材との接着に使用されるこ
とを特徴とする接着用エマルジョン組成物。 - 【請求項4】 前記(A2)成分が、次の一般式で表さ
れるメタクリロキシプロピル基含有シランおよび/また
はその部分加水分解物であることを特徴とする請求項3
記載の接着用エマルジョン組成物。 【化2】 (式中、R2は炭素数が1〜4のアルキル基を示し、Y
は炭素数が1〜4のアルキル基を示す。また、cおよび
dは、それぞれ1≦c≦3、c+d=3の関係を満たす
数である。) - 【請求項5】 前記(B)水分散性シリカが、コロイダ
ルシリカであることを特徴とする請求項1乃至4のいず
れか1項記載の接着用エマルジョン組成物。 - 【請求項6】 前記(C)ウレタン樹脂エマルジョンま
たはウレタン樹脂水分散物の樹脂分が、ポリヒドラジド
類およびカルボニル基含有ポリウレタン・ビニル・ハイ
ブリッドポリマーであることを特徴とする請求項1乃至
5のいずれか1項記載の接着用エマルジョン組成物。 - 【請求項7】 さらに増粘剤が含有されており、100
0〜20000mPa・sの粘度を有することを特徴と
する請求項1乃至6のいずれか1項記載の接着用エマル
ジョン組成物。 - 【請求項8】 布基材またはカーペット基材の少なくと
も片面に、請求項1乃至7のいずれか1項記載の接着用
エマルジョン組成物を塗布する工程と、 前記布基材またはカーペット基材の前記接着用エマルジ
ョン組成物が塗布された面に、未硬化のシリコーンゴム
コンパウンドからなる基材を重ねて密着させる工程と、 前記シリコーンゴムコンパウンドからなる基材を加熱硬
化させる工程とを備えたことを特徴とする繊維基材とシ
リコーンゴム基材との接着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001176223A JP2002363528A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | 接着用エマルジョン組成物および繊維基材とシリコーンゴム基材との接着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001176223A JP2002363528A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | 接着用エマルジョン組成物および繊維基材とシリコーンゴム基材との接着方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002363528A true JP2002363528A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=19017245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001176223A Withdrawn JP2002363528A (ja) | 2001-06-11 | 2001-06-11 | 接着用エマルジョン組成物および繊維基材とシリコーンゴム基材との接着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002363528A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006070122A (ja) * | 2004-09-01 | 2006-03-16 | Shindo Seni Kogyo Kk | 多孔質シート用エマルション型シリコーン粘着剤組成物および再剥離性粘着シート |
JP2007191569A (ja) * | 2006-01-19 | 2007-08-02 | Kurashiki Kako Co Ltd | 接着剤 |
-
2001
- 2001-06-11 JP JP2001176223A patent/JP2002363528A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006070122A (ja) * | 2004-09-01 | 2006-03-16 | Shindo Seni Kogyo Kk | 多孔質シート用エマルション型シリコーン粘着剤組成物および再剥離性粘着シート |
JP4718146B2 (ja) * | 2004-09-01 | 2011-07-06 | 株式会社Shindo | 多孔質シート用エマルション型シリコーン粘着剤組成物および再剥離性粘着シート |
JP2007191569A (ja) * | 2006-01-19 | 2007-08-02 | Kurashiki Kako Co Ltd | 接着剤 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
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