JP2726363B2 - シリコーン樹脂及びこれを用いた組成物 - Google Patents

シリコーン樹脂及びこれを用いた組成物

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JP2726363B2 JP4142388A JP14238892A JP2726363B2 JP 2726363 B2 JP2726363 B2 JP 2726363B2 JP 4142388 A JP4142388 A JP 4142388A JP 14238892 A JP14238892 A JP 14238892A JP 2726363 B2 JP2726363 B2 JP 2726363B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば半導体装置な
どの製造で用いられるレジスト、エッチングマスク、絶
縁膜、モールド材料などとして使用可能な、シリコーン
樹脂とこれを用いた組成物とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコーン樹脂は種々の産業分野で使用
され良く知られている。例えば、半導体分野では、固体
素子の絶縁膜やパッシベーション膜の構成材料として、
無機のSiO2 膜の代わりに、シリコーン樹脂を使用す
ることが検討されている。シリコーン樹脂が、CVD法
などにより成膜されるSiO2 膜に比べ、ステップカバ
レージが優れる等の利点を有するからである。また、シ
リコーン樹脂を、微細加工用レジストの構成材料や酸素
プラズマエッチング時のエッチングマスクの構成材料と
して使用することも行なわれている。
【0003】絶縁膜、パッシベーション膜などとして使
用可能な従来のシリコーン樹脂として、例えば、特開昭
60−108839号公報に開示の感光性耐熱材料や特
開昭55−127023号公報に開示の紫外線硬化性樹
脂組成物があった。前者は、オルガノラダーシロキサン
と不飽和基を有する官能性シランとの縮合物、ビスシリ
ル化合物及び光増感剤から成るもので、耐熱性、ピーリ
ングテストで良好な特性を示すという。また後者は不飽
和基を有するオルガノシロキサンと有機過酸化物とから
成るもので、紫外線に感応し良好な硬化特性を示すとい
う。
【0004】また、微細加工用レジストとして使用可能
な従来のシリコーン樹脂として、例えば、特開昭61−
144639号公報に開示の放射線感応性組成物があっ
た。これは、シロキサンオリゴマ、キノンジアジド化合
物及びフェノール樹脂から成るものであり、凹凸を有す
る被加工基板上でのリソグラフィを微細かつ高精度に行
なうための多層レジストプロセスに使用し得るものであ
った。これによれば良好な2層レジストパターンが形成
できるという。
【0005】また、例えば、特開昭63−16623号
公報や特開昭63−14432号公には、ポリラダーオ
ルガノシロキサンを三層レジストの中間層として即ち下
層レジストを酸素プラズマでエッチングする際のマスク
として使用することが、提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
各シリコーン樹脂は、以下に説明するような問題点があ
った。
【0007】先ず、絶縁膜などとして使用可能なシリコ
ーン樹脂として例示した特開昭60−108839号公
報や特開昭55−127023号公報に開示のものなど
では、硬化後のポリマ−の側鎖に有機基が残存するた
め、硬化物といえど高温プロセスにおいて熱分解しガス
を発生しこれにより膜の損傷を引き起こす可能性があ
る。したがって、これらシリコーン樹脂は、耐熱性や化
学的安定性において無機のSiO2 よりも劣ることは明
らかである。
【0008】また、微細加工用レジストとして使用可能
なシリコーン樹脂として例示した特開昭61−1446
39号公報に開示のものは、シロキサンオリゴマ以外に
キノンジアジド化合物やフェノール樹脂を含んでいるた
めに必然的に珪素含有率が低下する。そのため、このシ
リコーン樹脂の皮膜の酸素プラズマ耐性は無機のSiO
2 膜に比べ劣るので、この皮膜は3層レジストプロセス
の上層及び中間層の機能を完全に併せて持つレベルのも
のではなかった。
【0009】また、特開昭63−16623号公報や特
開昭63−14432号公報に開示のように、3層レジ
ストプロセスの中間層としてポリラダーオルガノシロキ
サンの硬化膜を用いる技術では、中間層を無機のSiO
2 膜で構成する場合に比べ、プラズマ耐性の点で劣って
しまうという問題点があった。
【0010】この発明はこのような点に鑑みなされたも
のであり、従ってこの出願の第一発明の目的は塗布性を
有しかつ従来より硬化特性及び硬化後の熱的安定性に優
れるシリコーン樹脂を提供することにある。また、この
出願の第二発明の目的は第一発明のシリコーン樹脂を用
いこの樹脂をさらに有用なものとする組成物を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段、及び作用】この第一発明
の目的の達成を図るため、この出願に係る発明者は種々
の検討を重ねた。その結果、硬化工程などの処理後に次
の(4)式に示すようなSiO2ネットワークの形また
はこれに近い形に最終的に変化するシリコーン樹脂を構
成すれば良いと考えた。そのためには、式(4)の構造
のSi−Oの繰り返し単位を切り取って得られる次の
(4a)式や(4b)式に示すような前駆体が目的のシ
リコーン樹脂構成成分となり得るのではないかと考え
た。そして、特に、硬化工程などの処理後に(4)式に
示すようなSiO2 ネットワークの形またはこれに近い
形を得るという目的からすれば、(4a)式や(4b)
式に示した前駆体のSi−O鎖のSi上の基が、次の
(4c)式や(4d)式に示すように、O−Hであるこ
とが理想であると考えた。しかし、(a).本来、シラノー
ルよりもシロキサンの方が平衡論的に生成し易いので、
シロキサンに起因するゲル化を生じさせずに(4c)式
や(4d)式のような前駆体を単離することは困難なこ
と、(b).シリコーン樹脂の保存安定性を確保し、シリコ
ーン樹脂の使用に当たっての塗布溶液調製の容易さを確
保すること、を考えると、(4c)式や(4d)式で示
されるものは必ずしも好ましいとはいえない。そこで、
この出願に係る発明者は、好適な保護基により(4c)
式や(4d)式で示される前駆体のシラノールを部分的
に保護したものにより目的のシリコーン樹脂を構成する
という結論に達した。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】従って、この出願の第一発明のシリコン樹
脂(以下、「樹脂」と略称することもある。)は、下記
の(1)式で示される単量体単位、(2)式で示される
単量体単位及び(3)式で示される単量体単位のうちの
少なくとも2種の単量体単位の共重合体で構成したこと
を特徴とする。または、次の(α)式で示される単量体
単位及び(β)式で示される単量体単位の共重合体で構
成したことを特徴とする。ただし、式中Rは、例えば−
C(CH3 3 、−C(C2 5 )(CH3 2 などの
各種の第3アルキル基、α−フェネチル基などの各種の
1−アルキルフェニル基または1,1−ジアルキルフェ
ネチル基である。また、シラノール含有率(共重合体中
において、OR/(OR+OH)で示されるmol%)
は10〜90mol%である。この理由は、シラノール
含有率が10モル%より低いと加熱処理における縮合が
有効に生じず、90モル%より多いと保存安定性の点で
問題が生じることにある。ただしシラノール含有率を上
記範囲のどの程度にするかは、このシリコーン樹脂の使
用目的と保存安定性との兼ね合いを考慮し決定するのが
良い。例えば、この樹脂を後述の第二発明のように酸発
生剤と併用して用いる場合なら、このシラノール含有率
は10〜90モル%の範囲のうちの比較的低い値にでき
る。なお、この第一発明でいう共重合体とは、ランダ
ム、ブロック、交互のいずれの共重合体であっても良
い。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】この第一発明の構成によれば、シラノール
が部分的にSi−O−Rの形で保護された構造部分を持
つ共重合体から成るシリコーン樹脂が得られる。そし
て、この樹脂では、シラノール含有率を、10〜90%
と適正化してあるため、好適な溶剤による塗布溶液の調
製が可能になり、さらに、通常の保管状態においてシロ
キサンの生成は抑制されるので一定の状態の塗布溶液を
常時提供できる。このため、半導体基板上などに例えば
スピンコート法によりこの樹脂を塗布できる。なお、塗
布溶液調製用溶剤としては、ジメチルホルムアミド、2
−メトキシ酢酸エチル、メチルイソブチルケトン(MI
BK)、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセ
テート、ジオキサン等を挙げることができる。
【0018】さらにこの発明の樹脂では、シラノール部
分が適度な加熱処理により縮合する。この結果、上記
(4)式に示すようなSiO2 ネットワークまたはこれ
に近い形が形成されると考えられる。このため、比較的
低温の加熱処理によりSiO2の構造にきわめて近い構
造を有する硬化物が得られる。
【0019】なお、この第一発明のシリコーン樹脂(共
重合体)は、例えば、対応する保護基Rを有するモノシ
ランを加水分解することにより得ることができる。例え
ば、上記(1)式及び(3)式中の保護基Rがt−ブチ
ル基である場合のシリコーン樹脂は、ジアセトキシジ−
t−ブトキシシランを加水分解することによって得られ
る。また、第一発明のシリコーン樹脂のシラノール含有
率は加水分解の条件によって制御することができる。
【0020】また、この出願の第二発明のシリコーン樹
脂組成物(以下、「組成物」と略称することもある。)
は、第一発明のシリコーン樹脂と、照射される放射線の
作用により分解して酸を発生する酸発生剤とを含むこと
を特徴とする。ここで、放射線とは、光、電子ビーム、
X線、またはイオンビームなどをいうものとする。
【0021】この第二発明の構成によれば、この組成物
に放射線を全面照射した場合は、組成物各所で酸発生剤
が酸を発生しこの酸がシリコーン樹脂のO−R結合に作
用しこのR基を脱離させるのでシリコーン樹脂の側鎖は
ほとんどシラノールとなる。このような状態の組成物に
適正な熱を加えれば、シラノールの縮合が生じるので、
この結果、上記(4)式に示すようなSiO2 ネットワ
ークまたはこれに近い形が形成されると考えられる。こ
のため、SiO2 と実質的に同じ構造を有する硬化物が
得られる。この第二発明の場合、R基の除去が有効に行
なわれるので第一発明より良好なSiO2 化が期待でき
る。
【0022】上記(1)式及び(3)式中の保護基Rが
t−ブチル基である場合のシリコーン樹脂と酸発生剤と
を含む組成物における硬化の様子は、次の(5)式のよ
うなものと考えられる。
【0023】
【化7】
【0024】また、この第二発明の組成物に放射線を選
択的に照射すると、放射線照射部分の酸発生剤は酸を発
生しさらにこの酸がこの放射線照射部分のシリコーン樹
脂のO−R結合に作用しこのR基を切断するのでこの部
分にシラノールが生成する。このため組成物の放射線照
射部分ではシラノール同士の縮合が生じるのでゲル化が
起きるからこの部分は現像液に不溶化する。このため、
この組成物はネガ型レジストとして使用できる。
【0025】ここで、この組成物において、シリコーン
樹脂の放射線照射部分での上記不溶化は酸発生剤からの
僅かな酸が作用することで生じるから、当該組成物を露
光する際の露光量は酸発生剤から所望(触媒量)の酸を
発生させ得る露光量で良いことになるので、当該組成物
は高感度なものとなる。なお、この組成物の使用にあた
っては、当該組成物の皮膜に放射線を照射後、該試料を
加熱処理をすることにより、放射線照射部分における酸
発生剤の作用の増強を促すことができる。
【0026】また、この第二発明の組成物に含まれる酸
発生剤は、従来から知られている種々のものを使用でき
る。しかし、ハロゲン化水素酸はその触媒作用が弱いの
であまり適さない。例えば、下記の式(Ia)〜(Ik)で
示されるような各種のオニウム塩、下記の式(IIa )〜
式(IIc )で示されるような各種のp−トルエンスルホ
ナート、下記の式(IIIa)〜(IIIg)で示されるような
各種のトリクロロメチル置換トリアジン、下記の式(IV
a )または(IVb )で示されるような各種のトリクロロ
メチル置換ベンゼンなどは、ハロゲン化水素酸より強い
酸を発生するので好適である。
【0027】
【化8】
【0028】
【化9】
【0029】
【化10】
【0030】
【化11】
【0031】
【化12】
【0032】上述の酸発生剤は、市販されているか、ま
たは、例えばジェイ・ブイ・クリベロ(J.V.Cri
velo)等による方法[ジャーナル・オブ・ポリマー
・サイエンス、ポリマー・ケミストリー・エディション
(J.Polymer Sci.,Polymer C
hem.Ed.,18,2677(1980)]や[同
22,69(1984)]により合成することができ
る。
【0033】これらの酸発生剤は、用いるシリコーン樹
脂の重量に対し、0.01%以上添加することで目的の
酸の作用は得られる。しかし、その量が多過ぎると組成
物の塗布膜が脆弱になったりするので、0.01〜50
重量%の範囲、好ましくは0.05〜30重量%の範囲
の量で添加するのがよい。
【0034】
【実施例】以下、この出願の第一発明のシリコーン樹脂
の実施例と第二発明の組成物の実施例についてそれぞれ
説明する。しかしながら、以下の説明中で挙げる使用材
料及びその量、処理時間、処理温度、膜厚などの数値的
条件は、これら発明の範囲内の好適例にすぎない。従っ
て、これらの発明は、これら条件にのみ限定されるもの
ではない。また、以下の各実施例は、上記(1)式、
(3)式、(β)式中のRが−C(CH3 3 の場合の
例である。
【0035】1.第一発明の説明 1−1.第1実施例 上記(1)式で示される単量体単位、(2)式で示され
る単量体単位及び(3)式で示される単量体単位のうち
の少なくとも2種の単量体単位の共重合体(単鎖ポリシ
ロキサン)であってシラノール含有率が60mol%の
共重合体で構成されたシリコーン樹脂を次のように合成
する。
【0036】ジアセトキシ−t−ブトキシシラン5.8
g(20mmol)をテトラヒドロフラン(THF)1
00mlに溶解し、この溶液を0℃に冷却する。この溶
液にトリエチルアミン0.21g、水3.6mlを加え
る。これを室温で1時間攪拌した後、80℃の温度まで
昇温し12時間反応させる。これを冷却後これに水10
0mlを加えて、生成ポリマを抽出する。有機層を硫酸
マグネシウムで1夜乾燥した後、セライトを通して濾過
する。ろ液から溶媒を減圧留去して全量を50ml程度
にした後これをn−ヘキサン中に投入する。これにより
生じた沈殿を濾取すると2gの粉末が得られる。
【0037】この粉末の核磁気共鳴(NMR)では、重
DMF中、t−ブチル基に由来するピークがδ1.3
に、シラノールに由来するピークがδ4.0付近にそれ
ぞれ観測された。そして、両者の強度比は40:60で
あった。また、IR(赤外)スペクトルでは、波数11
50cm-1にシロキサンに基づく強い吸収が観測され、
波数1360、1390cm-1にt−ブチル基のC−C
結合の吸収が観測された。また、ゲル透過クロマトグラ
フィ(GPC)による分子量測定の結果はMw =260
00,Mw /Mn =1.8であった。
【0038】次に、この第1実施例のシリコーン樹脂の
30%(重量/容積%)ジメチルホルムアミド(DM
F)溶液を調製する。このように調製した溶液をシリコ
ンウエハ上にスピンコート法により塗布した後、このシ
リコンウエハを150℃の温度で5分間ベークする。ベ
ーク後のシリコンウエハ上の皮膜のIRスペクトルで
は、波数1100cm-1付近にシロキサン結合の吸収
が、波数1360,1390cm-1にt−ブチル基のC
−C結合の吸収がそれぞれ観測されたが、波数3300
cm-1付近にシラノールのO−Hに基づく吸収は観測さ
れなかった。また、この皮膜はベンゼン、トルエン、モ
ノクロロベンゼンなどの無極性有機溶媒、DMF、アル
コール、2−メトキシ酢酸エチルなどの極性有機溶媒、
水、塩酸などに全く侵されないことが分かった。これら
のことから、このシリコーン樹脂は加熱によりゲル化し
て一部SiO2 化されることが分かる。ただし、一部に
t−ブチル基が残存する。
【0039】1−2.第2実施例 上記(1)式で示される単量体単位、(2)式で示され
る単量体単位及び(3)式で示される単量体単位のうち
の少なくとも2種の単量体単位の共重合体(単鎖ポリシ
ロキサン)であってシラノール含有率が30mol%の
共重合体で構成されたシリコーン樹脂を次のように合成
する。
【0040】ジアセトキシ−t−ブトキシシラン5.8
g(20mmol)をTHF100mlに溶解し、この
溶液を0℃に冷却する。この溶液にトリエチルアミン
0.21g、水3.6mlを加える。これを室温で1時
間攪拌した後、80℃の温度まで昇温し6時間反応させ
る。これを冷却後これに水100mlを加えて、生成ポ
リマを抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで1夜乾燥
した後、セライトを通して濾過する。ろ液から溶媒を減
圧留去して全量を50ml程度にした後これをn−ヘキ
サン中に投入する。これにより生じた沈殿を濾取すると
2gの粉末が得られる。
【0041】この粉末のNMRでは、重DMF中、t−
ブチル基に由来するピークがδ1.3に、シラノールに
由来するピークがδ4.0付近にそれぞれ観測された。
そして、両者の強度比は70:30であった。また、I
Rスペクトルでは、波数1150cm-1にシロキサンに
基づく強い吸収が観測され、波数1360、1390c
-1にt−ブチル基のC−C結合の吸収が観測された。
また、GPCによる分子量測定の結果はMw =1200
0,Mw /Mn =1.4であった。
【0042】1−3.第3実施例 上記(α)式で示される単量体単位及び(β)式で示さ
れる単量体単位の共重合体(ラダーポリシロキサン)で
あってシラノール含有率が70mol%の共重合体で構
成されたシリコーン樹脂を次のように合成する。
【0043】テトラアセトキシシラン20g(76mm
ol)をTHF100mlに溶解し、この溶液を0℃に
冷却する。この溶液に、カリウムt−ブトキシド8.5
g(76mmol)をTHF50mlに溶解したもの
を、10分間で滴下する。次に、この溶液を1時間攪拌
した後冷浴から外し室温まで自然に昇温させる。次に、
この溶液の加熱、還流を12時間行なう。冷却後、TH
Fを減圧留去する。次に、これをメチルイソブチルケト
ン(MIBK)300mlに溶解した後、この溶液にト
リエチルアミン2.3gを加え0℃に冷却する。次に、
この溶液に水41mlを30分間で滴下する。この溶液
を1時間攪拌した後冷浴から外し室温まで自然に昇温さ
せる。次に、この溶液の加熱、還流を5時間行なう。こ
れを冷却後、これに水100mlを加えて、生成ポリマ
を抽出する。有機層を硫酸マグネシウムで1夜乾燥した
後、セライトを通して濾過する。ろ液から溶媒を減圧留
去して全量を50ml程度にした後これをn−ヘキサン
中に投入する。これにより生じた沈殿を濾取すると7g
の粉末が得られる。
【0044】この粉末のNMRでは、重DMF中、t−
ブチル基に由来するピークがδ1.13に、シラノール
に由来するピークがδ4.0付近にそれぞれ観測され
た。そして、両者の強度比は30:70であった。ま
た、IRスペクトルでは、波数1150cm-1にシロキ
サンに基づく強い吸収が観測され、波数1360、13
90cm-1にt−ブチル基のC−C結合の吸収が観測さ
れた。また、GPCによる分子量測定の結果はMw =4
2000,Mw /Mn =1.6であった。
【0045】2.第二発明の説明 次に、シリコーン樹脂と酸発生剤とを含む第二発明の組
成物の実施例について説明する。
【0046】2−1.組成物の調製 第一発明の第2実施例のシリコーン樹脂(シラノール含
有率が30モル%の単鎖ポリシロキサン)1.0gと、
酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフルオ
ロメタンスルホナート(上記(Ig)式で示されるも
の。)0.10gとを溶剤としての酢酸イソアミルに溶
解させ実施例の組成物(組成物の塗布溶液)を調製す
る。
【0047】2−2.SiO2 化の説明 次に、このように調製した組成物の塗布溶液をシリコン
ウエハ上にスピンコート法により塗布する。次に、この
シリコンウエハをホットプレートを用い60℃の温度で
1分間ソフトベークして、シリコンウエハ上に実施例の
組成物の厚さ0.5μmの皮膜を形成する。次に、この
皮膜全面に対しキャノン(株)製のPLA501アライ
ナにより出力500WのXe−Hgレンプ光を10秒間
照射する。その後、このシリコンウエハを150℃の温
度で5分間ベークして硬化皮膜を得る。
【0048】この硬化皮膜のIRスペクトルでは、波数
1100cm-1付近のシロキサン結合の吸収以外は認め
られなかった。また、この皮膜はベンゼン、トルエン、
モノクロロベンゼンなどの無極性有機溶媒、DMF、ア
ルコール、2−メトキシ酢酸エチルなどの極性有機溶
媒、水、塩酸などに全く侵されないことが分かった。こ
れらのことから、このシリコーン樹脂は実質的にSiO
2 に変化していると推察される。
【0049】さらに、この硬化皮膜を有するシリコンウ
エハを500℃の温度で2時間ベークしてもこの皮膜で
はクラックの発生は全く認められなかった。
【0050】2−3.レジストとしての使用例の説明 下層として厚さが1μmの熱硬化させたレジスト層(MP
1400-31 シップレー社製レジスト)をシリコンウエハ上
に形成する。次に、この下層上に2−1.項にて調製し
た組成物の塗布溶液をスピンコート法により塗布しこれ
をホットプレートを用い60℃の温度で1分間ソフトベ
ークして、下層上に実施例の組成物の膜厚0.2μmの
皮膜を形成する。
【0051】次に、この試料に、電子線描画装置(エリ
オニクス社製ELS3300 )を用い加速電圧20KVの条件
で評価用図形を露光量を変えて相当数描画する。露光済
みの試料をホットプレートを用い120℃の温度で5分
間ベークする。次に、この試料をDMFにより30秒間
現像し、さらにキシレンで30秒間リンスする。この結
果、皮膜の電子線非照射部分が現像液に溶解されたレジ
ストパターンが得られた。この試料から走査型電子顕微
鏡(SEM)用試料を作成してこれを観察したところ露
光量が1.5μC/cm2 で0.5μmのライン・アン
ド・スペースパタンを解像していることが分かった。
【0052】また、上述の手順に従い、シリコンウエハ
上への下層の形成、この下層上への実施例の組成物の
0.5μmのライン・アンド・スペースパタンの形成を
再び行なう。その後、この試料を、日電アネルバ製DE
M451と称するドライエッチャーを用い酸素ガス流量
50sccm、RFパワー密度0.12W/cm2 、ガ
ス圧力1.3Paの条件で20分間酸素プラズマエッチ
ングする。
【0053】このプラズマエッチング済み試料をSEM
により観察したところ、厚みが約1.1μmの0.5μ
mのライン・アンド・スペースパターンがほぼ垂直な形
状で形成されていることが分かった。
【0054】上述の2−2.項の説明から明らかなよう
に、この第二発明の組成物はSiO2 膜と実質的に同じ
膜の形成が可能なことが理解でき、また、2−3.項の
説明から明らかなように、この第二発明の組成物はレジ
ストとして及び酸素プラズマエッチングマスクを兼ねる
レジストとして使用可能なことが理解できる。
【0055】上述においてはこの発明のシリコーン樹脂
及びその組成物の各実施例について説明したが、これら
発明はこれらの実施例に限られない。
【0056】例えば、上述の各実施例では、(1)、
(3)、(β)式のRがt−ブチル基[−C(CH3
3 ]である例を説明した。しかし、(1)式中のRが他
の第3アルキル基、1−アルキルフェネチル基または
1,1−ジアルキルフェネチル基の場合であっても実施
例と同様な効果が得られる。
【0057】また酸発生剤は実施例で用いた以外の好適
なもの例えば上記の各例示のものとした場合も、上述の
実施例と同様な効果を得ることができる。
【0058】また、上述の第二発明の実施例では放射線
としてXe−Hgランプ及び電子線を用いて露光を行な
ったが、この露光に用いる放射線は、これに限られな
い。
【0059】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の出願の第一発明のシリコーン樹脂によれば、下地上に
塗布(例えばスピンコート)によりしかも比較的低温の
加熱処理でSiO2 膜に近い構造を有する耐熱皮膜を形
成できる。従って、例えば、半導体装置のパッシベーシ
ョン膜などをこのシリコーン樹脂により形成できるの
で、パッシベーション膜の形成工程の簡略化などを図る
ことができる。
【0060】また、この出願の第二発明の組成物によれ
ば、第一発明と同様若しくはさらにSiO2 膜に近い構
造の耐熱皮膜を形成できる。さらに、放射線の選択的な
照射を行なうことにより高感度のレジストとしても利用
できる。したがって、従来よりO2 プラズマ耐性が優れ
る2層レジスト法用のレジストとしても使用できる。ま
た、3層レジスト法用の中間層としても使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−70662(JP,A) 特開 昭63−77050(JP,A) 特開 平4−212160(JP,A) 特開 平5−216237(JP,A) 特開 平4−50947(JP,A) 特開 平5−188597(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(1)式で示される単量体単位、
    (2)式で示される単量体単位及び(3)式で示される
    単量体単位のうちの少なくとも2種の単量体単位の共重
    合体で構成したことを特徴とするシリコーン樹脂(ただ
    し、式中Rは第3アルキル基、1−アルキルフェネチル
    基または1,1−ジアルキルフェネチル基である。ま
    た、シラノール含有率は10〜90mol%であ
    る。)。 【化1】
  2. 【請求項2】 次の(α)式で示される単量体単位及び
    (β)式で示される単量体単位の共重合体で構成したこ
    とを特徴とするシリコーン樹脂(ただし、式中Rは第3
    アルキル基、1−アルキルフェネチル基または1,1−
    ジアルキルフェネチル基である。また、シラノール含有
    率は10〜90mol%である。)。 【化2】
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のシリコーン樹
    脂と、照射される放射線の作用により分解して酸を発生
    する酸発生剤とを含むことを特徴とするシリコーン樹脂
    組成物。
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